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北上「我輩は猫である」
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74 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/26(水) 14:21:34.79 ID:LJtmlrwE0
9匹目:猫にかつお節
北上「いや別に好きじゃない」
むしろ嫌いだ。
球磨「なら球磨が貰うクマ」
大井「ああ!ズルイです球磨姉さん!」
球磨「ふっふっふ、早い者勝ちだクマ」
木曾「かつお節くらいここにいっぱい置いてあるだろ」
多摩「美味しいけど臭いは嫌いにゃ」
かつお節。独特の匂いを放つ、まあ一応魚。
なぜ猫に?日本の猫は好きだったりするのか?
こんな臭いのモノを果たして本当に喜んで食べるものなのか?
75 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/26(水) 14:22:04.70 ID:LJtmlrwE0
北上「そういや私の好物ってなんだろう」
多摩「それは他人に聞くものじゃないにゃ」
北上「それはそうなんだけどね」
大井「はい!北上さん!私北上さんです!」
北上「球磨姉は?」
球磨「ん〜ステーキとかクマ。ミディアムがいいクマ」
北上「わお」
多摩「多摩はねぎトロd、猫まんまだにゃ!」
木曾「見たことないぞ猫まんまなんて。俺は、いちごパフェかな」
球磨(可愛い)
多摩(カワイイ)
北上(かわいい)
大井(北上さんカワイイ)
木曾「なんだその目は」
76 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/26(水) 14:23:45.93 ID:LJtmlrwE0
木曾「猫ってホントに猫まんま好きなのか?」
北上「雑食だし食べるには食べるでしょ。好みかはともかく」
昔は何食べてたっけな。
多摩「種類や地域によって差がありそうにゃ」
球磨「日本猫ならなんだろうクマ」
大井「銀〇スプーンとかじゃないですか?」
大井「え、なんですかその間は」
球磨「猫もジャンクフードの時代クマか」
多摩「時代だにゃ」
木曾「うまいと思わせるために作られてるしな」
北上「さもありなん」
多摩「ちなみに人が食べるとただの味の薄いツナ缶だにゃ」
「「「「えっ…」」」」
多摩「え?いや、食べてない。食べてないにゃ。聞いただけにゃ…引くにゃ!距離をとるにゃ!」
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/26(水) 17:23:57.98 ID:zAVhtn8KO
あっ…(察し)
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/26(水) 18:00:53.16 ID:JIDsHzDL0
余計なゲストなしでこの世界観、やっぱほのぼの話は非常にうまい
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/26(水) 21:49:28.01 ID:dqNBdNHA0
>>73
猫科のことをFelidaeと書く
つまりそういうこと
80 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/27(木) 14:08:10.57 ID:LDL8iSNu0
10匹目:猫耳に水
58.59.60.61.62
水の中からの眺めは実に新鮮なものだ。
猫は水が苦手だから。
ゆらゆらと揺れる光は私の眼に不思議な光景を見せる。
沈むとはこういうものなのだろうか。
まだ経験した事の無いそれに思いを馳せる。
75.76.77.78.7
あ、やばい。
息がもう
81 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/27(木) 14:08:38.60 ID:LDL8iSNu0
北上「ぶは!」ザバッ
球磨「北上の負けクマ〜」
木曾「おーい多摩姉〜。勝ちだぞ勝ち」
多摩「ぷはっ。ふふふ、多摩に勝とうなんざ100年ゲホッ!…ゴフ…」
大井「ほら落ち着いてください。深呼吸深呼吸」
北上「ん〜もちっと潜れるかと思ったけど、お湯だとなんか上手くいかないね」
木曾「海とは勝手が違うよな。なんでだろ」
球磨「バス〇マンのせいだクマ」
木曾「えぇ…」
お風呂での息止め大会。
球磨型最強は多摩姉ちゃんだった。
82 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/27(木) 14:09:06.78 ID:LDL8iSNu0
猫は水が苦手だ。
何故。
調べてみると、
耳に水が入ると死ぬ
毛が水を弾かないから
泳ぎに適した体じゃないから
水に溶けるから
遺伝子にトラウマがある
水甕に落ちると死ぬから
色々あったけどまあどれかが正解なのだろう。
だからこうして水の上を移動したりお風呂に入ったり潜ったりは、本当に新鮮なのだ。
球磨「多摩はよく息が持つクマ」
多摩「コツがいるんだにゃ」
木曾「相変わらず猫らしくない」
多摩「潜れる猫だっているにゃ!」
大井「開き直ることを覚えたんですね」
多摩「なんでみんな猫に関してはドライなんだにゃ…」
83 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/27(木) 14:09:40.43 ID:LDL8iSNu0
多摩「球磨姉もやるにゃ?」
球磨「球磨はいいクマ。髪がめんどくさいクマ」
北上「球磨姉は髪長いもんね〜、ん?」
大井「どうしたんですか?」
北上「耳がなんか変な感じする」
多摩「水入ったにゃ?」
北上「おお」
これが水が入るという感覚!
凄い!気持ち悪い!
木曾「片足ケンケンやったらどうだ?」
北上「何それ」
木曾「こう、片足で立って、ジャンプしながらうわっ!」
バシャン!
