夜神月(時を超えるメール……?)

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22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 21:00:24.43 ID:WwteO+DA0
久々だな…

また読めて嬉しい
23 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:26:10.59 ID:G86CFbvCo
ご意見ありがとうございました
また過去のスレットを読んでいただいていたということ、ここに改めて感謝申し上げます

投下再開させていただきます
24 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:27:30.94 ID:G86CFbvCo
―――未来ガジェット研究所

岡部「…グー…グー…」

ダル「グガガガー…ンゴッ」

紅莉栖「疲れて寝たみたいだけど……今日は二人共変っていうか…いつもの感じじゃなかった」

紅莉栖「まゆりはバイト終わったらそのまま帰っちゃうみたいだし……私もまゆりみたいに書置きして帰ろっかな…」

紅莉栖(岡部…なんで話してくれないのよ……)


―――夜神宅

月(秋葉留未穂はほとんど収穫無しだが…椎名まゆりに接触できたのは幸運だった)

月(それにしても僕の声が…岡部倫太郎に似ている?)

月「……なりすますか…?」

リューク「なりすます?」

月「岡部倫太郎と僕は声が似ているらしい。ならそれを使うだけだよ。リスクはあるけど…ね。」

月(…となれば…いちいち接触する必要もない……携帯ならば“似た声”を再生する仕組みになっている)

月「…裁きと並行して行うにはその方がいいだろうな…Lの時に用意していた携帯を使えば問題ないだろう…」
25 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:28:51.39 ID:G86CFbvCo
岡部「む…しまったいつの間にか寝てたみたいだな……」

岡部「…これは…書き置き?」

疲れてるみたいだし起こさないでおくね?
あんまり危ない事しちゃだめだよ?
                 まゆしぃ☆

起きたらコレでも食っとけ!
後くれぐれも無茶だけはすんなよ!
                 紅莉栖

岡部「フ…あいつらめ……カップラーメンとバナナでは…全然合わないではないか」

岡部「……ダルはもういない…帰ったのか……」

岡部(ということは今は一人か…今狙いを絞られたら俺ひとりでは到底守れない…)

岡部(…といって疲弊しているダルを扱き使う真似はできないし……下手したら盗聴されている可能性もある…念には念を入れたほうがいい…)

岡部(しかし…タイムマシンを釣り針にするのなら誰かが矢面に立つことになる…)

岡部(…名前と顔は既に知られているという前提じゃないとダメだが…だからといって全員を殺そうとはしてない。)

岡部(それは今ラボメンが全員が生きているのがその証明…狙いはノートのことを知っている人間……)

岡部(それならば事情を説明するのは出来る限り控えたほうが良いが…それではどうすればいいのだ…説明不能は策を張れないのと同義だぞ)

岡部(…俺自身がタイムリープをしてキラを探るか…?)

岡部「…………」

岡部(………バカか…タイムリープはそう簡単に行うものではない…)
26 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:32:08.32 ID:G86CFbvCo
月「さてリューク、僕がなりすましで電話をするのなら誰がいいと思う?」

リューク「ん?…漆原るかか?」

月「どうしてそう思う?」

リューク「漆原るかは岡部にべったりで気弱なんだろ?」

リューク「ライト、お前ならそれを利用しかねない」

月「ふふ、いい線だけどハズレ。なりすますのに岡部倫太郎に対する感情は障壁になるからね」

リューク「くくっ、じゃあ誰にするんだ?」

月「橋田至だよ。」

リューク「は?」

月「Oが誰であろうと橋田至はその協力者という立場になるんだ。」

月「僕のクラッキングを打ち破ったのも彼だろうからね」

リューク「O自身かもしれねぇぞ」

月「いや、それはない…Oは電子掲示板を使って僕を挑発したけれど、プロキシを使わず書き込むだなんて特定しろと言っているようなもの」

月「橋田至のように技術がある人間ならそれは避けるはずだ。」

月「それにたとえほかに何か意図があったとしても動機を橋田至からは見つけることが出来なかったしね」

月「むしろ動機だけなら岡部倫太郎の方が怪しいくらいだよ」

月「…という訳で協力者ならばキラに怯える者…だから、十分に誘導できる…恐怖で支配するのは好みじゃないけどね」

月「橋田至は確実に裁く…けどデスノートで操る事は出来ない。」

月(そんなことをすればOが過去を変えるとも限らないからな)

リューク「ふーん…人間って面倒だな」

月「でも、それは明日の夜にするよ。椎名まゆりに聞きたいことがあるからね」

リューク「なんだよ、結局ハマってんじゃねーか」

月「リューク、僕はあんなボッタクリ商法を許す気はないよ」
27 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:32:49.47 ID:G86CFbvCo
まゆり「トゥットゥルー☆」

月「トゥ、トゥットゥルー…?」

まゆり「お帰りにゃさいませご主人様」

月「あ、ああ…まゆしぃさん、コーヒーとオムライスください…」

まゆり「はいですにゃぁ」

月「…まゆしぃさん」

まゆり「はい?」

月「お話したいことがあって」

まゆり「うーんっとねぇ…まゆしぃ☆が答えられることなら答えますにゃぁ…」

月「じゃあ――――」

  アア、ソレハネェ
       ハイ

月「―――ありがとうございます。まゆしぃさん」

月(椎名まゆり…馬鹿な女)

月「じゃあ、僕はこの辺で…」

フェイリス「お会計1600円になりますニャー!」

月「なっ!?」
28 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:33:51.66 ID:G86CFbvCo
――――翌日、ラボ

岡部(……キラがどういう動きをしているのか…せめて把握できれば対抗策も……)

紅莉栖「…ねぇ、岡部…最近変よ…?どうかした…?」

岡部「紅莉栖か……なんでもない」

紅莉栖「…また紅莉栖って……最近普通の名前で呼ぶなんて……本当にどうしたのよ…?」

岡部「……名前で呼ぶことは悪いことか…?」

紅莉栖「…う、そりゃ悪いことではないけれど…むしろ嬉しいけど」ボソッ

岡部「?……悪いことではないのならいいではないか……」

紅莉栖「う、うるさい!悪いことではないけど悪いのよ!!…うまく言葉にまとめられないのが悔しいけれど!!」

紅莉栖「…そうよ、大体ラボでそんな怖い顔されてたんじゃこっちまで気が滅入るのよ!!何かあったなら早く言って!!」

岡部「だからなんでもないと言っているだろう…」

紅莉栖「なんでもないって…」

岡部「なんでもないのだっ!」

紅莉栖「っ!」

岡部「……本当になんでもないことだ。放っておいてくれ…頼むから…っ!」

紅莉栖「岡部…」

岡部(……俺はいったいどうすれば…)

ダル「…………」

ダル「……僕はもう帰るお…何かあったら電話でヨロ…」

紅莉栖「橋田まで…!」
29 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:35:09.09 ID:G86CFbvCo
リューク「……今頃、あっちはズタズタだろうな。ライトの財布のなかもズタズタだけどな」

月「財布のことは置いておいて…Oは勝手に苦しむはずだ。こっちの信念を理解できてるのなら尚更ね」

月「……さて、ここから怒涛の攻め手…O、受けきれるか?」

月「………ん、もしもし。俺だ」

ダル「……オカリンか…非通知でかけてきてなんか用なん……?」

月「…あまり言いにくいのだが…」

ダル「…ちょ、何、何があったん」

月「メイクイーンニャンニャンが」

ダル「メイクイーンニャンニャンがどうかしたん!?」

月「……怪しい人物が嗅ぎまわってるらしい」

ダル「…っ、ちょ…それほんとなん…?」

月「……ああ。」

リューク(自分のためなら何でもやる人間って面白!)

ダル「ちょっと、フェイリスたんに聞いてくるっ!」

月「待てっ!!」

ダル「!……どうしたん…?」

月「…言うにしても下手な事は言わないほうがいい。念には念を入れて…だ」

ダル「オーキードーキー…ありがとね、オカリン」

月「…ああ、それだけだ。」

月(…思い通り!)

