【安価】勇者「姫様が魔王に拉致されたって?」

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141 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/23(日) 00:28:44.41 ID:w100it1P0
破壊仙人「フォフォフォ、それは1000年前に究極最強破壊神アルティメットデストロイに敗れた初代勇者の頭骨じゃ」

ウサギ「貴様……生きていたのか」

破壊仙人「お主にサマーソルトキックを受けて、魔王城の宝物庫まで吹っ飛ばされてきたんじゃ。右腕が折れてしまったが、破壊して治したわい」

松「破壊して治す? ちょっと何言ってるか分からないんですけど」

阪「つまり、下手にいじくるよりも一気に破壊してしまった方が、なんだか気が楽になるみたいなアレやね」

滋賀「……ジジイ。今さらノコノコと何をしに出現しやがった」

破壊仙人「おやおや、お主は……。佐賀牛に身をやつしておるとは意外じゃったわ。早く正体を見せんかい」

ウサギ「仙人。貴様は滋賀と面識があるのか」

破壊仙人「仕事の同僚みたいなものじゃよ。ほれほれ『客人達』に姿を披露してやりなさい」

松「客人?」

滋賀「仕方ねぇなぁ。ウサギ、俺様ァついて来れるのはここまでのようだ」バッ

ピピピピピ……

松「ンモ!? レーザーの照準音!? どこから響いているの!?」

滋賀「ここだ、ここだよ」

滋賀のいた場所に、見知らぬ人型の怪物が立っている。

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「俺が究極最強破壊神アルティメットデストロイ。待っていたぜ、獣勇者。1000年前の変態みてぇに、良い悲鳴聞かせてくれよ?」

阪「ど、どういうことや? 滋賀が敵方の大将ってことか? よー分からへん!」

ウサギ「滋賀ッ……!」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/23(日) 07:43:19.97 ID:pxyeUmns0
実にカオスで面白いwwww
143 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/23(日) 22:26:49.90 ID:w100it1P0
破壊仙人「究極最強破壊神アルティメットデストロイ。早く決着をつけんか」

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「分かった分かった。ジジイは黙って奥に控えてろや」

ピピピピピ……

阪「レーザーが来るでッ!」

松「ウサギさん、盾を構えて!」

ウサギ「……」

キュウン!

ウサギ「ここだッ!」

コンマ偶数で成功、奇数で失敗
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/23(日) 22:28:23.63 ID:R0IXmDolo
ほいさ
145 : ◆vfNQkIbfW2 [sage]:2017/07/23(日) 22:41:40.09 ID:w100it1P0
パリィン!

ウサギ「グッ!」

阪「失敗や……盾が壊れてしまったで」

松「他の盾を探さないと!」

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「無駄だ。ここに盾になるような者は置いていない。テメェらは何もできずに死ぬんだよ」

破壊仙人「お主、1000年の間に随分と口が悪くなったの〜。そんなキャラじゃなかったろう。会話で『然り』とか使っちゃうレベルの生真面目マンじゃったろ」

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「ジジイが異常なんだよ。1000年もずっとフォッフォフォッフォ笑いやがって。キメェわ」

破壊仙人「フォッフォッフォ〜。真面目な人間が壊れてゆく様、とってもナイスじゃわい」パチパチ

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「チッ! 呑気に俯瞰を決め込みやがって。ウサギを始末したら次はテメェだ!」

ピピピピピ……

再びレーザーの照準がウサギの額に当てられる。
ウサギは辺りを見渡したが、ほとんど金貨かコップばかりで、光線を跳ね返すには脆すぎる。
左右にステップを取っても、薙ぎ払われたら一巻の終わりだ。
ならば、行動はひとつ。

ウサギの行動>>146


146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/23(日) 22:57:15.10 ID:6vX9OJhI0
レベルを犠牲に放つ最終奥義 レベルエクスプロージョン
147 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/23(日) 23:13:26.53 ID:w100it1P0
ウサギ「余はレベルエクスプロージョンを使う」

松「そ、それって昔、弥勒菩薩様が仰っていた……」

阪「やめるんや、ウサギ! そんなことしたら、アンタ……」

弥勒菩薩から授けて貰った最終奥義。
本当に追い詰められた時にしか使用できぬ、禁忌の技。
5000000もある自らのレベルを、150000000もある自らの戦闘力を、全て犠牲にして放つ爆破魔法。

ウサギ「それが、レベルエクスプロージョンであるッ!」

最終奥義は万能ではない。至近距離まで近づかなければ発動できないのである。
そう、それこそキスができるほど接近せねばならない。

ウサギ「いくら性格が粗野になっていると言えど、奴は1000年もの間、戦闘センスを磨いてきたのだ。そう簡単には近寄らせてもらえないだろう」

ウサギ「多少の負傷は覚悟の上……肉を斬らせて骨を断つッ!」

ウサギはのっしのっしと大股で歩き始めた。

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「ギャハハ! バカかアイツ? 自ら向かって来やがったぜ!」

キュウン! ズンッ!

ウサギ「グッ! レーザーがッ……右肩を……!」

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「酷いザマだな、獣勇者。まるで歩くサンドバッグだぜ」

148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/23(日) 23:45:34.83 ID:w100it1P0
究極最強破壊神アルティメットデストロイの一歩前まで、ウサギは辿り着いた。
だが、ウサギはそれ以上動くことはできなかった。
両腕両脚をレーザーによって穿たれ、機能不全に陥っていたのだ。
進むことも戻ることもできず、無双のハイパーラビットは膝をついたまま沈黙した。

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「おおい、そこのグズ牛ども。ご主人様が怪我してんぞ。さっさと治せや(笑)」

ウサギ「……」

阪「松ッ! おい、松ッ! しっかり気を保つんや、あんなのはただの脅しに決まっとる。どうせワイらが恐怖で動けないと思っとるんや」

松「モウゥウン……阪、私、ダメかもしれません……」ガチガチ

松「さっきから身体の震えが止まらないんです……! ウサギさんを助けようと頑張っても、脚が言うこと聞かないのよぉ……!」モォオオオ

阪「それは自分の命を惜しんどるからや! そもそもワイら松阪牛は、魔王戦でウサギに喰われて死ぬ定め。ハナから片道切符ってのは分かってたことやろ!」

松「む、無理ですわ! 私は阪のように強くない。ただの、か弱い松阪牛。のどかな牧場で育って子供を産んで、安らかな死を迎えるのが夢だったの……」

阪「今さら何を臆病風に吹かれとるんや。もうええ、ワイが手本を見せたる。ウサギを頼んだで、松」スッ

松「ちょっと阪、どこに行く気なの!?」

阪「破壊仙人の庵でリーダー……右目に傷のある松阪牛が屠殺されたやろ? あん時な、ワイはちょっと憧れてたんや。最期に誰かの役に立って死ねるなんて、誰かの笑顔のために死ねるなんて素敵なことやん。ほなからワイは、逝く時くらいはせめて牛の本懐を遂げたいんや」

松「やめて! 私を一人にしないで!」

阪「松……ずっと迷惑かけてすまんな。攻撃魔法も治癒魔法も使えん無能を、嫌な顔せずお前は支えてくれた。これはその恩返しやと思うてくれ」ダッ

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「さぁ、最後のレーザーだ。覚悟はできたか? 獣勇者」

ウサギ「……ここ、までか」

ピピピピピ……

キュウン! プツッ

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「……あァ? なんだ、この魔防壁は」

阪「ぐうぅ……なんちゅー強力な光線なんや! ウサギ、はよ逃げんか! ここはワイがレーザーを止める! 松、ボーっとせんでウサギを助けるんや!」

ウサギ「>>149







149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/23(日) 23:52:25.31 ID:R0IXmDolo
すまない、お前の命無駄にはしない……ぱくっ
150 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 00:24:33.20 ID:iQKTjuYY0
ウサギ「すまない、貴様の命無駄にはしない……」ガブッ

ウサギは阪の後ろ脚にかじりついた。

阪「い、いでぇえええッ! なにするんや、血迷ったか!」

ウサギ「貴様のATフィールドではレーザーを止めることはできん。すまんが、股を引き裂かせてもらう」

阪「や、やめ……うぎゃあああああああああああああああああああああ」ベリベリベギョオ

松「阪ァああああああああッ!!!!」

破壊仙人「ひょっほおお!!! なんと鮮やかな股裂きじゃあ!!!」ハァハァ

ウサギ「バクッボリッムシャムシャプッ」

松「いくら戦士面したって、結局ウサギは獣に過ぎないのね……。私もああなるのかしら」ヒック

ウサギ「うぬ……ぬおおおッ」バキバキヘバキィ

ウサギの両腕が藍色を帯びていく。硬質化しているのだ。
数分後、強固なガントレットを装着したウサギができあがった。
もちろん、レベルは阪の分を取り込んで10000000まで跳ね上がっている。

ウサギ「先ほどは不覚を取ったが、もう貴様の光線を受けることはない。全て跳ね返す!」

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「ヘッ……言ってくれるじゃねーの」


 
151 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 11:37:55.58 ID:iQKTjuYY0
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「この期に及んで更なる力の覚醒とは、意外と粘りやがるな。1000年前の変態は一瞬で消し炭にしてやったのによ」

ウサギ「阪のおかげだ。彼がいなければ、余は身動きが取れず射殺されていただろう。松、貴様の相棒は役目を果たしたぞ」

松「ウサギさん!」

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「さぁ、フィナーレと参ろうぜ」

ピピピピピ……

ウサギ(レーザーの射出口が光った瞬間、ガントレットを押し出す。レーザーの射出口が光った瞬間……)

キュウン!

