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北上「我輩は猫である」
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949 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:39:42.76 ID:9A3FF+BK0
北上「これがね、物置小屋の本棚にあった本に挟まってたんだ」
谷風「あぁ、あの部屋か」
私が何を見て聞いてきたか察しがついたようだ。
北上「谷風」
谷風「なんだい」
北上「前任者について、話してほしい」
谷風「それはできないね」
即答だった。
常に囀りのやまないその口から飛び出た言葉とは思えないほど完全な否定。
950 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:40:10.32 ID:9A3FF+BK0
北上「何故」
谷風「あんまし覚えてないからね。なにせ鳥頭だからさ」
北上「…」
そうヘラヘラと笑う。
私が猫なら今頃食ってかかっているだろう。
谷風「そう今にも食いかかるような顔をしないでおくれよ。冗談さジョーダン」
北上「…」
トリはトリでも妖怪サトリの方みたいだ。
951 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:40:37.50 ID:9A3FF+BK0
谷風「覚えてないってのは嘘じゃないんだ。何せ私は自分の事で頭がいっぱいたったからね。自分の同族を見つけるために艦娘のことしか見てなかったんだ。
こう言っちゃなんだか悪い気もするけれど提督とは決して仲は良くなかったんだ。悪くもないだけで。まあそれは今の提督も同じなんだけどね」
北上「覚えてないから話せないって?そんな理由で」
谷風「それは違う」
北上「?」
谷風「私はね、同じ境遇の仲間を見つけるために止まり木としての鎮守府が必要だった。だからこの鎮守府に残った」
952 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:41:08.80 ID:9A3FF+BK0
谷風「吹雪から聞いたろ?彼女は、そうだねえ。ある種の呪いみたいなものだね。前任者から受けた言葉でこの鎮守府に残った」
北上「な、なんであの時の話の内容知ってるのさ」
谷風「壁に耳あり障子に目ありってね。最もあの時は扉に耳があったようだけど」
北上「そこまで…」
谷風「内緒話をするには少々場所が開けすぎだよあそこは」
北上「次回から参考にさせてもらうよ」
谷風「そいつぁこまるね。盗み聞きしにくくなっちまう」
北上「悪びれもしないんだね」
それにしても呪いだなんて。
言い得て妙なのかもしれないけれど。
953 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:41:52.25 ID:9A3FF+BK0
谷風「日向さんは読書という提督以外の拠り所があったからこの鎮守府に残った。もっともそれも提督の影響みたいだけどね」
あぁ、そう言えば以前そう言っていたっけ。
谷風「他にも何人か自分なりの理由があってここに残った。でもそれは決して提督の事を大切に思っていなかったわけじゃないんだ。それとは別問題なのさ。
私だってそうさ。大して関わりもなかったけれど、こんな変わり者をここに置いてくれた事に感謝してる」
言葉一つ一つから前任者への思いが伝わってくるようだ。
いつものように軽い口調だが、その一つ一つはとても重い。
954 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:42:30.09 ID:9A3FF+BK0
谷風「提督がいなくなっても提督がいたからこそここに残った。そして、だから私達は提督に最も近かった吹雪に付いていくつもりだ」
北上「吹雪に?」
前任者の秘書艦でもあったという吹雪。
谷風「もしかしたら私達も気づかないうちに吹雪を提督の代わりの拠り所としちまってるのかもねえ。ま、そんなんだからさ、吹雪が君に話さなかった以上私達もこれ以上君には話せない。そういうことさ」
北上「義理堅いんだね」
私達とはつまりここに残った艦娘の事か。
吹雪や谷風、飛龍さんに日向さんに、他の人も。
谷風「お堅いだけだよ。ついでに口も硬い。残ったのはみんなそんなやつばかりさ」
北上「どうだかね」
955 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:42:58.80 ID:9A3FF+BK0
谷風「ともあれ君の飼い主と前任の提督が何かしら繋がりがあるのは確かだろうね。随分と読書家だったけど海外の物まであったなら外人と繋がりがあってもおかしくない」
北上「無いと困るよ。この糸も繋がってないんじゃ本当に八方塞がりだ」
谷風「そうだねぇ。ならやっぱり提督、今の提督を調べるべきなのかな」
北上「今の?なんで?」
谷風「ここが少々特殊なのは知ってるだろう?ならその後釜になった彼にも何かしらの繋がりがあって然るべきじゃあないかな」
北上「繋がりねえ」
確かに提督は前任者に対して思わせぶりなところがある。
北上「君達が普通に話してくれりゃそれでいいんだけどね」
谷風「そいつは言わないでおくれよ。協力したいのは確かなんだからさ」
956 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:43:32.80 ID:9A3FF+BK0
北上「よし、とりあえずは」
谷風「とりあえずは?」
北上「お風呂に入ろう」
谷風「まだ入ってなかったのかい」
北上「ずっと本読んでた」
谷風「よっしゃ!なら私も付き合おうしゃないか」
北上「え、なんでさ」
谷風「裸の付き合いって言うだろ?」
