穂乃果「なんでも屋だよ!」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:29:03.53 ID:QcrCdny3O
第1話「なんでも屋のはじまり」


2年生教室−


穂乃果「海未ちゃん!ことりちゃん!」

海未「どうしたのですか?穂乃果」

穂乃果「私たち3人で!なんでも屋!やろうよ!」

ことり「……」

ことり「……へ?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1501662543
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:29:58.67 ID:QcrCdny3O
穂乃果「いや、だから!私たちで、なんでも屋をやろうって言ってるんだよ!」

海未「穂乃果……まったくあなたは…」ハァ

海未「なんですか?昨日、銀魂でも読んだんですか?」

穂乃果「なっ!」

穂乃果「ち、ちがうもんっ!」

海未「じゃあ、なんですか?スケットダンスを読んだんですか?」

穂乃果「うっ…!」ギクッ

ことり「あはは…」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:30:53.91 ID:QcrCdny3O
穂乃果「で、でも!穂乃果、本気だもん!!」

穂乃果「確かに、きっかけは漫画かもしれないけど、私!本気でやりたいんだよ!」

海未「いいですか?穂乃果」

海未「スケット団の皆さんはですね、あの3人でスケット団を結成するまでに感動的なストーリーがあるんです。穂乃果みたいな思いつきとは違うんですよ?」

穂乃果「っ…で!でも!やりたいんだよ!」

穂乃果「私…!やるったらやる!」ドンッ!

ことり(こうなった穂乃果ちゃんは…)

海未(もう止められませんね…)
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:31:25.43 ID:QcrCdny3O
廊下−


海未「ちょっ、穂乃果!本当に部活申請に行くんですか?」ツカツカ

穂乃果「うんっ!」ツカツカ

ことり「これはもうついて行くしかないね…」ヒソヒソ

海未「そうですね…。まぁ、しばらくしたら飽きるでしょう…」ヒソヒソ
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:32:19.31 ID:QcrCdny3O
生徒会−


絵里「……。」

絵里「…なんですか?これは…」ゴゴゴ

穂乃果「部活申請書ですっ!」

絵里「……、それは分かってるわ」

絵里「私が言いたいのは、このふざけた申請は何かという事よ」

穂乃果「ふざけてません!私、本気ですっ!」

ことうみ(帰りたい…)

希「まぁまぁエリチ、そんな怖い顔しないで」

希「えっと…穂乃果…ちゃん?やったっけ?」

希「これは……その、一体なんの部活なん??」

穂乃果「なんでも屋です!」

海未(答えになってませんよ…)

ことり「え!えっとですね、つまりは、学校の生徒を助けるために、なんでも依頼を引き受けるって感じ…ですかね…」

穂乃果「おぉ〜!ことりちゃんナイス説明!」

絵里「ミトメラレナイワァ…」

穂乃果「え?」

絵里「却下です」

穂乃果「えぇ〜!な、なんでですか!」

希「ごめんな、穂乃果ちゃん。活動内容は分かったんやけど、部活申請は最低でも部員5人はいないとダメなんよ」

絵里「そういう事よ。まぁ、活動内容もよく分からないけどね」

絵里「分かったら、さっさと帰ってちょうだい。私たちは暇じゃないので」

穂乃果「そ、そんなぁ…」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:33:03.79 ID:QcrCdny3O
廊下−


穂乃果「うぅ…」トボトボ

ことり「…穂乃果ちゃーん、元気出して」

穂乃果「うぅ…でもぉ…、私、本当にやる気だったんだよ…」

海未「穂乃果…」

穂乃果「ほら、高校入ってから、私たち3人でっていうの、あんまり無かったでしょ?」

穂乃果「だから、昨日スケットダンス読んで、これだ!って思ったんだよ…」

穂乃果「スケット団みたいに、学校のみんなを助けて、みんなを笑顔にするような事を私たち3人でやりたかったんだよ…」

ことり「穂乃果ちゃん…」

海未「穂乃果…」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:33:40.56 ID:QcrCdny3O
海未「分かりました…」

穂乃果「…海未ちゃん?」

海未「やりましょう!なんでも屋!」

穂乃果「え??、でも、いいの?」

穂乃果「それに、申請も通らなかったし…」

海未「関係ありませんよ!なんでも屋でしょう?部活として認定されなくても、活動しようと思えば、いつでもどこでもできるはずです」

穂乃果「海未ちゃん…」

ことり「そうだね!なんでも屋なんだもん!少しずつみんなに知ってもらっていけば、それで活動はできるよ!」

穂乃果「ことりちゃん…」

穂乃果「うぅ…二人とも…ありがとう!」グスッ

穂乃果「やろう!3人で!少しずつかもしれないけど、学校のみんなに笑顔になってもらうために!」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:34:06.66 ID:QcrCdny3O
ことり「そうと決まったら、まずは場所探しだね!」

ことり「一応、活動の拠点となる場所を作っておかなきゃ!」

穂乃果「あ!じゃあ!私たちのクラスでやるのは?」

海未「放課後の空き教室は使うのに許可がいりますよ?正式な部活でない私たちでは、残念ですが、許可がおりるとは思えません」

穂乃果「そっかぁ〜…」

ことり「う〜ん…運動場も体育館も運動部が使ってるしー…」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:34:40.36 ID:QcrCdny3O
屋上−


海未「ここしかないようですね…」

ことり「日陰もないし、雨が降ったら使えないけど…贅沢は言ってられないよね…」

穂乃果「うん!でも、ここなら周りを気にしなくて済みそうだね!」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:35:32.07 ID:QcrCdny3O
穂乃果「よぉーし!じゃあ、まずは、看板作んなきゃ!」

