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エルフ「ダンジョン荒らして金稼ぎ!」戦士「不安しかないが……」
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368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/21(月) 21:17:35.78 ID:W4+nvnLJO
銃士「エルフ族かぁ……一晩でどんなに安くても500Gからやろなぁ。一月の稼ぎがパァやな」
戦士「……」
銃士「下ネタはやめるさかいに、睨むんはやめえや」
戦士「お前、エルフか赤魔の前で同じようなこと言ったらぶん殴るからな?」
銃士「随分と入れ込んどるな?」
戦士「……妹みたいなもんだからな」
銃士「そういや、妹おるんやったな。紹介してえや!」
戦士「お前には絶対に嫌だ」
銃士「親友に対して冷たいわぁ」
戦士「一方的に関係を切っておいて親友面とはお前の調子の良さも変わらないな」
銃士「謝るから堪忍してや。なに? オコなん?」
戦士「今の発言で更にな」
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/21(月) 21:20:14.94 ID:W4+nvnLJO
銃士「いや、ほんとは縁切りも冗談のつもりやってん。でも、直後に入った仕事が予想以上にでこうて、全然帰れんくてな」
戦士「デカい仕事?」
銃士「他国の大富豪はんの依頼で『悪魔の湿原』でレアアイテム掘りや。そこで現場リーダーやってたんよ」
戦士「へえ……」
銃士「大変やったで。死人やら病人やらがガンガン出てな? それでもどんどんと新しい冒険者が投入されるんや。むざむざ死なすわけにもいかんから目当てのレアアイテム手に入れるまで半年近くおったな。だいぶ生死の感覚が麻痺してもうたわ」
戦士「……過酷だな。帰ってきたってことは、仕事は終わったのか」
銃士「……」ふるふる
戦士「ん?」
銃士「必要のうなったらしいわ。目当てのアイテムは万病に効く薬草やったんやけど、それを欲しごうとる依頼人はんがポックリしよったさかいに、打ち切りや」
戦士「……そうか」
銃士「後に残ったんは死体の山と毒の後遺症抱えた冒険者だけや。お笑い種にもならへん」
戦士「お前は毒は大丈夫だったのか?」
銃士「俺は加護の魔法使えるからな。俺の指示が行き渡らんかったやつや無視した奴が被害者やな」
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/21(月) 21:23:39.23 ID:W4+nvnLJO
戦士「……」
銃士「守れんのはキツいよなぁ。お前ならこういう時どうするんやろ、ってよお考えたわ」
戦士「……俺にもどうしようもできなかったさ」
銃士「……まあ、くよくよししてもしゃあないからな。俺は俺のやることをやるで」
戦士「それしかないな。もっと飲むか」
銃士「おっ、戦士が勧めるんは珍しいわぁ」
戦士「俺だってたまにはそういう気分になるさ」
銃士「感傷的なやっちゃな。そうだ、詫びにこれをお前にやるんやった」
戦士「これは?」
銃士「悪魔の湿原で取れたレアアイテムやな」
戦士「いいのか?」
銃士「別に報酬はたんまりもろうてたし、他のアイテムを換金して懐は潤っとるさかい、気に病まんでもろうてくれ」
戦士「まあ、そういうなら貰っておこう」
戦士は『解放の宝玉』を手に入れた!
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/21(月) 21:28:23.25 ID:W4+nvnLJO
戦士「綺麗な宝石だな」
銃士「なあ? まあ、お前は武器の方が嬉しかったかもな」
戦士「はは、そうだな。さ、飲むか」
銃士「お前の話も聞かせえや。あ、それよりも商人ちゃん……商人くんのことをやな」
戦士「何故また……」
銃士「あんだけ可愛いんやったら、男でも問題ない気がしてきてもうた」
戦士「血迷ってる、血迷ってるぞお前……」
銃士「あない可愛い子が女の子なワケありひん!」
戦士「おい……」
銃士「俺は正気に戻った!」
戦士「ダメみたいだな……」
・・・
エルフ「あまりに遅いから様子を見に来たら……」
戦士・銃士<<すやぁ……
エルフ「よくお店で熟睡できるよね……はあ、商人でも連れてこよ」
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/21(月) 21:30:46.34 ID:W4+nvnLJO
・・・
<<すげえな、あの大男を背負ってる……
<<二人とも小柄なのに怪力だな……
エルフ「まったくこいつら……! 戦士は無駄に重いんだよ!」
商人「ふわぁ……深夜に呼び出されたと思ったら酔っ払いの介抱ですか……戦士さんがここまで酔ってるなんて珍しいですね」
エルフ「まったく……私と一緒の時は全然飲まないくせに……!」
戦士「ぅ……エルフ? すまん、自分で歩けるから……」ウトウト…
エルフ「いいから寝てなよ! まったく今度お返ししてもらうからね」
戦士「すまん、ありがとう……」ウトウト…
商人「銃士さんの住所分からないんですけど、戦士さんの部屋でいいですか?」
エルフ「そうしたら、せっかくのチャンス……い、いや狭いから無理! うん狭いから!」
商人「えぇ……まあ、はい。なんかもう、お好きにどうぞ」
エルフ「や、だから、だからだね……えっと……」
商人「ああ、大丈夫、大丈夫です、はい」
エルフ「何がだ! その温かい目をやめろ!」
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/21(月) 21:33:31.30 ID:W4+nvnLJO
・・・
エルフ「やっと着いた。おりゃっ」
戦士「ぅぅ……」ドサッ
エルフ「おーい、吐いたりしないでよー?」
戦士「……」スゥスゥ…
エルフ「しっかし酒くさいなぁ」
エルフ「……」すんすん
エルフ「酒くさい!」
エルフ「……」くんくん
エルフ「まったく無防備に寝ちゃって……女の子なら色々と危ない目に遭っても知らないよ」
エルフ「……ええーと、着替えないとダメだよね? 仕方ないなぁ! めんどくさいけど仕方ないなぁ!」ドキドキ
エルフ「ほ、ほら着替えさせてあげるから手を挙げて!」
戦士「んー……いらん……」
エルフ「い、いいから! ほら、私がイヤだから!」
戦士「んー……」
エルフ「よ、よっと……」ぬがしぬがし
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/21(月) 21:39:11.28 ID:W4+nvnLJO
エルフ「……まあ、熱いなら私の体温がちょうどいいかもよ? ほら砂漠とか人肌の方が涼しいっていうし……ね? ねっ?」
するっ…ぱさっ…
戦士「……」
エルフ「……っ」のしっ
すっ
エルフ「せ、せんし……っ」
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/21(月) 21:41:15.72 ID:W4+nvnLJO
戦士「……うぷっ!」ぐぐ…
エルフ「えっ!? ちょっ……桶! この桶に!」
戦士「うぅ……おぇぇ……」ぼちゃちゃ…
エルフ「……」さすさす…
戦士「おぇぇ……」びちゃびちゃ…
エルフ「まったく……ほら、水」
戦士「……ん」ごくごく…
パタッ
戦士<<すやぁ……
エルフ「はぁ……やっぱり戦士だわ」
エルフ「……寝よ」
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/21(月) 21:43:22.15 ID:W4+nvnLJO
・・・
チュンチュン……
戦士「んぐ……あたまいてぇ……」ズキズキ…
エルフ「……」すやすや…
戦士「……うん? なんでこいつ下着なんだ? ……え? なんで俺はパンツだけなんだ!?」
エルフ「うるさい……あぁ、起きたんだ」ふわぁ
戦士「……エルフ、これは一体」
エルフ「……ひどいよ戦士……私、初めてだったのに……あんな乱暴に……」ぐすっ…
戦士「……」サァ…
エルフ「何回もやめてって言ったのに……まさか、覚えてないの……?」ぐすっ
戦士「あ、え、ま……?」
エルフ「……責任とってよっ」
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/21(月) 21:45:23.23 ID:W4+nvnLJO
戦士「ほ、本当にすまなかった! 責任は取る! すまない!」ガバッ
エルフ「(……本当に信じたし)」
戦士「すまない……! ああ、俺はなん
てことを……!」ガタガタ…
エルフ「(……)」
エルフ「……本当に嘔吐物の処理をさせるなんて最低!」
戦士「うぅ……へっ?」
エルフ「私に、自分の出したゲロを捨てさせて呑気に寝ちゃって! 人としてどうなの!? あんなに吐くのやめてって言ったのに!」
戦士「あ、うん、すまない?」
エルフ「次はないからね! ちゃんと責任もって禁酒してよ!」
戦士「あ、ああ! な、なんだ……」ほっ…
エルフ「(……ま、今はこれでいいや)」
to be continued...
