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【安価】勇者「姫様が魔王に拉致されたって?」
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78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 17:14:38.21 ID:txwKTSYbo
最強究極アルティメットデストロイ
79 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 17:24:09.35 ID:SlZx3+YwO
最強究極アルティメットデストロイ「たあ! とう!」
破壊仙人「最強究極アルティメットデストロイや。破壊の稽古はそこまでにして、デスソース茶でも飲まんかね」
最強究極アルティメットデストロイ「そうですね! 一汗かいたことですし、頂戴致します!」
彼の名は最強究極アルティメットデストロイ。
魔王の懐刀・究極最強破壊神アルティメットデストロイの弟であり、破壊仙人の弟子でもある。
彼は魔界で最も高い山で、毎晩破壊の練習をしているのだ。
最強究極アルティメットデストロイ「おいしいなぁ、デスソース茶は! 舌が壊れていく感覚が堪らないですね!」
破壊仙人「時に、最強究極アルティメットデストロイや。わしは、お主に伝えねばならんことがある」
最強究極アルティメットデストロイ「はい、何でしょう?」
破壊仙人「
>>80
」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 17:28:17.11 ID:w0A4lycmo
破壊魔法を受け付けない敵もいるぞい
81 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 17:36:30.69 ID:SlZx3+YwO
破壊仙人「お主、破壊魔法が絶対だと過信しておるじゃろう」
最強究極アルティメットデストロイ「当たり前でしょう。俺の破壊魔法は即死魔法のようなもの。一撃で相手を壊せます」
破壊仙人「じゃがな……世界には、破壊魔法を受け付けない敵もおるぞい」
最強究極アルティメットデストロイ「な、なんですって!?」
破壊仙人「一つは精霊。こやつらは肉体を持たないので、破壊魔法は通用せん。二つは魔王。陛下は全身を強力な魔防壁で覆っておる。三つは神の加護を受けた勇者じゃ」
最強究極アルティメットデストロイ「ハッ! 人間如きがどうだというのです。神の加護? くだらんね!」
破壊仙人「では、実際に闘ってみるかね?」
最強究極アルティメットデストロイ「はい?」
破壊仙人「ちょうど来たのじゃよ。勇者一行、総勢
>>82
名が」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 17:37:50.77 ID:txwKTSYbo
108
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 17:37:57.57 ID:mdrvXHvLO
35億
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 17:42:15.91 ID:Om8I+mG+O
考察ありの時は時間があるのをいいことにスナイパー達が狙いを定めていたとよくわかる
やはりコンマはこうやって運ゲーでないと面白くない。コンマ操作してまで俺TUEEEEしたいなら自分で書きなさいなって
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 17:42:47.12 ID:Om8I+mG+O
あ、誤爆失礼
86 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 17:55:20.88 ID:SlZx3+YwO
最強究極アルティメットデストロイ「なんだ、あいつら……」
宋江「我ら梁山泊百八星! 悪徳官吏を征伐しに来た!」
呉用「皆さん、勝手に動いてはなりません。この呉用が皆さんを動かすのです」
公孫勝「また生辰綱の奪取ですか? 飽き飽きしましたよ」
関勝「ちょっと関羽意識してます」
花栄「オレの弓は千里先まで届くッスよ」
林冲「五虎将・林冲、いざ参る!」
魯智深「ハッハッハッ! 仏がどうした、好きに暴れてやるわ!」
武松「魔王さんとやらのツラを拝むまで、俺は死なねぇ」
最強究極アルティメットデストロイ「こんな自己紹介が108も続くのかよ! じれったいな! 破壊魔法!」
108人の群星は捻じ曲げた時空の彼方に飛ばされていった。
破壊仙人「ほほー、腕を上げたようじゃな」
最強究極アルティメットデストロイ「仙人、俺は人間の街に行ってみようと思います。1000年前、一人の変態勇者が魔王城に潜入しました。あの時は兄が退治したおかげで事なきを得ましたが、今はどうか分からない」
破壊仙人「敵を知り、己を知る。よい考えじゃ」
最強究極アルティメットデストロイ「では、
>>87
に行って参ります!」
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 17:59:21.60 ID:MA1eYr3xO
並行世界、アルティメットハードモードの駆け出しの街
88 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 18:33:41.38 ID:SlZx3+YwO
〜アルティメットハードモード・駆け出しの街〜
最強究極アルティメットデストロイ「うわ、酷い匂いだ! 糞尿の混ざり合った……管理の行き届いていない動物園のような匂い!」
匂いだけではなく、道端のありとあらゆる場所に人糞が打ち捨てられてある。その誰の物とも知れぬ人糞をカラスがつついたり、餓鬼と化した町民が貪っているのだ。彼らの腹は風船のように膨れ上がり、肛門からは常に赤い血便を垂れ流していた。
最強究極アルティメットデストロイ「ハ、ハードモード過ぎる……。こんな場所に勇者なぞいるのかな」
最強究極アルティメットデストロイ「あの〜、すみません。この街に魔王討伐を志す勇者は……」
餓鬼「……ヌッ」
声をかけられた餓鬼は最強究極アルティメットデストロイを一瞥すると、指差して絶叫した。
餓鬼「食いモン! 食いモンがいるぞ! 食いモンだーッ!」
すると、どうしたことか。
周りの家々から無数の餓鬼の群れが飛び出してきたではないか。
最強究極アルティメットデストロイ「破壊魔法! 破壊魔法! クソ、数が多い! ここは一旦、宿屋に避難だ!」
〜宿屋〜
最強究極アルティメットデストロイ「ここまで来れば安全か……。無事、振り切ったみたいだ」
>>89
「おや」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 18:38:38.55 ID:AMUF30ii0
未来魔王
90 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 19:00:33.03 ID:SlZx3+YwO
未来魔王「やあ、貴殿もこの宿に泊まりに来たのかね」
最強究極アルティメットデストロイ「いいや、外の餓鬼があまりにしつこいんで逃げてきた。あんたは?」
未来魔王「私か? 私は衆生を救いに降臨し、ちょっとだけ絶望したところさ。まー、酷い有様だとね」
最強究極アルティメットデストロイ「あんた、一体何者なんだ?」
未来魔王「未来魔王……人は私を弥勒菩薩と呼ぶ」
最強究極アルティメットデストロイ「弥勒菩薩……だと……?」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 19:04:15.41 ID:zb5C5uV2O
こういう安価は絶対系のスレの殺伐とした感じ嫌いじゃない
92 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 20:05:28.83 ID:SlZx3+YwO
最強究極アルティメットデストロイ「今、世界に何が起こっている? どうして阿鼻叫喚の光景が広がっているんだ?」
未来魔王「ここは貴殿の兄、究極最強破壊神アルティメットデストロイが魔王の座についた後の世界……」
最強究極アルティメットデストロイ「あんだって? 俺の兄が魔王の座についた後の世界? 兄は現魔王の懐刀だぞ」
未来魔王「いずれ隙をついて奪取するのだろう。どちらにせよ、貴様が兄と現魔王を倒し、新たな魔王として君臨せねば、世界の均衡は崩れ地獄が幕を開ける」
最強究極アルティメットデストロイ「どうして俺が……」
未来魔王「貴様は究極最強破壊神アルティメットデストロイよりも幾分、優しいからだ。残忍ではないし、道理も弁えておる。君主にふさわしい器だからよ」
最強究極アルティメットデストロイ「なんか照れるなぁ」
未来魔王「さぁゆけ! 魔界の勇者・最強究極アルティメットデストロイよ! 一人だけで心細いならば、私の配下を味方につけてやろう」
仲間A
>>93
仲間B
>>94
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 20:07:59.68 ID:zb5C5uV2O
世界意思「カオス」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 20:09:28.79 ID:4Yp6QZzXO
うさぎ(Lv5000000)
95 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 20:25:31.20 ID:SlZx3+YwO
天から厳かな声が降ってきた。
カオス「私はカオス。『世界意思』と書きヤハウェ或いはカオスと読む。私は天候を自由に操ることができる。拳大の雹を降らせて屋根を破壊することなど容易い」
最強究極アルティメットデストロイ「肉体を持ってないみたいだが、やっぱりお前に破壊魔法は通用しないんだろ?」
カオス「然り」
最強究極アルティメット「俺の兄がいかにも苦手そうな奴だ。敵だと厄介だが、味方だと頼もしい。そんでこちらは……」
筋骨隆々な全裸ウサギが無言でこちらを見つめている。
僧帽筋、大胸筋、上腕二頭筋、背筋、腹筋。
どれをとっても世界最高峰レベルだ。無駄な脂肪を削ぎ落とした、戦闘特化モデル。筋力だけなら負けてしまうかもしれない。
最強究極アルティメット「えっと、お前は?」
カオス「その者はウサギ。レベルは5000000。戦闘力はその3倍、15000000。松坂牛の肉を好み、野菜は一切摂らない。プロティンスライムを毎日飲み続け、神と闘い、ここまでの強さを手に入れた。ウサギこそ、真の破壊神である」
最強究極アルティメット「弥勒菩薩……いや、未来魔王。俺には二人を使いこなせるか不安だ」
未来魔王「使いこなすのではない。共に闘う仲間だ。いつの時代を見ても、大切な仲間を低く見た者は、みな悲惨な末路を迎えている。貴殿も、せいぜい気をつけるんだな」
最強究極アルティメット「仕方ない……とりあえず
>>96
すっか!」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 20:32:02.08 ID:vo6/9KDeO
それぞれのレベルを確認
97 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 20:42:11.34 ID:SlZx3+YwO
最強究極アルティメットデストロイ
Level72
職業 魔界の勇者
装備 なし
スキル 破壊魔法
世界意思(カオス)
Level???
