【ミリマスSS】クレシェンドブルーの百分の五物語

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1 : ◆TDuorh6/aM [saga]:2017/08/01(火) 19:16:56.35 ID:07Ux64x9O

これはミリマスssです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1501582616
2 : ◆TDuorh6/aM [saga]:2017/08/01(火) 19:17:35.78 ID:07Ux64x9O


志保「それで、どうして私達は集められたんですか?」

茜「もうすぐ茜ちゃんが企画した合宿だからだよしほりん!」

星梨花「わぁ!そう言えば、もうすぐなんですね!」

静香「理由になってないと思うんですけど……」

麗花「それでね?夜のキャンプファイアーの時に私達5人で怖い話を披露しよう!って事になったの!」

茜「そ、それで今のうちにそれぞれネタ練っておかないと即興じゃ大変だからね!その打ち合わせみたいなものかな」

志保「なるほど……とは言え、今考えろって言われても苦しい事に変わりはありませんが」

静香「怖い話、ね……どう言うのがいいのかしら」

星梨花「私、聞いた事があります……お饅頭が怖いっていうと、本当にお饅頭が襲ってくるそうです!」

茜「プリンが怖い!!」

麗花「じゃあ私が食べておいてあげるね!」

3 : ◆TDuorh6/aM [saga]:2017/08/01(火) 19:18:09.91 ID:07Ux64x9O


静香「そう言えば、私の学校の階段の怪談なんですが……んふっ」

茜「はい静香ちゃんアウトー」

静香「なっ?!お、面白いじゃないですか!」

志保「はぁ……仕方ないわね。私がお手本を見せてあげるわ」

麗花「茜ちゃん、録音は?」

茜「別にしなくていいんじゃないかにゃあ。それじゃーしほりん!」

志保「はい。これは、とある女の子のお話です……」

4 : ◆TDuorh6/aM [saga]:2017/08/01(火) 19:18:40.47 ID:07Ux64x9O


彼女は、少し変わった人でした。
人ならざるモノの声が聞こえたり、ソレを生き物だと言ったり。
とてもつまらないギャグを言って、一人で笑っていたり。
そんな女の子と、私は非常に不本意ながら知り合いになったんです。

とは言え、普段から変な言動が目立つ訳ではありませんでした。
普通に学校に通って、普通に友達と会話して。
人間として必要最低限のコミュニケーションはとれる、と。
だから私も、騙されていました。

本当の彼女は、そんなに甘いモノではなかった。
それに気付くのが遅過ぎた事を、私はとても後悔しています。
もっと早くに気付いていれば。
皆んなが、幸せでいられたかもしれないのに。

ある日その女の子が絵を描いていました。
それも、赤い色鉛筆で。
何を描いてるんだ?と。
周りの人がそう尋ねると……

『アルパカです。分かりませんか?』

ーーと。
そう、答えたんです。

私は驚愕しました。
どう見ても、動物園に存在する生き物とは思えない形相の絵だったのですから。
首は長すぎ、足は短すぎ、頭は不気味に、目は狂気に満ちていて、口はまるで怪物の様なソレを。
彼女は、アルパカだと言ったのです。

問い掛けた人も、困った顔をしていました。
もしかしたら、聞き間違いかもしれない、と。
そんな期待を込めて、もう一度問い直すも。
彼女は壊れたロボットの様に、これはアルパカですと繰り返すだけ。

じゃあ、なんで赤で描いているんだ?
次に抱くであろう疑問を、その人は投げかけました。
当然です、アルパカは赤くはないんですから。
でも……

5 : ◆TDuorh6/aM [saga]:2017/08/01(火) 19:19:29.37 ID:07Ux64x9O



『何を言っているんですか?これは白です』

私の思考が、真っ白になりそうでした。
赤は、白では無い。
そんな事、誰もが知っている常識な筈なのに。
彼女にとって、赤は白で。

あぁ、きっと彼女の見ている世界は、私達とは違うんだ。

そう、実感しました。
それと同時に、恐怖を感じました。
全く別の世界に暮らし、全く別の視点を持った人物が。
私達の日常に溶け込んでいるんだ、と。

そして、そんな女の子は。
今もまだ、この765プロで私達に混ざって。
さも当たり前のように、生活を共にしているんです。
ほら、今貴女の隣で笑っている女の子も。

……別の世界の住人かもしれませんね。


6 : ◆TDuorh6/aM [saga]:2017/08/01(火) 19:20:07.15 ID:07Ux64x9O


志保「以上です」

星梨花「わぁ……とっても怖いです」

茜「志保りん話し方上手いね、ノーベル賞ものだよ」

麗花「怖すぎてマフラーだね」

静香「……ねぇ、志保」

志保「どうしたの?異世界の住人さん」

静香「張り倒すわよ」

志保「ダメに決まってるでしょ暴力なんて。やっぱり価値観が違うのね」

茜「よーし、次は茜ちゃんのターンだね!」

静香「いいえ、私がいきます」

茜「……」

静香「これは、うちの学校の屋上に関するお話です」

7 : ◆TDuorh6/aM [saga]:2017/08/01(火) 19:20:43.32 ID:07Ux64x9O


うちの学校の屋上は、基本的に天候が悪くない限り一般開放されてるんです。
以前は色んな人達が屋上で遊んだり何かの練習をしたりしてました。
昼休みになれば昼寝をする人がいたり、こっそりお菓子を食べる人がいたり。
告白なんかにも使われたり、と。

ですが、とある噂が流れる様になってから。
一般開放時に一人で屋上に上がる人はいなくなりました。

曰く、どこからともなく歌が聞こえてきて。
そこで引き返さずその姿を探そうとすると。
一人の女の子が、現れる、と。
そして気がつけば、意識を失っているそうです。

その時何が起こったのか、覚えている人はいません。
皆、その前後の記憶を失う程強烈な何かに出会って。
最初は笑い話にすらなっていたのに、気付けば皆が怖がりだして。
結局、誰も使わなくなったんです。

その事件の真相がどうしても気になった私は。
と言うよりも、なんとなく。
……犯人に心当たりがある様な気がして。
ある日私は、覚悟を決めて一人で屋上へ向かいました。

8 : ◆TDuorh6/aM [saga]:2017/08/01(火) 19:21:16.07 ID:07Ux64x9O



……誰もいないわね。

屋上へ出たはいいものの、そこには部活の洗濯物が干してあるだけで他には誰もいませんでした。
そんなに都合よく、ソレに出会える訳じゃないのかもしれないわね。
なんて、無駄足だったかと引き返そうとした時。
洗濯物の向こうから、聞こえたんです。

女の子の、歌声が。

びくっ、と身体を震わせるも、驚きで足が動きません。
まずいまずい!早く戻らないと!!
でも、足が動かないし……!
この歌声どこかで聞き覚えが!

……あら?

「……未来、何しているの?」

「あ、静香ちゃーん!歌の練習中!」

未来がいたんです。
そして近くのベンチには、不思議な色をしたペットボトル。
……そういうことね。
確かに、記憶が飛ぶくらいのとんでもジュースだわ。

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