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北上「我輩は猫である」
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599 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/05(木) 13:26:29.30 ID:q/r1jLA5O
肋骨以下のバストかよ
胸窪んでるじゃん
600 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/10(火) 17:26:47.85 ID:SYfXOo7I0
以上が工房で消えるネジと資源の理由である。
無駄遣いどころの騒ぎじゃない。
元々は夕張と明石でコソコソやってらしい。
私が夕張に借りた本に影響され銃に興味を持ったのを切っ掛けに色々とはっちゃけだした。
そこへいくともしバレた時私も責任がなくはないのだが。
止めた方がいいかな。
とかなんとか考えながら自室へ戻る途中、提督に出くわした。
提督「おーいたいた。探したぜ」
北上「んー?どったの提督」
提督「いや、そのな。工房の、というか夕張と明石の話でな」
北上「うんうん」
あれ、何か嫌な流れが。
提督「ここ最近資材の減りが妙に増えてんだよ。お前アイツらと仲いいだろ?なんか知らないか」
OH…
601 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/10(火) 17:27:30.26 ID:SYfXOo7I0
夕張「燃やそうか」
明石「事故装って爆破しよう」
北上「落ち着いて落ち着いて」
提督からの頼みをとりあえずは引き受け工房へとんぼ返りしてきた。
私にも責任の一端はあるからと対策を一緒に練ろうと思っていたのだが、二人がまず出したのは後処理だった。
北上「きっぱり切り捨てるんだねそこは」
明石「そりゃあ、まあねえ」
夕張「内容が内容だし」
自覚があるからなおタチが悪い。
明石「これが未来ガジェットとかなら誤魔化すとこなんだけどねぇ」
夕張「流石にこれはバレたら死ぬ」
北上「今更でしょそれは…」
602 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/10(火) 17:27:57.63 ID:SYfXOo7I0
とは言え冷静な判断ではある。爆破焼却はともかく無かった事にはすべきだろう、とりあえずは。
明石「いやでも拳銃とかなら隠せるか」
夕張「あズルい!私だって1丁くらいなら」
北上「はいはいストーップ」
まあそうなるな。
ちなみに明石はリボルバー拳銃大好きっ子。
ファニングショットも出来る。
手先器用だからとの事。いやそういう話じゃないでしょ。
603 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/10(火) 17:28:23.50 ID:SYfXOo7I0
北上「とにかく、早いとこ決めないとホントにバレるよこれ」
夕張「と言っても、ねえ」
明石「感情を殺したとしても後処理、フェイクの理由、色々と用意しなきゃだし…」
吹雪「あまり時間はないですよね〜」
んーと黙り込む4人。
4人?
北上「吹雪?」
夕張「アイエエエ!」
明石「ブッキー!?ブッキーナンデ!?」
吹雪「その呼び方やめて下さい…」
604 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/10(火) 17:29:11.16 ID:SYfXOo7I0
吹雪「皆でしかめっ面して、もしかしてチャカの事バレました?」
北上「チャカって…」
夕張「まあそんな感じかなあ…相変わらず鋭いね」
吹雪「司令官が資料と睨めっこしてましたから。内容から予想しただけです」
明石「さすふぶ」
吹雪「なんですかそれ」
北上「アレ、ブッキーってこの事知ってたの?」
吹雪「その呼び方やめて下さい」
夕張「ブッキーにバレると怖いので早めに打ち明けて交渉しました」
明石「やり過ぎない限りは不干渉という事に」
吹雪「…まあそんなところです」
北上「ほう」
これはやり過ぎに入らないというのか。
605 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/10(火) 17:29:51.85 ID:SYfXOo7I0
吹雪「私がしたいのはこの鎮守府の維持ですから。多少の無駄遣いや違法な武器製造に興味はありません。でも司令官の方は戦力の増強や施設の拡張など色々とやりたいらしくて。だからこそこの件も無視出来なくなったんでしょうね」
真面目な話をする時の彼女はおおよそその稚い容姿からはは想像もつかないような独特の雰囲気を発する。
駆逐艦といえど、何十年とここで秘書艦をやってきているのだ。年季が違う。
吹雪「とはいえこれがバレるのは私としても避けたいですね」
夕張「沈めよう」
明石「魚雷に詰めて深海に届けよう」
北上「堂々巡りだこれ」
606 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/10(火) 17:30:18.83 ID:SYfXOo7I0
夕張「えー秘書艦さまなんとかしてよ〜得意の書類偽装とかなんとかでさ〜」
吹雪「そんな特技ないですよやった事も無いですよ。欲しいとは思いますけど」
明石「提督が北上に頼んだ以上あまり時間もないのよねぇ」
夕張「もうだめぽ」
吹雪「仕方ないですね。ここは助っ人を呼びましょう」
夕張「助っ人?」
明石「ダンス?」
北上「あ」
察しがついた。
607 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/10(火) 17:31:01.86 ID:SYfXOo7I0
吹雪「……あ、むらむら、くもくも? うわっ!」
もしもし感覚で妙な事を言ったかと思うとさっと携帯を耳から遠ざける。
電話の相手、なんて言うまでもなく叢雲なんだろうけど、彼女が大声で何を言ったのかは想像に難くない。
吹雪「ゴメンゴメンそんなにムラム、イライラしないでよっ」
言い終わると同時に今度は予め携帯を離しておく。
なんで息をするように妹を煽るのだろうか…
吹雪「いやいやちょっと真面目な話でね。そう!さっすが分かってるじゃん。うんお願い。工房のとこ。うん、うん。じゃね」
携帯を切る。
吹雪「オッケー」b
夕張「ナイスゥ」b
明石「おk」b
誰かいたわって上げて…
608 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/10(火) 17:31:53.15 ID:SYfXOo7I0
叢雲「で、私に頼ってきたわけ?」
夕張「このと〜り」
明石「何卒何卒」
ジャパニーズ土下座。この2人に物作り以外のプライドはない。
吹雪「やっぱこの手の事は叢雲が1番頼りになるから。貸一つって事で、ね?」
叢雲「はぁ…まあいいわ。やったげる」
不承不承、という感じを醸し出しているが口元が僅かに緩んでいる事を誤魔化しきれていない。
あー吹雪が凄く、こう、生暖かい目というか、可愛いなコイツみたいな目で見てる。もう少し普通に可愛がって上げればいいのに。
叢雲「それで、その「趣味で作ったオモチャ」は隠し通せる前提でいいのよね」
夕張「イェスマム!」
明石「ノープロブレム!」
嫌味な言い方をするあたりこの件に賛成はしていないようだ。
