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デレP「蘭子の字幕が消えた」
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60 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/26(水) 00:02:56.43 ID:+qruagpW0
P「……待って、君、本当に神崎蘭子?」
蘭子「だったら何だと言うのかしら? 私は神崎蘭子。闇を統べる魔術師であり、その魅力で眷属を生み出し、偶像として君臨する者」
P「……いや、ちょっと待て。なんか違う。絶対違う」
蘭子「……」
P「蘭子は……そんなキャラじゃ……」
蘭子「そんな――」
61 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/26(水) 00:07:16.17 ID:+qruagpW0
みりあ「蘭子ちゃん、おはよー!」
蘭子「!? え、ええ、えっと……」
みりあ「蘭子ちゃん、いつもと違うねー! イメチェン……なのかな!?」
蘭子「いえ、その……」
みりあ「……蘭子ちゃん?」
蘭子「あ、あう……」
みりあ「?」
蘭子「きょ、今日は……えっ……と、わ、我が美貌を……えっと、フィルムに焼き付けるので!」
P「あ、そう、その話なんだけど、今日は美優さんが――」
蘭子「わ、我は施しは受けないのでー!」ダダダ
P「あ、ちょ、蘭子!」
P「……行っちまった……」
62 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/26(水) 00:11:31.33 ID:+qruagpW0
ちひろ「……蘭子ちゃん、どうしたんですか?」
P「いや、知らない……。俺は何も……」
千秋「……分かりやすかったわね」
P「……えっ?」
千秋「今日の……神崎さんの……、えっと、熊本弁で良かったかしら。喋ってる言葉、いつもより分かりやすかったわね」
ちひろ「……確かにそうですね。いつもは3割くらいしか分からないんですけど、今日は8割くらい理解できた気がします」
P「それは……まあ、そうだけど……」
千秋「……神崎さんが歩み寄ろうと思ってることは……、……いえ、一概に私がそれを『良いこと』と言っていいのかも分からないけれど」
P「……」
P「……それは……」
みりあ「蘭子ちゃん、なんだか辛そうだった」
P「……えっ?」
63 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/26(水) 00:15:34.43 ID:+qruagpW0
みりあ「蘭子ちゃん、いつもと同じ喋り方ができなくて……辛そうだった」
P「それは……まあ、確かに……」
ちひろ「字幕が出なくなったことと……、何か関係があるんでしょうか」
P「まあ……その辺だよな、理由としては……」
P「――っと、やっべ、もうこんな時間か」
ちひろ「送迎……もうそろそろしないと間に合いませんね」
P「そうだな、待っててくれ、すぐ手配するから」
64 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/26(水) 00:22:30.91 ID:+qruagpW0
ちひろ「……」
P「……」
ちひろ「……」
P「……」
ちひろ「……」
P「……あー、ダメだ、仕事が手につかん」
ちひろ「暇ならアイス買ってきてくれません?」
P「暇じゃねーよこれから来月の公演の企画練らなきゃいけねーんだよ」
??「公園で公演……フフッ」
ちひろ「楓さんバレてますから。構ってほしいの見え見えですから」
P「よっしじゃあジャンケンで負けた人がアイス買いに行くっていうのでどうですか!」
ちひろ「この炎天下で外に出るなんてそんな鬼みたいなこと言うつもりですか」
P「鬼みたいってか鬼じゃないですか」
ちひろ「あ?」
65 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/26(水) 00:27:43.71 ID:+qruagpW0
楓「それにしても今日は一段と暑いですね。外でロケをしてる子たちは大丈夫でしょうか」
ちひろ「そういえば蘭子ちゃん、今日もまたフリフリのゴスロリでしたね。他の服持ってないんでしょうか」
P「いや、普通にノースリーブとか持ってますよ。今日は着てませんでしたが」
楓「そうなんですか……、熱中症とか……大丈夫かしら」
P「大丈夫ですよ、水分補給はいつもするように言ってますから」
P「アイツ最近水素水にハマってて、事あるごとに飲んでるんですよ」
楓「水素水ですか、美容に良いと聞いて一度飲んでみたことはあるのですが」
ちひろ「……」
66 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/26(水) 00:28:41.52 ID:+qruagpW0
ちひろ「水素水って、塩分補給できるんですか?」
P「 」
67 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/26(水) 00:39:27.02 ID:+qruagpW0
楓「……私、水素水の原料見たことあるんですけど、水と水素だけでした」
P「……ちょっと待て」
ちひろ「……そういえば、蘭子ちゃん、昨日とても暑がってましたね。この冷房の効いた事務所の中で」
P「……待て待て待て」
ちひろ「……頭が痛いとか、言ってませんでした? 魔術回路がどうとか……」
楓「……確かに、朝の蘭子ちゃん、なんだか……具合が悪そうに見えました。寝不足みたいな……」
P「何言って……」
ヴー、ヴー、ヴー
68 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/26(水) 00:42:40.72 ID:+qruagpW0
