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エルフ「ダンジョン荒らして金稼ぎ!」戦士「不安しかないが……」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga ]:2017/07/31(月) 19:28:57.60 ID:bFTrrninO
エルフ「絶望的なまでにお金がない」
戦士「は?」
エルフ「財布が薄いってレベルじゃないよ。無一文だよ無一文、たはは」
戦士「おい待て、待て待て」
エルフ「いやあ、今日のご飯どうしようかな? あ、お人好しの戦士さんじゃないですか! 今日これから戦士さんの奢りで一杯どうです!?」
戦士「ちょっと待てちょっと待て。最初に言っとくぞ? ついこの前、一緒にそこそこまとまった額を受け取ったよな?」
エルフ「お金ってね、一瞬にして消えちゃうんですよ……」フゥ…
戦士「……お前、俺への借金を返すつもりはあるのか?」
エルフ「あるある! あと20Gぐらい? ちょっと待っててよ」
戦士「1000Gだ。1Gも返して貰ってないぞ」
エルフ「あはは」
戦士「いや笑いごとじゃねえから。1000Gといったら贅沢しなきゃ三ヶ月は暮らせる額だぞ。こんなことならこの前のうちに取り立てとくべきだった……」
エルフ「戦士は金にうるさいね」
戦士「1000Gなんて大金を貸したら普通はそうだろ……」
エルフ「そんな大金をほとんど素性が知れない他種族相手に貸すんだから、とことんお人好しだよねぇ」
戦士「こんな奴だと知ってたらもう少しは渋ったよ!」
エルフ「まあ、エルフ族にはあげるつもりでお金を貸しなさいって言うし?」
戦士「少なくともお前の言うセリフではないな、それは……」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1501496937
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 19:31:39.36 ID:bFTrrninO
エルフ「そんなにカリカリしないでよ……そんなことよりご飯おごってよ。一昨日から何も食べてないんだよね」
戦士「お前ぇ……」
<<ぐうう……
エルフ「食べ物の話をしたらお腹なっちゃったよ、あはは」
戦士「……はあ。高い物はダメだかんな」
エルフ「いやっほう! 戦士さん、イケメン! 好き好き大好き愛してる!」
戦士「調子のいいやつ……」
エルフ「じゃあ中央区にあるグランドホテルのレストランがいい!」
戦士「一生に一度くらいは上流階級の飯を食ってみたいもんだな。さてど貧困の俺たちは大衆食堂にいくぞ」
エルフ「今日もデザート頼んでいい?」
戦士「遠慮って言葉を知ってるか?」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 19:36:45.32 ID:bFTrrninO
・・・
【大衆食堂】
エルフ「この濃い味付けがいいんだよね。The 不健康! って感じがたまらないよ」
戦士「……そんなことよりどうして無一文なんだ? この前、一緒にサンドワーム倒してそれなりに報奨金を貰っただろ」
エルフ「ギャンブルって怖いよねー。一瞬でお金が……むぎゅっ!?」
戦士「お前……返すもの返さずに博打してたのかよ……?」ぐぐぐ……
エルフ「やめへー! ちゅぶれりゅぅ……!」むぎゅぅ
戦士「賭け事をやる前に返すものは返せ」
エルフ「ほら、ここらで借金をチャラにしようと思い立って賭けトランプで一山当てようと思ったらさぁ……最初は勝ってたのに最後には身ぐるみ剥がされかけたよ、あはは」
戦士「お前、賭けトランプって、まさか酒場の地下にある賭場に行ったのか……?」
エルフ「よく知ってるね。おっぱいの大きいお姉さんと楽しんできたよ……いや、結果的に痛い目見たけど」
戦士「バカ……あそこのディーラーはやべえって聞くぞ。誰も見抜けない天才的なイカサマ師だってな」
エルフ「そうなの? もっと早く教えてよ」
戦士「俺は賭け事とか基本しないからな。お前がギャンブルする奴だとも思ってなかったけどさ」
エルフ「今回が初めてだよ! 次は勝つ!」
戦士「せめて返すものを堅実に返してからにしてくれ……」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 19:42:38.89 ID:bFTrrninO
エルフ「君ってお酒もタバコもやらないけど、冒険者としてどうなの?」
戦士「美味しく感じないんだから別にいいだろ。贅沢する余裕もないしな」
エルフ「見ず知らずのエルフに1000Gも貸しておいてよく言うよ」
戦士「あの時の貯金のほぼ全額だ」
エルフ「……マジでぇ?」
戦士「俺みたいなしがない冒険者にそんなに蓄えがあるわけないだろ」
エルフ「やばいね、お人好しっていうかバカじゃん?」
戦士「よく言われる」
エルフ「なるほどねぇ……ヘルプとしてよくパーティに入れられるわりに定常的な仲間が全然出来ないわけだ」
戦士「うん?」
エルフ「お人好し過ぎて連んでたくないんだよ。見ず知らずの第三者のために死にかねない奴に生命預けたくないでしょ。臨時ならとっても有り難いけどね」
戦士「…………」
エルフ「ははあ、その反応、さては似たようなことをかつて言われたな?」
戦士「ご明察。一年近く一緒にいた奴に同じこと言われて、そのままサヨナラだ」
エルフ「あはは、よく一年も君と組めたもんだよ。尊敬する」
戦士「……俺のことそんなに嫌いか」
エルフ「いやいや、扱いやすいバカは好きだよ」にこっ
戦士「飯奢ってもらっといてよく言うぜ……」
エルフ「どうせ君は怒んないでしょ」
戦士「怒らなくてもしょげるわ……」
エルフ「ごめんごめん」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/31(月) 19:47:05.75 ID:gTUCzhBSO
ホモ展開はよ
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 20:03:44.25 ID:bFTrrninO
undefined
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 20:24:39.19 ID:bFTrrninO
エルフ「しかしどうやってお金を稼ごうかねぇ……養ってくんない?」
戦士「無理だな」すぱっ
エルフ「うは、即答……稼ぎの少ない根無し草な冒険者さまにそんな経済力ないよねぇ」
戦士「お前は呼吸するように俺を蔑むな」
エルフ「仕方ないからダンジョンでも潜っとくかいな。ちょい付き合って」
戦士「また『魔物の洞穴』だよな」
エルフ「うんにゃ、あそこは敵もショボいけどアイテムもショボいじゃん。簡単に手に入るアイテムを10個売っても1Gになるかならないかって感じ」
戦士「仕方ないだろ。罠がなくて魔物が弱いのはあそこだけらしいからな」
エルフ「それなんだよー! おかげであそこで取れるアイテムは供給過多で買値はゼロに等しいか、売れる数量が規制されてるか、売買そのものが規制されてるかだもん」
戦士「なんで規制があるんだろうな」
エルフ「冒険者なのに知らない知らないの? ムカついたから調べたんだよ。例えば『冒険者の服』。『魔物の洞穴』でめっちゃよく取れるじゃん?」
戦士「この前も5着も手に入れたな……」
エルフ「そんな感じで『冒険者の服』がたくさん取れ過ぎるせいでほぼ無料で流通される状態。そのせいで大衆向けの衣料産業はボロボロだったらしいよ」
戦士「安くて質のいいものあったらみんなそれ買うわな。あれ、かなり質がいいかはな」
