【艦これ】飛んで火にいる夏の虫

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102 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:06:31.03 ID:4xxdG3jx0

ー同時刻 中庭ー


照月「花火…キレイだね〜。ね、秋月姉、初月!」

秋月「ええ。こんな贅沢な遊びができるなんて…私たちは幸せ者ね」

初月「まったくだ。皆に感謝しないとな…お、松葉がでてきたぞ」

照月「秋月姉上手〜!器用だね!」

秋月「ふふふ。線香花火だけは自信があるの。他の人がやっていたのをずっと見てたからね」

照月「すごーい!これならいつまでも楽しめるね!」

初月「さすがは僕たちの姉さんだ」

青葉「……あの〜、お三方?線香花火まで三人で一本じゃなくてもいいんじゃ…」

103 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:07:17.98 ID:4xxdG3jx0

青葉「ていうか、そんなんじゃ明かりが弱いです!写真映えがしないです!三人とも一本ずつ持ってください!」

初月「な、な、なにぃ!?一人一本なんてそんな、恐れ多い!」

照月「神様に祟られちゃうよ!」

青葉「祟られないです!まだまだたくさんありますから、もっとパーッと楽しんじゃってください!」

秋月「けど、そんな…提督からいただいた貴重な物資を無闇に使うわけには……」

青葉「うぅぅぅ…どう言えば彼女らはわかってくれるのでしょう…」

青葉「……あ、そうだ!」ピコーン

104 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:08:18.43 ID:4xxdG3jx0

青葉「三人とも。よく聞いててくださいね。実はですね…」

三姉妹「?」

陸奥「えーと…中庭に置いてある花火、実は廃棄品なんですよ。使わないと捨てられちゃうので、使ってもらったほうがいいんですよ」

照月「えーっ!?勿体ないよ!」

青葉「そうなんです。勿体ないんです。だから、鎮守府のためと思って、全部使っちゃってください」

秋月「そ、そうだったんですね」

照月「じゃあ全部使いきっても、大丈夫なのね!」

初月「そうか…そういう事情なら、早く使いきってしまおうか」

照月「私、取りに行ってくるね!」トテトテトテ

青葉「はひ〜…ま、良い写真の為にはこれくらいの嘘は許されますよね」

105 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:09:29.39 ID:4xxdG3jx0

青葉「いや〜あははは。みなさん素直で助かりました。この鎮守府はいい人が多いですねえ、ホント」

青葉「さて、後撮り残したのは……熊野さんのパンツ、激写できるかなぁ…?」

照月「持ってきたよー!」ガサガサ

秋月「こ、こんなにたくさん…!?でも、今だけは贅沢しても大丈夫だから…えへへへ」

初月「秋月姉さん、顔がこれ以上ないくらいににやけてるぞ。ふへ…ふふふ…」

照月「みんな笑顔だね!わーい!」


バシュー パチパチパチパチ!


青葉「……あ〜、花火にはやっぱり可愛い女の子の笑顔が欠かせないですねぇ…」パシャパシャ!