ちひろ「……プロ―デューサーさん、電話……」
P「ああ、すみません、ちょっと失礼」ピッ
P「はい、もしもし……、あっ、はいっ、大変お世話になっております〜」
楓「……いつも思うんですけど、プロデューサー、事務所にいるときと人に会うときで声違いますよね」
ちひろ「まあ……誰でもそうだと思いますけど」
楓「私もあんな風に優しい声をかけられたいです……」
ちひろ「えー? んー? ……うえぇ……」
楓「え、あの、ちょ、なんで引く――」
69 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/26(水) 00:43:08.88 ID:+qruagpW0
P「……蘭子が……倒れた?」
70 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/26(水) 00:43:37.18 ID:+qruagpW0
ありがとうございました。
次回で最後になります。
良ければお付き合い頂けると嬉しいです。
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/26(水) 00:45:02.08 ID:yM9zQHBko
パズルのピースは揃った
72 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/27(木) 23:05:56.36 ID:YY/c3ff7O
お疲れ様です。
スマホでポチポチしてたら最後までの書きだめが出来上がったため、0時半くらいから最後までを投稿します。
73 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 00:59:14.73 ID:gYpAaiIQ0
P「ここか……」
P「……久しぶりに来たな、女子寮……」
P「管理人から入室の許可貰ってるけど……、うん……、やっぱり緊張するな……」
P「ええぃ、悩んでても仕方ない! いざ!」
ウィーン
74 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:01:36.09 ID:gYpAaiIQ0
P「えーっと……、あっちが食堂でこっちが……、……ああ、共用スペースか」
P「お邪魔しまーす」ガチャッ
美波「……あっ、プロデューサーさんっ」
アーニャ「プリヴェート、プロデューサー」
P「ああ、美波、アーニャ、お疲れ様」
美波「お疲れ様です。……蘭子ちゃんのお見舞いですか?」
P「……ああ」
アーニャ「私、ランコ、急に倒れたと聞きました」
P「おそらく熱中症でな。……蘭子、最近なにか悩んでなかったか?」
美波「……」
アーニャ「アー……」
75 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:02:38.99 ID:gYpAaiIQ0
アーニャ「ランコ、前、言ってました。言葉が伝わらないから、迷惑、かけたと」
P「……そっか……」
美波「蘭子ちゃん……、字幕が出なくなって、凄い、悩んでたみたいです。昨日も夜遅くまで起きてたって、寮長さん、言ってました」
P「遅くまで?」
美波「声とかは聞こえなかったので、多分、勉強かなんかをしてたんだと思うんですけど……、何をしてたかまでは、私にも……」
P「……ありがとう、美波。後は蘭子に聞いてみるよ。部屋はどこだっけ?」
アーニャ「私、案内します。こっちです」
美波「……プロデューサー、蘭子ちゃんのこと、お願いします」
P「……ああ、任せてくれ」
76 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:03:28.61 ID:gYpAaiIQ0
P「失礼しまーす」ガチャッ
P「……暗いな、電気は……っと、これか」カチッ
パッ
P「……」
P「……なんというか、まあ、趣味が分かりやすいというか……」
P「ところで蘭子は……?」
蘭子「……すぅ……」
P「……」
P「……寝てる……、か」
P「大事にはなってなくてよかった……」
77 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:04:14.76 ID:gYpAaiIQ0
P「……に、しても」
P「……果たして、蘭子の熱中症は、水素水だけだったのかどうか……」
P「ちひろさんの言うとおり塩分が補給できてなかったってのは……まあ、あるだろうけど……そればっかりが原因とも思えないんだよな……」
P「……」
P「……楓さん……言ってたな、『朝はなんだか寝不足で体調が悪そうだった』て。美波もそんな感じのことを言ってたし」
P「……まあ、蘭子に直接聞けばいいんだけど、果たして素直に教えてくれるだろうか……」
P「……なんかこの部屋にそれに関する手がかりでもないだろうか……」
P「……ん?」
78 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:05:19.20 ID:gYpAaiIQ0
P「……これ……蘭子のノートか」
P「グリモワール……は、スケッチブックのことだったか。じゃあこれは差詰めヴォイニッチ手稿ってところかな」
P「……蘭子の熊本弁の翻訳が書かれてたりしてな、ハハッ……」
ペラッ
P「……」
P「………………えっ……」
79 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:06:20.94 ID:gYpAaiIQ0
〇闇に飲まれよ
↑
闇:まったく光がないこと・暗いこと
・プロデューサーならまだしも他の人にとって「闇」はマイナスイメージなので「お疲れ様です」という意味にならない
・「神崎蘭子は堕天使である」ということを知ってても、「飲まれよ」では攻撃的な意味になってしまう
↑
「飲まれよ」をプラスイメージにする?←「祝福」「喝采」とか?
