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【安価】勇者「姫様が魔王に拉致されたって?」
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1 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 17:07:51.05 ID:Wu7ZMsG1O
〜はじまりの町〜
国王から姫の救出を命じられた。
勇者「でも、どこから手をつけりゃ良いのかサッパリだぜ……」
勇者「そうだ、
>>3
しよう!」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1500451671
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:09:08.21 ID:mshy5I0n0
仲間を集める
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:10:49.75 ID:Nh6nG67l0
効率厨になる
4 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 17:18:41.60 ID:Wu7ZMsG1O
勇者「そうだ、効率厨になろう! 王様から貰った世界地図で、はじまりの町から魔王城までの最短ルートを弾き出してやるぜ! 地理学には多少の覚えがある!」
こうして地図を広げてみたが、そもそも魔王城がどこにあるのか、世界地図には記されていなかった。
勇者「国土地理院め……カスみてぇな地図を発行しやがって」
苛々した勇者は酒屋で仲間を探すことにした。
酒屋の主人「らっしゃい! 仲間をお探しですかい?」
勇者「ああ。高い殲滅力&アイテムドロップ運を持ち、且つ俺に一切逆らわない仲間が欲しい」
酒屋の主人「フム……ならコイツァどうかね?」
>>5
「よろしくお願いします」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:19:28.27 ID:nhZxz9Vco
先代魔王
6 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 17:26:56.25 ID:Wu7ZMsG1O
先代魔王「よろしくお願いします」
勇者「誰だこいつ。頭に角が生えてんぞ。人間じゃねぇだろ」
酒屋の主人「本人談によれば、先代の魔王らしいですぜ。近衛隊長に謀叛を起こされ、王の座を追われたとか」
先代魔王「爆破魔法ならお安い御用ですし、回復魔法も初級程度なら扱えます。それに、私は魔王城の位置を知っています。魔王城に飛ぶことも可能です」
勇者「あ、あんだって!? 魔王城に直接行くことができんのか!?」
先代魔王「ええ、行くことができます。しかし、あなたのレベルと装備では忽ち殺されてしまうでしょう。まずは武具屋で装備を整えるべきです」
勇者「そうか、じゃあ
>>8
に行こうぜ!」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:30:13.89 ID:tVrhUiI0O
城の宝物庫
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:30:20.33 ID:vMBAOsWCO
魔王城
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:30:33.87 ID:TlMw1S3y0
経験値を稼ぎやすいところ
10 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 17:38:07.70 ID:Wu7ZMsG1O
勇者「よし、じゃあ魔王城に行こうぜ!」
先代魔王「は、はあ!?」
勇者「どうした、早く転移魔法を唱えろ」
先代魔王「あなた、私の言ったこと聞いていましたか? 魔王城に踏み込んでも、真っ裸のアンタじゃ一秒足りとも保たないってんですよ!」
勇者「マスター、こいつ俺に逆らってんだけど。話が違う」
酒屋の主人「へへへ……何ででしょうね、へへ……」
酒屋の主人(この冒険者さん、相当薬キメてんなァ。普通、武器も防具も無しに魔物の巣窟へ行かないでしょ)
先代魔王「ああもう、分かりましたよ! 魔王城に移してあげます。どうなっても知らないですからね!」
勇者「そうだそうだ。従者は黙って主人の命令に従え」
先代魔王「アッバースアッバース……アッバースアッバース……」
移動した場所
>>12
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:39:35.77 ID:TlMw1S3y0
魔王城
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:40:04.06 ID:tNm7URQ+O
並行世界、超ハードモードの魔王城
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:41:25.53 ID:Qgz+MZoDO
魔王城の寝室
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:47:47.78 ID:vMBAOsWCO
最初からクライマックス
15 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 17:51:29.44 ID:Wu7ZMsG1O
〜魔王城〜
フィンフィンフィンフィン……
勇者「わッ! とと……。先代魔王の奴、どこに俺を飛ばしたんだ。ちゃんと魔王城まで送ったんだろうな」
勇者の降り立った場所は、食堂と思しき広場だった。
長い食卓に、人の手足が並べられている。
勇者「うわぁ……人の死体が皿に盛ってある……おい、先代魔王。ここが魔王城でいいんだな?」
