エルフ「ダンジョン荒らして金稼ぎ!」戦士「不安しかないが……」

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342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:55:15.52 ID:AoRVU+kuO

タイラントドラゴン「グォォォ……!」


エルフ「さっさと暴君は斃れなよ!」ググッ……


エルフの『滅撃・氷』!


タイラントドラゴン「ォォォォォォーー」パキキキキ……



タイラントドラゴンの『悪あがき』!


エルフ「マジで……っ!」



商人「やらせない……!」



商人はエルフを庇った!


商人は力尽きた!



エルフ「……いい加減にしろよトカゲぇぇっ!」ググッ……


エルフの『滅撃・氷』!



タイラントドラゴン「ォーーーー」パキキキキ……


バキィィィィーー!!



タイラントドラゴンを倒した!


343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:56:42.43 ID:AoRVU+kuO


エルフ「ふう……」


<<た、たすかった……



エルフ「見たか戦士! 商人! 今回は私がいいとこどりさせてもらったからね!」


戦士<<チーン……

商人<<チーン……


エルフ「……まずは皆んな蘇生させないとね。あ、そこの腰抜かしてるお兄さんも手伝って。多分、まだ村に獣人が少し残ってるはずだから呼んできて」


<<は、いや、しかし獣人は……


エルフ「早くしろ!」


<<う、うん……
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 13:58:51.77 ID:AoRVU+kuO
・・・
【獣人の村】


銃士「いやぁ、制圧に来て看病されるなんてけったいな話やね」


戦士「だからここにいる獣人たちは潔白だと言ってるだろ」


銃士「分かっとるよ。しかし領主はんへの報告はどないしましょ」


商人「それは大丈夫だと思います」バタンッ


銃士「おっ?」


商人「この隊の副隊長と交渉した結果、何とかなりそうです」


戦士「副隊長?」


商人「この兵隊は名目は領主が社会的正義を執行するために派遣されたものです。それならば体裁のために身内もいれるはずで、長男が副隊長として加わってました」


銃士「あー、あの坊ちゃんか。正義感振りかざして、そのくせわがままで手を焼いたわぁ」


商人「でも扱いやすかったですよ。獣人が戦いに参加したのもあって、この看病もあって完全に懐柔できました」


戦士「……それでこの好意的な対応なのか」


商人「単純ですけど押しは強いみたいですから領主も説得してもらいましょう。親バカらしいですしね」
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:00:02.83 ID:AoRVU+kuO


銃士「打算的で怖いわぁ」


商人「平和的に解決できるならいいじゃないですか」にこっ


銃士「!」ぞくっ


戦士「そうだな」


商人「それでは少し獣人族の方とお話がしたいので失礼します」


戦士「おう。そういえばエルフは?」


商人「死ぬほど愚痴りながら登山中です。盗賊さんたちに状況を伝えなければいけないので」


戦士「大変だな」


商人「『あとで戦士に破産させるまで奢らせてやる』とか言ってましたよ」


戦士「とばっちりにも程がある!」


商人「あはは……それじゃあ」バタンッ
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:01:15.54 ID:AoRVU+kuO

戦士「……」はぁ…


銃士「あの娘、今の仲間なん?」


戦士「ん? ああ」


銃士「めっちゃええやん……好きやわぁ……あの腹黒そうな感じええわぁ……」


戦士「はぁ……?」


銃士「なあなあ、また俺と組まへん?」


戦士「お前、あんだけ一方的に関係を切っておいて……」


銃士「まあまあ! 過去のことは置いとこうや。俺とお前の仲やろぉ?」


戦士「まあ、他のメンバーもいるから何ともいえんが」


銃士「お前みたいなアホと組むやつが二人もおるやと!?」


戦士「4人だな」


銃士「おま……大丈夫か? お金とられたりパシられたりしてへん? お給金はちゃんともろうとる? 痛い目に合わされてへんか?」


戦士「概ね上手くやってるさ」


銃士「あの無差別誰でも絶対助けるマンの戦士に仲間が……」


戦士「へいへい……」


銃士「(まさか助けたやつでハーレムを形成してたり……いや、まさか、まさかなぁ……ははは)」
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:04:26.29 ID:AoRVU+kuO

・・・
【翌日】


エルフ「疲れたぁ……どんだけ私に歩かせるんだよぉ」ぐてぇ


商人「お疲れ様です、ほんと」


赤魔「そっちも大変だったみたいだなぁ」


盗賊「……」



銃士「ふざけんな!」


戦士「は?」


銃士「ハーレム作りやがって! もげてまえ!」


エルフ「さっきから何? 誰この人?」


銃士「あ、自分、戦士と前に組んでた銃士いいます! どうぞよろしう!」


エルフ「ふうん。ちょっと私たちだけで話したいことあるから出てってもらえる?」


銃士「まあまあまあまあ! エルフ族は秘密主義なんは聞いとりますけど、ここは是非ともお相伴に預からせてえな」


エルフ「はぁ……」
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:06:52.07 ID:AoRVU+kuO

銃士「それに君みたいな可愛い娘とももっとお話がしたいんや」キリッ


エルフ「は? なに、キモい。1秒100Gもらわなきゃイヤ」


銃士「おふ……」


赤魔「まあ、そう言うなよ! 面白そうなやつじゃん」


銃士「ええ子やぁ……惚れてまいそう……」


盗賊「その時は抉るぞ」ボソッ


銃士「ひぇ……っ」ひゅんっ


商人「(脅しとかじゃなくて、本気の目ですね)」ぞくっ


戦士「そういや、こいつが仲間になりたいらしいんだが」


エルフ「チームエルフにこれ以上童貞はいらないかな」


盗賊「ダメだな。受け付けられない」


銃士「この言われよう! というか、どど、童貞ちゃうわ!」


盗賊「尚更ダメだな」


銃士「取り付く島もあらへん……!」
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:10:12.88 ID:AoRVU+kuO

赤魔「えー、チームレッドに入れてやろうぜ」


エルフ「チームエルフだっての! チームレッドはチームエルフに吸収合併されましたー!」


赤魔「はぁ!? むしろそっちがだろ!」


バチチチ……!



戦士「あいつらは置いておいて、俺は銃士がまた組んでくれるなら心強いが」


銃士「別に男に好かれても嬉しくあらへん」


戦士「そうかよ……商人は? 今のところ2対2だが」


商人「僕ですか……」


銃士「(僕っ娘ええわぁ……)」


商人「6人いれば場合によっては3:3や2:2:2に分けられますからね。固定費用も6人と5人なら大差ないですし、銃士さんは戦闘能力も高かったですからメリットはあるかと」


銃士「そうやそうや!」


商人「……そういうわけで人出が欲しい時に臨時で雇う形でいきましょう」


銃士「そうやそう……へっ?」
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:12:12.90 ID:AoRVU+kuO


エルフ「まあ、腕が確かならヘルプが欲しい時に入ってもらえばいいかな」


盗賊「……それくらいなら問題ないか」


赤魔「盗賊が譲歩するなら俺もそれでいいぞ!」



戦士「……銃士、そういうことでヘルプが欲しいときは頼む」


銃士「なんやそれ!?」


エルフ「呼んだら先約入っていてもこっち優先だからね」


銃士「はぁ!?」


エルフ「あと、チームへの仮入会金として100G徴収するから」


銃士「へぁぁ!?」


エルフ「それじゃよろしく♪」


銃士「あ、あんまりやぁ……!」



銃士が(ヘルプとして)チームエルフに加わった!



to be continued...

