【咲SS】京太郎「京太郎アレコレ」【短編集】

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67 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/02(水) 16:56:15.86 ID:V7w1ruH8o
美穂子「分かってるわ! 京太郎くんにはどうしようもないことだって! 分かってるけど、分かってたけど……!」

京太郎「……ごめん」

美穂子「また、京太郎くんに置いて行かれちゃう……って……そう考えたら、怖くて……怖いの……」

トッ、トッ……ぼす

京太郎「え……ね、ねーちゃん?」

美穂子「…………京太郎くん。お願い……他の子なんて好きにならないで……」シュル

京太郎「えっちょ……ま、待って! ねーちゃん、今おかしくなってるって! ゆっくり休もうぜ! なぁ!?」

美穂子「好きなの……好きだったの……。臆病だった私と仲良くしてくれて……私の目を、綺麗って言ってくれた……私、こんなに……」スッ

京太郎「ふ、服脱ぐなってば! 落ち着いて! やばいって!」ジタバタ

美穂子「…………好き…………」フラ……ドサ

京太郎「ちょ……ねーちゃん!? ねーちゃん!」
68 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/02(水) 16:56:42.18 ID:V7w1ruH8o
数時間後

目覚めた私は……全てを覚えていた私は……正気に返った私は……。

美穂子「〜〜〜」ジタバタ

京太郎「あー……気持ちはわかるけど落ち着いて」

美穂子「私はなんてことを…!」

京太郎「……あの……俺の事好き、ってのは……マジなのか?」

美穂子「〜〜〜」///

京太郎「……なんかごめん、こんな風に言いたくなかったよな……本当間が悪すぎた」

美穂子「…………ううん、京太郎くんは悪くないわ。少し熱があったからってあんなことした、私が……ぅぅ……」

京太郎「んー、と……ごめん、ねーちゃん。俺さ、ねーちゃんのことそういう対象としてみてなかった」

美穂子「……あ」

京太郎「あーっと! 勘違いしてそんな絶望した顔にならないでくれ! 見ないようにしてたんだよ! ねーちゃんとは友達のままでいたかったから!」

美穂子「見ないように?」

京太郎「うん。ねーちゃん、昔から可愛かったからさ……そういう対象で見たら、微妙な関係になっちまいそうで嫌だったんだよ」

美穂子「そ、そんな」///

京太郎「だから……ごめん! 少しだけ、時間くれ! ちゃんと告白の返事はするから!」

美穂子「告白!?」

京太郎「あれ!? 違ったの!?」

美穂子「ううん! あれは告白です!」///

京太郎「お、おう! ……まぁ、その……ねーちゃんのこと好きだから、断らないとは思うけど……ねーちゃんのことねーちゃんとして見てる俺が返事するのも違うかなって……なんか上手く言えねーけどさ! そんな感じだから!」

美穂子「う、うん……待ってる、ね?」



69 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/02(水) 16:59:26.61 ID:V7w1ruH8o
次回のお題

【プロ? 幼女?】

キャップって重そうじゃね?
って思いながら書いたらこんなんになった
キャップとイチャイチャしたいだけだったのに
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/02(水) 16:59:30.19 ID:lPrj0DnyO
キャップはやっぱり最高やで
71 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/02(水) 17:00:11.26 ID:V7w1ruH8o
あ、お題間違えた

【プロ? 幼女? NO! 合法ロリ!】

こちらです
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/02(水) 20:59:36.53 ID:IIAX4pRJo
乙〜
キャップといちゃつこうとする度に、池田ァが邪魔しに来そう
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/02(水) 22:01:20.98 ID:DYqxbjH1o
乙です
キャプテンがNo.1
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/02(水) 22:05:30.39 ID:EW6OLAxro
乙だけど
京キャプで幼少期の場面あるならちょこれーとけーきも絡めてほしかった
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/02(水) 23:28:30.83 ID:WYmtb0LO0
イエスは彼らを呼び寄せて、言われた。「あなたがたも知っているとおり、異邦人の支配者たちは彼らを支配し、偉い人たちは彼らの上に権力をふるいます。
あなたがたの間では、そうではありません。あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。
あなたがたの間で人の先に立ちたいと思う者は、あなたがたのしもべになりなさい。
人の子が来たのが、仕えられるためではなく、かえって仕えるためであり、また、多くの人のための、贖いの代価として、自分のいのちを与えるためであるのと同じです」
(マタイ20:25-28)
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/03(木) 21:58:31.23 ID:pxECysTA0
>>66
今更だけど病弱の使い方おかしいぞ
77 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/03(木) 23:09:23.03 ID:jWm8rzPao
病弱とは
弱く、病気にかかりやすいこと。
病気で体が弱ってること。

×「病弱になると〜」
○「病気で弱ると〜」
◎「美穂子はエロ可愛いから〜」

sorry
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/04(金) 10:01:42.53 ID:sp4MQuJP0
乙です。

美穂子の感情の流れを丁寧に追っていった所も良かったし、
優希の話の想いを隠しながらも気安く接しようとする所とか、
勢いで京太郎に迫ったものの、結局照れてしおらしくなる所とか最高でした。



79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/04(金) 11:47:26.77 ID:WX6+xfhh0
>>76
>>1の頭がおかしいから文章もおかしい
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 11:49:45.23 ID:gCpJPKgAO
乙です
81 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/06(日) 21:51:05.79 ID:+2J4G7Aqo
【プロ? 幼女? NO! 合法ロリ!】

