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【艦これ】吹雪「大変です、司令官!」 キット「パート2突入です」

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602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/29(日) 22:20:35.93 ID:I5KxUJq80

瑞雲仮面「瑞雲パンチ!」

バッチコーイ!

ガッズィーラ「ギャーーーーーーーーオ!(やるな。だが、まだまだ!)」

提督「流石、瑞雲ロボだ。巨大な敵には巨大ロボ。毒を以て毒を制すということか」

瑞雲仮面「瑞雲スペシャル!」

ガッズィーラ「ギャーーーーーーーーオ!」

提督「押している?いいぞ、この調子で攻撃してやれ!」

長門「このまま一気に畳み掛ける!全主砲、斉射!てーッ!!」

武蔵「今は遠慮はなしだ!そうだろう?相棒よ!」

ドカーン!

提督「ああ、ドンドン撃ちまくれ!ところで、リ級」

リ級「はい」

提督「奴は封印されていたということだったな?具体的にどの様に封印されていたんだ?」

リ級「洞窟の中にあった壷に封印されていましたが、壷は割れてしまい、洞窟も崩れてしまったので回収できませんでした」

提督「何か代わりになる物があればいいのか?」

リ級「恐らく」

長老「提督殿!これを使ってくだされ!」つ炊飯ジャー

提督「ピッ○ロ大魔王かよ!まぁいい。朧、積尸気冥界波で奴の魂を引きずり出してやれ!」

朧「気を溜める時間が欲しい。5分だ、5分でいい。時間を稼いでくれ!」

提督(朧のキャラが変わりすぎてもう誰か分からない。それより気って何だ?小さい宇宙じゃないのか?)

ガッズィーラ「ギャーーーーーーーーオ!(図に乗るな、艦娘ども!)」

ドカーン!

ワー

キャー

長老「またクレーターが出来てしもうた・・・」

鳳翔「やるときは、やるのです!」

ブロロロロ

ドカーン!

ガッズィーラ「ギャーーーーーーーーオ!」

吹雪「眼に直撃、痛そうです」

提督「眼?そうか、眼だ!いかに巨大な怪物と言えども眼は弱いはずだ!」

瑞雲仮面「了解!瑞雲パンチ!」

スッ

瑞雲仮面「何っ!?」

ガッズィーラ「ギャーーーーーーーーオ!(そう何度も食らわぬわ!)」
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/29(日) 22:24:45.50 ID:I5KxUJq80

提督「油断大敵。余所見は怪我の元だ。てい!」ポイッ

ガッズィーラ「!?」

ブスッ

提督「もう一丁!」ポイッ

グサッ

ガッズィーラ「ギャーーーーーーーーオ!(眼が!眼がぁぁぁ)」

赤城「両目に刃が突き刺さるとは・・・。敵ながら少し可愛そうですね」

加賀「ええ。でも仕方ありません」

武蔵「恐ろしい絵面だ」

提督「吹雪、動きを封じてやれ!」

吹雪「はい!кольцо(カリツオー)」

ガッズィーラ「ギャーーーーーーーーオ!(な、何だ!動けぬ!)」

響「流石、吹雪姉さん。ロシア語の発音が完璧だ」

朧「待たせたな。積尸気冥界波!」

ガッズィーラ「ギャーーーーーーーーオ!(ぐわぁぁぁぁぁ!)」

瑞鶴「ガッズィーラの魂が!」

翔鶴「長老さんの炊飯ジャーに吸い寄せられていきます!」

ガッズィーラ「ギャーーーーーーーーオ!(おのれ、忌々しい艦娘どもめ!いつの日か余は必ず蘇る!人間も、艦娘も、深海棲艦も、その時が貴様らの最後だ!)」

提督「長老さん、蓋を閉めてください!」

長老「はい!」

バタン!

神通「ガッズィーラの体が灰となり、崩れていきます」

サラサラ

長門「勝った・・・のか?」

提督「ああ、俺たちの勝ちだ!」

瑞雲仮面「私はこれにて失礼する。さらばだ!」ダッ

提督「待ってくれ、瑞雲仮面!あと、10/1 瑞雲ロボ」

提督「行ってしまった・・・。礼を言いそびれたな。だが、きっと彼女には何時かまた会えるだろう。そんな気がする」

鳳翔「そうですね。私も彼女にはまた会える気がします」

赤城「瑞雲仮面、不思議な人でしたね」

瑞鶴(いや、アレって日向さんでしょ・・・)

加賀「こういう時は知らないふりをするものよ(これだから五航戦は)」ヤレヤレ

翔鶴「加賀さんの仰る通りよ、瑞鶴」

瑞鶴「むしろ、その優しさが痛いと思うんだけど」
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/29(日) 22:27:07.51 ID:I5KxUJq80

吹雪「全て終わりましたね」

リ級「まだ終わりではありません」

吹雪「?」

提督「そうだな」

リ級「ガッズィーラを二度と見つからない場所に封印しないと」

提督「だが、それに適した場所となると・・・」

キット「マリアナ海溝などいかがでしょう?」フォンフォン

提督「マリアナか。確かにあそこは地球上でもっとも深いとされる場所だから容易には近づけないが、水圧でジャーが壊れるだろ?」

長老「このジャーは核爆発にも耐えられます。深海でも平気でしょう」

吹雪「えぇ・・・」

鳳翔「何という強度!うちにも一台欲しいです!」

日向「おーい、提督!」

提督「日向か」

日向「地震の様な振動や、激しい爆音が聞こえたんだが何が起きたんだ?」

提督「たった今、例のガッズィーラを退治したところだ」

日向「もう終わっていたとは・・・、もう少し早く気付いていれば私も協力したんだが」

吹雪「・・・。ここで突っ込むのは野暮だよね?」

キット「はい」フォンフォン
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/29(日) 22:32:40.60 ID:I5KxUJq80

長老「皆の者、怪物は封印されたぞ!(マレーシア語)」

現地人「やったー!これで平和にくらせるぞー!(マレーシア語)」

現地人「彼らにお礼をしましょう!(マレーシア語)」

提督「マリアナに沈めるにしても、どうしたものか。潜水艦娘は連れてきてないからな」

リ級「それならお任せください。うちのカ級を呼びます」

提督「・・・」

リ級「うちの深提も今回の件で懲りたので、二度とあの化け物を利用しようなんて考えません。信じてください」

提督「分かった。お前を信じよう」

吹雪「いいんですか?」

提督「あれは嘘をついている目では無い。そうだろ、キット?」

キット「はい。嘘は検出されませんでした」フォンフォン

リ級「念のため、カメラを持たせて中継させます」

〜しばらく後〜

カ級「了解。じゃあ、マリアナに捨ててくるわ」

リ級「念のため、カメラ持って行って中継して」

カ級「ほいほーい」

提督「頼んだぞ」

カ級「任せてちょ。二度とあの化け物が出て来れない様に深い所に捨ててくるから」

ト級「それにしても迷惑な奴が居るもんだな」

提督「お前だよ!」

リ級「このおバカ!」バキッ

ト級「何で殴るんだよ?痛いだろ」

リ級「誰のせいで怪物が暴れまわったと思ってるんだよ!」

ト級「深提」キッパリ

リ級「封印を解いたのはお前だよ!」バキッ

長門「深海棲艦同士の漫才か?」

武蔵「深海棲艦にも色々と居るんだな」
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/29(日) 22:36:01.93 ID:I5KxUJq80

長老「提督殿!これよりお礼の宴を開こうと思います」

提督「お気持ちはありがたいのですが、日本のことが気になるので帰ろうと思います」

吹雪「お気持ちだけ受け取っておきます」

長老「そうですか。それは残念です」

日向「私が居ない間、ホテルを頼んだぞ。あと、村の再建が済むまでホテルで寝泊りしてもらって構わない」

長老「はい。ありがとうございます」

日向「瑞雲の加護のあらんことを」

提督「日向、10/1 瑞雲の操縦を頼めるか?」

日向「任せておけ」

長老「提督殿、このご恩は何時か必ず」

提督「いえ、我々はあくまで仕事として怪獣を討伐しただけです。そこまでして頂かなくても」

長老「それでは我々の沽券に関わります!マレーシアに来て頂いた際には最大限のおもてなしをさせて頂きます!」

提督「えっと・・・では、期待しておきます」
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/29(日) 22:38:07.83 ID:I5KxUJq80

-数時間後 マリアナ海域-

カ級「この辺でいいか」ポイッ

カ級「もう二度と出てくるなよ〜」

ブクブク

カ級「よし、順調に沈んで行ってるな」

〜数分後〜

カ級「見えなくなった。もういいだろう。帰るとするか」

ギャーーーーーーーーオ!

カ級「?」キョロキョロ

カ級「気のせいか」


-太平洋上 ナイト2000車内-

キット「炊飯ジャーを持ったカ級の動きが止まりました」

提督「この辺りで捨てる様だな」←モニターで確認中

吹雪「そうみたいですね」

響「あ、捨てたね」

朧「ドンドン沈んでいきます」

提督「それにしてもとんでもない化け物だったな。深海棲艦以上の敵が居るとは思わなかった」

吹雪「そのうち本物のゴ○ラとも遭遇するかも知れませんよ」

提督「ハハハ。それは遠慮したいな」

響「私は会ってみたいかも」

朧「私も興味あります」

キット「私は遠慮しておきます」

提督「だよな〜」
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/29(日) 22:39:23.27 ID:I5KxUJq80
一応、今後

ガッズィーラ討伐後、鎮守府に帰ってからの平和な日常(平和な日常とは言ってない)



まるゆ完結偏



奴(レ級では無い)が鎮守府襲撃



さらばインド洋!深海提督、暁に死す



熊野主演『富豪艦娘』



未定(何かやるかも知れないし、そのまま次の温泉に行くかも)



温泉物語



未定



第3回カンプラバトル ついにあの艦娘(初雪じゃないよ)が本気を出す!

の順で進む予定です。

本日はここまで。
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 11:50:29.08 ID:py6fkGRs0
今までありがとう、岩川基地。3年半お世話になりました。
そして、舞鶴鎮守府よろしゅうおたのもうします。

本日分、始まります。
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 11:51:27.78 ID:py6fkGRs0

-昼過ぎ 海上-

キット「あと1時間程で鎮守府に到着します」

提督「では、連絡を入れておくか」

吹雪「そうですね」

朧「鎮守府に着いたらまずはお昼ご飯ですね」

響「ホテルの食事はハラショーだったけど、鳳翔さんや間宮さんの料理が恋しいよ」


-鎮守府 執務室-

ジリリリリーン

新提「もしもし」

提督「俺だ、俺」

新提「オレオレ詐欺!?」

金剛「大変デース!」

提督「何でそうなる?提督だ」

新提「分かっているさ。例の怪物はどうだ?」

提督「そっちは解決した」

新提「もう解決したのか?」

提督「ああ、かなりの強敵だったけどな。後1時間程したら鎮守府に到着するが、そっちはどうだ?」

新提「少々問題が起きている。電話だとマズイので直接報告したい」

提督「分かった」
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 11:52:08.07 ID:py6fkGRs0

-鎮守府 執務室前-

提督「一日ぶりの我が家だ」

吹雪「何だかもっと経っている気がしますね」

提督「怪獣のおかげで濃い一日だったからな」

ガチャ

提督「ただいま」

新提「おかえり」

金剛「おかえりなさい」

バタン

提督「早速だが、問題について聞かせてもらえるか?」

新提「実は・・・」

〜事情説明中〜

提督「そうか・・・」

新提「私がついていながら、こんなことになってすまない」

提督「いや、気にするな。元はと言えばもっと早い段階で処理しなかった俺の責任だ」

吹雪「逃げて終わりとは思えませんし、また攻めて来るでしょうね」

金剛「そうデスネ」

提督「今まで以上に警備を厳戒にしよう」

新提「こんな時に悪いが、私は明日、研修で大本営へ行かないといけない」

提督「そうだったな。護衛は誰にする?長門がいいか?」

新提「いや、朝一の新幹線で移動するだけだ。護衛は付けなくていい。私より鎮守府の護衛に回してくれ」

提督「いいのか?」

新提「ああ、今は私より自分の心配をしてくれ」
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 11:53:04.54 ID:py6fkGRs0

『30%』


-夜-

夕立「何か、頭が痛くて、ダルイいっぽい」

時雨「夕立もかい?」

夕立「時雨も?」

時雨「うん。ボクだけじゃないよ。春雨や白露姉さんも同じ様な症状らしい」


金剛「うぅ・・・何だか調子が悪いデース」

比叡「お姉さまもですか?」


山城「何だか今日はいつも以上に不幸だわ」

扶桑「何だか体がダル重いわ」


黒吹雪「睦月ちゃん大丈夫?」

睦月「あまりいい感じじゃないにゃしぃ。黒ブキちゃんは大丈夫なのかにゃ?」

黒吹雪「うん、私は何ともないよ。皆どうしたんだろう?」


ヲ級「今日は皆、元気が無いわね」

イ級「全員そろってアレの日とか?」

ヲ級「んな訳無いでしょ。艦娘全員一斉にってどんな偶然よ」
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 11:54:53.03 ID:py6fkGRs0

『80%』


-翌朝 食堂-

提督「朝定食をお願いします」

ドン!

提督「・・・。あの、魚焦げて」

鳳翔「何か問題でも?」

提督「い、いえ、何でもありません(魚はほとんど炭だし、叩き付けられたせいで味噌汁もこぼれてるけど、言えない)」

吹雪「私も朝定食をお願いします」

鳳翔「はい、どうぞ」ニコッ

提督(俺と吹雪で反応が全然違う・・・)

吹雪「司令官、鳳翔さんと何かあったんですか?」

提督「いや、全く心当たりが無い。昨日、帰ってきてから何も無かったが。気のせいか、皆からの視線が冷たい気がする」

吹雪「確かに皆さん、司令官に対する態度がいつもと違いますね。何だか殺気立っていると言いますか」

提督「それについても全く心当たりが無いんだが」

吹雪「私のお魚半分食べてください」

提督「いや、大丈夫だ。吹雪はしっかり食べなさい」

吹雪「でも」

提督「執務室にカ○リーメイト他、非常食を多少置いてあるから大丈夫だ」
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 11:56:26.51 ID:py6fkGRs0

『100%』


-執務室-

提督「今日の執務を始めるとするか。それにしても皆どうしたんだ?」

吹雪「何だか様子が変でしたね」

ドアバーン

金剛「提督、どうしてデスカ?」

提督「いきなり入ってきて何だ?」

金剛「どうして私たちを裏切ったんデスカ!」

榛名「榛名は提督に裏切られて大丈夫ではありません」

提督「裏切った?一体何を」

時津風「がるるる」

吹雪「時津風ちゃん?」

時津風「がうー!」ダッ

提督「ステイ!」

ピタッ

時津風「わん!」

由良「提督さん、大人しく自首してください。今ならまだ間に合いますからね。ね!」

時雨「提督。君には失望したよ」

夕立「いけない提督さんにはソロモンの悪夢を見せてあげる」

長門「私たちと平和な海を取り戻そうと言ったのは嘘だったんだな?」

吹雪「皆さん、落ち着いてください!急にどうしたんですか?」

提督「さっきから何なんだよ!俺がいつ裏切った!」

加賀「この期に及んでまだシラをきるのね」

グラーフ「アトミラール、説明してもらおう!」

ビスマルク「私たちを裏切るなんて貴方も相当偉くなったものね。鉄血宰相の名に懸けて貴方を始末してあげるわ!」

リシュリュー「どういうことなの?説明して頂戴!」

高雄「裏切り者め!と言って差し上げますわ」

摩耶「アタシたちを裏切った罪を償わせてやる!」

曙「アンタは正真正銘のクソ提督ね!」

霞「このクズ!」

満潮「カス!」
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 11:57:27.24 ID:py6fkGRs0

足柄「好きだったわ、提督」

暁「一人前のレディとしてぶっ○してあげるわ」

響「それはレディの発言では無いよ」

暁「そ、そんなことないわよ(汗)」

鈴谷「提督、マジキモイんだけど」

熊野「ドラム缶に詰めて大阪湾に沈めて差し上げますわ!」

瑞鳳「(毒入りの)卵焼き食べりゅ?」

ポーラ「さー提督、(毒ワインを)グイっといってください。楽になれますよぉ〜」

朝潮「司令との約束を今、果たします」

吹雪「約束?」

朝潮「はい。司令がもしも自分が敵になる様なことがあれば朝潮に討って欲しいと頼まれていました」

提督「そんな約束してねぇよ!俺がいつ敵になった!」

春風「司令官様、お命頂戴致します」

ブン!

スッ

吹雪「何するんですか!」

春風「何故逃げるのです?」

提督「むしろ何故、大人しく斬られると思ったのか教えてくれ」

春風「この期に及んでご自分の罪をお認めになられないのですね」

提督「だから、さっきから何の話だ!冗談にしても度が過ぎるぞ!」

春風「構えてください」

提督「何だか知らんが、こうなった以上仕方ない」

吹雪「司令官!」

提督「大丈夫だ。怪我はさせない。吹雪は下がっていなさい」

春風「随分な自信ですね」

長門「お前たち手を出すなよ」
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 11:59:17.85 ID:py6fkGRs0

天龍「提督、覚悟しやがれ!刀の錆にしてやる!」ダッ

長門「あのバカ、手を出すなと言ったのに!」

天龍「うぉぉぉぉーっ!」

ペチン

天龍「!?」ヒリヒリ

天龍「うえ〜ん、龍田〜、提督が苛めるよ〜(泣)」ダッ

提督「ただのデコピンだろ。大げさな」

磯風「天龍を破ったか。だが、奴は四天王の中で最弱ッ!」

春風「隙あり!」

提督「おっと!」ヒョイッ

磯風(無視された・・・)

カン!

