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渋谷凛「GANTZ?」 その3
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84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/29(土) 20:24:39.91 ID:wGALB0W20
美穂達は戦いに巻き込まれてから感じていた不安が一瞬にして羞恥心に塗りつぶされ、顔を真っ赤にして桑原の言った言葉に反応する。
美穂「せ、せせ、せせ、セセセセセセセ…………」
響子「セッ〜〜〜〜!?」
藍子「ななな、何を言ってるんですか〜〜〜!?」
茜「」
桑原「何や? その反応。全員まさか処女か?」
「「「「 」」」」
4人とも顔が赤くなりすぎて、まるで顔が爆発した後のような状態になっていた。
さすがに見かねてPが桑原と美穂達の間に割って入ろうとするが、何かが走る走行音が聞えてPや桑原含めて全員が音のする方向に目を向けた。
そこには黒いバイクに乗った男達、
「おい、ロボットが見えたぞ前嶋!」
前嶋「……他の人間もいる、前回と同じか」
全員が新たに現れた前嶋達に声をかけようとするが、それもつかの間建物の屋根の上から戦闘音が聞えてきた。
戦闘音は屋根の影になって見えなかったが、一つの影が姿を現すと共にそれを追うように一匹の小型の彫刻星人が飛び出してくる。
影は金髪の外国人の美少女だった。
少女は右手を骨折しているようで、痛みに顔を引きつらせながら星人から逃げているようだった。
その少女を見て、バイクの男達は、
「外人もいんのかよ!?」
前嶋「ッ!!」
「お、おい前嶋ッ!!」
前嶋はその少女を助ける為に瞬時に反応して星人を殴ろうと跳躍するが、
前嶋の行動を見た少女は、流暢な日本語で前嶋に言った。
「殴ると手が壊されるッ! 投げ技を使ッて!」
前嶋「!!」
前嶋は殴りつけようとしていた手を開いて星人の翼を持つと、明後日の方向に向かって投げ飛ばした。
その星人は、投げ飛ばされていったがすぐに空中で軌道を変えて今度は前嶋に向かって襲い掛かってきた。
しかし、星人は前嶋に近づくに連れてその身が破損し始めていき、前嶋の目の前で急に星人の背後に現れた桑原が、
桑原「おう、表面割れて中身見えとるのォ」
桑原が星人にガンツソードを突き入れる。
銃撃によってひび割れた隙間に滑り込ませるようにガンツソードを差し込むと星人の中から血が噴き出して星人の動きは停止した。
星人が完全に死んだことを全員が理解すると、追われていた少女は屋根の上で息を吐き、攻撃をしていた前嶋や桑原、星人に銃撃を加えていた宮崎や森下達も緊張を解いた。
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/29(土) 20:25:18.86 ID:wGALB0W20
外国人の少女は右手を抑えながら前嶋の前に飛び降りると、
「感謝するよ」
一言だけ言って視線を黒いロボットに向けた。
前嶋「……日本語、喋れんのか?」
外国人にしか見えない少女が短いながらも流暢な日本語を喋ったことに少し驚いて聞き返すと、
「……日本語しか喋れないし、あたしは日本人だよ」
さらに前嶋は少女に質問をしようとしたが、戦場にまた複数の影が現れたことにより、新たな星人が現れたのかと戦闘態勢をとるが、その複数の影はスーツを着た男女。
「計ちゃん! あれは本当に渋谷さんが出したロボットなのか!?」
「ああッ!! 間違いねぇ!! やッぱりアイツも来ていた!!」
「加藤君!! 後ろから敵が来たよッ!?」
「玄野クン、あッちからも大きい星人がッ!!」
黒いロボットに向かって屋根を駆け抜けていく4人の男女、玄野達東京チーム。
玄野達は建物の下にいた他のチームには気付かずに駆け抜けていくが、すぐに星人と交戦を始めていた。
前嶋「アイツ等……前回の」
安孫子「また人が増えた……しかも明らかに戦いに慣れている人間……これなら……」
桑原「あの爆乳はレイカやんけッ!! やッぱ乳デカいほうがええわーーー!!!!」
各々が交戦を始めた玄野達の元に向かう。
共闘をしようとするもの、助けようとするもの、自身の欲望を満たそうとするもの、それぞれだったが、Pは玄野達のチームの一人加藤が発した言葉を聞いていた。
P(確かにあの男性は渋谷さんと言った)
P(では、この場に渋谷さん……そして、島村さんと本田さんも来ている?)
P(……確かめなければならない)
Pは美穂達を連れ、先に玄野達の元へ向かった面々を追いかけていく。
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/29(土) 20:27:42.92 ID:wGALB0W20
玄野達はロボットの足元までたどり着くとその場でロボットに背を向けて襲い掛かる小さな彫刻星人と戦い始めた。
玄野「剣もッ、効かねェのかよッ!!」
星人をガンツソードで切りかかった玄野だったが、ガンツソードが砕け散った瞬間を見て瞬時にZガンの持ち替えて攻撃を行なった。
しかし、そのZガンの攻撃も足止め程度にしか効果が無かった。
何度も何度も玄野がZガンを撃ち込み続けて、急に星人の動きが止まった。
いつの間にか星人の身体に光のワイヤーが巻きついており、星人は頭からどこかに転送をされて行っていたのだ。
銃口を向けて荒い息をつくのは加藤と岸本。
完全に送ることが出来たとほっとしたのもつかの間、
レイカ「玄野クンッ!! ダメッ!! この銃じゃ通用しないッ!!」
ショットガンを2メートル強の彫刻星人に撃ち込んでいたレイカだったが、ショットガンでは通用しないのか星人は高速で襲いかかって来ていた。
それを玄野はZガンで対抗しようとする。
だが、Zガンの重力砲は確かに星人に当たったに関わらず、星人は若干スピードを落とした程度でレイカに襲い掛かった。
レイカはその星人の突進をギリギリのところで避けて玄野の元に駆け寄って星人に再び銃を向けた。
玄野「やべェ……この銃も効かねェのか……」
加藤「ならッ! このYガンでッ!!」
加藤が星人に向けて放ったYガンのワイヤーは星人を巻きついて拘束したかと思った瞬間はじけ飛んでしまった。
岸本「うそ……」
レイカ「玄野クン……」
自分達の持つ全ての武器が通用しないという事が分かってしまい、玄野以外の全員に絶望感が襲う。
だが、玄野は。
玄野「あきらめんなッ!! まだなんとかなるッ!!」
レイカ「で、でも、どうやッて……」
玄野「無敵の生物なんていねェ!! ぜッてーに弱点があるはずだッ!! まずはそれを見つけるぞッ!!」
岸本「弱点……」
玄野「それにだッ!! このロボットがある以上、渋谷も近くにいるはずだ!! アイツが来て一緒に戦えばこんなヤツ瞬殺だぜ!!」
加藤「渋谷さん……」
玄野「全員集中しろよォ!! ヤツの攻撃を受けるんじゃ…………」
玄野が3人に激を入れていたその時、星人に光の閃光が雨霰のように降り注ぐ。
その発生源を探すと、玄野の視線の先に、星人2体の死体を足蹴にして、凛の着ている軽量ハードスーツを着ている岡の姿を目にした。
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/29(土) 20:29:03.39 ID:wGALB0W20
玄野「あれは……」
岡に気を取られていた玄野だったが、星人の周囲が大きな破壊痕が発生していることに気が付いた。
玄野が首を動かすとそこには玄野の知らないガンツチーム、安孫子達が星人に攻撃を仕掛けていた。
玄野はその攻撃に合わせるように自身のZガンも星人に向けて引き金を引いた。
2丁の重力砲と岡の閃光、さらに様々な面子からのショットガンの乱射を受けて星人の頭部に傷が発生した。
それを見た岡は閃光を止めてガンツソードを伸ばして跳躍の姿勢を見せる。
しかし、岡が跳躍する前に、二つの影が星人の上空に現れて、
傷の入った星人の頭部にガンツソードを突き入れ、星人は完全に沈黙した。
玄野はその二つの影を見て、すでに顔見知りになった男達の名前を呼ぶ。
玄野「武田……吉川……」
武田「あの目立つロボットを目指して来てみたら……これで君達とは3回目の合同ミッションになるのか?」
吉川「おゥ、今回お前ら大所帯だな? それとも別のチームの奴等か?」
お互い顔を見合わせて口元を緩ませる。
その3人にハードスーツの男、岡が声をかけた。
岡「おー、そこの兄ちゃん、お前さッき渋谷がどーとか言うとらんだか?」
玄野「アンタは?」
岡「お前の言う渋谷言うのは渋谷凛ちゅー女の事か?」
玄野「!! アンタ、渋谷を知ッてンのか!?」
岡「……何や、お前もあの嬢ちゃんの居場所を知ッとるわけやなさそうやな……」
岡は落胆した様子で玄野の質問を適当にいなし始めた。
そうしている間にも、安孫子は集まってくるガンツチームの人間を見て不敵な笑みを見せていた。
安孫子「おい、藤本……」
藤本「なんだよ」
安孫子「どいつもこいつも化け物ぞろいだぜ」
藤本「んなもん見りゃわかる。アイツ等どんな修羅場潜ッて来たらあの星人を瞬殺できんだよ」
安孫子「まッたくだ……だけど、今回で終わることが出来るかもしれない……」
藤本「そうだな、あれだけの点数の敵……池上や黒名たちも全員解放できるほど稼げそうだな」
安孫子と藤本はこれほどまでの戦力をもつメンバーを見て、共闘することにより今回で確実に終われると考えていた。
そうして、ここにいる人間に協力を取り次ぐ為に玄野や岡達に話しかけていた。
その頭には、今回新しいメンバーのPたちの事は抜け落ちて、元の場所から建物を何棟も飛び越えたこの場にPたちがいないことに気が付かなかった。
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/29(土) 20:30:14.43 ID:wGALB0W20
玄野達が星人を撃退した頃、P達5人は舗装された道路を走っていた。
美穂「あ、あのっ、プロデューサーさん、さっきの人達は……」
P「あの方々はあそこに見える大きなロボットの元に向かったようです。私達も向かいましょう」
響子「大きな、ロボット……本当にこれ、撮影じゃないんですか?」
P「……ええ、撮影ではありません。これは現実に起きている事です」
藍子「信じられないです……でも、先ほどの人は……腕があんなに酷い怪我で……」
P「……急ぎましょう」
茜「は、はいっ」
不安になるような事は語らずPは走る。
全員不安で一杯だった。
美穂や響子はもちろん、藍子も茜も普段のマイペースさを保てないほどになっていた。
車がトラックにぶつかり、何かが起きた。
その後見知らぬ教室にいて、さらには気が付けば外国の地。
そこで美術品の彫刻のようなものに襲われて、一緒に来ていた人は酷い怪我を負った。
そして、今、自分達だけの状態。
不安にならないわけが無かった。
そのPたちの正面に無常にも子供の彫刻星人が現れた。
P「っっ!!」
美穂「あれ……」
響子「さっきの……」
藍子「こっちに……来ますね」
茜「ま、まずいんじゃないですか?」
4人を守るように一歩前に出るP。
そのPにゆっくりと星人は近づいていった。
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/29(土) 20:31:18.57 ID:wGALB0W20
Pが星人に襲われる様子を立体映像で見る凛と西。
西「あー、ありゃダメだな。武器も何も持ッてねーじゃん」
凛「……西、あの人を助けてあげて」
西「あン?」
凛「……あの人は死ぬべき人じゃない」
西「何? あのオッサンお前の知り合いなン?」
凛「そう。あの人には助けてもらったし、何よりもあの人は未央と卯月のプロデューサー……あの人がいなくなったら未央と卯月が悲しむ」
西「……わーッたよ。アイツをここに転送してやるよ」
少しだけ不機嫌な声色で西は凛の頼みを聞こうと光のキーボードを展開させた。
その時だった。
立体映像に映し出される星人が光の閃光に焼かれたのは。
西「お? 何だ?」
凛「……?」
凛にはすぐにその閃光がハードスーツの攻撃のものと分かった。
誰かがPを助けたのか? そうやって立体映像を見ていると、星人がZガンの重力砲で押しつぶされていく瞬間も映し出された。
Pとの間に誰かが割って入った。
軽量化前のハードスーツを装備した誰かだった。
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/29(土) 20:32:32.69 ID:wGALB0W20
ヘルメットに覆われて顔が見えないその人間はPに声をかける。
「あの子達はアンタのチームの子達? 脅えてるから早くいって落ち着かせてあげなよ。ここはアタシ達が何とかするからさ」
P「貴女は……?」
立体映像から届いた音声に凛の全身が強張り、闇色に染まっていた眼に光が戻った。
凛「う、うそ。で、でも、う、ううん、聞き間違えるわけない」
西「渋谷?」
立体映像に向かって震える足を進める凛に、立体映像はさらにもう一人の姿を映し出した。
「オラオラオラオラオラオラ!! ブッ潰れろーーーー!!!!」
2丁のZガンを乱射しながら歩みを進める少女。
凛「あ、あぁぁ、あああああぁぁぁ……」
西「あいつ……確か……」
少女はZガンを撃ちながら、飛び上がったハードスーツの人間に叫んだ。
奈緒「加蓮!! トドメ任せたっ!!」
加蓮「オーケー、奈緒!! たぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
Zガンと閃光によってボロボロとなった子供の彫刻星人は、加蓮のハードスーツのブレードによって胴体を斬り飛ばされた。
その様子を凛は呆然と見続けていた。
その瞳から気付かないうちに大粒の涙を流しながら。
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/29(土) 20:33:46.30 ID:wGALB0W20
今日はこのへんで。
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/29(土) 21:16:00.20 ID:MoAZ5S840
乙
生きてた……これでPの情報(凛がガンツの製造元に向かった事)が関東チーム&岡に伝わるかな
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/29(土) 21:32:50.29 ID:ezkduan60
アイマスとのクロスだからって桑原自重させてなくて良かった。
てかなんで千葉2人生きてたんだろ
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/29(土) 21:42:38.58 ID:XzMcKJEtO
乙乙
誰かが奈緒加蓮を生き返らせたってことなのかな
オールスター共演すると最後の戦い感あっていいね
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/29(土) 23:06:19.51 ID:EpC13osg0
このイタリア戦は途中で終わるのか最後までやるのか
乙
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/30(日) 03:20:35.89 ID:y6VCMaL20
おつおつ なおかれ尊い
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/30(日) 03:41:42.78 ID:9Vd547pGo
よしアイドルに勧誘だな
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/07/30(日) 07:02:40.25 ID:xZFpk8sG0
アメリカに岡より強いのいたよね確か。
意外とダヴィデまではイージーかも
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/30(日) 08:03:32.02 ID:FD6YFZj2O
おっつおっつ
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/30(日) 20:46:39.95 ID:i2nzrGMZ0
最期はイヴァにやられたけど巨人とタイマンして完膚なきまでに叩きのめしてたアメリカの人達とかもいるしまだまだ強キャラは残ってるな
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/31(月) 17:16:02.78 ID:TydsRY+90
ランキング2,3位の市長とかも出るの期待
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:16:19.01 ID:KEXbtpzP0
凛はその場で立ち尽くして涙が零れ続けるのも構わず加蓮と奈緒の姿を見続けていた。
凛「か、加蓮、奈緒ぉ」
西「どういうこッた? アイツ等は死んだンじゃなかッたのか?」
凛「あ、あなたが、再生して、くれたんじゃないの?」
西「いや、俺はなんもしてねーぞ?」
凛「そう、なの? ううん……そんな、こと、どうでも、いいや」
凛は加蓮や奈緒も再生するのはこの世界から腐った人間を一掃しきれいにした後と考えていた。
しかし、加蓮と奈緒の姿を見た瞬間そんな考えはどこかに消え去ってしまった。
今凛の頭にあるのはただ一つ。