京太郎「なぁ、咏さん」

咏「なんだよ?」

京太郎「やっぱりどう考えてもこの体勢はおかしいと思うんだ」

椅子に座る京太郎の膝に座る咏

咏「椅子の癖に喋んじゃねーっての。ほら、手止まってるぜ」

京太郎「大体今日は全国一になった俺のお祝いが目的だったんじゃねーの? 「お前の打牌はまだまだ甘い!」ってなんだよ」カチカチッ

咏「指導するっつったらお前逃げんだろーが」

京太郎「たりめーだろ。女子団体の方も優勝して皆で祝勝会する筈だったんだぜ?」

咏「それが既に間違ってるんだぜ。浮かれんじゃねー、駄目だった部分を家で反省するもんだろーが」

京太郎「健夜さんにコテンパンにされた咏さんが俺に何をしたのか忘れたとは言わせねーぞ」

咏「何言ってんのかわっかんねー」

京太郎「きたねぇ……」
82 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/06(日) 21:51:35.08 ID:+2J4G7Aqo
咏「クソ雑魚だった京太郎を鍛えてやった私に向かって汚いは無いんじゃねーの?」

京太郎「頼んでねぇから! 休みの度にプロの中に引っ張って来やがって! おかげさまで今大会放銃率0%だっつーの! 大人気なくむしりとりやがって!」

咏「良いことじゃねーか。知らんけど」ケラケラ

京太郎「一時期麻雀嫌いになって咏さんからの連絡無視したら、マジギレして部屋に強襲仕掛けてくるし……」

咏「大事な姉貴分シカトしたんだ、そんくらいで済んで軽いもんだろ?」

京太郎「自分で言ってりゃ世話ねーな、ったく……。ほれ、一位抜けだしこれでいいだろ?」ロン

咏「本当生意気になったもんだねぃ……昔は「うたさんうたさん」ってくっついて回ってたってのに」

京太郎「本性知るまでの数日間のことを未だに覚えている咏さんに、感動と軽い目眩を感じるねまったく」

咏「ちょっと強くなったからって調子に乗りやがって。生意気な口は私に土つけてからにしやがれっての」

京太郎「じゃあそうできるように特訓でもしてくるからしばらく家に来ないでくれよな」

咏「そいつは無理な相談だ。ほっとくとすぐ怠けるからな、お前は」

京太郎「怠けねーから。咲とか和とかと勉強するっての」

咏「なら私でも良いじゃねーか」

京太郎「咏さんに教えてもらっても一生咏さんには勝てねぇだろ!」

咏「勝たせねーって言ってんだ!」
83 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/06(日) 21:52:03.45 ID:+2J4G7Aqo
京太郎「これだから小さなジャイアンは……いっててて!!!」

咏「小さいは余計だ!」ギュー!

京太郎「分かったから! はぁ……」

咏「私はな、調子に乗んなって言ってんだ。いろんな奴に囲まれて鼻の下伸ばしてんじゃねーっての」

京太郎「調子にくらい乗らせろよ……優勝だぜ優勝」

咏「お前が優勝なんて世も末だな」

京太郎「チッ……」

咏「あ、舌打ちしたな? マジな感じの舌打ちしたな? それかなり来る奴なんだからな!」

京太郎「なら面倒くさい絡み方すんじゃねーっての……」

咏「チッ、仕方ないな。ところで京太郎、お前さ。卒業したらプロになるつもりはあるのか?」

京太郎「あ? ねーよ、んなもん」

咏「無いのか?」

京太郎「あんな世界に好き好んで飛び込んで行きたいと思わん」

咏「ま、気持ちは分かるけどな。誰もお前をほっとかんと思うぜ。もちろん私もだ」
84 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/06(日) 21:54:27.07 ID:+2J4G7Aqo
京太郎「んだよ、俺は情けない優勝者なんだろ」

咏「拗ねてんのか?」

京太郎「別に」

咏「あのな、今は情けねーかもしれないけど、お前にゃ才能があるんだ。いずれプロとしてやってける才能がな」

京太郎「…………まぁ、そう褒められて悪い気はしないけどさ。やっぱ麻雀はな……やってて楽しいと思えん」

咏「……私のせいなんだろうな」

京太郎「ようやく自覚してくれたか」

グググッ

京太郎「ぎにゃあ!? ごめんごめんごめん痛い!!」

咏「悪かったとは思ってんだよ私だってさ。主に私とすこやんとはやりんのせいでお前は本当に麻雀のこと嫌いになってたし」

京太郎「いてぇ……」

咏「でもさ、私らだって京太郎憎しでやってた訳じゃねーんだ。お前は昔から物覚えが良くて、教えれば教えたぶんだけ上手くなってたから、私たちも楽しかったんだよ」

京太郎「……今ようやく理解した。咏さん、俺のこと止めに来たんだな?」

咏「明日のインタビューにでも引退宣言する気だったんだろ。バレバレだっての」

京太郎「咏さん達に悪意がなかったのはガキの俺でも分かったよ。俺のこと好きなんだな、ってのは伝わってたし。けどさ……」

咏「なんだよ」
85 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/06(日) 21:55:32.86 ID:+2J4G7Aqo
京太郎「10局連続役満大会になってどんな打ち方しても瞬殺された俺の気持ちわかんの? ねぇ?」

咏「お前が弱いのが悪い」

京太郎「これだもんな!」

咏「ってのは冗談だっての! あれも一応意味があったんだよ! 麻雀ってのは時に理不尽なものだってのを教えたくてだな……」

京太郎「少なくとも小学生のガキにやることではねぇんだよなぁ」

咏「流石に反省してちゃんと教えてったろ!」

京太郎「押し付けがましいにも程があるってんだ! なんにせよ俺はもう麻雀はやんねーぞ!」

咏「良いのか? もしそうなったらお前、私の家で住み込みの雑用だぜぃ?」

京太郎「は!? な、なんでだよ!?」

咏「そりゃそーだ。お前唯一の特技でもある麻雀を捨てる……これを聞いたお前の両親はどう思うだろうなぁ?」

京太郎「き、きたねぇ! 喋ったな!?」
86 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/06(日) 21:56:05.10 ID:+2J4G7Aqo
咏「勉強は下の上、麻雀があるからと大目に見てたお母さんはなんて言うのかねぃ……わっかんねー、わっかんねーなぁ」