カン!

カン!

ピシッ

長門「激しい抜刀術の打ち合い。流石だな」

磯風(万が一、春風が敗れたなら、この磯風がエクスカリバーで斬る!)

春風「このままでは埒が明きません」

提督「このまま千日戦・・・あの構えは!」

春風「春風流剣術奥義」

長門「決まったな」

春風「海航艦娘舞!」

スッ

長門「かわしただと!?」
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:00:15.59 ID:py6fkGRs0

春風「避けても無駄だとご存知のはず。何故、避けるのです?」

提督「この術の弱点を知っているからだ」

春風「!?」

提督「てい!」

ポキーン

春風「私の愛刀が・・・」

プスッ

磯風「ひっ・・・、わ、私の目の前に折れた刃が・・・。ビビッてなんてないぞ!」

提督「この術は一撃目を放った後、追撃をかける前に約1/1000秒の隙が出来る。その瞬間を狙えば勝てる。それに先ほどの打ち合いで春風の刀には亀裂が入っていたからな」

春風「そこまで見破っていたとしても、実際に打ち破ったのは司令官様が初めてです。煮るなり焼くなりお好きにしてください」

松風「姉貴を泣かせるとは・・・君、許さないよ」

磯風(よし、今度こそ磯風の出番だ!)

ズシーン!

ズシーン!

提督「地鳴り?」

吹雪「儀装を装着した大和さんです!」

大和「せめてもの情けとして、苦しまずに逝かせてあげます。サヨナラ、私たちの提督だった人」

吹雪「司令官、逃げてください!」

磯風「え?あの・・・」

青葉「大和さん少し待ってください。最後に一言お願いします!」

提督(おいおい、大和の砲撃なんて食らうと確実にアウトだ!)
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:01:15.72 ID:py6fkGRs0

ブーン

提督(この音は!)

ドンガラガッシャーン

大和「ゲホッ、ゲホッ、何事!?」

キット「アドミラル、直ぐに車内へ!」フォンフォン

ガチャ

提督「助かった!」

吹雪「私も一緒に逃げます!」

提督「いや、吹雪は残るんだ。俺と一緒より、ここに残る方が安全だ」

バタン

吹雪「でも!」

提督「必ず助けに戻る。俺を信じろ!」

吹雪「分かりました」

大和「邪魔をするならキットも一緒にあの世に送ってあげます」

『SMOKE RELEASE』ピッ

シューツ

モクモク

長門「ゲホッ!煙幕とは卑怯な!だが、鎮守府中に艦娘を配備した。逃げ切れると思うなよ!」


-埠頭-

長門「こちら長門。応答願う」

陸奥「長門からね。こちら陸奥。どうぞ」

長門「提督がそちらへ向かった。迎撃を頼む」

陸奥「分かったわ。任せておいて」

長門「では、頼んだ。通信終了」

陸奥「だ、そうよ」

武蔵「やるか」
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:02:43.78 ID:py6fkGRs0

提督「何だか知らんが、このまま鎮守府の外まで逃げるぞ。対処法を考えるのは後回しだ」

キット「アドミラル、前方に如月さんたちが居ます」

文月「ねえ、アイツ殺っちゃってい〜い?」

如月「いいわよ♡」

海風「二人ともお姉さんに続いて」

江風「まろーん、裏切りやがって」

山風「パパなんて大嫌い」

霰「うっほほーい!」

荒潮「あらあら、逃げるなんて無駄よ〜」

提督「駆逐艦の砲撃程度なら当たっても問題ない。突っ切るぞ」

ドーン!

ドーン!

赤城「提督、私たちを裏切った償いをしてもらいます」

飛龍「多聞丸も激オコだよ!」

蒼龍「提督がそんな人だとは思わなかったよ」

翔鶴「提督、今までお世話になりました。私たちは新しい提督と鎮守府を立て直します」

瑞鶴「目標、提督。殺っちゃって!」

キット「今度は空母の皆さんです」

提督「厄介な。進路を変えるぞ」

ドカーン!

ドカーン!

提督「クッ、まだ付いてくるか。やはり空母は厄介だ」

キット「アドミラル、前方を!」

提督「陸奥に武蔵!誘い込まれたのか!」

陸奥「あらあら、残念ね。これで終わりよ」

武蔵「あばよ、相棒!」

ドーン!

提督「うわぁぁぁぁ!」

武蔵「終わったな」

陸奥「いいえ、まだよ。死体を確認するまでは終わりじゃないわ。それに、あの提督とキットを甘く見てはダメよ」

武蔵「随分、高く評価しているな」

陸奥「あの人は何度も死線を掻い潜ってきた人よ。この程度で死んだとは思えないわ」

武蔵「なるほどな」

陸奥「でも、殺すには惜しい人だわ」

武蔵「陸奥」

陸奥「分かってるわ。彼は私たちと、人類を裏切ったんだもの」
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:03:22.20 ID:py6fkGRs0

-海中-

キット「アドミラル、しっかりしてください!アドミラル!」

提督「う〜ん」パチッ

提督「ここは?」

キット「海の中です」

提督「そうか、武蔵たちの砲撃を受けて海へ吹き飛ばされたのか。陸ではなく海で好都合だ。キット、損傷は?」

キット「システムオールグリーン。何処も損傷はありません」

提督「よし、浮上しよう」


-鎮守府 埠頭-

大淀「このデータを証拠として提出すればいいのですね?」

???「そうだ」

大淀「分かりました」

???「一時間程したらもう一度来る」

大淀「はい」

???「次は提督と艦娘として会おう」ニヤッ
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:03:58.31 ID:py6fkGRs0

-大本営 元帥執務室-

元帥「もう直ぐ研修が始まると言うのに呼び出してすまない」

新提「いえ。それでご用件は」

元帥「新提君、残念なお知らせだ」

新提「まさか、私はクビですか?」

元帥「いいや、君のことじゃない。提督君のことだ」

新提「アイツがどうしたんですか?」

元帥「彼は深海側に我々を売った」

新提「何かの冗談ですか?もしくはドッキリ?」

元帥「冗談でもドッキリでもない」

新提「そんな話、信じられるはずがありません!」

元帥「私とて信じたくはない。だが、決定的な証拠が大淀君から送られてきた」


-海上-

キット「吹雪さんは連れて来なくてよかったのですか?」

提督「何だか知らんが、俺は命を狙われているんだ。連れて来る方が危険だ。それに仲間に危害は加えない・・・と思いたい」

キット「確かにそうですね。それに、どちらかと言うと、危害を加えようとした側の方々が心配です」

妖精ズ「とりあえず提督さんが無事で一安心です」←後部座席の足元に隠れていた

提督「妖精さん!」

キット「一体何が起きているのでしょう?」

妖精ズ「実は昨日から鎮守府近海で変な電波が発信されています」

提督「変な電波?」

妖精ズ「はい。発信源を特定しようとしたのですが、この騒ぎで中断してしまいました」

提督「今から調査出来ないかな?」

妖精ズ「残念ながら機材がありませぬ故」

提督「キットはその電波をキャッチ出来ないか?」

キット「残念ながら」

妖精ズ「あれは特殊な周波数の電波故、感知出来ないはずです」

提督「そうか。だからと言って、機材を取りに帰る訳にもいかないし・・・」

妖精ズ「何処かの鎮守府の工廠を借りられれば作成出来ますが」

キット「先ほど、大本営よりアドミラルがお尋ね者として手配された様です」

提督「・・・。一つだけ可能性がある。あそこなら」
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:05:13.38 ID:py6fkGRs0

-鎮守府 監房-

金剛「こんなことをしたくはありマセンが、ブッキーが提督の味方をする以上仕方ありマセン」

吹雪「・・・」

金剛「処分が決まるまで、この独房で大人しくしててもらいマス。ブッキーだけは助けてもらえる様に、皆に頼んであげマス。それじゃ」

ガチャ

バタン

ヲ級「吹雪!どうして貴女まで?」

吹雪「皆さん突然おかしくなって司令官を殺そうとしたんです。司令官はキットと脱出したはずですが、私はここに残った方が安全だって」

ヲ級「そんなことがあったの。提督はキットと一緒なら無事だろうし、貴女は一緒に逃げるより、ここで大人しくしてる方が安全かも知れないわね」

イ級「でも、私たちは深海棲艦だから処刑されないか?」

吹雪「そうなるまでに司令官が助けてくれると信じてます」

ガチャ

睦月「キビキビ歩くにゃしぃ!」

黒吹雪「ごめんね。捕まっちゃった」

睦月「私語は慎むにゃしぃ!」

望月「裏切り者は全部捕まえたね〜、あ〜面倒くさかった」

ガチャ

睦月「ここへ入るのね!」

黒吹雪「・・・」

バタン

カチャ

睦月「お前たちの処遇は後ほど伝えるからここで大人しくしてるにゃしぃ!」

望月「まー、精々残り短い人生を楽しみなよ」

バタン

睦月「監房の見張りをお願いするのね」

龍驤「任せとき。うちがしーっかり見張っといたるわ!蟻の子一匹通さんで!」


-廊下-

朧「私が出たら一撃だったのに」

漣「朧っちは分かってないね〜」

朧「?」

漣「ご主人様だった人を狩るゲームなんだから、朧っちのチートな積尸気なんて使うと即ゲームオーバーで楽しくないお!」

潮「あの人、早くこの世から居なくなって欲しいな」

漣「おや?潮っちがそこまで言うなんて珍しい」

潮「あの人・・・潮をいやらしい目で見てくるから嫌い」

朧「許せない!」

漣「ぶっ○してやる!」
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:05:57.20 ID:py6fkGRs0

-工廠-

夕張「さーて、提督を必ずぶっ殺すマシーンを造るわよ!」

明石「提督のことだから一筋縄では行かないし、腕がなるわね!」

夕張「あれ?妖精さんたちが居ない?」

明石「本当だ。何処に行ったんだろう?」


-伊13・14私室-

伊14「もう呑めないよ〜」zzz

伊13「理由は分からないけど、皆がおかしくなって提督を殺そうとしてる・・・」

伊14「呑めないってば〜」zzz

伊13「原因の調査と、元帥に現状報告をしないと・・・」
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:06:38.82 ID:py6fkGRs0

-伊勢型私室-

日向「やはり瑞雲は素晴らしい」

最上「はい、師匠!」

日向「このフォルム」

最上「色」

日向「重量」

最上「質感」

日向「ディテール」

最上「味」

日向「そして香り。まさに神が創りし芸術品。いや、この世は創造主たる瑞雲により創られたものであり、水爆としての瑞雲は神が地上に降臨する際に使っている仮の姿だったな」

最上「そういえば、さっきから外が騒がしいですね」

日向「俗世の騒がしさなど、瑞雲の前では何の意味も成さない」

最上「そうですね!」


-秋雲私室-

秋雲「♪」

秋雲「やっぱ、アニキの歌声を聞きながらの作業は捗るわ〜」E:妖精印のヘッドホン

秋雲「あれ?まだ夜明け前だと思ってたけど、もうこんな時間?とりあえず音楽止めてっと」

秋雲「巻雲〜、休憩しよっか」

シーン

秋雲「巻雲〜」

シーン

秋雲「あれ?居ない?まーいいや。時計を見たら眠くなってきたし、ちょっと寝よっと。おやすみ〜」
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:07:30.84 ID:py6fkGRs0

-出撃ドック-

ガングート「提督よ、貴様は見つけ次第、銃殺刑だ!血で海を赤く染めてやる!」

タシュケント「同志だった提督、見つけたらシベリア送りだよ!」

卯月「うーちゃんを騙した罪は重いぴょん!」

龍田「天龍ちゃんを泣かせた罪は重いわよぉ〜。楽に死ねると思わないでねぇ〜」

北上「大井っちと組めば裏切り者の提督なんて敵じゃないよね。ねー、大井っち」

大井「ええ。裏切り者は私たちの手で始末しましょう!」

北上「フルアーマー北上改二」

大井「大井」

北・大「出撃!」

ウォースパイト「ロイヤルネイビーの名に賭けて裏切り者は始末します」

アークロイヤル「女王陛下のために裏切り者は始末する」

ジャービス「ダーリンはあたしが沈めてあげる♪」

ローマ「ドン・アンミラーリオ。ファミリーを裏切ったことを後悔させてあげるわ」

卯月(ファミリー?ローマさんってマフィアだったぴょん?それより、ドン・ナントカって司令官がマフィアのボスってことぴょん?)←何となく雰囲気で理解している

ローマ「姉さん、先に行くわよ!」

リットリオ「ふふっ。ローマったら張り切ってるわね。これから激しいドンパチをすると思うとユニオン・ステーションの銃撃戦を思い出すわ」

卯月(いや、それはアメリカだぴょん!前に乳母車が階段から落ちるシーンを観たことがあるぴょん!)

リットリオ「裏切り者を始末したら、トルタ・カプレーゼでお祝いしましょう」

卯月(今度はイタリアに戻ってるぴょん!でも、司令官からトルタ・カプレーゼの誕生にはアル・カポネが関わってるって聞いたことがあるし、やっぱりアメリカ?しかも、かまどがどうのって言ってたし、もう訳が分からないぴょん!)

アイオワ「同盟国を裏切ったらどうなるかたっぷり教えてあげる」

イントレピット「着任早々に提督が裏切るなんてついてないな〜」

サラトガ「サラの子達が提督の血を求めてます」

ガンビアベイ「ひっ・・・怖すぎ」涙目

サミュエル「」白目

サラトガ「あら?どうかしましたか?」ニコッ

ガンビアベイ「な、何でもありません!」

サミュエル(サラってこんな艦娘だったっけ?)
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:08:15.38 ID:py6fkGRs0

-武羅悪鎮守府 執務室-

師匠「提督よ、どういうことだ!」

武羅悪提督「本当に裏切ったならアンタを突き出すしかない」

提督「どうなっているのか、こっちが聞きたいくらいだよ!全く身に覚えが無いのに、突然裏切り者呼ばわりされて艦娘たちから襲われたんだ!」

師匠「本当に裏切ってないのだな?」

提督「誰かさんと一緒にしないで欲しいですね!」

師匠「だ、誰のことやらさっぱり(汗)」

武羅悪提督「何かの間違いだと言うなら信じましょう」

提督「恩に着る」

武羅悪提督「しかし、ずっとここに匿う訳にもいかない」

提督「工廠を使わせてもらいたい。用事が済めば直ぐに出て行く」

師匠「工廠?何か掴んでいるのか?」

提督「妖精さんたちによると鎮守府近海から変な電波が出ていると。それが今回の事件と関係しているかも知れない。と、言うより関係していると考えています」

武羅悪提督「大和」

武羅悪・大和「はい」

武羅悪提督「先輩を工廠まで案内してやってくれ」

武羅悪・大和「はい。こちらへどうぞ」

提督「あ、そうだ!迷惑ついでに食事も頼む」

武羅悪提督「食堂にも案内してやってくれ」


-執務室前-

武羅悪・叢雲「アイツには借りがあるわ」

武羅悪・吹雪「今こそ恩返しをしないと!」
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:08:51.30 ID:py6fkGRs0

-鎮守府 執務室-

大淀「大本営より派遣された臨時提督が到着しました」

臨時提督「私が臨時の提督だ。宜しく頼む」

金剛「宜しくお願いしマース!」

長門「宜しく」

赤城「宜しくお願いします」

大淀「全体への挨拶は後でするとして、現状の報告をお願いします」

長門「陸奥と武蔵による砲撃後、提督の行方は掴めていない。死体が見つかっていない以上、まだ生きていると思われる」

赤城「中々しぶといですね」

臨時提督「だが、その方が狩り甲斐があるではないかね?」

金剛「イエース!その通りデース!」

赤城「偵察機による捜索範囲をもっと広げるしかなさそうですね」

長門「だが、空母の艦載機だけでは限界があるだろ?」

赤城「はい。そこで水上機母艦や航空巡洋艦の皆さんの水戦、水爆にも協力をお願いできないかと」

臨時提督(クックック・・・もう少しだ。もう少しで我等の悲願が達成される。自らの手で提督を殺害し、正気に戻った後で絶望のどん底に堕ちるがいい!)