職業 神
装備 なし
スキル 天候変化
ウサギ
Level5000000
職業 ウサギ
装備 血染めの大斧
スキル サマーソルトキック
最強究極アルティメットデストロイ「俺が飛び抜けて弱い……いや、他があまりにチート過ぎるのか」
カオス「魔界の勇者よ、私が火と雲の柱を立てて汝を魔王城へ導かん……」
最強究極アルティメットデストロイ「その前に、元の世界に戻らないとな。破壊仙人に伝えてやらなきゃ」
ワープ先
>>98
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 20:43:48.25 ID:pDlrJX3aO
破壊仙人のいる場所
99 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 22:44:44.48 ID:UOcTFV1n0
〜仙人の庵室〜
最強究極アルティメットデストロイ「破壊仙人!」
破壊仙人「戻ったか、我が弟子よ。人間の町で新たな仲間を見つけて来たようじゃな」
最強究極アルティメットデストロイ「その件ですが……」
ウサギ「……」ノソッ
破壊仙人「ふおお、彫像のような肉体を持つ兎じゃ。リンゴを片手で捻り潰しそうじゃな」
カオス「狭い部屋だな。それとカビ臭い。こんな貧しい場所が汝の師の居室なのか?」
破壊仙人「それと見目麗しき猫耳娘……!」
最強究極アルティメットデストロイ「カオス、どうして猫耳娘に姿を変えたんだ? お前は元来、偶像の無い存在だろう?」
カオス「汝の世界に適応するには、人間に姿を変える必要があったからだ。誠に不本意ながらな」フンッ
最強究極アルティメットデストロイ「……とまぁ、こんな感じです」
破壊仙人「
>>100
」
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 22:48:30.13 ID:LkRvkyY+o
立ち話もなんだ、この先は食事をしながら話そう。弟子よ、今日はおまえの好きなオムライスだ
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 22:50:30.54 ID:ulcLqUNJO
ウサギで草
102 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 22:59:25.53 ID:UOcTFV1n0
破壊仙人「立ち話もなんだ、この先は食事をしながら話そう。弟子よ、今日はおまえの好きなオムライスだ」
最強究極アルティメットデストロイ「ありがとうございます! まさか用意してくださったとは」
カオス「オムライスとはなんだ」
破壊仙人「卵とケチャップと米をなんやかんやして作る料理のことじゃ。ま、食べてみたら分かるじゃろう」
ウサギ「……」クイクイッ
破壊仙人「なんじゃ」
カオス「ウサギは松坂牛の肉片がオムライスに入っているか聞きたいらしい」
破壊仙人「あるわけないじゃろ。贅沢にもほどがあるわ。清貧こそ至高。清く貧しく全てを壊す」
ウサギは失望した表情で、トボトボと破壊仙人の庵を去っていった。
最強究極アルティメットデストロイ「あっ、おい!」
カオス「心配するな。少し動揺しただけだ。奴はきっと汝の下に戻るであろう。さ、オムライスとやらを食べようぞ」
こうしてささやかな宴が始まった。
103 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 23:30:10.18 ID:UOcTFV1n0
仙人のオムライスは簡素なものだ。
申し訳程度のチキンライスに玉子焼きを乗せただけなのである。
それでも、最強究極アルティメットは仙人の作るオムライスが大好きだった。
最強究極アルティメットデストロイ「美味しいです、師匠!」
カオス「量が少ないな。それに辛い。これなら、まだ羊を屠って丸焼きにしてもらう方が良かった」
破壊仙人「ふぉっふぉっふぉ、そう言うな。これでも破壊成分を控えめにしたのじゃぞ」
最強究極アルティメットデストロイ「ところで仙人、あなたに話したいことがあるのです」
破壊仙人「どうした、改まって。……聞こうか」
最強究極アルティメットデストロイは、アルティメットハードモード・駆け出しの街であったことを詳らかに話した。
破壊仙人「なるほど。お主は地獄で弥勒菩薩と出会い、世界を変えるために現魔王へと闘いを挑むのだな」
最強究極アルティメットデストロイ「そんなところです」
破壊仙人「なんと愚かな真似を……じゃが、わしにお主を止める力は残っていない。それに、心強い味方も得ているようだしの。行くがよい、弟子よ」
破壊仙人は立ち上がると、庵の奥から絹の包みを取ってきた。
破壊仙人「この中には
>>104
が入っておる」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 23:31:21.55 ID:ulcLqUNJO
松坂牛
105 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 23:41:39.81 ID:UOcTFV1n0
破壊仙人「この中には松坂牛が五頭ほど、圧縮されて入っておる。方術とかいうやつじゃ」
ウサギ「!」シュバババババ
最強究極アルティメットデストロイ「なるほど、魔王城への途上で包みを開いて食べろということですね」
破壊仙人「否、これはウサギ専用のものだ」
ウサギ「……///」
破壊仙人「もし、もしお主が絶望的な状況に陥った時、この包みを開いて松坂牛をウサギに食べさせよ」
最強究極アルティメットデストロイ「すると?」
破壊仙人「松坂牛の脂身が、ウサギの潜在能力を100%引き出すであろう」
破壊仙人「つまり、ウサギは神をも超越する力を手に入れる」
カオス「その論だと全知全能の私より強くなるということだが」
破壊仙人「然り! もはや魔王など小粒……ミジンコレベルの存在となる!」
最強究極アルティメットデストロイ「じゃあ、最初から食べさせればいいじゃないですか」
ウサギ「……」ジュルリ
破壊仙人「家畜は恐怖を感じた時、肉の旨味が一層増す話を聞いたことはあるかね?」
最強究極アルティメットデストロイ「そうか! 圧縮されている松坂牛が命の危険を感じた時にのみ、ウサギの潜在能力は100%発揮されるということですね!」
破壊仙人「う〜む、好々」
カオス「
>>106
」
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 23:44:31.06 ID:5VYEXeoGO
しかしこの松坂牛、相当の手練れであるように見受ける
107 :
◆vfNQkIbfW2
[sage]:2017/07/21(金) 00:00:34.63 ID:7++5JJTt0
今日はここまで
108 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/21(金) 09:37:05.94 ID:Cq+/eXASO
カオス「しかしこの松坂牛、相当の手練れであるようにお見受けするが」
破壊仙人「当然じゃ。強者を覚醒させるための肉なのじゃから、牛本体も強いに決まっておろう。ちなみに、此奴はこれまで300人の尊き命を奪ってきた」
右目に傷のある松坂牛「ブルルッ」
最強究極アルティメットデストロイ「なんだか、この松坂牛が魔王に見えてきました。仙人……武者震いが止まりません」
カオス「フッ、ミノタウロスを想起させる奴よ。私も猫耳娘の姿でなければ、存分に神威を発揮できたものを」
ウサギ「……」
破壊仙人「物は試しじゃ。ウォーミングアップも兼ねて、松坂牛を破壊してみるかね?」
最強究極アルティメットデストロイの行動
>>109
世界意思の行動
>>110
ウサギの行動
>>111
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/21(金) 09:43:41.15 ID:epfR7Qiv0
牛一頭にすら歯がたたない
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/21(金) 09:45:24.46 ID:/hmc0tEnO
妙に懐かれる
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/21(金) 09:47:03.73 ID:H8Af20ORO
3匹までなら拮抗
112 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/21(金) 12:32:32.85 ID:OxewYmPmO
最強究極アルティメットデストロイ「はああぁぁ……」
最強究極アルティメットデストロイは深く息を吸い込むと、拳に破壊魔法をまとわせ、地面を蹴った。
のんびりと尻尾を振る松阪牛に肉薄する!
