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北上「我輩は猫である」
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774 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:06:22.94 ID:NNSlpbDu0
北上「アレは、服なのだろうか」
明石「もう布よね。下着ですらない」
夕張「本人が脳筋よりで色気とかないからなんとなく誤魔化されてるけどほぼ裸よね」
北上「武人的なキャラや褐色肌、ゴッツイ艤装で誤魔化されてる感は否めない」
明石「艤装で偽装ってね」
明石「艤装でg「エンダァァァァァァ!!!」「イヤ〜」ゴメンナサイ」
夕張「次!私!アイオワ!」
北上「あー」
明石「あー」
775 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:06:55.19 ID:NNSlpbDu0
北上「サラ姉にあんな呼ばわりされるという」
明石「服装自体は割と長門型よりというか、私達基準ではそれほど変でもないのよね」
夕張「配色も、まああっちの文化という事で納得はできるわね」
北上「胸だよね胸」
明石「長門さんも陸奥さんもそこはしっかり守ってるというのに」
夕張「零れ落ちそうな胸という表現が最も似合う艦娘」
明石「激しく同意」
776 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:07:40.95 ID:NNSlpbDu0
北上「武蔵さんのあとだとアレだけど祥鳳さん」
明石「服を着ると誰かわからない人」
夕張「今思ったんだけどさ」
北上「ん?」
夕張「祥鳳って一応弓の邪魔だから副半脱ぎでサラシもキッと巻いてるわけじゃん?」
明石「まあそうよね。一応」
北上「一応」
夕張「逆に武蔵さんって一応隠しておこうみたいな感じで普通に巻いてるわけだよね」
明石「多分ね。一応」
北上「一応」
夕張「つまり祥鳳は意外と胸が大きい説」
明石「ある」
北上「あ、そっちに話がいくのか」
777 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:08:11.69 ID:NNSlpbDu0
明石「私が一番でかい」ドヤァ
夕張「モゲればいいのに」チッ
明石「似非メロンw」
夕張「お?やる?やっちゃう?私は最後まで抵抗するわよ」
明石「もちろん?」
夕明「「拳で」」ガシッ
北上「仲良しか」
夕張「GGかストファーどっちがいー?」
明石「ストファー」
北上「うわしかもスーファミ版」
778 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:08:43.06 ID:NNSlpbDu0
夕張「ザンギ禁止ね」
明石「投げハメ禁止が許されるのは小学生まで」
夕張「核抑止論みたいな事になるけどよろしいか」
明石「禁止で」
夕張「うい」
北上「…」
こうなるともう周りは見えちゃいないだろう。
こちらから押しかけたとはいえ勝手に対戦始めるとは相変わらず自由だ。
779 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:09:19.74 ID:NNSlpbDu0
北上「今のうちに服探そう」
さっきツナギを持ってきた時に置いてきたのだろう。なら向こうにあるはずだ。
提督「おーい穀潰しどもー」ガチャ
北上「ありゃ、提督?どったの」
提督「お前こそ、というかなんだその格好」
北上「色々ありましてな〜。提督はどったの?」
提督「作業してるわけでもないのに工房の明かり全部つけっぱにしてるアホ共に一言言いに」
北上「ご苦労さまで〜す」
提督「お前からも言ってやってくれよ…」
北上「言ってもねえ…」
780 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:09:58.71 ID:NNSlpbDu0
あったあった。
制服は驚くほど綺麗に畳まれていた。変なところキッチリしてるんだから…
北上「んしょっと」
提督「だぁっちょ!なんで脱いでんの!」
北上「いやいつまでもこれはイヤだし。下はシャツだから大丈夫大丈夫」
提督「そうか、そうか?」
北上「私はシャツ1枚で事足りるスタイルだしさ。ところでさっき話してたんだけど武蔵さんの服装どう思う?」
提督「武蔵?あー、大和と逆だったらめちゃくちゃエロかったと思う」
北上「おー…おー!流石に男の意見は違うねえ」
提督「褒められてんのか俺」
北上「褒めてる褒めてる。ほっ」
提督「ブッ!?」
おっと、下はパンツだけだった。
781 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:10:40.97 ID:NNSlpbDu0
提督「恥じらい持てよお前らは…」
北上「破けるし脱げるししょうがない」
提督「そりゃまあ、そうだな。俺も見慣れてるところあるし…」
北上「ありがたみ薄れる?」
提督「ほんとそれ」
北上「ならなんで私の見て驚いたのさ」
提督「北上は見慣れてない」
北上「あんまり露出多くないもんねこれ」
提督「一応そのスカートは一般的には短い部類だと言っておこう」
北上「そうかあ。提督には見慣れたパンツと見慣れないパンツがあるのかあ」
提督「やめてマジやめてホントやめて」
782 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:11:09.66 ID:NNSlpbDu0
北上「見たいなら見せてもいいんだよ?」
提督「ばっかおめえこういうのは見えちゃうからいいんだよ!」
北上「力説されてもよ」
提督「大事なとこだから」
北上「そんな私でも重雷装艦になると露出が一気に」
提督「確かに、な」
北上「肌見せるのはあまりいいとは言えないけど、提督を誘惑するのは面白そうだねぇ」
提督「物騒な事考えるな」
783 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:11:44.52 ID:NNSlpbDu0
とはいえやはりあれは恥ずかしそうだ。
大井っちが落ち込むのもまあ分かる。
北上「服だけこのままならなあ」
提督「…お、俺はその服が一番似合うと思うぞ!」
北上「そう?そかなぁ。そっかー」
提督「そうそう」
北上「ほらほら、どう?可愛い?」
提督「可愛い可愛い」
北上「胸はないんだけどねえ」
提督「男が胸だけ見てると思うなよ。目に付くだけだ」
北上「訂正されたのにむしろ酷くなった気がする」
784 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:13:01.87 ID:NNSlpbDu0
北上「胸チラー」
提督「シャツしか見えない」
北上「悲しいね」
提督「現実だよ」
北上「萌え袖、はできないね。セーターでも買うかな」
提督「じきに寒くなるからな」
北上「ヘソ出し〜」
提督「改造したらそんな感じだな」
北上「スースーしてやな感じ。摩耶さんとかよくあんなので動けるよね」
提督「へそどころか下乳だぞ下乳」
785 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:13:39.14 ID:NNSlpbDu0
北上「パンチラ〜」
提督「やめろたくしあげるなおっさんが女子中学生にパンツ晒さしてるみたいな感じで罪悪感がやばい」
北上「おっさんじゃないでしょ」
提督「世の中30超えたらおっさんだよ」
北上「それに常日頃女性の下着見てるくせに今更でしょ」
提督「不可抗力!不可抗力ですぅ」
北上「可能でしょ」
提督「男には無理です」
786 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:14:06.76 ID:NNSlpbDu0
北上「お尻、も私はあんまりなあ」
提督「そだなぁ」
北上「あ、うなじとか?」
提督「なあ北上」
北上「ん?」
提督「どうしんだよさっきから。何か変なテンションっつーかさ」
北上「…へ?」
テンション?テンションが何か変だろうか。
私は何か変だろうか。
私?