海未「…看板ですか?」

穂乃果「うん!やっぱり必要だと思うんだよね!ここがなんでも屋ですよ!って分かってもらうためにも!」

ことり「そうだね!看板は大事かも!」

穂乃果「でしょ!でしょ!それで、デザインの方なんだけど!」

穂乃果「大きな木の板に、なんでも屋って筆で書いて欲しいんだけど…」チラー

海未「わ、私ですか??」

穂乃果「だって、海未ちゃん字上手じゃん!」

海未「で、ですが…」

穂乃果「じゃ、そういう事だから!私!ホームセンターで木買ってくるね!」

海未「ちょ、ちょっと穂乃果ーっ!」

穂乃果 ガチャッ ダダダッ

ことり「…行っちゃったね…」

海未「困ったものです…」

ことり「嫌なの?海未ちゃん?」

海未「い、いえ、嫌というわけではないのですが、私が書いてしまうより、3人で書いた方が良いような気がして…」

ことり「あ!でも、それいいかも!穂乃果ちゃんが帰ってきたら、言ってみようか!」

海未「ほんとですか??ありがとうございます、ことり」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage ]:2017/08/02(水) 17:36:03.66 ID:QcrCdny3O
廊下−


穂乃果「フンフンフーン♪」タッタッタッ

♪〜

穂乃果「ん?なんの音だろ?」

♪〜

穂乃果「綺麗なメロディ…こっちの方から聴こえてくるな…」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:36:40.84 ID:QcrCdny3O
音楽室−


真姫「大好きだばんざーい♪負けなーい勇気ー♪」

真姫「わたしーたちはいーまを楽しもうー♪」

真姫「大好きだばんざーい♪頑張れるからー♪昨日に手を振ってほらー前向いてー♪」

真姫「ふぅ…」チャン…

穂乃果 パチパチパチパチ!!

真姫「ヴェエ??」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:37:15.36 ID:QcrCdny3O
穂乃果「すごい!すごい!すごい!感動しちゃったよ!」

真姫「べ、別に…」

穂乃果「歌もピアノ上手だねー!いつもここで弾いてるの?」

真姫「い、いつもってわけじゃ…」

真姫「ただ、今日は…ちょっと気分転換に…」

穂乃果「気分転換?」

真姫「そうよ…別にいいでしょ…」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:38:03.11 ID:QcrCdny3O
穂乃果「もしかして、悩み事?」

真姫「ヴェ…別に、悩み事ってほどでも…」

穂乃果「おぉ!!」

真姫「え?な、何?突然…」

穂乃果「悩んでるんだね!」

真姫「ヴェ…だ、だから、別に悩み事ってわけじゃ…」

穂乃果「私に任せて!」

真姫「え?」

穂乃果「紹介が遅れちゃったけど、私は穂乃果!なんでも屋の高坂穂乃果!」

真姫「なんでも屋?」

穂乃果「そう!生徒を笑顔にするために、なんでも依頼を引き受けるから、なんでも屋!」

穂乃果「さっき始まったの!」

真姫「さっきって…」ハァ
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:38:33.50 ID:QcrCdny3O
穂乃果「だからさ!真姫ちゃん!私たちの最初のお客さんになってよ!」

真姫「最初のお客さん…」

真姫「って何で名前知ってるのよ!」

穂乃果「そこのノートに書いてあったよ!」

穂乃果「それじゃあ!真姫ちゃん!とりあえず、なんでも屋行こうか!」ガシッ

真姫「え?ちょ、え、ええええええっ??」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:39:10.29 ID:QcrCdny3O
なんでも屋−


穂乃果「着いたよ!」

真姫「ぜぇ…ぜぇ…」

真姫「きゅ、急に手引っ張っらないでよ…!ぜぇ…」

海未「あのー穂乃果?、そちらの方は?」

穂乃果「最初のお客さんの真姫ちゃんだよ!」

真姫「ちょ、ちょっと!勝手に決めないでよ!」

穂乃果「ダメかな?」ウルウル

真姫「ヴェ…別に、ダメってわけでもないでと…」

穂乃果「ほんと??やったーー!」

真姫「うぅ…」

穂乃果「それじゃあ、お悩み聞かせてもらえるかな?」

真姫「だから…別に悩み事ってわけじゃ…」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:39:44.63 ID:QcrCdny3O
穂乃果「でも、何かあるんでしょ?話してみて」

真姫「うぅ、…………」ゴニョゴニョ

ことり「へ?なんて?」

真姫「だから….、……………」ゴニョゴニョ

海未「その、すみません、よく聞こえないのですが…」

穂乃果「真姫ちゃん!もっと大きな声で!」

真姫「うぅ〜…」

真姫「…と、友達ができないのよ……」

真姫「高校に入ってから、もうかれこれ1ヶ月経つけど、誰とも話せてないの…」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:40:14.32 ID:QcrCdny3O
穂乃果「え?友達?なーんだ、そんな事か!」

穂乃果「だったら簡単だよ!まずは、笑顔で話しかけてぇ…」

海未「穂乃果、あなたは黙っててください」

穂乃果「えぇ〜、なんでー!」

海未「真姫、あなたの悩みは分かりました」

真姫「なんで急に呼び捨てなのよ…」

海未「なんでも屋、出動です!」

穂乃果「あ!ちょっと、それ穂乃果が言いたかった〜!」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:40:41.46 ID:QcrCdny3O
次の日、昼休み−

1年生教室−


海未「とりあえず、敵情視察です」

ことり「敵じゃないよ、海未ちゃん」

真姫「ちょっと、こんな入り口で固まってたら変でしょ!帰ってよ!」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:41:17.24 ID:QcrCdny3O
穂乃果「あ!誰かこっちに来るよ!」

りんぱな「にゃーにゃーわーわー」トコトコ

真姫(あれは、うちのクラスの星空さんと小泉さん…)

真姫(いつも仲良さそうにしてて楽しそうなのよね…私も、あんな風になれたらなぁ…)

穂乃果「おーーい!」タッタッタッ

凛「にゃ?」

真姫(え?!ちょっと、なんで急に話しかけてんのよ!!)

穂乃果「あそこにいる真姫ちゃんが、友達になりたいんだって!」

真姫(ええええええええええ???!!!)