ウサギ(ここだッ!)バッ

キィイン! 

ウサギ(上手いッ! 跳ね返したッ!)

ドゴーン!

究極最強破壊神アルティメットデストロイ「グハッ……!」

ウサギ「今だ、一気に畳みかける! レベルエクスプロージョン!」

瞬間、世界が白く光り輝いた。




152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 11:45:57.50 ID:owaIEDiJO
もう姫様どうでもよくなってるの草生える
153 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 13:15:56.76 ID:iQKTjuYY0
凄まじい爆風は究極最強破壊神アルティメットデストロイは勿論、破壊仙人や松をも呑み込み、魔王城を激震させた。戦闘力30000000の化け物から放たれる計り知れないエネルギー。周辺の環境を破壊するのは容易であった。
だが、この爆発で唯一生き残った者がいる。

破壊仙人「あの獣勇者め、想像以上に強化されておった。ちと効いたわい……魔王じゃからと油断したか」

破壊仙人「まぁよい。ウサギはレベルエクスプロージョンで、知性のない兎に戻りよった。わしの傷も、散らばった松阪牛の肉片を集めて食せば元通りじゃ」

魔王は姫を攫った後、破壊仙人と名を変え、弟子を取り、ひっそり高山で暮らしていた。彼こそが1000年前に先代魔王を玉座から追放した、近衛隊長その人だったのだ。

松「」

破壊仙人「ウムッ、うまい。ちょっと焦げているが、焼肉と思えば大差無い。やはり松阪牛の肉は最高じゃの〜」

破壊仙人「のう? >>154
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 13:18:12.75 ID:L1IJL95EO
155 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 13:32:59.24 ID:iQKTjuYY0
破壊仙人「のう? 姫よ」

隣を向くと、両眼を涙で潤ませた姫がじっとこちらを睨みつけていた。彼女は1000年前に魔族製造機として何千回も強姦された末、神戸牛の餌という悲惨な末路を迎えている。

姫「魔王……私はあなたを赦さない!」

破壊仙人「魂だけなら何とでも言える。実体が無いからのう。その代わり、お主はわしに指一本触れることはできん」

姫「1000年間、あなたを倒す勇敢な戦士が現れるのを待っていました。しかし、あなたに挑んだ勇者はみな……」

破壊仙人「わしの元まで辿り着けず、途中で死んでいった。今までも、そしてこれからも、わしと闘う勇者など現れない!」

姫「いえ、いるのです。私の願いが弥勒菩薩様に通じたようで、彼は寄越してくれました。魔王を討つ剣を!」

破壊仙人「まさかそれは、わしの弟子ー」

最強究極アルティメットデストロイ「まさか師匠が俺の越えるべき壁だとは思いませんでした。最強究極アルティメットデストロイ、いざー」ザッ

姫「ではなく!」

最強究極アルティメットデストロイ「ではなく!?」

姫「世界意思! あなたこそ弥勒菩薩が私に授けた最後の砦! その神威を以て、魔王を常闇に封じ込めてください!」

カオス「>>156

156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 13:41:14.12 ID:wzdYdv1Co
いや魔王だけとか無理言わないでよ
世界全体丸ごとなら常闇に封じれるけど
157 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 13:51:18.01 ID:iQKTjuYY0
カオス「魔王だけだと? 無茶を言うでない。世界全体丸ごとならば、常闇に封じることはできるが」

姫「では……」

姫「世界まるごと……!」

最強究極アルティメットデストロイ「姫様、変なことはよすんだ。もし世界を常闇に封じたら、師匠……いや魔王だけでなく俺達も滅ぶんだぞ」

破壊仙人「そうそう! 若さ故の過ちじゃな。考え直してはどうかの? 世界まるごとはやり過ぎじゃて」

姫「私は元より滅んだも同然……世界がどうなろうと知ったこっちゃあない。魔王、あなたが消え去るのなら!」

姫「世界意思、やってください!」

カオス「了解した」

最強究極アルティメットデストロイ「や、やめろーッ!!」

破壊仙人「な、南無三ッ……!」

グニャア

この日、世界は滅んだ。

158 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 14:01:53.97 ID:iQKTjuYY0
〜世界滅亡後・二巡目の地球〜

いざ酒を飲もう >>158
>>159の輝きに 我が魂の輝きに
主の威光に 乾杯をしよう
その昔>>160は言った
>>161」と
攫われた麗しの姫は囁いた
>>162」と
薔薇園の中央で蒼ざめた月を仰ぎ
今こそ歌わん >>163の詩

ポロン……

吟遊詩人「いかがですか?」

教皇「学者共の唱える前世論は信じられんが、トゥルバドゥールよ、貴様の歌う>>163の詩は面白い」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 14:02:35.70 ID:iQKTjuYY0
>>160からお願いします
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 14:03:41.96 ID:iU8bXI8Fo
雷様
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 14:21:34.35 ID:3XOd7WrMO
滅びゆく世界
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 14:25:44.69 ID:xTBtPuzcO
ぷにぷに君
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 15:01:26.35 ID:kAxYkp3mO
俺の金返せ
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 15:14:40.16 ID:cQaRFHaG0
誰だお前
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 15:43:24.14 ID:FUXrJzg30
皇子の書き殴った厨二ノート
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 16:40:01.57 ID:gwnsaYLh0
ひどすぎわろた
167 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 16:44:06.53 ID:/klkWS9/O
〜その日の夕方・城下町〜

吟遊詩人「では、奏でます……」

いざ酒を飲もう 雷様よ
滅びゆく世界の輝きに 我が魂の輝きに
主の威光に 乾杯をしよう
その昔ぷにぷに君は言った
「俺の金返せ」と
攫われた麗しの姫は囁いた
「誰だお前」と
薔薇園の中央で蒼ざめた月を仰ぎ
今こそ歌わん 皇子の書き殴った厨二ノートの詩

町娘達「「「キャ〜! 良い声ね、惚れちゃうわ〜!!」」」

じじい「ハープを奏でる指さばきが、常人の域を超えておるな。素晴らしい詩を聞かせてもらったよ」

チャリンチャリン!

四方から一斉に金貨が投げ込まれる。
どういうわけかトマトも投げられたが、吟遊詩人は優れた動体視力と柔らかい身体で回避した。

吟遊詩人「皆様、ありがとうございます。トゥルバドゥールの演奏会はこれにてお開き。次回の演目は未定でございます」

牛みたいな町娘「えー! 楽しみにしてたのにー! でも楽しませてもらったから、御礼にミルクとパンをあげるわ」

吟遊詩人(泥だらけの手でパンを差し出さないでくれよ、汚ったないなぁ)

吟遊詩人「ありがとうございます。神が貴女に恵みの吐息を吹きかけてくださいますように」

牛みたいな町娘「あらやだ……///」

吟遊詩人「さてと、今宵はどこで泊まろうか。そうだ、無料で泊まれる修道院が町の外れにあったな……。そこへ行こう」
168 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 17:08:58.90 ID:/klkWS9/O
〜町の外れの修道院〜

吟遊詩人「夜分遅くにすみません。昼間は吟遊詩人として詩を歌い、食いつないでいる者です。宿屋に泊まる金がなく、難儀しております。一泊だけで良いですから、部屋を貸していただけないでしょうか」コンコン

ギイィ……

修道女「……」ジー

虫食いだらけの扉を開けたのは、背の低いシスターだった。
歳は17、8ほど。首に提げた銀のロザリオが月の光にキラリと輝く。吟遊詩人は、自分が未知の幻想世界に巻き込まれてしまったのではないかと錯覚を起こしかけた。

修道女「食事代は別ですよ。入ってください。ただし、足音は立てないように。眠っているのです」

吟遊詩人「眠るって、何が?」

修道女「>>169です」
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 17:42:35.81 ID:LaR/nYJxO
ぷにぷに君
170 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 17:50:28.41 ID:/klkWS9/O
修道女「ぷにぷに君が眠っているのです。ぷにぷに」