787 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:14:52.80 ID:NNSlpbDu0
北上「ムグゥ」
提督「き、北上さん?」
何かに吸い寄せられるように、提督の体に泣きつくような形で顔をうずめた。
北上「提督」
提督「はい」
北上「私変だ」
提督「…みたいだな」
北上「どうしよう」
提督「どうしよって言われてもな」
北上「提督は提督なんだからなんとかしてよ」
提督「提督は提督だけどなんともできません」
788 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:15:32.29 ID:NNSlpbDu0
北上「なんかもう頭ん中ぐちゃぐちゃなんだ」
提督「いつからだよ」
北上「…さっきから?でも気づかなかっただけで前からずっとぐちゃぐちゃだった気がする」
提督「ぐちゃぐちゃってどんな感じだよ」
北上「んー。灰色の画用紙に黒い筆で書き殴ったみたいな」
提督「なんか悪夢みたいな話だな」
北上「悪いかどうかは分からないけど、なんだか夢みたいなのは確かだよ」
提督「そっか」ポン
北上「」ビクッ
提督「うおっ、わりぃわりぃ。いやだったか?」
北上「いや、別に」
提督は、あの何だか懐かしい手でそのまま私を撫でてくれた。
789 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:16:12.75 ID:NNSlpbDu0
提督「今もぐちゃぐちゃか?」
北上「ぐちゃぐちゃー、だね」
提督「同じ感じ?」
北上「んーちょっと違う。だいぶ違う」
提督「違うのか」
北上「うん。なんだろ。沸騰したお湯みたいな」
提督「なんだそりゃ」
北上「分かんない。暖かいんだけど熱くて、でも悪い感じはしないかも」
提督「ふーん。よくわからんな」ナデナデ
北上「私もー」
790 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:16:57.12 ID:NNSlpbDu0
提督「こうしてるとさ」ナデナデ
北上「ん?」スリスリ
提督「やっぱお前猫だなって」ナデナデ
北上「そう?そうかな」
提督「そうだ」
北上「ふふふ、実は私前世が猫なのだよ」
提督「船はどこいった船は」
北上「船の前が猫だったのさ。真っ黒な黒猫〜」
提督「船の付喪神なのに船の前があるのかよ」
北上「じゃあ船のあとに猫になったんだ。兄弟もいたんだよ。アレ?姉妹かも」
提督「球磨猫に多摩猫に大井猫、木曾猫か」
北上「球磨姉ちゃんは熊だよ熊」
791 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:17:24.92 ID:NNSlpbDu0
北上「ていとーグエッ」
提督「上向くの禁止」ギュッ
北上「なんでさー」
撫でていた手でやんわりと頭を抑えられた。
提督「いやほら、そのさ。女子中学生程度の身体とはいえ人一人の体重でそう大胆に今以上に寄りかかられるときついので」
北上「提督なんだからそれくらい支えなよ〜」
提督「提督なんだけどそこまでは支えられん」
792 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:18:00.71 ID:NNSlpbDu0
大井「北上さーーん。あら提督?こんな時間に何やってるんですかって、ああいつも通りサボりですか」
うわお。また大井っちだ。
今現在私は提督の体に隠れて見えないはずだがさてどうしようこれ。
提督「間髪をいれずサボりと断定すな弁解させろ」
大井「…その腕は?」
提督「これか?ほれ」クルリ
北上「うわった」
北上「はろー」
大井「もうすぐ寝る時間ですよ北上さん」
北上「あいあいさー」
提督「俺はあれだぞ。夕張と明石に用があってな」
大井「はいはいそうですかー」
提督「ホントだって!」
ありゃ?意外と大井っちの反応が薄い
793 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:18:30.94 ID:NNSlpbDu0
北上「んじゃありがとねてーとく」
提督「おうおう」
大井っちの前でこれ以上くっつくわけにはいかん。
北上「おやすみ〜」
提督「おやすみ〜」
せっかく落ち着いたしこのまま布団に潜っていい夢を見るとしよう。
北上「行こっか大井っち」
大井「ごめんなさい北上さん」
北上「ん?」
大井「私、少し提督とお話があります」
794 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:18:59.73 ID:NNSlpbDu0
いつになく真剣な目だった。
いったい何だというのだろう。
北上「イテッ」ゴン
曲がり角で壁に頭をぶつけてしまった。
いかんいかん。とりあえずは部屋に戻らねば。
思考を中断しようとするけど、考えないようにと思うほどまた深みにハマっていく。
先程の状況。大井っちの目。二人きりで話。
まさかまさか
北上「こ、告白!」
ついにか!ついに言うのかまさか!
