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【コンマ】崩壊した世界を旅する19【安価】
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514 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/13(日) 13:29:12.15 ID:uqBRCD2eO
【ランダムの「酒の細道」】
その3・ヒラメの薄造りと大吟醸
魔素が止まって30年と少しになる。段々と住める土地は広がっていき、イーリスやファルーダの辺りにも人が立ち入れるようになった。
沿岸部にも探索の手が広がっている。魚介類なんざ久しく出回っていなかったが一部では食えるようになった。
といっても、まだ相当高い。漁の技術も途絶えているから、良質な魚介はなおのこと貴重品だ。
それを上手く料理できる奴となると、さらに少ねえ。
「……で、俺を呼んだってわけか」
「すみません、ランダムさんしか心当たりがいないもので……」
俺の前には強面の男がいる。話してみると存外気弱なわけだが。
テルモンを中心に運送業と飲食業を手掛けているコバレフという男だ。
両親はシデたちと関わりのあった人間と聞くが、無論俺の素性は知らねえ。
目の前には平べったい魚がある。……これ何だっけな、ヒラメだったかカレイだったか?
「調査団の網にかかった魚なんですが、食べられるかを調べて欲しく思いまして。
もし量が取れるなら、流通に回したいと思ってるんですが」
どちらだったか全く自信がない。むむむと唸っていると、ある考えが思い浮かんだ。
いるじゃねえか。俺より海に詳しそうな奴が。
###########
「で、私たちを呼んだってわけ?」
少し不機嫌そうな顔でアリスが言った。随分と会っていないが、少女とまでは行かずとも20ぐらいにしか見えない。
「魚か、久し振りに見るのお」
その後ろから灰色の長い髪と髭の男が顔を出した。ヴォルガだ。こちらはほとんど変わってないな。
「悪いな、知識面じゃ俺よりあんたらだと思ってな。分かるかい」
アリスとヴォルガはテルモンの「ダリオ総合学院」の理事長と副理事長に納まっている。
たまに教鞭をとるらしいが、内容が専門的でついていくのが大変だとの噂だ。
それでもミドルの息子やアレスの娘など、優秀な人材も育っていた。
「簡単よこんなの。目が左側でしょ、ヒラメよ。
というか、魚介類取れるようになったのね。昔からほとんど獲れなかったって話だけど」
「推測じゃが、魔素の流出が止まって海の汚染も急激に改善したのじゃろうな。
これからは漁業も少しずつ盛んになるじゃろ。……というか、腹が減ったのお」
ヴォルガがヒラメの方をじっと見ている。アリスがはあとため息をついた。
「食い意地が張ったジジイだなあ。これ、食べられないの?」
コバレフは少し困惑していたが、俺が然るべき金は払うというと「料理法教えてくださいよ」と言って譲ってくれた。
「さて……場所変えるか。場所はどこがいい?」
アリスは少し思案した後言った。
「私たちの家でいいかな?ちょっと相談事もあるし」
515 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/13(日) 13:29:59.69 ID:uqBRCD2eO
本格更新は夜です。
516 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/13(日) 15:59:14.37 ID:Dt7VxAj0O
余談。ロールプレイその2です。
http://lousy.s53.xrea.com/cgi-bin/up/dat/lup12789.txt
*勝利*手前ですが、耐久力が……。★運命のオーブとか欲しいですねえ。
あと火力が微妙に足りないので、★エクスカリバー辺りが望まれるところ。
なお、プレイ時間が異常なことになっているのは数日間つけっぱなしで放置してしまったためで、実際は15時間ぐらいです。多分。
517 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/13(日) 16:51:37.71 ID:uUNj62n3O
ザックに入れっぱなしってのもなんかアレだし後日談でボレルさんに会いに行くとかどうかしら。シデたちは鉄塊の意味まだ知らんわけだしさ
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/13(日) 21:57:45.14 ID:0QXuNT1yO
世界救った後のシデの話をリクエストしてみる。本編では結局使う機会のなかった時間遡行はどうしてるんだろ。あとプレーンウォークとかも。
519 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/13(日) 22:56:15.69 ID:DdJmSYGtO
ダナのギガブレイクも地味に使われてなかったりする…唯一使われそうなタイミングですら線切りを優先されたと言う(しかも5発ヒットのクリティカル)
520 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/13(日) 23:03:55.20 ID:AMGYa3DUO
再開します。
>>517
ボレルはジャック編で少し出す予定です。
>>518
うーん、どうでしょう。シデよりもミドル一家の方が書きやすい気がします。やるならR板ですかね。
なお、シデは医術の祖的な役割も担うわけですが、治療の過程でこっそり時間遡行とかは使っていたかもしれないです。
(ちなみに、本文中でも記述があったかもですが、シデの父が「偉大なる癒し手」と呼ばれたのはこの力を使っていたからです)
521 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/13(日) 23:48:04.97 ID:AMGYa3DUO
##########
アリスたちの家は、テルモン郊外にあった。質素なその家は、この世界で最大の学術機関の長の家とは到底思われないだろう。
「ウィルコニアに永くいすぎたせいか、こういうロハスな暮らしに憧れてたのよね」とはアリスの弁だ。
「あ、お母さん。お帰りなさい」
出迎えたのは10歳ぐらいの少年だ。お母さん?