凛「西、私をあそこに送って」
西「……あン?」
凛「加蓮と奈緒に、謝ってくる、あの時、私だけ、逃げちゃって、ごめんって……」
西「……わーッたよ」
西は凛が自分のほうを見ずに、映像を見続けて言葉を発している状態が気に入らないのか明らかに不機嫌な様子だったが、凛の頼みを聞き入れて、
西「……戻る時は言え、転送すッから」
凛「うん、ありがとう……」
凛はそのまま転送されていった。
残された西は立体映像を無言で見始める。
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:16:56.65 ID:KEXbtpzP0
子供の彫刻星人が分割されて道路に転がり、それを行なった加蓮は肘の部分にあるブレードが刃こぼれを起こしていることにため息をついていた。
加蓮「マズいね……このまま戦ったら次辺りで刃が折れそう」
奈緒「今回の敵、固すぎだよな……」
加蓮「ま、凛と合流すれば刃が無くても大丈夫でしょ。最悪ハードスーツを脱いで凛から剣を貸して貰えばなんとかなるし」
奈緒「ほんっと、やっと会えるって事だな……世間ではあんな事になってるし、凛の家も滅茶苦茶になっちゃったし、凛、電話にも出ないし……探すアテが全く無い状態だったもんな……」
その二人の会話をPは聞いていた。
りんという名前。
P「貴女方は…………」
その時だった。
Pの視界の先、加蓮と奈緒の背後に何かが起きていた。
上空から光の線が降り注ぎ、何かをかたどっていく。
すぐにそれが人の顔だという事が分かった。
そして、それが先日見送った凛だという事に気がつき、Pは声を出していた。
P「し、渋谷さん!」
Pの発した言葉に加蓮と奈緒はPを見る。
加蓮「あの人……今、渋谷さんって?」
奈緒「ああ……言ったよな」
加蓮と奈緒はPを見ながら、自分達の背後に何かの気配を感じ取った。
それが何なのかもすぐに分かった、そして二人は同時に振り向き、
何か柔らかいものが自分達にぶつかってきてそれを受け止めた。
その柔らかいものは涙にかすれた声だったが二人のよく知る声。
凛「かれぇん! なおぉ! ごめん……ごめんね……本当に、ごめんなさい……」
加蓮「り、凛!!」
奈緒「う、うわっ、えっ? ええっ!?」
自分達に抱きついて泣きながら謝る凛の姿を見た。
凛「あの時……私だけ逃げちゃってごめん……二人共私のせいで……死なせちゃってごめんなさい……私のせいで……加蓮は……奈緒は……」
加蓮「ちょ、ちょっと凛!? ど、どうしたの!?」
奈緒「り、凛! なんかよくわからないけど、とにかく落ち着けって!!」
凛「うぅ……ごめん、ぐすっ……本当に……ごめんね……」
加蓮「な、奈緒……」
奈緒「あ、あたしに助け求めんなよ……」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:17:46.14 ID:KEXbtpzP0
しばらく凛は二人を抱きしめて泣き続けていた。
少しして、漸く落ち着いてきたのか、凛は二人と向き合ってまともに会話を出来るような状態になった。
しかし、凛を待っていたのはヘルメットを外していたずらっ子な表情をした加蓮とニヤニヤ笑う奈緒。
加蓮「奈緒〜〜〜、アタシ達、なーんだか、とーっても凛に愛されてるみたいじゃない?」
奈緒「言えてる。あたし、あんなに抱きしめられたの初めて……いーや、これから先あんな熱烈なハグされることなんて絶対無いな」
凛「ちょ、ちょっと、ふ、二人共っ」
加蓮「ここまで愛されちゃったら、アタシ達凛のお嫁さんになるしかなくない?」
奈緒「あ、ああ、そうだな! あたし達、凛の嫁ってやつだな!」
凛「や、やめてよ、からかわないでよ」
戦場だというのに加蓮と奈緒は凛をからかい続け、凛は泣きはらした赤い眼と同じくらい赤い顔をして二人を制止しようとしていた。
加蓮「ふふっ、からかうのはこれくらいにしてあげよっか」
奈緒「そうだなー。まだここは戦場なんだからマジメにやんないと前回みたいになっちゃうかもしれないもんな」
凛「!! そ、そうだよ、前回は確かに……加蓮も奈緒も……」
凛は奈緒が発した言葉で前回のミッションで二人共死んでしまったことを思い出す。
目の前でバラバラの肉片と化してしまった加蓮。
腕だけになってしまった奈緒。
凛「……二人共、誰かに生きかえらせてもらったの? そういえば千葉のチームって二人以外にもいたんだっけ?」
まず凛は二人のガンツ、千葉のガンツの事が思い浮かんだ。
千葉の二人以外の誰かが加蓮と奈緒を生き返らせてくれたのかと。
しかし、奈緒は凛の問いかけにすこし言いにくそうにしながら、
奈緒「……あー、あたし達の……チームはね……その、なんだ……」
加蓮「前回死んだのはアタシ。それでアタシを生き返らせてくれたのは奈緒。ね、奈緒そうだよね」
奈緒「あ、ああ。そう、そうなんだよ」
言いにくそうにしている奈緒に被せるように加蓮が言う。
自分が死んで、奈緒が生き返らせてくれたと。
それに凛は疑問符を浮かべる。
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:18:42.35 ID:KEXbtpzP0
凛「え……で、でも……あの手は……間違いなく奈緒の……」
奈緒「あー……あの時レーザーで両腕を切り飛ばされたからなー……」
頬を掻きながら奈緒は思い出すように前回のミッションのことを凛に話し始めた。
奈緒「あたし達、凛が消えた後にあの凛のニセモノから集中攻撃を浴びちゃってさ」
凛「う……ご、ごめん……本当に……」
奈緒「あー、もう謝んなって! あたし達は凛が逃げたとも思ってないんだから気にするな! なっ、加蓮!」
加蓮「そーそー、むしろ凛があの網目レーザーを回避できてよかったとしか思ってないし」
凛「奈緒……加蓮……」
奈緒「話し戻すぞ! それで、あたしと加蓮はお互いあのトンデモ攻撃を数回避けきってたんだけど、あたしがレーザーで両腕を切り飛ばされちゃってさ」
奈緒は気まずそうに加蓮を指差しながら、
奈緒「体制崩して絶体絶命のあたしをさ、加蓮が投げ飛ばしてくれたんだよ……あの凛のニセモノの攻撃で出来上がった大穴の中に」
加蓮「まっ、ギッリギリだったよね。その直後の記憶がアタシにはないから多分奈緒を投げた後にアタシは死んだんだと思うけど」
奈緒「戻って気付いたよ……加蓮があたしを助けて死んだんだって……前回100点取れてなかったらあたし、どうなってたか……」
加蓮「戻るまでアタシのことに気が回らないほど奈緒ちゃんは大穴の中でパニックを起こしていたんだよー、暗いの怖いよー、出してよーってね、酷いと思わない?」
奈緒「……かーれーんー……人がマジメに話してるのに……」
加蓮「と、いうわけで、アタシが死んで奈緒は生き残って運よく100点取ってた奈緒がアタシを生き返らせてくれたってワケ。いやー、本当に運がよかった、アタシってラッキーガールだと思わない? 思うでしょ?」
奈緒「もう……」
奈緒は加蓮が自分が死んだことで重くなりそうだった場の雰囲気を無理矢理和ませていると気がついて口を挟むのは止めた。
以前死んだ自分が加蓮に生き返らせてもらった時に同じようなやり取りをした事を思い出して。
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:19:23.83 ID:KEXbtpzP0
その二人のやり取りを聞いた凛は再び涙を零し始め、
凛「そう……だったんだ……よかった……よかったぁ……」
心の底から安心した表情を浮かべる凛に二人共顔を見合わせて、
加蓮「な、奈緒、何だか凛の様子、ヘンじゃない?」
奈緒「あ、ああ……凛? 本当にどうしたんだ?」
明らかに情緒不安定な凛を本当に心配し始めていた。
凛は二人からの視線を受けながら心の内にあったものを吐き出していく。
凛「だって……だって……みんな死んで……私だけになっちゃって……」
加蓮「え……?」
奈緒「それって……」
凛「未央も……卯月も……あんなに酷い目にあわされて……」
加蓮「ちょ、ちょっと!!」
奈緒「う、うそだろ……」
凛の言葉で二人共気付いてしまう。
この場にいない二人の少女がどうなってしまったのか。
加蓮「卯月と未央……死んだの?」
凛「……うん」
奈緒「……連絡、つかないワケだ……」
先ほどまで空気を和やかにしていた加蓮もその事実に愕然としてしまう。
奈緒もその場で俯いて手を握り締めて震え始める。
そして、そのやり取りを黙って聞いていた男がその言葉に反応して初めて声をだした。
P「……そんな、島村さんも本田さんも……」
凛の口から二人が死んでしまったと言う言葉を聞きその場で膝をついて絶望するP。
Pの脳裏には凛が言った、必ず連れて帰るという言葉が思い出されていた。
凛も巻き込まれた人間、悪くはないと分かっていても、Pは凛に己の心境をぶつけそうになっていた。
あの言葉は嘘だったのか、何故希望を持たせるような事を言ったのかと。
しかし、Pを含め、全員の思考は中断させられた。
目の前からやってくるスーツを着ていない人間たちと、その人間たちを追うように大量の星人がやってくる光景を見て。
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:21:11.20 ID:KEXbtpzP0
まだかなり先だったが確かに何人もの人間が凛達に向かって、星人を引き連れて走ってきていた。
その人間たちは西によって転送された人間たち。
全員が恐怖の表情を浮かべながら全力で逃げてきている。
しかし、途中で何人も捕まってバラバラにされている姿も見えていた。
奈緒「……くっそ、話してんだから邪魔すんなってのに……」
加蓮「多い……凛、今回の敵は相当固いけど、あれだけの数何とかなると思う?」
凛「…………」
P「……あ、あれは……」
美穂「え……? ひ、人が、え?」
響子「み、見間違えですよね……あ、あはは」
藍子「あ、あ〜、わかりました〜、私、夢見ちゃってるんですね。うん、そうですよ、私疲れて眠ってるんですよ……そ、そうじゃないと……」
茜「あ、藍子ちゃん! そ、そういうことですねっ! 私とした事が疲れて眠るなんて! もっともっと体力をつけないといけませんねっ!」
加蓮と奈緒は襲ってくる敵に冷静に向き合い、
Pはその数に絶望し、
美穂達は現実逃避を始める。
そして凛は、
凛「……あぁ、本当に、イライラするなぁ……」
加蓮「……凛?」
凛「……あのクズ共は、やっぱり生きている価値なんか無い、生きているだけでこうやって害が発生する……」
奈緒「ど、どうした? 凛?」
二人共、三度様子が変化する凛を見て、その凛の眼が真っ暗に濁っていることに気が付いた。
二人共凛に声をかけようとするが、凛は先に一歩踏み出し、
凛「西、聞いてる?」
西「おォ」
凛の隣に突如現れた少年に全員が驚く。
凛「武器出して」
西「おッ? お前がやンの?」
凛「あれ、煩過ぎるし、邪魔すぎるから。さっさと消したいの。強力な武器を出して」
西「ハハッ!! いいねェいいねェ!! オーケェ!! リクエストに答えて強力なヤツ出してやンよ!!」
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:22:27.51 ID:KEXbtpzP0
その直後、凛の前に何かが転送されてきていた。
その形は剣の柄。
真っ黒な剣の柄、しかし刀身は存在せずに、刀身が存在するはずの場所に不思議な揺らぎが発生していた。
その剣を見た全員が身体を震わせた。
何か、危険なものであるという事を本能的に感じていたのだ。
戦闘経験が豊富な加蓮と奈緒は言うまでも無く、戦闘経験が皆無で一般人であるPたちにもその危険性を感じ取れるほどのもの。
それを凛は臆することも無く手に取り、
凛「使い方は?」
西「振れ。以上、そンで終わる」
凛「わかった」
凛は黒い剣の柄を正眼に構えた。
すると、剣の柄から発生する揺らめきが黒く輝く光と変化して、剣はその真の姿を現した。
黒く輝く光は振動し、周囲一帯の空間にもその振動が伝わっていく。
まるで大地震が起きているような錯覚を全員が感じていた。
そして、それを生み出している黒光を凛は逃げてくる人間と星人たちに向かって振り下ろした。
ビシリという奇妙な音が発生する。
その音と共に、黒光が通った空間に奇妙な痕跡が発生していた。
まるでガラスが割れたような跡が空中に発生している。
その傷跡は徐々に大きく広がり、直線状にいた人間や星人にも伝播していく。
不思議な光景だった。空中に生まれた傷跡が人間や星人にも発生し、まるで割れる寸前の鏡のような状態になっていた。
直後、甲高い破砕音と共に空間が割れた。
それは人間や星人達も同じく、割れる空間に巻き込まれて割れ始めた。
人々はお互い自分達に何が起きているのかも理解できていなかった。
ただ、自分達の身体がバラバラになっていく様を見て、恐怖しながら砂のような粒子となって消えていった。
星人も同じく粉々になり、数秒もたたずに消滅し、凛達の前から終われて逃げていた人間もそれを追っていた星人の姿も完全に消滅していた。
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:25:13.81 ID:KEXbtpzP0
凛「……ふぅ……やっと静かになった……」
西「死因、五月蝿かったから。あいつ等も気の毒になー。合掌ー」
半笑いで数秒ほど手を合わせている西。
だがすぐに西は凛の持っていた剣をどこかに転送していった。
西「ンじゃ、その剣回収しとくな。あンま通常空間に出しとくと色々ヤベーことになッからな」
凛「……一体どんな武器だったの?」
西「効果は、空間……いや、俺達の存在する次元を切り裂く武器だ。次元断層を何重にも発生させて、範囲内にあるものはどんなもんだろーとグッチャグチャのバッラバラにしちまう。まァ、直撃すりゃ、どんな生物だろーが100%消滅するッて攻撃を生み出せるッつーわけだ」
凛「ふーん……よくわからないけど、すごく強力な武器の割には周りの被害が少なかったね?」
西「そりゃ、俺が出力の調整やらをしてッからだ。そーじゃなきゃ、直線状にあるモンは全て消滅しちまうッつーの」
凛「……そっか、ありがとね」
西「おぉ! お安い御用ッて奴だ! しッかしあのジジィ、マジでアホだぜ? この武器75回目の報酬で先着1名の唯一品なんだけどよ、出力の調整もなンもなしで渡される予定だッたみてーだぞ。コレ、下手したら地球を真ッ二つにすることも出来ンのにだぜ? つーか75回クリアとか出来るヤツいるワケねーだろッつーの」
凛「……あのクズの事は思い出したくも無いんだけど」
西「おー、悪りィ、悪りィ」
その二人の様子を加蓮や奈緒はずっと見ていた。
固まっていた二人だったが、凛が振り向いて自分達に微笑みかけたことによって漸く硬直状態を脱することが出来た。
凛「ごめん、待たせちゃったね」
加蓮「え、っと……」
凛「?」
奈緒「り、凛? お、お前、今……人を……」
凛「人? 人なんかいなかったけど?」
加蓮「……凛、アンタ……」
奈緒「お、おい。凛、お前……どうしたんだ?」
凛「……あ、そっか、そうだったよね……」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:26:40.74 ID:KEXbtpzP0
凛は思いだしたかのように二人から視線をそらしていた。
しかし、西に二人から反らした流し目を送ると、
凛「……西、私はさ、間違った事をしてるかな?」
西「あン? 何がだよ?」
凛「人の皮を被った悪魔……ああいうクズ共を殺す事は間違っている?」
西「! そーいうことか、いやいや、お前は何一つ間違ッてねーよ。だッてお前、思い出せよ、島村と本田がどんな目にあッたのかッつー事を」
凛「…………あぁ、うん、そうだった…………」
西のその言葉に凛の瞳に闇が落ちた。
その様子を加蓮と奈緒は見て、さらに違和感を増してしまい、まるで自分達の知っている凛はそこにいないような錯覚を覚えてしまう。
その違和感を肯定するように、凛はとても歪んだ笑みを浮かべて加蓮と奈緒に、
凛「加蓮、奈緒。二人共、私の事、信じてくれる?」
加蓮「……信じるって、アタシは凛の事を疑ったりしたことなんてないよ?」
奈緒「あ、あたしも、そうだけどさ……」
凛「ふ、ふふ……嬉しい……二人共……私を受け入れてくれる……こんな私を……」
加蓮「凛……」
奈緒「な、なあ、凛、一体何があったのか話してくれよ」
凛「あ……そうだよね。そっか、そうだ……二人にも……今のこの世界がどんなに腐ってるか知ってもらって……みんなで一緒に素敵な世界を作っていければ……」
凛はさらに口元を歪めて、チェシャ猫のように笑う。
凛「西、加蓮と奈緒、後あっちの男の人と女の子たちを元の場所に転送してもらえるかな?」
西「おー、わかッた」
加蓮「転送?」
奈緒「お、おい、凛……」
西が操作し始めるとすぐ加蓮と奈緒は転送されて行く。
P「し、渋谷さんっ! 島村さんと本田さんは……」
凛「……ごめん、後で説明するよ……」
Pも転送され始め、
美穂「ひっ、ひぃぃぃ!?」
響子「い、いっ、いやぁぁぁぁっ!?」
藍子「あ、あは、美穂ちゃんと響子ちゃんもプロデューサーさんも頭がなくなっちゃったぁ……あはは………………」
茜「あ、藍子ちゃんっ!! こ、これ、やっぱり夢とは違うような……」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:27:54.18 ID:KEXbtpzP0
その場に残ったのは西と凛。
西は凛を転送する前に聞いていた。
西「何? お前、アイツ等をどーするつもりなン?」