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/21(月) 21:47:44.38 ID:W4+nvnLJO
○戦士メモ
・悪魔の湿原:隣国の領土にまたがる広大なダンジョン。8つのダンジョンの中で一番広い面積を持つとされる(『不帰の虚』は除く)。ダンジョン全体に毒の霧が広がっており、その水は猛毒である。それらに対する知識と対策を持たずしてこのダンジョンに挑むことは自殺行為である。
・アルコール:ここにおいて無期限に断酒することを誓う。
○エルフメモ
・手紙:戦士はわりと筆まめなのか二週間に一回は家族に手紙を出している。家族や友人、その他からの手紙は机に保管してるみたいでかなりの量だから全然読み終わらないよ。
・責任:好きでもないのに取ってもらっても嬉しくないし。いや、そもそも戦士なんかに取ってもらっても嬉しくないし。……別に事実を話して後悔とかしてないし。
>>379
1.日常
2.ダンジョン
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/21(月) 21:48:37.61 ID:YbSLJfIAO
2
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/21(月) 21:56:52.65 ID:KJms3UUR0
酔っぱらいの介抱するとかエルフめっちゃ良いやつだな(´・ω・`)
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 22:24:42.06 ID:o4X/30fzO
【後日・カフェにて】
エルフ「はい、それじゃあミーティングを始めまーす」
戦士「ああ」
商人「はい」
赤魔「おう」
盗賊「……」
銃士「あいあい」
エルフ「まずはこの前の一件についてもう一回話し合おうか。その後、次の予定について話し合おう」
戦士「結局、この前のテロの真犯人は盗賊の姉なのか?」
商人「(いきなりぶち込んで来ますね……)」
盗賊「そうだろう。私にはその真意も、奴がどのような勢力と結び付いてるかも掴めていないが……まあ、ロクでもないのは間違いない」
商人「爆弾テロに魔物を使って兵士の襲撃ですもんね……」
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 22:26:12.22 ID:o4X/30fzO
銃士「自由に魔物を転移させれるんやとしたら、アカンなぁ。街中に転移させられたら大パニックや」
エルフ「『魔物の洞穴』でもヤバいよ。街に近いしね」
商人「でもそうしたら、どうして今回はまず爆弾を使ったんでしょうか。転移に制約があるのか、何か裏があるのか……あれから考えてみましたが答えは出ませんね」
盗賊「一つ確かなのは黒幕がいることだ。あのイカサマ女は手駒に過ぎないだろう。あいつはリーダーをやるようなヤツではないわ」
赤魔「そうなると黒幕はサモナーか」
盗賊「そうね」
エルフ「盗賊はそのサモナーとかいうのに復讐したいんだよね? 何をされたの? セクハラ?」
盗賊「村を焼き払われた」
エルフ「わーお」
戦士「おい、エルフ」
エルフ「不謹慎だったね。反省してまーす」
戦士「おい……」
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 22:29:23.84 ID:o4X/30fzO
盗賊「別にいいわ。過去の話よ」
エルフ「言葉と行動が一致してないだよねぇ」
商人「そういう時は行動を基に判断するのがベターかと」
盗賊「……そうね。水に流せてないわね」
エルフ「うんうん、素直な子は好きだなぁ」
盗賊「……」ふぅ…
赤魔「話が逸れてるだろ。大事なことはなんだよ」
エルフ「うわ、黒チビから真っ当な意見が出てきた」
赤魔「いちいち茶化すなよ!」
エルフ「何をそんなにイラついてるの」
赤魔「だから……!」
商人「ごほっ! まあ落ち着いて話を進めましょう」
エルフ「ほいさ」
赤魔「……ああ」
銃士「(商人くん、やるやん。あとこの前は迷惑かけてゴメンやで)」
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 22:33:03.82 ID:o4X/30fzO
商人「イカサマ師は賭場から姿を消していました。誰も行方は分からないようです」
エルフ「次は勝たせてくれるって約束だったのに……」ぐてっ
商人「……それも言及したいところですが、今はこのイカサマ師の置いていった報酬アイテムについてです」
商人は『紅蓮石』を取り出した!
