【安価】 ガンダムビルドファイターズトライ・アズールU【艦これ×GBF-T】

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102 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/21(木) 01:59:46.74 ID:mcaT0Eqs0
海風「来ます、各機散開!」


真っ直ぐ海風達へと突撃する敵のスクランブル、そして全員が回避機動を取ると霞の操るDXへとライフルを放つ。

霞がディフェンス・プレートを前に翳すと内部の機構が露となり、その粒子ビームを吸収する。


天津風「ビームを消した…!?」

瑞鳳『アブソーブシステムだよ! 粒子ビームを吸収して、自身のエネルギーへと転換するの!』

霞「凄い… どんどん内部粒子が溜まる…!」

海風「霞! サテライトキャノン、使えますか!」

霞「どうする気?」

海風「ハルートのミサイル一斉射と同時にサテライトを放って敵を完全に引き離し孤立させます!天津風さん、斉射用意!」

天津風「でも、このフィールドに月は…」

瑞鳳『いや、撃てる。 さっきのアブソーブの粒子、そして月は無くとも『太陽』があるから』

霞「太陽…?」

瑞鳳『サテライトシステムが使えないときのために用意したのよ。 リフレクターにソーラーパネルとしての機能を持たせる事で、太陽光をサテライトシステムの代替として使えるの!』

霞「なら撃てる…! ソーラーシステム起動! 全機、射線から退避して!」

海風「了解! 全機、援護しつつ退避!」


海風達が攻撃でスクランブルを押さえ込み気をそらす。 そしてその間に粒子を集束させる霞のDX。

そして粒子が砲身に集まり、霞は照準を合わせ…


霞「出来たわ!」

海風「二人共!」

霞「ツインサテライトキャノン! 行きなさい」

天津風「ミサイル一斉発射!」


一斉に放たれる超大出力砲撃と大量のミサイル。 3機のスクランブルは辛くも回避するが全ての機体が分断され、それぞれに榛名達が襲い掛かる。


榛名「NT-D… 行きなさい、スライサービット!」

天城「NT-D! プラフスキー・マテリアライゼーション! 刀身展開!」


如月「行くわよ… NT-D、起動!」

野分「NT-D起動! マテリアライズ!」

秋月「NT-D、起動します!」


海風「先輩! フォーメーション・ツインエッジ! 天津風さんは援護を! 霞さん達は砲撃をしつつ敵の動きを絞ってください! 萩風さん、貴女には絞めを任せます!」

霞「わかった!」

萩風「了解です!」

神通「海風さん、この機体恐らく…」

海風「ええ。この機体は無人機、システム内蔵の自動操縦かと。 動きが早いけど、単調過ぎるので」

神通「なら、対処は余裕です…!」
103 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/21(木) 23:08:30.69 ID:mcaT0Eqs0
海風(軌道予測開始。 これまでのパターンから回避軌道を推測、続いて行動パターン算出…

敵行動予測完了、最適行動を算出。 勝利への最短、そして最善のルートを捉えろ…!)


海風の脳が高速回転を始め、未来を予測し『最善の勝利』への道を構築していく。

そして海風が手を伸ばした先にある未来へと辿り着く為、海風は行動を指揮を執る。


海風「二人共、今です!」

神通「了解!」

天津風「まずは、私から!」


ハルートから放たれる大量のミサイル。 無人のスクランブルは回避機動を行い、ミサイルをその運動能力で引き剥がす。

だがそのミサイルが無人のスクランブルの周囲で炸裂し爆発が視界を奪う。


海風「先輩!」

神通「いきます!」


変形しMSとなったエピオンと海風のスクランブルが正面と背後から挟み込む。 同型機の海風、そして瑞鳳製の機体を使う二人なら余裕で追い付くことが出来る。

そして互いにカレトヴルッフフェーダーと日本刀による斬撃が無人のスクランブルへと放たれるが、スクランブルはサーベルを展開してその一撃を間一髪で防いだ。


海風「ですが、そこまでです!」

朝雲「コイツを、受けろ!」


シームルグのシェーバティールから放たれた実弾狙撃、その一撃が直撃し無人のスクランブルは吹き飛ばされる。

機体のダメージは軽度だが受けた衝撃により体勢が崩れた。


霞「ツインサテライトキャノン、バスターモード! いきなさい!」


サテライトキャノンを連結させた霞の砲撃が無人のスクランブルへと放たれるが、ギリギリの所で直撃は避けられる。しかし咄嗟の出来事でサーベルを喪失し、近接の手段を失う無人のスクランブル。

そして『最優先標的』たる霞を目がけライフルを向ける無人スクランブル。 しかしそれを逃がす程神通は甘くない。


神通「奥義・天剣、絶刀!」


神速で振り下ろされる刃、その勢いが生み出した衝撃波が刃となってスクランブルを襲う。 本体にこそダメージは無いが無人スクランブルは武装を失った。

そして海風は最後の札を切る。


海風「やってください、萩風さん!」

萩風「了解!」


ステルス機能で身を隠した萩風のエクシアがスクランブルの目の前に現れ襲い掛かった。 無人スクランブルは迎撃しようとバルカンを放つが萩風は容易く回避し背後へと回り込む。

そしてエクシアの背部に装着されたバインダーから2本の刃が射出され、スクランブルへと突き刺さる。


萩風「マガノイクタチ… これで『詰み』よ」


ケーブルを介し粒子を奪われるスクランブル。 逃れようともがくが粒子をどんどん奪われ徐々に機能を喪失していく。

そして最後は抵抗すら出来なくなり、そのまま機能が停止した。


萩風「ふぅ… 敵機、拿捕しました」

海風「戦闘、終了」
104 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/22(金) 00:34:21.23 ID:CzUg2k6S0
2機の連携でスクランブルを追い詰める榛名と天城、表舞台に出る事は無いがその実力は世界水準以上の能力を誇る二人にとってこの程度の相手は容易く追い詰められる。

そして榛名と天城はこの機体を残し、もう一度強奪される可能性を鑑み敢えて『破壊』する為に切り札を切った。


榛名「コード・ブレイヴ! 粒子集束開始!」


背中に背負ったタクティカルアーズムズUL改をアローモードへと変形させ携える『フェンリル』。

そして粒子が集束し、榛名はそれを解き放つ!


榛名「穿ちなさい! エクサブレイヴ・シュート!」


放たれる極大のビーム、そしてそのビームが結晶化し巨大な粒子結晶へと姿を変える。

そして粒子結晶がそのまま砕け、5つに砕けた破片がスクランブルへと襲い掛かりその四肢と胴を貫き磔にした。


榛名「天城!」

天城「コード・ブレイヴ! オーバーマテリアライズ!」


粒子の刃が砕けレーヴァテインの刀身が展開し、そして巨大な粒子の刃が形成される。

そしてスレイプニルが一直線にスクランブルへと距離を詰め、その刀身を振り下ろす!


天城「プラフスキー・バスター・ソォォォドッ!」


刃はスクランブルガンダムへと叩き付けられ、その質量に耐え切れなくなったスクランブルは真っ二つに割れる。

そして四肢と胴を貫いていた粒子結晶が膨張を始め…


榛名「神狼の牙よ、爆ぜろ!」


大爆発を引き起こし、その残骸を吹き飛ばした。

そして残る1機、如月達が交戦中の機体も徐々に追い詰められていく。


野分「シャドー、オバーマネージング! これを、受けろ!」


大量に分身したファヴニールの結晶化の拳がスクランブルへと放たれ、回避できずに直撃を受ける。

そして秋月のエイクスュリュニルの放ったスライサービットから鎖状の粒子結晶が射出され、スクランブルを縛る。


秋月「グレイプニル! これでもう、逃げられません!」

如月「これで、決めるわよ! コード・ブレイヴ、プラフスキー・スクロペトゥス!」


ラタトスクから超大出力のビームが放たれ、そのままスクランブルを飲み込む。

逃げられないスクランブルはその直撃を受け、残骸も残らず消し炭となりこの世界から完全に消失した。


BATTLE ABORTED
105 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/22(金) 00:53:39.37 ID:CzUg2k6S0
『な、なんて凄い戦いだ! 乱入した謎の機体を、ガンプラバトル部の部員達が撃破したぞ!』


瑞鳳「皆、大丈夫!?」

神通「はい。 大丈夫でした」

萩風「それより、発症者は?」

蒼龍「ゼロよ。 今回はね」

飛龍「あの機体、キャリアーが操縦した訳じゃなかったから誰も感染しなかったみたい」

天津風「良かった…」

海風「でも、疑念はあります」

霞「あの機体、私を執拗に狙ってきた」

朝雲「確かに、あれは誤魔化せ無いわ。 明らかに霞が狙われてる」

榛名「皆さん、ご無事ですね?」

瑞鳳「ええ、こちらや他の被撃墜者に被害はありません」

天城「しかし… あの機体、天城達には平等に攻撃を加えてきましたが如月さん達は如月さんが執拗に狙われたようです」

如月「如月と『ラタトスク』も舐められたものね…」

野分「でも、そのお陰でやり易くはあったけど」

秋月「はい。 如月に集中してくれたお陰で、何とか捉えられました」

瑞鳳「…確か、如月ちゃんもなんだよね」

如月「ええ。どうやら私も、『進化の可能性』を持ってるらしいのよ」

榛名「霞さんのような完全なNTではなく、榛名達のようなその『途上』の人間のようですが」

瑞鳳「逆に言えば、霞ちゃんが唯一無二のニュータイプって事になるのか…」

榛名「取り敢えず、競技を続けるのは難しいようです。 生徒の皆さんのガンプラも大半が損壊していますし」

瑞鳳「大会運営に中止の進言をしてきます。 神通ちゃん、付いて来て」

神通「わかりました。 あと機体、お返しします」

瑞鳳「霞ちゃんも、DX返して」

霞「あ、はい。 どうぞ」

瑞鳳「えっと… 傷は無いね。 あとはサテライトキャノンの砲身の交換で済むか」


霞(その後、種目の継続が難しいと判断されたバトルは中止となり私達の体育祭は終わりを迎えた)
106 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/22(金) 01:46:01.78 ID:CzUg2k6S0
『そして、本日の優勝は… 全種目優勝、イカれた記録を残した学内の中でも選りすぐりのバケモノ連中を揃えたガンプラバトル部だ! バトル部には野球部の余剰予算が全て譲渡されます!続いて…』


神通「ば、バケモノ…」ズーン

海風「…まぁ、あながち間違いでは無いでしょうけど…」

霞「正直にバケモノ呼ばわりされるのはちょっと嫌ね…」

天津風「それ私も含まれてるの!?」

朝雲「このイカれ部活に所属している時点で同類よ、アンタも」

萩風「ええ。 所属している時点で同類でしょう」

瑞鳳「その部員を育成してるのが私なんだけどねぇ」

愛宕「…瑞鳳が育てると、こうなっちゃうのよね」

蒼龍「ガンプラの教え子は皆世界クラスファイターになるし…」

飛龍「ある意味凄い才能よ、これ」


神通(そして優勝し、予算を手に入れた私達はようやく全国大会のスタートラインに立てるようになりました。しかし…)


帰路にて…


霞「じゃあ天城さんは暫くウチに泊まる、ってことで…」

海風「確か布団のストックは… ああ、ありました」

天城「護衛として、全力で務めを果たし… ッ…!」ピキィン

神通「これは… 二人共、私と天城さんから離れないで」

海風「え…?」

ブロロロロロ…

霞「この車、外車よね…」

海風「リムジン、しかも上位クラスの…」

「お待ちしておりました。 『未来を視る者』、そして『革新する者』」

天城「貴女は…!」

「あら、天城さん。 貴女も来ていたとは好都合です」

神通「この人は…」

天城「コスモ・クルス教団、その教祖です…!」


シェリンドン「お三方はお初にお目にかかります。私はシェリンドン・ロナ、人の世に平和を齎す為、そしてその才を持つ貴女達を『裁き』から保護しに参りました」


海風(そして、海風達と未来を巡る戦いの歯車が急加速を始めたのでした)


第11話『体育祭は大波乱!?』終
107 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/22(金) 03:08:21.51 ID:CzUg2k6S0
第12話『コスモ・クルス』


神通「シェリンドン・ロナ…」

海風「…海風は以前、貴女方のお誘いは断った筈ですが」

シェリンドン「ええ、貴女の事は以前から聞き及んでいます。 スカウトが動いた中で、今年の我がバビロニア学園に入学しなかったのは貴女だけでしたから」

霞「海風…」

シェリンドン「ですが、去年スカウトが貴女の下を訪れた時とは状況が違います。 『裁き』、貴女方が昏睡病と呼ぶものが貴女達を滅ぼそうとしている。

貴女方を保護し、来るべき時まで守らねばならない義務があります。 特に『未来を視る者』と『革新する者』、今はまだ『革新に近き者』でしょうか? お二方は世界の命運を握る、重要なファクターとなりうるのですから」

神通「…言いたいことは、それだけですか?」チャキッ

天城「二人共、言葉に惑わされないでください。 彼女はまだ『本音』を語っていません」チャキッ

シェリンドン「随分と野蛮な… 私が退かないなら武具で脅す、天城さんには期待していましたが残念です」

天城「どうとでも言って下さい。 天城には姉さんから授かった『二人の守護』と言う使命があります。

その信を天城は裏切る訳には参りません」

神通「我が剣は守護の剣、二人に仇なすと言うのであれば… 例えなんであろうと切り裂くまでです」

海風「霞」

霞「言いたい事は分かってる、海風。 シェリンドン・ロナ、悪いけど… 私達にはやらなきゃならない使命があるの」

シェリンドン「『裁き』と戦うとでも?」

海風「ええ。 貴女は海風達を守ると言いました。 しかし、そこには『他者』は含まれていない。

進化する人間だけを選りすぐるなど、明らかにこちらの意思とは反しているでしょう」

シェリンドン「全ての人間を救うなど到底不可能なことです。 『裁き』が大規模な行動を行えば多かれ少なかれ犠牲は出るでしょう。なら優れた人間が生き残れば良い、そうではありませんか?」

霞「そもそも前提が間違ってる。 私達はそれが起きる前に止める、って言ってんのよ」

シェリンドン「まさに無謀で愚か、としか言い様の無い選択ですね。 貴女達のせいで、被害が拡大しているとしても?」

天城「どう言う、ことですか…!」

シェリンドン「分かっている筈です。 既に、貴女方のせいで被害者が生まれてしまった」

海風「スドウ・シュンスケ、ですか」

霞「どうしてあの薬物中毒男が…」

海風「彼が警察に連行される前、何を言っていたか忘れましたか?」


スドウ『お前達が、悪いんだ! この化け物! お前達みたいなのが存在するから!』


スドウ『何もかもだ! お前達が存在するからこうなったんだ! 勝てないと思ったからより強い力が欲しくなるのは当然だろ!?

お前達のような化け物に、人間の気持ちがわかってたまるか!』


霞「あ… でも、アイツは加害者よ…!」

海風「その巻き添えを受けたサカシタ・ヨミとヤス・メグタ、この二人は被害者です。そして今も目を醒まさない…

確かに、貴女の言う事にも一理はあります。 海風達が歩き回っているから被害が増える、ある意味正しいかもしれません」

神通「海風さん…」

海風「だからこそ、一刻も早くこの事態を解決せねばならない。 それが海風達の背負うもの、そして被害を生んでしまったことへの贖罪です」

シェリンドン「成る程… そう言う考えもある、と言う訳ですか」

霞「だからこそ、私と貴女達の道は交わらない。 戦うと決めた以上、もう私達は立ち止まれないのよ」
108 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/22(金) 03:41:19.10 ID:CzUg2k6S0
シェリンドン「本当ならば貴女達自身の意思で来て欲しかったのですが、仕方ありません」

天城「ッ…! 下がってください!」

シェリンドン「もう遅いです」

シュウウウウウ

霞「な、何これ…」

海風「! 伏せて! ケホッ… ガス、です…!」

神通「くっ… 力が、入ら、な…」ドサッ

霞「せ、せんぱ…」ドサッ

海風「ケホッ… あま、ぎ、さん…!」

天城「力が、入らない…!なんて、卑怯な…!」


シェリンドン「この四人を回収してください」

「ハッ。 しかし、この刀を持った少女は…」

シェリンドン「この人は彼女達の護衛、それにここに放置し我々の行いを知られる訳には参りません」

「承知いたしました」



「…こちら『ホーク』。 『ウルフ』、応答を」

『『ホーク』、どうかしましたか?』

「ターゲット・ロスト。 どうやら教団に攫われたようです」

『案の定、動きましたか… 『リーフ』『コブラ』に連絡、潜入準備を』

「はる、『ウルフ』は?」

『『シュガー』と一緒に救出作戦を練ります。また既に『ルベルム』が動いている、と『クリムゾン』からは連絡が』

「…早く無いですかね?」

『彼女、ターゲット達と合流するまで独自行動を行ってましたからね。 もう調べもついているのでしょう。

潜入後、もし『ルベルム』と合流出来る事があれば施設の情報を聞いておいてください』

「了解です」

『頼みます。 こちらとしては愛する妹が攫われて少しばかり殺気立ってるもので』

「…やっぱりそう言う関係なんです?」

『勘違いはしないでください。 流石に実妹はちょっと…』
109 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/25(月) 01:02:08.03 ID:tcT3/I8V0
《1時間後 霞の家》


瑞鳳「やっぱり、居ない…!」

松風「ああ… 榛名から聞いては居たけど、本当に拉致されたようだ」

野分「でも、門下生の神通さんや槍上手の天城さんが居たのにどうやって…」

瑞鳳「…多分、薬関係だと思う」

蒼龍「あ… 瑞鳳ちゃん達の体質…」

瑞鳳「私達の家族、と言うか私とお母さんは薬が多少効きやすいの。だから睡眠薬とかすぐ効いて眠っちゃう…

多分睡眠ガスでも使われて無力化されたんだと思う」

飛龍「神通ちゃんも血統、同じ体質でも不思議じゃないか…」

如月「でもまさか、この家の合鍵持ってたなんて…」

瑞鳳「霞ちゃんから貰ったの。 まぁ、多少は信頼されてるみたい」

秋月「しかし、どうやら私達以外の侵入者も居たとは…」

照月「衣服の類が一部無くなってるなんて… しかも棚とか荒れてた」

初月「どうやら榛名達の言う『タイムリミット』まで本気で匿うつもりのようだ」

瑞鳳「…確かに、あの子達にはそれが良いかもしれない」

飛龍「瑞鳳…」

瑞鳳「あの子達は本来戦っちゃいけない立場なのに私が戦いに巻き込んだ。だから戦いの無い、平和な場所に居てくれるのが本当は…」

蒼龍「…だからって、見過ごすの?」

瑞鳳「それは… したくありません。 あの子達は私が守る、それが私の『責任』だから。

あの子達の戦いを終わらせる訳にはいかない。まだ始まってすらいないのに、諦めさせるなんてさせたくない」

弥生(姉さん、本気だ…)

不知火(ああなった姉さんは、もう止められません。深海棲艦の泊地だろうと、軍隊全てだろうと一人で叩き壊す覚悟の目…)

舞風「どうする気なの…?」

瑞鳳「皆はホテルに戻って。 ここからは、私達がやる。 蒼龍さん、基地の実戦用MSを稼動状態へ移行させてください。

ブリッツとバスターとケルディムを優先、飛龍さんは春雨ちゃん達に連絡を。 あの子達の力、借りるかもしれません」

飛龍「瑞鳳は?」

瑞鳳「浜風ちゃんと作戦を練ります。 第一目標は海風ちゃん達の救出、第二に拉致被害者全員の救助と設定。教団の全滅も、視野に入れてください」

蒼龍(やばい… あの目は『本気になり過ぎた』目… 皆殺しも辞さない、最悪の目よ…!)

飛龍(どうにか止めないと…)

朝潮「…姉さん、これ」

瑞鳳「…これ、あの子達の機体?」

飛龍「でも未完成ね…」

蒼龍「…MS、整備に時間がかかるわ。 少なくとも1日、待ってほしい」

飛龍「それに乗り込むにしても相応の準備が要る。 私達や春雨ちゃん達にも武器は要るし、まだ場所の情報も無い。

瑞鳳はその2機、そして海風ちゃんの機体を完成させて。 バビロニア学園にはバトル部があった、もしかしたら今日のように何者かがスクランブルを仕込むかもしれないわ」

瑞鳳「…分かりました。 やります」
110 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/25(月) 02:03:14.47 ID:tcT3/I8V0
《その頃 ???》


神通「うぅ…」

海風「先輩! 良かった…」

神通「ここは…」

海風「…コスモ・クルス教団、その拠点のようです」

神通「やはり… 霞さんは…?」

海風「天城さんと一緒に、別の部屋に居ます」

神通「分けられてしまいましたか… すみません海風さん、これは私の不覚です」

海風「いえ… もっとその可能性を予測すべきでした。 話し合いで済む筈無いのに、強行手段を使うと想像出来なかった海風の不覚でもあります」

神通「貴女に不覚はありません。 …一先ず、ここから脱出すべきです」

海風「ドアは… 外側からロックされていました。 この部屋、まるでシェルターみたいにお風呂やトイレまで準備されています。武器や携帯は取り上げられて、外に連絡する事すら叶いません」

神通「まずは… 扉を叩き壊します」

『無駄ですよ』

神通「ッ…!?」

海風「スピーカーですか… それにこの声、シェリンドン・ロナ…!」

シェリンドン『そのドア、そしてこの施設の壁はこの世界で最も硬質な素材で出来た外壁です。 まず普通の人間では壊せません。

それに私達には二人のうちどちらかが生きていれば良いのです。 もうお分かりですね?』

神通「不審な動きを取ればもう片方を殺す、と…!」

シェリンドン『さぁ? では後ほど、ご一緒に夕食でも頂きましょうか。 貴女達とはもっとお話をする必要がありますから』

海風(恐らくこの部屋は監視されている… 迂闊な行動は出来ません)

神通(この壁程度なら破壊は出来ますが、人質を取られている以上チャンスを伺うしかありません…!)

