セエレ「ぼくセエレ!」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:01:36.70 ID:wuNLEoXDO
ぼく、セエレ!

はぐれちゃった双子の妹、マナをさがして旅してるよ!
でも帝国軍っていうわるい人たちがいるから世界が大変なんだ!
連合軍のみんなも女神さまを守るためにがんばって戦ってる!
女神さまが死んだら封印がこわれて世界がメチャクチャになっちゃうんだって!
メチャクチャってどんなだろう…?

女神さまはブラックドラゴンにさらわれて帝国領土に連れてかれちゃった
天使の教団っていう人たちもなにかしようとしてるみたい
こわいよ……。どうなっちゃうの?

だけど大丈夫!ぼくにはゴーレムがいるもん!
それにカイムにレオナールにアリオーシュだって!
みんなつよい魔物や精霊と契約してるから帝国軍なんかへっちゃらだよ!
待っててね、マナ!
女神さまを助けて必ず見つけてあげるから!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500724896
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:02:37.93 ID:wuNLEoXDO
連合軍駐屯地

セエレ「ねぇねぇゴーレム!」

ゴーレム「ゴォォ……?」

セエレ「あの木に登ってみたいんだ!でもぼくだけじゃ高くて登れないから持ち上げて?」

ゴーレム「ワカッタ」ズイッ

セエレ「ありがとう!キスしたげる!」チュッ

ゴーレム「ドウイタシマシテ」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:03:26.67 ID:wuNLEoXDO
レオナール「(わ、私もあんな風に…)」ハァハァ

アンヘル「息が乱れておるぞ。鬱陶しくてかなわん」

レオナール「い、いえ!なんでもありません!」

アンヘル「たまの休息だ。欲望にかまけて、せいぜい余計な体力は使わぬ事だな」

レオナール「(いけません、私としたことがまた過ちを犯すところでした……)」

カイム「」ジッ

レオナール「なんですか?カイム?」

カイム「……」プイッ

レオナール「(軽蔑の眼差し……当然でしょう。私の内に秘められた思いはあまりにも醜い)」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:04:00.31 ID:wuNLEoXDO
フェアリー「あれー?どうしちゃったんですかー!お兄さんったらー!セエレちゃんをねーっとり見つめちゃって!あんなこんな想像してアナコンダが飛び出しそうな感じですかー?」ヒラヒラ

レオナール「やめてください。私は決してそのような…」

フェアリー「えー?とか言いながらー?その膨らんだナニはなにーつって!バッチぃ!きったねー!サイテー!キャハハ!」

レオナール「言いがかりはよしてください…」

ヴェルドレ「レオナールよ。そなたの煩悩は我らにとっての雑音だ。これでは気が休まらん」

レオナール「ぼ、煩悩だなどと!私はやましい事など考えておりません!」

フェアリー「ほらほらー!我慢しないでセエレちゃんを襲っちゃえよー!一発抜けばスッキリ……ふぎゃ!」ガシッ

レオナール「黙っていてください!」ギュッ

フェアリー「むがむぐぐ!」ジタバタ
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:04:29.84 ID:wuNLEoXDO
アリオーシュ「私の赤ちゃぁぁあああん!!!」ダダダッ