エルフ「それで既存産業を保護するために国が『魔物の洞穴』で取れるアイテムの流通規制や数量規制に入ったわけよ」
戦士「ああ、なるほど……」
エルフ「規制が入るまで街中で『冒険者の服』を着てる人だらけだよ。こうしてダンジョンのせいで職にあぶれた労働者がダンジョン冒険者となるんだね」
戦士「ダンジョン冒険者が増え続けるわけだ」
エルフ「死人もね」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 20:33:38.29 ID:bFTrrninO
戦士「しかし、なんであんなにたくさんのアイテムが出て来るんだろうな」
エルフ「魔物についても言えるよね。全く減らないし、むしろますます増えているって話だよ」
戦士「らしいな。どうなってるんだか」
エルフ「ダンジョン冒険者なのに何も知らないんだねぇ。初心者の私以下じゃん?」
戦士「本職はダンジョン冒険者じゃないからな……あれに本職も何もないか」
エルフ「何? 無職なの?」
戦士「敢えて言うなら傭兵だ。一緒に暴れてるサンドワーム倒しただろ」
エルフ「無職だ」
戦士「無職いうな……」
エルフ「とにかく明日は『不帰の虚』に行こう」
戦士「待て。待て待て。どうして最難関に挑む」
エルフ「だって『魔物の洞穴』の次に近いじゃん」
戦士「いや近いけど死んだら元も子もないだろ」
エルフ「行ける行ける。私たちなら行けるよ」
戦士「『不帰の虚』の名は伊達じゃないからな? お前、8つのダンジョンの中で唯一つ生還者が誰もいないダンジョンだぞ? ダンジョン冒険者じゃなくてもあそこはヤバいって認識だぞ」
エルフ「んもう、じゃあどうしろと?」
戦士「『魔物の洞穴』じゃなく、俺たち二人で大丈夫なのは……『飛竜の塔』はどうだろう? 飛竜にさえ気を付ければ魔物自体は弱くて、アイテムの質は洞穴よりもいい……らしい。実際に行ったことはない」
エルフ「オッケー。じゃあ、君の提案だし君がリーダーね。ヘルプで入ってあげるから旅費とかよろしく。仕方ないなぁ……」にやにや
戦士「はあ!? ……あ、お前最初からそのつもりで……!」
エルフ「ふっふっーん、デザートもごちそうさま♪」
戦士「食えないやつ……」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 20:41:33.11 ID:bFTrrninO
・・・
【飛竜の塔】
戦士「やっと着いたか。そこそこ遠いよな」
エルフ「そうだねぇ……わりと魔物も漏れ出てたし帰りも面倒だね」もぐもぐ…
戦士「何を食ってんだ?」
エルフ「『桃のかんづめ』。早速アイテムが落ちてた」
戦士「ここのアイテムか……というか躊躇いなく拾い食いするなよ」
エルフ「お腹すいちゃってさ。最近はやりのRPGゲームでいえばHP回復だよ」
戦士「……戦う前からHP減ってる前提かよ」
エルフ「お腹減ったら体力も減るよ。よし、ずっと帰りたい気分だったけどやる気出てきた!」
戦士「帰りたかったのかよ!」
エルフ「さって、このゴツい塔を登って行きますか」
戦士「……塔の内部には飛竜は入ってこないって噂だし、中の方がここより安全だろ」
エルフ「そうだねー。よっしゃー! お金を稼ぐぞー!」
戦士「おー」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 20:44:07.85 ID:bFTrrninO
・・・
飛竜の塔1F
エルフ「しかし、変わった建物だよねぇ。今の建築技術じゃないよね、これ」
戦士「ダンジョンたちは20年前に突然現れたらしいからな。この辺りは昔は何もない丘だったみたいだが、今じゃ魔物と冒険者の巣窟だ」
エルフ「お陰様でこうして稼がせてもらえるわけだけどねぇ。まだろくに稼いでないけど」
戦士「一緒に現れた魔物のお陰で俺みたいな戦うことしか能のないやつでもそこそこ食っていけるからな」
エルフは『桃のかんづめ』を手に入れた!
エルフ「かんづめの宝庫だねぇ」もぐもぐ…
戦士「また自家消費すんのかよ。……まあ、かんづめも買値は100個で1Gとからしいしいいけどな」
エルフ「ダンジョンの出現で真に肥えるはダンジョン商人だよねぇ」もぐもぐ
戦士「ダンジョン商人で成功してる奴は大抵他の商売やっても成功しそうだがな」
エルフ「まあ、そうかも」
戦士は『桃のかんづめ』を手に入れた!
戦士「本当によく『桃のかんづめ』が手に入るな……」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 20:48:15.96 ID:bFTrrninO
戦士「お? なんだこれ?」
戦士は『ステータス解析マシン』を手に入れた!
戦士「なんだこれ?」
エルフ「なになに、金目のもの?」
戦士「さあ? 初めて見るもんだな」カチッ
解析マシン<<ピピッ
戦士「うおっ?」
解析マシン<<ピロンッ
・戦士
HP:5000
こうげき:400
まほう:0
ぼうぎょ:900
すばやさ:300
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 20:51:01.67 ID:bFTrrninO
戦士「……?」
エルフ「戦闘能力を表す数字とかかな? ぷぷっ、まほう0じゃん、本当に魔法の才能が欠片もないんだね」
戦士「……別に魔法使えなくてもいいからな」
エルフ「拗ねてるぅ」
戦士「……お前も測れよ」
エルフ「や、やめとく」
戦士「バカにしたんだから測れよ」
エルフ「いやですぅー」すすす…
戦士「お、これで距離が離れてるやつも測れるっぽい」カチッ
エルフ「げっ」
解析マシン<<カシャッ……ピピッ
エルフ「ま、まあ私ならいい結果に決まってるよ!」
戦士「それはどうかな……これでお前がめちゃくちゃ高かったら俺が辛いけどな」
解析マシン<<ピロンッ
エルフ「……」どきどき…
・エルフ
HP:1500
こうげき:600
まほう:600
ぼうぎょ:100
すばやさ:600
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 20:54:40.08 ID:bFTrrninO
エルフ「……私の方が優秀!」
戦士「むむ……」
エルフ「やーい、前衛職のくせに攻撃力ひくーい!」
戦士「ぐ……いや待て、お前は貧弱すぎだろ。HPとぼうぎょを見ろよ」
エルフ「当たらなければどうということはないんですぅー、攻撃される前に倒せばいいんですぅー」
戦士「だが不意打ちを食らったりしたらだな……まあ、いい」
エルフ「ま、これからはエルフさまと呼んでもいいよ」
戦士「そもそも基準値が分からんから何とも言えないだろ。平均が1000とかだったらお互いただの小物だろ」
エルフ「他に冒険者がいればコッソリ測れるんだけどね。何にせよ魔法が0は底辺オブ底辺だけどね! あはは」
戦士「放っとけ……」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 20:57:29.93 ID:bFTrrninO
・・・
飛竜の塔2F
エルフ「おっかしいな……」
戦士「ん?」
エルフ「あまりにも人が居なすぎじゃない? 『魔物の洞穴』よりは魔物が強いけど、そこまでじゃないし……これは流石に変なんじゃ?」
戦士「……確かに不思議だな。結構賑わってるダンジョンって聞くが」
エルフ「……いやな予感がするし一旦引き返すのもありかもね」
戦士「そうだな。飛竜は塔の内部には入ってこないって話が変わってたりしたら一大事だ」
<<グルル……
エルフ「げっ……まさか飛竜……?」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 21:02:23.11 ID:bFTrrninO
タワーキマイラ「グォォォッッ!」
タワーキマイラが出現!
