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キョン「最近、生え際が気になる」
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1 :
◆y7//w4A.QY
[saga]:2017/08/04(金) 23:39:55.58 ID:wVz2P5md0
キョン「うーむ」
キョン妹「ほぇ? キョンくん、鏡の前でなにしてるの?」
キョン「妹よ」
キョン妹「なぁに?」
キョン「最近、兄の変化に気がつかないか?」
キョン妹「ん〜?」
キョン「ほら、例えば男前になったねーっとか」
キョン妹「きゃはは! それはないよぉ〜」
キョン「そ、そうか。では、ごほん」
キョン妹「……? さっきから変なキョンくん」
キョン「改めて問おう、妹よ。……最近、ちと、デコが広くなったと思わないか?」
キョン妹「おでこさん?」
キョン「どうだ……? 八割くらい本気の回答を求む」
キョン妹「キョンくん前髪があるからよくわかんないっ」
キョン「ほれ。これならどうだ」グイッ
キョン妹「んー……あっ! ホントだぁ!」
キョン「えっ! そ、そうなのか⁉︎ やっぱり、間違いないんだな⁉︎」
キョン妹「おでこさんが広くなってるー! キョンくんのおでこさんっ♪ キョンくんのおでこさんっ♪」
キョン「何度も連呼しなくてよろしいっ! ……そうか。やはり、広くなっているのか」ガックシ
キョン妹「よしよし」ナデナデ
キョン「慰めてくれるのはありがたいが、頭をさわるのはやめてくれ。毛根が摩擦によって抜けたらどうしてくれる」
キョン妹「あはは。キョンくんなんだかベジータみたい」
キョン「M字でもないしサイヤ人じゃありませんっ!」
キョン妹「じゃあ、サザエさんの波平?」
キョン「まだそこまでハゲとらんわいっ!」
キョン妹「それじゃあ、クリリ――」
キョン「どんどんハゲ具合がひどくなってないか! 謝れ! 全国の頭皮が薄い人に謝れ!」
キョン妹「わぁ〜! 天津飯くんこわぁ〜い! おかあさぁ〜ん!」
キョン「あっ、こら! 待ちなさい! ……ったく。しかし、どうしたもんかねぇ〜」チラ
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1501857595
2 :
◆y7//w4A.QY
[saga]:2017/08/04(金) 23:51:51.40 ID:wVz2P5md0
【学校 HR前 トイレ】
古泉「おはようございます」
キョン「はぁ……。朝からお前の顔を見るほど憂鬱な気分になることはないぜ。せめてクラスが違くて助かったよ」
古泉「んっふ。では、神に感謝しなくては」
キョン「神様ならお礼は足りてるそうだ」
古泉「そうとも限りませんよ〜? 謝礼はいくらあっても困りませんからね」
キョン「現金な神様ってのも嫌なモンだが」
古泉「神社の前に賽銭箱が置いてあるのはなんでだと思います? 地獄の沙汰も金次第と言うじゃありませんか」
キョン「けっ、現世は地獄で金でなんでも解決できるってか? なんともいやらしい思考してやがる」
古泉「そういうわけではありませんが。渡し船でさえ運賃が必要だったりしますしね」
キョン「はいはい、そうですか。用を足したなら行けよ」
古泉「そのつもりでしたが、さっきから鏡の前でなにをしてらっしゃるんです?」
キョン「別になんだっていいだろ」
古泉「ナルシズムに目覚めたとか。興味深いですね」
キョン「はっはっはっ。俺が自分をかっこいいと思える日がくるなら本当の地獄がくるかもなぁ」