吟遊詩人「ぷにぷに君だってェ!?」

修道女「しっ! 静かに」

吟遊詩人「ああ、すみません。実は僕、ぷにぷに君を歌に登場させておりまして。まさか実在するとは……」

修道女「抜き足差し足で歩きなさい。ぷにぷに君は温厚な魔族ですが、その反面巨大な闇を心の内に抱えています。ぷにぷに」

吟遊詩人「や、闇ですか……」

修道女「ぷにぷに君を怒らせてみなさい。あなただけでなく、この城下町に住む全ての人間が惨殺されます。首をもがれて城門に晒され、カラスに眼球をつつかれる所となります。ぷにぷに」

吟遊詩人「すみません、ぷにぷに氏はどんな外見をしているのですか? もしかしたら、ぷにぷにと分からず足で踏んでしまうかもしれないのです」

修道女「>>171

171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 17:54:45.53 ID:eGom1O87O
5000兆カラットのダイヤモンドで構成されたカチンコチンとしかいいようのない肉体。マッハ50で移動する。雌で男が好き
172 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 18:02:31.37 ID:/klkWS9/O
修道女「多分見分けやすいと思います。ぷにぷに君は5000兆カラットのダイヤモンドで構成されたカチンコチンとしかいいようのない肉体を持っています」

吟遊詩人「硬すぎます、どこがぷにぷになんですか!」

修道女「それからマッハ50で左右に寝返りを打っているので、まぁ修道院に入って気がつかない人はいないでしょう」

吟遊詩人「えぇ……もはや跳弾みたいなモンでしょそれ……」

修道女「あと、ぷにぷに『君』とか名乗ってますがアレは雌です。夜な夜な男性冒険者の部屋に侵入しては、ターゲットの背骨を粉砕して巣に帰っていきます」

吟遊詩人「なんだか、突っ込むの疲れました」

修道女「とにかく私から伝えられることは、何があっても『パニくるな』以上。院内でのフラッシュ付き撮影は禁止となっております。そこもご了承ください」

吟遊詩人「分かりましたよ……気が重いなぁ……」
173 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 19:40:45.91 ID:/klkWS9/O
扉の中に入ると、真っ先に広い噴水庭園が目に飛び込んできた。ヒースやチューリップなど様々な花が咲き乱れ、色とりどりの蝶が舞う。この世の楽園を集めて煮込んだような、幸せの凝縮された空間であった。

吟遊詩人「へぇ〜、なかなか広くて小綺麗なんですね。外観は蔦だらけできったねぇのに」

修道女「それ以上言ったら追い出しますからね」ジトー

吟遊詩人「すみません、つい本音が口から出てしまいました」

修道女「しかし妙ですね。ぷにぷにの気配が感じられません」

吟遊詩人「気配?」

修道女「いつもは、この庭で寝返りを打っているのです。今日はどうしたのでしょう……なんだか気味が悪い」

吟遊詩人「どうしたっても……」グギュルル

修道女「むむ」

吟遊詩人「シスター、どうか僕に食べる物と飲む物を与えてください。昼から何も食べずにハープを弾き続けて来ました」

修道女「部屋の案内を先にしようと思ったんですがね……。仕方ありません、食堂へどうぞ」

食堂で出された料理>>174
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 19:43:54.20 ID:wzdYdv1Co
修道女お手製のパンとスープ(どちらも暗黒物質化してる)
175 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 20:03:20.95 ID:/klkWS9/O
食堂には長椅子が三つ並んでおり、食事をしている人は誰もいなかった。天井のステンドグラスが月光を浴びて、淡い七色の輝きを帯びる。古い修道院にしては、素敵な演出だ。

修道女「先にお金を頂きます。金貨3枚です」

吟遊詩人「あの〜、銀貨ではダメ?」

修道女「ダメです。昔から、食事代は一律金貨3枚と規則で決まっていますので。ま、金貨3枚に相応する働きを見せれば、話は別ですが」

吟遊詩人「なら、僕の詩を聞いてください。皇子の書き殴った厨二ノートの詩ってタイトルです」ポロン……

いざ酒を飲もう 雷様よ
滅びゆく世界の輝きに 我が魂の輝きに
主の威光に 乾杯をしよう
その昔ぷにぷに君は言った
「俺の金返せ」と
攫われた麗しの姫は囁いた
「誰だお前」と
薔薇園の中央で蒼ざめた月を仰ぎ
今こそ歌わん 皇子の書き殴った厨二ノートの詩

吟遊詩人「……どう?」

修道女「及第点といったところですね」フウ

修道女は溜息をつき、厨房へ消えた。
しばらくして、吟遊詩人の前には焦げて黒くなったパンと暗黒物質と化したスープが置かれた。

修道女「私のお手製です。ゆっくり味わいなさい」


176 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 20:43:53.07 ID:/klkWS9/O
吟遊詩人(うう、マズいなぁ。ヘドロを寒天で固めたような味と食感だ。人はこんなにマズいスープを作れるのか……)

修道女「どうですか、お味は」

吟遊詩人「お、おいしい……」

修道女「ふふッ、それは良かった。私、料理が苦手ですから。この間もシチューに乾燥剤入れて、こっぴどく叱られたんです」

吟遊詩人(吐きたい……)

ぷにぷに君「フゥオオオオオオッ!!!」

修道女・吟遊詩人「!?」

吟遊詩人「今、庭の方から奇声が……」

修道女「隠れて下さいッ!」

修道女は吟遊詩人を連れて、奥の部屋に逃げ込んだ。奥の部屋には、土嚢が山のように積んであった。その裏に二人は隠れ込む。

ぷにぷに君「オス……オスの匂いだわ……。オスの匂いがしゅるにょおおおお!!! 全身の骨を砕いてぷにぷにさせたいわぁ……」

ぷにぷに「フゥオオオオオオッ!!!」

修道女「食堂に入ってきましたね」

吟遊詩人「マズいですよ、匂いを辿られたら確実に僕達は捕まってしまう! そうだ、土嚢を破って土を塗りたくりましょう」
177 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 22:52:10.32 ID:iQKTjuYY0
修道女「いいえ、そんなことをしても無駄です」フルフル

ぷにぷに君の嗅覚は犬の数倍鋭く、土の匂いと男の匂いを嗅ぎ分けてしまうのだという。

吟遊詩人「そんな……それじゃ、どうやっても待つのは死あるのみではないですか」

ぷにぷに君「早く出てきなさいよォ〜! 土嚢の裏に隠れてるのは分かってんのよォ〜!」ズカズカバキャズズゥン

吟遊詩人(おそらくマッハ50で地団太を踏んでいるんだろう。衝撃波で周りの机が吹っ飛んでる音が聞こえる)

修道女「詩人さん、私に提案があります」

吟遊詩人「提案とは?」

修道女「>>178


178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 22:55:42.17 ID:DU52tGO0o
女になっちゃえばいいんです
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/24(月) 23:08:44.32 ID:iQKTjuYY0
修道女「女になっちゃえばいいんです」

吟遊詩人「……は?」

修道女「たしか厨房に肉切り包丁があったんですよね。アレで詩人さんのアレをちょん切ってしまえばよろしいかと」

吟遊詩人「……」ゾッ

修道女「ってのは嘘で」

吟遊詩人「……」ホッ

修道女「ちょっと、なに黙ってるんですか。ここは笑いどころでしょ。シスタージョークですよ、シスタージョーク」

吟遊詩人「で、本当はどうすればいいの」

修道女「どうするも何も、言ったじゃありませんか。女になっちゃえばいいと。つまり、女装するんですよ」

修道女は服を脱いで下着だけの状態になると、まだ暖かい修道服を吟遊詩人に手渡した。

吟遊詩人「シスターともあろう人が、人前でなんと破廉恥な格好を!!!」アタフタ

修道女「私はぷにぷに君を引き付けます。あなたはその隙に逃げてください。詩人さん、服を」

吟遊詩人「て、抵抗はありますが……」ヌギッ

小刀を取り出し、自身の髪を切り落とすシスター。

修道女「苦肉の策ですが、これで行く他ありません」

吟遊詩人「修道女さんは……どうして僕なんかのためにそこまでしてくれるのですか?」

修道女「大切なお客様だからです。たとえあなたでなくても、私は同じ行動をしたでしょう」


180 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 23:29:01.30 ID:iQKTjuYY0
修道女「お互い、命があれば城の前で再会しましょう」

吟遊詩人「はいッ!」

修道女「最後に、ひとつだけ。ありがとうございます」

吟遊詩人「ん?」

修道女「私の料理を褒めてくださったのは詩人さんが初めてだったので」フフッ

吟遊詩人「はぁ……」

修道女と吟遊詩人は、いっせーのーせで同時に土嚢の部屋を飛び出した。
吟遊詩人に扮した修道女を見つけ、ぷにぷに君が目を爛々と煌めかせる。
男女を見分けられない辺り、ぷにぷに君の頭はそれほど良くないようだ。

