白菊ほたる「プロデューサーさんは呪われました」

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1 : ◆eU2UNg43MI [saga]:2017/07/15(土) 16:18:37.94 ID:eRMrD4p40

いったいこれで何回目だろうか。

まさか今回は雨水をぶっかけられることになるとは……。
びしょびしょになったスーツの重さを感じながらそんなことを考える。

「……すみません。また私のせいでプロデューサーさんにご迷惑を……」

「…………いや、気にしなくていいよ」

「……ごめんなさい」


まぁ、車がはねた水から担当アイドルを守れた、と考えればプロデューサーとして恰好もつくというものだ。あはははは…………。

ため息を堪えるのが精いっぱいだった。


「やっぱり……」

担当しているアイドルの少女――白菊ほたるの吸い込まれそうな黒い瞳と目があう。



「プロデューサーさんは呪われてしまったみたいです」





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2 : ◆eU2UNg43MI [saga]:2017/07/15(土) 16:21:22.12 ID:eRMrD4p40


俺がこのアイドル事務所に勤めることになってもうすぐ十年になる。

別にアイドルが好きだったわけではない。
趣味も将来の夢もなく、親や学校の先生に言われるがまま大学まで進学し、この事務所も知人に紹介され、流されるようにこの仕事に就いただけである。思い返せば自分で何かを決めたことなど数えるほどもなかった人生だ。

多種多様な業界の人と渡り歩いていかなければならないプロデュース業という世界。
人と接することが得意というわけでもないが、仕事と割り切ればなんとかなるだろうという自信はあった。
実際、俺が担当したアイドルは Aランクにこそなってはいないが、アイドルとしてそれなりの知名度を獲得していったし、プロデューサーになって後悔をしたことは一度もなかった。


あの子に出会う前までは。
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