【艦これ】飛んで火にいる夏の虫

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1 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 15:21:50.15 ID:4xxdG3jx0
艦これSS、三作目の投稿です。

暑いので書いてみました。
特に誰にフォーカスをあてたわけではありません。

だいぶ久しぶりなので、ちょっと変な部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1502000509
2 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 15:23:16.22 ID:4xxdG3jx0
ー午後2時 鎮守府執務室ー

荒潮「うぅ…ん……あはぁ……はぁぁ〜ん…」

提督「………」カリカリカリ…

荒潮「…んぅ……はぅぅ…」

提督「……」カリ…カリ…

荒潮「うふふ…かいかぁ〜ん♪ステキだわぁ…」

提督「………」ピタッ

提督「…オイ…荒潮?」

荒潮「あらぁ……な・あ・に、提督?うふふふ〜…」

提督「とぼけるな。なにをそんな色気の含んだ声を出す」

荒潮「だってぇ…ふふ、分かってるクセにぃ、私の口から、言わせたいの?底意地が悪いわねぇ〜」

3 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 15:24:04.86 ID:4xxdG3jx0

提督「誤解されるような事を言うな、ただ冷房の風にあたってるだけだろうが!」

荒潮「それだけじゃないわよ。ふわふわのソファで横になって、サイダーを飲んで、提督がお仕事してるのを眺めてるの。最高に贅沢ねぇ」

提督「いくら今日が休みだからって、だらけすぎじゃないか?」

荒潮「いいのよぉ、どうせ明日になれば、イヤでも体が動くから。働くのって怖いわね〜、頭が拒否しても体が言うことを聞いてくれないのよぉ」

提督「……まあそれは同意するがな」

荒潮「うふふふぅ、だからたまの休みくらいは、こうやってのんびりしてても文句言われる筋合いはないわよぉ」

荒潮「ところで提督、エアコンの温度、もう少し下げるわねー」ピッピッ

提督「ったく、ちゃんと腹は温めとけよ」

荒潮「はぁ〜い♥」

ピッ…ピッ…

エアコン温度【21度】

4 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 15:24:46.06 ID:4xxdG3jx0

ー同時刻 鎮守府 脱衣室ー

陸奥「〜〜♪」

陸奥「よし、オッケー♪」

陸奥「ふふん…少し遠出した甲斐があったわね。このオイル、お肌の保湿にはもってこいだわ」

ガラララララ

暁「うわあああぁあっっつーーいぃ〜!!もう響ったら、百まで数えないと大人になれないだなんて!騙されたわ、あんなの我慢できるわけないじゃい、もう!」

陸奥「あら暁ちゃん。体真っ赤よ、大丈夫?」

暁「む、陸奥さん!?ふわぁ!あ、大丈夫よ!平気よ?だって私、大人だもの」

陸奥「へぇ〜、あのお湯に耐えられるなんて、なかなかやるじゃない」

暁「当然よ。私、ごぞうろっぷ?に温もりが染み渡っているもの。えっへん!」

陸奥「あらあら、粋な言葉を知ってるのね。さすが淑女だわ、私もうかうかしてられないわねぇ」

暁「やったぁ、陸奥さんに認められたわ!嬉しい!(そりゃそうよね、見くびってもらっちゃ困るわ)」

陸奥「本音と建前が逆になってるわよ」

5 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 15:25:16.51 ID:4xxdG3jx0

暁「と、ところで陸奥さん。お風呂上がりのスキンケアっていうやつかしら、それって?」

陸奥「そう!これスゴいのよ?美容専門店に行ってね、椿とかオリーブとか調合してもらって、私の肌状態に合わせた必殺兵器なのよ。とっても効果があるの」

暁「えぇぇ〜すっごーい!?」

陸奥「ふふ、ちょっと費用がかさんだけど、女の美しさはそれ以上のモノよ。暁ちゃんも、もう少ししたら分かるわ」

暁「さすが陸奥さん、忙しい日々でもばっちりね!大人の女、レディー!」

陸奥「そうでしょうそうでしょう!やだもう暁ちゃんったら、誉めてもなにも出ないわよ?」ドャア

暁「そっか、やっぱり姉妹ね。長門さんもお肌とってもつるつる!やっぱり陸奥さんと一緒にお高いものを使ってるのね?憧れるなぁ〜」

陸奥「あっ…長門は別に何もしてなくてアレなんだけどね…ホント羨ましいわ…はは、あはははぁ…」

6 :全治全能の未来を予言するイケメン金髪須賀京太郎様に純潔を捧げる [sage saga]:2017/08/06(日) 15:25:22.25 ID:nxoMlVsA0
荒潮スレとは珍しい続けろ在日朝鮮人は蟲じゃぞ課金ランキング至上DMM会社はダメだ問題は何年続いて月に5000円でも課金されるゲームを永久的に支持スルンダ
7 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 15:26:00.41 ID:4xxdG3jx0

陸奥「あら暁ちゃん?髪の毛の乾かしかたが良くないわね。そんなにバサバサやっちゃダメよ」

暁「ふぇ?」

陸奥「こっちへいらっしゃい。ドライヤーを使った方がいいわ」

暁「え!いいの!?」

陸奥「当然よ。暁ちゃんに秘伝の送風術を教えてあげるわ」

暁「やった!……あ、コホン…ありがとう。よ、よろしくね?」

陸奥「はぁい♪よろしくされたわ」

ドライヤー「」ブオォォォォ

ブゥゥゥゥゥゥゥ……

ドライヤー【1200W】

ボイラー【フル稼働】

エコキュート【タンク空っぽ】

8 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:26:47.88 ID:4xxdG3jx0

ー同時刻 工廠 準備室ー

スィィィ〜〜

夕張「あぁはあああぁぁ…ふああぁぁぁ…」

夕張「すーずしー…やっぱエアコン最高だわあ」

明石「いままではエアコン壊れてるも同然だったもんねえ。ちょっとだけ予算に余裕ができてホントよかったぁ!あぁもう仕事やる気でなーいー…」

夕張「ま、どうせ大してやることないわよぅ。いつも通りにやってりゃあ、問題ないわ」

明石「だーよねー!これでお金貰えるってさいこう!あっはははは、人類ばんざーい!」

夕張「ばんざーい。いぇーい!」

夕張「あっ、だったらこの時間を使ってアニメの消化しとかないと!今期も三十本近くあるからねー。はいパソコン起動〜」ポチ

明石「お、じゃあ私もパソコンつけよっと。…ふふ…もう排熱を気にしなくてもいいのね…食堂まで保冷剤をとりに往復しなくても済むのね…しゃーわせ…」ホロリ

夕張「あぁそっか。ここから食堂までスッゴい遠いんだっけ。歩いてる間に溶けて死んじゃうわね」

夕張「良かったじゃない。もう辛い思いはしなくて済むわね」

明石「そうだねえ……」グデーン

9 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:27:58.39 ID:4xxdG3jx0

由良「よくなあああああぁぁいっ!!」

明夕「「うわぁっ!?」」

由良「こんなのダメ、ダメよ二人とも!堕落してるわ、ふしだらよ!おへそまで出しちゃってもう…ばかっ!」

夕張「は…由良?驚いたぁぁ〜…」

明石「勢い余って首が…いたい…」

夕張「もう由良ったら、なにを怒ってるの?」

由良「部屋を見てみなさい!至るところで電気を使ってるでしょう?暑いのは分かるけど、さすがに使いすぎよ!もう少し自制しないと」

夕張「ムリ」キッパリ

明石「うん、ムリだね♪」

由良「無理って言わないの、もう」

10 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:28:45.72 ID:4xxdG3jx0

明石「だってぇ〜、せっかくエアコン買ったのに、使わないともったいないじゃない?」

夕張「もったいない精神は大切だもん。私たちは悪くないわよ」

由良「発揮するところが間違ってるわ」

由良「まず、エアコン!こんな広い部屋なのに全部涼しくしてどうするの!?しかも二人しかいないじゃない。扇風機でなんとかなるわ」

夕張「んなぁっ!?生命線断たれるのはちょっと…」

由良「パソコンも!二台も使ってなにするの。二人で一つを使えばいいでしょう?無駄を減らすことで、塵も積もって山脈よ。そんなんじゃ重巡洋艦になれないわ」

明石「いやいや由良ちゃん?パソコンってのは普通一人が一台なもんで、パーソナルと謳われているからにはやっぱ一人一台だから、それだけは認めるわけにはいかない聖なるテリトリーとかなんとかって…」