大淀「提督?」

臨時提督「ああ、すまない。そのプランで進めてくれ」

大淀「承知いたしました」
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:09:49.83 ID:py6fkGRs0

-数時間後 監房前-

ドスッ

龍驤「うっ・・・」バタッ

川内「悪いけど、しばらく眠っててね」

ガチャ

ズルズル

吹雪「何の音?」

ヲ級「何かを引きずる様な音ね」

川内「吹雪、助けに来たよ!」

吹雪「川内さん!」

川内「今、出してあげるから。えーっと、どの鍵だ?」

川内「コレだ!」

カチャ

吹雪「川内さん?いつものアレ、しないんですか?」

川内「アレ?」

吹雪「ほら、いつもの、ドーモ、○○=サン。川内です。って挨拶です」

川内「今はそんなことしてる場合じゃないの!」

吹雪「そうですね。ごめんなさい」

川内「悪いけど、吹雪以外はここに居てもらうよ」

ヲ級「ええ、仕方ないわ」

イ級「そうだな。私たちまで出たら大騒ぎになる」

黒吹雪「川内さん、吹雪をお願いします」

川内「任せといて」

吹雪「龍驤さんはどうしますか?」

川内「手足を縛って吹雪が入ってた独房に入れとこうか」

吹雪「龍驤さん、ごめんなさい」

カチャ

川内「鍵も掛けたし、行くよ!」

吹雪「はい!」
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:10:31.55 ID:py6fkGRs0

-廊下-

神通「姉さん?姉さんは部屋で寝ていたはずでは?それにどうして吹雪さんを連れているのです?」

川内「何言ってるの?それじゃまるで私は昼間はずっと寝てるみたいじゃない。吹雪は連れて来いって長門さんに言われたからだよ」

吹雪(マズイです!)

神通「・・・。那珂ちゃんの黒子は何処にありますか?」

川内「え?」

神通「黒子の場所を答えてください」

川内「背中」

神通「・・・」ダッ

ガシッ

川内「いきなり殴りかかるなんて危ないじゃない」

神通「貴女は誰ですか?」

川内「何言ってるの?」

神通「那珂ちゃんの黒子はお尻です。もう一度聞きます。貴女は誰ですか?」

川内「そんなに知りたいなら、力ずくで吐かせたら?」

神通「そうさせてもらいます」

川内「吹雪!このUSBに入ってるレポートを元帥に送って!PCに挿せば後は全自動だから」ポイッ

吹雪「はい!」

神通「何を企んでいるのか知りませんが、そうはさせません」

川内「神通の相手は私だよ!」

吹雪「川内さん?武運長久を!」ダッ

神通「仕方ありません。まずは偽者の貴女を全力で倒します」


綾波「吹雪ちゃん、こんな所で何してるんですか?」

吹雪「綾波ちゃん!」

綾波「吹雪ちゃんは独房に入れられたはずですよね?」

吹雪「私にはどうしてもやらないといけないことがあるの。お願いだから通して」

綾波「仕方ないですね。流石の綾波も吹雪ちゃんには敵わないので、通っていいですよ」

吹雪「ありがとう」

綾波「な〜んて言うと思いましたかぁ?ってあれ?動けない!首から下が凍ってる!?」

吹雪「ごめんね。しばらくそこで大人しくしてて」

綾波「妹にこんなことするなんて酷すぎます〜!(泣)」

吹雪(綾波ちゃんは確かに姉妹艦だけど、私の妹は浦波ちゃんまでだなんて言えない)
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:11:10.04 ID:py6fkGRs0

-執務室前-

吹雪(執務室前には見張りが居るから、侵入するのは無理そう・・・)←曲がり角から偵察中

吹雪(通信室には大淀さんが居るだろうから無理だし・・・)

吹雪(こうなったら!)


-廊下-

神通「偽者にしてはやりますね」ハァハァ

川内「当然だよ」ハァハァ

神通「お互い息も上がって、余裕がありませんね。次で決めます」ハァハァ

川内「望むところだよ」ハァハァ

神通「これで終わりです!」

川内(時間稼ぎも出来たし、そろそろ)

ボンッ

モクモク

神通「煙玉!?卑怯な!」

川内(悪いけど、いつまでも神通さんの相手をしてる暇はありません・・・)
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:11:45.38 ID:py6fkGRs0

-阿賀野型私室-

能代「阿賀野姉、シャキっとして!裏切り者を捜索しないと」

阿賀野「え〜面倒くさい〜」

能代「矢矧と酒匂に任せっぱなしにする訳にはいかないでしょ!」

阿賀野「二人が捜索に出てるならそれでいいじゃない。阿賀野が居なくても大丈夫だよ〜」

能代「阿賀野姉、最近太ったんじゃない?」

阿賀野「そ、そんなこと無いよ!(汗)」

能代「運動が必要ね」ガシッ

阿賀野「あ〜れ〜」ズルズル


-古鷹型私室-

古鷹「ほら、加古起きて!」

加古「え〜、寝かせてよ」

古鷹「新しい提督も着任したし、前提督を早く見つけ出さないと!」

加古「別にあたしが居なくても大丈夫だって。他の皆に任せとけば大丈夫だよ。おやすみ」

古鷹「起きて!」

加古「」zzz

古鷹「もう!こうなったら無理やり連れて行くしか無いよね」

ズルズル

加古「」zzz
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:12:27.72 ID:py6fkGRs0

-吹雪型私室-

ガチャ

キョロキョロ

吹雪(誰も居ない?)

ヌキアシ

サシアシ

シノビアシ

初雪「ん〜?」パチッ

初雪「吹雪お姉、何してるの?」

吹雪「!? ちょ、ちょっとテレビを観ようと思って」

初雪「ふ〜ん。私はもう一寝入りするから、うるさくしないでね」

吹雪「うん、おやすみ」

初雪「」zzz

吹雪(セーフ!部屋に居たのが初雪ちゃんで助かりました!今のうちにPCを立ち上げて)


-大本営 元帥執務室-

ピロリーン

元帥「ん?メールか」

元帥「こ、コレは!?エージェント・ヒトミから直通回線を使った暗号通信!」

元帥「!? 提督君の鎮守府でこんなことが起きていたとは・・・。大和!大和は居らぬか!」
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:13:17.27 ID:py6fkGRs0

-鎮守府近海-

提督「無事、鎮守府近海までは来られたな」

キット「ですが皆さん、アドミラルの捜索中の様です。これ以上接近すると見つかってしまいます」

妖精ズ「では、こんなこともあろうかと用意しておいたラジコンボートを使いましょう」

提督「本当にこんな物で騙せる?」

妖精ズ「大丈夫です!大船に乗ったつもりでいてください」


夕雲「この反応は・・・」

浦風「キットじゃ!」

龍田「皆、行くわよぉ〜」

磯風「今度こそ、この磯風がエクスカリバーで斬る!」

巻雲「司令官様、夕雲姉さまのためにも確実に沈めてあげます!」

島風「皆、おっそーい!」

天津風「勝手に先行しちゃダメでしょ!」


キット「皆さん、ラジコンボートの方に向かって行きます」

妖精ズ「大成功です」

武羅悪・叢雲「ダミーだと気付いて帰ってくる前に片付けるわよ!」

武羅悪・吹雪「ええ、行きましょう」

武羅悪・伊58「その通りでち!」

提督「そうだな」
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:14:06.29 ID:py6fkGRs0

妖精ズ「丁度この真下が電波の発信源です!」

提督「よし、ゴーヤ頼めるか?」

武羅悪・伊58「任せておくでち!オリョール以外の海に潜るのは久しぶりで腕がなるでち!」

ガチャ

チャプン

武羅悪・伊58「行ってくるでち!」

バタン

提督「よし、俺たちは少し下がった場所で待つか」


-鎮守府近海 海底-

武羅悪・伊58(変な装置があるでち。きっとアレが電波の発信源でち。装置を守るようにカ級やヨ級まで居るから間違いないでち)←岩陰から偵察中

武羅悪・伊58(でも、ここから魚雷を撃って当たるか心配でち)

武羅悪・伊58(ええい!後は野となれ山となれでち!アイツ等は上で待機してる叢雲と吹雪に任せるとしてゴーヤは装置の破壊だけを考えるでち!)

武羅悪・伊58「魚雷さん、お願いします!」
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:14:46.24 ID:py6fkGRs0

-海上-

バシャーン!

提督「今の水柱は」

妖精ズ「はい!電波が検知されなくなりました!」

提督「よくやってくれた!」

キット「ゴーヤさん以外に複数の潜水艦が接近中です」

ポーン

ポーン

武羅悪・叢雲「ソナーに感あり。潜水艦が居るわね。やるわよ!」

武羅悪・吹雪「うん!」

武羅悪・伊58「ぷはぁ!敵潜水艦が物凄い形相で追いかけてきてるでち!」

武羅悪・吹雪「後は私たちに任せて!」ポイッ

武羅悪・叢雲「沈みなさい!」ポイッ

ドーン!

ドーン!

カ級「うぎゃー!」轟沈

ヨ級「ぐわー!」轟沈
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:16:27.62 ID:py6fkGRs0

『100%』 ⇒ 『0%』


-鎮守府 執務室-

金剛「? 私は何を・・・」

臨時提督「どうした?」

金剛「!? 深海棲艦!」

臨時提督「深海棲艦?一体何処に?」

金剛「何故、深海棲艦が執務室に!」

ポチッ

ジリリリリリリ

戦艦棲姫「クソッ!装置が破壊されたのか!」ダッ

パリーン

金剛「待ちなサイ!」

大淀「わ、私はなんてことを・・・」プルプル


-海上-

キット「鎮守府方面から何かが高速で接近してきます」

提督「何が接近してきてるんだ?」

キット「あれは・・・金剛さんたちと、戦艦棲姫です!」

提督「戦艦棲姫?よし、撥ねてやるか」

ブーン

武羅悪・叢雲「ちょっと、待ちなさいよ!」

武羅悪・吹雪「追いかけないと!」

武羅悪・伊58「追いかけるでち」

ドーン!

バシャーン!

ドーン!

バシャーン!

戦艦棲姫「クソッ、艦娘どもめ!後少しというところで!」

提督「前方不注意は怪我のもとだ」

戦艦棲姫「!?」

ドン!

戦艦棲姫「ぐぼぁ!?」

ピューン

提督「ぶつかった瞬間、スイカバーで突き刺された人みたいな表情になっていたな」

キット「ええ。衝撃的な表情でした」

武羅悪・叢雲「深海棲艦とは言え、あの表情は少し気の毒だったわ」

武羅悪・吹雪「そうだね(汗)」
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:17:15.29 ID:py6fkGRs0

比叡「お姉さま!キットに撥ねられた戦艦棲姫がこちらへ飛んできます!」

金剛「私たちを騙したツケを払わせるネー!」

加賀「頭に来ました」

赤城「私たちを騙したことを後悔させてあげます」

大和「許しません!」

金剛「全砲門ファイヤー!」

ドーン!

ドーン!

ドーン!

ドーン!

ドーン!

戦艦棲姫「ぐはっ!無念・・・」撃沈

提督「見事だ」

金剛「提督・・・。私は提督に合わせる顔がありマセン」クルッ

比叡「お姉さま・・・」

武羅悪・叢雲「逃げる気?コイツはアンタの提督でしょ?きちんと向き合いなさい」

金剛「そうデスネ・・・。叢雲の言う通り・・・アレ?」

提督「この子は武羅悪鎮守府所属の叢雲だ。色々世話になった」

金剛「そうデシタカ」

提督「鎮守府に帰ろう。礼をしたから君たちも来てくれ」

武羅悪・叢雲「分かったわ」
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:17:51.51 ID:py6fkGRs0

-鎮守府 埠頭-

吹雪「司令官、それにキットも無事だったんですね!」ギューッ

提督「ああ、心配を掛けてすまなかった」

キット「吹雪さんも無事で安心しました」フォンフォン

武羅悪・叢雲「お熱いわね」

吹雪「武羅悪鎮守府の叢雲ちゃん?///」

提督「武羅悪鎮守府で色々と助けてもらったからな」

武羅悪・吹雪「こんにちは」

武羅悪・伊58「ゴーヤも居るでち」

吹雪(うぅ・・・見られちゃった///)

金剛「ブッキー、独房に入れたりしてゴメンナサイ」

吹雪「金剛さんも正気に戻ったんですね!」

金剛「ハイ」

提督「これから全員を集めて話をしないといけないから、金剛たちは大ホールで待っててくれ」

金剛「ハイ。皆さん行きまショウ」

提督「叢雲たちは執務室へ」
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:18:32.85 ID:py6fkGRs0

-執務室-

ガチャ

提督「ん?大淀、何してるんだ?それより何で白装束?」

大淀「提督。大淀は取り返しの付かない過ちを犯しました。命をもって償います」

提・吹「!!!」

大淀「介錯をお願いします。提督の刀は介錯をするための物ですよね?」

提督「そうだけど、そうじゃない!って言うか前に夢でこんな状況に遭遇したぞ!その時は榛名だったけど!」

吹雪「大淀さん、バカなことは止めてください!」

大淀「放してください!罪を償うには他に方法が無いんです!」

提督「こんな言い方はしたくなかったが仕方ない。これは命令だ。生きろ」

大淀「・・・。イエス、ユア ハイネス」

提督「秋雲ぉ!」

秋雲「呼んだ?」ヒョコッ

提督「お前さんのマンガのせいで大淀がおかしくなってるぞ!」

大淀(秋雲ちゃんのマンガではなく、夕張さんにコードギ○ス全話一気見に付き合わされたせいです)

秋雲「どゆこと?って言うか、大淀さんは何で白装束着てるの?」

提督「命をもって罪を償うと言い出して白装束を着ているんだ」

秋雲「あー、つまりハラキリ?てか何でそんなことを?」

提督「理由はお前たちが一番よく分かってるだろ?」

秋雲「?」

吹雪「何で分からないって顔してるの?」

秋雲「だって、秋雲さんは徹夜でマンガ描いてて、その後さっきまで寝てたし」

提督「つまり、一連の出来事を知らないと?」

秋雲「うん」

提督「知らないなら、知らないでいい」

秋雲「えー、気になるじゃん」

提督「余計なことに首を突っ込まんでよろしい。大淀、皆を大ホールに集めてくれ」

大淀「はい」

提督「もし、部屋から出て来ない奴が居れば首に縄を付けてでも連れて来てくれ」

大淀「分かりました。行って参ります」

武羅悪・叢雲「アンタも色々大変ね」

提督「胃が痛い・・・。話が終わったら間宮さんの店で好きな物を奢るから、しばらくここで待っててくれ」
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:19:36.30 ID:py6fkGRs0

-30分後 大ホール-

提督(おいおい、マジかよ・・・。大淀以外にも白装束が何人か居るんですけどぉ!)

吹雪「司令官、あの・・・あそこを見てください」

提督「うわぁ・・・本当に首に縄を付けて連れて来られてる子も居る・・・。アレはものの例えであってだな」

吹雪「でも、そうしないと梃子でも動かなかったんだと思います」

提督「そうだろうな・・・。空気が重過ぎる」

シニタイ・・・

ワタシナンテイキテテモ

カイタイシテクダサイ

大淀「皆さん、集合しました」

提督「ご苦労さん」

提督「皆に大事な話があるので良く聞いてくれ。今日の事件は深海棲艦によって仕組まれたものであり、君たちには何ら落ち度も責任も無い」

提督「気にするなと言っても無理かも知れないが、俺はこうして生きてる。だからもういい。大丈夫だ。自分を責めるな(まー、生きてるのはキットのお陰だけど)」

テイトク・・・

シレイ・・・

提督「それでも納得出来ないなら、その気持ちは全て深海棲艦にぶつけてやれ。以上だ」

秋雲「で、結局何だったの?」
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:20:48.50 ID:py6fkGRs0

-甘味処 間宮-

提督「遠慮せずに何でも好きな物を頼んでくれ」

武羅悪・叢雲「そうね・・・。デラックスパフェにするわ」

武羅悪・吹雪「私もそれにします」

武羅悪・伊58「ゴーヤもでち」

提督「吹雪はどうする?」

吹雪「私はケーキセットにします」

提督「間宮さん、デラックスパフェを三つと、ケーキセットをお願いします」

間宮「はい。少々お待ちください。提督、申し訳ありませんでした」

提督「もう気にしなくていいですから」

間宮「はい・・・」

提督「先ほど借りた資材についてだが」

武羅悪・叢雲「それなら返さなくていいわ」

提督「いや、そういう訳にはいかない。借りたものは返さないと」

武羅悪・叢雲「私たちはアンタに借りがある。それを今回返したからこれでチャラよ」

提督「おいおい、そんな勝手に」

武羅悪・叢雲「いいのよ。私にもその位の権限はあるわ」

武羅悪・吹雪「そうですよ。先日の件があった後、叢雲ちゃんは司令官から指輪を頂いたんです。それなりに権限は持ってますよ」

武羅悪・伊58「でち」

武羅悪・叢雲「ま、アイツとは仲直りって訳じゃないけど私もケッコンしたからそれなりに権限はあるのよ。ここで奢ってもらった分だけ報酬代わりに貰っておくわ」

吹雪「叢雲ちゃんもケッコンしたんだね。おめでとう!」

武羅悪・叢雲「ま、まぁ礼は言っておくわ。ありがとう」ボソッ

武羅悪・吹雪「指輪を受け取った時、嬉しくて泣いてたよね」

武羅悪・叢雲「余計なこと言わなくていいわよ///」

提督(もしかして武羅悪は今、叢雲の尻に敷かれているのか?いや、まぁ、叢雲はアイツの初期艦だし、駆逐艦との関係改善には良い策か)