凛「え? どうするも何も聞いていたでしょ? 加蓮も奈緒も私達に力を貸してくれる。私達4人で、未央や卯月やお父さん達が帰ってこれるような新しい世界を作り出すの」
西「あの二人もか……」
凛「……何? 不満なの?」
西「……別に不満ッつー事はねーけどよ……あぁ、そう睨むなよ! わーッたッて!! あの二人と協力すンのに不満なんてねーよ!!」
凛「そう、それならよかった」
西「はァ……そンで、他のオッサンと女4人はどーすんの? まさかアイツ等も一緒にとか言い出すんじゃねーだろーな?」
凛「あの人には未央と卯月のことを話さないといけない……二人共あの人の元に返してあげないといけないから……他の子達は……帰してあげて、あの子達確か未央と卯月と同じ事務所のアイドルだったはずだから」
西「へいへい、わかりましたよ」
そうやって一区切りが付いたとき、大きな爆発音が二人に届いた。
二人共その爆発音が発生した方角を見ると、そこには空中を走るバイクが翼の生えたダヴィデ像の星人に叩き落されている光景があった。
ダヴィデ像は空中でバイクに乗っていた欧米系の顔立ちの男を握りつぶしたかと思うと、急降下し建物の影に隠れて二人の視界から消え去った。
凛「……西、もう終わりにしなよ」
西「終わり? このミッションをか?」
凛「そう、あのガンツチームの人達ってあなたが間違えてここに送ったんでしょ? もう死ぬべきクズは全滅したと思うしさ、もう他の人達は戻してあげてよくない?」
西「ンー……そーだな、確かに送ッた奴等は星人とお前が殺しただろーし、終わらせッか……」
凛「うん、それがいい………………」
西「ん?」
西は凛が完全に固まった姿を見て疑問を浮かべる。
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:28:30.53 ID:KEXbtpzP0
凛は目を見開いて視線をある場所に送っていた。
西もその視線の先を追うと、そこには一人の男が建物の屋根の上でショットガンを構えていた。
どうやら星人に狙いを定めているようだったが、西はその男に見覚えが無かった。
一体なぜそれほどまでに凛がその男を注視しているのかと聞くと、
西「アイツがどーかしたのか?」
凛「……クズはまだいた」
西「あン?」
凛「お父さん達を殺したクズが、ここに来てる……そいつらを殺さないといけないよね?」
首だけを動かして瞬きもせずに西に問いかける凛。
西「お、おう。そーだな」
凛「そうだよね。それじゃ、この場所に来ている4匹のクズを殺しに行ってくるよ」
西「お、おう……ッて、ちょッと待て!!」
西の静止も聞かずに凛は視界に入っている男に向かって飛び出していった。
西「あのバカ……今回のヤツらはスーツの防御性能が意味ねーッつーのに……」
立体映像の西は、通常スーツで戦場に飛び出した凛を呆れたような苦笑したような顔で見ながらその後を追い始めた。
西「本当にブチ切れてやがるぜ。だけど、アイツをサポートできるのは俺くらいなモンだし付き合ッてやッかな!」
凛の後を追う西は自分でも気付いていないほど自然な笑みを作っていた。
まるで親を追う子供のような表情で凛の背中を追っていた。
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/06(日) 16:29:01.40 ID:KEXbtpzP0
今日はこの辺で。
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/06(日) 19:06:58.25 ID:vvPHZNdI0
乙
加蓮と奈緒が二人のブレーキ&ハンドルにならないとカタストロフィ以前にトップが軒並み神隠し喰らった人類社会がヤバイ
しかし間接的に通称・神星人の凄さが分かる。これが最低限の軍事技術って事は別の宇宙に移動するとか時間遡行ぐらい余裕で出来そうだね
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/06(日) 21:31:23.49 ID:NI6JzgfRo
乙
凛がこの調子なら某ニートから神になった男宜しくアイドルから神になった少女になるかも
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/06(日) 23:21:20.98 ID:RzcLux6Ao
乙
それで出来る世界ってディストピアだよね
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/06(日) 23:48:59.49 ID:bl6hLPYzO
おっつおっつ
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:08:41.54 ID:eHk7CPs50
イタリアのトレビの泉。
観光名所であるその場所は今戦場と化していた。
様々な国籍のガンツチームの人間が続々とトレビの泉に集まって来ている。
それらの人間を追うように彫刻星人も集まってくる。
何故この場所にガンツチームの人間が集まってくるのか、それは単に目立つ目印があったから。
今回のミッションでかなりの初期段階で行動した男、岡が駆る巨大ロボット。
ロボットはトレビの泉の傍に佇んでおり、その持ち主の岡は次々と集まってくるガンツチームの人間を見て自身の目的の人物がいないかと探し回っていた。
岡「なんやねん!? 敵も人もドンだけおるんや!?」
岡の姿もすでにハードスーツは壊れ通常のスーツのみの状態。
それでも岡は襲い掛かる星人を巧みに避けながら撃破し続けていた。
その岡を中心にして日本人の集団が集まっていた。
その中でも声をあげて集団を鼓舞している童顔の男がいた。
玄野「岡に武器を回し続けろォ!! 刀やデカ銃を持ッてるヤツは岡に回せェ!! ショットガンを持ッてッヤツは星人に集中砲火をするンだ!! 表面が割れた部分には銃が効くぞォ!!」
玄野の指示に集まっているガンツメンバー達は従うように行動をしている。
集まっているメンバーは玄野よりも年上の人間や人の言葉など耳にしないような人間もいた。
しかしそういった人間たちも玄野の言葉を聞き入れてこの場に50人を超すような大規模な集団が出来上がっていた。
何故彼らは玄野の言葉に従っているのか、それはこの場において岡の次に星人たちを倒していたのが玄野だったからに過ぎなかった。
さらに言うなら玄野は加藤やレイカや岸本と協力しながら助けられる人々を救いながら戦い続けていた。
その姿はどこか不思議なカリスマ性を持つ物で、玄野達に助けられた人々に限らず玄野達の戦いを見る人々も彼らと共に戦えば生き残れるのでは? と思わせるほどのものであった。
玄野「全員踏ん張れよォ!! 後少しの辛抱だァ!! この防衛ラインを突破されンじゃねーぞ!!」
叫ぶ玄野に星人が襲い掛かるが、玄野が星人の攻撃を紙一重で避け、至近距離でXガンを連続で撃ち込んで破損した表面に飛び込んできた黒い影の集中砲火が炸裂して星人は爆発していく。
その黒い影と玄野は背中合わせになり戦闘態勢を継続する。
玄野「助かッた!」
玄野と背中合わせで荒い息をつきながら索敵を続けるのはショートヘアの少女。
黒名「どういたしましてッ!」
二人はXガンを襲い掛かる星人に乱射しながらお互いをカバーしながら戦い続ける。
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:09:09.43 ID:eHk7CPs50
すでに乱戦状態になっている戦場でいつの間にか岡のロボットによじ登り銃撃を行っている人間達がいた。
それは安孫子達のチーム、そして眼鏡をかけたインテリ風の男のチーム。
安孫子「アンタ等も気が付いたか? このロボットの装甲……あの星人の攻撃も何発か防ぐぞ」
眼鏡の男、関根は安孫子の言葉に小さく笑みを作りながら、
関根「ああ、つまりは背後からの不意打ちの可能性はかなり減る……しかし、一撃でこのロボットの装甲を貫いてくる星人もいるかもしれない」
藤本「そういうヤバイ奴が来たらお手上げだ。誰かがやられてる間に全員で攻撃すりゃ何とかなんだろ」
「そういうバケモンが出たときゃ、俺が身体張ッて何とかしてやる」
頭上から聞えた声に全員が見上げると、そこには年配の男が剥き出しになったロボットのコクピットに胡坐を掻いて座っていた。
安孫子「お、おい、アンタそんな所にいたら狙われるぞ!!」
「若けぇのが年寄りの心配してんじゃねぇ、ワザと目立つ所にいるンだよ」
藤本「おいおい……オッサンは死にたがりか何かか?」
矢沢「オッサンじゃねぇ、俺は矢沢年男ッつー名前があんだよ……まあ、お前らから見たらオッサンかもしれねーがな」
矢沢「やべェのが来たらお前らに教えてやッから、お前らはあのバケモン共を援護してやれ」
関根「矢沢……さん、でしたか? 貴方は……」
矢沢「戦力にならねぇオッサンは囮か見張りになるくらいしかねぇだろ。ほら、手ェ止めてねぇで撃て撃て!」
そう言いながらも剥き出しのコクピットからショットガンを構えて打ち続ける矢沢。
それに合わせて安孫子達も地上の星人や空中の星人に向かって撃ち始める。
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:09:47.46 ID:eHk7CPs50
殆どの人間が銃を使う中、銃を使わずに素手で戦う男女とガンツソードで戦う男が建物の屋根の上で空中から襲い掛かってくる星人と応対していた。
ガンツソード二刀流の男は素手で戦う男女に呆れた物言いをしていた。
吉川「おい、前嶋にメアリーだッたか!? お前ら素手じゃなくて剣くらい使えよ!!」
前嶋「銃も剣も必要な奴にくれてやッた」
メアリー「剣なんか要らない、あたしが信じるのはあたしの身体から繰り出す攻撃だけ」
吉川「おーい武田ァ! コイツ等、イカれてんぞ!! 剣でも砕かれる硬さの敵に格闘戦を挑んでんだからよォ!!」
武田「……アンタは人のことを言うな……無駄話は後だ、また団体様のお出ましだぞ」
全員が10体近くの星人たちを捉える。
その星人たちを見ても吉川達は動じずにそれぞれが構えを取る。
武田「前嶋、メアリーさん、二人は敵を地上に落とすことだけを考えてくれ」
前嶋「ああ、ワカッてる」
メアリー「承知の上だよ」
吉川「リーダー達とあの大阪弁のヤローにまかせるッつーワケか」
武田「ああ、流石にあの数をマトモに相手をするのは厳しいだろ?」
吉川「正論だな。俺達の武器じゃマトモに戦えない……」
吉川は武田の言葉に賛同しながらも星人たちに向かって一歩踏み出す。
吉川「だけどよォ……通用しない武器を駆使して敵を斃すッてのは、ある意味漢のロマンッてやつだと思わねェか?」
武田「……前前から思ッていたが、アンタ戦いを楽しんでないか?」
吉川「アァ? おいおい、お前の目に俺はどう映ッてんだよ?」
武田「……そうだな。強いヤツに挑む剣士ッてヤツがアンタのイメージに一番近いな。どんなにヤバい敵でもアンタは剣2本で戦い続ける……そんな感じか?」
吉川「ンだよ……お前には俺が正義のヒーローに見えねェのか?」
武田「……は?」
吉川「俺はよォ、ガキの頃から戦隊モノとか特撮系のヒーローが好きでな、いつかああいう正義のヒーローになりてェッて思ッてたんだよ」
武田「……そうなのか」
吉川「ああ、あーいうのは男なら誰でも夢みるモンだ。お前もそー思うだろ?」
武田「……」
武田が吉川の思わぬ質問に返答できないでいると、いつの間にか傍に来ていた前嶋が小さく言った、
前嶋「……少しはワカる」
吉川「おォ!! やッぱそーだよな!!」
前嶋「……ああ」
武田「……」
吉川と前嶋が思わぬ意気投合を行い、武田はどうしたものかと二人を見ていた。
その男達3人を見るメアリーは。
メアリー「……ホント、男ッて馬鹿しかいないんだね……」
冷めた目で3人を見つつも、襲い掛かってくる星人を対処する為に構えを取った。
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:10:19.26 ID:eHk7CPs50
その集団の中で攻撃もしようとせずに様々なガンツチームの女性を見続けている男がいた。
桑原「……おォ、白人女に……ありゃロシア人か? 黒人の女もおるなァ……あッちはヒスパニック系……選り取りみどりやんけ……」
その桑原に小さな女の子を抱えた眼鏡の少年が悲鳴を上げるように声をかけ続けていた。
「くッ桑ッ原さんッ!! な、何スーツをッ!! 脱いでンのや!?」
すでに半裸状態になっている桑原は何を馬鹿なことを聞いて来るんだという顔で、
桑原「そら、脱がな犯れんやろ? 何ワケわからんこと聞いとんのや?」
「アンタはアホかァァァ!? こないな状況で何トチ狂ッた事やろうとしとんのやァ!?」
桑原「何言うとんのや……俺は今日いっぺんもセックスしとらんのやで? もう限界なんや、誰でもええで犯らな死んでまうんや」
「アホォ!! アンタ、全裸になッてホンマに死ぬで!?」
桑原「アホ、一発ヤるまでは俺は不死身や、死ぬわけなかろーが」
あろうことかスーツを脱ぎ捨てた桑原は近くの少女に近づいていく。
するとその少女にタイミングを見計らったかのように星人が襲いかかってきてしまった。
すると桑原は少女を星人から守る為に飛びついて、星人の脅威から少女を救った。
桑原「大丈夫か、ネーちゃん……おォ、お前、さッきの」
その少女は黒髪ロングの少女、先ほど桑原から直球の言葉をかけられていた池上。
池上「あ、ありがと…………!?!?!?!?」
池上は間一髪助けられたことに礼を言いかけたが、桑原の姿を見て絶句した。
桑原は全裸で、その股間はいきり立っており、さらに桑原の手は池上の胸と股間に伸びていたからだった。
反射的に池上は叫びをあげながら桑原の顔面にグーパンを繰り出した。
池上「ッきゃあああああああああああああああああ!!!! こ、こンのド変態ぃぃぃぃぃ!!!!」
桑原「おぉッ」
しかし、その攻撃を桑原は難なく避けて池上の背後を取り、両手で胸を鷲づかみにする。
桑原「いいモンもッとんなー。ヨダレでてきたわー」
池上「!?!? く、黒名ァーーー!! た、助けッーーー!!」
スーツも着ていないのに超人的な動きを見せた桑原に池上はパニックに陥り、戦いの中で信頼するようになった少女の名を叫ぶが、池上の叫びに反応したのは先ほど襲い掛かってきた星人だった。
星人は池上と桑原目がけて急降下し、二人共星人に貫かれるかと思ったその瞬間、
桑原「おォ、邪魔すんなやァ!!」
またも異様な動きで星人の背後を取った桑原が池上のホルスターからいつの間にか奪い取っていたXガンで連続射撃を行なう。
同時に四方から星人に銃撃が加えられて星人はやがて爆発して四散した。
それを見て桑原は仕切りなおしといった感じで池上のいたところを見るが、
桑原「なッ!? お、おい、どこ行ッたンや!? 俺をその気にさせといてそりゃないやろーーー!!」
戦場で全裸でしかも股間を膨張させている異様な男には誰も近づかず、桑原の周囲は不思議な空間が発生していた。
それを先ほど銃撃で星人を倒した男、加藤は。
加藤「なんて……ヤツだ…………」
一瞬だが戦場だという事も忘れて桑原を見続けてしまっていた。
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:11:32.73 ID:eHk7CPs50
呆然としていた加藤に岸本から声が掛かる。
岸本「加藤君! また人が増えたよ!」
加藤「ッ!? あれは……何だ……?」
岸本はその装備のことを聞いてはいたがそれを手に入れるのにどれほど大変なのかという事がまだピンと来ていなかった。
しかし、加藤はその装備を……その装備を装着した集団を目の当たりにして先ほどの桑原を見た時とは違う驚愕が襲う。
そこには100点6回目の報酬であるハードスーツを身に纏った集団。
全員がハードスーツを身に纏い、数人は凛が着ていた軽量型のハードスーツを着ている。
その集団はまるで統率の取れた軍隊のように、飛行バイクと地上を走るバイクで編成を組みトレビの泉に現れた。
「The battle is starting!! Hurry up,hurry!!」
「Are they Chinese!?」
「Anything is fine, I will find a boss!!」
集団は襲い掛かる星人たちを軽々と倒しながら何かを探すようにトレビの泉を駆け抜けていった。
一瞬だったが、その集団が通り抜けた後には星人たちは存在せず、恐ろしい戦闘能力を保有した集団もこの場に来ているという事を知り、彼らが発していた言葉が英語だったことから、
加藤「アメリカ人……か?」
岸本「アメリカ……世界中から来てるのかな……?」
加藤「多分……そうかもしれない。ここは日本人が多いけど、外国人の顔も見える……」
岸本「本当に……あたしたち……どうなッちゃうの……?」
不安めいた声色で加藤に聞く岸本の問いに答えたのは加藤ではなかった。
二人の傍に着地した二つの影、玄野とレイカだった。
玄野「大丈夫だ、俺達は死なねェ、現に今この状態で誰も死んでねェ」
岸本「玄野君……」
玄野「俺達は今日誰も死なずに帰ることが出来る、そンで前回死んだおっちゃん達も全員生き返らせることが出来る、だろ? 加藤」
加藤「……ああ、そうだ」
加藤「どんなに絶望的な状況でも俺達は立ち向かッて乗り越えることができる……俺はそれをケイちゃんに教えてもらッた」
玄野「へッ」
加藤「ケイちゃん! 岸本さん! レイカさん! 他の人達と共に絶対に生き残るぞ!!」
玄野「おうッ!」
岸本「うんッ!」