セエレ「あはは!鬼ごっこ?負けないぞー!」タタタッ

レオナール「お、おやめなさい!」ガシッ

アリオーシュ「キャハハハハハハハ!!アーハハハハハハハハハハ!!!」ジタバタ

レオナール「暴れるんじゃありません!セエレ!今すぐ離れるのです!」

セエレ「えー!どうして!レオナールも一緒に遊ぼうよ!」

レオナール「い、いや…遊びではなく彼女は君を…」

セエレ「ね!遊ぼ?いいでしょ?」

レオナール「しかし…」

セエレ「みんなで遊んだ方が楽しいよ!」

レオナール「せ、セエレ……なんと無垢で優しい」

フェアリー「キャハハ!キャハハ!おバカなセエレちゃん!命懸けの鬼ごっこしたいとよ!」

アリオーシュ「おいで…私が守ってあげる…」ニヤニヤ

セエレ「あはは!ほらほら!捕まえてごらんよー!」タタタッ

レオナール「(アァ…セエレ、君こそは地上に舞い降りた天使……)」ポワァァン

フェアリー「だっらしねぇ顔しちゃってマァ!ボケッとしてっと愛しのセエレちゃんがイカレポンチに喰われちゃうよー!?」

アリオーシュ「アハハハハハハハ!!!」ダダダッ

レオナール「ハッ!アリオーシュ…いつの間に!?」ダッ
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:05:27.43 ID:wuNLEoXDO
裏の林

レオナール「はあ、はあ」シコシコ

レオナール「くっ…う!」ドピュッ

レオナール「ふぅ…今日もまた幾多の命を犠牲にしてしまった。どれだけの過ちを犯せば人は正常な未来を歩めるのでしょうか」

フェアリー「キャハハ!ここで汚した手も血にまみれた手も一緒だろー!?バッチぃバッチぃ!」

レオナール「そう…私はとても醜い人間だ。この背徳感さえも糧として…密やかな快楽に溺れてしまう」

フェアリー「自覚あんのー?あんのにこんなじゃタチわりーな!くさくてみっともなーい」

レオナール「(昼間の休息で遊んでいたセエレ……ゴーレムの頭部にキスをするセエレ……無邪気に笑うセエレ……)」ムクムク

フェアリー「おーい聞いてますかー?変態お兄さーん!下半身丸出しでみっともないッスよー!」

レオナール「(盲目であろうと心の目で見える…彼の純粋な仕草、あどけない表情……)」ガッ

フェアリー「ありゃ!また握っちゃった!やーねお盛んですこと!信じられない!どんだけ薄汚い心の持ち主なのかしら!?」

レオナール「(もっと…触れたい!私も!セエレのキスを受けたい!)」シコシコ

フェアリー「ひえー!おっぱじまった!こいつ理性とかないのかね?あんだけ人殺した直後に何回もやるかフツー?あーやだやだケダモノは!」

レオナール「セエレ!セエレ!セエレぇぇええ」ドクンッ

フェアリー「うっわ、さすがのオレさまも言葉失う迫力!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:05:55.98 ID:wuNLEoXDO
セエレ「おはようレオナール!」

レオナール「おはようセエレ。よく眠れましたか?」

セエレ「うん!夜更かししないで寝たよ!母さんの言い付けだもん!」

レオナール「(ま、まぶしい…。私はこんなにも無垢な幼子を……汚らわしい)」

セエレ「どうしたのレオナール?顔色がわるいよ?」

レオナール「(そんな輝かしい瞳で覗き込まないでください…私は…私は……)」ブルッ

セエレ「だいじょうぶ?どこか痛いの?」ピトッ

レオナール「!!」ゾクゾク

セエレ「痛いの痛いの飛んでけー!」ナデナデ

レオナール「せ、セエレ!よしなさい!そ、そんな…直に触れては…!」

セエレ「えへへ!母さんに教えてもらったおまじないだよ?痛いのなくなった?」ニパッ

レオナール「(強いて言えば心が痛みますが…)」ズーン
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:06:42.84 ID:wuNLEoXDO
レオナール「あぁ神よ…この浅ましい私に罰をお与えください…」シコシコ

フェアリー「ブッハー!ウッケルー!セリフと真逆な手の動き!どうやったらそんな器用に心と体、矛盾できんですかー!?」

レオナール「う!」ドクンッ

フェアリー「うげーきたねぇ!クセェ!死んだ弟たちに見してやりたいね!お前ら見捨てて生き延びたお兄さんはこーんなに元気だよーって!」

レオナール「私はもう二度と…かつての過ちを繰り返しません。これはその為に必要な儀式なのです」

フェアリー「おぉえっ!生臭いのぶちまけて自分を正当化かよ!相変わらずヘドが出ますねお兄さん!素敵すぎて吐きそう!」

レオナール「しかしそれだけではもはや限界のようです…」

フェアリー「は?は!?ちょちょちょ!まさかまさか?とうとうやる気になっちゃった?いいねーヤっちゃえよ!んで二人揃って地獄に堕ちたらサイッコー!幼児虐待バンザーイ!」