凛「いいよー(^O^)/」

真姫(ええええええええええ???!!!いいの??!!イミワカンナイッ!!!)
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:41:44.83 ID:QcrCdny3O
穂乃果「おーい!真姫ちゃーん!友達になってくれるってー」ブンブン

真姫(嘘でしょ…)

ことり「真姫ちゃん…ごめんね?」ニコッ

真姫「いや、ことり先輩が謝ることじゃないです…それに、なんだかんだ友達できたみたいですし…」

海未(あれ?私にはタメ口なのに、ことりには敬語??)

海未(もしかして、私、なめられてる…??)

海未「さ、さぁ、行きましょう!真姫!友達か待ってますよ!」

真姫「ソウネ」

海未「………」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:42:27.79 ID:QcrCdny3O
凛「こんにちわ!西木野さん!」

花陽「こんにちわ!」

真姫「うっ」

真姫(ま、まずいわ…こういう時どうすればいいのかだけは、私の完璧な真姫ちゃん辞書には載ってない…)

穂乃果「真姫ちゃん?」

真姫(と、とりあえず…挨拶よね…)

真姫「………ご」

穂乃果「ご?」

真姫「ご、ごきげんよう……」カアァァ

真姫(何これ、初めて使ったんだけど……)

凛「わぁ!ごきげんようだって!もしかして、西木野さんってお嬢様?」

真姫(お嬢様ではあるかもしれないけど、お嬢様言葉なんて使わないわよ!)

真姫「そ、そうですわ…わたくし、お嬢様ですの」

真姫(お、終わったー…)

花陽「すごいねぇ!まさか、うちのクラスにお嬢様がいるなんて!」

りんぱな「わいわい」

真姫(なんか二人は楽しそうね、良かったわ)

真姫(なんでも屋の方は…)
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:43:41.89 ID:QcrCdny3O
穂乃果「ぷくく…」

海未「ほ、穂乃果!笑ってはいけませんよ…くくっ」

ことり「……」(必死で笑いをこらえる)

真姫(あ、あいつら〜)
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:44:10.96 ID:QcrCdny3O
凛「それで、西木野さんはどうして凛たちと友達になりたかったの?」

真姫(え??何??そんな質問もするの??)

真姫(ど、どうしよ…理由なんて無いし、後ろで笑われてると思うと、上手く言葉がでない…)

真姫(なんなのよ!あの人たちは!なんでも屋とか言って、何も助けてくれないじゃない!)

真姫(理由…理由…、ダメだ……)

真姫(適当な理由が見つからない……)

真姫(もう、いや…こんな事なら頼まなければよかった…)グスッ

真姫 ダッ! タッタッタッ

花陽「ええ??西木野さん??」

穂乃果「あぁ!真姫ちゃん!!」

凛「どうしたんだろ?トイレかな?」

穂乃果(……………真姫ちゃん……)
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:44:47.10 ID:QcrCdny3O
音楽室−

真姫(ハァ…ハァ…何も言わずに飛び出してきちゃった…)

真姫 (…)

真姫 スッ (ピアノに座る)

真姫 チャーン………(鍵盤を叩く)

真姫(心が落ち着く….結局、私の居場所はここしかないって事ね……)

真姫(…….)

真姫(はなっから私には友達なんて無理だったのかもね…)

真姫(昔から、自分を表現するのが苦手で、いつもいつも高飛車に構えちゃって、友達と言える人なんていたことが無かった…)

真姫(星空さん、小泉さん…いい人たちだったなぁ…少しだったけどこんな私と話をしてくれた…)

真姫(ありがとう…星空さん、小泉さん…)

真姫(一瞬でも、私の夢を叶えてくれて…)

真姫(ピアノの前では素直に表現できるのに…)

真姫(今のこの気持ち…)

真姫(歌にのせて…)

真姫 ♪〜(前奏)

真姫「♪〜素直におーいかけてー、勇気でおーいかけてー♪」

♪〜

真姫(メロディと歌詞が自然と溢れてくる)

真姫(なんで?…私は結局、友達なんてできなかったんじゃ…)

真姫(……穂乃果「真姫ちゃん!」………)

真姫(そっか…私、気づいてなかったけど、あの人たちとは自然に話ができてたわね…)

真姫(あれが…友達…なのかな…)

♪〜

真姫「きっと青春がきこーえる♪そーのしゅんかんにきーこーえるー♪」

真姫「となりに君がいてー♪となりは君なんだー♪」

真姫 ♪〜………

真姫(青春が聞こえる…か…)

真姫(私には聞こえる日が来るのかしら…)
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:45:16.17 ID:QcrCdny3O
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!

真姫「えっ??」

凛「西木野さん、すごいにゃーー!!!」

花陽「すごい!すごいよ!西木野さん!」

真姫「ふ、二人とも…!!」

穂乃果「真姫ちゃん!」

穂乃果「二人には、ちゃんと真姫ちゃんがお嬢様じゃないって事言っといたよ」グッ

真姫「穂乃果…、ことり先輩、海未…」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:46:02.93 ID:QcrCdny3O
ガバッ!!

真姫「きゃっ!」

凛「すごいにゃー!」スリスリ

真姫「ちょ、ちょっと星空さん??」

花陽「り、凛ちゃん、西木野さんが困ってるよ〜」アセアセ

ことり「ふふっ、3人とも楽しそう」

海未「そうですね、ふふっ」

穂乃果「いよぉーーし!!私も混ぜろぉーー!!」ダダダッガバッ
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:46:58.87 ID:QcrCdny3O
ニャーニャーワーワー

ことり「なんでも屋の初仕事、大成功かな?」

海未「ふふっ、大成功とは言えないかもしれませんね、一度真姫を失望させてしまいましたし、」

ことり「でも」

海未「えぇ…」

真姫「ちょ、もう離れなさいよぉーー!!」ハハハ

凛「待つにゃー!!」

花陽「あはは、待てーー!!」

海未「大成功といってもいいかもしれませ…」

穂乃果「待て待てーー!!!」ダッダッダッ

穂乃果「わっ」ツルッ

海未「えっ」

ほのうみ ゴチンッ!ドサッ

穂乃果「…いてて……」

海未「……」ジンジン

穂乃果「あっ…う、海未ちゃん…」

穂乃果「あはは…ご、ごめんね?」

海未「………」

海未「ほーのーかぁーー…」ゴゴゴゴゴゴ

穂乃果「ひ、ひぃ…」

穂乃果 ダッ !
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:47:38.17 ID:QcrCdny3O
海未「あ!コラ!待ちなさい!穂乃果!」ダッ