795 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:19:52.24 ID:NNSlpbDu0
はっきり言って今更感が凄いのだが。
そうなると私が普段提督と一緒にいたりする時なんかも実は大井っちの背中を押すきっかけになってたりしたのだろう。
北上「これは使えるかもね」
私が提督に近づくことで二人の仲かより親密になる。完璧な作戦じゃないか。
さて具体的に何をすれば効果的だろうか。
あの二人にとって。
796 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:20:31.06 ID:NNSlpbDu0
二人に。
北上「あれ?」ピタ
球磨型の部屋の扉に手をかけたところで思考が止まった。
またぐちゃぐちゃになっている。
元のぐちゃぐちゃに。
先程までの温もりはすっかり冷めきっていた。
むしろ元よりも冷たくて、
少しだけ
寂しい。
797 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:21:05.68 ID:NNSlpbDu0
多摩「何してるにゃ?」ガラ
北上「多摩姉」
多摩「入口で突っ立って何してるにゃ。大井は一緒じゃないにゃ?」
北上「なんか、提督と、話があるって」
多摩「ふーん。ならしょうがないにゃ。とりあえずそんな顔してないで早く入るにゃ」
北上「そんな顔って?どんな顔?」
多摩「どんなって、うーん。捨て猫みたいにゃ?」
北上「捨て猫?」
798 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:21:51.55 ID:NNSlpbDu0
球磨「多摩ー早く戻るクマ。多摩の番クマ」
多摩「急かすにゃ急かすにやあ゛!?誰にゃ赤に変えたのは!?」
木曾「フッ」ドヤァ
多摩「木曾ぉぉぉぉ…」
球磨「ほれ1枚引くクマ」
多摩「己ぇぇ、パスにゃぁぁ…」
木曾「はいUNO」
多摩「にゃぁぁああ!」
球磨「ドロー2」
多摩「にゃ…」パタン
木曾「あ、死んだ」
799 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:22:58.19 ID:NNSlpbDu0
捨て猫か。
いったい誰に捨てられたというのか。
北上「私もいーれてー」
木曾「もうちょい待ってくれ。今多摩姉にとどめ指すから」
球磨「おらさっさとドローしろクマ」
多摩「に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
木曾「うるさい」
多摩「ニャ」
いやいい。
今はいいや。
疲れた。
思考を捨てよう。
800 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/12/19(火) 03:26:12.34 ID:NNSlpbDu0
徹夜でイベント突破してそのテンションで書いた
宗教所の理由で西村艦隊が最上んしかいない鎮守府。
いけなくはないのだけどいかんせん時間がなくてですね。
最近のイベントは資源より時間の確保が辛いです。
801 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/19(火) 09:28:33.02 ID:N5zZs3qz0
しばふのみ鎮守府とかいう宗教?(どんな宗教だww)
更新お疲れ様です
802 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/19(火) 17:40:34.72 ID:yUFYVfbc0
まー厳しい縛り(勝手に首がしまったともいう)ながら突破おめでとう
久々にキレのある掛け合いが来て楽しかったよ
803 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/03(水) 02:57:04.59 ID:V4sVfJuP0
47匹目:猫と朝
私は朝に弱い、なんて言うと本当に朝に弱い人達に怒られる。
阿武隈なんかもそうだけどともかく寝起きの機嫌が最悪だったり朝食を食べる気がしなかったりと生活に支障が出るレベルらしい。
それを言われると私なんかは単に布団の魔力から逃れる意志の強さを持たない軟弱者でしかないわけだ。
でも逆に朝に強い人ってめちゃくちゃレアだよね。
羨ましいとまではいかなくとも、一体どうしたら朝からそんなに元気なのか是非ともコツを教えてほしいものだ。
804 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/03(水) 02:57:37.59 ID:V4sVfJuP0
大井「…さん…北上さん、きーたーかーみーさん」ユサユサ
北上「…おはヨ」
大井「はい、おはようございます」ニコ
そういつも通りに100万ドルの笑顔で答えるとタンスの方へ向かう。
いやいつも通りじゃないな。
今日はなんか1億ドルくらいの笑顔に見えた。
北上「ふ…あぁぁぁぁ……ぁ…っ」ノビー
ん?
両手を伸ばして思い切り伸びをすると何かが手に当たった。
805 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/03(水) 02:58:07.73 ID:V4sVfJuP0
北上「…UNOか」
布団の近くに雑に置かれていた。
そういえばあの後半ば寝落ちみたいな感じで終わったんだっけ。
北上「んしょっと」ムクリ
球磨「北上、おはよう」
北上「おはよ。制服?」
多摩「私達これから遠征にゃ」
北上「なる」
球磨「くそねみぃクマ」
多摩「まったくだにゃ」
大井「自業自得ですよ」
806 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/03(水) 02:58:35.20 ID:V4sVfJuP0
北上「で、球磨姉その髪は?」
球磨「治まらなかったクマ」ボサッ
膨れ上がった髪のせいで本当に熊見たくなっている。
球磨の髪は特に何もせず自然な状態に見えるが実は朝必死に膨張を抑えているのだ。
多摩「これじゃまた駆逐艦達のぬいぐるみにされるにゃ」
球磨「うげー疲れるクマァ…」
大井「自業自得ですよ」
多摩「自業自得だにゃ」
807 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/03(水) 02:59:11.24 ID:V4sVfJuP0
球磨「多摩はずるいクマ。短髪は長髪の苦労を知らないクマ」
多摩「知らんにゃ。知りたくもないにゃ」
北上「髪整える時間を他に使えるのはずるい」
球磨「そうだそうだー」
多摩「そんな事言われてもにゃぁ」
北上「手入れいらず〜」
球磨「淫乱ピンク〜」
多摩「アホ毛ぶち抜くぞ」
球磨「え」
北上「え」
多摩「にゃ」
808 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/03(水) 02:59:37.53 ID:V4sVfJuP0
球磨「行ってくるクマ」
多摩「にゃ〜」
北上「いってら〜」
大井「行ってらっしゃい」
木曾「ただいま〜」
球磨「おお木曾。おかえり」
木曾「語尾、あと髪はそれなんだ」
球磨「時間なかったクマ」
木曾「早く起きりゃいいだろ」
多摩「早く寝りゃいいにゃ」
球磨「なんで二人はピンピンしてるんだクマ…」
809 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/03(水) 03:00:27.18 ID:V4sVfJuP0
北上「木曾は朝練?」
木曾「うん。ついでにシャワー」
北上「いいなあ朝強くて。辛くないの?」
木曾「好きでやってるからな」
大井「北上さんもどうですか?早起きは三文の徳と言いますし」
北上「え〜なんで急に。三文程度なら寝ていた方がお得だよ」
大井「朝練でなくとも散歩とか。私も付き合いますし!」
北上「いいっていいって」
810 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/03(水) 03:00:53.49 ID:V4sVfJuP0
木曾「おい姉は基本早起きだもんな」
北上「凄いよね〜」
大井「それほどでも〜」
そういえば昨晩は結局私達が寝落ちるまで大井っちは帰ってこなかったっけ。
大井「髪結びますから顔洗ってきてください」
北上「あいあい」
今にもスキップしそうな軽い足取りで先に洗面所へ向かう大井っち。
やけに上機嫌だ。
これってやっぱりつまるところそういうアレがアレなんじゃなかろうか?
811 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/03(水) 03:01:59.61 ID:V4sVfJuP0
一番端の布団でストレッチをしている木曾に目をやる。
木曾「…」
黙々と身体を伸ばしながらもその目はじいっと大井っちを追っていた。
木曾「!」
あ、目が合った。
木曾「」クイックイッ
顎で大井っちを指す。
頷き返してみた。
木曾「…」ス
手を伸ばしながら右手の小指をスっと立てる。
いわゆる愛人のサイン。
北上「」スン
肩を竦めてさあ?と伝える。
ことの真相を大井っちからどうにかして聞き出さなくては。
眠気はすっかり吹き飛んだ。
812 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/03(水) 03:04:44.82 ID:V4sVfJuP0
年が明けて期間も空きましたが飽きずにやっていきたいです。
813 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/03(水) 10:03:08.68 ID:6iJ4IAFS0
昨晩はお楽しみでしたね!