最強究極アルティメットデストロイ「うおおお! くらえ、最強究極アルティメットデストロイアームストロングディザスターカタストロフ限界アポカリプス量子分解アッパー!」
破壊仙人「いきなり必殺技を使いよったか! しかし、いつ聞いても技名が訳わからんのう……」
ガキィン!
最強究極アルティメットデストロイ「な……? 拳が松阪牛に届いていない!? 見えない魔防壁で防がれている!」
右目に傷のある松阪牛「モ〜」
破壊仙人「松阪牛も身の危険を感じたか、無意識の内にATフィールドを張っていたようじゃな。この勝負、分からなくなってきたぞい」
最強究極アルティメットデストロイ「こ、拳が動かない! 魔防壁の中にめり込んでいく……! 松阪牛! これもお前の計算だったのかァ!」
右目に傷のある松阪牛「ブモーッ!」
後ろに下がった松阪牛は猪突猛進、弾丸の如き速さで最強究極アルティメットデストロイを空の彼方へ跳ね飛ばした。
破壊仙人「あの程度の突進も回避できぬとは、まだまだ未熟じゃな。破壊にばかり気を取られ、防御を疎かにした結果よ」
破壊仙人「次! 世界意思!」
カオス「すまない……」
破壊仙人「どうした」
松阪牛A「モ〜///」
松阪牛B「ブフッ///」
カオス「何故だか、懐かれてしまった」
破壊仙人「野性が世界意思に反応したのじゃろう。帰巣本能というのかの。牛達はお主を帰るべき場所と認識しておる」
カオス「そんな……こらッ! 顔を舐めるな! くさいぞ!」
113 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/21(金) 18:14:52.02 ID:OxewYmPmO
ウサギ「……」
ゆっくりとした足取りで、ウサギが松阪牛に歩み寄る。
松阪牛は一目で確信した。この兎は強い。
ATフィールドを以ってしても進撃は止められぬやもしれぬ。
破壊仙人「双方、恐ろしい殺気じゃ。表情には出していないが、手に取るように分かる」
ウサギが四股を踏む。
松阪牛が左眼でギラリと睨みつける。
覇者の間に、言葉はなかった。
静寂。
ウサギ「疾ッ!」
無表情のまま、ウサギが目にも留まらぬ速さで走り出した。
両腕を交互に振り、膝を高く上げ、その双眸は獲物を見据え。
轟、と突風が土を巻き上げる。
右目に傷のある松阪牛「ウモウ!」
松阪牛はしっかりと脚を踏ん張り、目をカッと見開いた。
もうすぐだ、もうすぐ兎と衝突する。
奴の振り上げた腕が見える。拳が見える!
ガキィイイ……ン!!!!
ウサギ「……!」
右目に傷のある松阪牛「ヘッ」
破壊仙人「防いでおる! ウサギの一撃をATフィールドで防ぎよったぞ! やりおるわ、ガッハア!」
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/21(金) 18:18:42.35 ID:wvbqjXwYO
畜生どもがつよすぎる
115 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/21(金) 18:39:18.90 ID:OxewYmPmO
しかし、ウサギもまた尋常の者にあらず。ATフィールドを両手で掴むと、カーテンを引き裂くように容易く破ってしまったのである。
破壊仙人「なんと! あの兎には魔防壁も通用せんのか! こりゃたまげたぞい!」
意外な展開に凍りついた松阪牛の角を握り締め、ウサギは豪快に一本背負い投げを決めた。
低い地響きと共に、角の折れる音。
右目に傷のある松坂牛「グ、グワァア!」
ウサギ「ヌン!」
ウサギは松坂牛の頭を何度も地面に叩きつけた。外傷よりも脳味噌の損傷を狙っての技である。松阪牛が気絶しかけた、その時であった。
松阪牛A「モーッ!」
松阪牛B「ガアアアア!」
カオスに懐いていた二頭の牛が、覇王色の覇気をまとい、捨て身の突進を繰り出したのだ。これには百戦錬磨のウサギもたまらない。回転しながら弾き飛ばされた。
破壊仙人「受け身じゃ! 受け身を取れ!」
ウサギ「……!!」
華麗に着地したウサギの兎唇に、歪んだ笑みが広がる。ただの牛も三頭集まれば戦士となる。ウサギは仲間の危機を救った二頭の松阪牛こそ、真の意味での勇者だと感じた。
勝負の結果
>>116
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/21(金) 18:43:05.79 ID:wvbqjXwYO
引き分け。しかし確かな友情がそこには芽生えた
117 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/22(土) 14:51:21.63 ID:ARknqKvyO
日没、一羽と三頭の決着はついた。
松阪牛は三頭とも角が折れ、全身痣だらけであった。
しかし、ウサギも無傷までとはゆかず、体力を使い果たし動けない状態だ。引き分けといったところであろう。
右目に傷のある松阪牛(兎よ……小生は認識を改めねばならぬようだ。貴様のことを、ただの筋肉達磨と侮っていた)
ウサギ(ククク……いいってことよ。余も久方ぶりに命の危機を感じた……良き勝負であった)
松阪牛A(またいつか、暇がおありでしたら闘いましょう?)