穂乃果「ひぃいいいーー!!」ダッダッダッ

海未「ほーのーかぁーーー!!!」ダッダッダッ

凛「にゃはははは、楽しいにゃー」

ことり「ふふっ」

真姫「まったく…」

ことり「真姫ちゃーん」

真姫「ことり先輩…」

ことり「あ、私もタメ口でいいよ?」

真姫「そう?」

ことり「うん!それで、どうでしたか?なんでも屋の仕事は? 依頼には答えられたかな?」

真姫「ふふっ…」

真姫「…もちろんよ!」

真姫「ありがとね!ことり!」

ことり「うん!」

海未「ほーのーかぁああああ!!!」ダッダッダッ

穂乃果「うわーん!もう勘弁してぇ〜」ダッダッダッ


第1話 「なんでも屋のはじまり」 完
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:48:46.01 ID:QcrCdny3O
第2話 「なんでも屋とにこ」


通学路−


穂乃果「わーーーん!!!遅刻だよーー!!!」タッタッタッ

穂乃果「海未ちゃんもことりちゃんも置いてくなんてひどいよーーー!!!」タッタッタッ

??「ちょっと!そこのあんた!」ザッ
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:49:18.32 ID:QcrCdny3O
穂乃果「へ?」

??「あなたね、なんでも屋って言うのやってるのは…」

穂乃果「あ、はい!そうです!」

穂乃果(こんな怪しそうな人にも知ってもらってるなんて!私たちも、なかなか知名度出てきたのかな!)

??「あんたたち…」

穂乃果「?」

??「とっとと解散しなさいっ!!!」

穂乃果「え?」

穂乃果「えええええええええええ??!!」

キーンコーンカーンコーン

??「あっ…」

穂乃果(遅刻だ…)
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:50:03.93 ID:QcrCdny3O
その日の放課後−

屋上−


穂乃果「今日は暇だねー」

ことり「そうだねー、真姫ちゃんの一件以来、なんだかんだ依頼もあって忙しかったもんね」

穂乃果「でも!そのおかげで私たちも少しは有名になったよね!」

海未「そして、解散しろと言われたと…」

穂乃果「…う、うん…」

ことり「私たち、なにか悪いことしたかなぁ…」

海未「まあまあ、有名になれば批判は付き物ですよ。気にしていてはキリがありません。」

海未「それよりも今日は、看板を作るんでしょう?はやくやりましょう」

穂乃果「そうだね!」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:50:44.80 ID:QcrCdny3O
穂乃果「みんなで書くんだよね!海未ちゃん!」

海未「はい、そうした方がいいと思いますので」

穂乃果「よぉーし!じゃあ、穂乃果が「な」を書いてー!」カキカキ

穂乃果「…できた!」

ことり「…これは……」

海未「穂乃果…文字が大きすぎます…」

穂乃果「あはは…たしかに……」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:51:12.31 ID:QcrCdny3O
ことり「で、でも、次から小さく書けば、まだ書けない事もないよね!」

海未「そうですね…ギリギリ書けますかね」

穂乃果「あはは、ごめんね!」

ことり 「じゃあ、私「ん」書くね!」カキカキ

穂乃果「わー!ことりちゃんの字かわいいね!」

海未「それでは、私は「で」を…」カキカキ

ことり「海未ちゃん、字上手だね〜」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:51:51.55 ID:QcrCdny3O
穂乃果「…」

穂乃果「2文字残ったね…」

海未「どうしましょうか…」

ことり「穂乃果ちゃんが書いたらいいんじゃない?」

海未「ダメです!穂乃果が書いたら絶対「屋」を書くスペースが無くなります!」

穂乃果「な!そ、そんなことないよぉー!」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:52:46.16 ID:QcrCdny3O
ガチャ

穂乃果「あれ?お客さ……あっ…」

希「おぉ〜、ここが噂のなんでも屋かー」

絵里「…あなたたち……」ゴゴゴゴ

絵里「…ここで、何してるの…」ゴゴゴゴ

穂乃果「あはは…な、なんでも屋を…」

絵里「許可した覚えはないわよ…」ゴゴゴゴ
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:54:02.01 ID:QcrCdny3O
海未「待ってください!」

海未「私たちは、ただ人助けをしてるだけです。許可が必要だとは思いません!」

絵里「いいえ、これはれっきとした学校内活動よ。生徒会の許可無しには、活動する事はミトメラレナイワァ」

穂乃果「じゃ、じゃあ!許可してください!」

穂乃果「私たち、人数は足りないかもしれないけど、今日まで精一杯人助けしてきました!!」

穂乃果「この学校のために頑張ってきました!」

穂乃果「だから!部活として認定してください!」

絵里「ダメよ」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:54:45.46 ID:QcrCdny3O
絵里「たとえ、人数が5人になってもミトメラレナイワァ」

穂乃果「そ、そんな!なんでですか!」

絵里「この学校には、すでに「学院生活支援部」という、生徒をサポートする部活が存在しているのよ」

希「まぁ、部員は一人やけど」

穂乃果「え、でも部活には5人以上必要だって…」

希「設立するときは5人必要やけど、その後は何人になってもいい決まりやから」

絵里「生徒の数が限られている中、いたずらに部を増やす事はしたくないの」

絵里「「学院生活支援部」がある以上、あなた達の申請を受けるわけにはいきません」

穂乃果「そんな…」

絵里「これで話は終わり…」

希「に、なりたくなければ、「学院生活支援部」とちゃんと話をつけてくることやな」

絵里「希!」

希「二つの部が一つになるなら問題はないやろ?」

希「とりあえず、部室に行ってみれば?」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:55:15.60 ID:QcrCdny3O
学院生活支援部部室−