戦士「……飛竜ではないみたいだが、こいつも大物だぞ。おかしいな、こんな奴がいたら話題になるだろ」
エルフ「……なるほど。コイツが最近現れたから、みんな近寄らないんじゃないかな……情報収集って大事だね」
戦士「本当にな……後悔は先に立たないんだよなぁ」
エルフ「君らしくないなぁ。するのは後悔じゃなくて反省だよ」スッ
戦士「そうだな。コイツを倒してから反省するか」チャキッ
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 21:05:38.31 ID:bFTrrninO
エルフ「飛ばしていこー!」タンッ
エルフは杖の先に魔力を溜める!
戦士「おい、一人で突っ込むな!」ダダッ
エルフ「醜い怪物さん、炎をお一つ食べなさいな!」ググッ
エルフの『爆杖殴打』!
タワーキマイラはよろめいている!
エルフ「それ、もういっぱ……っ!?」
タワーキマイラの反撃!
戦士はエルフを庇った!
戦士「紙装甲のくせに無茶すんな!」
エルフ「ごめんごめん……もう一発!」
エルフの『爆杖殴打』!
戦士の攻撃!
タワーキマイラ「グルルルゥゥ……!?」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 21:09:33.55 ID:bFTrrninO
タワーキマイラ「グルォォォ……ッッ!」
タワーキマイラは『氷の息』を吐いた!
戦士はエルフを庇った!
エルフ「電撃の方がお好きかな?」バチチッ……ググッ
エルフの『雷撃打』!
バチィィッッ!!
タワーキマイラ「……ッッ!!?」
タワーキマイラは痺れて動けない!
戦士「でやぁっ!」
戦士の一撃!
クリティカル!
タワーキマイラ<<ブシャッッ…!
タワーキマイラ「グル……」ズサッ…
タワーキマイラを倒した!
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 21:14:32.28 ID:bFTrrninO
戦士「…………ふう。何とかなったな」
エルフ「いいとこ取り……」
戦士「そう言うなよ。別に誰かが見てるわけでもあるまいし」
エルフ「なんだよー、クリティカルとかふざけんなよー、絶対に私の方がダメージ与えてたのにー」
戦士「まあまあ」
エルフ「可愛い武闘派魔法使いエルフちゃんだけでも勝てたのにー」
戦士「ほとんどお前の手柄だよ。機嫌直せって」
エルフ「まあ、分かってるんならいいけどさ。さてと、こいつの部位で売れそうなところはないかな」
戦士「切り替え早いな……角でも貰っておくか。賞金首になってたりしたら報奨金が出るだろ」
エルフ「私たちが何も知らないってことは出現したばっかりだろうし、何もかかってないんじゃない? 」
戦士「……確かにな」
エルフ「放っておけばいずれ付いたかもね。うーん失敗したね」
戦士「まあ、怪我人がこれ以上出る前に倒せたなら良いことだろ」
エルフ「お人好しぃ……」
戦士「噂で聞いてる『飛竜の塔』とは様子が違うし、一旦近くの村まで戻るか」
エルフ「そだね……でもその前にこのフロアだけでも見てこうよ」
戦士「……さっきみたいのが他にいないと良いが」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 21:17:14.67 ID:bFTrrninO
・・・
飛竜の塔2F探索中
戦士「他の魔物はそこまでの強さでもないな。俺一人でも手こずらない」
エルフ「見てよ!」
戦士「お、レアなアイテムでも見つけたか!」
エルフ「激レア! 『みかんのかんづめ』だよ! 」
戦士「かんづめ……」
二人で美味しくいただきました
エルフ「さてと、一旦、戻りますか」
戦士「ああ」
to be continued…
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/31(月) 21:40:48.75 ID:bFTrrninO
○戦士メモ
・エルフ:自称可愛い武闘派魔法使いだそうだ。行き倒れてたところを少し面倒を見てやったらやけにちょっかいをかけてくるようになった。戦闘ではかなり頼りになる。
・ダンジョン:20年前に突然現れた8つの謎の存在。アイテムやら魔物が無限かと思われるくらい取れる。
・魔物の洞穴:8つの中で一番難易度が低いとされるダンジョン。ただしあまりに人が入ってアイテムを取ったためにこのダンジョンのアイテムには金銭的価値がつかない。最奥に鎮座すると言われるボスは未討伐のまま20年が過ぎたとか……まだ生きてんのか?
・冒険者の服:頑丈で肌触りのいい衣服。何故か必ず上下セットであちこち見つかる。ダンジョンはどうなってるんだ。
・不帰の虚:かえらずのうつろ。8つのダンジョンの中で最も難易度が高いとされるが、生還者がいないため難易度は未知数の大穴。『悪い子は不帰の虚に投げ込まれる』が子どもたちの躾の常套句だ。
・飛竜の塔:8つのダンジョンの1つ。拠点の街から少し遠い。巨大な飛竜が山頂に住み着いているという。内部は比較的安全とされているが……?
・ステータス解析マシン:ボタン押したら戦闘に関係ありそうな数字が出てきた。まほう0だと……別に傷付いてない。本当だ。
・タワーキマイラ:そこそこ強敵だったんじゃないか? 俺だけだったらかなりの接戦だったろう。エルフの破壊力はかなりのものだ。
○エルフメモ
・戦士:お人好しの苦労人。お人好しはもはやバカの粋だね。せいぜい私の盾と財布にしてやろう! ……仕方ないからたまには回復もしてあげる。
・グランドホテルのレストラン:ここのフルコースはとても美味しいらしい。いつか戦士の奢りで食べたい。
・桃のかんづめ:美味しい。シロップは戦士に飲ませる。
・みかんのかんづめ:みかんは好きだよ。シロップは戦士に(ry
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/31(月) 21:44:13.16 ID:8aAE8WWno
せっかくステータス測ってんだからそのうち安価コンマ式バトルシステム展開すると面白そう
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/01(火) 07:29:47.65 ID:L2Rf8Wm9O
戦士が糖尿一直線なんですがそれは
あと安価やコンマはたまに笑えもしないレベルでろくでもないことになるから
本当にやる気がないならやらないほうが平和だぞ
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:14:48.15 ID:P/jsgFk+O
【飛竜の村・冒険者の酒場】
マスター「最近は塔に強い魔物が出現したせいでだいぶダンジョン冒険者が減っちまった。うちの景気もだいぶ陰ったね」
エルフ「随分と腑抜けた“冒険者”たちばっかりだね」
マスター「違いねえな」
<<ああん? 嬢ちゃんよぉ、粋がるのは塔二階に巣食ってるバケモンを倒してからにしろよ?
<<違いねえ!
エルフ「典型的な小物たちだ……もはや名前すら必要のないレベルのモブたちだ……」
<<ケンカ売ってんのか!
エルフ「ふっふーん、これが何か分かるかい?」きゅぴーん
<<はあ? なんだその折れたツノは?