レイカ「……はい」
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:12:14.22 ID:eHk7CPs50
加藤の言葉に3人が頷いたその時だった。
大気が震えたかと思うと、玄野達がいるトレビの泉から少し離れた場所の空が黒く輝いたのは。
玄野「……何だ?」
レイカ「地震?」
加藤「まさか……星人の攻撃か?」
岸本「ッ!! みんなッ、あそこッ!!」
さらに岸本は黒い光が発生した場所とは逆方向の空を指差した。
そこには明らかに今までの星人とは違う圧力を持った、翼の生えたダヴィデ像が空中に浮んでいた。
その星人をレーダーで確認したのは加藤。
加藤「……ケイちゃん。この表示は……」
玄野「……100、だな」
真っ黒な点が4人の汗を冷たくさせる。
しかし、4人とも緊張感は増していたが恐れはなかった。
それはこれだけの集団がいるから。
今までの戦いで一番戦力が揃っているこの戦い。
100点の敵が出てきても、玄野達は臆することも無く戦闘準備を始めようとしていた。
そして、さらに玄野はある少女の姿をその目に捉えてこの戦いの勝利を確信した。
玄野「ッたく……アイツどこにいたんだよ」
その少女は建物の上で何かを探しているようだった。
玄野の視線に他の3人も目を向けると、
加藤「あれは、渋谷さんか!!」
岸本「うんッ! よかッた、渋谷さんも生きててくれたんだ!」
レイカ「でも……何か変な……違和感が……」
レイカが凛に対して妙な違和感を感じた。
それは他の3人もすぐに感じたことだった。
その違和感の正体、それは凛が手にしている武器にあった。
4人共見たことの無い武器。
両刃の真っ黒な槍のような武器。
その先端に何か丸いものがついていた。
遠目からだから4人ともそれが何なのかわからない。
それの正体を確かめる前に、凛は槍を振るってその丸いものをどこかに飛ばしてしまった。
4人とも自分達が感じた違和感は一体なんだったかと考えていたのだが、次に凛が起こした行動でその全てが頭の外に追い出されてしまった。
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:13:39.80 ID:eHk7CPs50
凛が手に持った黒い槍を振りかぶりその槍を投げた。
するとその槍は意思を持ったかのように動き、先ほど100点の表示を示していたダヴィデ象に向かって飛び進み、
ダヴィデ像に槍が接触した瞬間、ダヴィデ像は風船が割れたように弾け飛んでしまった。
玄野「えッ?」
加藤「な、何が、起きたんだ?」
その光景を見ていたのは玄野達だけではなかった。
他にも戦場で戦いながら、ダヴィデ像に気付いたもの達は皆その光景を見ていた。
岸本「あ、あの槍……」
レイカ「まだ動いてる?」
さらにダヴィデ像を貫いた槍はさらに空中を不可思議な軌道で飛び、ダヴィデ像の近くにいた星人を貫いた。
それだけではなく、1体2体と次々と星人を貫き始め、見える範囲全ての星人を貫くとその槍は主人の元に帰るかのごとく凛の元に戻り、凛の手に収まった。
一瞬で戦場は静まり返り、戦場にいる全ての人間が凛を見ていた。
その視線を受けながらも凛は何かを探すように周囲を見渡し、何かを見つけたのかその背に黒い光の翼を生み出して飛翔し始めた。
その様子を玄野は乾いた笑いを上げて見ていた。
玄野「は、はは、アイツ、やッぱすげーわ……」
加藤「け、ケイちゃん……俺の見間違いじゃなかったら……渋谷さん、100のヤツ倒したよな?」
玄野「俺の目がイカれてなけりゃ間違いなく倒したな……レイカ、岸本、お前達も、アレ見たよな?」
岸本「う、うん」
レイカ「み、見たよ」
玄野「どーやら間違いないみてーだぜ」
加藤「ま、マジかよ……」
玄野「はー、本当にアイツ人間なのか? ミッション毎に人間離れして行き過ぎだろ……ボスをワンパンッて……信じられねぇ……」
空を飛び建物の向こう側に飛び去る凛を見て玄野は呆然と凛を見ていた状態から、凛を追いかける為に行動を開始する。
玄野「ッて、アイツまた勝手にどッかに行こうとしやがッて!! 加藤!! 渋谷を追うぞ!!」
加藤「あ、ああ」
玄野と加藤はすぐに凛を追いかけるように跳躍し建物の屋根に上る、その二人を追うようにレイカと岸本も跳躍して4人は凛を追いかけて、すぐにその後姿を見つけた。
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:14:40.93 ID:eHk7CPs50
そこには凛と共にもう一人、西の姿もあった。
4人は凛に近づき、二人の会話が聞える範囲まで近づくと、
西「そーそー、スイッチ押したまま刺せば弾け飛ぶぜ。さッき投げた時と同じ様にな」
凛「……」
玄野達には見えづらかったが、凛と西の他に二人の前に誰かがいるようだった。
その声も聞こえてくる。
「た、助け…………」
凛「黙れ」
凛が手に持った槍を押し出すと共に、パンという乾いた炸裂音と共に真っ赤な液体が飛び散った。
それが何なのか玄野達はわからなかった。
西「うォ……結構血飛び散るなァ……」
凛「これで、そこにいるクズが最後の1匹、か」
その時点で玄野は凛に声をかけた。
玄野「お、おい、渋谷?」
玄野の声に振り向く凛と西。
凛は玄野を見て知り合いにあった程度の表情を向け、西は凛とは違って舌打ちをして無言になる。
凛「……あぁ、玄野か。どうしたの?」
玄野「そ、そりゃこッちのセリフだ。お前一体今までどうしてたんだよ……」
凛「私……? そっか……アンタ達と違って今回は転送で直接ここに来たんだもんね……」
玄野「直接?……また、何かやッたの……か……?」
加藤「ケイちゃ……」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:15:30.94 ID:eHk7CPs50
玄野が凛に近づいて今まで見えなかった場所が見えてきた。
そこは血の海だった。
そして、その血の海に口をパクパクさせながら絶望と恐怖の表情を浮かべた女性が尻餅をついていた。
そのあまりにもな光景に玄野や加藤は口を紡ぐ。
すぐに頭に浮かんだのは星人によって襲われたのではないかということ。
しかし、何かがおかしい。
その違和感は、先ほど感じたものと同じ。
玄野達4人ともその違和感を感じて、凛にこの状況はいったい何なのかと聞こうとした。
だが、
凛「確か……あの時、デカ銃を使っていたのは、アンタだよね?」
「 」
凛は血まみれの女性に近づいて質問をし始める。
凛「私の家、潰したの、アンタだよね?」
「 」
女性は口をパクパクとさせながらヒューヒューと息を漏らすだけ。
凛「お父さん、お母さん、ハナコ……苦しかったよね……痛かったよね……」
すでに凛は女性を見ずに明後日の方向を見ながら喋り続けている。
凛「潰れて……死んじゃうなんて……そんな酷い死に方……ありえないよ……」
凛は涙を零しながら、しばらく空を見上げていた。
しかし、少しすると、首をカクンと落として女性に恐ろしいほどの殺気が篭った視線を送り始める。
凛「西、銃を」
西「……」
凛の手にZガンが転送され始める。
玄野「お、おい、渋谷?」
加藤「し、渋谷さん……何を……」
Zガンが転送され切り、凛は女性に向けてZガンを構える。
玄野「し、渋谷ッ!?」
加藤「なッ!?」
凛は一切の躊躇をすることもなく、
凛「アンタも潰れろ」
女性に向かってZガンの引き金を引き、女性がいた場所には円形の破壊痕とその跡に血だまりだけが残った。
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:17:08.44 ID:eHk7CPs50
玄野「お、おま、え……」
加藤「あ、あぁ……」
岸本「ウソ……」
レイカ「こ、殺し……」
凛は使用したZガンをその場に落とすと、深く深く息を吐き出して、傍らにいた西に話しかけた。
凛「これで、また一つ綺麗な世界に近づいたね」
西「……」
凛「どうしたの?」
西「……くッ……い、いや、お前もついに偽善者星人の皮被らなくなッたなーッて……ククク……」
凛「あぁ……」
凛は血だまりに冷たい視線を向け、自分の行なった行動に対し驚愕している玄野達に、
凛「何か言いたいことでもあるの?」
玄野「お、お前……今、人を殺したのか?」
凛「人じゃない、私はこの世界に存在する価値の無いクズを消しただけ」
加藤「な、何を言ッてるんだ!? 君は今確かに女性をその銃で!!」
凛「……だから言ってるでしょ? 私が消したのは男でも女でもない、存在する価値の無いクズ……ゴミを処理しただけ、アンタも掃除するでしょ? それと一緒、私は今ゴミを処分しただけ」
加藤「馬鹿なことを言うなよッ!! どう見たッて君は人を殺したじゃないか!! 一体どうしちまッたんだよ!?」
凛「…………」
西「おいおい、ケンカは止めようぜ! 言い争いをしても意味はないだろォ!?」
加藤が凛を攻め立てる様子を見て、西はニヤニヤと笑いながら何故か仲裁に入り始めた。
今まで自分から加藤に係わり合いをしようともしなかった西が。
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:19:30.88 ID:eHk7CPs50
加藤「お前……」
西「加藤クンよォ、渋谷はな、やーッと自分に正直になッたンだよ。お前らみてーな偽善者とは違ッて、俺と同じよーに気に入らねーやつはブッ殺して、自分の欲望を満たすために好き放題やッて行くッてな。それを否定しちゃダメじゃねーか」
加藤「お前……渋谷さんに何を吹き込んだんだ!?」
西「おッ? おおッ!? 俺? 俺が渋谷に何か吹き込ンだッて!? 何々? どーいう事?」
加藤「渋谷さんが間違ッてもあんな……人を殺すようなことをするわけない! お前、一体何をしたんだッ!!」
西「……ぷッ……ハッ、ハーッ!! ハーッ!! ハァッ!! クハッ!! お、おい、ま、待て、わ、笑いが、やべ……」
加藤「〜〜〜ッ!!」
加藤は挑発するような物言いの西に限界を向かえたのか西に掴みかかるが、西にふれたかと思うと西の体をすり抜けて倒れこんでしまう。
西「〜〜〜!! ハァーッ!! くッ!! はひッ!! ちょ、ちょ……お、俺……本体じゃ……や、やべッ……」
西は顔面から突っ伏した加藤を見て腹を抱えて笑い続けていた。
西「あァー、やべェ、こんなに笑ッたの、生まれて初めて、だぜ……いや、ホント、クソみてーにムカつく奴だッたのにお前のこと好きになッちまいそーだ」
玄野「……おい、渋谷」
西「お?」
今度は玄野が西を無視して頭を垂れている凛に問いかけ始めた。
玄野「お前、一体どーしたんだよ!? 前に言ッてたよな? お前は星人を殺すことは出来ても、無関係の人間を殺すことなんてできないッて!!」
凛「…………」
玄野「それにだッ! お前、島村さんと本田さんをいつも守ろうとしてただろ!! そんなおま、え、が…………」
玄野が卯月と未央の名前を出したその時、玄野の目にゆっくりと顔を上げて眼を見開いて自分を凝視する凛の姿を見てしまった。
凛「そう……私は守れなかった……」
凛の眼は負の感情で埋め尽くされたような状態になっており、玄野はその凛の眼を見て硬直してしまう。
凛「二人を守ることも出来なかった役立たずの私……」
凛「そんな私が出来ることなんてさぁ……二人が二度と傷つけられないような……二人の笑顔が二度と曇らないような……そんな世界を作るしかないよね……?」
玄野「……お、おま」
凛「この世界にはさ、私が今まで知らなかっただけで、信じられないくらいの腐りきったクズやゴミが溢れ返ってるんだ。それを全部無くして、綺麗な人達だけの世界になったらさ……そこはみんなが笑って生きていける世界だと思わない?」
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:21:06.12 ID:eHk7CPs50
皆が理解してしまった。
凛の言うクズやゴミというのは人間のこと。
凛は自分の意思で、先ほど、本当に人を殺してしまったんだという事を。
全員が愕然とする中、西は凛に近づいて、凛の肩に手を回して玄野達に勝ち誇った笑みを浮かべる。
西「と、言うわけだ。俺と渋谷はこれからこの腐ッた世界をブッ壊して、新しい世界の支配者として君臨するッつーワケ。ああ、お前らも同じガンツに呼ばれた仲ッてことで俺達の新世界に存在することを許可してやンよ。感謝しろよー」
加藤「……な、何をそんなバカな事を……」
西「あン? どうしちゃッたンですかー? 加藤クンよォー」
加藤「……そんな夢物語……世界を支配するだ……」
西「あー、そうか。お前達にはまだ俺達が何をしたのかッて知らねーンだッたな」
玄野「……何、言ッてんだよ……」
西「まァ、簡単に言うとだな。俺達はガンツを完全に支配化においた。ついでに言うとガンツを作り出した黒幕をブッ殺して、そのついでにこの世界の権力者たちでどーしよーもねーカス共をブチ殺してやッた。この時点でこの旧世界の崩壊まであとほんのちょッぴりなんだな、これが」
玄野「が、ガンツを……」
加藤「支配下に……?」
岸本「それッて……」
レイカ「ウソ……」
西「マジ。たとえばそこの女をよォ……こーやッて」
西がレイカを指差すと、レイカは頭頂部から光に包まれてどこかに転送されていく。
レイカ「な、何ッ?」
玄野「れ、レイカッ! 西ッ!! テメェ、何をしてんだッ!?」
レイカ「い、嫌……玄野ク…………」
西「あン? いや、その女をガンツの部屋に送ッてやッただけなんだけど?」
玄野「え……」
レイカが完全に転送されきった後、西は玄野達の前に立体映像を生み出して東京のガンツ部屋の様子を映し出す。
そこにはレイカがガンツを見ながら周りを見渡している姿が映っていた。
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:21:55.60 ID:eHk7CPs50
西「こんなモン、今の俺の力の一部にすぎねーけど。お前らにとッてはありえねー事だろ? ミッション中に部屋に戻ることができるなんてよー」
玄野「……マジ、か」
加藤「……くッ」
岸本「信じられない……」
西「以上、そんなワケで、お前達は俺達の偉業を指咥えて見てろ。今ここで宣言してやる。俺達は1週間でこの世界を破壊して新しい世界を作り上げる。おお、1週間後ッたらカタストロフィカウンターが0になる日じゃン」
西「まァ、今更カタストロフィなんざ昼下がりのティータイムと変わらねぇ、とるに足らねぇ出来事にすぎねーからな、何がこよーと俺達が全部破壊して……あァ? もしかしてあのカタストロフィカウンターッてーのは俺達の偉業が達成されるまでの時間なのか? なァ、どー思う渋谷ー?」
凛「……なんだっていいけど、1週間で全部終わらせるっていう事には賛成するよ」
西「おッ! 乗り気だねぇ!」
玄野達は凛と西が話している内容が理解しがたかったが、凛が先ほど見せた100点の敵をいともたやすく倒してしまったあの光景を思い出していた。
アレほどまでの力を、人を殺すことに躊躇しなくなった凛が今の現代社会に向けて解き放ったとしたら……。
玄野達の脳裏に、どこかの映画で見た世界が崩壊するシーンが浮かび上がる。
その崩壊した世界で高笑いをする西と暗い瞳で世界を見下ろす凛の姿がはっきりと想像でき、全身に身震いが起きる玄野。
何とかして止めなければならない。
そう考えた玄野だったが、
西「そんじゃお前ら、またなー」
凛「……」
二人は空中に浮かび上がっていく。
玄野「く、くッそ!!」
加藤「ま、待て!!」
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:22:50.77 ID:eHk7CPs50
数十メートル上空まで浮かび上がった二人は、そのまま転送で戻ろうとした。
しかし、その二人に向かって閃光が走った。
途轍もない熱量の閃光。
それが二人を焼きつくさんと襲い掛かったが、凛の背から伸びた黒い光の翼が閃光を完全に防ぎきっていた。
凛「……何?」
西「あぁ……今回のボスだわ」
凛「さっきの槍で倒したのはボスじゃなかったの?」
西「ありゃ中ボスだ。本命はアレ」
西が指差す場所にそれはいた。
下半身は蛇、上半身は人間のような姿で、背には巨大な翼がなびいており、頭上には天使の輪が存在する生物。
その翼の先端に、ハードスーツを着た人間が何人も突き刺されて息絶えていた。
それは先ほど加藤が見たアメリカチームの人間たち。
今回のボスにダメージを与えられたようには全く見えず、全員が今回のボスに刺し殺されていた。
そして、そのボスは明らかに凛と西に敵意を向けていた。
西「どーする? お前、戦う?」
凛「……殺さないとさ、追いかけてきそうだよね、アレ」
西「そーだな……結構知能も高けーみてーだし、ここでサクッとブッ殺しておいたほうがいいな」
凛「わかったよ……それじゃ、武器とサポートお願いね」
西「おー、任せとけ!」
西が光のキーボードを展開し何らかのコマンドを打ち込むと凛に何かの武装が転送され始めた。
凛の姿が変化する中、天界を追放された堕天使のような姿のボスは凛に向かって襲い掛かってきた。
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 02:23:18.73 ID:eHk7CPs50
今日はこの辺で。
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/07(月) 03:38:49.70 ID:kZd3IEN20
最近、思うんだけどさ。
HACHIMANとかいうタグ付ける奴うざくね?