シーン
勇者「クソ、あいつ自分だけ逃げやがったな! 従者の風上にも置けねぇゴミ野郎が! 姫を助けたら真っ先に叩きのめしてやる!」
>>15
「果たして、貴様にできるかな。全裸の旅人よ」
勇者「ああ!? 誰だテメェは」
>>15
「ここは並行世界の魔王城。全ての兵が魔改造を施され、下級のゴブリンですらアルテマを連発する世界。そもそも、貴様は今から私に殺される運命にある」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:52:09.94 ID:nhZxz9Vco
赤ん坊
17 :
◆vfNQkIbfW2
[sage]:2017/07/19(水) 17:52:12.91 ID:Wu7ZMsG1O
>>18
でお願いします
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:52:49.25 ID:Nh6nG67l0
究極最強破壊神アルティメットデストロイ
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 17:53:06.26 ID:Qgz+MZoDO
双子の子供
20 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 18:02:37.24 ID:Wu7ZMsG1O
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「闘う前に自己紹介をしておこう。私は究極最強破壊神アルティメットデストロイ。好きな食べ物は目玉焼き。焼き加減はミディアム」
勇者「長ったらしい名前をしやがって、最強究極アルティメットデストロイさんか?」
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「違う! 私は究極最強破壊神アルティメットデストロイだ! もう一度言うぞ、究極最強破壊神アルティメットデストロイ!」
勇者「まぁいいや、ほんでアルデスさんよ。俺は玉子焼きのが目玉焼きより遥かに美味だと思うんだが、なぜ白身のある目玉焼きをテメェは好む? 喰った後に口が臭くなるだろうが」
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「我が主、新魔王が初めて私に振る舞ってくださった料理、それが目玉焼きであった。黄身がグズグズに溢れていたが、それでも私は……」
勇者「奴が語っている内に逃げるか。流石に、全裸で魔族幹部に挑むのはヤベェ。三十六計逃げるに如かずだぜ!」
究極最強破壊神アルティメットデストロイ「待て、貴様、どこへゆくつもりだ!」
勇者「げ! 見つかった!」
ピピピピピ……
キュウン! ちゅどーん!
勇者はレーザーで焼き尽くされた。
21 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 18:05:18.05 ID:Wu7ZMsG1O
オギャアオギャア……
父親「おっ! かわいいじゃないか。男かな? 女かな?」
母親「
>>22
よ」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 18:06:00.50 ID:TlMw1S3y0
わたしの鳴き声
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 18:06:00.57 ID:nhZxz9Vco
女
24 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 18:10:41.58 ID:Wu7ZMsG1O
母親「私の鳴き声よ。オギャアオギャア!」
父親「ハッハッハ、てっきり赤ちゃんが生まれたのかとビックリしたよ。そうそう、赤ちゃんで思い出したんだがね。私も赤ちゃんを手に入れたのだよ」
母親「あらあら、ウンコをひり出して日焼けした赤ちゃんとか言わないでくださいね? ふふふ」
父親「バカ言え、しっかりとした赤ちゃんさ。ほら」
赤ちゃん「スゥスゥ」
父親「これは男かな? あるいは女かな?」
母親「
>>27
ね」
25 :
◆vfNQkIbfW2
[sage]:2017/07/19(水) 18:11:16.66 ID:Wu7ZMsG1O
遠いか
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 18:12:01.75 ID:TlMw1S3y0
kskst
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 18:12:09.16 ID:Qgz+MZoDO
男
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 18:12:11.60 ID:nhZxz9Vco
女
29 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 18:19:21.12 ID:Wu7ZMsG1O
母親「男ね」
父親「そうかそうか! それは良かった! 男ならば、私の跡を継いでくれるだろう」
母親「誰が樵の跡を継がせるのよ。この子はいずれ、立派な勇者様になるの。そして、今も囚われたままの姫様をきっと連れ戻してきてくれるわ」
父親「見える、見えるぞ。魔王を倒した我が子が、沢山の仲間と一緒に城下町を凱旋する姿が」
母親「もう、あなたったら気が早いわね。名前はどうするの?」
父親「そうだな……
>>31
にしよう」
母親「いい名前ね。勇者に相応しい名前だわ」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 18:26:35.50 ID:XWKaSF/Io
ユーシャ
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 18:27:29.88 ID:UiG1ATsVo