<<そんなデカいツノを持つ魔物は塔にいねえぞ
エルフ「これはその噂になってる魔物のツノだよ!」どやっ
ざわっ……
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:19:31.74 ID:wGoGYJXBO
<<ど、どうせハッタリなんだろ! 二人だけであの魔物も倒せるわけがない! それは……ニセモノだ!
<<だ、だよな……結構な冒険者があいつに食い殺されたってのによくそんな冗談が言えるな!
エルフ「む……これで信じられないなら塔に行って死体を見てくればいいじゃん」
戦士「……もしかして俺たちが倒した魔物は別のやつだったのか? 2階にはいなかったが、その時は3階にいたのかもな」
エルフ「ええ……んー、確かにあの魔物はそこまででもなかったかも」
<<はは、そうだろうよ! お前たちにタワーキマイラは倒せねえ!
エルフ・戦士「やっぱ倒したよ」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:20:49.85 ID:wGoGYJXBO
エルフ「引き返して損したぁ……強いのあいつだけかぁ」
戦士「いや……上にまだいるかもしれないな。何せタワーキマイラが現れてから3階に行った奴がいないからな」
エルフ「急に現れたのはタワーキマイラだけじゃないってことか。あり得るね」
戦士「ダンジョン探索はもうやめとくか?」
エルフ「んにゃ。ここの腑抜けた冒険者たちに任せてちゃラチがあかない。エセでもまだ私たちの方がよっぽど“冒険者”だし、飛竜の手前まで行ってみようか」
戦士「お前、かなり肝が据わってるよな」
エルフ「虎穴なんちゃらだよ。入るのは竜の寝ぐらだけどね」
戦士「……まあ、行けるところまで行ってみるか」
マスター「……お前ら気に入ったぜ! 好きなの頼みな! 奢ってやる!」
エルフ「ラッキー♪ りんごジュースで♪」
戦士「お茶くれ」
マスター「酒飲まないのかよ……」
「…………」じー
戦士「ん?」
「…………!」さっ
戦士「?」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:23:12.10 ID:wGoGYJXBO
エルフ「おうおう、ガンつけてなんか用かワレ?」
戦士「なぜケンカを売る」
「い、いや、そんなつもりは…………あの、タワーキマイラ倒したって本当ですよね?」
エルフ「お、分かっちゃう? いやぁ、見る目あるよ、君」
戦士「気分の変わりが恐ろしく早いな」
「僕、商人なんです。あ、ま、まだ見習いなんですけど……」スススッ
エルフ「君みたいなちびっ子が商人ねぇ」
商人「こ、これでももうお酒だって飲める年ですよっ」
エルフ「(まさかの年上……)」
戦士「お前も大概ちびだろ」
エルフ「ああ、わっかんないかー。戦士には私のこの大人の魅力がわっかんないかー」
戦士「よく分からないな。ただの子どもにしか見えない」
エルフ「は?」
商人「あ、あの、隣いいですか?」
戦士「ああ」
エルフ「……」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:26:46.28 ID:wGoGYJXBO
・・・
エルフ「親父さんを説得するために飛竜草をとりたい、ねぇ……」
商人「は、はい。飛竜草を取って来れれば父も僕が商人として独立するのを許してくれると思うんです」
エルフ「飛竜草ってレアなの?」
商人「そ、そうですね。塔の上層でしか取れないんです。心臓病に効く薬の原料になるので価値は高いです」
エルフ「へぇー、借金を返す額を稼ぐのに適してる感じだ?」
商人「しゃ、借金ですか……」
戦士「はやく1000G返してくれ、大人の魅力あふれる魔法使いさんよ」
エルフ「うっさいわ」
商人「あ、そういう……ええと、代金はもちろんお支払い致します。ええと、飛竜草1束の買値は200Gですから……」
エルフ「1束で200G!?」
商人「は、はい」
エルフ「たかが草が200Gとかやばいよ……ぼろい商売見つけたよ」
戦士「200G......結構な大型をそこそこの人数で討伐した際の1人頭か」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/01(火) 21:29:20.98 ID:S8rSVNuoo
酒場の腑抜けた冒険者たちの能力はどんなもんなんかね
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:31:00.99 ID:wGoGYJXBO
商人「あの、その分危険度も高いですから……」
エルフ「別に飛竜と戦わないならあそこの魔物は大丈夫でしょ。もはや私たちにとってあのダンジョンは飛竜の塔じゃない……金の成る塔だよ」
戦士「そんなに甘くないんじゃないか? まあ、いい。過度に期待せずに待っていてくれ」
商人「あ、そ、その……!」
戦士「うん?」
商人「僕もダンジョンについていきます……っ! そうじゃないときっと父は認めてくれません!」
戦士「自分で危ないと言ったばかりだろうに」
商人「そ、そうですけど……っ」
エルフ「強さ的に無理でしょー」カチッ
ステータス解析マシン<<カシャッ……ピピッ……
商人「……なんですかそれ?」
戦士「飛竜の塔で拾ったアイテムだ」
解析マシン<<ピロンッ
・商人
HP:3000
こうげき:20
まほう:10
ぼうぎょ:300
すばやさ:30
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/01(火) 21:32:19.31 ID:jI5PnkxA0
良スレ発見
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:33:08.70 ID:wGoGYJXBO
エルフ「……思ったよりは高かった」
戦士「お前よりも断然しぶといな」
エルフ「あ、当たらなければどうということは……!」
商人「僕の家は飛竜の塔のアイテムを頻繁に扱いますし、他のダンジョンのアイテムについても色々と勉強してますけど初めて見るアイテムです」じー
商人「これは『ステータス解析マシン』ですね。対象の戦闘能力が測れます。ほとんどの魔物にも有効です。売値は……とても価格つけられません。貴重なものですから大事にしてください」
戦士・エルフ「…………」
商人「あ、す、すみません。いつもの癖でつい……」
戦士「あ、ああ……いや……」
エルフ「これは?」つ『桃のかんづめ』
商人「これは『桃のかんづめ』ですね。白桃と黄桃の二種類が詰められています。甘くて美味しいです。売値は100個で1Gです」
エルフ「ほい」つ『冒険者の服』
商人「これは『冒険者の服』ですね。厚手の生地で出来ています。売値はつきません。無料での引き取りになります」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:35:20.58 ID:wGoGYJXBO
エルフ「それじゃあ……」
戦士「分かった分かった。目利きが凄いな」
商人「あ、ありがとうございます。アイテムを見てると無意識になって勝手に喋っちゃうんですよ……よく気持ち悪がられます
戦士「へえ……いや、特別な才能だと思っていいさ」
商人「そ、そう言ってくださる人は初めてです」
エルフ「面白いねぇ……あ、ちなみにマスター」カチッ
マスター「うん?」
解析マシン<<カシャッ……ピピッ……ピロンッ
・マスター
HP100
こうげき:1
まほう:23
ぼうぎょ:50
すばやさ:80
エルフ「ふむ……マスターは足速い?」
マスター「ん? ああ、子どもの頃は村で一番だったね」
エルフ「なるほどなるほど」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:41:46.12 ID:wGoGYJXBO
エルフ「腑抜けたちも測ってみたけど、まあダンジョンに潜ってるだけあってマスターよりは強いか」
戦士「この数値がどれだけ当てになるんだか」
エルフ「さあ? とりあえずこの私がHP覗く総合値で1番だね」どやっ
戦士「はいはい……」
エルフ「あと戦士は頑丈過ぎて気持ち悪い」
戦士「そこは素直に褒めようぜ……」
エルフ「魔物にも使えるらしいから、測ってステータスが高い魔物を避けたりすれば探索に使えそうだね」
戦士「ああ、なるほど」
エルフ「飛竜を測りたいね。どうせならタワーキマイラも測ればよかった」
戦士「そんな余裕はなかっただろ」
商人「そ、それであのダンジョンへの同行は……」
エルフ「ああ、いいよいいよ。……ただし! この肉壁ができるだけ庇ってくれるだろうけど、死んでも自己責任だよ」
戦士「勝手に決めるな……というか肉壁呼ばわりはさすがに傷つくわ!」
商人「え、えっと……」
戦士「……はあ。出来るだけ守ってやるが、絶対の無事は保証できないからな」
商人「あ、ありがとうございます!」
エルフ「お人好しぃ」
戦士「そもそもお前が……まあ、いい」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:46:42.05 ID:wGoGYJXBO
・・・
【飛竜の村・道具屋】
エルフ「あんだけ下手に出てたくせに遅刻なんていい神経してるよ。迎えに来させた分、報奨金割り増しにしてやろうか」イライラッ
戦士「まあまあ、もしかしたら例の父親と揉めてるんじゃないか?」
<<ふざけるなッッ!
