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【安価】 ガンダムビルドファイターズトライ・アズールU【艦これ×GBF-T】
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307 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2017/12/27(水) 00:52:15.09 ID:1KfaJ4Rx0
>>306
三回戦は三回戦でやりたいネタが…(萩風の掘り下げとか、霞絡みとか)
それに神通が今まで本気を出せてないからそろそろ本気にさせたいので…
お詫びにシューティングスターの強化改修するから…(要るか?)
308 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2017/12/29(金) 23:59:31.12 ID:VvQPJ0MlO
第14話『無限の先に』
霞「えっと… 上がりです」
神通「そ、そんな…」
海風「これで先輩が買出しですね」
神通「妹の不始末をつけるのは姉の仕事ですから、仕方ありません…」
萩風「ムグーッムグーッ」(猿轡)
霞「あれは悲惨な出来事だったわ…」
数十分前…
萩風『出来ました! 萩風特製、健康体力回復ドリンクです!』
朝雲『…な、何そのおどろおどろしい液体は…?』
萩風『滋養強壮・疲労回復・デトックス効果のあるものをふんだんに使ったドリンクです。 先程作ったばかり、しかも素材そのままの味を堪能でき…』
天津風『ご、ごめん私パス…!』
朝雲『わ、私も!』
萩風『いいから、飲んでください!』グイッ
朝雲「う、うぅ…」
天津風「舌、舌が…」
海風「で、出来上がったのが史上最悪の味覚破壊兵器であったと」
霞「一体何入れたんだか… あれね、健康重視し過ぎて飲み易いように調整してないってのが最大の原因かしら」
神通「萩風、今度は気をつけてください。 あと、帰ったら味覚の矯正しますからね」
萩風「ふぁい…」
神通「では皆さん、今からコンビニでアイス買って来ます」
神通「えっと、コンビニは…」
「…」
神通「…?」
神通(誰かに、何かに見られてるような… でも気配が無い…? 考え過ぎ、かしら…)
309 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2017/12/30(土) 00:27:09.72 ID:62wMF0StO
神通(アイスは買ったし、後は帰るだけ… それにしても、夕方なのにまだ暑い…)
ガサガサッ
神通「ッ…! 誰、ですか?」
「へへへっ…」
「随分と可愛い女じゃねぇか…!」
神通(先程の気配とは違う、敵意と悪意、気配を隠せていない… それに何より、下衆な臭いがします)
「怪我したくなかったら、大人しく付いて来な?」
「大丈夫だぁ、可愛がってやっからさ…!アハハハハハ!」
「来ねぇなら、痛い目みせてやるよ」
神通(数5、それに明らかに喧嘩は出来てもまともに『武』などやった事の無い素人の構え… 囲まれても、この程度なら)
神通「警告します。 怪我をしたくなければ今すぐ私の前から失せなさい」
「生意気言いやがって、やっちまうぞ!」
神通「警告は、しましたよ」ポイッ
神通(上に投げたアイスが落ちてくるまでに、片付ける!)
神通「…」キャッチ
「あ、う、が…」
「き、聞いて、ねぇ、ぞ…」
神通「だから言いました、大人しく失せろと。 さて、一体誰が… ッ…!」
ブォン ガシィッ
「チッ… 防ぎやがったか…!」
神通「重い…!」
神通(なんて打撃、それに気配が全く無かった…! 今の動き、まさか…)
神通「次元覇王流、だとでも言うの…?」バッ
「知ってやがるのか…? いや、今の動き… テメェ、まさか…!」
神通(覇王流の使い手…!? でもこんな人、私の知りうる限りでは… バックステップで距離は取ったけど、すぐ詰められる…!)
「テメェみたいなヤツは知らねぇが… まぁ良い、俺の踏み台になって貰うぜ…!」
神通「不本意ですが仕方ありません… 十二王…」
「ストップよ、神通ちゃん。 ソイツに『不敗』の技を使っちゃ駄目」
「なっ…!? テメェは…」
神通「ず、瑞鶴さん!?」
瑞鶴「神通ちゃん、貴女は行きなさい。ここは私が何とかする」
神通「しかし…」
瑞鶴「大丈夫よ。 次元覇王流なら、私は目の前のアイツよりは戦える」
神通「…分かりました。 ここは退きます」
瑞鶴「あと瑞鳳に伝えて。 『ジュンヤが居た』って」
神通「ジュンヤ…?」
瑞鶴「早く、行きなさい!」
神通「はい!」ダッ
310 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/01(月) 23:56:40.19 ID:85I7LJc9O
瑞鶴「さてと… 久し振りね、ジュン。 いや、イノセ・ジュンヤ」
ジュンヤ「チッ… どうしてアンタが居やがる」
瑞鶴「瑞鳳に連れてこられたのよ。 タダメシと温泉に釣られた」
ジュンヤ「またアイツか…!」
瑞鶴「ええ。 大方瑞鳳の教え子を狙って襲わせたんでしょうが、アンタが出てきたのは予定外の出来事よね。
神通ちゃんがそこにノビてる不良共を一瞬で倒したから、出てくる必要の無いアンタが焦って出てきた」
ジュンヤ「何者だ、アイツは」
瑞鶴「アンタに言う義理は無いわ。 それに言わなくてもアンタなら分かる筈よ」
ジュンヤ「…あの構え、『不敗』か?」
瑞鶴「答える義理も無い。 …来なさい。 アンタの性根、私が叩き直してあげる」
ジュンヤ「今の俺に勝てると思ってんのか?」
瑞鶴「勝てるわ。 アンタの拳はもう鈍ら、アンタより長い時間同じモノを研鑽を続けてきた私に勝てると思う?」
ジュンヤ「…興が冷めた」
瑞鶴「チッ… また泣かしてやろうと思ったのに。 一応警告はしておく… 次は容赦しない。次何かあったら、駿河湾をアンタ達の血染めにしてやる」
《十分後 選手宿舎前》
神通「先生! お母様!」
愛宕「あら、神通ちゃん?」
瑞鳳「そんなに焦って何かあった?」
神通「はい。実は…」
愛宕「どうして、あの子が…!?」
瑞鳳「ジュンヤ、イノセ・ジュンヤ…」
神通「お母様、彼は一体…」
瑞鳳「あの子はイノセ・ジュンヤ。 私達と同じく武術を学んで『いた』子。お父さんに憧れ、目指し、道に背を向けた者…
次元覇王流を修めたけど不敗には至れなかった、いや至る資格が無かった」
神通「資格が、無かった…?」
愛宕「瑞鶴は? 今どこに…」
瑞鶴「あ、居た居た」
愛宕「瑞鶴! 良かった、無事で…」
瑞鶴「尻尾撒いて逃げられたわ、ジュンには。 瑞鳳、どうする?」
瑞鳳「先代、お父さんに報告を…」
「瑞鳳さん、ちょっと大変です!」
瑞鳳「榛名さん? 今ちょっと立て込んでて…」
榛名「そちらの2回戦の相手、ちょっとばかり厄介な事になりました」
神通「どう言う事ですか…?」
榛名「2回戦に出場を決めたのは愛知代表『タイタン』、そこには… 次元覇王流の使用者、そして『先代メイジン』の機体…
先代が作り、榛名とも戦った『カテドラルガンダム』が…!」
瑞鳳「なっ…!?」
神通「カテドラル、ガンダム…?」
瑞鳳「厄介と言うか、最悪の事態かも…」
311 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/02(火) 01:51:12.13 ID:Wsp884oZO
《旅館・瑞鳳達の部屋》
榛名「『カテドラルガンダム』、先代メイジンが製作したガンプラのある意味究極到達点の一つです。
病に侵されながらも先代の妄執により技術・思想・アイデアを後世に残す為に製造されました」
天津風「確か第6回大会で飛龍さん達を破ったのが…」
瑞鳳「そう、それがこのテーブルにある『カテドラルガンダム』」
朝雲「…って何で実機があるの!?」
榛名「正確には実機ではありません。 これは榛名がかつて粒子操作技術の研究の為に模倣した、外観そのまま中身は劣化コピー品な代物です」
萩風「しかしデッドコピー品と言えども戦闘可能な域にまで仕上げてあるとは…」
榛名「この機体の特徴は… まさに瑞鳳さんと榛名さんの『組み合わせ』、ある種『スクランブルガンダム』の上位機種に該当すると言っても過言では無いでしょう。
粒子制御技術は榛名、そして機体の強度や可動は瑞鳳さん… ほぼイコールと言っても良いかと」
瑞鳳「人間の動作を極限まで再現した広い可動域が特徴で、ファイターの性格・技量・癖、その全てがバトルに反映される。
武器はオーソドックスだけど、故に全領域に対応した究極系だね」
海風「オーソドックスであれば、逆に偏った機体相手には弱いのでは?」
瑞鳳「そう単純な話じゃないの。 この機体はファイターによって能力が変化するの」
霞「どう言う事…?」
瑞鳳「例えばだけど、神通ちゃんが使った場合格闘戦に強い機体になるけど霞ちゃんが使えば遠距離砲撃に特化した機体になる。
ファイターの技量や性質がそのまま機体に反映されちゃうのよ。 強い人が使えば強くもなるし、操縦下手な人が使えば弱体化もする。そんな機体」
神通「良くも悪くも性能によるゴリ押しの通じない、嘘の無い機体と言う訳ですか…」
榛名「そして何より粒子制御技術が恐ろしいもので… 榛名が戦った際にはフィールド全体が、この機体に制御されていました」
朝雲「何それ、チート!?」
瑞鳳「チートだね。完全な」
天津風「で、これが問題の『ディナイアルガンダム』… 映像だけど」
萩風「面影は残っていますが、大幅な改修を受けているようです。 射撃武装は無し、拳による戦闘に特化したタイプでしょう」
榛名「しかし各部に改造を加えたことで制御技術を喪失、フィ−ルド干渉は不可能なようです。
しかも些か動きが鈍い、機体性能の一部は劣化している可能性がありますね」
海風「そもそもこれ、実機なんですか?」
霞「先代メイジン?だかの機体なら、簡単に手放したりはしない筈よ」
榛名「そこが疑問点です。 ファンメイドによるデッドコピーの改修なのか、何らかの形で手が離れたのか…
ただ先代ならば、こんな劣化改修は行わない筈です。 なので手を加えたのは本人では無いかと」
瑞鳳「そして問題は使用ファイター… 私の弟弟子『イノセ・ジュンヤ』。 破門こそされてないけど、あの子は次元覇王流を辞めた。
まぁ考え方に問題有りで、お父さんから度々叱られてたけど… 弟・妹弟子の中でもセカイくんとミライちゃんは真っ直ぐ育ってるのに、どうしてこうなっちゃったかな…」
イベント 直下
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/02(火) 18:52:59.51 ID:RWIMZRk50
イノセ・ジュンヤの過去の試合を見て対策を練る
313 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/03(水) 02:26:36.02 ID:MqtLZALaO
萩風「えっとここ一年の戦いだと…」カタカタ
瑞鳳「…おかしい。学校自体は去年の全国まで出てる、なのになんであの子が殆ど出てないの?」
萩風「出場データ、該当件数2… 今日の1回戦と去年のガンプラ学園戦のみですね」
海風「切り札として温存していたという可能性がありますね。 1回戦は昨年のベスト4の南北海道代表でしたから確実に勝つために出たか…」
霞「…それもあるけど、コイツは別の理由で出れて無いんじゃないかしら?」
榛名「霞さんの言う通りです。去年出場した際、榛名は観客席から彼を見ていました。
彼は協調性皆無、チームメイトにとっては癌や膿のような存在なのでしょう。だからこそ実力はあるのに補欠扱いだったのでは無いでしょうか?」
天津風「しかもガンプラ学園に居た時に聞いた事があるんだけど… ガンプラ学園じゃ、コイツだけ唯一落とせなかったとか」
朝雲「ガンプラ学園が撃破できなかった…?」
榛名「正直、彼の戦いは見ていて腹が立ちました。 これは言葉で言うより実際見たほうが早いかと」
神通「萩風、再生を」
萩風「了解です」
視聴中…
朝雲「何これ…」
霞「協調性が無いどころの話じゃない… コイツ、マジもんのドクズよ…!」
海風「これを見る限りではアドウ・サガの方が遥かにマシです。 彼は自らの快楽のためのバトルをしていましたが、戦いには全力を以って応え、正々堂々とした戦いをしていた。
だけど彼にはそれが無い。それどころか、フェアプレー精神すらも消え失せています」
天津風「アドウの方がマシって言うのは癪だけど… これは最悪としいか言い様が無いわ」
萩風「仲間を見捨て、囮にして… しかも卑劣な手ばかり使って…」
榛名「正直先代メイジンの方がまだマシです」
瑞鳳「…」
瑞鳳(使ってる技、次元覇王流だけじゃない。 ボクシングや合気道まで… まさか、この子は…)
瑞鳳「…!」グッ
神通「お母様…」
萩風「海風さん、対抗手段は?」
海風「いくつか考えましたが… ガンプラ学園を逃げ切った彼に通じるかは…」
瑞鳳「…一つだけ、確実に勝てる方法があるよ」
海風「瑞鳳さん…?」
瑞鳳「3代目・神通、2代目として『不敗』の技の使用を許可します。その技を使い、道を外した者を討ちなさい」
神通「ッ…!?」
瑞鳳「確かに実力は高いし、どの武術の技能もほぼ一流と言っても過言じゃ無い。でも一つだけ致命的な部分がある。
あくまでも『学んだ』だけであって『極点』には到っていない。 彼を真正面から打ち倒すにはさらに上の実力で叩きのめすしか…」
神通「しかしそれでは…!」
萩風「…お母様、その役目は私に任せてください」
瑞鳳「萩風ちゃん…?」
萩風「私も『極点』に至りし身、彼には充分対抗できます。 それに外道を討ち、闇へと屠るのは『影』である私の役目ですから」
神通「萩風…」
萩風「海風さん、編成は任せます。 ただ彼を討つお膳立てを整える編成にしてください」
海風「…分かりました」
314 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/03(水) 03:05:50.87 ID:KdrwhnuPO
神通「萩風、どうしてあんな事を…!」
萩風「別に他意はありません。 私はただ道を外した者を消す『影』、そして対抗可能な『極点』へと至った人間だからです。
それに私は姉さんと違って自分の力を行使する事に躊躇はありません。あの時、スドウ・シュンスケの時だって躊躇いに躊躇って負けかけて… そんな臆病者と私は違う」
神通「誰が、臆病だと…!」
萩風「貴女が、です。 それに私には分かります、彼の気持ちが多少は」
神通「え…?」
萩風「私は流派・東方不敗どころか次元覇王流の道すら歩く事を許されなかった。 体が弱かった、ただそれだけで…!
至れなかった人間の気持ちが、最初から何もかも持ってた貴女に何が分かる!? 日向を生きる人間が、日陰者の心を理解出来ると思わないで!」ダッ
神通「萩風…」
神通(そうだった… あの子は私と違って…)
神通「私は… 私は…!」
萩風「…あれだけ罵倒されてまだ思い悩んでるとは」
朝雲「アンタ、今度女優デビューでもしたら?」
萩風「そんなつもりは一切ありません。私は『日陰者』ですから」
朝雲「立派な演技なのに」
萩風「半分は本心ですよ」
朝雲「え」
萩風「実際、私は姉さんと違い体が弱かった。恐らく私が生み出された際の調整ミス… だからお母様は私に殆ど修業の機会が与えなかったんです。
体が健康になった後でさえ、流派・東方不敗の修業はさせて貰えず鯨流ばかりを学んでいました」
朝雲「そうだったのね… ま、私も似たようなもんだから気持ちは分かるわ。 でもウチは立場真逆だけど」
萩風「そうでもありませんよ。 体の弱い妹は健康な姉を羨ましがるものです。 例え花よ蝶よと育てられていたとしても走り回りたいのに走れ無い者は、傍から見るしか無いんですから」
朝雲「成る程… ちょっと参考になったわ。 後でジュース奢ったげる」
萩風「スムージーが良いです」
イベント選択 直下
1.神通&榛名『心の弱さと本当の強さ』
2.神通&瑞鳳『受け継いだ力の意味』
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/03(水) 04:47:56.87 ID:QQttb2gA0
2
316 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/04(木) 01:51:49.56 ID:jPIlq/jDO
瑞鳳「神通ちゃん」
神通「お母様… 聞いていたのですか」
瑞鳳「まぁ、ちょっとね… ごめん、今から時間ある?」
神通「構いませんが…」
《浜辺》
神通「どうしてここに…」
瑞鳳「私から貴女に言わなきゃいけない事があるからね… それにこれは誰にも聞かれたく無い親子の話だもの」
神通「親子の…?」
瑞鳳「…ずっと分からなかった。何故未来の私が神通ちゃんを選んだのか、どうして子供に力を受け継がせたかったのか。
だって私は… 私の代で家を終わらせるつもりだったのに」
神通「家を終わらせる…!?」
瑞鳳「歪だから、だよ。 使命に縛られ延々と武の研鑽を続けてきて、人の身には余る力を手にして…
自分の子供や後の子孫にそんな使命は与えたく無い、だからこそ私の代でこの歪な使命を終わらせるつもりだった」
神通「お母様…」
瑞鳳「だけど未来の私はそうはしなかった… 昏睡病パンデミックで必要性を再認識したのかもしれないけど、その程度で私が揺らぐとは到底思えない」
神通「確かに、そうですが…」
瑞鳳「だからこそ、何で私が貴女に家督を継がせて流派・東方不敗の力を与えたのかずっと疑問に思ってた… ようやく、その答えが出たよ。
多分未来の私はきっと、貴女達に生き抜いて欲しいからだったんだと思う」
神通「生き抜いて欲しい…?」
瑞鳳「多分未来の私は死期を悟ってたんだろうね。 自分は多分そこまで長く生きれない、だからこそ二人で生きていけるようにって力を託した…
本来は神通ちゃんにだけ教えて萩風ちゃんを護って欲しかったんだと思ったけど、萩風ちゃんの熱意に負けて結局は鯨流を学ばせて… 結果的にそのことを言い遺せず死んじゃったけどね」
神通「では、どうして私に流派・東方不敗を…」
瑞鳳「神通ちゃんは自分を律せるからだよ。力の使い方を弁える事が出来る、ただ力を求めるだけじゃなくてちゃんと自分の『正義』が分かってるから。
そして何よりどれだけ心が折れかけても立ち上がれる、そんな人間性だからこそ受け継がせたんだと思う。『不敗』の力を」
神通「だから、私が選ばれた…?」
瑞鳳「萩風ちゃんは体が弱かったから学ばせなかったって聞いたけど… 多分それは思い込みが激しいからだと思う。
力を継ぐってことは本当の意味で陽を浴びる道じゃなくなる。 だから無関係の場所で、家や使命に縛られない自由な陽の当たる場所で生きて欲しかったのに自分は神通ちゃんの『影』だと思い込んで…」
神通「それを伝えれば良かったのでは?」
瑞鳳「言って聞くようなタマじゃないでしょ。 私の遺伝子継いでるならわかるよ、それくらい」
神通「それもそうですが…」
瑞鳳「何より、それを子供だった萩風ちゃんに言っても理解出来なかったんだと思う。 理解出来るようになる年頃にはもう死んでるだろうし」
神通「…でも、遺言くらいは遺して欲しかったです」
瑞鳳「それはごめん… って私が謝ることじゃないや。 だって私は、まだ本当の意味で貴女達の『お母さん』になってないもの。
…流派・東方不敗、3代目継承者・神通。二代目として、貴女に頼みがあります」
神通「…はい」
瑞鳳「イノセ・ジュンヤ、多分私の言葉は彼には通じないでしょう。 でも貴女なら、その真っ直ぐな心で振るう拳であれば心に届かせることはきっと叶う筈。
どうか貴女の力で彼を、彼の心を救って欲しい。 貴女の持つ正義の心で、彼の闇を払い除けて」
神通「その願い、承りました。 3代目としてではなく、一人の『神通』として。 我が心にある貴女から受け継いだ『誇り』と『正義』に誓って、その願いを成しましょう」
317 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/04(木) 02:18:44.78 ID:sYSYoAn1O
瑞鳳「さて、と… 出てきたらどう?」
海風「え、えと…」
神通「海風さん…?」
海風「散歩で通りかかったら、立ち聞きするつもりは無かったのですが…」
瑞鳳「知ってるよ。でも危ないよ、また誰かが襲ってくる可能性もある、し… ッ…!」
神通「殺気…!」
「…」
神通「マントに、仮面…?」
瑞鳳「貴方、何者!」
「久しいな、真紅の戦乙女」
瑞鳳「この気、まさか…!」
榛名「見つけました! ダブルッ!トマホォォクッ、ブゥゥゥゥメランッ!」ブォン
「ふっ…」ヒョイッ
海風「何一般人にトマホーク投げてるんですか!? しかも避けられてる…!?」
神通「あれを見切るとは尋常では…!」
榛名「瑞鳳さん、神通さん! アレを捕まえてください! 少々マスクひっぺがしてやりたいので!」
「相変らず手荒いな、神狼。その様な事をせずとも、逃げはしない」
榛名「だからその名前で呼ぶなと何度も申した筈です、先代メイジン・カワグチ…!」
神通・海風「…は?」
天城「はぁっ、はぁっ… やっと追いつけました… 姉さん、流石に一般人にトマホークは駄目です!」
榛名「彼なら大丈夫です、多分! 病み上がりですけど!」
瑞鳳「いや、それは流石に私も気が引けるんだけど…」
天城「姉さん一回怒りを抑えてください! 話し合いには応じてるんですから!」
榛名「一回首落とさないと気が済まないんですよ!色々と言ってやりたいことはあるんで!」
天城「首落としたら死にますって!?」
瑞鳳「え、えと… お久し振りですね、2代目…?」
セカンド「否。 我が名はマスクド・セカンドG、メイジンに非ず」
瑞鳳・神通・海風「えぇ…」
318 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/05(金) 02:29:37.75 ID:hY/O97kTO
《ファミレス》
ザワザワ
榛名「…」
セカンド「…」
瑞鳳「…」
海風「この状況、凄く帰りたい…」
神通「どうしてこんな事に…」
天城「落ち着いて話の出来る場所がここしか… 個室だと姉さんがトマホークを振り回すので…」
榛名「色々と、貴方には聞きたい事がありますが… 例えば何故世界大会に出場しているのか、とかその悪趣味な仮面と偽名とか」
セカンド「そのような事、貴様にとって些事であろう」
榛名「ええ。 自分が出場者であるならまだしも生憎と違うので。 聞きたい事は二つ、『カテドラルガンダムの所在』と『ディナイアルのファイターとの関わり』です」
瑞鳳「榛名さん、貴女がどうしてその事を知ろうと? 私達の方が当事者なのに…」
榛名「前科が大量にあるからですよ。 さらにカテドラルに関しては一度ある理由から別のファイターの手に渡って、彼の下に帰った機体ですから」
神通「あの機体が、別のファイターに…?」
榛名「4年前に元ガンプラ塾生を狙った辻バトル、そして敗者のガンプラを奪うパーツハンター事件が起きました。
その被害は一部教員にも及び、教員の一人は機体を自爆させた為に怒りを買って暴行を受けて… 榛名や矢矧さんとも戦い、彼を打ち倒したことで事件に終止符は打たれた筈だったんです」
海風「『だった』、とは?」