↑
闇に良い修飾語を付け加えるとか(ex「甘美な」「めくるめく」「妖艶なる」)
←神崎蘭子はクール系だから「甘美な」はちょっと違う?
P「……」
80 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:06:59.05 ID:gYpAaiIQ0
〇煩わしい太陽ね
↑
「太陽」が「面倒くさい」←?
・神崎蘭子は「太陽の光が苦手」
・「光」を浴びたくないという意味に
↑
太陽による被害をもっと具体的に
朝特有のイメージ←夜から朝に変わったことが伝わればいい
↑
「太陽が身を焦がす」←太陽が苦手な理由が伝わる(朝ということになる?)
P「……」ペラッ
81 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:08:12.02 ID:gYpAaiIQ0
〇アイドル→輝きを放つ者←もう少し簡潔に(車のライトとかみたいにも取れる)
↓
宝石←ただ宝石だと伝わりづらいから「統べる」とか「操る」とか人に使う言葉みたいにする
〇映画→魂の刻まれし幻影←「幻影」というのが映像っぽく思えない←イリュージョン?
↓
「フィルム」?
↑
ちょっと単調すぎる?←分かりやすさ重視
P「……こんな……何ページも……」
〇怪なる蜜
↑
こそこそ話←ホットレモンと勘違いされた←仕方ない
↑
「甘美なひと時」←休憩と間違われる?
P「……昨日の会話も含まれてる……」
P「……いや、違う」ペラッ
〇混沌
↑
私の言葉が伝わらないこと←「混沌」は「闇」の対義語じゃない
←一度分かれば解読しやすい←それじゃ意味がない
↑
暗澹?←闇と似てる
P「違う……これ……昨日書き始めたんだ……。収録が終わってから……」
82 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:09:27.99 ID:gYpAaiIQ0
〇禁忌の扉の錠を緩める
↑
お友達になりたいです
←こちら側へいらっしゃいという意味が伝わる?
←なにも伝わってない(×楓さん)
P「これ……。……こんな、大学ノートの全てのページを使って……」
←これじゃ何も伝わらない
P「蘭子のヤツ……必死に考えてたのか……」
←これじゃ誰にも伝わらない
P「夜遅くまで……。自分の言葉を届けたくて……」
←これじゃ私が伝わらない
P「無理して……夜遅くまで必死に考えて……」
←プロデューサーが、私を見てくれない
P「それでも……みりあに聞かれて、分かりやすい言い方ができなくて……」
←この言葉は、私のアイデンティティだから
P「……」
P「……」ペラッ
P「……!」
83 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:10:01.63 ID:gYpAaiIQ0
〇眷属
↑
プロデューサーは家来じゃない
大切な人
84 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:10:50.29 ID:gYpAaiIQ0
P「……」
P「……」パタン
P「……」スッ
85 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:11:23.51 ID:gYpAaiIQ0
蘭子「……」
蘭子「……ん……」
蘭子「……」
P「……」
蘭子「……」
P「……」
蘭子「……ぷろ、でゅー……」
蘭子「……プロデュー……サー……?」
P「おはよう、蘭子。もう夜だけど」
蘭子「……」
蘭子「……え?」
蘭子「……ひゃわえええええええええええっ!?!!??!!?」
P「!?」
蘭子「ぷ、ぷぷぷ、ぷろ、えっ!? なんっ、えっ!??!?!?」
P「ちょ、待て、大きい声だすな! みんな起きちまうだろ!」
蘭子「くぁwせdrftgyふじこlp;!!!!」
86 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:12:42.59 ID:gYpAaiIQ0
P「……」
蘭子「……」
P「……すまん、その……驚かすつもりは無かったんだが……」
蘭子「……いえ……」
P「……」
蘭子「……」
P・蘭子「あのっ」
P「……」
蘭子「……」
P「……なんでしょう、蘭子さん」
蘭子「いえ……プロデューサーの方からどうぞ……」
P「……」
P「……その」
87 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:14:16.65 ID:gYpAaiIQ0
P「すまん、ノート見ちゃったわ」
蘭子「オベリスクの鉄槌!」ブスッ
P「鳩尾がああああああ!!」