レオナール「」ガシッ

フェアリー「へ?」

レオナール「協力してもらいますよ、フェアリー」

フェアリー「はぁ!?おいふざけんなよテメェ!?なに考えてんの!?うわやめろバカ死ね!!」ジタバタ
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:07:11.16 ID:wuNLEoXDO
セエレ「あれ?フェアリーは?」キョロキョロ

レオナール「向こうの川辺で念入りに水浴びしてますよ」

セエレ「そうなんだ!ぼくも入ってこようかな!」

レオナール「いけません。妖精族は潔癖ですから後にした方がいい」

セエレ「ケッペキってなーに?」キョトン

レオナール「きれい好きという意味です」

セエレ「へぇ!レオナールはすごいや!難しい言葉いっぱい知ってるんだもの!」

レオナール「いえいえ、それほどでもないですよ」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:08:16.07 ID:wuNLEoXDO
セエレ「ねぇ!こないだのお城で本を拾ったんだ!読んでくれる?」

レオナール「もちろんいいですよ。貸してみてください」

セエレ「わーい!これだよ!」ポスッ

レオナール「!!!」ドキッ

セエレ「ぼく、まだ読めないんだ!どんなお話なんだろう?」ルンルン

レオナール「(ひ、膝の上に座って……くっ!まずい!また…!)」ムクムク

セエレ「はやくはやく!気になるよー!」ポンポン

レオナール「(アァそんな…!君はなんと無慈悲な誘惑を仕掛けてくるのですか…!?)」ハァハァ
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:08:55.85 ID:wuNLEoXDO
レオナール「(なんとか読み切りました…)」ゼェゼェ

セエレ「わーい!おもしろかったー!ありがとうレオナール!」ダキッ

レオナール「ヒッ!無闇に抱きついては…」

セエレ「え…イヤだった?」シュン

レオナール「い、いえ!そういう意味では!」

セエレ「…ぼくね。母さんがいた時はいつもこうして甘えてたんだ」ギュッ

レオナール「……?」

セエレ「母さんはぼくだけを愛してたよ。だから……妹のマナを泣かせてたんだ」

レオナール「セエレ…」

セエレ「母さんがいなくなって初めて分かるよ。甘えられる人がいないのはとっても寂しいことなんだ」

レオナール「…私でよければ甘えていいんですよ」ナデッ

セエレ「ホント…?ぼくを好きになってくれる?」ジッ

レオナール「もちろんです」ニコッ

セエレ「ありがとう。ありがとう。レオナール。ありがとう」スリスリ

レオナール「で、ですがその…過度な接触は…」

セエレ「ゴーレムもレオナールもおんなじくらい大事な友達だよ?カイムもアリオーシュも…みんな大好き!」

レオナール「ぐっ!」ズキンッ

セエレ「マナを見つけたら今度は一緒に甘えさせてあげたいな…。ダメ?」ジッ

レオナール「くぅぅ…!いいですとも…いくらでも!」キュンッ

セエレ「よかった…。マナにはいっぱい我慢させちゃったから、もう泣いてほしくない」クスッ

レオナール「(あぁセエレ…君はとても良い匂いがする)」スンスン
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:11:43.09 ID:wuNLEoXDO
カイム「……」