松阪牛B(アホか、ワイは二度とゴメンやで。ワハハ……)
そう、テレパシーで会話できるほどの奇妙な友情が、彼らの間に芽生えていた。ぐうぅ、とウサギの腹が鳴る。
破壊仙人「日も暮れたことだし、そろそろ夕餉にするかの。これ、そこの松阪牛。来なさい」
右目に傷のある松阪牛「ンモ?」
破壊仙人は右目に傷のある松阪牛を連れて、庵の裏へ行った。
〜その夜〜
最強究極アルティメットデストロイ「おぉ〜今夜は松阪牛のサイコロステーキですか。豪華ですね! パクッ、うめぇ〜ッ!」
カオス「ほっぺたが腐り落ちそうニャ……」
最強究極アルティメットデストロイ「おいおい、ヤハウェのくせに威厳がなくなってるぞ! 世界意思なら、もっと厳かに『善し』とか呟けよ!」
ウサギ「……」
ウサギの行動
>>118
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 14:54:44.70 ID:wWJtjCS/o
鬼のように角を生やして
一角ウサギに変身した
119 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/22(土) 15:17:15.63 ID:ARknqKvyO
ピキ、ピキピキと亀裂の入る音が聞こえた。見れば、ウサギの額に巨大な一本の角が生えているではないか。顔に血管がはっきり浮き出て、眼球はギョロギョロとあらぬ方向を行ったり来たりしている。サイコロステーキを噛んでいた破壊仙人も、この光景には入れ歯を吹き飛ばして尻餅をついた。
破壊仙人「ウサギが、神に近づいておるッ!」
最強究極アルティメットデストロイ「まさか、サイコロステーキの影響によってなのですか!?」
破壊仙人「当たり前じゃろう。ぐぬぬ、つい近くにいた松阪牛をステーキに使ってもうた。これが、ウサギに特殊強化を施すドーピング剤であることを忘れてのう!」
最強究極アルティメットデストロイ「しかし、ウサギが強化されるのは良いことなのでは?」
破壊仙人「時と場合を考えよ! 松阪牛には摂取した者を狂戦士化、つまり混乱させる副作用もあるのじゃ。使うとすれば魔王戦、最終局面! 食卓で使うものではないわい!」
最強究極アルティメットデストロイ「結局、悪いのは全て師匠ではありませんか!」
破壊仙人「やかましい! わしに全責任を押し付けるなーへぶッ!」
ウサギのサマーソルトキックが破壊仙人の顎に炸裂した。
破壊仙人は屋根を突き破り、夜空の彼方へ飛んで行った。
最強究極アルティメットデストロイ「ウサギ、てめぇ! よくも俺のお師匠様を……!」
戦闘態勢に入った最強究極アルティメットデストロイを無視し、庵の外まで歩いていくウサギ。その視線の先は遠影となっている魔王城に向けられていた。
ウサギ「……」
最強究極アルティメットデストロイとカオスを置いて、ウサギは突如走り出した。これより、ウサギと魔王軍の最後の戦いが幕を開ける。
まずウサギが行った場所
>>120
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 15:22:41.02 ID:qUA9RiiO0
魔王城2
121 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/22(土) 15:30:29.57 ID:ARknqKvyO
魔王城には二つの種類がある。
現世の魔王城と、並行世界のアルティメットハードモード魔王城だ。ウサギは山道を下りながら、いつの間にかアルティメットハードモードの世界に迷い込んでいた。
松阪牛A「大丈夫ですか、ウサギさん!」
松阪牛B「右目キズが屠殺されたみたいやが……ウサギ、お前は無事なようで安心したで!」
ウサギ「貴様ら……何故ここにいる」
松阪牛B「そりゃアンタ、決まっとるやろ! 魔王城2に行くアンタを助けるためや!」
松阪牛A「魔王城2……アルティメットハードモード魔王城はゴブリンでもアルテマを連発する鬼畜難易度。貴方は強い。しかし数で攻められれば、ひとたまりもありません」
松阪牛B「そこを、ワイらが支援するっちゅーわけや」
ウサギ「貴様らを、なんと呼べばよい」
松阪牛A「
>>122
とお呼びください」
松阪牛B「ワイは
>>123
や!」
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 15:38:06.86 ID:qUA9RiiO0
松
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 15:40:02.17 ID:GiqK/bR9O
阪
124 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/22(土) 15:52:57.46 ID:ARknqKvyO
松「私は松とお呼びくださいまし。ヒール程度の簡単な呪文でしたら、唱えることができますわ」
阪「ワイは阪や! 三人揃って松阪兎! 松阪兎ってウマいんか? タハーッ! ハッハッハハッハッハー!」
松「お静かにしてくださる? 近くに最強究極アルティメットデストロイが隠れているやもしれませんから」
ウサギ「あの雑魚が、どうかしたか」
松「彼は今、復讐の炎に駆られておりますの。長年付き添ってきた師匠を貴方に殺されてね。もう魔王も未来魔王も彼の心にはありません」
阪「あるのは、お前への憎悪と殺意だけや。厄介なのは、最強究極アルティメットデストロイ陣営に世界意思……カオスがついていることやな」
ウサギ「つまり、神と獣と魔族の三つ巴戦争というわけか。面白い。余が最も望んでいた無秩序な世界……」
松「ウサギさん、現魔王を倒すのです。さすれば魔王陣営の兵は全て貴方の物。いくら全知全能の神といえど、簡単に破壊できます。まるで、いはけなき幼女の腕をねじ伏せるようにね」
125 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/22(土) 16:14:50.80 ID:ARknqKvyO
ウサギは血染めの大斧を振るい、針葉樹を次々と斬り倒していった。そして、二人乗りの戦車を作り上げたのである。戦車と言っても装甲車のことではなく、松阪牛二頭に牽かせる二輪の馬車もどきであるが。
ウサギ「目指すは魔王城! 走れッ!」
ウサギは飛ぶように戦車を走らせ、アルティメットハードモードの世界から、現世へと戻ってきた。幸いにも、魔王城まではなんの遮蔽物のない、草原が広がっている。
ウサギ「休むか?」
松「なんの! 松阪牛を舐めてもらっては困りますわ!」
阪「戦士はな……事が済むまで休まないもんやで!」
ウサギ「その言葉を聞いて確信した。貴様らこそ、真の勇者である。速度を上げるぞ!」
松・阪「「押忍!!」」
その時、どこからともなく現れた巨大な影が戦車を包み込んだ。
>>126
「よう、獣勇者さんよ」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 16:28:04.88 ID:d+pERO5q0
佐賀牛
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 17:01:17.43 ID:FXQUXLTto
牛肉ブランドの見本市かよ
128 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/22(土) 17:11:37.39 ID:ARknqKvyO
松「ンモーッ! 空から大きな牛が落ちてくるわ!」
阪「あれに潰されたら、ひとたまりもないやろなぁ……」
ウサギ「二人とも足を止めろ。余が確認する」
ウサギは戦車を降りると、小山のように大きい牛に近寄った。
ウサギ「貴様は誰だ。余の敵か否か」
佐賀牛「お前、天下の佐賀牛様を知らないとは何処の田舎モンだ? 普通、ここはお前が跪いて挨拶するところだろ」
ウサギ「敵か味方かと聞いている」
佐賀牛「くだらねーな、敵か味方かなんて何の話だよ。俺様は誰にも縛られたりしない。ただ食いたいから食い、暴れたいから暴れる。ほれ、自己紹介は済んだぜ」
ウサギ「貴様は盾役として使えそうだ。よし、余と共に魔王を征伐せよ」
佐賀牛「俺様に指図するってのか? あぁん?」
ウサギ「勝負をしよう。ここから魔王城まで走り、先に城壁に触った方が勝ちだ。敗者は勝者の命令を何でも聞くこと」
佐賀牛「敗者が勝者の命令を何でも聞くだァ? ……その勝負、乗った! 俺様が負けるはずねぇからな」
ウサギ「それでは参るぞ」
佐賀牛「途中棄権ってのはナシだぜ。ギャハハ!」
ウサギ「……」
129 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/22(土) 18:08:09.10 ID:ARknqKvyO
兎は速い。
野うさぎでも最高速度時速80km、つまりトムソンガゼルや高速道路を走る自動車並みのスピードが出せるのだ。筋力に特化した個体とあらば、その速度は時速200kmを優に超える。チーターなど目ではない。
松「すッ凄いスピードだわ。衝撃波が……モウッ!」
阪「まさに規格外やな。ほな、ワイらも追うで!」
走るウサギ。
世界が繋がって見える。
ウサギ「余の速度に敵う者がいるとは思えんな。ほら、もう随分と引き離してしまった」
佐賀牛「そーかァ?」ビュン
ウサギ「なにッ!?」
思わず飛び退いた。
先程まで遥か後方にいた佐賀牛が、一瞬で距離を詰めたのだ!