351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/20(日) 14:19:57.74 ID:AoRVU+kuO
○戦士メモ

・タイラントドラゴン:今まで戦った相手の中でも格段に強かった。多くの加勢がなければ負けていた。

・領主の貴族:結局、長男の言葉を飲んで、獣人の村については潔白とのお触れ書きが出た。しかし少数民族と人間たちの隔たりは根深い。



○エルフメモ

・銃士:童貞。

・ケンカ別れ:理由は仕事で護衛した女の子に一目惚れした際、その子は戦士を好きになって振られたかららしい。後で戦士に詳しく聞かないと。ほらチームの運営的なアレだよ、うん。



>>352コンマ2桁
ゾロ目:???
ゾロ目以外:本編通常進行
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 14:27:09.42 ID:gSqweE5zo
神よ…
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/20(日) 14:30:10.71 ID:hSawCYyF0
銃士ブサイクなんだろうな、それで喋りもキモいし当然だな
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 15:03:56.02 ID:636YX1uLO
おしい
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 00:19:49.04 ID:KJms3UUR0
ゾロ目だとどうなるんだろうなあ
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 20:49:34.96 ID:W4+nvnLJO

・・・
【後日・戦士宅】


エルフ「ひまだー、かまえー」


戦士「故郷の家族に手紙書いてるから後でな」カリカリ…


エルフ「〜〜」


エルフ「うるへー! 手紙と可愛いエルフちゃんのどっちが大事じゃー!」がばっ


戦士「おま! 危ねえだろ!」


エルフ「ふんふーん♪ そうだ、エルフちゃんが添削してあげるよ」ぱたぱた…


戦士「首に手を回したまま足ばたつかすなよ……だいぶクビ締まってる……っ!」ググッ…


エルフ「あはは」ぷらぷらっ


戦士「こんにゃろ!」ぐいっ


戦士はエルフを持ち上げた


エルフ「きゃー♪ 馬鹿力ー♪」ぷらーん


戦士「(お前には負けると思うがな……言わないけど)」


357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 20:50:48.35 ID:W4+nvnLJO

戦士「ったく」すたすたっ


エルフ「やだー、ベッドに連れて来て何するつもりー? えっちー」ぼふっ


戦士「何もしねえよ!」


エルフ「知ってたー♪」


戦士「〜〜」


エルフ「あはは」


戦士「もう少し寝とけ」すたすた


エルフ「断るよ」



この後同じことを2回繰り返した
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 20:51:57.57 ID:YbSLJfIAO
ナチュラルに同棲カップル
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 20:52:37.49 ID:W4+nvnLJO



エルフ「戦士の体は硬くて座り心地は微妙だね。それに文章も硬いって。もっと柔らかくしたら?」ぼふっ


戦士「そうか? あとお前が邪魔で上手く書けないんだが」


エルフ「すぐに責任転嫁するんだから」


戦士「いや、責任転嫁というか……まあ、いい」


エルフ「はい出た。『まあ、いい』」キリッ


戦士「そんな風には言ってないだろ……」


エルフ「まあ、いい」キリッ


戦士「〜〜」


エルフ「あ、それと、私のことはもっと賢く可愛く伝えてよ。この文章からじゃ全然伝わらないよ」


戦士「お前はこんなもんだろ」


エルフ<<ズゴッ


戦士「鳩尾に頭突きはやめろ……っ」
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 20:58:49.95 ID:W4+nvnLJO

エルフ「全くリーダーへの敬いが足りてないよ」


戦士「敬って欲しいならせめて独り立ちしろよ……」


エルフ「うるへー。……そういえば、君の元仲間の童貞くんが言ってたけど、依頼人の娘に告白されたらしいじゃん? 詳しく聞かせてよ」


戦士「別に取り立てて話すことは特にないな。普通に護衛して、暗殺に来た刺客を倒しただけだ」


エルフ「普通ってなんだ……」


戦士「それに告白というか、専属の護衛にならないかという申し出だ。あいつは拡大解釈しすぎなんだよ」


エルフ「……ウソは言ってないの? 今はやり取りはある?」


戦士「ウソ言ってどうするんだよ。まあ、護衛はもう必要なくなったようだし、たまにパーティの警護の依頼が来るくらいだな」


エルフ「(うーん……グレーかなぁ?)」


エルフ「とりあえず銃士は依頼人の娘に手を出そうとしたクズ野郎ということでオーケー?」


戦士「いやぁ、別にあいつは何もしてないと思うぞ? 基本的に口では色々言うが実際に気になった女性の前だとめちゃくちゃ奥手になるんだよ」


エルフ「生粋の童貞じゃん」


戦士「そう言ってやるな……」
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:01:35.05 ID:W4+nvnLJO

エルフ「戦士も童貞だしねー、たはは」


戦士「ほっとけ」


エルフ「やあやあ童貞の戦士くん? 可愛い女の子を膝の上に乗せて、何か思うところはないのかい? どきどきしてる? どんな気持ち? ねえ、どんな気持ち?」にやにや


戦士「そうだな……柔らかくていい匂いがするから心地いいな」


エルフ「……」ぼぼっ…


戦士「おいおい、耳まで赤いぞ。言われるのには慣れてないんだな」にやっ


エルフ「……童貞のくせに生意気だ!」ズゴッズゴッ


戦士「いってぇっ!?」
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:03:22.60 ID:W4+nvnLJO

戦士「そういえばお前は家族に手紙を出したりしないのか?」


エルフ「……べつに必要ないしー」


戦士「だが、家族も心配してるだろう? 安心させてやれよ」


エルフ「うっさいなー。事情も知らないくせに」


戦士「……それはそうだな。どんな事情があるんだ」


エルフ「いや、言わないけど?」


戦士「……」ポンポン


エルフ「……急になに?」


戦士「他意はないさ」


エルフ「あーん? 勝手に推測して憐れんでるとかだったら股間に『爆杖殴打』だかんね」


戦士「クリティカルじゃねえか。まあ、話したくなったら話せよ」ナデナデ


エルフ「……ん」
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:05:17.32 ID:W4+nvnLJO

ドンドンッ


エルフ「……ちっ。うざったいのは、どちら様?」ぴょんっ


ガチャッ



銃士「せんしー! 久しゅう会わんかったしサシ飲み……エルフ!?」



エルフ「……帰れ」バタンッ


銃士「ちょぉっ!?」


戦士「おいおい……」


・・・

銃士「一緒に暮らしとるやと!?」


エルフ「声デカい。うるさい。不快。近所迷惑」


銃士「堪忍してや……」


エルフ「堪忍してやるからさっさと帰って」しっしっ
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:08:11.76 ID:W4+nvnLJO

銃士「エルフは手厳しいなぁ……」


エルフ「なんで呼び捨てにしてるの? 礼儀知らずなの? 他人との距離感が掴めないタイプなの? ほんと生理的に無理だから帰って欲しいのが分からないの?」


銃士「か、堪忍してやエルフちゃん」


エルフ「うわっ……」


銃士「……エルフはん」


エルフ「そもそも名前呼ばないで欲しいね」


銃士「……」しょぼん…


戦士「そんなに邪険にするなよ……」


エルフ「だいたい古都の人があまり好きじゃないんだよねぇ。自分たちの文化とか言葉に自負とか持ってるのはいいけど、それが他所でも当然みたいな顔してるのが受け付けないよ」