武羅悪・叢雲「何か失礼なことを考えてない?」

提督「いやいや、そんな訳無いだろ。アハハ」

武羅悪・叢雲「ふ〜ん。ならいいわ」
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:21:27.75 ID:py6fkGRs0

-叢雲たち帰還後 執務室-

コンコン

鳳翔「鳳翔です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

鳳翔「提督、今朝は申し訳ありませんでした!」

提督「そのことならもういいですから」

鳳翔「そうはいきません!」

提督「しかし、あれは深海棲艦に仕組まれたものであって」

鳳翔「だとしても許されることではありません!艦娘と言えども私も女です。スタイルに自信はありませんが、体で責任を取ります!」

吹雪「鳳翔さん、落ち着いてください!」

提督「脱ごうとしないで!」

〜しばらく後〜

提督「落ち着きましたか?」

鳳翔「はい。取り乱して申し訳ありませんでした」

提督「兎に角、この件はもういいですから。これで終わり。いいですね?」

鳳翔「はい。では、失礼します」

ガチャ

鳳翔「あら、春風ちゃんに金剛さん、榛名さん、大和さん。貴女たちも謝罪に来たのですね」

春風「はい。私たちだけではなく、皆様、並んでおられます」

吹雪「執務室前の廊下が大変なことになってます!」

提督「皆、並んでいる?」チラッ

提督「うわぁ・・・。はい、全員解散!皆が謝罪に来てたら何時間掛かるんだよ!」

春風「今のうちに私たちは入らせて頂きましょう」

金剛「そうデスネ」

ゾロゾロ

バタン
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:22:06.93 ID:py6fkGRs0

春風「司令官様、私を司令官様の妾にしてください」

提督「はい?」

春風「私を破った殿方は司令官様が初めてです。私は自分を破った殿方の下へお嫁に行こうと決めていました。ですが、吹雪さんがいらっしゃるので妾にしてください」

榛名「榛名は側室でも大丈夫です!」

金剛「榛名だけズルイデース!私は3番目でも4番目でも、それ以降でも大丈夫デス!」

大和「是非、大和ホテルにご宿泊(意味深)を!」

提督「止めて。マジで止めてください。俺が怒られるから!」

春風「司令官様、英雄色を好むという言葉をご存知ですか?」

提督「知ってるけど俺は英雄とかじゃないから!あと、人を女好きの遊び人みたいに言うのは止めなさい!」

大和「ま、まさか提督は男s『違うわ!』」

提督「吹雪とケッコンしているのに何故そうなる!」

大和「本当は男色家なのを儀装するために」

提督「だから何でそうなる?まさか、大和はBLが好きなのか?」

大和「いえ、そんなことはありません!ただ、秋雲さんのマンガで少し興味を持った程度です!」

提督「えぇ・・・」

吹雪「大和さん・・・」

榛名「英雄で無いなら、救世主ですか?」

提督「我はメシア也。ハーッハッハッハ!って何やらせるんだよ!」

榛名「?」

提督「いや、今のは忘れてくれ(夕張ならノってきそうだけど、榛名は無理だよな)」

提督「ところで春風。体は大丈夫なのか?陸上であの術を使うのは負担が大きいだろ?」

春風「司令官様はこんな私のことを気にかけてくださるのですね。私は艦娘です。人間である司令官様より体は丈夫なので平気です」

提督「そうか。人間の俺が調子に乗って艦娘の剣術を使ったせいで酷い目に合っただけか。それなら良かった。それと刀を折って悪かった」

春風「あれは司令官様を斬ろうとした私が悪いのです」

提督「明日、妖精さんに頼んで新しい刀を打ってもらおう」

春風「はい」

大和「提督が宿泊して下さらないのであれば実力行使です!」ガシッ

提督「コラ、大和!放しなさい!」

榛名「大和さん、ここは先輩である榛名に譲るべきです!」

金剛「そう言う榛名は姉である私に譲るべきデース!」

春風「いえ、ここは私が」

吹雪「皆さん、いい加減にしてください!」
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:23:00.48 ID:py6fkGRs0

ドアバーン

一同「!?」ビクッ

大本営・大和「お前たちは完全に包囲されている!おとなし・・・あら?」

コノテニヨセル

大本営・大和「元帥から着信?」

ピッ

元帥「大和、スマン」

大本営・大和「あの、たった今、執務室に乗り込んだのですが・・・、その、既に解決済みと言いますか・・・」

元帥「ヒトミから事態を収拾したとの連絡が一時間以上前に届いていたのだが、先ほど気付いた」

大本営・大和「つまり入れ違いになっていたと?」

提督(入れ違い?ドタバタしていたせいで報告を忘れていたが、大淀が連絡してくれていたのか?)

元帥「その通りだ。到着したばかりでスマンが帰ってきてくれ」

大本営・大和「分かりました」

ピッ

大本営・大和「あの・・・お騒がせしました。私、元帥の命を受けてやって来た大和です」

提督「あ・・・、提督です。遠路はるばる来ていただいて申し訳ありませんが、見ての通り解決済みです」

大本営・大和「その様ですね。ところで、ここの大和は一体何を?」

大和「な、何でもありません!」

提督「ここまで来て頂いてタダで帰すのも失礼ですし、間宮さんの店で休んで帰ってください」

大本営・大和「いえ、その様なお気遣いは」

提督「その間に帰りの燃料を補給しておきますので」

大本営・大和「そこまで仰るのであれば、お言葉に甘えさせて頂きます」

提督「ここへは何名で?」

大本営・大和「私と、武蔵と、長門さん、陸奥さん、赤城さん、加賀さんの六隻です」

提督(おい!やる気満々のガチメンバーじゃねぇか!間宮さんの飲食代が大変なことになる。後で元帥に請求しとこっと)

提督「吹雪、悪いが皆さんを間宮さんの店に案内を頼む」

吹雪「はい!あと、大和さんたちには帰ったらお話があります。司令官に変なことをせず、大人しく待っててください。いいですね?」

一同「アッ、ハイ」

吹雪「では、行きましょうか大和さん」

ガチャ

大本営・大和「はい。武蔵たちも呼びますね(提督さんも大変ですね)」

バタン
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:24:02.24 ID:py6fkGRs0

提督「何かもう・・・色々胃が痛い」

大和(その色々には大和たちも含まれて居ますよね・・・)

金剛「提督、悪ノリが過ぎて申し訳ありマセン」

榛名「ごめんなさい」

春風「申し訳ありません」

提督「とりあえず気持ちだけ受け取っておくから」

コンコン

足柄「足柄よ」

提督「どうぞ」

ガチャ

足柄「提督、お詫びのカツを揚げてきわた!」

提督「お、おう」

足柄「元気を出してもらおうと思ってカツに精力剤を入れておいたわ!カツを食べた後、私を食べてくれてもいいのよ!」

吹雪「カツを食べた後、どうするんですか?」

足柄「だ・か・ら、私をたべ・・・吹雪ちゃん!?どうして貴女が!?」

吹雪「忘れ物をしたので取りに帰ってきました」

足柄「さっきのはちょっとした冗談よ!本当は普通のカツだから。それじゃカツ食べてね!」ダッ

提督「騒がしい奴だ」

吹雪「はぁ・・・。それでは、もう一度行ってきますね」
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:24:36.68 ID:py6fkGRs0

-夜 提督私室-

提督「一時はどうなるかと思ったが、これで安心して眠れるな。それにしても、どうして吹雪は影響を受けなかったんだろう?」

吹雪「それはきっと、司令官から頂いた指輪のおかげだと思います」

提督「指輪?ケッコンカッコカリの指輪か?」

吹雪「はい!この指輪は司令官と艦娘の間に強い絆を結ぶ物です」

提督「だから皆を操っていた電波も強い絆に阻まれて、吹雪は影響を受けなかった。と言うことか?」

吹雪「はい。それにあの電波は艦娘にしか影響は無かった様です」

提督「そうらしいな。ヲ級や元・深海棲艦だった黒ブキは影響を受けていなかったと聞いた」

吹雪「そう言えば、川内さん?もそうでしたよ」

提督「川内が?」

吹雪「はい。でも、不思議なんです。川内さんは昼間は寝ていたから自分は事件のことを知らないって」

提督「どういうことだ?」

吹雪「でも、私を独房から出してくれたのは確かに川内さんでした。そういえば元帥にレポートを送信後、いつの間にかレポートの入ったUSBメモリも消えていました」

提督「その川内?が証拠を残さないように回収したのか」


-工廠-

伊13「キット、大事な話が・・・あるの」

キット「ヒトミさんが元帥の命を受けたエージェントである件でしょうか?」フォンフォン

伊13「どうして・・・それを?」

キット「以前、大淀さんの事件の際に川内さんに化けて現れた時に気付きました」フォンフォン

伊13「提督には・・・」

キット「はい。話していませんし、これからも話しません」フォンフォン

伊13「ありがとう」
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:25:38.67 ID:py6fkGRs0

-北太平洋深海鎮守府-


北太平洋深提「今回は彼女たちの絆に阻まれて失敗したか」

港湾棲姫「はい」

北太平洋深提「彼女たちとはまた近いうちに合間見えるだろう」

港湾棲姫「次こそは必ず仕留めます」

北太平洋深提「そうだな。そして彼女たちに本当の絆と言う物を教えてあげないとな」
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/15(水) 12:26:28.46 ID:py6fkGRs0
HTML5でマップも変わるみたいだけど、5-5をどうにかしてくだち。
白露改二の任務でも5-5だけ超苦戦して10回も出撃したし(全部、レカスとE風が原因)。

個人的にEOの難易度は

5-5(全てにおいてレカスとE風が悪い。マジで○ね!)>4-5(道中、ボス共に事故りまくる)>3-5北ルート(ほっぽマジ切れ時のみ。普段通らないから割とどうでもいい)>6-5(癒し)>以下、有象無象

でち。マジで5-5憎い!普段、潜水ルートで攻略するけど、やっぱレカスだけは許せん。レカスと比べるとツカスすら霞んで見える。

本日はここまで。
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:07:09.15 ID:6U8yiuQC0
5-5ぉぉぉぉ!前にも増して酷くなっとるやんけぇ!(血涙)
いや、マジでレカス増量キャンペーンとか止めて。
今までは最終段階になるとレカスが居なくなるから楽だって思ってたのに、新しくなってからはもう無理。吐きそう。
5-5と他のEOの間には嘆きの壁が存在すると思っていたけど、それ以上になってしまった・・・。
中部海域は変わらなくて本当に良かった。

で、運営=サン。今年も金剛の水着は無しですか?


本日分、始まります。
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:08:50.50 ID:6U8yiuQC0

-執務室-

新提「昨日は大変だったな。いや、昨日もか」

提督「本当にな。もう少しで死ぬところだったぞ。ハハハ」

吹雪「笑っている場合ではありません!」

キット「吹雪さんの仰るとおりです。もう少しで本当に殺されていましたよ」フォンフォン

提督「確かにそうだが」

コンコン

明石「明石です」

夕張「夕張です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

明・夕「提督、申し訳ありませんでした!」土下座

提督「その件ならもういいから、顔を上げてくれ」

明・夕「でも・・・」

提督「昨日も言っただろ?あれはお前たちのせいじゃない」

吹雪「司令官もこう仰ってますし」

キット「吹雪さんと私が居る限りアドミラルは安全です」フォンフォン

明石「お詫びと言ってはなんですが、万が一に備えて私たちの儀装を緊急停止させる装置を作ってきました」

夕張「このボタンを押せば半径1km以内に居る艦娘の儀装は機能を停止します」

提督「えっと・・・、一つ聞いていいだろうか?」

明・夕「はい!」

提督「昔、とあるアニメで核分裂を抑制して原発を含むあらゆる核が使えなくなるナントカジャマーなる物が登場した」

夕張「ありましたね」

提督「それを作った奴らは戦争に勝つ為に必要だ!などとぬかして、ナントカジャマーを無効化するナントカジャマーキャンセラーなる物を作りおった」

吹雪(無効化する装置を無効化する装置って・・・。泥沼の無限ループが始まりそうです)

明石「それってつまり、昨日の様なことがまた起きたとして、この装置を無効化する装置を私たちが作ったらどうなるか?ってことですね?」

提督「そうだ」

夕張「それはもう・・・ね」

明石「ええ。そこまで考えてませんでした!」

提督「ですよねー」

新提「それじゃあ、意味が無いじゃないか」

提督「まぁ、あんなことは何度も出来るものではないし、向こうも二度目が成功するとは思っていないだろう。この装置は何かの役に立つかも知れないし、貰っておこう」
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:10:14.41 ID:6U8yiuQC0

コンコン

大淀「大淀です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

大淀「提督にお手紙が届いています」つ手紙

提督「手紙?誰からだ?」

大淀「差出人は不明です。不審な手紙かも知れませんが、提督宛でしたのでお持ちしました」

提督「・・・。キット、中身をスキャンしてくれ」

キット「では、アナライザーにセットしてください」フォンフォン

〜分析中〜

キット「中には紙以外は入っていません。ですが、少々気になる内容です」フォンフォン

提督「じゃあ、開けてみるか」シュッ

新提「おいおい、刀で封を切るなよ。危ないじゃないか」

提督「悪いな。だが、残念ながらペーパーナイフなんて便利な物は置いてなくてな」

大淀「だとしても鋏かカッターナイフを使ってください」

提督「今度からそうしよう」ペラッ

提督「・・・」

吹雪「何の手紙ですか?」

提督「まるゆについてだ」

吹雪「!?」

新提「まるゆだと!」

提督「まるゆを助けたければ、明日、指定した場所へ一人で来いと書かれている。ご丁寧に地図付きだ」

夕張「一人でなんて危険すぎます!」

明石「そうですよ!これは罠です!」

大淀「二人の言うとおりです!提督、こんな手紙無視してください!」

新提「その通りだ!行けば今度こそ殺されるぞ!」

提督「例え罠だとしても、自分の部下を見捨てる様な奴に提督を名乗る資格は無い」

吹雪「でも・・・」

提督「安心しろ。準備する時間はたっぷりある。今から作戦会議だ」
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:12:14.44 ID:6U8yiuQC0

-翌日 指定された港の倉庫-

キキーッ

ガチャ

バタン

提督「約束どおり一人で来たぞ。まずはまるゆの顔を見せてもらおうか」

???「約束どおり一人で来るとは感心だな。だが、まずは車を見えなくなるまで下がらせてもらおうか」

提督「キット、言われたとおりにしてくれ」

キット「はい」フォンフォン

【NORMAL CRUISE】⇒【AUTO CRUISE】ピーッ

【P】 ガチャ ⇒【R】

ブーン

???「ふむ。姿が見えなくなったな。次に武器を捨ててもらおう」

提督「分かった」

ポイッ

ポイッ

???「よかろう。何処の誰に殺されたのかも分からないままでは不憫なので、まずは自己紹介をしよう。私は陸軍大将だ」

提督「海軍にも裏切り者は数名居たが、陸にも居たとはな」

陸軍大将「裏切り?それは違うな。貴様ら海軍と違って我々、陸軍は崇高な理想に基づいて行動している。例え深海棲艦と言えども利害が一致すれば協力することはあるのだよ」

提督「御託はいい。まるゆの安全を確認させてもらおう」

陸軍大将「連れて来い」

偽まるゆ「はい」

まるゆ「隊長!」

提督「見たところ危害を加えたりはしていない様だな」

陸軍大将「大事な人質だ。今はまだ何もしない。今はな。だが、少しでもおかしな素振りを見せればお前の部下の脳みそが飛び散るとこになるぞ」E:拳銃

偽まるゆ「大将。奴の始末は私が」

陸軍大将「それは面白い。自分の部下だと思っていた艦娘の手によって絶望しながら死ぬがいい」

偽まるゆ「アンタはこれから絶望のどん底に落ちる」

まるゆ「隊長〜!」

〜シャッフル中〜

まるゆ「「隊長!助けてください!」」

偽まるゆ(クックック・・・。これではどちらが本物か分かるまい)

まるゆ「まるゆの真似をしないでください!」

偽まるゆ「そちらこそ真似しないでください!隊長、私が本物のまるゆです!」

まるゆ「違います。私が本物です!」

まるゆ「「私です!」」

提督「・・・」

偽まるゆ(クックック・・・。混乱しているな)
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:13:06.73 ID:6U8yiuQC0

〜偽まるゆ妄想中〜

提督「クソッ!どちらが本物だ・・・」

偽まるゆ「隊長〜!」ダッ

まるゆ「あぁ、隊長!そのまるゆは偽物のまるゆです!」

提督「いや、しかし、俺に向かって来ている方が本物かも知れない」

偽まるゆ「・・・」ニヤッ

プスッ!

提督「!? まる・・・ゆ?」

ポタッ

ポタッ

偽まるゆ「そうだよ。お前の部下はあっちだよ。このまま絶望して死ね!」

ザクッ!

ザクッ!