ウサギ「どんなカラクリを使った」
佐賀牛「いんや、なにも。ただ俺様がお前より速いだけだぜ」
ウサギ「ぬかせッ!」
腰を低くかがめて前傾姿勢をとったウサギは、さらに速く、音速の壁を突破した状態で駆け続けた。
佐賀牛「
>>130
」
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 18:10:37.21 ID:S2JzfeIgo
たかがマッハ1とは笑わせる
光速を見せてやる
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 18:12:40.80 ID:panEMJQnO
滅びよ
132 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/22(土) 23:12:20.22 ID:zqgVwxfY0
佐賀牛「たかがマッハ1とは笑わせるぜ。見せてやるよ、光速と音速の越えられない壁って奴をなァ!」
佐賀牛は四肢を深く折り曲げた。彼の脚の筋肉はバネのように伸縮自在なのである。
落ちて来た時に怪我が無かったのも、一瞬でウサギを抜かすほどのスピードを出せたのも、バネの異常な瞬発力がタネだった。
佐賀牛「負けたら何でも言うこと聞くんだよな? ヒヒヒ……楽しみだぜ」グググ
ビリリッ
佐賀牛「な……? 脚が痺れて動かないッ!?」
佐賀牛「クソッ! 麻痺してやがる! なぜだ、動け動けーッ!!」
ウサギ「貴様の脚力が尋常でないことは見抜いていた。だからこそ、角で脚を封じさせてもらった」ダダダダダ
ウサギの角が蒼白い光を帯びている。
この角から微電流を放ち、佐賀牛の脚を麻痺させたのだ。
そして、魔王城の城壁に先に触れたのはウサギとなった。
佐賀牛「うぐぐ……畜生……卑怯だぞ! 麻痺が無ければ、俺様は勝っていた!」
ウサギ「麻痺は反則だと最初に伝えておくべきだったな。貴様の注意不足が招いた敗北だ。大人しくタンクになれ」
こうしてウサギは松阪牛の松と阪、佐賀牛の
>>133
を味方につけて魔王城へ乗り込んだのであった。
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 23:18:49.48 ID:HeQ4mFwDO
滋賀
134 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/22(土) 23:34:20.13 ID:zqgVwxfY0
ウサギが松と佐賀、滋賀を従えて魔王城に入った頃。
魔界の勇者・最強究極アルティメットデストロイは、破壊仙人の庵で体育座りをしていた。
最強究極アルティメットデストロイ「なあ、カオス。弥勒菩薩……じゃなくて未来魔王は何のためにお前らを寄こしたんだろうな」
カオスは猫耳娘から本来の虚無へと姿を変えている。
つまり、傍から見れば最強究極アルティメットデストロイがボソボソ独り言を呟いているような状態だ。
カオス「それは勿論、現魔王を倒すためだろう。それ以外に何の目的があるのか」
最強究極アルティメットデストロイ「俺な、遠視で見ちまったんだ。あのクソウサギが松阪牛とバカでかい佐賀牛と一緒に、魔王城へ入っていくの」
カオス「先を越されたな。オムライスだのサイコロステーキだの呑気に喰っているからだ」
最強究極アルティメットデストロイ「カオス、俺は今から魔王城に行く。そこで兄も現魔王もクソウサギもみんな殺す」
カオス「ほほう、かつての仲間を相手にするか。師の仇討ちと大義もできたようだしな」
最強究極アルティメットデストロイ「お前はどちらにつく。俺と共に世界を得るか、クソウサギの下働きとなって生涯を終えるか」
カオス「汝はひとつ勘違いをしているな。私は生きても死んでもいない。生死の次元を超越した存在である」
最強究極アルティメットデストロイ「で、どっちにつくんだ」
カオス「弥勒菩薩から頼まれたこともあるし、お前と闘うことにするよ。今のところは、な」
135 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/22(土) 23:37:07.42 ID:zqgVwxfY0
>>134
×佐賀
〇阪
136 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/22(土) 23:48:20.56 ID:zqgVwxfY0
〜魔王城〜
松「精霊の情報によれば、究極最強破壊神アルティメットデストロイはレーザー攻撃を主に使ってくるそうです」
阪「ヒエ〜、レーザーなんて速くて避けられないやんけ」
滋賀「松阪牛は佐賀牛と違ってATフィールドを張れたはずだ。そいつでレーザーを防げばいい」
松「ATフィールドはあくまで、物理専用のものです。魔法攻撃にはあまり効果がありません」
阪「ウサギは何か突破するための策は考えてるんか?」
ウサギ「考えては……いる。だが、有効策かと言えば不安が残る」
ウサギは落ちていた盾を持つと、前に押し出す仕草をした。
ウサギ「レーザーが直撃する瞬間、盾で光線を跳ね返す。タイミングが合えば可能だと弥勒菩薩から聞いた」
滋賀「そんなボロッボロの盾で跳ね返せるわけねーだろ。頭イカレてんのか?」
ウサギ「もし盾が無理ならば、その時はその時。また別の打開案を考える。滋賀、貴様は襲い来る雑魚敵を突進で始末しろ」
阪「一応、魔防壁も張っとくで〜」
ウサギ一行が入った場所
>>137
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/22(土) 23:50:22.17 ID:1idhXdNHo
宝物庫
138 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/23(日) 00:04:00.75 ID:w100it1P0
ガツン ガツン ドゴォオオン!!!
滋賀「開いたぜ。鍵がかかっていたが、俺様の巨体と力にかかりゃこんなものよ」
松「なんでしょう、ここは? やけにキラキラしているといいますか、眩しいといいますか……」
ウサギ「宝物庫だ。現魔王が民から奪い、溜め、こさえた金銀財宝の泥沼よ」
阪「ンモ〜、牛には価値が分からんやで」
ウサギ「滋賀、近くに松明はあるか。あるならば余に渡せ」
滋賀「篝火ならあるぜ。ほらよ」
財宝の山に違和感を感じたウサギが、松明で赤く照らしてみる。
すると、金貨の下に白い滑らかな、象牙のような物体があることに気が付いた。
ウサギ「なんだ、この白い物は……」ジャラジャラ
ゴロン
ウサギ「ヌッ」
松「ひぃ!」
阪「うお……魂が口から飛び出そうになったやで……」
転がり出てきたのは、なんと人間の頭蓋骨だったのである。
139 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/23(日) 00:10:48.78 ID:w100it1P0
滋賀「ハッ! たかが人間の頭蓋骨が出たくらいで、そこまで驚くこたねぇだろ」
松「し、しかし宝物の中に一つだけ頭蓋骨があるのは不気味で……」ブルブル
滋賀「どこぞの墓荒らしかトレジャーハンターが行き倒れた、それだけだ。騒ぐ意味が分からんね」
阪「もしかして、魔王を倒しにきた勇者って可能性も考えられるで」
>>140
「ご明察」
ウサギ「……貴様は」
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/23(日) 00:13:00.23 ID:UgIhYExIo
破壊仙人
141 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/23(日) 00:28:44.41 ID:w100it1P0
破壊仙人「フォフォフォ、それは1000年前に究極最強破壊神アルティメットデストロイに敗れた初代勇者の頭骨じゃ」
ウサギ「貴様……生きていたのか」
破壊仙人「お主にサマーソルトキックを受けて、魔王城の宝物庫まで吹っ飛ばされてきたんじゃ。右腕が折れてしまったが、破壊して治したわい」
松「破壊して治す? ちょっと何言ってるか分からないんですけど」
阪「つまり、下手にいじくるよりも一気に破壊してしまった方が、なんだか気が楽になるみたいなアレやね」
滋賀「……ジジイ。今さらノコノコと何をしに出現しやがった」
破壊仙人「おやおや、お主は……。佐賀牛に身をやつしておるとは意外じゃったわ。早く正体を見せんかい」
ウサギ「仙人。貴様は滋賀と面識があるのか」
破壊仙人「仕事の同僚みたいなものじゃよ。ほれほれ『客人達』に姿を披露してやりなさい」
松「客人?」
滋賀「仕方ねぇなぁ。ウサギ、俺様ァついて来れるのはここまでのようだ」バッ
ピピピピピ……
松「ンモ!? レーザーの照準音!? どこから響いているの!?」
滋賀「ここだ、ここだよ」
滋賀のいた場所に、見知らぬ人型の怪物が立っている。
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「俺が究極最強破壊神アルティメットデストロイ。待っていたぜ、獣勇者。1000年前の変態みてぇに、良い悲鳴聞かせてくれよ?」
阪「ど、どういうことや? 滋賀が敵方の大将ってことか? よー分からへん!」
ウサギ「滋賀ッ……!」
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/23(日) 07:43:19.97 ID:pxyeUmns0
実にカオスで面白いwwww
143 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/23(日) 22:26:49.90 ID:w100it1P0
破壊仙人「究極最強破壊神アルティメットデストロイ。早く決着をつけんか」
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「分かった分かった。ジジイは黙って奥に控えてろや」
ピピピピピ……
阪「レーザーが来るでッ!」
松「ウサギさん、盾を構えて!」
ウサギ「……」
キュウン!