「ああ、私の息子よ。旦那も中にいるわ」
「旦那って……ヴォルガじゃないのか」
「あー、ないない。こいつは単なる後輩よ。それに、研究馬鹿のジジイはさすがに恋愛対象にはならないわ」
ヴォルガはホッホッホと温和に笑っている。まあ、この見た目でこの子の父親やってたら驚くわな。
家の中身は外見通り質素だが、所々この世界のものではない機材がある。PCか。
「シデさんに頼んで、ウィルコニアから持ってきたのよ。接続はウィルコニアに繋がってる。
あそこ、まだ生きてるからね。『穴』の研究と『結界』の監視が、ここからでもできるようにしてるってわけ。
あ、ヒラメは私が捌くわ。何かリクエストある?」
「んー。ああ、今酒持ってきてるんだよ。『日本酒』。分かるかい?」
「『ニホンシュ』……あー、『サケ』ね!ここでそんな単語聞くとは思わなかったわ。
まさかこの時代でも作られてるの?」
「いんや、俺がオルドの所にいた時、趣味で奴のデータベースから酒関連のデータを片っ端から抜き取った。
ハッキングだけは奴にも負けねえ技量があったからな。んで、それを上手い事復元したってわけよ。
製法もブランドごとに忠実に再現してある。だから、味は問題なしだ」
アリスの顔が明るくなった。こいつも実は飲める口だったか。
「それなら素材の味を生かしたのがいいわね。カルパッチョでいい?」
「あー、構わねえよ。白ワインでもいいが、日本酒でも十分だろ」
奥の方から、30ぐらいの優男が顔を出し一礼した。……どこかで見覚えがあるような。
「旦那は普通の人間だよな。……実年齢ウン万歳のお前が、よく誰かとくっつく気になったな」
「……うっさいわね。ヘルラ副船長の息子じゃなかったら、蹴っ飛ばしてるところよ。
まあ、年齢と言っても寝てる時間が随分長かったからね。
世界崩壊直前にテロメア延長の施術をオルドに受けさせられたから、恋とか何とか知る暇もなくこうなっちゃったし」
「……お前さんも難儀してるんだな」
俺は苦笑した。俺ら「一族」もそうだが、アリスも普通の人間とは全く違う。
しかもその人生の大半を、「穴」に縛り付けられてきた。ある意味、本当の意味の人生を送った時間はアリスもヴォルガも短いのだ。
「あんたはどうなのよ。『一族』なのに、人間とそんなに付き合ってていいの?」
「俺は元よりそういう役割だからな。酒、たまに娼婦。そして旨い食い物。それだけありゃ十分だ」
アリスはふうと息をついて、「あんたも大概に変わってるわね」とこぼした。
522 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/13(日) 23:48:44.85 ID:AMGYa3DUO
###########
「じゃあ、20年ぶり?ぐらいの再会を祝して。乾杯」
チンとグラスが鳴った。ヴォルガは「わしは下戸じゃからの」とお茶での乾杯だ。
目の前にはヒラメのカルパッチョ、それと……ドレッシングのかかってない薄造りがある。
「こいつは……?」
「ああ、その塩を少しつけて食べて。本当は醤油がいいんでしょうけど、そんなものこの時代にはないし」
見ると、塩にレモンが添えてある。……こりゃいける。
「旨いな。塩の方が、ヒラメの甘味が引き立っている気がするぜ」
「ありがと。私とヘルラ、地中海沿岸の出身だったからね。魚介の扱いは、ママたちから教わってたのよ。
……って地中海って言って、あんた分かったかしら?」
「ああ、俺はいいぜ。何故か生まれた時から知識はあったから。
お前の旦那はぽかーんのようだが」
アリスは気付くと、旦那に向けて「ごめんっ!またやらかしちゃった」と謝る。
彼は「いや、アリスさんのことはちゃんと分かってるから」と困った風に笑っている。
「随分ベタぼれだな。いや、本当にどうして所帯を?」
「この子……ヴリンってんだけどね。私の教え子なのよ。
まあ優秀なんだけど、それ以上に私の気持ちを察してくれるのよね。……この子と会って、やっと『孤独じゃない』って思えたのよ」
※40以上で追加情報
523 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/13(日) 23:49:50.50 ID:PgZiaKvso
あ
524 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/13(日) 23:49:52.41 ID:Wx1zU0yn0
や
525 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/13(日) 23:59:57.20 ID:KlwVofN7o
なるほどシデが時々治療の際にやってた超回復は無意識に時間遡行を使ってたわけか
526 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 00:12:27.20 ID:TPSF6JeyO
※追加情報あり
俺はヴリンというアリスの旦那の顔を見て、誰に似ているか思い出した。ジェイクだ。あいつの息子、というわけか。
ジェイクの能力はブレイズからの借り物と聞いたが、今のアリスの言葉からしてちゃっかり遺伝していたらしい。
本人に気付かれず精神感応術を使うのは、相当な技術のはずだ。
ヴリンは俺の思考に気付いたのか、軽く頭を下げた。
アリスは寿命以外は普通の人間だから、多分ヴリンの力は知らない。
あるいは知っていて受け入れているのかどっちかだろう。前者な気はするが。
俺は静かに笑って酒を飲んだ。旨い。
「……にしても、このお酒美味しいわね。すごくフルーティで、しかもしっかりとした旨味がある。
『大吟醸』っての?これ」
「『十四代龍泉』って酒だ。日本酒の中でも最高峰だぜ」
「本当に美味しいです。お酒が苦手な僕でも、これは飲めますよ」
蚊帳の外に置かれたヴォルガが「うーん、飲みたいのお」と言っていたので少しグラスに注いでやった。
「……で、悩みって何だい。家庭……のことじゃねえよな」
アリスは頷いた。
「もう学院ができてから、30年でしょ?そろそろ、潮時かなって思って。
……ああ、教えるのが嫌とか、そういうんじゃないのよ。ただ、私の外見が……ねえ」
「ああ……確かに」
彼女の外見は20そこそこにしか見えない。30年ちょい前に学院の理事長になった時も、「こんな子供が?」と一悶着あったのを覚えている。
その時はシデとダナがごり押ししたのだが、30年もたっているのにほとんど年を食っていないのは、さすがに異常と思われるだろう。
「ヴォルガは、まだごまかせるのよ。元がジジイだし、年齢が55から85になりました、と言っておけばまだ通じるから。
私はそうはいかない。実際、一部からは怪しい目で見られ始めてる。
シデ君たちがとりなしてはくれるだろうけど、ちゃんと後任に道を譲って、隠居しようかなってね。研究は、家でもできるし」
「確かにな。『一族』も地上とは不干渉のスタンスになったわけだし、『ウィルコニア』の存在も機密にしたいってのはよく分かるぜ。
不穏因子を出さないためには、賢明な考えかと俺は思うがねえ」
「そうなのよ。でも、まだ教えなきゃいけないことはたくさんある。……ヴォルガが理事長、って柄でもないしねえ。それもそう続けられないでしょうし」
※20以上でイベント続行
527 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 00:13:56.36 ID:pWiDcBAm0
や
528 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 00:21:20.47 ID:TPSF6JeyO
※イベント続行
「じゃあ、僕がやりましょうか?」
ヴリンが手を上げた。……なるほどな。
「えっ、大丈夫なの?確かに教え方が上手いって評判ではあるけど」
「事前にある程度アリスさんが教えてくれれば大丈夫ですよ。そこは心配しないでください。
あまり専門的なのは、それなりの準備期間がいりますけど……」
ヴリンは精神感応術でアリスの思考を読み取り、それを教壇で伝える考えらしい。上手くしたものだ。
「うん、分かった。ヴリンがそこまで言うなら。
後は、隠居先ね。ここでも構わないけど……」
※自由安価でアリスの隠居先を示してください。
明日夜更新まで受け付けます。
※ぶっちゃけた話どこでもそう変わりはないのですが、500年後の続編に少し関わります。
「できるだけ安全そうな場所」を考えてみてください。
529 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 00:23:16.82 ID:TPSF6JeyO
今日はここまで。
明日はアリス編を終わらせて、ジャック編の導入という感じでしょうか。
しかし軽いノリになるかと思ったら、思いのほか話が全うな方向に…。
ジャック編は誰を語り部にするか検討中です。ランダムも出すのでこの番外編のノリでもいいのですが。
530 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 00:25:23.34 ID:yGiKqvSrO
ちなみに、十四代龍泉は20万以上するらしいです。
通常の十四代は飲んだことがありますが、さすがにこいつは無理です。
531 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 00:28:26.88 ID:pWiDcBAm0
アンバライト組は汚染された土地の浄化を促進させる役割を担えないかしら。
532 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 00:35:11.85 ID:yGiKqvSrO
>>531
土壌の問題ですから、魔素を吸いとろうにも限度があるってわけです。
水ならある程度吸収できますが、それでも一個人ができる浄化などたかが知れているとご承知して頂ければ。
あと、ブランドは今後のことを予期して何かやってますし、ジャックはそのうち分かりますが汚染地域に行けない理由があります。
533 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 00:43:31.37 ID:GLCjyPBcO
魔素って魔翌力の源みたいなものなんだっけ、やっぱり浄化進むにつれて魔法の影響力は弱まって行くのか?最悪使えなくなる可能性も
534 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 00:48:47.66 ID:HS4jou9uO
>>533
その通りです。魔法を使える人間は徐々に限られた人間だけになります。
後世では魔術師は別途コミュニティを作って活動しています。
ただ、続編スタート時では……
535 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 03:46:52.79 ID:4vdcfRVJO
乙
安直に考えるなら後世では三大都市の一つになってるであろうアングヴィラかな?
