エルフ「ダンジョン荒らして金稼ぎ!」戦士「不安しかないが……」

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436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 14:40:10.16 ID:/WHeZCKPo
ギャグ描写に対してもいちいち突っ込み入れないとダメなのか
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 16:13:42.32 ID:+cyoqbNsO
厨房はNGスルーが基本
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 19:37:32.19 ID:U4cZM/TRO
ガキはさっさと夏休みの宿題やって寝ろよ
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 20:24:37.84 ID:am8TkPjrO
以下ループ
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 20:29:57.80 ID:kwFQ9iL/o
SSに「何故」を求めてはいけない
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 22:49:17.66 ID:Sy/R5nYXO

【幻惑の街・商業区跡地】


『ディフェンダー』を手に入れた!


商人「これは『ディフェンダー』ですね。厚みで非常に頑丈なため盾としても機能します。売値は200Gです」


エルフ「高い! 飛竜草と一緒だよ!」


商人「幻惑の街のアイテムは今までのダンジョンに比べると高価なものが多いですね」


盗賊「難易度もかなり高いから、そう簡単にはアイテムが入手できないのが原因だろう」


銃士「需要に対して供給が少ないから価格が上がるんやなぁ」


赤魔「せっかくだから装備するだろ?」


戦士「そうだな……少し重いが俺の戦い方と相性が良さそうだ……」


エルフ「200G剣……」


戦士「ダメか?」


エルフ「……200G分以上に私を守ってよ?」


戦士「ああ」


戦士は『ディフェンダー』を装備した!
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 22:51:32.61 ID:Sy/R5nYXO


『ホットドッグ』を手に入れた!

『唐揚げ詰め合わせ』を手に入れた!

『小枝チョコ』を手に入れた!



エルフ「食べ物がいっぱいだね」もぐもぐ…


銃士「俺、未だにダンジョンのアイテム食べるの抵抗あるわ……」


商人「大丈夫ですよ。食べられなくなったアイテムはすぐさま消えますから」


赤魔「包装もされてるしな」もぐもぐ…


盗賊「……」ポリポリ…


戦士「食べながら喋るのは行儀悪いぞ」


エルフ「ふぁいふぁい」もぐもぐ…


戦士「ったく……それに二人とも口の周りも汚れてるぞ」ふきふき…


エルフ「んー」


赤魔「サンキュー……戦士ってたまにお母さんみたいだよな」


エルフ「戦士ママー」


銃士「こんなにゴツいママは嫌やわぁ」
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 22:56:53.38 ID:Sy/R5nYXO


エルフ「そういえば銃士の強さはどんなもんかな」カシャッ


戦士「ああ、まだ測ってなかったか」


ステータス解析マシン<<ピピッ……ピロンッ


銃士「お?」


エルフ「戦闘力……たったの5か……ゴミめ」


銃士「よう分からんかどひどぉない!?」



・銃士
HP:1000
こうげき:1000
まほう:350
ぼうぎょ:150
すばやさ:500


エルフ「紙だなぁ」


戦士「やっぱり攻撃力は大したものだな」


商人「武器による攻撃力も加算されるみたいですね」


銃士「さすが俺やん?」


エルフ「儚くて可愛いエルフちゃんよらもか弱いことが分かったよ」


銃士「エルフはんより、まいてはんなりしとるわけやね」


エルフ「うざっ」
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 22:59:00.29 ID:Sy/R5nYXO


赤魔「おっ?」


『天使のペンダント』を手に入れた!


商人「これは『天使のペンダント』ですね。これをつけると幸運なことが起こりやすくなると言われています。具体的な効果としては敵の状態異常攻撃が効き辛くなります。売値は150Gです」


エルフ「またいいお値段だね」


赤魔「戦士にやるよ!」にっ


エルフ「えー」


盗賊「戦士が身に着けておくと盤石だろう」


エルフ「まあ、いいけどね。命あっての物種だし、安全性を高めるのには文句ないけど」


赤魔「それなら最初から不満そうな顔するなよ。構って欲しいからって少しうざったいぞ」


エルフ「はぁっ!?」


銃士「ええやんええやん、いじらしくて可愛ええもんや。なあ?」


エルフ「キモい!」


銃士「酷いわぁ……」よよよ…


戦士「まあ、赤魔とエルフがそう言うなら、俺が使わせてもらおうか」


戦士は『天使のペンダント』を装備した!


戦士「俺ばかり悪いな。その分の守りは任せろ」


赤魔「期待してるぜ!」にっ
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 23:01:54.61 ID:Sy/R5nYXO

赤魔「それにしてもこのダンジョンは一気に大金を稼げそうだなぁ」


エルフ「魔物も全然出ないしねぇ」


ザッ……


銃士「ルーモアをすればシャドーがカットインやな」


盗賊「なぜ横文字にした」


銃士「商人くんの真似や」


商人「僕、そんな頭の悪そうなことを言ってるように思われてるんですか……」


戦士「お前ら、少しは危機感を持ってくれ……!」


ステータス解析マシン<<カシャッ……ピピッ……ピロンッ


・アーミードール
HP:100
こうげき:100
まほう:0
ぼうぎょ:0
すばやさ:200


エルフ「なんだ、弱っちいよ」


赤魔「肩慣らしにさっさと倒しちゃうか!」
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 23:04:47.08 ID:Sy/R5nYXO

盗賊「……そう簡単には行かないみたいよ」


わらわら……わらわら……


商人「ひっ、な、なんて数ですか……!」


戦士「くっ、百はいるか……!」


エルフ「どこに隠れてたの!?」


銃士「んんー、これアカンなぁ。逃げましょ」


戦士「しんがりは任せろ!」


盗賊「さきがけは私だ! ついて来い!」



エルフたちは逃げ出した!



アーミードール<<わささっ……


盗賊「邪魔だ」


盗賊の『加速蹴り』!

盗賊は更に加速する!


商人「ひぃ……!」だだっ


エルフ「エルフちゃんも大人しく逃げとくぅ」だっ
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 23:06:57.98 ID:Sy/R5nYXO


銃士「邪魔やで!」


銃士の『ラピッドショット』!


赤魔「燃えろぉ!」


赤魔の『火炎魔法』!



アーミードールは更に仲間を呼んだ!


アーミードールの大群はナイフで斬りつける!


戦士はパーティを庇った!


戦士「(単体がいくら弱くても数で押されるのはやはり辛い……! 加えて人形だからか怯みもしないか……!)」


盗賊「……!」キュッ


エルフ「どうしたの!?」


盗賊「前方に転移トラップ複数! 私の真後ろ以外を通るな!」


盗賊「(くっ、少し迂闊だったな。幻覚以外も危険なダンジョンだ)」


商人「は、はい……!」


エルフ「(パーティで来た冒険者を分断させたいのかな? 幻覚見せる上に仲間とはぐれさせようなんて趣味が悪いダンジョンだね)」


盗賊「絶対にここより左によるな!」


エルフ「(まあ盗賊がいれば問題ないけどね)」
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 23:09:13.67 ID:+cyoqbNsO
ふらぐ
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 23:10:30.67 ID:Sy/R5nYXO


シャドウサーバント<<ズズズ…


戦士「……!?」


シャドウサーバントはアーミードールの大群を握り固める!


シャドウサーバントの『ドール・キャノン』!


戦士「(これは絶対に防がないとまずい……!)」


戦士はパーティを庇った!