ウサギ「ここだッ!」
コンマ偶数で成功、奇数で失敗
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/23(日) 22:28:23.63 ID:R0IXmDolo
ほいさ
145 :
◆vfNQkIbfW2
[sage]:2017/07/23(日) 22:41:40.09 ID:w100it1P0
パリィン!
ウサギ「グッ!」
阪「失敗や……盾が壊れてしまったで」
松「他の盾を探さないと!」
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「無駄だ。ここに盾になるような者は置いていない。テメェらは何もできずに死ぬんだよ」
破壊仙人「お主、1000年の間に随分と口が悪くなったの〜。そんなキャラじゃなかったろう。会話で『然り』とか使っちゃうレベルの生真面目マンじゃったろ」
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「ジジイが異常なんだよ。1000年もずっとフォッフォフォッフォ笑いやがって。キメェわ」
破壊仙人「フォッフォッフォ〜。真面目な人間が壊れてゆく様、とってもナイスじゃわい」パチパチ
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「チッ! 呑気に俯瞰を決め込みやがって。ウサギを始末したら次はテメェだ!」
ピピピピピ……
再びレーザーの照準がウサギの額に当てられる。
ウサギは辺りを見渡したが、ほとんど金貨かコップばかりで、光線を跳ね返すには脆すぎる。
左右にステップを取っても、薙ぎ払われたら一巻の終わりだ。
ならば、行動はひとつ。
ウサギの行動
>>146
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/23(日) 22:57:15.10 ID:6vX9OJhI0
レベルを犠牲に放つ最終奥義 レベルエクスプロージョン
147 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/23(日) 23:13:26.53 ID:w100it1P0
ウサギ「余はレベルエクスプロージョンを使う」
松「そ、それって昔、弥勒菩薩様が仰っていた……」
阪「やめるんや、ウサギ! そんなことしたら、アンタ……」
弥勒菩薩から授けて貰った最終奥義。
本当に追い詰められた時にしか使用できぬ、禁忌の技。
5000000もある自らのレベルを、150000000もある自らの戦闘力を、全て犠牲にして放つ爆破魔法。
ウサギ「それが、レベルエクスプロージョンであるッ!」
最終奥義は万能ではない。至近距離まで近づかなければ発動できないのである。
そう、それこそキスができるほど接近せねばならない。
ウサギ「いくら性格が粗野になっていると言えど、奴は1000年もの間、戦闘センスを磨いてきたのだ。そう簡単には近寄らせてもらえないだろう」
ウサギ「多少の負傷は覚悟の上……肉を斬らせて骨を断つッ!」
ウサギはのっしのっしと大股で歩き始めた。
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「ギャハハ! バカかアイツ? 自ら向かって来やがったぜ!」
キュウン! ズンッ!
ウサギ「グッ! レーザーがッ……右肩を……!」
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「酷いザマだな、獣勇者。まるで歩くサンドバッグだぜ」
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/23(日) 23:45:34.83 ID:w100it1P0
究極最強破壊神アルティメットデストロイの一歩前まで、ウサギは辿り着いた。
だが、ウサギはそれ以上動くことはできなかった。
両腕両脚をレーザーによって穿たれ、機能不全に陥っていたのだ。
進むことも戻ることもできず、無双のハイパーラビットは膝をついたまま沈黙した。
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「おおい、そこのグズ牛ども。ご主人様が怪我してんぞ。さっさと治せや(笑)」
ウサギ「……」
阪「松ッ! おい、松ッ! しっかり気を保つんや、あんなのはただの脅しに決まっとる。どうせワイらが恐怖で動けないと思っとるんや」
松「モウゥウン……阪、私、ダメかもしれません……」ガチガチ
松「さっきから身体の震えが止まらないんです……! ウサギさんを助けようと頑張っても、脚が言うこと聞かないのよぉ……!」モォオオオ
阪「それは自分の命を惜しんどるからや! そもそもワイら松阪牛は、魔王戦でウサギに喰われて死ぬ定め。ハナから片道切符ってのは分かってたことやろ!」
松「む、無理ですわ! 私は阪のように強くない。ただの、か弱い松阪牛。のどかな牧場で育って子供を産んで、安らかな死を迎えるのが夢だったの……」
阪「今さら何を臆病風に吹かれとるんや。もうええ、ワイが手本を見せたる。ウサギを頼んだで、松」スッ
松「ちょっと阪、どこに行く気なの!?」
阪「破壊仙人の庵でリーダー……右目に傷のある松阪牛が屠殺されたやろ? あん時な、ワイはちょっと憧れてたんや。最期に誰かの役に立って死ねるなんて、誰かの笑顔のために死ねるなんて素敵なことやん。ほなからワイは、逝く時くらいはせめて牛の本懐を遂げたいんや」
松「やめて! 私を一人にしないで!」
阪「松……ずっと迷惑かけてすまんな。攻撃魔法も治癒魔法も使えん無能を、嫌な顔せずお前は支えてくれた。これはその恩返しやと思うてくれ」ダッ
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「さぁ、最後のレーザーだ。覚悟はできたか? 獣勇者」
ウサギ「……ここ、までか」
ピピピピピ……
キュウン! プツッ
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「……あァ? なんだ、この魔防壁は」
阪「ぐうぅ……なんちゅー強力な光線なんや! ウサギ、はよ逃げんか! ここはワイがレーザーを止める! 松、ボーっとせんでウサギを助けるんや!」
ウサギ「
>>149
」
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/23(日) 23:52:25.31 ID:R0IXmDolo
すまない、お前の命無駄にはしない……ぱくっ
150 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 00:24:33.20 ID:iQKTjuYY0
ウサギ「すまない、貴様の命無駄にはしない……」ガブッ
ウサギは阪の後ろ脚にかじりついた。
阪「い、いでぇえええッ! なにするんや、血迷ったか!」
ウサギ「貴様のATフィールドではレーザーを止めることはできん。すまんが、股を引き裂かせてもらう」
阪「や、やめ……うぎゃあああああああああああああああああああああ」ベリベリベギョオ
松「阪ァああああああああッ!!!!」
破壊仙人「ひょっほおお!!! なんと鮮やかな股裂きじゃあ!!!」ハァハァ
ウサギ「バクッボリッムシャムシャプッ」
松「いくら戦士面したって、結局ウサギは獣に過ぎないのね……。私もああなるのかしら」ヒック
ウサギ「うぬ……ぬおおおッ」バキバキヘバキィ
ウサギの両腕が藍色を帯びていく。硬質化しているのだ。
数分後、強固なガントレットを装着したウサギができあがった。
もちろん、レベルは阪の分を取り込んで10000000まで跳ね上がっている。
ウサギ「先ほどは不覚を取ったが、もう貴様の光線を受けることはない。全て跳ね返す!」
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「ヘッ……言ってくれるじゃねーの」
151 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 11:37:55.58 ID:iQKTjuYY0
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「この期に及んで更なる力の覚醒とは、意外と粘りやがるな。1000年前の変態は一瞬で消し炭にしてやったのによ」
ウサギ「阪のおかげだ。彼がいなければ、余は身動きが取れず射殺されていただろう。松、貴様の相棒は役目を果たしたぞ」
松「ウサギさん!」
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「さぁ、フィナーレと参ろうぜ」
ピピピピピ……
ウサギ(レーザーの射出口が光った瞬間、ガントレットを押し出す。レーザーの射出口が光った瞬間……)
キュウン!