609 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/10(火) 17:32:38.94 ID:SYfXOo7I0
叢雲「となると必要なのはカバーストーリーね。「 無 駄 遣 い 」が増えたのはいつから?」
夕張「に、2ヶ月ほど前ですサー!」
明石「北上が来た辺りですサー!」
サー、は男性に対するものである。と言う場面ではないか。
叢雲「二ヶ月前ねぇ。えっと…」
スマホを弄り始める。カレンダーとか予定表などを参照しているのだろう。
叢雲「あっ」
夕張「い」
明石「う」
吹雪「え」
叢雲「お゛!」ダンッ
夕明吹「」ビクッ
怒りのこもった足で工房の床を踏み鳴らす。
北上「ビビるならやらなきゃいいのに…」
610 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/10(火) 17:33:11.08 ID:SYfXOo7I0
吹雪「何か思いついた?」
叢雲「これよこれ、これでいいじゃない」
夕張「これって?」
明石「端末何も写ってないけど」
叢雲「中身もそうだけれど、これ自体よ」
吹雪「あーなるほど」
夕張「ワケワカメ」
明石「二ヶ月前?スマホ…?」
叢雲「だからー
611 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/12(木) 20:10:05.77 ID:ILSc/AHFo
乙カレー
612 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/13(金) 02:17:59.65 ID:5HydsKiY0
提督「端末の開発に?」
北上「うん。図書室のもそうらしいんだけど、勝手に色々と開発してたんだって」
提督室で作業中だった提督に今回の件の報告(偽)をする。
提督「でも資源はともかくネジは使うか?」
北上「いくらあの二人でも携帯は専門外でしょ?分からないところはネジと妖精パワーで無理やり作ってたんだって」
提督「妖精さんも共犯か…まったく、科学の結晶かと思ってたのにオカルトが混じってたとは」
やれやれとスマホを眺める提督。大丈夫、ちゃんと化学の力100%だから。
北上「本の貸出のアプリとかも前から作ってたらしくてさ。私が図書室欲しいって言ってたのに聞いてたみたい」
提督「それでここ最近消費が増えたのか」
北上「その通り」
ではない。こうして嘘を並べるのは2度目だけど、上官に対してそれってどうよ。
613 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/13(金) 02:18:36.15 ID:5HydsKiY0
北上「今回の事話したら暫くは自重するってさ」
これは本当。
提督「暫くかよおい。まあいいかぁ、結果役に立ってるんだし」
北上「あははーソダネー」
提督「何はともあれこれでようやく計画通りに進める」
北上「何か目標とかあるの?」
提督「そりゃあるさ。その為にやってんだから」
北上「何目指してんのさ」
提督「内緒だ」
北上「ちぇー」
614 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/13(金) 02:19:08.51 ID:5HydsKiY0
ふと机の上の書類を見る。
北上「ん?これが無駄遣いってやつ?」
提督「そ。大した量じゃないんだけどな。うちはまだまだ小さいから貴重なんだよ」
北上「へー」
おかしい。こんなに少ないわけがない。どういう事だ?
北上「それじゃ、北上撤退しま〜す」
提督「おう、ありがとな」
藪蛇な気がしたので無視して部屋を出る。
夕張に聞いてみようかな一応。
吹雪「その様子だとバッチリ見たみたいですね」
北上「うおっ、びっくりさせないでよ…」
吹雪「北上さん、取引です。夕張さんや明石さんと同じく」
北上「え」
同じく?
吹雪「他言無用、ですよ」
北上「…イエスサー」
615 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/13(金) 02:20:00.23 ID:5HydsKiY0
吹雪「鎮守府にある資材。それは司令官も把握してます。なのに計算が合わない。司令官の知らない所から消費されている。さてどうしてか」
北上「…」
10あるものから2使われた。と思ってたら実際は4だった。なのに残りの8という計算は合ってる。2はどこから来たのか。
いやそもそも10はどこから来ているのか。
北上「抜いたな…」
つまり任務の報酬から、という事か。
10ではなく12あったのだ。
吹雪「ええ、提督に届く前に」
北上「書類の偽装はやったことないんじゃなかったの」
吹雪「得意じゃないだけです」
いけしゃあしゃあと。たいした秘書艦だこりゃ。
616 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/13(金) 02:20:39.20 ID:5HydsKiY0
北上「そこまで夕張達に協力するのはなんでさ」
吹雪「協力はついでです。私の目的は取ったものの活用ではなく取ることで提督に届かなくさせる事」
北上「…」
吹雪「…」
野生の勘、と言うやつかもしれない。
北上「他言無用ね」
吹雪「はい」
私は引いた。
617 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/13(金) 02:21:06.38 ID:5HydsKiY0
現状が維持できれば鎮守府の拡大は不要。
そう言っていたが実際は
現状を維持するには鎮守府の拡大の阻止が必要、という事らしい。
一体吹雪と提督はどんな関係なのか。
鬼嫁?どっちかというと怖い小姑みたいな。
前任者、提督の前の提督ってどんな人だったんだろう。
自分にはあまり関係のない話だが、段々と頭の中でその事が少しずつ、確実に忘れられなくなってきていた。
618 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/13(金) 02:21:41.82 ID:5HydsKiY0
北上「ん」
ポケットからバイブの振動が伝わってきた。
スマホを取り出すと夕張からのメッセージが表示されていた。
『パイルバンカーって、いいと思わない?』
北上「懲りてない…」
どころか味を占めてる。
やれやれ、流石にこれは一言言ってやらねばなるまい。
『ヒートパイル好き』
とりあえず返信。
さて工房へ向かおう
619 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/13(金) 02:26:21.98 ID:5HydsKiY0
海上輸送で三個もらえるのに北方撃破しても三個…?
これはまさか!(日記はここで途切れている
620 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 04:00:52.61 ID:hIL+EwqRO
パイルバンカーと言えば突破王、某会社のロボットもいいけどね。
621 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 11:25:55.59 ID:lds7sQDp0
ここの提督は部下へは性善説で接するいい上司なのねー
獲得報酬の聞き込みとか提督同士の横の繋がりが薄い?
海上輸送って何かなと思ったがネジ3本ならマンスリーの海上護衛かね?
ウィークリーの海上輸送は1本だったような?