ぷにぷに君「ウガアアア!!! ミツケタ!! ミツケタ!!! オス、ミツケタ!!!」

吟遊詩人「シスター、危ない!」

修道女「駆け続けて、止まらないで! 今のシスターはあなたなのですよ!」

吟遊詩人「は、はひッ!!!」ダダダ

吟遊詩人は脇目も振らず駆け続けた。
後ろでステンドグラスの割れる派手な音が響いても、決して振り返ることなく無我夢中で走り続けた。
途中、長いスカートを踏んづけて転んでしまったが、死の恐怖の前には擦り傷の痛みなど大したことではない。
そして気が付いた時、彼は修道院の外にいた。
 
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 23:38:33.05 ID:cJ9weWx60
ぷにぷになのにカチカチで君なのに♀なのか…
182 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 23:42:44.59 ID:iQKTjuYY0
〜宿屋〜

吟遊詩人「あのシスターは死んでしまったのか……」

宿屋の一室、全裸の青年が悶々と窓の外を眺めていた。
あの後、朝陽が昇るまで城の前で待ってみたが、シスターが姿を見せることは無かった。
ぷにぷに君に背骨を打ち砕かれて死んでしまったのか。

吟遊詩人「僕のせいだ……。僕が泊まりに訪れたから、彼女は死んでしまったんだ」グス

自分を責めても、状況が変わらないのは分かっている。
ぷにぷに君を討っても、修道女が戻らないのは分かっている。
なら、自分にできることとは。

吟遊詩人「詩を作ることだ。この悲しみと喪失感を詩にするんだ」

こうして修道女を悼む詩が完成した。

吟遊詩人「奏でるか……」ポロン

おお聖女よ 私を赦し給え
>>182できなかった私を赦し給え
別れ際に見た貴女の微笑みを
私は生涯忘れぬだろう
嗚呼 >>183
嗚呼 >>184
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 23:43:41.33 ID:XMWrWA+LO
逆上がり
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 23:44:16.28 ID:XoiJYjd+O
甦れ
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 23:45:27.18 ID:cI4zs622O
我が命を贄として
186 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/24(月) 23:55:30.61 ID:iQKTjuYY0
おお聖女よ 私を赦し給え
逆上がりできなかった私を赦し給え
別れ際に見た貴女の微笑みを
私は生涯忘れぬだろう
嗚呼 甦れ
嗚呼 我が命を贄として

吟遊詩人「ふう……」

演奏を終えた彼は腰蓑をつけ、階下の酒場に行った。
深夜にもかかわらず、冒険者達がワラワラと談笑している。
吟遊詩人はカウンター席につき、ホットミルクを一杯注文した。

バーテンダー「お客さん、顔色が優れませんね。隈も濃い。ははぁ、恋煩いによる寝不足ですな?」

吟遊詩人「知人が魔族に殺されましてね。とても眠る気にはなれなかったんですよ」

バーテンダー「仲間の死は冒険者の間では日常茶飯事ですぞ。何なら、ここで新しい仲間を見つけては如何?」

吟遊詩人「そんな簡単に見つかりますかねぇ……。詩に造詣があって、強くて、僕の指示に何でも従う仲間なんて……」

バーテンダー「たとえば>>187はどうです」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 23:57:38.51 ID:DU52tGO0o
ぷにぷに君
188 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/25(火) 00:13:16.70 ID:ov80MeZU0
バーテンダー「ぷにぷに君とかはどうです」

吟遊詩人「はぁ?」チラッ

バーテンダーが指差した方向を見ると、全身を滑らかなダイヤモンドで覆った枝豆が椅子に座ってコーヒーを飲んでいた。

吟遊詩人「うわあッ!」ガタッ

バーテンダー「お、お客さん!?」

自室まで戻り修道女の服に着替え、再度酒場に出直す。
やはり5000兆カラット枝豆は、コーヒーとケーキを楽しんでいるままだった。
そっと目の前に座り、ニコニコと笑顔を作ってぷにぷに君の食事風景を眺める。

ぷにぷに君「そこのアンタ、笑顔が強張ってるわよ。アタシに何か文句でもあるの?」

吟遊詩人「いえいえ、ケーキおいしそうだな〜。なんて思いまして」

ぷにぷに君「アタシのケーキが目当てってワケ? 珍しいわね……ここに来る冒険者のほとんどが、アタシをスカウトに来た連中だってのに」

吟遊詩人「>>189



189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/25(火) 00:18:11.48 ID:7UEEFAqH0
(微妙にダイヤの色が違う…別個体かっ!?)
190 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/25(火) 08:52:19.84 ID:afgahdRoO
吟遊詩人(微妙にダイヤの色が違う…別個体かっ!?)

ぷにぷに君「アタシの身体を見ても、何も出やしないわよ」

吟遊詩人(イチがバチか、修道院でのことを話してみる?)

ぷにぷに君「そう言えば、あっちの方にある修道院で騒ぎがあったらしいわね。アタシ居合わせてないから知らないけど」

吟遊詩人「嘘をつけ、あなた本人がシスターを殺したんじゃないか! しらばっくれるんじゃない! 僕は知ってるぞ!」バッ

ぷにぷに君「あらあら」

吟遊詩人「しまった……」

感情に突き動かされ、自ら男であることを明かしてしまった。
さあ、ぷにぷに君よ。目の前に座る人が男だと知り、どんな反応を見せる。これは賭けであった。

吟遊詩人(酒場には男の冒険者もいたのに、別個体と思しきぷにぷに君は優雅にコーヒーを啜っていた)

ぷにぷに君「アンタ、殿方だったの? 変な趣味してるわねぇ」

吟遊詩人「襲ったり……しないの?」

ぷにぷに君「どうしてアタシがアンタを襲わなきゃならないのよ。理由がないでしょ。バカなこと言わないで」

吟遊詩人「すみません、疑ってしまって。実は僕、修道院から逃げてきた吟遊詩人でして。あなたに酷似した化け物が暴れているのを、この目で見てきたのです」

ぷにぷに君「はぁ? その話、もっとよく聞かせなさいよ」

吟遊詩人は一部始終をダイヤモンド枝豆に話した。

191 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/25(火) 09:55:47.28 ID:afgahdRoO
ぷにぷに君「それ、アタシじゃないわね」

吟遊詩人「失礼しました。では、姉とか妹とか別個体的な存在なのでしょうか?」

ぷにぷに君「アタシには姉も妹もいないわよ。ぷにぷには孤高の狩人なの。他のカスみたいな魔族とは違ってね」

ぷにぷに君「けど、ちょっと気になるわね。アンタ、手がかりみたいなのは少しも持ってないの?」

吟遊詩人「僕が作った『皇子の書き殴った厨二ノートの詩』にぷにぷに君の名があります。あの詩はそもそも、皇子の黒歴史ノートから良さげなフレーズを選んで書いた物なので……」

ぷにぷに君「皇子に会えば、物語が進むってことね。その皇子はどこにいるのよ」

吟遊詩人「>>192です」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/25(火) 10:03:39.79 ID:Aj+mlfwA0
封印された異界
193 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/25(火) 12:49:32.73 ID:cWBFc7NSO
吟遊詩人「封印された異界……ちょっと意味がよく分かりませんね。この世は一つではないのですか?」

ぷにぷに君「もっと沢山あるわよ。宇宙がビックバンを起こした時、次元の塊が多層に分かれたの。つまり、アタシ達が住む以外にも無数の世界が存在するってワケ」

吟遊詩人「なるほど分からん」

ぷにぷに君「因みに昨日、またどこかの世界が自滅したわよ。確か……そうね、破壊仙人という魔王を倒すために、姫様が世界を滅ぼせと神に命じたのよね」

吟遊詩人「話が難しくて、僕にはよく理解できません」

ぷにぷに君「そうよね。いきなり理解しろっても無理よね。だからアンタを封印された異界に飛ばすことにしたわ」

吟遊詩人「ちょ、それはどういう……」

ぷにぷに君「アルティメットハードモード・駆け出しの街で皇子に会ってきなさい。アンタの進むべき道はそこで示される」

吟遊詩人「渦が……うわあああッ」

吟遊詩人は渦に吸い込まれて、アルティメットハードモードワールドへと落ちていったのであった。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/25(火) 12:50:14.95 ID:jidawQ8n0
ああ




















































































ああ
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/25(火) 12:54:18.42 ID:jidawQ8n0
ああ




















































































ああ
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/25(火) 12:54:59.29 ID:jidawQ8n0
ああ




















































































ああ
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/25(火) 12:56:04.20 ID:jidawQ8n0
ああ




















































