戦士は大きく吹き飛んだ!


戦士「ぐっ……! 避けろ!」


赤魔「いっ……ふにゃぁっ!?」どんっ


銃士「へっ、ちょぉっ!?」どんっ



戦士と赤魔と銃士に転移トラップ!



盗賊「赤魔……!」


エルフ「戦士!」


商人「落ち着いてください! まずは安全を確保しましょう!」
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 23:17:01.29 ID:Sy/R5nYXO

・・・

盗賊「くそっ……! もっと私が警戒していれば……!」ギリッ


エルフ「……」


商人「三人とも重なり合ってたので同じ場所に転移したと思われます。銃士さんが真実の鏡の片割れを持ってますから、すぐに窮地に陥ることはないかと」


盗賊「飛ばされた先が出口のない地下や針の山だったら!? 鏡転移の際にを落としていたら!?」


商人「……それは無事を信じるしかありませんよ。落ち着いて行動しなければ僕たちも危ないですし、助けられるものも助けられません」


盗賊「ああ、そうだろうな。アンタは戦えないものな。自分の保身に走るのも当然だ」


エルフ「盗賊!」


盗賊「……すまない。今のは完全に八つ当たりだわ」


商人「事実ですからお気になさらず。それよりも方針を考えましょう」


エルフ「そうだね。あいつら回復も蘇生もできなくて頼りないし、早く合流しなきゃ」


盗賊「……ああ。悲観的に考えるのもすぐに熱くなるのも私の悪い癖だ。本当にすまない」


エルフ「そういう素直なところ好きだよ、うんうん」


451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 23:23:23.19 ID:Sy/R5nYXO


盗賊「転移にも法則がある。計算で方角は求められるわ」カリカリッ


エルフ「へえ……サモナーから教わったとか? それともパイオツ姉ちゃん?」


盗賊「その通り……憎いヤツの教えだろうと使えるものは使う主義よ」カリカリッ


商人「素晴らしいです」


盗賊「……北西ね。距離を出すのはほとんど不可能だが、規模からするとそんなに飛んではいないはずだ」


商人「……ここから北西ですと、かつての行政区でしょうか」

エルフ「行政かぁ……官憲の署とかあるなら、そこに囚われてるとかありそうだよね」


盗賊「ああ。出来る限り敵との戦闘を避けながら進むぞ」


エルフ・商人<<こくっ
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 23:25:14.36 ID:Sy/R5nYXO

・・・
【幻惑の街・行政区】


盗賊「……今だ」


さささっ……


クレイジードール「ケケケ……?」


盗賊「……よし」


商人「はぁはぁ…………はぁはぁ……ぜぇっ……ひゅぅ……」ぐてっ


盗賊「……少し休憩するか」


エルフ「あー、疲れた……お腹もすいた……」


盗賊「だいぶ神経を張り詰めて進んだものね……」


エルフ「……お、食べ物だ!」



『ソイレント缶詰』を手に入れた!



453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 23:32:52.55 ID:Sy/R5nYXO

盗賊「カンヅメか。先に備えて腹拵えしておくか」


エルフ「結構あるよ。はい」ぽいっ


盗賊「これは何のカンヅメかしら?」パシッ



商人「……はぁ、ふぅ。もう大丈夫です。バテてすみません」


エルフ「盗賊が早いし仕方ないでしょ」もぐもぐ…


盗賊「すまない。付いてくるからつい、な」ぱかっ


商人「アイテムを食べてるんですか? えーと、それ、は……」ぴしっ


エルフ「このカンヅメ、あんまり美味しくないね」


盗賊「そうか? 私は結構好きよ。二つ目を開けてしまったわ」


エルフ「えー? 商人も食べる?」


商人「……いえ、僕は遠慮しておきます」


盗賊「そういえば、これは何のカンヅメか分かる?」


商人「えっ……さ、さあ……? 『ソイレント缶詰』という名前みたいですけど……」


エルフ「豆類を潰したものかな? なんか健康に良さそうだねー」


商人「……」


商人「(知らない方が幸せなこともありますよね……)」


to be continued...
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 23:41:21.33 ID:Sy/R5nYXO

○エルフメモ

・アーミードール:単体は大して強くないけど百体近くに囲まれれば非常に危険だよ。

・シャドウサーバント:急に現れていた巨大な黒い魔物。アーミードールを雪だるまの如く固めて投げつけてきたよ。

・転移トラップ:方角の割り出しは手計算で何とかなるけど、距離は陽に解けないから高性能な計算機で近似値を求めるんだって。

・クレイジードール:顔がイッちゃってるドールの魔物。油断しているところにこいつが急に現れたら、失神しちゃうかも。



○商人の鑑定

・ホットドッグ:売値は0.2G。粒マスタードが美味しいです。

・唐揚げ詰め合わせ:売値は0.8G。衣はサクッ、お腹はジューシーで、下味は濃い目なため調味料は不要でしょう。レモンはお好みでどうぞ。

・小枝チョコ:売値は0.2G。小枝の形をしたチョコレート菓子です。クランキーとチョコのハーモニーがクセになりますね。

・ソイレント缶詰:売値は10G。人口は指数的に増えても食料の増加はそうはいきません。飢えた世界は悪徳が蔓延ることでしょう。異世界は複数あるように思われるのですが、その全てが豊かな世界ではないようです。
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 23:42:41.57 ID:vHkVv/xc0
食べたのもったいないな、高いのに
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 23:49:15.73 ID:vHkVv/xc0
・戦士
HP:5000
こうげき:400
まほう:0
ぼうぎょ:900
すばやさ:300

・エルフ
HP:1500
こうげき:600
まほう:600
ぼうぎょ:100
すばやさ:600

・商人
HP:3000
こうげき:20
まほう:10
ぼうぎょ:300
すばやさ:30

・赤魔
HP:2500
こうげき:300
まほう:700
ぼうぎょ200
すばやさ:500

・盗賊
HP:3500
こうげき:400
まほう:200
ぼうぎょ:400
すばやさ:1000

・銃士
HP:1000
こうげき:1000
まほう:350
ぼうぎょ:150
すばやさ:500
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 23:51:58.08 ID:lzrm3t6t0
また懐かしいものを…
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 01:30:32.83 ID:S8Oo3PFXo
気になる人はソイレントシステムでggろう
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 01:35:47.63 ID:qzECSs8xo

ソイレント缶ってゼノギアスのアレか・・・
これから調べるやつはマジで心の準備はしておけよ
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 02:25:04.15 ID:tIRIwIeo0
何よりも怖いのはゼノギアスが20年近く前の作品だということ…
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 02:54:13.86 ID:CuA87igIo
>赤魔「いっ……ふにゃぁっ!?」どんっ

赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 08:30:26.40 ID:xIPTyl0X0
調べたら人肉缶詰じゃないか!
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 10:36:54.34 ID:OOpGOJVxO
いいえ、私は遠慮しておきます
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 13:29:16.05 ID:qTzD/fIbo
>>463
畜生! この鬼畜眼鏡!
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 00:40:31.41 ID:MhY/WEPPO

・・・
【幻惑の街・行政区跡地の地下】


赤魔「転移先は檻の中かよぉ……」


銃士「拘留場みたいな造りやな?」


戦士「そうなのか。経験者なだけあるな」


赤魔「えっ」


銃士「生きてればそういうこともあるやろ」


赤魔「普通ないだろぉ……」


戦士「何はともあれ、バラバラにならなかったのは不幸中の幸いか」


銃士「せやせや。明るくいきましょ」


赤魔「そうだな! レアアイテムを見つけてあいつらをびっくりさせようぜ!」


戦士「まずは脱出しないとな」
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 00:42:37.09 ID:MhY/WEPPO


銃士「また即死トラップあったらどないしましょ。誰か気付薬もっとる?」


赤魔「えっ……?」


銃士「……戦士」


戦士「二つ持ってる」


銃士「さすが戦士、準備がええな」


戦士「普通は保険で持つだろ?」


赤魔・銃士「……」


戦士「お、お前ら……」


赤魔「ほ、ほら、盗賊がいれば何とかなったからさ!」


銃士「どうせ他の誰かが持って来とると思っとったからな」


戦士「ダンジョンを舐め過ぎだろ……」
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 00:45:15.40 ID:MhY/WEPPO

・・・

赤魔の『大地魔法』!