球磨「ドジっ子クマ」
多摩「生きてるにゃ?」
北上「これ危なくない?」
84 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/27(木) 14:10:06.35 ID:LDL8iSNu0
球磨「耳に指突っみゃ治るクマ」
大井「ダメですよ、もし鼓膜とかに傷が入ったらどうするんですか!」
球磨「え、そんなに危ないクマ?」
大井「耳は繊細なんです。無闇に指を入れてはいけません」
球磨「うぅ、分かったクマ」
多摩「どっちが姉だかわからんにゃ」
木曾「脱衣所に綿棒あったはずだ」ザパッ
北上「体は洗ったしそうするかな」
大井「はっ!でしたら!」
85 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/27(木) 14:10:34.03 ID:LDL8iSNu0
大井「どうですか?」
北上「ん〜いい感じ〜」
鏡の前に座り、大井が後ろから綿棒で耳を掃除してくれてる。
やたらと上手い。何故か。
大井「はい終わりです。このまま髪も乾かしちゃいますね」
北上「うんお願い」
ドライヤーの音に一瞬ビクッとなる。
しかしこうして他人に髪を解かれるというのは、何だか毛繕いをされてる時を思い出して、まあ悪くない。
大井「結ぶのはいいんですよね」
北上「どうせ解くしね。その方が乾きやすいし」
大井「この後、またどこかへ?」
86 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/27(木) 14:11:10.55 ID:LDL8iSNu0
北上「うん」
大井「…」
北上「着いてきちゃダメだよ」
大井「わっ、分かってますよーオホホ」
分かっててやる顔をしている。
まあ大井っちをまくのはそう難しくないからいいけど。
北上「ねえ大井っち」
大井「はい?」
北上「あ〜、ありがとね」
大井「いえいえ」
一人でいたい、とはなんか言えない。
それは、北上じゃなくて私の意思だ。
それは、表に出すべきじゃない気がする。
87 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/28(金) 23:55:29.56 ID:G7RklKC00
11匹目:女の心は猫の目
女の心は猫の目のようにコロコロ変わる、とか。
猫の目がコロコロ変わってるという自覚は無かったが、調べてみると確かに変わってる。
暗くても見えていたのはそういう仕組みだったのか。
確かに怪しく光ってたな。
さてでは女の心とはどうだろうか。
88 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/28(金) 23:55:55.70 ID:G7RklKC00
北上「ん〜…」
朝。
規則正しい生活というのはなかなか面白いが、眠い時に寝れないのは如何なものか。
伸びを1回。
目を開ける。
大井「…」ジー
北上「…おはよう」
大井「おはようございます」
ニコッと満面の笑顔。
うん、まあいいか。
89 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/28(金) 23:56:22.35 ID:G7RklKC00
枕元には着替えが置いてある。
勿論私は用意してない。
大井っちだ。
私だからやってくれているのだろうが、しかし面白いのは私だけにやっているわけではない所だ。
多摩「おはよぅ」
大井「おはようございます」
語尾も付けないくらい寝起きの機嫌が悪い多摩姉にも着替えを渡してる。
木曾「んー、まあいいか」
大井「いいわけないでしょ。ほら貸しなさい」
木曾「ちょ、おい姉」
大井「ほらじっとする」
木曾「へいへい」
こうして妹の寝癖を直したり。
90 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/28(金) 23:56:56.75 ID:G7RklKC00
球磨「さてと、ありゃ?」
大井「スカーフならそこの机のとこにかかってますよ」
球磨「何故わかったクマ何故知ってるクマ」
大井「球磨姉さんの事くらい大体わかりますよ」
球磨「何か釈然としないクマ。でもありがとクマ」
私達の生活は、はっきり言って大井っち1人の存在で成り立っている。
大井「さあ、朝ご飯に行きましょう」
でも大井っちは、凄く嬉しそう。
91 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/28(金) 23:57:29.95 ID:G7RklKC00
昼
大井「いただきます!」ムスッ
プンスカという効果音が聞こえてきそうなくらい怒ってらっしゃる。
北上「何かあったの?」ヒソヒソ
木曾「どうせ提督だろ」ヒソヒソ
球磨「午後の編成の件でもめたらしいクマ」ヒソヒソ
多摩「またかにゃ」ヒソヒソ
大井「何か」
「「「「いえ何も」」」」
92 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/28(金) 23:57:56.38 ID:G7RklKC00
提督「うーっす」
空気を読めない奴が食堂に入ってきた。
この場合提督を責めるのは酷というものだが。
提督「♪〜…げっ」
うわ反応しやがったぞ。
スルーしときゃいいのに。
大井「げっ、とはなんですかげっとは。それが大切な部下に対する態度ですか」
提督「上官の命令に背くばかりか暴力まで振るうようなやつがよく言うぜ。大切にして欲しければまず敬う心をだな」
大井「なによ」
提督「なんだよ」
多摩「鶏が先か卵が先かにゃ」
球磨「元気なのはいい事だクマ」
木曾「この情熱ほかの事に向けてくれねぇかな」
93 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/28(金) 23:58:33.43 ID:G7RklKC00
提督「ぃい〜だろう今日という今日は決着つけてやる!」
大井「望むところよ!」
北上「ごっそさん」
ちなみに2人はこの後提督室でボードゲームにて決着をつける気だ。
いつもの流れで。
さらに言うと将棋は提督が勝ってオセロで大井っちが勝つ。
チェスは見事に五分五分らしい。
北上「仲いいじゃん」
球磨「仲いいんだクマ」
多摩「言うとまた喧嘩が長引くにゃ」
木曾「そっとしとけ、ほっとけ」
94 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/28(金) 23:59:04.75 ID:G7RklKC00
おやつ時
大井「じゃ〜ん!今日の戦利品です」
北上「おおこれは伝説の秘宝間宮券!」
大井「大魔王テイトークとの死闘の末勝ち取りました」
北上「これは祝わにゃなるまいよ」
大井「それでは」
北上「間宮っちゃいますか?」
大井「やっちゃいましょう!」
チケットを高々と掲げ満面の笑みの大井っち。
さ〜て嬉しいのはチケットなのか勝利なのか、はたまた。
95 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 00:03:09.08 ID:a6g37nOR0
北上「ホントは私よりもこうしていたい人がいるんじゃないの?」
大井「まさか、北上さん以上の相手なんていませんよ」
一つのパフェを2人で向かい合って食べる。
こういうのは彼氏彼女でやるものだという事はしっかり知っている。
北上「提督とは?」
大井「誰があんな人。敵ですよ敵。深海棲艦なんかよりよっぽど」
北上「それは怖い」
大井「私は北上さんが居れば十分です。提督はいりません。というか邪魔です」
満面の笑みで怖いことを言う。
96 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 00:03:52.27 ID:a6g37nOR0
大北「「ごちそうさま」」
大井「北上さん、この後は?」
北上「読書タイム。そろそろ借りた本が溜まってきてね〜」
大井「そうですか…」
少し落ち込む大井っち。
読書タイムは流石に大井っちも自分が邪魔になると分かっている。
なんだかんだで私の事を一番に考えてくれている。
なんだか悪い気もしちゃうんだけどさ。
大井「では戦利品を提督に見せつけてやりますか」
さっきスマホで撮ったパフェの写真の事だろう。
大井「それではまた」
北上「うん、じゃね〜」
悪〜い顔をして提督室へ向かう大井っち。
北上「やれやれ」
猫の目も、あそこまでコロコロは変わるまいよ。
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/29(土) 07:04:13.43 ID:Laxl7exmo
大井っちは素直じゃない……っとφ(..)
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/29(土) 12:09:46.27 ID:MFJQ86fUo
おつおう
99 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 20:57:22.21 ID:a6g37nOR0
13匹目:海猫
ウミネコを知ってるだろうか。
私も一応知ってはいる。
鳥だ。
ではウミネコと言われてまず何が思い浮かぶか。
私はカモメだった。
実際調べてみてもカモメとウミネコの違いなんてよく分からない。
知らない。
そんなもんだろう。
100 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 20:57:53.24 ID:a6g37nOR0
海とか浜にいる鳥で、カモメ以外をぱっと浮かべる人なんてそんなにはいないんじゃないだろうか。
いやどうだろう。偏見だろうか。
アンケートでも取ろうか?