商人「これは『紅蓮石』です。売値は2200Gです。強力な炎の力が宿っており、強力な魔法道具の素材などに用いられます」
エルフ「2200G石だぁ」
戦士「下手な宝石より高価だな」
銃士「初めて見るわ。どこで採れるん?」
商人「……『憤怒の火山』です」
赤魔「憤怒の火山……『不帰の虚』に次ぐ最難関ダンジョンかよ」
盗賊「……ヤツはそこにも手を伸ばしてるのか」
商人「ええ、おそらく」
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 22:36:12.92 ID:o4X/30fzO
戦士「別に採取してきたとは限らないんじゃないのか? どっかから盗んで来た可能性もあり得るだろあ?」
商人「いえ。紅蓮石の総量は詳しく測定されていて、その用途や行方まで記録されてるんです。原石のままの紅蓮石は記録上もう存在しません。ほぼ確実に新たに採取されたものかと考えられます」
銃士「なんでそこまで詳細に記録されてるん?」
商人「『憤怒の火山』は現在封印されてるんですよ。それで誰も入ることは出来なくなっているはずなんです。採れなくて貴重なアイテムですから加工の際に政府に認可を貰わなければいけなかったようです」
赤魔「聞いたことあるぞ。生還者の大賢者が危ないからってダンジョンを封印したって」
銃士「ほへー」
エルフ「ダンジョン冒険者のくせにそんなことも知らなかったの?」
エルフ「(私も知らなかったけど)」
銃士「いやいや、本職はダンジョン冒険者やないし。なぁ?」
戦士「ああ。傭兵だな」
銃士「せやせや」
エルフ「無職たちめ」
戦士・銃士「無職いうな!」
商人「(この人たちすぐに本筋から脱線しますね……)」
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 22:40:48.70 ID:o4X/30fzO
赤魔「……」いらいらっ
商人「ごほっ、ここで大きな疑問が出てくるわけです」
盗賊「ああ」
商人「封印されているのにどうして紅蓮石を持っているのか」
エルフ「封印を破って入ったから」
商人「そうしたらもう少し騒がれているはずです。見て来たわけではありませんから断定はできませんが、封印は破られていないと思われます」
エルフ「転移石で出入りしてるのかな?」
商人「それはあり得ますね。ただ転移石が火山内部にあるのが前提ですが」
戦士「封印を施した大賢者とやらが敵と繋がっている可能性は?」
商人「大賢者は現在消息不明です……あり得なくもないかと」
銃士「そのサモナーとやらと大賢者が同一人物とかありえへんの?」
盗賊「有りうる」
商人「何か根拠はありますか?」
盗賊「サモナーも非凡な魔法の使い手だった。転移石を作り出すほどだからな」
銃士「そうするとそもそも憤怒の火山だけ封印したのも不審やない? 『不帰の虚』とか他のダンジョンも充分危険やのに」
戦士「……火山に何かあるのか?」
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 22:44:05.20 ID:o4X/30fzO
赤魔「……憤怒の火山に行きたいな。きっとイカサマ師は憤怒の火山まで来いと挑発してるんだろ」
エルフ「見つけてみろみたいなこと言ってたもんね。罠かもしれないけど……あの性悪パイオツちゃんは読み切れないなぁ」
商人「しかし行こうにも、厳重に封印されてると思いますよ。まずは封印を解かないといけませんが気が遠くなるほど大変かと」
エルフ「どうやれば解けるの? 2200G石いっぱい採りたい。10個も集まれば22000Gだよ? 100個で220000G……うへへ……」
銃士「えらい大金やなぁ」
商人「封印を解くにはレアアイテムが3つも必要なんですよ。『解放の宝玉』、『セフィロトの杖』、『開闢の台座』です」
赤魔「なんか大それた名前だな……」
商人「記録ですとダンジョンにあるんですけどね。『悪魔の湿原』、『幻惑の街』、『蠢く砂漠』にそれぞれあるみたいです」
エルフ「め、めんどくせぇ……! RPGじゃないんだから!」
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 22:49:17.15 ID:o4X/30fzO
銃士「……あれ? なあ戦士」
戦士「ああ。商人、こいつをどう思う?」スッ
商人「はい? ええと……『解放の宝玉』じゃないですか!?」
盗賊「!」
赤魔「ええ!?」
エルフ「え、どういうこと? なんで戦士が持ってるの?」
戦士「銃士が『悪魔の湿原』で見つけたんだよ」
銃士「わはは、都合のええこっちゃ」
盗賊「そうなると……あと二つで『憤怒の火山』に入れるか」
商人「うーん……このアイテムが存在するならやっぱり封印は解けてないのでしょうね。しかし、幻惑の街も蠢く砂漠も難関ですよ……」
赤魔「蠢く砂漠はたまに発見の話を聞くけど、今はどうなんだ?」
商人「ここ1年は話を聞きませんね」
エルフ「幻惑の街もヤバいって言うよね。生還者のほとんどが眠りこけたりボンヤリしたままなんだっけ? みんな、そのまま緩やかに衰弱死するって聞いたよ」
赤魔「らしいな。無事な生還者は幻を見たって話だ。とても幸せな幻なんだってさ」
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/22(火) 22:49:58.71 ID:hDeOZizt0
鏡を使え
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 22:52:57.91 ID:o4X/30fzO
戦士「赤魔は結構ダンジョンに詳しいんだな」
赤魔「ダンジョン冒険者になるのが小さい頃からの夢だったからな」
エルフ「今も小さいままだけどねー、ぷぷっ」
赤魔「お前には言われたくねーよ!」
商人「幻……まあ、『幻惑の街』というくらいですからね」
盗賊「この前に拾った『真実の鏡』は使えないかしら?」
商人「いけると思います。おそらくどんな幻も見破るかと」
銃士「実は毒物による幻覚やってんなら俺の加護魔法で何とかなるはずや」
エルフ「『幻惑の街』ねえ……何か金になるアイテムはあるの?」
商人「『ビスクドール』が1つ1000Gで取引きされてますね。熱心な愛好家がいますから」
エルフ「よっしゃ1000G人形を集めに行こう!」
戦士「相変わらず現金なやつだな……」
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 23:00:41.83 ID:o4X/30fzO
エルフ「ついでに『パチスロの杖』だか『ドンジャラの台座』だかも探すよ」
戦士「ついで扱いかよ」
商人「全然名前違いますしね……」
赤魔「よしっ、それじゃあ次の目的地は『幻惑の街』だ!」
エルフ「あ、こら! それを宣言するのは私だ!」
赤魔「はぅ、チームレッドのリーダーが宣言するのは当たり前だろ?」にやっ
エルフ「チームエルフだー!」
赤魔「いーや、チームレッドだね!」
盗賊「店で騒ぐな」
エルフ・赤魔「はい……」
銃士「そういう力関係なんやなぁ」ヒソッ
商人「そうなんです」ヒソッ
戦士「盗賊は怒らせないようにしとけ」ヒソッ
盗賊「聞こえてるから。わざとかしら?」
「「「ごめんなさい」」」
chapter3:不穏の始まり
ーーーーーーーー
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 23:06:31.96 ID:o4X/30fzO
○戦士メモ
・憤怒の火山:今までわずか3名のみの生還者しか記録されていない最難関ダンジョンの一つ。現在は生還者の一人である大賢者によって封印されている。イカサマ師たちはここにも干渉しているようだが真偽のほどはどうなのか。
・サモナー:盗賊曰く転移石を作った人物。魔法に恐ろしく長けているそうだ。『憤怒の火山』を封印した大賢者の同一人物という仮説も考えられるが真偽は分からない。
○エルフメモ
・ミーティング:淡々とやって終わるよりも雑談を挟んでわいわいやった方が良い案が出たり、関係の深まりにも繋がるよね。賢くて可愛いリーダー、エルフちゃんは色々と考えているのだ!
