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奈緒「もうこんな時間か……晶葉から借りたゲームでもやるか」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:08:18.69 ID:Wk+1dvXp0
■前スレ
奈緒「さーて、晶葉から借りたゲームでもやるか……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491146376/
【安価】奈緒「そろそろ今日も晶葉から借りたゲームやるかぁ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491487007/
奈緒「よし、今日も晶葉から借りたゲームでもやるか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1494423792/
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1501074498
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:08:40.63 ID:Wk+1dvXp0
――夜、奈緒の部屋
奈緒「22時……よし、今日もやるか」
奈緒「前回のセーブデータをロード、と」カチッ
奈緒「そういえば、昨日寝る前にパソコン落としたときやたらと重かったんだよなぁ……」
奈緒「んー……まあ普通に動くか。今は何ともないし」
奈緒「えーっと、昨日は珠美がPさんと致して終わったんだったかな」
奈緒「よし、ロードが終わった。さてと……やるか」
――――
――
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:10:52.24 ID:Wk+1dvXp0
――戦闘区域
珠美『あやめ殿、敵がツクヨミヒメとキャリアーに気を取られている間に珠美たちのほうで援護を!』
あやめ『強襲しましょう、ブロッサムミサイル!』ボシュシュシュッ!
P『歌鈴、紗枝、2人の援護でトールの動きが止まったら距離を取るんだ。ダイオウカーじゃないと対処しきれんぞ』
歌鈴「は、はいっ! う、うううう……力比べ……!」
トール「……!!」ググググッ!
紗枝『あきまへん、月読命姫のぱわーだけやと、破壊者のほうが……』
あやめ『くっ! 破壊者トール……奴め、ミサイルとドリルだけでは……!』
ズドォォォンッ!!
トール「!?」ドガァァァンッ!
???『でしてー』
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:13:08.96 ID:Wk+1dvXp0
歌鈴「ブロッサムウイング!」
紗枝『お、おおきに……今のうちに……』
珠美『歌鈴殿、紗枝殿! こちらまで下がってください!』
P『まーたウイングはいつの間にか来てたのか。まったく奴はどこのアニメのお助けキャラなんだよ』
あやめ『……』
あやめ(ブロッサムウイング……また、わたくしたちを……)
……
…………
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:13:48.64 ID:Wk+1dvXp0
――数分後、ブラックパールガーデン、ブラックパール城(指令室)
ピピッ!
楓「……トールの反応、レーダー上から消えました」
美優「周囲の索敵状況更新……ダメです、反応が……ありません」
翠「破壊者は……逃げたのでしょうか?」
千秋「状況から見て恐らくは……ダイオウカーの合体完了を見て、消えたように見えたけれど」
周子「……なーんか、あっけなかったねぇ」
麗奈「破壊者が撤退する……今までに無い状況ね。そして今回は……」
ピピピッ!
晶葉『胴体部分に強い法術反応を持つ破壊者、ブロッサムディーヴァの攻撃によるダメージがほとんどなかったな』
楓「結局、敵の力は法術で間違いないんですか?」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:15:45.73 ID:Wk+1dvXp0
晶葉『あくまで近似した力ということが分かっているだけで、厳密には異なるだろうが……』
晶葉『まあ継続して調べる必要はあるが、現状は法術の一種であると仮定しておくことにした』
周子「ふーん……案外テキトーだね」
晶葉『そりゃこっちにも分からないことくらいはある』
美優「それにしても……今回の敵、法術の力の高さが……」
翠「はい、最初は頭、次は手、足と……そして今回の破壊者は体」
千秋「……今までの破壊者には無かった今回の行動、破壊者もこちらに対応してきている可能性があるわね」
パシュンッ!
美優「あ、あら? 麗奈ちゃんが……」
周子「およよー? どっかいっちゃたねー。それじゃあたしも」
パシュンッ!