更新乙さまです
814 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/03(水) 18:14:00.16 ID:9zRuZcwj0
ここからどうなるのか……
2スレ目にいってもいいのよ?
815 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/08(月) 02:30:22.00 ID:uJGQU72d0
49匹目:猫と髪型
大井「さてお客様、今日はどうなさいますか?」
北上「ん〜いつも通りで〜」
鏡の前に座る私とその後で私の髪をとく大井っち。
日課である。
大井「どうですかたまには違う髪型とか」
北上「違うってどんな?」
大井「金剛さんみたいなのはどうですか!」
北上「また極端にややっこい方面に行くね」
大井「では浦風で」
北上「あれ、大差なくない?ポンデリングじゃない?」
大井「北上さんの三つ編みというトレードマークを残しつつ最大限に生かそうかと」
北上「トレードマークだっけこれ。というかそんなに色々考慮した上での提案だったんだね」
ちなみにあの髪型。
やろうとすると貞子もビックリの長髪が必要である。
816 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/08(月) 02:30:57.94 ID:uJGQU72d0
大井「安心してください!物理的に無理なものでなければどんな髪型もいけます」
北上「不思議な説得力がある」
大井「北上さんは何か要望はありますか?」
北上「いつも通りはなしの方向か。だったら…バッサリと短髪に」
大井「散髪は却下で」
北上「おぉ…そんなバッサリと…」
大井「どうせバケツかぶるか入渠したら生えるじゃないですか」
北上「でもこれやっぱ邪魔だよ」
大井「オシャレは我慢です」
北上「オシャレのつもりはないんだけどねえ」
817 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/08(月) 02:31:30.45 ID:uJGQU72d0
大井「短髪と北上さんはこう、イメージが違います」
北上「言わんとすることは分からなくもないけど」
大井「そういえば提督は長髪の方が好きらしいですよ」
北上「いや聞いてないし」
大井「ポニーテールでうなじを見せるとか!」
北上「あれは座る時とかに邪魔だからやだ」
大井「三つ編みお下げも割とそうなのでは?」
北上「だからバッサリといきたいんだよ…」
大井「すみません…」
北上「大井っちは楽そうでいいなー」
大井「スミマセン」
818 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/08(月) 02:32:10.33 ID:uJGQU72d0
北上「汁物とか食べる時髪の毛入りそうで大変なんだよね」
大井「いつも苦労してますものね」
北上「私なんかまだマシな方ってのがね」
大井「駆逐艦は何人か凄いのがいますから」
北上「早霜と清霜はあれ何を思って生活してるんだろうね」
大井「聞くに聞けない空気があります」
北上「耳に引っ掛けられないくらいの中途半端な長さが一番めんどくさかったりすると思う」
大井「鎮守府ないではヘアバンドやピンで抑えてる人が多いですものね」
北上「邪魔だししゃあない」
819 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/08(月) 02:33:07.52 ID:uJGQU72d0
北上「で、何があったの?」
大井「何がですか?」
北上「やたらテンション高いじゃん」
大井「え、いつも通りじゃありません?」
北上「ありません」
髪型を変えようなんて初めてだ。
それがいつも通りなら流石に私も辛い。
北上「提督と何話してたの」
大井「いえっ、なにも」
いえ、で声が上ずってる。
隠し事はできないタイプか。
820 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/08(月) 02:33:34.59 ID:uJGQU72d0
北上「結構遅くまで提督と話してたじゃん」
大井「そんな遅くはないですよ。すぐですすぐ」
北上「昨日はUNOで遅くまで起きてたんだよ」
大井「…実はあの後夕張さんたちと」
北上「ダウト」
大井「UNOじゃないんですね」
北上「じゃあUSOで」
大井「上手い!座布団1枚」
北上「UNOだけに?」
UNOはどこかの国の言葉で「1」だそうだ。
821 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/08(月) 02:34:03.50 ID:uJGQU72d0
北上「で!なんなのさ」クルッ
身体を180度回転させ鏡越しではなく真正面から大井っちを見つめる。
大井「にゃんにもありません!」
噛んだ。動揺が隠しきれていなさすぎる…
北上「なら夜遅くまで何を、ナニをしていた?」
大井「なっ、それはありません!絶対に!」クワッ
北上「うおっ」
物凄い剣幕。
まあ確かに、このツンデレカップルがそんないきなり進展するのは流石にないか。
822 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/08(月) 02:34:30.98 ID:uJGQU72d0
北上「ならいいけどさ。何にせよ髪はいつも通りね」クルッ
大井「仰せの通りに」ホッ
胸をなでおろす仕草は鏡越しにしっかり見えているのだが…
しかしなるほど。
このようだと告っただけとかかな?キスができるとは思えないし。
とはいえ時間の問題かなあ。
親友としてしっかり見守っていかねば!
823 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/08(月) 02:35:18.86 ID:uJGQU72d0
大井「北上さん?」
北上「どったの〜」
大井「いえ、その。不機嫌そうな表情をしていたので」
北上「ん〜?寝不足なだけだよ」
大井「睡眠はしっかりとってください」
北上「UNOが悪い」
大井「球磨姉さん達は無視して寝てください」
北上「それはそれで難易度が高いね」
824 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/08(月) 02:36:00.19 ID:uJGQU72d0
大井「はい完成です」
北上「バッチリだね〜」
いつもと同じ髪型。
大井っちなら三つ編みの編み方まで寸分違わず編んでいても不思議ではない。
大井「私布団を片付けてきますね」
北上「えぇ、いいよ。私も行く」
大井「その前に着替えてください。そこに置いてあるので」
北上「はーい」
布団まで畳むのは今日が初めてだ。どんだけテンションあげあげなのよバカップルめ。
…
北上「ホントだ。ひっどい顔」
鏡の中の私は確かに不満げな表情だった。
なんでだろ?