東方はあれ単体でネジくれんかなと思うわ
更新乙です
622 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 18:07:37.39 ID:9JaYThtJO
油壺ぶつけてからの炎派生パイル最大溜めも好きです
623 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 02:51:41.88 ID:AMpF4EnN0
39匹目:猫と提督
提督室というのは本来上司の、というか職場におけるトップの部屋という意味なのだが、
30いくつの人間と生きた年数や生まれた年を考えれば三桁すらいる艦娘、人と兵器、人と船に一般的な上下関係やらが当てはまるはずもなく、
だからこの扉も一応ノックしろというあってないようなルールのみが辛うじて残る程度の薄いものなのだ。
北上「おじゃましま〜す」ガチャ
提督「お〜う」
適当な挨拶に適当な返事。
こんなもんだし、そんなもん。
624 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 02:52:53.36 ID:AMpF4EnN0
北上「うわ、すごい書類」
提督「紙一枚分の情報を3枚分に増やすのが上の仕事なんだよ」
北上「それを紙半分にまとめるのが提督仕事ってわけか」
提督「そゆこと。あー座るならこっちのソファーにしとけ」
北上「ん?なんでよ」
提督「れでぃーがお茶をこぼした」
北上「あ〜」
言われた通り机を挟んで反対側のソファーに移り仰向けに体を倒す。
おっと靴をソファーに付けないようにしなきゃ。
持ってきた本を開く。
ページと資料をめくる音だけが部屋を支配する。
625 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 02:53:31.70 ID:AMpF4EnN0
鎮守府はともかく人が多い。
そりゃ田舎のそれほど大きくもない建物に百人以上もの人間がいればそうなるわって話。
別に皆でわいわいやるのが嫌いなわけじゃないけどやはり一人になりたい時ってのがある。
そういう機会はあるにはあるけれど、出撃や遠征の関係で偶然訪れるものでなりたい時になれるわけじゃない。
だからこそ、そういう場所を探す必要がある。
そして見つけたのがここ。
図書室とは少し違う。
少し特別。
お昼ご飯の後、おやつの時間の前の提督室。
予定がある者は出撃し、そうでなければお昼寝など。
ティータイムや間宮に提督を誘う人達はまだこない。
この時間こそが、至福の時となるのだ。
626 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 02:54:04.55 ID:AMpF4EnN0
北上「ふう」
パタンと本を閉じる。
本というのは基本的に章などで区切られているのだが、私には章を読み終える毎に本を閉じそれまでの内容を頭で反復するという癖がある。
いつ何故ついた癖なのかサッパリだが、癖とはそういうものだろう。
提督「今日はなんの本だ?」
北上「えと、ふしぎの国のアリスって知ってる?」
提督「大体は。読んだことはないけどな」
北上「それを元にした殺人事件」
提督「えらく物騒だな。しかし元にしたってどういう事だ」
北上「アリスの夢ってやつだよ」
627 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 02:54:43.74 ID:AMpF4EnN0
提督「夢?」
提督が作業をやめて椅子に深々と座りリラックスモードに入る。
つまり休憩という事だ。
北上「まず主人公がね」
今しがた読みえた所までの粗筋を話す。
いつも通り。
提督は本が苦手というわけじゃ無いらしいけど、仕事人間なのか読む事はないらしい。
最初は単にどんな本を読んでるんだって質問だった。
そのうち内容や感想等を色々聞いてくるようになって、私の方も提督に分かりやすいように伝えたり感想をまとめるのが好きになっていた。
人に教えるにはその三倍理解してなくてはならない、という言葉があるけど、こうして人に話すことによって新たに気付く事や自分の思っていた事がハッキリしたりと思わぬ収穫もあった。
628 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 02:55:23.37 ID:AMpF4EnN0
北上「この夢の中の会話が好きなんだ〜。アリス風の独特の言い回し」
提督「独特っていうとアレか、和訳する際に出る違和感みたい話か?アリスって海外の作品だし」
北上「それもあるけど…相手に伝える事を前提にしてない会話っていうのかな〜。そんな感じ」
提督「あとは読んでみろってか」
北上「そゆこと」
提督「そうだなあ、戦争終わったらのんびり田舎で読書三昧とかいいな」
北上「あ、それいいね〜。ベランダとかにあの、なんだっけ、揺れる椅子」
提督「ロッキングチェア?」
北上「それそれ。あれに座って本読むとかよくない?」
提督「俺はあれだ、ハンモックとかやってみたいな」
629 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 02:55:53.24 ID:AMpF4EnN0
北上「どっちも元は海外のだよね」
提督「畳にチェアは合わないし、ハンモックするような木もないからな」
北上「いいよね〜。外国の本とか読んでるとさ、一度行ってみたいなっておもうんだ」
提督「ん?お前外国語読めんの?」
北上「え、あー、うん。英語なら」
しまった口が滑った。別に問題は無いのだけど。
提督「そうか、なんか意外だな」
北上「あはは、だよね〜」
630 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 02:56:33.26 ID:AMpF4EnN0
とりあえず話題を変えなくては。
慌てて本を開きページをめくる。
北上「あ、これこれこれだよ」
提督「どれどれどれだよ」
北上「んしょっと」
ソファーから体を起こし提督の隣に移動する。
北上「おりゃ」
提督「おいおい、書類の上に本置くなよ」
北上「こいつのせいで机に張り付いてるんでしょ?なんなら北上様が焼き払ってあげようか」
提督「机傷つけたら弁償な」
北上「そーゆーとこ細かいよね〜提督。モテないぞー」
提督「え、マジでか」
北上「マジマジ。彼女の体重が五キロくらい増えても気にしないくらいの器量がなきゃ」
提督「いや五キロはやべぇだろ」
北上「そうかな…?そうかも…」
631 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 02:57:22.02 ID:AMpF4EnN0
北上「じゃなくてー、ここここ。ここ見て」
提督「どれだよ」
北上「ほらここの会話のところ」
少々強引なやり方だが提督を本に集中させる。
立っているのも疲れるので提督の座る椅子の肘掛に体を半分乗せる。
提督「あーうん。なんとなくさっき言ってた意味が分かった」
北上「読むの早っ」
提督「書類仕事で鍛えられたのさ」
北上「無駄なもん持ってるね〜」
提督「うっせ。というかそこに座るなよ。狭いし壊れるかもわからん」
北上「大丈夫っしょ、この椅子デカいし」
提督「何一つ大丈夫な要素がないんだが」
632 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 02:59:12.63 ID:AMpF4EnN0
北上「あっそうだ。提督速読できる?」
提督「資料ならできるし、本もできると思う」
北上「ねえやってやって。ここで見てるからさ」
提督「なんでそうなんだよ。見てどうする」
北上「えーどんな感じでページが進むか見てみたいの」
提督「速読っつっても早めに読めるってだけで、ページパラパラめくって内容把握するとかは無理だぞ」
北上「なんだぁつまんないの。北上さんはもう少し面白いオチを求めていたのですよ〜」
提督「お前なぁ」
ガチャ
ガチャ?