由良「言い訳無用。めっ!です。地球に優しく、ね?」

由良「もう、みんな電気使いすぎよ!もう、どうしてなのかしら、もう。怒るわよ?」プクー

明石(怒ってるの可愛い…)

夕張「怒ってるの可愛い」

由良「えぇっ!?」

11 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:29:19.59 ID:4xxdG3jx0

由良「とにかく!もっと節電を心掛けないと…お金も無限にあるわけじゃないんだから」

夕張「うぅ〜ん…」

明石「………」

明石「……ふぅ。仕方ないわね。そこまで言われちゃったら、無下にはできないわ」

夕張「そうだねぇ…妥協は必要かも」

由良「ほっ…良かったわ…ありがとう二人とも。分かってくれて」

夕張「じゃあ古い方のエアコンは消しとくわね。たいして役に立ってないし」

明石「古いタイプの家電は電力食うのよねー」

由良「ほか!他の家電も!」

12 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:30:18.58 ID:4xxdG3jx0

夕張「ふっふーん…ちなみに由良?これが最新のリモコンよ〜」ヒラヒラ

由良「それね。力づくでも奪うわ、えぇーい!」

明石「夕張ぱーす!こっちこっちー!」

夕張「そーおれーい!」ポーイ

由良「あぁっ、ちょ!?投げたら危ないわ!」

明石「大丈夫大丈夫、壊れてもすぐに直せるし。ほらほらこっちですよ〜」

由良「むむむむぅ…なんとしても電気のムダを止めさせるわ!」

アハハハハハ…

コッチダヨ―…

PCデスクトップ【70W】×2

ノートPC【50W】

スマートフォン 【6.9Wh】×2 充電中

液晶テレビ【490W】※付けっぱなし

業務用エアコン【14kW・冷房20度】

各種工作機械・電源接続済み

明石のスペシャル工作教室(瑞雲稼働中)【???kW】

13 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:31:06.25 ID:4xxdG3jx0

ー食堂ー

赤城「あついです…食堂は冷房がついていないのですね…」

加賀「この時間は人がほとんどいないからね」

赤城「正直言うと、つらいです…今すぐに文明の叡智を享受しに行きたいです…」

赤城「でも、それも言外のアクセントとなりえます。そう!この屋台で買った焼きそばの前にかかれば!」ジャーン

赤城「いやぁ、そこまで美味しいとは思わないんですけどねえ〜。けれどこの独特な匂いはたまらないです。青のりも紅しょうがも、縁日の記憶を思い出させるには十分です。昨日の晩に買い込んだ甲斐がありましたぁ」

赤城「ささ♪電子レンジでぱぱっと温めましょう♪あぁ〜楽しみです」ガチャ

加賀「屋内で食べるのも、それなりに味がありそうね」

ピッピッ

電子レンジ「」ヴィーーーーン

赤城「わあ、回ってますね〜」

電子レンジ【1100W】

14 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:32:26.14 ID:4xxdG3jx0

ー同時刻 近郊スーパーマーケットー

萩風「ナストマトきゅうり枝豆茗荷生姜にんにくカラシ、豚肉豆腐お蕎麦そうめん卵山芋あさりシジミはまぐりさーん。後はカレーの具材にニンジン玉ねぎじゃがいもクミンチリパウダーフェネグリーグコリアンダーターメリック。あとはお漬け物を…」

嵐「はぎぃ〜〜…呪文の詠唱みたいだぜ。こえーよ」

萩風「あら、夏場は体調を崩しやすいんだから、これくらいたくさん食べなきゃダメよ?」

嵐「言葉のこと言ってんだけど。まあいいや」

萩風「この時期に美味しい夏野菜は、やっぱりトマトね。栄養満点で、そのままかぶりつけるの。塩をかけても美味しいわ」

嵐「あーあー、外に出てまで講釈は勘弁だぜ」

萩風「大丈夫よ。嵐も食べられるようにフルーツトマトも買うから。トマト缶はスパゲティにして食べましょう!」

嵐「聞けよ!まあフルーツトマトは好きだけど…」

15 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:33:24.66 ID:4xxdG3jx0

舞風「はーあぁ〜い二人とも♪こっちはたくさん収穫あったよー」

野分「大人数でも満足できるよう量を重視したわ。4号、2号、3号!最近は随分とカラフルなのね」

嵐「サンキュー、まい、のわっち。おぉ〜〜!?すっげぇ、これ音もでるのか!こっちは延びるし、これは打ち上げられるのか?こんなちっちゃいのにスゴいんだな!」

嵐「ほら見ろよ、はぎぃ!同じ火薬でもこっちは楽しそうだろ?健康のことばっかり気にしてないで、こっちも見てくれよ!」

萩風「……嵐は、そっちのほうが好きなの?」

嵐「え」

萩風「私は…私は…鎮守府のみんなに健康になってもらいたくて、舞風も野分も、もちろん嵐の事だってそう。元気で一日を過ごしてもらうために、風邪を引かない丈夫な体を作るには、日々の食事が一番大切だと思って」

萩風「嵐なら分かってくれると思ったけどな…やっぱり嵐は遊びのほうが大事なのね」

嵐「あ、あれ?」

16 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:34:18.96 ID:4xxdG3jx0

萩風「いいの!これは私のワガママだから。嵐が見向きもしなくたって、私はこれからも皆の健康に気を配るわ。だから…私のこと、忘れないでね」

嵐「な、なに言ってんだよ!俺がはぎぃの事を忘れるわけねーだろ!?そんな寂しいこと言うなよ!」

萩風「だって、私と一緒にいる嵐、あんまり楽しそうじゃなかった…舞風達と一緒のほうが良かった?」

嵐「バカ、そんなこと誰も言ってないだろ!でも…つまんなそうにしてたのは悪かった。それは俺が悪かったよ。ちょっと目移ろいしちまって…」

萩風「いいの。私怒ってないから。…でも、少し傷ついたな」

嵐「うっ。…わりぃ、お詫びにはぎぃの言うこと聞くよ。だから機嫌を直してくれ」

17 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:34:54.55 ID:4xxdG3jx0

萩風「大丈夫よ。どうせ口だけだもの。今までもそうだった」

嵐「いや、今度は本気だ!じゃあ、はぎぃの言うことを今すぐに実行に移して見せるよ。なんでもいい、言ってくれ、はぎぃ!」

萩風「…今度は本気?嘘じゃない?」

嵐「本気だ。さあ、言ってくれ」

萩風「じゃあ…」ススッ

嵐(うっ…はぎぃの顔がちょー近い…か、可愛いなやっぱこいつ、睫毛が長くて…)

萩風「私が嵐にしてほしいのは…」

嵐「……」ゴク

萩風「……私が作ったトマト、た・べ・て」ボソ

嵐「っ!」ゾクッ

18 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 15:35:35.60 ID:4xxdG3jx0