銃士「それは偏見やで! 別に俺のことを悪く言うんはええけど、それは許せへん! みんなええヤツばっかや!」


エルフ「はいはい……じゃあ、訂正するから帰って」


銃士「どんだけ帰って欲しいん!? さすがの俺も傷つくわ!」


エルフ「別に君が傷付こうが私は傷つかないし同情もしないよ。そんなわけで早く帰ってよ」
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:10:09.65 ID:W4+nvnLJO


戦士「エルフ。それくらいにしとけよ」


エルフ「……」はぁ


銃士「(正直ご褒美やから止めんでええのに……いつも余計なことばかりしくさるんやから)」


戦士「それで二人で飲みに行くのか? 」


銃士「ええと……」ちらっ


エルフ「行ってくればいいじゃん。別にそこまでついて行ったり制限したりしないっての。エルフちゃん、そこまでメンドくさくないからね」


戦士「多少の自覚はあったんだな」


エルフ<<ゴスッ


戦士「悪い悪い」


銃士「(見せつけてくれるやんか……)」



エルフ「というか、早く仮入会金の100G払ってよ」


銃士「あれホンマやったん!?」


戦士「真に受けなくていいぞ」
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:11:53.15 ID:W4+nvnLJO
・・・
【大衆食堂】


銃士「お前の彼女、めっちゃアタリきついわぁ」


戦士「別にそういう関係じゃないが」


銃士「はあ!? 一緒に暮らしとるんやろ!?」


戦士「居候だ、居候」


銃士「なんで戦士ばっかり良い目見とるん? 俺かて女の子養いたいわ。むしろ養って欲しいわぁ。ヒモになりたい」


戦士「上手くいけばいいな」


銃士「雑な返ししよってからに……もうヤルことヤッたん?」


戦士「はあ?」


銃士「戦士までもが大人の階段上ってしもたんか……? しかもエルフ族と?」


戦士「そんな関係じゃないって言ってるだろ」
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:15:29.03 ID:W4+nvnLJO


銃士「いやぁ、居候するお礼的感じで乳でも揉んどるんかなぁと。まあ、お前はそういう男やなかったわ。ほんまについとるんか? 」


戦士「疑う余地があるか?」


銃士「もしかして不能なん? 同じ男として同情するわ」


戦士「……その方が気楽だがな」


銃士「……一緒に暮らしとるんやったら、ぶっちゃけ下の世話どうするん? 泡のお風呂屋さんデビュー……?」


戦士「何の話だよ。その辺は……まあ、お互いに暗黙裡に配慮するだろ……」


銃士「もしかして他のメンバーとできてるんか……? 爛れたパーティなんか?」


戦士「お前はろく次から次へと下世話な想像ができるな」


銃士「男なんて頭の中の9割方はエロいことでいっぱいやろ」


戦士「自分自身がそうだからって、それが常識だと思うなよ」


銃士「いや、みんなそうに決まっとる!」


戦士「まあ、お前の中ではそうなんだろうな」


銃士「なんや、みんなして俺にアタリが強いわぁ……」


戦士「言い過ぎたか? 悪かったよ」
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:17:35.78 ID:W4+nvnLJO

銃士「エルフ族かぁ……一晩でどんなに安くても500Gからやろなぁ。一月の稼ぎがパァやな」


戦士「……」


銃士「下ネタはやめるさかいに、睨むんはやめえや」


戦士「お前、エルフか赤魔の前で同じようなこと言ったらぶん殴るからな?」


銃士「随分と入れ込んどるな?」


戦士「……妹みたいなもんだからな」


銃士「そういや、妹おるんやったな。紹介してえや!」


戦士「お前には絶対に嫌だ」


銃士「親友に対して冷たいわぁ」


戦士「一方的に関係を切っておいて親友面とはお前の調子の良さも変わらないな」


銃士「謝るから堪忍してや。なに? オコなん?」


戦士「今の発言で更にな」
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:20:14.94 ID:W4+nvnLJO


銃士「いや、ほんとは縁切りも冗談のつもりやってん。でも、直後に入った仕事が予想以上にでこうて、全然帰れんくてな」


戦士「デカい仕事?」


銃士「他国の大富豪はんの依頼で『悪魔の湿原』でレアアイテム掘りや。そこで現場リーダーやってたんよ」


戦士「へえ……」


銃士「大変やったで。死人やら病人やらがガンガン出てな? それでもどんどんと新しい冒険者が投入されるんや。むざむざ死なすわけにもいかんから目当てのレアアイテム手に入れるまで半年近くおったな。だいぶ生死の感覚が麻痺してもうたわ」


戦士「……過酷だな。帰ってきたってことは、仕事は終わったのか」


銃士「……」ふるふる


戦士「ん?」


銃士「必要のうなったらしいわ。目当てのアイテムは万病に効く薬草やったんやけど、それを欲しごうとる依頼人はんがポックリしよったさかいに、打ち切りや」


戦士「……そうか」


銃士「後に残ったんは死体の山と毒の後遺症抱えた冒険者だけや。お笑い種にもならへん」


戦士「お前は毒は大丈夫だったのか?」


銃士「俺は加護の魔法使えるからな。俺の指示が行き渡らんかったやつや無視した奴が被害者やな」

370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:23:39.23 ID:W4+nvnLJO

戦士「……」


銃士「守れんのはキツいよなぁ。お前ならこういう時どうするんやろ、ってよお考えたわ」


戦士「……俺にもどうしようもできなかったさ」


銃士「……まあ、くよくよししてもしゃあないからな。俺は俺のやることをやるで」


戦士「それしかないな。もっと飲むか」


銃士「おっ、戦士が勧めるんは珍しいわぁ」


戦士「俺だってたまにはそういう気分になるさ」


銃士「感傷的なやっちゃな。そうだ、詫びにこれをお前にやるんやった」


戦士「これは?」


銃士「悪魔の湿原で取れたレアアイテムやな」


戦士「いいのか?」


銃士「別に報酬はたんまりもろうてたし、他のアイテムを換金して懐は潤っとるさかい、気に病まんでもろうてくれ」


戦士「まあ、そういうなら貰っておこう」



戦士は『解放の宝玉』を手に入れた!
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:28:23.25 ID:W4+nvnLJO


戦士「綺麗な宝石だな」


銃士「なあ? まあ、お前は武器の方が嬉しかったかもな」


戦士「はは、そうだな。さ、飲むか」


銃士「お前の話も聞かせえや。あ、それよりも商人ちゃん……商人くんのことをやな」


戦士「何故また……」



銃士「あんだけ可愛いんやったら、男でも問題ない気がしてきてもうた」



戦士「血迷ってる、血迷ってるぞお前……」


銃士「あない可愛い子が女の子なワケありひん!」


戦士「おい……」


銃士「俺は正気に戻った!」


戦士「ダメみたいだな……」



・・・

エルフ「あまりに遅いから様子を見に来たら……」


戦士・銃士<<すやぁ……


エルフ「よくお店で熟睡できるよね……はあ、商人でも連れてこよ」
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:30:46.34 ID:W4+nvnLJO