633 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 02:59:47.12 ID:AMpF4EnN0
大井「失礼しまー……あ」
提督「げ」
北上「あ」
扉を開けて大井っちの目に飛び込んで来た光景。
同じ椅子に腰掛け(?)体を密着させて話している想い人と親友。
うーん修羅場。
提督「北上、ちょっと大井と話がある」
大井「北上さん、少し提督と話があります」
北上「アッハイ」
本をさっと回収し流れるように部屋を出る。
634 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/16(月) 03:00:42.27 ID:AkkuITTR0
サンマ…ドコ?
アトゴヒキ…ドコ?
635 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 03:31:47.27 ID:ccD5XuSd0
乙です。
でぇじょうぶだ、北方回ってれば何とかなる!と思う。
636 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 07:44:40.11 ID:o9NoaU98o
乙
そこに爆雷があるじゃろ?
637 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 10:36:27.79 ID:SUkKvdho0
解放してるなら6-5下ルート
夜戦も入れて3連続チャンス!
更新乙です
638 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 13:09:40.33 ID:t/Nl2Ixn0
3-2ハズレルートのどん詰まりも楽でいい
3-3は秋刀魚マスまで事故で行けない時があるけどこっちなら流石に大丈夫でしょ
空母マシマシの大空襲編成で秋刀魚装備満載の4スロ艦を2隻送り届ける
639 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 19:36:46.61 ID:21kbHU5AO
海防艦が出ねぇ・・・他の提督が乱獲してるからとかじゃないよね・・・?
640 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 20:04:14.57 ID:t/Nl2Ixn0
駆逐キラ付けしてる方が秋刀魚が出るジレンマ
漁業装備とは
641 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/19(木) 03:02:29.18 ID:J3X0E7kt0
部屋を出てしばらくすると提督室から賑やかで騒がしい声が溢れてきた。
提督のところへ大井っちが来るのは少し久しぶりだったが相変わらずの仲なようで一安心だ。
前は私があそこで本読んでると遅かれ早かれ必ず来てたのに、最近はめっきりだった。
やっぱあれか、改造後の服装が原因か。
恥ずかしがることもなかろうに。
何はともあれ久々に2人でゆっくりしていただこう。
提督に釈明の余地があればいいけど。
642 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/19(木) 03:03:08.82 ID:J3X0E7kt0
北上「ん」
右腕を触る。
提督と触れ合っていたせいか少し温い。
流石に馴れ馴れしくしすぎたかね私も。
どうにも球磨型内での距離感で接してしまいがちな所がある。
まあ悪い気はしないんだけど。
北上「ん?」
悪い気はしないってなんだ。
北上「〜♪」
でも、いい気分だ。
643 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/19(木) 03:03:40.02 ID:J3X0E7kt0
41匹目:猫と多摩
北上「よし」
深夜。
消灯時間をすぎ皆が寝静まった頃。
私は部屋で、バケツを抱えていた。
644 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/19(木) 03:05:57.41 ID:J3X0E7kt0
今日の皆の寝る位置。いや、多摩姉の寝る位置は丁度本棚のすぐ近くに頭がくる所だ。
棚の空いてる位置にバケツをセットする。
うん、これで落ちたら多摩姉の頭にクリーンヒットするはずだ。
仕掛けは目覚ましと連動してバケツが落ちるだけのシンプルなもの。
さあ目覚めるのだ。
内に秘めた猫の記憶よ!
645 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/10/19(木) 03:07:39.69 ID:J3X0E7kt0
イタ…イタヨ…ホッポウニイタヨ…アリガトウ、アリガトウ…
なんでこんなに出ないかって間違いなく母港にいる9人の園児達のせいだと思うんですよ
646 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2017/10/19(木) 07:37:12.38 ID:1g+4cQhg0
此方は秋刀魚55で園児0 羨ましい
更新乙です
647 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/19(木) 13:26:36.23 ID:sKunI9qC0
ネジメインでぶん回して秋刀魚85占守2
満足じゃ
おつ
648 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:50:52.26 ID:8TRS/tjI0
木曾「いってぇ…」
多摩「そんなに痛むにゃ?」
木曾「いや痛さとしては全然気にならないレベルなんだけどさ。地味ーにジワジワくる感じが凄くイラッとくる」
球磨「鼻真っ赤クマ」
大井「北上さん、納豆いります?」
北上「あ、貰う貰う〜」
朝食は納豆派である。
649 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:51:31.51 ID:8TRS/tjI0
さて作戦はどうなったかというと、語るに落ちると言った感じで。
明け方トイレに起きた木曾が寝ぼけ眼でバケツに顔面から直撃したという運びだ。
上手くいかないもんだね〜。
北上「ゴメンね、変なとこに置いちゃって」
木曾「いやいいよ。こっちも寝ぼけてたしな」
球磨「せいっ!」グシャ
多摩「…なんで卵が出るたびに片手で割ろうとするにゃ」
球磨「で、できたらカッコイイと思ったクマ」
大井「拭くものもらってきますね」
球磨「スマンクマ…」
650 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:52:15.70 ID:8TRS/tjI0
北上「球磨姉球磨姉」
球磨「クマ?」
北上「ほっ」タマゴカパッ
球磨「なぁっ!?」
多摩「北上煽るんじゃないにゃ」
球磨「木曾!それ寄越すクマ!」
木曾「やだよ!絶対失敗するだろ!」
球磨「貰いぃ!」
木曾「あぁ!」
球磨「てやぁ!」ゴシャ
木曾「あぁ…」
北上「うわぁ…」
多摩「にゃぁ…」
大井「球磨姉さん…?」スッ
球磨「ヒッ」
651 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:52:53.01 ID:8TRS/tjI0
北上「よいしょっと」
昼前。
自慢の魚雷を担いで出撃の準備をする。
と、勿論担ぐ必要はないのだが。
今度はこれで、
652 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:53:45.02 ID:8TRS/tjI0
北上「出撃めんどくさいな〜」
多摩「それを言ったら終わりにゃ」
北上「ただのパトロールじゃん?いらないじゃん?」
谷風「こういった所を怠らない事が大切なのさ。提督はそこんとこよぉ〜く分かってるからねえ」
伊勢「ほらほら、みんな準備して〜」
北上「魚雷重いなぁ…軽巡の頃は軽くてよかったよ」
多摩「まあ確かに量は増えたにゃ」
谷風「かぁーなっさけない。それでも軍艦かい?」
北上「ちぇー、皮かぶっちゃって」
谷風「そっちは猫被りだろ?お、リベが来たね」
多摩「北上お昼はどうするにゃ?」
北上「ん〜そだねー。うどんとか?」
653 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:54:20.17 ID:8TRS/tjI0
取り留めのない会話をしつつ多摩姉に近づく。
よし、ここなら当たるはず。
多摩「うどんはやっぱりオクラだと思うんだにゃ」
北上「私はとろろかな〜。あっ、蝶々だー」ブン
上半身を右に思い切り振る。
担いだ魚雷が勢いよく、多摩姉の後頭部めがけて振られる。
唸れ!黄金の魚雷!