穂乃果「…あ」

にこ「…あ、」

穂乃果「…もしかして、あなたが学院生活支援部の部長…?」

にこ「…うっ」

にこ「ぐあーーーーーー!!」ブンブン

穂乃果「うわあっ」

ガチャ!バタン!
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:55:59.32 ID:QcrCdny3O
穂乃果「あ!ちょっと部長さん!開けてください!部長さん!開けて!」

穂乃果「あかない…」

海未「外から回ります!」ダッ

海未「待なさーい!!」ダダダッ

にこ「ふん!捕まるもんですか!」

アルパカ「ヤァ」

にこ「わっ!」

海未「いません…どこに消えたのでしょう…」

にこ「あ…あー…」

海未「あっ…」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:56:48.59 ID:QcrCdny3O
学院生活支援部部室−


ことり「わー…ここが学院生活支援部…」

にこ「勝手に見ないでくれる?」

ことり ジー…

にこ「あー、気づいた?アキバのカリスマメイド、ミナリンスキーさんのサインよ」

ことり「し、知ってるんですか?」

にこ「いや、ネットで手に入れたものだから、本人の姿は見たことないけどね」

ことり「ふぇ…」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:57:31.89 ID:QcrCdny3O
にこ「それで、何しにきたの?」

穂乃果「学院生活支援部さん!」

にこ「…にこよ…」

穂乃果「にこ先輩!実は私たち、なんでも屋をやってまして…」

にこ「知ってる、どうせ希に部にしたいんなら話つけてこいとか言われたんでしょ?」

穂乃果「おー話が早い!」

にこ「まーいずれそうなるんじゃないかと思ってたからね。」

穂乃果「なら!」

にこ「お断りよ」

穂乃果「えっ?」

にこ「お断りって言ってるの」

海未「いや、あのう、私たちはなんでも屋として活動できる場所必要なだけなんです。」

海未「なので、このを廃部にしてほしいとか言うのではなく…」

にこ「お断りって言ってるのよ」

にこ「分かったら、さっさとでてって」

ことり「え…」

にこ「とにかく話は終わりよ。でてって」グイッ

穂乃果「わわっ!」

ガチャ!バタン!
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:58:10.33 ID:QcrCdny3O
穂乃果「あー…にこ先輩…」

希「やっぱり追い出されたみたいやね」

穂乃果「希先輩!」


昇降口−


希「にこっちもな、最初は穂乃果ちゃん達みたいにグループで活動してたんよ」

穂乃果「にこ先輩が?」

希「今はもうやってないけどね」

穂乃果「やめちゃったんですか?」

希「にこっち以外の子がね…」

希「にこっち、何にでも首を突っ込んで、完璧に仕事をこなそうとするからね…」

希「ついていけないって、一人辞め、また一人辞め…」

希「だから、あなた達が羨ましかったんじゃないかな?」

穂乃果「にこ先輩…」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:58:46.10 ID:QcrCdny3O
次の日、昼休み−

なんでも屋−


穂乃果「なかなか難しいね…にこ先輩…」

海未「そうですね…」

真姫 「あ、やっぱりここにいたのね」ガチャ

ことり「あれ?真姫ちゃん、どうしたの?」

海未「教室に居場所が無かったのですか?」

真姫「違うわよ!」

真姫「依頼にきたのよ!」

穂乃果「依頼?」

海未「友達ができないんですか?」

真姫「いや、だから違うわよ!」

真姫「と、友達なら、もうできたわ…」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 17:59:26.33 ID:QcrCdny3O
海未「じゃあ、依頼ってなんですか?」

真姫「財布を落としちゃったの…だから、一緒に探して欲しくて…」

ことり「えぇ〜!それはたいへんだね」

穂乃果「いくらぐらい入ってたの?」

真姫「あ、いや、お金はそんなに入ってないんだけど…」

穂乃果(じゃあ、300円ぐらいかな…)

真姫「財布自体が、去年サンタさんから貰った大切なものだから…」

海未(…?三太さん?誰でしょうか…)

穂乃果「わかったよ!その三太さんって人は知らないけど、真姫ちゃんにとって大切な物なんだよね!私たちに任せて!」

真姫「ありがとう!穂乃果」

真姫(穂乃果、サンタさん知らないのね、可哀想に、いつも悪い事ばかりしてるからね)
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:00:02.40 ID:QcrCdny3O
真姫「ていうか、3人ともさっきは何か悩んでたみたいだけど、どうかしたの?」

ことり「あーそれはね…カクカクシカジカ」

真姫「あなた達…部活じゃなかったのね…」

真姫「たしかに、屋上で活動してるのは、おかしいわよね」

ことり「そうでしょ、だから、なんとかにこ先輩を説得したいんだけど…」

穂乃果「あ!」

ことり「どうしたの?穂乃果ちゃん?」

穂乃果「いい事思いついた!」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:00:43.70 ID:QcrCdny3O
海未「なんですか?急に」

穂乃果「にこ先輩を説得するアイデアを思いついたんだよ!」

真姫「そう?良かったわね、でも、私の依頼も忘れないでね」

真姫「それじゃ…」

穂乃果「真姫ちゃん!」

真姫「え、なに?」

穂乃果「真姫ちゃんも協力するんだよ!」

真姫「…」

真姫「…え?」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:01:22.40 ID:QcrCdny3O
放課後−

学院生活支援部−


真姫(…)ドキドキ

真姫(こ、ここで合ってるのよね…)

真姫(まったく…なんで私がこんな事しなきゃいけないのかしら…)

真姫(とりあえず、行ってみるか…)
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:02:24.00 ID:QcrCdny3O
ガチャ

真姫「こ、こんにちわ〜、依頼に来たんで…」

にこ「にこっ!?」

鏡 カワイイヨ!

真姫(何やってんだ…この人…)

真姫「あ、あの〜」

にこ「っ??」ビクゥッ!!??