トンヌラ
32 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 19:59:01.63 ID:Bur55UY40
父親「そうだな……トンヌラにしよう」
母親「良い名前ね。勇者に相応しい名前だな」
父親「トンヌラ、お父さんを見習って、立派な剣士になるんだぞ」
母親「だから、あなたは樵でしょう。嘘教えないの」
父親「ハッハッハ! ハーッハッハッハァ!」
〜渓谷の作業場〜
時は流れ、15歳となったトンヌラは奴隷として働かされていた。
A地点ですくった土を、B地点まで持っていく単純な作業である。
しかし、炎天下の中での作業とあって、熱中症で死に至る奴隷が後を絶たなかった。
トンヌラ「ああ、辛いなあ。僕はいつまでここで働かなくてはならないのだろう」
トンヌラ「分かってる。父さんは悪くない。悪いのは父さんを騙した周旋屋だ。今の時代、無料で勇者になれるなんてウマい話あるもんか」
トンヌラ「あの樽に乗って逃げたいなぁ……でもダメだ。あの樽は小さすぎる」
トンヌラ「そうだ、
>>33
して逃げればいいんだ!」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 20:05:14.03 ID:IzibUXJQ0
身分を偽る
34 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 20:20:02.74 ID:Bur55UY40
トンヌラ「身分を偽るってもこの格好じゃ奴隷だとバレてしまうし……そうだ!」
トンヌラは近くに落ちていたレンガを拾って、後ろから現場監督の頭を強かに殴りつけた。
現場監督は血を流しながら地面に倒れた。
トンヌラ「よし! これで現場監督の鎧と兜と槍を手に入れたぞ。身分を偽って逃げることができる!」スタスタ
警備兵「現場監督!」
トンヌラ「うッ……バレたか?」ビクッ
警備兵「お勤め、ご苦労であります!」
トンヌラ「はは……ありがとう。私は疲れたから、後は任せたぞ」ダッ
警備兵「現場監督!」
トンヌラ「な、なんだ。二回も呼び止めて。私は急いでいるのだ」
警備兵「
>>35
」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 20:24:14.99 ID:IzibUXJQ0
…今まですみません、これを お金と地図を渡す
36 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 20:36:25.51 ID:Bur55UY40
警備兵「……今まですみません。これをお受け取りください」サッ
トンヌラ(僕のこと、ひょっとしてバレてない?)ホッ
トンヌラ「なぜ謝る。おい、その巾着袋からチャリンチャリンと金貨の音がするぞ。そんなものはいらん」
警備兵「いえ、ぜひ受け取ってください。実は私、現場監督の奥方と枕を交わしていたのです」
トンヌラ「おい、それは」
警備兵「金で解決できるとは思っておりません! しかし、腹を切るわけにもゆかず……。このお金と地図で、どうか勘弁して頂けないでしょうか」
トンヌラ「金で揉み消すというのか。なんて最低な奴だ。君みたいな人間を、匹夫というんだよ」
警備兵「申し訳ございません。好きなだけ匹夫と罵りくだされ」
トンヌラ「いや、もうよい。興が冷めた。金と地図は貰っておくから、早くどこへなりと消えろ」
警備兵「はッ!」ササッ
トンヌラ「……ふう」
トンヌラ「すごいな、お金と地図を一気に手に入れちゃった。ようし、魔王討伐に向けての第一歩だ!」
トンヌラ「
>>37
に行こう」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 20:39:28.93 ID:0P73RIYC0
武器屋
38 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 20:48:28.65 ID:Bur55UY40
トンヌラ「そうそう、まずは武器だよね。丸腰で魔王城に突っ込むのはどうしようもないアホのすることだからね」
トンヌラは最初の勇者よりもいくらか頭が良かった。
渓流の作業場で馬を借りて、城下町まで走る。
武器屋の看板を見つけて、その扉を叩いた。
武器屋「あら、いらっしゃい。その歳で武器を求めに来たってことは……。ハハーン、あんた勇者志望だね?」
トンヌラ「その通りです。お姫様を助けるために、一刻も早く僕は強くならなければいけないんだ」
武器屋「フッ、青いねぇ……。アタシも昔はあんたみたいに、純粋な強さを求めてたよ。でも、子供を産んで母になって思ったね。今ある身近な平和を守ることこそ重要だって」
トンヌラ「あなたの身の上話に興味はありません。金はあります。オススメの武器を教えてください」
武器屋「そうだねぇ。
>>39
とかいいんじゃないか? ちょっと値が張るけどね」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 20:51:13.76 ID:cTffkiiuO
対魔の短剣
40 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 20:59:00.78 ID:Bur55UY40
トンヌラ「対魔? 退魔ではなくて、対魔物用の短剣ってことですか?」
武器屋「ああもう、一々細かいね。対魔の短剣は魔物のみを斬り裂く短剣さ。つまり竜は倒せるが、酔っ払いやごろつきは斬り殺せない」
トンヌラ「便利なのかそうでないのか、ちょっとわかりにくいですね」
武器屋「通り魔防止のために仕方なかったんだよ。ほら、最近ここらも物騒になってきてるしね。道端で決闘なんざ、ザラさ」
トンヌラ「はぁー……本当は人間で斬れ味を試してみたかったんですが、我慢しますよ。じゃ、対魔の短剣買います」
武器屋「まいどありィ! ……武器は正しく使うんだよ、坊や」
トンヌラは魔族にのみ効果を発揮する、対魔の短剣を手に入れた!