・無職:童貞たちのことだねー
・赤魔のイライラ:重い日だったのかな? まあ、盗賊の苦悩を自分のことのように感じてるんだろうね。単純だから少し気を紛らわしてやればすぐ元気になるから盗賊に比べたら遥かに扱いやすいもんだよ。
○商人の鑑定
・紅蓮石:売値は2200G。非常に貴重にも関わらず、値段がそこまで高くないのは加工技術が低いために持て余し気味なことが原因です。技術の進歩とともに需要は増大していくでしょう。
・解放の宝玉:売値は貴重なため付けられません。青く輝く宝玉には膨大な魔力が込められています。『セフィロトの杖』、『開闢の台座』と揃えることでその真価を発揮するようです。
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/22(火) 23:08:29.10 ID:o4X/30fzO
すごい今更だが
>>255
の最後に
chapter2:異形の島
ーーーーーーーー
を挿入しとくべきだった
うだうだ喋ってないでさっさとダンジョンにいってくれ
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 00:22:58.06 ID:wE8ZG/110
C
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 07:42:43.63 ID:Aca75q/eO
封印って解かれないこと前提なのになぜ商人は解除方法知ってるんや…
商人実は敵方なんじゃ
金庫の暗証番号知ってますみたいなもんやろ
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 11:04:37.14 ID:EEX0R+JH0
>>395
誰だって金庫を見れば暗証番号が必要な事くらい分かるでしょ
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 11:31:00.46 ID:4NEdWEsSo
あるのは良いとして何故知ってるのかって話じゃね?
てかネタ潰ししないようにね
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 16:32:07.36 ID:8Gh/mHgSO
少し調べりゃ分かると思うが
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 16:41:42.47 ID:dXv07jWp0
危険なダンジョンだからその3つを集められる位強い人だけ入っていいよってことなんじゃないの?
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 16:42:12.01 ID:Xk6D4Jvco
作者が書きにくくなるから変な探り入れるなよ
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 16:44:46.59 ID:xDFZWcppo
>>395
大賢者が「偶然にも封印を解かないように」って文献かなんかに残してるのかもよ
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 17:00:28.76 ID:Aca75q/eO
>>398
おめぇは少し調べたら暗証番号がなにかわかるのか?
アメリカのFBIとかでもiPhoneの解除でめちゃくちゃかかったのに
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 17:02:07.85 ID:Aca75q/eO
>>401
文献に残したらあかんでしょ
解いてくださいっていってるようなもんやん
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 17:20:06.46 ID:l4Z1EE/hO
前いた病気君かな?
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 19:17:37.05 ID:zWjkIzQmo
>>403
高度な封印を残した本人がその解除方法を告げずヒントも残さず自ら解かないまま死んでしまったらどうやってそれを知るんだ?
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 19:25:21.23 ID:z3pZYETA0
触るなよ…
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 20:03:40.64 ID:yIRD6iCko
解除方法と暗証番号の例が間違っている
物理鍵を呪文で例えているようなものだぞ?
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 21:01:50.99 ID:HPPdHV+Zo
どうやら斜に構えたい高二病が湧いたようだな
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 21:34:45.65 ID:ns5XKEsuO
ほっとけ
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:35:04.47 ID:PBfzYTJCO
・・・
曇天の下、俺は固唾を飲んだ。
普通には変えられない現状を変えるため、ここまで来た。
『幻惑の街』。
かつては商業都市であり、現在はダンジョンと化した街。
多くの人と金が行き交っていたかつての街は今もなお死ぬほど富を欲する人間を惹きつけている。
誘蛾灯に群がる蛾の如くーーそして俺も蛾の一匹。
恐ろしい噂は何度も聞いた。
それでも俺は挑まなければいけない。
金が要るのだ。
腹を空かせた子どもたちに食わすため。
病に臥せた妻に薬を与えるため。
手放さざるを得なかった土地を取り戻すため。
411 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:37:21.18 ID:PBfzYTJCO
街の外れの一角に冒険者たちが倒れていた。
近寄って見てみれば、眠りこけているか、虚ろに宙を見上げているかのどちらかだった。
彼らは死ぬまでこの状態らしい。
不気味な魔物によって運び出されるか、自分でふらついてここに辿り着くそうだ。
一日に一回、搬送用の馬車が訪れてここに溜まった廃人たちを連れていくのだとか。
数日以内に正気に戻らない者はそのまま延命措置が打ち切られるらしい。
俺も同じ運命を辿るかもしれない。
恐ろしいが、それでも俺には他に術がなかった。
それに全員が廃人になるわけじゃなく生還者はちゃんといる。
俺はきっと大丈夫。
俺は特別だ。
昔から俺は特別なんだ。
魔物との戦いはおろかケンカすらしたことないが、他に生き残ってる奴がいるのに俺が死ぬわけない。
そう自分を奮い立たせてダンジョンへと足を踏み入れた。
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:42:01.34 ID:PBfzYTJCO
・・・
拍子抜けした。
街の中は見惚れるほどに美しかった。
手入れの行き届いた植え込み。
透明な水を吹き出す噴水。
鮮やかなパラソルと真っ白な外壁。
露天や屋台が並び、食料品やら服飾品やらが晴天に晒されていた。
ダンジョンとは不思議な場所だ。
この服飾品などは持ち帰ってもいいはずだが少し逡巡した。
ダンジョンなのだから罪悪感を覚える必要はないはずだと自分に何度か言い聞かせた後、袋にアイテムを詰め込み始めた。
出来る限り値の張りそうなアイテムを懸命に探していると童心にかえる気分だった。
ダンジョンなんて大したことないじゃないか。
この調子なら俺は金持ちになれるぞ。
「そこのお前、何をしてる?」
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:43:22.43 ID:PBfzYTJCO
唐突に肩を叩かれ思わず体が硬直した。
恐る恐る振り返れば官憲が立っていて俺を睨みつけていた。
「白昼堂々と窃盗なんてふてぶてしいやつだ」
ここはダンジョンのはずなのにどうして警邏が?
「何をおかしなことを……大人しく詰所まで来い!」
俺はとっさに逃げ出した。
邪魔な人混みをかき分けて前へ前へと無我夢中で足を進めた。
「待て!」
警官は追い掛けてきているようだ。
捕まったら逮捕されてしまう。
そうしたら俺の人生は終わりだ。
イヤだ……イヤだ……!
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:46:29.00 ID:PBfzYTJCO
「こっちよ!」
少女が俺の手を掴んだ。
「こっちの路地ならきっと撒けるわ!」
俺は驚いたが、少女に導かれるままに入り組んだ裏路地を走った。
やがて怒声は聞こえなくなった。
「撒けたみたい。よかったわね」
乱れた息を整えようと深呼吸を繰り返した。
胸の高鳴りが苦しくて、それでいて心地良かった。
やっと落ち着いて、俺は少女に礼を言った。
「良いのよ。それより少し一緒に遊びましょう?」
遊ぶ暇なんてない。俺は家に帰らなければいけない。
俺の帰りを待っているのだ…………誰が?
……あれ?