まるゆ「隊長ぉぉぉぉ!」

〜妄想終了〜
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:14:59.69 ID:6U8yiuQC0

-海上-

タ級「さて、やるか。提督を道連れに出来ることを光栄に思え」

タ級「ムッ、魚雷?艦娘か!いや、違う・・・コノ魚雷は!」スッ

レ級「テメェ、レ級様の獲物に手を出そうとはいい度胸だな」

タ級「レ級!貴様、奴の味方をする気か?」

レ級「味方?何を言ってるんだ。アイツの首を取るのはこのレ級様だ!誰にも邪魔はさせない」

タ級「まぁいい。今すぐ貴様を片付けて奴も始末すればいい」

レ級「おいおい、戦艦風情がこのレ級様に勝てると思っているのか?」


長門「やはり現れたか」

陸奥「倉庫ごと提督を吹き飛ばすつもりみたいね」

瑞鶴「提督さんはやらせない!」

長門「ん?レ級が現れたが、仲間割れか?」

翔鶴「彩雲の妖精さんによると、レ級が提督は自分の獲物だと言ってタ級を攻撃している様です」

長門「レ級の奴、まだ諦めてなかったのか」

陸奥「どうする?」

長門「とりあえず、タ級を倒すぞ」
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:16:44.66 ID:6U8yiuQC0

-倉庫内-

偽まるゆ(いける。隊長、アンタに恨みは無いが死んでもらう!)

提督「はぁ・・・」ダッ

陸軍大将「き、貴様!何のマネだ!」

提督「俺は自分の部下と別人の見分けが付かない程アホじゃない。それにうちには優秀な艦娘が居る、お前たちの作戦は筒抜けだ」

陸軍大将「止まれ!止まらんと人質を殺すぞ!」

提督「艦娘とは言え女を殴るのは気が進まんが・・・」

偽まるゆ「隊長?」

バコーーーーーン

偽まるゆ「ぐえっ」

ピューン

陸軍大将「こ、こっちへ来るな!」

ゴツン!

陸軍大将「ぶへっ」

バタッ

陸軍大将「」ピヨピヨ

偽まるゆ「」ピヨピヨ

シュタッ

川内「結局、私の出番は無かったね」

提督「川内はいざという時の保険だ。出番が無いならそれに越したことは無いさ」

川内「まー、そうだけど。アレはどうする?」

提督「縛ってから持って帰って陸軍に突き出そう。流石に組織全体が深海棲艦と協力関係にあるとは思えない」

川内「そうだね。流石に陸軍全体が深海棲艦と協力関係にあるとは考えづらいし、あのオッサンやごく一部だけだろうね」

まるゆ「隊長!怖かったです〜(泣)」

提督「よしよし、もう大丈夫だ。キット、解決したから迎えに来てくれ」

キット(コムリンク)「はい、直ぐに向かいます」
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:18:03.04 ID:6U8yiuQC0

陸軍大将「うぅ・・・。酷い目に合った。だが、まだ終わらん。まるゆはしくじったが、私が奴を葬ればいい」フラフラ

パン

パン

川内「提督、逃げて!」

まるゆ「隊長ぉぉぉ(泣)」

提督「逃げなくても斬れば・・・ってさっき捨てたんだった!」

キキーッ

カン

カン

キット「怪我はありませんか?」フォンフォン

提督「助かった」

カチッ

カチッ

陸軍大将「弾切れか!こうなったら最終手段だ・・・。倉庫に仕掛けた爆弾で奴を吹き飛ばしてやる!死ねぇぇぇ!」

キット「アドミラル、早く車内へ!」フォンフォン

川内「提督を護らないと!そう言えば・・・」


提督「そのピアスは爆弾になっているから、いざと言うときに投げつけてやるといい」


川内「えい!」ポイッ

ドカーーーーン!

陸軍大将「うぎゃぁぁぁ!」

提督「うわぁ・・・。今のは真珠の耳飾だよな?まさか、ここまでの威力とは」

川内「え?提督も知らなかったの?」

提督「ここまで強力な爆弾だとは思ってなかった。死んでないか?」

ツンツン

陸軍大将「」

川内「黒こげのアフロになってるけど、息はあるから大丈夫」

提督「それならまぁいいか。今度こそ縛って持って帰ろう。キット、トランクを開けてくれ」

キット「はい」フォンフォン
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:19:38.85 ID:6U8yiuQC0

偽まるゆ「うぅ・・・。まるゆはまた居場所を失ってしまいました・・・」

提督「どういうことだ?」

偽まるゆ「まるゆはドジで何をしても失敗ばかり・・・。あまりにも使えないからと解体寸前でした・・・。でも、そんな時に大将が拾ってくれたんです」

偽まるゆ「大将のやっていることはいけないことだと分かっていました。でも、こんな私を拾ってくれた恩返しがしたかったんです」

提督「・・・」

まるゆ「まるゆさん・・・」

偽まるゆ「まるゆは全てを失いました・・・。解体でも何でもしてください」

提督「まるゆ」

まるゆ「はい」

提督「いや、うちのまるゆではなくて・・・。ああ、ややこしい!偽物の方!」

偽まるゆ「はい」

提督「お前が心を入れ替えて真面目に働くなら鎮守府を紹介してやらんことも無い」

偽まるゆ「本当ですか!」

提督「どうだ?真面目に働くか?」

偽まるゆ「はい!神に誓って!」

提督「ならば武羅悪に連絡してみるか」

川内「提督。自分を殺そうとした艦娘を助けるなんて大甘だね」

提督「甘くて悪かったな」

川内「悪いなんて言ってないよ!ちょっと甘すぎる気もするけど、それが提督のいい所なんだから」
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:21:15.56 ID:6U8yiuQC0

-海上-

タ級「うぐっ・・・。レ級に艦娘4匹は分が悪すぎる・・・。だが!」大破

ドーン!

タ級「フハハハハ!倉庫さえ吹き飛べばそれでいい!奴はもう終わりだ!」

瑞鶴「させるかぁぁぁ!噴式景雲改、発艦!」

妖精ズ「了解!」

ヒューーーーーン

バババッ

ドカーン!

タ級「バカな!砲弾を打ち落としだと!?」

長門「これで終わりだ!全主砲、斉射!」

タ級「ぐわぁぁぁぁ!」撃沈

レ級「チッ。止めはゴリラ女に持っていかれたか」

長門「誰がゴリラだ!」

レ級「あたしはゴリラとは言ったが、誰とは言ってないけどな。自覚があったのか?(笑)」

長門「貴様・・・(怒)」

レ級「流石のあたしもここに居る全員の相手はキツイ。今日のところは引いてやる」

長門「逃がさん!」

陸奥「長門、落ち着いて。今は提督の安全を確認するのが先よ」

レ級「提督とお前の首を取るのはあたしだ。それまで死ぬなよ。じゃあな!」
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:23:45.22 ID:6U8yiuQC0

-数日後 路上 護送車車内-

運転手「まさか大将ともあろう人が深海側と繋がっていたとはな」

憲兵「本当に信じられんよ」

運転手「ん?道路の真ん中に人が居るな」

ブーーーーーーーッ!

運転手「危ない!早く退けよ!」

ブーーーーーーーッ!

憲兵「お、おい、アレって・・・」

運転手「!? 深海棲艦!」

憲兵「轢いてやれ!」

運転手「了解!」

ガシッ

キュルキュル

憲兵「もっと踏み込め!」

運転手「これで目一杯だ!」

キュルキュル

グラッ

運転手「お、おい!まさか・・・」

憲兵「引っ繰り返される!?」

ガッシャーン

運転手「うわぁぁぁぁ!」

憲兵「ひぇぇぇぇぇ!」

港湾棲姫「やるか」

ブロロロロ

港湾棲姫「ムッ!艦娘共の艦載機か!」

赤城「貴方たちは逃げてください」

運転手「は、はい!」ダッ

憲兵「後はお願いします!」ダッ

加賀「残念だったわね。見ての通り、この車は囮で乗っていたのは私たちよ」

武蔵「相棒の読みは正しかったな」

港湾棲姫「赤城、加賀に武蔵か。流石に分が悪い」

武蔵「この武蔵の主砲は・・・伊達ではない!いくぞ!」

シューッ

モクモク

武蔵「煙幕だと、小癪な!この程度で逃げられると思うなよ!」

赤城「待ってください!」

加賀「私たちの仕事はあくまで囮として敵を引き付けることで、戦闘では無いわ」

武蔵「・・・。そうだったな」

赤城「提督に連絡しましょう」
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:25:58.07 ID:6U8yiuQC0

-路上 ナイト2000車内-

キット「赤城さんから着信です」

提督「繋いでくれ」

赤城「こちら赤城です。護送車が深海棲艦に襲われました」

提督「やはり現れたか。そちらの状況は?」

赤城「護送車が損傷しましたが、怪我人は居ません。それと敵には逃げられてしまいました。申し訳ありません」

提督「気にするな。囮として敵を引き付けてくれればそれで良かったからな」

赤城「はい」

提督「では、赤城たちは鎮守府へ戻ってくれ」

赤城「はい」

提督「帰ったら間宮さんの店で何か奢るよ」

赤城「ありがとうございます!」

提督「だ、そうだ。向こうに乗らなくて命拾いしましたねぇ、大将殿」

陸軍大将「・・・」

吹雪「司令官のおかげで助かりましたね。感謝してください」

提督「護送車が襲われたと言うことは情報が漏れているな」

陸軍大将「一体誰が・・・」

吹雪「この人以外にも内通者が居るんでしょうか?」

提督「そうかも知れないし、PCにウイルスが仕込まれているかも知れない。どちらにしても調査を進言するべきだな」

陸軍大将「・・・」

提督「それにしても両手に花とは実に羨ましい」

金剛「出来ればこんなオッサンより、提督の隣が嬉しかったデース」

榛名「こんなオッサンの隣で榛名は大丈夫ではありません」ハイライトオフ

提督(榛名らしからぬ発言。これは結構ヤバイかも)

吹雪(榛名さん怖いです)

提督「俺たちと一緒に居る限り、無事に刑務所へたどり着く。塀の中ではたっぷり時間があるんだ、自らの愚かな行動を反省するんだな」
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 23:28:48.15 ID:6U8yiuQC0
「偽まるゆ」はこのスレの鎮守府の「まるゆ」では無いので便宜上、偽としていますが「まるゆ」には違いありません。
「まるゆ」の姿をした深海棲艦とかではありません。

本日はここまで。
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 22:29:22.96 ID:xoTDfp/x0
復旧したのでぼちぼち進めていきます。
一ヶ月以上、鯖が死んでいたからしばらく季節のずれた話が続きます。
涼しくなってきましたが、夏真っ盛りな話です。はい。

今日、初めてナイト2000のレプリカを見たっしゅ!しかも2台。
かっこよかったっす!
他にも不っ細工な3000、デロリアン、カーズのマックイーンかマッコイーンって車も居たけど、
ここまで来たらバイパーやナイト4000も一緒に展示しろよと言いたい。

本日分、始まります。
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 22:33:31.23 ID:xoTDfp/x0

-執務室-

コンコン

アークロイヤル「アークロイヤルだ」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

アークロイヤル「Admiral、私の新しい車が納車されたのでお披露目会をしたい」

キット「今度はどんな車ですか?」フォンフォン

アークロイヤル「それは見てからのお楽しみだ」

吹雪(今度は大丈夫でしょうか?)ヒソヒソ

提督(流石に二度も即廃車にはならないだろう)ヒソヒソ

アークロイヤル「どうした?」

提督「いや、何でもない。行こうか」


-中庭-

秋月「長10cm砲ちゃん、お散歩は楽しい?」ズルズル

秋月「そう?それは良かったわ♪」

島風「10cm高角砲を引きずって何してるんだろう?」

天津風「しっ!見ちゃダメよ!」

照月「うぅ・・・、秋月姉は酸素欠乏症に・・・(涙)」

初月「いや、違うから」

涼月「そんな・・・」

初月「涼月姉さんも信じなくて良いから」
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 22:39:48.58 ID:xoTDfp/x0

-工廠前-

アークロイヤル「では、Coverを取るぞ」

提督「・・・」ゴクッ

バサッ

提督「こ、コレは!」

吹雪「!?」

アークロイヤル「紹介しよう。私の新たなる愛車、BMW Z8だ」

吹雪(この車って映画で真っ二つにされませんでしたか?)ヒソヒソ

提督(された。ヘリに吊るしたチェーンソーで綺麗に真っ二つにされた。何か今回もダメな気がしてきた。それにしても英国艦たちはそんなに某諜報部員が好きなのか?)ヒソヒソ

キット「南方より未確認飛行物体が高速で接近してきます!」フォンフォン

提督「未確認飛行物体?またピアノを吊るしたヘリじゃないだろうな」

吹雪「まさか・・・流石に二度目は無いと思いますよ(汗)」

提督「だよな」

ブロロロロロ

アークロイヤル「煩いな。何の音だ?」

摩耶「提督ーっ!逃げろー!」

提督「なっ、チェーンソーを吊るしたヘリだと!?」

吹雪「アークロイヤルさんの車へ向かって行きます!」

アークロイヤル「止めろぉぉぉぉ!」

ギュイーーーーン

ガリガリガリ

パッカーン

アークロイヤル「The World Is Not Enough!」バタッ

提督「アークロイヤル!」

吹雪「しっかりしてください!お気を確かに!」

提督「摩耶、打ち落としてやれ!」

摩耶「あたしの偽装はメンテ中だから無理だ!」

提督「なんというタイミングの悪さだ!」
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 22:42:53.48 ID:xoTDfp/x0

明石「何だか凄い音が・・・って何アレ!?」

夕張「うわぁ・・・某スパイ映画みたいにアークロイヤルさんの車が真っ二つになってる」

秋月「アークロイヤルさんの悲鳴が聞こえましたが、どうかしたんですか?」

提督「秋月!上を見てみろ、奴にアークロイヤルの車を真っ二つにされた!」

秋月「上?うわっ!?チェーンソーを吊るしたヘリ?長10cm砲ちゃん!」

シーン

秋月「長10cm砲ちゃん、どうしたの?ガンガン撃って!」

提督「お、おい、秋月?」

摩耶「秋月の奴は何してるんだ?(汗)」

吹雪「分かりません(汗)」

夕張「明石!って居ない・・・。工廠に長10cm砲ちゃんを取りに行ったのね!」

明石「秋月ちゃん、長10cm砲ちゃんよ!」ポイッ

提督「何が起きているんだ?」

夕張「摩耶さんの儀装もだけど、秋月ちゃんの長10cm砲ちゃんもメンテ中だったんです」

提督「・・・。つまり、長10cm砲ちゃんが居ないことにより、禁断症状が出て10cm高角砲に話しかけていたと?」

夕張「ええ、恐らく」

秋月「長10cm砲ちゃん?あれ?じゃあ、今、散歩してた長10cm砲ちゃんは・・・え?ただの10cm高角砲?」

提督「秋月!何でもいいから早く打ち落としてくれ!今度はウォースパイトのDB5に向かっているぞ!」

秋月「はい!長10cm砲ちゃん、ガンガン撃って!」

バババッ

ドカーン!
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 22:46:08.01 ID:xoTDfp/x0

-鎮守府 正門前-

あきつ丸「あのトレーラー、真っ直ぐこちらへ向かってきているでありますか?」

ブオー!

あきつ丸「そこのトレーラー止まれであります!戦車もであります!」

ブオー!

あきつ丸「ここは鎮守府の敷地であります!止まりなさい!あのトレーラー、何やら見覚えがある様な・・・」

ブオー!

あきつ丸「うわぁ!であります」


-工廠前-

キュルキュルキュルキュル

提督「何の音だ?」

キット「今度は戦車です!」フォンフォン

吹雪「戦車!?」

摩耶「今日は一体何なんだよ!」

霰「キーーーーーン!」

ドーン!

ピューン!

ドカーン!

明石「走ってきた戦車に走ってきた霰ちゃんが衝突して吹き飛ばされましたね(汗)」

霰「んちゃ!」

大淀「さっきから騒がしいけど何事ですか?」

明石「さっきからヘリやら戦車やら大変なのよ!」

大淀「ヘリ?戦車?訳の分からないことを」

ブオー!