月「……リューク、僕たちの勝ちだ」

リューク「どうしてだ?」

月「椎名まゆりのいう橋田至は岡部倫太郎の発言を話半分で聞き流す奴だ」

月「だが今の電話では僕の発言を真摯に聞いていた。橋田至は黒だから、今の対応で岡部倫太郎は黒。」

月「そして、フェイリスに不用意な事を言うなといった時に同意したからフェイリス…秋葉留未穂は白。」

月「そして岡部倫太郎をO、もしくはそれに準ずる者とすると…椎名まゆりは白。」

月「同じ理由で他のラボメンも白に近いだろう…岡部にとってはラボメンは庇護の対象だからな」

月「ただし、阿万音鈴羽は除外だ。」

リューク「それまたどうして?」

月「警察をことごとく欺き通していて尾行も巻かれた。調査結果では戸籍なしとある。まず危険人物には間違いない」

月「デスノートでは殺人を強要できないから間接的に殺すというのも不可能。…そもそも警察を撒く人間を殺せるのか?」

月「阿万音鈴羽は何よりも警戒するべき本当の切り札だったよ」

リューク「だった?」

月「ああ、だった。僕の勝ちは確定済み。」

月「Oは岡部、奴が死ねば阿万音鈴羽の行動も変わる。」

月「……書こう、名前を。奴らの目の前で」
30 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:36:51.44 ID:G86CFbvCo
岡部(……助手は荷物を取りに行くと言ってホテルに向かって…今ラボには俺ひとり…)

岡部「……ダルに今後のことを相談しようにも通話中で電話に出ないし…」

まゆり「トゥットゥルー☆」

岡部「ん…まゆりか」

まゆり「…オカリン、オカリン、今日ね、夜神くんとお話したんだよ?」

岡部「……夜神くん?誰だ?」

月「…すみません!こちらに橋田至さん、岡部倫太郎さんはいらっしゃいますでしょうか!」

まゆり「!夜神くん?今あけまーす」

岡部「……!」ダッ

カタカタカタ

岡部「動け…!」

月「…ありがとう、椎名まゆりさん」ギィィィ

岡部「まゆり!扉が開いたら手に持ってるノートを叩き落とすんだ!」

岡部(間に合うかタイムリープマシン!後ろを振り向いてる暇はない!入られたらおしまいだ…!)

まゆり「え?あ、えい!」

月「!?」

まゆり「あ、えっと…ごめんね、夜神くん…」

岡部「ナイスだ、まっちょしぃ!!」

月(グッ…だが時計の方に…!)

月「…あと30秒!もうメールを打ち込むには間に合わない!!」

月(…予定とずれたが……チェックメイトだ…!)

月「僕の勝ちだ!岡部倫太郎!!」

岡部「ああ、負けだ…俺のッ…負け…今回は!!」

ぶぅぅぅぅぅぅぅうん…

月「何?」

岡部「だが…次のお前には勝つからな。キラ!」

月(!?)

岡部「 跳 べ よ ぉ ぉ お お お お お お お ! ! ! 」


    〜 ぐ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ん 〜
31 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:38:46.91 ID:G86CFbvCo
岡部(―――もう何回、何十回…時を戻したのかわからない…)

岡部(幾度となくキラに敗れた……最初は歴史修正のためにキラを追っていたが、今はもうそんな話ではない……)

岡部(ダルを、まゆりを、紅莉栖を…ラボメンを守るためにキラを捕まえる…絶対に)

岡部「…助手よ、電話を取る前の俺はなんて言っていた」

紅莉栖「もういい加減にして…!」

岡部「ど、どうしたのだいきなり…?」

紅莉栖「タイムリープしてきたんでしょ岡部!何があったの…!?」

岡部「…っ………済まない」

紅莉栖「…っ」

ダル「……オカリン、もう言おうず…僕らだけじゃなんともならないって…」

岡部「だ、だが…」

紅莉栖「……いいわよもう、知らないから…ただ、覚えておいてほしい」

紅莉栖「…タイムリープは未完成の理論なの、気軽に何度も使えるものじゃない…一歩間違えれば脳が破壊されるかもしれない…」

紅莉栖「……それだけは…覚えていて」

岡部「…………ああ、ありがとう。助手よ。」

紅莉栖「……だから助手じゃないわよ…はぁ…」

岡部「……ダル、さっき俺はなんといっていた?」

ダル「気付かれたら負けだとかなんとか…」

岡部「…そうか。」

岡部「…まゆりはもうバイトに行ったのか」

ダル「………」

紅莉栖「…………」

岡部「……そうか。」

岡部(…済まない…が、俺はやらなければならない…)

岡部(…まずキラの行動を読め…キラが警察内にいる…それはどう言う意味か考えるんだ…!)

岡部(…俺たちの情報を全部持っていると考えて問題ないはず…)

岡部(ノートの存在を知っている人間以外には手を出さないのなら、そいつを探すにはどうする…)

岡部(外堀を埋めるのが一番効果的だ…つまり必ず誰かに接触をせざるを得ない…)

岡部(誰に接触するか…そんなことは考えることではない。まずは動け…どこかに、キラはいる……!)

岡部「…すこし出てくる」
32 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:41:32.07 ID:G86CFbvCo
フェイリス「じゃニャくて!マユシィ!お客さんじゃニャいし!語尾もニャを付けるニャ!」

まゆり「あ、ごめんなさい…ご主人様だにゃぁ」

月「い、いえ…どっちでもいいですよ…」

フェイリス「良くないニャ!ここは来てくれるご主人様のための場所。曖昧な態度でいるのはダメニャ!」

月「そ、そう…なんですか…あ、では―――」

岡部「……邪魔をするぞ」

フェイリス「ニャニャ!キョーマ!」

月(…きょーま?)

岡部「……」

岡部(見慣れない顔だな…こいつが…?)

岡部(いやいや、いかん、人を見るとキラと思い始めてきている)

まゆり「トゥットゥルー☆オカリン!」

月(!)

岡部(…外では平静を装え)

岡部「フゥーハハハ、まゆりのバイトの様子を見にな」

月(やはり岡部倫太郎…!)

月「えっと…まゆしぃさん、フェイリスさん、この方は?」

岡部(!……この声…)

岡部「ん?まゆりとフェイリス、知り合いか?」

まゆり「やっぱり、二人の声はそっくりですにゃぁ」

フェイリス「今日初めて来てくれたライトニャ。」

岡部「…ふぅん、そうか。常連になって貰う為頑張れよフェイリス」

フェイリス「もっちろんニャ!」

月(誰が常連になるか)

月「あ、もしよろしければ座っては?」

岡部「あ、ああ…ありがとう…」

岡部(椅子を引かれてはわざわざ断って立ってるわけにも…)

月「初めまして、夜神月と言います。岡部倫太郎さん…ですね?」

岡部(……夜神…月……夜神くん、か。)

岡部「……初めまして。」

月「ああ、いきなり話しかけてすみません。名刺名刺っと」

岡部「いや、いい…それよりなぜ俺の名を…?」

月「実は僕、フリーライターをしてまして…それで先ほどは神社を取材したのですが、そこで聞いた人の特徴が貴方に…」

岡部(…神社…柳林神社か…?)

岡部「似ていたと…」

月「…オカリンと呼ばれておられたご様子なので不躾ながら聞かせていただいたのですが…」

岡部「そうですか…」

岡部(…ここで、こっちから話をふるか?いや、不自然だ)

月(………多少強引な手になるが……話に乗ってこい…!)
33 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:45:16.24 ID:G86CFbvCo
月「……取材ついでに聞かせていただきたいのですが、倫太郎さんはオカルトって信じますか?」

岡部「?…オカルト?」

月「ええ、例えば幽霊とか死神とか。秋葉原のどこかに二次元につながる扉があるなんて噂もあるみたいですね」

おまいら「「「「「がたっ」」」」」」ガタッ

リューク「ククッ、二次元の扉は知らないが…俺は実在するぞ」

岡部「…まぁ、あるのではないか?よくはわからんが。…もしいるとすれば…ふん、死神の好物とかしりたいが」

月「はは、新しい見方ですね…死神にも好きなものってあるんでしょうかね?やっぱり魂とか?」

リューク「リンゴ!リンゴ!」

月(相変わらず五月蝿い……死神じゃなかったらとっくに裁いてるぞ……)

岡部「…死神………といえば6年ほど前にテレビ中継で―――」

月(!)

月「ああ、お互いの死神を見せ合えばってやつですね…あれはキラとキラを騙るものの口論でしたっけ…」

月「……こんなご時世に聞くのもアレですけれど、倫太郎さんはキラのことどう思います?」

岡部(……反応を見ているのか?)

岡部「……そうだな、何が目的かわからないからな…犯罪者は減っているのは確か、だが…」

月「だが?」

岡部「恐怖で支配しているような気もする。言ってはなんだがディストピアを作りかねん」

月(……)

月「なるほど…メモメモ」

岡部(…この紙……いや…軽率に行動してみろ…俺など即座に殺されるぞ…)

月「では、僕はこの辺で…」

岡部(……なんの脈略もなく帰るのか夜神月…?…だが…俺にも引き止めるには理由がない…)

月(…そう、引き止めれはしないはずだ岡部倫太郎…しかし、僕自身もこの場には長居出来ない…)

岡部(ここでは疑われるだけでアウト…そうだな?)