榛名「あろうことか先代はそのハンターを拾い、訓練を受けさせ、カテドラルを与えた。全ては矢矧さんへの『当て馬』にする為に…!」
天城「そして無関係な一般ファイターにまで被害が及び、矢矧さんを精神的に追い込んで… だからこそ、姉さんは今回の一件を瑞鳳さんへ悪質な嫌がらせと判断しました」
瑞鳳「その話は、本当ですか?」
神通「だとすれば、悪質すぎる…!」
セカンド「否、今回の件には関与していない」
天城「…嘘では無いようですね」
セカンド「まず質問に答えよう。 カテドラル、いや我が半身『シュヴァルツリッター』は此処にある」スッ
海風「先程の榛名さんのコピーより、凄い出来栄え…」
瑞鳳「確かに、この機体はカテドラルの系譜みたいだけど… 逆に『ディナイアル』に形状が近付いてる」
榛名「では、ディナイアルガンダムを製作したのは貴方ですか?」
セカンド「然り、だが否。依頼を受け機体製作はした、しかし手を加えられたようだ」
神通「依頼を受けて作った機体を渡した、しかし向こう側で改修を加えられて現状の姿になった、と」
セカンド「左様。そして二つ目の問い、イノセ・ジュンヤ等と言う者と関わりは無い」
天城「ではどうして、彼にディナイアルの原型を?」
セカンド「あれは別の者、奴の学校の理事によって依頼されたもの。故にそれ以降の事は関知していない」
榛名「では瑞鳳さんの弟弟子に渡ったのは偶然、ってことになりますね…」
瑞鳳「なんて間が悪い…!」
319 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/07(日) 01:49:27.50 ID:FBhwBFYA0
セカンド「私は去ろう。既に話す事は無く、この格好では悪目立ちするからな」
海風「…今更それ言います?」
榛名「どうも貴方のセンスは理解し難い…」
セカンド「お前程では無い。ユニコーン、『改RX-0』を未だに造り続けているのだろう。
HGをベースに完全な可変機構と粒子制御能力を組み込むなど、耐久性と整備性が劣悪になるものを…」
榛名「貴方が言ったのでしょう。自らの技術を常に磨け、と。 だからこそ持てる技術を機体に注ぎ込む、それに最適なのが他でも無い『RX-0』だと榛名は見出した。
常に腕を磨き、最良の技術を機体に注ぎ作り上げる… 貴方がカテドラルを作った理由と同じです」
セカンド「フッ… やはりお前、お前達は悉く思い通りにならないな…」
榛名「思い通りになどならない。 榛名は榛名の道を進む、誰にも縛られぬ己が道を信じて」
天城「姉さん…」
セカンド「己が道を極めて見せろ、何物にも染まらぬ『純白の神狼』よ。そして『真紅の戦乙女』… お前と、お前が見出し磨き上げた者達には期待している」
瑞鳳「それは、褒め言葉として受け取っても?」
セカンド「好きにするが良い。 …終ぞ私には『教育者』としての才は無かったからな」
榛名「ええ。反面教師としては最高の鏡ですがね」
瑞鳳(私も基本的に教育者としては微妙だと思うんだけど…)
セカンド「そして戦乙女の教え子達よ。 若き次世代ファイターの道、見物させて貰おう」
海風・神通「は、はい!」
瑞鳳「二人共、つき合わせてごめんね」
榛名「いけ好かなく、ロクでも無い人間だったでしょう」
神通「榛名さんの言う程でも無いような…」
榛名「ええ。彼が『教育者』で無ければ喜んで師事していたでしょうね。 先程も話したパーツハンターの他にも、メイジンの座を競わせ生徒を潰し合わせたり、苛烈な争いを引き起こし…
瑞鳳さんが教育者として『才能を見出す』ことに長けるのであれば、彼は真逆の『才能を潰す』ことに特化してしまった。それが大きな要因です」
海風「そうなる理由があったのでは…?」
榛名「彼自身、人間としては厳格ではあるものの度量を持った人間です。 しかし『ファイター達の指標』としてあるべきメイジンの立場、そして生真面目過ぎる根が災いして悪魔のような存在となった…
そしてメイジンの一件もは病魔に冒され、時間が無かった焦りからの行いでしょう。今はある程度マシになったようですが」
瑞鳳「その影響か、先代メイジンを信奉する輩にとってボロ負け続きの矢矧ちゃんは目の前のタンコブになっちゃってるのが可哀想なのよね…
前に海風ちゃんに話したレナート兄弟もその一部、まぁ舐めてかかった浜風ちゃんにボコられてるけど」
天城「信奉者は居ても理解者は得られなかった、そんな人間と言えるでしょう。 ごく一部、姉さんや矢矧さんはある種の理解者ですが」
榛名「…先代は教育者としては最悪でした。 でも、彼のガンプラへの姿勢には見るべきものがあった… それだけですよ」
320 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/07(日) 22:51:47.90 ID:FBhwBFYA0
《翌日》
阿武隈「スコール、ハティ! リモートドリル・バーストッ!」
阿武隈の駆る『マーナガルム』は両肩部から遠隔操作ユニットの『スコール』『ハティ』射出し、クローで保持して放つ。2つのユニットが遠隔操作で迎撃を掻い潜り、相対する『ジムU』の装甲をドリルが貫いた。
ジムUはユニットを振り払おうとするが遅く、内部に向けビームが放たれ機体が内側から破裂し爆散する。
陽炎「そっち終わった?」
長波「こっちも片付いたぞ」
陽炎と長波の『ヴェズルフェルニ』『ガルム』の前には既に破壊され尽くされた残骸だけが残っており、無傷の2機と合わせてどれ程一方的な戦いであったかを物語っていた。
BATTLE ENDED
ワァァァァァァァッ
阿武隈「二人共、機体は?」
陽炎「特に問題無いと思う。 そこまで激しい動きはしてないから」
長波「調子はバッチリ、ちょっとの手入れで済みそうだ」
阿武隈「一応姉さんに見てもらおうか」
《神通・萩風の部屋》
天津風「『ホワイトクリーン』、やっぱり強いわね…」
海風「どれも無傷で前年度ベスト8を簡単に倒した、しかもNT-Dを発動せずに。 やはり難敵でしょう」
朝雲「正直機体スペックだけ見れば私の『シームルグ』より上だし… マーナガルムに関しちゃ共通弱点全部潰されてるわよ、アレ」
霞「素体装甲パーツの脆さを追加装甲で補う、確かに理に適ってる。それに火力とパワー、加速性と防御力の大幅強化。弱点がほぼ無いわね」
萩風「強いて言うのであれば素体のままある程度露出してる関節部くらい、かしら?」
神通「射撃攻撃はIFにより駄目、格闘を挑もうにもあのパワー相手に挑むのは無謀です。苦戦は免れられません」
愛宕「残りの2機も強敵よ。『スレイプニル』『スヴァジルファリ』と『ガルム』は同型でステルス持ち、『ヴェズルフェルニル』は全力の速度だと目視も難しくなる。
『改RX-0』が朝雲ちゃんの言う通り装甲パーツが脆かったとしても捉えるのが難しい以上、その弱点はほぼ役に立たない」
瑞鳳「三人の能力も折り紙つきだしねぇ… 強化、と言うか対策用の装備はこっちで用意しておくか…
じゃあ改めて、ブリーフィング始めようか。 明日の試合のね」
海風「はい。 では明日の編成についてですが… 今回の試合は先輩を主軸に据え、残り2機は先輩がイノセ・ジュンヤと1対1で戦うために残る2機の始末と言う役割です」
霞「でも先輩は…」
海風「やれますね、先輩」
神通「はい。覚悟は決まりました」
萩風(私の言葉には詰まるだけだったのに… なんか妹として寂しいような…)
部隊編成
・1機目:インフィニットジャスティス・ロンギフローラム(神通):固定
・2機目:直下
・3機目:下2
選択可能ファイター
・海風:ウイングガンダム・アズライト(指揮・近接寄りオールラウンダー)
・霞:ブラストアクロスZZ(砲撃)
・朝雲:RX-0[Sm] シームルグ(機動・射撃)
前回出場したファイターは別機体持ちの朝雲を除き今回欠場となります(次話の為に)
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/07(日) 22:56:24.90 ID:WVIRwa6w0
ウィングガンダム
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 00:29:29.22 ID:72n5sn4e0
霞
323 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/08(月) 01:38:41.50 ID:iTV5iTI/0
海風「霞、貴女に出て貰います。 長距離砲撃型のZZは有事の際に必要ですから」
霞「分かった。残り一人は?」
海風「海風が出ます。シームルグはジョーカーとして温存、ストライクとハルート、エクシアの戦力は既に示しました。
後は『ウイングガンダム・アズライト』『ブラストアクロスZZ』、この2機の戦力を示しましょう」
天津風「温存しなくて良いの?」
海風「ええ。 それにあの『ディナイアルガンダム』は二代目メイジンらしき人物が製作したものであると昨日明言されました」
朝雲「マジ…?」
海風「製作した当人に話を聞き確認しました。あれは向こうの学長の依頼を受け、彼用に作った機体を勝手に改造したものだそうです」
萩風「ビルダーとしては一番やって欲しく無いことですね… その勝手な改造で機体性能も落ちていると聞きましたが…」
瑞鳳「神通ちゃんと霞ちゃんの機体を勝手に弄くりまわして改造した私が言える立場じゃ無いけど、弟弟子としてどうかと思う」
神通「お母様の場合は性能が向上、と言うかほぼ別物レベルで強化してますが…」
天津風「私だったら殴ってたわ、多分」
海風「しかしそれでも性能は世界級に並び立てる程です。対抗するには『アズライト』『アクロス』『フルブルーム』、バースト能力を使える海風達の方が適性かと」
瑞鳳「そうだね… しかも海風ちゃんと霞ちゃんには『予測』と『ニュータイプ』の能力がある。例え次元覇王流の使い手だとしても、捌き切れるかもしれない」
愛宕「でも『とっておき』よ、3つのシステムは。『アズライト』はまだしも、『フルブルーム』『アクロス』はまだどこにも知られて無いし…」
海風「はい。 霞、『アクロス』は可能な限り使わないで下さい。今回システムを使用して良いのは先輩だけ、と言う事にしましょう」
霞「元々、そのつもりよ。 本当に最悪の場合は使わせて貰うけどね」
海風「それなら構いません。 では先程言った通り、先輩には単機で彼を引き付けて貰い残りの2機は海風と霞が連携して対処します。分断の役目は火力のある霞が…」
神通「いえ、これは私の戦いです。分断の役目、私にやらせてください」
海風「しかし、ロンギフローラムでは…」
神通「大丈夫です。 ロンギフローラムなら」
瑞鳳「私達は流派・東方不敗、そう言う事は容易くできるよ」
海風「分かりました。 では先輩、お願いします」
イベント選択 直下
1.海風&霞『支える者』
2.神通&萩風『真意』
3.瑞鳳『望まぬ再会』
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 05:53:17.20 ID:G/aHdP9A0
2
325 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/08(月) 22:52:14.15 ID:iTV5iTI/0
side-神通&萩風-『真意』
萩風「…お母様がそんな事を言っていたのですね」
神通「はい。ただあくまでも未来、私達を育ててくれたお母様ではなく『現在』のお母様が推測した話ですが」
萩風「それでも『お母様』には変わりありません。 …あまり、知りたくは無い話でしたが」
神通「納得出来ませんか?」
萩風「今聞けば納得出来る話だけど… でもこれまでの私が全否定されている気がして…
最初に言ってくれれば、もっと早く納得出来たかもしれないのに… いつも、言葉が足りないから…」
神通(言って納得するタマでは無いでしょうに)
萩風「…何か今、失礼な事考えてません?」
神通「いえ、別に」
萩風「まぁ良いでしょう。だけど、私の個人的な感情はまだ納得していません」
神通「流派・東方不敗の事ですか…」
萩風「ええ。例え真意が知れたとしても事実は変わらない、理由があったとは言え私に流派を授けなかったことは不変です」
神通「…萩風も、私の出来ない技や技能を手に入れています。そこに何の不満があるのですか」
萩風「不満はありません。 ただどうして鯨流となったのか、私はそこが知りたいだけです」
神通「今となっては知る由は… だけどその力もお母様から受け継いだものには違いありません。それに歴史だけで言えば貴女の鯨流の方が長い筈です」
萩風「確かに長さだけで言えば私の方が遥かに流派の歴史は長いですが… 創始者は鎌倉ですし…」
神通「そんな歴史初めて知ったんですけど」
萩風「仙台の蔵の文献にありました」
神通「あの蔵、本当に何仕舞ってるんでしょう… 歴史が長く、一族としてはそっちを継ぐほうが…」
萩風「でも私は、流派・東方不敗の方が良かった。 家族と、姉と同じ事をしたいと言うのは間違いですか?」
神通「同じ事…?」
萩風「一子相伝と言う訳でも無いのに。私の家族はお母様と姉さんで、二人は同じ武術をやっていて… 私だけ除け者にされているような気がして…
だからこそ同じ武術を習いたいと思った、姉さんと切磋琢磨したいと思ったのに…」
神通「それ、は… なら、EXAMに関する全てを終わらせて…」
萩風「でも今更、ここまで成長して互いの武を継いで… もう手遅れなんです。私が流派・東方不敗を学ぶ事は出来ません。
お母様は流派・東方不敗と同時に鯨流を学んでいた、けれど私は鯨流だけしか修業していない。最早軌道修正は不可能です。基礎がもう固まって直す事は難しいから」
神通「やり直すには基礎を全て捨てる、でもそんな事をすれ再習得は困難になってしまう…」
萩風「だからもう、私はこうして生きるしか無いんです」
神通「萩風…」
萩風「姉さん、昨日の無礼は謝罪させてください。何も知らずに臆病者などと罵って…」
神通「いえ、私も臆病であると自覚していますから…」
萩風「そして私の前で、『流派・東方不敗』として負けないで。私の憧れた、私の手に入れられなかったものが負ける姿は見たくありません」
イベント選択 直下
1.海風&霞『支える者』
2.瑞鳳『望まぬ再会』
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/09(火) 04:41:21.34 ID:XYrQ63nA0
1
327 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/10(水) 02:29:45.43 ID:Ju01e4Z30
side-海風&霞-『支える者』
霞「良いの、先輩に任せて?」
海風「何がです?」
霞「私達が先輩をフォローしなくて良いか、ってことよ。 朝雲や私も単機で敵のエースとは戦った、でもその時と今は状況が違うじゃない」
海風「そうですね。確かに先輩と対するのは瑞鳳さんの弟弟子であり、使用するガンプラも一線を画した存在です」
霞「なら連携であたったほうが勝率上がるじゃない」
海風「その逆ですよ。 いくら海風達の機体が『特別』で互角に渡り合えるとしても、先輩の邪魔になるだけです」
霞「私達が先輩の邪魔になる?」
海風「例えばですが、先輩が近接戦を挑んでる最中に霞が横から撃ったのが邪魔になってトドメを刺し損ねた、とか。
先輩が押さえてる隙に後ろから海風が切りかかって避けられたら先輩にフレンドリーファイヤならぬフレンドリーソードですよ?」
霞「確かに、それはありえるけど…」
海風「第一武術の極地にいる人間同士の戦いに割って入るなんて『武』を学んで居ない海風達にはほぼ不可能です。所謂ヤム○ャ視点になります」
霞「逆に先輩のピンチを招く、ってこともあるかもしれないものね」
海風「だからこそ、海風達は邪魔をする敵の排除を行い先輩が戦いに集中出来るお膳立てをするんです。
いざとなった場合、それこそ先輩の機体が破壊された時以外の介入はしません。あとは逃げ道封じくらいでしょう」
霞「…それ以外に戦いに介入しない理由、あるんじゃないの?」
海風「何の事ですか?」
霞「とぼけないで。 分かってるのよ、海風のこと。 邪魔になるだけなんて建前で、本音があるんでしょ?」
海風「流石、ニュータイプですね」
霞「違う。私は海風とずっと一緒に戦ってきた、だから分かるのよ。 一番の友達で共犯で、何より私の… 私が選んだ人間だから」
海風「本音を言えば、先程挙げた点など建前でしかありません。 本音で言えば先輩の思うようにさせてあげたい、でしょうか」
霞「思うように、ね…」
海風「海風なりの恩返しですよ。 海風が先輩と出会わなければ海風はどこかで『終わっていた』かもしれない。 今この場に立つ事なんて無かった、霞も先輩の記憶を知る以上その事は知っているでしょう」
霞「今まで、先輩の繰り返しの中で私達は出会うことが無かった。 確かに私達は多分、昏睡病に狙われて死んでたかもしれないけど…」
海風「そして先輩は海風に友や仲間を、海風の居場所をくれた。 ガンダム、そしてガンプラバトルと言う楽しみを教えてくれて…
フレスヴェルグを駆る楽しさ、そして海風に指揮官としての『道』をくれました。その恩に報いたい、それだけなんです」
霞「…え、それだけ?」
海風「はい」
霞「なんかこう、もうちょっと何か無いの…?」
海風「それだけですよ」
霞「えぇ… まぁ私も先輩に、守って貰った恩義は感じてるけども…」
海風「海風、これでも尽くすタイプですから。 理由なんてそれだけでも充分なんです」
霞「…アンタがそう言う人間だってこと、忘れてたわ。 友達ってだけで命かなぐり捨ててまで守ろうとするものね…」
海風「海風は先輩の願いを叶えたい、だから海風の全力を以って先輩の事を支えます」
霞「はぁ… 良いわ、こうなったらとことん付き合ってやるわよ。 私も恩義はあるし、何よりあのいけ好かない奴をぶっ飛ばす所が見たいもの」
海風「では観戦のために、敵分断後3分、この時間で敵2機を仕留めます。 やれますか?」
霞「誰に言ってんの? 私とアンタなら、出来るに決まってるじゃない」
328 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/11(木) 01:37:49.17 ID:M/ixgdCR0
side-瑞鳳-『望まぬ再会』
《大会会場付近》
瑞鳳「…出てきたら、ジュンヤくん」
ジュンヤ「…何時から気づいてやがった」
瑞鳳「そんなの最初からだよ。気配の淀みがあったからね」
ジュンヤ「チッ… 相変らず人間離れしてやがる」
瑞鳳「元気そうで何より。でもヤンチャが過ぎるかな」
ジュンヤ「説教なんざ聞くつもりは無ぇよ」
瑞鳳「言っても無駄そうだし、別にそのつもりも無いよ。どうして不良共にあの子を、神通ちゃんを襲わせたの」
ジュンヤ「ただの気まぐれだよ… それにアンタが怒るかと思ってな。可愛い可愛い教え子なんだろ?」
瑞鳳「私へのあてつけ、って訳ね。だけど想像以上にあの子は強かった… 手下の不良が秒単位で倒されたから焦って出て来て正体晒したって訳だ」
ジュンヤ「何者だ、あの女。俺の知る限りあんなヤツは弟子に存在して無い。それにあの動きはアンタそっくりだった」
瑞鳳「秘蔵っ子って言えば良いかな。 それに貴方が行方をくらませて以降も弟子は増えてるし、知らない子が居ても普通でしょ」
ジュンヤ「とぼけるな…! あんな動き出来る奴、たった数年程度で出てくる筈がねぇ!」
瑞鳳「だから『秘蔵っ子』なんだよ」
瑞鳳(まあ未来の私の愛娘なんだけど)
ジュンヤ「相変らずの秘密主義かよ…!俺に、次元覇王流の奥義を教えなかったのにあんな女には教えたのか!」
瑞鳳(次元覇王流の『奥義』…? この子、一体何を… まさか…)
瑞鳳「…生憎と簡単に教えられないモノって言うのはこの世には沢山あるんだよ。 だけどあの子はそれを得る為の資格を持ってる。
ただ強いだけなら貴方より強い瑞鶴にだって教えてる。 だけどお父さんや私はそれをしてない、それがどう言う意味か分かるの?」
ジュンヤ「何だよ、その資格ってよ!?」
瑞鳳「それは自分で見つけるもの、他人に言われて簡単に持てるようなものじゃない」
ジュンヤ「ふざけんな! 俺は強くなった、それでも無いって言うのかよ!」
瑞鳳「無い。 他の武術を踏み台にしてる人間が、持てるものじゃない」
ジュンヤ「なっ!?」
瑞鳳「知ってるよ。 ボクシングに合気道、他の武術を学んでバトルに取り入れてることくらい。
でも『それだけ』、学んだだけで昇華して活かしたりせずただ強さの踏み台にしてるだけなのは貴方の動きから伝わってきた」
ジュンヤ「アンタだって同類だろうが! 他の武術を学べるだけ学んでおいて、アンタは…」
瑞鳳「…貴方、私の何を見てたの?」
ジュンヤ「何…?」
瑞鳳「私が、ただ技だけを学んでた? 私は技なんか習って無い、『心』を学んでたんだよ。武術を学ぶ上で大事なのは心構え、技なんか本来は二の次…
武術って言うのはどれだけ取り繕ったとして本来は殺人技巧でしか無い、それを御するのは人の心だけ。私はその心を学んでた、ありとあらゆる武術の心構えを」
ジュンヤ「綺麗事を…! 強さに限界は無い、そう教えたのはアンタ達だろうが! だから俺は…」
瑞鳳「強さに限界は無い、確かにその通り。 だけど1+1を重ねたところで絶対に無限には到れ無い」
ジュンヤ「なんだと…!」
瑞鳳「それをきっとあの子が、神通ちゃんが証明してくれる。 流派・東方不敗3代目継承者がね」
ジュンヤ「ふざけるな…! 俺があんな女に、負けるなんて有り得るかよ!」
瑞鳳(いや、貴方は絶対に勝てない。 あの子には… あとお父さん、後でとっちめてやる)
329 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/11(木) 02:00:31.12 ID:M/ixgdCR0
《翌日》
瑞鳳「3人共、準備は良い?」
海風「海風、大丈夫です」
霞「私も問題なし」
神通「…いけます、お母様」
瑞鳳「よし… 神通ちゃん、任せるよ」
神通「はい…!」
瑞鳳「さぁ行きなさい。そして、本気を見せてくるのよ」
海風・霞・神通「はい!」
霧島「あの三人は…」
川内「お、最強メンバー?」
大淀「機体のデータを収集しないと…」
鬼怒「海風… ファイトだよー!」
江風「鬼怒の従姉妹だからなぁ… 応援しとくよ」
嵐「…」
阿武隈「姉さん、どう見る?」
榛名「本気中の本気編成、恐らく3機で仕留めにかかる気でしょう」
長波「だけどガンプラ学園ですら取り逃がした奴だぞ、アイツ」
陽炎「どう出てくるか、見物ね」
ウィルフリッド「彼女達が出るか…!」
能代「映像は最高画質で録画してるわ。あの三人は、特に要注意だもの」
アドウ「俺と真正面から戦った奴に、俺を翻弄した二人か… 面白ぇ…!」
シア「楽しみね… 海風と霞、あの二人…」
「イノセ、理事長を説き伏せてまで問題児であるお前をチームに引き入れ、最高の機体を用意した。必ず、結果を出せ」
ジュンヤ「分かってるよ… 武道だろうがガンプラバトルだろうが、俺は究極の強さを求めるだけだ…!」
『これより東京代表『フリューゲル・ヴェント』対愛知代表『タイタン』の試合を開始します!』
Please set your GP Base
Beginning plavsky particle dispersal
Field to "Mountain"
Please set your GUNPLA
BATTLE START!