萩風「なんでもしてくれるのよね?ね、食べてくれるんでしょ?」

嵐「くっ…それは普通のトマトだよな?」

萩風「うん♥太陽たーっくさん浴びた、私の血液みたいに真っ赤な真っ赤なトマト。嵐にも食べてもらいたいの」

嵐「ちっ……分かったよ。約束だ。はぎぃのトマト、食べるよ」

萩風「やったぁ♥」

19 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:36:05.11 ID:4xxdG3jx0

舞風「なんか盛り上がってるねー、あははは!」クルクル

野分「結局これ、どうするの?たくさん持ってきたけど、全部買うのかしら」

舞風「気にしない気にしない〜、私が踊ってる間にじゃんじゃん入れちゃえ!そーれあんどぅ、とろわぁ!」バサバサドサドサ−

野分「お金足りるかしら……」

小計【35120円也】

20 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:37:04.22 ID:4xxdG3jx0

ー同時刻 喫茶店ー

熊野「……」

鈴谷「……」ズズズー

熊野「……」

鈴谷「……ジンジャーエールうまっ!もう一杯たのも」

熊野「…同じものばかりで飽きないのかしら?」

鈴谷「いやぁ、美味しいものはいくら飲んでも食べても飽きないじゃん?へへへ〜、熊野は人生損してるね」

熊野「そりゃあジンジャー以外にも美味しい飲み物はありますから、そちらを飲みますわ」

鈴谷「ちぇー、それっぽいこと言って達観しちゃってさあ。空母に改装したら、お高くとまるようになったっての?そんなん熊野らしくないなあ〜」

熊野「そんな事はありませんわ。わたくしはいつも通りでしてよ」

鈴谷「にゃははは〜、じょーだんじょーだん!でさあ、どうしたの?なんか神妙な顔して黙ってて、なんか用があるんでしょ?」

熊野「…そう…話があるからこそ、呼び出したのですわ…」

鈴谷「?」ズズズー

21 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:37:42.53 ID:4xxdG3jx0

熊野「単刀直入に尋ねますわ」

鈴谷「うん」

熊野「鈴谷、あなた、変態ですの?」

鈴谷「!?!?!?」フブブゥホッ!

鈴谷「ゲエッゥッッほげほ、げほ!な、な、な、なんんんっ!?」

熊野「聞き方を変えると、鈴谷、あなた痴女ですの?」

鈴谷「バっカじゃないの!?お店に連れ出してわざわざ言うことぉ!!?」

熊野「だって、気になりますわ!急に下着が黒になったり紫になったり、以前はもっと地味な柄で控えめでローテーション回してて、安心してましたのよ?」

鈴谷「チェックしてんのッ!?そっちが安心できないよ!」

熊野「相部屋なんですからイヤでも目に入りますわ。うっすい生地でしたわね」

鈴谷「余計なお世話じゃん!可愛いから買ったに決まってんでしょ!?つーか触ってんじゃん…興味津々すぎでしょ」

22 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:38:27.53 ID:4xxdG3jx0

熊野「誰かに見せる予定でも?」

鈴谷「なーいよーだ。見せない見せない。勝手に下着漁るような子には教えてやんないもんね!」

熊野「ムッ……」

熊野「ふーん?どーせ殿方に見せる勇気もないのに、何を気遣っているのやら。不思議ですわね〜」

鈴谷「かっちーん。言ってくれるじゃん?」

鈴谷「やたらとお尻に拘るようになった子が大口叩くとはね〜?下着よりもお尻に宇宙の真理が宿ってるとでも?」

熊野「はぁッ!?な、そそそ、それは誰のことですの!?」

鈴谷「熊野に決まってんでしょうが!バレてないとでも思った?」

23 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:39:02.72 ID:4xxdG3jx0

鈴谷「経緯も知ってる。提督にお尻丸出しを見られたときだ。大破して帰って来て新しい服に着替える前だった」

熊野「ドキュメンタリー風に解説しなくてもいいですわ!」

鈴谷「変態」

熊野「違いますわ!」

鈴谷「目覚めたんでしょ?お尻見られてさあ、興奮したんでしょ?だから拘り始めたんでしょ?もっと見られていたいんでしょ?」

熊野「そそそ、そんなエッチな漫画の男性キャラみたいなセリフやめてくださる!?」

鈴谷「へぇ〜、そんなつもりで言ったんじゃないのにな〜?そっかあ、エッチな本にはこんなセリフが載ってるのか〜」

熊野「ち、違いますわ!ていうか今のセリフ、聞いたことがあると思ったら、昔鈴谷が隠し持ってた本にあったワンシーンじゃなくって!?」

鈴谷「ちっっがーーーうもんね!そんなの鈴谷は一度も持ったことないし!?で、デタラメ言わないでよさあ!」

24 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:39:42.92 ID:4xxdG3jx0

熊野「まったく…鈴谷があんなにイヤらしい本を所持していたとは驚きでしたわ。提督似の殿方に犯されてるページで折り目がついてましたが、そういうことですの?」

鈴谷「がっつり見てんじゃん…やだこの子、ムッツリ過ぎでしょ」

熊野「さりげにセックスアピールしてる鈴谷に言われたくありませんわ!」

鈴谷「大胆にお尻見せつけるより健全でしょ!?」

熊野「……はぁ……はぁ…ッ…」

鈴谷「ゼェ……ハァ……」

熊野「…この話、やめましょう。お互いにダメージが大きいですわ」

鈴谷「…さんせーい」

店員「あの…お客様?店内にて、そのような卑猥な会話はお控えいただきたいのですが…」

鈴熊「「ッッ!!??」」

乙女のバイタリティー【無限大】

25 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:40:36.60 ID:4xxdG3jx0

ー??? ???ー

大淀「……コホン…」

大淀「さて…と言って始まる会議はろくなものではありませんが…とりあえず、秘密の定例会議の開会を宣言いたします」

青葉「でも、相変わらず二人だけなんですね…」

大淀「そうです。都合よく動いてくれそうな駒と、それを料理するマスタ。それさえあれば十分です」

青葉「ちぇー。青葉は入りたくて入ったんじゃないんだけどな〜」

大淀「ご託は無用。それで、首尾はいかほどに?」

青葉「あ、バッチリですよ〜!たっくさん写真取れましたぁ!」バサバサー

大淀「ありがとうございます。さすがに大量ですね。どれどれ…」

大淀「…ふーむ…なるほど…へ〜え…おやおやおや…」

青葉(一枚一枚なめ回すみたいに眺めてる…ちょっと怖いよぉ…)

26 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:41:30.31 ID:4xxdG3jx0

大淀「なるほど…よく分かりました。青葉さんはどう思われますか?」

青葉「そーですねー。青葉的には、熊野さんももっとエッチな下着持ってると思うんですけど、頑なに証拠を抑えることが出来なくて…本人に直接訊いてみようかなーなんて!あははは!」

大淀「そっちじゃないです。なんのために貴女を遣わしたと思ってるんですか?」

青葉「え〜?少しくらい電気使ってもいいじゃないですか〜。青葉もカメラの充電に必要ですし。パソコンだって使いますし」

大淀「別に私は使うな、と言ってるんじゃないですよ。限度、節度、限界というものが世の中にはあります。それを考えてほしいと言ってるんです」

青葉「でもでも、エアコンを我慢するのは熱中症の危険がありますし〜、パフォーマンスや士気の低下にも繋がりますし〜」

大淀「……はぁ…分かってはいましたが、貴女も節電意識は低そうですね…」

青葉「いやあ、それほどでも〜」

大淀「褒めてないです」

大淀「いやでも、しかし…うーん。そうですか…」

青葉「なにか問題でもあるんですか?」

大淀「そりゃ大有りですよ」

27 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:42:15.43 ID:4xxdG3jx0

青葉「あ、分かりました!青葉分かっちゃいました!お金ですね?電気代がどんどん膨れ上がってくのが気になると!」

青葉「それなら心配いりません!提督の写真を適当に刷って売り付けましょう!最近はクールビズ始めたらしく、薄着な写真が撮れそうですよ」

大淀「あー…残念ながら、そうではないんですよねぇ。あ、でも予算は増えるに越したことはないので、今の案は実行に移してくださいね」

青葉「お金の問題じゃないんですか?」

大淀「えぇ…この辺りを管轄してる電力会社で働いてる知り合いから連絡が来まして…」

青葉「ほうほう」

大淀「今日一日、電気を止めるんですって。エネルギーがもたないからって」

青葉「ほーう。……ん?」

ブッッッツゥゥンッッ!!