いやしかし鎮守府なんていう極まりきった偏りきった空間でそんな事しても意味はないか。
さて、私はウミネコに会ったことがない。
いや正確には船の私は見た事ぐらいあるのかもしれないけど、それをウミネコと認識していない以上会ったことないも同然だ。
だからこれは、私が初めてウミネコに会ったという話だ。
101 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 20:58:28.59 ID:a6g37nOR0
北上「今日は、三日月?やや三日月か」
例の屋根上。
遅めのお風呂の後、髪を乾かしに来てみた。
少しづつ暖かくなっていくこの時期の夜風は中々のものだ。
時刻はどこぞの軽巡の夜戦時報が一通り騒いで取り押さえられた頃。
北上「夜にテンション上がるのは分からなくもないんだけど」
猫のせいなのかな。それとも猫の記憶のせいで意味もなく夜行性と勘違いを起こしているのか、はてさて。
102 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 20:59:05.28 ID:a6g37nOR0
提督「んだよ、お前も夜戦バカだったのかぁ?っしょっと」
北上「おや、提督」
やけにはしごを登るのに苦労してる。
北上「あ〜お酒か」
提督「そゆこと。飲むか?」
北上「うっわ未成年に飲酒を勧めてきたよこの人」
提督「それは人間の法律だよ。つか既に何度か飲んでたろ」
北上「いや、実はまだ飲んでないんだ。これはマジで」
提督「そうなのか」
北上「飲んでるふりはしてたけど」
飲まなきゃいけないような雰囲気があったので。
とはいえアルコールのあの妙な匂いがする飲み物をわざわざ口にしようとは思わなかった。
猫のカンってやつ。
103 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 20:59:40.57 ID:a6g37nOR0
提督「なら今飲んでみるか?何事もお試しだ」
北上「それはー、ビール?」
提督「チューハイ、殆どジュースだよ」
北上「えぇ…こういう時提督って一升瓶に入った高そうなお酒飲むものじゃないの?お酒とかよく知らないけどさ」
提督「ばっかおめえ高いってマジで高いんだぞ。それに俺にとって酒はただの娯楽だ。安物でいーの」
北上「なるほどねえ。じゃいただきっ」
提督「あっおい!」
缶の蓋を開ける。
提督の頑張りのおかげで吹き出すことは無かった。
北上「んっ……ん?ん〜」
提督「ごかんそーは?」
北上「これホントにお酒?」
提督「言ったろ、ジュースだよこんなん」
今の私の舌ではアルコール数パーセントの差は分からないらしい。
104 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 21:00:07.79 ID:a6g37nOR0
北上「ごっそさん」
特に面白味もなかったので提督に缶を返す。
提督「お、おう…」
北上「なに、その微妙な反応」
提督「いやだって、なあ?」
北上「だからなんなのさ」
提督「ほら、他人が口つけたのって気になったりしない?」
北上「あー雑菌とかか。提督そんなに気にするタイプだったっけ」
提督「んな汚ねえ話じゃなくて。だぁからぁ、関節キスだよ関節キス」
北上「かん、え?何て?」
提督「え?」
105 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 21:00:37.41 ID:a6g37nOR0
北上「関節キスね〜そんなものがあるとは」
提督「マジで知らねぇのか」
北上「いやいやホントに勉強不足だったよ」
提督「別に知る必要があるかと聞かれたら皆無なんだけどな」
北上「でもそれって気になるものなの?鎮守府だけでもゆうに百を超える艦娘と提督が同じ食器とか使ってるじゃん」
提督「それはほら、洗ってるからセーフ」
北上「やっぱ雑菌か」
提督「そういう言われるとなんかな…」
106 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 21:01:06.67 ID:a6g37nOR0
北上「例えばその缶、今提督が飲んだら関節キスなんだよね」
提督「そうなるな」
北上「例えばそれを持ち帰って一時間後くらいに飲んだら関節キス?」
提督「ん〜、関節キスか否かと聞かれたら関節キスだが。少し微妙になるな」
北上「つまり異性が触れたという認識は洗えば消えるし時間で薄れると」
提督「やめろよ…夢がなくなるような言い方」
107 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 21:01:46.33 ID:a6g37nOR0
ゴクッと一飲み。
北上「あれ?いいの〜関節キスだよ〜?」
提督「うっせ、んな気分じゃなくなったよ」
北上「でも意外。こんなとんでも男女比率の中でそんなこと気にしてるなんて」
提督「だからこそだよ。俺は上司でお前らは部下だ。それにお前らは兵士で、兵器だ」
北上「ありゃりゃ、結構ドライだね」
提督「迷いどころなんだけどな。ケッコンなんてのもあるし」
北上「まぁどころっこしいな〜。そんなんだから童貞なんだよ」
提督「ブハッ!」
チューハイは宙に撒かれて消えていった。
下に誰もいないといいけど…
108 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 21:02:14.19 ID:a6g37nOR0
提督「ど!童貞、だけどさあ」
北上「誰か相手とかいないの?狙ってる人とか」
提督「ズバズバ聞いてくのな。いねえよそんなの」
北上「え〜いるじゃん大井っちとか」
提督「ブッ…ゴホッゲホッ」
吹き出ーさなかった。でも咳き込んだ
109 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 21:03:07.23 ID:a6g37nOR0
提督「アイツはんなんじゃねえって」
北上「でも仲良いじゃん」
提督「男同志なら友情が芽生えそうなくらいいがみ合ってるのにか?」
北上「なら男女だと愛情が芽生えるかもよ?」
提督「人の事無能呼ばわりするし容赦なく殴る蹴るの暴行を加えてくる女だぞ」
北上「それについては聞いたよ」
提督「誰から」
北上「みんなから」
提督「…なんて」
北上「ツンデレ」
提督「忘れろ」
110 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 21:03:38.11 ID:a6g37nOR0
提督「仮にあれが愛情表現ならそれはそれで問題だろ…」
北上「そこはまあ、同意かな」
提督「第一俺に惚れてるって前提がおかしいだろ」
北上「そお?」
提督「特に身長も高くないしイケメンでもないし目立った成績も尖った功績もないし、技量も度量もなくて…女にも、慣れてないし、未だに、遠征も間違える、ダメ、提督、だし…」
北上「こらこらこら落ち込まない、自分で自分を傷つけない」
提督「グスン」
北上「大の大人がみっともないな〜。そりゃ凄いところは無いかもだけど、特段ダメな所もないじゃん。大丈夫だよ!」
背中をバシバシと叩いてみる。
本で読んだ行為だがしかしなんで叩くのだろうか。
提督「慰め方下手くそか」
111 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 21:04:10.11 ID:a6g37nOR0
提督「つか大井に関してはむしろお前だろ」
北上「私?」
提督「お前ら仲いいじゃん」
北上「仲はそりゃあいいんだろうけど、え?何、大井っちの好みとか教えて欲しいの?」