古泉「おやおや。それは一大事」
キョン「皮肉をスルーするな。それぐらいありえないって話だよ」
古泉「ふむ。僕としてどちらでもかまわないのですが」
キョン「よく言うぜ」
古泉「それで、見惚れているのではないとすれば……なにをしていらっしゃるので?」
キョン「はぁ……なんにも。ホクロが気になってさ」
古泉「ホクロが?」ズイ
キョン「うわっ! 寄るな近いうっとうしい!」
古泉「なんら変化があるようには見受けられませんが……」
キョン「ええいっ! お前が行かないってんのなら俺が行く!」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/04(金) 23:59:21.78 ID:Mojuv9Ts0
おい中の人いじめはやめて差し上げろ
4 :
◆y7//w4A.QY
[sage]:2017/08/05(土) 00:06:34.15 ID:vYgOB4Up0
【教室】
国木田「あ、キョン。おはよー」
谷口「うーす」
キョン「おはよーさん」
谷口「今日はいつもより遅かったじゃねぇか。可愛い子でもいたのかぁ?」
キョン「お前じゃあるまいし」
谷口「健全な男子として全うな反応だね! もしかして、キョン、お前って不能か?」
キョン「なんでそうなるっ!」
国木田「それで、なんで遅かったの?」
キョン「いや、ちと、腹が痛くてさ」
谷口「どーだか」
朝倉「おはよう、キョンくん」
キョン「……? えっと、なにか用か?」
朝倉「涼宮さんにプリントを渡してもらおうと思って待ってたの」
キョン「ハルヒなら……って、まだ来てないのか。わざわざ手渡しなぞせんでも、机の上にでも置いておけば」
朝倉「そう邪険にしないで。涼宮さん、私からだと不機嫌になっちゃうから」
キョン「はぁ……俺はハルヒ専用の伝書鳩じゃないんですけどねぇ」
朝倉「ごめんなさい。良くないと思うけど、涼宮さんとまともに喋れるのキョンくんだけだから、つい……」
キョン「わーったよ」
朝倉「ごめんね。昨日、涼宮さんがお休みしてたから。三者面談のプリントを預かってるの」ペラ
キョン「りょうかい」
朝倉「いつもありがとう。感謝してる」クル
谷口「……いいよなぁ〜。キョンは」
キョン「なにがだ?」
谷口「涼宮のおかげで朝倉とお近づきになれるなんてさぁ」
キョン「お近づきになっているように見えるなら眼科をお薦めしたいね」
谷口「なんなら変わってやろうか?」
キョン「ハルヒもついてくることになるが、かまわないのか」
谷口「うっ! そ、そうだった」
キョン「はぁ……やれやれ」
5 :
◆y7//w4A.QY
[sage]:2017/08/05(土) 00:20:47.98 ID:vYgOB4Up0
ハルヒ「……」ガララッ!
谷口「おっと、噂をすれば――」
国木田「じゃ、じゃあ僕たちはこれで」
谷口「なんだか機嫌悪そうだな。頑張れよ、キョン」
キョン「はぁ……」
ハルヒ「……」ズンズン ドカッ!
キョン「……」ソォー チラ
ハルヒ「……? なに?」
キョン「よ、よぉ。本日はお日柄もよく」
ハルヒ「はぁ? なに言ってんの、あんた。ついにボケた?」
キョン「くっ!」
ハルヒ「用がないなら話かけないで。あたし今、機嫌悪いんだから」
キョン「そ、そうかぁ〜。なにか機嫌が悪くなるようなことでもあったのか?」
ハルヒ「別に」
キョン「(こ、こいつ……! いや、落ち着け。平常心、平常心)」
ハルヒ「なに? なんか用があるの?」
キョン「昨日、ハルヒ、休んでただろ? プリントがあるみたいなんだ」ペラ
ハルヒ「はぁん?」バシ
キョン「いや、渡すように頼まれてな? 三者面談らしいんだが」