リベッチオ「ヘブンッ!!」ゴチン
北上「えっ」
多摩「にゃ!?」
谷風「うわー…」
654 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:54:52.87 ID:8TRS/tjI0
どうなったかといえば、
何を思ったか思いっきり助走を付けて多摩姉に飛びついていったリベの顔面に魚雷が思いっきり当たった次第である。
飛びつかれる側の負担を一切考慮しない飛びつきと遠心力を加えた魚雷のスイングが見事にジャストミートした結果、場外ホームランが生まれたのだった。
飛んでったのはボールではなく意識なのだけど。
幸いにも出撃前の艤装装備時のことなので鼻血すら出ず、まるでギャグ漫画の如く仰向けで倒れるだけですんではいるが。
伊勢「え、何今の音?」
リベ「」チーン
北上「あはは…いやちょっとね」
多摩「ふ、不幸な事後がにゃ…」
谷風「おぉー白だねえ」ピラッ
多摩「こらっ」ペシッ
谷風「あいたっ」
655 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:55:29.30 ID:8TRS/tjI0
多摩「リベちゃんの部屋ってどこだったかにゃ」
北上「海外組だし4階だよ」
お昼の後。
私達は階段登っていた。
最早手段を選ぶ余裕はない。今までも大概だったけど。
やるしかない。
656 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:56:06.57 ID:8TRS/tjI0
3階と4階の間。
周りに人気はない。
私が前、後ろに多摩姉。
ええいままよ!
北上「うわっ」ズリッ
多摩「にゃ!?」
足を滑らしたていで多摩姉の体に体当りする。
転げ落ちるというより踊り場にすっ飛ぶ形になるはずだ。
大丈夫!艦娘だし!大丈夫、大丈夫?
飛んだ反動をそのまま回転に利用し、にゃんぱらりんと着地する。
北上「ほっ」スタッ
多摩「にゃ」スタッ
あれ?
657 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:56:38.33 ID:8TRS/tjI0
多摩「大丈夫かにゃ?」
北上「う、うん。多摩姉こそ、大丈夫、みたいだね」
多摩「気をつけるにゃ。艦娘とはいえ何があるかわからんにゃ」
北上「ごめんごめん。怪我人のお見舞いに行くのに怪我してちゃ世話ないよねー」
多摩「まったくにゃ。まあ周りに誰もいなくてよかったにゃ」
北上「だねー」
忘れてた。
いや忘れてるのは多摩姉で今まさに思い出させようとしているのだけれど、
私達は猫だったのだ。
この程度で怪我をするドンくささは持ち合わせていない。
658 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:57:04.78 ID:8TRS/tjI0
北上「もうだめぽ」
神風「何かよっぽどの事とお察ししますがだからと言って私の袴に顔を突っ込まないでください」
北上「え〜」
黙々と、淡々と言われた。
神風「話しなら聞きますから後数ページ待っててください」
北上「うい」
助けを求めに図書室に来ると神風が本棚に背を預ける形で座り本を読んでいた。
ので袴に芋虫の要領で顔を突っ込んでみた。
ところで猫は狭いところが落ち着くものだが私はそうでもない。
それでも袴の中はなんというか心地よかった。
659 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/03(金) 02:57:52.01 ID:8TRS/tjI0
秋刀魚漁に疲れて燃え尽きていました
あれこれなんのゲームだっけ
660 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/03(金) 12:35:50.63 ID:uJyNhjHT0
資源を集め年数回盛大に吹っ飛ばしてニヨニヨするゲームだったはず
661 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/03(金) 16:59:05.09 ID:NEpbq/V70
>660
その通りだね、後、新規艦娘のおっぱいをぷるんぷるんするゲーム
涼月はでかいぞぉ〜
662 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/04(土) 09:30:50.27 ID:90srvaLP0
おい北上さんその袴の中ちょっと代われ(血涙)
663 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/05(日) 23:42:19.09 ID:G47zqZum0
いなかっぺ大将ネタとは…
664 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/10(金) 11:55:38.62 ID:EJVCjUyC0
乙です。
え?意地張り通すべくwiki信じて5-3空母入れたまま攻略しようとして、いつのまにか高確率で逸れるじゃなくて確定逸れと分かったらしいって聞いて愕然とするゲームだろ?