八幡tueee!が嫌いとか言ってる奴、多すぎ。
「キリトの活躍奪うんじゃねえ!」
「ハチアスとかやめて!」
「上条さんの役割奪うなよ!」
「デレマスのヒロインNTRさせんな!」
これ、マジでキモいからね。
いやさ、お前らの気持ちも分かるよ?
何でも出来て、最強の八幡に嫉妬してるんだよね。お前らは葉山みたいな性格だもんね。
でも、落ち着いて考えてみろよ。
お前らが何と言おうと八幡が最強なのは誰の眼に見ても明らかんだから仕方ないじゃん。
ヒロインを奪われる〜とかさ、クソみたいなキリト、上条辺りに救われるよりも八幡に救われる方が幸せに決まってるよね。
まずは誰よりも八幡が強い事実から目をそらすなよ。それは誰の目にも明らかだろ?
それを劣っている立場の奴等が「俺達の役割を奪うなよ」っていうのは成り立たないでしょ。
いやね、作品を汚すなってのは分かるよ?
例えばキリトが総武高校に転校してきてヒロインNTRしたなら、俺もキレて潰しにかかるわww
でもさ、八幡なんだから仕方ないじゃん。
もうワガママ言うのやめろよな。
八幡が主人公なら皆が救われるんだって。
キリトも上条も士道も必要ないからね?
あんなん好きな奴等はガイジだからね?
もうさ、他作品をsageするなとかいうガイジの話なんか聞くのも飽々してるんだわ。
あのね、sageしてるんじゃないの。
八幡が最強だから、周りが雑魚に見えてしまうのは仕方ない事なんだよ。
八幡が最強なのが気持ち悪いとか言うけど、実際にその世界に八幡がいれば最強なのは間違いないんだから当たり前だよね。
ゴミみたいな作品なんて八幡に蹂躙されて然るべきなんだよ。それによって俺達の目に触れる機会も増えるんだから感謝しろよ。
以上、クソアンチ共を完全論破。全員、速やかに砕け散れよ。
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/07(月) 03:39:34.40 ID:kZd3IEN20
最近、思うんだけどさ。
HACHIMANとかいうタグ付ける奴うざくね?
八幡tueee!が嫌いとか言ってる奴、多すぎ。
「キリトの活躍奪うんじゃねえ!」
「ハチアスとかやめて!」
「上条さんの役割奪うなよ!」
「デレマスのヒロインNTRさせんな!」
これ、マジでキモいからね。
いやさ、お前らの気持ちも分かるよ?
何でも出来て、最強の八幡に嫉妬してるんだよね。お前らは葉山みたいな性格だもんね。
でも、落ち着いて考えてみろよ。
お前らが何と言おうと八幡が最強なのは誰の眼に見ても明らかんだから仕方ないじゃん。
ヒロインを奪われる〜とかさ、クソみたいなキリト、上条辺りに救われるよりも八幡に救われる方が幸せに決まってるよね。
まずは誰よりも八幡が強い事実から目をそらすなよ。それは誰の目にも明らかだろ?
それを劣っている立場の奴等が「俺達の役割を奪うなよ」っていうのは成り立たないでしょ。
いやね、作品を汚すなってのは分かるよ?
例えばキリトが総武高校に転校してきてヒロインNTRしたなら、俺もキレて潰しにかかるわww
でもさ、八幡なんだから仕方ないじゃん。
もうワガママ言うのやめろよな。
八幡が主人公なら皆が救われるんだって。
キリトも上条も士道も必要ないからね?
あんなん好きな奴等はガイジだからね?
もうさ、他作品をsageするなとかいうガイジの話なんか聞くのも飽々してるんだわ。
あのね、sageしてるんじゃないの。
八幡が最強だから、周りが雑魚に見えてしまうのは仕方ない事なんだよ。
八幡が最強なのが気持ち悪いとか言うけど、実際にその世界に八幡がいれば最強なのは間違いないんだから当たり前だよね。
ゴミみたいな作品なんて八幡に蹂躙されて然るべきなんだよ。それによって俺達の目に触れる機会も増えるんだから感謝しろよ。
以上、クソアンチ共を完全論破。全員、速やかに砕け散れよ。
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/07(月) 03:40:25.73 ID:kZd3IEN20
最近、思うんだけどさ。
HACHIMANとかいうタグ付ける奴うざくね?
八幡tueee!が嫌いとか言ってる奴、多すぎ。
「キリトの活躍奪うんじゃねえ!」
「ハチアスとかやめて!」
「上条さんの役割奪うなよ!」
「デレマスのヒロインNTRさせんな!」
これ、マジでキモいからね。
いやさ、お前らの気持ちも分かるよ?
何でも出来て、最強の八幡に嫉妬してるんだよね。お前らは葉山みたいな性格だもんね。
でも、落ち着いて考えてみろよ。
お前らが何と言おうと八幡が最強なのは誰の眼に見ても明らかんだから仕方ないじゃん。
ヒロインを奪われる〜とかさ、クソみたいなキリト、上条辺りに救われるよりも八幡に救われる方が幸せに決まってるよね。
まずは誰よりも八幡が強い事実から目をそらすなよ。それは誰の目にも明らかだろ?
それを劣っている立場の奴等が「俺達の役割を奪うなよ」っていうのは成り立たないでしょ。
いやね、作品を汚すなってのは分かるよ?
例えばキリトが総武高校に転校してきてヒロインNTRしたなら、俺もキレて潰しにかかるわww
でもさ、八幡なんだから仕方ないじゃん。
もうワガママ言うのやめろよな。
八幡が主人公なら皆が救われるんだって。
キリトも上条も士道も必要ないからね?
あんなん好きな奴等はガイジだからね?
もうさ、他作品をsageするなとかいうガイジの話なんか聞くのも飽々してるんだわ。
あのね、sageしてるんじゃないの。
八幡が最強だから、周りが雑魚に見えてしまうのは仕方ない事なんだよ。
八幡が最強なのが気持ち悪いとか言うけど、実際にその世界に八幡がいれば最強なのは間違いないんだから当たり前だよね。
ゴミみたいな作品なんて八幡に蹂躙されて然るべきなんだよ。それによって俺達の目に触れる機会も増えるんだから感謝しろよ。
以上、クソアンチ共を完全論破。全員、速やかに砕け散れよ。
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/07(月) 03:42:53.03 ID:kZd3IEN20
最近、思うんだけどさ。
HACHIMANとかいうタグ付ける奴うざくね?
八幡tueee!が嫌いとか言ってる奴、多すぎ。
「キリトの活躍奪うんじゃねえ!」
「ハチアスとかやめて!」
「上条さんの役割奪うなよ!」
「デレマスのヒロインNTRさせんな!」
これ、マジでキモいからね。
いやさ、お前らの気持ちも分かるよ?
何でも出来て、最強の八幡に嫉妬してるんだよね。お前らは葉山みたいな性格だもんね。
でも、落ち着いて考えてみろよ。
お前らが何と言おうと八幡が最強なのは誰の眼に見ても明らかんだから仕方ないじゃん。
ヒロインを奪われる〜とかさ、クソみたいなキリト、上条辺りに救われるよりも八幡に救われる方が幸せに決まってるよね。
まずは誰よりも八幡が強い事実から目をそらすなよ。それは誰の目にも明らかだろ?
それを劣っている立場の奴等が「俺達の役割を奪うなよ」っていうのは成り立たないでしょ。
いやね、作品を汚すなってのは分かるよ?
例えばキリトが総武高校に転校してきてヒロインNTRしたなら、俺もキレて潰しにかかるわww
でもさ、八幡なんだから仕方ないじゃん。
もうワガママ言うのやめろよな。
八幡が主人公なら皆が救われるんだって。
キリトも上条も士道も必要ないからね?
あんなん好きな奴等はガイジだからね?
もうさ、他作品をsageするなとかいうガイジの話なんか聞くのも飽々してるんだわ。
あのね、sageしてるんじゃないの。
八幡が最強だから、周りが雑魚に見えてしまうのは仕方ない事なんだよ。
八幡が最強なのが気持ち悪いとか言うけど、実際にその世界に八幡がいれば最強なのは間違いないんだから当たり前だよね。
ゴミみたいな作品なんて八幡に蹂躙されて然るべきなんだよ。それによって俺達の目に触れる機会も増えるんだから感謝しろよ。
以上、クソアンチ共を完全論破。全員、速やかに砕け散れよ。
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/07(月) 06:31:02.68 ID:W+pmM9ig0
おっつおっつ
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/07(月) 09:13:49.49 ID:nEqk3jGDO
おっつおっつ☆ばっちし
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/07(月) 14:14:15.94 ID:mFhYeQkzo
これラスボスは凛ちゃんなのでは??
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/07(月) 16:05:51.05 ID:arSZl/LkO
乙乙
まってた
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/07(月) 17:58:48.66 ID:DZaph+dWo
今回のボスってルシファーなのか?