寝不足か。
北上「しっかりしろ私」
825 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/08(月) 02:39:19.89 ID:uJGQU72d0
やたら長くなってきた…もう少しまとめた方がいいと思わなくもない。
何とは言いませんが最近レ級が怖い
826 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 12:06:32.38 ID:WvCi0OW60
新春任務はレ級が駆逐を狙わないように祈るのだからねー
毎月やってるとAでいいのかーって感じになるけど流石に4回はやり過ぎと思った
更新お疲れ様です
827 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/08(月) 12:29:00.08 ID:qm8Swgny0
Aでいいならと割り切って駆逐は缶とタービン積んで空母の開幕火力で薙ぎはらったなあ
艦隊の充実度に自信がないなら支援は最大火力で道中出した方がいいかな
決戦はいらんかも
828 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/10(水) 00:16:39.89 ID:DpBTCqp80
長くてもいいのよ
無自覚北上さまを書き続けていいのよ
829 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/10(水) 19:49:18.64 ID:5TQrqRNp0
クマー改二度候補急浮上おめ
830 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:37:44.57 ID:fbNs0xK70
50匹目:猫と球
川内「ヘイヘイヘイ!ピッチャービビってるよ!ブッ!?」バチン
ドッヂボールを知らない人というのは、少なくとも日本にはいないと言っても過言ではないのではなかろうか。
清霜「うわぁ…顔面だぁ」
小学生から大人まで幅広い層でかつ多くの地域で遊ばれている球技だ。
江風「顔面セーフ?」
漢字だと避球とか飛球と書く。
球磨「アウトの方向で」
この遊びが多くの人間、特に子供達にとってサッカーや野球をも凌ぐほどに人気なのはそのルールの単純さが主な要因だと思う。
神通「姉さんの仇…」スッ
サッカーも野球もチームプレイがメインの球技だ。楽しく遊ぶには最低でも4.5人は必要だろう。
831 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:38:36.39 ID:fbNs0xK70
多摩「やれるもんならやってみろにゃ!」
対してドッヂボールは二人からでも十分に楽しむ事ができる。
那珂「ギャンッ!」バン
それでいて30.40人などの大人数でも十二分に機能する。
響「そっちか」
また当てたらアウト、という究極的にはその1点のみを守ればいいような競技なのでルールの加筆修正はいくらでも可能だ。
神通「姉さんと那珂ちゃん。これで差し引きゼロです」
残基性、キャッチで回復、復活etc…
川那「「どんな計算!?」」
子供特有の自由な発想と勝ちたい一心で捻り出す幼稚な悪知恵は無限の可能性を秘めている。
832 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:39:27.08 ID:fbNs0xK70
響「やぁ!」ブン
もちろん子供だけの遊びではない。
神通「く!」
きちんとしたルールの元行われる公式の大会も存在する。
長波「うまい!足に当てた!」
どんな遊びも本気でやれば戦いとなる。
球磨「まだだあ!キヨシー!」
顔面アウト上等。
清霜「任せニャッ!」バシ
バレーボールを彷彿とさせる形状の球を時速100km超で投げ合う様はまさに戦争だろう。
長波「また顔面だ…」
内野外野の駆け引きや試合スピードもお遊びのそれとは次元が違う。
響「ダブルアウトだね」
本気と書いてマジ。
浦風「さぁてウチの番じゃ!」ブン
つまり何が言いたいのかというと、
多摩「甘いにゃあ!」バシィ
833 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:40:26.92 ID:fbNs0xK70
ビッ!と空を切り裂くような音とともに放たれた球が私の左耳を掠める。
フェイントで重心を左に寄せたのが功を奏したためギリギリで躱せたが、いやはやとんでもないコントロールだ。
バチンと弾けるような音が後ろからした。
どうやら球磨姉が無事にキャッチしてくれたようだ。
多摩「上手く避けるもんにゃ」
北上「あれ?今のはサービスじゃなかったの?」
多摩「言ったにゃあ」
球磨「ふふん、悪いが今度は球磨の番だクマアッ!」ブン
文字通り熊のような腕力から繰り出される球はちゃちな拳銃の弾速ならば凌駕しているのではなかろうか。
834 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:41:03.46 ID:fbNs0xK70
長波「おりゃ!」バン
多摩「ナイスキャッチにゃ」
北上「うわズルいや。私達にはあんなにキャッチ力ないのにさ」
球磨「ふこーへーだクマ。包容力(物理)だクマ」
多摩「ふふん、負け惜しみは見苦しいだけにゃ」
長波「いやこれ運動においては邪魔でしかないんだけどね…」
響「…」ペタペタ
浦風「大丈夫じゃよお二人さん。ウチが二人分の包容力持っとるけん!」
球北「「嬉しくない!」」
835 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:41:51.86 ID:fbNs0xK70
10人対9人で始まったドッヂボールは現在、両チームとも内野に3人を残すのみとなった。
もうすぐお昼なので当てての外野復活はなし。
こちらは球磨姉と私と浦風。向こうは長波と多摩姉と響だ。
長波「暁ぃ!」
外野へのパス。
通常ドッヂボールの外野は内野から見て三方向を使えるがここでは一つだけ。お互いのチームが相手を内野外野縦でで挟む形になっている。
暁「っと。よーしいっくわよぉ!」
これにより外野から内野へのボールが外れると相手チームの外野へボールが渡る危険性が出る。
投げる方も投げられる方も細心の注意が必要となる。
836 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:42:29.44 ID:fbNs0xK70
球磨「二人とも、しっかり取れ」
浦風「承知くま」
北上「えーやだくまー」
外野の暁から出来るだけ離れて、しかし暁の球が内野の多摩姉などに渡ると近距離で当てられる可能性もあるので一番後ろに下がるわけにもいかない。
躱したら即反対側へダッシュ。
取ったら即振り向いてカウンター。
判断は刹那に行わなければならない。
腰を落とし重心を低くする。
暁が振りかぶったのを見て呼吸を止める。
さあてどこに来るかな。
バァン!