青葉「あれ!?電灯が壊れました!不吉な予感です!」

大淀「違いますよ。大本の電気が絶たれたんです。明日の午前七時まではこの調子だそうです」

青葉「えぇーーーっ!」

28 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:44:11.23 ID:4xxdG3jx0

ー午後3時 執務室ー

荒潮「あらぁ〜?」

荒潮「……」ピッピッ

荒潮「?」

荒潮「???」

荒潮「へぇ…最近のエアコンは反抗期も実装されてるのねぇ〜。ちょっと愛着わいちゃうかも〜」

提督「なんだ荒潮。エアコンを止めたのか?」

荒潮「違うわよ〜。勝手に止まったの。もしかして故障かしら?」

提督「故障?この前の点検では異常は報告されなかったが…」

ドタバタドバ…

霞「ちょっと、司令官!?なんなのよこれ、どうなってんのよ!」バァン

提督「うわ、なんだ霞お前、なんでそんな汗だくに?」

29 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:45:13.93 ID:4xxdG3jx0

霞「クソ暑い廊下を急いで走ってきたに決まってるでしょ!?緊急事態よ、エアコン壊れたわ!点検はすんでるはずでしょ?まさか予算が勿体ないからって私たちの部屋のエアコンを放っておいたんじゃないでしょうね?」

提督「やれやれ、ヒドイ言い掛かりだな。そしてなんとも奇遇だ。ちょうど執務室のエアコンも送風を停めたばかりだ」

霞「はぁ?どういうことよ、それ」

荒潮「ブレーカーでも落ちたんじゃないの〜?」

提督「ブレーカーなら工廠の近くにあるが…まさか明石のやつ、変な実験で電気を独り占めしてないだろうな?」

霞「じょ〜〜〜〜だんじゃないわっ!!こちとら28度で我慢してるっつーのに、セミの声を聞きながら流れる汗を眺めて拭って水で濡らして!あーー、もう!直接殴り込みに行ってやる!!」

荒潮「あらあらぁ…霞ちゃんったらご立腹ねぇ。あとでお供え物をしとかないとぉ。おなかなでなで〜♪」

提督「そんな扱いでいいのか…」

30 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:46:01.81 ID:4xxdG3jx0

リリリリリリリリン リリリリリリリリン

提督「ん?電話か…もしもし?」ガチャ

明石『提督!?明石です!どうして急に電気を止めたんですか?聞いてないですよ!』

夕張『私たちに蒸して[ピーーー]っていうことですかッ!?圧力鍋でも提督ほど圧力加えてこないですよ!朧ちゃんのカニでも連れてきてください!』

提督「開口一番にうるさい連中だなぁ…というか、お前たちの仕業じゃないのか?」

明石『ぜっったいに違いますよっ!なにか問題が起こったら私たちのせいと決めつけないでください!五割方は違うんですからね?』

提督「自覚があるだけ進歩を認めなくもない」

提督「だが、そうか…そうなると霞のカチコミは徒労に終わるな…」

夕張『えっ?霞ちゃんがどうかしたんですか?』

31 : ◆E7idzvHwo6 [sage saga]:2017/08/06(日) 15:47:43.98 ID:4xxdG3jx0

霞『こ・の・ハゲーーーーーーっ!!なにやってんのよアンタたちはーー!?』

明石『ひゃぁぁぁあッ!?』

夕張『わーードア蹴破らないで!あ、パソコンあるから気を付けて!』

霞『うるっさい!人のささやかな癒しさえも奪い取る卑しいやつら…軍法会議にかけるまでもないわ、今すぐに死刑ね!』

明石『えぇぇ?死刑は困るな…でも霞さんからの死刑宣告、そんな悪くない響きが…うぇへへへ』

夕張『まあまあ霞ちゃん?そんな頭から湯気を出さないで、お腹で茶釜を沸かしましょっか!なーんてね』

霞『へぇ…減らず口は健在ねぇ。工作要員は口も器用じゃなきゃ出世できない規則なの?』

32 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:48:31.34 ID:4xxdG3jx0

明石『ふふん。まあ私たちは、なにに於いても優秀な整備員だしぃ?当然ですね!』

夕張『そうそう!どんな問題もたちどころに解決してみせる、[たぬき]のような頼もしさ!…を目指してるわ』

夕張『まあ過ぎたことは謝るけどさ…ていうか霞ちゃんが何を怒ってるのかよく分かんないけどさあ…だからね?』

明石『うん…だから…霞さん?いいから、ね?その手に持ってるもの、こっちに渡してちょうだい』

霞『ハッ!アンタたちが精神的にバイタルパート敷いてるのは知ってんのよ。だったらそれ以外でダメージ与えるしかないじゃない?』

33 : ◆E7idzvHwo6 [sage saga]:2017/08/06(日) 15:50:12.00 ID:4xxdG3jx0

霞『パソコンって、静電気ひとつでダメになるらしいじゃない?夜な夜な何を怪しげな画面開いてるのか知らないけどさぁ…』パチパチ

霞『アンタらのおかしな企みは今日で終わりよ!スタンガン食らえーーっ!!』バチバチバチ!

明石『させるかああああああああぁぁっっ!!!』

夕張『死なばもろともぉぉぉぉおぉぉっ!!』

クァwセdrftgyフジコlp ピーーー ガーーー!!

ブツッ!プッ ツー ツー ツー ツー

提督「………」

荒潮「あらあらぁ。霞ちゃんたら、暑さで頭がやられちゃったのかしらぁ?」

提督「……朝潮型の部屋のエアコンは優先して新しいものに変えるよ」

荒潮「まぁ!ほんと?嬉しいわぁ、ありがと〜提督♥」

提督「さしあたっては、工廠のエアコンとすげ替えとくか…」

34 : ◆E7idzvHwo6 [sage saga]:2017/08/06(日) 15:53:04.05 ID:4xxdG3jx0
なんかいろいろ文字が変わるんですね。
この辺りはどうすれば無効にできるのかよくわからないので、方法があるのか分かりませんがとりあえず今回はこのままで進めます。
35 : ◆E7idzvHwo6 [sage saga]:2017/08/06(日) 15:54:08.18 ID:4xxdG3jx0

荒潮「それにしても、停電してても電話って繋がるのねぇ〜」

提督「あぁ。重要な設備は予備電源に繋がっているはずだ。まあそうでなくとも、停電していても電話だけは使えるというものが世の中にはある。便利なものだな」

荒潮「へぇ〜?文明様々ね〜。便利すぎてダメになっちゃいそ〜」

提督「既に手遅れな気もするがな」

コンコン

由良「提督。由良です。失礼します」ガチャ

由良「あの、工廠の電気が落ちてしまって。というか、もしかして鎮守府全体が落ちてません?」

提督「もしかして、さっきまで工廠にいたか?」

由良「え?えぇ、そうです」

提督「そうか。問題が起こったらすぐに上長に報告するのは良いことだ。日頃の行いが運命を分けたようだな」

由良「?」

36 : ◆E7idzvHwo6 [sage saga]:2017/08/06(日) 15:55:27.32 ID:4xxdG3jx0

提督「いや、構わん。こっちの話だ」

由良「そうですか…あの、それで一体どういう状況に?」

提督「詳しい事は俺も分からんが、どうやら電気が断たれているようだな」

荒潮「ちょっと暑くなってきたわねぇ…はふぅ…」

ガチャ!