月(ここでは疑われるだけでアウト…そうだろ?)

 夜神月
      岡部倫太郎

月「…また、近々お会いしましょう。倫太郎さん」

岡部「…ええ、楽しみに待っている。夜神月」

岡部「…………」

岡部(……俺が戦ってきたキラはあいつだ…本当の名は…)

月「…………」

月(岡部倫太郎…Oではないのか…?)
34 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:46:46.93 ID:G86CFbvCo
岡部「……今帰ったら、ダルが寝ているはずだ…」

ダル「グガガガー…ンゴッ」

紅莉栖「あ……」

岡部「あ……」

紅莉栖「……私は今帰るとこだけど……岡部、あまり意地を張ってもしょうがないわよ」

岡部「…どういうことだ」

紅莉栖「だって…無理してるように見えるわよ。私を誰だと思ってるの?」

岡部「む……それは…また、話す。今は…」

紅莉栖「………」

岡部「…帰ってくれ」

紅莉栖「……待ってるから。」スタスタ

岡部「…………」

岡部「…ダル、起きろ。」

ダル「グガガガー…ンゴッ…ん…うぅ……オカリン…?なんぞ…?」

岡部「キラと接触してきた」

ダル「はぁ!?ちょ、それkwsk!」

岡部「夜神月と名乗っていたが…おおかた偽名だろう。」

ダル「…ヤガミライト?偽名?なぜに?」

岡部「キラは警察内部にいる、俺らはそれを知っている。奴がキラだとしたら本名を名乗るメリットがないだろ」

岡部「同じ名前の人間が警察内にいることになる…お互いに疑われるだけでアウトなんだ、そんな危険な真似はするまい」

ダル「なるほど…オカリンそんな賢かったっけ?」

岡部「ああ…まぁ、流石に何十周も何百周もしてるとな」

ダル「あぁ…そういうことなん?やっぱオカリンはオカリンか」

岡部「………」

ダル「ごめんなさい。」

岡部「…まぁいい。それと夜神月にあって気付いたのだが、俺の話は筆談か…もしくは直接的に話す時以外信じるな。」

ダル「え?ちょ、それどういうことなん?」

岡部「携帯の音声送受信の仕組みは知っているな?」

ダル「送信者の声を電子変換する際に2500種類音源の内最も近い物に置き換えるアレ?」

岡部「ああ、合っている。それでだな、夜神月と俺の声は似ている。つまり」

ダル「携帯を通されると聞き分けることができない…だと…?」

岡部「…ああ、そういうことになる。偽の携帯で非通知にされたらアウト。俺の身に何かが起こり、携帯を奪われてもアウトだからな」

ダル「おk…把握した……」

岡部「…そういえば、俺らがキラに勝つ方法…否、勝利条件とは何なのだろうな。」

岡部「俺らには逮捕権限もなければ監禁の手立てもない。殺すなんてことをしたら本末転倒だ、キラと同じではないか」

ダル「うーん……そう言われると……オカリンはキラのいない…せ、せ、」

岡部「世界線か?」

ダル「キラのいない世界線から来たんなら、その世界線に戻ればいいんじゃね?キラがキラじゃなくなった世界のはずですしおすし」

岡部「…ふむ、なるほど。キラの殺人手段を奪うのだな。さすがマイ・フェイバリット・ライトアームのスーパーハカーダル!」

ダル「その呼称やめーや。スーパーハカーじゃなくてスーパーハッカー!それに今はキラに負けたし…ただのハッカーですわ……」
35 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:50:31.59 ID:G86CFbvCo
月「…明日の予定はメイクイーンに情報収集だ。なりすましはそのあとでもできる…」

リューク「なんだよ、結局ハマってんじゃねーか」

月「リューク、僕はあんなボッタクリ商法を許す気はないよ。さっきだってコーヒーだけなのに600円も取られたし」

リューク「600円だけで怒るとはライトも心が狭くなったな…」

月「…リューク、お前の好きなリンゴのブランド名は?」

リューク「陽光だ。甘酸適和で味は濃厚、見た目もきれいでだな」

月「3個だ。」

リューク「ぼったくりは許せないな。」



まゆり「トゥットゥルー☆」

月「トゥ、トゥットゥルー…?」

まゆり「お帰りにゃさいませご主人様」

月「あ、ああ……まゆしぃさん、コーヒーとオムライスください…」

まゆり「はいですにゃぁ!」

月「…まゆしぃさん」

まゆり「はい?」

月「お話したいことがあって」

まゆり「うーんっとねぇ…まゆしぃ☆が答えられることなら答えますにゃぁ…」

月「じゃあ――――」

  アア、ソレハネェ
       ハイ

月「―――ありがとうございます。まゆしぃさん」

月(椎名まゆり…馬鹿な女)

月「じゃあ、僕はこの辺で…」

フェイリス「1600円ニャー!」

月「なっ!?」

リューク「陽光8個がっ!?」
36 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:52:04.88 ID:G86CFbvCo
岡部(…キラはおそらく俺の周りを探る…外堀を埋めていくのが狙いだろう……俺と似た声ならば携帯を通じて……うーむ…)

紅莉栖「岡部」

岡部「……助手か。悪いが今は返事ができん、話しかけないでくれ…」

紅莉栖「いい、返事はなくてもいいから黙って聞いて。…岡部が困っているなら私は全力で解決に協力する」

岡部「……え?」

紅莉栖「私だけじゃない。まゆりも…ラボの人だってそう言うはずよ。だから、気軽に相談するといいわ」

岡部「………」

紅莉栖「1人で強がって抱え込むより、弱音を履きたい時は吐く。私たちはそれを拒絶したりなんかしないから」

紅莉栖「……ちゃんと聞くから」

岡部「なんで…」

紅莉栖「岡部はこのラボの所長でしょ、ラボメンが助けなきゃ。前、私に同じ事言ったのは誰?」

岡部「……フッ…フゥーハハハ!ならば、俺もお前と同じように返すだけである!また今度言わせてもらおう、と!」

岡部「……なんやかんやで青森にも行けてないしな」

紅莉栖「え、覚えて…?」

ダル「……僕は帰るお…僕の目の前でイチャイチャするようなリア充バカップルは爆散しろ!」

紅莉栖「…///」
37 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:53:56.14 ID:G86CFbvCo
リューク「……今頃、あっちはズタズタだろうな。ライトの財布の中もズタズタだけどな…俺のりんご……」

月「財布と林檎のことは置いておいて…Oは勝手に苦しむはずだ。こっちの信念を理解できてるのなら尚更ね」

月「……さて、と。ここから怒涛の攻め手…O、受けきれるか?」

月「………ん、もしもし。俺だ」

ダル「……オカリン…?非通知でかけてきてなんか用なん?」

月「…あまり言いにくいのだが…」

ダル「…ちょ、何、何があったん」

月「メイクイーンニャンニャンが」

ダル「メイクイーンニャンニャンがどうかしたん!?」

月「……怪しい人物が嗅ぎまわってるらしい」

ダル「…!」

ダル「…怪しい人物ってなんぞ?」

月「…わからない…が」

ダル「いつもの厨二病?」

月「………」

ダル「それに、本当に危険だと判断したならオカリンが動くべき。僕はもう帰り道の途中だからそっちのほうが近いだろうし」

月「………ああ、わかった。」

月(……やられた)

月(…仕方ない、違う策を考えろ…即座にだ…僕ならやれる…)

リューク「どうしたライト?まさかネタ切れじゃないだろうな?」

月「は…はは、そんなわけないだろ。策はまだあるよ。でも」

リューク「でも?」

月「O側には何枚も切り札が伏せられている。地雷のように」

月「まずこれは、リュークに言うのは初めてだったけど…ラボはタイムマシンを持っている。」

リューク「タイムマシン?」

月「ああ…にわかには信じがたいけど、ね。これも確かに危険だけど、真に警戒するべきは阿万音鈴羽という人物。」

月「警察をことごとく欺き通していて尾行も巻かれた。調査結果では戸籍なしとある。まず危険人物には間違いない」

月「デスノートでは殺人を強要できないから間接的に殺すというのも不可能。…そもそも警察を撒く人間を殺せるのか?」

月「阿万音鈴羽は何よりも警戒するべき本当の切り札だよ。まず、こいつの情報を得る事が優先的になる。Oの始末よりもだ」

月「…今の策が成功していれば即解決だったんだけどね」
38 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:57:37.33 ID:G86CFbvCo
岡部(ダルは帰った…助手はホテルに荷物を持ちに、まゆりはバイトから戻ってきたところだが…)

まゆり「…オカリン、オカリン!今日も、夜神くんとお話したんだよ?」

岡部「夜神月か。どんな話をしたんだ?」

まゆり「えっとねぇ、ラボのこととかぁ、Dメールのこととか…」

岡部「Dメールのこと話したのか!?」

まゆり「えっ…うん…」

岡部「…タイムリープのことは?」

まゆり「…たいむりーぷ?」

岡部「……まぁいい。今後、Dメールのことを話すのは控えるのだぞ!ラボのトォォォゥップシィークレットなのだからな!フゥーハハハ!」

月「…すみませーん!」

まゆり「!夜神くん?今あけまーす」

岡部「……!」

月「…ありがとう、椎名まゆりさん」

岡部「まゆり!扉が開いたら手に持ってる物を叩き落とすんだ!」

岡部(早くタイムリープの準備を…!)