霞「ブラストアクロスZZ、霞!」
神通「神通、インフィニットジャスティス・ロンギフローラム!」
海風「ウイングガンダム・アズライト、海風! チーム・フリューゲル・ヴェント!」
霞「出るわよ!」
神通「行きます!」
海風「出撃します!」
330 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/11(木) 02:19:24.58 ID:M/ixgdCR0
神通「ステージは… ギアナ高地、私の修業の地…」
海風「先輩… 作戦開始、お願いします」
神通「了解…!」
ジャスティスは背部に装備されているファトゥム-02を切り離し、アローモードへと変形させる。
そして感覚を研ぎ澄ましてフィールド全てを瞬時に知覚し、目標へとビームの矢を放つ。
ジュンヤ「ッ!? チィッ!」
ディナイアルへと放たれたビームの矢が直撃する寸前で横に回避し難を逃れたジュンヤ。だが息を吐く暇すら与えられずビームの矢が彼の駆るディナイアルガンダムへと殺到する。
その一撃一撃が牽制などではなく動きを止めれば確実に射られる、そう考えたジュンヤは真っ向からジャスティスへと機体を加速させた。
僚機A「イノセ、戦術プランは!」
ジュンヤ「無ぇよ、んなもん!」
僚機A「何だと!?」
ジュンヤ「勝手に戦って勝手にやられろ、それだけだ!」
僚機B「そうかい!」
そしてジュンヤの別方向から2機の機体、『ガンダムアブホール』『ガンイージ』の改修機が海風達へと向かう。
だがそれこそ海風、そして神通の狙い。 ファトゥム-01を背部に戻した神通は2本の剣を抜く。
海風「先輩!」
神通「奥義・天剣、絶刀!」
振るわれる神速の刃、その刃の一撃が地を割り粒子で生成された偽りのギアナの地を真っ二つに切り裂いていく。
そして丁度二つに大地が割れ、その光景を見た観客達は唖然となり、霞は放たれるであろう言葉を代弁する。
霞「何やってんの!?」
神通「これが境界線、ここより先に敵を入れないようにしてください」
海風「了解です。 行きましょう」
霞「いやいやいやいや!? フィールド割っちゃってるのに何で冷静なのよ!?」
神通「剣で粒子体を操作しただけです。 やり方次第ではこうも出来るんです」
海風「さっきから朝雲さんも真っ青な狙撃術を披露してるんでもう驚きませんよ。 霞、行きますよ」
霞「ああもう…! 何でこうウチは規格外まみれなのよ! 私もだけど!」
331 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/11(木) 02:54:43.41 ID:M/ixgdCR0
フィールド上にある開けた場所、そこに神通の『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』が降り立つ。
そして真正面に立つのはイノセ・ジュンヤが駆る『ディナイアルガンダム』の機体。2機はにらみ合いとなり、それぞれの構えを取る。
ジュンヤ「テメェ、何者だ」
神通「貴方に言う必要などありません」
ジュンヤ「ムカつく女だ… だが俺に勝てると思うな。俺は無限の強さを手に入れる、お前はその踏み台なんだよ…!」
神通「なら貴方は無限には到れない、私の全力を以ってそれを証明して見せましょう」
2本の太刀『光忠』『貞宗』の刀身、そしてジャスティスの機体が神通と同様の気を帯びる。ディナイアルもまた、全身のクリアパーツが煌き殺気に満ちる。
そして2機が互いに加速し、ぶつかりあった!
その頃海風達はガンイージとアブホールと戦闘を繰り広げている。 アブホールの背後にウイングがバード形態で張り付き、ガンイージとZZは砲戦で互いに撃ち合う。
アブホールはウイングを引き剥がそうとするも離れず、海風は冷静にアブホールを追い詰めていく。
海風(敵軌道予測、これなら…)
僚機A「しつこい… なら!」
海風「このマニューバは…!」
アブホールの動きに海風は見覚えがあった。 それは天津風との練習でよく使われた嫌な手、失速機動の一つ。
水平飛行中に機首をピッチアップさせて減速し敵の背後へと回り込む技。
海風「コブラ…!なら!」
僚機A「もう遅…」
だが海風の対応の方が早かった。回り込まれる直前に機体を変形させ、MS形態へと移行させる海風。
そしてその勢いで背中にある『アズライトウイングブレイド』を1本抜き放ち、そのまま投擲した。
僚機A「なっ!?」
失速機動を行っている最中の軌道に向けて放たれた刃が一直線にアブホールへと向かい、回避しそこねたアブホールへと突き刺さる。
そして串刺しとなったアブホールに向けてもう一本のブレイドを抜き、そのまま切り裂く。
僚機A「なっ!?」
海風「次はクルビットでも練習してきてください」
爆散するアブホール、そしてそれを見たガンイージがどうにかして霞を仕留めようと肉薄を試みる。
僚機B「うぉぉぉぉっ!」
霞「来る…!」
サーベルを抜いたガンイージがZZへと切りかかる。が、霞は直感で感じ取り機体を逸らして避けた。
そして態勢を立て直そうとするガンイージに向けレールガンの銃口を押し当てて…
僚機B「砲撃型がこんなに動け…」
霞「終わりよ。ちっこいの」
引き金を引き、レールガンから放たれた弾丸がガンイージを貫く。 そして地面に倒れ落ちるガンイージ。
そこにZZがレールガンを数発放ち、ガンイージを完全に破壊した。
332 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/12(金) 01:21:37.18 ID:9GJUGkRo0
ぶつかり合う拳と日本刀の刃、そして生み出される衝撃波が地面を抉る。
ディナイアルが放つ技をジャスティスが剣で受け流す。そして一度神通は機体を下がらせ一旦距離を取った。
ジュンヤ「何だよ… 何で攻めて来ねぇんだ!」
神通「…」
何度も打ち合った神通とジュンヤ、しかし神通は一度も攻めに転じず防御に徹している。
自らのペースを崩さず、かつ一度も『拳』による技を使わない神通に対しジュンヤは苛立つ。
天津風「何やってるのよ、先輩は…!」
朝雲「攻め手が無い訳じゃないのに… しかも何で剣しか使わないの?」
萩風「相手の力を見極めつつ、苛立たせてペースを崩す。 あまり褒められた手ではありませんが有用です」
瑞鳳「違う。神通ちゃんは自分の覚悟を、拳を振るい誰かを傷付ける覚悟をしてるんだと思う」
瑞鳳(見せてみなさい、3代目を名乗る私の娘。 その覚悟、そしてその力を)
ジュンヤ「埒が開かねぇ…! 本気に、させてやるよ!」
ディナイアルの全身のクリアパーツが煌きを放ち粒子が放出される。そして頭部のリアセンサー部からまるで髪の毛のように粒子エフェクトが形成された。
だが神通は全く動じない。そして剣を構え、迎え撃つ態勢を整える。
ジュンヤ「次元覇王流…!」
神通「…!」
加速し距離を詰めるディナイアル、拳を握り締めジャスティスへを肉薄し技を放つ。
ジュンヤ「正拳突きィィィッ!」
神通「ッ…! 流石に、押し負ける…!」
機体の出力差の違い、ジャスティスはギリギリまで踏ん張っていたが弾き飛ばされ断崖へと叩きつけられる。
しかし神通は落ち着いていた。まだ機体に大した損傷は無い、戦える。問題は自分次第だ、と自分に言い聞かせ…
『何をしている!まだ2機残っているんだ、早くトドメを刺せ!』
ジュンヤ「分かってる、よ!」
ジャスティスに向け再び加速し、今度は仕留めようとするジュンヤ。
だがディナイアルが衝撃波によって吹き飛ばされ、地面へと叩き付けられた。
ジュンヤ「何が…!」
神通「勝負は、ここからです…!」
彼が見た先にはジャスティスが立ち上がり、刀を構えた姿があった。恐らく何かしらの技を使い自分を吹き飛ばしたのだろう、そう推測するジュンヤ。
神通の心は澄み渡っていた。そして神通は『本気』に到る。心を研ぎ澄まし、水の一滴を捉え、その名前を叫ぶ。
神通「明鏡、止水! 咲き誇れ!フルブルーム、バーストッ!」
オレンジ色の光を纏うジャスティス、『満開』の名を関するシステムが起動し放出されるエネルギーが派手な土煙を起こす。
そして粒子のエフェクトが小さな花弁の形となり『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』の周囲に舞い吹雪く。
神通「ここからが、私の本気です…! 流派・東方不敗3代目継承者・神通、いざ参る!」
行動安価 直下
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/12(金) 16:07:38.60 ID:NvPzM70VO
剣技で追い込み、反撃を封じて拳で倒す
334 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/13(土) 01:43:58.64 ID:ZX3d52qU0
天津風「あれって、花弁…?」
瑞鳳「あれは神通ちゃんの心象風景、って言えば良いのかな」
朝雲「心象風景…?」
瑞鳳「心の中に刻まれた風景だよ。ジャスティスの力、『フルブルームバースト』の使用に必要なのは明鏡止水の心…
機体とファイターがリンクする事で機体を強化するのが私の作ったバースト能力。そして副次的な効果として粒子放出エフェクトはファイターの心を映し出しちゃうの」
萩風「では、あの花吹雪は姉さんの?」
瑞鳳「私が試しに使った時は鳥の羽だったから、多分あの子独自のものだよ」
瑞鳳(満開、その名前の通り咲き誇りなさい。想いのままに、眩いほどに、一瞬に全てを込めて…)
ジュンヤ「そんな見掛け倒しで!俺がヤれるかよぉぉぉっ!」
拳を構え、打ち込もうと距離を詰めるディナイアル。ジャスティスは両腕の太刀で自らを抱きかかえるような構えを取る。
見た目だけなら守りの態勢、だが神通にとっては攻勢へと転じる為の構え。気を剣に集めて技を放つ!
神通「奥義・密天、烈風!」
刃が風を巻き起こし、不可視の風の刃がディナイアルへと襲い掛かり直撃し土煙が起きた。
だが大したダメージではなく多少体勢を崩した程度、出鼻は挫かれたがまだ戦えるとジュンヤは考えていたが…
ジュンヤ「何っ!? アイツ、どこに…」
土煙が晴れると目の前からジャスティスが消えている。残っているのは花弁の残滓だけ。
そしてシステムからの警報が鳴ると同時にディナイアルの背後から斬撃が奔り、衝撃でディナイアルが地面に倒れる。
ジュンヤ「て、テメェ…!」
神通「言った筈です… 私の、本気だと…!」
土煙に紛れて背後に回りこんでいたジャスティス、一撃を加えられ倒れたディナイアルが飛び上がり体勢を整えジャスティスと向き合う。
ジュンヤから溢れ出す殺気すらも今の神通は動じることは無い。さらにジャスティスの腕が輝き、刀身が光を帯びるのを確認した神通は機体を加速させた。
神通「はぁぁぁぁぁぁっ!」
ジュンヤ「そんな攻撃でぇ!」
右腕から振り下ろされる刃を左脚の蹴りで弾こうとするディナイアル、だがそれは彼にとって失策だ。
ジャスティスの腕を通し、高温の熱を帯びていた刀の一閃が奔りディナイアルの左脚が溶断される。
ジュンヤ「ば、馬鹿な!?」
神通「今のこの刀はヒートサーベルと同じ、それを脚で受けられると思うな!」
ジュンヤ「ふざけんじゃ、ねぇぇぇっ!」
拳を胴へと打ち込もうとするジュンヤ、しかし神通はそれを左腕の刀を捨て受け止めた。
片足になった事でバランスが崩れた状態での一撃など神通にとって受け止めることは容易い。そして神通はディナイアルから放出される髪状のものを右腕の刀を捨てて掴む。
ジュンヤ「クソッ!クソッ…!」
神通「これで、決めます!」
空中へとディナイアルを投げ飛ばすジャスティス。そして掌に再び光が宿る。これが神通の必殺、母親から受け継ぎ昇華した己の技。ジャスティスは跳躍し、空中へと放り投げられたディナイアルに向け一直線に加速していく。
神通「私のこの手が真っ赤に燃える! 己を越えろと轟き叫ぶ! アンリミテッド… フィンガァァァァァァァァァッ!」
撃墜判定(20以上で撃墜) 直下
335 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/13(土) 09:08:44.96 ID:aUtisD1IO
ふん
336 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/14(日) 01:29:19.88 ID:zDKMPoam0
ディナイアルは両腕をクロスさせ防御の構えを取る。しかし神通の放つ一撃が腕ごと胸部を貫く。
ジュンヤ「俺が、俺が負ける…?」
神通「…私の、勝ちです。 散華なさい。フォール、エンド」
そして空中で大爆発が起き、爆炎が晴れるとそこには爆風を受けてなお悠然と咲き誇る『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』の姿だけがあった。
BATTLE ENDED
Winner"Flügel Vento"
『Aブロック2回戦、第一試合。勝者、東京代表・『フリューゲル・ヴェント』!』
海風「先輩、お疲れ… 先輩…?」
神通「あれ…」フラッ
霞「先輩!? しっかりしてください!」
海風「霞、肩を!医務室まで運びます!」
神通「いえ… ちょっとフラついただけで、大丈夫です…」
神通(何この疲労感は… 明鏡止水を、使っただけなのに… まさか、ガンプラと何か…?)
瑞鳳「やっべ…」
萩風「お母様、じっくりお話しましょうか?」スッ
瑞鳳「うん、分かった。だからさり気なく首筋にナイフは怖いからやめて」
朝雲「一体先輩に何があったの?」
天津風「何か疲労困憊気味なんだけど…」
愛宕「…もしかして瑞鳳、アレ伝えてなかった?」
瑞鳳「…てへっ?」
朝雲「やっぱアンタの母親ロクでも無いわ」
萩風「耳が痛いです… 毎度母が申し訳御座いません…!」
337 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/14(日) 02:16:44.95 ID:zDKMPoam0
《会場 廊下》
海風・霞「ガンプラとファイターがリンクした!?」
瑞鳳「プラフスキー粒子って人の意思に呼応する、って言うのは前に話したと思うんだけど…
その特性を活かして『フルブルームバースト』を私は創り上げた。ファイターの意志と機体をリンクさせて性能を爆発的に増幅させる『だけ』の筈だった」
朝雲「だった?」
瑞鳳「私の予想以上にリンク率が高くてさっきの粒子エフェクトに花吹雪、神通ちゃんの心象風景が具現化したようになっちゃって…
それどころかファイターの神経系とガンプラがリンクして大きく消耗したり、他にも色々と出ちゃいました」
天津風「一体何作ったのこの人!?」
萩風「色々、って一体なんです?」
瑞鳳「えっと、具体的に言えば… 痛覚共有とか?」
神通「道理で節々が痛む訳ですか…!」
愛宕「爆風モロ浴びしちゃったものね… 火傷とか大丈夫?」
神通「そこは大丈夫なようですが…」
海風「先輩になんてものを押し付けてるんですか!?」
霞「もしかして『アズライト』と『アクロス』もロクなもんじゃ…」
瑞鳳「充分リミッターは掛けた筈なんだけどなぁ… あ、残り二つには特に何もロクでも無い性質は無いよ」
萩風「リミッター…? 私が弄った時には…」
瑞鳳「機体フレームに粒子量を制限する詰まり、前にフレスヴェルグの性能が落ちたときみたいな詰まりをわざと作った筈なんだけど」
萩風「あ」
瑞鳳「…まさか、やっちゃった? やっちゃってるね」カチャカチャ
天津風「じゃあ原因は瑞鳳さんだけじゃなくて…」
朝雲「萩風も…」
萩風「仕様なら仕様って言ってくださいよ!?」
瑞鳳「だから言うの忘れてたんだって」
愛宕「瑞鳳、もっと謝るべき相手が居るんじゃないかしら?」ゴゴゴ
瑞鳳「ホント、ゴメンナサイ… 弟弟子の不始末やら何だかんだ押し付けまくってすみませんでした!」土下座
霞「先輩、今のお気持ちは?」
神通「母親じゃなければ殴ってたかもしれません」
海風「ですよねー」
338 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/14(日) 03:16:54.54 ID:zDKMPoam0
瑞鶴「…何やってんの?」
愛宕「瑞鶴?」
瑞鶴「まぁ、大体何しでかしたかは察しがつくけどね。体の調子は?」
神通「気だるさを除けば、なんとか」
瑞鶴「その程度なら良かった。体は資本だしね」
海風「どうかなさったんですか?」
瑞鶴「ああ、話がしたいってバカ居るから連れて来たのよ」バシッ
ジュンヤ「痛っ…!? バカって言うなよ…!」
霞「アンタ… イノセ・ジュンヤ…!」
萩風「今更、何用ですか。 危害を加える気であれば…」
神通「萩風、止しなさい」
萩風「…分かりましたよ」
神通「イノセ・ジュンヤ、貴方の気持ちは打ち合った時に刀を、拳を通して伝わりました。
私の拳、そして刀からは何か伝わる事はありましたか?」
ジュンヤ「…いや。だが、拳は効いた…」
神通「それであれば、まだ良い方です。本物の外道にまで墜ちれば拳などただの凶器ですから」
ジュンヤ「俺はあらゆる武術を吸収し、強くなった筈だった… なのに、俺は負けた」
瑞鳳「他の武術を吸収したとしてもいずれ限界は来る。 例えば貴方が他の世界中の武術をマスターしたとしましょう。
でも学ぶ武術が無くなればそこで終わり。 1+1を繰り返して重ねてもいずれ限界は訪れる」
ジュンヤ「じゃあアンタは、アンタ達はどうなんだよ…!」
神通「私は… 確かに継承と言う形で技を受け継いでいます。しかしそこから、学んだ技を昇華し自分だけの力を築いていく…
積み重ねられた過去を越え、己の限界を越え、道を拓いていくのが私の『武』の在り方です」
瑞鳳「私も、そうやって育てられてきたからね。 お父さんのクーロンフィンガーが私のゴッドフィンガーとなり、ゴッドフィンガーがアンリミテッドフィンガーになるように、世代を超えて進化を続けるのよ。
どこまでも強くなりたいなら、自分自身の道を描き、果てない道を走り続けるしかないの。例え苦しくても辛くても歩みを止めるなんて出来ない、本当に果てのない道だよ」
ジュンヤ「果てない道、か… 師匠が俺に、次元覇王流の奥義を授けなかった理由が良く分かったよ…」
瑞鳳「あ、それに関して弁解が一つ」
ジュンヤ「は?」
大鯨「お待たせ〜。お久し振り〜」
東方不敗「…」ズルズル
朝雲「大鯨さんと… 瑞鳳さんのお父さん…? 何で引き摺られてるの」
瑞鳳「仙台から引き摺って連れて来てもらったの。 多分、この事態の元凶だから」
ジュンヤ「し、師匠!?」
霞「げ、元凶…?」
瑞鳳「私の推理なんだけどね… こんな感じかな」
・ジュンヤ、次元覇王流の奥義伝授を請う
・師匠、断る(実は次元覇王流に奥義など無い)
・ジュンヤ、怒りで出奔
・師匠、言い出すタイミングを見つけられるず機会を失い今に到る←今ここ
学生一同「…は?」
愛宕「おじ様…?」
瑞鶴「瑞鳳に聞いた時正直無いわ、って思ったものこれ。でもこの親子特有のうっかり伝え忘れるが発動した結果こんな事態になったのよ」
ジュンヤ「嘘だろ…」
瑞鳳「全部事実です。ウチのバカ父親が大変申し訳無いことをしました」
339 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/15(月) 01:39:40.96 ID:7iJK9GhF0
瑞鳳「で、弁解は?」
東方不敗「むぅ… うっかり、では無いのだが…」
神通「それ、もっと悪質です」
瑞鳳「理由が無いならね」
東方不敗「あの時の未熟な精神状態では強さを求める者にそれを伝えるのは酷と言うものよ。それに言っても納得はせんかったかもしれん」
萩風「完全にどこかの誰かと同じパターンを辿ってますね」
瑞鳳「うっ…!」
神通「拳で語る前にやはり言葉で話すべきでしょう…」
瑞鳳「肝に銘じます…」
東方不敗「ジュンヤよ。この通り、言葉足らずですまなかった… 次元覇王流に奥義等無い、あるのは極意だけだ」
瑞鳳「本当に先代が申し訳ありませんでした」
神通「3代目として、申し訳ありません」
海風「…これ、先輩完全な尻拭いですよね」
霞「ちょっとこれは酷いかも…」
天津風「先輩は泣いて良いと思うわ」
朝雲「瑞鳳さんも割と被害被ってるんだろうけど…」
萩風「今回ばかりは同情します…」
大鯨「代わりと言ってはなんだけど… はいこれ」
ジュンヤ「…パスポート? それに旅券…?」
瑞鳳「あっ…」
ジュンヤ「ニューヨーク…? それと、ニューヨーク発ベネズエラ行き…!?」
東方不敗「この後すぐの便で発つぞ」ガシッ
ジュンヤ「ちょ、待っ…」
東方不敗「先程の戦い、腕が鈍っておったからの。ワシが直々に鍛えなおしてやるわ!」
大鯨「親御さんの承諾はいただいてきたからね。存分に堪能してきて」
ジュンヤ「う、うわぁぁぁぁぁぁ…」ズルズル
瑞鶴「これは酷い」
愛宕「御愁傷様ね」
瑞鳳「我が家と関わったのが運の尽きだね、ホント」
神通「…さっきの過労とストレスで本当に胃に穴が開きそう…」
海風「気をもって下さい…!」
霞「萩風、材料費出すからアンタ後で胃に優しいもん作ったげて…」
萩風「はい… これはちょっと、私が継がなくて良かったなぁって思ったし…」
340 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/15(月) 03:40:01.13 ID:7iJK9GhF0
《その後 海風・霞の部屋》
海風「今後の事ですが… どうしましょうか?」
霞「どうするって、アンタの方針通り戦うだけじゃない」
海風「それはそうなのですが… 今回の場合は先輩が少々『やり過ぎた』んです」
神通「ですよね…」
海風「弓術による狙撃、そしてフィールドを切り裂く剣術、『フルブルームバースト』の全力行使…
今回だけで先輩の持てる手の内を晒してしまいました。恐らく今後は対策を練られていると考えてください」
霞「対策、って何かできるものあるの?」
海風「ええ。例えばですけど… フルブルームを発動しない内に包囲されてトリモチで関節封じられたりするかもしれませんし」
神通「ダブルオーで人革連のやった包囲からの封じ攻撃のようなことをされれば… 確かに厄介ですね」
海風「3機と言う制限がある以上普通ならやりませんが… もし、例えば瑞鳳さんに聞いたように戦艦の中に複数のMSを内蔵して艦載機扱いにした戦術を取ってくれば、確実にやられます」
霞「それは厄介ね… 可能性としては捨てきれ無いのがどうにも…」
神通「ですが… 私はもう、立ち止まらないと決めました。 海風さん、私に命じてください。『本気を出せ』と。
ロンギフローラムのリミッターは全解除して貰いました。これなら、どのような敵にも負けません」
海風「しかしそれでは先輩の体が…!」
神通「大丈夫です。 例えこの身が果てようと、私は立ち止まりませんから」
霞「先輩…」
海風「…分かりました。 ですが本気の使用は海風が指示した時のみに限定してください。
EXAMに関する全てを終わらせ未来を変えるまで貴女は倒れてはいけない。『契約』もありますから」
神通「『契約』… そうでしたね…」
霞(契約…?)