摩耶「オイ!提督!?どうなってやがるんだ!エアコンつかねーぞ!」

長門「提督。全ての電化製品が動かないぞ。なにか聞いていないか?」

伊58「せっかくの休みなのにクソ暑いところで過ごせっていうことでちかあ!?提督は鬼でち!変態でち!ばーかばーか!」

提督「……」

提督「はぁ……今日はもう業務にならんな……」

37 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 15:56:46.10 ID:4xxdG3jx0

ー食堂ー

赤城「あああああぁぁぁぁ、うわあぁぁぁぁァァァ、アアアアっ!!」

赤城「どうして電子レンジが動かないんですかぁぁあああっ!!?」ガシガシ!

加賀「赤城さん落ち着いて!レンジを叩いても事態は変わらないわ!」

鳳翔「物に罪はありません。一回冷静になってください!」

赤城「やあぁぁきぃいそおぉばあああっ!どうして冷たいままなんですかああ!」

38 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:57:42.07 ID:4xxdG3jx0

赤城「初めて会った時はね…地味だなって思ったんですよ。だって焼きそばなんて、自分でも作れるじゃないですか。それよりもぽっぽ焼きとかりんご飴とか、お祭りに来たんだなって思えるものはたくさんあるじゃないですか…」

加賀「何を語り始めるの…」

赤城「でも!少しだけ、少しだけって誘惑に負けて、手を出したんですよ。みんな食べてるんですもん!私は悪くないんです」

赤城「そうしたら、妙にクセになる味にひかれて、気がつけばお祭りの代名詞のような錯覚にまで陥ってしまって…いけないと思いつつも、ソースの香りに誘われて…」

赤城「それが…どうですか…こんなに冷たくなっちゃって…あぁ、昨晩までの情熱が嘘みたいです…所詮はお祭り、神様を喜ばせるための娯楽に過ぎないのですね…」

赤城「裏切られた思いです…もう私、生きていけないです!」

鳳翔「落ち着いて!」バシーン!

赤城「いたいっ!…はっ!?私は何をして…あぁ、焼きそばぁ!?」

鳳翔「キリがありませんね…加賀、赤城を連れていってください」

加賀「えぇ、了解したわ。フンッ!」ドスッ

赤城「ぐべっ!?……」チーン

39 :全治全能の未来を予言するイケメン金髪須賀京太郎様に純潔を捧げる [sage saga]:2017/08/06(日) 15:58:27.78 ID:nxoMlVsA0
犯人はビリビリだ直ちに第三位を拘束城
40 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:58:43.20 ID:4xxdG3jx0

鳳翔「はぁ…困りました、腐る前に冷蔵庫の中身を早く処理しないといけませんね」

蒼龍「あついよ〜…鳳翔さ〜ん、なんか冷たいのなーいー?」

鳳翔「すみません、緊急事態ですので氷の類いは使用を控えさせていただきます」

蒼龍「そ〜ん〜な〜!?」

飛龍「ちょっと蒼龍?暑いのはみんな同じなんだから我が儘言わないの!」

蒼龍「や〜だー!汗でべたべたなんだもん、せめて内側から冷やさないとホントびしょびしょだよー?」

飛龍「いっそのことそうなっちゃえば?」

蒼龍「バカ言わないでよ!提督もいるのにそんなアホなことできるわけないじゃん。不潔な女って思われちゃう」

提督「俺がどうかしたか?」

蒼龍「うぇぇっ!?な、提督いつのまにいたのよ!?」

提督「たった今だが、どうかしたか?」

41 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 15:59:57.96 ID:4xxdG3jx0

飛龍「いえいえ、何でもないですよ。暑いなーって鳳翔さんとお話ししてたんだよー?」

蒼龍「そ、そうそう!あついもん…暑いし…て、提督?あの…あんまり私に近づかないでね?」

提督「うっ……すまない、汗臭かったか?善処する」

蒼龍「いえいえ!?そうじゃないの、そうじゃないんですよ!じゃなくて、私の方が汗臭いから〜、…ってなに言ってんのよ私は!?ホントバカだー…」

提督「なんだ、そういうことか…別に臭いとも思わんぞ。そもそも鎮守府中が基本的に潮の匂いが漂ってるし、匂いなんて分かるわけもなかろう」

蒼龍「うそぉ!そう言って誤魔化して、心の中では違うこと思ってるんだぁ!」

提督「いや本当だって!なにか柑橘類のような香りがするし…うん。何時までも嗅いでいたいな。蒼龍の方向から流れてきてるぞ?」

蒼龍「へんたいだ…」

提督「多少の謗りは甘んじて受けるさ、お前の名誉の為ならな」

蒼龍「……ホント?私、臭くない?」

提督「あぁ、本当だ。臭いわけがなかろう」

42 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 16:01:07.65 ID:4xxdG3jx0

蒼龍「そっかぁ…あははは、ならいいや。ありがとう提督!」

飛龍「……」

飛龍「うーん…クサい!蒼龍ちょー汗臭い!提督もセリフがクサい!」

蒼龍「はぁ!?」

飛龍「やっぱここは制汗剤だよねー。シーブリーズがいい?エイトフォーでもいいよ。あ、ファブリーズが効果的かも!これとかどーよ!?」ブシューー

蒼龍「ちょっとやめてよね!?こらーーー飛龍待てえぇぇ!」ドタバタドバ…

提督「……どんな状況でも変わらんなあ二人は」

43 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:02:20.62 ID:4xxdG3jx0

鳳翔「提督、お疲れ様です」

提督「鳳翔か。ご苦労様。……なにやら疲れているな?」

鳳翔「えぇ。冷凍庫の氷を全部クーラーボックスに移したので、腕が辛くて…食材も早く処理しないと。提督、すみませんが手伝ってもらえませんか?」

提督「構わんぞ。何をすればいい?」

鳳翔「ジップロックが棚の中にあるので、塩をコップ一杯ほど敷いておいてもらえますか?五十個くらいあれば足りると思うのですが」

提督「五十個!?そんなに何をするんだ?」

鳳翔「塩漬けですよ。お肉と魚を全部。ナマ物はこうして保存しておけば、数ヵ月はもつんです」

提督「ほう…それは知らなかった。梅干しとかきゅうりだけじゃないんだな」

鳳翔「はい。色味は落ちますが、代わりに風味が強調されて美味しくなります。召し上がるときはちゃんと塩抜きをしてくださいね」

44 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:03:02.72 ID:4xxdG3jx0

鳳翔「ではまず、豚肉を」

提督「うむ…うわ、ぬめぬめするな」

鳳翔「はい、ナマ物ですからね。全体が塩で覆われるようにしてください」

提督「えーと、これをこうしてまぶして…こうか?」

鳳翔「そうです。お上手ですね。で、香草を何枚か加えて蓋をします。あとは時々水分の様子を見ておいて、完成です♪」

提督「へえぇ、早いもんだな。たったこれだけでいいのか?」

鳳翔「私だともう少し時間がかかります。提督は手のお力が強いので、塩の刷り込みが早いんですよ」

45 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:04:07.47 ID:4xxdG3jx0

鳳翔「では次を。豚肉です」

提督「おう。……できたぞ。次は?」

鳳翔「豚肉です」

提督「豚肉が多くないか?」

鳳翔「夏ですからねぇ、バテを防止するのに効果的なんですよ。栄養もありますし、皆さん食べられますからね」

鳳翔「それに……その、集中力を高めるとも言いますし、野菜よりは精も付きますし、提督に合うのではと……」

提督「……」

鳳翔「……」

鳳翔「……あ、あら…私ったら何を言っているのかしら…おかしいですね…」

提督「いや…暑いからな。多少の事は、暑いからで今なら説明がつくさ」

鳳翔「そ、そうですか!なら、大丈夫です…えへへへ…」

46 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:05:18.01 ID:4xxdG3jx0

鳳翔「あ、冷蔵庫から追加分のお肉をとってこないと…ひゃっ!?」コケッ

提督「うぉっ!?危ない!」ドサ!

鳳翔「あぅ……す、すみません提督、足を滑らしてしまって……ッ!!?」

鳳翔(か、顔が…御尊顔が近いですぅ!)