「ねえ、お願い」
少女の縋るような目。
その視線に耐え切れず、たまらず頷いた。
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:47:56.08 ID:PBfzYTJCO
ありがとう。それじゃあ、日が暮れるまで一緒に遊びましょう」
日が暮れるまで……それくらいならお母さんも許してくれるはずだ。
ああ、待たせているのはお母さんだった。
……どうして疑問に思ったのだろう?
新しい友だちが出来たと話せば、仕方ないわね、と笑って許してくれる。
それから僕たちは一緒に遊んだ。
気づけば他の子たちも混じっていた。
ああ、とても楽しい。
このまま楽しい時間がずっと続けばいいのに……。
日はまだ暮れない。
まだまだ僕たちは遊べるんだ。
俺は……僕は……あれ?
何故か少し心がもやもやしたけれど、そのうち気にならなくなった。
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:49:16.70 ID:PBfzYTJCO
・・・
「また、お友だちが増えたわ」
「もっと増えないかしら。もっと増えないかしら」
「みんなといれば楽しいわ」
「いつまでも終わらない日曜日」
「なんて素敵なのかしら」
「ーーああ、また新しい人たちが来たのね」
「6人も……全員とお友だちになれるかしら」
「ーー真実の鏡?」
「……お友だちになれないかも」
「お友だち以外はここにいちゃダメなのに」
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:51:10.11 ID:PBfzYTJCO
・・・
【幻惑の街・入り口】
盗賊は真実の鏡を使った!
幻が打ち消された!
エルフ「わーお、綺麗な街並みが消えちゃった」
赤魔「廃墟だな。嫌なニオイがする……」
盗賊「さっきの幻……確かに対策なしだと知覚するのも大変そうだな」
銃士「真実の鏡さまさまやな」
商人「……しかし、外にいた冒険者たちに鏡の効果はありませんでしたね」
銃士「予防にはなっても、治療にはならへんのかな?」
戦士「そうすると別行動は避けるべきだな」
エルフ「御手洗いとかどうする?」
赤魔「鏡を割って二つにするのはどうだ? お、我ながらいい考えな気がするぞ」
商人「なっ……それを割るだなんてとんでもない!」
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:52:44.04 ID:PBfzYTJCO
赤魔「名案だと思うんだけどなぁ」
盗賊「その時が来たら男たちには犠牲になってもらうしかないか」
銃士「ひどいなぁ!?」
盗賊「冗談だ」
戦士「(冗談に聞こえないが……)」
エルフ「最低でも鏡が二つあれば良かったんだけど」
盗賊「やっぱり割るか」
商人「ちょっと!?」
盗賊「割ると本当に効果が消えるの?」
商人「ええっ……綺麗に分割すれば多分……いやでもレアアイテムを傷付けるなんて……」
盗賊「はっ」ズバッ
盗賊は『真実の鏡』を真っ二つにした!
商人「」
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:54:14.58 ID:PBfzYTJCO
エルフ「おおー」
銃士「な、なんで手刀で鏡を真っ二つに出来るん……?」
戦士「もはや達人だな……」
赤魔「盗賊にかかればこれくらい朝飯前だぜ!」どやっ
盗賊「だからなんでアンタがイキるの」はぁ…
商人「レ、レア……レアアイテムががが……!」
銃士「あらら、商人くんが壊れてもうた」
エルフ「状態異常を治す魔法」ゴッ
商人「いたいっ!」
戦士「お前は鬼か」
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:56:27.48 ID:PBfzYTJCO
赤魔「幻を破る効果は残ってるか?」
商人「はい……」どんより…
赤魔「やった! これで解決だな!」
盗賊「上々ね」
商人「……生存した冒険者は共通して少女の幻を見ています。気を付けるべきでしょう」どんより…
エルフ「元気出してよ」
商人「もう少ししたら立ち直ります……多分」
エルフ「二つに割っても効果があるなら便利じゃん? どうせ売れないんでしょ?」
商人「価値が付けられないほど高価なんですよ!」
エルフ「価値が付かないならそんなの無価値と同値だよ。いっそ6等分する?」
商人「これ以上の分割は効果が消えちゃいます!」
エルフ「ちぇっ。じゃあ、男女それぞれで持とうか。そっちは童貞くんが持っておいて」
銃士「その呼び方はやめてくだはる!? 俺でええんか?」
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 22:58:06.21 ID:PBfzYTJCO
エルフ「いざという時は君が一番冷静そうだからね」
銃士「お、信頼されとるぅ」
エルフ「やめて、キモい」
銃士「ほんま辛辣やわ……」
エルフ「でもお好きなんでしょう?」
銃士「エルフはん、分かっとる。ぶっちゃけ女の子に童貞呼ばわりされるとかご褒美やと思う」キリッ
エルフ「……あまりにも気持ち悪いから今後はやめるね。名前も呼びたくないくらいだよ」
銃士「おうふ」
盗賊「……赤魔、絶対に銃士と二人きりになっちゃダメよ?」
赤魔「あ、ああ」
銃士「それリアルに傷つくやつや……」
戦士「そろそろ無駄話は切り上げて進もうか」
商人「そうですね」
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 23:00:37.43 ID:PBfzYTJCO
・・・
【幻惑の街・時計塔前】
エルフ「とりあえず街の中心の時計塔に来たけど……んー、開かないね?」
赤魔「これ封印かかってるな」
盗賊「例の『解放の宝玉』は使えないかしら?」
商人「無理です。あれはあくまで憤怒の火山の封印を解くものですからね」
エルフ「使えないなぁ」
銃士「そういえば、そういうのどこ情報なん?」
商人「はい?」
銃士「『解放の宝玉』や封印の解除方法なんて俺は知らんかったわ。どこでそういう情報を得てるん?」
商人「基本は図書館の資料です。あとは官公庁の資料ですかね。申請して許可が降りれば一部は閲覧できますから」
エルフ「まあ、勝手にダンジョンを封印したら、色々と言及されるよね。精確なのかは別として」
商人「もちろん全ての情報が精確なわけではありませんが、ご存知の通り我が国はかなりの文書主義ですよね。それに大賢者は政府からの派遣で火山に行ったため公式の記録にあるんですよ」
銃士「ほへー。紙に残すのはええこっちゃな」
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 23:01:09.03 ID:gAFxSq9A0
だから知ってたのか
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 23:02:28.87 ID:PBfzYTJCO
商人「トレードオフとしてレッドテープが深刻ですけどね」
エルフ「横文字大好き商人さん」
商人「……二者択一として繁文縟礼が深刻ですけどね」
エルフ「難しい言葉大好き商人さん」
商人「……悪い点として、書類の書き方とかにうるさくてかなり時間がムダになってる側面もありますけどね」
エルフ「もう少し砕いてみようか?」
商人「…………」
戦士「……」ぽんぽんっ
商人「な、なんです……?」
戦士「なんとなく」わしゃわしゃ
商人「……」
銃士「俺もやる俺もやる」
商人「え、やめてください」
銃士「……」
戦士「……」ぽんぽんっ
銃士「お前にやられても喜びもトキメキもないわ!」べしっ
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 23:05:10.11 ID:PBfzYTJCO
商人「それと僕自身、アイテムを見るとその概要が分かるんですよ」
銃士「なんやそれ」
商人「生まれつきそうなんですよね。上手く説明できないですけど……」
銃士「ほぉ……奇特な才能やなぁ。なんにせよ商人くんは色々と頼りになるな」
エルフ「まあ、エルフちゃんが一番賢いけど」
赤魔「あはは、よく言うぜ」
エルフ「おりゃっ」ぶんっ
赤魔「あぶねえな!?」
エルフ「この黒チビはいちいちケンカ売ってくるねぇ……喜んで買うよ?」
赤魔「事実を言って何が悪いんだよ。まあ、そっちがその気ならやってやるよ」
盗賊「……」ゴリリッ
エルフ・赤魔「……」びくっ
戦士「(指を鳴らすだけで黙らせるとは……)」
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 23:08:13.22 ID:PBfzYTJCO
戦士「……俺たちはいちいち無駄話が多いな。さて、時計塔に入れないなら別のところを周るしかないか」
銃士「本当に開かないんか?」チャキッ
銃士の『クリティカルショット』!