バキキッ!


銃士「ええ感じや」


戦士「ああ……だぁっ!」ガンッ


戦士たちは柵を破壊した!


赤魔「よしっ!」


銃士「四精霊の魔法ええなぁ」


赤魔「まあな! ……他の属性に比べると人気ないけどなー」


戦士「へえ」


銃士「火以外はマイナーやから、中々習得する機会あらへんよね」


赤魔「黒エルフも四属性派は少ないみたいだなー。俺の村だと結構多かったんだけど」


戦士「地域差があるんだな」
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 00:47:57.22 ID:MhY/WEPPO

銃士「そういや気になってんけど、『赤魔道士』って回復魔法と攻撃魔法、しかも物理攻撃も中々っていう器用びん……器用で万能な職業やん?」


赤魔「おう!」


銃士「けどエルフはんの話やと、赤魔ちゃんは回復魔法は使えないんよな?」


赤魔「……つ、使えないことはない! 紙で指切ったときとか治りがちょっと早くなるぞ!」


戦士「(自然治癒と大差ないんじゃないのか)」


銃士「エルフはんは回復魔法が使えて攻撃魔法も使えるし、エルフはんの方が赤魔道士として優秀なん?」


戦士「あいつは自分では違うっていってるけどな」


銃士「でもエルフはんの方が中身は赤魔道士っぽいよなぁ?」


赤魔「いやいや俺の方が赤魔道士として優秀だぞ! え、えーと、ほ、ほら! 赤魔道士といえば『魔法剣』が真骨頂だから! 魔法剣が大事だから! うん!」


銃士「えっ、でもエルフはんも杖に魔法を宿らせて戦うよな。実質的には魔法剣やん?」


赤魔「うっ……お、俺の方が赤い!」


銃士「それは服装の問題やん? 職業って服装で決まるもんやないやろ?」


赤魔「うぅ……私の方が赤魔道士だもん! そのうち『連続魔』も覚えるもん!」


銃士「今は使えへんの?」


赤魔「うぅ……」うるっ
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 00:51:25.17 ID:MhY/WEPPO

銃士「うぇっ!? な、泣かんといてぇな」


赤魔「べ、別に泣いてない……!」ぐすっ


戦士「赤魔はまだまだ強くなるし、今でも十分立派な赤魔道士だ。ほら、飴でも食うか?」


赤魔「……うん。銃士はいじわるだ」ぱくっ


銃士「そんなつもりはさらさらなかったんや。堪忍してえな」


戦士「こいつは無神経なだけで悪いやつではないんだ。どうしようもなく無神経なんだが」


銃士「二回も言わんでええわ」


赤魔「銃士きらい!」ぷいっ


銃士「また女の子に嫌われてもうたか……」


戦士「おおよそ全部お前が悪い」


銃士「俺は責めとるつもりも悪口言っとるつもりないのに、色んな人に毎回そう言われるんよなぁ」


戦士「相手の心情にもっと配慮して発言しろということだろう」


銃士「商人くんなら『ポリティカリィコレクトな発言をするべきです』とか言うんやろなぁ」


戦士「商人は横文字が好きだからな」
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 00:52:39.03 ID:MhY/WEPPO

赤魔「戦士、戦士、この飴おいしい」


戦士「もう一つ食べるか?」


赤魔「おうっ♪」


銃士「(飴ちゃんで機嫌治るなら楽なもんやなぁ)」


銃士「どうせなら俺のとっときのキャンディでも舐めとく?」


赤魔「銃士きらい」ぷいっ


銃士「あらぁ」


戦士「お前……盗賊がいたら殺されてたぞ……」


銃士「ちょっとしたジョークやん。それに今はおらんからな」


戦士「とりあえず俺が代理で殴っておく」バキッ


銃士「あだぁっ!?」


赤魔「?」コロコロ…
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 00:55:42.44 ID:MhY/WEPPO
・・・

クレイジードール「ケケケ……」バタッ


クレイジードールを倒した!



銃士「暗闇でこいつは怖いわぁ」


戦士「ライトだけじゃどうにも索敵が上手くいかないな。盗賊がいればまた別なんだろうが」


赤魔「……」がたがた……


銃士「赤魔ちゃん、怖いんなら俺に抱き付いてもええで」


赤魔「……」ギュゥゥッ


戦士「……」ナデナデ…


銃士「けっ、お前ばっかし……」


赤魔「べ、別に怖くなんてないからな! む、武者震いだからな!」ガタガタ…


戦士「そうか」


赤魔「ほ、本当だぞ!」ブルブル…


戦士「わかってるさ」
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 00:59:38.08 ID:MhY/WEPPO

銃士「後で戦士の浮気をエルフはんに伝えとくわ」


戦士「意味が分からん」


赤魔「べ、別に怖がってないけど、エルフと盗賊には言うなよ! バカにされるだろ! 怖がってないけど!」ガタガタ…


銃士「あー」


赤魔「銃士きらいだ!」


戦士「あんまり赤魔の嫌がることしてると盗賊が敵になるぞ」


銃士「ガチで“処理”されるヤツやん」


戦士「(この状況は俺も危ういかもしれんな)」


赤魔「出口はどこだよぉ……」


戦士「そのうち見つかるさ」


銃士「お化け屋敷デートじゃないんやで!」


赤魔「何がデートだよぉ……そんなことより階段はどこだよぉ……!」


戦士「銃士、ここはダンジョンだぞ。あまり気を緩めるなよ」


銃士「腕組んどるお前らに言われとうないわ! 俺と戦士、どこで差がついたのか……慢心、環境の違い」


戦士「お前は何を言ってるんだ」
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 01:01:41.84 ID:MhY/WEPPO


銃士「はあぁ……かわええ女の子でも落ちとらんかなぁ」


戦士「……っと、階段だ」


赤魔「やったぁ!」


銃士「……ちっ、おきまりのごとく何かおるな……」



「……ここから出て行ってはダメよ」



銃士「か、かわええ女の子きたー!」



「ねえ、一緒に遊びましょうよ」



銃士「ええねええね。何しましょ? お馬さんごっこ? お医者さんごっこかいな?」


戦士「おい……」


銃士「まあ、チャンバラやろ」チャキッ



銃士の『クリティカルショット』!


ミス!



銃士「物理攻撃は当たらん感じか?」


銃士の『アルカナショット』!


ミス!