三大都市の中では田舎寄りなイメージあるし
人をもっと避けたいとか秘密裏にいくならアングヴィラから近いサラスとか?
536 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 08:47:29.20 ID:YZOZGbH3o
ドワーキンとかメイドは、コーウィンが亡くなった後は何やってんだろ
537 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 08:50:09.58 ID:68lZArvEO
>>536
世界に散り散りになってます。……あの戦闘で生き残ったメイドは少ないですけどね。
ドワーキンは、500年後にも出ます。
538 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 13:39:42.69 ID:ICAYqbMmO
地上ならアングヴィラ近辺、穴の中なら38階層かなぁ
ウィルコニアの問題は一族ともかかわってくるしいざという時近くに一族がいるのは心強いと思う
度々
>>1
が言及してたけど、弱点看破は確かに強すぎた感あるな。属性弱点はともかくとして、部位弱点を1発も外さずに狙うってのは描写的に少し違和感あるし(というか敵側も弱点を多少なりと庇おうとはするだろうし)看破に成功してたら弱点を突ける可能性が出来るくらいでよかったのかもな
539 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 14:25:42.44 ID:p64xIOfAO
コールドスリープ抜きにしても120年近く少女の姿だったのに30年そこらで二十歳手前くらいまでに成長したのか?
540 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 16:19:12.56 ID:68lZArvEO
更新は多分夜です。
>>539
魔素が止まったことで老化が少し早まったというのはあります。
ラジウム泉が人体に有益であるように、魔素(オルディニウム)も特殊な操作を受けた人間には有益であった、というわけです。
世界崩壊前のオルドは、その意味で歴史的発見をした偉大なる科学者であったわけです。
541 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 21:34:55.27 ID:uzYoF7pIO
再開します。
542 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 21:52:30.44 ID:uzYoF7pIO
「そうさな、ここよりはアングヴィラ……いや、あそこも大分人口増えているからな。
その近くのサラス辺りが無難だろう。あそこならゆっくりできるはずだぜ」
「……テルモンからは大分遠いわね」
アリスの表情が少し陰った。夫と離れるのはさすがに堪えるのだろう。
「まあ、そう言うと思ってな。これを渡しておく」
俺はポンと薄い板を渡した。もう一枚はヴリンの手に置く。
「……これは、『電話』?」
「その通り。プレーンウォークは誰にでもできるもんじゃない。『一族』とその近い親族以外ではシデとジュリアしかできねえ。
だが、互いの『電話』の位置情報を登録しておけば、もう片方の『電話』の持ち主の居場所に移動することは可能だ。
魔素は薄まっているが、まだこの機能は全然使えるはずだぜ」
アリスは見た目相応の、素直な笑みを浮かべた。
「ありがと。……前時代の遺物も、捨てたもんじゃないってことね」
「まあな。元々、大半はそういうものだったはずだ。……魔素――オルディニウムだって、本来望まれていた使われ方をしていれば違ったんじゃねえか」
アリスは考え込んでいる。そこにヴォルガが口を挟んだ。
「オルドは……元々は邪悪な男じゃなかったはずじゃ。少なくとも、わしが研究員として入った時は。
あれには、何かがあるんじゃろう。人の心を狂わせるに足る何かが。
わしらは鉱石自体を直に研究していたわけじゃないが、多分、そういうことだと思うぞ」
「かもな。……一つ聞きたい。ベネディクトやケインは、どこまでオルディニウムについて知っていたんだ?」
※10以上でベネディクトについて、70以上でケインについての情報あり
543 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 21:53:40.36 ID:ZnTcNR9so
はい
544 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 22:19:02.99 ID:uzYoF7pIO
「ベネディクトは知っていたはずよ。……あいつは、サロメが何をやろうとしているかを知っていて、しかもそれに共感すらしていた。
オルディニウムについても、積極的に知ろうとしていたはず。……純度の低いオルディニウムも、持っていたと思う。
サロメの協力とウィルコニアの情報だけじゃ、『作り物』は作れないの。特に『終末兵器』は。
あの動力は、オルディニウムなのよ。その変位体であるアンバライトじゃ、あの出力は出ない。
ケインは知らないわ。誰かが言ってたけど、オルディニウムによる半ば先天的な人格異常なんじゃないかしらね」
「つまり、オルディニウムは今でもどこかで手に入る可能性がある、ってことか」
俺の背中に嫌な汗が流れた。
「分からないわ。それを知るかもしれない二人は既にこの世にいない。
まあ、人間が近づいてもそこから漏れる魔素で即死でしょうし、『一族』でも永くはもたないでしょうけど。
それに、あれは地中5km以上の深層にしか存在しない。今地上に魔素漏れが起きてないことを鑑みれば、杞憂でしょうね」
「……ならいいんだがな」
今の所、地中5kmなんて穴を掘る技術は人類にはねえ。「穴」にしても、第四十九階層に行こうなんて酔狂はいねえはずだ。
だが、不安要素ではある。アリスの言う通り、まず起こり得ない杞憂と言っていいんだろうが。
###########
俺はその後しばらくして、アリスの家を辞した。その後の会話は、孫をかわいがるジェイクとリリアの近況や、
父親と同じく女難の相があるミドルの息子の笑い話が中心だった。飯も酒も旨い、いい酒宴だった。
だが、どうしてもオルディニウムの話だけが引っかかった。
世界に不穏因子は、今のところいない。オルディニウムの話だって、すぐにどうこうって話にはまずならねえだろう。
それでも、喉に刺さった骨のように、この話の嫌な後味は残った。
……俺はこの時の会話を、470年後に思い出すことになる。
545 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 22:21:14.23 ID:uzYoF7pIO
次はジャックの死になります。
先だって、誰の視点でやるかを募集します。
1 シデ
2 ミドル
3 ライラ
4 ランダム
安価下5多数決でお願いします。考察は特に要りません。
多分、書きやすさでいえば4>2>1>3かなと。狂言回し役としてランダムは使いやすいんですよねえ。
546 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 22:26:46.28 ID:pWiDcBAm0
4
547 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 22:31:08.07 ID:0Ee9Tj61O
ランダムは500年後も会えるしせっかくだからシデ
548 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 22:33:41.82 ID:ZnTcNR9so
2
549 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 22:36:33.57 ID:tpFOv98DO
ここはライラかなぁ 弟子からの視点で見たい
550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 22:37:12.96 ID:0zj3Wu6BO
ライラ
書きにくいと宣言されているところ申し訳ないが、やはりジャック関連ではライラの心情が知りたい
551 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/14(月) 22:41:43.21 ID:uzYoF7pIO
ライラで決定します。ウェットな文章が苦手なのですが、頑張ります。
構成など練りたいので、今日はここまで。
ジャック編が終わったら、R板編含めて次のお題を募集します。
今月下旬ぐらいをメドに、続編「崩壊する世界を旅する」を始めます。
なお、予告しますが「??」が再登場する予定です。フルネームで。
552 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 22:56:49.59 ID:tMW9MZ/6O
アレス関連みたいなあー
仇とった報告の件もあるけどハーレムの行く末とか純粋に興味あるw
553 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 22:58:00.74 ID:tpFOv98DO
乙乙
554 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/15(火) 09:11:13.51 ID:V/U6qSpi0
ナーミ達のその後とか気になる。
これはリクエストじゃないけど、コバレフの親って誰?