106 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:11:19.21 ID:4xxdG3jx0

ー同時刻 中庭ー


明石「天が呼ぶ!地が呼ぶ!数多の星がミルキーウェイとなって私たちに叫び語りかけるぅ!!」

夕張「不毛な電気ショックにもめげずに立ち向かう!道理が無ければ切り開けばいいじゃなーい。霞食ってるようなやつには負けないわ!」

赤夕「「何度パソコンを壊されても私たちは立ち上がるんだから!!マッドサイエンティスター・ダブル!見参!」」


ブーブー ウルサイゾー カエレー


明石「ふふふ…せっかく皆が喜びそうな花火をこしらえてきたというのに、そんな態度でいいのかしら?」

夕張「ここに取り出したるは、じゃじゃん。ロケット花火〜!…の改造品種よ」

明石「これが天の星をも砕く最高の花火よ。刮目せよ!」

霞「ちょっとアンタたち!なにやってんのよ!また醜態晒すつもり!?」

夕張「霞ちゃん…私たちは止まらない…止まれないのよ!己の信念を貫き通して軽巡洋艦・夕張を世界に轟かせたいの!!」

明石「っていうのは建前で、本当は楽しみたいだけですよ〜」

107 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:12:45.28 ID:4xxdG3jx0

夕張「平和とか戦争とか関係ないわ、私は私の道をゆく!火薬はそのためにあるのよ!」

霞「くっ…さっき自爆したからこれ以上下手に動けないわ…」

由良「夕張!火薬は人に迷惑をかけるためのものじゃないの!」

夕張「出たわね、私の親友にして最大のライバル!多少生足を出したからって、まだまだストッキングの勢力は弱まらないんだから!」

由良「あ、足は関係ないわ!」

夕張「そうかしら!?人間、何かを追い求めるにはまず足からと言うでしょう!足と太ももと付け根のバランスはとっても大事なのよ!」

由良「それは捜査の基本だと思うわ」

霞「負けないで、由良さん。コイツらに対抗できるのはもう貴女だけよ…」

108 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:13:54.07 ID:4xxdG3jx0

夕張「由良。あなたはこう言ったわ。他人に迷惑かけるような使い方はダメだと。要するにそれって、迷惑かけなきゃいいってことよね?」

由良「ま、まあ、そうなるわね」

夕張「その点なら大丈夫!私達の花火は、天空をひっくり返す花火よ!そんじょそこらの打ち上げ花火とも違うわ。つまり、何も問題なんてない!」

霞「言ってる意味がわかんないわ!」

由良「…ん、ん〜……なら、大丈夫かな?」

霞「由良さあぁぁぁぁんッ!!?」

明石「点火用意!十、九、とばして二、一!!」

夕張「うち上がれええぇぇぇぇぇっ!!」


パヒュゥゥゥゥゥゥ

109 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:15:58.33 ID:4xxdG3jx0
110 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:16:40.81 ID:4xxdG3jx0
画像が無駄に大きかった・・・
111 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:17:11.10 ID:4xxdG3jx0