ハルヒ「あっそ。用が終わったなら前向いてよね」
キョン「はぁ……へいへい」
ハルヒ「まったく、なんで私がこんな思いしなくちゃいけないかしら」ブツブツ
キョン「(これは、俺に聞いてくれという合図なのか。ハルヒよ)」
ハルヒ「あぁ〜あ」
キョン「な、なにがあったんだ?」
ハルヒ「別に」
キョン「ぐぐっ!」
ハルヒ「あんたの間抜けな顔見てたら怒るのもバカらしくなってきちゃった」
キョン「てめぇ……! 俺の顔でストレス発散――」
ハルヒ「そうだ! 今日の放課後、SOS団の会合をするから!」
キョン「人の話を聞けっ!」
ハルヒ「あんたの話なんてとるにたらないもんでしょ。そろそろ先生くるわよ。ほら、前向いて。しっしっ」
キョン「(俺が禿げたのはこいつのせいじゃなかろうな)」
6 :
◆y7//w4A.QY
[sage]:2017/08/05(土) 00:41:06.23 ID:vYgOB4Up0
【放課後 部室】
キョン「うーす」ガララッ
長門「……」チラ
キョン「あれ、なんだ。まだ長門だけか」
長門「……」コクリ
キョン「そっか」テクテク ガタッ
長門「……」
キョン「ふぁ〜ぁ。眠くなっちまうね。時に長門。今日はなにを読んでるんだ?」
長門「……」スッ
キョン「なになに、愛を叫んだケモノ……ま、また、濃いタイトルのやつ読んでるんだな。面白いか?」
長門「ユニーク」
キョン「そ、そうか」
長門「……」コクリ
キョン「い、いやぁ。しかし、ハルヒ達遅いなぁ」
長門「……」ガタッ
キョン「(次の本か? 見開いてたページは半分ぐらいだったが」
長門「……」スタスタ
キョン「ん……? なんだ?」
長門「読んで」スッ
キョン「これを?」
長門「そう」
キョン「いや、ちょっと、こういう濃いタイトルのものは」
長門「読んで」
キョン「はぁ……わかった。借りとくよ」
ハルヒ「じゃじゃーんっ!」ガララッ!
みくる「ふええぇぇ〜」
キョン「おい、ハルヒ、もう少し静かに――」
ハルヒ「あら、古泉くんはまだ?」
キョン「ってぇ! 朝比奈さんになにしてやがるっ!」
ハルヒ「あぁ、これ? どぉ? かわいいでしょお〜?」
みくる「ぐすっ、なんでこんな格好しなくちゃいけないんですかぁ〜」
キョン「(朝比奈さんのナースコス……! これなら一生入院してもかまわないぜ!)」
ハルヒ「なんでって、かわいいからよ! みくるちゃん? ここに座って」
みくる「あぁうぅ……はいぃ……」
7 :
◆y7//w4A.QY
[saga]:2017/08/05(土) 00:56:48.13 ID:vYgOB4Up0
【数十分後】
ハルヒ「――おそいっ! もお! 古泉くんはなにしてるのよ!」
キョン「あいつにはあいつの都合ってもんがあるんだろ」
ハルヒ「あんたには聞いてない!」
キョン「さいですか」
ハルヒ「SOS団は誰が欠けてもダメなのに」
みくる「あうぅ〜」
キョン「全員が揃ったところでなにを議題にするつもりだったんだ」
ハルヒ「ちっ、まぁいいわ。古泉くんがきてないってことは、あんたにアイデアを出してもらうから。いい⁉︎ ちゃんとしたの出さなかったら死刑だからね!」
キョン「なにかわからずにあの世逝きはごめんだね」
ハルヒ「今度、SOS団でテーマパークを作ることにしたわ!」
キョン「はぁ?」
みるく「て、テーマパーク、ですか?」
長門「……」パタリ
ハルヒ「ええ、そうよ」
キョン「ハルヒよ。いくら夏だからといって、暑さに脳をやられまったのか?」
ハルヒ「失礼ね! あたしは正気よ!」
キョン「で? 具体的にはなにをするんだ」
ハルヒ「それは……これよっ!」ビターンッ!