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/09(水) 01:31:25.40 ID:fCQGXPsh0
堕天使はその手に持った紫電迸る三つ又の槍を凛達に突いて来る。
その攻撃は凛の背から生み出される黒い翼によって防がれていたが、黒い翼は攻撃を受けるたびに小さくなっていた。
その間にも凛の足が黒いドロドロとした液体に包まれていき、膝下まで真っ黒な液体が不気味に躍動していた。
西「チッ、敵さんは待ッちゃくれねェか」
凛「ねぇ……これって……何を転送してるの?」
西「スーツだ。ハードスーツよりもさらにパワーアップしたシロモンで、お前の意思を汲み取ッて形状を変化させる。イメージしてみろよ、お前だけのスーツッてヤツを」
凛「ふぅん……」
すでに凛の腹部まで真っ黒な液体で満たされていたが、液体は凛の身体にへばりつく様にして覆い被さっており、液体形状なのに重力に反して凛の身体を登って行った。
液体は凛の身体を包み込み、凛の首元まで来た液体は少しの間首下で蠢いていた。
西「な、なんか見た目は黒いスライムに包まれてるみたいだな……お前、気持悪くねェの?」
凛「……結構心地いいよ? 水の中を漂ってるみたい……」
西「物怖じとか全くしねーんだな……」
凛「……今更でしょ?」
西「そりゃそーか、血のシャワーを浴びて平然としてるヤツがこんなモンにビビるワケねーよな」
凛「……」
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/09(水) 01:32:07.53 ID:fCQGXPsh0
凛は黒い液体に頭も飲み込まれて、ウゾウゾと蠢く黒く不気味なスライムにその身を預けた。
それは数秒。
すぐに黒いスライムに亀裂が入る。
亀裂は広がり、その中から白い肌が見えた。
スライムは割れた場所から粘着質の液体が、ふわりと絹のように柔らかい形状に変化していく。
まるで布のような状態に変化したそれは、内部にいた凛の肌を優しく包んでいた。
それはスーツとは言えない形状。
手には漆黒のオペラグローブ。
背中が大きく開いた露出が大目の漆黒のイブニングドレスが凛の身体を包み込み、
その姿は、凛がいつか見た夢で着ていたシンデレラガールになった時の衣装をそのまま漆黒に変化させた姿だった。
凛「何……コレ……ドレス?」
西「お前のイメージを反映させるスーツなんだけど……お前、そンな趣味あッたン?」
凛「イメージ……か。まだ私は、こんな事を……」
凛は少しだけ自分の着ているドレスを見てほんの少しだけ悲しげな表情をする。
それもほんのわずかで、凛は攻撃をし続ける堕天使に視線を向け、
凛「……それじゃ、倒してくるから、その槍貸して」
凛は西に渡していた槍を受け取り、堕天使と向き直り槍を構え、凛の槍と堕天使の槍は激しくぶつかり合った。
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/09(水) 01:32:42.10 ID:fCQGXPsh0
トレビの泉に集まった様々なガンツチームの人々は一様に空を見上げている。
視線の先には、堕天使と激しい空中戦を繰り広げる黒く輝く翼で空を駆ける漆黒のドレスの少女。
少女、凛が戦い始めた当初、何人かは凛の援護をしようと銃を堕天使に向けていた。
しかし、堕天使も凛もその動きは速すぎた。
照準など合わせることも出来ないほどのスピードで動き、戦っている両者。
両者が止まる時は、槍と槍がぶつかり合い、周囲一帯に衝撃波が巻き起こる瞬間だけ。
その衝撃波の威力は数百メートルは離れた場所にいるスーツを着た人間が吹き飛ばされるほど。
やがて、地上にいる人々はただ空を見上げることしか出来なくなっていた。
あまりにもレベルの違う戦い。
今までミッションを生き抜いてきた人間ですら、今までの戦いは児戯に等しいと感じさせるほどの戦い。
この場にいる半数以上が何が起きているのかもわからない戦い。
そんな戦いに介入できるものなどいなかった。
戦場で猛者たちは凛の姿を見続ける。
吉川「アイツが……渋谷か……」
武田「ああ……」
前嶋「……すッげ」
メアリー「何……あれ……」
岡のロボットの上で、襲いかかる衝撃波に耐えながら戦いを見る男達だいた。
安孫子「化け物だ」
藤本「間違いねェ」
関根「お、女の子……だよな?」
矢沢「ハッハッハ、こりゃもうどーすることも出来んわ」
そして、トレビの泉の広場の中央。
池上「ふ、ふふ……何よ、これ……」
黒名「すご……い……」
桑原「……あのバケモン嬢ちゃん……うまそうやな……」
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/09(水) 01:33:40.00 ID:fCQGXPsh0
そんな中、凛と堕天使の戦いの真下に駆けて来た人間がいた。
岡「……渋谷凛……俺が守る必要ないやんけ……」
上空で恐ろしい速度で戦っている凛を見上げてひとりごちる岡。
岡「島村卯月に本田未央……そんで、アイツも合わせて俺よか強い人間が3人もおるとはなァ……しかも、まだガキんちょで……女やで……」
岡が見上げる戦いが一層激しさをましていく。
岡「なッさけないわなァ、俺……なんかドッと疲れてもーたわ……」
戦いが終わりを迎えようとしていた。
凛の槍が、堕天使の額に突き刺さる。
激しい金属音がギュインギュインと鳴り響いて堕天使の頭は爆発し、同時に肉体も爆散して空に残ったのは凛だけとなった。
岡「やりおッた……」
上空の凛に西が近づいて戦いの勝利を労っているようだったが岡は視線を落としてその場に座り込んだ。
そしてタバコを取り出して火をつけると一服を始めた。
岡「これで……終わりかのォ……」
岡の視界に転送されていく人間が見えた。
それは敵が完全に倒されてミッションが終わったという証。
岡「あの嬢ちゃんを守る必要も無くなッた以上、カタストロフィに備えんとあかんな……」
タバコを吸いながらもこれからの事を考える岡。
その岡の元に近づいてくる3つの影があった。
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/09(水) 01:34:43.71 ID:fCQGXPsh0
玄野「ここなら、いけッぞ……」
加藤「け、ケイちゃん……何をするつもりなんだ?」
玄野「渋谷のヤツを捕まえる。多分アイツは俺達とは別のどこかからこの場所に来たんだ……俺達のガンツ部屋に戻ッてもアイツとは会う事はできない。そンなら、アイツが転送される前に捕まえて、無理矢理俺達のガンツ部屋に連れ帰ッてやる」
岸本「で、でも、渋谷さん……空を飛んでるし、捕まえるッてどうやッて……」
玄野「決まッてッだろ。あそこまで飛ぶンだよ。全力でジャンプすりゃ届くはずだ」
十数メートル上空の凛を見ながら玄野はその場で屈んで足に力を込め始める。
その玄野達に岡は声をかけた。
岡「お前、なにやッとんのや?」
玄野「アンタ……岡か……」
玄野は座りながらタバコを吸う男が先ほどまで獅子奮迅の戦いをしていた岡だという事に気付く。
岡「もう終わッたやろ、戻されとるで大人しくしとれや」
玄野「……まだ終わッてねェ。アイツを……渋谷のヤツを止めねェと、とんでもねェ事になる……」
岡「何ィ?」
玄野「あの馬鹿野郎……島村さんと本田さんが死んじまッて、昔のブチ切れてた頃に戻りやがッて……冗談じゃねェッてーの……」
岡「おう、お前今、島村と本田言うたか?」
岡は玄野が言った卯月と未央の名前に反応する。
岡「お前、あの嬢ちゃん等とも知り合いなんか?」
玄野「あ? ああ、そーだよ! 渋谷のヤツも島村さんも本田さんも俺達のチームの仲間だ!」
岡「ほぉ……そんで、あの嬢ちゃんは何をやらかそうとしとるんや?」
玄野「アイツは…………!! やべェ!! 渋谷が転送され始めた!!」
岡との会話も途中、玄野は凛が転送され始める場面を見て、急いで跳躍の構えを取る。
しかし、その玄野に加藤から声が掛かる。
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/09(水) 01:35:28.35 ID:fCQGXPsh0
加藤「ケイちゃん!!」
加藤は両手をバレーのレシーブのように前に出して、両手を重ねた。
それを見てすぐに加藤が手を足場にして凛に向かって投げてくれる体勢を取ってくれていると判断した玄野は、跳躍するより加藤に投げてもらうほうが速いと考え、
玄野「おうッ!!」
二人同時に頷きあって玄野は加藤に向かい全力で走り、加藤の前に到達した瞬間軽く地面を蹴って、加藤の手に足を乗せる。
加藤は玄野が自分の手に足を乗せた瞬間、全力で上空の凛に向かって玄野を押し上げた。
大気を切り裂き高速で空を飛ぶ玄野は一瞬で凛の元にたどり着いて、凛の身体を羽交い絞めにした。
玄野「捕まえた!!」
凛「……アンタ、何するのよ……」
西「!? てめェッ、玄野ッ!!」
凛は玄野が飛んでくる姿を見えていた。
しかし、自分に向かって飛んでくる玄野を叩き落したり回避したりしようとはしなかった。
玄野が自分に攻撃をしてくる様子もなく、ただ近づいてくるだけだったから。
しかし、まさか抱きつかれて羽交い絞めにされるとは考えておらず、振りほどこうとするが、振りほどく寸前に凛の頭は完全に転送されきった。
同時に凛に接触している玄野も転送されていく。
玄野「よしッ!!」
玄野は自分の目論見がうまく行ったのだと考えながら転送されていき、その様子を舌打ちしながら西は見続ける。
西「チッ……コイツを別に転送……くッそ、間にあわねぇ……」
西「……まァいい。今更コイツがどうこうできるかッてーの」
西は凛と玄野が完全に転送された所を見て、自分もその場から姿を消す。
その様子を地上から加藤と岸本と岡は見続けていた。
加藤「ケイちゃん……頼んだぞ……」
岸本「玄野君……渋谷さん……」
岡「……蚊帳の外、やのォ……まァええわ」
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/09(水) 01:37:26.06 ID:fCQGXPsh0
玄野がまず目にしたのはかなりの広さがあるホールだった。
自分は今、少し高い壇上にいてホールを見渡している状態になっていると気付く。
その次に気付いたのは、腕全体から伝わる柔らかい感触。
自分の視線のすぐ下に黒い髪、凛をまだ拘束しているのだと気がついた。
その拘束している凛から、
凛「……ちょっと、放してよ」
玄野はここが東京のガンツ部屋でないことに小さな疑問を抱いたが、すぐに今時分がすべき事は凛を説得する事だと思い出し、
玄野「放さねェぞ!! お前がバカな考えを止めるまでこのままだ!!」
凛「はぁ……」
凛を絶対に放さないと両腕に持てる力を入れ続ける玄野だったが、玄野の拘束はいとも簡単に凛に外されてしまった。
玄野「なッ!?」
そのまま玄野は凛に軽く押されてその場で尻餅をついて凛を見上げた。
その玄野に横から声が掛かる。
西「ハッハッハ!! おまえ何やッてンの? 何をどーしたいわけ?」
玄野「……渋谷を止める。お前もだ、西」
西「ハッ!! 止める? 俺達を? ハーッハッハッハッハ!! バーーッカじゃねェの? おまえ如きが俺達を止める? できるワケねーだろ!!」
玄野「……渋谷!! 目を覚ませよ!! お前はこいつみたいなヤツじゃねーだろ!! 世界を支配するとかバカな事言ッてンじゃねーよ!!」
西「おいおい、俺達の夢にケチつけてンじゃねーよ。渋谷、お前もこいつに何か言ッてやれ」
西が凛の横に立ち、凛の肩を叩く。
無言で玄野を見下ろしていた凛は、暗い目で玄野を見ながら、
凛「……私の邪魔をしないで。私はみんなの笑顔が曇らない素敵な世界を作らないといけないんだからさ……」
玄野「……渋谷……ッくそ……」
西「つーワケだ、邪魔しなけりゃおまえも生かしておいてやるッてンだから、黙ッてろッつーの」
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/09(水) 01:38:22.65 ID:fCQGXPsh0
玄野は凛の目を見て、今の凛は何を言っても聞き入れようとしないと理解してしまった。
自分など見ていない、凛は別のものしか見えていないのだということが分かり。
説得なんて無理……そう思い絶望しかけた玄野は背後に人の気配を感じて振り向いた。
そこにいたのは、加蓮と奈緒。
少し離れた場所にPと真っ青な顔をした美穂達もいた。
凛「あ、加蓮、奈緒。ごめん、待たせちゃったね」
明らかに声質が違う凛の声に玄野は再び凛の顔を見る。
すると凛の顔は卯月と未央と一緒にいるときに近い表情にまで戻っていた。
それに小さな希望を抱き、玄野は凛の説得を続けようとしたが、加蓮と奈緒は玄野と凛の間に入ったことで玄野は出掛かった声を止めた。
加蓮「凛」
奈緒「凛、お前……」
凛「どうしたの? 二人共、難しい顔して……?」
凛は加蓮と奈緒が浮かべる表情を見ていた。
二人共、特に奈緒が言葉を出しずらく戸惑っている表情をしている。
奈緒が言いあぐねいていると、加蓮が凛に聞いた。
加蓮「凛。さっきの話の続き。一体何があったのかを教えて」
奈緒「あ、ああ、そうだ。教えてくれよ凛、お前に何があったんだよ……?」
凛「あっ、うん。そうだよね、二人には話さないといけないね……」
凛は加蓮と奈緒の顔を交互に見て、視線を落としながら話し始めた。
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/09(水) 01:38:51.76 ID:fCQGXPsh0
今日はこの辺で。
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/09(水) 02:04:44.35 ID:8phcNhCMo
乙
話せばわかる
凛の方はわかるかな?
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/09(水) 09:28:22.04 ID:1QbBOOyiO
おっつおっつ
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/09(水) 19:46:51.15 ID:87XmKIako
乙
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/31(木) 19:36:13.77 ID:Uh2NBEhwO
西君が最高に楽しそうで何よりです
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/07(木) 21:50:45.23 ID:fd+Lqc6o0
保守
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/17(日) 23:55:43.31 ID:1ISX7sAYo
まだかな
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/28(木) 12:05:53.06 ID:jwaybzZdO
そろそろ帰ってこないかな
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/29(金) 21:13:23.61 ID:dhhaly5t0
しぶりんと西くん全部手に入れて俺TUEEEE状態で面白くないし風呂敷も畳めず逃げたってところかな
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:06:43.09 ID:tW90JyQl0
凛「最初はさ、みんなを生き返らせたかったんだよ」
凛「もう一度みんなと会いたかった、それだけを考えていた」
凛「でも、みんなを生き返らせる前にやらないといけないことが出来た」
加蓮「それって、凛がさっきやってた事?」
凛「そう、私は生きる価値の無いクズ共をこの世界から消し去る」
奈緒「っ!」
凛の言葉に加蓮と奈緒は息を呑む、二人だけではなく玄野もP達も皆、凛を見続けその言葉を聞き続ける。
加蓮「本気なの?」
凛「本気だよ。それに見たでしょ? 私はもう行動に移している」
加蓮「……ふぅ、なんでまたそんな事しようと考えたワケ? アタシの知ってる凛はそんな事をするような子じゃなかったと思うけど?」
凛は下を向いて息を吐く。
凛「みんなを生き返らせようと考えた私はガンツを作り出した張本人に会いにいったんだ。そこで私は地獄を見た」
加蓮「地獄?」
凛「人がさ、沢山殺されてたんだよ」
奈緒「殺されて……?」
凛「本当にたくさん人が殺されてた……子供から老人まで、全員が人としての尊厳を踏みにじられて殺されていた」
凛「ある人達は実験動物のように扱われて、麻酔もかけられずに全身バラバラにされていた。別の人は宇宙人の細胞を移植されて人間としての形も無くなってもだえ苦しんだ挙句殺されていた。他にも、様々な薬や道具を使われて何かのデーターを死ぬまで記録されていた」
凛「小さな子供が身体中の血や内臓を生きたまま取り出されて死んでいた。小さな女の子が身の毛もよだつような男に汚された挙句殺されてた。私達と同じくらいの年の人達が死ぬときにどんな事を考えるのかを聞きたいという意味の分からない理由で殺されてた」
凛「全部ガンツを作り出した人間がやらせていたことだったよ」
加蓮「……」
奈緒「なんだよ……それ?」
凛「信じられなかった、あんな事をする人間が存在するなんて……ううん、あんな奴等は人間なんかじゃない。ゴミクズ以下の存在共……死んで当然のクズ共……」
奈緒「ちょ、ちょっと待てよ!」
凛「どうしたの?」
奈緒「どうしたのって……何言ってるんだよ凛……」
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:07:22.33 ID:tW90JyQl0
奈緒は凛の言う事がいまいちピンと来なく、困惑した表情で凛に問いただす。
言葉で聞いただけでは凛の見たものがどれほどモノだったのかが分からないといった様子で。
それを察した凛は、
凛「……見てもらったほうがいいよね。西、映像、残ってるよね?」
西「ん? ああ」
凛「立体映像で出して」
西「へいへい」
西は凛に言われるがまま立体映像を生み出した。
壇上にあるガンツから少し離れた場所に生々しい立体映像が浮かび上がり始めていく。
それは凛があの日見た光景と同じもの。
様々な人体実験、研究員達が非道な実験を被験者達が死ぬまで行なっている光景。
被験者達は皆、生きたまま苦しみもがき地獄のような実験を受けさせられていた。
研究員達の中にはニヤケ顔で実験を行なう者もおり、その様な研究員が行なう実験は特に常軌を逸した実験で、被験者達は皆、人としての形も残らずに死んでいっていた。
その映像、まるですぐ傍で行なわれているかの錯覚を起こすほどリアルな映像を見て加蓮と奈緒は、
加蓮「酷いね」
奈緒「うっ、ううっ……」
加蓮は少しだけ顔を顰めて、奈緒は口元に手を押えてこみ上げてくる吐き気を抑えていた。
さらに凛は続けようとしたが、先ほどからこちらを伺っていたPと美穂達がその映像を見て、
P「うっ、げほっ!」
Pは今までの人生で見たことも無いようなグロテスクな映像を直視し、逆流してきた胃液と吐瀉物を吐き出し、
「「「「」」」」
美穂達4人は、あまりにもリアルに人が解体されるシーンを見て、その場で気絶してしまった。
それは平和な日常を送っていた5名にとってあまりにも厳しすぎる映像だった。
Pがその場で吐き続ける所を見て、凛は映像を止めるよう西に呼びかけた。
凛「西、もういいよ。映像消して」
西「おー」
映像が消え、凛はPに少し視線を送っていたが、すぐ落ち着くだろうと結論付けて加蓮と奈緒との話に戻る。
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:07:55.51 ID:tW90JyQl0
凛「今のは私の見たものの一部」
加蓮「一部?」
奈緒「ま、まだ何かあるのかよ……」
凛「……うん、あった」
凛はその時の事を思い出したのか歯軋りをして瞬きもせずに下を向きながら零し始めた。
凛「……未央も、卯月も、同じような目に会わされてた」
加蓮「っ……」
奈緒「え……え? 未央と卯月が?」
凛「二人共必死に助けてって懇願してた。何度も何度も何度も……だけど、あのクズ共は二人を少しずつ傷つけていった。二人がどんなに叫んでも止めなかった……それどころか楽しむように二人を傷つけて……二人の身体……ぼろぼろになって……反応が無くなったら、もっと酷い事をして……」
凛の瞳から涙が零れ落ち始めた。
凛「二人共……女の子なのに……あんな……何人もの男達に……ぐちゃぐちゃにされて……何度も何度も……あんな酷い事を……信じられない……許せない……」
凛の血走った目から涙が落ち続けて、握り締めた手はスーツが無ければ爪が食い込んで手の肉を抉り取ろうかというほど力が込められていた。
凛はその状態のまま視線を二人に向けて続ける。
凛「だから、私もあのクズ共を殺してやったんだよ」
凛の目は狂気の光が宿っていた。
凛「二人を傷つけ苦しめたクズやそれに加担するクズ共は全て始末してやった」
凛「私のこの手で、一匹ずつね、ふ、ふふ……」
凛が握り締めた手を開きながら、小さく笑い始める。
その様子をその場にいる皆が見ていた。
加蓮は小さく息を吐いて何かを考えながら。
奈緒は戸惑う様子で凛と加蓮を交互に見ている。
Pは吐き気がおさまったのか口を押えながら。
玄野は苦虫を噛み潰したような顔で。
西だけはニヤニヤと笑いながら。
その中で、戸惑いながらも奈緒は凛に言葉をかけた。
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:08:48.10 ID:tW90JyQl0
奈緒「そ、そんな事があったんなら凛の気持ちも分からないことも無いけどさ……」
凛「そうだよね? 奈緒もそう思ってくれるよね?」
奈緒「あ、ああ」
凛「ふふ……なら、奈緒もこれから私と一緒に生きる価値の無いクズ共を消していくことに手を貸してくれるよね?」
奈緒「な!? ま、待てよ! 卯月と未央に酷い目をあわせた奴等を殺したことでお前の気は済んだんじゃないのか!?」
凛「気が……? ああ、そっか、そうじゃないんだよ奈緒」
奈緒「何がだよ!?」
凛「未央と卯月を苦しめたクズ共は当然殺した。だけど、それに勝るとも劣らないようなクズ共がこの世界には蔓延っている。そんなクズ共が残っていたら、みんなを安心して生き返らせることができないでしょ?」
奈緒「く、クズ共って……そんな奴等一体どこに……?」
凛「例えばさっき私が殺した奴等。奴等は権力を持ったクズ共。権力やお金を使って自分達の欲望を満たし、その為に罪も無い人達を何人も殺していたような連中。死んでも構わないようなクズ共」
奈緒「お、おい……」
凛「そんな奴等はまだまだ腐るほどいる、そしてそういう人間を消していくのと平行して凶悪犯罪者のような明らかに生きている価値の無いクズも消す。例外なんて一切無い、クズは全て処分してやる」
奈緒「ま、待てって……」
凛「大変だと思うけどさ、そうやってこの世界に存在するゴミクズをきれいにしたら、そこはとても素晴らしい世界になると思わない? みんなはもう傷つけられることなんて無い、苦しむことなんて無い、みんな笑顔でいられる!」
奈緒「待てってんだろ!! 聞けよ!!