……
…………
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:16:14.65 ID:Wk+1dvXp0
――ブラックパール城(通路)
麗奈「……」
周子「おばーちゃんおばーちゃん」
麗奈「何よ」
周子「みんなの話、最後まで付き合ってなくてええの?」
麗奈「別に、あの話なら分かってたことだし」
周子「へー、そうなんだ」
麗奈「宇宙にいる奴らは、遠く離れた同族に対して互いに意思疎通をするための、何かしらの手段を持っている」
麗奈「双方向での思考共有を通して、目的を達成する……宇宙に出ている奴らなんて、そういうものよ。そうじゃない奴らもいるケド」
周子「へぇー……詳しいじゃん。さすがおばーちゃん」
麗奈「ばーちゃんばーちゃんって……そりゃ年寄りだけど、アンタより長生きしてないわよ」
周子「あたし生まれてからあんまり時間経ってないんだけどー?」
麗奈「あっそう……まあ、戦うのはアイツらなんだから、どうすればいいのかは自分たちで考えさせるわよ」
周子「スパルタ」
麗奈「当然でしょ。レイナサマが無駄に出張って解決してやっても意味ないんだから」
……
…………
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:17:31.11 ID:Wk+1dvXp0
――ブラックパール城(格納庫)
整備士「スペース空けてくださーい。ブロッサムディーヴァのメンテ作業入りますよー」
「最初はどれからですか?」
整備士「ツクヨミヒメのメンテは時間掛かるから後回しで、キャリアーからやりましょっか」
P「いやしかし敵さんも逃げるとは思わんかったね」
珠美「はい、破壊者の強さもさることながら、今までにない行動を取りましたね……」
P「接近戦ではツクヨミヒメだけじゃ手も足も出なかったし、援護に回ったキャリアーの足もまとめて止めるのはなぁ」
紗枝「……」ムッ
P「そうだ紗枝、今回の戦闘は大丈夫だったか? 敵が硬くて俺たちも上手く動きを止められなかったけど……」
紗枝「なぁんもありまへん。だいおうかーに転身しても、破壊者はすぐに逃げて刻印もあまり燃やさへんままやったし」フイッ
P「さいですか……まあ、怪我が無くて安心したよ」
紗枝「……」
珠美「あっ、紗枝殿、どちらに……」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:18:11.03 ID:Wk+1dvXp0
P「なんだ紗枝、先に戻って行っちゃったよ……最近の若い子は難しいねホント……あれ、そういえば歌鈴は?」
珠美「おや、そういえば……あ、いまツクヨミヒメのコックピットから出てきましたね」
歌鈴「み、みんな待ってくださあああああああああっ!?」ベチャッ!!
P「おいコックピットから足滑らせて顔面から落ちたぞ……」
珠美「ま、まあ歌鈴殿は転んでも何故か怪我をしませんから」
あやめ「……」
P「ん、どうしたあやめ、何見てるんだ?」
あやめ「……」
P「あれは……ブロッサムウイングか。いつの間に戻ってきてたんだ? ていうかパイロットはもういないのか」
あやめ「……一体、何者が機体に」
珠美「わかりませんね……しかし、見事な空戦、的確な射撃、援護……相当な強者が乗っているのではないかと」
P「そうだな。ウイングには何度か助けてもらっているし、それにダイオウカーの合体にはウイングが必要不可欠だしな」
あやめ「これまで、一度も姿を現さない者……果たして一体……」
……
…………
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:20:57.24 ID:Wk+1dvXp0
――数時間後、夜、ブラックパール城(Pの部屋)
P「ふぃー……ようやくメディカルチェックも終わったぁ……」
P「シャワー浴びて少し休憩してから後処理やるか……にしても今日は疲れた」
P「朝から皆を学校に送って、戻ってきてそのまま整備班の廃棄作業手伝って、んで破壊者が出てきたから送った皆を迎えに行って……」
P「あっちこっち動いてばっかりでさすがになぁ」
ピピッ!
P「ん、はい」
翠「失礼します。Pさん、今日の戦闘で採取した観測データを持ってきました」
P「ん……ああゴメン、俺が博士のところからもらって来るつもりだったけど、すっかり忘れてた」
翠「いえ、今日はPさんは別件もありましたし、データチェックのほうは私たちのほうでやっておきましたよ」
P「すまんなぁ……チビッ子たちの送迎やって掃除のおばちゃんの仕事みたいなことやってから戦闘機飛ばしたもんだから、今日1日デスクワークは何もやれなかった気がする」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:22:41.63 ID:Wk+1dvXp0
翠「そういう日もあります。Pさんにはこちらに来て頂いて間もありませんが、私たちの仕事もいくつか引き取ってもらっていますし……」
P「ほら、働かないとね、給料がね。仕事クビになった直後だからホラ、ちゃんとアピールしておいて仕事できますって見せておかないと」
翠「い、いえ……そこまで気にしなくても……」
ピピッ!