555 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/15(火) 13:46:14.56 ID:MnWXbaKCO
>>554
サーリャとホッズです。
あと、本編やる前に少し決めます。
ジャック編は……
01〜30 EDから1年後
31〜70 EDから3年後
71〜90 EDから5年後
91〜98 EDから10年後
99、00 EDから20年後
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/15(火) 13:53:54.57 ID:sly0Q1H9o
あ
557 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/15(火) 13:56:22.35 ID:MnWXbaKCO
3年後ですね。本編再開は9時以降。
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/15(火) 16:08:43.52 ID:ba8HJplz0
苦手の文章って悩むよなー
人のを参考しようとして、いざ書こうとしても悩むっていう
それにしても続編始めるのありがたくて楽しみなんだけどこんなに早く再開しちゃって大丈夫?
559 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/15(火) 20:34:00.76 ID:WxdXOdEkO
しばらくしたら再開します。
山中は衰えですかね。ソリス戦でその兆候はありましたが、ネリのスイングに反応できてなかった辺りどうしようもなかった気が。
再起は難しいでしょうが、とにかくお疲れさまでした。
560 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/15(火) 20:57:51.26 ID:WxdXOdEkO
>>558
別の話を構想していたのですが、上手い具合に続編として成立することに気付いたのが大きいですね。
蛇足にはならないと思います。多分。なお、その伏線を今回張る予定です。
なお、ウェットな文を書くのが苦手なので、その克服のために本作を書いたという面はあります。
カラカラに乾いた刑事モノとかが一番書きやすいのですけどね。
561 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/15(火) 21:31:21.01 ID:WxdXOdEkO
葬式というものは、人が死んでから行うものと相場が決まっている。
だが、人が死ぬ前、それも「死ぬと決まっている日」に行われる葬式は、ほとんど前代未聞のはずだ。
これは、そんな奇妙な葬式の話だ。
【長いお別れ】
562 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/15(火) 21:47:37.07 ID:WxdXOdEkO
「よう、来やがったな」
ベッドの上で軽く手を上げる、小柄で痩せた男がいる。声は細いが、まだしっかりしていた。
「お師匠……本当に今日なんですか」
「ああ。俺の心の臓が、そう言ってる」
ベッドの横には、酒の入ったグラスと紙巻きたばこ。「別に吸ったり飲んだりするわけじゃねえ、雰囲気だ」とお師匠は笑う。
あたしは唇を噛んだ。……仕方ないこととはいえ、お師匠の命を絶つ原因は、あたしたちが作った。
それしか、あたしたち、そして世界が救われる手段はなかったといっていい。
でも、いざ別れの時を前にすると……言葉が詰まった。
「いいんだって。本来ずっと前に終わってた命だ。
この3年は、本当に楽しかったぜ。……湿っぽいのはよそうや」
お師匠……ジャック・オルランドゥはからからと笑った。
#########
お師匠の命が残り少ない、と聞いたのは1年ほど前だ。
ダリオさんが魔素の流出が止まって1年半で死んだ時に、覚悟はしていた。
それでも、魔力制御装置が新しくなったことから、お師匠は大丈夫だと、どこかで思っていた。
だが、シデさんがジャックさんを診た時、その甘い願望は打ち砕かれた。
『魔素の流出が、身体の維持の前提になっていたようだ。
わずかな魔素の減少でも……この身体はもたない。すまないが……もって1年だろう』
その言葉を聞いた時、あたしは初めてシデさんに掴みかかった。
嘘だ、冗談でしょ、信じたくない……一通り取り乱し、ミドルとジュリアちゃんに取り押さえられた。
そして、人生で一番泣いた。いや、同率一位、だろうか。
それは、あたしの弟が死んで、救えなかったのを知った時。
あたしは、無力だと改めて思い知らされた。
563 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/15(火) 22:11:33.61 ID:WxdXOdEkO
ひとしきり泣いた後、あたしはお師匠の所に行くことにした。
ミハイルと生まれて間もないジャクリーンをミドルたちに預け、わざわざ一人でモリブスに行った。
お師匠がどう受け止めているのか、知りたかったからだ。
久々に来たお師匠の家は、嘘のように片付いていた。
『よう、どうした』
くわえ煙草でお師匠が現れた時は、驚いたというより拍子抜けした。
シデさんから、自分の身体のことは聞いていなかったのだろうか?
『お師匠……身体は』
『ああ、死ぬんだろ?一年後に。覚悟は決めてたさ』
魔素を止め、サロメを倒した後にその後に起きうることはお師匠に伝えていた。
その時も、お師匠はさして驚いても落胆もしていなかった。
『どうして……どうしてそんなに冷静でいられるんですか!?
死ぬんですよ??もう会えないんですよ??』
お師匠は苦笑した。
『まあ、そうだな。だが、人はいつか死ぬ。そして、俺は一回死んでるんだ。
言ってみれば、『ジャック』に戻ってからの人生はおまけの人生みたいなもんだ。
だから、こんだけ穏やかな死を迎えられるなら、悪くねえと思ってるんだぜ』
あたしは、納得できなかった。あたしに会えないことに、お師匠は……無念さを感じてないんだろうか??