提督「そうじゃなくて、その、女同士で〜とか」
北上「女同士じゃダメじゃん」
提督「ほら、百合とかレズ的な?」
北上「花?」
提督「あり?」
北上「え?」
112 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 21:05:03.56 ID:a6g37nOR0
北上「なるほどね〜同性愛か。考えもしなかったよ」
提督「なんな汚してはいけないものを汚してしまった気がする」
北上「余計な知識なんてないよ。余計なのは知識に善し悪しを付ける価値観の方さ」
提督「お、おう」
北上「でもなるほどね。確かにそう考えると大井っちの行動は理解出来ないもないかな」
提督「やっぱそうなのか」
北上「さあね。本人に聞かない限りそうかもってだけだよ」
提督「そりゃそうか」
113 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 21:05:37.93 ID:a6g37nOR0
提督「ほれ、やるよ」
北上「いいの?まだ残ってるけど」
提督「空き缶だけ渡すとか酷すぎだろ。なんか飲む気分じゃなくなったからな」
北上「あちゃ、悪いことしちゃったかな」
提督「逆だよ逆。いい気分になったから酒はいらんさ」
北上「そお?なら遠慮なく」ゴクッ
甘い。
提督「お前は気にしないのな」
北上「関節キス?まあ特にはね。なんなら普通のキスしちゃう?」
提督「っ…遠慮しとくよ。なんか怖いしな」
北上「え〜とって食いやしないよ」
114 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/29(土) 21:06:59.26 ID:a6g37nOR0
提督「やれやれ、ここは変なやつしか集まらないのかね」
北上「自分が変だとは思ってるんだ」
提督「多少はな」
あれ、しかし今の言い方だと。
北上「ここって私たち以外にも誰か来るの?」
提督「ああ、と言っても俺も最近知ったんだが」
ドクン、と心臓がなったのを感じた。
北上「誰が、来るの?」
提督「昼過ぎにそこのはしごを降りてるのを見ちまってな。なんでも飯食った後にここによく来てるんだと」
動悸が激しくなってるのは多分お酒のせいじゃない。
提督「谷風。面識はあるか?」
もしかして、という期待を、私は抑えられなかった。
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/29(土) 21:23:06.13 ID:xVYvy8nf0
間接な いつまでサブミッションかけとるんじゃw
116 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 02:13:22.09 ID:o3y+tRZF0
自分で書いてる時は違和感ないから不思議
117 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 02:14:24.41 ID:o3y+tRZF0
完全に、100%の直感だったけど、私は谷風に自分と同じじゃないかという期待を寄せていた。
だから次の日すぐに行動した。
北上「ホントにいた」
谷風「ん?あぁキミか。思っより早かったね。いやホントにね」
北上「こんな真昼間からなんでここに?流石にそろそろ熱い季節だよ」
谷風「空が近いじゃないか。それに皆を見下ろせる」
北上「えぇ、そんな理由?」
谷風「冗談だよ、半分ね。さて初対面ってわけじゃないけど、一応言っておこう。初めまして、谷風さんだよ、よろしくね」
北上「…北上」
谷風「うんうん。よろしくね、北上さん」
握手を、した。
118 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 02:15:26.83 ID:o3y+tRZF0
谷風「でも高いところが好きなのはホントだよ?何故かね」
北上「…」
高いところ。やはりコイツも猫か?
谷風「別にスカートの中を覗かれることに抵抗がないわけじゃないんだけどね。まあこんなところを見る人もいまいよ」
特にそんな感じはしないけど。いや私だってパッと見は普通だけどね。
谷風「しかしこんな格好で毎日戦場に赴けば妙な思考を植え付けられても不思議じゃないよね。初めて被弾した時なんかこれはもういっそ下着だけでいいと思ったよ」
しかし何ていうか、この娘、
谷風「全部含めて艤装だし仕方ないんだけどね。それで言ったら一番可愛そうなのは提督になるのかねえ。心配で駆け付けたら目に映るのは露出した太股、お尻、お腹に、胸。お互い辛いもんだよ。誰が考えたんだかね。神様かな?なら納得だけど」
…よく、いや非常に、あまりに非常識になレベルで喋る。
北上「それは、今話す事?」
119 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 02:16:01.63 ID:o3y+tRZF0
谷風「ふむ…では本題だ。キミ、猫の記憶があるんじゃないか?」
北上「え!?なんで!」
谷風「よしよし、合ってたみたいでホットしたよ。もっとも間違ってたところで何が変わるわけじゃないのだけどね。誤魔化すのは簡単だし」
北上「気づいてたんだ」
谷風「そりゃそうだ。だからキミがここに来るように仕向けたんじゃないか」
北上「仕向けた?」
120 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 02:16:33.25 ID:o3y+tRZF0
谷風「キミが夜中にここに来てると知ってね。昼に私がはしごを降りるとこを提督に目撃させて私の事を話したんだ。そうすればキミはここに来る、かも知れない」
思わず構える。
仲間に出会えたのは嬉しいが、これは少しばかり予想外だ。
谷風「ここで大事なのはキミは来るか来ないか選べるってとこさ。もし記憶があるならきっと来る。なければ来ないだけだし」
北上「私に記憶が混じってるのを知ってたんじゃないの?」
谷風「確証はなかった。確信はあったけどね。だから待つつもりだったんだここで。最低1ヶ月は待つつもりだったかな。提督が話すか、いつ話すかは運任せだし」
北上「さっきの早かった、はそういう意味か」
谷風「そういう意味さ。まあ来てくれてよかったよ。キミの言う通りここは熱いからね」
北上「高いところが好きってのも私の反応を見るための嘘って事ね」
谷風「ん〜まあそれもあるかな。好きなのは本当さ」
121 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 02:17:02.29 ID:o3y+tRZF0
谷風「私はここの古株でね。今の提督の一つ前から。もう50年はここにいる」
北上「ご、ごじゅう?」
谷風「そう。だから色々知ってるし顔も利く。だから監視してるんだ。自分と同じ艦娘がいつか合われるんじゃないかって」
北上「猫ってのも人に聞いたわけだ」
谷風「うん。実験もしたけどね。爆竹流行らせて反応見たり色々。猫の反応だったよ」
北上「あれ意図的だったんだ。手の込んだことで」
谷風「人にはバレない方がいいからね。なんとなくだけど。回りくどいのもそのためさ」
北上「でももし私が来なかったらどうするつもりだったの」
谷風「記憶があった上で来なかったら、それはそういう意味だと理解して今後関わるつもりはなかったよ」
北上「へえ、優しいんだね」
谷風「気持ちは分からなくもないからね。こんな記憶忘れて、ただの艦娘として生きた方が楽ではあるんだろうしさ」
122 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 02:17:29.80 ID:o3y+tRZF0