京太郎「く……」

咏「そこへ早速と私が登場だ。住み込みの雑用をするだけでそこいらの公務員にゃ稼げない給料+三食部屋付き。これ以上ない条件って訳だ」

京太郎「へ、へ! んなもん家を出て自由にやってやんよ!」

咏「あのなぁ……私と、すこやんと、はやりんが。お前を逃がすとでも思ってんのか? そりゃもう凄い追い込みかけるぜぇ?」

京太郎「ヤクザじゃねーか!」

咏「当たり前だ。【私達】に気に入られた時点で詰みって奴だったんだぜぃ」ケラケラ

京太郎「鬼! 悪魔!」

咏「お前さんに他にどうしてもやりたいことがあるってんなら、応援してやるつもりだったけどねぃ。そうでもなさそうだし話は別って訳だ」

京太郎「なんでこんなことに……」

咏「……でもよ、どうしても麻雀やりたくねーんなら、ってことでさっきの……私の付き人って仕事も用意してやったって訳だ」

京太郎「選択肢の幅狭すぎんだよ! っていうか付き人ってなにすんだ……?」

咏「私のマネージャー業、家のこと、基本私に絶対服従」

京太郎「奴隷かよ!?」

咏「自由はないと思いやがれ」

京太郎「ブラックどころの騒ぎじゃない!」
87 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/06(日) 21:56:43.94 ID:+2J4G7Aqo
咏「それぐらい、私はお前を手放したくないってことだ。もちろん夜の相手もしてもらうからな」

京太郎「は? ……おいおい、冗談にしては」

立ちあがり、京太郎の目を真剣に見つめる咏

咏「私は冗談で言ってる訳じゃねー。大マジだ」

京太郎「……みたいだな」

咏「ったく、京太郎の癖に競争相手多すぎんだろ。あちこちの女に手ぇ出しやがって」

京太郎「出してねーよ……つかなんのことだよ……」

咏「すこやんもはやりんも京太郎の好きなところに家建てても良いとか言い出してるしな。とんだ天然タラシ野郎だ」

京太郎「そんなことになってたのかよ……」

咏「そんなわけでだ。どうしても私の手の届く範囲に置いてやる。選べ、京太郎。私と一生を過ごすか、私と一緒に行くか」

京太郎「…………咏さんも俺のことが好きって事だよな?」

咏「…………私は普段はテキトーにしてるけどな。でも、ここで冗談は言わねーぜ。好きだ、京太郎」

京太郎「……分かった、プロにでもなんでもなるよ」

咏「…………」ムッ

京太郎「そんな顔すんなって。正直咏さんのことは、途中ちょっと嫌いだったんだ」

咏「……泣くぞ? 泣いちまうぞ?」

京太郎「当たり前だろ。めちゃくちゃばかりしてたんだから。どんなに頑張っても認めてくんねーし。……うん、そうだ。俺は咏さんに認めてほしかった」

咏「……どういうことだよ?」
88 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/06(日) 21:58:30.60 ID:+2J4G7Aqo
京太郎「優勝したら認めてくれるって、褒めてくれるって……そう思ってたよ。俺は、その為に頑張ってたんだから」ジッ

咏「……。良くやったな、京太郎。まだ甘いところはあったけど、今日のお前は凄かったぜ」

京太郎「もっと早く聞きたかったよ、それ。告白計画丸潰れだからな、先に言われるし」

咏「は?」

京太郎「咏さんに褒められて、ここまで頑張ったのは咏さんに認めてもらいたかったからって言って、そのまま告白。一年間毎日のように考えてた言葉が今日咏さんに会った第一声で木端微塵。本当、あんまりだよな」

咏「………………え、マジ?」

京太郎「マジ。優勝で認められないならってもっと勉強して咏さん倒すつもりだった。バレないようにな」

咏「…………よし、やり直すぞ京太郎。今日という日を」

京太郎「無理」ガッ

咏「え」

チュッ
89 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/06(日) 21:58:58.31 ID:+2J4G7Aqo
京太郎「…………誰かに靡くつもりなんて元々ねーよ。心配し過ぎ。二年前から咏さん一筋だっての」

咏「………………言えよ! 言えよな! ここまで、手回して……準備してた私が馬鹿みたいじゃねーか!」

京太郎「事実馬鹿だろ。一人の男にここまですんだから。……嬉しいけどさ」

咏「……くそ……なんだよ、恥さらしただけじゃねーか……」///

京太郎「でだ。今まで好き勝手やられたお返しだ……もう我慢しねーぞ? 夜の相手させるって言ったんだ、覚悟はとっくに出来てんだろ」

咏「え、ちょ、い、今!?」

京太郎「当たり前だ」ガバッ

咏「ま、ストーーー」



90 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/06(日) 22:09:21.14 ID:+2J4G7Aqo
次回のお題

【龍門渕 京太郎】

どうオチ着けようかと少しかかった
次回は少しだけシリアス
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 23:10:03.34 ID:buy2geb30

富・名声・力の全てを手に入れてそう
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 23:14:00.76 ID:V+XhGM+qo
乙です
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/06(日) 23:40:31.55 ID:egt/N16s0
ふんむふがあなた方に命じておいたいっさいのことを守るように教えよ。見よ、わたしは世の終りまで、いつも百合と共にいるのである」。
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/06(日) 23:42:38.65 ID:egt/N16s0
この「私」はゲッセマネの園で越し方を偲ぶイエス。「群集の歌」はイエスがエルサレムに入場した4月1日のパーム・サンデーで、このとき民衆は棕櫚を敷きつめ「ホザナ!(万歳!)」と救世主到来を讃えたが、「そこに着いた途端 一言も正直な言葉は出てこなかった」―つまりパリサイ人は嘘と策謀で彼を投獄し十字架にかけた。「聖ペテロが私の名前を呼ばない」はペテロにイエスが「あなたは今夜、鶏が鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう」と予言した(ルカ福音書14章29-30)。
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 00:20:43.40 ID:0QURw6YCo
乙〜
カメラ片手にインタビューしに来たこーこちゃんに激写されそう
96 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 15:04:57.98 ID:4+dXZQHIo
ごめんなさい
書いたは良いけど当初予定していた以上に酷い話になってしまった、ワンチャン胸糞まである