それと年一回秋刀魚を集めるゲーム。
665 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/13(月) 02:44:34.14 ID:ZyLHAVHx0
北上「寝そう」
神風「って何してるんですか!?」ゲシッ
北上「ぐぇ」
文字の世界から現実に戻った神風がようやく現状を理解したらしく容赦のない蹴りをかましてきた。
北上「ぐおー…なんの本読んでたの〜」
神風「もりのくまさん。処刑人の方の」
北上「あーあれね」
羞恥心からか若干涙ぐむその幼い容姿からは想像もつかないくらいエグいもの読んでやがる。
666 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/13(月) 02:45:15.70 ID:ZyLHAVHx0
神風「記憶を戻す方法?」
北上「はい」
現在の姿勢。正座。
神風「北上さん記憶喪失なんですか!?」
北上「あーいや、私じゃなくて。でも同じようなものなのかな〜」
神風「んー、イマイチ要領を得ませんね」
北上「まああんまり深く考えずにさ、物語上でよくある記憶喪失って感じに考えて」
神風「方法ねぇ。定番なのは頭に衝撃を与えるやつですよね」
北上「だよね〜」
もうやり尽くした、とは言えないな。
667 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/13(月) 02:46:19.03 ID:ZyLHAVHx0
神風「科学の発達した今だからなにか馬鹿馬鹿しい方法に聞こえますけど、記憶や意志が魂に宿ると言った考えの名残って感じで私は好きですね」
北上「確かに今じゃあまりに危険な方法だよね。壊れた家電製品を叩いて治すようなもんだし」
神風「昔みたいな簡単な作りならともかく、今の家電は精密機械ですからね。そこへいくと人間の脳も精密機械、もしくはそれ以上ですから」
叩くなんて以ての外、と言ったふうに語る。
めっちゃ叩こうとしちゃってたよ私。
神風「後は入れ替わりなんかも同じですね」
北上「入れ替わり?」
神風「ほら、角で男女がごっんつんこして入れ替わっちゃった!ってアレですよ」
ザ・少女漫画。どうでもいいけどごっつんこって言う神風カワイイ。
668 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/13(月) 02:47:05.25 ID:ZyLHAVHx0
北上「改めて言われると凄い発想だよね。メモリーとメモリーを叩き合わせたら中身が入れ替わるなんて」
神風「だからやっぱり魂こそが人の根幹であり、体は入れ物という考えから来たものなんでしょうね」
北上「なるほどねぇ」
確かに、私にとってこの体は入れ物だ。
神風「荒っぽいのはなしだとして、後はキーワードですよね」
北上「定番だね」
事実、多摩姉が思い出しかけたきっかけも麦畑というキーワードだ。
残念ながらきっかけ以上の効果はあれ以降見られていないけれど。
669 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/13(月) 02:47:56.41 ID:ZyLHAVHx0
北上「ところでさ」
神風「はい?」
北上「足が痺れてきた」
神風「ダメです」
北上「はい」
神風「後はー、五感に訴えるですかね」
北上「五感?」
視覚聴覚味覚…嗅覚!後は〜ああ触覚か。
神風「物語上でいうなら、例えば思い出の場所に連れて行ったり、写真を見せたり音楽を聞かせたりとか。臭いや触覚はあまり出てこないですけど」
北上「五感かぁ」
視覚と嗅覚。とくに嗅覚は結構効果あるかもしれないな。猫だったし。でも何を使えばよいのやら。
670 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/13(月) 02:48:34.78 ID:ZyLHAVHx0
神風「思いつくのはこれくらいですね」
北上「ありがとね。やっぱこういうのは自分以外に聞いてみると意外な発見があるもんだよ」
神風「お役に立てたようで何よりです」
北上「さてでは」
神風「私が読み終えるまではそこに正座です」
北上「そんなにっ!?」
神風「日頃の分も含めてですよ」ジトー
北上「うっ」
それを言われると弱い。
北上「仕方ない。代わりに私のパンツを見せてやろう」ピラッ
神風「キャーー!何してるんですか!」
キャーが似合う系女子。顔を背けつつしっかりとチラ見してる当たりが高得点。
671 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/13(月) 02:49:20.96 ID:ZyLHAVHx0
北上「普段から見慣れてるし見られ慣れてるからねえ」
神風「ま、まあ確かに…」
艦娘の常である。
北上「大井っちなんかも露出度上がってがっかり来てたみたいだし」
神風「そうなんですか?」
北上「直接聞いたわけじゃないけど、最近少し元気ないからさ」
神風「意外です。なんていうか、そのー、北上さんさえいればって感じに思えたので」
北上「ふふ、結構大井っちは乙女なところあるよ」
それじゃ、と図書室を出る。
よし!脱出成功!!
672 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/13(月) 02:52:24.37 ID:ZyLHAVHx0
年末に向けて順調に更新が遅くなってますね…
レイテ怖い
673 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/13(月) 03:05:43.65 ID:OtRB2vO00
大丈夫
最近は煩雑で理不尽なだけで難しくはない
674 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/13(月) 10:30:20.36 ID:wuKi1S+z0
(ギミックが)煩雑で(夜戦が多めで)理不尽そうな今度のイベ
よし!2、3日は様子見だ!
更新お疲れ様です
675 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:49:40.69 ID:RbKvlfqg0
北上「うーむ」
しかし困った。
五感に訴えるとして、使えそうなのは嗅覚とか視覚かな。
嗅覚ってどうすんだ?
麦の匂いと言われてもねえ。
日向「おっと」
北上「むぐっ」
おお、ちょうど目の前に柔らかいクッションが。
日向「いや離れてくれないか」
北上「ごめんごめん」モミモミ
曲がり角でごっつんこ、とはならなかった。
676 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:50:48.25 ID:RbKvlfqg0
日向「五感、匂い、ね。一体何がどうしてそういう話になったんだ?」
北上「まあまあそこら辺は気にせず」
相談がある、と言ったら日向さん(と伊勢さん)の部屋に招かれた。
以前は部屋の半分が本棚、もう半分が船や飛行機の模型となっていたが図書室の完成により99%模型になっていた。
日向「何か案はあったのかい?」
北上「ん〜、とりあえず小麦粉でも嗅がせようかと」
部屋の中央のテーブルを挟み向かい合うように椅子に座る。
肘掛に手を置きいつもと同じ朴訥とした表情で話す日向さんはなんという貫禄を感じる。
日向「それは小麦粉の匂いだよ。麦畑というのならきっと、その土地の匂いであって麦自体の匂いではないだろう。私も詳しくは知らないけれど、麦はそうわかり易い匂いを放つ植物ではないはずだ」
北上「言われてみれば」
流石に安直すぎたようだ。
677 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:51:26.14 ID:RbKvlfqg0
日向「そもそも私達は五感、というか人間的な感覚が鈍いからね」
北上「鈍い?」
日向「砲撃音や被弾、至近弾による爆音に晒されても鼓膜はおろか精神に影響すらない。血や硝煙の臭いを嫌がる事もなく、彼方まで続く海からの照り返しに目を痛めたりもしない」
北上「そりゃあまあ船だしね、私達」
そんなんに一々反応してたら三日と持たずに海の藻屑だろう。
日向「私達は人に近い形をとっているが、それはつまり人とは決定的に違うということさ」
北上「人とは、違うね確かに」
船だったり猫だったり鳥だったりだ。
思えば猫の時に感じた匂いを今再現するのって中々無茶だよね。
何を迷走してるんだか。
678 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:52:07.32 ID:RbKvlfqg0
日向「『艦娘を殺すなら砲弾や魚雷ではなくナイフで動脈を切れ』なんて言葉がある。これは、なんだったかな。元ネタがあるらしいが。海外だったかな」
北上「なにそりゃ。初耳だよ」
日向「1種のブラックジョークってやつなんだろう。我々は怪我に鈍いからね。艤装が壊れても服が破けても体から煙が出ていてもバケツを被れば治る」