海風「幸い海風達の機体にも瑞鳳さんから強化装備、『ソレスタルスフィア』と『ホワイトクリーン』用に各機に追加装備が頂けることになりました。
先輩の負担にならないように努力はします。 貴女は止まってはいけない、止まるとしてもここではありません。くれぐれも、気を付けてください」
神通(そう、私は進み続けなければならない… EXAMを消し、未来を変えてお母様を救う為に。 無限にある可能性の未来、その先へと…
それが私の、母から不敗の名を受け継いだ私の使命なのだから…)
第14話『無限の先に』終
341 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/15(月) 03:51:19.36 ID:7iJK9GhF0
次話選択 下5まで
1.霞編『ニュータイプ』…霞VSニムバス。 『何者』かと感応する霞、その相手が誰かも分からないまま三回戦へと駒を進めるが、世界大会会場がニムバス一味の襲撃を受けた。事態収拾の為に霞達は瑞鳳や世界大会関係者と共に戦いへと身を投じる…
2.萩風・朝雲編『言葉よりも記憶よりも』…萩風・朝雲VS嵐。 三回戦に鬼怒たちと激突する事になった一行、そして嵐は『かつての萩風』と友人だったと言う事実が明かされる。『自分の知らない自分』に苦悩する萩風と、それを支えようとする朝雲は…
3.天津風編『復讐の意味』…天津風VS霧島。 ガンプラ学園への復讐を思う天津風、しかし対・ガンプラ学園対策会議でメンバーから外されてしまう。納得が出来ないまま2回戦を迎えるが相対したのは天津風同様『復讐』の感情をガンプラ学園へと向ける霧島だった
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 04:57:12.25 ID:P/LGecRb0
3で
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 05:14:14.48 ID:B51XQoE3O
2
344 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 05:58:06.31 ID:qcfbBQnW0
2
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 08:05:42.37 ID:F1ZCW80qO
3
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 08:08:26.85 ID:OjcyfBms0
これ三択で下5より先取三票の方がよくない?
安価下
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/15(月) 09:34:03.74 ID:JQsFA1GwO
2
348 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/16(火) 01:50:31.32 ID:xqk2mux80
結果
・霞編…0
・朝雲・萩風編…3☆
・天津風編…2
なので朝雲・萩風編やります
>>346
次回試しにやってみます…
ところでアズール編完結後、新章に移行予定なのですが…
現在主人公として考えているのは
・親潮『ルート・クルセイド』
・由良『ルート・ソレイユ』
・鈴谷『ルート・テンペスト』
を予定しております。
共通設定は
・アズール編から2〜3年経過
・トライ準拠
・アズール編のキャラはチョイ役として続投(大筋には関わらない)
・チームは『フリューゲル・ヴェント』ではなくなる予定
のような感じでやっていこうかと…
349 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/16(火) 03:54:52.78 ID:xqk2mux80
第15話『言葉よりも記憶よりも』
《大会会場内 カフェ》
萩風「妹さん、どうですか?」
朝雲「体調も安定してるし、準決勝からは来れそうだって。私達が勝ち続けてればだけど」
萩風「問題はそこ、ですよね。次の相手は…」
朝雲「知ってる。海風の従姉妹なんでしょ?」
萩風「あの三人、腕は確かです。それに最大戦力である姉さんの機体はリミッターの解除調整中、明後日の戦いには間に合いません。
さらにお母様も今世界大会と掛け持ちでこちら用の武装も新規製造している為助力は期待できませんし…」
朝雲「成る程ね… じゃあ次点じゃ海風が最大戦力か」
萩風「しかし親戚相手に本気を出せるでしょうか?」
朝雲「大丈夫よ。アイツ戦いは基本誰にでも容赦無いから」
萩風「…海風さん、意外と信頼が厚いのですね」
朝雲「そりゃそうよ。 私、私達は海風の直向な努力を間近で見てきたもの。 じゃなきゃ信じないし、従うつもりも無いわよ。
それに海風だけじゃなく、霞や先輩だって色々抱えながら頑張ってきた。天津風は… まぁ、頑張ってるんじゃないの? だからこそ私はチームを信じてる」
萩風「信じてる、ですか…」
朝雲「それは萩風もよ。結果的に私は萩風に助けられたし、萩風が導いてくれたお陰で先輩達の援護にだって入れた。
他の誰が疑おうと、私は萩風を信じる。一緒に戦う仲間として、友達としてね」
萩風「朝雲さん…」
朝雲「…い、今のは忘れて。ちょっと恥ずかしいから…」
萩風「あ、あはは… そろそろ戻りましょうか。海風さん達は先に戻ってますし」
朝雲「えぇ〜!私ちょっとこのハロールケーキって食べたかったのに…」
萩風「駄目です。ただでさえ甘い物食べ過ぎてるのに、もう夕飯も近いんですよ」
朝雲「海風のは黙認してるのに…」
萩風「彼女の能力は膨大なカロリーを消費します。 仕方の無い処置です」
朝雲「ちぇっ… ま、良いわ。今日は我慢する」
「お、居た居た。おーい」
朝雲「あれって… 私達に?」
萩風「みたい、ですけど… 彼女、確か海風さんの従姉妹さんと同じチームの…」
嵐「何だよ、鳩が豆鉄砲食らったような顔してよ」
朝雲「確か嵐、って言ったわよね? 何か用? 海風なら…」
嵐「アイツは勘弁してくれ… 知らずに地雷踏んづけて、顔合わせるのが気まずいんだよ…」
朝雲「ガトリング罵倒の被害受けたのね… スドウの一件も地雷踏まれた反撃の罵倒が遠因になってたのに…」
嵐「スドウ?」
朝雲「…私達が遭遇した昏睡事件の犯人よ」
嵐「ああ、スドウ・シュンスケだったっけか… 実名公表されてなくても、大会記録には残ってるから名前は知ってるけど…」
朝雲「誰にも話さないでよ。一応私には事件に関わった守秘義務ってのがあるもの」
嵐「あ、ああ… ってそうじゃない。東京に引っ越したのは知ってたけど、まさかお前が『フリューゲル・ヴェント』に参加してるとはなぁ…」
萩風「…一体、誰の話を?」
嵐「は? お前に決まってんだろ、萩」
朝雲「萩…? 萩風…?」
萩風「私…?」
350 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/16(火) 23:55:59.98 ID:xqk2mux80
萩風「…」
朝雲「…」
朝雲(そう言えば前に、『未来の萩風』が『この時代の萩風』に成り代わったって聞いた… まさか、この人『この時代の萩風』を知ってる!?)
嵐「お、おい… 忘れたのかよ!? 前に近所で一緒に遊んでた嵐だぞ!?」
萩風「え、えっと… 私は…」
朝雲「…ごめん、ちょっと良いかしら?」
嵐「何だよ!」
朝雲「この子、ちょっと記憶障害なの」
萩風「朝雲さん…?」
嵐「記憶、障害…?」
朝雲「ちょっと前に事故にこの子も巻き込まれて、昔の事を思い出せないの。
幸い脳に障害は無いから心因性のものの可能性が高いけど、逆に思い出させるようなことはしちゃ駄目」
嵐「何でだよ…!昔の事を思い出せ無いなんて、萩が可哀想だろ!」
朝雲「違うわよ。確かに可哀想、だけど思い出す方がもっと可哀想になる。 ちょっとこっち来なさい」
嵐「…なんだよ。萩風に聞かれちゃマズイのか?」
朝雲「良く聞きなさい。 記憶を無理に思い起こそうとするって言うのはね、辛い記憶も引き出しちゃうことなの。
あの子の両親は事故で亡くなった。そのショッキングな光景が原因で記憶を封じていたとしたら?」
嵐「どうなるんだ…」
朝雲「間違いなく精神の均衡が崩れる。 貴女の望む良い結果にはならない」
嵐「ッ…!?」
朝雲「今は時間をかけてあの子の精神を安定させる事の方が大事なの。記憶も無いし親御さんも居ない、そんな状態で今あの子は生きてる。
もし貴方があの子の友達だって言うなら、もう少しあの子の事を考えてあげて」
朝雲(咄嗟の嘘、成功… でもちょっとマズイわね。先輩や瑞鳳さんにも後でちょっと相談しとくか… でも最大の問題は…)
萩風「私は、一体…」
萩風(今更だけど… 私は『過去の私』を踏み台して…)
萩風「違う…!私は…!」
萩風(そんな感傷は今は必要ない…!)
朝雲(あっちの方が問題ね)
351 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/17(水) 04:48:12.80 ID:9V+zkIQT0
《その夜 朝雲・天津風の部屋》
神通「…成る程、過去の自分の知り合いですか」
瑞鳳「厄介っちゃ厄介でもあるね。魂は同じでも心は別人、全くの他人だもの」
朝雲「先輩はそんな人は現れましたか?」
神通「いえ。同じ学校の出身は居ますが、特に友人関係でも無かった様なので」
朝雲「流石に前例は無いかぁ…」
瑞鳳「問題は萩風ちゃんだよねぇ… 朝雲ちゃんがフォローしたけど、下手すりゃ消しにかかるかもしれないし」
天津風「…いくら萩風でも、します?」
神通「やりかねません」
朝雲「信頼低っ!?」
瑞鳳「逆の意味でやる、って分かってるからの信頼?かもしれないけど。割と思い込みと突っ走りっぷりが激しいからねぇ… 誰に似たんだか」
神通「お母様の影響を受けた人間の遺伝子を受け継ぎ、お母様に育てられた子供ですよ? それ以外誰に似てるとでも」
瑞鳳「あはははは… 大変すみませんでした」
天津風「子供が出来たら育て方は考えざるを得ないわね…」
神通「ですが、私の家族であり尊敬する師であり… 大事な人ですよ」
瑞鳳「まぁねぇ… でもちょっと愛が重いというか…」
朝雲「助ける為に過去まで跳んで来るのはちょっと…」
天津風「そう言う無謀すらやらかすのも瑞鳳さんそっくりと言うか…」
瑞鳳「…おかしい。未来の話なのに、今の私まで被害を被ってる」
神通「延長線上の同一人物ですから」
瑞鳳「そりゃそうだけどさ。 まぁ、その話はそこら辺に投げておいて。 ただ由々しき問題ではあるね。
自分の知らない自分を語られるって結構ショッキングだからさ」
天津風「経験が?」
瑞鳳「3日くらい記憶喪失った時があったのよ。その時なんだけど… 自分がどれだけイカれてるか飛龍さん達に教えられて、認めたく無いって思ったもの。
記憶戻っちゃったから特に今は問題無いけど、知らない自分が存在するのは怖いんだよ」
朝雲「サラッと凄いこと言ってますが… 一体どうやって治したんです?」
瑞鳳「荒療治も荒療治… 語りたく無いくらいには…」
神通(確か業を煮やした飛龍さん達4人に丸一日お尻でヤられて気絶させられた次の日には治ったと聞きましたが…)
瑞鳳「例えば朝雲ちゃんの今の人格を表、もう一人別個に裏が存在したとする。 他人から自覚の無い、裏の人格の話をされたらどう思う?」
朝雲「誰?とは思いますけど…」
瑞鳳「それだけなら良いよ。 でももし人を殺していたりしたら? もし悪行を行っていたとしたら? それを聞かされてどう思う?」
朝雲「確かに、それは怖いわ… じゃあ萩風は、今そう言う気分なのね…」
瑞鳳「そう言う気分なんだよ、今のあの子は。知らない自分が居て、他人に語られるってそう言うことなの」
神通「怖いだろうし、あまり愉快な話でもありません。 それに下手を打てば、成り代わった筈の元の『この時代の萩風』になって今の自我が消える可能性も…」
瑞鳳「そこまで行くと飛躍のし過ぎ、とは思うけど無いとは言い切れないからね… 早急に対策して、安心させないと」
天津風「でもどうやって?」
瑞鳳「これ貸したげる」
朝雲「世界選手権、大会関係者フリーパス!?」
瑞鳳「気晴らしにでもなるだろうし、二人っきりで見て来なさいな。私達二人を除くと、一番あの子を理解しているのは朝雲ちゃんだからね。
私の可愛い娘、貴女に任せるから」
352 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/20(土) 06:46:13.85 ID:PRqd4idx0
《翌日 世界大会会場》
ガヤガヤ
朝雲「凄い人ねぇ… アナハイムの一件があったって言うのに、流石ガンプラってところかしら?」
萩風「これでも去年より人が減ってるらしいですよ。大会参加者の辞退も相次いでましたし」
朝雲「瑞鳳さんがそんな事言ってたっけ。実際どれくらいなの?」
萩風「昨年は全68カ国93人、今年は56カ国80人になったとか」
夕雲「あら、確かお二人は… 朝雲さんと萩風さん、でしたか?」
浜風「先日ぶりです。 そして妹がお世話になってます」
朝雲「あ、どうも。海風にはこちらも色々と助けられてますから」
萩風「バビロニアの一件以来ですね」
夕雲「瑞鳳さんは…」
朝雲「今日は諸用があるそうで」
萩風「お母様にフリーパスを借りられたので私達が」
浜風「そう言う事でしたか。 バトルの無い日にまで研究とは良いことです」
朝雲「まぁ、世界のレベルがどんなものか見てみたくて… 機体の性能もファイターも、中高生の部とはレベルが違うとか聞いたんで」
夕雲「実際、桁違いの選手ばかりですよ。 一癖も二癖もある選手がはびこってますから」
萩風「お二人がそう言うのであれば、相当でしょうね…」
浜風「特に今年は、大波乱の予感がします。 今年は参加者が減ったとは言え、質はあがっていますから」
「あら、貴女達は…」
浜風「どっちで呼びます? メイジンか、矢矧さんか」
メイジン「今は職務中だからメイジンでお願い。 そこの二人は、『フリューゲル・ヴェント』のストライクとエクシア使いね」
朝雲「は、はい! 朝雲と言います!」
萩風「萩風です」
メイジン「私の自己紹介は不要ね。開会式にも出てたから。二人共、一回戦の試合は面白い戦い方だったわ。
長距離狙撃とステルスを用いた奇襲、それにダインスレイヴを銃で弾く芸当… ガン=カタまで瑞鳳さんは教えられるのね」
朝雲「えっと、ガン=カタは… 瑞鳳さんではなく榛名さんに教えて貰って…」
メイジン「…え? 何であの人!?」
浜風「まぁ、色々あって現在協力関係なもので…」
メイジン「そう言うことね… でもあの人が率先して教えるのは珍しいわね…」
萩風「そうなんですか?」
メイジン「しかも貴女達はいずれあの人の妹達と戦うかもしれない。その相手にわざわざ…?」
夕雲「それだけでは飽き足らず、この子は『改RX-0』までちゃっかり頂いてますからね」
メイジン「はぁ!?」
浜風「素が出てますよ」
メイジン「し、失礼… 『改RX-0』の話、本当?」
朝雲「はい。 榛名さん達の使う北欧系統の名前じゃないけど、きちんとした『改RX-0』です」
メイジン「本当に何考えてるのかしら…」
イベント 直下
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 15:28:16.88 ID:uq0k/yI/O
世界大会出場ファイターとの交流
354 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/23(火) 03:36:25.01 ID:TG6cUZAE0
浜風「お二人はどうします? 私達は午後の試合まで時間があるので観戦してますが」
朝雲「私達は… どうする?」
萩風「このまま見学していきましょう。今日一日、やる事はありませんから」
萩風(それに私の遺伝子ベースとなった二人… 一応私にとっては母にあたる人、でも私には殆どお母様は話してくれなかった… どんな人だったのか、って興味もあるし…)
夕雲「ではご一緒しましょうか。 瑞鳳さん達も居ませんし、飛龍さん達は今年はこちらに来ない予定ですから」
朝雲「あれ、そうなんですか?」
浜風「ええ。 大会中の方がガンプラの売れ行きが良いので」
萩風「ああ、そっちの方で…」
「おい、浜風に夕雲。何やってんだ?」
夕雲「あら、フェリーニさん?」
フェリーニ「今日も瑞鳳は居ないのか。 そっちの二人は?」
浜風「妹のチームメイトです」
フェリーニ「妹… ああ! 近くでやってる日本の学生大会に出てるって言ってたな! あの瑞鳳の教え子なんだろ?」
朝雲(えっと… 誰?)