提督「大丈夫か鳳翔?すまない、手がヌメヌメで使えなくてな、自力で立てるか?」

鳳翔「……」ドキドキ…

47 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:06:22.14 ID:4xxdG3jx0

鳳翔「あの…提督?今なら…大体の事は暑さで説明できるんですよね?」

提督「あ、あぁ…?…いや待て、それは少々の範疇を越えていると思うが…」

鳳翔「いいんです。少し唇が触れるだけです。不慮の事故です。Iowaさんがいつも提督の頬にしているのと…大差ないですよ?」

提督「そ、そうなのか?いやでも、うーん…」

鳳翔「ふふ…ね、少しだけ…もう少しだけ、熱さに溺れてみませんか?」

鳳翔「私もたまには…一夏の思い出がほしいです…」スッ

提督「……っ」

48 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:08:46.58 ID:4xxdG3jx0

瑞鶴「うわぁぁあああん!どうなってんのよこれぇぇ!?鳳翔さん助けて!何でもいいから冷たいの頂戴!熱さなんてうんざりよ!」

翔鶴「もう瑞鶴ったら、そんなシャツ一枚で歩き回って…鳳翔さん?こちらにおられますか?もしいらっしゃったら、この子に…氷を…一粒でも……め、ぐ…んで?」

瑞鶴「えっ」

鳳翔「ッッ!!??」

提督「なっ……」

瑞鶴「提督さん…ナニしてんの?」

提督「…熱さゆえの過ち?」

瑞鶴「……」

瑞鶴eye【ぬめぬめの両手・二人の異常に熱い吐息・塩だらけのキッチン】ピピピピピ

RESULT 爆☆撃☆敢☆行

49 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:09:33.90 ID:4xxdG3jx0

瑞鶴「て…提督さんが鳳翔さんとローションプレイしてるうぅぅぅっ!?」

提督「待て瑞鶴!これは不慮の事故だ!?」

翔鶴「瑞鶴!?貴女、ローションプレイなんて言葉をどこで覚えたの!」

瑞鶴「えぇーい不埒もの、私が成敗してやるわ!覚悟してよね、提督さん!」

提督「くそう!一旦逃げるしかないのか。すまない鳳翔、埋め合わせは必ずする!」ダッ

瑞鶴「あぁっ!?待ぁぁてえええぇぇ!!」

50 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:10:12.89 ID:4xxdG3jx0

鳳翔「……」

鳳翔「…はぁ…しそこないました」

翔鶴「鳳翔さん、大丈夫ですか?立てますか?」

鳳翔「えぇ、大丈夫です。……すみませんが翔鶴さん、手伝ってもらえますか?あまり時間をかけるわけにもいかなくて」

翔鶴「え、えぇ。もちろん構いませんよ。私でよければ、喜んで」

鳳翔「お肉や魚を全部塩漬けにするので、刷り込みをお願いします。豚肉からやってるので」

翔鶴「豚肉…精がつきそうですね」

鳳翔「!!??」

51 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:11:04.17 ID:4xxdG3jx0

ー鎮守府 廊下ー

ガングート「畜生…なんて暑さだ…茹だるような熱気とはこの事か。ウォッカを全身に被ったようだ…」

ガン「日本に来たはいいが…湿度は高いし、照り返してくるし、ロクな目に合ってないな…本気で死ぬ前にどうにかしなければならん」

ガン「そもそも!?なんなんだ急に!人が涼んでいる所に、急にエアコンを止めるとは!新人いびりか?このガングートに向かっていい根性をしている。両手両足を縛って海に叩き落とすだけで勘弁してやろう」

ガン「まったく…何もやる気にならん…ん?」

暁「ちょっと響!?アンタ裸のままどこに行くつもりよ!ちゃんとタオルで拭かないと風邪引くわよ!?」

響「なに、問題ないさ。これだけ暑ければすぐに乾くよ」

暁「そうじゃなくて…わっ!?ががが、ガングートさん!?」

ガン「なんだ、ちっこいのがたくさんいるな」

52 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:11:50.90 ID:4xxdG3jx0

響「やあ、同志ガングート。ご機嫌はどうだい?」

ガン「あぁ、最高の気分だよ。ありがとう同志デカブリスト」

ガン「ふむ…その格好は、我が祖国ではお目にかかる機会は少ないな」

響「日本だからこそ出来るんだよ。とっても気分がいい。開放的だからね」

ガン「ふん。祖国では、開放するのは魂だけだと相場が決まっている。ついでに領土もな。全ては党の労働者へと平等に還元されるのだ。分かるか黒いちびっこ?」

暁「えっ!?も、もちろんよ!とう…とう…糖…?あ、お菓子の話をしているのね?甘いものは大事よ。そっか、ガングートさんもお菓子が好きなのね!」

ガン「くっ…はははははッ!!そうだな、こんなサビついた過去の話ではなく、目の前の食べ物に気を使った方がよっぽど有意義だ。やるな、黒いの。後で赤く塗ってやってもいいぞ」

暁「??」

53 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:12:43.33 ID:4xxdG3jx0

響「ところでガングート。なにかイライラしているようだけど、どうしたんだい?」

暁「えぇっ!?そうだったの?は…早く言いなさいよ響ぃ…」

ガン「どうもこうも。冷房機が止まった。冗談にしては悪質だな。この私に、汗だくまみれで過ごせとは。ここの提督は肝が座っている。おまけにアナウンスの一つも無いときた。ハハッ!」

暁「なんか怒ってるよぉ…」

響「なるほど。暑いのが解決できず、十月革命のように猛り狂っていると。それなら簡単さ、ガングート。君も私と同じように、すっぽんぽんになればいい」

暁「なに言ってんのよアンタは!?」

ガン「……響よ。残念だが今の私はその手に冗談にノリで付き合えるほど、エネルギーが足りていないみたいだよ」

ガン「必要なのは確実な政策だ。弱りきった民衆を導くのが強い指導者であるのと同じように、我らはレーニンのごとき強硬な手段であっても実を得なければならない」

ガン「ま、実際は後付けの話が多いらしいが…今はそんなのはどうでもいい。私が求めているのはバイカル湖のような平穏だ。それ以外は興味などない」

54 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:13:29.30 ID:4xxdG3jx0

響「……」

暁「ほら響…うちわでも持ってきてあげましょうよ。ガングートさんをこれ以上怒らせたらダメよ」

響「……そうか…」シュン

ガン「!」

響「君なら私と同じ考えを持ってくれると期待していたのにな…仕方ない…不本意だけど、私も服を着ることにするよ…」

ガン「うぐ…そんな悲しい目をするな…」

暁「ていうか服を着るのが普通なのよ!」

響「いいんだガングート。第二の故郷の同胞である君に甘えすぎていたんだ…私が間違っていたよ」

55 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:14:14.03 ID:4xxdG3jx0

響「……」

ガン「……」チラ

響「……はぁ…」

ガン「〜〜〜っ!」

ガン「ええい、分かった分かった!お前の意見を、我が物としよう。どうせ女だらけで、男も一人しかいない。問題なかろう」

響「本当かい!?」キラキラ

ガン「私は嘘は言わん。必要がなければな。今は…必要ない」

響「おおおぉぉぉ!」

暁「ウッソでしょぉ…」

56 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:15:27.68 ID:4xxdG3jx0

ー鎮守府 潜水艦娘用プールー


加賀「なるほど…電力会社が電気の供給を中断しているのね」

提督「先ほど確認もとった。事前に連絡がなかったことについても抗議済みだ。まったく、どれだけ関係先調達に時間がかかると…」

龍驤「は〜ん。まぁまぁ細かいんは気にしてもしゃーなし、これからの事をかんがいーや!」

提督「これからと言ってもなぁ…電気が無ければ何も出来ないのがこの短時間でよく分かったよ。文明様々だな」

赤城「うぅ…やきそば…いえ、もういいんです…一度冷めた言葉には無限の距離しか感じられません…」イジイジ

提督「…で、コイツはどうした?」

加賀「失恋したのよ。しばらくは放っておいて構わないわ」

提督「そうか…」

龍驤「いつものことやろ〜、食いたいもんが食えなかったなんて」

57 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:16:13.40 ID:4xxdG3jx0

龍驤「それにしても皆、蜂の巣を叩いたようにわらわら部屋から出てきおったな!ははは、それはウチも同じやったわ!」

加賀「で、考えることは同じね。水を浴びればいいという」

提督「それで潜水艦の子たちのテリトリーにお邪魔したわけだが…ブギャブル!?」バシャアアン!