ああ
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/25(火) 13:13:50.65 ID:jidawQ8n0
最近、思うんだけどさ。
HACHIMANとかいうタグ付ける奴うざくね?
八幡tueee!が嫌いとか言ってる奴、多すぎ。
「キリトの活躍奪うんじゃねえ!」
「ハチアスとかやめて!」
「上条さんの役割奪うなよ!」
「デレマスのヒロインNTRさせんな!」
これ、マジでキモいからね。
いやさ、お前らの気持ちも分かるよ?
何でも出来て、最強の八幡に嫉妬してるんだよね。お前らは葉山みたいな性格だもんね。
でも、落ち着いて考えてみろよ。
お前らが何と言おうと八幡が最強なのは誰の眼に見ても明らかんだから仕方ないじゃん。
ヒロインを奪われる〜とかさ、クソみたいなキリト、上条辺りに救われるよりも八幡に救われる方が幸せに決まってるよね。
まずは誰よりも八幡が強い事実から目をそらすなよ。それは誰の目にも明らかだろ?
それを劣っている立場の奴等が「俺達の役割を奪うなよ」っていうのは成り立たないでしょ。
いやね、作品を汚すなってのは分かるよ?
例えばキリトが総武高校に転校してきてヒロインNTRしたなら、俺もキレて潰しにかかるわww
でもさ、八幡なんだから仕方ないじゃん。
もうワガママ言うのやめろよな。
八幡が主人公なら皆が救われるんだって。
キリトも上条も士道も必要ないからね?
あんなん好きな奴等はガイジだからね?
もうさ、他作品をsageするなとかいうガイジの話なんか聞くのも飽々してるんだわ。
あのね、sageしてるんじゃないの。
八幡が最強だから、周りが雑魚に見えてしまうのは仕方ない事なんだよ。
八幡が最強なのが気持ち悪いとか言うけど、実際にその世界に八幡がいれば最強なのは間違いないんだから当たり前だよね。
ゴミみたいな作品なんて八幡に蹂躙されて然るべきなんだよ。それによって俺達の目に触れる機会も増えるんだから感謝しろよ。
以上、クソアンチ共を完全論破。全員、速やかに砕け散れよ。
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/25(火) 13:15:37.78 ID:jidawQ8n0
最近、思うんだけどさ。
HACHIMANとかいうタグ付ける奴うざくね?
八幡tueee!が嫌いとか言ってる奴、多すぎ。
「キリトの活躍奪うんじゃねえ!」
「ハチアスとかやめて!」
「上条さんの役割奪うなよ!」
「デレマスのヒロインNTRさせんな!」
これ、マジでキモいからね。
いやさ、お前らの気持ちも分かるよ?
何でも出来て、最強の八幡に嫉妬してるんだよね。お前らは葉山みたいな性格だもんね。
でも、落ち着いて考えてみろよ。
お前らが何と言おうと八幡が最強なのは誰の眼に見ても明らかんだから仕方ないじゃん。
ヒロインを奪われる〜とかさ、クソみたいなキリト、上条辺りに救われるよりも八幡に救われる方が幸せに決まってるよね。
まずは誰よりも八幡が強い事実から目をそらすなよ。それは誰の目にも明らかだろ?
それを劣っている立場の奴等が「俺達の役割を奪うなよ」っていうのは成り立たないでしょ。
いやね、作品を汚すなってのは分かるよ?
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でもさ、八幡なんだから仕方ないじゃん。
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あんなん好きな奴等はガイジだからね?
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ゴミみたいな作品なんて八幡に蹂躙されて然るべきなんだよ。それによって俺達の目に触れる機会も増えるんだから感謝しろよ。
以上、クソアンチ共を完全論破。全員、速やかに砕け散れよ。
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/25(火) 13:25:33.05 ID:jidawQ8n0
最近、思うんだけどさ。
HACHIMANとかいうタグ付ける奴うざくね?
八幡tueee!が嫌いとか言ってる奴、多すぎ。
「キリトの活躍奪うんじゃねえ!」
「ハチアスとかやめて!」
「上条さんの役割奪うなよ!」
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これ、マジでキモいからね。
いやさ、お前らの気持ちも分かるよ?
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でも、落ち着いて考えてみろよ。
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ヒロインを奪われる〜とかさ、クソみたいなキリト、上条辺りに救われるよりも八幡に救われる方が幸せに決まってるよね。
まずは誰よりも八幡が強い事実から目をそらすなよ。それは誰の目にも明らかだろ?
それを劣っている立場の奴等が「俺達の役割を奪うなよ」っていうのは成り立たないでしょ。
いやね、作品を汚すなってのは分かるよ?
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でもさ、八幡なんだから仕方ないじゃん。
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八幡が主人公なら皆が救われるんだって。
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もうさ、他作品をsageするなとかいうガイジの話なんか聞くのも飽々してるんだわ。
あのね、sageしてるんじゃないの。
八幡が最強だから、周りが雑魚に見えてしまうのは仕方ない事なんだよ。
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以上、クソアンチ共を完全論破。全員、速やかに砕け散れよ。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/25(火) 13:34:00.95 ID:jidawQ8n0
最近、思うんだけどさ。
HACHIMANとかいうタグ付ける奴うざくね?
八幡tueee!が嫌いとか言ってる奴、多すぎ。
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「デレマスのヒロインNTRさせんな!」
これ、マジでキモいからね。
いやさ、お前らの気持ちも分かるよ?
何でも出来て、最強の八幡に嫉妬してるんだよね。お前らは葉山みたいな性格だもんね。
でも、落ち着いて考えてみろよ。
お前らが何と言おうと八幡が最強なのは誰の眼に見ても明らかんだから仕方ないじゃん。
ヒロインを奪われる〜とかさ、クソみたいなキリト、上条辺りに救われるよりも八幡に救われる方が幸せに決まってるよね。
まずは誰よりも八幡が強い事実から目をそらすなよ。それは誰の目にも明らかだろ?
それを劣っている立場の奴等が「俺達の役割を奪うなよ」っていうのは成り立たないでしょ。
いやね、作品を汚すなってのは分かるよ?
例えばキリトが総武高校に転校してきてヒロインNTRしたなら、俺もキレて潰しにかかるわww
でもさ、八幡なんだから仕方ないじゃん。
もうワガママ言うのやめろよな。
八幡が主人公なら皆が救われるんだって。
キリトも上条も士道も必要ないからね?
あんなん好きな奴等はガイジだからね?
もうさ、他作品をsageするなとかいうガイジの話なんか聞くのも飽々してるんだわ。
あのね、sageしてるんじゃないの。
八幡が最強だから、周りが雑魚に見えてしまうのは仕方ない事なんだよ。
八幡が最強なのが気持ち悪いとか言うけど、実際にその世界に八幡がいれば最強なのは間違いないんだから当たり前だよね。
ゴミみたいな作品なんて八幡に蹂躙されて然るべきなんだよ。それによって俺達の目に触れる機会も増えるんだから感謝しろよ。
以上、クソアンチ共を完全論破。全員、速やかに砕け散れよ。
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/25(火) 13:37:30.65 ID:jidawQ8n0
最近、思うんだけどさ。
HACHIMANとかいうタグ付ける奴うざくね?
八幡tueee!が嫌いとか言ってる奴、多すぎ。
「キリトの活躍奪うんじゃねえ!」
「ハチアスとかやめて!」
「上条さんの役割奪うなよ!」
「デレマスのヒロインNTRさせんな!」
これ、マジでキモいからね。
いやさ、お前らの気持ちも分かるよ?
何でも出来て、最強の八幡に嫉妬してるんだよね。お前らは葉山みたいな性格だもんね。
でも、落ち着いて考えてみろよ。
お前らが何と言おうと八幡が最強なのは誰の眼に見ても明らかんだから仕方ないじゃん。
ヒロインを奪われる〜とかさ、クソみたいなキリト、上条辺りに救われるよりも八幡に救われる方が幸せに決まってるよね。
まずは誰よりも八幡が強い事実から目をそらすなよ。それは誰の目にも明らかだろ?
それを劣っている立場の奴等が「俺達の役割を奪うなよ」っていうのは成り立たないでしょ。
いやね、作品を汚すなってのは分かるよ?
例えばキリトが総武高校に転校してきてヒロインNTRしたなら、俺もキレて潰しにかかるわww
でもさ、八幡なんだから仕方ないじゃん。
もうワガママ言うのやめろよな。
八幡が主人公なら皆が救われるんだって。
キリトも上条も士道も必要ないからね?
あんなん好きな奴等はガイジだからね?
もうさ、他作品をsageするなとかいうガイジの話なんか聞くのも飽々してるんだわ。
あのね、sageしてるんじゃないの。
八幡が最強だから、周りが雑魚に見えてしまうのは仕方ない事なんだよ。
八幡が最強なのが気持ち悪いとか言うけど、実際にその世界に八幡がいれば最強なのは間違いないんだから当たり前だよね。
ゴミみたいな作品なんて八幡に蹂躙されて然るべきなんだよ。それによって俺達の目に触れる機会も増えるんだから感謝しろよ。
以上、クソアンチ共を完全論破。全員、速やかに砕け散れよ。
203 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/25(火) 16:40:03.28 ID:cWBFc7NSO
〜アルティメットハードモード・駆け出しの街〜