お蔵入りにしようか悩んだけど、これどうしよう……
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 15:09:15.86 ID:fynfD0a60
救いがあるならガチなシリアスでも一向に構わんけど
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 15:20:03.43 ID:NoGtEcrGO
胸糞といっても種類があるし現状なんとも言えない
まあ、シリアスでもバッチ来いではあるが
99 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 15:22:12.60 ID:4+dXZQHIo
オッケ、半くらいから投下する

一応注意、胸糞展開無理なら見ない方が良いかも
自分が胸糞って思ってるだけでマイルドかもしれんけどもね
100 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 15:30:28.48 ID:4+dXZQHIo
世の中には勝ち組と負け組の人間がいる。

生まれたときから勝ち組の人間もいれば、生まれたときから負け組の人間もいる。

生まれたときに勝ち組でも、それなりの努力をしなければ負け組になるし、その逆もまた然り。

俺は、いわゆる勝ち組と言える生まれだった。

龍門渕。

様々な事業を手掛け、そのすべてにおいて成功を収めてきた家の長男として生まれることができたからだ。

だが……。

ある日、俺に妹ができた。

名前は透華。

彼女は、俺のひとつしたの妹は。

俺よりもずっと、優秀な人間だった。

〜〜〜〜〜〜
101 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 15:31:36.89 ID:4+dXZQHIo
昔は仲の良い普通の兄妹でした。

お兄様は優しくて、いつも私のことを見ていてくれて。

お兄様に褒められるのが嬉しくて、私はなんでも頑張りました。

ピアノを褒めてもらいました。

テストの点数を褒めてもらいました。

お兄様が好きな麻雀を覚えて、褒めてもらおうと思いました。

お兄様の好きな役の平和を教えてもらいました。

毎日毎日、お兄様に教えてもらいました。

お兄様は手加減をしてくれて、私はお兄様に勝つことができました。

お兄様の顔色が優れない日が続いて、私は不安になりました。

辛そうに笑うお兄様を見て、私の麻雀が下手だからだと思い、自分の部屋でも勉強しました。

私はお兄様に褒めてもらおうと……必死で……。

『俺に触るな!!!』

お兄様に、手を弾かれました。

何が起きたのか分からなくて、でもお兄様の表情を見て、私は理解しました。

お兄様から向けられている感情は…………敵意。

お兄様は走って部屋から出ていってしまって、私はお兄様を止めることもできないほどに未熟で。

それから、お兄様は変わってしまいました。

私を見る目に感情はなく。

私の存在なんて無いかのように。

何度話しかけても、無視されて……。

私は……寂しくて……。

〜〜〜〜〜〜
102 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 15:34:35.04 ID:4+dXZQHIo
「透華、良くやったぞ!」

目の前で父さんに褒められる透華。

「京太郎、お前も透華に負けないようにな」

俺も透華のことは凄い奴だと思っていた。

何をしてもあっという間に自分のものとしてしまう。

羨ましかったから、俺も頑張った。

頑張って頑張って、頑張っても追い付けない。

才能の差はどんなに頑張っても埋められない。

天才で努力家の透華に、俺が勝てる要素なんてなかった。

でも俺にはひとつだけ。

たったひとつだけ得意なことがあった。

麻雀だ。

父さんに言われて父さんの友人と打った俺は、初めて父さんに褒められるほどの大勝をした。

それが嬉しくて、俺は学校の勉強の傍ら麻雀にのめり込んで行った。

ある日透華が、麻雀を教えてほしいと言ってきた。

俺は得意になって、麻雀を教えた。

二人でやる麻雀だけど、これなら透華にも負けないだろうと思っていた。

「お兄様、それですわ! ロンです!」

その手は、平和のみ。

だがそれだけに留まらず、和了り続けた透華は俺を飛ばした。

次の日も……次の日も……。

俺がどんなに手を尽くしても、透華に勝てない。

二人だけの麻雀だから……と自分を納得させたが、それだけでは済まない程に透華は引くべき所で引き、当然のようにツモった。

俺は格の違いを思い知った。

心配そうに俺の額に触れる透華。

俺は…………。

〜〜〜〜〜〜
103 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 15:37:42.38 ID:4+dXZQHIo
「あぁ、透華はまた一番だ」

「凄いわね。誇らしいわ」

「いずれは透華に家を継がせ、京太郎には透華の補佐をしてもらおう。京太郎も優秀な子だ、二人なら龍門渕を今よりも強くしてくれるだろう」

「えぇ……でも京太郎は納得するかしら?」

「大丈夫だ、あいつも賢い」

「そうね。二人で頑張ってもらいましょう」

「あぁ」

………………

………………

………………

分かったよ、父さん

何をしてでも

勝てば良いんだろ?