ゴーヤ「あ、ごめんなさいでち提督!」

呂500「お水、とっても気持ちいいですって!海のお水とは全然違いますって!」

提督「……そのようだな」ピチャ…ポチャ…

58 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:17:12.37 ID:4xxdG3jx0

提督「で、なんで俺は目隠しをさせられているんだ?」

瑞鶴「鳳翔さんとの淫行疑惑はまだ消えてないんだから、その罰よ!」

提督「疑惑の段階で刑を科せられるとは、ヒドい裁判官だな」

瑞鶴「だまらっしゃい!ここでは私刑がまかり通るの。疑惑あるところに証拠あり。みんなの水着姿は見せてあげないんだから!」

加賀「…なぜわざわざ、淫行なんて言葉を使ったのかしら。分かりにくいわね」

瑞鶴「はぁ!?そそそ、そんなのどうでもいいことでしょ!淫行は淫行よ。意味としては間違ってないわ!」

加賀「確かにそうだけど…」

龍驤「瑞鶴ちゃん必死やねぇ。微笑ましいわ、なんてな!ははは〜!」

59 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:17:51.04 ID:4xxdG3jx0

加賀「まあいいわ。私もせっかく水着に着替えたのだし、提督、私も少し泳いでくるわ」

龍驤「お、ウチも出るで〜。ここのプールは案外広いんやなぁ。加賀、どっちが先に向こうまで着けるか競争や!」

加賀「望むところよ」

瑞鶴「……提督さん?私もちょっと行ってくるけど…すぐ戻ってくるから。目隠し取っちゃダメだからね?」

提督「はいはい、了解したよ。そんな警戒しなくてもいいだろうに」

瑞鶴「警戒してるとかじゃないんだけどさあ…」

瑞鶴「……」

60 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 16:19:24.45 ID:4xxdG3jx0