まゆり「え?あ、えい!」

月「!?」

岡部「!?」

まゆり「?」

月「いたたた…どういうことなんですか…」

岡部(ノートを持ってない!?)

岡部「す、すまない…不審者かと思ってな」

まゆり「もぅ!夜神くんは不審者じゃないよ?」

岡部「そ、それでなんのようだ、夜神月」

月「………単刀直入に言います」

岡部(…コイツ気づいて…?)

月「…ここにはタイムマシンがあるそうですね」

岡部(!食いついた!)

岡部「…まゆりから聞いたのだな。さっき聞いたところだ…ふっ知られてしまっては仕方がない………」

月「………ど、どうするきですか…!」

岡部「現時点をもって!夜神月をラボメンナンバー009に任命する!」

まゆり「うわー!やったね!夜神くん!」

月「ラボメン…ナンバー009…?」

岡部「ラボラトリーメンバーの略だ。」

月(……ふざけてる…)

月「それでそのタイムマシンは…?」

岡部「ああ、そこにあるが…今、発明した二人はいない。それとこのことは記事にしないでくれよ?」

月「ええ…わかってます…なるほど…電子レンジと携帯電話…そして一階のテレビ…」

まゆり「クリスちゃんとダルくんがつくったんだよ!」

岡部(今日、夜神月がこのラボに来るのは“確定”していたという事か)

月「へぇ…あ、それでは一度帰らせていただきますね」

岡部「ああ、気をつけて帰れよ。またいつでも来ていいからな」
39 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 21:59:49.32 ID:G86CFbvCo
リューク「ククッ、本当にあったな、タイムマシン」

月「ああ…以前の僕なら信じなかっただろうけど…あるのは事実、それは変えられない」

月「確かに過去を変えられるのは厄介だけど…要はそれより早く裁ければいいだけのこと、僕ならできる。何の問題もない」

月「……ただ、明日は忙しくなる…ん?」

リューク「お? どうしたんだライト」

月「あの女…桐生萌郁」

リューク「ん?あぁ、あの女も確かラボメン…だっけか?だな」

月(阿万音鈴羽に次いで正体不明な女だ…家族や身寄りはなし…こいつに接触するのは漆原るかや秋葉留未穂以上に危険かもしれない)

月(ラボメンになれたからこそ不審な動きは怪しまれる…)

萌郁「・−・・・」 カチカチカチカチカチ

月「携帯…メール…」

萌郁「・−・・」 カチカチカチカチカチ

リューク「おい、どうしたんだよライト」

萌郁「・」 カチカチカチカチ

月「確か桐生萌郁には携帯依存症の気があったはず」

リューク「それがどうかしたのか?」

月「もし奴がOの協力者だとしたら、携帯は一時も手放したくはないはずだ」

月「特にキラから追われている身であれば尚更の話だよ。キラと戦う上で絶対のアドバンテージになるんだから」

リューク「へぇ、確かにありえなくはないかもな。だが、協力者として見ていいのか?Oかもしれないぞ?」

月「それは後で説明する…ここは外だ、これ以上は独り言でも通らないよ」

月(Dメールの仕組みは詳しく聞けなかった…情報量が劣っては負けてしまう…かつてのLのように)

月(……バレたらアウト…僕はバレない……大丈夫だ)

萌郁「・・」 カチカチカチカチ

月(…なんなんだあの女、街中をうろうろして……全く収穫がない…一体何が目的なんだ…?)

月(…まさか過去にメールを送って…僕は監視されて…いや、そこに至るほど大きなミスをした覚えはない…大丈夫だ、バレていないはず…)

月(……いや違う、考え方を変えろ…そんな考え方じゃない…未来の僕ならどういう行動を取るか…それすら考えて動かなくちゃいけない)

リューク「お、喫茶店に入ったな」

月「僕達も入るぞ」
40 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 22:01:47.62 ID:G86CFbvCo
月「あ、レモンティーください。」

月(さて、どうする…携帯依存症ならたとえトイレに行ったとしても手放さないだろう…)

萌郁「・・・−」 カチカチカチカチカチ

月(またメール…しかしあんなにメールをして一体何を…)

月(……仕方ない、多少強引ではあるが…)

リューク「お、動くのかライト」

月(自然に…自然に…)

月(後もう少し…あの女の後ろから…)

月(画面を…)

リューク「ククッ、歩き方がたどたどしいぞライト」

萌郁「・−・−・ 」カチカチカチカチ

月(見えた!)


──FBFBFBFBFBFBFBF
  FBFBFBFBFBFBFBF
  FBFBQBFBFBFBFBF
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  FBFBFBFBFBFBFBF
  FBFBFBFBFBFBFBF

月「──!?」

月(な、何をやっているんだこいつは!)

月(…動揺するな、こいつはOじゃない…)

月(………これ以上は危険だ、帰って考え直そう)

月(…僕の一番の目的はOの処刑なんかじゃない…)

月(僕にメールを送った人間を見つけることなんだから)

萌郁「……?」キョロキョロ
41 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 22:03:30.73 ID:G86CFbvCo
岡部(キラに対して首をさらけ出したも同然だが、射程距離まで引きずり込んだのはいい兆候だ…)

岡部(しかし…キラの殺人方法を奪うと言ったってな…あなたはキラですかなんて聞いたらそれこそ殺される)

岡部(一体どうする……)

岡部(…………)

岡部(…………?)

岡部(待てよ…そもそもキラはどうして復活した…?)

岡部(世界改変が行われたのは俺も観測済みだ…世界改変を行ったものがいる…?)

岡部(だとしたらキラがいなくなっても無意味じゃないか…しまった…キラを見つけたことに喜びすぎていた)

まゆり「オカリーン…?なんだかこわい顔をしてるのです…」

岡部「…あ、ああ…わるい、まゆり。どうかしたのか?」

まゆり「えへへ、まゆしぃはもう帰らなきゃダメだから…挨拶しにきたのです、それじゃあねオカリン!」

岡部「……ああ、それじゃあな。まゆり」

岡部「………一人か。」

岡部「……おかしいな…まだ夏も真っ盛りだというのに震えが止まらない…」

岡部「…………止まれよ…俺の体だろ……止まれよ…!」

岡部「……止まってくれよ………」
42 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 22:04:46.41 ID:G86CFbvCo
――――翌日

岡部「…というわけで、今日からこのライトが仲間になった」

フェイリス「ニャニャ!ライトもラボメンになったニャ!?」

月「アハハ…」

ルカ「あの時のライターさんが…」

月「お久しぶりですね…」

萌郁「−・ ・・ ・− −−−・− −・−・・ 」カチカチ

岡部「ん?なになに…やったね岡部くんラボメンが増え」

ダル「おいやめろ。…でも、男が増えたのはラッキーだお」

岡部「……やっぱりホモじゃないか」

ダル「そんなつもりはなかったんだけど!?」

まゆり「みんな、夜神くん困ってるよ…」

紅莉栖「…これからよろしくお願いしますね夜神月さん」

鈴羽「……」

月「みなさんよりだいぶ年上ではありますが、よろしくお願いしますね」

岡部「…というわけでみんなこの一時の宴を楽しんでいくがいい!」

岡部「……あ、そうだ、バイト戦士よ。少し来てくれないか」

鈴羽「……わかったよ、岡部倫太郎」

月(……監視から外れられるのはまずいが…それよりも、残った6人とタイムマシンを見張らないとな)

ダル(ちょ…オカリン、キラから目離していいん…?)