北上「他には、いないの?」
谷風「知る限りは。これまでも怪しい艦娘にはアプローチをかけてたけど来たのはキミだけ。だから認識上この鎮守府には私達しかいないと思っていいかな」
北上「そっか、残念。ってわけでもないのかな」
谷風「そうだね」
北上「でも、なんでそんなに必死に探してたのさ」
谷風「そんなの当たり前だろ?独りぼっちは寂しいんだ」
北上「それは、まあそうねえ」
谷風「秘密ってのは2人以上で抱えて初めて面白いものになるんだよ。1人じゃ負担にしかならないのさ。もっとも誰かに話すとその時点で戸が建てられなくなるんだけど、
とこんな話は今はいいか。ともかく私は話し相手が欲しいのさ」
北上「…お喋りが好きってわけだ」
長い。話がさっきから長い。
私とのセリフ量に差がありすぎる。
しかも途中に呼吸を入れずに一気に話すもんだからついていくのも大変だ。
123 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 02:17:55.37 ID:o3y+tRZF0
谷風「そうなんだよ。この口ときたら頭で考えるよりも早く動くもんだから歯止めが効かなくてねえ。歯止め、なんてまさに書いて時の如くだね。
でも普段は抑えてるんだ。谷風ってのは別にそうお喋りなキャラじゃないからね。それ自体は別に構わないしむしろ谷風という自由なキャラは中々気に入ってんるんだ。人間関係の構築という点でも大いに役立つ。
さて私、つまり谷風でもなく海猫でもない今の私がこうなったのはまさにその海猫の部分が原因なのさ。視点がズレたと言うべきなのかなあ。そのせいか一つのことに対して思うところが次々と湧いてくるようになっちゃってね。こうして「ウェイト!」ん?」
北上「え、今なんつった」
谷風「今?」
北上「う、うみねこ?」
谷風「そうだよ」
北上「猫じゃないの?」
谷風「そんな事は言ってないはずだけど」
北上「えぇ…」
124 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 02:18:39.28 ID:o3y+tRZF0
谷風「あるときふと気がついた。空を飛んでいた、と。ビックリしたよ。そうして色々必死に思い出すうちに、自分がどうやら鳥であったことに気がついた。
そして悩んだ。
そりゃそうだよね?何故に鳥ってね。徐々に翼やくちばしの感覚を思い出していった。
すると面白いものでね。価値観が大きく変わった。さっきも言ったけど、そうだね、当たり前が当たり前じゃなくなるって感じかな。
それがいい事かはともかく、周りとズレているというのはしかし想像以上に辛いものでね。悩みの種というわけだ。話し相手が欲しいというのはそういう事さ」
少しセリフの長さを抑えろと言った矢先にコレだ。諦めよう。
125 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 02:19:06.36 ID:o3y+tRZF0
北上「つまりこれから仲良くやっていこうってわけね」
谷風「そゆこと。悩み事は共有した方が気が楽だろ?」
北上「同感」
谷風「さてと。ならこんな暑っ苦しい所にとどまる理由はないね。次からは夜にしよう。そうだね…毎週火曜と金曜に私はここに来るよ。キミも会いたければ来るといい」
北上「りょーかい。それ以外であった時はどうする?一応秘密なんでしょ」
谷風「そこは、ん〜。キミに任せるよ。それじゃね」
北上「え〜、ちょっと」
タッタッタッと振り向きもせずハシゴに駆けていく。
一瞬飛ぶのかと思ったが普通に降りていった。
さて、
北上「面白いことになっちゃったな」
ついにやけてしまう。
なんだかいい気分なのでニャーと言ってみた。
126 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 02:21:02.77 ID:o3y+tRZF0
谷風のあの声をずっと聞いていたいと思ったらこうなった
誤字チェックをする気力は、あまりない
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/30(日) 02:30:37.80 ID:7rZftrgkO
乙です。
まぁ誤字については気づいたら直せばいいのさ、指摘されない限りはね、意味が分かれば十分……よほど笑えるのとかは指摘するけども。
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/30(日) 02:37:18.24 ID:3a1i1UmPo
乙カレー
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/30(日) 07:32:38.13 ID:x46T6Pf+o
乙
ニャーニャー鳴くのがウミネコだ(ブチャラティ並感)
130 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 22:57:23.46 ID:o3y+tRZF0
14匹目:好奇心は猫を殺す
イギリスのことわざ。
しかし好奇心とは大切なものだ。
それこそ、命を懸けてもいいくらいに。
やりすぎると馬に蹴られるかもしれないけどさ。
131 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 22:57:59.88 ID:o3y+tRZF0
夕張「ズバリ、ツンデレよ!」
北上「うえ〜?」
工房。
近代化改修と点検の真っ最中。
北上「なに、つんでれって」
夕張「あれ?知らない?本読むって言うから知ってるものかと」
読書家なら知ってるような単語なのか。
皆目見当がつかない。
永久凍土の上にある雨の少ない土地の知り合いかなにかかと思ったが。
132 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 22:58:37.38 ID:o3y+tRZF0
夕張「ツンデレってのは略称で、最初ツンツン後デレデレって意味よ」
美味しいお米の炊き方かよ。
夕張「今は天邪鬼って意味に使われる事が多いかな」
天邪鬼。それならわかる。
北上「あ〜確かに、うん。ツンデレだ大井っちは」
夕張「鎮守府の皆そう思ってるよ多分。絶対に言わないけどさ」
北上「鬼とはよく言ったもんだよね」
夕張「あはは、確かにそうね」
なんて喋りながらも作業スピードが一向に落ちない。プロや…
133 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 22:59:10.86 ID:o3y+tRZF0
夕張「でも大井さんって北上さんが好きよね」
北上「ん〜まあそうだよねえ」
夕張「やっぱ提督<北上さんなのかな〜。せめてイコールを入れたいわね」
北上「難しい話だよ。私達は特に、命がかかってるしね。どちらもとはいかないし」
夕張「ケッコンの話もあるもんね。提督もあまり私達を異性として意識しないようにはしてるみたいだけど、そうも言ってられないんじゃないかな」
北上「命短し恋せよ乙女、って?」
夕張「寿命で言えば提督の方が短いけどね」
北上「戦場だもの、私達の方がきっと、短いよ」
134 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 22:59:58.29 ID:o3y+tRZF0
夕張「ハイ終わりっ!」
北上「ん、ありがとね」
夕張「そうそう、最初の話に戻るけどさ。北上さん本読むのよね」
北上「まあそれなりに」
夕張「ツンデレをより理解してもらうために、私の秘蔵のコレクションを貸そうじゃないか!」
北上「お、おう」
目がキラキラしてる。
デジャヴ?