シェリンドン『ふふっ… では、また後ほど。 欲しい物などがあれば、そこの紙に書いて扉の下を潜らせてくださいませ』ブチッ

海風「…この部屋の内装と言い、完全なVIP待遇のようです」

神通「それに… 私達の衣服の類も盗み出してきたようで… 私のトラップに引っかからなかったのは少し残念ですが…」

海風「次からは萩風さんに頼みましょう…」

神通「あの子は平気でクレイモアや地雷の類を仕掛けようとするので駄目です…!」

海風「しかしこの部屋、完全な監視体制です。 脱走の為に必要な道具は流石に用意してくれそうにありませんが… 試しに宝石でも頼んでみます?」

神通「こんな時に何を…」

海風「1日1回原石を愛でないと落ち着かないんです…」

神通「アリスタでも愛でててください」

海風「試しにアクアマリンの原石でも…」カキカキ

神通「試さないで下さい!」

海風「物は試し、って言うじゃないですか…」スッ


数分後…


「…ご注文のものです」

海風「…確認しました、ありがとうございます」

「では失礼します」

神通「本当に宝石持って来ましたよ…!?」

海風「しかも注文通り、アクアマリンの原石… 相場で言えば10万円程の…」

神通「何でこんなものを数分で用意出来るんですかね…」


イベント 直下
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 08:19:15.82 ID:2H2QfbzN0
外が妙に騒がしくなった
112 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/26(火) 03:08:27.13 ID:ZpWnuw990
「こちら『リーフ』、作戦行動開始します。以降はコードネームを『ボマー』に変更、どうぞ」

『了解。各自変更開始、点呼どうぞ』

「『コブラ』改め『リッパー』、了解」

「えっと… 『ホーク』改め『ハイヤー』どうぞ」

『では… 『ウルフ』改め『フィクサー』、及び『シュガー』改め『ダイバー』… 作戦の確認を行います。

作戦は明日のフタマルマルマル、それまで我々は『嫌がらせ』… 敵を可能な限り疲弊させます。 第一陣は『ボマー』と『ハイヤー』そして『リッパー』が、第二陣は『フィクサー』『シュガー』が行います』

「好きにやっちゃって良いんだよね?」

『人を殺さなければ何でもどぞ』

「なら… 好きなようにさせて貰います!久々に、爆破するとしましょう!」


警備員A「ん…? トラックか?」

警備員B「いや、今日は何も予定は… ッ…!?」

ブロロロロロ…

警備員A「無人!? ヤバイ、突っ込んでくるぞ!」

ドゴォォォォォォォォォ

警備員B「くっ… バカが! この施設の外周周りの壁がトラックが突っ込んできた程度で…」

「よっと… ノロマね」バキィツ

警備員B「がっ…」ドサッ

警備員A「ひっ… 至急増え… うぐっ…」ドサッ

「それに反応が遅い。 アンタ達、訓練不足にも程があるんじゃないの?」

『な、何が起きた! 応答しろ!』

「あーあー… 今から乗り込むから、覚悟してね」ブチッ

「なんでそう盛大に喧嘩売るの…?」

「だって、あくまでも『ボマー』から目を逸らすためだもの。 盛大にやらないとね。 『ルベルム』も動き出すだろうし」

「わかってるけど… 引き際は見誤らないでね?」

「分かってるよ、プロだもん。 さて、援護お願いね!」



《その頃…》


海風「振動…?」

神通「まさか、お母様が動いた…?」

海風「まだ捕まって2時間程度です… こんなに早く動くなんて…」

「いえ、今動いているのは青葉さん達です」

神通「なっ… 萩風!?」

萩風「シッ…! 今監視カメラを一時的に切断してますが、見張りはまだ居ます。 大声は出さないで下さい」

海風「どうしてここに…」

萩風「別件、個人的に追ってたことがあったので潜入したら姉さん達が捕まってきたんです」

神通「そう言う事ですか…」

萩風「先程青葉さん達と打ち合わせしました。 今のはあくまでも嫌がらせを兼ねた陽動、本格的な救出は明日のフタマルマルマルとなります。

それまで大人しくしていてください。今の段階では、私一人分の脱走経路しかないから救出はできません」

海風「明日の夜、ですか…」

萩風「今の話は霞さん達にも私がしておきます。 なので二人共、大人しくしていてください」
113 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/26(火) 05:30:22.30 ID:ZpWnuw990
萩風「念のため、これを。 小型の無線機です。 今は使えませんが、然るべき時には使えるようにしておきます」

海風「使え無い…?」

萩風「この施設には電波を遮るジャミング設備があるようです。 外部との交信は現状不可能、と考えてください」

神通「と言うかここどこなんです…?」

萩風「奥多摩の辺りです」

海風「もしかしてここ、バビロニア学園の本校じゃ…」

萩風「その通り、ここは学園の地下です」

神通「バビロニア学園ってそんな山奥にあるんですか!?」

海風「一種の宗教施設ですからね。 山奥の方が誰も寄りませんし」

萩風「『ブッホ・コンツェルン』の工場用地の予定でしたからね、ここ」

神通「ブッホ・コンツェルン、確かアナハイムには及ばないものの複合企業としては世界有数の企業でしたが…」

萩風「元々は戦争等で出た廃品のリサイクルなどを行っていた所謂サルベージ屋でした。しかし1代で複合企業体まで育ったある種のバケモノ企業です。

今では独自の軍事組織、PMCなんかでは無い『私兵』を有するまでに到っています」

海風「私兵…!?」

萩風「独自調査の結果ですが… この学園、その兵士育成も兼ねているとのことです。いずれはどこかの国で、貴族主義国家をでっちあげるつもりでしょう」

海風「イカれてます… 今更、貴族なんて…」

萩風「そんな思想ばかりを持った人間が、ここに居るのです。 くれぐれも発言には注意を」

神通「分かりました」

萩風「では私はこれで撤収します。 二人共どうか我慢してください」



「ボマー! そっちどうなってんの!」

「設置完了、花火の準備は出来ました!」

「ハイヤー! 荷台に積んでた車で脱出するよ!」

「わかった! ボマー、早く!」

「じゃあ、点火!」


ドゴォォォォォォォォォ


警備員C「ば、爆発!?」

警備員D「消火活動急げ!」


「うわぁ、派手にやるねぇ… さっすが、3年振りなのに全く衰えて無い」

「やっぱり爆薬は南米産に限ります。 美しさがダンチですよ」

「ごめん、そのノリ未だに解らない…」

「えっと… こちらハイヤー、撤収開始します」

『フィクサー了解。 3人共、流石榛名の部下です』

衣笠「えっとフィクサー… 自分でバラしてる」←リッパー

榛名『何を今更…』

青葉「まあコードネームとかほぼネタですし」←ボマー

古鷹「じゃあ何でつけたんですか…」←ハイヤー

榛名『本名バレはちょっとキツイじゃないですか。それに榛名に関しては身元割れてますし』

青葉「まぁ彼等のターゲットの一人ですからねぇ、フィクサーは」

榛名『そこが一番厄介なんですよねぇ… では3人共撤収と再攻撃の準備を』

114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/26(火) 09:50:43.82 ID:Jl5g8RNI0
コードネームの元ネタはミッシングリンクのスレイブ・レイスか
115 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/27(水) 03:51:27.20 ID:z+ARNFq30
コンコン

「失礼します。 シェリンドン様がお呼びです」

海風「先輩…」

神通「行きましょう」


《地下施設 食堂》


シェリンドン「お待ちしておりましたわ、お二人共」

海風「霞達は… 二人は?」

シェリンドン「先にお待ちになっております。 どうぞこちらに」

霞「海風、それに先輩…!」

神通「良かった…」

シェリンドン「言いましたよ。貴女方が何もしない限り、手出しは致しません」

天城「どうやら『今の所』、その言葉は偽りでは無いようですね」

シェリンドン「…どう言う事でしょうか?」

天城「さぁ? 気に触りましたか?」

海風(な、なんでこんなに挑発してるんですか…?)

霞(榛名さんに会えなくて、しかも自分の目標を果たす事も出来なかったから荒れてるのよ…)

シェリンドン「まぁ良いでしょう… では皆様、食事に致しましょう」


海風(…食事、無駄に豪華ですね)

神通(…フランス料理より中華料理が良かったです)

霞(…和食食べたい)

天城(…間宮さんの料理の方が美味しいです)

シェリンドン「…皆さん、何かご不満が?」

全員「いえ、何も」

シェリンドン「…」

天城「…ここに全員集めた、と言う事は何かあるのでしょう? 食事など、個別の部屋で摂らせれば良いものを」

シェリンドン「ええ。私は、貴女達とお話をして相互理解をしたいと思いまして。 特に私達、『コスモ・クルス教』について知って頂こうかと」

海風「『人の生命は魂の修練場である』、貴族主義をベースにした教義でしたね。そして『特別な力』を持つ人間を『神によって争いを無くす為に力を与えられた人間』として集め、貴族として育て上げること。

海風のスカウトに訪れた人間が持っていたパンフレットにはそう書いてありました」

シェリンドン「ええ、仰る通りです。 そしてここに居る皆様は我々の掲げる『貴族』に相応しい人間です」

神通「…私も、ですか?」

シェリンドン「ええ。 貴族とは血筋などではなく『高貴な精神』や『高い能力』を持つ人間こそが名乗るに相応しいものです。

選手権地区決勝において貴女は自身を犠牲にしてでも単身で『裁き』に立ち向かった、その精神はまさに貴族に相応しいと言えるでしょう」

霞「冗談じゃ無いわ、貴族なんて…」

シェリンドン「それにこの世界で始めて『本当の進化』の戸口に立った者、未来を視ながらも恐れず友の為に立ち向かう者、姉妹の為に自ら進んで戦に身を投じる者…

高潔な精神を持つ貴女方を貴族と呼ばず、何を貴族と呼べと? だからこそ貴女達を『保護』致しました。共により良い未来を目指す為に」


イベント 直下
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 09:17:23.60 ID:CSmeaSPy0
バビロニア学園バトル部との模擬試合を提案してみる
117 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/28(木) 03:32:53.63 ID:zuVYlXQ/0
シェリンドン「そうですわ! 貴女達、我が校の学生と模擬戦をしてみませんか?」

海風「模擬戦?」

シェリンドン「貴女達はガンプラバトルで全国大会に昇り詰める強いファイター、そんな貴女達の戦いをこの目で見てみたいのです。

もしかすれば、共に轡を並べて戦うこともあるかもしれませんし」

霞「確か、バビロニア学園は…」

海風「イズナさん率いるチームに敗退しています。 ほぼ単機相手に圧倒されて」

シェリンドン「…」

神通「機体は『ベルガ・ダラス』『デナン・ゲー』『デナン・ゾン』、CV系統の機体でしたね。確か1/144のキットは無いのでフルスクラッチでしょう」

シェリンドン「ええ、我が校の優秀なビルダーが…」

海風「でも素組のデスティニーガンダム単機に全滅させられました」

シェリンドン「…」

天城「そしてそのチームを破ったのが海風さん達ですよね」

海風「榛名さんからガン=カタを教授されたとは言え実戦経験が浅かった朝雲さんがイズナさんを倒し、海風と先輩が残る二人を倒しました。

確かに機体スペックでは朝雲さんのストライクがデスティニーより秀でていましたが、優秀な成績を残したボクサー相手に狙撃機で肉弾戦をやって勝っています」

天城「朝雲さんの適応力は異常としか言えませんが… ガンプラは性能差があっても頑張れば実力で覆せます。覆されたと言う事は…」

海風「正直… その程度、と言う事です」

シェリンドン「…」

霞(海風、ちょっと喧嘩売ってない!?)

神通(言いたくなる気持ちはわかりますが… 勝手に『共に轡を並べる』、私達の側が引きずり込まれる可能性もある、と言っていますし)

海風「それに、海風達は今自分の機体を持っていない。 それはフェアではありません。 対等の条件下、そうでなければ我々の側が不利でしょう。

我々は貴女達に無理矢理拉致され、貴女方のホームグラウンドに無 理 矢 理連れてこられているので」

天城(あ、キレてます。 姉さんと似たキレ方してます…)

シェリンドン「…良いでしょう。 対等な条件、とは?」

海風「まず最低限、こちらにそちら側の使う機体と同程度のスペックの機体か『こちらの本来の機体』を用意する事です。 後者は絶対に不可能、ですから前者の条件です。

そして我々がそちらの用意した機体に馴染むための慣熟訓練の時間、そして貴女方のチームにも『初めて使う同程度の性能の機体でありこちら側と同じの慣熟訓練の時間である』ことが最低限の『対等』でしょう」

神通「確かに、条件は同じですね」

霞(でも、これは対等に見せかけてこちらの有利な条件よ)

天城(どんなに条件がイーブンだとしても、ファイターの側に性能差があり過ぎる。 絶対に『対等』とはなりません…)

海風「もし貴女が言うように貴族とは優れ・秀でた者だと言うのならば… このくらいの条件、当然でしょう?」

シェリンドン「構いません… ただこの勝負、我が学園の生徒全員に観戦してもらいましょう」

海風「衆人観衆下での戦いは慣れています。そのくらいは構いません」

シェリンドン「すぐに機体の一覧とスペック表をデータにして持って来させなさい。 自分の機体は自分で選んでいただきましょう。その後で我々の側が機体を選択致します」

海風「ええ、それで構いません」
118 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/28(木) 04:07:22.34 ID:zuVYlXQ/0
「こちらがリストです」

海風「ありがとうございます」

霞「色々あるけど… 何と言うか、偏りが酷いわ」

神通「『クロスボーン・バンガード(U.C.0123年)』『OZ』『ギャラルホルン』、貴族系軍隊系ばかりですね」

シェリンドン「当然です。 高貴な者が使う機体は高貴であるべき、故にその系統で揃えています」

天城「そしてものの見事なまでにガンダムタイプがありませんね」

シェリンドン「『ガンダム』とは時代の象徴であると共に反逆の象徴でもありますから」

海風(また変なこだわりを…)

神通「つまり3系統の軍隊の量産機や一部試作型だけ、と言うことですね」

霞「その中でも局地戦機は使えないから絞られて…」


使用可能機体
OZ系
・トールギス(T・Uのみ)
・リーオー
・トーラス
・ビルゴ
・メリクリウス
・ヴァイエイト

クロスボーン系
・デナン・ゾン
・デナン・ゲー
・エビル・S
・ベルガ・ダラス
・ベルガ・ギロス
・ベルガ・バルス
・ダギ・イルス
・ビギナ・ギナ
・ビギナ・ギナII
・ビギナ・ゼラ

ギャラルホルン系
・ゲイレール・フレーム系統
・グレイズ・フレーム系統(ただし改・改弐などの外部組織流出機体は使用不可)
・レギンレイズ・フレーム系統
・ヘルムヴィーゲ・リンカー


天城「選択肢の幅が広いように見えて狭いですね」

海風「グレイズ系統のバリエーションが豊富なのが救いでしょうか」

神通「ちゃんと『シュヴァルベ』や『アイン』、『リッター』に『シルト』… 『フレック』まで揃えているとは」

霞「この中から機体選ぶの、キツイんじゃない…?」


機体選択
・海風(指揮官・近接寄りオールラウンダー) 直下
・神通(近接特化型) 下2
・霞(砲撃特化型) 下3

条件
・上記リストの中の機体から選択すること
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 04:36:34.81 ID:3i9vC8Jf0
グレイズ・リッター(マクギリス機)
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 09:20:54.11 ID:71nowiNA0
レイギンレイズジュリア
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 09:39:34.23 ID:RWlVnqHB0
ビルゴ
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 09:43:25.31 ID:ruFbEeF60
ビギナ・ゼラ
123 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/29(金) 03:04:30.17 ID:OkIda45E0
霞「…私は『ビルゴ』にする。 完全な砲撃型がこれしか無い以上、選択肢は無いわ」

神通「では私は… 機動力を活かして格闘戦を行える『レギンレイズジュリア』をお借りします」

海風「では海風は『ヘルムヴィーゲ・リンカー』、と言いたい所ですが… 海風は指揮官、なので『グレイズリッター』を使わせて頂きます。

ただし3種のタイプの内、指揮官型で格闘向けのマクギリス機をお願いします」

天城(…成る程、バランスの良い編成です。 霞さんが後方支援に徹し、海風さんは前線に立ちながら戦況を見極めた上で指示を下し、神通さんが前衛を務めて敵を圧倒する。

それぞれが与えられた役割に徹する事で個々の能力不足を補う。 あの時、以前に阿武隈達と戦った時より成長していますね)

シェリンドン「ではその通りに。 模擬戦は明日の午後から、午前中の間はそれぞれ慣熟練習を行う、でよろしいでしょうね」

海風「ええ。 それでようやく対等、ならば文句はありません」

海風(しかしこんな罠にひっかかるとは思えない、何か仕組んでいるのでは…?

ここはバビロニア学園、『特殊な力』を持った人間をかき集めた場所… 警戒はしておきましょう)



《霞達の部屋》

天城「霞さん、少々宜しいでしょうか?」

霞「何ですか?」

天城(ここからは感応波を使います。 分かりますか?)

霞(はい、一応は…)

天城(なら良かった。 先程姉さんから、救出の算段が整ったと連絡がありました)

霞(何時の間に!?)

天城(姉さんと天城は例え距離や遮蔽物があろうと関係なく放った感応波を拾うことができます。所謂テレパシーのようなものです)

霞(じ、地味に凄い事してますね…)

天城(救出作戦は瑞鳳さんと共同、ただその前に姉さんと間宮さんが一発大きな花火を上げると)

霞(花火…?)

天城(完全な嫌がらせ目的です。 警備員を疲弊させて、まともに警備出来ないようにする為の)

霞(い、嫌がらせ…)

天城(ですので、夜中ちょっと五月蝿くなるかもしれないので注意してください)

霞(あ、はい)

天城「ふぅ…」クラッ

霞「天城さん!?」

天城「大丈夫です… これは天城が姉さんと違って、『出来損ない』だからです…」

霞「出来損ない…?」

天城「天城の感応は、本来姉さん限定なんです。 姉さんとは物理・距離関係なく感知できますが、それ以外の人とやると脳に過負荷がかかって疲弊するんです」

霞「そうなんですね…」

天城「私は姉さんより弱くて、出来る事だって姉さんより多くは無い… だけど天城は姉さんを、阿武隈達を守りたいから…」

霞(イマイチこの人と榛名さんの関係が解らない… なんでこんなにも、榛名さんに固執するんだろう…)


視点選択 直下
1.天城『騎士であること』
2.榛名『独白』
124 :全治全能の未来を予言するイケメン金髪須賀京太郎様に純潔を捧げる [sage saga]:2017/09/29(金) 05:08:08.78 ID:eS+s3o8f0
安価(pq´v`*)ァ-d♪ですか?

榛名イケメン金髪王子須賀犯される

天城赤城加賀と合流する
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 05:26:50.49 ID:YPud6Heb0
>>124 荒らしはタヒね

安価1で
126 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/09/30(土) 04:57:08.65 ID:SusAvgsg0
side-天城-『騎士であること』


霞「あの… 天城さんは、榛名さんをどう思ってるんですか?」

天城「どう、とは?」

霞「それは… 何か、榛名さんに拘り過ぎているような…」

天城「そうですね… 天城にとって姉さんとは敬愛の対象で、恐らく霞さんの考えた通りの感情を抱いています」

霞(あのカラオケで歌った歌、まさか… 自分のことを…?)