銃士「うん、そもそも攻撃が効かんタイプやな。あきまへんな」
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 01:03:53.91 ID:MhY/WEPPO


戦士「躊躇いなく撃ったな」


銃士「ドアホ。ダンジョンに美少女がおったら魔物かトラップに決まっとるやろ」


戦士「それもそうか」


「ただでさえ幻覚が効きにくそうね。そういう面倒な人は嫌いだわ」


少女はシャドウサーバントを呼び寄せた!


シャドウサーバント「ーーーー」


戦士「またこいつか!」


赤魔「さっきはよくもやってくれたな
! お返ししてやる!」


赤魔の『疾風剣』!


銃士の『クリティカルバースト』!


クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!


戦士の攻撃!
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 01:05:49.28 ID:MhY/WEPPO


シャドウサーバント「オオオオーーッッ」


シャドウサーバントの『怨嗟刻呪』!


戦士は銃士を庇った!


銃士「げっ、それスタンする技やないか!?」


戦士「……いや! 天使のペンダントが効いたみたいだ!」



赤魔「ラッキーだな! おりゃぁっ!」


赤魔の『火炎剣』!



銃士「ガンガンいくで!」


銃士の『クリティカルバースト』!

クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!



戦士の攻撃!
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 01:08:13.81 ID:MhY/WEPPO


「ああ、私のお友達にひどいことしないで」


赤魔「お友達? やっぱりお前は魔物なんだな!」


「ああ、ひどい人たち。けれど、大丈夫よ。私がお友達になってあげるわ」


少女はシャドウサーバントに囚われた魂を注ぐ!



「お友達の数が減ってしまうのは悲しいけれど、仕方ないわ」


シャドウサーバントはその姿を変化させる!



シャドウサーバント<<ボココココ……


赤魔「うわわ……!?」


戦士「悍ましいな……っ」
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 01:10:55.15 ID:MhY/WEPPO

カオスサーバント「ーーーー」


カオスサーバントが出現!



銃士「一段と不気味な姿になりよったな!」


銃士の『クリティカルバースト』!

クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!
クリティカル!



赤魔「こっち来んなぁ……!」


赤魔の『火炎魔法』!



戦士の攻撃!



戦士「(こいつの攻撃は防げるか……!?)」



カオスサーバント「ギョエエェェエェェエエエエエーーーーッッッッ」


カオスサーバントの『負響和音』!



銃士「うぉぉ……!」ガクッ

赤魔「あぅっ……」ぺたんっ


銃士と赤魔は体が動かなくなった!
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 01:13:39.50 ID:MhY/WEPPO


戦士「くっ……! うぉぉっ!」


戦士の攻撃!


「天使のペンダント……真実
の鏡といい、私の嫌いなものばっかり持ってるのね。不快だわ、不快だわ」


カオスサーバントの『散乱する悪意』!


戦士はパーティを庇った!


戦士「くっ……!」



「けれど大丈夫よ。私がお友達になってあげるわ。一緒に遊びましょう。日が暮れるまでいつまでもいつまでも」


戦士「断る!」


戦士の攻撃!


「断るなんてできないのよ?」



カオスサーバントの『散乱する悪意』!


戦士はパーティを庇った!
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 01:18:20.67 ID:MhY/WEPPO


戦士「(このままじゃジリ貧だ! 何か打開策はないか……)」


銃士「……へんひ!ははひ!」


戦士「!」


「ああ、鬱陶しい。あなたは気に入らないわ。あなたは要らない」


戦士は銃士の道具袋から『真実の鏡』を取り出した!



戦士「お前にとっては不要でも、俺にとっては大事な仲間だ!」



戦士は『真実の鏡』を使った!



カオスサーバント<<ウゾウゾウゾ……!


カオスサーバントは悶えている!



「大丈夫、大丈夫よ。私がいるわ。あなたは私のお友達よ。あなたたちは私のお友達よ」


カオスサーバント<<ウゾウゾウゾ……!


「ああ、もう。どうして私の言うことを聞かないの? お友達の言葉は絶対なのに。……あなたたち覚えていなさい。絶対にお友達にしてあげるわ」スゥ……


カオスサーバント<<ズズズ……


少女とカオスサーバントは姿を消した!
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 01:21:01.72 ID:MhY/WEPPO


赤魔「た、助かったみたいだな……?」


銃士「ったく、何がお友達やねん。しかも俺は要らないってどういうことや。ちょっと傷付くわ」


戦士「今のはダンジョンのボスなのかもしれないな……二人とも動けるか?」


銃士「オーケーや。鏡が少し緩和してくれたみたいやな」


赤魔「む、無理かも……」


戦士「それなら俺がおぶろう」


赤魔「うう、ごめん……」


戦士「気にするな。仲間だろう」


銃士「階段やけどいけるんか?」


戦士「伊達に鍛えてない」


銃士「知ってたわ……おっ、あのお嬢ちゃん何か落としとるな」


『カースドレイン』を手に入れた!


銃士「なんやろ?」


戦士「……さあな。商人に聞けば分かるだろ」
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 01:23:08.94 ID:MhY/WEPPO


赤魔「……戦士の背中、落ち着くなぁ。なんだかクマみたい」


銃士「クマかい。父親やないんかい」


戦士「クマの背中は落ち着かなそうだがな……」


赤魔「……」すやっ


銃士「ね、寝とる……はやっ」


戦士「怖かったんだろ。さっきの敵の攻撃もあったしな」


赤魔<<すやすや…


銃士「うーん、守りたい、この寝顔」


戦士「そろそろ行くぞ」


銃士「へいへい」



・・・

盗賊「嫌な予感がするな……急ごう。赤魔が銃士に汚される前に」


商人「(盗賊さんの中で銃士さんの評価ひく……)」



to be continued...
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/26(土) 01:25:36.77 ID:MhY/WEPPO

○戦士メモ

・飴:『魔物の洞穴』でしばしば手に入る飴。エルフの機嫌が悪い時に与えておくと少し機嫌が良くなるため常備するようにしている。赤魔も好きなようだ。

・少女:このダンジョンのボスなんだろうか。随分と都合のいい友人の観念を持っているようだ。

・カオスサーバント:シャドウサーバントが変化した魔物だ。こちらの動きを封じる攻撃をしてくる面倒な敵だ
攻撃力も低くないため長引けば俺たちが負けていただろう。どうやら真実の鏡に弱いようだ。



○盗賊のtips
赤魔に関する重大な情報

・赤魔の声:かわいい
・赤魔の笑顔:眩しい
・赤魔の慌て顔:癒される
・赤魔のむすっとした顔:ときめく
・赤魔の泣き顔:中毒性がある
・赤魔の照れ顔:国宝に指定するべき
・赤魔の寝顔:天使は現実にいた
・赤魔に害を与えるもの:“処理”する
・赤魔:私の生きる意味
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 01:31:45.89 ID:C1SwcwT2o
美少女、死霊使い、お友達……糞環境萌えメンkうっ…頭が……
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 01:49:52.23 ID:r5a7DZawO
あ、銃士好きなキャラだわ
野郎に気に入られても嬉しくないだろうが
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 02:37:53.98 ID:TH5mwOyHo
赤魔が可愛すぎる
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 02:53:34.42 ID:HZPOcZdWO
盗賊が赤魔に手出ししてないのは尊すぎるからかねえ。赤魔はノーマルっぽいけど。
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 02:58:01.36 ID:TH5mwOyHo
赤魔かわいい
まじ盗賊のtipsで赤魔の表情の想像掻き立てられるんだが
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 06:15:32.07 ID:jVdzWNJb0
ダンジョン形成の理由とか昔何があったのかとかそういうのワクワクする
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 18:53:40.79 ID:ihARdOCRO
おもしろい
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 21:55:50.86 ID:0RyjLfBAO

・・・

『RPG改造キット・R16ver.』を手に入れた!