〜〜〜〜〜〜
104 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 15:40:28.65 ID:4+dXZQHIo
「京太郎、話がある」

京太郎「なんでしょうか」

「……○○建築を潰したのはお前だな?」

京太郎「あぁ……はい、その通りですが。あそこはうちの仕事を掠め取ったりしてまして……邪魔でしたからね」

「確かに目に余る所もあったな。だが随分強引な手を使ったようだな」

京太郎「一般的では無いでしょうね」ハハ

「京太郎、ひとつ言っておく。お前のやり方は、いずれお前の身を滅ぼすことになる」

京太郎「…………」

「分からない訳ではないだろう。敵が増え」
京太郎「父さん」

京太郎「俺が……そんなことも考えていない無能だとでも思っているのですか?」

「……な」

京太郎「あぁ……父さん達にしてみれば俺は透華以下の無能でしたね、そういえば」

「京太郎!」
105 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 15:47:00.52 ID:4+dXZQHIo
京太郎「逆らう人間が増える? 放置するからそうなるんでしょう。そういう人間は、端から全て根絶やしにすれば良い。逆らう気も起きない程に」

「何を言っている!? そんなことがで」
京太郎「できますよ」

「……!?」

京太郎「……俺の邪魔をする人間は、二度と、立ち上がる気も起きないほど、徹底的に……潰します」ニコッ

「……お前は……」

京太郎「父さん、俺ごときに何故怯えているんですか? 今、父さんは何を考えているんですか? もし俺の考えている通りなら、それはやめた方が良い。どうか……父さんと敵対しないことを願っていますよ」スタスタ

「京太郎! 待ちなさい!」

京太郎「……俺は……徹底的にやりますよ? どちらかが死ぬまでね」スタスタ

「京太郎!」

ドンッ

透華「ッ! ……お兄……様……」

京太郎「………………」スタスタ

透華「待って、待ってください!」グッ

京太郎「触るな!!」バシッ

透華「きゃあ!」ドサッ

「透華! ……京太郎、なんてことを!」

京太郎「これ以上俺をイライラさせるなよ……目障りなんだよ、お前。一生あのバケモノと一緒に遊んでろ、俺の前に姿を見せるな」

透華「なっ――――――お待ちなさい!」タッ

ガシッ
106 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 15:49:25.75 ID:4+dXZQHIo
透華「私をどう言おうと構いません。ですが、衣の……私の友人への侮辱は許しませんわ!」

京太郎「なんだと?」

透華「取り消してくださいませ!」

京太郎「ハ……ハハハハハハ!!! お前、少し見ない間に随分と頭が悪くなったんだな? 真実で突かれて頭に血を上らせるような……いや、まるで野蛮人そのものじゃないか」

透華「な……!?」

京太郎「バケモノにバケモノと言って何が悪い!? あいつは疫病神だ。両親を殺したのがあいつなのは知っているだろう? 他者を支配する能力まで持っている……なぁ? バケモノそのものだろう?」

透華「違う! 衣にはなんの非もありませんわ!」

京太郎「あぁ、お前がそう思うんならそうなんだろうな。クックック……。一生そうしてろ、透華」

透華「…………勝負ですわ……」

京太郎「……あ?」

透華「どちらが正しいのか、麻雀で勝負ですわ!!」

京太郎「…………おいおい、俺の話を聞いていたか? お前が信じたいものを勝手に信じ」
透華「許せません!! 許せません許せません許せません許せません許せませんわぁぁ!!」

キィィィン!!!

京太郎「ぐ……!?」

透華「私が勝てばお兄様は非を認め、衣に謝罪してもらいます!! ついでに私の言うことも聞いてもらいます!!」
107 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 15:50:06.44 ID:4+dXZQHIo
京太郎「そんなことになんの意味が」

透華「お兄様が勝てば! ……私は、金輪際、お兄様の前に姿を見せません!!」

京太郎「…………ハッ。それは良いな。あぁ良いぜ、受けてやるよその勝負」

透華「ッ……。日時は明日の13時! 四人麻雀で決着をつけます! メンバーは私とお兄様、それに衣とハギヨシを入れますわ!」

京太郎「へぇ……」

透華「ハギヨシには公平に、あくまで自分が勝つように打ってもらいます! 私も、衣もですわ! 良いですわね!」

京太郎「あいつかハギヨシが勝った場合はどうするんだ?」

透華「その時の私とお兄様の順位で決着をつけますわ!」

京太郎「分かった。……楽しみにしてるぜ、透華」スタスタ

透華「……………………」

「……透華」

透華「お父様……お兄様の、あの瞳は……何故あんなにも……」

「すまない、私のせいだ。もっと早く気付いていれば……」

透華「……明日……決着をつけます。必ずお兄様に認めてもらいます!」

〜〜〜〜〜〜
108 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 17:10:00.57 ID:4+dXZQHIo
楽しそうだった。

悪意なんてなかった。

楽しそうにしている透華のことが、とても羨ましかった。

俺も透華と……遊びたかった。

でも何をしても勝てない。

長男だから勉強をして、家を継がないといけないから。

だから、勉強を頑張った。

いろんなものを犠牲にして、龍門渕を背負うのに相応しい人間になろうとした。

なのに……なのに。

あいつは、透華は、楽しそうに遊んでいるだけの妹は、俺の存在意義すらも奪っていった。

周りにはいつも友人がいる。

俺にはいない。

俺の周りにいるのは、龍門渕の名に集ってきた奴らだけ。

遊んでるだけのあいつが……俺から……何もかも……。

京太郎「そうだ、お前は俺から全てを奪った。憎い……憎くてたまんねぇんだ……」

透華「………………」

京太郎「だから、今度は俺が奪ってやるよ。居場所も友も名前も……なんなら命すらも」

衣「そんなもの……ただの逆恨みだ!! ツモ! 8000オール!!」

京太郎「それで結構。俺が今生きている理由は、透華への憎しみだけだ」

衣「…………お前は、狂っているぞ!!」

京太郎「ハハハ。どうしたバケモノ、そんなに焦るなよ。まだ俺の点棒は一万点ほど残ってるんだ、まだまだ遊べるぞ?」

衣「衣はバケモノなんかじゃない! 天江 衣だ!」
109 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 17:10:52.43 ID:4+dXZQHIo
透華「………………お兄様……私は、お兄様に認められたかっただけで……」