天城「そして同時に憎らしくも、羨ましくも思ってます」

霞「え…?」

天城「姉さんは… 昔から天才肌で何でも出来たんです。 ガンプラだって上手に作れるし、色んな事が出来ます。

だけど天城は何も出来ない。 勝っていることなんて両手で数える程しかありません」

霞(劣等感、まるで海風ね…)

天城「…少しだけ、昔話をしましょうか」



天城「姉さんは昔から何でも出来ました。 そして友人も多く、ガンプラバトルも強かった…

そんな姉さんに天城は憧れていた… だって天城は、何も持っていなかったから。不器用過ぎてガンプラ一つまともに作れない、それが天城だったんです」

霞(いや、天城さんも充分バケモノに片足突っ込んでるけど…)

天城「だけど憧れると同時に姉さんが恐ろしかった」

霞「恐ろしい…?」

天城「何でも出来てし、どんな無茶振りでも平気でやってのけて平然としている… それが天城には怖かったんです。

血を分けているのに、バケモノなんじゃないかと。 最早姉さんが天城とは違う、別の生き物だと思うほどに…」

霞(別の生き物、か…)

天城「そして姉さんはメイジン候補生の一人としてガンプラ塾へと入塾し天城と離れて暮らすようになりました。そして天城は姉さんに成り代わろうと、日陰で生きるのが嫌で努力を重ねました。

お陰と言うか何というか、バトルだけなら姉さんに匹敵できる程にはなりましたが… だけどそこである事が起きました」

霞「ある事…?」

天城「ガンプラ塾に通っていた姉さんが心を壊し、退塾して帰郷したんです。 メイジン候補生で最もメイジンに近いと言われた姉さんが完全に塞ぎこみ、荒れて…

だけどそれで分かりました。 姉さんだって心の通った人間だったのだと、天城と大差無いのでは無いかと」

霞(他の人と大差の無い人間… 私は…)

天城「そして天城は姉さんを護る『騎士』になろうと思い、頼み込みました。天城に『スレイプニル』を作って欲しいと」

霞「スレイプニルを?」

天城「はい。 スレイプニルは元々、姉さんが大好きだったゲームのスーパーロボット大戦に登場するオリジナル機体、『騎士機ラフトクランズ』をモチーフにした機体です。

そして姉さんが好んでいた機体である『RX-0』シリーズをベースに『ラフトクランズ』をアレンジしたのがスレイプニル、と言う事です」

霞(あれモチーフあったのね…)

天城「天城じゃ上手くガンプラは作れない、だけど天城は姉さんを守るためのガンプラが欲しかった。 

姉さんが戦わなくても良いように、姉さんを守るために… そして生まれたのが『スレイプニル』です。オマケで『スヴァジルファリ』もできましたが」

霞(アレをオマケで作るって…)

天城「そしてこの昏睡事件、昏睡病との戦いが始まって… 姉さんが戦うのなら、姉さんや妹達を守る『騎士』としてこの戦いに身を投じました。

姉さんの反対を押し切って、姉さん達を護る為に。 それが天城の決意です」

霞「天城さん…」

天城「まぁ、本物の騎士だった家系の人が居るので天城は完全な自称レベルですがね」

霞「え」

天城「ウォースパイトさん、あの人の家系は元々古い時代は騎士だったと。 今は世襲貴族の階級ですが、元来は騎士の家系だったとか」

霞「あの人一体何なんですか!?」
127 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/01(日) 00:37:05.20 ID:CBfIgMX60
《一方その頃》


「『ダイバー』、作戦開始します」

「了解です、『フィクサー』… って私もこれやらなきゃ駄目ですか?」

「駄目です」

「やっぱり… まぁ良いですけど」


警備員E「なんだ?」

「お疲れ様です。 シェリンドン様の命で、警備の方々にお食事をお持ちしました」

警備員F「…見ない顔だな」

「はい。専属のコックとして最近雇われたものですから」

警備員E「成る程な… では頂こう」

警備員F「美味い… こんなに美味いとは…!」

「沢山あるので、たっぷり食べてくださいね。 私は他の方々にも振るわねばならないのでここに籠を置いておきます」


数十分後…


警備員E「う、うぐぅ… も、漏れ…」

警備員F「は、腹が…!」

警備員G「く、糞… 俺も うぐっ…!」

警備員H「し、至急応え… こ、交代要員を…! な、全滅だと!? あの女、宿舎の警備員にも…!」


榛名「上出来です、ダイバー」

間宮「罪悪感が…」

榛名「犯罪者とそれに組するものに人権は無い、是非もありません」

間宮「…あと榛名さん、少々お叱りが」

榛名「え…?」

間宮「何でこんな勿体無いことするんですか! これでは食材が… せっかく農家の方々が育ててくださった食材を、こんなに無駄にして!」

榛名「サンドイッチ1個だけなら少々お腹がゆるくなる程度の下剤しか入れてなかったんですけどねぇ… 味でバレないようにするために」

間宮「逆に皆さんが何個も食べること分かっててやりましたよね!?」

榛名「当然です。 間宮さんの料理美味しいですし、例えサンドイッチでも」

間宮「褒められてるのに嬉しく無い…! そんな事する人は、暫くご飯抜きです!」

榛名「そ、そんな! ご、ごめんなさい!」土下座

間宮「そんな事をしても無駄で…」


警備員I「居たぞ! アイツらだ!」


間宮「み、見つかった!?」

榛名「当然です。 顔も隠さずやっていた以上、こうなることは必然… トマホォォォクッ、ブゥゥゥメランッ!」ブォン

スパァン

警備員J(全裸)「え… あ…!?」

榛名「ここからは榛名の時間… 青葉さん達程派手な事はしませんが、全員を全裸にしてここをイカれた全裸カルト教団にしてしまいましょう。

榛名は人は殺さない、その洋服をひっぺがします! まみ、ダイバーは撤収準備を! ハイヤーが待機しています!」

間宮「あ、はい!」
128 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/01(日) 03:50:39.76 ID:CBfIgMX60
警備員J(全裸)「く、糞! 服が…!」

警備員K「う、うわぁぁぁぁぁっ!」スパァン

榛名「この程度の戦闘能力で私兵を名乗るなど… 知り合いのPMCの方がまだ戦い甲斐がありました」

「それ以上はおよしなさい。 この方達はあくまでも警備の為の者、本格的な戦いは出来ないのです」

榛名「…騒ぎを察知してお出ましになりましたか、シェリンドン・ロナ」

シェリンドン「お久し振りですね。 まさか、襲撃犯が貴女だったとは」

榛名「妹が攫われ、部下が身体を張った以上こちらとしても動かない訳にはいかないのですよ。

さて、妹と海風さん達を返して貰いましょう」

シェリンドン「彼女達は、戦いを望んでいるのでしょうか?」

榛名「少なくとも4人は望んでいますよ。 こちらには戦わなくてはならない理由がある、それを貴女達の教義と言う建前で潰すなどあってはならないことです」

シェリンドン「何故戦うと言うのですか? 我々と共に『裁き』を乗り越えれば確実な未来を手に入れることが出来るのに」

榛名「それでも、自らの手で未来を掴みたい… それが間違っているとでも?」

シェリンドン「人は争いを止められない生き物、だけど『進化』した彼女達は違うと思いましたが…」

榛名「その『進化』を消そうと言うのが昏睡病、貴女達の言う『裁き』です。 その本質は『EXAMシステム』、ニュータイプを狩るもの…

例え『裁き』を生き延びたとしても、その先には緩やかな滅びしか残りません。 滅びに抗うことが悪なのですか?」

シェリンドン「それは…」

榛名「少なくとも榛名は、榛名達はそんな未来は容認出来ない。 だから抗うと決めた、それを誰にも邪魔させません。

それに三人には阿武隈達と戦って貰わないと色々困るんですよ。後々禍根が残りますし」

シェリンドン「賢明、とは言え無い判断ですね」

榛名「滅びを待つより、抗うほうがずっとマシです。 それに榛名は『進化』には到っていない…

到っていたとしても、榛名は人で良い。 それ以上もそれ以下も望みません。 さぁ、四人を返して…」

「姫様!」

「居たぞ!アイツを捕まえろ!」

榛名「今頃警護の連中が出てきましたか… この数相手では骨が折れそうです。 ここは、退きましょう」

シェリンドン「待ちなさい! 貴女も我々と…」

榛名「冗談を言わないでください。 未来を望む者が、滅びをただ待つだけの愚か者と手など組むわけ無いでしょう。

理想と現実は全く違う。 そんな判断も出来ない人間に与するくらいなら、自ら戦って散る方が余程良い。 それに…」

古鷹『榛名さん! 早く!』

榛名「狼は何者にも縛れません。例え鎖に繋がれたとしても噛み千切り、例神だって殺して見せます」ダッ

「クソッ…! 追え!」

「大丈夫ですか、シェリンドン様!」

シェリンドン「ええ…」

シェリンドン(私達が間違えている…? そんな筈、ある訳が無い… あっては、なりません…!)
129 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/01(日) 04:46:12.94 ID:CBfIgMX60
あ、ミス…

榛名の最後の台詞『例え鎖に繋がれたとしても噛み千切り、神だって殺して見せます』 です。 すみません



《翌朝 食堂》

霞「今日はどうやら警備が少ないようね」

シェリンドン「ええ。 ウチの学生の警護にまわしましたわ」

天城(嘘ですね)

海風(警備員の何人かがこちらの部屋のトイレに駆け込みましたからね)

神通(下剤か何か盛られたのでしょう)

シェリンドン「手薄とは言え、分かっていますね?」

天城「ええ、まだ死にたくは無いもので」

シェリンドン「…良いでしょう。 午後の練習試合、期待しています」



《バトルルーム》


天城「まさかこんな部屋まであるとは…」

神通「では各自、まずは与えられたガンプラの確認を。 装備や可動範囲に異常がないか確認してください」

海風「グレイズリッター、問題ありません。 装備も陸戦・宇宙戦どちらにも対応できます」

霞「ビルゴは… 正直可動が狭いですが、なんとかなるかと」

神通「レギンレイズは… 剣の方も大丈夫です。 リード線で伸縮できるようになってます」

霞「正直アレ凄くめんどくさそうなのに…」

天城「まぁビルダーとしてある程度は出来るようです」

海風「あとは敵機の情報があれば… 無いものねだりをしても無駄ですね。 練習したほうが10倍マシです」

神通「そうですね… では天城さん、アグレッサーを頼んでも?」

天城「ええ、構いません。 機体は『ベルガ・ギロス』を借りてきていますし」

海風「では演習、はじめましょうか」

イベント 直下
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/01(日) 19:18:41.58 ID:ii53tqaj0
遠隔操作で何者かのザクVが乱入
131 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/02(月) 01:54:45.06 ID:JW5dVA8o0
「もしこれでこちらの機体が介入出来たら… 学校の乱入犯はこの手口だと確定する訳ですか」

「ええ。 じゃあお願い。 program start!」


天城「これで、終わりです」

神通「…参りました」

天城「ですが皆さん、流石です。 こちらも追い詰められました」

海風「いや、全然追い詰められてないような…」

霞「確かにあのビスマルク?だったか… あのロリコン倒した時にそんな片鱗垣間見たけど… いくらなんでも強すぎよ…」

神通「つまり世界大会上位を狙える程の技量だと…」

天城「まあ地位も名誉も興味無いので参加しませんが…」


BATTLE NEW ENTRY


海風「え…?」

神通「二人共、警戒を!」

霞「まさか、外部からの乱入者!?」

天城「スクランブルの時と同じ… え…?」


4機の前に立つ機体、それは彼女達が今使っている系統から外れた機体だった。モノアイが妖しく輝く白い機体、そして三人の機体と比較し大型の機体が銃口を向ける。

だが敵意は皆無、それどころかその機体の操り手を海風と天城は悟った。


海風「えっと… それ、この前間宮さんのところで朝雲さんとの訓練で使った『ザクV』ですよね?」

霞「…ん?」

神通「白に塗られたトワイライトアクシズ仕様のザクV改… この色って…」

天城「何やってるんですか姉さん…」


頭を横にブンブンと振るザクV、明らかに図星を突かれて焦っているようにしか彼女達には見えない。

そして誤魔化すようにショートバレル・ビームライフル二丁の照準を合わせ、殺気を放つ。


天城「『どこを撃ち抜かれたい? 5秒以内に答えればリクエストに応えてやる』… 絶対こう言おうとしてますね」

霞「朝雲のアレって榛名さん譲りなのね…」

天城「と言うか『マジンカイザーSKL』ですね。姉さん割と影響受けてますから」

神通「なんでそこなんですか…」

海風「と、ともかく… 練習に付き合ってくれるそうなので、お言葉に甘えて胸をお借りしましょう」



海風「やあああああああっ!」


両腕に持ったブレードでザクVに近接戦を挑む海風、だがその斬撃をザクVは跳躍して回避する。

そしてザクVの脚部に向けレギンレイズジュリアのソードが放たれ、脚部に巻き付く。


神通「霞さん!」

霞「チャージ完了、いきなさい!」


ビルゴのビーム砲の照準を合わせ放つ霞、その一撃はザクVを捉えたかと思ったがザクVは脚部のスラスターを巧みに使いレギンレイズの剣から抜け出し砲撃を回避した。

そのままザクVがビルゴの背後に着地し、手に持ったライフルの銃口を頭部へと押し付ける。


霞「で、出鱈目過ぎる…」


そしてザクVは引き鉄を引き、ビルゴの頭部がビームで撃ち抜かれビルゴは機能を停止した。
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 09:33:37.75 ID:sKLTPHYm0
ビルゴあっさりやられたけど霞はプラネイトディフェンサー使わなかったのかな?
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 13:11:30.36 ID:jgSejhYlO
そりゃいきなり背後に跳躍してくる機体に対応するほうが無茶だろ
しかも展開したとしてもビルゴのPDは3つしか無いから正面以外守る余裕無いだろうし
134 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/03(火) 03:19:10.49 ID:Vu1cANIH0
神通「あっという間に霞さんが…!」

海風「まぁ格闘戦能力皆無のビルゴではこうなるのは分かっていましたが… ディフェンサーも展開遅れてましたし」

霞『何冷静に分析してんのよ! 分かってたならフォロー入りなさいよ!』

海風「あんなアクロバット着地やってのけるなんて誰が想像出来ますか」

天城「その動きをザクVでやってのけるのが姉さんです。 姉さんは機体によって戦闘スタイルを変えますが、特にザクVの時は妙にアクロバットになるんです」

神通「また妙なところで変な能力を…」


グレイズとレギンレイズの前に再び立つザクV。装備していたライフルを地面に落とし、今度は腰に装備されていた2本のヒートホークを抜く。

そして今度は二丁のヒートホークを持って残る2機へと踊りかかった。


海風「来る…!」


振り下ろされるヒートホークをブレードで防ぐグレイズ、だがザクVにパワーで負け押されてしまうが何とか鍔競り合う。

しかし海風は忘れていた、ザクVの口部に内蔵されているビーム砲の存在を。そしてそのビームが放たれグレイズの頭部アーマーが吹き飛んだ。


海風「せ、センサーが…!?」


そのままグレイズの腕部を蹴り上げブレードを吹き飛ばしヒートホークを胸部へと振り下ろす。

グレイズは成す術も無く胸部を抉られ、その場に擱座した。


神通「海風さんまで…!」

天城「仕方ありません…」


見かねた天城のベルガ・ギロスが神通のレギンレイズの横に立ち、ショットランサーの矛先をザクVへと向ける。

そして珍しく殺気を放ち、天城はトリガーへと指を掛けた。


天城「姉さん、これ以上戦うと言うのであれば… 天城も相手になります」

神通「天城さん…?」

天城「これでは単なる弱いもの虐めです。 そう『なりたく無い』からメイジンの座を降りたのに、それを行うつもりだと言うのなら…

貴女は先代以下、嫌っていた筈の外道に成り下がることです。 そうなりたいと言うのなら天城を倒しなさい」


そう天城が告げるとザクVはヒートホークの発熱を止め、腰へとマウントしなおす。

通信ウインドが開き、そのファイターの素顔が露となる。


間宮『え、えと…』

神通「ま、間宮さん!?」

天城「やはり間宮さんでしたか… その機体、管理してるのは貴女の筈ですからね」

間宮『す、すみません… どうしても、って榛名さんが』

天城「だからって完全に戦闘スタイル真似て襲い掛かるなんて… 確かに間宮さんの技量なら可能ですが、些かやり過ぎです」

榛名『流石に天城には気付かれましたか』

天城「はい。 姉さんにしては卑怯な行いに迷いが無かった、それだけで判断材料は充分です」

神通「と言うかどうやって介入を?」

ウォースパイト『違法バトル用の遠隔操作システムよ。貴女達の学校に放置されていたのを発見して、試しに使ってみたのだけど』

神通「あ、ウォースパイトさん… 私達の学校にあった、とは?」

ウォースパイト『言葉通りよ。恐らくこれでスクランブルを遠隔で介入させたの。 今は有線ネットワークをハックしてそちらのシステムに介入してるのだけど。

でもこれで、手口が分かったわ。犯人のバックには恐らく、これを作ったマフィアの存在が…』ザザザ

天城「どうかしましたか!?」

榛名『バッテリー、が、無くなり… では気を、付け、て、くださ…』ブツッ
135 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/03(火) 03:57:24.94 ID:Vu1cANIH0
BATTLE END

神通「切れましたね…」

天城「はい。バッテリーぐらい充電しておいてくださいよ…」

神通「全くです… しかし収穫が無い訳でもありませんでしたね」

天城「資金源と成りうるマフィアの存在、薬物としてナノマシンが流れていた時点でそにの節がありましたが…」

神通「はい。そして簡単に犯人が見つからないのも匿っているから、と考えれば不自然ではありません。

ナノマシンを流通させて昏睡病を拡散させ、資金を入手出来て世間の目を免れられると考えれば行き着く先は当然でしょう」

海風「しかし、何処のマフィアが流通させたのかが気になりますね」

霞「少なくとも日本に影響力を持つマフィア、って考えれば…」

神通「…心当たりが一つ」

天城「どうかしましたか?」

神通「お母様は以前、飛龍さん達と一緒に大会に出た時にあるマフィアの妨害を受けたと聞いた事があります」

海風「何故マフィアが…」

神通「ある選手が飛龍さん達には絶対に敵わない、そう考えマフィアを雇い大会中に遠隔操作で介入させて機体の破壊と妨害を試みたんです。

結局は蒼龍さんに返り討ちにされ、主犯も大会と同時開催されていたお祭りでバトルをしていたお母様に嫌がらせを再度仕掛けようとしたものの逆に見つけられ締め上げられたとのことです」

霞「で、そのマフィアは?」

神通「既にマジギレしたお母様と親戚一同にアジトに乗り込まれ日本の支部は壊滅している筈ですが…」

海風「敵にまわして塵一つでも残ってる訳無いじゃないですか」

天城「そうですよね… ですが再び日本にやってきた、と考えれば不自然ではありません」

霞「その遠隔操作用のシステムをナノマシンを強奪した犯人に与えて… まさか瑞鳳さんに復讐でもするつもりなの…!?」

神通「!?」

海風「その可能性は否定できません。 未来では瑞鳳さんは生き残っていますが、周囲の人が皆…」

天城「問い質せば済む事です…! 瑞鳳さんに伝えて、もう一度乗り込ませましょう」

神通「と、その前に… どうしましょう、グレイズとビルゴ…」

霞「ビルゴは完全に頭が壊れてるし…」

海風「グレイズも中々の被害が…」


その後、全力で修理に時間を費やした…
136 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/04(水) 04:10:58.01 ID:hdD2EN5S0
そして午後…


『ではこれより小沢学園『フリューゲル・ヴェント』と我等の精鋭、『バビロニア・バンガード』との練習試合を行います』

神通(人が多い… おおよそ800人程、と言ったところでしょうか?)

霞(さすがに宗教系だからウチよりは多くない… でも…)

海風(静か過ぎる… 何だか、異様な… それに大会に出ていたのは『貴族科のチーム・バビロニア』だった筈です)

天城(何この感じ… 何だか、見透かされてる様な…)


『それでは、シェリンドン様からお言葉です』


シェリンドン「親愛なる皆様へ、こんにちは。我が校の理事長を務めるシェリンドン・ロナです。

まず本日お越しになった彼女達『フリューゲル・ヴェント』には感謝の言葉を申し上げます」


神通(白々しい… 無理矢理拉致したものを…!)

天城(槍があれば今すぐその頭蓋を穿っていたものを…!)


シェリンドン「そして彼女達は我々、『コスモ・クルス教』の教えの下『裁き』を乗り越える同志として共に手を取りあえる関係になれる事を望みます。

この交流によって我々を知り、我々と共に歩む共存の道を…」


海風(何だろう、今無性にどこぞの姉以上に殴りたいです)

霞(抑えなさい。私も今必死に我慢してるから…!)


シェリンドン「では皆様、良い戦いを期待しています」


『ありがとうございます、シェリンドン様。 次に、メンバー紹介です。 フリューゲル・ヴェント側は神通さん、海風さん、霞さん、そしてオブザーバーの天城さん。そして我が校は―――』


海風(やはりメンバーが以前と違う… 何か仕込んできてる…!)

神通(彼等は、一体何を…)

霞(でも、何があろうと倒すまで… ここを越えられなきゃ、定められた未来を壊すことなんて出来やしないわ…!)


『では、試合開始です!』


Please set your GP Base

Beginning plavsky particle dispersal

Field to "Forest"

Please set your GUNPLA

BATTLE START!


神通「レギンレイズジュリア、神通…」

霞「ビルゴ、霞!」

海風「グレイズリッター、海風! フリューゲル・ヴェント、全機続いてください!」
137 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/04(水) 04:45:37.02 ID:hdD2EN5S0
霞「フィールドは森だけど… 地面が、ぬかるんで…!」

神通「どうやら湿地帯がステージのようです」

海風「各機、ホバーに切り替えてください。 ここは遮蔽物が多いのでなるべく隠れながら…」


海風が指示を行おうとした瞬間、一条のビームが地面を抉る。

そして降り注ぐビームの雨に、霞は前に出てプラネイト・ディフェンサーを展開して攻撃を防いだ。


神通「もうここを察知した!?」

霞「どうやら、アンタのプランは練り直しが要るわね…!」

海風「…相手には恐らく『こちらの思考を読む能力』を持った人間が居るようです…!」

神通「なっ…!?」

霞「多分全員ソレよ。完全に、見抜かれてる…! 観戦してる連中の他に、私達を『見透かしてる』連中が三人居るわ!」

海風「予測した中でも最悪の状況… しかし手立てが無い訳ではありません。 各機、応戦開始! フォーメーション・アクティヴディフェンス!

地形を活かして防戦しつつ敵の隙を窺います!」

神通「敵の思考を読む相手… ならこちらにも手立てはあります…!」

霞「それに海風、負ける気は無いんでしょ?」

海風「勿論、既に倒す策はあります」

霞「ならアンタに従う… 私はアンタに全部、賭けるわ」

海風「ならその期待に応えましょう。 全機、展開!」

神通・霞「了解!」


着地する敵MS3機、それを気配を完全に殺して潜む神通。 思考を全て無にして息を潜める。

そして3機のMSの機種を神通は見極めた。


神通「敵機3、機種は『ダギ・イルス・パワードウエポンタイプ』『ビギナ・ギナU』『ベルガ・バルス』です」

海風「了解、先輩は離れてください。 敵は恐らく既に先輩を察知しています」


海風の通信と同時に3機からレギンレイズへと攻撃が行われる。神通は樹や岩などの遮蔽物を活かしながら後退した。

そして海風は敵の動きを予測し、霞に指示を下す。


海風「霞、砲狙撃戦開始。 先輩の後退をフォローしてください」

霞「了解。 でも引っかかるかしら?」

海風「ええ。 海風の予測では恐らく…」


放たれるビルゴの砲撃、3機は回避行動を行い今度はその矛先を霞達へと向けた。

ここまでは海風の想定の内、そしてこれで海風は確信を得る。


海風「やはり敵は能力者、ですが本来ファイターでは無い人間のようです。 あの動作、そして統率が取れて無いことを見ると経験が浅く実戦経験皆無なファイター…

いくら超能力者と言えど、我々訓練を受けたファイターに比べれば素人同然… 敵ではありません…!」


行動安価 直下
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 08:47:45.55 ID:UcP747ht0
一瞬、相手に隙ができたのを察知する
139 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/05(木) 03:27:25.70 ID:IbjFISNo0
霞「敵がこっちに食いついた! 海風!」

海風「行きます! このまま支援砲撃を続行してください!」


霞へと攻撃が集中したのを確認し、海風はライフルを放ちながら3機へと距離を詰める。これこそ海風の望んだ『隙』だった。

敵のMSはそれに気付き対応しようとするが霞の砲撃に気を取られ、さらには海風の複雑な機動に翻弄されて迎撃が出来ない。


海風(やはりこちらのやる事を読んでいても対応出来ていない… 訓練はしているようですが、技量はこちらが上!)