みるく「……? 商店街のチラシ?」
ハルヒ「そう! 来たるべく夏休みを前に商店街で催しをするらしいのよぉ〜! この波に乗らないのはもったいないでしょ!」
キョン「それとテーマパークになんの関連性が」
ハルヒ「人が集まる→商店街にはなにもない→私たちが作る!」
キョン「ず、頭痛がしてきた」
みるく「でもぉ、私たち学生ですしぃ、資金が……」
ハルヒ「甘いわね、みくるちゃん! なにもお金だけが全てじゃないでしょ?」
キョン「仮装パレードでもやろうってのか?」
ハルヒ「ノンノン! 甘いわ! モンブランよりも甘いわね!」
キョン「洋菓子かよ」
ハルヒ「もっとお金のかからないやつ! それは〜」
みるく「それは……?」
ハルヒ「水風船よっ!!」
8 :
◆y7//w4A.QY
[sage]:2017/08/05(土) 01:09:50.92 ID:vYgOB4Up0
キョン「ちょ、ちょっと待てよ。水風船って服がびしょびしょに」
ハルヒ「それのどこに問題あんの?」
キョン「はぁ……。いいか? 商店街の利用層を考えてみろ。主婦、ご年配の方々だ。子供向けにはいいかもしれないが、嫌がるに決まってるだろう」
ハルヒ「なにも全区画で行わなくたっていいじゃない」
キョン「どういう意味だ?」
ハルヒ「あぁん、もう! なんでこんなにバカなのかしら! 遊園地にだってキッズスペースがあるじゃない!」
キョン「……つまり、特設ステージを作って、その場所限定でやるってことか」
ハルヒ「その通り! それなら、費用も少なくて済むし、商店街の皆さんのご迷惑にもならないわ。なにより、買い物をしている主婦にとってゆっくりできる時間を確保できるのよ!」
キョン「話が戻るが、びしょびしょになった子供が帰ってくるのにか」
ハルヒ「そこなのよねぇ問題は。キョン、あんたがアイデアを出しなさい!」
キョン「はぁ?」
ハルヒ「さっき言ったでしょ? アイデアを出さなかったら死刑だって」
キョン「うーむ……」
みるく「キョンくん……」
キョン「――悪い。考えつかん」
ハルヒ「はぁっ⁉︎ なにそれぇっ⁉︎」
キョン「そう言われてもだな」
ハルヒ「ちゃんと考えたの⁉︎ 時間にして数秒しかたってなかったじゃない!」
キョン「いや、しかし、濡れるのはどうしようも……」
ハルヒ「やる気の問題よ! 思いつかないんだったら自宅に持って帰るぐらいないわけぇっ⁉︎」
キョン「なんで俺がそこまでせにゃならんのだ!」
ハルヒ「はぁ……もういいっ!」バァンッ
キョン「……」
ハルヒ「私、今日はもう帰る。みんな、あとは好きにしていいから」
みくる「はわわわわ」
長門「……」
9 :
◆y7//w4A.QY
[sage]:2017/08/05(土) 01:50:59.45 ID:vYgOB4Up0
【下校中 バス停前】
キョン「……」
佐々木「も、もしかして。キョン、キョンじゃないか……?」
キョン「……? あれ、お前、まさか、佐々木か。なんでここに」
佐々木「――驚いた。これはひどい偶然だ。いや、驚愕に値するよ。一年間も音信不通だったのに。こんな日に突然で逢うなんて」
キョン「俺も同感だ。まさかバス停で待っているところで再開するとは。しかし、それが俺たちらしいとは思わないか」
佐々木「くつくつ、そうだね。おあつらえ向けな舞台なのかもしれない。ましてや、仮にも僕たちは一介の高校生だ。不都合など在りはしないとさえ思える」
キョン「今は帰りか」
佐々木「これは驚いた。『今が帰りか』と僕に問うたね。ああ、いや、只の男子ならば自然なのだろうけれど。僕たちは久しぶりに会ったんだ。かけるべき言葉はそうじゃないんじゃないかな」
キョン「そうだな……悪かった。会えて嬉しいよ。佐々木」