キィィンッッ!
銃士「あらら、ダメみたいやな」
商人「ダンジョンで力業は大抵ロクなことになりませんよ……」
ブブブゥゥゥーーッッ!
銃士「ほあ?」
銃士に即死トラップ!
銃士「ぬわぁぁーっ!」どがんっ
ぱたりっ
赤魔「大丈夫かよ!?」
銃士<<ちーん……
エルフ「あほー……」
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 23:11:25.13 ID:PBfzYTJCO
商人「気付薬……」ごそごそ…
盗賊「バカにつける薬なんてないわよ。私が蘇生させるわ」
エルフ「意味が違うと思うんだよね。とにかく蘇生魔法が使えるならよろしく」
盗賊「ええ……はっ」ドスッ
盗賊の『蘇生魔法(物理)』!
銃士「ぅぱぁぁっ!?」
銃士は復活した!
エルフ「えぇ……」
赤魔「相変わらず見事な『蘇生魔法(物理)』だ!」
商人「えぇ……」
銃士「いっだぁぁっ! いっだ……いっだぁぁぁぁっ!」
戦士「……今のは魔法ではないんじゃないか?」
盗賊「魔法(物理)だ」
戦士「……そ、そうか」
銃士「俺の扱いひどぉない……? 世界はもっと優しくあるべきや……」しくしく
赤魔「(わりと自分からいじられにいってるだろ)」
to be continued...
428 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/23(水) 23:13:52.77 ID:PBfzYTJCO
○戦士メモ
・幻惑の街:20年前までは地理的条件にも恵まれて商業都市として栄えていたそうだが、ある日ダンジョン化した。ダンジョンからの生還者は比較的多いが、軒並み廃人になっていることを考慮すると難易度自体は高いといえる。
○エルフメモ
・横文字:ナウでヤングなエルフちゃんはレターをコラムからローにリプレースだよ.『、』と『。』のサブスティテューションに,カンマとピリオドもユーズしちゃう.
・即死トラップ:銃士は死ぬ。
・魔法(物理):常識を疑え! インスパイア・ザ・ネクスト!
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/23(水) 23:28:50.96 ID:gAFxSq9A0
即死というより気絶じゃね?
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 02:32:09.85 ID:P5RIR25OO
>>429
だよな即死ならもう完全に亡くなってるわけで物理なんかじゃ蘇らないからね
良くて仮死状態だな物理で蘇るとするならでも即死トラップだし……
431 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 03:22:17.80 ID:kXiYQ06Io
いや魔法(物理)だから死んでも蘇るでしょ(盲信)
432 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 04:13:28.34 ID:bu7xo6g+o
即死の基準にもよる
人間は呼吸停止から約10分
心臓停止から約3分は蘇生が間に合う可能性があると言われてるし
蘇生(物理)を使えば余裕で復活よ
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 09:09:34.42 ID:lzrm3t6t0
即死トラップに中途半端に引っかかって即死は免れたとか考え方は色々あるだろ
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 11:01:43.84 ID:NDziW5B9O
いちいちうるせぇな
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 11:29:35.69 ID:Or+0beBSo
今まで読んでなかったのかよ
>>200
でも
>>343
でも死んですぐ生き返るような描写あっただろ
このSSだと死は一種の状態異常で、回復可能な範囲なら蘇生もできる、くらいの認識でいいんじゃないの?
436 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 14:40:10.16 ID:/WHeZCKPo
ギャグ描写に対してもいちいち突っ込み入れないとダメなのか
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 16:13:42.32 ID:+cyoqbNsO
厨房はNGスルーが基本
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 19:37:32.19 ID:U4cZM/TRO
ガキはさっさと夏休みの宿題やって寝ろよ
439 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 20:24:37.84 ID:am8TkPjrO
以下ループ
440 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 20:29:57.80 ID:kwFQ9iL/o
SSに「何故」を求めてはいけない
441 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 22:49:17.66 ID:Sy/R5nYXO
【幻惑の街・商業区跡地】
『ディフェンダー』を手に入れた!
商人「これは『ディフェンダー』ですね。厚みで非常に頑丈なため盾としても機能します。売値は200Gです」
エルフ「高い! 飛竜草と一緒だよ!」
商人「幻惑の街のアイテムは今までのダンジョンに比べると高価なものが多いですね」
盗賊「難易度もかなり高いから、そう簡単にはアイテムが入手できないのが原因だろう」
銃士「需要に対して供給が少ないから価格が上がるんやなぁ」
赤魔「せっかくだから装備するだろ?」
戦士「そうだな……少し重いが俺の戦い方と相性が良さそうだ……」
エルフ「200G剣……」
戦士「ダメか?」
エルフ「……200G分以上に私を守ってよ?」
戦士「ああ」
戦士は『ディフェンダー』を装備した!
442 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 22:51:32.61 ID:Sy/R5nYXO
『ホットドッグ』を手に入れた!
『唐揚げ詰め合わせ』を手に入れた!
『小枝チョコ』を手に入れた!
エルフ「食べ物がいっぱいだね」もぐもぐ…
銃士「俺、未だにダンジョンのアイテム食べるの抵抗あるわ……」
商人「大丈夫ですよ。食べられなくなったアイテムはすぐさま消えますから」
赤魔「包装もされてるしな」もぐもぐ…
盗賊「……」ポリポリ…
戦士「食べながら喋るのは行儀悪いぞ」
エルフ「ふぁいふぁい」もぐもぐ…
戦士「ったく……それに二人とも口の周りも汚れてるぞ」ふきふき…
エルフ「んー」
赤魔「サンキュー……戦士ってたまにお母さんみたいだよな」
エルフ「戦士ママー」
銃士「こんなにゴツいママは嫌やわぁ」
443 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 22:56:53.38 ID:Sy/R5nYXO
エルフ「そういえば銃士の強さはどんなもんかな」カシャッ
戦士「ああ、まだ測ってなかったか」
ステータス解析マシン<<ピピッ……ピロンッ
銃士「お?」
エルフ「戦闘力……たったの5か……ゴミめ」
銃士「よう分からんかどひどぉない!?」
・銃士
HP:1000
こうげき:1000
まほう:350
ぼうぎょ:150
すばやさ:500
エルフ「紙だなぁ」
戦士「やっぱり攻撃力は大したものだな」
商人「武器による攻撃力も加算されるみたいですね」
銃士「さすが俺やん?」
エルフ「儚くて可愛いエルフちゃんよらもか弱いことが分かったよ」
銃士「エルフはんより、まいてはんなりしとるわけやね」
エルフ「うざっ」
444 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 22:59:00.29 ID:Sy/R5nYXO
赤魔「おっ?」
『天使のペンダント』を手に入れた!