萩風(リカルド・フェリーニ、イタリア代表です)
朝雲(ああ、毎年ロワイヤルで追い回されてる…)
浜風「二人は朝雲さんと萩風さん、妹と同じ『フリューゲル・ヴェント』のファイターです」
朝雲「朝雲です。よろしくお願いします」
萩風「萩風と言います。どうぞお見知りおきを」
フェリーニ「俺はリカルド・フェリーニ、まぁお前達の先生とは腐れ縁でな。 確か二人共、一回戦に出てたろ」
夕雲「中継、ご覧になっていたのですか?」
フェリーニ「ああ。本場・日本の学生ファイターの実力を観てみたかったんだよ」
浜風「私達でも、見てて参考になる時もありますからね」
フェリーニ「確かステルスを使うエクシアと狙撃型のストライクだったか… 中々良い戦いっぷりだったぜ」
朝雲「ありがとうございます」
フェリーニ「やっぱりアイツ、見る目は一流だな。飛龍達と言い、浜風達と言い、春雨と三日月と言い…」
萩風「時雨さんは?」
フェリーニ「時雨? アイツの基礎を作ったのは俺だぞ」
朝雲「そうなんですか?」
フェリーニ「ああ。知り合いから頼まれて、付き合ってやったんだよ」
時雨「そうさ。 僕はフェリーニと練習し続けて腕を磨いたんだ」
フェリーニ「うおっ!?」
浜風「時雨!?」
時雨「瑞鳳に呼ばれてね。 見回り役だよ」
フェリーニ「何だよ、見回りって」
時雨「『昏睡事件』さ。 瑞鳳だって体は一つなんだ、同時に事件が起きたら片方しか対処出来ないだろ」
萩風「し、時雨さん…!? 一般人の前で何を…!」
フェリーニ「いや、事件についての詳細はある程度瑞鳳から聞いて知ってるぜ。俺以外にもグラハムってヤツとロシアのが知ってる筈だが、一体どこ行ったんだアイツ…」
萩風(グラハム・エーカー、確か米軍関係者でしたか… ロシアのは多分スミルノフの…)
現れた人 直下
1.グラハム・エーカー
2.ビス子
3.その他(人物も)
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/23(火) 05:26:48.46 ID:57ptVzHh0
ルワン・ダラーラ
356 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/25(木) 02:39:35.27 ID:1MNs6t5e0
「リカルド、またナンパか?」
フェリーニ「おいおい、まだコイツ等学生だぞ。ナンパなんてしてねぇ」
浜風「流石に妹の友人を毒牙にかけさせはしませんよ」
朝雲「あの人は?」
時雨「ルワン・ダラーラ。タイ代表の選手、僕も一度戦ったよ。野球でね…」
萩風「や、野球…?」
ルワン「その節以来だな、ミス時雨。 ミス春雨は?」
時雨「もう少し後になったら来るよ。 本当なら選手としてここには来たかったけどね… 再戦も出来てないから」
ルワン「それを聞けて安心した。二度と合見える事は無いかと思ったからな」
時雨「ただ野球は勘弁して欲しいね。 本式のバトルの方が楽しめそうだし」
ルワン「野球も良いと思うんだが…」
夕雲「二人共、この方は何しろ生涯打率.899と言う記録保持者でして… メジャーリーグからも招致された事もある方なんです」
萩風「…えっと、生涯打率ってどんなに多くても3割程度ですよね?」
朝雲「ぶ、ぶっちぎってる…」
時雨「野球で勝ったのだってRGを発動して機体出力底上げした結果、この人のアビゴルが球に耐え切られなくて吹っ飛んだからなんだよ…
あれ、パワー無ければ平気でホームラン打たれてたから正直機体性能で勝ったとしか言い様がね…」
浜風「その前にロワイヤルで遭遇戦になった時、私達と4機がかりでようやく撃退出来た有様ですから」
ルワン「あの時は連戦だっただろう。あの変態と」
朝雲「変態…?」
萩風「ああ、例の…」
フェリ−ニ「そう言えばアイツ今年は見てねぇな…」
浜風「えっと… 大会前にあるファイターにブチのめされたので武者修行をしてくると瑞鳳さんに手紙が…」
フェリーニ「アイツって結構な実力あったよな、あれでも…」
ルワン「お陰で、ライナー・チョマーが再び出てきてくれたがな」
フェリーニ「アイツはアイツで厄介なんだよなぁ… 去年みたいに大人しく全日本選手権の実況やってろよ」
夕雲「ガールフレンドを横取りしている罰ですよ。その内『本命』さんに愛想尽かされても知りませんから」
フェリーニ「お、おう… 確かにソイツは怖いな…」
ルワン「ところでそこの二人もファイターと見たが」
朝雲「全日本選手権・東京代表の一人、朝雲と言います」
萩風「同じく、全日本選手権に出場する萩風です」
ルワン「タイ代表のルワン・ダラーラだ。よろしく頼む、若きファイター達」
浜風「あとウチの海風もどうぞよろしく…」
時雨「…キミはとことんシスコンを拗らせてるね」
夕雲「ここに居ない人の紹介してどうするんですか、全く…」
357 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/26(金) 03:33:43.98 ID:d21iBWH10
《カフェテリア》
時雨「午前中のチーム戦、まずまずだったね」
夕雲「一番盛り上がりが大きいのは午後の試合に持っていくつもりでしょうね」
フェリーニ「チーム戦に関しちゃお前達の方がプロだろ? 感想とかあるか?」
萩風「初見、事前練習無しでチームを組んでいるので仕方ありませんが… どうしても連携が上手くいってない様子でした」
朝雲「動きもバラバラ、役割もゴチャゴチャ。もう少し他人に合わせるようにすれば良いのに…」
浜風「普通、初見の相手と組んでそれは難しいですよ。世界選手権は個人参加の大会、『自分が一番』だと自負している人が多いもので」
フェリーニ「それぞれ国の名前を背負ってるからな。Gガンダムみたいなもんだ」
ルワン「しかも機体も『一人で戦う』ことを前提として作られてる。合わせ難いのも当然だろう」
夕雲「世界大会においては朝雲さんのストライクのような機体の方が異端扱いされ易いんです。チーム戦の全日本では逆に重宝されますが」
朝雲「海風のアズライトとか先輩のロンギフローラムの方が正統、ってことね…」
浜風「その点においては私達も充分異端です。私のニクスと夕雲のミラージュは2機での連携が前提の機体ですから」
萩風「確かに、射撃・通信能力特化と近接・ステルス特化の機体では真逆の特性ですね」
フェリーニ「しかもどっちも世界大会で5本の指に入る性能ときてる… 厄介にも程があるってんだ」
時雨「僕も、キミ達と同時に戦うのは可能な限り避けたいね。次は春雨と一緒でも勝てるかどうか分からない」
ルワン「あれ以降、機体は弄ったか?」
時雨「定期的にアップデートしてるよ。浜風の妹に渡したフレスヴェルグのデータも瑞鳳経由で貰ってるし、その技術を活かしてね」
フェリーニ「フレスヴェルグ? 『アズライト』じゃないのか」
時雨「元々の機体名は『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』さ。春雨と浜風が作った機体を、瑞鳳が改修したんだ。機体名はファイターの趣味だと」
萩風「宝石、花、英語の名詞、天体、神話… ウチは統一性皆無ですから」
朝雲「そのせいでチーム名で揉めたのよね…」
時雨「因みに言うと若干だけどフェニーチェの技術入ってるよ」
フェリーニ「マジかよ!?」
浜風「ベース機をウイングゼロに決めた時に、少しだけ参考にして汎用性を高めようとしたんです。武器は翼に接続軸を付けたから交換して使えるようにしておいたけど…
初期装備にしてたバスターソードを気に入っちゃったみたいで、それがメイン武装になったと…」
朝雲「あれ、そう言う経緯だったのね」
ルワン「しかし姉妹揃ってファイター、しかも戦術のセンス持ちとは… 中々面白いな」
浜風「それだけではありません。あの子の運もありますよ。 チームメイトや講師に恵まれ、それを開花出来るだけの環境を得られたのですから。
特に朝雲さんを含めたチームメイトがあの子を信頼して、任せてくれているのも大きいでしょう。二人共、本当にありがとうございます」
朝雲「い、いえ! 感謝されることなんて…」
萩風「私も、特に役に立っているとは…」
浜風「いえ、あの子は誰かに信じられている限りその信に応えて…」
『間もなく、午後の部に移行します。 参加選手の方は…』
夕雲「あら、もうそんな時間?」
浜風「行きましょう、夕雲。 あとこれ、後で海風に会ったらに渡しておいてください」
朝雲「1000円札…?」
浜風「鬼怒にお金払っておいて、と伝言も」
萩風「立替のお金ですか…」
フェリーニ「ルワン、お前も午後からだろ」
ルワン「そうだった。 ではまた会おう、ミス萩風にミス朝雲!」
358 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/27(土) 03:08:18.62 ID:17jFt8X60
《観客席》
『これより第8試合の選手を発表いたします。Aチーム、3代目メイジンカワグチ『ヘビーガンダムビクトリア』…』
朝雲「あの人ね。 ヘビーガンダムだから、あのエキシビジョン試合で使ってた…」
萩風「はい。ヘビーガンダム、U.C.0090仕様の改修機ですね」
フェリーニ「ここで強力なヤツが出てきたか…!」
『『ニクスプロヴィデンス・クロイツリバイ』、浜風。マスクド・セカンドG『ゲイジングハウンド』』
朝雲「浜風さんが…!?」
萩風「『マスクド・セカンドG』…?」
フェリーニ「今大会で一番のジョーカーだ。経歴不明、素顔不明… だが戦い方は先代のメイジンにそっくりなんだよ」
「はい。ガワもスタイルもそっくり… まるで『本人』そっくりです」
朝雲「榛名さん!?」
榛名「…ですが、余りにも似すぎて違和感が拭えません。それに妙な気配を感じます」
萩風「妙な気配…?」
榛名「だから、それを確かめたいのです。その為に高いお金払ってチケット買いました」
フェリーニ「アンタどこかで…」
榛名「お久し振りです、リカルド・フェリーニさん。 一昨年の取材以来でしょうか?」
フェリーニ「取材…? あ、あの時のライター!?」
榛名「ガンプラ専門ライター『ホワイトウルフ』、まぁライター業は只今休業中ですので今は榛名とお呼びください」
朝雲「そう言えばライターの仕事してましたね…」
萩風「会った事があるのですね」
フェリーニ「あ、あれはな…」
榛名「ナンパしようとして、ガンプラを差し出してくるとは思いませんでした。つい作りこんだザクVで対抗してしまって…」
朝雲・萩風「えぇ…」
フェリーニ「アンタ本当に何者だよ… しかも先代メイジンの事を知り尽くしてやがる」
榛名「ガンプラ塾第二期主席、過去の話ですよ。でもだからこそ、彼は5年前に最後に会った時から比べて違和感があるんです」
フェリーニ「塾生だったのか… 対戦経験があるのか?」
榛名「ええ。想定外の行動からの不意打ちによる一撃、それでも左肩のアーマーを砕くことしか出来ませんでしたし無理が祟って機体も自壊しましたが」
フェリーニ「マジかよ… だがそれなら、アレが誰か癖で分かるだろう」
榛名「だからこそ、それを確かめるのです」
『続いてBチーム、ルワン・ダラーラ『ハンブラビスバン』。ラマーン・カーン、『シュネー・ヴァイス』。レナート兄弟、『貨物船』…?』
フェリーニ「レナート兄弟が対戦相手か…」
榛名「やは、現メイジンを嫌い浜風さんを嫌う… 最悪の札でしょう。どんな手を使うか…」
萩風「それに、先程のルワンさんも…」
朝雲「どうなるのよ、この試合…」
視点選択 直下
1.浜風『倒すべき敵』
2.海風『羨望』
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/27(土) 09:43:10.67 ID:kdC0vBvj0
1
360 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/28(日) 05:35:27.15 ID:YU54maTt0
side-浜風-『倒すべき敵』
セカンドG「…ガンプラバトルは勝利こそ絶対、全てを犠牲にしてでも勝利の頂を目指すべし。故に貴様の指図は受けんぞ、3代目!」
メイジン「くっ… 勝手な事を…!」
浜風「…では、私が指揮を執りましょう。私が目指すのは『最良の勝利』、犠牲無く眼前の敵を圧倒して得る勝利こそ私が目指す頂です」
セカンドG「ほう… 出来るのか、貴様に」
浜風「出来ます。私なら… 来ます、全機ニクスの後ろに!」
浜風が瞬時にドラグーンを展開し、バリアを形成する。その直後にビームの光弾が直撃しバリアに弾かれた。
頭の中に思考を巡らせる浜風は答えに辿り着く。誰がこのビームを撃ったのか、何が目的なのかを。
浜風「レナート兄弟… まさか策も無しに撃ってくるとは」
メイジン「この距離からの正確な狙撃、やるわね…!」
セカンドG「だが愚策だ」
浜風「はい。何の作戦も無くスタンドプレーに走っている… 連携が主眼となる3on3と言う場では足並みを乱す愚策、これならまだ隣会場の学生トーナメントの方が上手い」
ラマーン「貴様、何をしている!?」
フリオ「敵を倒している! 連携なんて必要ねぇ! ここはスナイパーの距離だ!手も足も出す暇を与えず蜂の巣にしてやる!」
ルワン「あのバカ…! あっちにはヤツが居るんだぞ!?」
プロヴィデンスが形成するバリアフィールドを盾に3機は有効射程目がけて一直線に突っ込む。
高速で思考をフル回転させ、浜風は目指す『最良の勝利』への道標を描き出す。
浜風(バリアフィールドは残り6発程度なら耐えられる、それまでに有効射程には余裕で入れるけど… 問題はレナート兄弟、あの輸送船には今の『ゴーストジェガンF』以外にも『何か』隠している。
ジェガン1機隠しているだけなら単機出せば良い、なら去年と同じ様にMを確実に隠している。だけど完全に同じ手を使う愚策はしない筈… まだ2つくらい札があるかもしれない)
浜風「では作戦を伝えます。私は多数砲撃による面制圧とスナイパーへの囮を務めます。メイジンは前衛をしつつギリギリまで敵を引き付けてください。
マスクド・セカンドG、貴方は『猟犬』、スナイパーを食い殺す役目を。 ただし敵はあの機体以外に隠している機体がある筈なので警戒を厳に」
メイジン「了解したわ」
セカンドG「承知した。 では各々勝利の為に」
浜風「全機、ブレイク! オープンコンバット!」
浜風はバリアフィールドを解除すると同時に装備されたユーキディウム・ビームライフルをシュネー・ヴァイスへと数発ほど発砲する。
当然当てるつもりも無いため、避けられ反撃の如くシュネー・ヴァイスのビットキャリアから数機のビットが襲い掛かった。
ラマーン「その様な鈍重な機体で!」
浜風「私と、瑞鳳さんのニクスを舐めるな!」
襲い掛かるビットの攻撃を軽々と避け、浜風は全てのビットの未来位置を推測して機関砲やライフルを用いて撃ち落していく。
そして全身に装備されたドラグーンの内、先程使った6基以外を全て射出しビットキャリアを攻撃した。
ラマーン「狙いはビットキャリアか!」
浜風「手数など与えは… ッ!」
遠く離れた輸送機、それに搭載されたゴーストジェガンFからの狙撃をシールドで防ぐ。
必殺と思われた一撃が防がれたフリオは苛立ちを隠せない。
フリオ「戦術家気取りのクソガキッ…!テメェだけは、俺達の戦場を汚したテメェは絶対許さねぇ!」
浜風「戦争ごっこ遊びの大人が…! こちらとしても、前にバスターを壊された仇を取らせて貰います!」
361 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/30(火) 03:23:37.82 ID:xlm/7STP0
朝雲「凄い戦い…」
萩風「ニクスが面制圧を行いつつ狙撃への囮を務めて、ヘビーガンダムが牽制役、あのAGE系の機体は…」
朝雲「多分、後ろの狙撃手を狩るタイミングを計ってるのよ。まだビットキャリアはいっぱい残ってる、そんな状態での突撃は自殺になるわ」
榛名「その通りです。さらにはニクスが戦線を押し上げているのも、あの機体『ゲイジングハウンド』を近づけ易くする為でしょう」
フェリーニ「だがルワン達のチームは連携がなって無い。浜風の動き、見てみろ」
朝雲「シュネー・ヴァイスとハンブラビに近過ぎる… あの機体、見るからに近接戦は苦手そうなのに…」
榛名「あれは恐らく友軍誤射の誘発を狙っているのでしょう。 フリオ・レナートは明らかに感情的に成り過ぎた、ただニクスを出鱈目に狙撃しているだけです」
フェリーニ「余程嫌ってんだろうな、浜風の事。 ポリシーである欺き・企て・嵌める、そのやり方を全部浜風は台無しに出来る。 自分は子供以下って思い知らされて、腹が立ってんだよ」
萩風「大人げ無いですね…」
榛名「感情的になるのは理解出来ます。しかし私情を挟み、恨みや個人の執着で足並みを乱した時点で勝敗は決しました。
戦場は常に推移するもの、そしてその推移に乗り切れ無い者には『敗北』の二文字しかありません」
ラマーン「ビットキャリアを、よくも!」
浜風(これで残りは2基のキャリア、戦力は大幅にダウンした…! ドラグーンは全機健在だけどエネルギー残量は30%弱、補充が要る。 そしてハンブラビは…)
ルワン「コマンダーを落とせばこちらに流れが…!」
浜風「やはり、こちらに来るか!」
狙撃の雨を掻い潜りながらハンブラビを攻撃するニクス。 ビームライフルによる射撃は回避され、近づいてきたハンブラビがサーベルを抜く。
そして高速で背後に回りこみ斬撃を加えようとした直後、『何者か』に放たれたビームよってバインダーを貫かれてしまう。
ルワン「なにっ…!?」
フリオ「しまっ…!!」
浜風「よしっ!」
不敵に笑う浜風、彼女は隙を見せた瞬間狙撃されると分かった上で背中をガラ空きにしていた。
さらに正面から火力の高いニクスに挑むのは難しいと踏んだハンブラビが背後に回るのは自明の理、そして結果として何が起きるかなど考えるまでも無い。
ルワン「やってくれたなレナート…! これ以上の高機動戦は無理だ! メイジンは任せた、ラマーン!」
ラマーン「了解した!」
2機はポジションを入れ替え、ターゲットの狙いを変える。 だがそこに起きる隙を浜風達は見逃さない。
ビットを落とし、お膳立てを整えていたマスクド・セカンドGの機体が加速し一直線に貨物船へと駆ける。
ラマーン「くっ…!あの男、大人しいと思えば最初から狙撃手狙いか!? だが…」
メイジン「易々とやらせないわよ!」
メガ・ガトリングガンとミサイル攻撃により残存するビットキャリアを破壊するヘビーガンダム。
迎撃網を掻い潜ったゲイジングハウンドが貨物船のゴーストジェガンFへと襲い掛かり、その左腕をシザーで奪い取り装着した。
セカンドG「ゲイジング…!」
フリオ「て、テメェッ!」
ゲイジングハウンドが奪い取った左腕に持っていたハンドガンを使って貨物船を攻撃し、そのまま爆散する貨物船。
ジェガンは間一髪で貨物船から逃走し、ゲイジングハウンドはその追撃を試みる。
362 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/01/30(火) 03:56:44.65 ID:xlm/7STP0
セカンドG「スナイパーは姿を見せ標的を読まれた時点で8割は勝負がついている。戦術に長けたレナート兄弟ともあろうものが判断を誤ったな。敗因は、唯一人の子供への執着だ!」
そのままゴーストジェガンFへと距離を詰めるゲイジングハウンド、トドメを刺そうとするも既にゴーストジェガンFに動きは無い。
次の瞬間、船の残骸から姿を現し一直線にもう1機のゴーストジェガン、『ゴーストジェガンM』がゲイジングハウンドへと襲い掛かるが…
浜風「二度も同じ手が通じるか!」
フリオ「なにっ!?」
ニクスに装備された『レジェンディアストライカー』のドラグーンの内、2基の『GDU-X7 突撃ビーム機動砲』がスパイクを形成しゴーストジェガンMの両肩を貫く。
浜風は以前、去年の対戦の際に同じ手をやられていた。そしてマスクド・セカンドGと共に一計を案じていたのだ。
セカンドG「やはりその手を使うか… だが浅はかだったな」
浜風「残骸の中に隠していた『GN-XW』も『ストライカージンクス』も破壊しました。もう残る札はありません」
フリオ「な、何だと…!?」
浜風「大局を見失い、足並みを乱した時点で貴方の勝利は在り得ない」
フリオ「ふざけるな…!企て欺き嵌める、それが俺達の戦争だ!そうして俺達は勝利の頂を目指す筈だった!
テメェみてぇなクソガキ風情に台無しにされて!二代目のバトルを、俺達の戦争(ガンプラバトル)を!」
両肩を切り離し、ゲイジングハウンドへと特攻を仕掛けようとするゴーストジェガンM。
だがマスクド・セカンドGは動じることなくシザーを構える。
セカンドG「成る程… それがお前達のガンプラバトルか。素晴らしいな」
フリオ「!?」
セカンドG「だが大局を見失っていることに変わりは無い。 いくら個人が強くともこれはチーム戦、要を中心とする連携を徹底することこそが勝利への頂への道だった」
セカンドG「勝負、ありだ」
浜風「勝負、ありです」
そしてゲイジングハウンドは敵へとシザ−を突き立て、ゴーストジェガンMは静止する。
動かなくなったゴーストジェガンMに『GDU-X7 突撃ビーム機動砲』がビームのシャワーを浴びせて爆散させた。
BATTLE ENDED
『ここでタイムアップ!手に汗握る第8試合、制したのはAチームだ!』
朝雲「これが、海風のお姉さんの…」
浜風「『クロイツ』を持つ人の戦い…」
榛名「…」
榛名(戦い方は似てた… 敵から装備を奪い取る戦い方は確かにやっていたけど… 何か違うような…?)
霞「勝っちゃったわよ、アンタの姉貴」※ちゃっかり観てた
海風「当然でしょう。あの状況で負けてたら、思いっきり顎にアッパーカット食らわせましたよ」※ちゃっかり観てた
シア「素直じゃ無いのね」※なんか居た
363 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/02(金) 04:01:28.19 ID:KsYkGri40
浜風「今戻りました」
夕雲「どうです、浜風さんの実力は?」
朝雲「何と言うか… 桁外れだなって…」
萩風「戦術看破と対応、ほぼ無損傷、加えて伏兵撃破に囮役… 普通、ここまでやれる人はほぼ居ないかと…」
浜風「この程度、私達『クロイツ』を持つファイターなら容易く出来ます。飛龍さんや蒼龍さんなら、全滅だって可能でしょう」
フェリーニ「あの二人はとびっきりの規格外だ。余程、例えば世界大会の選手全員が一斉に敵にでもならない限りは簡単にやられねぇよ」
時雨「でもこの二人も規格外だよ。世界的に見ても上に居る人間が両手で数えられるランクに位置するファイターなんだから」
夕雲「それは貴女もです、時雨さん。私達と互角に渡り合ってる人間でしょうに」
時雨「まぁね。 でも僕達を一方的に追い詰めたじゃないか」
浜風「そう言う風に戦略を組みましたし」
フェリーニ「コイツ等さらっと言ってるがな、夕雲以外はガンプラ歴5年以下だぞ」
萩風「片手の指より少ないとは…」
夕雲「実力など、経験を重ねれば自然と身に付きます」
朝雲「実戦経験の場が世界大会って…」
時雨「僕達にはそれしか選択肢が無かったからね。そのお陰でガンプラマフィアだの訳の分からない連中とまで戦わされたんだ…」
萩風「ガンプラマフィア、確かガンプラに関する汚れを一手に請け負う組織だとか」
フェリーニ「ああ。俺もストーク卿、時雨を鍛えた内の一人から話を聞かされていたがまさかそんな組織が居るとは思わなかったよ。
だがお前達の先生、瑞鳳相手にでしゃばって来たのが悪かったんだ… 文字通り、叩き潰されちまった」
時雨「ものの見事にね。 一族総出でカチコミ、しかも米軍とロシア軍のオマケ付き。恐怖以外の何者でもないよ」
浜風「しかし大本は日本から消えましたがまだ世界中には点在しているみたいで…」
浜風(そして今回の昏睡事件の発端になってる可能性もあるんですよね…)
朝雲「あれ… 榛名さんは?」
萩風「先程から姿がありませんが…」
セカンドG「…来たか」
榛名「…」
セカンドG「頃合だと思っていた」
榛名「…貴方、何者ですか」
セカンドG「今の私はマスクド・セカンドG、それ以上でもそれ以下でも非ず」
榛名「でしょうね。そう言う回答しか来ないと思ってましたよ。だけど貴方の正体に心当たりが一つ」
セカンドG「ほう…」
榛名「言葉で語る必要は無し。それは、自分の腕で見極めさせて貰います」カチャッ
セカンドG「『RX-0[F] フェンリル』、か。 当時とは見違えるが、『グシスナウタル』はどうした」
榛名「あんなもの、先代へのメタ装備でしかありません。『全てを避けられるのなら絶対に当たる装備を作れば良い』などと思い至った結果出来た代物…
妹に譲りましたよ。他の人に特殊装備を与えているのに、一人無しとはフェアではありませんから」
セカンドG「ではこちら相手に『グシスナウタル』無しで戦えるか?」
榛名「舐めるな。あれから、ずっとガンプラの腕も戦闘技術も磨いてきた。 今日こそ、越えて見せる…
あの日の壁を、あの日の絶望を… 己が目指す『願い』の為に…!」
364 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/03(土) 03:33:46.92 ID:9rP3xHeg0
《会場の外》
朝雲「流石、世界大会ってだけあったわね」
萩風「ええ。皆さんの実力も桁違いでした」
朝雲「結局榛名さんは見つからず仕舞いだけど…」
萩風「あの人の事ですから… 姉さんに聞いた、因縁のあるマスクド・セカンドGとか言う方に会っているかもしれません」
朝雲「浜風さんと組んでた人でしょ? あの不気味な」
萩風「先代メイジンらしい、と言っていましたがどこまで本当なのか… あ…」フラッ
朝雲「おっと… どうかした?」ガシッ
萩風「少し、眩暈が…」
朝雲(海風が前に言った事象改変の影響…? でも今までそんな兆候は一度も無かった筈よ)
海風「…何やってるんです?」
霞「外でイチャイチャするなんて堂々としてるわね」
朝雲「ゲッ… よりによってアンタ達…!」
萩風「違っ… これはちょっと、眩暈したから支えて貰っただけで…!」
「そう言うの、あからさまじゃないかしら?」
萩風「…!貴女は…」
朝雲「…誰?」
海風「ガンプラ学園のキジマさんの妹さん、『キジマ・シア』さんです」
シア「初めまして、キジマ・シアです」
萩風「何故二人と…」
霞「試合観終わって暇つぶししてたら偶然会って、気が合ったから一緒に居たのよ」
シア「そう言うこと。よろしくね、二人共」
萩風「えぇ…」
朝雲「アンタ達、交流広すぎ… あ、海風。これ浜風さんが鬼怒って人に渡しておけって」
海風「まだ立替してもらったの払ってなかったんですね… すみません、朝雲さん。 アレに人をパシリに使うなって言っておかないと…」
朝雲「まぁまぁ… 大会に出場して忙しいのよきっと。今日だって試合で戦ってたんだから」
海風「それはそれ、これはこれです。常識的にも無いでしょう」
シア「お姉さんと何かあったの?」
霞「個人的な問題よ。前はもっと酷かった。単語出しただけでマジギレするくらい」
シア「複雑なのね。あら、噂をすれば…」
鬼怒「おーい、海風!」
海風「あぁ、丁度良いところに。これこの前の代金、ウチのアレから。お釣りは多分返す必要無いかと」
鬼怒「はいはーい、毎度〜。 ってどうしてこんな所に?」
海風「世界大会の会場の外でお祭みたいなのやってたので」
鬼怒「ああ、そっち行ってたんだ。鬼怒はね、皆で買い物に…」
江風「あンま走ンなって…!追いつくの大変なンだからな…!」
嵐「荷物全部押し付けて…! って萩…!」
鬼怒「あ、ごめんごめん」
萩風「…」
朝雲「…」
365 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/03(土) 04:10:54.55 ID:9rP3xHeg0
海風(あ、気まずい空気)
霞(何とかしなさいよ…! アンタ空気ブチ壊すの得意でしょ!)