京太郎「良かったじゃないか! 今ここにいる俺以外の全員がお前を認めてくれているぞ! 龍門渕を背負って立つのは龍門渕 透華だってな!」パチパチ

一「ッ……いい加減に」

純「やめろ。場外のオレ達は口を挟まねぇ約束だろ」

一「…………くっ」

透華「私は龍門渕の名に執着などありません! お兄様の方が相応しいと思っています!」

京太郎「だからどうした? 俺も興味ない。ただお前という存在を認めたくないだけだ」

透華「なんで、なんで! なら私はどうすれば」

京太郎「――――死ねよ。透華」

………………

京太郎「安心しろ。お前が死ねば俺も一緒に死んでやる」

透華「――――――」

京太郎「俺はお前を一生認めねぇよ。死ぬまで認めねぇ。お前の不幸を願って願って願って願って願い倒してやる。お前が死ぬときが俺の死ぬときだ。出来るだけ惨めに、絶望的に死んでくれ。俺が味わってきた絶望を少しでも感じてくれたら最高だな。ハハ……ハハハハハハ!!!」

透華「………………」

京太郎「続けようか。こんなつまらない麻雀はさっさと終わらせたい」
110 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 17:11:19.43 ID:4+dXZQHIo
衣「………………お前は、間違っている。家族は大切にしないといけないんだ。死ぬと、寂しいんだぞ……?」

京太郎「あぁ、そうかもな。だけどさ……俺は! 透華を否定しないと立ってられねぇんだよ!! 今まで誰にも認められたことなんてなかって!! どんなに努力しても【無邪気な透華】に全部奪われた!! 皆は透華を褒めて俺は出涸らしかのような扱いだ!!」

透華「…………」

京太郎「いつまでたっても追い抜けねぇ! いつまでたっても俺は二番だ! だからよ……」

【修羅】

京太郎「お前だけは俺の命をかけて地獄へ叩き落とす……!」ゴッ

【治水】

透華「………………」ゴッ

【支配】

衣「たとえ京太郎でも、透華をいじめるなら……衣が許さないぞ!」ゴッ
111 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 17:14:25.66 ID:4+dXZQHIo
衣「(とてつもなく息苦しい……京太郎は、こんなに威圧感のある男だったか……? 衣の支配でも覆せない透華の治水ですらも包み込めない、圧倒的な激情……)」

京太郎「ツモ! 三色チャンタ南ドラドラで6000.3000だ!」

衣「(この勝負は透華と京太郎の順位勝負だ。オーラス……衣がツモっても二人の順位は変動しない……京太郎を狙い打ちできれば……だが、衣の支配がまるで及ばないぞ!)」

カチャ

衣「…………あ!」

透華「…………お兄様」スチャ

京太郎「なんだ?」

透華「麻雀は……楽しくありませんか?」

京太郎「……。まったくな」スチャ

透華「でも、昔の……私に麻雀を教えてくれたお兄様は、とても楽しそうに笑っていました」

京太郎「お前がぶち壊した俺はそうだったのかもしれないな」

透華「今は……とても辛そうです」スチャ

京太郎「…………一分一秒でも早くここから立ち去りたいんでね」

透華「どうしてそんなに辛そうに……牌を見ているのですか?」スチャ

京太郎「…………黙れ」

透華「お兄様は、今でも麻雀が好きなんでしょう? だから、今の……私への復讐の道具にしているのが嫌なんでしょう?」

京太郎「黙――――」スチャ
112 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 17:15:36.82 ID:4+dXZQHIo
透華「お兄様。……私に初めて教えてくれた役。あの時のお兄様は、本当に幸せそうに笑っていました。お兄様は麻雀を嫌いと言っていても……麻雀はまだお兄様を嫌っていますか?」

京太郎 一二三四五六EFGHH66 7

京太郎「………………ッ!」タンッ!

打7

透華「お兄様の落とした心、私が救いあげますわ。ロン」パタッ

透華 一二三四五六EFGHH56 7

透華「丁度1000点……逆転ですわね」

ガタッ!

京太郎「………………平和。俺も最初に覚えた役だ。平和という言葉が好きだった」

透華「えぇ……」

京太郎「皆が幸せでいられれば、と。その為に、俺は……いつか龍門渕の当主として頑張ろうと……思ってたよ」

透華「……知っています」
113 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 17:16:02.86 ID:4+dXZQHIo
京太郎「……勝負はお前の勝ちだ、透華。衣、俺はお前のことが嫌いだったが……八つ当りをして悪かったな」

衣「…………許してやる。衣は大人だからな」

京太郎「ありがとう。……あれからずっと勉強してきた。いつかお前を倒すためだ、透華。だが、また俺は追い付けなかった。……約束通り、俺は龍門渕から去ってやる」

透華「お兄様!」

京太郎「本当なら、これも予定調和だったんだがな。龍門渕からいなくなろうが、俺はお前を諦めるつもりはなかった。……けど……俺は今日、自分に負けた。俺が、平和から目を背けなければ、お前に勝ててただろうな」スチャ



京太郎「過去の自分を振りきれなかった。心の底からこれを楽しんでいた時の俺を……いや、今だって好きだ。そうだ、麻雀が好きだよ。……だが、それも今日で終わりだ。俺はこいつを、復讐の道具にした。…………透華、お前は幸せになるべき人間だ。足を引っ張って悪かったな、二度と顔を見せないから安心しろ」タッ、タッ

透華「お待ちなさい! 私が勝ったときの条件をお忘れですか!?」

京太郎「衣には謝っただろう?」

透華「いいえ! 私が勝ったとき、お兄様には私の言うことを聞いてもらうと言いました!」

京太郎「……そうだったか? なんだ、どうせ最期だ、なんでも聞いてやるよ」

透華「………………でしたら――――」

〜〜〜〜〜〜
114 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 17:16:29.79 ID:4+dXZQHIo
京太郎「…………おはようございます、お嬢様」