日向さんの時と同じだこれ。
夕張「さあさあ着いてきたまえ〜」
135 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 23:00:32.71 ID:o3y+tRZF0
自室に帰宅〜っと、
大井「あら北上さん、改修は無事ああーーーー!!」
北上「うわっ、何何どうしたの大井っち!」
大井「き、北上さんが、エッチな本を!?」
北上「えっち?」
エロ、18禁、性的表現。
手に持ったらいとのべるとやらの表紙絵と夕張の言葉を思い出す。
「どんな本もジャンルもまず読む事よ!好き嫌いは構わないけど偏見はダメ」
無茶を言う。
北上「いやでも昔の本とか性的表現ガバガバだし表紙に裸体とかザラだし」
大井「うっ…」
北上「というか私らの格好も大概、それ以上じゃん」
大井「グハッ」
WIN!
136 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 23:01:15.65 ID:o3y+tRZF0
大井「いえ。北上さんの読書を邪魔するつもりは無いんです…はい…」
北上「なんかごめん」
大井「お気になさらず…」
どうしよう、何か触れてはいけないことに触れてしまった気が。
北上「大井っちは服破けるのいやなの?」
大井「それは誰だってそうでしょう!」
そうかな、そうかも。
いや普通はそうだけど。
北上「慣れるしかないじゃん」
大井「でも、北上さんの、北上さんのあられもない姿があの唐変木に見られるかと思うと…」
唐変木。提督の事か。
北上「私の姿、ねえ」
とりあえず1冊目を開く。
137 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 23:01:49.69 ID:o3y+tRZF0
読書とは、
知識を得られる、
見聞が広がる、
語彙力が上がる、
エトセトラ
でも一番に好きな部分は、他人の価値観を得られることだ。
色々な作者の、そして作者の様々な価値観がそこには登場人物として描かれる。
それらを読み、理解したり、出来なかったり、そうして自分の中に蓄積していく。
それがいい事かどうかは賛否両論ありそうだが、猫なんてぶっ飛んだ価値観が混じってる私には今更だ。
138 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/30(日) 23:02:15.46 ID:o3y+tRZF0
北上「いやでもさ、これはキツいわ」
夕張「ありゃ、ダメだった?」
北上「面白かったけど、そのね、大井っちを見る目が、変わりました…」
夕張「ほ、ほら!フィクション!フィクションだから!」
北上「小説より奇なりが現実だよ…」
私がそれを証明してる。
夕張「でも百合は少し理解出来たでしょ。まだまだ序の口よこれでも」
北上「マジかぁ」
愛の種類というのはこれほどまでに多彩に、深く広がっているのか。
私にはまだ早いようだ。
私は賢いので、好奇心を少し抑えることにした。
139 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 02:01:48.61 ID:+4O7U4Ke0
16匹目:猫と子猫
数。それは圧倒的な力の差をも覆す。
一つ一つは弱くても、膨大な数が集まるととてつもない強さへと変わる。
生き物は知っている。
本能的に。
数の暴力を。
北上「でさ、助けてくれない?」ヒソヒソ
谷風「私も涼みに来たくちだからねえ。そいつぁ無理かな」ヒソヒソ
日に日に熱くなる。そんな季節。
私は、
駆逐艦たちに襲われていた。
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/31(月) 03:01:09.28 ID:coz3SQ5Zo
長門さんが羨ましそうに見てる
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/31(月) 08:09:59.67 ID:eOoAiNK7O
アツゥイ!
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/31(月) 10:58:45.23 ID:OhNtpldO0
文章の書き方が好きだわ
更新お疲れ様です
143 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:42:33.56 ID:MkHi9DRM0
谷風「襲われてるとは随分ないいようじゃあないか」
北上「似たようなもんでしょ」
谷風「見解の相違だね」
北上「なんでコイツら私の所に寄ってくるのさ」
谷風「君のいる所は涼しいからね」
北上「私がいる所が涼しいんじゃないよ。涼しい所に私が来てるだけ」
谷風「いかにも猫って感じじゃあないか」
夕立「…ポイ~」スヤスヤ
谷風「あまり喋ると起こしちゃうかな」
北上「起こしたいからいいよ」
144 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:43:01.19 ID:MkHi9DRM0
工房と母校の渡り廊下。
この時期いい感じに風が吹き込む日陰を見つけたのでここで読書と洒落込むつもりだったんだけど。
最初は遠征帰りの六駆。今は私の向かい側で壁を背に座って寝てる。
真ん中が響で皆そこにもたれかかる形になっている。誰が姉だか分かりゃしない。
次に工房から出てきた夕立と神風。
神風も本が好きらしく、最初は私の横に座って本を除いていたがライトノベルは合わなかったのか、そのまま眠ってしまった。寝るなよ…長い髪が少しこそばゆい。
夕立。こいつはもうストレートに寝た。横に座る神風を見て「私も!」と言って座って、「ここ涼しいっぽい」と言った次の瞬間には寝てた。のび太か。
こうも両手を固められちゃ本を読むのも一苦労だ。
145 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:43:39.24 ID:MkHi9DRM0
谷風「なるほどね。そこで転がってるのは?」
北上「工房からあち゛〜って出てきて倒れ込んだっきりだよ」
タンクトップにホットパンツほぼ下着みたいな姿で倒れ込んでるのは夕張。鎮守府内のエアコンゾーンまで行く気力は無かったらしい。
谷風「確かにここは涼しいね。妙に風が吹くし」
北上「海からの風がここを通るみたいなんだ。この時間なら日も当たらないし」
浦風「な〜にしとるんじゃこんな所で」
谷風「あれ、浦風。工房に用かい?」
浦風「そうやったけど、今は無理みたいじゃね」
夕張「」
返事が無い、ただの屍のようだ。
146 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:44:21.03 ID:MkHi9DRM0
浦風「それで、この子らは何しとるん?」
谷風「そりゃもちろん、おや?」
スッーと、少し強めの海風が吹き抜ける。
うわ神風の髪が。この子髪の毛サラッサラだな。同じく髪の長い球磨姉なんか結構くせっ毛なのに。
谷風「まあ、こういうことさ」
浦風「なるほどね。確かに、いい風じゃぁ」
北上「言っとくけど私の所はもう定員オーバーだよ」
当然のように膝枕に寝てる谷風を見下ろす。
谷風「そうかい?頑張れば2人は寝れそうじゃないか」
北上「それは私の負荷を考慮してないよね」
浦風「じゃあ谷風を枕にしようかねえ」
谷風「いいねえ。日が沈む頃には廊下に列ができそうじゃないか」
北上「いいわけないでしょ…」
147 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:45:11.23 ID:MkHi9DRM0
浦風「浜風もそうやけど、浦風も浜辺を吹く風っちゅう意味なんやよ」
北上「艦娘、というか船の名前は海にちなんだものが多いよね。当たり前だけど」
谷風「海風なんてそのまんまだしね。でも私は谷だよ谷。海でも割れってのかねえ」
モーゼかよ。
浦風「そこら辺はもうただの風繋がりやろうね。他は、潮に波に、雲かいな」
谷風「月と雪」
北上「後は気象現象?とか」
谷風「ところで不知火ってどういう意味なのかね」
浦風「知らぬいってね」
北上「冷えるね」
谷風「涼しいなあ」
浦風「ちょっと」
谷風「ほらほら起きちゃうから静かに」