・・・

<<すげえな、あの大男を背負ってる……

<<二人とも小柄なのに怪力だな……


エルフ「まったくこいつら……! 戦士は無駄に重いんだよ!」


商人「ふわぁ……深夜に呼び出されたと思ったら酔っ払いの介抱ですか……戦士さんがここまで酔ってるなんて珍しいですね」


エルフ「まったく……私と一緒の時は全然飲まないくせに……!」


戦士「ぅ……エルフ? すまん、自分で歩けるから……」ウトウト…


エルフ「いいから寝てなよ! まったく今度お返ししてもらうからね」


戦士「すまん、ありがとう……」ウトウト…


商人「銃士さんの住所分からないんですけど、戦士さんの部屋でいいですか?」


エルフ「そうしたら、せっかくのチャンス……い、いや狭いから無理! うん狭いから!」


商人「えぇ……まあ、はい。なんかもう、お好きにどうぞ」


エルフ「や、だから、だからだね……えっと……」


商人「ああ、大丈夫、大丈夫です、はい」


エルフ「何がだ! その温かい目をやめろ!」
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:33:31.30 ID:W4+nvnLJO

・・・

エルフ「やっと着いた。おりゃっ」


戦士「ぅぅ……」ドサッ


エルフ「おーい、吐いたりしないでよー?」


戦士「……」スゥスゥ…


エルフ「しっかし酒くさいなぁ」


エルフ「……」すんすん


エルフ「酒くさい!」


エルフ「……」くんくん



エルフ「まったく無防備に寝ちゃって……女の子なら色々と危ない目に遭っても知らないよ」


エルフ「……ええーと、着替えないとダメだよね? 仕方ないなぁ! めんどくさいけど仕方ないなぁ!」ドキドキ


エルフ「ほ、ほら着替えさせてあげるから手を挙げて!」


戦士「んー……いらん……」


エルフ「い、いいから! ほら、私がイヤだから!」


戦士「んー……」


エルフ「よ、よっと……」ぬがしぬがし
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:39:11.28 ID:W4+nvnLJO



エルフ「……まあ、熱いなら私の体温がちょうどいいかもよ? ほら砂漠とか人肌の方が涼しいっていうし……ね? ねっ?」



するっ…ぱさっ…



戦士「……」



エルフ「……っ」のしっ



すっ



エルフ「せ、せんし……っ」




375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:41:15.72 ID:W4+nvnLJO



戦士「……うぷっ!」ぐぐ…




エルフ「えっ!? ちょっ……桶! この桶に!」



戦士「うぅ……おぇぇ……」ぼちゃちゃ…



エルフ「……」さすさす…


戦士「おぇぇ……」びちゃびちゃ…


エルフ「まったく……ほら、水」


戦士「……ん」ごくごく…



パタッ



戦士<<すやぁ……



エルフ「はぁ……やっぱり戦士だわ」



エルフ「……寝よ」


376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:43:22.15 ID:W4+nvnLJO


・・・

チュンチュン……



戦士「んぐ……あたまいてぇ……」ズキズキ…


エルフ「……」すやすや…


戦士「……うん? なんでこいつ下着なんだ? ……え? なんで俺はパンツだけなんだ!?」


エルフ「うるさい……あぁ、起きたんだ」ふわぁ


戦士「……エルフ、これは一体」


エルフ「……ひどいよ戦士……私、初めてだったのに……あんな乱暴に……」ぐすっ…


戦士「……」サァ…


エルフ「何回もやめてって言ったのに……まさか、覚えてないの……?」ぐすっ


戦士「あ、え、ま……?」


エルフ「……責任とってよっ」
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:45:23.23 ID:W4+nvnLJO


戦士「ほ、本当にすまなかった! 責任は取る! すまない!」ガバッ


エルフ「(……本当に信じたし)」


戦士「すまない……! ああ、俺はなん
てことを……!」ガタガタ…


エルフ「(……)」


エルフ「……本当に嘔吐物の処理をさせるなんて最低!」


戦士「うぅ……へっ?」


エルフ「私に、自分の出したゲロを捨てさせて呑気に寝ちゃって! 人としてどうなの!? あんなに吐くのやめてって言ったのに!」


戦士「あ、うん、すまない?」


エルフ「次はないからね! ちゃんと責任もって禁酒してよ!」


戦士「あ、ああ! な、なんだ……」ほっ…



エルフ「(……ま、今はこれでいいや)」




to be continued...
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/21(月) 21:47:44.38 ID:W4+nvnLJO

○戦士メモ

・悪魔の湿原:隣国の領土にまたがる広大なダンジョン。8つのダンジョンの中で一番広い面積を持つとされる(『不帰の虚』は除く)。ダンジョン全体に毒の霧が広がっており、その水は猛毒である。それらに対する知識と対策を持たずしてこのダンジョンに挑むことは自殺行為である。

・アルコール:ここにおいて無期限に断酒することを誓う。



○エルフメモ

・手紙:戦士はわりと筆まめなのか二週間に一回は家族に手紙を出している。家族や友人、その他からの手紙は机に保管してるみたいでかなりの量だから全然読み終わらないよ。

・責任:好きでもないのに取ってもらっても嬉しくないし。いや、そもそも戦士なんかに取ってもらっても嬉しくないし。……別に事実を話して後悔とかしてないし。



>>379
1.日常
2.ダンジョン
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 21:48:37.61 ID:YbSLJfIAO
2
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 21:56:52.65 ID:KJms3UUR0
酔っぱらいの介抱するとかエルフめっちゃ良いやつだな(´・ω・`)
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:24:42.06 ID:o4X/30fzO

【後日・カフェにて】



エルフ「はい、それじゃあミーティングを始めまーす」


戦士「ああ」

商人「はい」

赤魔「おう」

盗賊「……」

銃士「あいあい」



エルフ「まずはこの前の一件についてもう一回話し合おうか。その後、次の予定について話し合おう」


戦士「結局、この前のテロの真犯人は盗賊の姉なのか?」


商人「(いきなりぶち込んで来ますね……)」


盗賊「そうだろう。私にはその真意も、奴がどのような勢力と結び付いてるかも掴めていないが……まあ、ロクでもないのは間違いない」


商人「爆弾テロに魔物を使って兵士の襲撃ですもんね……」
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:26:12.22 ID:o4X/30fzO

銃士「自由に魔物を転移させれるんやとしたら、アカンなぁ。街中に転移させられたら大パニックや」


エルフ「『魔物の洞穴』でもヤバいよ。街に近いしね」


商人「でもそうしたら、どうして今回はまず爆弾を使ったんでしょうか。転移に制約があるのか、何か裏があるのか……あれから考えてみましたが答えは出ませんね」


盗賊「一つ確かなのは黒幕がいることだ。あのイカサマ女は手駒に過ぎないだろう。あいつはリーダーをやるようなヤツではないわ」


赤魔「そうなると黒幕はサモナーか」


盗賊「そうね」


エルフ「盗賊はそのサモナーとかいうのに復讐したいんだよね? 何をされたの? セクハラ?」


盗賊「村を焼き払われた」


エルフ「わーお」


戦士「おい、エルフ」


エルフ「不謹慎だったね。反省してまーす」


戦士「おい……」
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:29:23.84 ID:o4X/30fzO