P「んで話は変わるけど……今回の破壊者、どう思う?」
翠「……戦闘、というお話であれば、ダイオウカーに転身してからであれば、対処できるかと。ツクヨミヒメとブロッサムキャリアーだけでは押し切れないほどの力はありますが」
翠「胴体以外の部位については、法術の力はそこまで……であれば、四肢を狙い動きを止めた後に畳みかけるよう戦うことができれば良いと思います」
P「まあ、そうだな。俺も大体同じこと考えてた。ただ……」
翠「ただ?」
P「多分、今回は敵さんも同じことを考えたんだと思う」
翠「破壊者が……ですか? 確かに考えられなくはありませんが……」
P「今回の敵も、確かに強い。ダイオウカーじゃなければ対応できないし……だけど、今回敵が逃げたのはダイオウカーが出たからって考えると」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:23:10.68 ID:Wk+1dvXp0
翠「ですが、そうであるならば破壊者の次の動きが気になります。次に対峙こちらも準備を怠らなければ……」
翠「……」
P「どうした?」
翠「……いえ、破壊者が、戦闘では不利と見て撤退という行動を選んだのであれば……また別の方法を取る可能性もあります」
P「また別の方法?」
翠「それは……分かりませんが……」
P「そっかぁ……まあ、分からないこと考えても仕方ないし……いてて」
翠「どうかなされましたか?」
P「いや、今日の朝に皆を学校に送る前、珠美とあやめの稽古に付き合ってさ……アイツ等容赦なくて竹刀やらでボコスカ叩いてくるもんだから……」
翠「Pさんが……ですか? ですが、あの時……」
翠『P様ですね。丁度良かった……貴方もいらっしゃるとは、こちらも探す手間が省けました』
P『なにすんだ! お前……抜いてないとはいえ刀の鞘って……!』
P「ん? ああ……いや、まあ」
翠「……」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:24:28.81 ID:Wk+1dvXp0
P「……1つ聞いていい?」
翠「なんでしょうか?」
P「俺のこと、どこまで調べたの?」
翠「私は……千秋さんに指示を頂いて調査をした範囲までで……」
P「ま、初めて会った相手に刀向けるくらいは調べたのか……」
翠「そ、それは……緊急時ということもあって、申し訳なく思っていましたが……」
P「いやまあ、もう先月の話だけどね」
翠「お体のほうは?」
P「今のところは何とも。こういうやり方なら、何とかなるんだなぁって」
翠「そうですか……それなら、良いのですが……」
P「この仕事が終わるまでは何ともなきゃいいけど。それじゃ、データ後で見ておくよ。俺ちょっと風呂入ってくるから」ガチャッ……
パタンッ!
翠「……」
ガチャッ……
[4-1]
……
…………
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:25:50.89 ID:Wk+1dvXp0
――深夜、ブラックパール城(書斎)
シュッ!
あやめ「……」
あやめ「流石にこの時間であれば、千秋殿もおりませんね」
あやめ(何度かここを調べる機会を伺っておりましたが……これでようやく……)
あやめ(わたくしたちの情報、この部屋にあるのは間違いない……その中に、ブロッサムウイングのパイロットの情報も……)
あやめ「……しかし、難解な資料が多いようで」
あやめ「次元振動……空間歪曲現象による、次元断層……修復の為の……キラー……むむむ、わたくしには何がなんだか……」
あやめ「こちらの資料……これも違いますな。いえ、この資料は、ブロッサムディーヴァの……」
あやめ(太陽の光を受け、その力……絶大な……魔……? 古い資料で、文字が消えて……)
あやめ「ん? この資料は……表紙が新しい……」
あやめ「これは! P殿の資料……」
あやめ(ウイングのパイロットの物ではない……いえ、ですがこれは……たか――)ピクッ!
シュッ!
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/26(水) 22:26:33.68 ID:2xwmhb5S0
前スレ残ってたけど新しく立てたのか
今回はあやめ回かな?
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:27:14.08 ID:Wk+1dvXp0
ガチャッ!!
千秋「ふう……まったく、ヨーロッパ連合も自分たちの要求ばかり……こちらの技術提供に見合ったものを、もう少し渡してほしいものね」
あやめ(千秋殿……まだ部屋に戻っていなかったのですか。ここには仮眠用のベッドもありますし、ここに居座られたらこれ以上は……)
千秋「それにしても今日は疲れたわね……そういえば最近、彼とはあまり……そうね、たまには彼を呼び付けて……」
千秋「……いえ、さすがにこの時間から呼び付けるのは、品がないわね。とはいえ、この昂ぶり……」
あやめ(P殿のお話……? 千秋殿、何を……?)
[4-2]
……
…………
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/26(水) 22:31:54.94 ID:Wk+1dvXp0
――翌日、早朝、ブラックパール城、屋敷(居間)
P「珠美、サラダ置いといたからテーブルに皿と一緒に並べといて」
珠美「わかりました!」
歌鈴「P、Pしゃ……わ、私も何かお手伝いを……」
珠美「いえ、珠美殿は座って待っていてください」
P「食器運ぶときに転んだら大変だからな。それにほら、豆腐もあるし」
歌鈴「こ、転びませんよぉ!」
P「いやお前、昨日コックピットから真っ逆さまに地面に落ちていった光景を見た後だと、その言葉は信用できないっていうか……」
歌鈴「そんなぁ……」
ガラッ!
紗枝「おはようさんどす……」ハァ……
歌鈴「あ、紗枝ちゃんおはようございます」
珠美「おはようございます! 紗枝殿、今日も良い天気ですね」
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