海風「まずは…!」


3機を牽制しつつ中央に突撃するグレイズ、そして海風は機体を跳躍させて敵の背後へと回り込む。

包囲を恐れた敵はようやく分が悪いと悟り退避を行うがそれこそが海風の狙い目、逃げた先には…


神通「成る程… 敵の思考を覗き見る、確かに戦闘では多大なアドバンテージになりますね。しかし…

それが私に通用するかどうか、そしてファイターとして卑劣である事を除けば、ですが」


待ち受けていた神通のレギンレイズ、神通はブレードを構え戦闘態勢へと移行し敵の3機も構えた。

だが敵に思考を読まれている以上3機相手に神通は完全に不利、しかし神通には『切り札』がある。


神通「ならこちらも本気でいきましょう。私は貴方達の様な卑劣な者は心底嫌いなので」


意識を研ぎ澄まし、思考を無にする。 彼女は瑞鳳の娘であり東方不敗の名を継ぐ一人、当然この域には到っていた。

そして瑞鳳同様肉体から少しずつ光が溢れ出し、輝きを帯びていく。


神通「明鏡、止水…!」


その名を告げると同時に神通は3機へと襲い掛かる。 彼等は動きを読もうと思考を覗くが読む事が出来ない。

レギンレイズの近接能力と神通の能力が合わさり、彼等は完全に神通に手玉に取られていた。


「こ、コイツ! 全く読めない!」

「思考が… 何も考えて無いのか!?」

「何だコイツはバケモノか!?」

神通「遅い…! それに加えて…」

海風「目先に囚われ過ぎです!」


木々の合間を縫い、跳躍した海風のグレイズが左腕でブレードを抜き放ち逆方向から斬りかかる。

ビギナ・ギナUのファイターは海風の刃をギリギリで受け止め、海風の思考を読もうとするがそれこそ海風の仕組んだ罠だ。


「な、う… うぷっ…!? こ、れは…」

海風「まず1機… 人の思考を、勝手に覗くからこうなるんです」


ブレードが胸部を抉り、そしてもう片方の腕で持っていたライフルでトドメを刺す。

海風が行っていたのは自身の能力行使、未来予測演算の使用をしただけである。ただし以前スドウ・シュンスケ戦で使ったリミッター無しの『本気』の予測だが。


「な、何をした!?」

海風「未来の分岐を予測しただけです。 並の人間が耐え切れる情報量ではありませんが」


全力行使、一瞬でも脳の『現在使用していない領域全て』を使い予測を行ったことで情報量は常人が処理可能な量を遥かに超えていた。

それを全て読み取る、と言う事は自らの脳を自分で破壊したのと同義である。 要は海風は自爆させただけ、ただし彼は暫く立ち上がる事すら出来なくなるが。
140 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/05(木) 03:55:00.62 ID:IbjFISNo0
「貴様ぁぁぁぁぁぁぁっ!」


仲間を倒され激昂するベルガ・バルスのファイターは海風に襲い掛かる。 海風はライフルを投棄し二丁のブレードを使い攻撃を受け流す。

ショットランサーによる刺突攻撃を防ぎ、グレイズは逆にブレードを使ってベルガ・バルスの左腕を切り落とした。


「くそっ!よくもこちらの仲間を… 卑怯な真似をして!」

海風「女性の頭の中を覗く変態に言われたくは、ありません!」


頭部にブレードを突き刺し、その首を抉り取る海風。分が悪いと判断したベルガ・バルスのファイターは後退を図ろうとするが既に遅い。

真後ろに迫っていたレギンレイズに気付かず、ソードで真っ二つに切り裂かれて撃破される。


神通「余所見とは、関心しませんね」

海風「残るは1機… ですが…」

神通「逃げられましたね。 まさか仲間すら見捨てるとは…」

海風「しかし彼は既に詰んでいます。逃げた先には…」


逃走を図り森を彷徨うダギ・イルス。 仲間を見捨てた彼は反撃の機会を窺う。

海風達は近接に特化した2機であり射撃型のダギ・イルスでは不利だと判断したからだ。だから距離を取って遠距離で仕留めようと考えたが…


「そうだ… ここから撃てば…!」

霞「残念だけど、終わりよ」

「え…?」


大出力のビームがダギ・イルスの腹部を貫き、その機体を爆散させる。

そしてその残骸の前に立って居たのは霞が操る『ビルゴ』だった。


霞「これでラスト。 戦闘終了、ね」


BATTLE ENDED

WinnerFlügel Vento""
141 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/06(金) 02:53:17.04 ID:b6jAu0m40
「あ、が… う、あ…」

海風「全く… この人を病院、出来れば脳に関する大きな病院に運び込んでください。 恐らく脳に損傷を受けています。

多分このままでは記憶障害どころか日常生活にも影響が出ますよ」

親衛隊A「す、すぐに!」

霞「アンタは大丈夫なの?」

海風「ええ。こちらは限界点は既に見極めていますから過剰な使用をしなければ大丈夫です」

シェリンドン「貴女… 何てことを…!」

海風「貴女に言われたくはありませんね。 わざわざ人の思考を覗き見れる人間を使って有利に戦おうとするなど…

貴族主義など、呆れて反吐が出ますよ…!」

親衛隊B「貴様!シェリンドン様に向かって…!」

霞「この際だからハッキリ言わせて貰うわ… 人を勝手に攫って自分の思想を押し付けて、ガンプラバトルを侮辱して、挙句人のプライバシーを覗いて…!

もう頭来た!この最低のドクズ共! 勝手に自爆しただけなのに逆ギレかましてんじゃないわよ!」

親衛隊C「コイツっ! 我々はお前達を守る為に、正義の為にやったと言うのに!」

神通「今まで大人しくしていましたがもう我慢の限界です…! 皆を人質にして脅した卑怯者が正義を語るな!」


ザワザワ

「攫ったって…?」

「そう言えば聞いた事が…」

「まさか昨日の夜の騒ぎは…」


シェリンドン「静まりなさい! 貴女達は我々を誤解しています。我々は…」

神通「どこが誤解ですか! 無理矢理、ガスまで使って誘拐した癖に! 昏睡病から護るなど、余計なお世話でしかありません!」

シェリンドン「貴女達は直情的過ぎます。もう少し大人になり、大局を見据えれば…」

天城「では大人の、年長の立場から言わせて貰いましょう。 貴女達の行いは紛うこと無き犯罪です。

どんな大義を翳しても、どんな理由があろうとも既に法や倫理を犯している以上既に貴方達は『悪』でしかありません」

シェリンドン「くっ… 親衛隊、四人を捕まえなさい!」

親衛隊D「大人しく…」

神通「破ッ!」ドガッ

親衛隊D「がッ…!?」ドサッ

神通「手は抜いています。殺しはしません…」

親衛隊E「馬鹿な、刀も無しに…!」

神通「私の本来の戦い方はこちらです。 剣術はあくまでも借りに過ぎません。ここからは本気です。

流派・東方不敗の名において、我が眼前の悪を葬らん…! 3代目・神通、参り…」


Beginning plavsky particle dispersal


神通「え…?」

海風「バトルシステムが、勝手に…?」

霞「この感じ… 何!?」

天城「ッ…!? 伏せて!」


BATTLE START


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォ!
142 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/06(金) 03:19:20.51 ID:b6jAu0m40
《外 青葉達のキャンプ》


古鷹「ッ!? こちら古鷹、緊急事態発生!」

榛名『どうかしましたか、古鷹さん!』

古鷹「講堂と思われる場所で謎の爆音が…」

衣笠「見て、アレ!」

古鷹「そして何か、大きな宝石みたいな塊が出てきました!」

榛名『宝石…?』

青葉「あれは… コード・ブレイヴ発動時に形成される粒子結晶!?」

榛名『まさか、粒子結晶の暴走…!? すぐに画像をこちらに!』

衣笠「こりゃヤバイね… ウォースパイトの言ってたやつでしょ、これ…?」

青葉「『スクランブルガンダム』と『新型粒子の小型結晶』が引き起こした事故、ですか… 確かに見た資料とそっくりな現象です」

榛名『分かりました。 3人は戦闘に備えつつ、現状待機を。 今から瑞鳳さん達に連絡しつつそちらに向かいます!』



《学園 講堂》

霞「いたた… 一体、何が…」

神通「全員、無事ですか!?」

海風「なんとか… 咄嗟に伏せたので…」

天城「ええ、こちらも何とか」

「全員、起き上がらないで。頭を下げて匍匐で移動してください」

神通「萩風、何時の間に…!」

萩風「姉さんが乱闘を始めそうになったので介入しようと思った矢先にこれですよ。今頭を上げれば確実に粒子結晶に頭をぶつける事になります。

それにここは何時崩壊してもおかしくはありません。 退路は確保済みなので一刻も早くここから退避します」

神通「分かりました。…それとあまり、周囲を見ないように」

海風「え…?」

天城「もう遅いですよ… 何ですか、これは…!」

「あ、が…」

「助、け…て…」

霞「これって…」

萩風「粒子結晶が身体を貫いている… この出血では、どの道助かりません」

海風「そんな…」

萩風「粒子結晶は今も増殖しています。 死にたくなければ周りを見ないで、一気に脱出します」
143 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/07(土) 03:34:36.27 ID:fCPwEBne0
《講堂 地下道》


萩風「急いで! 粒子結晶の増殖がここまで及んでいます! ここも長くは持ちません!」

海風「一体、何がどうなっているんですか!?」

萩風「後で説明します! 今は早く、この場から逃げないと…!」

霞「掻い摘んででも良いから何か教えなさいよ!」

萩風「プラフスキー粒子の暴走です! 粒子結晶が暴走して、爆発的な増殖を始めました!」

神通「まさか、『台場事変』と同じ…!」

天城「『台場事変』…?」

神通「ある平行世界でプラフスキー粒子が大規模な暴走を引き起こした事件です。お台場に安置されていた大型粒子結晶が暴走し、無尽蔵に生成される粒子の水が溢れ出しお台場に壊滅的な被害を齎しました。

解決策はただ一つ、原因となる粒子結晶を粉砕する事だけです。 ただそれには『不可視の粒子障壁』を貫く必要がありますが…」

萩風「対策を講じる為にも、今は急いで避難を!」

霞「これ、一体どこに繋がってんの!?」

萩風「行けばわかります!」



《海風達の部屋》

海風「ここに繋がっていましたか…」

萩風「最初に潜入した時、ここを使って姉さん達に接触したんです」

神通「そう言うカラクリでしたか…」

萩風「そしてここは霞さんたちの部屋にも繋がっています」

霞「あ、そうなの?」

天城「だからあんなに容易く…」

萩風「もういくつか扉があるのは確認しましたが、どこに繋がっているかは判りませんでした。

ともかく今はこれからどうするか、を考えましょう」

神通「その前に一つ… 萩風、どうしてこの学校に潜入を? それにこの事態が起きるのを知っていたような…」

萩風「ええ、知っていました。 未来においてここの学園生は皆殺しにされた、と言う記録が残されていましたから」

海風「この学園の学園生が…?」

萩風「はい。 敵は『進化を皆殺し』にする為に『8月31日の事件』を引き起こしている、なので『進化の可能性』を持った人間が集まるこの学園はEXAMの格好の標的と言う訳です」

天城「そう言う理由でしたか… つまりここに黒幕か、それに準ずる相手が現れる可能性があると?」

萩風「こちらの推測が正しければ、ですが。 今から私は外で状況を確認してきます。 皆さんは、ここから逃げる準備を」
144 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/07(土) 04:32:17.53 ID:fCPwEBne0
霞「逃げるって…」

神通「今の私達にはどうする事も出来ません。ここは一度ここから逃げて、装備なりなんなりを整えないといけません」

海風「じゃあここの学生を見捨てろと…?」

神通「そう言う訳では… しかし私達では粒子結晶は破壊出来ません。 この事態を収拾させる事は不可能なんです…!」

天城「粒子結晶には『不可視の障壁』がある、と言っていましたが… まさか、ソレですか?」

神通「はい。 どんな攻撃、恐らくミサイルや艦砲の類すらも効きません。 『粒子障壁を貫く』装備が無い限りは…」

天城「『グシスナウタル』なら… でもあれは貫けても、粉砕するまでの威力は…」

霞「『グシスナウタル』?」

天城「こちらの話です。気にしないで下さい」

海風(『グシスナウタル』、確か北欧神話の武具の一つだったような… 性質は自由に飛び回り念じればどんな守りをも貫く、というものでしたが…)

神通「平行世界でも粉砕には酷く手間がかかった、と聞いています。 最終的には障壁を貫通したものの粉砕には至らず、強引に細かく切り裂いてようやく崩壊したと…」

霞「寧ろそこまで手間をかけないと壊せ無いのね…」

神通「もしくは中心核となっているもの、暴走の原因であるものを破壊すれば収まる可能性もあるかと…

しかし核が不明な以上、前者の方法が現状の最適解です」

海風「しかし最適解が不可能、となると… もう打つ手は無い、と言う訳ですか」

神通「そう言う事になります」



萩風「どうやら少数は避難出来たけどまだ500人近く取り残されてる…」

萩風(ここも既に危ない… あと3時間ほどで地下、姉さん達の居る場所も侵食される… その前にどうにか逃げないと…)

プルルルルル

萩風「電話…? こんな時に…!」ピッ

『萩風ちゃん、聞こえる?』

萩風「お母様!? 何でこの電話を…」

瑞鳳『朝雲ちゃんから聞いた』

萩風「そうじゃないかと思いましたよ… この番号、知っているのは少人数ですし」

瑞鳳『それより状況は? 青葉さん達から粒子結晶が暴走したって聞いたけど』

萩風「酷い有様、資料で見た『台場事変』よりは遥かにマシですがかなりの惨事です。 既に死人も出ています」

瑞鳳『そう… どう、逃げられそう?』

萩風「逃げようにも足がありませんね。 車の類は既に粒子結晶に潰されてます」

瑞鳳『あれ、萩風ちゃんはどうやって…』

萩風「業者のトラックの荷台に隠れ潜んでやり過ごしました」

瑞『そ、そう… 今古鷹さん達が迎えに行くって話だから、あと10分くらい待って… ザザザ』

萩風「お母様!? 電波が悪い、これだから山奥と格安キャリアは…! ケチらないで大手にしておくべきだった…!」

萩風(早く逃げないと… でも、取り残された人たちは確実にこの後殺される、そう歴史が言っている… それで良いの…? 救出手段は無いけど、見捨てるのは…)

萩風「駄目… どんな犠牲を払ってでも未来は変える、今ここで寄り道なんて出来ない…!」
145 : ◆6G6UiAPa1Q [sage saga]:2017/10/08(日) 00:07:54.66 ID:G3s94+fz0
ドゴォォォォォ


萩風「ッ…!?」

「あがッ…!?」グシャッ

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」ドスッ

萩風「そんな…」

萩風(外に逃げた人達にも粒子片が飛んで… 暴走の元凶は間違い無くここから誰一人も逃がす気は無い…)

学生A「だ、誰か…! そこのアンタ!コイツを運ぶのを手伝ってくれ!」

学生B「…」

萩風「…もう駄目です。 既に、死んでいます…」

学生A「嘘だろ… コイツは明るくて、こんな所で… まだ温かいんだ、運べばきっと助かるんだ!」

萩風「もう眠らせてあげてください…」スッ

学生A「糞… 糞ッ! 何なんだよ… 一体何なんだよ!」

萩風「このままでは貴方も殺される。そうなる前にどこかに、出来れば校舎の中に避難を」

学生A「俺は… どうせ死ぬんだ… このまま、コイツみたいに殺されて…」

萩風「生きる事を諦めないで! 死んだ者は何も言え無い、何も出来ない… 

怖くても辛くても、生きなければならない…! 死んでしまった彼等にとっても死を憶えていてくれる人が居る、それだけでも充分哀悼となります!」

学生A「アンタ…」

萩風「行きなさい! 私は、この事態を止める術を探ります!」


《一方その頃… 基地》

瑞鳳(K)『大型結晶体の暴走… ごめん、私達には手伝えないかも』

瑞鳳「でも、破壊出来たんでしょ!?」

瑞鳳(K)『まず私達と状況が違う。 水が生成されてないと私達の『艦プラ』は使えない。それに私達の艦プラは全部アリスタ非対応、霧の技術で精製された粒子に対応するように改修されてる… 粒子に対して互換性が無いんだよ』

瑞鳳「何で対応させちゃったかな…!」

瑞鳳(K)『そんな去年の話を持ち出されても… でも、技術だけなら提供出来る。

『プラフスキー・バスター・キャノンtype-Z』、その設計データはまだ残ってるから。だけどバスターキャノンだけじゃ粉砕は出来ないから注意して』

瑞鳳「わかってる。偏向レンズと超長距離用狙撃ユニットも要るんだね」

瑞鳳(K)『私達は時間的な問題で1キロ先から狙撃せざるを得なかったけど… 近づけそう?』

瑞鳳「まだわからない。 でも極限まで近付いてみる」

瑞鳳(K)『なら大丈夫か… あと一つ注意して欲しいのが、バトルシステムや模型が付近にあったら…』
146 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/08(日) 01:49:20.36 ID:G3s94+fz0
数条のビーム、それが避難していた生徒の身体を貫く。 そして大量のガンプラが宙を飛び、空を駆ける。


「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!?」

「なんでガンプラが動いてんだよ!?」

萩風「ッ…! 大気中の粒子濃度が濃くなってこの一帯をフィールドと認識し始めた…!?」

萩風(台場事変の時と同じ… 大量の無人機が…! 急いで戻らないと!)


萩風は隠し持っていたナイフを投擲し襲い掛かるガンプラを破壊する。

そして避難する生徒の前に立ち、スカートの中に隠していたナイフを二本取り出し構える。


萩風「早く避難を! 建物に入って、バリケードを作って!」

「は、はい!」

「た、助かった!」

萩風(とは言え… ナイフだけじゃなくて銃火器の一つや二つ持ち込むべきだった…!)


襲い掛かる大量のガンプラを目の前にして呟く。覚悟を決めたその瞬間、脇から銃声が鳴り響き数機のガンプラが蹴散らされた。

そして急ブレーキ音と共に一台のジープが彼女の前に滑り込む。


青葉「どもども! って、これどう言う状況なんです?」

古鷹「無人のガンプラ…?」

衣笠「どんなカラクリ?」

萩風「空気中に粒子が拡散、濃度が濃くなった影響でガンプラが自律活動を開始しました」

青葉「人間だけを殺すガンプラかよ!? って言えば良いんです?」

萩風「バグと同じ様なものです」

青葉「あってた… まぁともかく、迎撃しないと…!」

衣笠「他の子達は?」

萩風「地下室に避難しています」

古鷹「早く合流しないと… 学校にまで侵食されたら、大変なことになる…!」

萩風「あと銃器、幾つか貸してください」

古鷹「ごめん、昨日衣笠が無駄遣いしまくって弾薬残って無いかも」

衣笠「衣笠さんのせい!?」

古鷹「私は必ず当てるから」

萩風「では余分な武器は無いと…」

青葉「車にさえ引き付けて貰えば良い手があるんですけどね…」

衣笠「絶対車爆破する気だよね!?」

萩風(何でこの人たちはこう緊張感と言うものが…! なまじ優秀な分、腹が立ってくるわね…!)
147 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/08(日) 02:26:56.92 ID:G3s94+fz0
青葉「ではでは、ポチっとな!」カチッ


青葉がスイッチを押すと同時に車が大爆発を起こして数十のガンプラが巻き込まれる。

しかし爆炎を潜り抜けてまだ大量のガンプラが四人に襲い掛かって彼女達へと銃撃を行う。


古鷹「一発一発じゃ埒が開かない…!」

衣笠「なら纏めて吹っ飛ばす!」


ハンドガンでガンプラを的確に撃ち落とす古鷹、それに続いてロケットランチャーで攻撃する衣笠。

同時に萩風が跳躍しナイフで的確にガンプラを切り裂いていく。


萩風(このままだとジリ貧ね… 私の場合、真正面からの戦闘よりも奇襲の方が得意なのに…!)