『納得できねえ、って顔をしてんな。来なよ。ちょっとゆっくり話をしよう』
##########
「湿っぽいのはよそう、ですか……。頭では分かってるんですがね。
そういうのは、1年前にやっちゃいましたし」
あたしはふうと長い息を吐いた。
「違いねえな。あ、『宿題』どうした?」
「……あんなの1年でできるわけないですよ。あと20年はかかりそうです」
「はっは。そんなに楽はさせねえよ。俺が生きていた『証』を作るんだ、簡単なもんじゃねえ」
あたしは苦笑しながら、バッグから一冊の本を出した。
「それでも、何とかこれだけは。『魔道百論〜序論〜』です。ちょっと読んでみてくれません?」
お師匠はパラパラとそれを流し読みした。そして少し首をひねる。
「……お前、これ一人でやったんじゃねえな」
「バレました?ジュリアちゃんとリリアさんにも協力をお願いしているんです。
できるだけ質の高いものにしようと思ったら、あたしだけじゃ無理だと思って」
お師匠は微笑んだ。
「まあ、そんなことだろうとは思ったぜ、アホ弟子。
だが、許してやる。魔素が消えゆく中、魔術の在り方を一から百まで記録して魔道の道をつなげ、と言ったのは俺だからな。
基本ほとんどお前が書いているようだし、完成度を高めるならそれもありだ」
あたしは安堵した。怒鳴られることも、少しは想定していたからだ。
「まあ、この感じだとまだ先は長いですけどね。
まとまったら、魔道学院でも開きますか?『ジャック魔道院』とか、『オルランドゥ魔道院』とか」
「よせよ、俺の名は入れてくれるな。恥ずかしいだろうが」
お師匠は、青白くなった顔を赤くした。その時、ノックの音が飛び込んできた。
「あたしよ。入っていい?」
564 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/15(火) 22:52:17.39 ID:WxdXOdEkO
「おお、いいぞ」
入ってきたのは、デアドラさんだ。足元には、耳の先が尖った小さな男の子がいる。
「あら、ライラさん。1年ぶりね」
「ええ。お葬式前の、最期の面会ってことで。……おっきくなりましたね」
男の子はどこかお師匠似だ。生意気そうなところが特に。
「ええ。……こらシェイド、挨拶はどうしたの?」
シェイドと呼ばれた男の子は、いやいやをしてデアドラさんの後ろに引っ込んだ。デアドラさんが眉をひそめる。
「ちゃんとご挨拶しないとダメよ?……ったく、頑固なところは、誰に似たのやら」
「さあ、誰だろうなあ。……まあでも、こいつなりに察してるのかもな」
デアドラさんの表情が曇った。さすがに2歳の子に、人の死は理解できないだろう。
だが、少なくとも、もう父親に会えないのだろうというのは分かっているのかもしれない。
「そうね……。今日が、最期ですものね」
「シェイドの成長を見届けられなかったのは、たった一つの心残りだな。
だが、子を残すことなどないと思っていたからな。天国のあいつには悪いが、お前には本当に感謝している」
天国のあいつ……あたしの叔母さんに当たる人か。
ほとんど会ったことはなかったけど、穏やかな人だったとは聞いている。
デアドラさんと、どこか似た人だったのかもしれない。
「ありがと。……随分長く生きたけど、この3年は一番幸せだったわ。
ライラさんも含め、あなたが生きていた証はちゃんとある。シェイドのことは、任せといて」
お師匠とデアドラさんは、封印後も一緒に暮らしていた。夫婦になるのは、自然な流れだっただろう。
すぐに子供ができたことに、二人はとても喜んでいたらしい。
特にデアドラさんは「絶対にないと思ってた」と驚いていた。これも、魔素が止まった影響なんだろうか。
「ああ。シェイドは、ここで育てるんだよな?」
「ええ。ただ、随分永く生きそうだからどうするかはじっくり考えるわ。
私もコーウィンお兄様がいた、アヴァロン邸に行くかもしれない。
メイドは世界に散り散りになっちゃったし、探して集めないといけないけど」
コーウィンさんの所にいたメイドは、人工的に作られた存在であるらしい。
寿命も人間よりは長いようだ。「混乱の種になるかもしれない」と、シデさんが情報収集を急いでいたのが思い出される。
ただ、ドワーキンさんの行方は、未だに分からなかった。
「そうか、『一族』の親族も大変だな。……さて、お前と話す時間も、残り少ないな。何か、言っておくことはあるか」
※安価下5ぐらいで募集します。適切かつ面白いものを採用します。
※1年前の昔話はこの後にちゃんとやりますので、ご安心を。
565 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/15(火) 23:32:07.19 ID:8jEFDV5MO
明日夜までにします。本日も早いですがここまで。
566 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/16(水) 00:05:15.92 ID:JMP6I31NO
日付が変わったので上げます。
あと、選択制にします。
1 いえ……特には
2 ベネディクトに捕まっていた時の記憶、あるんですか?
3 この1年、何をしてました?
4 蔵書、どうしましょう?
5 怖くはないんですか?
6 エリックの行方、知ってますか?
7 その他自由安価
※続編への伏線になりうるものもあります。
567 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/16(水) 00:05:41.61 ID:JMP6I31NO
※明日21時ぐらいまで多数決です。
568 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/16(水) 01:45:47.41 ID:8pihy38+O
上げます。
569 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 02:48:10.49 ID:tGNrXZyCO
伏線云々なら6かな
570 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 03:39:42.94 ID:ItZIBQLe0
オルディニウム関連なら2も怪しい。2
571 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 03:55:52.18 ID:s5MwAo6CO
6
エリックは続編でジェラード的な位置になりそうだし
572 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 07:49:09.72 ID:d661DVdYO
2
ベネディクト関連はもうジャックからしか聞けなさそう
573 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/16(水) 10:38:55.27 ID:vk4MZb95O
もう一度上げます。
574 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 12:09:04.47 ID:TDfvoy9LO
2
ジャックしか知らなさそう
575 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 13:32:22.28 ID:btuY3UdY0
2
576 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/16(水) 15:28:50.62 ID:8pihy38+O
現在2に4票、6に2票です。情報が得られるかはコンマ次第です。
2100までで最多票を採用します。
577 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/16(水) 22:01:18.18 ID:VPzyWq1hO
再開します。
578 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/16(水) 22:04:19.21 ID:VPzyWq1hO
「そういえば……ベネディクトに捕まっていた時の記憶、あるんですか?」
あたしは、前から疑問に思っていたことを聞いた。お師匠は、かつて「シャドウ」という名の「作り物」だった。
ベネディクトがやっていたことを、少しは知っているのだろうか?
※40以上で僅かに記憶あり、70以上で部分記憶あり
579 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 22:06:51.46 ID:jY+Hq9IOo
はい
580 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/16(水) 22:24:24.65 ID:VPzyWq1hO
「いや、前にも言ったが、ほぼ記憶はねえんだ。だから、ベネディクトが何を俺にしたか、奴が何を考えていたかは分からねえよ。
だが、実はごく最近、思い出したことがある。といっても俺の『生前』のことだがな。
俺は魔候国の駆け出し魔術師だった。細かい記憶は消し飛んじまったが、確かそうだ。
で、ある時上から指示が出たんだよ。第十三階層に行けって、な」
第十三階層?それは……!?