ここだけ聞くと爆発で髪の毛アフロになる世界の住人みたいだよね。
日向「逆に切り傷のような、艤装を付けていない生身の時の怪我に弱い。バケツじゃ治らないからね。そしてその事にひどく無自覚だ」
北上「でも実際そんな事あるかね。そりゃ本能的にヤバイと思えなくとも血が出るのがヤバイって知識はあるじゃん?」
679 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:52:50.41 ID:RbKvlfqg0
日向「以前に、誰とは言わないけれど駆逐艦の1人が包丁で指を切った事がある。本人はうわ血が出たという程度の反応だった様だが、他の者が一乙止血やら消毒やらの知識があってな。だから水で指を洗って清潔なタオルで傷口を抑えた」
北上「正しい、かどうかイマイチ私にゃ分からないけど。でも問題なさそうに思えるね」
日向「その場にいた1人が提督室に来たんだ。何せ艦娘相手に包帯やらなんやらを使う事はあまり無いからな。その手の道具は提督室にある」
北上「へー。そりゃ知らなかったよ」
以前に提督窓から落ちたのを思い出す。
なぜ提督室で看病してたのかと思ったがそれが理由か。
680 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:53:36.83 ID:RbKvlfqg0
日向「その時は私と提督が部屋にいた。そして部屋に来た駆逐艦は苦笑いしながらこう言った。妹が料理中に指を切ったから絆創膏が欲しい、と」
そういえば私は包丁を握った事がないな。
料理に興味はないからいいけれど。
日向「その顔を見て提督は何をやってんだ気をつけろと言いながら絆創膏を渡したんだ。そして少し気になるから一応私に付いていくように言った」
北上「なんだかオチが見えてきた気がする」
日向「まあそうなるな。ともかく私も台所についた。そこで見たのが、ケロッとした顔でこれどうしたらいいの?と問いかけてくる駆逐艦と、文字通り真っ赤に染まったタオルだった」
あれ、予想よりヤバそうなんだけど。
681 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:54:35.65 ID:RbKvlfqg0
日向「それほど大きくないとはいえタオルが一色に染まり、それでも吸いきれなかった血が滴り落ちるというのが本来どれほど危険な状況か。キミには説明する必要はないだろう?」
北上「別に詳しいわけじゃないけどね。でも普通なら救急車案件だよね」
人によっては痛みや、その惨状を見て気絶、なんて事も考えられる。
勿論医学的にとかじゃなく推理小説とかの展開的に、なのだが。まあ見当はずれな予想でもあるまい。
日向「文字通り痛感というやつだね。いかに人に近いと言っても、根本的に人間らしさが足りないのさ。私達はね」
北上「うーん。そりゃ確かに艦娘として人とはズレているところは多いとは思うけどさ。そこまでじゃないと思う」
日向「ほう」
相変わらずぶっ飛んだというか、極端な意見を言う日向さんに反論してみる。
682 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:55:09.72 ID:RbKvlfqg0
北上「痛みとかは人間らしさともいうより生物らしさでしょ?五感が鈍いのはその通りみたいだけど、文学的な人間らしさなら私達は十二分にそれがあると思うけど」
日向「例えば?」
北上「姉妹とか」
私の家族とも言える球磨型の皆を思い出す。
北上「恋しちゃったりとか」
恋する乙女な大井っちを思い浮かべる。
北上「そういうの」
提督の事を、思い返す。
日向「なるほどな」
といいつつ急に前のめりになって碇司令のあのポーズみたいな格好をする。
なんだかこちらも身構えてしまう。
683 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:55:47.60 ID:RbKvlfqg0
日向「確かにそうだ。それは人間らしさであり、私達はそれを持ち合わせている」
あ、これは否定されるパターンだ。
日向「だがそれは私達が持って生まれたものでは無い」
北上「ん?でもそういうものじゃないの?人間は幼い時に親や近しいものから受けた、色々で、人間らしさを会得するわけじゃん」
愛情、とは言えなかった。世の中がそれほどドラマチック出ない事は知っている。
日向「そうだな。例えば狼に育てられた人間という話を聞いたことがあるが、おおよそ人間らしさと言えるものはなかったらしい」
北上「へー」
ヤバイ。もののけ姫しか浮かばない。
あれはかなり人間らしかったよね。
あ、育ての親が人語を喋れるから別か。
684 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:56:20.19 ID:RbKvlfqg0
日向「でも私達に親はいないだろう」
北上「強いて言うなら、妖精さん?」
親、親かあ。アレは生みの親ではあるかもだが、親ではないなぁ。
北上「でもほら、姉妹艦とか。そうでなくとも色んな艦娘がいるじゃん。親代わりみたいな」
日向「ではこう考えよう。誰もいない鎮守府に1人の提督と、生まれたばかりの駆逐艦が1人やってくる」
北上「提督が親か」
日向「親どころではないさ。唯一の人間だ」
人間、という言葉を強調する。
685 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:56:48.07 ID:RbKvlfqg0
日向「今現在でも提督はこの鎮守府における唯一の人間だよ。それこそが提督であり、だからこそ私達に必要なんだ」
北上「ちょっとタンマタンマ。話がぶっ飛び過ぎだって」
流石についていけなくなる。この人いつもこんな事考えてるのかな。
この人、か。
北上「確かに提督が大元なのはまあ分かるけどさ。それってこう、なんだろ」
上手い例えが出てこないな。
北上「うーん、言い方は悪いけどウイルスの発生源みたいな話でしょ?大元なのはそうだけど、1度感染してそこからまた広がっていったらもう発生源はあまり関係ないじゃん」
日向「提督はウイルスか」
北上「なんでそこだけ真に受けるのさ」
686 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:57:29.83 ID:RbKvlfqg0
日向「元、というなら女王蜂と言った方が正しいだろうね。男女比は正反対だがね」
北上「女王蜂って…」
あれ、思い返してみると確かに私達のやっている事って働き蜂のそれと同じじゃあないか。
なんか釈然としないな。
日向「人と違って私達には生まれた時から人格がある。だがそれは型に過ぎない。言わばまだ白紙の塗り絵だ」
なんだがロマンチックな言い回し。
日向「考えた事はないかい?世の中には私と同じ日向が沢山いる。それは確かに同じだったろうけれど、実際会ってみるとその性格には差異がある」
北上「他の鎮守府の自分かあ。私は会ったことないや」
私はなにせ中身がアレなもんだから他所の北上を自分だというふうにあまり見れない。
687 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:58:09.76 ID:RbKvlfqg0
日向「常に帯刀してる危ない私や妙にイケメンな私や一言も喋らない私や、瑞雲狂の私なんかもいたな」
北上「瑞雲?」
何故に。
日向「同じ日向なのにこうも違いが出る。何故か。それは提督の影響だ」
提督と言い切る。すごい自信だ。
日向「鎮守府の最高責任者は提督だ。運営方針もその提督次第で異なる。極端な話、ルールに厳格で根っからの軍人基質な提督の鎮守府であれば、私や皆もそれに沿った性格になっていただろう。ウチの提督は、まあそれの真反対だな」
北上「確かに。うん、そうだね」
うんうんと頷いてしまう。
トップの意向にそうというのは一般社会でも同じかもしれないが、私達にとって鎮守府こそが生活であり全てだ。その影響はもろに出る。
なんたる社畜。
688 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:58:42.21 ID:RbKvlfqg0
北上「そういや何処ぞの鎮守府じゃ毎日艦娘と淫靡で淫らな生活を送ってるなんて話を聞いたことがあるよ」
日向「つまりそういう提督であり、そういう艦娘になったという事だ」
北上「…なんか洗脳じみてて怖いね」
日向「何をもって洗脳というか、だな。穿った言い方をすれば親が子供を躾るのを洗脳ととることも出来る」
北上「それは穿ちすぎでは…」
日向「私達の場合は刷り込みと言うべきだろう。元々染まりやすく出来ているのさ。提督色にね」
北上「刷り込みって…ああ鳥が最初に見たものを親と思うってやつか」
日向「それだ」
689 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:59:09.03 ID:RbKvlfqg0
日向「私達は無意識に色々と刷り込まれてるのさ。例えば姉妹。当たり前のように姉妹とされているが、それは誰が言い出した?