吟遊詩人「どこだここは……地面がない。フワフワ浮いているような感覚だ。陽の光は無いし、かといって月があるわけでもない。昼と夜を失った無の世界だ……」

弥勒菩薩「やあ、君とは初めましてかな。しかし不思議だね。奇妙な縁があるように思えるのだよ」

吟遊詩人「奇妙な縁? あなたは誰です?」

弥勒菩薩「君、私が次元を超えて落とした厨二ノートを拾ったろう。崩壊した世界からずっと見守っていたよ」

吟遊詩人「まさか、あなたが皇子なのですか!?」

弥勒菩薩「人は私を皇子とも呼ぶし未来魔王とも呼ぶし、ある時は弥勒菩薩。つまりMaitreyaと呼ぶこともある」

吟遊詩人「弥勒菩薩……ですって……?」

弥勒菩薩「そうだ」
204 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/25(火) 16:59:54.37 ID:cWBFc7NSO
吟遊詩人「何故、アルティメットハードモードワールドは崩壊してしまったのですか?」

弥勒菩薩「対となる世界がヤハウェによって終末を迎えたからだ。喇叭は喨々と吹き鳴らされ、地中に埋められた死者は一斉に顔を出し、太陽が崩れ、空の青みが消え失せ、泥粘土みたいにグチャグチャにされてしまったのだよ」

吟遊詩人「ここに来れば僕の歩むべき道が示されると、知人から聞きました。僕はどうすればいいのですか?」

弥勒菩薩「違う次元の世界にあまり干渉することはできないが……これだけは言える。君は勇者だ。勇者となって魔王を討ち、姫を取り戻し、大円団を迎えるのだ」

吟遊詩人「僕が勇者? いまいち理解が追いつきませんね」

弥勒菩薩「初代勇者、トンヌラ、最強究極アルティメットデストロイ。いずれも勇者としての使命を果たすことはできなかった。だが、吟遊詩人。そろそろ終わらせてもいいのでないか」

吟遊詩人「終わらせる? 何を!?」

弥勒菩薩「お膳立ては整えた。あとは君が安価という暴風に如何に耐え、ハッピーエンドという対岸へ辿り着けるか。それだけだ。ゆけ、勇者よ! 魔王を討ち倒すのだ!」

吟遊詩人「ぬわーッ!」

吟遊詩人は泡となって、アルティメットハードモードワールドから消滅した。勇者としての使命を与えられて。
205 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/25(火) 17:12:53.14 ID:cWBFc7NSO
〜酒場〜

吟遊詩人「ハッ」

ぷにぷに君「どう、何か掴めたかしら?」

吟遊詩人「はい……掴めました。僕は向こうの世界で、弥勒菩薩に会ってきたのです」

ぷにぷに君「うんうん、それで?」

吟遊詩人「僕に今必要なのは、頼れる仲間です。あと二人、仲間を集めてきます」

仲間
>>206
>>207
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/25(火) 17:50:58.28 ID:3saKEIfIO
そこのおまえ
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/25(火) 17:54:28.34 ID:GY/9RET5O
ベートーベン
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/25(火) 17:54:47.67 ID:0tnY23imO
修道女Lv15000000
209 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/25(火) 18:12:59.60 ID:cWBFc7NSO
修道女の格好をした吟遊詩人は、カウンターの前に立った。

吟遊詩人「今から魔王を討伐しに行くので、相応しい仲間を探してください。仲介料ならいくらでも払います」

バーテンダー「ホホーッ、運がいいねぇ修道女さん。ついさっき、東国の剣豪・底野(そこの)家の倅が来ましてね。彼は優しいし、どんな相手にも付き従ってくれると思いますよ」

吟遊詩人「ソコノ家?」

バーテンダー「おい、そこのおまえ!」

バーテンダーに指差された人物が、ビクッと肩を震わせて恐る恐る振り向いた。降り積もった新雪のように白い髪と、薔薇色の瞳。アルビノの少年だ。

バーテンダー「こちらの方がお前を雇いたいんだとよ」

吟遊詩人「よろしいですか?」

底野「せ、拙者! 底野御前(そこの・おまえ)と申します! 刀を振ることしか能の無い人間ですが、何卒よろしくお願い致す! 因みに隣でピアノを弾くフリをしているのは」

ベートーベン「ベートーベン、デース。デデデデェ〜ン。ピアノ、スキデスガ、ヒイタコトハ、アリマセーン」

吟遊詩人「最終決戦がこのメンツですか……」

210 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/26(水) 00:45:32.37 ID:EZItdPr/0
ダイヤモンド製の枝豆、アルビノ侍、ベートーベンを連れて吟遊詩人は謁見の間へと入った。普通なら門番に止められてしまうパーティーだが、吟遊詩人が教皇のお気に入りだということで、なんとか通してもらったのだ。

吟遊詩人「今のご時世、王よりも教皇に権力が集中していますからね。仕える主君を間違えなくて良かった」

ぷにぷに君「わざわざ魔王を倒しに行くだなんて、王様に報告する必要があるのかしら? 面倒臭いわね」

吟遊詩人「大義名分をもらうのです。王の刃として仇なす魔王を討伐せん、とね。領内なら、どこへ行っても無料でメシにありつけますよ」

ぷにぷに君「そう上手くいくかしらね。見てごらん。王様に限らず、王宮全体が静かな殺気に満ちてるよ」

ベートーベン「ピアノ、アリマスカー? 弾イテミタイ曲ガアルノデース。楽譜忘レマシタガ。HAHAHA☆」

底野「どこに眼をやっても宝石だらけ……。何がどうなっているのでござるか、この城は!」

城がピリピリしてる理由>>211

211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/26(水) 00:55:34.92 ID:IQGG+dQmO
緊張してるから
212 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/26(水) 09:00:33.22 ID:bZBqpDlmO
宰相「陛下、奇妙な輩が城内に侵入しておりまするが」

王様「奇妙な輩とは?」

宰相「吟遊詩人にダイヤモンドの枝豆、着流し姿のアルビノ侍に頭髪が乱れた音楽家らしき中年男性です」

王様「ぬうぅ、宰相よ! 朕の代わりに彼奴らの対応をせよ。朕は緊張のあまり肩が脱臼してしまいそうじゃ」

宰相「かくいう私も先程から膝の震えが止まりませんで……」

王様「ええい、たかが民と面接するだけじゃ言うに、何をそこまで恐れる必要があるか。宰相であれば、毅然とせよ」

侍従に連れられ、吟遊詩人以下四名が謁見の間に到着した。
跪き、挨拶の定型句を述べる。

吟遊詩人「陛下、あなた様に神の恵みがありますように」

王様「そう畏まらんでよい、面を上げよ」

吟遊詩人「僕達がここへ参ったのは……」

王様「待て、当ててみせよう。魔王を討伐するので、その後押しをしてほしいといったところじゃな?」

吟遊詩人「お分りなのですか?」

王様「城を訪れる冒険者は皆、口々に魔王討伐のための後援を求める。主に金銭面じゃな。数十年に渡り、朕はそういった勇敢な冒険者に国庫を開いてきた」

王様「しかし、誰一人として魔王を倒し凱旋する者はなかった。実力が足りなかったからだ。そもそも、魔王討伐へ行かずぬくぬく暮らしている輩もいるやもしれん」

吟遊詩人「違います! 僕達は……!」

王様「それゆえ、朕は貴様らを試す。魔王と闘うに値する力と勇気を兼ね備えておるか、見せてもらおう。まずは……そうじゃな>>213
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/26(水) 09:40:46.21 ID:YqAmoCrZ0
このグレイテストダークドラゴンとたたかってもらおう
214 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/26(水) 09:59:34.73 ID:bZBqpDlmO
王様「このグレイテストダークドラゴンと闘ってもらぶッ」ペチコーン

王様が言葉を紡ぐ前に、背後から突進してきた影が鞭のようにしなる尾で王様の背を強く打った。王様は前転する形で吹っ飛ばされ、大理石の円柱に頭をぶつけて動かなくなった。