岡部(…ダル、頼むからこっちを見るな…関係性を疑われる……!)
43 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 22:07:00.99 ID:G86CFbvCo
――屋上

岡部「…鈴羽…いや、ジョン・タイターか。」

鈴羽「へぇ…知ってたんだね。岡部おじさん」

岡部「…知っていた……というわけではない」

岡部「覚えているだけだ……思い出せないが、覚えている…そんな感覚だ」

岡部「まぁそれはどうだっていい…俺からの話なんだが」

鈴羽「あ、ちょっと待った。私から2点連絡ね。」

鈴羽「1つはまずあたしたちは尾行されてた。…そして、もう1つ。岡部おじさんはキラに勝てない。」

岡部「!……なぜ言い切れる?」

鈴羽「岡部おじさんは…一度勝ってる…キラ…あるいはキラの手下と対峙し一度ノートを奪ったんだ」

鈴羽「本来はそれで勝てたはずなんだ…!」

岡部「俺が…では何故俺が負けると…?」

鈴羽「…心臓麻痺。岡部倫太郎はキラの裁きで死んだんだ」

岡部「なっ…6年前のTV口論のようにキラは複数いた…」

鈴羽「もしくはキラは恐らく複数のノートを持っている…それは裁きが続いていることから私も考えた」

岡部「……違うのか?」

鈴羽「ううん、わからない…でも岡部おじさんの手記が見つかったんだ。」

岡部「………俺はなんと書いていた?」

鈴羽「リーディングシュタイナーは二度起きた―――」
44 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 22:07:48.01 ID:G86CFbvCo
 
 
 
   リーディングシュタイナーは二度起きた
   結論だけ先に書く 

   失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
   失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
   失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した

   俺は失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
   失敗した失敗した失敗した俺は失敗した失敗

   改変者はすぐそばにいて、俺はそれを見逃した

   失敗した
 
 
 
45 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 22:09:43.52 ID:G86CFbvCo
岡部「……そうか。」

鈴羽「ここまで悲痛に殴り書かれた文章は私も初めて見たよ…」

鈴羽「…私からの報告は以上だよ。岡部おじさんの話って?」

岡部「……俺の話はまず改変者の捜査願いだ。」

鈴羽「えっ…」

岡部「俺も気付いてはいたんだ。気にすることでもないとは思ったが…まさかバタフライエフェクトが如く大きな落とし穴だったとはな」

鈴羽「そうなんだ…わかった、改変者をとっつかまえればいいんだね!」

岡部「まて、鈴羽。まだ話の半分もしてないぞ!? 大体、この世界線では改変者の記憶も再構成されてるだろう」

鈴羽「あ…そっか、ごめん、オカリンおじさん」

岡部「それと名前をちょっとずつ改変するのもやめろ。それでだな、キラが存在することで得する人間を探して教えてくれ」

岡部「俺が記憶を持ち越せば2度目の改変を阻止することは容易にできる」

鈴羽「…わかった。」

岡部「それでな、キラが存在することで得する人間を探して教えてくれ」

岡部「俺が記憶を持ち越せば改変阻止は十分にできる」

鈴羽「…わかった。」

岡部(さて…これで改変者を見つけることは出来るはずだ…リーディングシュタイナーは起きなかったが…)

岡部(現時点では改変者を見つけても改変を阻止する方法がない、そう考えれば世界線収束で起きないのも仕方ないといえる)

岡部「あと、鈴羽…今日来た月という男はキラだ」

鈴羽「なっ!?」

岡部「……くれぐれも不審な行動はするなよ」

鈴羽「………うん、勿論だよ」

岡部(………死ぬかもしれないが、やってみようか)

岡部「…あと、先に戻ったら一応電話レンジがすぐ作動するようにセットしてくれ」

鈴羽「…何をするかはわからないけど…セットだね。わかった」

岡部「…いったか…」

岡部「…………覚悟を決めろ…俺は狂気のマッドサイエンティストだろっ…!」
46 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 22:11:07.30 ID:G86CFbvCo
―――ラボ

月(………10分を超えたな…何をしている…岡部倫太郎…)

月(しかし迂闊には動けない…)

ダル「夜神氏はコーラ?ドクペ?」

月「あ、コーラでお願いします。」

ダル「おk」

月(……橋田至は黒、岡部倫太郎はグレー、牧瀬紅莉栖は…)

紅莉栖「…?どうしたんですか?夜神さん」

月「ああいえ、雑誌で見かける写真よりも美しい方だなと」

紅莉栖「えっ…そんな、お世辞がお上手ですね…///」

月(…グレーだな。椎名まゆりは白、漆原るかも白だろう。問題は…僕の嘘を見破った秋葉留未穂。それと桐生萌郁だ…)

フェイリス「ニャニャ?どうしたのニャライト?」

月「あ、いえ…なんでもないんですよ。」

フェイリス「……そうかニャー?」

月「ほんとになんでもありませんって!」

萌郁「−−−− ・・ −・・・ ・−・−・ ・−・・・ ・− −−・−・ ・−」モグモグ

月「萌郁さんは全くしゃべりませんね…」

萌郁「・・ ・−・・ −−− ・・・− ・ −−− −・− ・− −・・・ ・ 」カチカチ

月「…携帯?」

萌郁「……メール…アドレス…」

月「…ああ、僕のアドレスはですね………」

月(教えた瞬間からものすごい量のメールが…しかも顔文字絵文字だらけじゃないか、キャラ違いすぎるぞ…)

リューク「くくっ…なかなかカオスだなぁライト」

鈴羽「ただいまー!」

一同「「「「「「「おかえり(な(ニャ)さい)!」」」」」」」

鈴羽「……夜神月、楽しんでる?」

月「…ええ、なかなか個性的なメンバーですね」

まゆり「えへへ、褒められたのです」

紅莉栖「褒められてはないと思うわよ。…阿万音さん、岡部は?」

鈴羽「もうすぐ来ると思うよ」

岡部「フゥーハハハ!ただいまもどったぞぉ!」

紅莉栖「うるさいわよ岡部!」

岡部「あっ、すみません。…夜神よ。少し話がある。来てくれるか」

ダル「阿万音氏の次は夜神氏?オカリンも気が多いな」

紅莉栖「だまれHENTAI」
47 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 22:12:46.14 ID:G86CFbvCo
―――再び屋上

月「…それで、どうしたんですか倫太郎さん」

岡部「…夜神月、お前はここら辺で何を調べまわっている?」

月「…え?」

岡部「最初は柳林神社、次にメイクイーンニャンニャン…そしてこの未来ガジェット研究所……」

岡部「取材というには如何になんでもバラバラ、どう考えても纏まりがない。…いや、むしろ“まるで俺らを嗅ぎまわってる”」

岡部「……そう感じてしまうのだが。夜神月…お前は何者だ?」

岡部(これで先手は取った…さぁ、どう出る夜神月)

月(……こいつ…O…!)

月「…僕はフリーライターです、そして目の前に立派な神社が見えた。なので取材をさせてもらいました」

月「そこでたまたまこの研究所のことを知っただけです。他意はないですよ。」

月「メイド喫茶に行ったのも休憩のためで、貴方に出会ったのも偶然。全ては偶然だったんですよ。」

月「…むしろなぜ貴方は僕を疑うんです? まるで……誰かに狙われてるみたいじゃないですか」

月(……Oめ、僕がお前を殺せないと知ってて罠を……だが、僕はミスをしていない。疑えば逆に自分を追い込むぞ)

岡部「…いや、そうか、済まない。どうも、ここ最近キラ事件が身近にありすぎてな。…キラを信奉するもの、批判するもの…」

岡部「そして俺をキラだと疑うもの…多くてな。疑心暗鬼になっていた。」

岡部「もしお前がキラについて取材しているようならば、俺はお前に協力を仰ごうと思っていたんだ。」

月「協力?」

岡部「ああ…以前、俺にキラをどう思うか聞いてきたことがあっただろう?それにライターにとってキラネタは宝のはず」

岡部「だから、ラボメンがキラをどう思ってるか聞こうと思ってな。お前にとってもインタビューのような感じでネタにできるだろう」

岡部「そう思ったんだが……済まない。不快にさせてしまったようだな」

月(…コイツ……僕のことを疑ってないのか…?)