88 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:15:13.61 ID:gYpAaiIQ0
P「すまん、蘭子、ホントっすまん」
蘭子「い、いくら、ぷ、ぷぷプロデューサーでもやっていいことと悪いことがあります!」
P「重々承知であります!」
蘭子「本当に……アレは……!」
P「ちなみにやっていいことってどこまで?」
蘭子「えっ?」
蘭子「……」
蘭子「んー……」
蘭子「……なでなで……とか?」
P「ほー……?」
蘭子「……あっ、ダメです! やっぱナシ!」
P「ははは、分かってるよ。こんなオッサンに撫でられたくないよな」
蘭子「むー!」バンバン
P「だから叩くの止めろって! そんな痛くないけど!」
89 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:15:44.69 ID:gYpAaiIQ0
P「……で、だ」
P「今日の収録……倒れちゃったことなんだけど」
蘭子「!……」ビクッ
P「まあ、なんだ……」
P・蘭子「「ごめん」なさい!」
P「えっ?」
蘭子「ふえっ……?」
P「……」
蘭子「……」
P「……なんで蘭子が謝るの」
蘭子「そ、それはこっちのセリフです! なんでプロデューサーが謝るんですか!」
90 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:16:24.27 ID:gYpAaiIQ0
P「いやいやいや、だってほら、アレじゃん、どう考えたって俺の管理不足じゃん」
蘭子「管理不足って……、自分のことくらい自分で分かります!」
P「いやいやいや、アイドルが撮影中に倒れるとか下手すりゃ俺の首がぶっ飛ぶくらいの大惨事だよ。完璧に俺が悪い」
蘭子「プロデューサーは悪くないです! 私に責任があるんです!」
蘭子「私の字幕が消えて……、……だから……私が悪いんです!」
P「……」
P「……それで……考えてたのか」
蘭子「……」
P「深夜……遅くまで……あのノートに書いてたんだろ」
蘭子「……」
91 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:17:02.62 ID:gYpAaiIQ0
P「どうしたら、俺に、蘭子の言葉が伝わるか、ずっと考えてたんだろ」
蘭子「……」
P「どうしたらもっと分かりやすくなるか? 他に良い言い回しはないか? なんとか今のキャラを崩さずに多くの人に理解されるようになるか? そんなこと考えてたんだろ」
蘭子「……悪いですか」
P「悪くはないよ。努力家な蘭子らしい、スッゲーことだと思う」
蘭子「じゃあ……!」
P「……だけどさ、それで蘭子がぶっ倒れたら意味無いだろ」
蘭子「……」
P「蘭子は……俺の大切な――」
92 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:17:46.48 ID:gYpAaiIQ0
蘭子「私にはこれしか無いんですよ!」
93 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:18:56.29 ID:gYpAaiIQ0
P「!……」
蘭子「皆にそう言って……プロデューサー……皆大切って言って……」
蘭子「このままじゃ……私……埋もれちゃう……」
蘭子「プロデューサーさんに……見てもらえなくなっちゃう……」
蘭子「大好きなプロデューサーさんと……もう……!」
蘭子「私には……これしか……」
P「……違うだろ」
蘭子「……それに、キャラ付けのためだけじゃないんです。私、本当に好きなんですよ、この言葉が、趣味が、世界が」
蘭子「棄てたくなくて……ずっと持ってたくて……受け入れて欲しいのに……、……皆に……!」
蘭子「なのに……なのに……!」
P「……蘭子」
蘭子「……なんですか」
P「一つ……言っていいか」
蘭子「……はい」
94 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:19:24.35 ID:gYpAaiIQ0
P「君はもう、シンデレラガールじゃない」
95 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:20:02.60 ID:gYpAaiIQ0
蘭子「!……」
P「……ずっと考えてたんだ。なんで、蘭子の字幕が消えたのか……」
P「考えて、考えて、考え抜いて……、やっと分かった」
蘭子「……」
P「もう、魔法は解けたんだよ、蘭子」
蘭子「!……」
P「楽しいこと、辛いこと、色んなことを、沢山経験して、蘭子は成長して……」
P「……大きくなって、もう、ガラスの靴では小さくなったんだよ」