凛「奈緒?」
奈緒「お、お前のやろうとしてることは人殺しなんだぞ!? それは理解してんのかよ!?」
凛「人殺しじゃないよ。私が殺そうとしているものは人なんかじゃない、人の形をした別の生き物……そういつも狩りをしている宇宙人のようなもの。奈緒だって宇宙人を殺すことに躊躇いはしないでしょ?」
奈緒「ち、違うだろ!! 人は人だ!! 悪人だろうがなんだろうが人を殺すのは駄目だって!! お前後悔するって!!」
凛「後悔? するわけないでしょ? 私のやっている事は正しいんだから」
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:09:19.75 ID:tW90JyQl0
自身の行いを正当と断言する凛にそれまで目を瞑って考えていた加蓮が問いかけた。
加蓮「はぁ……正しい正しくないって言ったら、アンタのやってる事は間違いなく正しくないんだよね」
凛「加蓮?」
加蓮「凛、アンタは間違ってるって言ってるの」
凛「……何が? 私の何が間違ってるっていうの?」
加蓮「何もかも、今アンタがやってること全部」
加蓮から己の行いを全否定された凛は身体を震わして固まった。
そんな事を言われるとは考えてもいなかった凛。
呆然としている凛に加蓮はさらに続ける。
加蓮「何人も何人も人を殺していった先に何があるって? みんなが笑顔でいられる? そんなワケ無いでしょ」
凛「っ!! どうしてそんなこと言うの!? クズ共を消していった先には間違いなく誰もが笑顔でいられる世界があるのに!」
加蓮「ないって、そんなもの」
凛「そんなこと……」
加蓮「だって、ほら。もうアタシ達、アンタの行動を見て笑えてないもん」
凛「……あ」
凛はその言葉で加蓮と奈緒の顔を見た。
加蓮は真顔で冷たい視線を凛に向けている。
奈緒は明らかに苦しげな表情をしている。
二人共笑っていない。
加蓮「それにアンタの言うみんなって卯月や未央も含まれるんでしょ? あの子達が今のアンタを見たら…………絶対泣くよ?」
凛「っぅ!!」
凛の脳裏に卯月と未央の姿が浮かび上がる。
凛には何故かはっきりとその光景が見えた。
今の自分のしている事を卯月と未央に話して、その結果二人が泣き崩れてしまう光景を。
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:10:26.14 ID:tW90JyQl0
加蓮「そんな事も分からないくらいアンタは追い詰められてるってこと。いつものアンタならそんな事くらいすぐ気付いてたでしょ?」
凛「ぅっ……うぅ……」
加蓮「少し休みなよ。今のアンタはマトモな思考も出来ないほど心が荒んでる」
奈緒「そ、そうだぞ凛! 今のお前はいろんなことがありすぎて疲れてるんだよ、一回さゆっくり休めばお前も冷静になれると思うよ」
凛「うぅ……加蓮……奈緒……」
凛は頭痛が起きはじめた頭を押えながら二人を見やる。
二人共凛を気遣うような優しい視線を送っている。
凛は二人に向かい手を伸ばし始めたが、凛の手は背後から発せられた西の怒号によってピタリと止まる。
西「お、おいッ!! 渋谷ァ!! お前まさか今更になッて俺達の世界征服を止めるとか言うんじゃねーだろうな!?」
凛「西……」
加蓮「……世界征服?」
奈緒「何を……」
西は振り向いた凛の表情を見て目を見開く。
凛は弱弱しく今にも泣きそうな表情だったからだ。
この数日の凛は全てを飲み込むような闇色の眼をしており、狂ったように人を殺していく最中も表情を変えることもなかった。
西が見ていた凛は悪魔のようであり、途方も無い威圧感をもつ魔王の様であった。
だが、今の凛はただの少女にしか見えず、その凛を見て西は焦るように叫んだ。
西「ふざけンなよ!? お前も俺も戻ることなんてできねーンだぞ!? 今更止めるなンてぜッてーに言わせねえぞ!?」
凛「あ、あぁ……」
さらに凛の頭に痛みが走る。
ここ数日の記憶が蘇っていく。
何人も何人も殺している自分の姿。
凛は髪を掻き毟りながら数歩後退し始めた。
加蓮「凛!」
奈緒「おい、凛っ!」
凛「わ、私は、もう後戻りなんて、出来ない、出来ないの」
一歩ずつ加蓮と奈緒から離れていく凛。
凛「私、たくさん、殺して、さっきも……」
数歩後退した凛の肩に手が添えられる。
それは西の手。
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:10:57.68 ID:tW90JyQl0
西「そーだ!! お前はもう後戻りなんてできねェ!! お前の進むべき道も一つしかねェンだよ!」
凛「私、は……」
加蓮「ちょっと……まさか凛をそこまで追い込んだのは……アンタ?」
奈緒「っ! おいテメー!! 凛から離れろっ!!」
西「るッせェ!! テメー等は黙ッてろ!!」
西は凛の手を引き加蓮と奈緒から距離をさらに取る。
そうして、傍の凛に耳打ちを始める。
西「……おい、渋谷。アイツ等はここにおいて転送で飛ぶぞ……」
凛「……え」
西「……お前はアイツ等と一緒がいいとか言ッてやがッたが、やッぱダメだ。アイツ等はお前をダメにする。今のお前は何なンだよ? 数百人殺しても眉一つ動かさなかったお前はどこに行ッたンだよ?」
凛「待って……私……加蓮と奈緒に……」
西「……チッ……アイツ等がいない場所で俺達がやるべき事をもう一度話しあわなけりゃなンねェな……」
西は加蓮と奈緒を睨みながら自身の周囲に光のキーボードを展開し始めた。
加蓮と奈緒から凛を引き離すために。
これ以上、あの二人と言葉を交わさせないための行動。
しかし、西が転送のプログラムを打ち込む前に、西の眼前に黒い影が現れ西を殴り飛ばした。
西「!? なンッだ……クッソッ!!」
自身を殴り飛ばした人間の姿を見た西は怒気を含ませた声でその人間の名を叫ぶ。
西「玄野……てめェ!!」
玄野「西……お前にこれ以上はやらせねぇ……」
西「なンなンだよ……おまえはよォ!!」
玄野「よくわかッた。止めるべきは渋谷じゃない。アイツはまだ戻れる、話も通じる……お前を止めさえすれば」
西「ンだとォ!?」
玄野「北条さん! 神谷さん! 渋谷の説得は任せた! 俺はコイツをどうにかする!!」
西「…………クッ……ハハハハハ!! ざッけんな! このクソ野郎!! ぶッ殺してやる!!」
西と玄野がお互いだけを見据え、同時に自身の拳をお互いの顔面に向かい繰り出した。
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:12:04.38 ID:tW90JyQl0
西が玄野によって吹き飛ばされた後、凛は頭を押えてその場に蹲っていた。
その凛に声が掛かる。
加蓮「凛」
奈緒「凛……」
凛「加蓮……奈緒……」
頭を上げて二人を見る凛。
その凛はもうこの数日間変わることすらなかった表情を崩しきってまるで迷子の子供のような表情を作っていた。
強固な意志で自分の行動を自己肯定し続けていたが、自らが助けたかった相手に己の行動を全否定されて凛の幾重にも塗り固められた意思にあっけなくヒビが入ってしまった。
凛「私……もう、沢山人を、殺しちゃったんだよ……」
加蓮「……知ってるよ」
奈緒「ああ……」
凛「なんでかな……? さっきまで間違ってるなんてこれっぽっちも考えてなかった……ううん、今もそう、間違ってないって思ってるのに……なんでこんなに苦しいの……? 私、間違ってるの?」
加蓮「凛……今はそれ以上考えないで」
凛「……ふふ、私は間違ってるのかな? よくわかんない……私は何をしたかったんだっけ? ああ……そうだったよね……みんなが笑って幸せで傷つかない世界を……あれ? でも、加蓮も奈緒も未央も卯月も笑ってくれない……あれ?」
ひび割れた凛の心は加速度的にその傷を広げていく。
奈緒「お、おい、凛!? 大丈夫か!?」
凛「あたま、いたい……私、みんなを、助けたくって……みんなとまた会いたくって……でも、未央も卯月もまた死んで……お父さんもお母さんもハナコも死んで……加蓮と奈緒は生きて……あれ? 未央も卯月も生きて……? でも死んじゃって……あれ?」
加蓮「り、凛?」
徐々に視線が定まらなくなっていき、うわごとを呟くような状態になっていく凛に加蓮と奈緒は焦り始める。
焦る二人を無視するがごとく凛の状態はさらに悪化していく。
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:13:22.22 ID:tW90JyQl0
凛「わたし……なにをしたかったんだっけ……? みんなを……あれ? みんな……かれんもなおもいる……なにがしたいの……わたしはなにをするの……あれ? わたしのしたいこと……」
加蓮「ちょっと凛!? しっかりして!!」
奈緒「おい! こっちを見ろ! 目を覚ませよ凛!」
凛「わたし……みんなといっしょに……いつまでもいっしょに……そのために……みんなもわたしみたいに……あっ……そっかぁ……いっしょに……わたしみたいに……」
ボロボロと壊れ続ける凛の心はあることを思い出してその崩壊が一時的に停止した。
それは凛の心が安定していた頃の記憶。
卯月も未央も加蓮も奈緒も生きており、その時の自分が強く願っていた想い。
凛「いっしょに……みんなと……いっしょに……みんなも……わたしみたいに……」
虚ろな目線で宙を見上げていた凛だったが、それを思い出した凛は目線だけを動かして加蓮と奈緒を見る。
凛は加蓮と奈緒をその視界に捕らえると、ゆらりと立ち上がり二人を見たままにへらと壊れたような笑顔を浮かべ、その笑顔を見た加蓮と奈緒はビクリと全身を強張らせる。
凛「かれぇん……なおぉ……」
加蓮「り、凛?」
奈緒「お、おい……どうしちゃったんだよ……凛?」
凛「かれんもぉ……なおもぉ……わたしと……いっしょに……なって?」
加蓮「い、一緒?」
奈緒「な、なんなんだよ? か、加蓮、凛はどうしちゃったんだよ!?」
加蓮「アタシもわかんないって!!」
凛「ふたりもぉ、わたしとぉ、おんなじようにぃ、くるってよぉぉぉ!!」
突如、凛は二人に向かって突進し、加蓮を押し倒していた。
加蓮「きゃァッ!?」
奈緒「か、加蓮!?」
凛は加蓮に馬乗りになると加蓮の頭を両手で触れながら吐く息の温度すら感じられるくらいまで近づき、
凛「かれぇぇぇん……わたしといっしょにぃぃぃ……なろぉぉぉよぉぉぉ!!」
加蓮「ひっ!?」
加蓮は凛の眼を至近距離で見て思わず上ずった声を出していた。
完全に焦点も合っておらず、爛々と光る狂った眼。
お互いの額が触れ合うくらい接近していたが、その明らかに異常な凛の顔は加蓮の視界から遠ざかっていった。
奈緒「凛っ!! 何やってんだよ!?」
奈緒によって羽交い絞めにされて無理矢理引き起こされたことによって。
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:14:15.80 ID:tW90JyQl0
加蓮「な、奈緒」
奈緒「おい凛! とにかく落ち着けよ! 一回…………」
凛「なおぉ?」
凛は奈緒の声を背後から耳にして、そのまま振り向いた。
奈緒が羽交い絞めにしているにもかかわらず。
加蓮「!?」
奈緒「うっ、わぁっ!?」
その結果、凛の首が180度回転し、奈緒は凛と目が合ってしまい、奈緒は反射的に凛の身体を離していた。
凛は蹈鞴を踏んで加蓮と奈緒から離れ、バランスを崩してそのまま倒れてしまう。
四つんばいで蹲っているにも関わらず、首が180度回転している為に顔は天井を向いているという異様な光景。
だが、すぐに凛は首を元に戻しゆっくりと立ち上がり、再び加蓮と奈緒に視線を向けた。
その狂った眼光を向けられた二人は全身を震わせて小さく唾を飲み込んだ。
凛「かれぇん。なおぉ」
加蓮「……奈緒、今の凛、おかしくなってる」
奈緒「……見りゃ分かる」
凛「ふたりも、わたしと、いっしょにぃ」
加蓮「話も通じない、凛の行動も読めない、ならどうする?」
奈緒「……そんなもん、どうにかしてあいつを止めるしかないだろ」
凛「みんなでくるっちゃおぉよぉぉぉ、かれぇぇぇん! なおぉぉぉ!」
加蓮「多少乱暴になっても?」
奈緒「しかたねぇよ! 来るぞっ!」
加蓮と奈緒は突進してくる凛に対処する為に構えを取って3人は交錯した。
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:14:55.15 ID:tW90JyQl0
玄野と西は激しく殴り合っていた。
西「玄野ォッ!! てンめェェェ!!」
玄野「おおおおおおおおおおおお!!」
最初はお互いの拳が当たっていた。
だが、すぐに差が生まれ始めていた。
西「ッンだよ!! 何で当たンねーンだよッ!!」
西の拳は当たらない。
しかし、玄野の拳は西の顔面に吸い込まれていく。
玄野は西の攻撃を悉くかわし自身の攻撃を一方的に撃ちこんでいた。
西「ざッけンなァ!! クッソォ!! 玄野ォーーーーーー!!!!」
玄野「うッおおおおおおおお!!」
西の渾身の右拳がこれでもかというほど大振りで玄野に襲い掛かる。
しかし、玄野はその拳を半身になりかわすと、身体をねじりながらアッパーを繰り出す。
その玄野のアッパーは攻撃を回避されて無防備な西の顎に吸い込まれ、西は数メートル浮き上がり吹き飛ばされた。
玄野「西……もうわかッただろ……もう……やめろ……」
西「ッグァ……」
戦闘経験の差だった。
積み重ねた戦闘経験の差で西は玄野を正攻法で倒す事は不可能だった。
何度も何度も死線を潜り抜け、100点の星人とも真正面から戦い、それでいて今日まで生き抜いてきた玄野。
かたや不意打ちや隠れて攻撃を行なうスタイルで、さらには再生されてからはまともに戦う事もなかった西。
ハードスーツを装備していれば話は変わったのかもしれない、しかし西は先のミッション時は本体をこの場において立体映像の状態で凛と共にしていた。
ガンツを操作するコンソールを操るには通常スーツの指が一番動かしやすかった為に西は通常のスーツで玄野と殴り合ってしまった。
万能な力を手に入れたといっても過言ではない西には玄野などただの雑魚という認識でしかない。
しかし、現実は真正面から戦えば西は玄野に100回やっても勝つ事はできないのだ。
そう、激昂して肉弾戦を玄野に挑んだ時点で西の敗北は決定していた。
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:15:51.05 ID:tW90JyQl0
西「クソ……クッソォ!! この俺がなんでテメェなんぞにやられねーといけねーンだよ!? ンなンだよォ!?」
玄野「お前じゃ俺に勝てねーよ……これ以上は俺もやりたくねェ……あきらめろ……」
西「ハァァァ!? テメーーー何俺を見下してンだ!? このカスが調子に乗ッてンじゃねェぞ!!」
さらに頭に血が上った西は玄野に殴りかかるが、先ほどと同じようにカウンターで吹き飛ばされる。
西「グッアアア!? く、クッソ……意味……ワカンねェ、何でこんなクソカスにこの俺が……」
玄野「西……考え直せ。他の道もあるはずだ……」
西「アァッ!?」
玄野「世界を支配するだとか、そんな事を考えるのはもう止めろ……お前にそンな事なンてできるわけねーよ……」
西「ンだと!? 舐めてんのか!? 俺は世界の支配者になる男だ!! テメーのような凡人がこの俺に意見してンじゃねーよカスが!!」
玄野「……世界の支配とか言ッてッけどよ」
玄野「お前、俺にすら勝てねーじゃねーか。そんなヤツが世界を支配するとか……できるわけねーよ」
西「」
プチンという音が西から聞えたような気がした。
同時に西はさも愉快そうに笑い始める。
西「ハッハハハハハッ!! ハッハッハッハッハッハッハ!!!! ハーーーーッハッハハッハハハハハハハハ!!!!」
玄野「ッ!」
西「もういい、よーくわかッた」
西の周りに光のキーボードが現れて西はゆっくりとキーボードに指を伸ばし始める。
西「おまえ、舐めてンだろ? この俺がおまえに勝てない? 寝ぼけてンのか?」
玄野「……」
西「今までおまえを生かしておいてやッたのは単に気紛れにすぎねェンだよ。おまえの生死なんぞ指一本で操れンだよ」
玄野「!!」
西と玄野は今10メートル近く離れていた。
西はその指を光のキーボードに降ろしていく。
それをいつの間にかクラウチングスタートのような姿勢になっていた玄野は見続ける。
西はその玄野を蔑むように笑い、
西「玄野ォ…………逝けよ!!!!」
玄野の脳内の爆弾を発動させるコマンドを入力した。
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:16:17.02 ID:tW90JyQl0
だが、
西が指を落とした瞬間、
西の視界は目まぐるしく回転していた。
西(なッ!?)