あきつ丸「提督殿、大変であります!一大事であります!」

提督「このクラクション音・・・まさか」

大淀「!?」

キキーッ

提督「ゴ、ゴリアテ!?」
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 22:48:52.91 ID:xoTDfp/x0

キット「ゴリアテ、何故お前が!お前は海の底へ沈んだはずだ!」フォンフォン

シーン

キット「答えなさい!」フォンフォン

???「残念ながらこれはゴリアテではないのだよ」

提督「誰だ!」

???「はじめまして、提督君。私は北太平洋を管轄している深海提督だ。本来ならば直接会って挨拶すべきだが、スピーカー越しで許して欲しい」

提督「北太平洋だと!ゴリアテではないとはどういうことだ?」

北太平洋深提「これはゴリアテを参考に作り上げたトレーラーで本物と違ってAIは搭載していない」

提督「わざわざゴリアテのレプリカを作るとはいいご趣味で!」

吹雪(お正月に私が見たのはやっぱり・・・)

北太平洋深提「ふふっ、喜んでくれているようだね。今日は君とちょっとしたゲームをしようと思ってコイツを送り込んだ」

提督「ゲームだと?」

北太平洋深提「そうだ。コイツは君のナイト2000を追跡して走る様に設定してある。そしてコンテナには50tのプラスチック爆弾が積んである。そんな物が街中で爆発すればどうなるかは分かるね?」

提督「貴様!」

北太平洋深提「そう怖い顔をしないでくれ。これはゲームだと言ったはずだ。君が勝ちさえすれば被害は出ない」

提督「どうすればいいんだ?」

北太平洋深提「ゴリアテは次に動き出したら爆弾のスイッチが入る。時速60km以上で走行している間は何も起きないが、60km以下になるとカウントダウンが始まり、10秒でドカン!だ」

提督「時速60km以下で爆発だと・・・」

夕張(まるでキ○ヌ・リーブス主演の映画ね)

北太平洋深提「何も無い場所までゴリアテを誘導して爆破させれば君の勝ち。市街地で爆発すれば私の勝ちと言ったところかな。準備時間として30分与えよう。それと、邪魔が入れば即爆発させるからそのつもりで居てくれ。健闘を祈る」

提督「大淀、警察に連絡を」

大淀「はい!」

提督「事情を説明した上で市内に車を入れないように伝えてくれ。それと住人の避難を」

大淀「はい!直ぐに取り掛かります!」ダッ

ウォースパイト「Admiral、さっきから騒がしいわね。あら?このTrailerはどうしたのかしら?」

ジャーヴィス「わぁー!So Big Trailer!ダーリン、コレがアークロイヤルの買った車?」

提督「あれはまだ二人が着任する前だったから知らないんだな」

ウォースパイト「?」

ジャーヴィス「アークロイヤル?こんな所で寝てると風邪ひくよ」ツンツン

吹雪「昔、この鎮守府を襲撃して司令官を殺そうとした大型トレーラーを深海棲艦が復元した物です」

ウォースパイト「!?」

霰「ねー、ねー、司令官」

提督「霰、聞いての通りだ。余計なことをすれば奴はゴリアテを自爆させる。間違っても手を出すな」

霰「はーい」

伊13(アレが・・・ゴリアテ?何処を探しても見つけられなかったのに・・・今まで何処に隠していたの?)
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 22:52:24.75 ID:xoTDfp/x0

提督「とりあえず、アークロイヤルを工廠で休ませてやってもらえるか?」

明石「簡易ベッドしかありませんが、それでもよければ」

提督「よし、直ぐに運ぼう。今は時間が惜しい。キットは奴の分析を頼む」

キット「はい」フォンフォン

卯月「さっきから騒がしいけど何事だぴょ・・・」

提督(マズイ、卯月だ!)

卯月「ゴ、ゴッ、ゴリ・・・!?」

〜ゴリアテによって滅びた世界をフラッシュバック中〜

卯月「嫌だぴょん・・・皆、死んじゃうなんて嫌だぴょん・・・うーちゃんを置いてかないで・・・」ポロポロ

提督「卯月」

卯月「司令官も睦月ちゃんも吹雪ちゃんも、皆死んじゃうなんて嫌だぴょん・・・」

提督「卯月!」

卯月「うぴゃぁ!?司令・・・官?」

提督「俺を見ろ。俺は生きている。絶対に死んだりしない」

卯月「約束してくれるぴょん?」

提督「ああ、約束する」

卯月「指きりして欲しいぴょん」

提督「よし、指きり拳万(以下略)」

提督「これでいいか?」

卯月「うん」

提督「よし、では長・・・(いや、長門だと卯月が怖がるかも知れない)」

提督「陸奥!陸奥は居ないか?」

陸奥「ここに居るわ。提督、アレって」

提督「ああ、陸奥が想像している奴で間違いない。悪いが今は事情を説明している時間は無い。卯月を間宮さんの店に連れて行ってくれないか?」

陸奥「分かったわ」

提督「俺の奢りだ。今はチケットを持ってないので、付けておいてくれ。後で払いに行く」

陸奥「ええ、分かったわ。卯月ちゃん行きましょう」

卯月「うん・・・」

陸奥「絶対に死なないでね」ボソッ

提督「当然だ」
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 22:55:55.35 ID:xoTDfp/x0

陸奥「卯月ちゃん、大丈夫よ。提督は絶対に死んだりしないわ」

卯月「さっき約束したぴょん・・・」

陸奥「以前、ゴリアテに襲われた時も生きて帰ってきたし、先日の事件でも生き延びたわ。彼を殺せるとしたら、磯風ちゃんか吹雪ちゃん位よ」

卯月「どうしてぴょん?」

陸奥「まず、磯風ちゃん。彼女の作るポイズンクッキングなら提督を食中毒で殺せるかも知れない」

卯月「確かにそうかも知れないぴょん」クスッ

陸奥(笑ってくれた。これなら一安心と言ったところかしら?)

陸奥「それと吹雪ちゃん。彼女に嫌われたら提督はきっとショック死するわ」

卯月「その光景が目に浮かぶぴょん♪」

長門(クソッ!うーちゃんと楽しそうにして!提督よ、何故、私ではなく陸奥なのだ!!!)

長門(私なら陸奥なんかよりもっと上手にうーちゃんを笑顔に出来たのに!)血涙

陸奥(長門の気配がするわね。貴女は前科があるから仕方ないわ)
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:01:40.71 ID:xoTDfp/x0

〜30分後〜

北太平洋深提「時間だ。始めようか」

提督「俺たちが出発した後、更なる襲撃があるかも知れない。防衛は頼んだぞ」

新提「任せておけ。お前の帰る場所は私たちが守る。死ぬなよ」

提督「ああ。キット、出発しよう」

キット「はい」フォンフォン

金剛「提督、必ず帰って来てくだサイ」

榛名「提督の帰りをお待ちしています」

夕立「提督さん・・・」

時雨「夕立、大丈夫だよ。提督は必ず帰ってくる。帰ってくるって信じてるから」

北太平洋深提「艦娘たちとの最後の別れになるかも知れない。後5分だけ待とう」

摩耶「絶対に死ぬなよ」

夕雲「帰ったら思う存分、夕雲に甘えてくださいね」

山城「ああ、不幸だわ・・・」

扶桑「そんなことを言ってはいけないわ。提督、ご無事を祈っています」

朝潮「提督がお帰りになるまで正門前で待ち続けます!」

提督「普通に部屋で待っててくれ(汗)」

大和「提督が帰ってこられたら、鳳翔さんと二人で腕によりを掛けたフルコースを作ります!だから・・・」

提督「ああ、必ず帰ると約束する」

鳳翔「どうかご無事で」

テイトク

シレイ

ザワザワ

日向「君に瑞雲の加護のあらんことを」

北太平洋深提「今度こそ時間だ」

提督「よし、出発だ」

ガチャ

吹雪「私も付いてきます!」

提督「分かった。乗ってくれ」

吹雪「はい!」

バタン

【P】 ガチャ ⇒【R】 ガチャ ⇒【N】 ガチャ ⇒【D】

提督「出発だ」

ブーン

提督「奴について何か分かったか?」

キット「車体についてはゴリアテを完全に再現している為、パワーも装甲もオリジナルと全く同じと考えられます。コンテナ部は赤外線もX線も通さない為、爆弾が何処に積まれているか分かりません」

提督「ゴリアテを参考にと言うのはハッタリではなく事実か」

吹雪「かなりの強敵ですね」
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:02:34.75 ID:xoTDfp/x0

-工廠-

ビスマルク「アークロイヤルの車が大破したんですって?笑いに来てやったわよ(こんな時じゃないと普段の仕返しが出来ないから絶好のチャンスよ!)」

プリンツ「ビスマルク姉さま、アレ」ユビサシ

ビスマルク「・・・(思ったより酷いわね)」

明石「静かにしてください。アークロイヤルさんはショックで倒れたんですから」

ビスマルク「ごめんなさい。帰るわ」

プリンツ「お大事に」

ビスマルク「流石にあんなに酷いとは思わなかったわ」

プリンツ「ショックで倒れるのも当然ですね」

妖精ズ「これはまたこっ酷くやられたね〜」

妖精ズ「でも、前回と違って綺麗に真っ二つだから、これなら復元可能です」

妖精ズ「やっちゃうです?」

妖精ズ「やっちゃうです!」

トンカン

トンカン
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:04:57.11 ID:xoTDfp/x0

-路上-

提督「事前に連絡しておいたおかげで俺たち以外に車は居ないな」

吹雪「警察の人たちが避難させてくれたおかげですね」

キット「市街地で大爆発が起きれば一大事ですから、必死だったのでしょう」

提督「そうだな。このまま採石場まで無事にたどり着ければいいが」

吹雪「やっぱり爆発と言えば採石場が定番ですよね」

キット「アドミラル、前方に子供が!」

提督「まだ避難していない民間人が居たのか!キット、別ルートは?」

キット「検索中です!」

吹雪「あんな巨大なトレーラーが通行できる道なんて」

キット「次の交差点を左折してください!」

提督「俺たちはいいが、ゴリアテは曲がりきれるか・・・、この際、多少の物的被害は仕方ない!ん?ゴリアテの速度が落ちている?」

吹雪「確かに減速しています!」

キット「停止しました。今のうちに逃げてもらいましょう」

キキーッ

提督「ここは危険です。早く避難してください!」

母親「はい!すみません」


-北太平洋深海鎮守府-

北太平洋深提「君たちにとって私は悪魔に思えるだろうな。しかし、私は悪魔ではない」
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:06:37.07 ID:xoTDfp/x0

-路上-

パラリラパラリラ

暴走族A「ひゃっはー!今日は俺たちの貸切だぜ!」

暴走族B「おまわりの野郎が何か言ってやがったが、無視して正解だー!」

ブオーーーーー!

暴走族A「あぁ?何だぁ?」

暴走族B「何か黒い車とでけぇトレーラーが物凄い速さで突っ込んでくるぜ」

暴走族A「野郎、なめやがって。この俺様を誰だと思ってやがる?三代目暴走夜露死苦組の総長様だぞ!車が怖くて族の頭が務まるか!」

暴走族B「お、おい!ドンドン距離が詰まってるぞ!」

プーーーーーッ!

提督「邪魔だ!バカ、退け!」

プーーーーーッ!

暴走族A「うるせぇんだよ!ブッ○すぞ!」

吹雪「あのチンピラ二人組みって」

キット「ええ。警察の制止を振り切って進入したのでしょう」

提督「ええい、こうなったら」

『TURBO BOOST』ピッ

ブーンッ

暴走族A「く、車が」

暴走族B「飛び越えやがった!?」

ブオーーーーー!

暴走族B「ひっ!?トレーラーが!このままだと轢かれちまう!」

暴走族A「トレーラーがなんぼのモンじゃい!」
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:07:48.71 ID:xoTDfp/x0

暴走族B「お、俺は逃げるぜ!」ダッ

暴走族A「おい!命より大事なマシーンを捨てて逃げるな!」

メキメキ

ドカーン!

提督「族のバイク一台が轢かれて爆発したな」

吹雪「しましたね」

提督「乗っていたバカは無事な様だが」

ブオーーーーー!

暴走族A「ひっ!?く、来るな!来るなぁぁぁ!」

提督「あのバカ!早く逃げないと轢かれるぞ!」

暴走族A「うわぁぁぁぁ!」ダッ

吹雪「あ、もう一人もバイクを捨てて逃げました」

提督「まったく。ヒヤヒヤさせてくれる」

メキメキ

ドカーン!

吹雪「もう一台も爆発しましたね」

キット「自業自得です。もっとも、二輪など何の損失もありませんが」

吹雪(二輪に対しては物凄く辛辣です)

暴走族A「今日で族は卒業して、明日から真面目に働くわ」

暴走族B「俺も・・・」
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:09:14.15 ID:xoTDfp/x0

-鎮守府-

ウォースパイト「Admiralを助けに行きましょう。新提の承認も得ています」

金剛「でも、邪魔をしたら即爆破すると」

ウォースパイト「邪魔をしたらExplodeする。逆に言えば邪魔をしなければExplodeしない。敵がそんなPromiseを本当に守ると思いますか?」

金剛「思いマセン」

ウォースパイト「だったらやることは一つです」

金剛「ですが、提督の現在地が分かりマセン」

ウォースパイト「それなら大丈夫です。私のDB5ならキットの現在地が分かるわ」

夕張「それなら私もデロリアンで付いていきます!」

明石「私も同乗させて!」

サラトガ「やはり行くのですね。私も同行します」

アイオワ「ミーも行くわ!」

夕張「サラトガ院!」

サラトガ「サラトガ院?」

夕張「あ、何でも無いです。忘れてください」

ウォースパイト「ジャーヴィス、貴女はアークロイヤルの傍に居てあげて」

ジャーヴィス「はーい!ダーリンのことはお願いね!」
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:11:03.03 ID:xoTDfp/x0

-路上-

提督「とりあえず市街地を抜けて一安心と言ったところか」

吹雪「高速に乗れたら楽なんですけどね」

提督「あのデカブツは料金所のゲートを通過出来ないだろうからな」

キット「はい。大きすぎてゲートに衝突して破壊することになります」

提督「だよな。流石にそれは避けたい」

吹雪「保険で何とかなるでしょうけど、文句を言われたくは無いですよね」

提督「ああ。さっきの子供の様に人命が懸かっているなら話は別だが」

キット「秋津洲さんから着信です」

提督「秋津洲から?繋いでくれ」

秋津洲「提督、聞こえますか?」

提督「ああ、聞こえている」

秋津洲「ゴリアテに爆弾が積まれているってことだから、解体に必要かもって思って大艇ちゃんに工具を運んでもらってます」

提督「二式大艇に?」

吹雪「後方に二式大艇が見えます!」

提督「よし、吹雪に受け取ってもらうから右側に寄ってくれ」

秋津洲「了解!大艇ちゃん、キットの右側に寄せて」

提督「キット、右側のルーフを開けてくれ」

キット「はい」

『AUTO ROOF RIGHT』ピッ

ウィーン

提督「吹雪、受け取ってもらえるか?」

吹雪「はい!」

秋津洲「それじゃ切り離すかも」

ポトッ

吹雪「受け取りました!」

秋津洲「中にはペンチ、ドライバー、カッター、ピンセット、ニッパー、ピンバイス、金属ヤスリが入ってるかも」

吹雪「確かにちゃんと入ってます(でも、コレって全部プラモデル用の道具じゃないですか?)」

秋津洲「ニッパーはメイジン秋津洲印の特製品だから」

提督「秋津洲印のニッパーだと!?コレさえあれば百人力だ!」

吹雪(ナニソレ)

秋津洲「頑張ってね!」

提督「おう!任せとけ」
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:12:58.40 ID:xoTDfp/x0

吹雪「工具を受け取ったのはいいですが、これからどうするんですか?」

提督「俺がゴリアテに飛び移って、コンテナ内の爆弾を解体する」

吹雪「えぇ!?飛び移るって、走行中のトレーラーに飛び移るなんて無理です!」

提督「こんなこともあろうかと、靴底に強力なネオジム磁石を仕込んでおいた」

吹雪「でも・・・」

提督「キットなら正確に飛ばしてくれるさ。そうだろ?」

キット「はい。アドミラルをコンテナ上に飛ばすこと自体は問題ありません。ですが」

提督「このまま延々とゴリアテを誘導するより、爆弾を解体する方が安全で確実だ。ルーフを開けてくれ」

『AUTO ROOF LEFT』ピッ

ウィーン

吹雪「司令官・・・」

提督「大丈夫だ。俺を信じろ。キット、やってくれ。あと、運転は頼んだ」

キット「はい」

『EJECT L』ピッ

ピューン

キット「今はアドミラルを信じましょう」

ベタン!

提督「靴底に磁石を仕込んでおいて正解だったな。普通の靴なら確実に飛ばされていた」

ウィーン

提督「ここから入れと言わんばかりに開いたな。あそこに見えるのが爆弾か。だが、その前に」

ブーン

提督「後方のカメラを潰しておいてやる」

スパッ

ボンッ!


-北太平洋深海鎮守府-

モニター「ザー」

北太平洋深提「後方のカメラが潰されたか。だが、まだセンサーが生きているので問題ない」

港湾棲姫「ここまでは順調に進んでいますね」

北太平洋深提「ムッ。後方から何台か車が接近しているな。あれは艦娘の車か」
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:14:42.82 ID:xoTDfp/x0

-コンテナ内-

提督「コレが爆弾だな。さて、どうしたものか・・・」

提督「ん?ご丁寧に爆弾の設計図が置いてあるな。写メをキットに送って解析してもらうか。送信っと」

キット(コムリンク)「アドミラル、聞こえますか?」

提督「ああ、聞こえている」

キット(コムリンク)「まずは黄色のケーブルを切断してください」

提督「分かった」

パチン

キット(コムリンク)「次に緑のケーブルを」

提督「分かった」

パチン

キット(コムリンク)「次は黒です」

提督「分かった」

パチン

提督「次はどれだ?」

キット(コムリンク)「次?次とはどういうことです?送られてきた設計図にはそれ以上載っていません」

提督「載ってない!?まだ赤と青のケーブルがあるぞ!」

キット「赤とa・・・」

提督「キット、聞こえるか?キット!」

シーン

提督「クソッ!通信が遮断されたか!」


-ナイト2000車内-

キット「アドミラル?アドミラル!」

吹雪「どうしたの?」

キット「通信が遮断されました」

吹雪「そんな!」

キット「アドミラルをコンテナ内に閉じ込めて爆破するのが敵の目的だったのでしょう。二式大艇との接触を妨害しなかった時点で気付くべきでした」

吹雪「私をコンテナの上に飛ばして」

キット「残念ながら吹雪さんの主砲ではコンテナに穴を開けるどころか、傷すら付けられません。それに下手なことをしてゴリアテの動きが止まれば爆発してしまいます」

吹雪「でも!」

キット「こうなってしまった以上、アドミラルが正しいケーブルを切断して爆弾の解体に成功すると信じるしかありません」

吹雪(絶対に生きて帰ってきてください!)