あたしの顔色が変わったのを察したのか、お師匠が頷いた。
「そうだ、ベネディクトの研究施設があった所だ。そこから先の記憶はねえが、今にして思えば、ケインの差し金だったんだろうな」
ベネディクトとケインは繋がっていたとは知っていたが、こんなところにも爪痕を残していたとは。
「もし、ケインがいなければ……どうなっていたんでしょうね」
「さあな。……多分、エリックに反旗を翻すこともなく、平凡な魔術師で終わっていたかもな。
だが、だからこそお前らに会えた。ある意味、ベネディクトとケインには感謝すべきなのかもな」
お師匠は、あたしとデアドラさんを見て笑った。……あたしは、目に熱いものが込み上げ始めているのを感じた。
……泣くな。笑って送り出してやらなくちゃ。
「……さて、葬式の時間だ。会場に戻んな。デアドラ、準備を」
デアドラさんは少し目元を拭って「はい」と答えた。
……誰も体験したことのない「葬式」が、始まろうとしていた。
※70以上で追加イベント
581 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/16(水) 22:27:55.31 ID:Vw+XRwEDO
は
582 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/16(水) 22:49:58.59 ID:VPzyWq1hO
※追加イベントなし
#########
「只今から、ジャック・オルランドゥの『臨終葬』を行います」
ユミナさんが、静かに式の始まりを告げた。出産されてまだ間もないと聞いているけど、相変わらず美人だ。
式にはシデさん一家やジェイクさん一家、そしてあたしたちと限られた人だけ呼ばれていた。あと、ランダムさんもいる。お師匠も酒好きだったからな。
教会の雰囲気は、やはり重苦しかった。これから人が一人、ここで死ぬのだ。
中央には、お師匠が寝ているベッドが置かれている。お師匠の顔色は、一層青白くなっているように見えた。
「……最後の挨拶は、どうだったかい」
ミドルが小声で聞いてきた。もう20手前になって顔は大人びてきたが、背だけは結局伸びていない。
「あまり、大したこと話せなかったよ。……宿題が終わりそうもない、って話だけで」
「……そっか。でも、一年前に覚悟は決まってたからね。僕たちにできるのは……送り出してやることだけだ」
ミドルは少し宙を見て、自分に言い聞かせるように言った。
そう、一年前に泣くだけ泣いた。そして、心に誓ったのだ。お師匠が生きていた証を、残すのだと。
583 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/16(水) 23:29:31.49 ID:VPzyWq1hO
########
一年前。お師匠の所に押し掛けたあたしを待っていたのは、見違えるほど整理された本棚だった。
『整理整頓は大の苦手だったからな。デアドラに手伝ってもらった。あいつ、俺と違って几帳面もいいとこだからな』
居間に通されたあたしは、お師匠と向かい合って座った。
『どうしてそんなに冷静でいられるか、か。……一度死んだ命だからかね、どこか達観しちまってるのかもしれねえ。
デアドラも少しそういう所がある。あいつと同じ時を歩めないのは、はなから分かってたからな。だから、取り乱すお前の反応が、多分正しいんだろう』
お師匠は、煙草をすっと吸った。白煙が口から一筋立った。
『ええ。……あたしにとって、お師匠は最大の恩人です。今のあたしがこうしているのは、お師匠のお蔭です。
……お師匠がいなかったら、あたしは……間違いなく……幸せになんてなれてなかった。
だからっ、お師匠と二度と会えなくなるのが、辛くてたまらないんです!その気持ち、分かります??』
あたしは、後半から涙を流しながら言った。あたしは、無念だ。そして、無力だ。
嗚咽に咽ぶあたしに、お師匠は、優しく頭を撫でた。……これは、覚えがある。あたしが、初めてお師匠に会った時と、同じだ。
『ああ。……分かるさ。俺も、大切な女(ひと)を亡くしてるからな』
ああ。その言葉まであの時と同じだ。……お師匠は続ける。
『だが、あいつは俺の中で生き続けている。俺も、お前の中で生き続けてくれるのを願う。
どんな立場の人であろうと、いつかはこの世におさらばする。そして、俺一人が消えても世の中は回っていくんだろう。
そして、俺が生きていたことを覚えてくれる人も、いつかは消えていく。それはしょうがねえんだ。それが自然の摂理だからな。
だがな、俺が生きていた証は、残せるんだ。俺が何故、書籍を整理したんだと思う?』
あたしは首を振った。……何が言いたいんだろう。
『それだからアホ弟子だ、ってんだよ。……これらは、俺が災厄の日以降書き留めてきた、魔術の体系書だ。前に一回、渡しただろう?』
あたしは『あっ』と言って固まった。
『あれを、まとめろと?』
『そうだ。魔術は今まで体系化されたことがない。何となく使えてきたものだが、今後はそうもいかなくなるだろう。
魔術の大元となる魔素は、徐々に減っていくからな。だが、実は魔素が薄くなっても魔術は使える。
効率よく魔力変換できる術を知っていれば、だ。それは天性の才能じゃなく、ただやり方を知っているかどうかで決まる。
俺はそれを書き残した。……ただ、恥ずかしい話、乱筆かつ悪文だ。今のままじゃ、誰も理解できんだろう。
だから、その役目をお前に任せたい、ってわけさ』
『それが、お師匠が生きていた証になる、そう仰りたいんですか?』
お師匠は力強く頷いた。
『あれは、俺にしかできねえ仕事だった。そして、それをお前が受け継いで、後世に残していく。
そして、それは必ず、さらなる後世の連中の血肉になる。それはつまり、俺がそいつらの中で生きている、そういうことにならねえか?』
あたしは唖然とした。……お師匠は、そこまで考えてたのか。
『そ、そうかも……しれないです。そして、お師匠の知識を伝えられるのは、弟子のあたしだけ』
そう思った時、ふっと気持ちが軽くなった。……ああ、だからお師匠は穏やかだったんだ。
あたしの中に、お師匠を刻み付ける「宿題」を残すつもりだったから。
お師匠は意地悪そうに笑った。『やっと分かったか』とでも言いたげだ。
『やります。いいえ、やらせてください!』
584 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/16(水) 23:34:07.13 ID:VPzyWq1hO
今日はここまで。明日でジャック編は終わりです。
やっぱ難しいですねえ、ウェットな展開。
なお、ジャックの台詞の一部に、某歌詞が紛れ込んでいますがスルーしてやってください。分かる人がどれだけいるかは謎ですが。
585 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/17(木) 09:25:53.31 ID:dJ8clr92O
再開します。
586 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/17(木) 09:55:12.93 ID:dJ8clr92O
#########
一年前のことを思い返しているうちに、式は静かに進んでいった。
「なるべく式は早く終わらせてくれ」というお師匠の意思もあってか、ユングヴィ式の長ったらしい儀式は全て省かれた。これは、あくまでお師匠の「お別れの場」なのだ。
やがて、お師匠がそのお別れを言う番になった。声が出なくなりつつあるお師匠の側に、皆が近寄る。
「よう……皆、元気そうで、何よりだ。
一人一人に別れを告げたいが、その時間は、俺には残されてない」
お師匠の視線は天井を向いていた。多分、目がもう見えないのだろう。あれだけの短時間で、お師匠の生命機能は急速に喪われていた。
あたし以外にも、シデさん夫婦とミドルが、お師匠と個別に面会していた。ミドルにお師匠と何を話したか訊いたら、「要はライラさんを頼む、ってことだよ」とだけ言われたとのことだった。その割には、随分と話し込んでいたようだったけど。