にこ「だ、誰……?」

真姫「いや、依頼に来たんですけど…」

にこ「依頼??」

にこ(嘘!本当にこの子依頼に来たの??依頼なんていつぶりよ!)

にこ(ていうか、もしかして、さっきの見られた…?)

にこ(最悪…誰もこないと思って油断してたわ…)

にこ(にこにー反省…)
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:03:45.62 ID:QcrCdny3O
にこ「あー、じゃあ、とりあえずそこ座って」

にこ「今、お茶出すから」

真姫「はい…」スッ

真姫(頭おかしい人かと思ったけど、以外と普通ね…)

にこ「はい、お茶」スッ

真姫「あ、ありがと…」

にこ「それで、依頼っていうのは?」

真姫「え、えっと私の財布が無くなっちゃって…」

にこ「あーそれで探して欲しいってことね」

にこ「分かったわ。それで、いくらぐらい入ってたの?」

真姫「お金はそんなに入ってないんだけど、去年サンタさんに貰ったものだったから…」

にこ(300円ぐらいかしら…)

にこ(それにしても、三太さんって誰よ、急に知らない人の名前出してくるんじゃないわよ)

にこ「そうなのね、まあ、その三太さんって人は知らないけど、財布は学院生活支援部の名にかけて、必ず見つけるわ!」ウインクッ

にこ(決まったわ…)

真姫(この人もサンタさん知らないの?いい人だと思ったけど、やっぱり悪い人なのかも…)

にこ「それじゃあ、さっそく搜索に出ましょうか」

真姫「そうね」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:04:31.34 ID:QcrCdny3O
真姫(とりあえず、ここまでは作戦通り…)

真姫(やっぱり、私の真姫ちゃん辞書に不可能は無いわ…)

真姫(後はここを出た後に、穂乃果達のところに…)

ガチャ

真姫「ちょ、ちょっと!学院生活支援部さん!」

にこ「……にこよ…」

真姫「にこ先輩!あの、財布を探すにあたって参考になってくれる人がいるんだけど…」

にこ「あら?そうなの?はやく言いなさいよ!」

真姫「う、うん。じゃあ、ついて来て」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:08:26.25 ID:QcrCdny3O
屋上−


真姫「ココヨ」

にこ「…ちょっと」

真姫「ナニカ?」

にこ「はぁ…どーりで…」

にこ「うちに依頼に来るなんて、おかしいと思った」

真姫「……ナンノコトカナ…?」

にこ「カタコトになってるわよ」

真姫「うっ…」

にこ「なんでも屋に言われたんでしょ…」

にこ「もう、いいわ」

にこ「私帰るから。財布なら、なんでも屋に探してもらいなさい」クルッ

真姫「あっ…」

真姫(行っちゃった…どうしよ…作戦が…)
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:09:09.69 ID:QcrCdny3O
海未「穂乃果!いけません!」コソコソ

穂乃果「ちょっと見るだけだよー」コソコソ

穂乃果 ガチャ

穂乃果「あれ?真姫ちゃん一人?」

真姫「穂乃果…」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:10:15.34 ID:QcrCdny3O
階段−


にこ(はぁ…結局こんな事か…)

にこ(一人で舞い上がっちゃってバカみたい…)

にこ(私には、もう人助けなんてするチャンスすら無いのね…)

にこ(もう、いっそ学院生活支援部も辞めにしようかしら…)

にこ(……その方がいいかもね)

にこ(癪だけど、あのなんでも屋とかいう奴らは、ちゃんと活動してるわけだし…)

にこ(私なんていても…)
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:10:58.80 ID:QcrCdny3O
穂乃果「にこ先輩っ!!」

にこ(え…?)

にこ(あれは、なんでも屋の…)

穂乃果「辞めちゃうんですか??」

にこ「……はぁ?」

穂乃果「依頼!辞めちゃうんですか??」

にこ「あ…あぁ、それね、そうよ。あなた達に任せたわ」

穂乃果「希先輩から聞きました!」

にこ「??」

穂乃果「にこ先輩は、いつだって何にだって完璧に仕事をこなそうとするんだって!」

にこ(……!!)

穂乃果「私、すごいと思いました!憧れました!」

穂乃果「だから、教えて欲しいんです!先輩として!同じ部活の先輩として!」

にこ「…??」

にこ「同じ部活??」

穂乃果「はい!そうです!私は今日から学院生活支援部の部員、高坂穂乃果です!」

ことり「おなじく、南ことりですっ」

海未「同じく、園田海未です」

にこ「あんたたち…」

真姫「みんなで協力した方が探し物も見つかるんじゃない?」

にこ「真姫…」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:12:30.40 ID:QcrCdny3O
にこ「っ……」グスッ

にこ「私は甘くないわよ…!」

穂乃果「覚悟の上です!」

にこ 「本当に分かってるの??」

にこ「どんな依頼だろうと受け、必ずやり遂げる覚悟はある?」

海未「もちろんです!」

ことり「精一杯頑張ります!」

にこ「よぉし!それじゃあ!さっそく搜索開始よ!」

にこ「ついて来なさい!」ダッ

なんでも屋「おおーー!」ダッ

真姫「あ、ちょっと!」

真姫「もう!置いてかないでよ!」ダッ
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:13:19.31 ID:QcrCdny3O
搜索−


にこ「…」

にこ「あ!あったわ…!」

にこ「これで合ってる?真姫?」

真姫「えぇ!合ってるわ!」

真姫「ありがとう!」

穂乃果「わー!見つかったの?」

海未「良かったですね、真姫」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:14:25.71 ID:QcrCdny3O
ことり「真姫ちゃん…そのお財布…もしかして、ルイ・ヴィトン…?」

真姫「…?えぇ、そうよ」

ことり「えぇーー!!そんな高いの使ってるの??」

真姫「あら、これ高いのね、サンタさんがくれたから知らなかったわ」

穂乃果「あ、そういえば、気になってたんだけど、三太さんって誰なの?」

真姫「あー…そういえば、穂乃果はサンタさん知らないのよね…にこちゃんも…」

にこ(あれ?私、ちゃん付け?3年生なんだけど…)