月(……いや、疑っていても決定打が得られないから…か。まるでLのようなことをする…奴には到底及ばないが)

岡部「…どうした?」

月「ああ…いや、ネタとして使えるか考えてたんですよ 」

月(…コイツにとってはキラ関連者を見つけ出したくて言ったんだろう。そして僕がキラだった場合、自分がOだとバラすようなものだ)

月(“だから”僕に声をかけた…キラ事件に絡めた言い訳をして)

月「……わかりました。協力しましょう」

岡部「いいのか…?ありがとう…」

月(…僕にとっても他のOを炙り出す機会だ…逃す手はない…)

岡部(…キラに身のうちをバラすようなもの…諸刃の剣だが…)

月(岡部倫太郎…O)

岡部(夜神月…キラ)


―――――お前にだけは負けはしない!!
48 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/13(木) 22:13:12.06 ID:G86CFbvCo
本日はここまで
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/13(木) 22:21:06.46 ID:N4duXE/30
次も楽しみ
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 22:31:42.80 ID:vkNXvdvDo

続き楽しみ
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 22:32:24.67 ID:z3hWrjKpO
自演くせぇスレだな
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 22:32:50.96 ID:z3hWrjKpO
は?IDかぶりとかあんの?
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 22:33:00.66 ID:48Bg91nz0
面白い!
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/14(金) 00:00:40.74 ID:Uhs8nLiJo
乙!
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/14(金) 00:53:18.73 ID:ebkFqhjxo


内容が難しくて二回目でやっと理解出来た。最初に月にDメールを送ったのはラボメンの誰かで、
その人を見つけて止めないと何度でもキラは蘇るし意味がないってことなんだな
56 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:12:08.42 ID:yA6B5pkhO
岡部「フゥーハハハ!待たせたな!」

月「ただいま戻りました」

紅莉栖「このパーティの主役を連れてくのはどうかと思うわよ」

岡部「む…むぅ、それは悪かったと思うが…」

月「あはは…すみません」

ダル「夜神氏は悪くないお、全部オカリンのせいなんだから」

るか「えとえと…言い過ぎだと思います…岡部さんも謝ってますし」

岡部「岡部ではなく鳳凰院凶真だ」

るか「ご、ごめんなさい!凶真さん!」

まゆり「るかくんがかばってくれたのにそれはないと思うなぁ」

岡部「あ、す、すまない!ルカ子!」

るか「いえ…いいんです!」

岡部「…すまんな、ありがとう」

萌郁「−−−− ・・ −・・・ ・−・−・ −−・・− ・・ ・・−・− 」カチカチカチ

岡部「閃光の指圧師よ…メールで話をしようとするな…」

岡部「しかも『ごはん美味(>_<)』ってなんだ…」

岡部「ん?続きは…『何を話してたの』だと?」

月「ああ…僕の仕事の話ですよ」

るか「えと…フリーライターの方ですよね…」

岡部「ああ、閃光の指圧師と同じ職業だな」

萌郁「………」カチカチ

岡部「『私はアルバイトだけどねぇ♪』、か」

月「…まぁ、パーティー中に話すことじゃないんですけど…もしよろしければ取材をさせていただきたいなーって思ってまして」

紅莉栖「へぇ…いいんじゃない?なんの取材ですか?」
57 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:16:06.91 ID:yA6B5pkhO
月「ああ、世間の声としてのアンケートみたいなものなんです。キラをどう思いますか?っていう質問なんですが。」

まゆり「きら?キラキラしてるのかなぁ」

岡部「違う、そうじゃない。」

紅莉栖「…今やキラは世界を支配しているといっても過言じゃないわね。…犯罪者だからといって殺して良いとは思わないけど」

まゆり「まゆしぃもそれはいけないことだと思うなー」

るか「ぼくは賛成です…キラが出てきてから犯罪者は減ってますし…」

ダル「僕は…」チラッ

岡部「どうした?ダル、別にキラをどう思おうが裁かれるわけではない」

ダル「ああ…じゃあ、僕は反対。ただ、今日本でキラを否定した日には賛同派にフルボッコ確実…怖いことこの上ないお」

月「あはは…まぁ、今はキラに偏ってる感はありますね」

鈴羽「私も反対だなぁ…人を殺し、恐怖による独裁なんて…ディストピアそのものだよ」

月「…なるほど」

フェイリス「フェイリスは賛成だニャ、今やキラの考えは浸透しきってるし法の根幹…世界の正義になってるニャ」

岡部「ふむ…」

萌郁「−・−・・ ・・・ −」カチカチカチカチ

岡部「またメールか…なになに?」

『私はキラに賛成だな(´Д` )
 邪魔な人がいたらいなくなって欲しいのは誰でもそうだと思う
 キラは悪人を裁いてるんだから皆が優しくなればいいんだよ♪』

岡部「ふむ、閃光の指圧師はキラ肯定なのだな」

月「皆さん、ご協力どうもありがとうございました」

るか「いえ…って、あっもうこんな時間!すみません岡部さん!お先に失礼します!」

岡部「ああ、親父さんのお手伝いか…よろしく言っておいてくれ」

るか「はい!エルプサイコンガリィ!」

岡部「エル・プサイ・コングルゥだ。そして俺は鳳凰院凶真だ。」

フェイリス「ニャニャ!フェイリスももう行くニャ!」

岡部「ああ、気をつけて帰れよ」

鈴羽「じゃあ、私も行くねー!久々にお腹いっぱい食べれたよ!」

岡部「またいつでも来るがいい!フゥーハハハ!」

月「…じゃあ、僕もそろそろお暇させていただきますね」

紅莉栖「ええ、まだお話もしたいですし、またきてください」

岡部「なっ、俺にはそんなこと言った事ないくせにぃ!!」

紅莉栖「すぐ論破される岡部が悪いんですぅ!低学歴乙!」

岡部「……そ、そんなの月だって!」

月「あー…そうですね、一応東応大学は出てるんですが…」

岡部「!?」

ダル「マジ!?エリートじゃん!!」

紅莉栖「だから議論したいのよ」

岡部「これが議論厨…いや、論破厨か…」

紅莉栖「失礼ね!!」

月「あはは…それじゃあ」

岡部「うむ、またいつでも来るといい」
58 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:18:35.83 ID:yA6B5pkhO
岡部(……さて、どうする)

岡部(キラ擁護はフェイリス、ルカ子、閃光の指圧師だったな…)

紅莉栖「ちょっと岡部…また怖い顔してるわよ」

岡部「…あぁ、すまん」

紅莉栖「…………」

岡部(この中に改変者がいる…とは思いたくはない…思いたくはないしラボの代表として俺はラボメンを信じている)

岡部(…しかし…俺は信じることしかできない…鈴羽からの連絡を待つしかないのか…)

紅莉栖「本当に大丈夫?顔色悪いけど…」

岡部「あぁ……」

岡部(助手が何か言っているが俺の耳には届かない。届いていてもわからない)

紅莉栖「…………そう」

岡部(キラを…改変者を……捕まえる。捕まえるとは言っても何をどうすればいいのかもわからない…)

岡部(もしも裏切り者がいたら?そんな悪い考えが頭をぐるぐると回る…俺には何もできないと無力感が襲いかかる…)

岡部(鈴羽に頼ることしかできない俺を許してくれ……)


月(キラ否定者は橋田至、阿万音鈴羽、牧瀬紅莉栖、椎名まゆり…)

月(内、僕に接することを避けたのは阿万音鈴羽。しかし、コイツに関しては接してみて恐れることはない)

月「Oは岡部倫太郎、橋田至の二人だ」

リ ューク「おりょ?マキセクリスとか言う奴はどうした?」

月「ああ…問題ない。岡部と紅莉栖はいま不仲…いや、不仲とはいかないまでも情報を共有していないだろう」

月「牧瀬紅莉栖をOだとすると岡部と情報共有していないのは変だ」

月「同じキラに追われる立場にあるはずだからね。だから牧瀬紅莉栖は白。椎名まゆりも白だ」

月「椎名まゆりは岡部にとって庇護の対象にあるといっていいし、わざわざ危険に晒す真似はしないはずだ」

月「それにもし、阿万音鈴羽もOだとして…彼女に何ができる?」

月「たとえば警察をまけるほどの体力と体術で僕を組み伏せるか? …それこそ障害事件でキラに裁かれるまでもなく法に裁かれるよ」

月「それに阿万音鈴羽は僕を避けてる。ならば尻尾も掴まれにくい」

月「疑われててもキラである証拠がなければ無意味…キラ思想に傾いた今の世界なら特にね」
59 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:19:47.24 ID:yA6B5pkhO
――月(僕の勝ちは確定している…)

月(…とはいえ、勝負は早めに決したほうがいい…3日だ。3日以内に僕はOを殺す)

月(僕ならできる…確実にOを裁くんだ…新世界のために!)――


――岡部(…キラとしても俺らを仕留めるのに時間はかけたくないだろう)

岡部(キラが俺とダルを敵と特定するのに時間がかかったとしても……それでも1週間のうちに勝負を仕掛けてくるかどうか…)

岡部(……ジョン・タイター…バイト戦士…鈴羽……頼む…)

岡部(欠片だけでもいい…分かることだけでもいい……俺が引き継ぐ……全部…全部背負うから…!)――


――鈴羽(改変者…キラがいることで得する人間……キラの関係者が岡部倫太郎に近づき改変したか…)

鈴羽(いや、改変が行えるということは岡部おじさんの関係者のはず…)

鈴羽(…漆原るか……はキラがいることで得する点は少ないよね…じゃあキラがいることで店が救われる点ではフェイリス・ニャンニャン…?)