『簡易医療缶』を手に入れた!

『グレートハチマキ』を手に入れた!



エルフ「1000Gドールは出ないか」


商人「そうですねぇ」


盗賊「……三人を探す気があるのか?」


エルフ「あー、そうだねぇ……あっ、もし囚われてたら助けるのにもアイテムが必要かもしれないじゃん?」


盗賊「今ちょうど思いついたみたいな反応だったな」


商人「たまたまアイテムを見つけてるだけですよ。決してアイテムをメインに探してるわけじゃないんです。『ビスクドール』や『セフィロトの杖』を探してるわけではないんです。決して。そう、決して」


盗賊「そこまで念を押されると逆に詭弁にしか聞こえないのだけど」


エルフ「それは心が曇ってるよ。ほら真実の鏡でも見て無垢な心を取り戻して」
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 21:58:22.79 ID:0RyjLfBAO


盗賊「……」


エルフ「無言で不快感を示すとかダメだよー。そこはビシッと突っ込まなきゃね」


商人「ボケ殺しは悪徳ですからね」


盗賊「私はマンザイをしてるつもりもなければ、そんな美徳も持ち合わせてない」


エルフ「ノーノー、そこはスカした感じでなくビシッといくべきだよ。ねえ?」


商人「緩急が大事ですよね」


盗賊「なるほど」



ゴチッ、ゴチッ



盗賊「少しは緊張感を取り戻したか?」


エルフ・商人「……はい」ぐすっ
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:01:27.98 ID:0RyjLfBAO


ギルティドール<<ユラユラ……



エルフ「やっぱりドールとか無機物の魔物が多いね」こそっ


商人「ダンジョンによってアイテムも違えば魔物も違いますからね。ただ、情報通りの魔物ばかりなのでここには『転移石』はないかもです」こそっ


エルフ「てっきりこのあたりにもパイオツちゃんが何か仕掛けてるかと思ったけどね」


盗賊「……」


エルフ「またシリアスな感じ出そうとしてるー」


盗賊「何よそれ…………さっきは悪かったわ」


商人「はい?」


盗賊「あなたたちは私の張り詰めた気持ちを和らげようとしてくれていたのかと思い至ってね。そうだとしたらさっきは悪いことをしたわ。……ごめんなさい」


エルフ「あはは」


エルフ「(別にふざけてただけなのに好意的に解釈されてるしぃ。真面目かよ。まあ、怒らせたくないし恩着せるために黙っておこー)」


商人「(などとエルフさんは考えてるでしょうし、僕も黙っておくのが最適な反応でしょうね)」


盗賊「……急に黙ってどうした?」


エルフ「えー? 照れてたんだよー?」


商人「そーですねー」


盗賊「……そう」
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:03:14.38 ID:0RyjLfBAO


盗賊「しかし商人はいつもと違うな。普段はもっと真面目な気がしたけど」


商人「バランスを取るタイプですから」


エルフ「君は横文字を入れないと死ぬ病気かね? うん?」


商人「そういうエルフさんも結構横文字使うじゃないですか」


エルフ「エルフちゃんは賢くて可愛いからいいのさー」


盗賊「ふっ」


エルフ「えっ、ちょっ、鼻で笑うのはどうなの?」


盗賊「あら? てっきりそういう反応待ちかと思ってたわ」


エルフ「そんな銃士みたいなことはしないよ。私は反応する側だもん」


商人「エルフさんは攻められると弱そうですよね」


エルフ「うるさいよ」
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:04:56.89 ID:0RyjLfBAO


盗賊「しっ……」


ズルズルズズズ……


エルフ・商人「!!」



カオスサーバント<<ズルズル……



商人「ひっ……」


エルフ「うわー……」


盗賊「……やり合いたくないな。迂回するか」



「私のお友達を無視しないで」



「「「!?」」」


「これから貴方のお友達にもなるのよ? なにせお友達のお友達はやっぱりお友達でしょう?」


盗賊「(気配が全くなかった……どういうこと?)」


カオスサーバント<<ズルル……ッッ


エルフ「こっちくんな」カシャッ
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:07:00.23 ID:0RyjLfBAO

ステータス解析マシン<<ピピッ……ピロンッ


・カオスサーバント
HP:8000
こうげき:500
ぼうぎょ:900
まほう:500
すばやさ:400


・幻惑の少女
HP:0
こうげき:0
ぼうぎょ:0
まほう:0
すばやさ:0


エルフ「なんだこれ? 故障ではなさそうだけど」


盗賊「実体じゃないようね。それならあのバケモノから片付けるべきだ」


商人「真実の鏡は効きませんかね……?」


盗賊「試す価値はある」


「はぁ……あなたたちはすぐに気付いてしまうのね……」


エルフ「あなたたちは?」じろっ


商人「戦士さんたちに何かしたんですか!?」


盗賊「……」
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:09:34.88 ID:0RyjLfBAO


「これ以上お友達を傷付けてほしくないの。大人しく私のお友達になってくれないかしら」


盗賊「するわけないだろ、馬鹿か。あなた、赤魔に手を出したの……?」


「……私の言うことなんてちっとも聞いてくれない。あなたたちは嫌な人たちね」


エルフ「勝手に嫌ってなよ、構ってちゃんのメンヘラわがまま娘め」


「どうしてそんなヒドいこと言うの?」


エルフ「あーん? 被害者ぶってんじゃないよ。美少女だからって容赦しないよ? むしろ美少女だから容赦しないよ?」


盗賊「ただの嫉妬ね」


エルフ「ちがわい!」


商人「銃士さんみたいになってますよ」


エルフ「あんなのと一緒にしないでもらえる!?」


「ああ、ああ……どうしてそんな汚い言葉を言えるの……どうしてお友達どうしで憎しみあえるの……」


エルフ「はあ? 憎しみ合う〜? お目目が腐ってるのかな?」


「ひどいわ……! そんな汚い言葉遣いをお友達になる私にするなんて……!」


エルフ「なんなのコイツ……病気かな?」
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:17:21.50 ID:0RyjLfBAO


商人「(……ダンジョンで目撃されていた少女はおそらくこの娘ですよね。魔物をお友達と呼んで、かつ僕たちもお友達にしたいということは、この魔物も元は人間でしょうか? 他の冒険者も同様の目にあったと考えるのが自然ですね)」


盗賊「(今までの会話を踏まえると“お友達”が欲しくて冒険者に幻を見せて魔物化させた? 表情に悪意はない……子どもの純真さのままに悪魔の所業を行っているのか?)」


「私、あなたたちとはお友達になりたくない……! こんな気持ちは初めてだわ……!」


エルフ「頭がお花畑のメルヘンでメンヘラなビッチと性なるフレンズになりたいのは銃士だけだから」


「あの人も嫌い!」


エルフ「わかるー」


銃士「なんでや!」


エルフ「うわっ、出たよ」


銃士「どこぞの黒光りはんみたいな扱いはやめてくれはります……」


エルフ「黒光りGだね。GはガンナーのGだよ?」


銃士「悪意の塊やわぁ……」


商人「Gさんがいるということは……」


戦士「待たせたな」



戦士たちが合流した!