トンヌラ「武器は揃った。次は
>>41
だ」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 21:06:15.00 ID:YSwv/tq90
魔王の弱点を調べる為に図書館で読書する
42 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 23:02:22.24 ID:Bur55UY40
〜王立図書館〜
トンヌラ「魔王にだって弱点の一つや二つはあるはずだ。そこを突けば、レベルが低くても倒せるかもしれない」
魔王に関する古代文献を数冊手に取ったトンヌラは、窓際の席に腰を落ち着けた。
目が滑る滑る。何と書いてあるのかさっぱり分からない。
トンヌラ「そう言えば僕、読み書きができないんだった……」
トンヌラ「まぁそりゃ、ずっと奴隷暮らしだったんだからリテラシーが無いのは普通だよ」
トンヌラ「でも、これじゃあ魔王の弱点が分からないままだ。ここは酒場に行って、僧侶か魔法使いを捕まえてこよう」
〜酒場〜
酒場の主人「へい、いらっしゃい! お仲間をお探しかね?」
トンヌラ「はい。強くて読み書き能力があって、優しくて、僕に一切逆らわない仲間を紹介できますか?」
酒場の主人「フムン……ならば
>>43
はどうですかい?」
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 23:04:03.80 ID:nhZxz9Vco
なんかやけにおどおどしている魔法使い
44 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 23:20:01.10 ID:Bur55UY40
魔法使い「あ、あの、そ、その、よろしくお願いします」オドオド
トンヌラ「よろしくお願いします。そんなに畏まらなくていいですよ。見た感じ、歳も同じくらいですし」
魔法使い「お、男の人、怖くて……」
トンヌラ「どうして怖いのですか?」
魔法使い「父さんが、父さんが……」グスッ
トンヌラ(きっと、父親に何か酷いことをされたんだろうな。確かに、こんな可憐な少女を男が放っておくわけない)
トンヌラ「安心してください。僕はあなたに危害を加えません。給料も支払います。その代わり、魔王討伐の旅に同行して頂きたいのです」
契約金として、金貨10枚をテーブルの上に置いた。
金貨が10枚あれば、一週間は生活に困らない。
読み書きのできる魔法使いは、それだけの大枚をはたく価値がある。
魔法使い「つ、ついていきます。お、お名前は……」
トンヌラ「トンヌラ。トンちゃんと呼んでもらっても構いません。ところでおたく、想い人とかおりますか?」
魔法使い「そ、そんな、変な話しないでください///」カァアアッ
トンヌラ(いるのかよ……)
酒屋の主人「へっへっへ、なかなかデキあがってるじゃありませんか」
トンヌラ「そんなんじゃないッ!」
酒屋の主人「前のお客さんはねぇ、先代魔王の力で裸のまま魔王城に突っ込んでったみたいでさ。そうならずに済みそうで、安心しやした」
トンヌラ「
>>45
」
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 23:26:41.79 ID:qnjanA7ao
その先代魔王は今どこに?