佐々木「ふぅ……憎らしい。そんな一言で不躾な態度を許してしまいそうになる。でも、それ以上に、僕も会えて嬉しいよ、キョン。久しぶり」
キョン「ああ」
佐々木「勉強はちゃんとしているのかい。君の御母堂はあまり成績が良くないと嘆いていたそうだが。ちゃんと勉強をしないと塾に通わされるよ」
キョン「そうならないように努力をしてるつもりだよ。佐々木と違って博識でない俺にはそれしかないんでね」
佐々木「それはまた、皮肉ともとれる言い得て妙な表現だ。僕のは好奇心という名の悪癖さ。良くも悪くも、調べなければ気が済まない。その良い面が成績にあらわれている、それだけの話」
キョン「あいかわらずみたいだな。安心したよ」ニッ
佐々木「くつくつ……心配に及ばないよ。僕こそ安心した」
10 :
◆y7//w4A.QY
[sage]:2017/08/05(土) 02:16:20.79 ID:vYgOB4Up0
キョン「俺はいつも使っている通学ルートだから不自然はないが。佐々木、お前を見たのは初めてだ。お前は県内一の進学校に通ってるはずだろ」
佐々木「よく覚えていてくれたようだね。その記憶に相違ない。だけど今日に限ってこっちに用事があったんだ。それが僕がここにいる理由」
キョン「そうなのか。じゃあ本当にたまたま――」
佐々木「ああ、だから言ったよ。これはひどい偶然だと。今日が人生の全てが決まる日ではないけれど、僕にとってひどい日には変わりなかったから」
キョン「それはちょっと凹むな」
佐々木「誤解しないで。君に会ったことがひどいと言ってるわけじゃない。これも覚えているかい? キョン、君の通う高校を受験していたのを」
キョン「覚えてるよ。滑り止めだと言っていたか」
佐々木「予測不可能な現実はいつだって起こりうる。その為に僕は北高と今通っている進学校、二つを受験して、どちらにも合格した」
キョン「そうだな」
佐々木「――結果、僕は進学校を選んだ。だけど、北高でもよかったんじゃないかって、僕は常々思うんだ」
キョン「いや、そりゃもったいないだろう」
佐々木「どうして? 北高にだって特進クラスはある。もちろんキャリアを積む上で土台が良いにこしたことはない。だけど、青春という二度と戻らない三年間を僕は不意にしたのかもしれないんだよ」
キョン「俺なら後悔なんてしようがないが、天才の考えることはよくわからんね」
佐々木「重なり合う時間、なにも進路だけが人生じゃないんじゃないかって、僕は思う。もちろん、こっちを選んでよかったと思える時が来る可能性を否定できないけど、僕は今も大事なんだ」
キョン「そうか」
佐々木「あの、もしよかったら、電話番号を交換しないか?」
キョン「ああ、かまわないぞ。むしろ俺からお願いするところだった――」
佐々木「ほ、本当っ⁉︎」
キョン「あ、あぁ」
佐々木「ご、ごほん。取り乱してしまってすまないね。なに、これもまた、ひどい偶然があったものだと驚いてしまった」
キョン「いや、改めて俺からお願いするよ。電話番号を聞いてもかまわないか」ゴソゴソ
佐々木「本当に、本当に、なんで僕は北高を選ばなかったんだろう」ボソ
キョン「佐々木?」
佐々木「いや、な、なんでも! 電話番号だったね! 交換しようか!」ニコニコ
11 :
◆y7//w4A.QY
[saga]:2017/08/05(土) 02:27:12.70 ID:vYgOB4Up0
【夜 キョン宅 風呂】
キョン妹「キョンくぅーん! シャンプーおいとくねー!」
キョン「ああ、わかった」
キョン妹「おかあさんがスカルプケアのシャンプー買ってきてくれたんだってぇ〜」
キョン「妹よ。俺の頭皮についての心配は母親にばっちり伝わっているようで安心したぞ」
キョン妹「ハゲたらいけないからってぇー! ハゲたらー!」
キョン「何度も言うんじゃありませんっ!」