498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:21:28.79 ID:0RyjLfBAO


盗賊「赤魔!」


赤魔「よかった、無事か」


盗賊「私のセリフだ! バカ!」


赤魔「バ、バカじゃない!」


戦士「エルフ、まずは鏡で魔物を追い払うぞ!」


エルフ「悪霊退散!」


商人「ノリノリですね……」


赤魔「(俺も言ってみたい)」



戦士とエルフは『真実の鏡』を使った!


カオスサーバントを倒した!



エルフ「ふはは、弱い弱い。美少女退魔師エルフちゃんの敵じゃないよ」


赤魔「いつジョブチェンジしたんだよ」


銃士「成人向けRPGで陵辱されそうな肩書きやな」


エルフ「うるさいよ!」


商人「(触手責めで『んほぉ』しそう)」

499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:24:32.43 ID:0RyjLfBAO


「私のお友達を消すなんて……許せない」


盗賊「真実の鏡で消えるお友達だったな」


商人「 まさかとは思いますが、 この『お友達』とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか」


エルフ「すごーい! 君は妄想のお友達と戯れるフレンズなんだね!」


「お友達はお友達よ……!」


戦士「やめてやれよ。流石に可哀想になってきた」


赤魔「うん……」


銃士「せやかて、この嬢ちゃんのせいで人がぎょうさん死んどるんやし」


盗賊「ああ。特に同情の余地はないように思う」


「どうして……」


エルフ「可愛いからっていつも構って貰えると思ってはいけないよ。可愛いからってね。ブスだったらもっと酷い目にあってるよ? エルフちゃんくらい可愛くなってから出直しなさい」


戦士「お前はもう色々とすごいな」


銃士「可愛いは正義やからなぁ」


商人「美形プレミアムは実際に確認されてますからね」

500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:30:58.79 ID:0RyjLfBAO

「……もういや」


幻惑の少女は姿を消した!



エルフ「はー、都合が悪くなるとすぐ姿を消すとかこれだからメンヘラな構ってちゃんは」


銃士「メンヘラいうやつも大概メンヘラやけどな」


エルフ「うっさい! エルフちゃんは健康優良児だよ!」


戦士「(わりと構って欲しそうにはしてるけどな。別に俺は嫌じゃないが)」


商人「(とか考えてるんでしょうねえ)」


赤魔「とにかく合流できてよかった!」にっ


盗賊「あまり心配をかけさせるな」


赤魔「ご、ごめんなっ」


盗賊「(可愛い。許す)」はぁ…


商人「(とか考えてるんでしょうねえ)」
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:33:12.48 ID:0RyjLfBAO

・・・

エルフ「まあ、何はともあれ無事に合流できたわけだけど、1000G人形を取るくらいしたわけだよね? まさか失態を晒して手持ち無沙汰とかないのねえ?」


赤魔「こっちだって大変だったんだからな!」


エルフ「やかましい! 私たちの方が大変だったよ! どんだけ走ったと思ってるの!」


商人「そうですね……」


盗賊「(赤魔が無事ならそれでいい)」


銃士「まあまあ、全くの手ぶらってわけやないんや。ところで、手ぶらって何か卑猥やな?」


赤魔「?」


盗賊「……」ゴゴゴ…


銃士「なんでもないのね」


戦士「ところで商人、あの少女がこれを落としていったんだが」すっ


商人「これは『カースドレイン』ですね。一度だけ時計塔の封印を解けます。売値はつきません」
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:38:03.26 ID:0RyjLfBAO


銃士「お、これがあれば時計塔の中に進めるんやな」


戦士「もう即死して盗賊に蘇生魔法(物理)やられることもないな」


銃士「思い出させんといて。とにかく即死の心配はないわけや」


盗賊「赤魔の前で不用意なことを言ってると私の即死魔法(物理)がとぶかもな」


銃士「おぅふ」


赤魔「銃士は嫌なところもあるけど良いところもあるからやらないであげてな?」くいくいっ


銃士「天使がおるぅ……」


盗賊「赤魔は本当に天使よ(……仕方ないな)」


エルフ「盗賊も大概アレだよねー」



商人「あの、そろそろ気を引き締めて進みません?」


戦士「まったく……魔物が蠢くダンジョンってことを忘れそうだ」



to be continued...
503 :1週間以上お休みするよ [saga]:2017/08/27(日) 22:46:29.99 ID:0RyjLfBAO


○戦士メモ

・合流:騒ぎを聞きつけて合流できたが、何とも緩い雰囲気だった。魔物がいつ急襲してくるか分からないのに呑気なものだ。盗賊はふざけたようにしていても警戒しているだろうが、俺も気を張っておこう。

・美形プレミアム:『美醜が全て』という言葉には全く説得力がないが、『美醜は関係ない』という言葉もまた同様だ。俺たちが生物である以上は美人を好ましく感じるのは仕方ないことだろうが、それを認識した上で出来る限り公平性を失なわず接するように配慮したいものだ。



○エルフメモ

・メンヘラ:エルフちゃんはメンヘラじゃない。むしろ可愛いエルフちゃんならメンヘラなくらいでちょうどいいすらあると思うんだ。

・退魔師:戦士が『魔物の洞穴』で拾ってきた『ファンタジーRPG:キル・ゴッデス』を赤魔とかとやってて、私は退魔師をプレイヤーとして使ってるよ。魔法職のくせに肉弾戦が得意なあたり私と似てるかも。



○商人の鑑定

・RPG改造キット・R16ver.:売値は4G。ダンジョンで拾える既存のRPG(別アイテム)を主に成人向けに拡張できます。実は改造といいつつも本体の隠された領域に既に内蔵されていてそれを表示できるようにしてるだけだったりします。

・簡易医療缶:売値は30G。簡易といえど、異世界の医薬品は現代の技術では高価なものを当然のように入ってたりします。国立研究機関等が買い取ることが多いようです。

・グレートハチマキ:売値は2G。これを額に巻くと気分が高揚するようです。『いざビッグサイトーー最高の夏』という異世界文字が刻まれているそうですが、解釈に困っているようです。
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/27(日) 22:46:59.55 ID:qO1Hz+ZG0
休んじゃうのかー
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 03:20:08.36 ID:4o5YU9wg0
商人の鑑定眼すごい便利だな
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 06:05:53.71 ID:9oiUrMz3o
ファンタジーRPG:キル・ゴッデスにRPG改造キット・R16ver.使って戦士とエルフと赤魔が気まずくなる展開はよ
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 21:14:43.67 ID:JtYv4VFcO
商人がキモいなあいつ今こんなこと考えてるんだろうなぁとか想像力してるのか……
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 22:43:47.32 ID:xa9FBRaio
>>507
お前が一番きもいから大丈夫だよ
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 23:19:28.87 ID:ubQxWXMBO
(夏休みが終わるまで後少し耐えるんだ)
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 02:09:41.81 ID:X8wfhteO0
追いついた
とある所でオススメされて飛んで来て一気に読破したわ、すっげぇ面白い
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:50:03.03 ID:jI0sPvpo0
・・・

銃士は『TS薬』を手に入れた!