レオナール「どうしました、カイム?」

アンヘル「おぬし、先ほど何をしていた?」

レオナール「何を…とは?」

アンヘル「セエレがカイムに妹を探してほしいと懇願してきおった。どうせまたおぬしが余計な慰めをかけたのだろう」

レオナール「わ、私はただ本を読み聞かせただけです」

アンヘル「…あの谷にいなかったのであれば既に埋もれているであろうさ。よく言い聞かせるのだな」

レオナール「そんな…!セエレはまだ生きていると信じています!」

アンヘル「残酷な事実に耳を塞げど結果は同じこと。受け入れるのもまた寛容」

レオナール「私はそうは思いません!確信がない以上は信じさせるべきです!」

アンヘル「ありもしない希望にすがろうと待ち受けるは失望のみよ」

レオナール「帝国軍の脅威を排除すれば妹さんも姿を現すかもしれない。必ず救いはあります!」

アンヘル「やれやれ…我らには理解出来ぬわ。のう?カイムよ?」

カイム「……」

レオナール「カイム……あなたも女神を、いえ、たった一人の妹を追う身でしょう」

カイム「……」

レオナール「同じ妹を想う兄としてセエレの気持ちを分かってあげられませんか?」

カイム「」フイッ

レオナール「カイム…!」

アンヘル「情に訴えるだけ無駄よ。こやつもまた歪な道を歩んできた哀れな男だ」

カイム「」ジロッ

アンヘル「ふ……そう怒るな。おぬしの有り様を他にどう形容せよと言うのか」

カイム「」チッ

アンヘル「それに人間などというのはおしなべて愚劣な生き物だ。例外なく、な」

レオナール「……」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:12:16.37 ID:wuNLEoXDO
セエレ「マナはどこにいるんだろうね、ゴーレム」

ゴーレム「ゴォォ……」

セエレ「うん!きっと元気だよ!がんばって探さなくちゃ!」

ゴーレム「サガス、ガンバル」

ザッ

セエレ「あ、レオナール!」

レオナール「セエレ……」

セエレ「ぼく、カイムにおねがいしたんだ!マナを探しに行きたいって!もしかしたら帝国軍の集まるところに……」

レオナール「……」

セエレ「レオナール?」

レオナール「カイムから伝言を承りました」

セエレ「え?」

レオナール「明日より連合軍を率い、帝国軍との決戦に向かうと」

セエレ「…そっか。また戦うんだね」

レオナール「すみません」

セエレ「どうしてレオナールが謝るの?謝るのはぼくだよ。わがまま言ってごめんなさい」

レオナール「……」

セエレ「それにきっともう……ううん!なんでもない!」

レオナール「……?」

セエレ「がんばろうね、レオナール!一緒に女神様を助けよう!」

レオナール「はい…」ニコッ
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/22(土) 21:13:05.11 ID:wuNLEoXDO
フェアリー「ねえねえレオナールさん!レオナールさん!聞いてますかー!ド変態のオナ兄さん!」

レオナール「はぁ…なんですか。瞑想の邪魔をしないでください」

フェアリー「ぶっふー!瞑想だってよ、このタコ!朝から晩までしこしこ瞑想しやがって!契約の代償、間違えたかな?キャハハ!」

レオナール「……」

フェアリー「あの偽善者のガキにいつまで気に入られようとしてんだよ!ヤりたいならとっととヤっちまえって!そんででくの坊のゴーレムに潰されちゃってくださーい!」

レオナール「私はセエレが心配なのです。彼はまだ幼く、身の上も悲惨です……せめて妹さんだけでも見つけてあげたい」

フェアリー「バーカ!分かってんだろ!あのガキは妹なんか探しちゃいねーよ!ただ健気な自分を見せつけたいだけ!」

レオナール「……」

フェアリー「あーぼく、セエレ!とってもかわいそうなぼく!がんばり屋さんなぼく!妹思いなぼく!みんなぼくを好きになってーちゅっちゅっちゅっ!」

レオナール「はて、そうは思えませんが」

フェアリー「ぺっ!ぺっ!死ねゴミ!かっぺーっ!可愛い子ちゃんならなんでもありかよ!ほんっと欲望に正直ですね、人間様は!帝国軍さーん、こっちこっち!人間だけで殺しあえ!」
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