宰相「王様ァ! ぐえッ!」バシーン

でっぷり太った宰相が鞠のように跳ねていく。
謁見の間での異変に気付いたのか、すぐさま数人の近衛隊が駆けつけた。

近衛隊長「グレイテストダークドラゴンは文字通り、テストをするための試験体だ。主人に牙を剥くなどありえない!」

近衛隊長「おい、しっかりニンジンは与えたのか! 餌を与えられず空腹で機嫌が悪いのではあるまいか!?」

近衛隊員A「ニンジンは毎朝与えております! 今朝も美味しそうにムシャムシャと食んでおりました!」

近衛隊長「くう……どうすればよいのだ」

吟遊詩人の行動>>215
ぷにぷに君の行動>>216
底野御前の行動>>217
ベートーベンの行動>>218

215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/26(水) 10:00:53.07 ID:YqAmoCrZ0
土下座の舞
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/26(水) 10:01:35.54 ID:LFz3E8wJO
ぷにぷに拳で一撃粉砕する
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/26(水) 10:03:06.24 ID:VQWWqCzmO
脇目も振らず逃げる
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/26(水) 10:04:25.52 ID:BGju+NCdO
本性を現しクククッ・・・と笑い始める
219 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/26(水) 17:21:57.52 ID:gqtQRTQ7O
吟遊詩人「僕には重い武器を扱う腕力は無いし、かといって俊敏な動きをできるほど運動神経がいいわけでもない」

吟遊詩人「でも、僕には音楽がある。音楽の力を今こそ見せつける時だ」

彼はハープを嵐のように掻き鳴らし、聞く者全てを圧倒する『ハープソナタ(土下座)』を奏でた。吟遊詩人が指を動かすごとに、音色が衝撃波となって周囲の調度品を震わせる。見る人によっては、まるで静まり返った湖に波紋が広がるような印象を受けるだろう。

吟遊詩人「そこへ味方を鼓舞するためのハープ舞踊『土下座の舞』を加えるッ!」

タン、タタンとリズムを取って足踏みをする。グレイテストダークドラゴンは小柄な体躯によらず動きが緩慢なため、まだリズムを取り続けてもいいはずだ。土下座をする前に踊れば踊るほど、ダンスの効果は倍増する。

吟遊詩人「いかに土下座までの時間を有効的に使うかが問題だ! ま、よくある溜め技みたいなものさ」

グレイテストダークドラゴンの口がヌラァと開く。喉の奥に見える炎の揺らぎ。あちらも火球ブレス、つまり溜め技を使ってくるようだ。

吟遊詩人(そろそろ頃合いかッ)

吟遊詩人はハープを弾く手を止めると、宙へ跳び上がり、くるくる回って土下座を決めた。額を床にしっかりこすりつけ、両手両脚は肩幅に開き、すみませんでしたと絶叫する徹底ぶりである。

ぷにぷに君「これが土下座の舞……なんて恥ずかしい技なの! けど、不思議と全身が滾ってくるわ!」

ベートーベン「ククク……。ハハハハハハハァ!!!! ハーッハッハッハハハハァ!!!!!!!」
220 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/26(水) 19:30:36.81 ID:gqtQRTQ7O
吟遊詩人「ぷにぷに君、底野さん! 奴が火球を放つ前に、攻撃をしかけてください! 底野さん……底野さん?」

底野御前「あんなのに勝てるわけないッ。一時退却せねば全滅は免れないでござるぞッ」シュタタタタ

吟遊詩人「に、逃げているッ! それも全力で!」

ぷにぷに君「チッ使えない侍ね。結局、使えるのは詩人とアタシしかいないってワケ? やんなるわぁー」

グレイテストダークドラゴン「ギュルオオオオ!」

グレイテストダークドラゴンのエリマキがバッと一斉に開かれた。火球を放つ際、グレイテストダークドラゴンは自身への被害を受けないようにエリマキを広げる。瓦礫を避けるために編み出した、生命の神秘と言えよう。

ぷにぷに君「この大トカゲ、覚悟なさいよ。一撃必殺のぷにぷに拳法で片をつけてやるわ」

ぷにぷに君が両拳を突き合わせると、その異常な筋力を証明するかのように火花が激しく散った。ぷにぷに君は筋肉を持たない。けれども、体内に満ち溢れる魔力が筋肉の代わりにぷにぷに君を最強のクラッシャーに仕立て上げているのだ。

ぷにぷに君「アンタの身体、ぷにぷにしてるかい?」

グレイテストダークドラゴン「オオオオオオオオオオオオ!」

ドラゴンの放った火球は床を抉り進み、ぷにぷに君に着弾した。だが悲しいかな、彼女のダイヤモンドボディには傷一つ与えられない。5000兆カラットの硬さは伊達ではない。

ぷにぷに君「甘いんだよハゲッ!」

ぷにぷに君の必殺ブロー!
頭を失ったグレイテストダークドラゴンは地に伏した。

ベートーベン「ククク……。やるねぇ、あの枝豆……」
221 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/26(水) 20:04:49.63 ID:gqtQRTQ7O
近衛隊長(たった四人でグレイテストダークドラゴンを倒すとは。このパーティー、きっと只者ではあるまい)

近衛隊長「ありがとう。君達の応援に感謝する。おかげで陛下を寝室へと運ぶことができた」

近衛隊長は金色に輝く平板状の小物を吟遊詩人に手渡すと、

近衛隊長「王のパイザを与えよう。このパイザがあれば、どの宿屋も無料で君達を泊めてくれる。関所での身分証明も不要だ。魔王討伐、頑張れよ」

吟遊詩人「ありがとうございます! 陛下の許可無しに頂いてしまってよろしいか、不安が残りますが……」

近衛隊長「ところで君達も町で耳に挟んだろうが、姫様が魔王に拉致された。魔王を討伐するなら、姫様の救出も頼みたい」

吟遊詩人「姫様が魔王に拉致されたって? 本当ですか?」

近衛隊長「ウム。陛下は職業体験という名目で、半年前から姫様を修道院へ押し込めていてな。今回、魔王はその修道院をピンポイントで襲撃した」

吟遊詩人(もしや、僕を助けてくれたシスターが……)

近衛隊長「昨夜、修道院でガラスの割れる派手な音があったと聞いてね。駆けつけた時には、どこにも姫の姿はなかったよ」

吟遊詩人「やはり、そうだったのか」

近衛隊長「どうしたのかね? 知っていることがあれば、遠慮なく話してくれ給え」

吟遊詩人「いえ、何でもないです。命に代えても、姫様をお助け致します。僕には心強い味方がおりますし」

ベートーベン「……」
222 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/26(水) 20:20:28.87 ID:gqtQRTQ7O
〜城下町〜

吟遊詩人「よし、ここらで自由行動といこう。各自、出立へ向けて準備を進めておいてくれ」

ぷにぷに君「いきなり自由行動? 頼りない勇者ねぇ」

底野御前「承知致した!」

ベートーベン「ワカリマシター」

誰に密着するか安価下
@吟遊詩人
Aぷにぷに君
B底野御前
Cベートーベン
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/26(水) 20:29:44.68 ID:QV0nad1N0
224 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/27(木) 15:11:31.90 ID:9jSPFaZyO
拙者の名は底野御前(そこの・おまえ)。剣豪で知られた下野守、底野手前(そこの・てめえ)の跡取り息子。順当に行けば、父上の臣下として下野守の位を継ぐはずでござった。
しかし……。

父親「このバカ息子がッ! なぜ人柱の首を斬り落とすことができんのだ!」

底野「申し訳ございません。人柱が治水のために必要なのは百も承知でございます。然れども、拙者は血を見るのが恐ろしく……」

父親「刀を振れば血が流れることぐらい、年端もいかぬ稚児でも分かっておるわ」

父親「よいか、貴様には負担がある。髪が白く瞳の紅い『鬼子』という身体負担じゃ。風習に従えば、貴様は生まれてすぐ捨てられる運命だったのだぞ」

底野「承知しております。厳しい世を生き抜くために、父上が拙者に剣術の稽古をつけて下さったことも」

父親「恩義を感じているな? では人柱の首を斬れ! 川の神は若い娘の新鮮な血肉を欲しておる」

底野「はい!」チャッ

少女「うぐっ……うえぇん……ひっく……」

底野(無理だ……死を覚悟した武士ならまだしも、歳も五つほどしか違わない娘を斬れるはずがない! 拙者には無理でござる!)