お師匠にとって、あたしはきっと娘であり妹であり、そして亡き叔母さんの半身だったのだろう。だから、ミドルにはそんな思い出話をしていたのかもしれない。
気が付くと、あたしの視界が何か濡れたもので塞がられていた。涙。……あれほど泣くまいと思っていたのに。
周りの皆も、似たようなものだった。それに気付いたのか、お師匠が「ははっ」と空笑いをした。
「……湿っぽいのは嫌だって、言っただろう。笑って送り出せって……まあ難しいな。
だが……最後にいい時間を過ごさせてもらった。本当に、お前らには感謝している。幸せな人生だった」
お師匠は、そこで黙った。……もう喋る体力も、尽きかけている。
ふうふうと息をして、また大きく息を吸って。そして最後の言葉を話し始めた。
「……俺はもう逝くが……俺の弟子が、ライラが俺がここに生きていたことを、遺してくれるだろう。
だから、たまにそいつを読んで、俺を思い出してくれ。……それだけでいい。
…………じゃあな」
お師匠はそう言うと、目を閉じた。それと共に、身体が一気に白くなった。
身体を繋ぎ止めていた魔素が消え、砂になるのだ。
……それは、お師匠の命の終わりを示していた。
あたしは、涙を拭った。
「さよなら、お師匠」
587 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/17(木) 12:37:24.59 ID:GGwNGSp6O
########
お師匠のお墓は、お師匠の家の側にある。
お師匠は恥ずかしいからやめろと言ったけど、結局あたしはお師匠の家の隣に「オルランドゥ魔術院」を作った。
子供が育った今でも、あたしはジュリアちゃんの力を借りてアングヴィラとモリブスを往復する毎日だ。
若くなくなった身体には堪えるけど、これはこれで充実している。そして、あと少しで「魔道百論」は全てを脱稿する予定だ。
あたしは今、その最後の巻に取り組んでいる。これまでの巻は学術、技術を中心に書いてきたけど、最後はお師匠の半生を書くつもりだ。
お師匠の生きざまを、少しでも知ってもらいたい。そうすることが、彼の生きていた証になるのだから。
あたしは、外を眺めた。夜空はどこまでも深く、星は輝いている。
お師匠と初めて会った日も、こんな日だったっけ。それを思いながら、あたしは最終巻の序文を書き始めた。
588 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/17(木) 12:39:44.16 ID:GGwNGSp6O
ジャック編はここまでです。
次のテーマを募集……と行きたいですが、そろそろ続編に着手しようと思います。
このスレはたまに番外編を書く場として残す方針です。
とりあえず、安価下5でテーマを募集します。続編のスタートアップと平行になりますが、ご承知おきください。
589 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/17(木) 12:46:13.19 ID:eVWtBGNeO
ナーミと魔族達のその後
590 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/17(木) 13:14:18.07 ID:GGwNGSp6O
とりあえず、続編アドレスです。
【コンマ】崩壊する世界を旅する1【安価】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1502942000/
591 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/17(木) 14:15:58.35 ID:Cimi594LO
アレスハーレムはどうなったのか
592 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/17(木) 14:21:33.06 ID:MnTUYSUY0
ミドルさん家関連で何か
593 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/17(木) 14:47:42.85 ID:GGwNGSp6O
>>591
まだ安価下5が出揃ってませんが、これはそのうちどこかでやります。というか、やらざるを得なくなりました。
まだ募集中です。
594 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/17(木) 14:51:53.34 ID:A1hmhDVvO
シデ夫婦の休暇
595 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/17(木) 17:46:37.97 ID:eVWtBGNeO
リクエストとは別に、番外編やり終えた後に各キャラや子供世代のその後のまとめがほしいな。
勿論、続編のネタバレにならない範囲で。
このレスは安価下5には入れないで下さい。
596 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/17(木) 23:09:31.39 ID:RDBvVs0N0
帝国勢とミドル一家
597 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/17(木) 23:49:17.03 ID://UgO4gqO
とりあえずアレス一行のその後を最優先します。
サイファーの祖先なので。週末辺りに書ければいいですね。
598 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/08/19(土) 20:50:21.58 ID:gXKSta/5O
すみません、新作を今日は優先します。
599 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/21(月) 22:32:29.93 ID:hT7zR17No
適当でいいのでペイントとかで大陸マップとか見てみたいなーなんて
|д゚)チラッ
600 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 09:50:08.60 ID:bRlarAsn0
ボレルさん…
601 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/29(火) 15:06:56.34 ID:DoJ8zMtVO
シデとハーニスの関係がどうなったのかとか興味あるかなあ
602 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/05(火) 15:55:54.23 ID:oPpxWTEtO
どんな奥義覚えさせるつもりでしたみたいなのは?ダナシデジュリアは一族の血を引いてるから次回作のネタバレになったりしちゃうかな…?
どうでもいいけどジャケットと手甲があればラスボスを一方的にボコれるって
>>1
の発言は当たってしまった事になるね。良いのか悪いのか…
603 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/09/05(火) 17:41:00.97 ID:z0H8dJObO
>>602
奥義はノーコメントで。
元ネタでシヴァジャケ着た修行僧はマジで無敵です。Jだろうがqであろうが容赦なく朦朧とさせてぶっ殺します。
森林生成できるのでjも楽勝です。ぶっちゃけ隙がないです。
604 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 09:40:02.40 ID:/KK7Sbhao
wikiぼちぼち更新で良ければまたやりますよ〜
前作雛型有るし出きるなら初版は作って欲しかったので待ってたりはした
俺解釈が入るのは良くないと思ってるので原文はスレに書いて欲しいかな
基本は転載のみ、つーかそれ位しか出来ないのも有るww それでも前作では抜けや違い有ったし
今作は入替り有りで裏でステータス上昇も有りそうだから追うのが難しそうかな?