キョン妹「若ハゲは辛いんだってー!」
キョン「これ以上の追求は頭皮が薄い方達から恨まれるからやめなさいっ!」
キョン妹「はぁーい、それじゃあねー!」タタタッ
キョン「ふぅ、あ、また抜けた」カポーン
12 :
◆y7//w4A.QY
[sage]:2017/08/05(土) 03:01:09.60 ID:vYgOB4Up0
【リビーング】
キョン妹「キョンハゲおそーい」
キョン「呼称が変わっている、そしてなぜワカメを持っている」
キョン妹「髪にいいって、おかあさんが」
キョン「心配がすぎやしないかっ!」
キョン妹「いらないの? 増えるよ?」
キョン「増えるのは水に浸したワカメであって髪じゃないから!」
キョン妹「あららー。おめぇー増えないのかークリリン」
キョン「悟空っぽく言ってもダメだから! つか、どこでそんな知恵身につけてきた!」
キョン妹「そういえば、キョンくんがお風呂にいってる間ずっと携帯が鳴ってたよー」
キョン「また唐突に話題転換を。……携帯? あれ、どこに」
キョン妹「はい、どーぞ。ツルッと滑らせないようにね」スッ
キョン「悪意を感じるぞ! 妹よ!」パシッ
キョン妹「それじゃあ、風呂はいろ〜っと」
キョン「ったく……ん?」
『新着メッセージあり。件数50』
キョン「なっ⁉︎ これは一体、な、なんだ?」ピッ
『佐々木 からのメッセージです』
キョン「……?」ピッ
『佐々木 からのメッセージです』
キョン「ちょっとまて。これって、全部、佐々木からなのか――」ピッピッピッピッ
『佐々木 からのメッセージです』
キョン「どうしたんだ一体。……ん?」
『長門 からのメッセージです」
キョン「長門? からは一件だけか。緊急だったらいけないし佐々木のメールから――」
佐々木『キョン、なにしてる?』
キョン「……」ピッピッ
佐々木『キョン、返事が遅れてるようだが。忙しいのだろうか』
キョン「なんだこれ……」ピッピッピッ
佐々木『僕は今、晩御飯を食べ終わったところだ』
キョン「細かい報告が、短文で。まとめて送ればいいのに。いや、そもそもなんでこんな」ピロリーン
『佐々木 からのメッセージです』
キョン「また。とりあえず、返しとくか。風呂にはいってた、送信、と。長門からはなんだろう」ピッ
長門『公園で 待ってる。Y.N』
キョン「はぁ? 公園? いつ?」ピロリーン
『佐々木 からのメッセージです」
キョン「まてまてまてまてっ。まさか、今? いや、だって今は9時だし。そんなはず――ありえねぇだろっ!」ガタッ
13 :
◆y7//w4A.QY
[sage]:2017/08/05(土) 03:28:14.45 ID:vYgOB4Up0
【公園 ベンチ前】
キョン「はあっ、はぁっ」
長門「……」スッ
キョン「はぁっ、長門。お前、ずっと、待ってたのか」
長門「そう」
キョン「言えばよかったのに」
長門「本にメッセージ挟んでおいた」
キョン「本……? だから、貸したのか」
長門「三時間待っても気がつかないようだったから、メッセージを送った」
キョン「馬鹿野郎かよ。女の子がこんな場所で」
長門「別に、いい」
キョン「はぁ……。気がつかない俺はさしづめ大馬鹿野郎だな」
長門「あなたは、気にしなくていい」
キョン「気にするだろっ! 普通っ!」
長門「……」
キョン「用件があったんだろ? なんだ?」
長門「うちで話す」
キョン「うち? 家のことか? でも、こんな時間だぞ」
長門「いい」
キョン「ご両親がいるんじゃないのか」
長門「いない」
キョン「……」
長門「……」
キョン「やれやれ、わかったよ。ただし、長居はしないからな」
長門「……」コクリ
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