キット「!」

吹雪「どうしたの?」

キット「後方よりウォースパイトさんのDB5が接近してきます」
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:16:57.30 ID:xoTDfp/x0

-路上-

ウォースパイト「例のTrailerが見えてきました」

金剛「レーザーで攻撃してやるネー!」

夕張「ちょっと待ってください!時速60km以下になったら爆発すると言っていたのに、タイヤにでも当たって走行不能にでもなったら大変です!」

ブロロロロロ

アイオワ「またヘリが来たわ!」

サラトガ「トラクターミサイルで打ち落とします!Attack!」

ドカーン!

明石「ヘリの残骸がゴリアテに!」


-コンテナ内-

グラグラ

提督「な、何事だ!?」

提督「今の揺れは路面の状態が悪いって感じの揺れでは無かったな。キットが攻撃したのか?」

提督「いや、考えても仕方ないな。それより爆弾だ」

提督「赤か、青か・・・」

提督「某名探偵の映画一作目でもこんなシーンがあったな」

提督「ツノねーちゃんは赤いケーブルは運命の赤い糸とか言って、もう一方を切ったよな。もう一本って何色だっけ・・・。やっぱ赤と青だったか?まー、どうでもいい」

提督「仮に赤が赤い糸だとして、繋がっている先が吹雪なら切る訳にはいかない、しかし・・・深海棲艦ならとっとと縁を切りたい」

提督「ならば青か?いや、これは罠かも知れない。俺が『赤=赤い糸』と連想すると考えて青を切るように仕向けた結果、切った瞬間にドカン!もあり得る」

提督「もし間違ったケーブルを切断したとしてもキットは爆発に耐えられるだろう。つまり死ぬのは俺一人」

提督「覚悟は出来ている。しかし、出来ればこんな死に方をしたくは無いが・・・。皆、すまない。約束を守れないかも知れない」

提督「ええい、青だ!」
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:18:36.08 ID:xoTDfp/x0

-北太平洋深海鎮守府-

北太平洋深提「ヘリの残骸が衝突した影響でセンサーもやられたか。だが、大した問題では無い」

港湾棲姫「そう。まさに奴は籠の中の鳥」

北太平洋深提「クックック・・・最後のケーブルがどちらか分からず迷っているな」

港湾棲姫「そろそろ宜しいのでは?」

北太平洋深提「そうだな。これ以上邪魔をされる前に終わらせよう。サヨナラだ、提督君」ポチッ

モニター「ザー」

港湾棲姫「おめでとうございます」

北太平洋深提「ふはははは!やった!ついにやったぞ!」


〜爆破ボタンを押す直前〜

サラトガ「こんな所で提督を死なせる訳にはいきません!アイオワ、電空パルスを」

アイオワ「電空パルスなんて使って大丈夫なの?」

サラトガ「回路をショートさせれば爆弾も停止するはず」

アイオワ「分かったわ」
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:20:19.14 ID:xoTDfp/x0

-コンテナ内-

提督「心なしか速度が落ちている?いや、間違いなく減速している!」

ピタッ

提督「そして完全に停止した?ヤバイ、早く切断しないと!って、爆弾のランプが消灯している?これは機能停止したってことだよな?何が起きているんだ?」

キット(コムリンク)「アドミラル、聞こえますか?」

提督「ああ、聞こえている。ゴリアテが停止した様なんだが、何が起きているんだ?」

キット(コムリンク)「サラトガさんのバイパーより放たれた電空パルスによりゴリアテが機能停止しました」

提督「そうか、サラが来てくれたのか」

キット(コムリンク)「サラトガさんだけではなく、金剛さん、夕張さん、ウォースパイトさんもです」

提督「皆が来てくれたのか。だが、邪魔をすれば爆破すると言っていたのに何故何もしなかったんだろう?」

キット(コムリク)「サラトガさんたちが駆けつけたところで何も出来ないと思ったのではないでしょうか?もしくは、アドミラルが爆弾の解体に失敗して自爆するとの確信があったか」

提督「確かにそれはある。最後にどちらを切ればいいか分からなかったからな」

キット(コムリンク)「吹雪さんが心配しています。外へは出られそうですか?」

提督「壁を斬れば出られると思う」

ブーン

スパッ!

提督「またつまらない物を・・・。それにしてもキットのレーザーや戦艦の主砲でもほとんど効かないのに、ビーム兵器は恐ろしいな。これで人や艦娘は斬れないから不思議だ」

吹雪「司令官!」

提督「今、降りるからちょっと待ってくれ。よ、っと」

スタッ

吹雪「良かった・・・。司令官が死んじゃうんじゃないかって怖かったんです」ギューッ

提督「心配を掛けてすまなかった」ナデナデ

ウォースパイト「お熱いわね」

吹雪「///」
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:22:38.63 ID:xoTDfp/x0

提督「俺たちを助けに来ることを提案したのは誰だ?」

ウォースパイト「私です」

提督「そうか、ウォースパイトか。ありがとう。それに皆もありがとう」

ウォースパイト「Admiralが戦っているのに、私たちが何もせず待っている訳にはいきませんからね」

金剛「提督が無事で何よりデース!」

アイオワ「サラのバイパーの電空パルスが無ければ危なかったわね!」

サラトガ「先日はあんなことをしてしまいましたが、今回は助けられて良かったです」

明石「提督、爆弾を調べてみましたが、最後に残ったケーブルは切らなくて正解でしたね」

提督「どういうことだ?」

明石「あれはどちらを切断しても爆発していました。本当に切るべきケーブルは見えない位置に隠されてましたよ」

提督「なるほど。奴の仕掛けたゲームはどうやっても俺が勝てない仕組みになっていたのか。完全に負けイベントだな」

明石「ええ。しかも勝負に乗らなければその場でゴリアテを爆発させて鎮守府を吹き飛ばしていたでしょうね」

提督「北太平洋。これまでに戦った深海提督の中で最も狡猾で恐ろしい奴だ」

夕張「通信装置を取り外したので、もう外部からは操作できません」

提督「よし、ではコイツを鎮守府に持って帰ろう。帰ったら徹底的に調べてくれ。特に海新工業との関連を。誰か運転出来るか?」

一同「・・・」

提督「もしかして全員、普通免許しか持ってない?」

一同「はい」

提督「えっと・・・コイツのキットを追跡する機能は生きているか?」

夕張「はい。そっちは大丈夫です」

提督「仕方ない。キットを追跡させて鎮守府まで誘導するか」
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:24:01.30 ID:xoTDfp/x0

-鎮守府-

アークロイヤル「うーん」パチッ

ジャーヴィス「あ!目が覚めた?」

アークロイヤル「ジャーヴィス?そうだ、私のZ8は!」

ジャーヴィス「アークロイヤルのZ8?それならあそこだよ」

アークロイヤル「何とも・・・無い?」

ジャーヴィス「どうしたの?」

アークロイヤル「私のZ8は真っ二つにされたはず・・・」

ジャーヴィス「夢でも見てたんじゃないの?アークロイヤルは車のお披露目中に暑さで倒れたって聞いたよ」

アークロイヤル「暑さで倒れた?」

ジャーヴィス「うん(本当はShockで倒れたけど、妖精さんが元通りにしてくれたし、黙っておく方がいいよね?)」

アークロイヤル「そうか。暑さで倒れたか。艦娘でありながらこの程度で倒れるとは自分が情けない」

ジャーヴィス「JapanのSummerは普通じゃないから仕方ないよ。すっごくジメジメしてるし」
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/20(土) 23:24:53.16 ID:xoTDfp/x0
本日はここまで。
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:43:02.89 ID:z41Ww9kS0
今回でインド洋偏は終了です。
インド洋深提を出した時から最後はセイロン島と決めていて(むしろセイロン島⇒インド洋って発想の方が正しいかも)初秋イベのE3がセイロン島でしたね。
ゲームの方では一足先にインド洋の攻略が終わりましたが、こっちはこれから始まります。

本日分、始まります。
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:46:13.97 ID:z41Ww9kS0

-北太平洋深海鎮守府-

北太平洋深提「何っ!彼はまだ生きているだと!?」

港湾棲姫「はい。先ほどニュースに出ていました」

北太平洋深提「バカな!あの状況で助かるはずなど無い・・・一体どうやって?」

港湾棲姫「ゴリアテを爆破(自爆)する直前に駆けつけた艦娘が何かしたのでしょうか?」

北太平洋深提「いや、戦艦と言えどもゴリアテの装甲を破ることは出来まい。そうか、サラトガか!」

港湾棲姫「サラトガ?空母がどうかしたのですか?」

北太平洋深提「彼女の所有するバイパーには電空パルスが装備されていると聞く。電空パルスで電子回路をショートさせたなら」

港湾棲姫「つまり、ゴリアテを爆破する直前に電空パルスによる攻撃を受けて機能停止していたと?」

北太平洋深提「後方のカメラを破壊されていたので姿は確認出来ないが、それしか考えられない」


-インド洋深海鎮守府-

インド洋深提「クソッ!北太平洋め、余計なことをしおって!」ガンッ

ツ級「それもこれも、何時まで経っても提督を始末出来ない貴方にしびれを切らした結果でしょう」

インド洋深提「そんなことは分かっておるわ!これ以上邪魔が入る前に、早急に奴を始末しなくては・・・」

インド洋深提「何か・・・何か奴の弱点は・・・」

ペラッ

ペラッ

ツ級「ん?ちょっと待ってください」

インド洋深提「どうした?」

ツ級「一つ前のページに何やら使えそうな情報が見えた気がします」

インド洋深提「一つ前のページだと?」

ペラッ

インド洋深提「・・・。こ、これは!?この情報は使える。でかしたぞ!」

ツ級(本当に今度は大丈夫なんですかね?もうコイツの下で働くの辞めよかな・・・)

インド洋深提「ふはははは!提督よ、貴様はもう直ぐこのワシにひれ伏すことになる!残り僅かな日々を精々楽しむのだな!」
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:47:51.98 ID:z41Ww9kS0

-翌日 鎮守府 執務室-

秋津洲「提督、ごめんなさい」

提督「何故謝る?」

秋津洲「あたしが爆弾の解体に必要な道具を送ったりしたせいで、提督が死にかけたからです」

提督「秋津洲はあの時、最善と思われる行動をしたんだ。何も悪いことなんてしていない」

吹雪「そうですよ。秋津洲さんは悪くありません。絶対に爆発する様に仕組まれているなんて誰も考えもしませんよ」

キット「お二人の言うとおりです。あの状況では、秋津洲さんの取った行動こそが最善策です」フォンフォン

提督「俺はこうして生きてるんだ。気に病むことは無い」

秋津洲「でも」

提督「そうだ。まだ礼をしてなかったな。これで甘い物を食べて気分転換するといい」つ間宮券

秋津洲「いいんですか?」

提督「ああ、思う存分楽しんで来い」

秋津洲「提督、ありがとう!行ってくるかも!」ニコッ

ガチャ

バタン

提督「とりあえず、秋津洲については一安心だな」

吹雪「あそこまで気にしているとは思いませんでした」

キット「先日の洗脳事件があったから余計に気にしていたのでしょう」フォンフォン

提督「良く言えば責任感が強いのかも知れんが、そこまで思いつめる必要は無いだろう。俺は生きているんだ。結果オーライだ」
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:50:04.47 ID:z41Ww9kS0

コンコン

明石「明石です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

明石「昨日、持ち帰ったゴリアテを徹底的に調べたのでですが」

提督「うん」

明石「車体はあらゆる自動車メーカーの部品で構成されていて、爆弾も含めて海新工業製のパーツは使われていませんでした」

提督「そうか。海新工業との繋がりは何も無かったか」

吹雪「海新工業製のパーツが一切使われていないのが逆に怪しいと言えなくも無いですが・・・」

キット「そう簡単に尻尾は出しませんか」フォンフォン

明石「でも、お正月に吹雪ちゃんが海新工業の工場でゴリアテを見たんですよね?」

吹雪「はい。確かに見ました。昨日のゴリアテと同じものだと思います」

明石「もうこの際、無理やり乗り込んでしまっては?」

提督「そうしたいのは山々だが、いくら調べても証拠が出て来ない。それに、あの会社は軍や各国の政府とも取引をしている。下手なことは出来ない」

明石「でも・・・」

提督「正月のことも含めて上には報告している。もう少し調査を続けよう」

明石「はい」

提督「夕張と二人で使ってくれ」つ間宮券×2

明石「ありがとうございます!では、失礼します」

ガチャ

バタン

提督「はぁー」

吹雪「現物があれば証拠になると思いましたが、ダメでしたね」

提督「本当に厄介だ。海新工業が深海側と何かしら繋がりがあるのは間違いないのに、証拠が無いから何も出来ない」

キット「私も海新工業の取引の監視を続けていますが、深海側との繋がりは見えてきません。余程上手く立ち回っているのでしょう」フォンフォン

提督「この件は長期戦になると覚悟しておかないといけなさそうだな」

キンコンカンコーン

提督「お、昼休みのチャイムだ。昼食にしよう」

吹雪「はい」
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:51:44.35 ID:z41Ww9kS0

-食堂-

テレビ「続きまして天気予報で・・・ザー」

提督「何だ?故障か?」

吹雪「故障だとしてもデジタル放送に移行してから砂嵐なんて見たことありませんよ」

提督「確かにそうだよな」

吹雪「あ、映りました」

テレビ「日本及び、世界中の諸君に告ぐ。ワシはインド洋を管轄している深海提督だ」

提・吹「!!!」

テレビ「今、この時間を以ってワシの管轄するインド洋の海域及び、陸路、空路を完全に封鎖した」

提督「何だと!」バキッ

吹雪(お箸を折ってしまいました)

テレビ「インド洋を航行していたタンカーも拿捕したが、船員は全員無事だ。今はな。だが、各国の軍が余計なことをすれば人質はどうなるか分からんぞ?」

吹雪「なんて酷いことを!」

テレビ「せっかくだから拿捕したタンカーの船長に話を聞いてみるか。『ひっ』ほら、何か言え。『た、助けてくれ!スリランカ周辺を航行中に捕まったんだ!』」

テレビ「我々の要求は追って伝える。人間どもよ、震えて待つがいい。ふはははは!」

テレビ「南部は晴れのち曇り。降水確率は」

吹雪「通常の放送に戻りましたね」

提督「奴らによる電波ジャックが終了したからだろう」

吹雪「これからどうしますか?人質を取られている以上、下手はことは出来ませんが」

提督「キット」

キット(コムリンク)「はい」

提督「先ほどの電波ジャックの発信源を特定出来るか?」

吹雪(まさか・・・)

キット(コムリンク)「スリランカのセイロン島が発信源でした」

提督「なるほど。そこが奴らの本拠地か」

吹雪(セイロン島って)

キット(コムリンク)「本拠地と断定は出来ませんが、深海棲艦の基地があると見て間違いありません」

金剛「提督」

提督「金剛か。先ほどの放送を見ていたんだな?」

金剛「ハイ。私だけではなく、ウォースパイト、アークロイヤル、ジャーヴィスも準備出来てイマス」

提督「では行くか。吹雪、留守番を頼む」

吹雪「はい」
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:53:40.78 ID:z41Ww9kS0

新提「提督、大変だ!」

吹雪「司令官は出掛けました」

新提「出掛けた?こんな時にいったい何処へ?」

吹雪「セイロン島です」

新提「あぁ・・・。セイロン島か・・・。なるほど」

吹雪「はい。セイロン島です。キットによると先ほどの電波ジャックはセイロン島が発信源だそうです」

新提「インド洋は恐ろしい奴だと聞いていたが、恐ろしくアホな奴の間違いだったのかも知れない」

吹雪「そうですね。司令官が愛飲しているセイロンティーの産地を占拠して封鎖なんてしたら・・・」

新提「アイツ死んだな」

吹雪「そうですね」

大井「当然の結果よ」

北上「だねー」

新提「こうして、また一つの深海鎮守府が終わりを迎えるのか」

吹雪「このまま戦争が終わってしまえば良いのに」

比叡「お姉さまと司令ならやってくれますよ!」

吹雪「むしろ、やり過ぎないか心配なんですが・・・」
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:54:57.98 ID:z41Ww9kS0

-数時間後 インド洋海域-

カ級「暇だなー」

ヨ級「この海域は封鎖したからな。でも、ちゃんと見張っとかないと怒られるぞ」

カ級「艦娘共なんて来ないって。そんな直ぐに攻め込んでくる訳が無いだろ」

ヨ級「だといいんだけどな」

カ級「だいたい機雷を大量に設置して、警備も150%増し(当社比)なんだから大丈夫だって」

ジャーヴィス「ダーリン、前方に敵潜水艦発見したよ!」

提督「よし、一発ぶちかましてやれ!」

ジャーヴィス「はーい」爆雷ポイッ

ヨ級「ん?何か沈んできたぞ」

カ級「人間が船上からポイ捨てしたゴミじゃねーの?」

ヨ級「今、この海域は封鎖されてるんだからポイ捨てしたゴミが沈んでくる訳・・・って爆雷だ!」

カ級「ば、爆雷!?」

ドカーン!