ウサギ(ここだッ!)バッ
キィイン!
ウサギ(上手いッ! 跳ね返したッ!)
ドゴーン!
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「グハッ……!」
ウサギ「今だ、一気に畳みかける! レベルエクスプロージョン!」
瞬間、世界が白く光り輝いた。
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 11:45:57.50 ID:owaIEDiJO
もう姫様どうでもよくなってるの草生える
153 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 13:15:56.76 ID:iQKTjuYY0
凄まじい爆風は究極最強破壊神アルティメットデストロイは勿論、破壊仙人や松をも呑み込み、魔王城を激震させた。戦闘力30000000の化け物から放たれる計り知れないエネルギー。周辺の環境を破壊するのは容易であった。
だが、この爆発で唯一生き残った者がいる。
破壊仙人「あの獣勇者め、想像以上に強化されておった。ちと効いたわい……魔王じゃからと油断したか」
破壊仙人「まぁよい。ウサギはレベルエクスプロージョンで、知性のない兎に戻りよった。わしの傷も、散らばった松阪牛の肉片を集めて食せば元通りじゃ」
魔王は姫を攫った後、破壊仙人と名を変え、弟子を取り、ひっそり高山で暮らしていた。彼こそが1000年前に先代魔王を玉座から追放した、近衛隊長その人だったのだ。
松「」
破壊仙人「ウムッ、うまい。ちょっと焦げているが、焼肉と思えば大差無い。やはり松阪牛の肉は最高じゃの〜」
破壊仙人「のう?
>>154
」
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 13:18:12.75 ID:L1IJL95EO
姫
155 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 13:32:59.24 ID:iQKTjuYY0
破壊仙人「のう? 姫よ」
隣を向くと、両眼を涙で潤ませた姫がじっとこちらを睨みつけていた。彼女は1000年前に魔族製造機として何千回も強姦された末、神戸牛の餌という悲惨な末路を迎えている。
姫「魔王……私はあなたを赦さない!」
破壊仙人「魂だけなら何とでも言える。実体が無いからのう。その代わり、お主はわしに指一本触れることはできん」
姫「1000年間、あなたを倒す勇敢な戦士が現れるのを待っていました。しかし、あなたに挑んだ勇者はみな……」
破壊仙人「わしの元まで辿り着けず、途中で死んでいった。今までも、そしてこれからも、わしと闘う勇者など現れない!」
姫「いえ、いるのです。私の願いが弥勒菩薩様に通じたようで、彼は寄越してくれました。魔王を討つ剣を!」
破壊仙人「まさかそれは、わしの弟子ー」
最強究極アルティメットデストロイ「まさか師匠が俺の越えるべき壁だとは思いませんでした。最強究極アルティメットデストロイ、いざー」ザッ
姫「ではなく!」
最強究極アルティメットデストロイ「ではなく!?」
姫「世界意思! あなたこそ弥勒菩薩が私に授けた最後の砦! その神威を以て、魔王を常闇に封じ込めてください!」
カオス「
>>156
」
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 13:41:14.12 ID:wzdYdv1Co
いや魔王だけとか無理言わないでよ
世界全体丸ごとなら常闇に封じれるけど
157 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 13:51:18.01 ID:iQKTjuYY0
カオス「魔王だけだと? 無茶を言うでない。世界全体丸ごとならば、常闇に封じることはできるが」
姫「では……」
姫「世界まるごと……!」
最強究極アルティメットデストロイ「姫様、変なことはよすんだ。もし世界を常闇に封じたら、師匠……いや魔王だけでなく俺達も滅ぶんだぞ」
破壊仙人「そうそう! 若さ故の過ちじゃな。考え直してはどうかの? 世界まるごとはやり過ぎじゃて」
姫「私は元より滅んだも同然……世界がどうなろうと知ったこっちゃあない。魔王、あなたが消え去るのなら!」
姫「世界意思、やってください!」
カオス「了解した」
最強究極アルティメットデストロイ「や、やめろーッ!!」
破壊仙人「な、南無三ッ……!」
グニャア
この日、世界は滅んだ。
158 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 14:01:53.97 ID:iQKTjuYY0
〜世界滅亡後・二巡目の地球〜
いざ酒を飲もう
>>158
よ
>>159
の輝きに 我が魂の輝きに
主の威光に 乾杯をしよう
その昔
>>160
は言った
「
>>161
」と
攫われた麗しの姫は囁いた
「
>>162
」と
薔薇園の中央で蒼ざめた月を仰ぎ
今こそ歌わん
>>163
の詩
ポロン……
吟遊詩人「いかがですか?」
教皇「学者共の唱える前世論は信じられんが、トゥルバドゥールよ、貴様の歌う
>>163
の詩は面白い」
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 14:02:35.70 ID:iQKTjuYY0
>>160
からお願いします
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 14:03:41.96 ID:iU8bXI8Fo
雷様
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 14:21:34.35 ID:3XOd7WrMO
滅びゆく世界
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 14:25:44.69 ID:xTBtPuzcO
ぷにぷに君
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 15:01:26.35 ID:kAxYkp3mO
俺の金返せ
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 15:14:40.16 ID:cQaRFHaG0
誰だお前
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 15:43:24.14 ID:FUXrJzg30
皇子の書き殴った厨二ノート
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 16:40:01.57 ID:gwnsaYLh0
ひどすぎわろた
167 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 16:44:06.53 ID:/klkWS9/O
〜その日の夕方・城下町〜
吟遊詩人「では、奏でます……」
いざ酒を飲もう 雷様よ
滅びゆく世界の輝きに 我が魂の輝きに
主の威光に 乾杯をしよう
その昔ぷにぷに君は言った
「俺の金返せ」と
攫われた麗しの姫は囁いた
「誰だお前」と
薔薇園の中央で蒼ざめた月を仰ぎ
今こそ歌わん 皇子の書き殴った厨二ノートの詩
町娘達「「「キャ〜! 良い声ね、惚れちゃうわ〜!!」」」
じじい「ハープを奏でる指さばきが、常人の域を超えておるな。素晴らしい詩を聞かせてもらったよ」
チャリンチャリン!