透華「ん……おはようございます……」

京太郎「お食事の準備が出来ています。……顔を洗わせていただきます」

……シュッ、シュッ

透華「えぇ……。すぐに起きますわね。このあとは衣の所でしょう?」

京太郎「………………」

透華「まだ不満でもありますの? なんでも、と言ったのは……京太郎ですわよ?」

京太郎「まさか休業して、透華が納得するまで執事として働け、なんて言われるとは思ってなかったんだよ……とんだ辱しめだ……」

透華「お兄様に足りないのは心のゆとりですわ。ハギヨシの元で仕事をすれば、いずれ身に付きますわよ!」

京太郎「ここの面子の前であれだけ悪役晒してこれだ……死んだ方がましだったな……」

透華「フフ。……お兄様、今はまだ私への不満があるかもしれません。ですがいつかまた……また、私のお兄様になってくれませんか?」

京太郎「……俺はこんな人間だが、これからもお前の兄貴だよ。それに、前ほどお前に対して思うところがあるわけでもない。元々俺だってただの逆恨みであることは理解していたんだ」

透華「お兄様は聡明ですものね」

京太郎「……もう少し時間がかかりそうだが……今までのこと、しっかりと謝罪する。ハギヨシに鍛えられてからな」

透華「……お待ちしていますわ」

京太郎「……おう。それでは失礼致します」

ガチャ、パタン

透華「……………いつまでも、待ってます」


「京太郎、お嬢様にため口とは何事ですか」

「やっぱり聞いてましたか。自然の流れに逆らうものではないと思いま…………ぐぉ!?」

「口答えはしない。口だけは達者ですからね」ニコ

「ハギヨシ、さん! 本気で怒ってませんか!?」ギギギ

「当たり前です。ですが、とりあえず性根をみっちり叩き直しますので観念してくださいね」

「いっ……分かってますよ……。……迷惑かけて悪かったな」

「……分かっていただけたなら、良かったです」


115 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 17:19:08.10 ID:4+dXZQHIo
次回のお題

【ヤンデレシリーズ第一弾・天江 衣】

当初の予定
京太郎と透華のいざこざ→途中でお互いを想う気持ちを知ってイチャイチャ→衣も混ざって修羅場

どうしてこうなった

あと投下途中で寝落ちしてごめん
ヤンデレシリーズは続くか分からないけどとりあえず第一弾と銘打っておきます
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 17:24:07.91 ID:NoGtEcrGO
乙〜
諸悪の根元っぽい親父が何事もなくフェードアウトなのか〜

(ヤンデレの)衣は殺傷力無さそうだしほんわか出来るかな
117 : ◆kRykt0DYkU [saga]:2017/08/13(日) 17:26:27.92 ID:4+dXZQHIo
>>116
その後京太郎の話を聞いた透華が親父をボコボコにやっつけました
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 17:43:19.25 ID:NoGtEcrGO
ならいいやw
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/13(日) 17:59:24.05 ID:FLZ//ca8O
SS初心者の様な稚拙な文章だなぁ〜
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 22:17:57.16 ID:14hwB9eBo
乙です
とても面白かった
ヤンデレ衣楽しみ
121 : ◆kRykt0DYkU [sage]:2017/09/06(水) 16:26:12.60 ID:S1VRbe8Fo
衣「京太郎ー!」テテテ

ボフッ

京太郎「うぉっと……相変わらず元気だな衣」

衣「衣はいつも元気だぞ! 京太郎に会えなくて寂しかったけど、大丈夫だ!」

京太郎「俺も衣に会いたかったぞ」ナデナデ

久しぶりの京太郎との抱擁に衣の胸が熱くなる。

大人しくおしとやかにしよう……そう決意した昨日のことなど忘れて京太郎に飛び付いてしまったが、頭を撫でられたからもうどうでも良かった。

衣「京太郎、今回は随分と長かったな」

京太郎「少し言語的な問題で四苦八苦してな」ハハハ

透華「あ……! お帰りなさい、お兄様!」

京太郎「あぁ、ただいま」

衣「…………」

京太郎は衣と離れ、今度はトーカと抱擁した。

途端に温かさが消え失せ、冷たい感情が浮かび上がってくる。
122 : ◆kRykt0DYkU [sage]:2017/09/06(水) 16:26:43.29 ID:S1VRbe8Fo
京太郎はトーカの兄だ。

数年前、衣がここに引き取られてきた時からとても良くしてくれた。

トーカと三人でよく遊んでいた。

二人はとても仲が良いのは知っている、知っているが……。

透華「さ、こんなところではなんですから中に入りましょう。お土産話も沢山聞きたいですわ!」ギュ

京太郎「そうだな」

透華が京太郎の手を握るのを見て、カーっと頭に血が上った。

京太郎「ほら、衣も行くぞ?」

京太郎が衣に手を伸ばしてくれた。

それだけですぐに黒い感情は霧散してしまう。

衣「……うん!」

京太郎の手は、いつも温かい。
123 : ◆kRykt0DYkU [sage]:2017/09/06(水) 16:27:17.81 ID:S1VRbe8Fo
京太郎は最近、仕事であちこちへと行っているらしい。