海風(こう言うシーンの破壊は得意じゃないんですよ…!)
鬼怒「え、えと… 前に話してた幼馴染だっけ…?」
嵐「…!そ、そうだよ!コイツが萩で…」
朝雲「はいストップ!」
嵐「何だよ…!」
朝雲「昨日忠告した筈よ。この子の記憶を…」
江風「おい、そりゃ無いンじゃないのか? 部外者がせっかくの再会を邪魔すンなって」
朝雲「アンタこそ部外者じゃない。余計な口は出さないで」
江風「ンだとコラ! こっちはな…」
鬼怒「江風ストップ!ストップ!」
霞「朝雲も、あまり熱くなり過ぎ無い様に…」
江風「せっかく再会したンだからゆっくり話ぐらいさせてやれよ!」
朝雲「事情も何も分からない癖に、要らぬお世話よ…!」
嵐「…本当に分からないのか、俺が? 嵐だぞ、隣に住んでた…!」
萩風「…ごめん、さない。私は… うっ…!」ドサッ
朝雲「萩風!」
嵐「お、おい萩!」
霞「ちょ、大丈夫!? …って、何これ…」ピキィイン
シア「どうかしたの?」
霞「意識が、二つある…? どうなって…」
海風「シア、朝雲さん。萩風さんを運んでください」
朝雲「分かった。ちょっと手伝って…!」
シア「え、ええ。分かったわ」
霞「私も…!」
海風「いえ、霞はこちらに。さて、と… 覚悟、出来てます?」ゴゴゴ
江風「ひっ…!?」
鬼怒(ま、前とは違ってオーラが迸ってる…!?)
嵐「な、なんだよ…!」
海風「…霞、今からちょっとばかり三人に『お説教』をするので、ヤバくなったら止めて下さい」
霞「…止めないわ。思いっきりやっちゃいなさい。加勢するわよ」
海風「その言葉を待ってました。今からキッチリ、『お話』しましょうか」
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/03(土) 12:51:43.92 ID:lhmVNM7dO
乙
あとビルドシリーズ新作記念
367 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/04(日) 02:38:10.62 ID:QSxoVYmF0
《神通・萩風の部屋》
神通「そうですか… すみません、朝雲さん」
朝雲「いえ… でもどうしていきなり倒れて…」
神通「キジマさんもありがとうございます。妹をここまで運んできて貰って」
シア「…妹? でも登録されてる名前は…」
神通「…その辺は複雑な家庭環境でして」
シア「そう? じゃあ私は戻りますから、二人によろしく伝えてください」
神通「分かりました。本当にありがとうございます」
ガチャッ
神通「…しかし、どうしていきなり倒れたと言うのが腑に落ちません。この子こそ一番『健康』に執着してるのに」
朝雲「そう言えば霞が意味深な事を… 意識が二つ、とかって…」
神通「意識が二つ…? まさか、三日月さんのように…」
朝雲「多分そう言うんじゃ無いと思います。 あの嵐ってのに話しかけられた後に気を失ったから、多分『この時代の本来の萩風』が関係してるんじゃないかなって。
ここからは私の推測と、荒唐無稽な話になるんですけど良いですか?」
神通「もとより私達の存在が荒唐無稽ですから大丈夫ですよ」
朝雲「分かりました。 今ここに居る先輩達と『この時代の本来の先輩達』は同じ魂、ですが肉体は違う筈です。
多分なんですけど、先輩達が成り代わった時『この時代の本来の肉体』は作りかえられたんです」
神通「作りかえられた?」
朝雲「先輩達は瑞鳳さんの遺伝子を継いでいる、でも『この時代の本来の二人』は先輩達とは遺伝子が違う筈… 多分同じ遺伝子ならそもそも事故で死にようがありませんし」
神通「まぁ、そうですよね… 鍛えてなくともきっと事故では死なないと思います」
朝雲「でも作りかえられたとしても元の肉体は同じ、残留思念のようなものが残っていても不思議じゃ無いし『同一の魂』である以上そう言うものに反応し易いのかもしれない…
多分意識が二つ、って霞が言ったのは何かが切欠で『この時代の萩風』の意識か残留思念が目覚めたんじゃないかなって。だから萩風はその意識が混濁して倒れたんじゃないかと」
神通「分かるような、分からないような…? 要するに、『この時代の本来の萩風』の残留思念か意識が原因だと」
朝雲「ほぼ私の妄想レベルの話ですけど。詳しくは当人に聞くしか」
神通「成る程… …朝雲さん、萩風の事をお願いしても? 少しお母様を呼んでくるので」
朝雲「良いんですか、私で?」
神通「この子は貴女に一番懐いている、この子の精神安定剤には私より朝雲さんの方が良いと思います」
朝雲「そう言うことなら… 分かりました」
神通「あと、あの二人もそろそろ止めないと… 多分話を聞かされてるその三人、心がへし折られそうなので…」
朝雲「海風の連射してくるガトリング罵倒と霞の一撃が重いバズーカ罵倒のコンボ喰らってる筈ですからね…」
368 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/05(月) 17:42:28.17 ID:sJCdd3580
《数十分後》
瑞鳳「事情は把握したけど、今は対処のしようが無いね」
神通「対処出来ないって…」
瑞鳳「まず二人は存在がイレギュラー過ぎるし状況自体もイレギュラー、イレギュラー要素が多すぎて何も出来ないんだよ。
医療では対処出来ないし、かと言ってオカルトが通じるとも限らない。実際対処出来ないよ、この状況じゃ」
朝雲「そんな…」
瑞鳳「…ただ出来ない事はないかも。リスクが大きいし、何より出来るとも限らないし」
神通「その方法は…!」
瑞鳳「萩風ちゃんと感応して深層意識の中に潜りこんで、『もう一人の人格』を切り離すか完全に消す。
ただそれには『サイコフレーム』と『感応波を使える萩風ちゃんが完全に心を許した人間』が要る。それに深層意識に潜れても自我が崩壊の危険性もあるし、『もう一人の人格』を消すって事は…」
朝雲「…もう一人を、もう一度殺すのと同義語ってことね」
瑞鳳「そう言うことだよ。 切り離すのだって、肉体から脳を引っこ抜いて別人の脳を植えつけるようなもんだしこれも殺人とほぼ同義語になる」
神通「では目覚めるのを待つしか無いと、このまま目覚めるか分からないまま放置しろと…!」
瑞鳳「じゃあ私の言う策を実行するその役を担うのは誰になると思う? 現時点で能力的に出来るのは霞ちゃんだけなんだよ?
ニュータイプとして覚醒しつつある人間は今霞ちゃん一人だけ、全部霞ちゃんに押し付けるつもり?」
神通「それは…」
瑞鳳「それに霞ちゃんと萩風ちゃんは、互いに完全に心を許しきれて無い。その状況でやれば確実に霞ちゃんに害が出る。
リスクが大きすぎるのに私が許容してゴーサインを出すと思う?」
神通「…」
瑞鳳「大体、霞ちゃんのサイコフレームは1個しかこの場に無いのにどうやって感応する気なの?
その問題がまず拭えないのに…」
朝雲「感応する手段なら『アリスタ』を使えば…」
瑞鳳「だとしても、『アリスタ』を持ってるのは海風ちゃんと神通ちゃんだけで… ん…?」
神通「この子も未来から来た、なら過去に転移するために…」
瑞鳳「アリスタを持ってても不思議じゃ無い…?」
瑞鳳「あったね、チョカー。アリスタ付きの」
神通「じゃあこれで感応は出来ると…」
瑞鳳「だけど問題は誰がやるか、だよ。 サイコフレームじゃなくてアリスタを介せば出来るようになって感応波は不要になったけど」
369 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/06(火) 03:09:12.41 ID:NmWL1lNb0
朝雲「…私に、私にやらせて貰えませんか?」
神通「朝雲さん…?」
朝雲「萩風には色々と助けられて陰から支えて貰った恩もあるし、何より友達として今の状態を放っておけ無い。だから、私がやります」
瑞鳳「リスクもデメリットも大きすぎる。私が言ったのはあくまでも机上の空論、出来るかどうかなんてわからない。
それに自分でも言ったでしょ。『もう一人の萩風ちゃんをもう一度殺すことになる』のと同じ意味だって」
朝雲「何とかしてみせます」
神通「そんな無茶な…!」
朝雲「無茶でも何でもやり通す、私はもうとっくに『覚悟』してるんです」
瑞鳳「…自分が壊れる覚悟も、罪を背負う覚悟も… 命を奪う覚悟もある?」
神通「良いんですかお母様…!」
瑞鳳「良くは無いと思ってる。でもあれが最善策だし、当人の希望でもあるんだよ」
神通「なら私が…!」
瑞鳳「神通ちゃんは駄目。姉妹だけど、あの子は神通ちゃんに対して翳りがあるし、神通ちゃんも流派・東方不敗の一件での負い目がある。
互いに少しでも負を抱えてる状態で意識共有したら、それこそ互いの精神や人格が崩壊しかねない」
神通「それは… なら、お母様は…!」
瑞鳳「…私も、ちょっとだけ貴女達に負い目があるから」
神通「え…?」
瑞鳳「貴女達を生み出したのは私が昏睡事件を止められなかったから、自分の心に出来た隙間を埋められなかった『弱さ』が原因なの。
私のエゴで命を作って、色々と勝手に押し付けて勝手に死んで… 私があの事件を止められれていれば、こうやって貴女達を…」
神通「違います!お母様は必死に戦って、犠牲者を1億に押し留めたんです! それにその後の深海棲艦の侵攻だって一人で止めて…!」
瑞鳳「だとしても… 未来の私は多くの人を死なせて貴女達の命を弄んだ、その結果に変わりは無い」
神通「…」
瑞鳳「…朝雲ちゃんに覚悟云々って聞いたけど、私自身が覚悟出来てなかった。私なんかよりずっと貴女達の方が覚悟できてる。
ごめん… こんな話、するべきじゃなかったね」
神通「いえ… ですがお母様、私の知る『お母様』は数多の人を助けてきました。誰かの力になろうとして、誰かを護る為に立ち上がって。
人の明日を、未来を、希望を… 創り続けるために駆け抜けて。私達をまだ生んでなくとも、今まで貴女はそう戦ってきた筈です。昏睡事件だけではなく、今まであった様々な事件を戦ってきたのでしょう」
瑞鳳「そう、だね… 誰かが傷付くのを見過ごせ無くて、誰かが泣いてるのが嫌で、今まで戦ってきた…
私が何の為に戦うか、ちょっとは理解できてきた気がする。ありがとう、神通ちゃん」
神通「いえ。 ですが萩風は…」
瑞鳳「あの子には私なんかよりもっと相応しい、覚悟が出来たヒーローが居る。だからきっと、朝雲ちゃんなら大丈夫だよ」
370 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/06(火) 03:31:32.21 ID:NmWL1lNb0
朝雲「…さて、と。これからどうすれば良いの?」
朝雲(先輩からアリスタは借りたけど… これで意識共有領域を作れば良いのよね?)
萩風「…」
朝雲「失敗なんて考え無い… やれる事をやる、それだけよ…!」
朝雲(Are you ready? なんてね。 覚悟は出来てる、ならここから突っ走るだけよ…!)コォォォォ
朝雲「え、嘘!?本当に光が広がって…!」
《深層意識内部》
朝雲「これが、深層意識なの…?」
朝雲(それっぽいけど… 一面百合の花畑かと思ったら一箇所だけ茨っぽいところがある。あそこで何かがせめぎあってる…?)
朝雲「行ってみるしか無いか…!」
「――今更、何を!」
『だから――』
朝雲「萩風!」
「あさ、ぐも、さん…?」
『え…?』
朝雲「ってアレ、どっちが私の知る方…?」
萩風「こっちです!」
朝雲「あ、そりゃそうか。この花畑の花は萩風の『ヒメサユリ』だし」
『どうしてここに、他の人が…!』
朝雲「ちょっとした裏技で意識共有してんのよ」
萩風「まさか、アリスタを…?」
朝雲「そう言うこと。そんなに長くは保て無いけどね。 で、アンタは… 『本来の萩風』、オリジンとか真とかって呼べば良いのかしら?」
萩風(オリジン)『好きなほうでどうぞ…!いい加減、私の体を返してください!』
萩風「今更出てきて勝手を言わないで下さい!第一貴女は既に―――」
朝雲「はいストップ! 意見の押し付け合いじゃどうにもならないでしょ。まずお互いの言い分を聞かせなさいな」
371 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/08(木) 03:55:49.20 ID:yx3oGJh20
朝雲「まずは現在の主人格、私の知る方からよ」
萩風「私にはやらなきゃいけない事があります。それに『私』が目覚めとき『本来の人格』は存在していなかった。
それを今更出てきて返せとか出て行けとか言われる筋合いはありません」
朝雲「まぁ、こっちの人格に関しちゃ言わずもかなだけど… じゃあオリジン、アンタは?」
萩風(オリジン)『眠っていたら外から声が、懐かしい声が聞こえて… でも体が自由に動かせ無くて…
。
それで気が付いたら体が乗っ取られたことに気付いて、返して欲しいと…』
朝雲「…ちょっと質問良いかしら? 貴女は最後、どこで意識が途絶えたの?」
萩風(オリジン)『えっと… 確か、大阪から帰る途中の高速道路だったかしら…? 確か静岡の辺りから何も思い出せなくて…』
萩風「…間違い無い。あの『事故』の…」
朝雲「…事故、ってまさか…!?」
萩風(オリジン)『事故? 何ですか?』
朝雲(間違い無い… 今の話、前に萩風から聞かされた『事故』と一致する…!『この時代の萩風』が本来死ぬ筈だった事故、『本来の萩風』以外は即死して『本来の萩風』も意識不明の植物人間になった後生涯を終えた筈の…
この子の時間は、事故の瞬間か事故の直前で止まってる。 眠ったまま消えるだけの意識があの嵐ってやつのせいで目覚めたのね…)
朝雲「外の記憶は? 意識なくしたあと、こっちの萩風になったあとの記憶」
萩風(オリジン)『ない、ですね…』
萩風「…最悪です」
朝雲「ええ。思った以上に最悪の事態になってる」
萩風(オリジン)『え…?』
朝雲(そう、何も知らないのよ… 外に関する全てを…! 昏睡事件どころか、それ以前の記憶すらも…
両親が既に居ないことも、自分が死んでたことも…!)
朝雲「…」
朝雲(考えるのよ、朝雲… 私はバカだけど、悪知恵だけはある筈よ…!)
かけるべき言葉 ↓3まで
1.『事情は分かった。でもこっちにも事情があるの』
2.『…貴女に真実を教えてあげる。貴女に起きた全ての』
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/08(木) 09:49:50.92 ID:ICFwa37D0
1
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/11(日) 12:45:38.43 ID:bEtxxFDcO
1
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/02/14(水) 05:00:25.46 ID:FAvl6Vz8O
2
375 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/15(木) 02:49:45.40 ID:lYq5DJFI0
朝雲「事情は分かった。でもこっちにも事情があるの」
萩風(オリジン)『事情なんて…!』
朝雲「今、外の世界で大きなテロが起きようとしてるのよ。この子はそれを止める為に未来から来た。
未来から、母親を助けたい一心で…」
萩風『母親…?』
朝雲「この子のお母さんはテロで全部を失って、後の時代でこの子を遺して戦争の果てに亡くなった。
そのテロが引き金で起きた戦争、世界が滅びかけるような大きな戦争がこのままじゃ起きるの」
萩風(大体流れは間違ってないけど深海棲艦の現出の原因はEXAMじゃないんですが…
可能性としては無くは無いですけど。 一度に億単位で死んで、負念が一気に膨張したからそれが引き金になったって学説ありましたし)
萩風(オリジン)『それと私に何が関係するんですか!』
朝雲「分からないの? この子は… 貴女の生まれ変わりなのよ」
萩風(オリジン)『え…?』
朝雲「人はいつか死ぬ。それは貴女も私も例外じゃない。だけどその魂は、輪廻転生を繰り返す…
その輪廻転生を果たしたのはこの子、今貴女の身体、『存在』を借りている萩風なの」
萩風(オリジン)『どうして私が…』
萩風「…必要だったんです、この世界に留まるのに。 未来から身体は持ってこれ無い、だからこの時代の『私』の助力が必要だったんです。
1億の人間が死んで、もっと多くの人が死ぬ未来を防ぐために… 何より、お母様を助けたいから」
朝雲「そして多分、このテロを阻止できゃなきゃ私達に未来は無くなる。だからこそこの子への協力を私は選んだ。
お願い、テロ事件が終わるまでで良い… それまで、あと1ヵ月くらい私達に力を貸して…!」
萩風(オリジン)『ふざけないで… そんなの、貴女達の勝手過ぎるでしょう!』
朝雲「勝手なのは分かってる! だけど貴女の大事な人達だって事件に巻き込まれるかもしれないのよ!
それにこの子が身体を失えば間違いなくこの子は消える! そうなったら貴女にテロを止められるの!?」
萩風(オリジン)『それは…』
朝雲「私達が勝手なのは承知の上、危険なのも覚悟の上… それでも必死にテロを阻止しようと足掻いている人も居る、だからほんの少しで良いの!