盗賊「別にいいわ。過去の話よ」


エルフ「言葉と行動が一致してないだよねぇ」


商人「そういう時は行動を基に判断するのがベターかと」


盗賊「……そうね。水に流せてないわね」


エルフ「うんうん、素直な子は好きだなぁ」


盗賊「……」ふぅ…


赤魔「話が逸れてるだろ。大事なことはなんだよ」


エルフ「うわ、黒チビから真っ当な意見が出てきた」


赤魔「いちいち茶化すなよ!」


エルフ「何をそんなにイラついてるの」


赤魔「だから……!」


商人「ごほっ! まあ落ち着いて話を進めましょう」


エルフ「ほいさ」


赤魔「……ああ」


銃士「(商人くん、やるやん。あとこの前は迷惑かけてゴメンやで)」
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:33:03.82 ID:o4X/30fzO


商人「イカサマ師は賭場から姿を消していました。誰も行方は分からないようです」


エルフ「次は勝たせてくれるって約束だったのに……」ぐてっ


商人「……それも言及したいところですが、今はこのイカサマ師の置いていった報酬アイテムについてです」


商人は『紅蓮石』を取り出した!


商人「これは『紅蓮石』です。売値は2200Gです。強力な炎の力が宿っており、強力な魔法道具の素材などに用いられます」


エルフ「2200G石だぁ」


戦士「下手な宝石より高価だな」


銃士「初めて見るわ。どこで採れるん?」


商人「……『憤怒の火山』です」


赤魔「憤怒の火山……『不帰の虚』に次ぐ最難関ダンジョンかよ」


盗賊「……ヤツはそこにも手を伸ばしてるのか」


商人「ええ、おそらく」
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:36:12.92 ID:o4X/30fzO

戦士「別に採取してきたとは限らないんじゃないのか? どっかから盗んで来た可能性もあり得るだろあ?」


商人「いえ。紅蓮石の総量は詳しく測定されていて、その用途や行方まで記録されてるんです。原石のままの紅蓮石は記録上もう存在しません。ほぼ確実に新たに採取されたものかと考えられます」


銃士「なんでそこまで詳細に記録されてるん?」


商人「『憤怒の火山』は現在封印されてるんですよ。それで誰も入ることは出来なくなっているはずなんです。採れなくて貴重なアイテムですから加工の際に政府に認可を貰わなければいけなかったようです」


赤魔「聞いたことあるぞ。生還者の大賢者が危ないからってダンジョンを封印したって」


銃士「ほへー」


エルフ「ダンジョン冒険者のくせにそんなことも知らなかったの?」


エルフ「(私も知らなかったけど)」


銃士「いやいや、本職はダンジョン冒険者やないし。なぁ?」


戦士「ああ。傭兵だな」


銃士「せやせや」


エルフ「無職たちめ」


戦士・銃士「無職いうな!」


商人「(この人たちすぐに本筋から脱線しますね……)」
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:40:48.70 ID:o4X/30fzO

赤魔「……」いらいらっ


商人「ごほっ、ここで大きな疑問が出てくるわけです」


盗賊「ああ」


商人「封印されているのにどうして紅蓮石を持っているのか」


エルフ「封印を破って入ったから」


商人「そうしたらもう少し騒がれているはずです。見て来たわけではありませんから断定はできませんが、封印は破られていないと思われます」


エルフ「転移石で出入りしてるのかな?」


商人「それはあり得ますね。ただ転移石が火山内部にあるのが前提ですが」


戦士「封印を施した大賢者とやらが敵と繋がっている可能性は?」


商人「大賢者は現在消息不明です……あり得なくもないかと」


銃士「そのサモナーとやらと大賢者が同一人物とかありえへんの?」


盗賊「有りうる」


商人「何か根拠はありますか?」


盗賊「サモナーも非凡な魔法の使い手だった。転移石を作り出すほどだからな」


銃士「そうするとそもそも憤怒の火山だけ封印したのも不審やない? 『不帰の虚』とか他のダンジョンも充分危険やのに」


戦士「……火山に何かあるのか?」
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:44:05.20 ID:o4X/30fzO


赤魔「……憤怒の火山に行きたいな。きっとイカサマ師は憤怒の火山まで来いと挑発してるんだろ」


エルフ「見つけてみろみたいなこと言ってたもんね。罠かもしれないけど……あの性悪パイオツちゃんは読み切れないなぁ」


商人「しかし行こうにも、厳重に封印されてると思いますよ。まずは封印を解かないといけませんが気が遠くなるほど大変かと」


エルフ「どうやれば解けるの? 2200G石いっぱい採りたい。10個も集まれば22000Gだよ? 100個で220000G……うへへ……」


銃士「えらい大金やなぁ」


商人「封印を解くにはレアアイテムが3つも必要なんですよ。『解放の宝玉』、『セフィロトの杖』、『開闢の台座』です」


赤魔「なんか大それた名前だな……」


商人「記録ですとダンジョンにあるんですけどね。『悪魔の湿原』、『幻惑の街』、『蠢く砂漠』にそれぞれあるみたいです」


エルフ「め、めんどくせぇ……! RPGじゃないんだから!」
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:49:17.15 ID:o4X/30fzO


銃士「……あれ? なあ戦士」


戦士「ああ。商人、こいつをどう思う?」スッ


商人「はい? ええと……『解放の宝玉』じゃないですか!?」


盗賊「!」


赤魔「ええ!?」


エルフ「え、どういうこと? なんで戦士が持ってるの?」


戦士「銃士が『悪魔の湿原』で見つけたんだよ」


銃士「わはは、都合のええこっちゃ」


盗賊「そうなると……あと二つで『憤怒の火山』に入れるか」


商人「うーん……このアイテムが存在するならやっぱり封印は解けてないのでしょうね。しかし、幻惑の街も蠢く砂漠も難関ですよ……」


赤魔「蠢く砂漠はたまに発見の話を聞くけど、今はどうなんだ?」


商人「ここ1年は話を聞きませんね」


エルフ「幻惑の街もヤバいって言うよね。生還者のほとんどが眠りこけたりボンヤリしたままなんだっけ? みんな、そのまま緩やかに衰弱死するって聞いたよ」


赤魔「らしいな。無事な生還者は幻を見たって話だ。とても幸せな幻なんだってさ」
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/22(火) 22:49:58.71 ID:hDeOZizt0
鏡を使え
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 22:52:57.91 ID:o4X/30fzO


戦士「赤魔は結構ダンジョンに詳しいんだな」


赤魔「ダンジョン冒険者になるのが小さい頃からの夢だったからな」


エルフ「今も小さいままだけどねー、ぷぷっ」


赤魔「お前には言われたくねーよ!」


商人「幻……まあ、『幻惑の街』というくらいですからね」


盗賊「この前に拾った『真実の鏡』は使えないかしら?」


商人「いけると思います。おそらくどんな幻も見破るかと」


銃士「実は毒物による幻覚やってんなら俺の加護魔法で何とかなるはずや」


エルフ「『幻惑の街』ねえ……何か金になるアイテムはあるの?」


商人「『ビスクドール』が1つ1000Gで取引きされてますね。熱心な愛好家がいますから」


エルフ「よっしゃ1000G人形を集めに行こう!」


戦士「相変わらず現金なやつだな……」
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 23:00:41.83 ID:o4X/30fzO