蘭子「……そんな……」
P「……ああ……」
蘭子「じゃあ……私は……これから……」
P「……」
96 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:20:49.14 ID:gYpAaiIQ0
P「これからは、魔法じゃない、本物のお姫様になるんだ」
蘭子「!……」
P「もう、蘭子は、ガラスの靴が無くたって、……魔法に掛けられてなくたって、輝いていける。その先の世界を見ていくことができる」
蘭子「……」
P「字幕という魔法が無くたって、蘭子、君は今以上にずっと、素晴らしい活躍をしていけるんだ」
蘭子「……なんっ……」
P「……だって、君は、……蘭子は、それだけの魅力があるから」
蘭子「……うっ……」
P「その言葉に頼らなくたって、……黒い翼が無くたって、皆が蘭子のことを好きになってくれるから」
蘭子「……」グスッ
P「だから……蘭子、無理する必要はないんだよ」
蘭子「うう……」
P「蘭子は蘭子のペースで、またゆっくり、自分の趣味を深めていけばいいんだ」
蘭子「はうぅ……」ポロポロ
P「大丈夫、皆ちゃんと蘭子の魅力は分かってくれる。そのままの蘭子を好きになってくれる」
蘭子「うう……はう……」
P「……だってさ」
97 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:21:19.64 ID:gYpAaiIQ0
P「なにより俺が、蘭子のこと、大好きなんだから」
98 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:21:53.42 ID:gYpAaiIQ0
蘭子「……ぷろ、でゅーさー……!」
P「……だから安心しろ、蘭子」
P「お前のプロデューサーは、ちょっと字幕が無くなったくらいで、お前のことを放っておかない」
P「誰がお前を見捨てても、俺はお前の傍に居て、ずっとプロデュースし続けるよ」
蘭子「……うん……」
P「だから……その、なんだ、無理せず、またゆっくり歩んでいこう」
P「トップアイドルへの道を」
蘭子「……」
蘭子「……はい……!」
蘭子「……これからも……宜しくお願いします……!」
P「……ああ、宜しく、蘭子」
99 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:22:43.20 ID:gYpAaiIQ0
ちひろ「おはようございます、プロデューサーさん! 今日のログインボーナスはこちらです♪」
P「分かってますよどうせスタドリでしょう? ……って、なにこれ、水素水? ねえ、ちょっと!」
茜「おはようございます、プロデューサー! 突然ですけど今日ってオフでしたっけ!?」
P「それ事務所来てから聞く? つーか構ってほしいなら直接言えよ」
茜「……えっ?」 ポッ
P「え、ちょ、マジで照れてんの!?」
心「おはようプロデューサー♪ 突然だけど今日オフってことでいい?☆」
P「いいわけねーだろぶっ飛ばすぞ☆」
心「ごめっ、ちょ、マジ……あっ」 ポキッ
P「えっ、そっち!? まさかのギックリ腰!?」
楓「おはようございますプロデューサー以下同文」
P「以下同文じゃねーよ! なんで二人も揃ってこの歳で!」
楓「ちょっとヨドバシでハッスルしちゃいまして」
P「腰痛めるまで健康器具使うヤツがあるか!」
心「違うぞ、プロデューサー☆」
P「え、なにが……?」
100 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:25:42.34 ID:gYpAaiIQ0
心「ロデオマシンじゃなくて、カボチャの馬車だぞ☆」
P「いや何も上手くねえよ!?」
凛「おはようプロデューサー、ところで楓さんにロデオって何の話?」
P「そこだけ切り取って聞かないで!?」
凛「ああなるほどね、中指がね、なるほどね」
P「高校生アイドルの発言じゃねえ!」
みりあ「おはよう、プロデューサーさん!」
P「ああおはよう、ちょっと待ってな3代目がこれこれこういうわけで」
薫「せんせぇ、おはようございまー!」
P「ああおはよう、ごめんな凛とまゆと奈緒と加蓮をちょっと宥めてるから待っててな」
仁奈「プロデューサー、おはよーごぜーます!」
P「おはよ、ごめ、ちょ、まっ、俺を睨むのはいいけど俺を間に挟んで胸ぐらつかみあうのやめて?」
桃華「プロデューサーちゃま、ケチャップがシミになっていましてよ?」
P「昨日より表現が生々しくなってるね」
千枝「今日も私がリーダーだから……ちゃんとしないと……。あっ、プロデューサーさんおはようございます」
P「あーもうヤバイ最後の良心すら動じなくなってきてる」