148 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:45:52.30 ID:MkHi9DRM0
髪が、揺れる。
浦風「ほんにいい風じゃ…」
谷風「面白い話だよね。私達がこうして陸で風を感じているなんて」
浦風「ウチらは必要だから造られた。ウチは求められたからここにおる。次は、空かもしれんね」
次、か。
北上「空ねえ。空ってどんなところだろうね。ねえ谷風」
谷風「…空もなかなか大変なところだよ。鳥は、自由に飛んでいるわけじゃないんだ」
浦風「あら、随分知ったふうに言うんやね」
谷風「そうかい?」
北上「そうだよ」
149 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:46:53.95 ID:MkHi9DRM0
神風「ん……はっ!き、北上さん?ごめんなさい!私」
北上「あ〜いいよいいよ。それより私じゃなくて夕立何とかしてくんない?」
神風「…もしかして私達ずっと?」
北上「神風の髪の毛サラサラで気持ちよかったよ」
神風の顔が服の色と同じになる。
北上「ほら、谷風も起きる」
谷風「ぶぇ〜、もう疲れたってのかい?なっさけないなぁ」
北上「寝転がってるだけのくせに。よっと」
夕立を神風に任せて立ち上がる。
北上「うわっと」
浦風「ほれ」ガシッ
北上「はは、悪いね。足腰がガチガチだよ。私も歳かねぇ」
浦風「何言うとるんじゃ。一番の新米じゃろうに」
150 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:47:38.82 ID:MkHi9DRM0
谷風「さぁて帰るかね」
北上「谷風はそっち」
谷風「ああ、響型か」
浦風「暁じゃ」
谷風「爆竹やったらどうなるかな」
北上「まだ持ってたんだ…」
神風「谷風」
谷風「ん?」
神風「お願い」
夕立「スピー…」
谷風「あぁ…」
北上「じゃあ」
浦風「ウチらは退散やね」
151 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:48:11.30 ID:MkHi9DRM0
北上「気楽なもんだね」
浦風「この分だと、暑い日は毎度寄ってこられそうやね」
北上「はぁ…駆逐艦ウザイ」
浦風「でもさっきの、まるで親猫と子猫みたいに見えとったよ」
北上「親猫って、それは」
小さな破裂音、と悲鳴。
浦風「ホントにやったみたいじゃね」
北上「まあやるでしょうよ」
提督「おい、なんだ今の音は」
北上「うわっ!」
浦風「提督さん!」
152 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:48:44.22 ID:MkHi9DRM0
渡り廊下から建物内に入った直後。横の壁にいたのは、
座り込んでる提督と、
提督にもたれ掛かって寝てる大井っちだった。
北上「親猫はこっち。私らは姉妹でしょ」
浦風「ん〜それもそうやね」
提督「何の話だ」
北上「そっちこそ、それは一体どういう状況?」
153 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:49:49.77 ID:MkHi9DRM0
提督「どうもこうも、夕張から連絡がこねえから見に行こうと思ったら大井に足止めされてな。ここで待ってろって」
北上「見守ってたんだ…」
提督「見てはいないけどな。ここで言い合いしてるうちに寝やがったからな」
浦風「なるほどね〜。こりゃお邪魔じゃったみたいやのう」
北上「さっさと退散しますかね〜」
提督「あっおい!ちょ、ちょっとまって〜」ヒソヒソ
浦風「父猫と、母猫になるかもしれんよ」
北上「それは悪くない。でも提督モテモテだしなあ」
泥棒猫が、はたして何匹いることやらね。
154 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/07/31(月) 22:51:29.73 ID:MkHi9DRM0
セリフ調じゃないと長い文章が読めない自分に優しい書き方になってます。読みにくく無ければ幸いです
メンテ終わったし嫁のレベリングしなきゃ(使命感
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/31(月) 23:13:49.46 ID:xsMVMWBV0
いい感じだよ
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/01(火) 00:24:00.42 ID:1ojpoum9o
ぽいちゃんさすが
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/01(火) 00:32:09.61 ID:zR8MeRhSO
響型の詳細な陣形が気になる
158 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/01(火) 21:26:41.76 ID:BpQoKXQz0
18匹目:猟ある猫は爪を隠す
と言ってピンとくる人はあまりいないかな。
能ある鷹は爪を隠す、のほうが一般的だし。
何故鷹の方が有名なのか。
そりゃまあ強いし、カッコイイしね。
159 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/01(火) 21:27:16.51 ID:BpQoKXQz0
北上「猫であることを隠す人間と、人である事を隠す猫ならどっちがいいかな」
谷風「そりゃ後者だね。絶対的な基準がない以上は、外見と中身の差がプラスに大きい方がいいだろうさ」
北上「人間の方が上?」
谷風「一般論さ」
北上「私も逆だったらなあ」
谷風「キミは別じゃないか。確かに猫だけど、人間でもある。中身がね。猫だけならこうしてお喋りだって出来ないじゃないか」
北上「それもそうか」
谷風「もっと視野を広く持たなきゃ。文字通り上から目線になってしまうけど」
北上「そうだったね、海猫さん」
月明かりの屋根上。
谷風はチェシャ猫のように笑う。
160 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/01(火) 21:27:48.58 ID:BpQoKXQz0
北上「ぶっ飛んだ発想が必要か」
谷風「それはダメだよ。着地のことも考えなきゃ。いずれどこか終着点を見つけるために飛んでるんだから。変に高く飛んでも見えにくいだけさ」
北上「雲の上くらい?」
谷風「雲の上から見てるのは神様くらいさ。私達はそこまで高く飛ぶ必要は無い。雲のある空は、私達が飛んでる空より高いところにあるんだ」
北上「含蓄ある言葉だなあ」
谷風「実体験だからね」
161 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/01(火) 21:28:26.49 ID:BpQoKXQz0
北上「ならさ、谷風はどこに向かってるのさ」
谷風「何処とは?」
北上「飛んでるって言うなら、どこを目指してるの?」
谷風「…目指してなんかいないよ。偉そうに言っといてなんだけど」
北上「目指してない?」
谷風「私はキミを見つけるために積極的に行動した。これまでもそうだし、これからもそうするだろう。でもそれはどこまでも見つめるため、飛び続ける為であって、着地点はない。
キミもこう思ったはずだ。こうして記憶があるのには意味がある。
世の中にそんなに必然性を求めるには、夢見る少女を名乗るには少々歳を取りすぎてる気もするけど、悪い考えじゃないさ。
でもだから怖いんだ。
もしかしたら意味が、目的があるのかもしれない。でもそれを見つけて、それが終わったらどうなるかな。
ここでの楽しい暮らしが、輝ける日々が、こうしてキミと話す時間が、空を飛んでいた時の記憶も、海を駆け回る今も、消えてしまうかもしれないじゃないか。
海面を歩けるガラスの靴は、鐘がなったら消えてしまうのさ。
なんの合図かは知らないけどね」
北上「…相変わらずよく喋るね」
162 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/01(火) 21:28:58.18 ID:BpQoKXQz0
谷風「性分でね。主人公じゃなくて語り部が向いてるのさ。だからこうしてここにいる。
例えばキミがここに留まるなら私は大歓迎だよ。話し相手が欲しかったと言ったろ?