カ級「グワー」大破

ヨ級「グエー」大破

キット「潜水艦カ級、及びヨ級の大破を確認しました」

提督「よし、今はセイロン島に乗り込むことを優先する。各自、敵は撃沈しなくても構わない、適当に攻撃しつつセイロン島を目指すぞ」

一同「了解!」
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 22:59:17.54 ID:z41Ww9kS0

金剛「邪魔だ、退けぇぇぇぇ!」

ウォースパイト「Fire! fire!! fire!!!」

ドカーン!

ドカーン!

グワー!

ギャー!

キット「金剛さんが山城さんの様になっています」

提督「それだけ怒っていると言うことだ。怒りのインディアンだ」

ジャーヴィス「Shoot!」

ドカーン!

アークロイヤル「Swordfish shoot!」

ドカーン!

ウワー!

金剛「ここは私たちが引き受けマス。提督は進んでくだサイ!」

提督「分かった。だが、危なくなったら退けよ」

金剛「こんな所で沈む気はありマセン」

アークロイヤル「敵の拠点を探すために彩雲を同行させる」

提督「助かる」

ウォースパイト「Manners Maketh Woman」ポイッ

パリーン

ヲ級「グエー!」

タ級「ギャー!鬼だ鬼が出たぞー!」

提督「ランス○ット卿が荒らぶっておられる」

キット「傘でジョッキを投げましたが、傘とジョッキは何処から出てきたのでしょうか?」

提督「レディが日傘を持っていても何らおかしくないだろ?」

キット「日傘には見えませんが。むしろ、某映画の表の顔は高級テーラー、正体はスパイな人たちが持っている傘の様に見えます」

提督「気のせいだ」

キット「分かりました。見なかったことにします」

ル級「本部に応援を要請しないと!」

金剛「本部に応援を要請してどうするんデスカ?」

ル級「どうするってそりゃ当然、艦娘たちが攻め・・・ひっ!?」

金剛「させると思いマスカ?」

ドカーン!

ル級「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:01:06.94 ID:z41Ww9kS0

-セイロン島-

提督「さて、ここまでは順調にたどり着いたが」

キット「彩雲の妖精さんによると丘の上に怪しい施設を見つけたとのことです」

提督「そこへ行ってみるか。金剛たちへ連絡を頼む」


-インド洋深海鎮守府-

インド洋深提「ぐへへ・・・。今頃、奴は悔しくて地団駄踏んでいる頃だろう。奴の悔しがる顔が目に浮かぶ」ナイフペロペロ

イ級「大変です!」

インド洋深提「騒々しい、何事だ?」

ドカーン!

イ級「ギャー!」

インド洋深提「な、何だ!?何が起きている!?」

ドカーン!

ドカーン!

ツ級「これは・・・砲撃!恐らく戦艦による砲撃です!」

インド洋深提「何だと!?艦娘共が攻めてきたのか!ワシはシェルターに避難する!」

ドンガラガッシャーン!

インド洋深提「!!!」ビクッ

ガチャ

提督「インド洋深提はどいつだ?」

バタン

ツ級「逃げようとしてドアの前に立っている奴です」ユビサシ

インド洋深提「おまっ!?」
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:03:15.83 ID:z41Ww9kS0

提督「そうか、アイツか。いい所にナイフが落ちているな」

インド洋深提「あ、気に入りましたか?では、差し上げます」

提督「いいや、返す」ポイッ

ヒューン

プスッ

インド洋深提(ひっ!?顔の横を掠めて壁に・・・)

インド洋深提「あ、あの、提督さん?そのナイフ裁きはどちらで学ばれたのですか?」

提督「サイレントバトルシップ」

インド洋深提「あ、ああ、沈黙の。セ○ールいいですよね。自分、大ファンです」

提督「そうか。俺は別にファンでは無いが」

インド洋深提「そうですか・・・。それはそうと死ねや、提督!」

パン!

パン!

提督「やれやれ」

スパッ

スパッ

インド洋深提「銃弾を斬っただと!?」

提督「この程度で死んでいたら何回殺されているやら」

キット「アドミラルを殺したければもっと別の方法を考えるべきでしょう」フォンフォン

インド洋深提(何か、何か手は無いのか!いや、それよりツ級よ、見てないで助けろ!)

ツ級「・・・」ボケー

提督「お前に一つ言っておくことがある」

インド洋深提「は、はい!何でしょうか?」

提督「<ruby><rb>印度</rb><rp>(</rp><rt>ダージリン</rt><rp>)</rp></ruby>ならくれてやったが、セイロン島に手を出したのが運の尽きだったな」

インド洋深提「あ・・・では、今すぐセイロン島は開放します。おいツ級、全員にセイロン島を開放しろと伝えろ!それと、今すぐダージリン高原に引っ越すぞ!」

提督「今更遅い!」

インド洋深提「ひっ・・・」

提督「来いよインド洋深提。銃なんか捨てて、かかってこい!」

インド洋深提「役に立たない銃なんぞ要らねぇ!」ポイッ

インド洋深提「てめぇを殺してやる!(ヤケクソ)」E:ナイフ
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:09:32.63 ID:z41Ww9kS0

ツ級(あー、これフラグだ。コマ○ドーで見た)

ボコッ

インド洋深提「ぐえっ!」

提督「あーたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた」

インド洋深提「ひでぶ あべし」

提督「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」

インド洋深提「どべっ ぶひゃっ」

提督「たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた」

インド洋深提「もっとー、もっと殴ってぇぇぇ!か・い・か・ん!」

ツ級(うわぁ・・・変態だ・・・)

提督「たたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた」

インド洋深提「ぼげぶげ ぺぷちゃべ はぶらばら びィえ かぴぷ あぶた びぎょへ」

提督「オワッター!」

インド洋深提「」チーン

提督「よし、コイツを鎖で縛って日本に持って帰るか」

ツ級「どうぞどうぞ」

提督「止めないのか?」

ツ級「そのアホの下で働くのに疲れたんで、どうそお持ち帰りください。あと、人質は直ぐに解放します。そうだ、機雷の片付けも必要だな」

提督「そうか。では、遠慮なくそうさせてもらう。キット、トランクを開けてくれ」

キット「はい」フォンフォン

パカッ
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:12:02.92 ID:z41Ww9kS0

インド洋深提「うぅ・・・酷い目に合う夢を見た」パチッ

提督「たはして、それは本当に夢かね?」

インド洋深提「き、貴様は!何だ!動けない」

ジャラジャラ

インド洋深提「鎖?鎖で巻かれてる!?」

提督「貴様を持ち帰るために縛った」

インド洋深提「フン!この程度でワシの動きを封じられると思うなよ!うぎぎぎぎぎ」

ジャラジャラ

提督「止めておけ。アンド○メダのチェーンを引き千切ることは不可能だ」

インド洋深提「アンド○メダ!?」

提督「冗談に決まっているだろ」

ゴスッ

インド洋深提「グエッ!」

ツ級「諦めて捕まりなはれ」

インド洋深提「おまっ!この裏切り者!」

ツ級「アンタがもっと出来る人ならこうはならなかったよ。私たちはこれから隠居生活を楽しませてもらう」

提督「だ、そうだ。諦めろ。キット」

キット「はい」フォンフォン

ウィーン

カチャカチャ

インド洋深提「あの・・・提督さん?フックに鎖を掛けている様に見えるのですが」

提督「見ての通りだが?」

インド洋深提「いや、せめて車内に乗せて欲しいと言うかですね」

提督「車内に?汚らしい深海棲艦なんてフックにチェーンを掛けて引きずって帰れば充分だろ」

インド洋深提「え?あの、私、人間ですが」

提督「人間?コレが人間に見えるか?」

キット「いいえ、深海棲艦です」フォンフォン

ツ級「足は臭いわ、息は臭いわ、加齢臭はキツイわの3K(臭い)の最低な深海棲艦です」

インド洋深提「嘘ぉ!?おい、ツ級!」

提督「満場一致で深海棲艦に決定した」

インド洋深提「いやいやいやいや」


※インド洋深海提督は人間です。今のところ、地中海以外の深海提督は全員人間です。
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:14:02.28 ID:z41Ww9kS0

提督「最後に一つだけ聞いておこう」

インド洋深提「は、はい!何でしょうか?」

提督「かつてセイロン島ではさび病が流行したと聞くが、それもお前たち深海棲艦によるものなのか?」

インド洋深提「いいえ、違います」

提督「そうか。もし、そうなら引きずるのは止めてトランクに入れてやろうかと思ったが・・・お前は日本まで引きずりの刑で充分だ!」

ゴスッ

インド洋深提「ぐえっ!何で殴るんですか!」

提督「コーシー死すべし。慈悲は無い」

インド洋深提(おい、ツ級!奴にコーヒーをお出ししろ!)目配せ

提督「おい」

インド洋深提「は、はい!」

提督「そんなことをすれば、日本に連れ帰らずに、ガッズィーラと共にマリアナ海溝に沈むことになるぞ」

インド洋深提(思考を読まれてるー!)

提督「さて、用事も済んだし帰るか」

ツ級「お疲れ様でした」

ガチャ

提督「スリランカと言えば宝石が名産品だったな」

キット「はい」

バタン

提督「11月の誕生石って何だっけ?」

キット「トパーズです」

提督「トパーズか。トパーズと言えば殺しの暗号だな」

キット「ええ。シーズン1の第15話がトパーズにまつわる話でした」

提督「吹雪へのプレゼントとしてトパーズのネックレスでも買って帰るか」

キット「喜ぶと思いますよ」

ブーン

インド洋深提「ぎゃぁぁぁぁ!本当に引きずられてるー!」

ズルズル

インド洋深提「このままでは日本に着くまでに磨り減って死んでしまうぅぅぅぅ!」

ツ級「アホが居なくなって清々した。しかし、あんなアホでも居なくなると寂しく・・・ならないものだな。さて、何して遊ぶか」

ト級「サッカーしようぜ!」

ツ級「いいねー」

イ級「その前に入渠ドックへ連れて行ってくれ・・・」

ツ級「あー、スマン。忘れてたわ」
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:15:51.32 ID:z41Ww9kS0

-海上-

提督「おーい皆、帰るぞー」

インド洋深提「ゴボゴボ!」

金剛「ハーイ」

ジャーヴィス「ダーリン、キットと繋がってるChainに巻かれてるのって」

提督「ああ、コイツがインド洋だ。捕虜として持ち帰ることにした」

アークロイヤル「なるほど、コイツがそうか。Admiral、一発殴ってもいいだろうか?」

ウォースパイト「そんなことをしてはダメよ!」

インド洋深提「ゴボゴボ!(おお、何と慈悲深い艦娘だ!)」

ウォースパイト「アークの手が汚れてしまいます!やるなら矢で射らないと!」

アークロイヤル「それもそうか」

インド洋深提「ゴボゴボ!?(ファッ!?)」

ウォースパイト「頭の上にリンゴを置いて、わざと下の方に当てましょう」

アークロイヤル「なるほど。良いアイデアだ」

インド洋深提「ゴボゴボ」白目

ジャーヴィス「何だか苦しそうだよ?」

提督「おっと、いかん。止まったせいで沈んだか。スピードを上げて水面を引きずる様にしなければ!少し飛ばすぞ」

金剛「帰ったらティータイムにしまショウ!」

ウォースパイト「そうね。これでセイロンティーの供給も再開されるでしょうし、安心してTeatimeが出来ます」

アークロイヤル「では、私が腕によりをかけてスコーンを焼こう」

ジャーヴィス「わーい」
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:18:10.24 ID:z41Ww9kS0

-数時間後 鎮守府 執務室-

ガチャ

吹雪「あ、おかえりなさい」

新提「おかえり」

提督「ただいま」

バタン

インド洋深提「奇跡だ。生きたまま日本にたどり着いたのが奇跡だ・・・」

新提「奇跡?どうやって連れ帰ったんだ?海藻やらゴミやら絡まっているが」

提督「鎖でグルグル巻きになってるだろ?この鎖の端をキットのフックに掛けて引きずって帰ってきた」

新提「お、おう・・・。よく生きてたな(汗)」

インド洋深提「ん?き、貴様は、日本海ではないか!こんな所で何をしている!早くコイツを始末するんだ!」

提督「残念だったな。コイツはこちら側だ。ところで面識があるのか?」

新提「いいや。私は深海側では下っ端だったからな。話には聞いたことがあるが、顔を見るのは初めてだ」

吹雪「その人はどう処理しますか?」

提督「大本営に連絡して引き取ってもらう」

吹雪「では、大淀さんを呼びますね」

提督「頼む。さて、大淀が来るまで『おもてなし』するか。」

インド洋深提「あ、いえ、そんなに気を使って頂かなくても」

新提「遠慮する必要は無いぞ」

吹雪「司令官が『おもてなし』すると仰っているのに気に入らないんですか?」

インド洋深提「い、いえ、そう言う訳では」

提督「まずはあつーーーーい紅茶をカップを使わずに飲んでもらおうか」

インド洋深提「へ?」

吹雪「そうですね。セイロンティーをポットから直接お口に注ぎましょうか。セイロン島を占拠したくらいだから好きですよね?」

インド洋深提「ほ、捕虜の扱いは・・・」

提督「あ゛?」

インド洋深提「<small>捕虜の扱いは・・・その</small>」涙目

提督「聞こえんなぁ」

新提「ほら、口を開けろ」

インド洋深提「」フルフル
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:19:51.05 ID:z41Ww9kS0

コンコン

大淀「大淀です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

大淀「提督、捕虜を・・・って何をされているのですか!?」

提督「わざわざ日本までお越し頂いたから、『おもてなし』をしようと思ってな」

大淀「止めてください!」

インド洋深提(助かった)

大淀「<ruby><rb>拷問</rb><rp>(</rp><rt>おもてなし</rt><rp>)</rp></ruby>なら大本営のプロに任せてください!生かさず殺さず、たっぷり可愛がってくれます!」

インド洋深提「!?」

提督「そうだな。プロに任せよう」

大淀「では、連れて行きますね」

提督「頼んだ」

大淀「キビキビ歩きなさい!」

インド洋深提「ひぃぃ(泣)」

ガチャ

バタン

提督「さて、ティータムにしようか。それにしても奴の顔傑作だったな(笑)」

吹雪「真に受けてましたね(笑)」

提督「流石にそんなことしないっての」

新提(冗談だったのか。しかし、引きずって帰ってきたのは本当だったみたいだし、そっちの方が拷問だろ)

提督「そうだ!吹雪にお土産を買ってきたんだった」つトパーズのネックレス

吹雪「わぁ!ありがとうございます!」

提督「11月の誕生石のトパーズだ」
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 23:22:06.93 ID:z41Ww9kS0

-数日後 大本営 取調室-

ガチャ

インド洋深提「フン、新手か。ワシの口を割らせたければ拷問でもするんだな!ワシは誇り高き深海提督だ、死んでも口は割らん!」

女性仕官「拷問などしない」

インド洋深提「では、自白剤でも使うか?」

女性仕官「それも必要ない」

インド洋深提「だったらどうする?」

女性仕官「落ち着け。この姿では話も出来んか。少し待て」

インド洋深提「お、お前は!?」

港湾棲姫「これで話が出来るだろう?」

インド洋深提「北太平洋の所の港湾棲姫だったのか。お前がここに来たと言う事はワシを助けに来たのだな?よし、ここを出て今度こそ奴を倒すぞ」

港湾棲姫「残念ながらそれは出来ない」

インド洋深提「何故だ!確かにお前はワシの部下では無いが、深海棲艦ならば提督に従うのが」

港湾棲姫「私がここへ来たのは別の用事だ」

インド洋深提「別の用事?まさか・・・」顔面蒼白

港湾棲姫「そう。サヨナラだ」

インド洋深提「ま、待て!ここから出さえすれば」

ドカーン!


-鎮守府 執務室-

ドアバーン

提・吹「!?」

大淀「提督、大変です!」

提督「大淀がそこまで慌てていると言うことは、相当な緊急事態なのか?」

大淀「はい!先ほど、インド洋深提が死亡しました!」

提督「バカな!」

吹雪「どういうことですか?」

大淀「詳細はまだ分かりませんが、取調室で爆発が起こり、死亡したとのことです!」

提督「爆発?まさか、自害するために体内に爆弾を隠していたのか?」

キット「いいえ、それは考えられません。彼を捕らえた時に調べましたが、爆発物の類は持っていませんでした」フォンフォン

提督「では、深海棲艦による襲撃か?」

大淀「当時、大本営周辺で深海棲艦も、その艦載機も確認されていません」

提督「どういうことだ・・・」

吹雪「このまま迷宮入りでしょうか?」

提督「どうだろう。監視カメラの映像を解析すれば原因は特定できると思うが・・・。一つだけ確かなのは、もう奴から情報を引き出すことは出来なくなったと言う事だ」
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