鈴羽(………こっちもタイムマシンでさかのぼって捜査するしかないか)

鈴羽(よーし、オカリンおじさんの遺志はちゃんと汲むからね!!)――
60 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:22:04.04 ID:yA6B5pkhO
―――3日後

月「倫太郎さん、少しお話が…」

岡部「ん?どうした月よ」

月「ちょっと確かめたいことがあって。あ、ダルさんも」

ダル「ちょいまちー……はい、おk」

岡部「………すまん、お前たち。ちょっと買物行ってくれるか」

まゆり「オカリン?」

岡部「ほら、金だ。お釣りもやろう。フゥーハハハ!!」

紅莉栖「……まゆり、行くわよ」

まゆり「…?うん、紅莉栖ちゃん…」

月「……行きましたね。人払いをしていいんですか?」

岡部「大丈夫だ…それよりもそろそろ正体を明かしたらどうだ」

岡部「…キラよ」

リューク「クククッ、バレてたみたいだな」

月「僕が…キラ?何を言っているんですか?」

岡部「…フゥーハハハ!もう誤魔化しはきかんぞ!キラ!」

岡部「俺は狂気のメェェッドサイエンティスト鳳!凰!院!凶ォォォン真だッ!俺のこの邪眼の前に嘘は効かん!」

月「……へぇ。じゃあ僕がキラでいいさ…けど今君たちは僕の前に顔を晒している」

月「それがどういう意味か分かっているのか?」

岡部「…もちろんだとも。キラは顔と名前さえ知っていればノートに名前を書いて人を殺せる」

岡部「……だがお前に名前を書かせるつもりは無いッ!!」
61 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:25:11.23 ID:yA6B5pkhO
鈴羽「たぁあああああっ!!」

月「!」

ダル「さ、さすが阿万音氏!」

岡部「俺たちにはできないことを軽々とやってのけるな」

鈴羽「そこに痺れられても憧れられても困るんだけどな…」

月「ぐっ…クソぉ!!離せ!!」

岡部「お前の負けだ…夜神月………キラ」

月「負け!?僕が!?」

月「……ふ、ふははははははははは!!」

リューク(あーあ…捕まっちまいやがった……ここからどう切り抜けるかねぇ…)

リューク(……ま、無理だったときは名前を書くとするか)

岡部「…狂ったか、キラよ……バイト戦士よ、改変者が誰か分かったか」

鈴羽「ああ、それは―――」

月「…29…30…31…」

ダル「ちょ、オカリン、キラが何か言ってる!!」

月「…岡部倫太郎……僕が何も策を立ててないと思っていたのか?」

月「どちらにせよお前らは死ぬ…今からだとDメールも間に合わない…O、僕の勝ちだ…!」

鈴羽「なっ!?」

岡部「鈴羽、月を離すな!!現にもう40秒経ってる!今のはハッタリだ!」

月「もう遅い…!」カチカチカチカチ

月「岡部倫太郎、橋田至…!名前は書いた!阿万音鈴羽、動くなよ…お前が僕に攻撃しても無意味だからな…」

リューク「おお、すげー…ハッタリだけで切り抜けやがった…人間…いや、やっぱこいつって面白」

鈴羽「……!!」

月「メールも送れないだろう!今からだと打つ時間もない!」

岡部「………まだ、負けたわけではない…!」

ダル「オカリン!エンターキーッターンってやるだけでいけるお!!!」

岡部「ああ、よくやってくれたダル!」

月「なっ!??」


ぐ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !
62 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:26:46.10 ID:yA6B5pkhO
岡部(―――あのあと俺はまた時間のループへと飲み込まれていくことになる……)

岡部(……何度やっても、どう行動しても……俺とダルは死ぬ。何十回…何百回と。)

岡部(…どうすればいい…一体……どうすれば…!)

岡部(…やむをえん…鈴羽に依頼したところまで戻るか…)


ぐ ぅ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !

ぐ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !

ぐ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !
63 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:27:46.90 ID:yA6B5pkhO
岡部「…………覚悟を決めろ…俺は狂気のマッドサイエンティストだろっ…!」

〜〜〜♪

岡部「……ん、着信…?」Pi

岡部「もしもし、俺だが―――ッッ!!?」

――――Pi

岡部(………毎度のことだが…この奇妙な感覚……)

岡部(痛覚のないはずの脳を何百本もの長い針で延々と刺され続けているような……)

岡部(痛い…が痛いだけじゃない、ゾクゾクするような快感があって…むずがゆくて…)

岡部(頭蓋骨を取り除いて、脳みそを掻きむしりたくなる。指先で柔らかな脳を掻き出して、それをクチャクチャとしゃぶりたい)

岡部(そんな、奇妙な感覚。どうしても慣れない。)

岡部(そしてもう一つ。上書きされる―――殺される俺への罪悪感…)

岡部(………俺のために犠牲になる俺……ふふ、狂気のマッドサイエンティストとしては上出来のシチュエーションではないか)

岡部(………出来ればもうタイムリープはしたくはないが…)

岡部(…あまり遅れると怪しまれるな。ラボに戻らねば)
64 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:28:45.45 ID:yA6B5pkhO
月(………10分を超えたな…何をしている岡部倫太郎…)

月(しかし迂闊には動けない…)

ダル「夜神氏はコーラ?ドクペ?」

月「あ、コーラでお願いします。」

ダル「おk」

月(……橋田至は黒、岡部倫太郎はグレー、牧瀬紅莉栖は…)

紅莉栖「…?どうしたんですか?夜神さん」

月「ああいえ、写真よりも美しい方だなと」

紅莉栖「えっ…そんな、お世辞がお上手ですね…///」

月(…グレーだな。椎名まゆりは白、漆原るかも白だろう。問題は…僕の嘘を見破った秋葉留未穂。それと桐生萌郁だ…)

フェイリス「ニャニャ?どうしたのニャライト?」

月「あ、いえ…なんでもないんですよ。」

フェイリス「……そうかニャー?」

萌郁「−−−− ・・ −・・・ ・−・−・ ・−・・・ ・− −−・−・ ・−」モグモグ

月「萌郁さんは全くしゃべりませんね…」

萌郁「・・ ・−・・ −−− ・・・− ・ −−− −・− ・− −・・・ ・ 」カチカチ

月「…携帯?」

萌郁「…メール…アドレス…」

月「…ああ、アドレスはですね………」

月(教えた瞬間からものすごい量のメールが…しかも顔文字絵文字だらけじゃないか、キャラ違いすぎるぞ…)

リューク「くくっ…なかなかカオスだなぁライト」

鈴羽「ただいまー!」

一同「おかえりー」

鈴羽「……夜神月、楽しんでる?」

月「…ええ、なかなか個性的なメンバーですね。」

まゆり「えへへ、褒められたのです」

紅莉栖「褒められてはないと思うわよ。…岡部は?」

鈴羽「もうすぐ来ると思うよ」

岡部「……戻ったぞ。」

紅莉栖「岡部うるさ…って、あら?おとなしく戻ってきたわね。」

紅莉栖「アンタなら『フゥーハハハ!ただいまもどったぞぉ!』くらい言うと思ったのに。…また何かあったの?」

岡部「…なにかなくては俺はうるさいだけなのか?」

紅莉栖「いや…そんなことはないけど…最近タイムリープばっかりしてるみたいだし、今回もそうなのかなと思っただけよ」

月(タイムリープ…?まさかこいつDメールだけじゃなくそんな技術まで…! 油断していた…方法を改め…いやいっそここで…!)

岡部(……しまった…!)