私達に時間、テロを止めるための時間を頂戴…!」
萩風(オリジン)『…じゃあせめて、私の身体が本当に無事かどうか確かめさせてください』
朝雲・萩風「…!」
朝雲(ヤバイ… 身体はもう、この子が知ってる身体じゃなくなってる。それに時間経過が外の情報で分かったら…
置かれてる状況に混乱するどころか、自分が死んだことも知っちゃうんじゃ…)
萩風(ある意味最悪の札を出してきました… 私と同じ魂ならやりかねないと思ったけど…)
選択 直下
1.一時的に返却する
2.それは出来ない
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/15(木) 12:31:04.28 ID:h6J992Wf0
2
377 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/16(金) 05:12:45.90 ID:i/M30ogZ0
萩風「…それは出来ません」
萩風(オリジン)『やっぱり…!』
萩風「私は、本来この時代の存在ではありません。肉体だって仮初の借り物、なのに表層から意識が消えたら…
テロ事件を阻止する前に消えてしまう可能性があるんです。貴女は意識を残留できてるけど、私がそうとは限らないんです」
朝雲「それに… 今目を醒ましたらきっと貴女は混乱する。そんな状況に今なってるの。
私と貴女は知り合いじゃない、そうでしょ? 貴女の知らない人に今囲まれて、平静を保つ自信がある?」
萩風(オリジン)『それは… でも声が、私を呼ぶ声が聞こえて…』
萩風「『貴女』の知り合いに偶然会ってしまったから、です。彼女は『私』を『貴女』と認識していたから…」
萩風(オリジン)『知り合い…?』
朝雲「嵐、とか言う俺女よ。一応、元気だったわ。多分今頃、私の仲間がちょっと説教で心へし折ってるところだけど」
海風「だから何故無関係なのに余計な首を突っ込み、挙句…」
鬼怒「うぅ…もう勘弁して…」正座
江風「アスファルトが、熱い…」正座
嵐「何で俺まで…」正座
霞「元はと言えば原因はアンタよ。散々朝雲にやめろ、って言われたのを無視した」
天津風「…えっと、先輩。これ止められますか?」
神通「海風さん、そろそろ…」
海風「止めないで下さい。多分ここでお灸を据えないと、3歩歩いてまた忘れるのが鬼怒さんです」
鬼怒「扱い酷っ!? と言うか私直接関係ないよね!?」
海風「二人を御せ無い監督責任」
鬼怒「うぐっ…!」
萩風(オリジン)『嵐…!? どうして…』
朝雲「幼馴染、なんでしょ。 聞いたわよ」
萩風(オリジン)『お願い、彼女に会わせて…!』
萩風「それは…」
萩風(オリジン)『昔からの幼馴染で、私の大切な… だから、会いたいんです…!』
朝雲「今は無理、ね。だけどきっと、終わらせるから。テロも何もかも… だからその時まで待って。
私が、私達がきっと… 全部終わらせて、身体を返すから」
378 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/22(木) 02:52:43.58 ID:pXuXRbZiO
《現実世界》
萩風「あ…」
朝雲「ん… あ、戻った。萩風、大丈夫?」
萩風「ええ。もう一人の人格は眠ったようです」
朝雲「納得はしたのね。だからリンクが切れて現実世界に引き戻されたって訳か」
萩風「全く、なんて無茶を…! 他人の深層意識に潜るなんて自殺行為です!」
朝雲「だけどこうでもしなきゃ目覚めなかったでしょ」
萩風「アレはただの残留思念、もう少し粘れば消滅させられてたのに…!」
朝雲「でも、それが正しい手段なの?」
萩風「正しいとは言えません。だけど、最善手です。
…正直、見てられません。可哀想過ぎるんです、『彼女』」
朝雲「そうね… 両親が死んでることも自分も死んでたことも知らないなんて、残酷にも程があるかも…
でも強引な手段は良く無いと思う。納得して、成仏して貰うのが一番良いんだけど…」
萩風「その手段が無いから頭を抱えているのに…」
朝雲「…明日、私達はアイツ等と対戦することになる。編成には私と萩風が組み込まれてたけど…
海風に言って編成を変えてもらう? このままじゃ萩風の中のもう一人が何時目覚めるのか分からないし」
萩風「…いえ。明日の戦い、私も出ます」
朝雲「だけど…」
萩風「私に、考えがあります。朝雲さん、いざと言う時はフォローを」
朝雲「分かった。そこまで言うなら私が『シームルグ』でフォローする」
萩風「温存しないんですか?」
朝雲「しないし、する理由も無いわよ。 それに一度は使っとかないと準決勝と決勝への牽制にならないから」
萩風「ところで、ここは私の部屋のようですけど… 姉さんは?」
朝雲「えっと…」
海風「(ピー)が(ピー)で、貴女たちの頭は(ピー)以下だと…」
神通「そろそろ本当にストップしてください!」
天津風「そうよ!言葉が汚くなりすぎて聞くに堪えないから!」
嵐「畜生… なんでこんな目に…(半泣き)」
江風「悪かったから…!もう止めてくれ…!(半泣き)」
鬼怒「土下座でもなんでもするから…!(半泣き)」
霞「アンタ達の土下座にどんな価値があると思ってるの?」(ニッコリ
天津風「こっちもこっちで容赦無いわね!?」
神通「二人共、本気でストップ!」
379 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/25(日) 02:20:22.92 ID:DwROrLi0O
《その夜 神通・萩風の部屋》
天津風「じゃあ今は眠ってるだけ、ってことね」
朝雲「ええ。納得の上でね」
萩風「しかしいつ外的要因によって目覚めるか分からないんです」
霞「なら尚更明日の試合に出せないじゃない」
海風「はい。戦闘中に今日みたいな事が起これば…」
萩風「それならそれで、何とか出来る秘策があります。そして私には彼女達、特に嵐と言う人へのアドバンテージがあります」
愛宕「アドバンテージ?」
海風「確かに心理的なアドバンテージ、彼女が萩風さんを狙うのに多少の躊躇、もしくは全く攻撃できなくなる可能性もありますが…
あまり良い手とは言えません。理に適ってはいますが個人的には嫌悪を抱きたいくらいには」
萩風「分かっています。あまりフェアではありませんし、私でも気が引けますよ。
私が彼女に持つアドバンテージは… 『もう一人の記憶』なんです」
神通「もう一人の記憶?」
萩風「私の中の『もう一人の私』、その記憶が先程多少こちら側に流入してきて… その中には彼女との戦闘経験の記憶がありました。
一度や二度だけでなく、数十回近くのバトル経験が『前の萩風』と彼女の間にはあったようです」
天津風「じゃあ今のアンタはアイツを知り尽くしてる、ってこと?」
萩風「ええ。さらに言えば『以前の萩風』と今の私では戦闘スタイルが全く異なります」
霞「じゃあ一方的に相手を知り尽くした状態、ってことになる…」
瑞鳳「しかも相手は過去に引き摺られて、今の戦い方に対応出来ない。確かに萩風ちゃんはあの子にアドバンテージがある」
神通「少し卑怯な気もしなくはありませんが…」
愛宕「さっきの心理作戦よりは遥かにマシね。 それに萩風ちゃんの実力は相当よ。アドバンテージがなくてもあの三人に引けは取らない」
海風「では最終確認を。 編成は…」
ファイター選択
・朝雲:『シームルグ』
・萩風:『ガンダムエクシアルベルム』
・三人目 直下
選択可能ファイター
・海風:ウイングガンダム・アズライト
・霞:ブラストアクロスZZ
・天津風:ガンダムハルートボーライド or シューティングスターガンダム(改)
条件:とくになし。『天津風』を選択の場合機体を明記すること(シューティングスターを選択の場合、強化改修有り)。
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/25(日) 09:57:01.84 ID:7aCXCKMK0
海風
381 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/02/27(火) 01:53:19.09 ID:HurrnIiiO
海風「戦闘指揮は海風、そして残りは朝雲さんと萩風さんとなります」
霞「…その編成、大丈夫なの?」
天津風「ウチのアレな部分を凝縮して煮込んだような編成じゃない…」
神通「頭が少々痛くなってきました…」
海風「失敬な」
瑞鳳「確かに一番クセが大きい編成ね。だけど機体はウチのツートップが揃ってる」
愛宕「アズライトバーストの圧倒的な爆発力を持つ『ウイングガンダム・アズライト』と同じくNT-Dと『コード・ブレイヴ』で機体ブーストを掛けられる『シームルグ』…
ジャスティスとZZもかなり高い性能だけど、この2機は出自が出自なだけに他と一線を画してるわね」
瑞鳳「そしてエクシアも追随出来るだけの性能は持ってる。流石、私の愛娘なだけあるよ」
萩風「お母様…」
天津風「それって私のハルートの性能が評価されてないような…」
瑞鳳「そう言う意味じゃないよ。ハルートは素の状態なら一番速い、それに運動性もかなり高いし。
逆に言えばこのイカれた機体が勢ぞろいしたチームで引けを取って無い時点で凄いと思う。ウイングとシームルグがイカれてるだけ」
霞「じゃあこの編成は『そこまでやらないと倒せない敵』用ってこと?」
海風「はい。 戦闘分析によれば3人は… 正直、おバカです」
一同「…」
海風「だけどそれは『余計な思考』を持ち合わせないという意味、守りを気にせず攻めてくるタイプだと思います。
それに余計な事を考えないからその分迷いが無い、単純な戦闘能力はかなり高いかと」
神通「ですがこれはチーム戦… 単純な、単機に頼った戦い方では勝てません」
海風「それを此処まで貫いてきた時点で相当、だと考えられますが… だけど、それもここで終わらせてしまいましょう。
我々は『戦術』を以って彼女達を打ち倒します。瑞鳳さん、例のブツを」
瑞鳳「あいよ」ドサッ
朝雲「何これ、ジュラルミンケース?」
萩風「これは?」
瑞鳳「ウイング、シームルグ、エクシア用の強化パーツだよ。 先行して3機分だけ完成させてきたのよ。
ZZ、ジャスティス、ハルート、ストライクの分は追って完成させるから、先に出来たブツの確認よろしく」
機体強化装備
・ウイングガンダム・アズライト 直下
・シームルグ 下3
・ガンダムエクシアルベルム 下5
※あまり無茶苦茶、また現在の機体から変化が大きくなるようなものは却下させて頂きます
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/28(水) 01:33:35.30 ID:Ymn2Tt2X0
・メッサーツバーグラズールスタイン(ドライツバーグラズールスタイン)
メッサーツバーグの改修型で銃口からビームサーベルを展開可能。
軽量化のため威力は落ちたがある程度出力を絞れば連射が出来る。
さらにツインバスターライフルと連結することで高出力ビーム砲以外に巨大なサーベルにもなる。
またメッサーツバーグ自体にエネルギータンクが有り、本体の粒子は消耗しない。
数はドライツバーグ2つ分、計6本。ラズールスタインはドイツ語で青い石を意味する。
・ウイングアズライトシールド
従来のシールドにアブソーブ機能と対実弾用粒子フィールド生成機能を追加したもの。
外観はノーマルのものと変化は無い。
射撃武装が足りないからこれくらいなら追加しても大丈夫だろう…
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/28(水) 02:34:48.48 ID:DsFH9HREO
踏み台
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/01(木) 01:42:41.98 ID:hADJlLLN0
アームド・アーマーAW(アークウイング)
背部に装備するための新型ウイング。ウイング自体にもサイコフレームが再現されておりNT-D発動時は連動して装甲がスライドする。
以前のものより大型化し出力が強化、運動性能が大幅に向上した。
また予備バッテリーも兼ねておりコード・ブレイヴにより本体が粒子を使いきってもこちらの粒子を使えば継続して戦闘可能に。
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/01(木) 03:25:45.80 ID:DjE7JwZNO
踏み台
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/01(木) 14:28:30.52 ID:Wp9Fe5X+0
GNHW/R
バックパックのマガノイクタチストライカーを改修し、元の機能そのままにGNランチャーを二つ装備している。
射程と貫通力に特化した作りとなっており、ビームが細く弾速も速いため目視が難しくなっている。
ただし、狙いをつけるために相応の狙撃能力は必要となっている。
また、分離しオートパイロットで支援機扱いで動かすことも可能。
387 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/02(金) 02:39:12.89 ID:GldtNKBOO
瑞鳳「まずウイング用のはこれ。メッサーツバーグの強化型武装『メッサーツバーグラズールスタイン』」
海風「名前長くないですか?」
霞「『ラズールスタイン』はドイツ語で『青い石』、つまり『アズライト』も含んでる。ドイツ語で揃えるならこうなっちゃうのよ」
天津風「どうしてそんな事知ってるのよ」
霞「私これでもドイツ系のクォーターよ。言ってなかった?」
朝雲「聞いて無い」
神通「ですが前にドイツ語でチーム名考えたり、ニーチェの原文をそのままドイツ語で読んだりしていました」
霞「ま、単語と日常会話ぐらいしか分からないからほぼ役に立たないけど。続けてください、瑞鳳さん」
瑞鳳「ウイングは射撃武装が少なかったからね。それを補うための武器がこれ。 改良点は軽量化による取り回しの改善。代わりに威力は落ちたけど連射が利くようになってる。
あと近接戦に持ち込まれても良いようにビームサーベル発振機能とツインバスターライフルとの連結時に砲撃以外に巨大サーベルを形成できるって能力も追加した」
萩風「ですがこれ、アズライトの特性に反しているのでは? 『アズライトバースト』が完全な性能を発揮するには粒子を溜め込む必要が…」
瑞鳳「だからメッサーツバーグ自体に粒子タンクを埋め込んでる。つまり本体からのエネルギー供給無しで使えるのよ。
で、それを合計6丁。ドライツバーグ二つ分用意しておいた」
海風「ではこのシールドは?」
瑞鳳「『ウイングアズライトシールド』。見た目は変化無いけど蒼龍さんのDXのシールドと同じ『アブソーブシステム』を新しく内蔵しといた。これで敵のビームはほぼ効かない。
ただそのせいで実弾に弱くなっちゃったんだよね」
神通「本末転倒では?」
瑞鳳「だからもう一つの機能として対・実弾用粒子フィールド形成機能を追加した。 これでビーム・実弾への対策は完璧よ」
霞「徹底的ね…」
瑞鳳「次に『シームルグ』用のはこの『アームドアーマーAW(アークウイング)』。今までのV字ウイングをちょっと大型化したの。
推力比は20%増し、大きく機動性が上がってる」
朝雲「この装甲… もしかしてNT-Dに連動しているんですか?」
瑞鳳「うん。サイコフレームを作りこんで、本体がNT-Dを発動するとこっちも変形して装甲がスライドするの。
でもコレの真価は『コード・ブレイヴ』の『発動後』に発揮する」
萩風「発動後、とは?」
瑞鳳「シームルグには欠点があって、『コード・ブレイヴ』発動時の大出力砲撃、『プラフスキー・ステラ・ストレイターレット』を放つと本体の粒子が尽きるまで放射が止まらないのよ。
強制的に粒子をカットする機能を付けたけどほぼ焼け石に水でその後も極端に性能が低下しちゃって… だからこのアークウイングにジェネレーターを付けた。本体の粒子が尽きたら、こっちから粒子を供給して継戦できるようにね」
天津風「確かにそれなら全力を発揮できる… 良い装備ね」
瑞鳳「そしてエクシアのは『GNHW/R』、エクシアのバックパックに追加機能を施した装備だよ」
萩風「これは、ランチャーですか?」
瑞鳳「このGNランチャーは貫通力と射程に特化して、しかもビームが細い上に弾速も速い。見切るには相当の視力が要る。
その分狙撃技能もそれなりに要するけど…」
萩風「私なら問題ありません。狙撃の訓練は受けています」
瑞鳳「そしてもう一つ、オートでの自律戦闘機能。バックパックを切り離すと支援機として扱うことが出来るってこと。
本体が格闘を挑んでる間にコソコソ隠れながら狙撃支援、なんてこともやれるよ」
萩風「私向け、と言う訳ですね」
瑞鳳「まず第一陣はこんな感じ。第二陣はもう少し待っててね」
愛宕「ここまでの装備だと、後がちょっと怖いわね…」
388 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/05(月) 02:19:19.76 ID:DQehqA8HO
《選手宿舎屋上》
朝雲「…何よ、急に呼び出して」
嵐「その… すまなかった。萩の事、何も考えて無くて… 自分の事ばっか考えて、萩を傷つけちまった」
朝雲「謝るべき相手は私じゃ無い。ま、人の制止を無視したのには怒ってるけど… 二度としないなら良いわよ。
それより、『前の萩風』について教えて貰え無い? 私は『今の萩風』しか知らない、だから友達として前のあの子についても知っておきたいの」
嵐「…アイツは世話焼きな癖に、妙に怖がりでいっつも俺の後ろに居たんだ。
野菜が大好きで甘いもんが苦手で… でも明るくていつも居て楽しかった。だけど俺が中学に入るのと同時に居なくなった… 初めは連絡が取れてたんだ。でも急に連絡が途絶えて…」
朝雲「事故にあって、再会した時には今まで知ってる萩風は居なくなったって訳か… まあ、アンタが困惑する気持ちも多少は分かるわ」
嵐「ああ… なぁ、アイツは本当に萩なのか…? 俺には何か、違うような… 他人になったような気がするんだ」
朝雲「そうね… 私には答えられない質問よ。だけど一つ言えるとすれば… あの子の心は、魂は本物よ。例え記憶が無くても、以前とは違っていたとしても…
あの子が『萩風』である限り、偽物も本物も無い。 私はそう思ってるし、あの子を信じてるから」
嵐「そうか… 良い友達を見つけたんだな、アイツも…」
朝雲「立ち聞き、良くないわよ」
萩風「気配は完全に消していたのですが…」
朝雲「ええ、気配はね。 私と萩風、さっきのリンクがまだ完全に切れてないみたいなのよ」
萩風「道理で、私もここが分かった訳ですか」
朝雲「…さっき記憶が流れ込んだって言ったわね。 多分もう一人にも同じ現象が起きてる筈よ」
萩風「はい… 私の記憶を垣間見て、どうやら真相に辿り着いてしまったようで…」
朝雲「そう…」
萩風「今ギリギリ形を保っていますが、次に覚醒すれば確実に…」
朝雲「消える、のね。 ねぇ、意識を一時的に覚醒を遅らせることって出来る?」
萩風「彼女の人格が弱ってる今なら出来ますが…」
朝雲「…」
萩風「…私と、同じこと考えてますね」
朝雲「そうみたい」
萩風「一つ、聞かせてください」
朝雲「何よ」
萩風「彼女、嵐さんに言った言葉… 偽りはありませんか?」
朝雲「無いわ。 私は信じてる、萩風を。一人の友として、チームメイトとして… ううん、それ以上の存在として」
萩風「例え私が昏睡病のキャリアーを葬ってきた、血塗られた人間だとしても?」
朝雲「勿論。 贖罪が要るなら、私も付き合ってあげる。 罪も重責も一緒に背負って分かち合う、萩風を信じるって決めた時そう決めたから」
萩風「そうですか… その答えが聞けただけで、満足です。 私が貴女を守り抜く、そう誓いましたが…
改めて言わせてください。 私と共に、未来を壊すために戦ってくれませんか?」
朝雲「良いわよ。 全部ぶち壊してやるから。 アンタと一緒に、ね」
389 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/05(月) 03:08:04.09 ID:/dAFFcgVO
《翌日 大会アリーナ》
『これより東京代表『フリューゲル・ヴェント』対栃木代表『トリオ・ザ・レッド』の試合を開始します』
海風「二人共、準備は?」
朝雲「OKよ。いつでもやれる」
萩風「こちらも、問題なく」
鬼怒「よしっ…!やるよ!」
江風「昨日の借り、返させてもらうぜ…!」
嵐「萩… 例えお前だとしても…!」
Please set your GP Base
Beginning plavsky particle dispersal
Field to "SKY"
Please set your GUNPLA
BATTLE START!
朝雲「朝雲! RX-0[Sm]シームルグ!」
萩風「ガンダムエクシアルベルム、萩風!」
海風「ウイングガンダム・アズライト、海風! チーム・フリューゲル・ヴェント!」
朝雲「出るわよ!」
萩風「行きます!」
海風「出撃します!」
天城「あれは… 『シームルグ』、ですが…」
榛名「バックパック、換装されてますね。天城、念のためデータを取ってください」
陽炎「それだけじゃない。全員新装備持ってる」
長波「追加武装の類だけど… 使いこなせるのか?」
阿武隈「多分出来る筈だよ。あのチームのメンバーならね」
能代「なっ…!? 改RX-0!?」
アドウ「おいおいおいおい… 何がどうなってやがる」
シア「あの機体、間違いなく宮城の…」
ウィルフリッド「コピー機か? いや、だがあの『真紅の戦乙女』が…」
能代「あれは間違いなくオリジナルよ…! 私の知らないタイプだし多少調整は受けてるみたいだけど、あの機体の作り込みや癖は間違いなく…」
能代(どうして…? 確かあの子の機体はストライクで… まさか、前に使ってたガン=カタはまさか先輩の…!?)