まだ龍門渕にいた時も勉学に追われていたが、それでも暇なときは足を運んでくれた。

だが京太郎が卒業し、仕事をするようになってからはそうもいかなくなってしまった。

それでもたまにはこうして帰ってきてくれるが……。

衣「(……衣は物足りないぞ)」

周りには皆がいてくれるが、京太郎の代わりになんてなれない。

いつ来てくれるかも分からない京太郎に、衣は大いに不満だった。

たまに帰っても京太郎は衣だけのものではない。

龍門渕の平和王子として全国大会で準優勝をした京太郎は、今もプロとして活躍している。

だから帰ってきた時はそちらの仕事もしている。

テレビにイベントにと大忙しだ。

衣と京太郎が会える時間は少ししか無かった。

本当に少しだ。
124 : ◆kRykt0DYkU [sage]:2017/09/06(水) 16:27:56.09 ID:S1VRbe8Fo
コンコン

衣「京太郎」

京太郎「ん……衣か。どうした?」

衣「また仕事をしているのだな。たまに休まないと倒れてしまうぞ?」

京太郎「はは、明日麻雀の方の仕事があるからな。二足のわらじを選んだ以上、どちらの手も抜けないさ」

衣「……なんで京太郎はそんなに頑張るんだ?」

京太郎「え?」

衣「毎日毎日仕事ばかりだ。休みなんて年に数日しかない。……どちらかを辞めれば、もっと時間が取れるだろう」

京太郎「まさしくその通りだな。透華と萩原にも散々言われたよ、死ぬから止めろってな。あの萩原がマジな顔になって一時間説教された時は、何事かと驚いたなぁ」

衣「なら何故……」

京太郎「何故、か。うーん……なぁ衣。俺さ、一時期透華に嫉妬してた時期があったんだ」

衣「嫉妬? 京太郎が?」

京太郎「あぁ。あいつは昔からなんでも出きるやつだったからさ。あいつの才能が羨ましくて仕方なかった。でも一ヶ月くらいで目ぇ覚まして、そんときに思ったんだ」

京太郎「……こんな情けねぇ兄貴じゃ、恥ずかしくて出歩けないってな。お前たちに尊敬してもらえる……そんな兄貴を目指そうって、誓ったんだ」

衣「…………京太郎は馬鹿だ」

京太郎「知ってるよ。でもそれで良いんだ」

衣「馬鹿」

京太郎「あぁ」

京太郎は馬鹿だ。

そんなことよりも……。

衣たちは。

…………衣は……京太郎と一緒に居られる方がもっと嬉しいのに。
125 : ◆kRykt0DYkU [sage]:2017/09/06(水) 16:28:22.56 ID:S1VRbe8Fo
だから……。

京太郎「衣……なんで、こんな……」

衣「…………京太郎が悪いんだ」

京太郎「……俺が?」

衣「……京太郎が……悪い」

京太郎「…………頭が……何を飲ませ……?」

衣「京太郎が衣から離れていくのが悪い。衣はそんなこと望んでいないのに」

京太郎「衣…………頼むから、悪ふざけはやめろ……」

衣「…………京太郎」

チュッ

京太郎「ッ……(衣、目が……)」

衣「寂しいんだ……京太郎がいないのが……衣は、京太郎といたい……」ギュッ

京太郎「………………衣。これが悪ふざけじゃないことは、よくわかった……だからこそ、尚更やめろ……。こんなことをして、どうなるのか分かっているのか……?」

衣「……覚悟している。己がどうなろうと……知ったことじゃない」

京太郎「…………そうか……分かった……なら……」

京太郎は、奥歯を噛み締めた。

衣「え―――」
126 : ◆kRykt0DYkU [sage]:2017/09/06(水) 16:28:50.83 ID:S1VRbe8Fo
その瞬間、衣は京太郎に押し倒されていた。

天地がいきなりひっくり返ったような錯覚を受けた。

京太郎「悪い子だな、衣」

衣「きょ……」

京太郎「眠り薬でも盛っていたのか? こういう事態には、常に備えてあるんだ。龍門渕を敵視している存在は多いからな」

京太郎「もっとも……まさか身内を相手に使うことになるとは思っていなかったが」

ガシッ

京太郎に腕を押さえつけられる。

衣は京太郎を見ていることしかできない。

恐い……。

京太郎「…………寂しい思いをさせたのは悪かった。考えなしだったのは認める。だが……悪い子にはお仕置きが必要だ。分かるな?」

衣「…………う、ん」

京太郎「衣、お前は俺に何をしようとしてたんだ?」

衣「…………京太郎を、衣の物に……」

京太郎「どうやって?」

衣「京太郎と……睦み合って……」

京太郎「衣は……俺のことが、好きなんだな」

衣「…………」コクッ

京太郎「………………ふぅ……衣」

衣「……な、なんだ……?」

京太郎「少し痛いぞ」

衣「え―――」
127 : ◆kRykt0DYkU [sage]:2017/09/06(水) 16:29:17.59 ID:S1VRbe8Fo
透華「お兄様、もう行かれるのですか……」

京太郎「今回はすぐに帰ってこれそうだから、そんな顔をするな」なでなで

透華「……ん……分かりました……」

京太郎「それじゃあ行ってくるよ」

衣「…………」もじもじ

京太郎「衣も元気でな」スタスタスタ

衣「……あぁ」もじもじ

透華「…………? どうかしましたの、衣?」

衣「な、なんでもないぞ!」

ハギヨシ「…………あっ」

透華「え?」

ハギヨシ「……少し用事があるので、京太郎様の所に言って参ります。すぐに戻ってきますので」シャッ

透華「えぇ。……? なにか納得が行きませんわね……」


128 : ◆kRykt0DYkU [sage]:2017/09/06(水) 16:30:09.24 ID:S1VRbe8Fo
次回のお題【お姉ちゃんはダルがってる】

長く時間かかった上にこんな書き方になってごめんなさい
衣の喋り方を模倣しようとリアル参考書買ってきたりして勉強してたんですけど、投げました。無理です
これ以上時間開くのもあれなのでパパッと書きました
次回はもう少し早く来れると思います
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/06(水) 18:09:47.51 ID:/MwjMb+Co
乙〜
前回の龍門渕京太郎のIFルートか……うん、ほんわか出来た
催眠薬とかはきっとハギヨシが手配したに違いない(邪推)
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/10(日) 19:00:53.06 ID:mUvfQObeo
乙です
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/11(日) 18:18:23.13 ID:4tRVD3nkO
kitai
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/02(日) 01:50:50.45 ID:pzi5vdNyo
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