真姫「サンタさんっていうのはね、白い髭を生やしたおじさんで、クリスマスに良い子にプレゼントを配ってくれるのよ」

真姫「ちなみに、私はいままで貰えなかった事はないわ…!」ドヤァ
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:15:14.21 ID:QcrCdny3O
ことり「…さ」

海未「サンタさん…?」

にこ「ぷっ…ぷくく…サンタ…真姫が…サンタ…」

穂乃果 「にこちゃん!」ガシッ

にこ「きゃっ!」

にこ「ちょ!なにすんのよ!あと、先輩つけなさいよ!」

穂乃果「それを言うのは重罪だよ!」

ことり「そーだよ!にこちゃん!」

真姫「?」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:17:16.90 ID:QcrCdny3O
真姫「なんだか、よく分からないけど、本当にありがとね、中の10万円も無事だったし…」

ほのにこ「10万円??」

真姫「…そ、そうだけど。どうしたの?」

にこ「あんた、そんなにお金は入ってないって言ってなかったっけ…?」

真姫「…え、えぇ。そう言ったけど…何かおかしな事でもあった?」

にこ「嘘でしょ…」

穂乃果「もしかして、真姫ちゃんって本物のお嬢様??」

真姫「お嬢様ってほどでもないけど…確かに家は少し広いわね」

にこ(この子の事だから、おそらく、そうとうデカイ家に住んでるのね…)

穂乃果(じゃあ、もしかして、前のお嬢様口調は素だったのかな…??)
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/08/02(水) 18:17:59.66 ID:QcrCdny3O
学院生活支援部(なんでも屋)−

にこ「じゃあ、私がここに「も」を書けばいいのね?」

海未「はい!よろしくお願いします」

にこ カキカキ

にこ「できたわ」

ことり「わー!これでなんでも屋の「なんでも」まで書けたね!」

にこ「「屋」は誰が書くのよ?」

海未「決まってますよ!」

真姫 ソワソワ

海未「真姫!」

真姫 ビクッ

真姫 「わ、わたしー??」

海未「はい!真姫はもう立派な部員ですよ!」

真姫「…///」

真姫「しょ、しょうがないわね…///」

真姫 カキカキ

真姫「できたわ」

看板「なんでも屋」

ことり「できたね、看板」

真姫「字がバラバラで、読みづらいけどね…」

海未「「な」なんて異様に大きいですしね」

穂乃果「もー!海未ちゃん!」

にこ「ふふっ…」

穂乃果「でも、これで遂に「なんでも屋」スタートだよ!」

真姫「そうね」

海未「はい」

にこ「えぇ」

ことり「うん!」

穂乃果「よぉーし!じゃあ!これからも「なんでも屋」!頑張るぞーー!!」

全員「おおーー!!」

第2話 「なんでも屋とにこ」 完
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/02(水) 19:40:44.72 ID:s9n/dwqIO
期待
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/02(水) 23:27:19.57 ID:4xTNs2dm0
第3話 「なんでも屋と野球」


生徒会室−


絵里「はぁ…」ピラッ

紙「 「学院生活支援部」

部員 矢澤にこ
高坂穂乃果
南ことり
園田海未
西木野真姫 」

希「 まさか、本当に、あのにこっちを説得するとはねぇ」ニコニコ

希「にこっちも、やっと素直になれたんやね」

絵里「なんで希は嬉しそうなのよ…」マッタク…

希「ふふっ、いや、何か未来が良い方向に動きだした…って気がするんよ…」

絵里「なによ、それ…」

絵里「ほら、もう話してないで仕事しましょ」

希「はぁーい」

希(いつの日か…エリチも…)

希(救ってくれるのかな?…なんでも屋の女神さんは…)


学院生活支援部−


穂乃果「あははははは!!!!絢瀬絵里!破れたり!!!!」

にこ「イェーーイ!!」ドンドンパフパフ!!
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/02(水) 23:48:44.70 ID:4xTNs2dm0
海未「もぅ…少し落ち着いてくださいよ…」

穂乃果「そうはいかないよ!!」

穂乃果「だって、やっと部活認定して貰ったんだよ!!見てよ、この部室!!もう、あの暑い屋上とはオサラバだよ!!」

にこ「ふっ…私のおかげね…」

真姫「にこちゃんは助けられた側でしょ」

にこ「ぬぁんですってー!!」

にこ「あんた、私が今までどんな思いでこの部室を守ってきたか、分かってるの??あと、先輩つけなさいよ!!」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/02(水) 23:49:15.79 ID:4xTNs2dm0
凛 ガチャ

凛「真姫ちゃーーん!助けてーー!!」ダーッ

真姫「あら、凛じゃない?どうしたの?」

花陽「ハァ…ハァ…凛ちゃん、早いよ…」

穂乃果「あ、花陽ちゃんだ!」

花陽「こ、こんにちわ」ハァハァ…

にこ(誰よ…この子たち…)

にこ(真姫と穂乃果が知ってるとなると、私だけ知らない感じね…)

凛「あ!もしかして、あなたがにこちゃんかにゃ??」

にこ「えっ!えぇ…そうよ。私がにこにーよ。」

にこ(なんで…タメ口…)

にこ「知ってるの?私のこと」

凛「鏡の前で変なポーズしてる人だって真姫ちゃんが言ってたにゃーー!」

にこ「なぁ…!///」カアァ

真姫「ちょ、ちょっと!凛!それは言わない約束でしょ!」

にこ(やっぱり見られてたのね…死にたい…)
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/02(水) 23:49:49.17 ID:4xTNs2dm0
ことり「あはは…それで、凛ちゃん!助けてって言うのは…」