商人「な、なんで……っ!」
エルフ「ザッツライだね。やれやれ、黙って行けばいいのに」
戦士「それは卑怯だと思ったんだろ。商人なりに筋を通そうと考えたんだろう」
エルフ「だからって直前に言うのもアレじゃん? それに結果的に面倒ごとになってるじゃん?」
戦士「まあ、そう言ってやるな」
エルフ「甘いなぁ……シロップの飲み過ぎじゃない?」
戦士「飲ませてるのは誰だと……まあ、いい」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:48:29.41 ID:wGoGYJXBO
商人「僕は……僕の力で道を切り開きたいんだ! 父さんの言うことはこれ以上聞いてられない!」
<<勇気と無謀の違いも分からない世間知らずの半人前が一端の口を聞くな! まだまだ未熟なお前に何ができる! だいたいお前は……!
商人「っっ〜〜! ……あ」
戦士<<よっ
エルフ<<やれやれ
商人「もう僕は行くからね! それじゃ!」
<<おい、待て!
商人「お、お恥ずかしいところをお見せしました……」
戦士「いや」
エルフ「うざったい親だねぇ。子の好きにさせろっての」
戦士「別に憎くて言ってるわけじゃないだろ。むしろお前を大事に思って心配してるからあそこまで怒るんじゃないのか」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:49:53.13 ID:wGoGYJXBO
商人「……父の言うことも確かだと思うんです。僕は未熟だし、飛竜草を採るというのも勇気というにはかなり無謀です」
エルフ「1束200G……」
商人「でも……このままじゃダメだと思うんです! 今、無茶だとしても動かなきゃ、一生このままな気がするんです……!」
戦士「……それは俺たちじゃなくて父親に言うことだろう」
商人「でもどうせ父は聞く耳なんて……」
エルフ「親なんて自分の都合を子どもに押し付けて勝手に期待したり失望したり腹立つよねぇ」
戦士「だが……あの父親は商人のことを本当に気にかけてるから……いや、なんでもない」
商人「…………」
エルフ「とにかく200G草を採りに行こう! 死んでも知らないからね!」
商人「っ、は、はい! あと飛竜草です!」
戦士「……俺からあまり離れるなよ」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:51:53.56 ID:wGoGYJXBO
・・・
飛竜の塔3F
商人「ひ、飛竜の塔は10Fまであります……飛竜草は9Fにありますが……そ、その……屋外に突き出てるポイントで飛竜から襲撃を受けかねない地点なので注意が必要です……」
エルフ「げっ……君ぃ、説明不足だよ」
戦士「1束200Gには裏があるわけだ」
商人「ひ、飛竜は1日に何度か回遊しますからその時を狙えばた、多分なんとかなるかと……」
戦士「飛竜が出払ってる隙を見て、採取するんだな。まあ、何とかなるだろ。見つかっても内部に戻れば何とかなりそうだしな。大丈夫だろ」
エルフ「なんかそれフラグにしか聞こえないよ?」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/01(火) 21:55:43.66 ID:wGoGYJXBO
エルフは『妖精の羽』を手に入れた!
エルフ「おっ、『妖精の羽』だ」
戦士「おー」
商人「これは『妖精の羽』です。口当たりが良くてほのかな甘みがあります。売値は1Gです」
エルフ「美味しいよね、妖精の羽。かすかに甘くて爽やかな味。口に含んでると溶けていって雪解けを思わせる。いやぁ、春を感じるよね。さすが妖精の羽」
戦士「……うん?」
商人「えっと……」
エルフ「……どうかした?」
戦士「妖精の羽って……ええっと知ってるよな?」
エルフ「は? 何が? ああ……妖精から羽を取るって残酷だ的な話? まあ、確かに可哀想かもだけど美味しいからねぇ」
商人「え、ええっと……それはあくまでそういう名前のお菓子で、その、別に本物の妖精は関係ないです」
エルフ「はは、何それ。面白い冗談だね」
戦士・商人「…………」
エルフ「…………」
戦士「お前……」
エルフ「し、知ってたしー! 超知ってたしー! 妖精の羽はただのお菓子だって知ってたしー! さっきのエルフ族の定番ジョークだしー!」
戦士「ドヤ顔で雪解けをなんちゃらと……」
エルフ<<ベシィッ! ベシィッ!
戦士「照れ隠しで叩くな!」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 21:58:17.30 ID:wGoGYJXBO
・・・
飛竜の塔4F
エルフ「戦士が私から春を奪っていった……」バシィッ!
戦士「変な言い方をするな!」ザクッ!
エルフ「はあ、私可哀想だわー、私超可哀想だわー」バシィッ! バシィ!
商人「(本当に可哀想なのは八つ当たり込みでしばかれる魔物たちかも……というかこの人たち本当に強い……)」
戦士は『ショートソード』を手に入れた!
戦士「……今使ってるのよりも性能が良さそうだな。……見た所、不良もなさそうだし新品そのものだ。武器を替えるか」
商人「これは『ショートソード』ですね。小振りで扱いやすい刀剣です。売値は3Gです」
エルフ「ダンジョンのアイテムって基本的に価値低すぎだよね……」
戦士「まあ、そんなもんだ。一攫千金も楽じゃない」
商人「あ、どうせなら捨てずに私が買い取りましょうか。支払いは後になりますが」
戦士「いいのか?」
商人「に、逃げ足と荷物持ちには相当の自負があります。あと目利きですかね」
エルフ「ダンジョン商人の才能ありすぎじゃない?」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 22:02:16.51 ID:wGoGYJXBO
エルフは『天然クーラーボックス』を見つけた!
エルフ「こ、これはあの噂の……!」
エルフは『アイスクリーム』を手に入れた!