と破裂音がした。
837 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:43:06.37 ID:fbNs0xK70
北上「いや破裂音というか破裂したんだけどね」
神風「え?それってどういう」
北上「思いっきり地面にボール叩きつけてさ。衝撃に耐えられずボールがバン」
神風「ありゃりゃ。それで試合終了ですか」
北上「そ、予備ないしね」
終了というか中断。断念。残念無念また来年。
キリもいいので今はコート周辺で各自自由時間となった。
838 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:43:55.39 ID:fbNs0xK70
響「暁はまだ艤装の繊細な動作は慣れてないからね」
北上「まあ仕方ないよね〜。そのための訓練なんだしさ」
神風「私もやりたかったなあ」
遠征帰りの神風がそうボヤく。
ちなみにその暁はコートで球磨姉と多摩姉に色々と教わっている。雷電も一緒だ。
響「本人はとても熱心にやってるからね。今は下手だけど、そのうち化けるかもしれないよ」
北上「そりゃこわい」
響「まあ下手なままだとは思うけど」
神風「響は身内に厳しいよね…」
響「そうかな」
神風「そうよ」
私は知っている。響は暁が姉妹でなければ超絶スパルタ訓練でもって鍛えあげようとするタイプだ。
こうして姉の努力を見守っているのは身内への甘さという事だろう。
839 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:44:47.40 ID:fbNs0xK70
ドッヂボール。鎮守府での訓練の1種だ。
目的は艤装の繊細なコントロールを磨く事。
艦娘は砲や魚雷を装備してなくても艤装により人ならざる力を発揮することが出来る。
が、これは単に力持ちと言うだけではダメなのだ。
戦場。つまり水上において私達はうねる波や荒れ狂う風の中砲撃を当て魚雷を躱し敵陣へと進む必要がある。
これがとても難しい。
初めて海に出た時は綱渡りとスケートとドッヂボールを同時にやっている気分だった。
840 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:46:56.25 ID:fbNs0xK70
艦娘の練度とはすなわちそのコントロール能力の高さである。
戦闘経験を多く積むほど練度は上がり回避や攻撃能力は上がる。
攻撃を受ける際の姿勢やどこで受けるか、受けた後どうするかでダメージも大きく変わるので耐久も上がる。
もっとも練度はあくまで強さの指標の1つでありそれだけでは測れないものなのだが。
ともかく海の上だけでなくこうした訓練も私達にとっては大事なのだ。
ちなみに暁は艤装のコントロールというよりは単純に球技が苦手なだけであり練度は私より上だ。
841 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:47:35.70 ID:fbNs0xK70
神風「北上さんの勇姿、見たかったな〜」
北上「勇姿って…私ゃただ避けてるだけだよ」
響「北上さんはホントにボール取らないよね。しかも取れないんじゃなくて取ろうとしてない」
北上「いやだってあんなの飛んできたら普通は避けようと考えるでしょ」
響「それは人間の感覚だよ」
北上「まあ、そうか」
人間というか、生き物の。
842 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:48:12.37 ID:fbNs0xK70
北上「どうせ見るなら私より向こうの試合を見た方がいいんじゃない?」
神風「向こうって、ああ。いや確かに迫力はありますけど、なんども見るほどじゃ」
響「結構面白いよ。相撲みたいなものさ。単純な力の押し合いに見えて、実は色々な工夫や戦略が見える」
神風「んーじゃあ行ってみよっかな」
北上「わったしも〜。どうせ暇だしね」
響「私はここにいるよ」
北上「暁いるもんね」
響「…そんなんじゃない」
神風「はいはい照れない照れない」
響「むー…」
843 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:48:42.81 ID:fbNs0xK70
膨れっ面の響を残し鎮守府の建物を挟んで反対側のコートへ向かう。
既におおよそドッヂボールとは思えない破裂音、いや爆裂、爆発音がする。
神風「こっちはまだ続いている見たいですね」
北上「こっちは最後からが長いから」
角を曲がる。
さて今日の最後は誰と誰かな。
844 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:49:28.55 ID:fbNs0xK70
Гангут「だらァァァァ!!」
武蔵「ふっ!」
球、いやもう砲弾でいいや。砲弾が武蔵さんのお腹に直撃する。
対する武蔵さんもそれを真正面から受け止めてみせる。
グワンと音こそ低く小さいが、衝撃で大気が震えるのがここまで伝わってくる。
神風「かんぐーとさんの貴重な手袋非着用シーンですね」
北上「そだねー」
ドラゴンボールか何かの世界ですかといった光景だが、ここでは日常の一コマである。
845 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:49:57.85 ID:fbNs0xK70
軽巡や駆逐と違って撃って撃たれての殴り合い砲撃戦となる戦艦でなどは小細工なしの一騎打ちになりやすい。
この場合の小細工というのは外野内野のパス回しやカウンターである。
神風「それで、工夫とか戦略って?」
北上「んー例えばあれとか?」
Гангутさんと武蔵さんでは馬力が違う。文字通りに。
それでも彼女達がああして渡り合えるのはГангутさんの技量だ。
846 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:50:25.52 ID:fbNs0xK70
武蔵「ッアアァ!!」ブン
Гангут「ハァッ…ッ!!」バシィ
北上「ほら飛んだ」
神風「飛んだ?」
北上「自分で少し後ろに飛んで勢いを逃がすのさ。まあそれでもあのパワーだし、Гангутさんの馬鹿力あっての技だけど」
神風「戦闘民族か何かなんですかねあの人」
北上「そういう意味じゃ私らみんな戦闘民族みたいなもんだよ」
神風「確かに」
847 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:51:06.49 ID:fbNs0xK70
飛龍「おや?二人とも〜何してんの?」
神風「飛龍さん」
北上「殴り合いの見学に」
飛龍「あぁあれかー。迫力あるよね〜」
私の横に並んで座る。出撃帰りかな。
神風「戦場じゃないからこそ余計に怖いです」
北上「というかよくボール無事だよね。特注品とはいえ」
飛龍「工房タッグの自信作だしね!」
神風「あ、ちなみにこっちのはさっき破裂しました」
飛龍「え、マジ?」
北上「マジマジ」
飛龍「マジかぁ…」
今殴りあってる二人の物とは別物なのでそこまで高くはつかない、はず。
848 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:51:44.19 ID:fbNs0xK70
飛龍「やっぱさ、駆逐艦もいるとはいえもう少し頑丈にしてもいと思わない?」
神風「でもそうしたら流石に痛いですよ」
北上「私らは真正面にあまり投げないから流れ弾による事故とかあるもんね」
飛龍「そっかー、難しいところだねぇ。こっちは流れ弾とかはほとんどないし」
北上「そりゃあんな風に投げ「あ」え?」
最後まで言い終えることはできなかった。
飛龍さんがコートを見ながらあ、と言ったのでそちらに目をやった時には全てが遅かった。
流れ弾。
文字通りのあの球が、私の目の前にあった。
849 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/14(日) 03:53:22.24 ID:fbNs0xK70
いっぱい書きたいからいっぱい書くね。
練度及び艤装の設定は人によって千差万別なのでとても面白いです。
850 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/14(日) 12:09:42.92 ID:R5JVsQMO0
更新乙です
是非いっぱい書いて下さい
艦これSSは色々あるけど最近ので設定にそれなりに踏み込んだのってあったけ?と思ってしまった