銃士「こ、これは……!」


商人「何か見つけました?」ひょこっ


銃士「お、おう……しー」


商人「……それは『TS薬』ですね。服用すると24時間ほど性別が逆転します。売値は50Gです」


銃士「やっぱし『TS薬』やったか……しかし高い価格で売れるっちゅうことは需要があるんやなぁ」


商人「まあ、銃士さんが隠し持とうとしたくらいですしね」


銃士「ま、まさか、わはは」


商人「そうですか? まあ、いつも通り僕が預かりますよ」


銃士「……いくら欲しい?」


商人「50Gですね」


銃士「高いわぁ……売値やん」


商人「パーティが得るはずの金額です。買値よりは安いでしょう?」


銃士「……仕方あらへんな」


銃士は50Gを商人に払った!
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:51:50.47 ID:jI0sPvpo0


商人「確かに受け取りました。悪用はやめてくださいね」


銃士「犯罪はせえへんよ。秘密にしといてな」


商人「顧客のプライバシーに関しては守秘義務がありますから」


銃士「さっすが」


エルフ「なにやってんのー?」ひょこっ


赤魔「面白いものであったかー?」ひょこっ


商人「じゅ、銃士さんの猥談に付き合わされていただけですよ」


銃士「うおいっ!?」


エルフ「こんなとこまで来て銃士きもちわる……」


赤魔「わいだん?」


エルフ「エロ話してたんだって」


赤魔「エっ……お、俺は盗賊のトラップ解除を見てくる!」ぴゅー
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:53:42.71 ID:jI0sPvpo0


エルフ「逃げたねぇ」


商人「赤魔さんはそういうの耐性なさそうですもんね」


エルフ「むっつりスケベだよね。やれやれ、これだから子どもは」


銃士「エルフはんも耳年増なだけのくせにー」


エルフ「は、はぁ!? 違うしー! 超違うしー! だ、だいたい変態キモ童貞にとやかく言われたくないしー!」


銃士「じゃあビッチなん?」


エルフ「んなわけあるか! キモいからもう口を開くな! 息を吸うな! 心臓を動かすなぁ!」


銃士「わはは、必死か」


エルフ「〜〜!」


商人「銃士さん、セクハラ発言はよろしくないですよ」


エルフ「はっ、モテないわけだよ! 話してて不快だもん!」


銃士「そ、そこまでか……堪忍な」
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:55:33.83 ID:jI0sPvpo0

戦士「お前ら、何度でも言うが、ここはダンジョンだからな?」


銃士「ダンジョンだからって全員が常に気を張っとる必要もないやろ。柔軟性に欠けるパーティは脆いで」


エルフ「それっぽいこと言ってるー」


戦士「相変わらず口達者なやつだな」


盗賊「それで本音は?」


銃士「めんどいことは他人に任せたい」キリッ


盗賊「死ね」


銃士「わずかに不快そうな表情と声音から繰り出される、シンプルかつ洗練された罵倒……うーん、マンダム」


エルフ「ソムリエかな?」


盗賊「……」


商人「(無表情こわっ!)」
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:56:43.33 ID:jI0sPvpo0


赤魔「なーなー、銃士ってたまに変だよな?」


戦士「あいつはだいたい変だぞ」


エルフ「街中で見かけても目を合わせちゃいけないタイプの人だよ」


商人「無益な危険に近寄らない、それも賢く生きていくのに必要なスキルです」


銃士「ちょいちょい、危ない人扱いせんどいて。んまっ、時代を先取りし過ぎて時代が俺に付いてこれへんのかもな」


盗賊「自意識過剰のバカか死ね。まずは自分をもっと客観的に見ろバカか死ね」


銃士<<ゾククッ


エルフ・商人「(うわぁ、あの表情は喜んでる……)」


盗賊「救いようがないな」ゴリリッ


戦士「まあ、落ち着こうか」
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:58:39.24 ID:jI0sPvpo0


商人「アイテムトラップの解除はどうです? 進捗ありました?」


盗賊「解除に成功したから呼びに来たんだ」


エルフ「レアいレアい? お金になりそう?」


盗賊「……これよ」スッ


商人「……これは『秘蔵のポルノ本』ですね。売値は1.5Gです」


盗賊「やっぱりレアアイテムでも何でもなかったか……」


戦士「どうしてあれだけ厳重なトラップの中にこれがあるんだか」


エルフ「ある意味では納得だけど時間を返して欲しいよ」


銃士「俺としては本の中身がめっちゃ気になるわ」わくわく


赤魔「無駄に良い目をしてる……」


盗賊「はっ」バリィッ


銃士「んああ!?」


エルフ「本を横に引き裂くとかどんな握力だよぉ……」
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:00:20.14 ID:jI0sPvpo0

銃士「いいや、まだ読める! 封された本の僅かな隙間を除いて妄想で補っていた頃に比べればこの程度……!」


盗賊「焚書だ。有害図書は燃やすに限る」


銃士「ちょっ、表現の自由を守れ! 本の遺棄は文明の衰頽を招く!」


盗賊「赤魔、やれ。華氏451度だ」


赤魔「か、火炎魔法!」メラッ


パチパチッ…


銃士「あ、ああ、ご無体な……お前はPTAか!」


エルフ「必死かよー、えろー」


銃士「男はみんなエロなんや! なあ、戦士!?」


戦士「沈黙は金」ふいっ


銃士「裏切り者めッッ! なあ、商人くん!?」


商人「僕は分別があります」ふいっ


銃士「なんでちょっとカタコトなん!?」
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:04:41.60 ID:jI0sPvpo0

盗賊「ふん」


銃士「戦士と商人くんが裏切ろうと俺が世の男どもを代表して言っちゃる! 男はなぁ! いくつになろうとポルノの前では純情な少年なんや! いくつになろうと捨てられたゴミ捨て場や河川敷でポルノを探した青春の日々を忘れられへんのや!」


盗賊「何の話だ」


エルフ・赤魔「えろー」


盗賊「救えないやつだな。生まれ直して来たらどう?」


銃士「俺が罵倒されると喜ぶと知っときながらそれでも罵倒する。それはもうセックスなのでは?」


盗賊「即死魔法(物理)」ズドッ


銃士「うぼぁ」


銃士は力尽きた!



エルフ「童貞を拗らせるとこうなるのか……」


戦士「(銃士は目を合わせただけでも同じことを言いそうだ)」


商人「(女性にイかされて、銃士さん的には本望かもしれませんねー)」
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:08:55.23 ID:jI0sPvpo0
・・・
【幻惑の街・時計塔前】



商人は『カースドレイン』を使った!


即死トラップが解除された!