エルフ「きたー!」
戦士「おっ、アイスクリーム」
エルフ「ふふふ、私たちはダンジョンでしか食べられない高級品だよ。やっぱり食べ物が大量に落ちてるダンジョンにはマイ食器と消毒薬が必須だね」もっもっ…
戦士「お前、食ってばかりだな」
商人「これは『アイスクリーム』ですね。濃厚なミルクの味わいが口に広がる逸品です。売値は25Gです」
エルフ「高い!?」もっもっ…
商人「どうしても輸送に多額のコストがかかってしまいますから。天然クーラーボックスも一度開けるともう機能しませんから」
エルフ「ほんとアイスクリームは冒険者の特権だよね」
戦士「ちょうど3つか。空気の読めるボックスだな」
エルフ「ほんとほんと。私に三食分も渡すなんて気が利いてるよね」
戦士「独占する気なのかよ!?」
三人で仲良く食べました
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 22:05:50.44 ID:wGoGYJXBO
・・・
飛竜の塔5F
エルフ「頭キーンってした……」
戦士「アイスクリーム……狡猾なトラップだったのか……」
商人「一気に食べ過ぎたからですよ……」
エルフ「それにしても順調だねぇ。魔物も『魔物の洞穴』と大差ないし」
戦士「骨のありそうなのはタワーキマイラくらいだったか」
商人「お、お二人が強過ぎるんですよ……」
エルフ「まあ、それほどでもあるかな。私は天才だからね」
戦士「運がいいだけだ」
商人「は、はあ……」
エルフ「……む?」
<<ユラユラッ
戦士「弱くはない……な」カチッ……ピピッ
解析マシン<<ピロンッ
・ゾンビ剣士
HP:8000
こうげき1000
まほう0
ぼうぎょ0
すばやさ100
戦士「……エルフ、絶対に攻撃食らうなよ。商人、もう少し下がれ」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 22:11:58.09 ID:wGoGYJXBO
エルフ「ここは短期決戦!」
エルフは杖の先に魔力を集中させた!
エルフ「死に切れなかった可哀想な君に炎はいかが!?」ググッ……
エルフの『爆杖殴打』!
ゾンビ剣士<<ググッ…
エルフ「(む、怯まないね……ッ)」
ゾンビ剣士の攻撃!
戦士はエルフを庇った!
戦士「(っ、重いなッ……衝撃は殺しきれないか……ッ)」ビリッ…
戦士「だらぁっ!」ザンッ!
戦士の攻撃!
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 22:14:41.48 ID:wGoGYJXBO
エルフ「炎と共に踊れや踊れ!」
エルフの『炎舞乱打』!
ゾンビ剣士<<ジュゥゥゥゥゥ……スッ…ズバッ!
ゾンビ剣士の『薙ぎ払い』!
エルフ「いっ!?」
戦士はエルフを庇った!
戦士「ぐぅぅ……っ! エルフ! 決めろ!」
エルフ「……かっ飛ばす! 灰になれ!」ググッ……ガキイッッ!
エルフの『滅撃・炎』!
ゾンビ剣士<<バシュゥゥ……!
ゾンビ剣士を倒した!
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 22:16:47.85 ID:wGoGYJXBO
エルフ「……はふぅ」
戦士「飛竜の塔も中々きついな……」
商人「し、知りませんよあんな魔物……あ、あんな強さの魔物が出てきたら話題になるはず……」
エルフ「タワーキマイラといい何か塔に異変でも起きてるのかな?」
戦士「勘弁して欲しいぜ……こんな強さのやつらが外をうろつき始めたら結構やばいな」
エルフ「うーん……」
商人「……飛竜草の採取は思っていた以上に難しいのかもしれません」
エルフ「なんか割りに合わない気がしてきた……いやでも5束以上ゲットできたら……グランドホテルのレストランで……」
戦士「まず俺への借金を返せよ」
エルフ「さあ、探索探索!」
戦士「強いのがまだいるかもしれない。ここからはより慎重に行くぞ」
商人「は、はい……!」
to be continued...
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/01(火) 22:19:23.42 ID:xpoReYOfo
くっ……
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/01(火) 22:34:01.93 ID:wGoGYJXBO
○戦士メモ
・魔物:ダンジョンと共に現れたの異形の怪物たち。強さや危険度はピンキリだ。俺はコイツを狩るのが本職のつもりでいる。しかしダンジョンの近くで現れることがほとんどだ。
・飛竜の村:少し肌寒い土地にある村だ。特産品はりんごしかなかったが、ここ20年はダンジョンの中継地として栄えた。
・タワーキマイラのツノ:結構な大物のツノだし、タワーキマイラと分からなくてもそれなりに泊が付きそうな逸品だ。
・飲酒:俺たちの国では16歳から。余談だが法や文化の違いは諍いの原因になりやすい。お互いの背景や前提を理解し共有することで初めて人と人の繋がりは潤うだろう。
・道具屋:冒険に必要なものを買うのによる。この村の道具屋の一押しアイテムは銀の鎧だ。素材が銀である必要性はあるのか?
・ゾンビ剣士:厄介な敵だった。俺一人では負けていたかもしれない。エルフの火力は大したものだ。
○エルフメモ
・商人:目利きは大したものだけどおどおどしてる。そんな態度だから父親から修行に出してもらえないんじゃないの?
・飛竜草:心臓病に効く薬の原料だってさ。その買値は……1束200G!? 美味しいものがいっぱい食べられる……グランドホテルのレストランはスープ1杯で400G……2束でスープ1杯…あれ、ショボい?
・商人の父:子どもに対する心配だのは時として傲慢だし独善だ。ああいう親は大嫌いだ。
・妖精の羽:戦士が私から春を奪っていった。許さじ……!
・爆杖殴打:無属性の爆発魔法を杖に乗せて叩きつけるよ。相手の動きをよく止めるナイスな一撃。
・雷撃:ビリビリくるナイスな技。
・炎舞乱打:ふぁいあー! 変な口上や技名を叫んだりするのは何故かって? 楽しいからさ。
・滅撃(炎):炎魔法を乗せて全力で相手をスマッシュするよ。私の必殺技の一つだけど、隙が大きいから注意が必要。
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/02(水) 00:16:42.33 ID:R6T43BXTo
乙
エルフは杖から魔法飛ばすんじゃなくて基本殴ってるのか
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 21:47:52.61 ID:wrjX67MoO
・・・
飛竜の塔6F
エルフは『色紙粘土』を手に入れた!