拙者は刀を鞘に収めると、少女の手を引いて一目散に父上のもとから逃げ出したのでござる。父上に叱られるのは怖かった。けれども、転がった少女の生首と流れる血を見る方が何倍も恐ろしかったのでござるよ。
225 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/27(木) 16:07:48.30 ID:9jSPFaZyO
拙者と少女はすぐに追いかけてくるであろう追捕人の目を欺くために、誰も近寄りそうも無さそうな葦だらけの橋下に身を潜めたのでござる。

底野「足は痛むでござるか?」

少女「ううん」

底野「何か食べたいものは?」

少女「ううん」

底野「名前は?」

少女「ううん」

底野「ううん、だけじゃ分からないでござるよ? もしかして、名前が無かったり……」

そこで初めて少女は頷いた。農民よりもさらに下層の隷属民には、名を持つ権利すら与えられない。哀れに感じた拙者は今すぐ彼女に相応しい名前を考えた。

少女の名前>>226
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/27(木) 16:16:24.68 ID:Ci5WulhtO
霊長の殺戮者
227 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/27(木) 16:27:42.01 ID:9jSPFaZyO
底野「霊長の殺戮者は如何でござろう!」

少女「……んぇ?」

少女はキョトンとしたまま、拙者を見つめていた。どうやら、言葉を知らないらしい。見た目は6〜8歳ほど。拙者は今年で14になるので、兄妹として通るでござろう。

底野「日も暮れてきた。拙者は町で食べ物を盗んでくる。霊長の殺戮者、しっかり橋下に隠れているのだぞ」

言葉が通じないので、とにかく笑顔を作り敵でないことを示した。どうして地位や名誉を捨ててまで、拙者は霊長の殺戮者を守ったか、自分の心に問うても答えは出ない。きっと、父上という魔王から囚われの姫様を助けた気分になっていたのだろう。いわゆる、自分に酔っていたのでござる。

底野「明日から日本語の特訓を始めないといけないでござる」

盗んだ飯>>228
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/27(木) 16:29:23.81 ID:aFuifEBsO
ぷよぷよクリスタル
229 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/27(木) 16:42:42.71 ID:9jSPFaZyO
拙者は近くにあった平屋建ての民家に忍び込み、主人が眠っているのを確認して壺の中をまさぐった。こういう所には大抵、鮭の糠漬けが入ってたりするモンでござるよ。

底野「な、なんでござるか? これは」

拙者が手にしたのは、ぼんやりと光るぷよぷよした透明の塊だったのでござる。まるで水をそのまま固めたような、金魚鉢のない水槽のような……面妖でござった」

>>230「へへッ、そいつぁぷにぷにクリスタルだね。鎌倉では滅多に手に入らないお宝さ。この世でぷにぷにクリスタルを持っているのは、僕と九郎判官源義経様と平清盛だけだね」

底野「民家に隠しておいたのでござるか?」

>>230「ご明察、痛み入るよ。ぷにぷにクリスタルは貴重な食べ物だからね。夜はクッソ汚い民家に隠しておいて、月が沈んでから回収に赴くのさ」

230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/27(木) 16:43:34.70 ID:9jSPFaZyO
ぷにぷにじゃない
ぷよぷよだった
安価下
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/27(木) 16:44:51.85 ID:BLKanWS7O
ベートーベン(変装)
232 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/27(木) 17:03:55.62 ID:9jSPFaZyO
〜橋下〜

霊長の殺戮者「んにゅー」ピューヒョロロ

ベートーベン(変装)「へ〜、この娘が人柱になりかけたんデースか? 意外と愛くるしい顔つきをしてマースね」

底野「ところどころ語尾がおかしいでござるよ」

ベートーベン(変装)「おっとっと、ソーリーソーリー! 乳酸が溜まると訛りが酷くなるクセがあってね。義経様からも散々からかわれたものさ」

民家で出会った奇妙な男を連れて、とうとう橋下まで来てしまった。霊長の殺戮者は毟った葦で笛を作っていた。逃げ出したりしていなくて、心底安心したでござる。

ベートーベン(変装)「ぷよぷよクリスタルでバーベキューをしよう。おい鬼子、刀は持ってる?」

底野「鬼子と呼ぶのはよせ!」

ベートーベン(変装)「いやだってアルビノやん……。オーケーオーケー、逆鱗にタッチしてしまったみたいデスネー。おっとまた乳酸の具合がHAHAHA☆」

底野「聞きたいことが二つあるでござる」

ベートーベン(変装)「言ってみそ」

底野「まず一つ目、お主の名を伺いたい。次に二つ目、その『ぷよぷよくりすたる』を食せば本当に腹は膨れるのでござるか? 妖に変化してしまうわけではあるまいな?」

ベートーベン(変装)「名前? そんなの米東家の弁太郎と聞いて知らない人はいないでしょ。米東弁太郎(べいとう・べんたろう)だよ。二つ目は……>>233


233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/27(木) 17:09:52.80 ID:+T0avraRO
そこの女子で試してみるとしようか(無理やり食わせる)
234 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/27(木) 17:27:40.59 ID:9jSPFaZyO
ベートーベン(変装)「喰ったらどうなるか? そこの女子で試してみるとしよう。実は僕も食べたことがない」

葦笛を吹いている霊長の殺戮者の首根っこを引っ掴み、弁太郎はぷよぷよクリスタルの欠けらを無理やり嫌がる彼女の口に捩じ込んだのでござる。

霊長の殺戮者「んッ! んんんッ……!」ジタバタ

シュワー

霊長の殺戮者「ふぐ……ふぐううぅ!」ポロポロ

ベートーベン(変装)「ハハッ、失禁したよコイツ! しかも凄い量だ、ずっと我慢してたんじゃないかな!? 興奮するゥ〜!」

底野「黙れ」

その時、拙者は我を忘れて弁太郎に切っ先を向けていたのでござる。婦女子を嬲る者が許せなかった。とりわけ、嬲られているのが霊長の殺戮者とあればなおさらだ。

ベートーベン(変装)「へェー、闘る気? まだ、ぷよぷよクリスタルの効果も見てないんだぜ」

底野「そんなもの関係ない。拙者は貴様を斬る! 婦女子を痛めつけて愉悦に浸るのは悪魔の所業だ!」

霊長の殺戮者「……ちゃん」

ベートーベン(変装)「落ち着けって、僕だって君を首だけにしたくないんだ。頼むよ、刀を鞘に収めてくれよ」

霊長の殺戮者「おにい、ちゃん」

底野「えっ?」
235 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/27(木) 20:28:51.87 ID:iVv/VjeqO
霊長の殺戮者「おにいちゃん、ここで暴れてはだめ」

拙者は驚きのあまり魂が天竺までブッ飛んで行きそうだったでござる。何故かって? 考えてみたら分かるでござろう。言葉を殆ど知らない獣のような少女が、いきなり流暢な日本語を喋りだしたのだから。

底野「お主、話せるようになったのか? それとも、最初から言葉を話せていたのか? 思考が追いつかないでござる」

ベートーベン(変装)「ハッ! ハハハハハハ! こいつぁー、傑作だ! ぷよぷよクリスタルに言語学習能力まであるなんてさぁ……驚きだよねぇ」

底野「霊長の殺戮者、どうして話せるようになったんだ?」

霊長の殺戮者「分からない。あの変なぷよぷよを食べたら、頭の中に沢山の言葉や知識が詰め込まれて……」

ベートーベン(変装)「なるほどなるほど。それで脳が絶頂を迎えて失禁したんだね」

底野「不埒な発言をするなッ!」

ベートーベン(変装)「へいへい、了解デース」

霊長の殺戮者「あれ? 私ったら、おもらししてるぅ///」カアァッ

底野「心配御無用。すぐ拙者の袖で拭くでござる」ビリ

ベートーベン(変装)「溺愛してるねぇ……」
236 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/28(金) 08:55:22.68 ID:DfiwsRrFO
ミーンミンミンミンジー
ミーンミンミンミンジー

ベートーベン(変装)「蝉うるさッ」

底野「お主、本当に付いてくるつもりでござるか? 拙者達は行く宛のない放浪者。いつ捕縛されるかも知れたものではない」

ベートーベン(変装)「行く宛なら、ある。僕が奥州の義経様に君達のことを伝えてやるよ。義経様も鎌倉幕府から追われた身。受け入れてくれると思うよ」

底野「奥州といえば、ここから歩いて何日かかるのだ」

ベートーベン(変装)「ざっと半月くらいかねぇ。そんなにはかからないかな? 三ヶ月くらい?」

底野「そんなにかかるのでござるか!? 拙者は良いとしても、霊長の殺戮者には厳し過ぎる旅路」

ベートーベン(変装)「厳しくても、行かなきゃいけない。いずれ、鎌倉中が洗いざらい探索される。この橋下も間違いなく人が踏み込むこととなるんだぜ」

底野「そ、そんな。それは困る」

拙者に選択肢は無かったのでござる。
237 : ◆vfNQkIbfW2 [saga]:2017/07/28(金) 09:06:23.81 ID:DfiwsRrFO
底野「ところでお主、何をしてるでござる」

ベートーベン(変装)「知人のモーツァルト氏から曲というか、歌詞の推敲を頼まれてね。あの天才にしては珍しい」

底野「歌詞とは……?」

ベートーベン(変装)「良かったら、一緒に考えてもらえる? 『俺の尻を舐めろ』って曲なんだけど」

〜俺の尻を舐めろ〜
作詞・作曲 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
推敲 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン 底野御前

俺の尻を舐めろ 陽気に>>238
>>239を言っても仕方がない
>>240ても仕方がない
本当に>>241だよ
だから陽気に楽しくいこう
俺の>>242>>243

238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 09:08:39.72 ID:Toa1V8gw0
集団自殺
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 09:10:59.11 ID:EA59cQQFO
お世辞
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 09:43:01.95 ID:qScWLb68O
パラドクス
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