赤魔「これで時計塔の中に入れるぜ!」


エルフ「ここに1000Gドールがあるといいね。あとパチスロの杖」


盗賊「エルフは金の亡者よね」


エルフ「マニーイズパワーだよ」


銃士「はぁ、いてて……戦士もう下ろせ」


戦士「まだ無理しない方がいいんじゃないか」


銃士「男におんぶされるとか何の罰ゲームっちゅう話や」


戦士「そうかよ」すっ


エルフ「運んであげたのにそんな口の利き方されたら、私なら足掴んだまま回転させて頭から落とすけどねぇ」


銃士「戦士やからな」


戦士「そうかよ……」
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:10:51.31 ID:jI0sPvpo0

・・・

盗賊「魔物はいないようだ」


エルフ「さくさく快適だね」


赤魔「どんどん進もうか!ふんふーん♪」


戦士「油断し過ぎだぞ」


赤魔「盗賊がいるから大丈夫だ! なんてたって俺の盗賊だからな!」


盗賊「アンタのものになった覚えはないわよ」


商人「……『セフィロトの杖』です!」


赤魔「おお!」


エルフ「なんだ、さくっと見つかったね」


銃士「えぇ……『解放の宝玉』に比べてこのチョロさは何なん?」


エルフ「ふっ、美少女エルフちゃんの前にはアイテムが進んで出てくるのさ」


戦士「商人がアイテム発見の天才だからな」


盗賊「道中のアイテムもあらかた商人が見つけるものね」
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:12:17.56 ID:jI0sPvpo0


エルフ「〜〜」


赤魔「……」ぷっ


エルフ「……!」バッ


赤魔「!?」ガシッ


ジタバタ…ゴロゴロ……


ゴチッ、ゴチッ


エルフ・赤魔「……」ぐすっ


銃士「さっ、取ってまうか」


商人「はい」


戦士「(今のエルフたちは流すのか)」
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:14:13.53 ID:jI0sPvpo0

商人「うーん……歯車に引っかかってますね」


盗賊「よく折れないな」


銃士「時計が止まっとるみたいやけど、これを引き抜けば動くんちゃうん?」


戦士「流石にそんなに単純な機構じゃないだろ。というか、これ抜けるのか?」



「……抜いてはダメよ」



幻惑の少女が出現!



エルフ「また出たね! 現れたり消えたり君は何がしたいのかな!?」


「みんなと友だちになりたいのよ。あなたたちとも」


エルフ「はあ!? なんで!?」


「むしろ何で友だちになりたいと思わないの? 私の気持ちが分からないの?」


エルフ「はああ!? 分かんねえから聞いてんだろ! なぞなぞマンかよぉ!?」


戦士「落ち着け」
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:18:27.02 ID:jI0sPvpo0

「とにかく時を動かしてはいけないわよ。この街は……ダンジョンが地獄と化してしまうから」


銃士「誰にとっての地獄なんやろねぇ。ところで、お嬢ちゃんはダンジョンのボスなん?」


「私は選ばれたの、このダンジョンを統べる者として」


戦士「選ばれた? 誰に?」


「人外の理よ。そうとしか言えないわ」


エルフ「はあーん? 毒電波受信しちゃった系女子なの?」


商人「(選ばれたという言い方からすると、元はただの人間だったんですかね。ダンジョンによって異質な存在に変容した? それにしてはあまり気にしていないようですが、開き直りでしょうか? それとも人間だった頃にいい思い出がない? やたらと友だちが欲するあたり孤独だったのかもしれません)」


「本当は時計塔に貴方たちを入れたくなかった……けれどこれも理なの。そういう呪縛のもとにダンジョンは成り立つの」


盗賊「(……制約条件か? そうするとダンジョンは魔法によって築かれたのか? サモナー? それとも別の誰か?)」


「質問に答えたのだから抜こうとしないで。人間に抜けるわけはないけれど」


盗賊「制止しているのに悪いが必要なんでな」がっ……


すぽんっ


「えっ」

524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:21:55.66 ID:jI0sPvpo0


『セフィロトの杖』を手に入れた!


盗賊「まあ、こんなものだ」


赤魔「俺の盗賊を舐めるなよ!」どやっ


エルフ「はぁ……こういう時こそ図体の無駄に大きい戦士が活躍するところじゃないの? 毎回黒チビに無駄にドヤ顔されてムカつくぅ」


戦士「そんなこと言われてもな」



歯車<<ガガガ……



銃士「お、歯車が動き出しよった。ずっと動ける歯車を止めてた杖の強度どないなってんねや」


商人「まあ、ダンジョンですから」


戦士「便利な言葉だ」



「あ……ああ……!」


エルフ「ねえ、どんな気持ち? ドヤ顔で抜けないだろとかほざいてあっさり抜かれてどんな気持ち? 笑わないから言ってみなよ?」にやにや


赤魔「既に笑ってるだろ!」


「……嘘、いや、いや……お父様、いや……閉じ込めないで……仕返しなんかじゃなかったの……私はただ友だちが……ごめんなさい、ごめんなさい……」ガタガタ…


エルフ「ど、どうしたの? 大丈夫……?」
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:27:30.30 ID:jI0sPvpo0


「やだ、やだ……あぁ……っ!」



ギィィィィィンーーーーッッ!



「「「「「「……っ!?」」」」」」



『幻惑の街』は『死霊の街』へと変容するーー!



「たすけーー」


幻惑の少女は姿を消した!


エルフ「ちょ、ちょっと……!」



ズゥゥゥンッッ……! ズゥゥゥンッッ……!


商人「ひっ!?」


赤魔「な、何の音だ!?」


盗賊「……足音か!? 」


銃士「はあ、あきまへんな。嫌な予感しかせえへん」


戦士「さっさと時計塔を出るぞ!」



エルフ「何がどうなってるんだよー!」



to be continued...
526 :次は火曜日以降 [saga]:2017/09/01(金) 23:30:29.28 ID:jI0sPvpo0


○戦士メモ

・時計塔:セフィロトの杖により時計が止まっていたが俺たちが取ってしまったことで動き出した。この止まった時計も一つのトラップだったのだろうか。

・人外の理:少女はおそらく特定の人物ではなく、何か超自然的な力を示しているのだろう。やはりダンジョンの出現は超自然的な力によるものなのだろう。

・足音:時計塔の外に響く巨大な足音だ。どうやら二足歩行のようだが、少しもたついてるようにも聞こえる。



○エルフメモ

・秘蔵のポルノ本:銃士って何であんなに気持ち悪いんだろう。童貞やら非モテを拗らせると異性との接触の全てを性的に解釈してそうで怖い。そういう人がやがて「楽器は男根のメタファー」とか言い出すのかもね。

・PTA:子どもへの悪影響絶対に排除するマンたちの別名。結構な頻度で物事に過敏だったりする。全く関係ないけど、暇を持て余した人間はろくなことしない。全く関係ないけどね。

・毒電波:メンヘラがよく受信したふりをする。本当に受信したら受診だ。お薬はちゃんと処方された通りに飲もうね。



○商人の鑑定

・セフィロトの杖:売値は貴重なためつけられません。異世界に生える生命の樹から作られた杖です。その力は明らかにこの世界の理から逸脱しており、使用者に莫大な力を与えます。
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/01(金) 23:31:36.93 ID:CaElPLhm0
セフィロトの杖は装備できるんかな
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 23:42:36.30 ID:ozG1AEnDo
るっ!のネタがあった
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 00:38:12.39 ID:S23AGNXY0
何が起こるか分からない怖さ
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 02:24:19.10 ID:0r0uVsSMo
>>524
馬鹿にする気満々だったのに相手が尋常じゃなく冷静さ失ってるの見て心配しちゃうエルフかわいい
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 10:54:24.85 ID:fHeInavD0
見ただけでアイテムの詳細わかるとかすごい商人
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/03(日) 21:24:47.93 ID:opFp6TgD0
全員の装備とか今どんななのか気になる
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 21:42:09.88 ID:qjossYDA0
sageろhage
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 05:12:27.93 ID:EZXFcDQYo
ステータスの防御と魔法の位置がいつの間にか入れ替わっている
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/06(水) 20:29:24.30 ID:J/mRiXQC0
そうだな
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