エルフ「……なにこれ?」
商人「これは『色紙粘土』ですね。鮮やかな各種の紙粘土の詰め合わせで美術品の材料として用いられます。売値は2個で1Gです」
エルフ「……ダンジョンのアイテムって変なのも多いよね」
戦士「なんで、こんなにアイテムが落ちてるんだ?」
商人「なんでなんでしょうね……色々と仮説はありますけど、確証はないですね」
戦士「そういうのは研究者に任せておこう」
商人「国立研究所が調査はしているようですがあまり目ぼしい成果はないみたいですよ」
戦士「俺らにはなおさら分からないな」
エルフ「戦士は頭の中まで筋肉ぎっしりだもんね」
戦士「頑丈だと褒められてると受け取っておく」
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 21:49:38.58 ID:wrjX67MoO
エルフ「これもしかして飛竜草!?」
商人「これは『ブラッドジギタリス』です。全草に神経に作用する猛毒があり極めて危険な植物ですが麻酔の原料になります。売値は10Gです」
エルフ「あ、違うんだ。でも結構いい値段で売れるんだね! あっちにたくさんあったから集めよ……」くらっ
戦士「おいっ!?」
商人「あ……『ブラッドジギタリス』の毒に当てられたみたいですね……少し待てば多分回復するはずです」
戦士「アイテムも危険だな……」
エルフ「うう……気持ち悪い……」
戦士「もう少しこの紫の花から離れるぞ」
商人「せっかくですから回収していきます。気を付けて持ち運べば大丈夫です」
戦士「お前、結構たくましいな……」
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 21:51:34.83 ID:wrjX67MoO
・・・
飛竜の塔7F
エルフ「酷い目にあった……それにしてもかなり登ってきたね。どうせなら景色見たいけど」
戦士「そうだな。飛竜がいなけりゃそれもいいが」
エルフ「うざったいなぁ……飛竜倒しちゃう?」
戦士「ダンジョンのボスは別格に強いらしいぞ。できればステータスだけでも測定したいがな」
商人「ひ、飛竜は塔の近くに寄らなければ人を襲うことはありませんが……多くの飛竜に出くわした冒険者が食い殺されたとのことです……冒険者の死因のほとんどが飛竜のようです」
エルフ「怖い怖い」
戦士「縄張りを荒らされるのが嫌なんだろうな」
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 21:54:23.40 ID:wrjX67MoO
戦士は『ウインドシールド』を手に入れた!
戦士「盾か」
商人「これは『ウインドシールド』です。風の精霊の加護がかかっています。売値は10Gです」
エルフ「風の精霊舐められすぎ!」
戦士「精霊の加護が10Gで買い叩かれる時代か……」
商人「い、いっぱい手に入りますから……」
戦士「今使ってる『木の盾』よりは使えそうだな」
戦士は『ウインドシールド』を装備した!
エルフ「そんなしょっぱい装備使ってたの? 戦士に守りを任せるの不安になるんだけど」
戦士「今までだって上手くやってただろ」
エルフ「これからもちゃんと壁になってよ」
戦士「へいへい……」
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 21:57:24.98 ID:wrjX67MoO
エルフは『魔法使いの杖』を手に入れた!
エルフ「杖だ」
商人「これは『魔法使いの杖』です。売値は2Gです特別な魔力はこもっていませんが頑丈で魔力の伝導に優れています。」
エルフ「ふうん。ストックになるかな。戦士」
戦士「はいはい」
商人「そういえば、どうして魔法使いなのに近接攻撃を?」
エルフ「可愛い武闘派魔法使いだからね!」
戦士「杖の先以上に魔法を離れて扱えないだけだろ」
エルフ「うぐっ……」
戦士「不器用なりの戦い方だよな」
エルフ「はいはい、そうだよそうですよ私は不器用ですよ。あっ、戦士さんそろそろ疲れたよね! 回復してあげる!」バキィッ!
戦士「いでえっ!?」
戦士は回復した!(同時に少しダメージを負った)
エルフ「ごっめーん、不器用だから回復魔法の時は殴っちゃうんだよねっ!」
戦士「別に押し当てるだけでもいいだろ……悪かったよ」
エルフ「とまあ、こんな感じで杖の消費が激しいんだよね。すぐ折れちゃうから」
商人「な、なるほど……」
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 21:59:13.74 ID:wrjX67MoO
・・・
飛竜の塔8F
エルフ「うん? 扉だ……鍵がかかってるよ」ガチャガチャッ
商人「あ、こ、ここは開けられる度に新しい扉と鍵が生成されるらしいです」
戦士「鍵は?」
商人「こ、この階のどこかにあるはずです。階から鍵を移動すると消滅して、また新しい扉と鍵が生成されるらしいです」
エルフ「め、めんどくさ……」
エルフは『土下座教本』を手に入れた!
エルフは『靴の底』を手に入れた!
エルフは『消臭ハンガー』を手に入れた!
戦士は『共産主義のススメ』を手に入れた!
戦士は『水筒の蓋』を手に入れた!
戦士は『白シャツ』を手に入れた!
エルフ「鍵は落ちてない……というかガラクタが多い!」
商人「フロアはかなり広いですけどほとんど調べたと思うんですけどね」
戦士「ははは、この土下座の本、面白いな。焼き土下座だってよ」
商人「響きが穏やかじゃないんですが……」
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 22:00:36.32 ID:wrjX67MoO
エルフ「……あれ、あの棚の上にあるのは便箋?」ペラッ
戦士「おっ?」
エルフ「んしょ……」よじよじ
戦士「気を付けろよ」
エルフ「よっ……取れた取れた」
商人「鍵のヒントでしょうか」
エルフ「どれどれ……」
便箋<<あほーが、見ィーるゥー
エルフ「ふんっ!」バシッ
戦士「落ち着け」
商人「おや、紙がくっついているようですよ?」ペリッ
便箋<<扉前の右壁を調べろ
戦士「……ふむ」
エルフ「どうせ罠だよ。かー、ムカつく」
戦士「罠かもしれんが、他に見るところもないだろ」
商人「そうですね……」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 22:02:29.92 ID:wrjX67MoO
戦士「……ここだけ壁が紙張りだな」
エルフ「めくれるじゃん」ペリッ
商人「あ、鍵です!」
戦士は『扉の鍵』を手に入れた!
戦士「これで上に行けるか」
エルフ「実は偽物であほーが見ィーるゥーだったら腹立つね」
商人「これは『扉の鍵』です。飛竜の塔8階の扉を開けることができます。一度使うと失われます。売ることはできません」
エルフ「……マジでぇ?」
戦士は扉の鍵を使った!
ガチャッ……ギィィィ……ッッ
戦士「開いたな」
エルフ「開くのか……いいけどさぁ……なんだかなぁ」
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 22:05:08.65 ID:wrjX67MoO
・・・
飛竜の塔9F
エルフ「さて200G草! 200G草はどこ!?」ズカズカッ
商人「飛竜草ですっ!」
戦士「そんなにいきり立って進むなよ……っと!」
タワーキマイラ<<グルルル……
戦士「またタワーキマイラか」
エルフ「他にもいたんだ。また倒すけどね」
商人「ま、待ってください!」
<<グルルル…
<<グルル…
<<グル……
エルフ「……何体いるの?」
戦士「……ゾンビ剣士もかなりいるぞ」
商人「か、かか、囲まれていますよ……っ!」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 22:08:02.76 ID:wrjX67MoO
<<グォォォッッ
エルフ「(下への階段へ続くルートを覆うように集団が固まってる……これじゃ退却できない……!)」
戦士「…………合図と共に右に走れ」
エルフ「(右は……テラス? 飛竜も現れる最悪のポイントじゃん。何考えてんの? 血迷った?)」チラッ
戦士「…………」
エルフ「……おっけ」
<<グルルル……
戦士「……今だ!」
戦士たちはテラスへと駆け出した!
戦士「走れ!」パシッ
商人「あわわわ……!」
タワーキマイラの攻撃!
戦士は商人を庇った!
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 22:10:56.63 ID:wrjX67MoO
<<グォォォォォォッッ!
エルフ「邪! 魔!」
エルフは杖の先に魔力を集める!
エルフの『爆杖殴打』!
エルフ「怯んでる! こいつの下をくぐって!」するっ
戦士「うぉぉぉっ!」ズザザッ
商人「んびゃぁぁあああ……っっ!」
<<グルルルゥゥッッ!?