商人「これは『天使のペンダント』ですね。これをつけると幸運なことが起こりやすくなると言われています。具体的な効果としては敵の状態異常攻撃が効き辛くなります。売値は150Gです」
エルフ「またいいお値段だね」
赤魔「戦士にやるよ!」にっ
エルフ「えー」
盗賊「戦士が身に着けておくと盤石だろう」
エルフ「まあ、いいけどね。命あっての物種だし、安全性を高めるのには文句ないけど」
赤魔「それなら最初から不満そうな顔するなよ。構って欲しいからって少しうざったいぞ」
エルフ「はぁっ!?」
銃士「ええやんええやん、いじらしくて可愛ええもんや。なあ?」
エルフ「キモい!」
銃士「酷いわぁ……」よよよ…
戦士「まあ、赤魔とエルフがそう言うなら、俺が使わせてもらおうか」
戦士は『天使のペンダント』を装備した!
戦士「俺ばかり悪いな。その分の守りは任せろ」
赤魔「期待してるぜ!」にっ
445 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 23:01:54.61 ID:Sy/R5nYXO
赤魔「それにしてもこのダンジョンは一気に大金を稼げそうだなぁ」
エルフ「魔物も全然出ないしねぇ」
ザッ……
銃士「ルーモアをすればシャドーがカットインやな」
盗賊「なぜ横文字にした」
銃士「商人くんの真似や」
商人「僕、そんな頭の悪そうなことを言ってるように思われてるんですか……」
戦士「お前ら、少しは危機感を持ってくれ……!」
ステータス解析マシン<<カシャッ……ピピッ……ピロンッ
・アーミードール
HP:100
こうげき:100
まほう:0
ぼうぎょ:0
すばやさ:200
エルフ「なんだ、弱っちいよ」
赤魔「肩慣らしにさっさと倒しちゃうか!」
446 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 23:04:47.08 ID:Sy/R5nYXO
盗賊「……そう簡単には行かないみたいよ」
わらわら……わらわら……
商人「ひっ、な、なんて数ですか……!」
戦士「くっ、百はいるか……!」
エルフ「どこに隠れてたの!?」
銃士「んんー、これアカンなぁ。逃げましょ」
戦士「しんがりは任せろ!」
盗賊「さきがけは私だ! ついて来い!」
エルフたちは逃げ出した!
アーミードール<<わささっ……
盗賊「邪魔だ」
盗賊の『加速蹴り』!
盗賊は更に加速する!
商人「ひぃ……!」だだっ
エルフ「エルフちゃんも大人しく逃げとくぅ」だっ
447 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 23:06:57.98 ID:Sy/R5nYXO
銃士「邪魔やで!」
銃士の『ラピッドショット』!
赤魔「燃えろぉ!」
赤魔の『火炎魔法』!
アーミードールは更に仲間を呼んだ!
アーミードールの大群はナイフで斬りつける!
戦士はパーティを庇った!
戦士「(単体がいくら弱くても数で押されるのはやはり辛い……! 加えて人形だからか怯みもしないか……!)」
盗賊「……!」キュッ
エルフ「どうしたの!?」
盗賊「前方に転移トラップ複数! 私の真後ろ以外を通るな!」
盗賊「(くっ、少し迂闊だったな。幻覚以外も危険なダンジョンだ)」
商人「は、はい……!」
エルフ「(パーティで来た冒険者を分断させたいのかな? 幻覚見せる上に仲間とはぐれさせようなんて趣味が悪いダンジョンだね)」
盗賊「絶対にここより左によるな!」
エルフ「(まあ盗賊がいれば問題ないけどね)」
448 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 23:09:13.67 ID:+cyoqbNsO
ふらぐ
449 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 23:10:30.67 ID:Sy/R5nYXO
シャドウサーバント<<ズズズ…
戦士「……!?」
シャドウサーバントはアーミードールの大群を握り固める!
シャドウサーバントの『ドール・キャノン』!
戦士「(これは絶対に防がないとまずい……!)」
戦士はパーティを庇った!
戦士は大きく吹き飛んだ!
戦士「ぐっ……! 避けろ!」
赤魔「いっ……ふにゃぁっ!?」どんっ
銃士「へっ、ちょぉっ!?」どんっ
戦士と赤魔と銃士に転移トラップ!
盗賊「赤魔……!」
エルフ「戦士!」
商人「落ち着いてください! まずは安全を確保しましょう!」
450 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 23:17:01.29 ID:Sy/R5nYXO
・・・
盗賊「くそっ……! もっと私が警戒していれば……!」ギリッ
エルフ「……」
商人「三人とも重なり合ってたので同じ場所に転移したと思われます。銃士さんが真実の鏡の片割れを持ってますから、すぐに窮地に陥ることはないかと」
盗賊「飛ばされた先が出口のない地下や針の山だったら!? 鏡転移の際にを落としていたら!?」
商人「……それは無事を信じるしかありませんよ。落ち着いて行動しなければ僕たちも危ないですし、助けられるものも助けられません」
盗賊「ああ、そうだろうな。アンタは戦えないものな。自分の保身に走るのも当然だ」
エルフ「盗賊!」
盗賊「……すまない。今のは完全に八つ当たりだわ」
商人「事実ですからお気になさらず。それよりも方針を考えましょう」
エルフ「そうだね。あいつら回復も蘇生もできなくて頼りないし、早く合流しなきゃ」
盗賊「……ああ。悲観的に考えるのもすぐに熱くなるのも私の悪い癖だ。本当にすまない」
エルフ「そういう素直なところ好きだよ、うんうん」
451 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 23:23:23.19 ID:Sy/R5nYXO
盗賊「転移にも法則がある。計算で方角は求められるわ」カリカリッ
エルフ「へえ……サモナーから教わったとか? それともパイオツ姉ちゃん?」
盗賊「その通り……憎いヤツの教えだろうと使えるものは使う主義よ」カリカリッ
商人「素晴らしいです」
盗賊「……北西ね。距離を出すのはほとんど不可能だが、規模からするとそんなに飛んではいないはずだ」
商人「……ここから北西ですと、かつての行政区でしょうか」
エルフ「行政かぁ……官憲の署とかあるなら、そこに囚われてるとかありそうだよね」
盗賊「ああ。出来る限り敵との戦闘を避けながら進むぞ」
エルフ・商人<<こくっ
452 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 23:25:14.36 ID:Sy/R5nYXO
・・・
【幻惑の街・行政区】
盗賊「……今だ」
さささっ……
クレイジードール「ケケケ……?」
盗賊「……よし」
商人「はぁはぁ…………はぁはぁ……ぜぇっ……ひゅぅ……」ぐてっ
盗賊「……少し休憩するか」
エルフ「あー、疲れた……お腹もすいた……」
盗賊「だいぶ神経を張り詰めて進んだものね……」
エルフ「……お、食べ物だ!」
『ソイレント缶詰』を手に入れた!