46 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 23:34:38.76 ID:Bur55UY40
トンヌラ「その先代魔王は今どこにいるのですか?」
酒屋の主人「先代魔王さんなら、ここで吞んだくれていますよ」
先代魔王「ぐうぅ……本当は、私が魔族の王だったのに……畜生……究極最強破壊神アルティメットデストロイめ……」ゴガァ
酒屋の主人「転移魔法で体力を消耗したみたいですし、そっとしておいてやれませんかね?」
トンヌラ「そんなこと言われましても、先代の魔王なんて魔王城の内部に絶対精通しているじゃないですか」
魔法使い「ト、トンヌラさん。仲間、あと二人ほど集めましょう」
仲間A
>>47
仲間B
>>48
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 23:36:28.65 ID:Qgz+MZoDO
男の娘な僧侶
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/19(水) 23:40:22.36 ID:XWKaSF/Io
真っ直ぐで陽気な盗賊
49 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/19(水) 23:59:14.80 ID:Bur55UY40
丸テーブルに四人の冒険者が座った。
奴隷あがりの少年剣士、挙動不審な魔法使い、白いローブを羽織った女僧侶、常に笑顔を絶やさないギョロ目のバンダナ男。
以上の四名で魔王討伐に向かうことになる。
魔法使い「あッ! す、す、すみません! コーヒーこぼしちゃいました」
盗賊「ドンマイドンマイ! 服なんていくらでも盗んで調達できるっしょ!」ハハハ
女僧侶「あのぉ……そのぉ……なんつーかぁ……ボクゥ……」ポヤーン
トンヌラ(くそ、酷いメンバーだな。このままじゃグループがバラバラになってしまう。僕が強く出るべきなんだ)
トンヌラ「おい!」
三人「はいッ」ビクゥ
トンヌラ「君達は僕の従者だ! 従者は従者らしく静かにしろ! 誰もバタバタしろなんて命じてないぞ!」
女僧侶「あのさぁ……その従者っつーヤツ……? ウザいからやめてくんない……? 誰もキミの下にさぁ……ついた覚えないんだけどォ……」
魔法使い「も、もしかして私、騙されたんですか?」グスッ
盗賊「二人とも落ち着けって。トンちゃんも何か思うことがあるんだろう。仲良くやっていこうぜ!」
トンヌラ「よし、今から姫を助けに行くわけだけど、魔王の弱点を知ってる人はいるかい? それとも、誰か魔王と闘ったことのある人は?」
シーン
トンヌラ「なんで黙ってんだよ! 真面目な話をする時に限って君達は黙り込むよな! 君達を雇うのにいくらかかったか分かる? 金貨50枚だよ! 金貨50枚! 一ヶ月は楽して暮らせるよ! 金貨50枚の重みを分かってふざけた態度を取るなら、僕はもう許さないぞ!」
次に起こったこと
>>50
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 00:01:42.43 ID:4hjCa4sZ0
いきなり魔物が飛び込んでくる
つまりはチュートリアルだ!
51 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 08:52:32.29 ID:SlZx3+YwO
酒屋の主人「わーッ! 魔物だ!」
客A「助けてーッ! 死にたくない!」
客B「神様……私をお守りください。ひいぃ」
コボルト兄「グフフ、人間が我らを恐れておるぞ」
コボルト弟「やったッスね、兄貴! 全員皆殺しにするッス!」
コボルト兄「待て、まずは金庫から金を得るのが先だ」
コボルト弟「じゃあ、俺っちは人間を監視してるッス!」
コボルト兄「勝手に人間を殺したりするなよ」
コボルト弟「うッス!」
52 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 09:01:38.32 ID:SlZx3+YwO
コボルト弟「兄貴から止められたとはいえ、我慢するの苦手なんスよ。ギェヒヒ、誰から殺そうかなぁ〜」
トンヌラは倒れたテーブルを盾にして、三人の仲間と話し合っていた。
トンヌラ「あのコボルト、三人でかかれば倒せるかな?」
盗賊「二匹いるってのが気になるが、まぁそこらへんはノリでなんとかなるっしょ! ハイハーイ! オイラ一番で行きまーす!」
女僧侶「ボクわァ……後ろでェ……なんやかんやしてるよ……」
魔法使い「せ、精一杯、が、頑張ります!」
トンヌラ「役割分担はできたようだね。では各々、武器を持て!」
トンヌラ「行くぞ!」
盗賊の行動
>>52
男の娘僧侶の行動
>>53
魔法使いの行動
>>54
53 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 09:02:23.09 ID:SlZx3+YwO