瑞鶴「ねぇ提督さん。ちょっと!」

提督「なんだ…おわ!?なんだ瑞鶴、急に目隠しを捲って…!?」

瑞鶴「いいから、よく見てよ!」グイ

提督「…お、水着だな…そりゃそうだが」

瑞鶴「私の水着姿、可愛い?どう?」

提督「……か、可愛いぞ。うん」

瑞鶴「どういう風に可愛い?」

提督「どうって…俺は水着はよく知らんが…瑞鶴らしい快活さが溢れでているな。似合ってると思うが」

瑞鶴「なにそれ。誉めてるの?」プクー

提督「誉めてるさ!瑞鶴の魅力がよく分かるというか、色も派手すぎずに目立つ可愛さというか…」

瑞鶴「……」ジーーー

提督「えーと……あ、瑞鶴。お前、ツインテからポニテに髪型を変えてあるな」

瑞鶴「……えへへ〜、合格!」

61 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:19:53.81 ID:4xxdG3jx0

提督「うがッ!」パシン

瑞鶴「その目隠し、私がいいって言うまで絶対にとっちゃダメだからね!?じゃ、じゃあ私も泳いでくるから!」

提督「……はは、可愛いやつだな、ホントに…」

赤城「そうですねぇ…青春ですねぇ〜」

提督「あおわぁっ!?あ…赤城!お前もう少し人間の声を出せ!」

赤城「あ、ひどいです…私だって幸せになる権利くらいはあります」

62 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:20:40.00 ID:4xxdG3jx0

提督「焼きそばを食べられなかったくらいでどんだけへこんでいるんだ…」

赤城「くらい、と提督は仰いますが、私にとっては一大事です。日々の食事は私にとってはなによりも活力となるのに」

提督「件の焼きそばはどうした?」

赤城「あ、レンジの中にしばらくおいといたら、傷みました。もう食べられません」

提督「そうか…他にお前の食指を満足させるものは?」

赤城「残念ながら、なにも。焼きもろこしは食べちゃいましたし、あんずあめもフランクフルトもたこ焼きも、もう全部食べちゃいました」

提督「なるほどなぁ…祭りに行った気分になれる食べ物が欲しかったと」

赤城「そうなんです」

提督「うーむ…今は食材が自由に使いにくいからなあ、お前の要望を満たすものは難しいな」

赤城「ふぇぇぇ……」

63 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:21:09.45 ID:4xxdG3jx0

提督「電気が戻るのは明日の朝だ。そうしたら鳳翔になにか作ってもらえるよう、こっちから頼んでみるよ」

赤城「はい…ありがとうございます」

赤城「私はいったん戻りますね。あまり泳ぐ気分ではないので。それでは…」トボトボ…

提督「……うーむ、重症だな」

64 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:22:36.06 ID:4xxdG3jx0

ー同時刻 潜水艦娘用プールー


ガン「……」

響「………」

ガン「おい、ちび。失礼を承知で提言するが」

ガン「私は貴様に騙されたのではと、そんな疑問がふつふつと沸いてきているんだ」

響「何故だい?」

ガン「全員水着を着ているじゃないか…」

Iowa「HAHAHAHAHAHA〜!?へーい、Gangut!その格好はどうしたのよ!ヌーディストビーチでも見つけたの!?」ケラケラケラ

Bismarck「あはははは!違うわよアイオワ!暑さで頭がやられて八甲田山みたいに脱ぎ始めたのよ!もしくはウォッカの飲みすぎね!」プゲラー

ガン「ほおおう?貴様ら、私に喧嘩を売っていると解釈して、いいんだな?」

アイ「まったく迫力がnothingネー」

ビス「天下の共産党も、これではねぇ…プクク…」

65 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:23:28.91 ID:4xxdG3jx0

Warspite「NO、二人とも!そんな風にガングートを笑ってはいけないわ!人道的配慮が欠けているわ!」

アイ「W、Wow…スパ子、そんなTerrerFaceはノーサンキュー。落ち着いて落ち着いて!」

ビス「どうしたって言うのよ。普段の大人しめなアナタらしくないわね」

スパ子「これにはれっきとしたワケがあるのよ。そのワケを聞いたら、二人とも口が裂けても彼女を笑うことなんて出来ないハズだわ」

ガン「ふん。その通りだ。別に私は好きにこんな格好をしたんじゃない。話の分かるやつがいて助かる」

スパ子「ガングートは、可哀想な子なのよ。二人ともその事をきちんと分かってあげて」

ガン「そうだ……ん?なに!?」

66 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:24:35.10 ID:4xxdG3jx0

スパ子「Iowa、Bismarck。貴女たち二人には、栄光ある祖国がいつでも帰りを待っているわ。私も同じ。愛すべき国が今も繁栄を続けている」

スパ子「けれど、ガングートは…彼女が忠誠を誓ったソ連はもう存在しないのよ…」

アイ「あ……」

ビス「む……」

ガン「おいこらちょっと待て!?貴様らも何を納得しかけている!」

スパ子「彼女は着の身着のまま、スズメみたいにその日暮らしでシベリア平原を渡り歩いてきて…水着なんて持っているハズがないわ」

スパ子「心の拠り所を失い、それでも戦うと決めた彼女の霜に覆われた姿は、何よりも美しい武勲艦よ!」

ガン「待てと言っとろうに」

67 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:25:21.53 ID:4xxdG3jx0

スパ子「そんな逞しく生きてきたガングートに、どうして私たちが嘲りを向けられるというの?謝りなさい、二人とも」

アイ「…I’m sorry Gangut…私が間違っていたわ。貴女が苦労してきたこと、何も想像なんてしなかった。許してちょうだい…」ホロリ…

ビス「ごめんなさい。貴女を傷付けてしまったわ。なんの詫びにもならないかもしれないけど…今度一緒にお店に行きましょう。貴女にぴったりの水着を買わせていただくわ」

アイ「Nice idea!それはいいわね。とびっきりのモノを買いましょう!」

ガン「き、貴様らは感情だけで生きているのか…?」

68 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:26:40.96 ID:4xxdG3jx0

アイ「oh…でもそうなると、今はどうする?ガングートが一人だけすっぽんぽんじゃあ可哀想だわ」

ガン「一人だけ?そういえば響は何処に行った…あ!?アイツ、ちゃっかり暁から水着を着せられてやがる!」

ビス「ふふん。簡単よ。私たちもすっぽんぽんになればいいわ。この国の諺になぞらえれば、赤信号皆で渡れば怖くない、ってヤツね」

アイ「SO COOL!平等と博愛に満ちた、素晴らしい言葉ね。よーし!」ババババッ

ビス「私も脱いだわ。よし、三人で肩を組んで突撃ね」ガシ

ガン「やめろ!貴様ら私に触るな単細胞が移る!肩を組むな!さりげに胸を触るなあああぁぁ!!」ガーー

アイ「目標、広大なバルト海の彼方へ!」

ビス「鎌と鎚のシンボルは不滅よ、ガングート!」

アイ「Let’s paaaaaaartyyyyy!!Yeahhhhhhh!」

ビス「そこ退けええええぇぇぇ赤い巨星のお通りよっ!!」

ガン「この三枚舌あああぁぁ!!覚えてやがれぇぇぇッ!!」

バッッッシャァァァァァンッ!!!

スパ子「……ふふ、これで三人とも、少しは仲好くなってくれるかしらね」

69 : ◆E7idzvHwo6 [saga]:2017/08/06(日) 16:28:38.72 ID:4xxdG3jx0

ー夕方 鎮守府 男性更衣室ー


ジジジジジ…ミーーーンミンミンミンミンミンミーーーーー……


鈴谷「アッッッヅイィィィ……あり得ないし、なんで急に電気止まってるワケぇ?」

熊野「街全体がこうなっているとは…鎮守府も電気が落ちてますし…救いがないですわねぇ…」

鈴谷「ジンジャーの水分もう全部とんだわコレ…あーーっ、アッツイぃ!」

熊野「はぁ…服もびしょびしょで、気持ち悪いですわ。早く着替えましょ」スルッ

鈴谷「浴衣かぁぁ……こんなん着て涼しくなんのかねぇ…」スルッ

熊野「赤城さんが持ってきてくだすったのですから、ありがたく着ることにしましょう。他に涼の手立てが思い付きませんわ…」

70 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:29:31.84 ID:4xxdG3jx0

熊野「……っ!?鈴谷、あなたなんですの、その下着は!」

鈴谷「あーー?…!?いや、別にコレはさぁ…あははは…」

熊野「やっぱり黒の下着じゃないの!私の言った通りですわね。まったくハレンチですわ!」

鈴谷「ぐぬぬ…べ、別に下着くらいどんな色でもいいでしょ!?」

鈴谷「熊野だって、なんなのこのお尻は!?ぷりっぷりじゃん!オスを誘ってんじゃん!?」ギューー

熊野「にゃっ!?ちょ…やめてくださる!?はぅ…んぅ!!」ピクン!

鈴谷「おぉう、良い感触してんじゃん…このハリ、弾力、旨味たっぷり詰まってる証拠だねぇ…じゅるり」

熊野「やぁ…舌なめずりなんてやらしいですわ…ていうか今のもエッチな本のセリ「うるさああぁぁぁい!」」

71 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:30:08.55 ID:4xxdG3jx0

ガラララ!

提督「結局プールも追い出された…なぜ急にみんな水着を脱ぎ始めたんだ?」

提督「んあ?」

鈴谷「」

熊野「」

提督「なにやってんだお前ら!?」

鈴谷「んなああああああぁぁぁ!?!?」

熊野「覗き見ですわぁぁああ!!」

72 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:31:40.70 ID:4xxdG3jx0

提督「バカを言うな!ここは男用の更衣室だ!お前らが間違えているんだぞ!?」

鈴谷「うっそぉ!?」

熊野「鈴谷ぁ!いくら欲求不満だからってわざと間違えましたわね!?ここなら下着を堂々と見せつけられるから!…策士ですわね」

鈴谷「そんなつもりじゃないし!」

提督「っていうか鈴谷!?お前、なんだその派手な下着は!どこで買ったんだ!」

鈴谷「はぁ!?」

提督「許さん、許さんぞ!いったい誰に見せるつもりだ!変な虫でもできたんじゃなかろうな!?」

鈴谷「見せねーーーーよっ!?見せる予定なんかねーーよ!アンタは私の父親か!?ていうかいつまでそこにいんの!?さっさと出てけーーッッ!」ポイッ

提督「ぐおっ!」ガン!

73 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:32:32.01 ID:4xxdG3jx0

鈴谷「バカ、エッチスケッチワンタッチ!すけべぇ!!」ガラララピシャ!

鈴谷「〜〜〜」

鈴谷「バーーカ!」

熊野「ぁぉぁぁぁ…見られた…もろに見られてしまいましたわ…パンもろですらない、ケツもろですわ…」ズーン…

鈴谷(あ、でも見せといたほうが後々良かったかも…いやでも、まだ心の準備ができてないじゃん!まごころのこもってないパンツ見せても仕方ないっしょ)

鈴谷「…」

鈴谷「なにバカなこと考えてんだろ……」

鈴谷「……」

鈴谷「うーーーん……ん〜〜…」

鈴谷「〜〜〜〜っ」

鈴谷「だーーやっぱダメ!やっぱ恥ずかしい!ノリで買うんじゃなかった、提督には見せてやんないもんね!」

74 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:34:05.88 ID:4xxdG3jx0

ー夕刻 執務室ー


提督「ヒドい目にあった…理不尽だ理不尽。なぜ俺が追い出されなければならん」

提督「あぁクソ、さっきまでの夢心地な冷房が嘘みたいだ…いや、この暑さもある意味では真実か。文明の力と脆さ。神でもない人間が営む栄華の、数ある局面の一つか…」

提督「空しいな…」

コンコン ガチャ

舞風「たっだいまぁぁーー提督!舞風、帰還したよー!」

野分「買い物、終了しました。抜かりはありません」

提督「おかえり。舞風、野分。他の二人は?」

野分「生鮮食品を抱えているので、食堂に。今夜は野菜たっぷりカレーを作る予定…だったのですが」

舞風「なーんか鎮守府が真っ暗で静かなんだよね〜。寂しいな〜」

提督「電気が止まっているからな…」

75 : ◆E7idzvHwo6 [sage]:2017/08/06(日) 16:34:55.60 ID:4xxdG3jx0

提督「お前たち、外は暑かったろう。鳳翔に言って氷を使って飲み物を冷やせ。四人分くらいなら影響はないはずだ」

舞風「えーー?大丈夫だったよ。ずっと木陰で休んでたもんねー♪」

野分「途中でまいが休憩したいとダダをこねて…すみません、小川で涼んでおりました」

舞風「ああーっ!?私のせいにしようとしてるー!のわっちもだらけてたクセにー!」

野分「だらけてません。目を閉じていただけです」

舞風「ぷえー。花火たくさん買い込んでたのものわっちなのになー」

野分「違うわ!提督、違いますからね?あくまでも皆が楽しめるようバリエーションを揃えたのであって、決して私の興味のために何十個も買ったわけでは…」

提督「はは…わかってるよ、野分。お前が仲間想いなのは知っている。ありがとうな」ナデナデ

野分「あ…いえ…というか頭…ありがとうございます…」

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