453 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 23:32:52.55 ID:Sy/R5nYXO
盗賊「カンヅメか。先に備えて腹拵えしておくか」
エルフ「結構あるよ。はい」ぽいっ
盗賊「これは何のカンヅメかしら?」パシッ
商人「……はぁ、ふぅ。もう大丈夫です。バテてすみません」
エルフ「盗賊が早いし仕方ないでしょ」もぐもぐ…
盗賊「すまない。付いてくるからつい、な」ぱかっ
商人「アイテムを食べてるんですか? えーと、それ、は……」ぴしっ
エルフ「このカンヅメ、あんまり美味しくないね」
盗賊「そうか? 私は結構好きよ。二つ目を開けてしまったわ」
エルフ「えー? 商人も食べる?」
商人「……いえ、僕は遠慮しておきます」
盗賊「そういえば、これは何のカンヅメか分かる?」
商人「えっ……さ、さあ……? 『ソイレント缶詰』という名前みたいですけど……」
エルフ「豆類を潰したものかな? なんか健康に良さそうだねー」
商人「……」
商人「(知らない方が幸せなこともありますよね……)」
to be continued...
454 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/24(木) 23:41:21.33 ID:Sy/R5nYXO
○エルフメモ
・アーミードール:単体は大して強くないけど百体近くに囲まれれば非常に危険だよ。
・シャドウサーバント:急に現れていた巨大な黒い魔物。アーミードールを雪だるまの如く固めて投げつけてきたよ。
・転移トラップ:方角の割り出しは手計算で何とかなるけど、距離は陽に解けないから高性能な計算機で近似値を求めるんだって。
・クレイジードール:顔がイッちゃってるドールの魔物。油断しているところにこいつが急に現れたら、失神しちゃうかも。
○商人の鑑定
・ホットドッグ:売値は0.2G。粒マスタードが美味しいです。
・唐揚げ詰め合わせ:売値は0.8G。衣はサクッ、お腹はジューシーで、下味は濃い目なため調味料は不要でしょう。レモンはお好みでどうぞ。
・小枝チョコ:売値は0.2G。小枝の形をしたチョコレート菓子です。クランキーとチョコのハーモニーがクセになりますね。
・ソイレント缶詰:売値は10G。人口は指数的に増えても食料の増加はそうはいきません。飢えた世界は悪徳が蔓延ることでしょう。異世界は複数あるように思われるのですが、その全てが豊かな世界ではないようです。
455 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 23:42:41.57 ID:vHkVv/xc0
食べたのもったいないな、高いのに
456 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 23:49:15.73 ID:vHkVv/xc0
・戦士
HP:5000
こうげき:400
まほう:0
ぼうぎょ:900
すばやさ:300
・エルフ
HP:1500
こうげき:600
まほう:600
ぼうぎょ:100
すばやさ:600
・商人
HP:3000
こうげき:20
まほう:10
ぼうぎょ:300
すばやさ:30
・赤魔
HP:2500
こうげき:300
まほう:700
ぼうぎょ200
すばやさ:500
・盗賊
HP:3500
こうげき:400
まほう:200
ぼうぎょ:400
すばやさ:1000
・銃士
HP:1000
こうげき:1000
まほう:350
ぼうぎょ:150
すばやさ:500
457 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 23:51:58.08 ID:lzrm3t6t0
また懐かしいものを…
458 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/25(金) 01:30:32.83 ID:S8Oo3PFXo
気になる人はソイレントシステムでggろう
459 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/25(金) 01:35:47.63 ID:qzECSs8xo
乙
ソイレント缶ってゼノギアスのアレか・・・
これから調べるやつはマジで心の準備はしておけよ
460 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/25(金) 02:25:04.15 ID:tIRIwIeo0
何よりも怖いのはゼノギアスが20年近く前の作品だということ…
461 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/25(金) 02:54:13.86 ID:CuA87igIo
>赤魔「いっ……ふにゃぁっ!?」どんっ
赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい赤魔かわいい
462 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/25(金) 08:30:26.40 ID:xIPTyl0X0
調べたら人肉缶詰じゃないか!
463 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/25(金) 10:36:54.34 ID:OOpGOJVxO
いいえ、私は遠慮しておきます
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/25(金) 13:29:16.05 ID:qTzD/fIbo
>>463
畜生! この鬼畜眼鏡!
465 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/26(土) 00:40:31.41 ID:MhY/WEPPO
・・・
【幻惑の街・行政区跡地の地下】
赤魔「転移先は檻の中かよぉ……」
銃士「拘留場みたいな造りやな?」
戦士「そうなのか。経験者なだけあるな」
赤魔「えっ」
銃士「生きてればそういうこともあるやろ」
赤魔「普通ないだろぉ……」
戦士「何はともあれ、バラバラにならなかったのは不幸中の幸いか」
銃士「せやせや。明るくいきましょ」
赤魔「そうだな! レアアイテムを見つけてあいつらをびっくりさせようぜ!」
戦士「まずは脱出しないとな」
466 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/26(土) 00:42:37.09 ID:MhY/WEPPO
銃士「また即死トラップあったらどないしましょ。誰か気付薬もっとる?」
赤魔「えっ……?」
銃士「……戦士」
戦士「二つ持ってる」
銃士「さすが戦士、準備がええな」
戦士「普通は保険で持つだろ?」
赤魔・銃士「……」
戦士「お、お前ら……」
赤魔「ほ、ほら、盗賊がいれば何とかなったからさ!」
銃士「どうせ他の誰かが持って来とると思っとったからな」
戦士「ダンジョンを舐め過ぎだろ……」
467 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/26(土) 00:45:15.40 ID:MhY/WEPPO
・・・
赤魔の『大地魔法』!
バキキッ!
銃士「ええ感じや」
戦士「ああ……だぁっ!」ガンッ
戦士たちは柵を破壊した!
赤魔「よしっ!」
銃士「四精霊の魔法ええなぁ」
赤魔「まあな! ……他の属性に比べると人気ないけどなー」
戦士「へえ」
銃士「火以外はマイナーやから、中々習得する機会あらへんよね」
赤魔「黒エルフも四属性派は少ないみたいだなー。俺の村だと結構多かったんだけど」
戦士「地域差があるんだな」
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