盗賊
>>54
女僧侶
>>55
魔法使い
>>56
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 09:04:41.13 ID:guKixfpjo
背後から不意打ち
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 09:09:07.28 ID:4hjCa4sZ0
色仕掛け(笑)
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 09:10:05.33 ID:GrrFqYOYo
特攻してコボルトに殺される
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 09:10:09.00 ID:g4asiC2EO
パルプンテ
58 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 09:30:58.57 ID:SlZx3+YwO
トンヌラ「でりゃああああ!」
コボルト弟「おッ! 反抗的な人間が襲いかかってきたッス! 兄貴、これは殺しても構わないッスよね!?」
コボルト兄「おう、やれ!」
コボルト弟「フヒッ! それでは遠慮なく。ドラァ!」
コボルト弟の投げた鎖がトンヌラの両脚に絡みついた。
膝をついたトンヌラの顔面を、思い切り蹴り上げる。
トンヌラ「うぐぁ!」
盗賊「あとはオイラに任せろ!」
トンヌラと入れ違いに駆け出したのは、陽気なバンダナ男。
天井に吊り下げられた燭台に飛びつくと、勢いに任せコボルト弟の背中に飛び移り、左肩にダガーを突き刺さした。
盗賊「クリティカルヒット!」
コボルト弟「痛ェーッ! 何をしやがんだ、テメェ!」
振り落とされた盗賊は、すぐ走り去り追撃を免れた。
59 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 09:48:16.45 ID:SlZx3+YwO
コボルト弟「殺す! 殺す! 全員殺す!」
トンヌラ「ダメだ、怒りで我を忘れてる」
盗賊「今攻撃をしかけたら、手も足も出ず倒されちまうな。トンちゃん、何か良い策はあるかい?」
トンヌラ「ないよ、そんなもの! コボルトくらいなら、ゴリ押しで勝てると思ったんだ。まさか、ここまで苦戦するなんて予想できるわけないじゃないか!」
盗賊「困ったねぇー。ダガーを投げることはできるけど、火に油を注ぎそうで怖いよ」
女僧侶「策ならァ……ある」
トンヌラ「女僧侶さん、あの化け物を封じ込める方法を知っているんだね。では僕達にその方法を教えてくれ!」
女僧侶「これわ……ボクにしか……できない……」
女僧侶はコボルト弟の前に進み出ると、胸元をはだけた。
女僧侶「あっふ〜ん(棒)」
コボルト弟「テメェ舐めてんのか!」
女僧侶「え」
コボルト弟「そんな棒読みの色気で興奮できるかってんだよ! それに匂いで分かんだ。テメェ、男だろ!」
女僧侶「あ……バレたみたい……」
コボルト弟「女装なんかしやがって、キメェんだよ! 決めたッス、テメェから殺してやる!」
女僧侶「ひ……」
魔法使い「あ、危ない!」
グジャッ
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 10:44:06.77 ID:SlZx3+YwO
あ
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/20(木) 10:49:39.12 ID:4hjCa4sZ0
どうした
>>1
62 :
◆vfNQkIbfW2
[saga]:2017/07/20(木) 12:25:28.40 ID:SlZx3+YwO
ぽたり、ぽたり。
血の滴り落ちる音。
一瞬、酒場を静寂が支配した。
トンヌラ「魔法使い、君は……!」
魔法使い「ぐ……うッ……」
彼女の背中から、コボルト弟の持つ曲刀の先端が飛び出している。体力の低い魔法使いにとって、この攻撃は致命的だ。
駆け寄ろうとした仲間を手で制すと、魔法使いはコボルト弟の太い腕を両手
魔法使い「ずっと、一人で生きてきました」
魔法使い「男の人が怖くて、他人と時間を共有するのが怖くて」
魔法使い「ずっと、日陰で生きてきました」
コボルト弟「往生際の悪い人間ッスね〜。兄貴、やっちまっていいッスか!?」
コボルト兄「おう、やれ! こっちもそろそろ終わる!」
魔法使い「でも、こんな私を、あの人が変えてくださったんです」
魔法使い「あの人が……勇者様が!」
トンヌラ「!」
魔法使い「私は負けない! みんなを守ってみせる! 私の最期の奥義……とくと味わいなさい!」
魔法使いの全身が眩いほどに輝き始めた。
光属性の最上級魔法。
一同が瞼を開いた時、二匹のコボルトはことごとく蒸発していた。
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