青葉「そろそろ救出部隊が向こうに到着する筈なんですけど… 連絡が無いですね」

衣笠「と言うか通信機からノイズしか聞こえないんだけど」

古鷹「もしかして粒子が通信機に干渉して通信出来なくなってるの…?」

萩風「そもそも救出部隊って…」

青葉「瑞鳳さんが鍛え上げた、優秀な三人だって聞いてますが」



神通「くっ… 何で無人のガンプラが…!」

霞「こ、こっちに来るなって!」


椅子を振り回す霞に襲い掛かるベルガ・ギロス。そしてベルガ・ギロスに1本の刀が突き刺さり、墜落する。

続いて銃声が鳴り響き、部屋に侵入してきたガンプラが数機撃ち落され直後に一人の少女が飛び込んで残りのガンプラを日本刀で切り裂いた。


「やぁ、無事かい?」

海風「確か貴女は… 時雨さん、でしたか?」

時雨「うん。瑞鳳に言われて、保護しに来たよ」

神通「それに三日月さんと春雨さんまで…」

春雨「やっぱり、前にハシラジマから聞いた通りの現象が起きてますね、はい」

三日月「ガンプラの無人行動… しかも人だけを正確に殺して回って…」

時雨「ここに来るまでに何人も死体が転がってた。でも外に比べたらまだマシなレベルだけどね」

天城「何でこんな自体に…」

春雨「恐らく、昏睡病の元凶… 『EXAM』が原因かもしれません。ここまで『進化の素養』を持った人間を殺して回っているとなると」

三日月(裏)「ああ。 迅速に事態を解決しないと、もっと犠牲が増える」

神通「とは言え、この状況ではジリ貧です… 粒子侵食と殺戮する無人ガンプラ、両方止めないと…!」

海風「…! もしかして、システムのある場所まで行けばこちらもガンプラを射出できるかも…!」

霞「それで奴等を迎え撃ちながら、強行突破して結晶体まで近付いて元凶を探るか結晶を破壊すれば… この事態は収まる…!」

時雨「だから瑞鳳はガンプラを持って行け、って… なら、バトル台がある場所に案内して。僕が道を拓く」

三日月(?)「ねえ春雨、次はどうすれば良い?」

春雨「青葉さん達と合流し、連れて来てください。 バトルシステムの場所は把握しているでしょうし」

三日月(?)「わかった。春雨の指示なら従うよ」

神通「…人格、増えてません?」

時雨「鉄血の本放送が終わった直後くらいかな、第3人格が出来上がったんだよ。 春雨に従順な、まさに鉄血主人公な感じの」

神通「えぇ…」


イベント 直下
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/08(日) 09:59:57.71 ID:VOwuaJRm0
床下の隠し階段を発見
149 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/08(日) 22:39:10.68 ID:G3s94+fz0
時雨「ここの曲がり角の階段を昇ればすぐ、なんだね?」

神通「はい。では私が先行します」

時雨「分かった。水先案内は任せる」


春雨は手に持った銃器でガンプラを撃ち落とす。ビルダーとしてはこの状況は良心が痛むが流石に人を殺しまわっている以上、止めなくてはならないと割り切る。

しかし無尽蔵に湧き出るガンプラを相手に、弾倉を変える余裕も殆ど無い状況には辟易としていた。


春雨「これで32機、どれだけガンプラ溜め込んでるんですか!」

海風「演習の時に提示された機体より数が多い…!」

霞「もしかして… スドウ・シュンスケの時みたいに、再生と複製を繰り返してるんじゃ…?」

海風「可能性はありますね… あれ、春雨さ…」

神通「どうかしましたか?」

「たすけてくださ〜い〜!」

時雨「何やってるのさ…」

海風「…なんか穴がありますね」

霞「階段も… もしかして、転がり落ちた…?」

時雨「全く、ドジなのは本当に変わらないんだから…! フレスヴェルグの時も、ドジった結果アレが出来上がった訳だし…」

海風「ドジってアレが出来上がるんですか!?」

時雨「うん。春雨がドジると大抵何かしらトンデモ副産物が出来るから」

霞「どんなドジかましたのよ…」

時雨「フレーム作ってる途中に呼ばれて立ったらコケてパーツゴチャゴチャにしちゃったんだよ。それで組みなおしたらああなっちゃった訳さ」

三人「えぇ…」

時雨「とは言え… 変な場所に地下室なんて、何かありそうだ」

神通「降りてみましょう」


春雨「何も見えません…」

神通「誰か懐中電灯とかあります?」

時雨「艤装用の探照灯なら。こんなこともあろうかと春雨のヤツから引っぺがしてきたんだよ」

海風「あれ、春雨さんも艦娘…?」

時雨「いや、半分は瑞鳳達と同じ転生体さ。キミ達も会った筈の翔鶴さんは実母だからね」

霞「半分?」

神通「お母様から聞いています。春雨さんは『特別』、一つの魂が二つの世界・肉体に分裂してしまっていたとか…」

時雨「そうだよ。 片方はこっちの春雨、もう一人は… もう居ない。どこにもね」

海風「…」

時雨「この話はまた今度。今はここを探してみよう」


あったもの 直下
1.武器・弾薬
2.地下牢
3.その他
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/09(月) 04:12:59.02 ID:cu7L9aSA0
151 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/10(火) 02:24:02.90 ID:9Az/GAba0
海風「これって… 地下牢ですか…?」

天城「そのようです。 人の気配、数は10…!」

霞「この感じ… 榛名さん達と似た…」

「お、おい… だ、誰だ!?」

「お願い、殺さないで…!」

神通「大丈夫です。 私達はここから逃げようとしている者です。 一体どうしてここに?」

「教団の奴等に『裁き』がどう、とか言われて捕まって… 逃げようとしたらここに…」

天城「間違いありません、この人たちは拉致被害者、顔も資料と一致しています」

時雨「ちょっと皆下がって。銃で鍵を壊してみる」パンパンパン

春雨「駄目みたいですね… 傷一つもついてません、はい」

神通「では私が…」バキッ

霞「鉄格子をへし折った…」

海風「まぁ先輩なら出来ますよね、当然」

「やったぞ!これで出れ…」

神通「待ってください。 今出たら、確実に殺されます」

「なっ…!? 殺されるって、どう言う事!?」

海風「先程の振動はご存知ですよね?」

「う、うん… 知ってるけど…」

海風「教団の言う『裁き』が、人を襲っているんです。 ここに来るまで、何人かが殺されていました… 今ここを出れば…」

「そんな…」

「助かったと思ったのに…」

天城「今はここで耐えてください。 必ず、後で迎えに来ます」
152 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/11(水) 03:43:12.56 ID:Q/mEUJHc0
「そこまでです」

天城「シェリンドン・ロナ…!」

霞「あの状況でよく無事だったわね」

シェリンドン「助かったのが貴女達だけとは思わないでください。親衛隊のお陰で逃れる事が出来ましたわ」

時雨「どうでも良いさ… カルト教団の教祖が死のうがね。そこ、どいて貰えない?」ジャキッ

神通「親衛隊の数は27… 倒せ無い数ではありません。天城さん!」バキィッ

天城「鉄格子の槍とは… まぁ無いよりはマシですね」

シェリンドン「野蛮な… 話し合いのテーブルにも就かず、敵意や武器を向けるなど」

海風「そんな余裕は無い、貴女なら既に理解していると思いますが」

シェリンドン「ええ。だからこそ、貴女達に提案をしたいと思いまして」

霞「どうせ下らないだろうけど、一応聞いておくわ」

シェリンドン「我々と共に、ここを脱出しませんか? 今なら地下道、最悪の事態に備えて作った地下通路があります。

そしてその先には移動用のヘリも… 貴女方をここで失くすのは惜しい、ですのでどうかこの提案を…」

パンパンパン

時雨「ごめん、よく聞こえなかった」

霞(この人、躊躇い無く撃った…!?)

時雨「もう一度、いや言う必要は無いか… キミはどうせ、ここで終わるんだ」

親衛隊F「何だと!? 貴様、シェリンドン様への狼藉を…」

時雨「黙っててくれないかな」ジャキッ

親衛隊F「ひっ…」

春雨「時雨、駄目です。貴女の手をそんな事で汚しては」

時雨「じゃあどうしろって言うのさ。言っておくけど、キミに撃たせる選択肢は無いよ。翔鶴さんに顔向けできなくなる」

春雨「大丈夫、撃つ気はありません。はい。 貴女は… 貴女を信じる人々を見捨てて、自分だけ生き残ろうと言う訳ですか」

シェリンドン「彼等は尊い犠牲… 彼等の死はもう覆しようが無い、定められたものです。 ならば我々、生き残るべき人間が生き残り未来を築く。そうする事で彼等の犠牲は報われる事が出来ます」

海風「成る程… よく分かりました」

神通「海風さん…?」

海風「貴女達とは会話は不可能、最早考えてる事すら海風には理解出来ません。 何となく、貴女にイラついていた理由も分かりましたよ。貴女はウチの姉貴よりタチが悪いです。 

まだアレは未来を知ろうと決して何も諦めないで、何かを変えようともがいている。でも貴女は違う。多くの犠牲を、これから出る筈の犠牲を最初から切り捨てている。自分だけが生き残りたい、そう根底にはあるから」

シェリンドン「なっ…!?」

海風「前を見ようとしない、不都合や自分以外の犠牲には目を瞑っている人間に… 未来を歩む資格はありません!」

シェリンドン「では抗って未来を変えられると、未来を視る貴女がそれを言うのですか?」

海風「海風の能力は所詮、想像の飛躍が生み出した産物です。 あくまでも確証も何も無い、海風自身が予測した未来に過ぎ無いんです…

だけどどんな未来を海風が視ようと、その未来にどんな不都合があろうと… 海風は絶対に、目を逸らしたりはしません…!」

霞「私も… 海風と同意見よ」

海風「霞…」

霞「人はどんなに悲しくても、どんなに辛くても必死に生きて抗わなきゃいけない事がある… 例え理不尽な現状でも、未来だとしても。

なら私は戦う… 奪われる命を助けられるのなら、消え逝く命を救えるなら。 ニュータイプだとか進化とか何も関係なく、私が出来る『最善』をやるだけよ…!」

天城「二人共…」

親衛隊G「シェリンドン様がせっかく伸ばしてくださった手を!」

親衛隊H「その未来を振り払う貴様等にこそ未来は…」

神通「貴女達こそ、黙りなさい! 既に多くの犠牲が出ているのに、その事態からも目を背ける者に未来を語る資格など無い!

抗うことを止めた時点で、立ち止まって逃げた時点で貴方達に未来を捨てています! 未来を捨てた者が未来を望む者の道を阻むと言うのなら、私がこの手で今すぐ終わらせましょう!」
153 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/12(木) 02:34:05.95 ID:5UlNUCp00
「よく言ったよ、3人共! 超級覇王、電影だぁぁぁぁぁぁん!」ドゴォォォォォ

シェリンドン「し、親衛隊が…!?」

春雨「やり過ぎなような気が…」

時雨「別に良いよ、どうせ春雨が嫌いなタイプの、宗教を騙って暴れる人間だ。それより遅かったね、瑞鳳」

瑞鳳「ごめんごめん。結晶体を破壊する算段を整えてた」

「全く… 車を走らせながら急造の武器を作るなんて…」

天城「姉さん…!」

榛名「お待たせしました、天城。迎えに来ましたよ」

間宮「皆さん!ご無事ですか!」

霞「間宮さんまで…」

シェリンドン「真紅の、戦乙女…!」

瑞鳳「その名、知ってたんだ。 カルト教団の教祖様? じゃあそれが何を意味するか、分かってるよね」

親衛隊I「睨まれた組織は塵も残らない… ま、まさか…!?」

親衛隊J「この教団を…!」

瑞鳳「どんな正義や建前を翳しても拉致を行った時点で最早正義なんて微塵も無い。 粒子結晶の暴走が収まり次第、ここに警察組織が来る。

貴方達の所業は既に纏めて公安に垂れ込んだ。 私が警察組織にツテがある事、知らなかったみたいだね」

榛名(と言うか大鯨さんが、ですがね。 昏睡病の資料をそろえたのもあの人ですし)

シェリンドン「何故、貴女達は… そこまで、愚かな選択を出来るのですか…! この組織をなくせば『人の進化』を護る者が…」

瑞鳳「そんなもの、必要無い」

シェリンドン「なっ…!?」

瑞鳳「確かに『人の進化』を護る事は正しいかもしれない。でも、それに巻き添えで犠牲になる『普通の人間』だって沢山居る…

その人達を見捨てて進化した人間だけを護るなんて、私は認めない。 誰かの犠牲の上に成り立つ未来なんて、認めない!」

シェリンドン「我々は… 戦って滅んでいく人類に投げかけられた生き残る術であり、希望… 滅んでいく者に引き摺られる訳には…!」

海風「人には、等しく『可能性』があります。 貴女のように、自分だけが選ばれた人間であると勘違いしている輩より、瑞鳳さん達の選択の方が遥かに良い…!」

霞「『人の可能性』を認識しないで、選ばれた進化だけを守護する? なら私は… 私達は…!」

海風「人間で良い、それ以上もそれ以下も望まない!」

霞「人間で、沢山なのよ! そこを退きなさい、シェリンドン・ロナ!」

シェリンドン「くっ…!」

親衛隊K「貴様等…! 撃つぞ!」

海風「撃ってみろ! 真に正しいと思うなら、海風達が間違っていると言うのなら!」

霞「もし少しでも自分達が間違えてるって思うなら、道を開けろ!」

シェリンドン「…行かせなさい」

親衛隊L「シェリンドン様!? しかし…」

シェリンドン「我々の手を振り払った者をこれ以上相手にしている時間はありません…! 放っておきなさい!」

瑞鳳「行くよ、皆!」

全員「はい!」

シェリンドン(『進化に到達した者』、そして『未来を視る者』… 貴女達の力、まだ諦めた訳ではありませんからね…!)
154 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/12(木) 03:07:03.60 ID:5UlNUCp00
時雨「まさか、キミからあんな啖呵が聞けるとは思って無かったよ」

海風「無我夢中でしたよ… 本気で撃たれるかヒヤヒヤしましたし。もう痛いのはごめんですから」

瑞鳳「あの薬持って来てるよ」

海風「あれは本気で勘弁してください…!」

榛名「この先に、バトル台があるんですね?」

天城「はい。 しかし… どうやって粒子結晶を破壊しようと…」

瑞鳳「秘密兵器… 『プラフスキー・バスター・キャノンtype-Z』、砲身が急造で一発しか撃て無いことを除けばこれが唯一結晶を砕く手段だよ」

榛名「まさかこれを車の中で作らされるとは思いませんでした…」

霞「『type-Z』?」

瑞鳳「何種類かあるうちの一つだからね。これは『貫通』に特化した特性を持ち、どんな障壁だろうと一撃で撃ち貫く力を持ってる」

神通(まぁPBCや粒子障壁相手には最強ですが『ミラーリングシステム』とは超極端に相性が悪いんですけどね)

浜風『瑞鳳さん、聞こえますか!』

海風「げッ…!?」

瑞鳳「聞こえてるよ。そっちは?」

浜風『所定位置に到着、準備中です』

瑞鳳「分かった。 作戦通りだね」

浜風『私と夕雲、飛龍さんと蒼龍さん、愛宕さんと大鳳さん、如月さんと野分さんと秋月さんが無人機を引き付けます。 瑞鳳さん達は中枢に突入、粒子結晶と元凶を破壊してください。

それと海風、聞こえていますね。 今『げっ…!?』って聞こえましたし』

海風「聞こえてますよ… 凄く不本意ですが」

浜風『前衛指揮は海風に一任します。 私も突入したいのですが、私の『ニクス』は突入には不向きなので』

海風「結局面倒を押し付けてるだけじゃないですか…」

浜風『海風の指揮能力を見込んで、です。 今の海風なら、やれる筈です』

海風「やれば良いんでしょ、やれば…!」

浜風『任せました…!』

神通「…あ」

霞「どうかしました、先輩?」

神通「私達、機体がありません!?」

海風「海風も部屋にスクランブル忘れてきました!?」

瑞鳳「あ、スクランブルは愛宕先生が回収したよ。 それに、三人の機体は私がとっくに用意してる」

榛名「まさか3機も仕上げるなんて… 当分、プラ板とパテは見たくありません…」

瑞鳳「これが貴女達の機体、受け取って」
155 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/12(木) 03:50:38.79 ID:5UlNUCp00
三人の新型


・ベース機:直下
 選択肢
  1.ZZガンダム(ブラストの継続使用)
  2.セラヴィーガンダム
  3.Hi-νガンダムHWS
  4.その他(機体も)
・改造内容(機体名も併記):下3


神通
・ベース機:下5
 選択肢
  1.インフィニットジャスティス(スターリリィの継続使用)
2.ガンダムエピオン
3.ゴッドガンダム
4,その他 直下
・改造内容(機体名も併記):下7


海風
・ベース機:下9
  選択肢
  1.ウイングガンダムゼロ(フレスヴェルグの継続使用)
2.デスティニーガンダム
3.ゴーストガンダム
4,その他 直下
・改造内容(機体名も併記):下11


条件
・霞:ベース機『進化した人類専用、若しくは進化した人類が搭乗することで真価を発揮するガンダムタイプ』、改造内容『重装・砲撃寄り』、機体名『アクロス』と言う単語を使う事

・神通:ベース機『近接格闘特化ガンダムタイプ』、改造内容『剣術・武術を両立出来る機体にすること』、機体名『百合科の花の名前を使う』

・海風:ベース機『高機動戦を行える汎用ガンダムタイプ』、改造内容『バスターソードのようなものを装備、高機動近接戦が可能』、機体名『『アズール』若しくは『アズライト』と言う単語を使うこと』


また3機にはこちらから『特殊システム』を内蔵させて頂きますのでそこはご容赦ください
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 09:39:35.88 ID:9e4Tv7Pw0
AGE-3
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 09:46:58.54 ID:zvB5z+AC0
踏み台
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 10:27:09.05 ID:NDhDSBuQO
ガンダムAGE-3アクロス
コアファイターをZZのバックパックをベースにして大幅強化、マイクロミサイルとビームキャノン兼ハイパービームサーベルを装備。
頭部にハイメガを追加。また拡散で撃てるようにしてある。

ウェア名「Gアクロス」
上部はオービタルをベースとし、肩部にリフレクターファンネルを増設。スラスターはそのまま残されている。
腕部シールドはサーベルが出る点はあまり変わらないが、ビームガンが打てるように。
ライフルはスタングルライフルを銃剣使用に改造したものを装備。オプションでタイダルバズーカに換装可能。

下半身はフォートレスベース。
腰にストフリのレールキャノンを移植し、尻部分にIフィールド装置追加。
膝にタイタスのビームニーを追加しており、突発的な近接戦に対応。
更に、ふくらはぎ部分へ拡散ミサイルポッドを増設している。
その他細かい部分に小型スラスターを増やしており、小回りはかなり効いている。
以前より最大火力自体は少し落ちたが、継戦能力は大幅強化された。

色はデルタカイと同様のカラーリング。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 11:30:13.20 ID:YTB6er9CO
踏み台
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 11:32:28.86 ID:t1ci1SwO0
1
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 14:48:33.55 ID:waiViryc0
インフィニットジャスティス・ロンギフローラム

神通の以前の機体であるスターリリィを改修した機体。余計な武装などは削ぎ落とし、元々の機体に近くなっている。
機体関節部分に大幅な改良を加えて稼動範囲を向上、また関節強度の補強により神通の全力の動作を完全に再現可能。
肘から下の腕部をゴッドガンダムのものに変更し剣術だけでなく拳による戦闘も行えるようになり、瑞鳳同様ゴッドフィンガーや石破天驚拳なども使えるようになった。
稼動範囲の向上の為に肩は元に戻され単独の飛行能力は喪失したが柔軟性があがったことによって神通の本来の能力をフルで活用可能になっている。
武装は各部機関砲にビームライフル、脚部のグリフォンビームブレイドと新造された二対の専用日本刀『光忠』『貞宗』、そしてファトゥム-01を改造した『ファトゥム-02』。シールドとアンカーは使用頻度の少なさから廃されたが代わりにデスティニーのビームシールド発振基が移植されている。
塗装は白に変更された。
一応ハイパーモード機能も付与されている。

日本刀『光忠』&『貞宗』

専用に製作された日本刀でシュベール・ラケルタ ビームサーベルの代わりに両腰に装備されている。
ガーベラストレートを改造したもので軽量化が図られ切り返しの速度が速められた。
しかし質量が軽減したことで強度そのものが落ちているものの刃がより鋭利なものになっており、神通の技量を以ってすれば大抵のものは切れる。
また粒子変容加工が施され、ビームサーベルすら切り裂くことが可能。
そして『奥の手』としてゴッドフィンガーの熱を刀身に伝導させて赤熱化させ『炎の刃』としても振るう事が出来る。
名称は伊達政宗が保有したとされる刀から。


ファトゥム-02

ファトゥム-01改を改修し、アップデートしたもの。兵装懸架ユニットは使用頻度がほぼゼロだった為廃された。
ヴォアチュール・リュミエール展開機能が付与されており、加速性が高められている。
最大の特徴として全体が鋭角化されており、ビームを展開せずともユニットそのものが『刃』のような強度を持つ。
またタクティカルアームズULのようにアローモードへと変形が可能で『弓』としての機能も新たに付与された。
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 16:14:48.75 ID:DGltJHy3O
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 19:30:11.24 ID:hwYbyg7C0
踏み台
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 19:30:50.07 ID:VKEW9TV2O
1
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 12:49:59.91 ID:assU+eoSO
踏み台
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 18:02:49.05 ID:Am+A9gxX0
ウイングガンダム・アズライト
ベースであるフレスヴェルクからの変更点のみ記述。書いていない部分は出力の強化以外変更はありません。
翼をゼロ炎のものに変更し、フェザーブレイドも追加。
ツインバスターライフルは銃身下部にサーベル発生装置を増設。
ふくらはぎの部分をインフィニットジャスティス、足をバルバトスルプスレクスのものに変更し、パイルバンカーやビームサーベルによって格闘の幅をさらに広げている。
その他にも全身にクリアパーツをふんだんに使用し、粒子貯蔵量を上げ戦闘可能時間が大幅向上している。
色はアズライトの名の通り、クリアパーツも含め青ベース。
167 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/14(土) 02:17:39.25 ID:PlTspHOB0
申し訳ありません

霞機として選択された『AGE-3』に関して、AGE-3は霞の要項を満たしているとは言えないので申し訳ありませんが却下させてください(機体そのものは中盤、キオの操縦についていけておらずXラウンダー関連装備も存在しないため)

またこの世界は以前にも書きましたが性質上『HGBF系統のガンプラが存在しない』設定であるのでゼロ炎及びそのカスタムキットは存在しせずハイパーカレトヴルッフとフェザーブレイドは存在していませんのでその部分は却下、こちらで改変させて頂きます(あとルプスレクスの脚部は実物を確認したところウイングゼロの可変機構と相性が悪いため踵だけの採用となります)。


霞機 再安価

・ベース機体 直下
 1.ZZガンダム(ブラストZZベース)
 2.ガンダムAGE-FX
 3.セラヴィーガンダム
 4.その他

・改造内容(機体名併記) 下3

条件
・霞:ベース機『進化した人類専用、若しくは進化した人類が搭乗することで真価を発揮するガンダムタイプ』、改造内容『重装・砲撃寄り』、機体名『アクロス』と言う単語を使う事
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 05:19:12.63 ID:FhZNyhmA0
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 09:35:28.90 ID:AO3NnBlZ0
踏み台
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 12:24:35.52 ID:7G8VUjwN0
アドバンスド・ブラスト「アクロスフェイト」