エルフ「ついでに『パチスロの杖』だか『ドンジャラの台座』だかも探すよ」


戦士「ついで扱いかよ」


商人「全然名前違いますしね……」


赤魔「よしっ、それじゃあ次の目的地は『幻惑の街』だ!」


エルフ「あ、こら! それを宣言するのは私だ!」


赤魔「はぅ、チームレッドのリーダーが宣言するのは当たり前だろ?」にやっ


エルフ「チームエルフだー!」


赤魔「いーや、チームレッドだね!」


盗賊「店で騒ぐな」


エルフ・赤魔「はい……」



銃士「そういう力関係なんやなぁ」ヒソッ


商人「そうなんです」ヒソッ


戦士「盗賊は怒らせないようにしとけ」ヒソッ


盗賊「聞こえてるから。わざとかしら?」


「「「ごめんなさい」」」



chapter3:不穏の始まり
ーーーーーーーー
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 23:06:31.96 ID:o4X/30fzO

○戦士メモ

・憤怒の火山:今までわずか3名のみの生還者しか記録されていない最難関ダンジョンの一つ。現在は生還者の一人である大賢者によって封印されている。イカサマ師たちはここにも干渉しているようだが真偽のほどはどうなのか。

・サモナー:盗賊曰く転移石を作った人物。魔法に恐ろしく長けているそうだ。『憤怒の火山』を封印した大賢者の同一人物という仮説も考えられるが真偽は分からない。



○エルフメモ

・ミーティング:淡々とやって終わるよりも雑談を挟んでわいわいやった方が良い案が出たり、関係の深まりにも繋がるよね。賢くて可愛いリーダー、エルフちゃんは色々と考えているのだ!

・無職:童貞たちのことだねー

・赤魔のイライラ:重い日だったのかな? まあ、盗賊の苦悩を自分のことのように感じてるんだろうね。単純だから少し気を紛らわしてやればすぐ元気になるから盗賊に比べたら遥かに扱いやすいもんだよ。



○商人の鑑定

・紅蓮石:売値は2200G。非常に貴重にも関わらず、値段がそこまで高くないのは加工技術が低いために持て余し気味なことが原因です。技術の進歩とともに需要は増大していくでしょう。

・解放の宝玉:売値は貴重なため付けられません。青く輝く宝玉には膨大な魔力が込められています。『セフィロトの杖』、『開闢の台座』と揃えることでその真価を発揮するようです。
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/22(火) 23:08:29.10 ID:o4X/30fzO
すごい今更だが>>255の最後に

chapter2:異形の島
ーーーーーーーー

を挿入しとくべきだった


うだうだ喋ってないでさっさとダンジョンにいってくれ
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 00:22:58.06 ID:wE8ZG/110
C
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 07:42:43.63 ID:Aca75q/eO
封印って解かれないこと前提なのになぜ商人は解除方法知ってるんや…
商人実は敵方なんじゃ
金庫の暗証番号知ってますみたいなもんやろ
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 11:04:37.14 ID:EEX0R+JH0
>>395
誰だって金庫を見れば暗証番号が必要な事くらい分かるでしょ
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 11:31:00.46 ID:4NEdWEsSo
あるのは良いとして何故知ってるのかって話じゃね?
てかネタ潰ししないようにね
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 16:32:07.36 ID:8Gh/mHgSO
少し調べりゃ分かると思うが
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 16:41:42.47 ID:dXv07jWp0
危険なダンジョンだからその3つを集められる位強い人だけ入っていいよってことなんじゃないの?
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 16:42:12.01 ID:Xk6D4Jvco
作者が書きにくくなるから変な探り入れるなよ
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 16:44:46.59 ID:xDFZWcppo
>>395
大賢者が「偶然にも封印を解かないように」って文献かなんかに残してるのかもよ
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 17:00:28.76 ID:Aca75q/eO
>>398
おめぇは少し調べたら暗証番号がなにかわかるのか?
アメリカのFBIとかでもiPhoneの解除でめちゃくちゃかかったのに
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 17:02:07.85 ID:Aca75q/eO
>>401
文献に残したらあかんでしょ
解いてくださいっていってるようなもんやん
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 17:20:06.46 ID:l4Z1EE/hO
前いた病気君かな?
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 19:17:37.05 ID:zWjkIzQmo
>>403
高度な封印を残した本人がその解除方法を告げずヒントも残さず自ら解かないまま死んでしまったらどうやってそれを知るんだ?
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 19:25:21.23 ID:z3pZYETA0
触るなよ…
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 20:03:40.64 ID:yIRD6iCko
解除方法と暗証番号の例が間違っている
物理鍵を呪文で例えているようなものだぞ?
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 21:01:50.99 ID:HPPdHV+Zo
どうやら斜に構えたい高二病が湧いたようだな
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 21:34:45.65 ID:ns5XKEsuO
ほっとけ
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:35:04.47 ID:PBfzYTJCO
・・・

曇天の下、俺は固唾を飲んだ。

普通には変えられない現状を変えるため、ここまで来た。

『幻惑の街』。

かつては商業都市であり、現在はダンジョンと化した街。

多くの人と金が行き交っていたかつての街は今もなお死ぬほど富を欲する人間を惹きつけている。

誘蛾灯に群がる蛾の如くーーそして俺も蛾の一匹。

恐ろしい噂は何度も聞いた。

それでも俺は挑まなければいけない。

金が要るのだ。

腹を空かせた子どもたちに食わすため。

病に臥せた妻に薬を与えるため。

手放さざるを得なかった土地を取り戻すため。
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:37:21.18 ID:PBfzYTJCO

街の外れの一角に冒険者たちが倒れていた。

近寄って見てみれば、眠りこけているか、虚ろに宙を見上げているかのどちらかだった。

彼らは死ぬまでこの状態らしい。

不気味な魔物によって運び出されるか、自分でふらついてここに辿り着くそうだ。

一日に一回、搬送用の馬車が訪れてここに溜まった廃人たちを連れていくのだとか。

数日以内に正気に戻らない者はそのまま延命措置が打ち切られるらしい。

俺も同じ運命を辿るかもしれない。

恐ろしいが、それでも俺には他に術がなかった。

それに全員が廃人になるわけじゃなく生還者はちゃんといる。

俺はきっと大丈夫。

俺は特別だ。

昔から俺は特別なんだ。

魔物との戦いはおろかケンカすらしたことないが、他に生き残ってる奴がいるのに俺が死ぬわけない。

そう自分を奮い立たせてダンジョンへと足を踏み入れた。
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:42:01.34 ID:PBfzYTJCO

・・・

拍子抜けした。

街の中は見惚れるほどに美しかった。

手入れの行き届いた植え込み。

透明な水を吹き出す噴水。

鮮やかなパラソルと真っ白な外壁。

露天や屋台が並び、食料品やら服飾品やらが晴天に晒されていた。

ダンジョンとは不思議な場所だ。

この服飾品などは持ち帰ってもいいはずだが少し逡巡した。

ダンジョンなのだから罪悪感を覚える必要はないはずだと自分に何度か言い聞かせた後、袋にアイテムを詰め込み始めた。

出来る限り値の張りそうなアイテムを懸命に探していると童心にかえる気分だった。

ダンジョンなんて大したことないじゃないか。

この調子なら俺は金持ちになれるぞ。

「そこのお前、何をしてる?」
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:43:22.43 ID:PBfzYTJCO


唐突に肩を叩かれ思わず体が硬直した。

恐る恐る振り返れば官憲が立っていて俺を睨みつけていた。

「白昼堂々と窃盗なんてふてぶてしいやつだ」

ここはダンジョンのはずなのにどうして警邏が?