でももし君が、何かを目指すと言って、どこかへ向かうなら、私は全力で応援する。協力する。そして、見届ける。
私はその為にここにいる」
北上「白雪姫か…白猫の私にはピッタリかもね」
谷風「ガラスの靴はシンデレラだよ」
北上「ありゃ、そうだっけ」
谷風「どちらにせよキミにピッタリさ」
北上「なんで?」
谷風「へへっ。猫灰まみれ、って事さ、お姫様」
スッと立ち上がり、手を伸ばしてくる。
でも
北上「いいよ。今はまだ、ここにいるから」
谷風「ならこの手はしっかりとっておこう」
北上「お願いね」
手も爪も、まだ隠しておかなきゃ。
163 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/03(木) 02:17:11.14 ID:Bwj3I3Vg0
19匹目:猫と熊としりとり
猫。ネコ目ネコ科の動物。
人間はやたらと分類するのが好きだ。
球磨。じゃない熊。ネコ目クマ科。
えネコなの?マジか。マジだ。
まあ種を明かすとネコ目の意味が違うのだが。
しかし暇だ。そして暑い。涼みたい。
こんな時は愛する姉妹達の力を借りよう。
北上「あー、あ、雨だね」
大井「ね、ね〜、嫌になっちゃいます」
木曾「それは流石に無理y「す!」はいはい、すー、すっかり梅雨だな」
多摩「なんだか今年は妙な雨ばかり降るにゃ」
球磨「や、や?やっぱり地球温暖化が関係してるクマ?」
164 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/03(木) 02:17:46.21 ID:Bwj3I3Vg0
北上「全く振らないところもあるらしいよ」
大井「よもや四季が崩れる日が来るとは思いませんでした」
木曾「例えば梅雨が消えたら」
多摩「ラッキーだにゃ。ジメジメが無くなるにゃ」
球磨「ゃ…やーそもそも梅雨は指揮じゃないクマ」
165 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/03(木) 02:18:37.22 ID:Bwj3I3Vg0
北上「まあそうだね。しれっと混ざってるけど」
大井「どうも夏とセットで四季の中にうまいこと入り込ん出るように思います」
木曾「すっかり騙されたぜ」
多摩「絶対いらないにゃ。夏でいいにゃ」
球磨「やっかいな時期クマ」
166 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/03(木) 02:19:23.76 ID:Bwj3I3Vg0
北上「うわっ!…また雷だ」
大井「大気がずっと不安定ですからね。ゲリラ豪雨ばかり」
木曾「理解不能なレベルだよな。最近の異常気象は」
多摩「破壊の限りを尽くしてるにゃ。洪水はいやにゃ」
球磨「…やめて欲しいもんだクマ」
167 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/03(木) 02:19:57.60 ID:Bwj3I3Vg0
北上「毎年ひどくなってる気が」
大井「がー、ガッカリですね。来年はどうなることやら」
木曾「落雷は勘弁だ」
多摩「だからと言って降るなとも言えんにゃ」
球磨「やはり梅雨は必要だ」
168 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/03(木) 02:20:29.01 ID:Bwj3I3Vg0
北上「ラッキー」
球磨「あっ」
北上「ダムの所にだけ降るとかできたらいいよね」
大井「念力で動かすとか」
木曾「科学の力を信頼してやれよ…」
多摩「妖精頼りの私達が言えるセリフじゃないにゃ」
球磨「や、や〜しかしよく降る、クマ」
北上「またそれ?」
球磨「マ」
北上「はいはい」
169 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/03(木) 02:20:57.57 ID:Bwj3I3Vg0
北上「毎日こうだと洗濯物も乾かない」
大井「いい加減太陽がみたいですよね」
木曾「ネットリとした暑さが戻ってくるぞ」
多摩「そいつが日本の夏だにゃ。諦めるにゃ」
球磨「やだクマ認めたくないクマ」
170 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/03(木) 02:21:37.11 ID:Bwj3I3Vg0
北上「真夏日と変わらないくらい暑いよね。体感温度は」
大井「はい。できればエアコンを入れたいところですが」
木曾「簡単に言うなよ。電気代も大変らしいし」
多摩「しかし今の日本の気候を考えたら夏に入ってからじゃないとダメってのは改める必要があるにゃ」
球磨「……」
多摩「にゃ」
球磨「やはり球磨もそう思うクマ。この暑さには何か対策が必要クマ」
171 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/03(木) 02:22:19.44 ID:Bwj3I3Vg0
北上「巻く?ひんやりシートとか」
大井「身体を冷やす以外にもなにか無いでしょうか」
木曾「辛いもの食べるってのはどうだろう」
多摩「うんにゃ、それは夏バテ防止にゃ。これはまた別の問題にゃ」
球磨「…ヤケクソクマ。裸になれば涼しくなるクマ」
大井「賛成です!」
北上「大井っち」
大井「はい」
172 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/03(木) 02:23:01.55 ID:Bwj3I3Vg0
北上「まあそのうち近い事にはなりそうだけどさ」
大井「流石にそれは」
木曾「分かった。着替えの不足か」
多摩「掛け布団なんかも最近干せてないにゃ」
球磨「厄介な問題クマ」
173 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/08/03(木) 02:24:02.03 ID:Bwj3I3Vg0
北上「稀に晴れたと思ったらすぐ降り出すし、僅かな晴れ間も信用出来ないよ」
大井「よく考えたら着替えの不足って深刻な問題ですよね」
木曾「寝て起きたら着替えがない、なんて事になる」
多摩「る!…ぅ……」
球磨「さーん、にーい、いーち」
多摩「類例がない以上何が起こっても不思議じゃないにゃあ!」
球磨「チィッ!」
多摩「にゃは」
木曾「あそこだけ熱いな」
大井「これ以上熱くされても困るのだけれど」
北上「私も大概辛いんだけどねえ」
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