変更点のみ

機体にアトラスガンダムのサブレッグとブレードシールドを追加装備
バックパックの大型ビーム砲はアトラスガンダムのレールガンに換装
外した大型ビーム砲は左手用の持ち手ビームキャノンとして運用
膝、肘、肩にマルチディスチャージャーを備え、煙幕、ビーム撹乱幕、グレネード等を射出可能
機体色は灰色系のスプリッター迷彩
171 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/14(土) 17:02:00.72 ID:PlTspHOB0
ウイングガンダム・アズライト
武装
・ツインバスターライフルアズライト(サーベル内蔵)
・アズライトバスターソード×2
・アズライトウイングブレイド×4
・ビームサーベル×2
・マシンキャノン×2
・ビームガン兼ビームトンファー×2
・グリフォン・ビームブレイド×2
・脚部内蔵パイルバンカー×2
・ウイングシールド

概要
海風の『ウイングガンダム・フレスヴェルグ』に強化改修を加えた機体。全体的に出力が向上、外装パーツも半分近くが新造されている。
ファイターたる海風の戦闘データを反映し、内蔵されたシステムの使用を前提に改修されておりより海風の戦闘能力を引き出すことが可能。
背部のウイングには翼としての機能も兼ねた専用大剣『アズライトバスターソード』を装備、さらにウイング部分には新造された4本の『アズライトウイングブレイド』が装備されている。
『アズライトウイングブレイド』は4本の大剣でありメイングリップと大型刃1枚、峰部分に取り付けられた小羽状の刃3枚で構成されている武装で2本を合体させることで巨大なバスターソードなる。
他にもツインバスターライフルはビームサーベルを内蔵した『ツインバスターライフルアズライト』へと改修、∞ジャスティス用のグリフォンや踵にパイルバンカーなど全体的な格闘能力の向上が図られた。
そして最大の改修点は特殊システム『アズライトバースト』を内蔵している事。以前より装備されていた『モード・アズール』の特性である『バトルごとに残留した粒子を溜め込みその貯蔵粒子分だけ性能が向上する』能力を扱い易くしたものが『アズライトバースト』。
今までのものは貯蔵粒子の量だけ無制限に性能が向上され自壊の危険を招いていたがこちらは『改RX-0』の技術を流用し、粒子制御能力が向上しており過剰な粒子は全て武装に転化させる事で自壊を防ぐように改良された。
粒子を武器にまとわせ振るうことで巨大な『刃』とする能力も健在で、制御能力向上により腕や剣が砕けるような事態は起きないように改良されている。
これまで幾多の戦いを重ね、そして戦い抜いて来た海風は新たに『鷲の巨人』の力を受け継ぐ『藍銅鉱の翼』を持つガンダムと共に戦場を駆ける。自分の視た『最良の未来』へと辿り着く為に、そして仲間達と共に未来を切り拓く為に…


インフィニットジャスティス・ロンギフローラム
武装
・MMI-M19L 14mm2連装近接防御機関砲×2
・MMI-GAU26 17.5mmCIWS×4
・MA-M1911 高エネルギービームライフル
・専用太刀『光忠』&『貞宗』
・MR-Q15Aグリフォン ビームブレイド×2
ファトゥム-02
・MA-6Jハイパーフォルティス ビーム砲×2
・MA-M02Sブレフィスラケルタ×2
・MA-M02Gシュペールラケルタ
・MR-Q17Xグリフォン2 ビームブレイド×2

概要
神通の以前の機体であるスターリリィを改修した機体。余計な武装などは削ぎ落とし、元々の機体に近くなっている。 機体関節部分に大幅な改良を加えて稼動範囲を向上、また関節強度の補強により神通の全力の動作を完全に再現可能。
肘から下の腕部をゴッドガンダムのものに変更し剣術だけでなく拳による戦闘も行えるようになり、瑞鳳同様ゴッドフィンガーや石破天驚拳なども使えるようになった。
稼動範囲の向上の為に肩は元に戻され単独の飛行能力は喪失したが柔軟性があがったことによって神通の本来の能力をフルで活用可能になっている。
武装は各部機関砲にビームライフル、脚部のグリフォンビームブレイドと新造された二対の専用日本刀『光忠』『貞宗』、そしてファトゥム-01を改造した『ファトゥム-02』。シールドとアンカーは使用頻度の少なさから廃されたが代わりにデスティニーのビームシールド発振基が移植されている。
『光忠』と『貞宗』は伊達政宗が保有したとされる刀から名称を取った太刀で刀身が軽く、通常のものと比べ切り返しが速いのが特徴。ただし軽くなった影響で脆くなっているが神通の技量ならば特に問題は無い。
また刀身の熱伝導効率が高く、ゴッドフィンガーを使った状態で使用すると刀身が熱を帯びて『炎の剣』となる。
ファトゥム-02は武装懸架ユニットを廃止して代わりにVL展開機能を付与して最大速度を向上、そして全体が鋭角化したことでそのままでも高い攻撃能力を発揮可能。さらにアローモードへの変形機構が加えられており、射撃戦にも対応できるようになった。
そして最大の変更点は特殊システム『フルブルームバースト』が搭載されたこと。『フルブルームバースト』はハイパーモードに相当する能力で、神通が花をモチーフにすることから『満開』の名前を使用している。
バースト使用の際は全身のクリアパーツがオレンジに発光し、規格外のパワーや性能を発揮する事が出来る。発動の際には神通が明鏡止水の状態になる必要がある。
『ヒメユリ』から『テッポウユリ』の名前に変えたことで塗装は白に変更されている。
『未来を変える』、そんな無謀とも言える願いの為に過去へと転移した神通。誇りを未来への希望に変えて神通は駆け抜ける、その果てに散ることがわかっていたとしても。それが『花の戦乙女』の生き方だから。
172 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/14(土) 23:26:03.90 ID:PlTspHOB0
すみません、真に勝手ですが名前と一部装備(肩部にレールガンは腕の動きやバックパックに干渉するので不可能、なので通常の手持ち式へと変更)を変更させて頂きます

ブラストアクロスZZ
武装
・ダブルバルカン
・ハイ・メガ・キャノン
・ハイパー・ビーム・サーベル(ダブル・キャノン)×2
・21連装ミサイルランチャー×2
・5連装型ロケットランチャー
・肩部レールガン
・6連装多弾頭ミサイルポッド
・大腿部ビームカノン×2
・リフレクターインコム
・左腕手持ち式大型ビームキャノン
・マルチディスチャージャー×6
・サブレッグ
・ブレードシールド

概要
ブラストZZを改修した機体で、機体全体の出力や反応速度はNTの霞にあわせた調整を施されている。
極限まで反応速度を底上げされており、NTの能力に覚醒しつつある霞にしか使いこなす事は不可能。
機体の変更点は乏しくダブルビームライフルからアトラスガンダム用レールガンへと変更、そして膝・肩・肘にはマルチディスチャージャーを装備しビーム撹乱幕やスモークなどで隠密性・防御力を強化している。
またアトラスガンダム用のサブレッグとブレードシールドを装備し機動力と防御力を補うことで強化した。
ただしバランスや可動範囲、火器管制能力に関しては劣悪であり霞以外ではまともに使いこなすことは不可能となっている。
そして特殊システム『アクロスバースト』を内蔵するのが大きな変更点。能力は『RGシステムtype-Z』をベースに擬似的に本編中のZZの能力、巨大なサーベル形成や超出力のハイメガキャノンなどを再現したり、機体性能の爆発的な向上などを発現できる。ただし粒子消費は膨大で一度きりの切り札。
塗装は灰色をベースにスプリッター迷彩を施されていた。また各部にクリアパーツが追加され、システム発動時は紫に輝く。
変わっていく自分に戸惑いながら、霞は戦い続ける。自分なりの『進化』の道を辿り、可能性を閉ざす者達を打ち砕く為に。隣に立つ友の為、隣に立つ仲間の為に『衝撃』は今と未来の境界へと駆ける。



瑞鳳「『ウイングガンダム・アズライト』『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』『ブラストアクロスZZ』… これが貴女達の新しい機体だよ」

神通「これは… 私達が仕上げていた筈の機体… でも、クリアパーツが全身に…」

瑞鳳「私謹製、三人にあわせた特殊システムを組み込んだからね。それぞれ『アズライトバースト』『フルブルームバースト』『アクロスバースト』、RGをベースにした3つのシステムを組み込んだ。

海風ちゃんのは言わずもかな、あのシステムの発展系。神通ちゃんのはRGをGガンのハイパーモードに近づけたもの、霞ちゃんのはニュータイプ系能力の擬似再現ってところかな」

霞「これが、私達の…」

海風「新しい力…」

天城(凄い… 完成度が全部フェンリルと同等… あれを短時間で仕上げるなんて…)

榛名(しかもシームルグの技術を完全に取り込んでる… こちらも『RG』の技術はデータで手にしているとは言え再現には手間がかかったのに…

スクランブルなんか比では無い、超高レベルで技術が融合している…)
173 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/15(日) 03:17:29.73 ID:J0z+nBrB0
《バトルルーム》

ウォースパイト「ハル、セッティングは終わったわ。ここからなら機体を射出できる」

榛名「ありがとうございます、ウォースパイト」

萩風「ここで出撃出来るのは… この15人、ですか」

青葉「いえ、12です」

古鷹「私達はガンプラが無いから…」

衣笠「操縦技術も無いし、ここで護衛に徹するね」

海風「では戦力は…」

自軍戦力
・海風:ウイングガンダム・アズライト
・神通:インフィニットジャスティス・ロンギフローラム
・霞:ブラストアクロスZZ
・萩風:ガンダムエクシアルベルム
・瑞鳳:ガンダムエピオン・クロイツ
・榛名:フェンリル
・天城:スレイプニル
・青葉:グリンカムビ
・間宮:スヴァジルファリ
・ウォースパイト:ヴィドフニル
・春雨
・時雨:ビギナ・ぜラ・ホワイトフレームU
・三日月


海風「主力は改RX-0、そして瑞鳳さんの『クロイツ』の血統…」

時雨「まぁそうだね。僕らの機体も、瑞鳳の技術が軸になってるから」

三日月(裏)「春雨、以前頼んだ機体の調整は?」

春雨「終わってますよ。 ちゃんと、所望だった装備も用意しました」

三日月(裏)「助かる。ドーベン・ウルフでは対応出来ない局面が多いのでな…」

時雨「しかも人格ごとに戦闘スタイルが全然違うのも厄介なところだ」

春雨「調整には難儀しましたよ、はい…」

瑞鳳「雑談してる暇は無いよ。ウォースパイトさん、始めてください」

ウォースパイト「了解。システム、起動!」
174 : ◆6G6UiAPa1Q [sage]:2017/10/15(日) 03:25:49.76 ID:J0z+nBrB0
すみません、青葉の台詞『12人』ではなく『13人でした』
175 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/16(月) 00:32:51.25 ID:GLSLmYpQ0
GUNPLA BATTLE COMBAT MODE EMERGENCY STRAT UP


天城「天城、『RX-0[S] スレイプニル』!」

間宮「間宮、『RX-0[Sv] スヴァジルファリ』!」

ウォースパイト「Warspite… 『RX-0[Vd] Vidofnir』!」

青葉「『RX-0[Gr] グリンカムビ』、青葉!」

榛名「『RX-0[F] フェンリル』、榛名!」

春雨「『ガンダムスローネ・ヴァリアントU』、春雨!」

時雨「『ビギナ・ゼラ・ホワイトフレームU』、時雨」

三日月「『ガンダム・バルバトスルプス・クレセント』、三日月!」

萩風「『ガンダムエクシアルベルム』、萩風!」

霞「霞、『ブラストアクロスZZ』!」

神通「『インフィニットジャスティス・ロンギフローラム』、神通!」

海風「『ウイングガンダム・アズライト』、海風!」

瑞鳳「瑞鳳、『ガンダムエピオン・クロイツ』! 全機、推して参ります!」
176 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/16(月) 01:30:53.67 ID:GLSLmYpQ0
瑞鳳「海風ちゃん、部隊編成と指揮お願い!」

海風「わかりました!」

海風(各機の性能はおおよそ把握していますが…)

春雨「あの、どうかしましたか?」

海風「すみません、お二人共。機体データをお願いします」

三日月「ああ、こちらの性能を把握していないと…」

海風「はい。指揮は愚かポジションの決定も難しいので」

春雨「分かりました。 転送します」



ガンダムスローネ・ヴァリアントU
武装
・GNビームサーベル×2
・GNハンドガン
・GNファング×8
・GNピストルU×2
・GNスナイパーライフルU改
・GNライフルビット×2
・GNシールドビット×8

概要
春雨用の機体で以前使用していた『スローネヴァリアント』の発展機。オリジナルは浜風・夕雲戦で破損・喪失しておりこちらは武装などを転用し新造されたもの。
大きな変更点はGNスナイパーライフルUを改修、よりロングバレルになっており超長距離狙撃に対応している。またセンサー類も強化され春雨に合わせた狙撃に特化した機体になった。
またディバイダーの代わりにGNシールドビットを背部に接続し防御能力を高め、右肩部にはライフルビットの追加などの改修を行われ火力も増強されている。
バインダーの裏にはGNピストルUも内蔵されており近接や手数が必要な時にはこちらも使用可能。


ガンダム・バルバトスルプスクレッセント
武装
・アサルトライフル×2
・太刀×2
ヴァリアブルウエポンバインダー
・太刀×4
・ソードメイス×2
・長距離レールガン×2(外付け)

概要
三日月用に新造された機体。こちらは『三つの人格』により変化する戦闘スタイルに対応可能なように改修を施されている。
武装はアサルトライフル二丁と両腕の200mm砲の接続穴に太刀がマウント、そして背部に装着されたヴァリアブルウエポンバインダー。
ヴァリアブルウエポンバインダーには個々の人格にあわせた装備が付属しており、主人格たる第一人格(オリジナル)用には外付けの長距離用レールガン二丁、第二の裏人格用には4本の太刀、そして新しい第三人格にはソードメイス2本が与えられた。
またリミッターの解除も可能であり、発動時は原作のハシュマル戦のような戦いぶりが行える。ただし操縦難度が増すので3つの人格が強力する必要があるのが難点。
余談だが三日月の人格は第一以外は全て彼女の感情が分離したもの。第二は彼女がある一件でマジギレした際の『怒り』、第三は春雨への『ある感情』であり、それぞれが全て春雨に起因している。


海風(こちらはスローネツヴァイを狙撃用に改修したもの、これケルディムじゃ駄目なんですかね。そしてバルバトスは武装過多、よくまともに使えますね…)

海風「では全機、3機〜4機の小隊を編成してください。 編成割は今転送しました」


小隊編成
・第一小隊:瑞鳳、萩風、青葉
・第二小隊:榛名、天城、間宮、ウォースパイト
・第三小隊:春雨、時雨、三日月
・第四小隊:海風、神通、霞

海風「各機、この小隊で行動を。 絶対に単機で孤立しないように。 萩風さん、マップをください」

萩風「了解です。 今出します」

海風「この図なら… 最短経路で突破、まず地上に出て一直線に講堂に向かいましょう。 瑞鳳さん、バスターキャノンの射程は?」

瑞鳳「10メートルってとこ。ただこれ、単機で持ってると機動力が死ぬね」

海風「わかりました。 では第四小隊で牽引します。 戦闘の際は一応隅にでも置いておきましょう」

間宮「言っている側から… 敵機接近、数27。 戦闘まで残り100秒!」

海風「全機、オールウエポンズフリー! 交戦、開始してください!」


イベント 直下
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 10:04:38.60 ID:7CjOv9z30
見たことない機体が増援が現れる
178 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/17(火) 01:16:12.45 ID:W7dLOH6d0
海風「第二小隊、正面へ! 第三小隊は各小隊のフォローをしつつPBCの護衛を! 第一小隊は右側、第四小隊は左側から攻めます!」

榛名「そこを、退け!」


スライサービットが射出され、立ちはだかる数機のMSを切り裂く。その後方からヴィドフニルとスヴァジルファリが砲撃を行い、敵の数を減らして防御の薄くなった場所にスレイプニルが吶喊し敵の勢いを削ぐ。


間宮「天城さん、敵さらに接近!」

天城「くっ…!」

ウォースパイト「任せなさい! Spred Mode!」

瑞鳳「青葉さん、フォローを! 萩風ちゃん、やるよ!」

青葉「了解!」

萩風「はい、お母様!」


右側から切り込むエピオンとエクシアが敵を蹂躙し、青葉の攻撃が複数機の敵機を纏めて葬る。

そしてその逆サイドからは海風と神通が突撃し、それを霞がフォローしていた。


海風「先輩!」

神通「天剣、絶刀!」

霞「あの2機、速いけど… こっちだって!」

時雨「荷物が無ければ暴れられるのに…!」

春雨「…! まだ何か来ます!」

三日月(オ)「春雨、無人機じゃないみたいだ」

春雨「え…?」

三日月(オ)「速度が速すぎる。それに、妙な殺気だ…!」

霞「でも、敵じゃない…?」


そして、数条のビームが敵機を薙ぎ払う!


海風「味方…?」

神通「私達を避けた攻撃、これは一体…」


到着した援軍 直下
1.『RX-0[M]』『RX-0[G]』『RX-0[V]』『RX-0[H]』
2.親衛隊一同
3.その他(内容も ただし一部キャラはNG)
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/17(火) 03:37:14.54 ID:64XjVBGA0
180 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/17(火) 22:31:56.14 ID:W7dLOH6d0
そしてさらに多数の屈折するビームが敵機を貫き、接近する機体の殆どを撃破する。


天城「姉さん、このビーム…!」

榛名「『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』の…」

間宮「識別確認! これは『RX-0[M]』!?」

海風「その型番は…」


その直後、光の翼を纏った機体が猛スピードで敵陣へと突撃し翼で複数機を薙ぎ払う。

さらに一撃のビームが数機を纏めて射抜き、敵を屠った。


青葉「『ネージュ・エール』と『グシスナウタル』… まさか…!」

間宮「『RX-0[G]』と『RX-0[V]』!?」

霞「『マーナガルム』『ヴェズルフェルニル』『ガルム』…!?」

「そう言うことだよ!」


全員の前に降り立ったのは重装甲を纏った白いMS、そして榛名達と同系統の『RX-0』。

通信ウインドウが開き、そのファイターが露となる。


榛名「阿武隈!?」

阿武隈「ごめん、大鯨さんから天城姉さんが拉致されたって聞いて… 詳しいことは秋月ちゃん達には聞いたよ。同じ場所から操ってるから」

榛名「いや、そもそもどうやってここに… ここ奥多摩でバスすら無い場所ですよ!?」

陽炎「そりゃ拉致よ。大鯨さんにやられた」

長波「早朝叩き起こされたと思ったら拉致られて、高速法定速度ギリギリでかっとばした上に変な裏道使いまくって…

挙句山に入ったら道なき道を走らされて学校の前に放り投げられたんだよ。 お陰で満潮が酔ってダウンしたぞ」

瑞鳳「ごめん!後で〆とく!」

天城「って、満潮も!?」

満潮「うぷ… まだ気持ち悪い…」

陽炎「アンタ、操縦して大丈夫なの?」

満潮「吐いたらアンタにかけてやる…」

陽炎「私に被害及ぼすのやめなさいよ!」

榛名「どうして満潮まで…」

満潮「一応、アンタ達とは戸籍上は義理の姉妹だし… 元凶がアンタとは言え拾って貰った恩もある。

それに… こんな虐殺まがいのことを見過ごせる程薄情じゃないわ…!」

榛名(こうなった以上仕方無い… 機体も隠匿したかったし、何より妹達をこんな事態に巻き込みたくはなかったけど…!)