四方から一斉に金貨が投げ込まれる。
どういうわけかトマトも投げられたが、吟遊詩人は優れた動体視力と柔らかい身体で回避した。
吟遊詩人「皆様、ありがとうございます。トゥルバドゥールの演奏会はこれにてお開き。次回の演目は未定でございます」
牛みたいな町娘「えー! 楽しみにしてたのにー! でも楽しませてもらったから、御礼にミルクとパンをあげるわ」
吟遊詩人(泥だらけの手でパンを差し出さないでくれよ、汚ったないなぁ)
吟遊詩人「ありがとうございます。神が貴女に恵みの吐息を吹きかけてくださいますように」
牛みたいな町娘「あらやだ……///」
吟遊詩人「さてと、今宵はどこで泊まろうか。そうだ、無料で泊まれる修道院が町の外れにあったな……。そこへ行こう」
168 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 17:08:58.90 ID:/klkWS9/O
〜町の外れの修道院〜
吟遊詩人「夜分遅くにすみません。昼間は吟遊詩人として詩を歌い、食いつないでいる者です。宿屋に泊まる金がなく、難儀しております。一泊だけで良いですから、部屋を貸していただけないでしょうか」コンコン
ギイィ……
修道女「……」ジー
虫食いだらけの扉を開けたのは、背の低いシスターだった。
歳は17、8ほど。首に提げた銀のロザリオが月の光にキラリと輝く。吟遊詩人は、自分が未知の幻想世界に巻き込まれてしまったのではないかと錯覚を起こしかけた。
修道女「食事代は別ですよ。入ってください。ただし、足音は立てないように。眠っているのです」
吟遊詩人「眠るって、何が?」
修道女「
>>169
です」
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 17:42:35.81 ID:LaR/nYJxO
ぷにぷに君
170 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 17:50:28.41 ID:/klkWS9/O
修道女「ぷにぷに君が眠っているのです。ぷにぷに」
吟遊詩人「ぷにぷに君だってェ!?」
修道女「しっ! 静かに」
吟遊詩人「ああ、すみません。実は僕、ぷにぷに君を歌に登場させておりまして。まさか実在するとは……」
修道女「抜き足差し足で歩きなさい。ぷにぷに君は温厚な魔族ですが、その反面巨大な闇を心の内に抱えています。ぷにぷに」
吟遊詩人「や、闇ですか……」
修道女「ぷにぷに君を怒らせてみなさい。あなただけでなく、この城下町に住む全ての人間が惨殺されます。首をもがれて城門に晒され、カラスに眼球をつつかれる所となります。ぷにぷに」
吟遊詩人「すみません、ぷにぷに氏はどんな外見をしているのですか? もしかしたら、ぷにぷにと分からず足で踏んでしまうかもしれないのです」
修道女「
>>171
」
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 17:54:45.53 ID:eGom1O87O
5000兆カラットのダイヤモンドで構成されたカチンコチンとしかいいようのない肉体。マッハ50で移動する。雌で男が好き
172 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 18:02:31.37 ID:/klkWS9/O
修道女「多分見分けやすいと思います。ぷにぷに君は5000兆カラットのダイヤモンドで構成されたカチンコチンとしかいいようのない肉体を持っています」
吟遊詩人「硬すぎます、どこがぷにぷになんですか!」
修道女「それからマッハ50で左右に寝返りを打っているので、まぁ修道院に入って気がつかない人はいないでしょう」
吟遊詩人「えぇ……もはや跳弾みたいなモンでしょそれ……」
修道女「あと、ぷにぷに『君』とか名乗ってますがアレは雌です。夜な夜な男性冒険者の部屋に侵入しては、ターゲットの背骨を粉砕して巣に帰っていきます」
吟遊詩人「なんだか、突っ込むの疲れました」
修道女「とにかく私から伝えられることは、何があっても『パニくるな』以上。院内でのフラッシュ付き撮影は禁止となっております。そこもご了承ください」
吟遊詩人「分かりましたよ……気が重いなぁ……」
173 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 19:40:45.91 ID:/klkWS9/O
扉の中に入ると、真っ先に広い噴水庭園が目に飛び込んできた。ヒースやチューリップなど様々な花が咲き乱れ、色とりどりの蝶が舞う。この世の楽園を集めて煮込んだような、幸せの凝縮された空間であった。
吟遊詩人「へぇ〜、なかなか広くて小綺麗なんですね。外観は蔦だらけできったねぇのに」
修道女「それ以上言ったら追い出しますからね」ジトー
吟遊詩人「すみません、つい本音が口から出てしまいました」
修道女「しかし妙ですね。ぷにぷにの気配が感じられません」
吟遊詩人「気配?」
修道女「いつもは、この庭で寝返りを打っているのです。今日はどうしたのでしょう……なんだか気味が悪い」
吟遊詩人「どうしたっても……」グギュルル
修道女「むむ」
吟遊詩人「シスター、どうか僕に食べる物と飲む物を与えてください。昼から何も食べずにハープを弾き続けて来ました」
修道女「部屋の案内を先にしようと思ったんですがね……。仕方ありません、食堂へどうぞ」
食堂で出された料理
>>174
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/24(月) 19:43:54.20 ID:wzdYdv1Co
修道女お手製のパンとスープ(どちらも暗黒物質化してる)
175 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 20:03:20.95 ID:/klkWS9/O
食堂には長椅子が三つ並んでおり、食事をしている人は誰もいなかった。天井のステンドグラスが月光を浴びて、淡い七色の輝きを帯びる。古い修道院にしては、素敵な演出だ。
修道女「先にお金を頂きます。金貨3枚です」
吟遊詩人「あの〜、銀貨ではダメ?」
修道女「ダメです。昔から、食事代は一律金貨3枚と規則で決まっていますので。ま、金貨3枚に相応する働きを見せれば、話は別ですが」
吟遊詩人「なら、僕の詩を聞いてください。皇子の書き殴った厨二ノートの詩ってタイトルです」ポロン……
いざ酒を飲もう 雷様よ
滅びゆく世界の輝きに 我が魂の輝きに
主の威光に 乾杯をしよう
その昔ぷにぷに君は言った
「俺の金返せ」と
攫われた麗しの姫は囁いた
「誰だお前」と
薔薇園の中央で蒼ざめた月を仰ぎ
今こそ歌わん 皇子の書き殴った厨二ノートの詩
吟遊詩人「……どう?」
修道女「及第点といったところですね」フウ
修道女は溜息をつき、厨房へ消えた。
しばらくして、吟遊詩人の前には焦げて黒くなったパンと暗黒物質と化したスープが置かれた。
修道女「私のお手製です。ゆっくり味わいなさい」
176 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 20:43:53.07 ID:/klkWS9/O
吟遊詩人(うう、マズいなぁ。ヘドロを寒天で固めたような味と食感だ。人はこんなにマズいスープを作れるのか……)
修道女「どうですか、お味は」
吟遊詩人「お、おいしい……」
修道女「ふふッ、それは良かった。私、料理が苦手ですから。この間もシチューに乾燥剤入れて、こっぴどく叱られたんです」
吟遊詩人(吐きたい……)
ぷにぷに君「フゥオオオオオオッ!!!」
修道女・吟遊詩人「!?」
吟遊詩人「今、庭の方から奇声が……」
修道女「隠れて下さいッ!」
修道女は吟遊詩人を連れて、奥の部屋に逃げ込んだ。奥の部屋には、土嚢が山のように積んであった。その裏に二人は隠れ込む。
ぷにぷに君「オス……オスの匂いだわ……。オスの匂いがしゅるにょおおおお!!! 全身の骨を砕いてぷにぷにさせたいわぁ……」
ぷにぷに「フゥオオオオオオッ!!!」
修道女「食堂に入ってきましたね」
吟遊詩人「マズいですよ、匂いを辿られたら確実に僕達は捕まってしまう! そうだ、土嚢を破って土を塗りたくりましょう」
177 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/24(月) 22:52:10.32 ID:iQKTjuYY0
修道女「いいえ、そんなことをしても無駄です」フルフル
ぷにぷに君の嗅覚は犬の数倍鋭く、土の匂いと男の匂いを嗅ぎ分けてしまうのだという。
吟遊詩人「そんな……それじゃ、どうやっても待つのは死あるのみではないですか」
ぷにぷに君「早く出てきなさいよォ〜! 土嚢の裏に隠れてるのは分かってんのよォ〜!」ズカズカバキャズズゥン
吟遊詩人(おそらくマッハ50で地団太を踏んでいるんだろう。衝撃波で周りの机が吹っ飛んでる音が聞こえる)
修道女「詩人さん、私に提案があります」
吟遊詩人「提案とは?」
修道女「
>>178
」
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