確かに更新解り難いのでスレ/レス番は入れるかな
早く更新しては勘弁願うとして要望や違い有ったら遠慮なく指摘して欲しい
wiki話でスレ流れるのも今一とは思ってるので暫くはここが使えるかな、外伝枠が減るのが今一だけど
後は早めに次スレ移行してwikiの要望も言って貰うのも有りかと
605 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/21(木) 18:23:35.48 ID:Jjjl+uONO
新作の方筆が乗ってるみたいだししばらくこっちは無さそうよねー。正直wikiに関してはそこまでいろいろと情報載せる必要はないのではと思う。キャラ毎のステータスや所持アイテム、ミッションが確認できるならそれで十分かな。あと地図か
簡易的なキャラや用語の紹介はあっても結局伏線とか探そうとするとスレ片っ端から読むことになるからなぁ。労力に対して殆ど使われないのなら意味がないし時間が無駄になる気がする。おまけに更新する手間まで生まれるわけだし、
>>1
に質問してすぐに確認できる程度のことなら載せるまでもないんじゃない
606 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/09/21(木) 19:51:25.83 ID:a9FXFuQBO
>>604
ありがとうございます。週末辺りテキストをこちらに投下しますね。
人物紹介と基本用語+αぐらいからやるつもりです。
>>605
すみません…。どうも同時並行進行ができないんです。アレス編はやるつもりです。
あと、一段落したらR板で何かやるかもしれません。
607 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/21(木) 19:52:42.87 ID:/WooxqE9O
R板今荒らしがうじゃうじゃいるからやめた方が……今作ってるブログとやらで書くとか……
608 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/21(木) 19:57:43.89 ID:c26O5DkFO
安価無しなら割と平和だしへーきへーき
609 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/09/23(土) 22:07:55.04 ID:vSxZPDlSO
これから新作用のテンプレなどを投下します。
スレ汚し失礼します。
>>607-608
安価なしの予定です。ただ、誰から始めるかは思案中。
一番イメージしやすいのは、まだ本編では致していないあの二人なんですけど。
610 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/09/23(土) 22:29:03.00 ID:vSxZPDlSO
重複になりますが人物紹介から。冒頭のあらすじはそのままで結構です。
サイファー(主人公、33歳、聖騎士)
HP 108+70(178)
筋力 6+4(10)
知力 8+1(9)
器用さ 4+1(5)
賢さ 10+1(11)
耐久力 14+5(19)
魅力 13+1(14)
コンマ修正 10
ダメージ修正 40
ダメージ軽減 65
【技能】
・簡易治癒……
1ターン使ってコンマ下一桁×2回復
・かばう……
任意の相手のダメージを肩代わりする、自身へのダメージ半減
・フロントガード……
攻撃しない代わりに前列への物理ダメージ4分の1
・バックガード
攻撃しない代わりに後列への物理ダメージ4分の1
・カウンター
回避クリティカルの際のカウンターダメージが強制2倍ダメージ
【装備】
・玉鋼の大剣
ダメージ修整 15
・重鎧「黒糸威胴丸具足」
HP+40、腕力、耐久力+3、ダメージ修正10、ダメージ軽減40
・魔力糸の革靴
HP+10、ダメージ軽減10
・工芸師フィオナの指輪
コンマ修整10、HP+20、ダメージ修整15、ダメージ軽減15、全パラメーター+1
611 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/09/23(土) 22:33:24.81 ID:vSxZPDlSO
【背景説明】
本名「サイファー・コット」。イーリス聖王国でも有数の貴族、コット家の嫡男。
近衛騎士団の副団長であり、文武に優れた俊英。
父親が宰相になれなかったためか、出世願望が強い。
放っておいても何でもできる天才肌に見えるが、それだけに努力をしない。自分の限界を知るのを恐れている。
人間関係においてもその気があり、黙っていても人が寄ってくるせいか軽い付き合いに終止しがち。逆に深入りして傷付くのが怖い。
これはかつて恋人だったエリスとの破局も少なからず影響している。
女好きなのも、軽い付き合いでお茶を濁そうという弱さの表れである。
深い付き合いを強いられると心に壁を作る。本当の意味での好意を向けられるのも苦手。
根は善人であり、良識もある。
ノワールとの会話で自分を見つめ直しつつあり、彼女に好意を感じ始めている。
この度、遂に告白。交際するようになった。彼女のことは相当大切に思っている。
ただ、火蓮の好意にも気付いており、どうしたものか思案中。
なお、火蓮については現状「信頼できる仲間」以上の感情ではない。
むしろ部下であったヘカテルに直接好意をぶつけられたことの方に戸惑いを感じている。
酒は飲めるが煙草はやらない。どちらかと言えば健啖家。
612 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/09/23(土) 22:35:50.51 ID:vSxZPDlSO
・ノワール(現パーティ、27歳、スペルマスター) (持ち越し1P)
HP 60+55(115)
筋力 1+1(2)
知力 16+1(17)
器用さ 2+2(4)
賢さ 12+3(15)
耐久力 2+1(3)
魅力 16+2(18)
好感度 173
コンマ修正 10
ダメージ修正 30
ダメージ軽減 50
※成長判定時、HPの上昇がコンマ下÷6
※筋力、器用さ、耐久力の上昇には通常のポイント+1必要
【技能】
・暗黒嵐
同時5体まで攻撃可能、ヒットで相手を盲目化
・高速治癒
1ターン使ってコンマ下一桁×5+知力(現在17)分回復
・敵感知
周辺の敵を感知
・精神感応
言葉が通じにくい相手と初歩的な会話が可能
・肉体増強
戦闘中のみ使用可能、一時的にHP+30耐久力+3、自分には使えない
・破邪術
アンデッド系相手に乗数+2
・魅惑の眼差し
魅力関連で一日一度だけ強制成功
※その他、隠密魔法など各種基礎魔法
【装備】
・ミスリルのワンド
ダメージ修整5
・魔力糸の服
ダメージ軽減15、器用さ、魅力+1
・「僧侶シンシアの帽子」
HP+15、賢さ+2、ダメージ軽減10
・工芸師フィオナの指輪
コンマ修整10、HP+20、ダメージ修整15、ダメージ軽減15、全パラメーター+1
・加護の指輪
HP+20、ダメージ修整10、ダメージ軽減10
613 :
◆QlCglYLW8I
[saga]:2017/09/23(土) 22:38:53.65 ID:vSxZPDlSO
【背景説明】
本名「ノワール・オルランドゥ」。
大魔導師ジャック・オルランドゥの曽孫であり、父親のネーロ・オルランドゥは魔術都市オルランドゥの幹部だった。
オルランドゥ家は病弱だが皆魔術の天才であり、ノワールもその例外ではない。
また、適切な環境下では長寿の家系でもあり、通常の人間より半分ぐらいのスピードで歳をとる。このため、見た目では13、14の少女にしか見えない。
一部の吸血鬼伝説は、オルランドゥ家のことをモデルにしている。
曽祖母のデアドラは今もなお存命であり、外見が500年以上変わっていない。
実は「一族」と呼ばれる不死の存在に極めて近いと判明している。ただ、居場所は不明。
おそらくは第四十八階層の「アヴァロン邸」であろうと推測はされている。
性格は天真爛漫。外見通りのお子さまかと思いきや、実年齢相当かそれ以上に大人びた側面もある。
相手の心が多少読めることもあり、相当鋭い。嘘はかなりの確率で見抜く。
27年間引き込もって研究と読書に明け暮れていたため、ある種の知識には詳しい。ただ、一般生活面はからきし。
見た目からは想像できないが酒好き。ただ、一般的な味覚は外見通り。
このたび、サイファーと交際を開始した。実は寂しがり屋であり、守ってくれる存在としてのサイファーには強い信頼と愛情を感じている。
銀髪のロングヘア、身長140cmぐらい。痩せ気味でぺたん娘。ただしカチカチに固いわけではない。
色白、深い藍色の瞳の美少女。多少耳年増かもしれない。
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