朝雲「敵、見えてきたわよ」
海風「そのようです。 各機へ、今回のステージは洋上の空です。遮蔽物などはなく、重力下なので充分注意を」
萩風「ステルスはあまり役に立ちそうにないわね… 敵機識別開始します」
敵編成(機体名・改造内容も併記)
・鬼怒機 直下
・嵐機 下3
・江風機 下5
ベース機条件:機体が元々『赤いMS』であること
改造条件:塗装は赤系統限定
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 09:57:37.54 ID:7xrqJiEy0
レイジングアヘッド
GNバルカンx2
GNサブマシンガン
GNメイスx2
GNショートキャノンx2
GNシールド
GNショートビームサーベル
ブシドー専用アヘッドを近接機として別の方向性から改装した機体。
原型機と比べ機動性は少し低下しているが、その分装甲は分厚くなっている。
主武装は鉄血オプションセットの変形メイスを改造したGNメイス。
変形時にはビーム刃を展開することができる。
隠し玉としてトランザムも使えるが、1分しか使えない。
また本人の趣味なのか、所々鬼の意匠が施されている。塗装は原型機と同じ。
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 10:42:23.46 ID:7xrqJiEy0
ksk
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 11:19:40.11 ID:KmtoLomk0
レコードブレイカー・フルウェポン
右手にムラマサブラスター、左手にピーコックスマッシャー、背中にGキャノン方式でヴェスバー、両手のビームシールドはブランドマーカー、両脚にヒートダガー、右腰にスクリューウェップ、左腰にビームサーベル×2、MEPEを登載したサナリィ製ガンダムの武装てんこ盛り機体
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/05(月) 22:20:15.79 ID:rOJmprrj0
踏み台
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/07(水) 20:22:47.43 ID:Dz0KOO78O
ハウンド・コンティオ
リグ・コンティオの改造機
原型からの改修点はヴァリアブルメガランチャーのバレルを延長していること。
またゴドラタンのビームトンファーを移植、ゲンガオゾのバックパックを装備している。
395 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/08(木) 01:45:32.82 ID:f4mBP7I1O
萩風「敵機は擬似太陽炉搭載型1、通常型2と断定。目視による機種判別、『アヘッド・サキガケ』『レコードブレイカー』『リグ・コンティオ』と推測」
朝雲「飛べないヤツでも来てくれれば良かったのに…」
海風「しかしチーム名の通り全機赤とは… 機体データ共有開始。各機、事前の打ち合わせ通りに」
敵部隊捕捉
レイジングアヘッド(鬼怒機)
武装
・GNバルカンx2
・GNサブマシンガン
・GNメイスx2
・GNショートキャノンx2
・GNシールド
・GNショートビームサーベル
概要
アヘッド近接格闘型『サキガケ』を近接機として別の方向性から改装した機体。
原型機と比べ機動性は少し低下しているが、その分装甲は分厚くなっている。
主武装は鉄血オプションセット08の変形メイスを改造したGNメイス。 変形時にはビーム刃を展開することができる。
隠し玉としてトランザムも使えるが、1分しか使えない。
本人の趣味として、所々鬼の意匠が施されている。塗装は原型機と同じ。
レコードブレイカー・フルウエポン(嵐機)
武装
・ムラマサブラスター
・ピーコックスマッシャー
・ヴェスバー×2
・ビームシールド(ブラインド・マーカー)×2
・ヒートダガー×2
・スクリュー・ウェッブ
・ビームサーベル×2
概要
F99レコードブレイカーにF90系統の機体の武装を取り付けた機体。主にF97(クロスボーン)のものが多い。
右腕にムラマサブラスター、左腕にピーコック・スマッシャーを保持。
Gキャノン方式で両肩にヴェスバー、右腰にスクリュー・ウェッブ、左腰にサーベル2本を装備。さらに両脚裏にヒートダガー、両腕にブラインド・マーカーが追加されている。
また機体に放熱機構を搭載したことでM.E.P.Eが可能となっている。
しかし武装が多くなっていることでエネルギー消費増加の点や質量増加による運動性の低下は免れられない…
ハウンド・コンティオ(江風機)
武装
・ヴァリアブル・ビーム・ランチャー改×1
・胸部ビーム砲×3
・ビーム内蔵式ショット・クロー
・ビーム・サーベル×2
・ビーム・ライフル×1
・ビーム・シールド×2
・ビーム・トンファー×2
・マルチプル・ビーム・ランチャー×5(バック・エンジン・ユニット)
概要
リグ・コンティオの改修機。他の2機と比較すると改修点は多くない。
原型からの変更点はヴァリアブル・ビーム・ランチャーは原型よりバレルが長くなっており射程が増していること。
またゴドラタンのビーム・トンファーを両腕に、ゲンガオゾのバック・エンジン・ユニットをバックパックに追加装備している。
余談だがコンティオを逆さに読んではいけない。そして決して女性が言って良い言葉では無い(戒め)。
鬼怒「あれ、あの青い機体新型…?」
嵐「エクシアは萩、ウイングは鬼怒の従姉妹だから… アイツか…!」
江風「おいおい… あれ、もしかして宮城のヤツか?」
朝雲「もうすぐ戦闘域よ、良いわね!」
萩風「はい。 追加武装も良好、やれます!」
海風「では今回は天津風さん監修、空中戦術と参りましょう! 全機ブレイク!」
396 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/09(金) 01:35:35.65 ID:UJGAy7wkO
天津風「何で空のステージで私じゃないのよ…!」
霞「仕方無いじゃない。ステージは全部ランダムなんだから」
神通「お母様、愛宕先生。この試合どう見ますか?」
愛宕「大気圏内の高高度戦闘は始めての実戦だから… どれだけその点を活かせるか、ね」
瑞鳳「勝利の鍵は朝雲ちゃんと海風ちゃんが機動力を活かして上手く萩風ちゃんから目を逸らせるか、かな。
二人がステージの雲海や太陽を利用して敵を翻弄、そこからエクシアが奇襲をかけるのが最善策ってところでしょ」
天城「さらに言えば今回のステージ、どれだけ空戦技能を持っているかと言う点が勝敗を分かちますね」
榛名「空中戦は重力がある分宇宙戦とは違いその点を考慮して戦闘をしなければなりません。また空中を『飛ぶ』必要がある為持久戦はエネルギー消費の点を考えても得策ではありませんから…
いかに短時間で敵を殲滅できるか、そして消費を抑えた戦いが出来るかに懸かっています」
鬼怒「敵が2機、突っ込んでくるよ!」
江風「あのウイング…!絶対落としてやる!」
嵐「突っ込んでくるなら、迎撃だ!」
真っ直ぐ敵陣に突っ込むウイングとシームルグ、そして鬼怒達3機は編隊を組んでのビーム砲撃で迎撃を行う。
そしてシームルグがウイングを盾にするように後方に就く。
朝雲「海風、防御任せた!」
海風「了解! アブソーブシステム、展開!」
海風がシールドを前面に翳すと装甲がスライドし内部機構が露にり、殺到するビーム攻撃を『ウイングアズライトシールド』が防ぎ、吸収した。
鬼怒「嘘!?効いて無い!?」
嵐「ビームが、消えた!?」
江風「どンな手品してやがンだ!?」
海風「粒子吸収機構、これなら…! 朝雲さん、やります!」
朝雲「オッケー!まずは牽制、海風!」
海風「ツイン・バスター・ライフル、メッサーツバーグ6基連結完了! これでも受けなさい!」
ツイン・バスター・ライフルに新造武器である『メッサーツバーグ』を全て連結し放つ海風。
吸収した粒子を攻撃に転換した極大のビームは鬼怒達3機目がけて一直線に駆けていく。だが鬼怒達は咄嗟に散開することで攻撃を回避した。
鬼怒「うわぁっ!? ちょ、なんて威力なの!」
嵐「掠ってもヤられるぞ、あの出力…!」
江風「おい、余所見を…」
鬼怒「っ…!」
朝雲「こっちが、本命よ!」
シームルグの持つ『シェーバティール』から放たれるライフリングされた実体弾がアヘッドへと放たれる。
直撃コースの攻撃を辛うじてシールドで防ぐがシールドは一撃で砕け、アヘッドは吹き飛ばされてしまう。
鬼怒「シールドが無かったらヤられてたよ…!」
海風「流石に一撃じゃ倒しきれない…! 朝雲さん、近接戦闘に移行します!」
397 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/09(金) 03:06:48.54 ID:5q/4JGWxO
海風「では作戦通り、朝雲さんはレコードブレイカーを引き離してください!残りはこちらで引き受けます!」
朝雲「ごめん、助かる! こっちが終わるまで墜ちないでよ!」
海風「勿論です! 寧ろそちらも気を付けてください!」
シームルグがレコードブレイカー目がけて加速し、海風は残存する2機へと向かう。
そして朝雲と嵐による1対1、海風と鬼怒・江風による1対2のドッグファイトが始まった。
天津風「…一体、何やってるの?」
愛宕「セオリーを無視して、どうする気なの…?」
瑞鳳「きっと、個人の感情を優先させたんだね」
霞「嵐ってヤツと朝雲、そして萩風の私闘にケリを着けさせようとしてんのよ」
神通「『前の自分』と『今の自分』の決別、きっと萩風が望んだのでしょう」
朝雲と嵐、両者の譲れないものの為に二人は激突する。たった一人『萩風』と言う少女を巡って。
ピーコックスマッシャーから放たれるビームを回避し機体を上昇させる朝雲、太陽を背に急降下を行いながらシェーバティールで実弾を放つ。
嵐「っ…! 嫌な手使いやがって!」
朝雲「避けられた…! 流石に速いわね!」
咄嗟に攻撃を避ける嵐のレコードブレイカー、だがシームルグは追撃を止めない。
シェーバティールから粒子結晶の刀身を形成して切りかかるが嵐はムラマサブラスターで斬撃を防ぐ。
嵐「パワーが、違う…!」
朝雲「このまま押し切る!」
嵐「なら…! コイツを使うしか…!」
機体を後退させる嵐、背部のミノフスキー・ドライブユニットから光の翼が形成されると同時に機体が放熱を始める。
レコードブレイカーの機体が光を帯び、直感的に危機感を覚えた朝雲がシェーバティールの刃を射出したが…
朝雲「分身…!? M.E.P.E!」
嵐「まさか、コイツを使わされるとはな…!」
放たれた刃が切り裂いたのは分身、そしてレコードブレイカーは一瞬で機体を上昇させて回避していた。
だから朝雲も新たな手を打つ。 機体装甲がスライドし、内部のフレームが露出して黄緑の光があふれ出す。
嵐「NT-Dか!やっぱり宮城の…」
朝雲「高速戦闘はこっちも得意なのよ!シームルグの全力、見せてあげる!」
行動安価 直下
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/11(日) 10:30:14.45 ID:PUSjj/fX0
機動力を削ぐためにスラスターを集中攻撃
399 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/16(金) 03:10:15.21 ID:IcSjGGic0
シェーバティールによる攻撃を間一髪のところで避けるレコードブレイカー。
朝雲の駆るシームルグは分身に惑わされず的確に本体を狙い攻撃を仕掛けていく。
朝雲(やっぱり実弾じゃちょっと遅い…!これがビームなら…!)
嵐「コイツ、なんでこっちの本体が分かるんだ…! M.E.P.Eでセンサーがイカれてる筈だろ!?」
朝雲「なら、センサーに頼らず『目』で見て撃てば良いだけなのよ!」
嵐「この状況で正気かよ!?」
嵐にとっては耳を疑う発言だった。目の前の敵は照準にセンサーを使わず自分の目と腕だけで先程から直撃弾スレスレの弾を放っていたと言う事実。
機動格闘戦においてそれは至難の技であり少なくとも嵐自身は出来ないと思っている。しかし敵対する朝雲はそれを平気でやってのけているのだ。
朝雲(だけど小さい上にすばしっこいわね… これじゃ致命傷は難しいかも)
致命傷を与えるには機動力を封じる必要がある、朝雲は考えた結果『背部のミノフスキー・ドライブ・ユニットの破壊』を考えた。
だがそれはレコードブレイカーを封じるための最良手段でありながら最難関の手段でもある。
朝雲「大丈夫よ… だって私には『見ていてくれる人』が居るんだから!」
嵐「来るか!」
シェーバティールから数発の弾丸がタイミングをズラして放たれる。 レコードブレイカーはその弾を掻い潜ろうと弾丸の隙間を掻い潜り、シームルグとの距離を詰め間合いに入る。
加速性の高いレコードブレイカーだからこそ出来る芸当、そしてシームルグのシェーバティールは取り回しが悪く近接格闘の応戦には不向きであると踏んだ嵐が一気に勝負に出たのだ。
嵐「貰ったぁぁぁぁぁぁっ!」
朝雲「今よっ!」
ムラマサブラスターによる斬撃が振り下ろされようとしたその刹那、2条のビームがレコードブレイカーの翼を貫く。
翼を折られた敵機が失速するのを朝雲は見逃さない。シェーバティールを打撃武装のように振るいレコードブレイカーを殴り飛ばした。
嵐「ッ!? な、何だよ!」
萩風「見ていましたよ、朝雲さん。一時も目を逸らさずに」
レコードブレイカーが姿勢制御を行い体勢を立て直した瞬間、雲間からステルスモードを解除したエクシアが現れレコードブレイカーへと肉薄し右腕のクナイを振り下ろす。
そしてその斬撃はピーコックスマッシャーを切り裂き爆散させた。ピーコックスマッシャーを囮に斬撃を間一髪で逃れた嵐、そして状況がようやく理解するに到る。
嵐「お前がやったのか、萩!」
萩風「貴女はすぐ背中が疎かになる…!前や上だけ見ているから!」
嵐「なっ…!? 萩、お前…」
『前世の自分』の記憶を垣間見た萩風は彼女の癖を知り尽くしている。だから朝雲が最高のタイミング、確実に直撃を与えられる絶好の位置にレコードブレイカーを誘導する瞬間を狙っていたのだ。
朝雲の一挙一動に注目して、通信で言葉を交わさずともその意図を理解して、朝雲がきっとチャンスを作ってくれると信じて。
朝雲「前や上を見るのは結構! でもね、大事な人はすぐ後ろや隣に居てくれるかもしれないのよ!」
嵐「ふざ、けんなぁぁぁぁぁぁっ!」
シェーバティールの銃口に粒子が結晶化し、刀身を形成したシームルグが目にも止まらぬスピードでレコードブレイカーへと迫る。
嵐はその攻撃を切り払おうとムラマサブラスターを構えるがエクシアが『マガノイクタチ』を射出しその両肩を貫き破壊した。
萩風「やって!朝雲さん!」
朝雲「これで、決めるわ!」
撃墜判定(15以上で撃墜) 直下
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/16(金) 07:27:03.47 ID:0CtKaCpp0
はいよ
401 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/17(土) 03:14:09.57 ID:8wNkpo0E0
次の瞬間、粒子の結晶で形成された刃がレコードブレイカーを貫いた。
だがレコードブレイカーはまだ生きており、残るヴェスバーの銃口をシームルグに向ける。
嵐「これで、お前も…!」
萩風「終わるのは、貴女だけよ」
背中からエクシアの左腕に装備されたGNクナイが振り落ろされ機体を両断され、貫いていた粒子結晶が砕けてレコードブレイカーは空から落ちていく。
『自分は前しか見ていない』、前から萩風に告げられていた筈なのに気がつけなかったのだ。だがいつも背中を守ってくれる人が居た筈だったのにもう居ないことに気付いてしまった。
嵐(だからか… もう俺は、一人なんだな)
あの頃の、自分の背中に居てくれた『萩風』は居ない。今目の前に相対する『萩風』はもうあの頃の彼女では無かった。
強くなったと言うべきか、変わってしまったと言うべきかは分からない。だが一抹の寂しさを感じながら、嵐は操縦桿から手を放す。そして次の瞬間、レコードブレイカーの機体は爆散する。
萩風「…」
朝雲「…このバトルを終わらせたら、ちゃんとやらないとね」
萩風「追い討ち、になりませんか?」
朝雲「大丈夫よ、きっと…」
NT-Dを解除したシームルグと一緒に佇むエクシア。青と紫の機体が互いの両隣に立ち、顔を見合わせる。
第一の目的は達したがまだ戦闘が終わった訳ではなく感傷に浸る余裕は無い。まだ海風が2機相手に奮戦している、その援護に向かわなくてはならないのだ。
朝雲「行くわよ!さっさと残りも片付ける!」
萩風「了解! 戦闘を継続します!」
バック・エンジン・ユニットに向けツインバスターライフルを放ち撃ち落とす海風。そして背後から襲い掛かるアヘッドのメイスによる攻撃を連結した『アズライトウイングブレイド』で防ぐ。
チーム内で最高性能を誇る『ウイングガンダム・アズライト』と海風の能力を組み合わせれば全国級の2機すら手玉に取れていた。
江風「なンで墜ちないンだよコイツっ!」
鬼怒「まるでこっちの動きを全部見透かされてるみたい…!」
鬼怒(機動や連携だけじゃない、動作一つ一つも読まれて先手を打たれる… どうなってるの…!?)
海風「保ち堪えれば良いかと思いましたが… 本気でかからないとこちらも少し危うい…!」
このまま防戦を続けて疲弊するのはあまり良くないと考えた海風は動き出す。
機体出力差を活かしてアヘッドを弾き飛ばしコンティオへと肉薄する。当然迎撃しようと胸部のビーム砲を放つコンティオ、それを海風は難なく回避し距離を詰めた。
江風「しまっ…!?」
海風「まず1機!」
メッサーツバーグ6基と連結したツイン・バスター・ライフルから機体の3倍はあろう長さの巨大サーベルが展開され、海風はコンティオへとその刃を振るう。
トンファーを展開してサーベルを受け流そうとするがあまりにも出力に差があり過ぎて防ぎきれず、コンティオはそのままビームの刃で真っ二つにされた。
江風「こンな…!嘘だろ…」
海風「残り1機… 覚悟してください」
鬼怒「こっちだって、負けられないんだから…!行くよ、海風!」
行動安価 直下
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/19(月) 01:23:15.18 ID:1Y1bIntP0
朝雲、萩風を待ち、連携で仕留める
403 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/19(月) 03:02:34.98 ID:zfmOsac60
アヘッドのメイスによる打撃をブレイドで防ぎ切り結ぶウイング。パワーはウイングが上回っており徐々にアヘッドを押していく。
このままでは負ける、そう考え最後の切り札を鬼怒は解き放った。
鬼怒「トランザム!」
海風「っ…!擬似太陽炉の機体なのに…!」
鬼怒「『アレ』を使われる前にカタをつけるよ!」
より赤色化したアヘッドが逆にウイングを押し返す。 だがこの優勢は長くは保たないだろう。
自身の技術力で製作した機体でトランザムを行使できるのは1分が限界、その制限時間内にウイングの『アズライトバースト』を発動される前に海風を倒さないといけないのだ。
鬼怒「このまま、押し切って…!」
朝雲「これでも、喰らえ!」
警報音に気付くが既に遅い。左肩のスラスターにシームルグの放った弾丸が直撃し吹き飛ばされる。
警戒はしていた筈なのにシームルグの存在に気付けなかった、その理由に鬼怒はようやく気付く。
鬼怒「エクシア…!ステルスを使って!」
萩風「流石にシームルグの熱反応は隠せませんでしたが… 赤外線センサーを使わなければ探知は出来ないでしょう!」
シームルグに抱きつく形でエクシアがステルス能力を行使していたのだ。シームルグの並外れた推力ならMS1機抱えたところで大したデッドウェイトにはならない。
だからこそエクシアがステルスに余剰な出力を割けるようにシームルグに掴まり、なおかつシームルグを隠匿すると言う連携が出来た。
海風「二人共、決めます!」
萩風「はい!」
朝雲「わかったわ!」
エクシアがシームルグから離れ、ダガーを投擲するがアヘッドはダガーを打ち払い、そこで生じた隙を逃さずシームルグが腕部を狙撃し両手を吹き飛ばす。
近接の手段を喪失した鬼怒、だがまだビームキャノンは残っておりシームルグへとその銃口を向けた。しかしエクシアがGNピストルUを抜き、連射してもう片方のスラスターを撃ち抜く。
鬼怒「あ…!」
海風「これで…!決めます!」
ウイングが左腕に装備している連結した『ウイングアズライトブレイド』。その一閃がアヘッドの頭部から叩き付けられ、アヘッドは真っ二つに裂ける。
自分より年下でガンプラ経験なんて無い筈なのに。そんな妹分相手に手玉に取られて負ける、少し悔しい思いの鬼怒だった。
鬼怒(成長したね…)
海風「敵機殲滅を確認。戦闘終了です」
BATTLE ENDED
Winner"Flügel Vento"
『Aブロック2回戦、第三試合。勝者、東京代表・『フリューゲル・ヴェント』!』
ワァァァァァァァァァ
404 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/19(月) 04:13:21.68 ID:zfmOsac60
天津風「これで、次は決勝トーナメント…!」
神通「…しかし、これで良かったのでしょうか」
愛宕「萩風ちゃんの事?」
神通「はい。わざわざ彼女と戦うなんて…」
霞「きっと何かしらの考えがあるんだと思いますよ」
瑞鳳「朝雲ちゃんも居るし、きっと大丈夫だよ」
神通「あの二人だからこそ余計心配なんです…!」キリキリ
瑞鳳「ああ、うん… 問題児ではあるけどね。だけど朝雲ちゃん、意外とチーム内じゃ真っ当な考え方の持ち主だから大丈夫じゃない?
何かやらかしたら私が〆るから」
《その後 選手宿舎 屋上》
嵐「…なんだよ、話って」
朝雲「これじゃ昨日のパターンと真逆ね… ま、ここしか話せる場所が無いんだけど」
嵐「用件があるなら早くしてくれ。俺だって帰る準備で忙しいんだよ」
朝雲「用があるのは私じゃ無いわ。この子よ」
萩風「…」
嵐「萩… お前、どこから現れた?」
萩風「気配を消すの得意なんです。そう十年近く鍛えてきましたから」
嵐「え、十年…? どう言う事だよ、お前記憶が…!」
萩風「実は私、『萩風』であって貴女の知る『萩風』ではありません」
嵐「どう言う事だよ… こんなふざけた冗談はやめろよ…!」
朝雲「…この子は今からちょっと後、15年未来からやってきた存在なの。貴女の知る『萩風』が輪廻転生を迎えた、それがこの子よ」
嵐「輪廻、転生…?」
萩風「本来のこの時代の『私』は… 両親と一緒に事故に遭って、植物状態のまま死を迎えて『私』に転生する筈でした。
そこに『私』、『転生した萩風』が存在を成り変わる形で今の時代に来たんです」
嵐「じゃあ何だよ、俺の知ってる萩風はもう…」
朝雲「…」
嵐「…ふざけんなよ。ふざけんな! 返せよ… 萩を返してくれよ!」
朝雲「…それは、私達には出来ない事よ。もう事故の時点でアンタの知る萩風は…」
萩風「だけど、たった一つ奇跡が起きました。貴女が呼びかけたから、私の中に『前の私』の残滓が目覚めて…
先程、貴女の動きを読めたのはその影響… 彼女の記憶を共有しているからなんです」
朝雲「それだけじゃない。まだ『彼女』の残滓は消えて無い」
嵐「消えて無い…?」
萩風「最早風前の灯ですが… まだ彼女の人格は残っています。だけどこの機会を逃せば、二度とチャンスはありません」
朝雲「話したいことがあるなら… 最後に話すことがあるなら、この石を握りなさい」
405 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/20(火) 02:58:23.99 ID:VrQ7eNdx0
《深層意識》
嵐「何だよ、これ」
萩風「私の心の中、と言えば良いでしょうか。表層に彼女の意識を出すことは難しいので」
朝雲「私達はここで待ってる。あっち、微妙に花畑が途切れてるところに彼女が居るわ」
嵐「分かった…!」
朝雲「…萩風はこれで良かったの?」
萩風「ええ。一番大事な人を失くしてしまう痛みは知っていますから」
朝雲「そうね… 瑞鳳さんが死んで、神通先輩は行方不明になって…」
萩風「何も告げずに居なくなられるのは辛いから、本当に… だからこれが私に出来る精一杯、してあげられる最善です」
朝雲「そっか… でもこれが本人にとっては吉なのか、凶なのか…」
萩風「最後に言葉を交わせる、と言う点では吉です。凶の中の吉、でしかありませんが…
だけど、この時代の『本来の私』にとっては最後の救いになると思います」
嵐「萩!」
萩風(オリジン)『え…? あら、し…?』
嵐「ああ…!やっと、やっと会えたな…!」
萩風(オリジン)『嵐っ…!』
朝雲「ここから先は、私達が立ち入るべきじゃないわ。あの二人きりにしましょ」
萩風「…そうですね。私の共有してる記憶も、封印しておくことにします」
朝雲「でもお別れ、か… 人はいつか遅かれ早かれ終わりが来る。大事な人との別れは、相当辛いわよね…」
萩風「…朝雲さんは、耐えられますか?」
朝雲「無理。私これでも寂しがり屋だから」
萩風「そうですか」
朝雲「でも私もアンタといつか別れる日が来る、のよね… 未来を変えたら、どうなるか分かったもんじゃないし」
萩風「その時は… 私の事は忘れてください」
朝雲「嫌よ。忘れる訳ないじゃない。 例え記憶を失くしても絶対に憶えててやる」
萩風「朝雲さん…」
朝雲「言葉に出来なくなっても、記憶が消えていても、多分この手がアンタを憶えてるから。
だから私は絶対にアンタを忘れない。忘れてなんかやるもんか」
406 :
◆6G6UiAPa1Q
[saga]:2018/03/20(火) 03:34:24.84 ID:VrQ7eNdx0
《現実世界》
朝雲「…リンク、切れたみたいね」
萩風「はい… 私も、もう何も感じません」
嵐「…」
朝雲「その… 大丈夫?」
嵐「んな訳、あるかよ…!」
朝雲「そう、よね…」
嵐「だけど… ありがとう、な。アイツと最後に話す機会をくれて」
萩風「いえ… 私は、彼女への『最善』をやったまでです」
嵐「いや、アイツは最後笑ってくれた。 それだけで充分だよ」
朝雲「だってさ」
嵐「それと、アイツから話は聞いた。お前、未来の自分の母親を助けに来たんだろ?」
萩風「はい。その為に、私はこの時代に来ました」
嵐「アイツからの伝言だ。 『絶対に願いを叶えて』って」
萩風「無論、そのつもりです。未来を変える、そしてお母様が死ぬ原因を覆してみせます」
嵐「あとお前、朝雲って言ったな」
朝雲「何よ」
嵐「萩の事、頼んだぞ」
朝雲「分かってるわよ。私の大事なパートナーなんだから」
瑞鳳「で、何か言い訳は?」
朝雲・萩風「ございません…」※正座
瑞鳳「全く、何やってるのよ…!」
神通「散々意識共有の危険性は説明したのに、あまつさえ他の人を巻き込むなんて…!」
瑞鳳「確かにそうしたくなる気持ちは分かる。でも無謀過ぎるのよ。自我が崩壊したらどうする気だったの…!」
天津風「…どうする?助け舟出す?」
海風「いつもの事なので放置しましょう」
霞「ええ。行動事態は理解できなく無いけども、流石に危険に巻き込んだのは擁護できないし」
海風「それに他の人には秘密のことをポロポロ喋っちゃってますからね」
神通(その後、二人はお母様にこってり絞られました。 まあ、萩風が『彼女』の願いを叶えたい気持ちは理解できなくはありませんが…)
第15話『言葉よりも記憶よりも』 終
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