榛名「では4人とも、無茶しないでください。 それぞれ海風さんの指揮下、彼女の指示に従うように」
181 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/18(水) 00:47:07.86 ID:Rzg2/CEU0
参入

マーナガルム(真)
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
強化装備ユニット『ヤールングレイヴル』
・リモート・アタックユニット『スコール』『ハティ』
・スフィア・フォーカス・ビームキャノン×12門
・クローアーム×2

阿武隈の使用する『マーナガルム』の『本来の姿』。中学生向けに敢えてデチューンしていたものを元に戻した仕様。
最大の特徴はグリンカムビ同様の強化装備『ヤールングレイヴル』を装備していること。
『ヤールングレイヴル』はグリンカムビの『ドラウプニル』とは真逆の近接特化仕様でありIFジェネレータや重装甲による堅牢さ、両肩の巨大ブースターによる高い加速力、そして金属すらも容易くねじ切るパワーのクローアームなどを用いた突撃戦法を得意とする。
一応五指もあるが戦闘では殆ど使われることは無く、もっぱらクローアームが使われることが多い。
武装は脚部に内蔵された『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』で、ビームが軌道を変えながらオールレンジ攻撃を行うのが特徴。
『スコール』『ハティ』は両肩のブースターに内蔵される形式に変更となったが先端にドリルが付き、貫通した敵のエネルギーを奪う機能も付いている。
『コード・ブレイヴ』発動時には高い加速性とパワーがさらに向上し、敵を文字通り『粉砕』することが可能。
塗装は『ホワイトクリーン』の名前に則り榛名同様の白に改められ、発光も青となっている。 モチーフは『ヴァルアルム』。


ヴェズルフェルニル(真)
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
・ビーム・サブマシンガン
・実体剣『グラム』
・ミノフスキードライブユニット『スキーズブラズニル』

陽炎の使用する『ヴェズルフェルニル』の『本来の姿』。
変更点は少なく、背部にミノフスキードライブユニット『スキーズブラズニル』を装備したことのみ。
『スキーズブラズニル』はV2ガンダムのものとは異なり、かなり有機的な翼の形状で加速能力は常軌を逸する。
その加速能力は最大で『まともな人間なら目視すら困難になる』ほどで、反射神経に優れた陽炎のみが唯一まともに使うことが出来る装備となった。
また形成された『光の翼』はV2同様武器に転用する事や、放出された余剰エネルギーを集束させて遠隔操作出来る無数の刃『ネージュエール』としてぶつける事も可能。
ただしその反面、エネルギーが常にカツカツであり武装が乏しくビーム・サブマシンガンと専用の実体剣『グラム』しか持っていない。
『コード・ブレイヴ』発動時にはさらに加速能力が上昇、最早手が付けられなくなるが最大加速を維持し続けると自爆しかねない可能性がある。
塗装は『ホワイトクリーン』の名前に則り榛名同様の白に改められ、発光も青となっている。 モチーフは『アストラナガン』。


ガルム(真)
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
・クローシールド×2
・肩部ビームキャノン×2
・専用弓装『グシスナウタル』

陽炎の使用する『ガルム』の『本来の姿』。
元々ガルムは天城の『スレイプニル』や間宮の『スヴァジルファリ』と同系統の機体であり、同じ規格のパーツが使われている。
その為『スヴァジルファリ』と同じ肩部ビームキャノンと2機と共通のクローシールドを武装として持つ。
またステルス性が強化され、余計な装備なしでも『ミラージュコロイド』と『ハイパージャマー』を併用して使用可能。
専用武装は弓装『グシスナウタル』。元々榛名が使っていた武器だが封印され、長波の手に渡った。
グシスナウタルは『必中』の武器であり、一度放てば命中するまで相手を追い続けるビームを放つ。しかし防がれても命中したことになってしまう為、もう一つの能力として『必中』を犠牲にすることでどんな装甲や防御策すらも貫く『必殺』の矢となる。
ただしミラーリングシステムやアブソーブなど『粒子を吸収する』特性を持つ能力には弱く二つの能力の同時使用は不可能であり、そこが弱点。
しかし最大の点はステルスシステムと併用して使えること。そのため『目視出来ない相手が移動しながら必ず当たるビームを撃ってくる』と言う状況を作り上げて相手を恐怖に陥れられる。
『コード・ブレイヴ』発動時は性能上昇の他にクローシールドから巨大な爪を生成する『プラフスキー・バスター・クロー』。
塗装は『ホワイトクリーン』の名前に則り榛名同様の白に改められ、発光も青となっている。 モチーフは『ラフトクランズ・カロクアラ』。



182 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/18(水) 02:02:56.62 ID:Rzg2/CEU0
霞「最早原型留めて無いわね…」

榛名「いえ、アレは元々デチューンした仕様でこちらが本来の姿です」

萩風「確かに中学生の戦いにこんな機体が出てきたら一方的でしょうね」

萩風(多分ガンプラ学園も苦戦、どころか一歩間違えれば敗退も在り得る完成度… 海風さん達の機体もそうですが、インフレが凄まじいです)

海風「そして満潮さんの機体は… 『フレスヴェルグ』…」

満潮「何よ、文句あんの?」

海風「いえ… ただ機体の名前に親近感が…」

瑞鳳「北欧神話モチーフならそりゃあるか、フレスヴェルグ」

春雨「あの機体の名前、元々浜風が付けたものなんですけど…」

時雨「まぁ、軽く深夜のアッパーテンションだったからね。あの機体が完成したとき」

海風「アッパーテンションで名前付けられたんですか…!」

三日月(裏)「落ち着け。 そしてその件はあとで問い質せ」


フレスヴェルグ
武装
・60mmバルカン×2
・ビームサーベル×2
・アームド・アーマーDE改×2
・スライサービット×8
・多目的ロングライフル『グングニルU』
・アンカーシールド

概要
『フェンリル』と『ヴィドフニル』のパーツを組み合わせて作り上げられた満潮用の改RX-0。ヴィドフニルとは異なり格闘戦にも対応する。
リングビットの機能はスライサービットが担うことで、余計な装備が少なくなり機動力が微妙に上がった。
またスライサービットを本体の加速装置として利用する事も可能で、瞬間的な加速で間合いをつめて銃身から展開したサーベルで貫くといった戦法も可能。
アンカーシールドは格闘武器としても使用出来る。その為高い切断力を持ち、ある程度ならガンプラすら切断する。
コード・ブレイヴ発動時の能力はヴィドフニルのものより出力の上がった『プラフスキー・フルクラム・ブライカーU』。
塗装は灰色、NT-D発動時の色は緑色。モチーフは『リ・ブラスタT』。
183 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/18(水) 23:08:45.97 ID:Rzg2/CEU0
《その頃 屋外》


大鳳「愛宕さん!」

愛宕「わかってるわ!」


迫るベルガ・ギロスへとサーベルを突き立て、そして切り裂くのはオレンジ色の機体『スクランブルガンダム』。

海風の使用していた機体を愛宕は先程回収しておりそれを用いて戦っていた。


愛宕「スクランブル… 暴走はしないようね」

大鳳「瑞鳳が暴走しないように手を加えてるみたいだけど… その代わりに操縦性が悪いわ…!」


大鳳が使っている機体も『スクランブルガンダム』、こちらは前日に海風達の鹵獲した機体を黒くリペイントして用いた物だ。

そして2機、特に暴走した大鳳用のスクランブルには徹底した対策が施されておりその代償に操りにくくなっている。


蒼龍「纏めて片付ける! 飛龍!」

飛龍「よしっ! トランザムッ!」

蒼龍「ソーラーシステム、起動!」


飛龍が駆る新型『ダブルオーライザー・クロイツ』が赤い輝きを帯びてトランザム状態へと変化し、蒼龍の『ガンダムDX・クロイツ』もソーラーパネルが輝きサテライトキャノンの砲身が展開される。

そして2機のMSから極大の粒子の奔流が解き放たれた!


飛龍「ライザー、ソォォォォドッ!」

蒼龍「サテライトキャノン! 発射!」


粒子の奔流が戦域に居る敵機の多数を呑み込み、そして葬り去る。 2機の前には何も残らない。膨大な熱量に耐え切れず数十機ものガンプラの存在は跡形も無く消えてしまった。


飛龍「いけるっ…! この機体なら!」

浜風「調子は悪く無いようですね、その新型」

飛龍「当たり前よ。 出来たばかりの、新型機よ」


ダブルオーガンダム・クロイツ
武装
・GNソードV
・GNビームサーベル×2
・GNバスターソードU
・GNソードUブラスター
・GNカタール×2
オーライザーtype-H
・GNビームマシンガン×2
・GNマイクロミサイル×8
・GNウイングソード×2

概要
飛龍用の新型で『ダブルオーガンダム』の改造機。『RGシステムtype-Z』を搭載していることは他のクロイツシリーズと共通。
武装は『ダブルオーライザー・セブンソード/G』とも言うべき装備となっており、高い近接能力を持つ。
性能は他の機体と遜色なく、瑞鳳のエピオンとも互角以上の性能を誇る。
そして瑞鳳謹製の『オーライザーtype-H』には『周囲の粒子を取り込んで火器へとまわす』事が出来る特性を持ち、DX同様高い継戦能力を持つ。
また翼部がブレードとなっており、オーライザーをも近接武装としても使用可能。
本機の製作には『ウイングガンダム・アズライト』の基礎データが使われており多数の剣を装備するなど共通点が多い。
184 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/19(木) 00:05:38.27 ID:ccGTjbu/0
夕雲「浜風さん、このエリアの敵は殲滅しました。これからどうします?」

浜風「如月さん、戦闘へ継続可能ですか?」

如月「ええ。『ラタトスク』以下3機、戦闘に支障は無いわ」

野分「損傷軽微、戦えます…!」

秋月「エイクスュリュニルも問題ありません」

浜風(どうする…? 瑞鳳さんや海風と合流すべきか、このまま結晶体のある講堂に突入するか…)

浜風「…別働で動いてやられるより、集まったほうが得策でしょう」

愛宕「このまま突入しないの?」

浜風「嫌な予感がします… ぞれにこのまま突入しても、瑞鳳さん達が居る訳では無いので結晶を破壊出来ませんし」

浜風(最も怖いのは『因果』… 私達は昏睡病との戦いの中で敗れ、倒れたと神通さんは言っていた。 それがいつ、どのタイミングかは聞いていないけど…

だけどこの編成に瑞鳳さんだけが別行動を取っていると言う状況自体がある種の『フラグ』かもしれない。 今は確実、堅実に生き残る手段を見出すしか…!)

飛龍「何よ、浜風にしちゃ消極的じゃない」

浜風「人間、臆病なくらいが丁度良いんです。 このまま校舎に突入、瑞鳳さん達と合流を図ります」


移動した後、彼女達は知らなかった。 その選択は間違いで無かったことに。

何故なら直後に…


「チッ… 逃げられたようだ」

(ここで仕留める筈が… 予定外の動きだな。 まさか、向こう側に…)

「考え過ぎだな。 イレギュラーは居れど、この局面を乗り越える事は出来ん」

「どうなさいますか?」

「奴等は必ず講堂に向かう。そこを待ち伏せ、全滅させるぞ」

「「ハッ!」」


三人の男の操るガンプラが踵を返し、講堂へと戻っていく。 そしてそのガンプラは大鳳と愛宕の機体と、良く似ていたのであった。
185 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/19(木) 01:50:44.48 ID:ccGTjbu/0
《渡り廊下》

海風「識別信号、『LN-ZGMF-X13K』… うげっ…」

浜風「また『うげっ』って言いましたか?」

瑞鳳「はいはい、喧嘩しないの。 状況は?」

浜風「敵の攻勢は止んで防戦に回った模様です。 中の様子は愛宕さん達が威力偵察を行ってきたのですが…」

愛宕「うぷ… ごめん、私には…」

大鳳「どうして、あんなこと出来るのよ…!」

浜風「愛宕さんと大鳳さんがグロッキー状態で…」

海風「…凄惨なんですね」

浜風「ええ。 海風、貴女達は『こちら側』に来なくて良い。 いや、来ないで」

海風「いいえ、行きます。 ここに来るまで、何人もの遺体を見てきました。彼等の弔いの為にも、行かせてください」

浜風「しかし…」

霞「私も、覚悟は出来てます。 私がこの事件の原因の一端であるなら、私にはこの事態を終わらせる義務がある」

浜風「霞さんまで…」

神通「私は元々『そのつもり』でこの時代に来ました。 それに深海棲艦の侵攻で、死は見慣れています」

萩風「それに戦力はこれから足りなくなるかもしれません。 優秀な指揮官とEXAMに狙われる危険のある者ならば、かなりの戦力を割く必要が出ますよ」

浜風「それは… …わかりました。 では引き続き海風はそちら側の中隊指揮を執って下さい。 私はこちらの中隊指揮を行います」

海風「言われなくともそのつもりです。 で、二方向からの同時侵攻と一点突破、どっちにします?」

浜風「勿論… 一点突破が最善手です」

霞「え、二方向なら敵が分散して…」

海風「それは戦力が分かっている相手にのみ有効な手段です。 相手は数もその能力も分からない、だから現状は密集が最善手なんです」

浜風「さらに言えば二方向より一点集中の方が互いをフォローできる点において生存率がこちらの方が上でしょう。まぁこちらを丸々飲み込むような大出力砲撃とかには無意味ですが」

海風「では… 行きましょう」


《講堂》


海風「酷い…」

萩風「取り残されてた人達は… 皆殺しにされてます。もう、誰も生きてはいません」

霞「こんな… さっきまで生きてたのに、こんなの… 人の死に方じゃない…!」

神通「仇は討ちます…!」

陽炎「一応忠告しておくけど、死に呑み込まれないでよ。 死者って言うのは平気で生者の枷になって、引き摺られて死ぬ人間だって居る。

それにこんな状況じゃまたいっぱい人が死ぬ。 今の内に刻み込みなさい、その目に。 本当の『理不尽な死』がどう言うものかをね」

天城「…」キッ

榛名「天城、抑えてください。 怒りを覚えるのは分かりますが、冷静さを欠かないように」

天城「頭で分かってはいますが…!」

間宮「これは私でも、抑えられません…!」

青葉「元凶の頭、爆破してやる…!」

長波「こっちも、久々に頭にキたよ…!」

阿武隈「絶対に許さない、生かしちゃおかないから」

満潮「散らして貰うわよ、手向けの紅い華をね」

瑞鳳「『真紅の戦乙女』の名にかけて、一人残らず叩き潰してやるわ…!」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/19(木) 18:43:40.94 ID:EUai48r6O
AGP神通改二が手に入ったからスターリリイ風にしてみた。


187 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/20(金) 02:08:37.69 ID:VEnoNtYK0
>>186
写真ありがとうございます。AGP神通押入れに仕舞ったままだから出さないとなぁ…(あと今エクシアルベルムっぽい何かを作ってます)



間宮「ッ…! 敵機接近! 数70!」

海風「また無限涌きのコピー体…!」

浜風「ですが前回と違う… 今回は明確に、戦略的な行動を取っている…!」

瑞鳳「意思を持った虐殺、それに機体同士の編隊行動と連携… 指揮官が居るね」

榛名「明確に『防戦行動』を取っている時点で確定でしょう」

神通「それにコピー体を増殖出来ると言う事は間違いなくスドウ・シュンスケと同じナノマシンを使っています」

萩風「『特別製のEXAMナノマシン』であれば間違い無く元凶か、それに近い人間が居ると言うことです…!」

阿武隈「こっちの戦力はMS26機… 多勢に無勢かな?」

夕雲「大丈夫ですよ。 個々の機体性能はこちらが遥かに上、さらに言えば操り手の腕も指揮官の手腕も上です」

春雨「世界クラスのファイターに全日本クラスのファイターが揃っています、はい」

三日月(オ)「虫みたいに沸いて来るならチマチマ全部潰せば良いんだろ?」

時雨「だけど相手は無限に沸いてくるゴキブリと同じだ。長期戦は無理、短期決戦で黒幕を引っ張り出すしかない」

霞「先生、大丈夫ですか?」

愛宕「ええ… 生徒が頑張ってるのに、教師がヘバる訳にはいかないもの…!」

大鳳「それにこの状況見過ごせばこれ以上の人間が死ぬかもしれない… なら止めなきゃ…!」

浜風「準備は良い、海風?」

海風「言われなくとも…! こちらの指揮下の小隊全機へ! 第一、第二小隊を主力に展開! 互いが互いをフォローしつつ、ここを突破する事を優先してください!」

浜風「こちらも蒼龍さんと飛龍さん、夕雲を中心とする第一小隊を主力に展開! 海風達の部隊との連携を取りつつ前進!敵は無限ですが、質はこちらが遥かに上です!」

海風「では、突入準備! 全兵装使用自由! 最優先目標を『黒幕』もしくは『粒子結晶体』と設定! また全員の生存を以って今回の戦いを勝利とします!」

浜風「こちらも、オールウエポンズフリー! 最優先を全員の生存とこの事態の元凶の撃破と設定! 全機、ここで倒れることは断じて許しません!」



海風「全機、交戦開始!」

浜風「オープン、コンバット!」



イベント 直下
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 10:07:50.21 ID:NU6hZyZP0
コピー体以外にMA出現
189 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/21(土) 02:47:43.10 ID:g4eD/IwC0
ウイングガンダム・アズライトがツインバスターライフルを放ち正面のグレイズを破壊する。そして背後から襲い掛かるデナン・ゲーの斬撃を背中に装備された『アズライトウイングブレイド』を抜き放ち防ぐ。

そしてそのままパワーで押し切り、ウイングブレイドでデナン・ゲーを両断しバスターライフルを使って残骸すら残さず消滅させた。


海風「これなら、再生出来ないでしょう!」

阿武隈(あの時戦った時より遥かに腕があがってる… 完全に敵の動きを先読みして、これがあの子の力…?)

阿武隈「私も、負けてられない!」


脚部に内蔵された『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』で迫るトーラスの機体を穴だらけにして爆散させるマーナガルム。

そしてクローアームで掴んでいたビルゴを握り潰して粉砕した。


霞「エグい戦い方するわね…」

長波「あれでもまだ加減してる… 来るぞ!」


霞と長波は背中合わせでそれぞれレールガンと『グシスナウタル』を放ち敵を纏めて撃破する。

そして開いた進路をヴェズルフェルニルとインフィニットジャスティス・ロンギフローラムが駆け抜け、敵陣へと切り込む。


陽炎「『ネージュエール』、いきなさい!」

神通「我が刃よ敵を裂け! 密天、烈風!」


振るわれる一筋の刃と白き無数の小さな刃が並み居る敵を八つ裂きにして数多の爆発を生み出す。

パールホワイトのヴェズルフェルニルと百合の花を模った白のロンギフローラムが並び立ち、その刃を以って敵を全て切り裂いた。


瑞鳳「榛名さん!」

榛名「了解!」


そして『真紅の戦乙女』と『純白の神狼』が戦場を駆け、神通達を上回る量の爆発の光で戦場を満たす。

純白の機体と真紅の光を帯びた機体が無数の敵へと挑みその悉くを殲滅していく。


海風「…次元が違いすぎます」

阿武隈「あの二人は桁違いだからね」

間宮「気を抜かないで! 大型熱源反応確認、MAと推定!」

海風「MAクラスまで…!」

浜風「来た…! あれは… ラフレシアと、αアジール…?」

夕雲「違います…! GジェネレーションシリーズのオリジナルMA、『エビル・ドーガ』です!」


2機のMAから放たれるビーム砲撃、それを回避した海風達はMA2機への対処を行おうとする。

だが1機のMSが突出し、攻撃を開始した。


海風「三日月さん!?」

三日月(オ)「別に、このデカイのならこっち一人で対処出来るよ」

海風「し、しかし…」

浜風「海風、三日月は… 巨大なMAの対処に、最も秀でているんです。対・MAに関しては我々を遥かに上回っています」

海風「え…」

浜風「観ていてください。多分、1分持てばまだマシです」
190 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/21(土) 03:26:05.38 ID:g4eD/IwC0
三日月(裏)「さて… 適宜切り替えてアレを始末するとしよう」


バルバトスがバインダーから2本の太刀を引き抜き、構える。

そして突出したバルバトスへと向けて幾多もの砲火が放たれた。


三日月「成る程、迎撃機としては優秀ですね。無駄に弾幕が厚いですから。しかし…」


砲火を切り抜けながらバインダーに装着している遠距離用レールガンの照準を合わせてエビル・ドーガの正面にあるメガ粒子砲へと砲撃を叩き込む。

メガ粒子砲を破壊した三日月はラフレシアを無視して真っ直ぐエビル・ドーガへと突っ込み、太刀で頭部を抉り取る。


三日月(裏)「やはり、ただの的だ」


そして失った頭部があった場所、内部が露出した場所へとバインダーのレールガンを放つ。

バルバトスはエビル・ドーガを踏み台としてラフレシアへと対処を始める。次の瞬間エビル・ドーガは叩き込まれたレールガンによるダメージに耐え切れず内部から崩壊した。


三日月(裏)「無駄に肥大化したMAなど、どれだけ砲をつけようと所詮はただの的に過ぎん…!」


ラフレシアはテンタクラーロッドと正面のビーム砲を使ってバルバトスを迎撃する。しかしバルバトスは止まらない。

テンタクラーロッドを太刀で切り裂きながらラフレシアへと突撃し、一本の太刀を投棄してソードメイスをバイダーから取り出す。


三日月(オ)「コイツは春雨の敵なんだ。 なら、壊す」


そしてソードメイスによる一撃をラフレシアのコクピット部へと叩き込み、ラフレシアはその機能を完全に止める。

さらに追撃と言わんばかりにレールガンによる砲撃を加え、機体を誘爆させてラフレシアを爆散させた。


三日月「――――命中」




霞「嘘でしょ…?」

海風「一分未満で、2機のMAを攻略した…?」

浜風「三日月は、公式な大会にはほぼ参加していません。 ですが彼女は『MA殺し』としてならば、飛龍さんをも余裕で凌ぎます」

三日月(オ)「あんなの、ただの木偶でしょ。 人型よりデカイ分ただの的だ」

陽炎「的って言い切った…」

瑞鳳「でもアレ、まだ本気じゃないってのがね…」

夕雲「『本物の暴力』、あれが出て来ない限りは…」

榛名(あそこまでの人間はガンプラ塾に居なかった… 恐らく同じ機体でやれと言われれば、榛名でも倍以上の時間がかかる。 ある意味、恐ろしい才です)

191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/21(土) 10:27:16.14 ID:vCGw3GyCO
そりゃカガセオ(巨大アルマ)瞬殺する奴とハシュマル倒す奴融合してんだからなぁ…
192 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/22(日) 04:28:51.70 ID:pilbpDam0
霞「!」ピキィン

榛名「ッ…!?」

天城「何、この感じ…!」

満潮「肌が、張り詰めて…」

如月「酷い敵意…!」

蒼龍「青葉! アンタの感覚は!」

青葉「…分かりません」

飛龍「アンタ、心を読み取るんじゃないの!?」

青葉「形容、出来ないんです…! 冷たいような、熱を持ったような… 何か複雑な、混じりあった『何か』が…!

言語化できるとしたらただ一つ、『殺気』と言う言葉だけです!」


次の瞬間、数条のビームが海風達へと放たれる。 そのビーム正確に、そして的確に『霞』を狙っていた。

だがそんな攻撃の前に3機のMSが割り込む。


榛名・秋月・満潮「コード・ブレイヴ! 『ミラーリングシステム』、展開!」


3機のMSがスライサー・ビットを展開してビームを拡散・吸収する。

そして中央に居る榛名が敵意を露にし、ビームが放たれた方角を睨んだ。


榛名「不意打ちとは卑怯な… 姿を現せ、下郎…!」

「ほう、下郎とは… 騎士に言うべき台詞では無いな」

榛名「下郎で無いと言うのなら、外道か下衆か… それとも屑とでも言いますか?」

間宮「敵数3、識別開始… 形状から『スクランブルガンダム』と断定!」

ウォースパイト「気を付けて! あの機体、3機ともオリジナルからチューンされてる!」

「アナハイムの小娘か… それに、『死すべき者』と『進化の導』を持つ人間がこうも集まるとは… まさしく僥倖と言うべきだな」

海風(死すべき者…? まさか…!?)