ー同時刻 縁側ー


ドドン ドン ドン


赤城「花火の音…みなさん楽しんでいるかしら」

赤城「あぁ、晩御飯おいしかった。ごちそうさまです」パン

赤城「……」

赤城「屋台的ななにかを食べたかった、と言っても贅沢ですね。非常時にはわがままを言ってはなりません。欲しがりません、電気が戻るまでは」

赤城「……」

加賀「赤城さん」

赤城「あら…加賀さん」

112 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:20:00.39 ID:4xxdG3jx0

鳳翔「お疲れ様です、赤城。ここにいたんですね」

赤城「あ、はい。お疲れ様です。鳳翔さん」

蒼龍「赤城さんお疲れさまー!もー探したよー!」

飛龍「一人で食べてないで、赤城さんも中庭に来なよ!」

赤城「ふふ、ありがとうございます。どうしたんですか?みなさん揃い踏みで」

鳳翔「いえ、我が鎮守府では報恩を是としていますので…浴衣を人数分見繕ったり、食材や器具を用意してくれた人には、何かしら報いるところがあってもと思いましてね」

赤城「?…あ、私のことですか?」

113 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:20:56.92 ID:4xxdG3jx0

グラ「お前以外にいないだろう。もっと誇れ」カチャカチャ

赤城「グラーフさん…って、そのお盆に乗せているものは…」

鳳翔「ただ、空腹を誤魔化すのに水をがぶがぶ飲むのはやめてくださいね。汗をかいたとはいえ、やはり体に良くありませんから」

赤城「あ…あはははは…ついつい、アイガモの境地に達してしまって…」

加賀「それでまあ、お水でお腹を満たした人にはくどいかもしれないけど…用意したわよ」

赤城「用意って…え、それですか?ほ、本当ですか!?」

加賀「本当よ。屋台的なもの、所望でしょ?」

114 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:21:55.08 ID:4xxdG3jx0

赤城「こ…こここ、これ…かき氷ですか?」

鳳翔「そうですよ。これも十分に屋台的ではないですか?」

赤城「いちごシロップが…これでもかと氷にかかってます!ここここ、これ、妙に安っぽい紙の器も再現してありますね!」

鳳翔「あとは、はい。スプーン付きのストローです。これもかき氷くらいにしか使いませんね」

赤城「ふわあああっ!い、いいんですか!?」

グラ「ああ。好きなだけ食べていいぞ。頭痛には注意してな」

赤城「いただきます!はむ、はむ!」シャクシャク

赤城「お…おいしい…おいしいです!はむ…はむ…ふええぇぇぇ、嬉しくて涙が出てきます…!」シャクシャクシャクシャク

グラ「大袈裟なやつだなあ、まったく。赤城らしいと言えば、らしいがな」

115 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:23:10.70 ID:4xxdG3jx0

蒼龍「よかったね赤城さん!ほらほら、口のまわりにシロップついてるよ」フキフキ

赤城「ありがとうございますぅぅ…」シャクシャク

飛龍「やっぱり美味しそうに食べるな〜。ただのかき氷なのにすっごい美味しそうに見えてきちゃった…」

飛龍「……」ウズウズ

飛龍「あ、あの、鳳翔さん。使えそうな氷って、まだあったりとか…?」

鳳翔「大丈夫です。おかわりは出来ませんが、人数分くらいならなんとか確保できますよ。食堂に用意してありますので、お手伝いお願いできますか?」

飛龍「やったぁ!食べる食べる!」

蒼龍「デザートはかき氷だあ〜♪」

加賀「ブルーハワイでもたっぷりかけて食べてみようかしら」

赤城「おいひい…おいひい……あ、痛い…いたいいたい頭痛いです!いたーい!」

グラ「やっぱりこうなったな。どれ、私も…あむ…うっ!?頭が……」

116 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:24:31.86 ID:4xxdG3jx0

―同時刻 中庭―


ドン パラパラパラ……


ドン


熊野「キレイですわね…派手なだけの打ち上げ花火も、真下から見るとなかなかに面白いものですのね」

鈴谷「ね〜、角度によって見方が変わるんだから、こんな面白いものもなかなかないよね〜」


ドドン パラパラパラ…


熊野「そうですわね。火花一つ一つが良く見えますわ」

青葉「……」ウズウズ

青葉(あぁー知りたい!熊野さんはどんな下着をはいてるんだろう?ガーターとか、透け透けとか、ソックスベルトとか、紐だったら大事件ですよ!)

熊野「あ、また上がりましたわ」

鈴谷「たーーまやーー!!」


ドン!


熊野「たーーまやー」

青葉「たーーまやーーーっ!!」ガバァ

熊野「っ!!??」

青葉「エッッッ」

117 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:25:44.52 ID:4xxdG3jx0

熊野「なぁっ!?青葉さ…!?」

青葉「は…は…は…」

鈴谷「え、なになにどうしたの?青葉っちくしゃみ出そうなの?」

青葉「……はいてないんですかああぁぁぁぁぁっ!?!?」

熊野「ち、違いますわ!下着のラインが見えないようにしてるからで…普段はちゃんとはいてますわ!」

青葉「写真一枚お願いします!」

熊野「誰が撮らせると思いますの!?」

青葉「いーじゃないですか、減るもんじゃないですし!提督に売り付けてお金の半分を約束しますから!」パシャパシャ!

熊野「いりませんわ!ちょっ…本当にやめてくださる!?」

青葉「これはスクープだあぁぁっ!!」パシャパシャ

熊野「くっ…不覚ですわ……」

118 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:28:47.23 ID:4xxdG3jx0

―同時刻 中庭―

Zara「はいガングートさん♪特性ボンゴレパスタの秋刀魚添え、いっちょうあがりよ!」

Aquila「こっちも出来たわ、ピロシキシチリア風味、召し上がれ♪」

プリンツ「ロシアもジャガイモ食べるって聞いたから、クヌーデルだよ。たくさん食べて!」

コマ「ウォッカを使ったシャトーブリアンです。今だけは貴女のために全力を尽くすわ」

Pola「グルジアワインもいいですねぇ〜ゴクゴクいけちゃいます♪」

ビス「さあガングート!たくさん食べなさい。私たちは永遠の同志なのだから、遠慮することはないわ!」

アイ「Bigburger にCheeseburger, French friesにChicken nugget、さあ好きなものを選んでちょうだい!Refill もOKよ!」

ガン「……一生のお願いだ、提督。こいつらの誤解を解いてほしい…お願いします…」

提督「………」

119 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:32:16.33 ID:4xxdG3jx0

花は散り咲き夜は更け、思い思いに少女達は煉獄の涼を楽しみます。
こうして、鎮守府の束の間の騒乱は過ぎ去っていきました。

翌日の朝、大淀の言っていた通りに電気が復旧し、
またいつも通りの日常が帰ってきました。


ー執務室ー


荒潮「〜♪〜♪」

荒潮「提督〜?少しの間エアコンの温度戻すわね〜」

提督「ああ分かった」


ピッピッ


エアコン【27度】

けれど、電気のありがたみを知った彼らは、
ほんの少しだけ、我慢することを覚えました。

120 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 18:33:49.62 ID:4xxdG3jx0

ー工廠ー


ブィィィィィィィィィィ


夕張「あぁ〜…扇風機もまあ、悪くないわねー」

明石「こっちにも回してよ〜…あーすーずしー…汗かいてなきゃこの風の心地よさは分かんないわね」

夕張「そうね〜」

日向「おい夕張。明石。稼働中の瑞雲はどうした?見当たらないのだが」

夕張「あー。電気バカ食いしてたんで、提督から禁止令食らいました」

日向「なんだとっ!!?」


おわり
121 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 18:38:17.45 ID:4xxdG3jx0
以上で終わりとなります。
ありがとうございました。

途中の花火の画像は、本当は去年の長岡花火で撮った写真を載せようと思ったのですが、
どこにいったのやら、フォルダを探しても見当たらず・・・あえなくフリー素材を使用させていただきました。

次に何を作ろうかまだ決まっていないのですが、折りを見てまた投稿したいとおもいます。
それでは。
122 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 18:38:58.28 ID:4xxdG3jx0
html化依頼、出してきます。
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 21:56:59.31 ID:xOK5xstEO
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 22:13:00.05 ID:RODqBAbk0
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 06:15:46.16 ID:RjihM/NNo
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