戦士「ケツいってぇ……!」ヒリヒリ…
エルフ「生き残っても痔に悶えるね!」
戦士「死ぬよりはマシだろ!」ダッ
商人「あばばばばば……」
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 22:13:34.79 ID:wrjX67MoO
エルフ「よし、テラス! どうするの!?」
戦士「飛び降りる!」
エルフ「ここ9階!」
戦士「戦うよりかはよっぽど生存率が高い! 捕まれ!」
エルフ「……っ」
商人「……嘘」
飛竜「ギュルォォォォッッッ!!」
飛竜が出現!
エルフ「さ、最悪だぁ……」
戦士「飛び降りても喰われるか……! くそ……!」
飛竜の攻撃!
エルフ「ッ……!」
タワーキマイラ<<グォォォッッ!?
タワーキマイラを倒した!
エルフ「……え?」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 22:21:36.39 ID:wrjX67MoO
飛竜の攻撃! 飛竜の攻撃! 飛竜の攻撃! 飛竜の攻撃!
タワーキマイラを倒した! タワーキマイラを倒した! ゾンビ剣士の群れを倒した! ゾンビ剣士の群れを倒した!
タワーキマイラ<<グルルル……
タワーキマイラたちは塔の奥へと逃げていった!
飛竜「ギュゥゥッッ…………」
戦士「なんだ、味方か?」
飛竜「…………」ギロッ
戦士「……ッッ!」バッ
飛竜の攻撃!
戦士はエルフを庇った!
戦士「ぐふっ……!」
飛竜の攻撃!
戦士は商人を庇った!
戦士「ッッ……!」
飛竜「……ギュル……ッッ」ズキキッッ
エルフ「こんのデカトカゲェっ!」ダッ
飛竜「……」バサァッ
エルフ「ぬみゃぁっ!?」よろっ
飛竜は塔の上へと飛び立って行った!
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/02(水) 22:24:12.80 ID:wrjX67MoO
エルフ「…………」
戦士「た、たすかったのか……?」ゼェゼェ…
商人「だ、大丈夫ですか?」
戦士「ああ……丈夫な身体に産んでくれた母ちゃんに感謝だな……」はぁはぁ…
エルフ「……あのデカトカゲ、深い傷を負ってたよ。多分、咬み傷……しかもデカい」
戦士「……タワーキマイラか? 魔物同士で争ってるのか?」ふぅ……
商人「そ、そんな話は聞いたことありませんけど……」
エルフ「タワーキマイラもゾンビ剣士もダンジョンに最近現れたみたいだよね? いつもと勝手が違うのかも……?」
<<ギュルォォォッッ!!
「「「!!」」」
戦士「飛竜の咆哮か?」
エルフ「かなり苦しんでるみたいだね……あの咬み傷、相当強い魔物が他にもいて争ってるのかな?」
戦士「…………」
エルフ「あ、その表情……」
戦士「この塔を下るだけならお前たちだけでも大丈夫だな?」
商人「えっ?」
62 :
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[saga]:2017/08/02(水) 22:27:48.03 ID:wrjX67MoO
戦士「少しだけ頂上を見てくる。すぐ戻るが待たなくていい」
エルフ「なんなのなんなの? 情けの対象は人間以外も含まれるの?」
戦士「……そんなつもりはねえよ」
エルフ「……そんなつもりじゃん、バカだバカ。はー、君とパーティを1年も組んでた奴はすごいよホント」
戦士「……そうだな。商人、今回は飛竜草は諦めてくれ」
商人「……」
エルフ「ウェイウェイ。一人で行かせないよ?」
戦士「ん?」
エルフ「私だけでタワーキマイラかゾンビ剣士と会ったら死んじゃうじゃん。ここは生存率を上げるために仕方なく同行してあげるよ。今回は君のヘルプだしね」
戦士「別に無理しなくていい。商人もいる」
エルフ「うるさい! だったら行くのやめろよ!」
戦士「……」
商人「あ、あの……僕も飛竜草、諦めたくないです。頂上なら間違いなく生えてるでしょうし」
戦士「いや、お前……」
エルフ「行くならさっさとしろよ! またキマイラとゾンビが集まるでしょ!」
戦士「……後悔すんなよ」
63 :
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[saga]:2017/08/02(水) 22:39:23.10 ID:wrjX67MoO
・・・
飛竜の塔頂上
商人「うっ、一際血生臭い……」
エルフ「……うわ、死体の山っ」
戦士「タワーキマイラ……いや、塔の中のやつよりも数段デカいから別種のようだな」
飛竜<<ギュルゥゥゥッッ!
キングキマイラ<<ゴオォォォッッッ!
エルフ「やり合ってるね」
エルフ「さらにデカいキマイラだな……加勢するにも激し過ぎて難しい」
商人「……な、なんでしょう、アレ? 空中に黒くて丸い石みたいなのが浮いてます……」
黒石<<コォォォッッーーーー
エルフ「……よく分からないけど不吉な感じだね」
64 :
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[saga]:2017/08/02(水) 22:44:23.38 ID:wrjX67MoO
黒石<<ゴポポポ……!
タワーキマイラ・ゾンビ剣士<<ズルル…
商人「……っ!? あ、あの穴から出てきましたよ!」
エルフ「……新しく出た魔物たちはあの石から出てきたのかな?」
戦士「こんなものは初めて見るな……エルフ、あの石は砕けないか?」
エルフ「さあ……? やってみるけど本当に砕いていいの? このまま飛竜が倒された方がいいんじゃない?」
戦士「飛竜は不用意に塔に近づかなきゃ危害はないが、新種たちはどうか分からない。こんなのが人里をうろついたら、どれだけの犠牲が出るか分からん」
エルフ「飛竜の村なんか滅びるだろうね」
商人「……!」
戦士「……あの黒石を何とかする。その前にまずは出てきたばかりのタワーキマイラとゾンビ剣士だ!」
エルフ「さっさと倒そっ!」ダッ
エルフは杖の先に魔力を集める!
65 :
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[saga]:2017/08/02(水) 22:47:30.19 ID:wrjX67MoO
エルフ「おりゃぁっ!」
エルフの『爆杖殴打』!
タワーキマイラ<<グルルルっ!?
エルフ「いい加減、弱点が分かったよ!」
エルフの『爆杖殴打』!
クリティカル!
タワーキマイラを倒した!
ゾンビ剣士「……!」グッ
戦士の『足払い』!
ゾンビ剣士「!?」ドサッ
戦士「腕っ節はあるがそんだけだ。真っ向からやり合わなきゃステータス以下だな」
戦士の攻撃!
クリティカル!
ゾンビ剣士を倒した!
戦士「エルフ、そっちは頼んだ!」
エルフ「しっかたないなぁ!」
66 :
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[saga]:2017/08/02(水) 22:49:09.95 ID:wrjX67MoO
飛竜「ギュルゥゥッッ!?」ギロッ
戦士「敵じゃない!」
キングキマイラ「ゴオォォォッッッ」
キングキマイラの『引き裂き』!
飛竜「ギュッッ……!」
戦士は飛竜を庇った!
飛竜「……!?」
ガキィィィッッ!
戦士「がああっっ……!」ズサササッ…!
エルフ「飛竜まで庇うのかよ!」
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