最近のは安価かコメをもらいやすいイチャコラが主流だよね
1さんは最近の他の作者様のだとどんなの読まれてるのかなんとなく気になった
851 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:14:34.44 ID:8hN5TkSb0
この時の事は恐ろしく鮮明に覚えている。
それこそこの瞬間スローモーションになったと錯覚する程に。
人智を超えた速度のボールは真っ直ぐ私の顔面を目掛けて飛んできた。
わーホントに近づくほどにボールがおっきくなってるーとか思うくらいには混乱してた。
艤装も付けずに体育座りという無防備すぎる体制。
無理だコレ。
と思った次の瞬間、
脳を揺さぶるほどの音と衝撃とともにボールが停止した。
目の前にはボールと、それを防いだ手袋をした手があった。
ゆっくりと左を向く。
そこには先程までのコロコロと笑うどこか幼さを感じさせる先輩の顔はなく、そのギラギラとした鋭い眼光は確かに飛龍という名が相応しかった。
852 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:15:22.94 ID:8hN5TkSb0
鍛えているとはとても思えない華奢な腕は完全にボールの勢いを殺してしまった。
ボールが地面に落ちる。
コートに居た誰もが飛龍さんを見ていた。
神風「…」ブルブル
神風は耳と目を塞いで縮こまってた。
飛龍「まったくもー。みんなヒートアップし過ぎ!めっ!」
右手を払いながらいつもの調子で話す。
武蔵「すまなかった。つい力んでしまって…」
Гангут「け、怪我はないか!」
戦艦達が慌てて駆け寄ってくる。
座ってる目の前に並ばれるとすごい威圧感だ。
北上「あー大丈夫大丈夫。むしろこっちの方が問題かも」
神風「」ブルブル
853 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:15:49.32 ID:8hN5TkSb0
飛龍「はぁ…じゃ、神ちゃんは私が連れてくから、二人は吹雪に報告すること。いい?」
Гангут「う、アイツに言うのか…」
武蔵「仕方あるまい。了解した」
北上「神風ー、おーい。かーみーかーぜー」
神風「?」
北上「神風?あれ、聞こえてない?」
神風「耳が、こう、キーンとしてて」
飛龍「一応明石っちゃう?」
北上「そうしますかね〜、ほら神風」
背中を差し出す。いわゆるおんぶというやつだ。
854 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:16:38.36 ID:8hN5TkSb0
神風「いや流石にそこまでじゃ」
飛龍「ならばこうだー!」
神風「キャッ!ひ、飛龍さん?」
おんぶじゃなくてだっこ。しかもお姫様だっこ。
北上「凄い様になるねえお姫様。いやお嬢様かな」
飛龍「スカート短い娘多からねえ。これ出来る娘ほとんどいないのよ」
神風「うーまったく聞こえない…」
飛龍「それではでっぱーつ」
北上「おー」
神風を抱き抱える右手に、もう手袋はなかった。
855 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:17:06.26 ID:8hN5TkSb0
明石「え?」
武蔵「ん?」
飛龍「ありゃ?」
工房にて、集結。
明石「三人はどういう集まりなんだっけ」
飛龍「私は神風の診察に」
武蔵「私はボールの修理に」
明石「え?」
武蔵「ん?」
飛龍「およ?」
856 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:17:43.75 ID:8hN5TkSb0
飛龍「いやちょっと事故がね」
神風「私はもう大丈夫だって言ってるんですけどね…」
北上「抱っこするのが楽しくてやってた節があるよね」
飛龍「気にしない気にしない」
明石「診察します?」
神風「あ、大丈夫です。ホントに」
明石「ではそちらは」
武蔵「ボールが壊れた」
神風「破れたとか割れたとかじゃなくて壊れたってすごい表現ですよね」
北上「確かに」
857 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:18:23.52 ID:8hN5TkSb0
武蔵「ほら」
明石「んー、ん?何ですかこの痕」
北上「どれどれ?」
飛龍「んー?げっ!」
神風「うわぁ凄い痕」
明石「手形、ですよね」
武蔵「そうだな」
明石「武蔵さんの?」
武蔵「私はもう少し手が大きい」
神風「というかこの痕って」
北上「今そろそろと工房を出ていこうとしている人のものだよね」
飛龍「ギクッ」
858 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:19:01.31 ID:8hN5TkSb0
かくかくしかじか
飛龍「正当防衛です」
明石「なるほど状況は理解しました」
飛龍「守護る為です」
明石「その上でひとつ言いたいことがあります」
飛龍「必要な犠牲でした」
明石「もっと上手くやれたでしょう」
飛龍「だってぇ〜!ビビったもん!私もビックリしたもん!ちょっとばっかし力んじゃっても仕方ない!」
明石「仮にもウチの最高練度なんですから力加減考えてくださいよ。怒るつもりは無いですけど実際こうして修理費が数字として出るんですから文句くらい言わせてください」
飛龍「ぶえ〜…」
859 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:19:40.66 ID:8hN5TkSb0
神風「なんだか申し訳ないですね」
北上「そだね」
結果として私達があそこに居なければ、と思わずにはいられない。
しかし最高練度かあ。
ボールを受け止めた時右手には弓道で使うという手袋がハマっていた。
いわゆる正装。つまり艤装の力。
それをあの緊急事態に瞬時に右手に纏い受け止めた。
右手だけに、一瞬で。
艤装を一部だけ使うというのはとてつもなく難しいのだ。
パワーだけでなく繊細なコントロールも完璧だ。力んでボール潰してたけど。
普通これだけの力をあんなふうにぱっぱと出し入れなんて出来ない。
860 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:20:10.51 ID:8hN5TkSb0
武蔵「右手の方は大丈夫なのか?」
飛龍「ん?全然へーき」
武蔵「そうか…」
空母は馬力だけなら戦艦をも凌駕している。
さらに力を防御や反動や体制の制御、つまり下半身に力の多くを使う戦艦と違い艦載機を送り出すための腕に多く使うという。
普段弓で訓練する空母組がドッヂに参加するとひどい事になるとかならないとか。
861 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:22:01.60 ID:8hN5TkSb0
明石「はあーまた修理かー、残業かー辛いなー」
飛龍「あーはいはい間宮!間宮で手を打ちましょう!」
明石「何日分?」
飛龍「日!?」
明石「何日分?」
飛龍「よ、3日!三日分なら!」
明石「ばりー聞いてたぁ?」
夕張「チャリできた」ヒョイ
正確にはチャリではなく作業用のあの、なんかスケボーみたいなやつ。
飛龍「え゛」
夕張「一人三日分ならやるしかないね〜」
明石「しばらくは一緒に間宮タイムだね〜」
飛龍「え、いや、その」
夕明「「何か?」」
飛龍「イエナニモ」
夕明「「ヨッシャ!!」」
飛龍「うぅ…ごめん蒼龍…」
うーん。
流石の最高練度も二人には頭が上がらないようだ。
862 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/18(木) 03:25:48.81 ID:04AfV4e30
流石人殺し多聞丸の薫陶を受けただけのことはある、強いw
戦艦たちが即座に謝罪できるいい大人たちでほっとした
863 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/18(木) 03:26:44.62 ID:8hN5TkSb0
私の艤装の出し入れのイメージはFF零式の武器召喚のアレで固定されている
艦これSSは基本的に何でも読みますが、非所有艦がメインのモノは読まないようにしています
864 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/18(木) 12:55:40.09 ID:hiXqg6sz0
更新お疲れ様です
間宮3日分で躊躇うお値段?