「何をおかしなことを……大人しく詰所まで来い!」

俺はとっさに逃げ出した。

邪魔な人混みをかき分けて前へ前へと無我夢中で足を進めた。

「待て!」

警官は追い掛けてきているようだ。

捕まったら逮捕されてしまう。

そうしたら俺の人生は終わりだ。


イヤだ……イヤだ……!

414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:46:29.00 ID:PBfzYTJCO

「こっちよ!」

少女が俺の手を掴んだ。

「こっちの路地ならきっと撒けるわ!」

俺は驚いたが、少女に導かれるままに入り組んだ裏路地を走った。

やがて怒声は聞こえなくなった。

「撒けたみたい。よかったわね」

乱れた息を整えようと深呼吸を繰り返した。

胸の高鳴りが苦しくて、それでいて心地良かった。

やっと落ち着いて、俺は少女に礼を言った。

「良いのよ。それより少し一緒に遊びましょう?」

遊ぶ暇なんてない。俺は家に帰らなければいけない。

俺の帰りを待っているのだ…………誰が?


……あれ?


「ねえ、お願い」

少女の縋るような目。

その視線に耐え切れず、たまらず頷いた。

415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:47:56.08 ID:PBfzYTJCO

ありがとう。それじゃあ、日が暮れるまで一緒に遊びましょう」

日が暮れるまで……それくらいならお母さんも許してくれるはずだ。

ああ、待たせているのはお母さんだった。

……どうして疑問に思ったのだろう?

新しい友だちが出来たと話せば、仕方ないわね、と笑って許してくれる。

それから僕たちは一緒に遊んだ。

気づけば他の子たちも混じっていた。

ああ、とても楽しい。

このまま楽しい時間がずっと続けばいいのに……。

日はまだ暮れない。

まだまだ僕たちは遊べるんだ。


俺は……僕は……あれ?


何故か少し心がもやもやしたけれど、そのうち気にならなくなった。
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:49:16.70 ID:PBfzYTJCO

・・・

「また、お友だちが増えたわ」


「もっと増えないかしら。もっと増えないかしら」


「みんなといれば楽しいわ」


「いつまでも終わらない日曜日」


「なんて素敵なのかしら」



「ーーああ、また新しい人たちが来たのね」


「6人も……全員とお友だちになれるかしら」



「ーー真実の鏡?」



「……お友だちになれないかも」



「お友だち以外はここにいちゃダメなのに」


417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:51:10.11 ID:PBfzYTJCO

・・・
【幻惑の街・入り口】


盗賊は真実の鏡を使った!


幻が打ち消された!


エルフ「わーお、綺麗な街並みが消えちゃった」


赤魔「廃墟だな。嫌なニオイがする……」


盗賊「さっきの幻……確かに対策なしだと知覚するのも大変そうだな」


銃士「真実の鏡さまさまやな」


商人「……しかし、外にいた冒険者たちに鏡の効果はありませんでしたね」


銃士「予防にはなっても、治療にはならへんのかな?」


戦士「そうすると別行動は避けるべきだな」


エルフ「御手洗いとかどうする?」


赤魔「鏡を割って二つにするのはどうだ? お、我ながらいい考えな気がするぞ」


商人「なっ……それを割るだなんてとんでもない!」
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:52:44.04 ID:PBfzYTJCO

赤魔「名案だと思うんだけどなぁ」


盗賊「その時が来たら男たちには犠牲になってもらうしかないか」


銃士「ひどいなぁ!?」


盗賊「冗談だ」


戦士「(冗談に聞こえないが……)」


エルフ「最低でも鏡が二つあれば良かったんだけど」


盗賊「やっぱり割るか」


商人「ちょっと!?」


盗賊「割ると本当に効果が消えるの?」


商人「ええっ……綺麗に分割すれば多分……いやでもレアアイテムを傷付けるなんて……」



盗賊「はっ」ズバッ



盗賊は『真実の鏡』を真っ二つにした!



商人「」
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:54:14.58 ID:PBfzYTJCO

エルフ「おおー」


銃士「な、なんで手刀で鏡を真っ二つに出来るん……?」


戦士「もはや達人だな……」


赤魔「盗賊にかかればこれくらい朝飯前だぜ!」どやっ


盗賊「だからなんでアンタがイキるの」はぁ…


商人「レ、レア……レアアイテムががが……!」


銃士「あらら、商人くんが壊れてもうた」


エルフ「状態異常を治す魔法」ゴッ


商人「いたいっ!」


戦士「お前は鬼か」
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:56:27.48 ID:PBfzYTJCO


赤魔「幻を破る効果は残ってるか?」


商人「はい……」どんより…


赤魔「やった! これで解決だな!」


盗賊「上々ね」


商人「……生存した冒険者は共通して少女の幻を見ています。気を付けるべきでしょう」どんより…


エルフ「元気出してよ」


商人「もう少ししたら立ち直ります……多分」


エルフ「二つに割っても効果があるなら便利じゃん? どうせ売れないんでしょ?」


商人「価値が付けられないほど高価なんですよ!」


エルフ「価値が付かないならそんなの無価値と同値だよ。いっそ6等分する?」


商人「これ以上の分割は効果が消えちゃいます!」


エルフ「ちぇっ。じゃあ、男女それぞれで持とうか。そっちは童貞くんが持っておいて」


銃士「その呼び方はやめてくだはる!? 俺でええんか?」
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 22:58:06.21 ID:PBfzYTJCO


エルフ「いざという時は君が一番冷静そうだからね」


銃士「お、信頼されとるぅ」


エルフ「やめて、キモい」


銃士「ほんま辛辣やわ……」


エルフ「でもお好きなんでしょう?」


銃士「エルフはん、分かっとる。ぶっちゃけ女の子に童貞呼ばわりされるとかご褒美やと思う」キリッ


エルフ「……あまりにも気持ち悪いから今後はやめるね。名前も呼びたくないくらいだよ」


銃士「おうふ」


盗賊「……赤魔、絶対に銃士と二人きりになっちゃダメよ?」


赤魔「あ、ああ」


銃士「それリアルに傷つくやつや……」


戦士「そろそろ無駄話は切り上げて進もうか」


商人「そうですね」
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 23:00:37.43 ID:PBfzYTJCO

・・・
【幻惑の街・時計塔前】


エルフ「とりあえず街の中心の時計塔に来たけど……んー、開かないね?」


赤魔「これ封印かかってるな」


盗賊「例の『解放の宝玉』は使えないかしら?」


商人「無理です。あれはあくまで憤怒の火山の封印を解くものですからね」


エルフ「使えないなぁ」


銃士「そういえば、そういうのどこ情報なん?」


商人「はい?」


銃士「『解放の宝玉』や封印の解除方法なんて俺は知らんかったわ。どこでそういう情報を得てるん?」


商人「基本は図書館の資料です。あとは官公庁の資料ですかね。申請して許可が降りれば一部は閲覧できますから」


エルフ「まあ、勝手にダンジョンを封印したら、色々と言及されるよね。精確なのかは別として」


商人「もちろん全ての情報が精確なわけではありませんが、ご存知の通り我が国はかなりの文書主義ですよね。それに大賢者は政府からの派遣で火山に行ったため公式の記録にあるんですよ」