北上「まあいいけどさ」
谷風「親子水入らずなんて言うけど、裸の付き合いは友人お湯いりようって感じだね」
北上「水を差すとかもそうだけど言葉における水って悪いイメージだよね」
957 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:44:27.24 ID:9A3FF+BK0
廊下を歩く。
私の横にはウミネコがいる。
裸の付き合いねぇ、猫は水は苦手なものだというのに奇妙な話だ。
北上「あ」
谷風「ん、どーしたんだい?」
北上「てーとくに鍵返さなきゃ」
谷風「鍵?鍵ってなんの」
北上「物置小屋の部屋の。まあ扉は吹雪がぶっ飛ばしちゃったから無用の長物なんだけどね」
谷風「ぶっ飛ばしちゃったかー。そこら辺は後で詳しく聞かせてくれるんだろうねえ」
北上「ありゃ、そこは覗き見してなかったんだ」
谷風「あはは、そんな覗き魔じゃあるまいに」
北上「あはは」
いや覗き魔だよお前は。
958 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:45:06.92 ID:9A3FF+BK0
「だからなんで急に見せたんですか!!」
「そりゃお前には関係ないだろ!色々と大変だったんだぞ!」
谷風「うわー」
北上「うわー」
提督室、の前、よりももちっと遠く。
廊下にもそこそこ声が漏れていた。
谷風「あのバカップルはいつも元気なもんだねぇ」
北上「これ周りへの騒音はどうなのよ」
谷風「あまり想像したくないね」
北上「鳥さん鳥さん、あの家はいつもあんなに騒がしいのかい?」
谷風「そうさねえ、週に一、二回はああしてピーチクパーチクやってるよ」
959 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:45:37.06 ID:9A3FF+BK0
「そう簡単に言うけどなあこっちも我慢したんだからな!」
「そんなの私だってそうですよ!」
北上「…いてっ」
谷風「ん?」
北上「あーいや、ちょっと鍵を強く握っちゃって」
谷風「なにやってんのさ…」
北上「ははは…さてお風呂行っちゃいましょーかねー」
谷風「鍵はいいのかい」
北上「今入ったら確実に巻き込まれるもん」
谷風「それもそうだね」
960 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:46:13.35 ID:9A3FF+BK0
谷風「お風呂上がりのドライヤーは任せておきなっ」
北上「何故自信満々に」
谷風「浦風や磯風にやったげてんのさ。君の専属スタイリスト程じゃないだろうけど得意ではあるんだ」
専属スタイリストて…いや大井っちはそれくらいやっているか。
北上「ならお言葉に甘えちゃおっかな」
谷風「おうよ」
北上「谷風ってお風呂好きなの?」
谷風「そりゃもう。暇さえありゃ朝風呂に入ってるよ」
北上「そんなにか」
江戸っ子?おっさんっぽいとも言える。
961 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:46:45.29 ID:9A3FF+BK0
谷風「最近は風呂が気持ちよくなってきたしね」
北上「それもそうだね」
谷風「湯冷めには気をつけなよ」
北上「大井っちにもう言われたよ」
谷風「流石だね」
北上「私は別にお風呂は好きでも嫌いでもないしね」
谷風「ほーん。嫌いでもないのかい、猫なのに」
北上「そっちこそ、鳥なのに」
お互いにニヤリと笑う。
秘密の友達との秘密の会話。
特別感というか背徳感というか、妙にこそばゆくて心地よい。
季節は、秋に差し掛かっていた。
962 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/02/24(土) 03:49:14.40 ID:9A3FF+BK0
瑞 鳳 改 二
キリがいいので次スレへ、でいいのでしょうかね。
何分初めてなもので
963 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/24(土) 14:54:29.03 ID:tP7R3ooT0
乙様です
次スレで問題ないと思います
次スレもお待ちしております
後、もしよろしければ次スレへ誘導も張っておいたほうがいいかと……
964 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/02/25(日) 02:20:37.79 ID:6vYarKaho
おっつ追いついた
965 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/02(金) 00:26:37.74 ID:SzOswvCR0
舞ってる
966 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/03/17(土) 04:14:12.16 ID:4BxzDs7d0
北上「我々は猫である」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521225718/
お待たせです。本当に。
大体ル級×6のせい
967 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/17(土) 15:01:03.72 ID:tZNGqewq0
あー徹子の部屋かー
支援が渋いと辛いなあそこ
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[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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