西(何が起きたッ!? 何だッ!? どうなッてンだ!?)
高速で移り変わる視界だったが、背中に強い衝撃を受けると共に西の視界は元に戻った。
西「グハァッ!?」
西は見た。
数メートルはあろう高さから見下ろし、自分を見上げている玄野の姿を。
西(ッンだ? なンでアイツがまだ……)
同時に浮遊感。
西(!?)
どうやら自分は落下していると気がつく。
そして、同時にゲル状の液体も周囲に飛び散っていることに気がつく。
西(何が、一体、なん…………)
そのまま西は数メートルの高さから受身も取らずに床に叩きつけられた。
同時に頭も強く打ち、その意識を闇に落とした。
玄野の最後の攻撃によって限界を向かえ、壁に叩きつけられて壊れてしまったスーツは西の身を守ることは叶わなかったのだ。
油断し、慢心し、玄野を侮りきっていた西は玄野に完全に敗北した。
玄野「ハァッ! ハァッ!」
西が床に叩きつけられてピクリとも動かない様子を、西に向かって全力の体当たりを決行した玄野は見続ける。
少しでも動けばもう一度全身の力を使った体当たりをブチ込んでやると考えながら。
玄野「やッた……みてーだな」
1分近くその状態を維持し、西は動かず完全に気を失ったか、死んだと判断した玄野は西に近づいてその様子を伺った。
玄野「生きて……いる。気絶してるだけか」
小さく呼吸をする西を確認すると玄野はようやく警戒をといた。
玄野「ふぅ……」
玄野は一息ついたその瞬間、鈍い音を聞いた。
メキメキという何かがひしゃげるような音。
その音の方向に咄嗟に顔を向けると、
玄野「なッ!?」
そこには、凛によってハードスーツの中から無理矢理引きずり出される加蓮の姿。
玄野「あ、アイツ、何やッてンだよ!?」
玄野は西を放置し凛によって優しく抱きしめられている加蓮の元に向かった。
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/01(日) 14:16:45.78 ID:tW90JyQl0
今日はこのへんで。
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/01(日) 14:33:29.02 ID:Hye5epciO
乙乙
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/01(日) 14:35:36.24 ID:4yZfTGJ6o
乙乙
更新待ってました。
加蓮負けたのか
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/01(日) 14:58:52.57 ID:f9znM/UvO
ハードスーツ相手にノーマルスーツで勝つとかやべぇな
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/01(日) 15:31:36.20 ID:qxAS1XuC0
今の凛を単騎で狩るのは誰もできんだろ
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/02(月) 05:06:33.57 ID:62O8zZrBo
乙
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 01:06:55.55 ID:GVSticqD0
突進してくる凛を止めようとしたのは加蓮。
今の凛は完全に正気を失っていて、無理矢理止めるとなればハードスーツの自分が一番適任。
先ほど押し倒された時に分かったが、今凛が纏っているアイドルの衣装のような真っ黒のドレスは恐らくスーツ。
そうでなければあんなにもあっさりとハードスーツが力負けをして押し倒されるわけがない。
それも自分達も知らないようなスーツ、即ちハードスーツよりも上位のスーツの可能性がある。
全力で掛からないと止める事なんて出来ない。
そう一瞬で判断した加蓮は、ハードスーツの両手を開き、凛の身体を押さえ込もうと両手を突き出す。
加蓮「っ!?」
しかし、凛は加蓮の手に納まる寸前に身を低く落として這うように動き、加蓮の背後に回りこんでいた。
背後に回りこまれて両手を首に回されて抱きつかれた加蓮は凛の声を耳元で聞いた。
凛「これ、じゃま、かれんに、ふれられない」
加蓮「!?」
ベキリと鈍い音を加蓮は聞く。
凛の手が無造作にハードスーツの一部を掴んで剥ぎ取っていた。
少しずつハードスーツが剥ぎ取られていく。
奈緒「凛!! お前、止めろって!!」
凛の行動を止めようと奈緒が先ほどと同じように凛の背後から羽交い絞めをかける。
しかし、
凛「あぁ、なおだぁ、なお、あったかぁい」
奈緒「っ!? か、加蓮! ダメだ、あたしじゃ止めらんねぇ!!」
凛「かれんも、そこからでて、わたしとふれあお? ねっ?」
加蓮「あ、アタシも動けな……キャァッ!?」
凛の手はハードスーツの中心に埋まり、そこから無理矢理ハードスーツをこじ開けていった。
ヘルメットは外して加蓮の顔は見えている、その加蓮の全身が凛の手によって顕になり、ハードスーツから完全に引きずり出される加蓮。
加蓮は凛によって抱きしめられることで完全に拘束される。
優しく抱きしめられているにもかかわらずに身動き一つ取れない加蓮。
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 01:07:45.23 ID:GVSticqD0
加蓮「うっ、うごけ、ないっ!?」
奈緒「加蓮! 凛っ! おいっ!! もう止めろっ!! 正気に戻れよっ!!」
凛「かれんもなおもかんじる……うれしい……あれ? みおは……うづきは……?」
何かを思い出したように凛が加蓮を見て問いかける。
凛「かれぇん、みおは?」
加蓮「っ! 未央はっ、死んだんでしょっ!?」
凛「し、ん、だ……? あれ……? あれぇ? うづきは? うづきはどこ?」
奈緒「目を覚ませって!! 二人共死んだんだろ!? お前は二人を生き返らせようとしてるんだろ!?」
凛「あっ、あっ、あっ、そうだったよね? ふたりともいきかえってかいほうしないと、わたしがいっぱいてんすうとって……あれ? みんなでいっしょに……しんでる? みおもうづきも……まっしろなひかりにつつまれて……ぱぁーってひかって……いなくなって……でもひどいことされて……いきてて……またしんで……あれ? あれぇ? あれれあれぇえぁぁ?」
凛の眼球がぐるぐると回りだし、凛の身体が痙攣を始める。
それを加蓮は見て、声をかける事は逆効果だと判断して凛を抱きしめた。
凛「かぁれぇん?」
加蓮「凛、アタシを見て、何も考えずアタシだけを見て」
凛「かれぇん……」
加蓮の胸中を察したのか奈緒も同じように凛を背後から抱きしめる。
凛「なおぉ……」
奈緒「凛……あたしも加蓮もここにいるから……あたし達だけ感じろ……他の事は考えるな」
凛「かれん……なお……」
凛の痙攣が小さくなっていく。
凛は二人に抱きしめられながら、二人の体温を感じながら凛はその目を閉じていく。
しかし、その目が閉じきる前に、一人の男の姿と声を聞いた。
玄野「おいッ!! 渋谷ッ!! 止すんだッ!!」
加蓮「っ!」
奈緒「!!」
凛「う……あ……?」
玄野「お前何をしようとしてンだよ!? 北条さんまで殺すつもりか!?」
玄野の目には凛が加蓮をハードスーツから引きずり出して、静止しようとしている奈緒に構わずに加蓮を押しつぶそうとしているように見えていた。
それゆえに何とかして考え直させようと放った言葉だった。
しかし、その言葉が凛の耳から脳まで届き、凛が内容を理解した瞬間、凛の目はカッと見開かれて、
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 01:08:11.67 ID:GVSticqD0
凛「わたし、かれんを、ころす? わたしが、かれんを?」
加蓮「ちょっ、と!?」
凛「わたし、ころした、かれんも、なおも、みごろしに」
奈緒「や、やばいぞ!? 加蓮っ!! 凛が、凛がっ!!」
玄野の言葉が崩壊寸前の凛の心を後押ししてしまう。
凛の様子はそれまでと比べ物にならないくらいの状態になっていった。
眼球は目まぐるしく動き続け、涙も鼻水も涎も零れ落ち、全身をガクガクと痙攣しながらうわごとを呟き続けている。
凛「おとうさんも、おかあさんも、はなこも、わたしが、みごろしに」
玄野「お、おいッ?」
加蓮「凛っ!! アタシを見てっ!! 凛っ!! ねぇっ!!」
凛「みおも、うづきも、わたし、が、ころ、した」
奈緒「凛っ!! りーーーーんっっっ!!!!」
凛「みんなを……ころしたのは……ワタシ?」
凛が呟いたと同時、凛の脳内で雷鳴が轟くように今までの記憶思い出され、今まで自分が行なっていた行為が津波のように押し寄せてきた。
ネギ星人を刺し殺した記憶。
そのネギ星人が卯月に変わった。
凛「あ」
田中星人を爆殺した記憶。
爆発する寸前の田中星人が未央に変わった。
凛「あがっああぁぁ」
千手観音の額に剣を突き入れた記憶。
千手観音の顔が加蓮に変化する。
凛「あががぎがぐぇあぁぁがが」
チビ星人を吹き飛ばした記憶。
チビ星人が奈緒に変わり、奈緒がぐちゃぐちゃに飛び散った。
凛「あぎぎぎがぎがががががげぇぇぇぇ」
それからも今まで凛が殺してきた全ての星人や人間が、卯月や未央、加蓮に奈緒、父、母、愛犬の姿に変化して、その全ての記憶を凛は余すことなく脳裏に焼き付けてしまう。
ひと際大きく全身を痙攣させて呂律も回らなく唸り声だけを上げていた凛はグルリと白目をむいてその場に倒れた。
凛「あは、ひひひひ、はははは、あぁっはぁっいぃっ」
加蓮「凛!!」
奈緒「おいっ!? 凛!! しっかりしろ!!」
玄野「し、渋谷?」
P「……し、ぶや、さん……?」
凛の精神は限界だった。
加蓮の死体を見て、腕だけの奈緒を見て。
卯月と未央が光の中に消えていく姿を見て。
慣れ親しんだ実家が押しつぶされ、その中にいたであろう両親や愛犬も押しつぶされた瞬間を見て。
凛「あっ、ああっ、あああああっ」
さらに自身の手で人間を何人も何人も殺すことは、悪人だからといえど凛の精神を確実に蝕み続け。
蝕まれ続けた凛の精神は、加蓮と奈緒によって自分の行いを否定され決壊を始め、
最後に玄野が崩壊寸前だった凛の心に一撃を加え、
凛「あ」
凛の心は完全に壊れた。
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 01:08:51.58 ID:GVSticqD0
走っている。
――はぁっ! はぁっ!!
暗闇の中を私は走り続けている。
――た、たす、たすけっ! うあっ!?
何かに躓いて転んだ。
――ひぃっ!?
私が躓いたもの、それは死体。
――うあああああああああああああ!!
一つじゃない、どれだけあるかも分からないくらいの死体。
人間や星人、折り重なるように沢山の死体が辺り一面に散乱している。
――や、やだっ、やだ……いやああああ!!
立ち上がって再び私は走り始める。
一体何から逃げているのかも分からない。
私は逃げ続けるうちに足元は全て死体で埋め尽くされて身動きが取れなくなっていた。
――や、やだ、助けて、助けてぇ!!
助けを叫ぶ私は何かの音を聞く。
何かが近づいてくる。
私はその何かに目を向けると、
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 01:09:25.22 ID:GVSticqD0
――う、卯月?
卯月がいた。
だけど、何かがおかしい。
身長が180以上はあり、手からはカマのような爪が伸びている。
その卯月は私に近づくと、私の頭をそのカマのような爪で掴み力を込め始めた。
――や、やめて、卯月、痛い、痛いよっ……
私は卯月に懇願した。
そして、私は卯月を右手で持っていた剣で刺し殺した。
――え?
死体が増えた。
卯月は私を見ている。
――や、や、やだ……な、ん……なに……
また音が聞える。
今度は未央が近づいてくる。
鳥のような身体で顔だけが未央。
私に突進してくる未央を、左手で持っていた銃で撃ち殺す。
――あぁ、ぁぁぁ、ちが……
死体が増える。
未央と卯月が私を見ている。
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/09(月) 01:09:51.69 ID:GVSticqD0
――ちが、ちがう、ちがうのぉ……
また音が聞えた。
――いやだ。
沢山の腕を生やした加蓮が私の傍にいた。
私は加蓮の眉間を貫いて縦半分に割って殺した。
――いぃぃゃぁぁぁぁ。
死体が増えて、私を見る目が増えた。
音だ。
――やだやだやだやだやだやだ。
小さい奈緒。
私は銃で撃った。
死体。
見られてる。
――ここここ、ちちちち、わわわわわ、うああああああああああ。
他の死体も見てくる。
お父さんが、お母さんが、ハナコが。
卯月、未央、加蓮、奈緒。
みんな見ている。
私を。
みんなころした。
わたしがころした。
わたし。
わわわわわたたたたたたたころろろろろろろろ。
ろぉおおお。
おぉぉ。
お。
ぉ。
――凛ちゃん。
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