高級菓子なんだろなー(間宮には一流菓子職人が軍属で乗船してたそうです)
865 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/22(月) 03:01:46.95 ID:bfDD7pNk0
51匹目:猫はコタツで丸くなる
雪やこんこん霰やんちゃ…あれ、何か違う?
実際猫は雪だろうと霰だろうとなんだろうとコタツがあれば丸くなるものだ。
でも例えば、それが吹雪だったりすると?
866 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/22(月) 03:02:46.94 ID:bfDD7pNk0
吹雪「っプハー!」
北上「…え」
吹雪「へ?」
この鎮守府。色々な所が後付け工事で構造が変わっていたり建物が増えてたりするらしい。
提督、つまり2代目である今の提督がやったとか。
嘘か真か、秘密の研究室やら禁断の実験室がどこかに隠れてるとか。噂だけどさ。
そんなんだからあまり人気のないところ探してサボってたりする艦娘がいたりする。
するのだが…
867 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/22(月) 03:04:14.34 ID:bfDD7pNk0
3階。
外階段へと通じる扉を開けた先にあったのは
叢雲「っちゃー…」
右手を額に当て天お仰ぎやっちまったーのポーズを取る叢雲。
吹雪「」
右手に十中八九ビールの類であろう缶を持ち左手は腰に当て今しがた喉越しを味わいましたというポーズを取っている吹雪。
北上「…」
吹雪「…」
北上「…」
吹雪「ノンアルコールですから!」
北上「嘘をつけ」
どうみてもINアルコールである。
868 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/22(月) 03:04:50.38 ID:bfDD7pNk0
叢雲「まあ溜まり場、サボり場なのよここ。私たちしか知らないけど」
吹雪「あ、でもでもサボってるわけじゃないんですよ。ちゃんと休憩時間なんです」
北上「そこは疑ってないけど」
というか普段の働きからしてもっとガンガンサボっても文句は言われないだろう。
北上「でそれは?」
吹雪「マイソウルドリンク」
叢雲「飲む?普通のビールだから」
北上「遠慮しとくよ」
吹雪「えー罪を共有しましょうよ」
罪の自覚はあるのか。
北上「私アルコール好きくないからさ」
吹雪「む、ならしょうがないですね」
飲めない部下に理解があるいい上司。
869 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/22(月) 03:05:23.94 ID:bfDD7pNk0
叢雲「意外ね。球磨型はアルコールには強いと思ってたけど」
北上「別に飲めなくはないよ。好みの問題。というか皆そんなに強いの?」
吹雪「球磨さんは強いですねえ、飲んでも飲んでも顔に出ないタイプです」
叢雲「木曾は、強いのだけどそれ以上に飲みすぎるから潰れやすいわ」
北上「大井っちは普通に酔うけど潰れはしないタイプだったなあ」
吹雪「多摩さんは、多摩さんはなんといいましょうか」
叢雲「謎よね」
北上「謎?」
すごい表現だ。
870 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/22(月) 03:06:02.24 ID:bfDD7pNk0
叢雲「飲んだらすぐ寝るのよ」
吹雪「でもちょっと寝たと思ったらいつの間にか起きててまたぐいっと飲むんですよ」
叢雲「そしてまた寝る」
北上「なんだそりゃ」
吹雪「最初の落ち着いてる時も中盤のどんちゃん騒ぎの時も終盤のお通夜モードの時も一切変わらず寝て起きて飲むを繰り返すんです」
叢雲「それで翌朝みんなが吐き気と頭痛に呻いてる中ケロッとした顔で朝ご飯食べるのよね」
吹雪「あれはホント謎だよね」
北上「なんだろう。なんか多摩姉らしい」
叢雲「マイペースの極みよある意味」
871 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/22(月) 03:06:43.86 ID:bfDD7pNk0
北上「今度みんなで飲んでみようかな」
叢雲「いいんじゃない。でもみんなでってなると途端に難しくなるわよ」
吹雪「暇な時は多いですけど予定が会う日となると意外と揃わないんですよね〜」
北上「確かに。次の日出撃とかでも辛いしねぇ」
叢雲「ま、そこは最悪艤装を使えばアルコールは抜けるわよ」
吹雪「気持ち悪さは自己負担ですけどね」
北上「遠慮しておきたいところだね」
ちなみに猫にアルコールはダメ絶対。
我々はアルコールを分解する構造を持ち合わせていない。
872 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/22(月) 03:07:19.50 ID:bfDD7pNk0
北上「二人はどうなのさ」
叢雲「私は普通ってとこかしらね。はっちゃけたりはしないわ」
吹雪「この子酔うと色っぽくなるタイプでしてね」
叢雲「ちょっと」
吹雪「特型駆逐艦は全員この子に唇奪われているなんて言われるくらいで。あ、半分くらい事実です」
叢雲「違っ」
吹雪「さらには提督を誘惑した事までありまして」ゴソゴソ
叢雲「なっ!?」
吹雪「こちらが証拠のビデオ映像になグヘェッ!!」
ビールの缶が凄く楽しそうな表情をした吹雪の頬に直撃した。
中身開けてないやつが。
ドッヂボールより痛そうだ…
873 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2018/01/22(月) 03:07:53.72 ID:bfDD7pNk0
叢雲「はい!」ポイ
吹雪「あぁ…メモリーが…妹の貴重な映像がぁ…」
スマホにあった映像はしっかり消されたようだ。
バックアップあるんだろうなあ。
叢雲「吹雪はそもそもあまり飲まないわね」
吹雪「私はみんなの介抱する立場ですからねえ。強いとは思いますよ?こうしてビール飲んでますし」
北上「ビールって言っちゃってるし」
吹雪「生いきビールです」
叢雲「駄菓子でしょそれは」グビ
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