元来船の姉妹というのは同型艦の呼び方の1種であり、それだけでしかない。実際作戦などで姉妹艦と行動する機会は殆どないことが多いし、生まれの時期に差があれば一度も合わずに終わる事すらある。
それを人の姉妹のように受け取り、そうあれと願っているのは提督だ。部屋割りや作戦時の編成にもその意識は現れる。そしてそれが私達の意志になる。
勿論姉妹として扱わない提督もいる。その場合その艦娘もそれ相応の者になっていたが。
他には、そうだな。鎮守府の上下関係かな。
軍艦としての年齢、艦娘としての年齢。戦績、実力。ふっ、提督のお気に入りかどうか、なんて。鎮守府によって異なるがそれはそこでは当たり前の常識となる。
また… 」
上下関係か。ウチは、上から戦艦や空母、重巡、軽巡、駆逐艦、みたいな感じかな。あらためて考えると潜水艦だけ特別枠な感じだ。
しかしいつまで話すつもりだこの人。段々話が頭をすり抜けてきた。谷風を彷彿とさせるがこっちは内容が濃いのでついていけない。
690 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 02:59:43.54 ID:RbKvlfqg0
日向「
そして提督が居なくなると崩壊する
」
北上「え?」
不意に飛び込んできた言葉に意識を戻された。
日向「戦闘の結果鎮守府が壊滅するという例はいくらかあるが提督が居なくなるという例は少ないからな。あまり意識することもないだろう」
提督が、提督だけが居なくなる。
日向「この戦争が始まってまだ四半世紀もたっていない。寿命や病気でこの先そういった問題は増えていくとは思うが」
そういえば、提督は2代目だと言っていた。
だとしたらその数少ない例がここなのでは。
691 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 03:00:59.02 ID:RbKvlfqg0
北上「問題、なんだ」
日向「そう問題だ。染まりやすい。だが一度染まればその色は中々変わらないのさ。適応ができない」
北上「…つまり次の提督に、適応できないと」
日向「多くの場合はな。人は大勢の他人から自己を形成するが艦娘は提督1人からなる。女王蜂がいなくなった巣は、どうなるだろうな」
例えば提督の事を嫌いな艦娘はいない。likeではなくloveのほうで提督の事が好きな艦娘も多い。
その提督が消えたら、どうなるか。
日向「五感や人らしさも全て、提督からもらった仮初のものなのさ。結局のところ」
北上「なんというか、ぞっとしないね」
日向「好き好んで考える話題ではないかもな」
なら話すなよと目で訴える。
692 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 03:01:49.47 ID:RbKvlfqg0
日向「だから私は本を読むんだ」
北上「だから?」
日向「提督以外の好きな物であり、私が自身で見つけた趣味であり、私の個性であり、私の証明だからだ」
北上「なんでわざわざ」
日向「…提督を失った鎮守府を、知ってるからさ」
それってつまり…
693 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 03:03:55.86 ID:RbKvlfqg0
北上「はぁ…」
提督室に向かう途中、思わずため息が出た。
日向さん。吹雪に負けず劣らずの変人だ。
個性が光りすぎてる。
年長者は変人しかいないのだろうか。
いや色々と年を重ねるうちに変人になるのか?
あまり考えたくないなそれは。
少なくともあんなアドバイスの仕方をするようにはなりたくない。
694 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 03:04:26.07 ID:RbKvlfqg0
日向「つまり提督に相談してはどうかという事だ」
北上「え、今の壮大な話からそんなありふれた結論に帰結するの?」
日向「意外な回答は見ていて面白いが解決を望むならあまりオススメはしないぞ」
北上「いやそういう話ではなく」
日向「なに簡単な話さ。その手の人間らしさならば人間である提督に聞くべきというだけの事。まああまり期待できる相手でもないか」
さりげなくディスって行くスタイル。
695 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 03:05:57.11 ID:RbKvlfqg0
目的地周辺、回想を終了いたします。
北上「結局ここか」
2代目の、提督の部屋。
その事を頭の片隅に押しやる。
朝から色々あって身体も脳もへとへとだ。
ここらで休憩が必要だろう。
さて安らぎの空間へ、
北上「お邪魔しま〜す」
696 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2017/11/17(金) 03:10:47.18 ID:RbKvlfqg0
日向には何か難しい事を言って欲しいと思ったけど自分でも何言ってるか分からなくなってきた。もうやらない
アナタの日向はどんな日向?
697 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/17(金) 11:55:34.71 ID:ASoTo+nc0
乙です。
瑞雲瑞雲言いながらカバディしてる日向さんです、瑞雲を受けとると退いてくれます、瑞雲教に入ると手伝わされます。
嘘だけど嘘じゃないかも。
698 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/17(金) 13:28:22.86 ID:mJWKA6K10
低速戦艦最古参として幾多の海域の攻略を成し遂げた生真面目な武勲艦だよ
瑞雲瑞雲唱え続ける不審者ではない
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