銃士「ほへー。紙に残すのはええこっちゃな」
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 23:01:09.03 ID:gAFxSq9A0
だから知ってたのか
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 23:02:28.87 ID:PBfzYTJCO


商人「トレードオフとしてレッドテープが深刻ですけどね」


エルフ「横文字大好き商人さん」


商人「……二者択一として繁文縟礼が深刻ですけどね」


エルフ「難しい言葉大好き商人さん」


商人「……悪い点として、書類の書き方とかにうるさくてかなり時間がムダになってる側面もありますけどね」


エルフ「もう少し砕いてみようか?」


商人「…………」


戦士「……」ぽんぽんっ


商人「な、なんです……?」


戦士「なんとなく」わしゃわしゃ


商人「……」


銃士「俺もやる俺もやる」


商人「え、やめてください」


銃士「……」


戦士「……」ぽんぽんっ


銃士「お前にやられても喜びもトキメキもないわ!」べしっ
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 23:05:10.11 ID:PBfzYTJCO

商人「それと僕自身、アイテムを見るとその概要が分かるんですよ」


銃士「なんやそれ」


商人「生まれつきそうなんですよね。上手く説明できないですけど……」


銃士「ほぉ……奇特な才能やなぁ。なんにせよ商人くんは色々と頼りになるな」


エルフ「まあ、エルフちゃんが一番賢いけど」


赤魔「あはは、よく言うぜ」


エルフ「おりゃっ」ぶんっ


赤魔「あぶねえな!?」


エルフ「この黒チビはいちいちケンカ売ってくるねぇ……喜んで買うよ?」


赤魔「事実を言って何が悪いんだよ。まあ、そっちがその気ならやってやるよ」


盗賊「……」ゴリリッ


エルフ・赤魔「……」びくっ


戦士「(指を鳴らすだけで黙らせるとは……)」
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 23:08:13.22 ID:PBfzYTJCO


戦士「……俺たちはいちいち無駄話が多いな。さて、時計塔に入れないなら別のところを周るしかないか」


銃士「本当に開かないんか?」チャキッ



銃士の『クリティカルショット』!



キィィンッッ!


銃士「あらら、ダメみたいやな」


商人「ダンジョンで力業は大抵ロクなことになりませんよ……」


ブブブゥゥゥーーッッ!


銃士「ほあ?」


銃士に即死トラップ!


銃士「ぬわぁぁーっ!」どがんっ


ぱたりっ


赤魔「大丈夫かよ!?」


銃士<<ちーん……


エルフ「あほー……」

427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 23:11:25.13 ID:PBfzYTJCO

商人「気付薬……」ごそごそ…


盗賊「バカにつける薬なんてないわよ。私が蘇生させるわ」


エルフ「意味が違うと思うんだよね。とにかく蘇生魔法が使えるならよろしく」


盗賊「ええ……はっ」ドスッ



盗賊の『蘇生魔法(物理)』!



銃士「ぅぱぁぁっ!?」



銃士は復活した!



エルフ「えぇ……」


赤魔「相変わらず見事な『蘇生魔法(物理)』だ!」


商人「えぇ……」


銃士「いっだぁぁっ! いっだ……いっだぁぁぁぁっ!」


戦士「……今のは魔法ではないんじゃないか?」


盗賊「魔法(物理)だ」


戦士「……そ、そうか」


銃士「俺の扱いひどぉない……? 世界はもっと優しくあるべきや……」しくしく


赤魔「(わりと自分からいじられにいってるだろ)」


to be continued...
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/23(水) 23:13:52.77 ID:PBfzYTJCO

○戦士メモ

・幻惑の街:20年前までは地理的条件にも恵まれて商業都市として栄えていたそうだが、ある日ダンジョン化した。ダンジョンからの生還者は比較的多いが、軒並み廃人になっていることを考慮すると難易度自体は高いといえる。



○エルフメモ

・横文字:ナウでヤングなエルフちゃんはレターをコラムからローにリプレースだよ.『、』と『。』のサブスティテューションに,カンマとピリオドもユーズしちゃう.

・即死トラップ:銃士は死ぬ。

・魔法(物理):常識を疑え! インスパイア・ザ・ネクスト!
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 23:28:50.96 ID:gAFxSq9A0
即死というより気絶じゃね?
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 02:32:09.85 ID:P5RIR25OO
>>429
だよな即死ならもう完全に亡くなってるわけで物理なんかじゃ蘇らないからね
良くて仮死状態だな物理で蘇るとするならでも即死トラップだし……
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 03:22:17.80 ID:kXiYQ06Io
いや魔法(物理)だから死んでも蘇るでしょ(盲信)
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 04:13:28.34 ID:bu7xo6g+o
即死の基準にもよる
人間は呼吸停止から約10分
心臓停止から約3分は蘇生が間に合う可能性があると言われてるし
蘇生(物理)を使えば余裕で復活よ
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 09:09:34.42 ID:lzrm3t6t0
即死トラップに中途半端に引っかかって即死は免れたとか考え方は色々あるだろ
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 11:01:43.84 ID:NDziW5B9O
いちいちうるせぇな
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 11:29:35.69 ID:Or+0beBSo
今まで読んでなかったのかよ
>>200でも>>343でも死んですぐ生き返るような描写あっただろ

このSSだと死は一種の状態異常で、回復可能な範囲なら蘇生もできる、くらいの認識でいいんじゃないの?
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 14:40:10.16 ID:/WHeZCKPo
ギャグ描写に対してもいちいち突っ込み入れないとダメなのか
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 16:13:42.32 ID:+cyoqbNsO
厨房はNGスルーが基本
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 19:37:32.19 ID:U4cZM/TRO
ガキはさっさと夏休みの宿題やって寝ろよ
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 20:24:37.84 ID:am8TkPjrO
以下ループ
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 20:29:57.80 ID:kwFQ9iL/o
SSに「何故」を求めてはいけない
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/24(木) 22:49:17.66 ID:Sy/R5nYXO

【幻惑の街・商業区跡地】


『ディフェンダー』を手に入れた!


商人「これは『ディフェンダー』ですね。厚みで非常に頑丈なため盾としても機能します。売値は200Gです」


エルフ「高い! 飛竜草と一緒だよ!」


商人「幻惑の街のアイテムは今までのダンジョンに比べると高価なものが多いですね」


盗賊「難易度もかなり高いから、そう簡単にはアイテムが入手できないのが原因だろう」


銃士「需要に対して供給が少ないから価格が上がるんやなぁ」


赤魔「せっかくだから装備するだろ?」


戦士「そうだな……少し重いが俺の戦い方と相性が良さそうだ……」


エルフ「200G剣……」


戦士「ダメか?」


エルフ「……200G分以上に私を守ってよ?」


戦士「ああ」


戦士は『ディフェンダー』を装備した!
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