101 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:26:53.09 ID:gYpAaiIQ0
李衣菜「おー、プロデューサー、女の子侍らすなんてロックだねー」
P「ロック過ぎて焼死寸前なんですけど」
千秋「プロデューサーさん、今日のL.M.B.Gの子たちを送ってく話なんだけど、私、普通免許しか持ってないことを失念してて」
P「まさかの中型!?」
蘭子「おはようございます、プロデューサーさん!」
P「蘭子さん今日も元気ね」
友紀「キャッツがあああああうああああああああ!!」
P「チクショー動物園かこの事務所!」
全員『……あれ?』
P「?」
102 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:28:35.50 ID:gYpAaiIQ0
凛「あれ、蘭子……?」
蘭子「凛さん、おはようございます!」
まゆ「蘭子ちゃん……なんですか? 本当に蘭子ちゃんですか?」
蘭子「ええ、そうですけど……」
みりあ「あー、蘭子ちゃん、おはよー! またイメチェンしたの?」
蘭子「うん、そうだよ! 見た目は変わってないけど!」
楓「いったいなにがあったのかしら……」
P「いや、まあ……」
蘭子「フフッ」
103 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:31:23.60 ID:gYpAaiIQ0
蘭子「永遠の契を誓いし我が友との約束…….其れを果たすのに最も賢き道を選んだまで!」
ちひろ「……」
みりあ「へえ……!」
P「ま、まあ、そういうことで……」
凛「ちょっとプロデューサー、聞き捨てならないんだけど、永遠の契ってなに?」
P「いや、あの、それは……」
まゆ「まゆも蘭子ちゃんの言葉はあまり分かりませんけど……なんとなく良からぬことを言ってることは分かりますよぉ……?」
P「いや、えっと……」
奈緒「プロデューサー、まさか蘭子と……」
加蓮「プロデューサー……そんな……」
美優「また……私以外にも……」
P「あ、ごめん、今日蘭子のバラエティ番組の収録があるんだ」
奈緒「それ一昨日だよ!」
P「ごめん、ちょっと急用を思い出しちゃった!」
奈緒「何の用事?」
P「適当に考えといて!」
奈緒「あーうん、分かっ……いや全然分かんねえよ!?」
心「っつーか逃げる気だぞあのスケコマシ☆」
凛「みんな捕まえて!」
P「ひえええええええ!!」ダダダダ
104 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:33:10.58 ID:gYpAaiIQ0
蘭子「……えへっ♪」
蘭子「プロデューサーの夢……。きっと私が、この手で……!」
蘭子「魔法じゃない、この私の両手で……!」
蘭子「……フフッ♪」
蘭子「祝福の刻を待たれよ、プロデューサー!」
105 :
◆btZY.W7DfU
[saga]:2017/07/28(金) 01:37:29.96 ID:gYpAaiIQ0
以上です。ありがとうございました。
当初はスレタイありきの出オチの予定だったのですが、オチをどうするか考えた結果、こんな感じのちょっと重くて長いSSになってしまいました。
次回、また書く機会があったら、そのときは徹頭徹尾バカバカしいSSを書きたいなーと思います。
ちなみに前作は↓になります。
千秋「ステマをします」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1499953594/#footer
それではHTML化依頼を出してきます。
お読み頂き重ねて有難うございました。
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/28(金) 01:55:08.33 ID:XfAjkxXWo
乙
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/28(金) 02:02:24.24 ID:Jj7Kgb12O
乙
こういう風に本音でぶつかってみるのもいいよね
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/29(土) 11:47:40.08 ID:wIFZeYJ0o
乙
良かったよ
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/31(月) 01:28:15.42 ID:+BThFfiXo
結局字幕は塩分不足が原因だったのか?
乙
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