「貴様等全員、ここで終わらせてやろう。 後の世の為、そして『EXAM』の贄となるが良い!」

瑞鳳「誰が…! 消させはしない、そして未来を奪わせはしない!」


ニムバス「刻むが良い! ニムバス・シュターゼンの名を! セルジュ、トリスタン! かかるぞ!」

セルジュ・トリスタン「はっ!」


同時に現れる無数のコピー体、青く塗られたスクランブル2機と肩がオレンジに塗られたスクランブルが同時に彼女達へと襲い掛かる。

海風と浜風は互いに目を合わせ、そして互いの意識が通じ合ったかのように指揮を下した。


浜風「あの3機を落とせばこの戦いは終わります! 全機、連携を維持しつつ攻撃開始してください!」

海風「第一第二小隊は中央の、ニムバス・シュターゼンを名乗る者を攻撃! 残りは2機の改造スクランブルを攻撃しつつコピー体の迎撃を!」


視点選択 直下
1.瑞鳳&榛名『VSニムバス』
2.海風『VSトリスタン』
3.阿武隈『VSセルジュ』
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/22(日) 10:55:24.89 ID:ER0mlBxm0
3
194 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/22(日) 17:30:24.62 ID:pilbpDam0
side-阿武隈-


『スフィア・フォーカス・ビームキャノン』を放ち青いスクランブルへと攻撃を行う阿武隈。全方位ビーム攻撃を回避するスクランブルの機動性に四苦八苦しながらも攻撃を続ける。


セルジュ「そのような攻撃では!」

阿武隈「当たらない… 聞いてた以上に速い!」

長波「なら… 奔れ、『グシスナウタル』!」


弓装『グシスナウタル』からビームの矢が屈折しながら放たれスクランブルへと目がけて矢が駆ける。回避行動を行うセルジュだが『グシスナウタル』の矢は『必中』であり回避する事は不可能。

そして矢が直撃するが、スクランブルは傷一つもつかない。


セルジュ「こちらに当てるか…!」

長波「なんだコイツ、堅い!?」

陽炎「耐粒子コーティング…! 生半可な攻撃は通じないわよ!」


足を止めたスクランブルに『グラム』を抜き放ったヴェズルフェルニルが加速し斬撃を加えるがスクランブルはサーベルを抜いて防ぐ。

パワーで劣るヴェズルフェルニルは押し切られそうになるも満潮のスライサー・ビットがフォローの射撃を行い相手を下がらせる。


満潮「アンタの機体は『脆い』のよ! 無闇に接近戦を仕掛けないで!」

陽炎「アイツに追いつけるのは『ヴェズルフェルニル』だけよ! アイツ無駄に運動性高くて…」

阿武隈「なら… フォーメーションを使う! 満潮ちゃん、フォローお願い!」

満潮「ちょ、フォローって…」

阿武隈「行くよ、二人共! NT-D、起動!」

陽炎「リミット解除、ここから飛ばしていくわよ…!」

長波「認証確認、『コード・ブレイヴ!』」


3機の装甲が裂け、蒼い燐光を纏いながら『ガンダム』へと変身する。 さらに全身から燐光溢れ出し全身が光に包まれた。

そしてまずヴェズルフェルニルの背部に装備された『スキーズブラズニル』から白い光が放出され、翼の形を形成していく。


陽炎「マッハで駆けるわよ、ヴェズルフェルニル!」


そう陽炎が告げると、ヴェズルフェルニルが凄まじい速度でスクランブルとの距離を詰める。

咄嗟に反応したセルジュだが既に遅く、正面に居た筈のヴェズルフェルニルは背部へと回り込んでおり『グラム』による斬撃が直撃した。


セルジュ「くっ… しかし!」

陽炎「遅い! 『ネージュ・エール』、切り刻め!」


放出される余剰パワーの塊が無数の刃を形成し、スクランブルへと殺到するがセルジュはその攻撃をシールドで防ぐ。


セルジュ「その程度では!」

長波「なら、盾を壊せば良いんだろ! ブチ抜け、『グシスナウタル』!」


先程とは違う、真っ直ぐに進む光の矢が『グシスナウタル』から放たれ『ネージュエール』の刃を防いでいたシールドを粉砕する。

本体の破壊こそ出来なかったもののライフルと一体化しているシールドを粉砕したと言う事は射撃兵装を喪失したことと等しい。


セルジュ「なっ!?」

阿武隈「今! マ−ナガルム! ファイナル・ウルフ・ストライク!」


猛スピードで直線加速するマーナガルム、そしてマーナガルムに気圧されたセルジュの判断が遅れ体当たりが直撃し壁へとたたきつけられた。

そして阿武隈は腕に装備されたクローアームを展開して振り下ろそうとするが…
195 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/23(月) 02:08:12.34 ID:Sb9OY36q0
阿武隈は直感的に『何か』を感じ取り機体を下がらせる。言葉で言い表せないような恐怖、追い詰めたと言うのにまだ余裕を見せる異質さが阿武隈の戦場で培った勘が警鐘を告げた。

そして次の瞬間、スクランブルが震え上がり全身のクリアパーツが赤い色へと変色しツインアイが赤く発光を始める。


セルジュ「子供が私に、コレを使わせるとは…!」

阿武隈「まさか… 『EXAMシステム』…!?」

満潮「どう言う事? 私達の機体だってNT-Dを積んで…」

陽炎「そうじゃない! あの機体、『本物のEXAM』に接続してるのよ!」

長波「こっちのガンプラはあくまでも『NT-Dの擬似的な再現』でしか無い、だけどあっちは『オリジナルのEXAMシステム』を外部接続させて使ってるんだ…!」

満潮「なっ…!?」

陽炎「アイツ等はそのEXAMを使う機械をナノマシンサイズまで縮小させる事に成功してる。 ならこんな芸当も不可能じゃない…」

セルジュ「これを見られた以上、益々貴様等を生かして返す訳にはいかんな」


阿武隈は思案する。 どうすればあのEXAM搭載機に対処出来るか、どうすれば倒せるかと。

だが答えは浮かばない。擬似的な『ニュータイプ』能力を再現するシステムであるEXAMを倒す術を見出せない。


阿武隈(EXAMの特性… NTを検知する事で暴走を行う、もしくは多数の死と殺気の検知による暴走… だけどこの場にNTと言える人間は一人しか居ない!)


しかしその肝心なNTは現在もう1機と交戦している。 そして彼女を巻き込む事は阿武隈の本位では無く、その思考を即座に打ち消す。

だが阿武隈は一つ肝心な事を思い出した。 それは数ヶ月前の事、榛名が珍しくスパロボ以外のゲームを買ってきた時の事だ。



阿武隈『何これ?』

榛名『Vの限定版が売ってなかったので… ワゴンで見つけたから買ってみたんです』

陽炎『『サイドストーリーズ』… なんでよりによってコレなのよ…』

榛名『陽炎達まだガンダム知識薄いじゃないですか。 それを補う為に、これで1年戦争時代の外伝シナリオを振り返ってください』

長波『本音は?』

榛名『限定版が売ってなかった腹いせです』

阿武隈・陽炎・長波『やっぱりね!』


自分の知識の薄さ(当人は塾生時代に全部学んだと言っていたが私達と大差無い)を棚に上げて自分にアレなゲームを押し付けた姉。だが今、それが生きた。

EXAMについて、もう一つだけ対処する方法がある。 そしてその策を実行する為にある人物へと通信を繋いだ。


阿武隈「海風ちゃん!」

海風『阿武隈さん、相手がEXAMを…』

阿武隈「こっちも! だから、相手をEXAM同士で『共鳴』させる!」
196 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/23(月) 03:08:16.93 ID:Sb9OY36q0
阿武隈は失念していた、EXAM機は設定上同じ戦場に複数機存在していた場合同士討ちを始めることを。

そしてその事を思い出した今、唯一EXAMに対抗出来る手段がこれであり阿武隈に思いつく『最善』だった。


海風『…分かりました。EXAMを倒すにはEXAMを使うしか無い。そして利用出来るのは…』

阿武隈「敵のEXAMしか無い、ってことだよ…!」

海風『ではタイミングはそちらに合わせます。 霞、お願いします』

霞『分かった…!』


本来二人は互いに手を取り合える相手では無い。 全国大会と言う場で争い合う筈の敵だ。

だが今だけは『共通の敵』が居る以上手を取り合い打ち倒すしか互いに未来は無い。だから二人は互いの蒼い目を合わせて頷く。


阿武隈「行くよ…! 3人共、私に付いてきて!」

陽炎・長波「了解!」

満潮「ちょ、何する気よ!?」

阿武隈「話はあと! 今はアレから逃げるよ!」

陽炎「満潮、掴まりなさい! こっちの方が速い!」

阿武隈「長波ちゃんも、マーナガルムに!」


フレスヴェルグはヴェズルフェルニルを掴み、マーナガルムがガルムの腕を掴んだのを確認すると2機は加速する。

2機の加速性は改RX-0の中でも抜群に高く、MSを1機牽引しようとその速度は落ちることが無い。


セルジュ「逃がさん!」


追いかけるスクランブルに向け手の空いている長波と満潮が『グシスナウタル』と『グングニルU』を使って迎撃を行う。

倒す事が出来なくても牽制にはなる、その目論見通りにスクランブルは小刻みに回避運動を行う為速度が少し落ちていた。


セルジュ「チィッ…!」

阿武隈(目標地点まであと10秒、逃げ切るしか無い…!)

海風『こちらも退避行動開始! カウント! 10、9、8…』


海風がカウントしながらZZをジャスティスと協力しながら牽引してくるのを阿武隈は目視する。

そしてモニターに映る海風と目を合わせ、同時に叫んだ。


海風「今です!」
阿武隈「今!」


機体を急上昇させる7人、急加速を用いてスクランブルを引き剥がす。それを追いかけようとスクランブルも加速するが、様子が変わる。

距離を離されたことで互いが共鳴し最優先目標が変更され、お互いを狙うようになったしまったのだ。


トリスタン「くっ… 何をしている、何故こちらを!」

セルジュ「コントロールが利かん! どうなっている!?」

陽炎「バーカ。 アンタ達は自分の力に溺れてんのよ。 勝手に潰し合って自滅しろ」

長波「EXAMを切っておくんだったな、このバカ共」

神通「システムの本質も機能も理解しないで使うだけ、とは… 愚かにも程があります」

阿武隈「そう言うこと。 しかも暴走状態のEXAMはシステムカット出来ない、どちらかが消えるまでね」

霞「互いに滅ぼしあって、自滅を辿りなさい」

満潮「まさかこんな対処法があったとは…」

海風「阿武隈さん、助かりました」

阿武隈「別に良いよ。 ここで倒されても困るし、気にしないで。 それより、結晶体の破壊に向かうよ!」
197 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/23(月) 20:32:22.18 ID:nDTuKHtr0
side-瑞鳳&榛名-


ニムバス「受けよ、我が裁きを!」

榛名「この感覚… EXAM! NT-D!」

瑞鳳「オリジナルのシステムを… なら、私も!」


赤い光を纏うスクランブルガンダムと相対する榛名の『フェンリル』と瑞鳳の『ガンダムエピオン・クロイツ』の2機。

そしてEXAMの力に対抗すべき蒼い燐光を放つフェンリルと明鏡止水の域に至った瑞鳳と同期し黄金の光を纏うエピオンが、スクランブルへと襲い掛かる。


ニムバス「面白い…!まずは貴様達を狩るとしよう!」

瑞鳳「黙れ」

ニムバス「何っ!?」

瑞鳳「黙れと、言った…!」


瞬時に間合いを詰める瑞鳳、咄嗟にサーベルで防御を試みるニムバスだがそれが間違いだった。

瑞鳳はシールドからマスタークロスを展開し脚部を縛り上げ、そのまま振り回す。


ニムバス「コイツっ…! 離せ!」

瑞鳳「でやぁぁぁぁぁぁっ!」


その勢いで壁へと叩き付け地面へと放る。 そして剣を振りかざして一撃を放つ!


瑞鳳「奥義!天剣、絶刀!」


放つは神速の刃、間一髪姿勢制御を行う事で回避するニムバス。 回避された不可視の衝撃波が講堂の地面を切り裂く。

だが大振りな一撃故の隙が出来、ニムバスはそこを狙う。しかしニムバスの思うようにはいかない。


榛名「一人だけだと思うな!」

ニムバス「チィッ…!」


2本のビームアックスを振るい、スクランブルと鍔競り合う榛名のフェンリル。

榛名とニムバスの技量差はほぼ無い、それどころか榛名が一歩押している。 そして機体性能も榛名の方が高く、徐々にスクランブルはパワー負けして追い込まれていく。


ニムバス「何故だ! この機体は、最強の機体の筈だ!」

榛名「いいえ! その機体はあくまでも中途半端な技術模倣で出来た機体、こちらの機体が『本物』です!」

瑞鳳「そんな機体でオリジナルの技術で出来た機体に勝てると思うな! 秘技・十二王方牌大車併!」


背後からエピオンを模した小型の分身がスクランブルを押さえ込み、機体の動きを封じた。

そして瑞鳳と榛名は互いに顔を合わせて頷き合いトドメの構えを取る。


ニムバス「う、動けん…!」

瑞鳳「流派・東方不敗が最終奥義!」

榛名「コード・ブレイヴ… アローモード、マテリアライズ!」


瑞鳳「石波ッ!天驚けぇぇぇぇぇんっ!」
榛名「エクサブレイヴ・シュート・オーバァァァァァッ!」


黄金の拳と蒼い粒子結晶が同時にスクランブルへと殺到し、既にスクランブルは逃げる術を失っている。

そしてそのまま2機の一撃がスクランブルの機体を飲み込み、衝撃波が周囲一体を吹き飛ばした!
198 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/23(月) 21:11:06.75 ID:nDTuKHtr0
瑞鳳「やった…?」

榛名「これでは原型も留めていないでしょうね、機体は。 まだ、妙な気配を感じます…!」

『まずは褒めてやろう! 今回の戦い、貴様達の勝ちだ!』

瑞鳳「ッ…! ニムバス・シュターゼン!」

ニムバス『だが次はこうはいかんぞ… 貴様達に未来など無い、この局面を乗り越えたところでな!』

榛名「それは、どうでしょうか?」

ニムバス『そして貴様等の行いが無駄であると、思い知るが良い! さらばだ!』


BATTLE END

パァァァァァァァァ…


瑞鳳「何!?」

榛名「粒子結合の崩壊、恐らくニムバス・シュターゼンの操る『スクランブルガンダム』を破壊したことで粒子が維持出来なくなり結合が崩壊し大気中へと溶けているんです」

時雨「じゃあこの事態は一応収束した、って訳だね」

春雨「何とかなりましたね…」

三日月「しかし… 結局黒幕を倒す事は出来ませんでした」

霞「それに、講堂に取り残されてた人達は…」

海風「彼等の犠牲を無駄にしない為にも絶対に事態を終わらせないと…!」

神通「うっ…!力が…」

萩風「眩暈が…」

瑞鳳「二人共、大丈夫!?」

神通「はい… 今のは、一体…」

萩風「わからない… でも、これは…」

青葉「今は脱出しましょう。 もうすぐここに警察が来るのでしょう?」

天城「厄介事にはもう巻き込まれたくありません…」

ウォースパイト「バズーカやら爆破やら色々ヤバイものがあるものね」

浜風『瑞鳳さん、聞こえますね?』

瑞鳳「そっちは大丈夫?」

浜風『ええ、被害ゼロです。 これからどうします?』

瑞鳳「全員、撤収開始して。 基地で合流、そのままブリーフィングに移るよ」

浜風『了解しました』
199 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/24(火) 00:07:12.84 ID:4D3kAt/p0
《瑞鳳達のアジト》


霞「あー、しんどかった…」

海風「夜も監視されててオチオチ眠れませんでしたし…」

瑞鳳「仕方ないか… ブリーフィングはちょっと休んでからね。部屋は前のトコ使って良いよ。 あと神通ちゃんと萩風ちゃんは医務室に」

神通「何故ですか?」

瑞鳳「さっきの眩暈、明らかに疲れからくるものじゃない。 身体に何か起きてるかも知れ無いからね」

萩風「わかり、ました…」

榛名「あの、榛名達は…」

瑞鳳「あ、これパスです。 車貸すので榛名さんはここから2キロくらい先にあるバー○ンにでも阿武隈ちゃん達連れて行ってあげてください。

どうやら朝どころかお昼も何も食べて無いらしくて。 これで足りますか?」

榛名「充分だとは思いますが… 流石にお金は…」

瑞鳳「後でお母さんから毟り取るから大丈夫ですよ。 あと戻ったら9番以降の部屋使ってください」

榛名「分かりました」



霞「あれ、海風? 部屋行かないの?」

海風「ええ。少し用事が」

浜風「海風… 良かった、無事で…」

海風「少しばかり面貸してください、この馬鹿姉貴」

浜風「ば、馬鹿姉貴!? どこでそんな言葉を…!」

海風「良いから! 来て下さい!」ガシッ

浜風「行く!行くから! と言うか首絞まってる!?」ズルズル

霞(何やってんのよ… でも海風、様子が変… どうなってるの…?)


蒼龍「霞ちゃん、ちょっと」

霞「蒼龍さん?」

蒼龍「ちょっと来て。 サイコミュ弄るから」

霞「は?」

蒼龍「ハシラジマからの贈り物、霞ちゃん用に調整するから来て欲しいの」

霞「えぇ…」


イベント選択 直下
1.海風『事象改変の果てに』
2.神通『消える因果』
3.霞『今を越えて』
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/24(火) 00:16:51.10 ID:EizF9bZw0
201 : ◆6G6UiAPa1Q [saga]:2017/10/24(火) 01:32:39.95 ID:4D3kAt/p0
side-海風-『事象改変の果てに』


浜風「何でこんな所に…」

海風「話せる相手が一人しか居ないからです。 その『事象』に組み込まれていて、それを乗り越えてしまった誰かさんにしか」

浜風「…事象を乗り越えた…?」

海風「ええ、言葉どおり… どこぞの誰かさんは『滅びの因果』を偶然乗り越えてしまったんですよ」

浜風「え、ちょっと待って… まさか私が『倒れる』事象が起きる筈だったのが、あの場であったと…?」

海風「はい。 ニムバス・シュターゼンが告げた言葉、『死すべき者』と言う言葉… あれは貴女や蒼龍さん達『昏睡病との戦いで敗れ消えた者』の可能性が高いです。

ここからはあくまでも推測でしかありませんが、『死すべき者』と言う単語は恐らくあの場で死ぬべき人間を指していたのだとすれば…」

浜風「図らずも、私は因果を乗り越えて事象を改変してしまったと…」

海風「はい。 それに萩風さんの話ではの学園の学生は本来皆殺しにされ、誰一人も残らない筈でした。 しかし現実には100人程生き残った…

事象改変の波が、定められた未来が徐々に崩壊しつつあります。 その影響をモロに受けるのは神通さんと萩風さん、そして敵も…」

浜風「まさか二人の体調不良は…」

海風「事象改変で存在が不安定になっているのでしょう。 二人の存在を固定する方法は唯一つ、ただしそれは『四人の死』と引き換えですが」

浜風「…」

海風「ですが、敵の方にもそれは言えることです。 敵は明らかに未来を知覚していた… そうで無い限り、彼の言動に説明がつきません。

そしてそこから導き出される結論は二つ、『敵は未来を知る方法を持っている』か」

浜風「もしくは『敵も未来の存在である』と言う事…!つまり事象を改変すれば改変する程…」

海風「敵に後が無くなっていくと言う訳です。 問題はここから、修正力との戦いでしょう」

浜風「本当に修正力と言うものがあるかどうかすら定かではないけど… 少なくとも暫く警戒が必要、でしょうね」

海風「ええ。 まぁ一度乗り越えた以上二度目も余程理不尽でも無い限り避けられると思いますが…

そしてもう一つ、どうにかして先輩達の因果を作らなければこのままだと確実に『消滅』します。 そうなれば後に因果が繋がれるかどうか、禁忌を犯している以上最悪輪廻転生の輪からも外れます」

浜風「分かりました。 この件は瑞鳳さんにも…」

海風「いえ、瑞鳳さんには伏せてください。 先輩と萩風さんを創造したのが瑞鳳さんな以上、何らかの事象が起こらないとも限りませんから。

少なくともこの話は貴女の無駄にデカイ胸の中だけに留めてください」

浜風「…分かった。 海風がそう言うのなら」

海風「しかしこちらとしても考える事が増えました。 相手は『EXAMシステム』そのものを使える、そこが厄介です」

浜風「ええ。 マトモに対抗出来る者は少ない以上、悩みの種です」

海風「今回は敵が同時使用と言うヘマをやらかしてくれたお陰で対処出来ましたが次はそうはいかないでしょう。 どうやってEXAMを撃破するか、それが当面の課題になるかと」

浜風「『あちら側』の間宮さんのように『HADES』を使える人間が居れば… それか向こう側のNT軍団か…」

海風「確実にEXAMを潰す算段を整えない限り、こちらに勝ちはありません。 そして勝ち筋を整えるのが海風達『戦術指揮官』の務めです」

浜風「海風… ええ、その通りです。 私達が勝ち筋を見出さなきゃ、未来なんて得られない…!」

海風「妹に言われるまでそんな事も忘れているとは…」

浜風「忘れてなんてないけど… 再認識しただけで…」

海風「そう言うことにしておきますよ… 眠いので寝てきます」

浜風「海風… ありがとう」

海風「別に、感謝される謂れはありませんよ。 海風は未来が欲しい、そして先輩達に消えて欲しく無いからやっているだけです」

海風(そう… もう海風は、止まれない…! 先輩達に、消えて欲しく無いから…!)
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