凛「あ!そうそう!その事で、なんでも屋さんの力を借りたいんだにゃ!」

海未「力を?」

花陽「はい、そうなんです」

花陽「単刀直入に言います、私たちと草野球大会に出てください!」

なんでも屋「草野球大会?」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/03(木) 01:00:28.20 ID:i0XxWEkyo
読んでる
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/03(木) 19:25:56.25 ID:7XE2Stj+0
花陽「はい、音ノ木坂地区代表として、出場して欲しいんです!」

穂乃果「面白そうだね!その依頼受けたよ!」

凛「ほんと!やったにゃー!!」

海未「まってください」

海未「依頼は受けるとして、なんで草野球大会に出るんですか?」

にこ「そうね、やるからには理由は教えてもらいたいわ」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/03(木) 19:26:23.43 ID:7XE2Stj+0
凛「分かったにゃ」

凛「ええっと…あの、学校のすぐ近くに、ラーメン屋さんがあるの知ってる?」

穂乃果「あー!私、知ってるよ!あそこのおじさんがいい人なんだよね!」

凛「そうそう!あの優しいおじさんがやってるラーメン屋さん。凛も学校帰りに、かよちんとよく行くんだ」

凛「そのおじさんがね、草野球大会に出場するって張り切ってるの」

穂乃果「え!でも、もう結構歳だよね?」

凛「そう、だから、今年を最後にするんだって、それで最後に優勝したいんだって、凛達に話してくれたんだよ」

ことり「わぁ〜素敵な夢だねぇ〜」

凛「それでおじさん達、チーム音ノ木坂は頑張って毎日時間作って練習してたの」

海未「なるほど、それで、何故私たちが出る事になるのですか?」

凛「それが…全員、風邪ひいたみたいで…」

にこ「え?全員?」

凛「うん…」

真姫「いや、なによ…それ」

凛「それが、昨日、景気付けに外でお酒飲んでたら、そのまま寝ちゃったらしくて…」

真姫「バカね…」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/03(木) 19:27:09.31 ID:7XE2Stj+0
凛「ただ、風邪自体はそこまでひどくないらしいから、初戦だけ出て欲しいって言われて」

穂乃果「初戦だけ?」

凛「うん、初戦の相手は弱いから、凛達でも勝てるって」

にこ「弱いっていっても、私、野球なんて、ほとんどできないわよ」

真姫「私もよ」

穂乃果「それは練習すればいい事だよ!それに、にこちゃん!なんでも屋は、どんな依頼も受けるんでしょ?」

にこ「ちょっと!誰がやらないっていったのよ、もちろんやるわ。それが、なんでも屋だもの」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/03(木) 19:27:50.83 ID:7XE2Stj+0
花陽「あ、あのぅ…」

ことり「どうしたの?花陽ちゃん?」

花陽「実は試合は明日でして…」

なんでも屋「えぇ??」

海未「そんな!まだ人数も足りないのに!」

穂乃果「えぇ??」

穂乃果「あ、ほんとだ…7人しかいないや…」

海未「穂乃果…あなた気づいてなかったのですか…」

にこ「練習時間より、なにより人数が問題よ。さすがに9人いなきゃ野球はできないわ」

穂乃果「あ!それじゃあ、生徒会の2人に入って貰えば??」

にこ「はぁ??あんた、あいつらが私たちに協力するとでも思ってるの??」

穂乃果「ん〜、大丈夫なんじゃないかなぁ〜」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/03(木) 19:28:22.44 ID:7XE2Stj+0
生徒会室−


絵里「イヤよ」ドンッ

穂乃果「えぇ〜!!!」

にこ「ほら、言ったじゃない。分かったら、はやく野球やってくれる人を探しに行くわよ」

穂乃果「ま、待ってください!生徒会は、生徒のための会なんでしょ??」

絵里「もちろん、その通りよ」

絵里「でも、あなた達が野球をやるのは、風邪をひいたおじさん達のためじゃないの?」

穂乃果「うっ…」

絵里「分かった?それは、私たちには関係の無い事なの。あなた達で勝手にやって頂戴」

希「ごめんな〜。ウチらも忙しいんよ」

穂乃果「…はい」

にこ「ほらほら、帰るわよ、私たちも時間無いんだから!」

ゾロゾロ

ガチャ バタン!
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/03(木) 19:28:54.62 ID:7XE2Stj+0
絵里「はぁ…まったく、あの人たちは、本当になんでもやるのね…」

希「まあ、なんでも屋やし♪」

絵里「そうね…さぁ、私たちも頑張りましょ」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/03(木) 19:29:42.69 ID:7XE2Stj+0
その日の夜−

音ノ木坂学院−

絵里「すっかり遅くなってしまったわね…」

希「そうやね、さすがにウチも疲れたよ」

ワーワー

絵里「?なにかしら、グラウンドの方から声が聞こえるわね」

希「運動部やない?こんな時間まで頑張るねー」

絵里「すごいわね、尊敬するわ」

穂乃果「ワーワー」

絵里「??」

絵里(今の声って…まさか…)

希「ん?エリチどうしたん?」

絵里「ちょ、ちょっとグラウンドの方を見てくるわ…!」ダッ

希「あ、ちょっと!エリチ!」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/03(木) 22:20:15.60 ID:7XE2Stj+0
グラウンド−


凛「それじゃ!行くよ!真姫ちゃん!かよちん!」

真姫「きなさい!」

花陽「う、うん!」

凛 「にゃ!」カキーン

ボール ピューン(高めのフライ)

まきぱな アワアワ アセアセ トテッ コローンッ

ことり「いくよーにこちゃん!」

にこ「きなさい!」

ことり「ちゅん!」カキーン

ボール タッタッ(低めのバウンドボール)

にこ「はっ!」パシィッ

絵里「この子達…」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 01:57:08.31 ID:YnPrz/FHo
期待
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/04(金) 20:23:40.35 ID:8TPL8bNo0
穂乃果「いくよー海未ちゃん!」

海未「はい!」

穂乃果「ふんっ!」ピュンッ!

海未 パシィィンッ!!

海未「ナイスストレートです!穂乃果!」

穂乃果「えへへ、ん?誰かいる?…」

絵里「??」
98.86 KB Speed:0   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)