岡部「…ああ、こうなったら…!! 鈴羽ッ!!キラを取り押さえろ!!」

鈴羽「!」

月「!……くそっ…離せッ!!」

岡部「………」

ぐ ぅ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !
65 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:31:13.96 ID:yA6B5pkhO
月(………10分を超えたな…何をしている岡部倫太郎…)

月(しかし迂闊には動けない…)

ダル「夜神氏はコーラ?ドクペ?」

月「あ、コーラでお願いします。」

ダル「おk」

月(……橋田至は黒、岡部倫太郎はグレー、牧瀬紅莉栖は…)

紅莉栖「…?どうしたんですか?夜神さん」

月「ああいえ、雑誌で見かける写真よりも美しい方だなと」

紅莉栖「えっ…そんな、お世辞がお上手ですね…///」

月(…グレーだな。椎名まゆりは白、漆原るかも白だろう。問題は…僕の嘘を見破った秋葉留未穂。それと桐生萌郁だ…)

フェイリス「ニャニャ?どうしたのニャライト?」

月「あ、いえ…なんでもないんですよ。」

フェイリス「……そうかニャー?」

月「ほんとになんでもありませんって!」

萌郁「−−−− ・・ −・・・ ・−・−・ ・−・・・ ・− −−・−・ ・−」モグモグ

月「萌郁さんは全くしゃべりませんね…」

萌郁「・・ ・−・・ −−− ・・・− ・ −−− −・− ・− −・・・ ・ 」カチカチ

月「…携帯?」

萌郁「……メール…アドレス…」

月「…ああ、僕のアドレスはですね………」

月(教えた瞬間からものすごい量のメールが…しかも顔文字絵文字だらけじゃないか、キャラ違いすぎるぞ…)

リューク「ククッ…なかなかカオスだなぁライト」

鈴羽「ただいまー!」

一同「「「「「「「おかえり(な(ニャ)さい)!」」」」」」」

鈴羽「……夜神月、楽しんでる?」

月「…ええ、なかなか個性的なメンバーですね。」

まゆり「えへへ、褒められたのです」

紅莉栖「褒められてはないと思うわよ。…阿万音さん、岡部は?」

鈴羽「もうすぐ来ると思うよ」

岡部「ふ、フゥーハハハ!ただいまもどったぞぉ!」

紅莉栖「うるさいわよ岡部!」

岡部「お、おお…すまんな!だが、盛り上げるためなのだ!おとなしく我慢するべきだろぅ、助手ぅ!」

紅莉栖「(`・ω・´)ムッキー!」

岡部「それよりクリスティーナよ!」

月(…岡部倫太郎…お前に自由な行動はさせられない…)

岡部「う……お、俺がいないあいだはお前がこのラボの代表代理なのだ。おまえは俺の助手だからなぁ、ザ・ゾンビぃ」

紅莉栖「Zombieになった覚えはないといっとろーが!」

月「あははは…お二人は仲がいいんですね」

岡部・紅莉栖「「そんなんじゃない!!」」

ダル「と言いながらも、どうみても息ピッタリな二人です。本当にありがとうございました。」
66 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:34:07.49 ID:yA6B5pkhO
ワイワイガヤガヤ ザワザワ ムシャムシャモグモグ

リューク「なぁ、ライト…いつまでその謎キャラ演じてるんだ?」

リューク「誰もお前だと気づかなくなるぞ?」

月(うるさいな…)

るか「…あっもうこんな時間!すみません岡部さん!お先に失礼します!」

岡部「ああ、親父さんのお手伝いか…よろしく言っておいてくれ」

るか「はい!エルプサイコンガリィ!」

岡部「エル・プサイ・コングルゥだ。そして俺は鳳凰院凶真だ」

フェイリス「ニャニャ!フェイリスももう行くニャ!」

岡部「ああ、気をつけて帰れよ」

鈴羽「じゃあ、私も行くねー!久々にお腹いっぱい食べれたよ!」

岡部「またいつでも来るがいい!フゥーハハハ!」

月「…じゃあ、僕もそろそろお暇させていただきますね」

紅莉栖「ええ、またきてください…ゆっくりとお話もしたいですし」

岡部「なっ、俺にはそんなこと言った事ないくせにぃ!!」

紅莉栖「すぐ論破される岡部が悪いんですぅ!低学歴乙!」

岡部「……そ、そんなの月だって!」

月「あー…そうですね、一応東応大学は出てるんですが…」

ダル「マジ!?エリートじゃん!!」

紅莉栖「だから議論したいのよ」

岡部「これが議論厨…いや、論破厨か…」

紅莉栖「失礼ね!!」

月「あはは…それじゃあ」

岡部「うむ、またいつでも来るといい」
67 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:35:14.81 ID:yA6B5pkhO
岡部(……さて、どうする。)

岡部(紅莉栖に話をしようにも…先のように、どこで聞き耳を立てられているか…)

岡部(もしかしたらラボにはもう盗聴器を仕掛けられた可能性だってある)

紅莉栖「……ちょっと岡部…また怖い顔してるわよ。」

岡部「…ああ、すまん」

岡部(外に連れ出すか…?いや、外も危険だ…)

岡部(俺はこれ以上できない…鈴羽からの連絡を待つしかないのか…)

岡部(…いや、そうじゃないはずだ…一瞬でも楽な道を選ぼうとして何が狂気のマッドサイエンティストだ)

岡部(…ラボメンを守るためにはなんだってしてやる…そう誓っただろう…!)

紅莉栖「本当に大丈夫か?なんだか顔色悪いけど…」

岡部「大丈夫…だ。それよりも助手よ!俺は少し出てくるが留守を頼むぞ!」

岡部「……まぁ、俺以外ではこのラボを機関から守れる気はしないがな!フゥーハハハ!」

紅莉栖「…………そう…って助手じゃないし!厨二病乙!」

岡部「フゥーハハハ!さらばだぁ!助手ぅ!」
68 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:37:41.20 ID:yA6B5pkhO
岡部(………と言って、ラボを出てきたのはいいが…どうする?)

岡部(…鈴羽に接触してみるか……改変者が分かればすぐに伝えられるようにな)

岡部(改変者の名前がわからないことにはキラを捕まえても意味がない)

鈴羽「あっ、オカリンおじさん!」

岡部「バイト戦士よ…俺のことは鳳凰院凶真と呼べ!それでもソルジャーの端くれか?」

鈴羽「あ…ごめんね、岡部倫太郎!」

岡部「…ちっがーう!鳳凰院凶真だっ!!」

鈴羽「で、何のようなの?岡部倫太郎?」

岡部「だから、鳳凰院だと…まぁ、いい。バイト戦士よ、例の件だが」

鈴羽「例の?……ああ、何?」

岡部「いや、どうするつもりなのかと思ってな」

鈴羽「現時点で一番怪しいのは…ごめん、正直わかんない。選択肢が多すぎてね」

鈴羽「内部か外部かもわからないし、内部だとしてもラボメンは私と君を抜いても6人だからね」

岡部「ん?何を言っている。助手、ダル、まゆりは除外しろ」

鈴羽「……岡部倫太郎?仲がいい初期のラボメンだからって贔屓にしてない?」

岡部「そ、そうではなくてだな」

鈴羽「大体!…大体、椎名まゆりや橋田至はわかるけどなんで牧瀬紅莉栖まで無しって言い切れるの?」

岡部「いや、だから…ってお前、この世界線の紅莉栖とは何ら関係ないではないか!?」

鈴羽「岡部倫太郎、君は公正な目で見てるって思ってたけど違ったんだね!」

岡部「冷静になって話を聞け鈴羽!」

鈴羽「冷静になるべきなのはそっちのほうだよ!公平な目で見れない君の発言は信憑性に欠ける!」

岡部(…しまった…この時間軸ではキラに対するラボメンの評価、賛成派反対派が誰かを明かしてない…)

岡部(説明するか?…いや、この状態の鈴羽に説明するには時間がかかる)

岡部(それに今更説明するとあまりにも俺がこの場に長居しすぎだ…慎重にしなければならないはずだというのに……)

鈴羽「今度は無視?ふんだ!」

岡部(………ああもう!もう一度タイムリープするしかないじゃないか!)

ぐ ぅ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !
69 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:41:38.28 ID:yA6B5pkhO
岡部(と言って…ラボを出てきたのはいいが…どうする?)

岡部(…鈴羽に接触してみるか……改変者が分かればすぐに伝えられるようにな)

岡部(改変者の名前がわからないことにはキラを捕まえても意味がない)

〜〜〜♪

岡部(……今度はどんなヘマをしたんだよ…俺は…!)Pi

岡部「―――ッッ!!」

―――Pi

岡部(最初の出来るだけタイムリープをしない…と言うのももう通用しないんだな)

鈴羽「あっ、オカリンおじさん!」

岡部「バイト戦士よ…俺のことは鳳凰院凶真と呼べ!それでもソルジャーの端くれか?」

鈴羽「あ…ごめんね、岡部倫太郎!」

岡部「…ちっがーう!鳳凰院凶真だっ!!」

鈴羽「で、何のようなの?岡部倫太郎?」

岡部「だから、鳳凰院だと…まぁ、いい。バイト戦士よ、例の件だが」

鈴羽「例の?……ああ、何?」

岡部「いや、どうするつもりなのかと思ってな」

鈴羽「現時点で一番怪しいのは…ごめん、正直わかんない。選択肢が多すぎてね」

鈴羽「内部か外部かもわからないし、内部だとしてもラボメンは私と君を抜いても6人だからね」

岡部「…助手、ダル、まゆりはキラ反対派だ。除外していいだろう」

鈴羽「なっ…それって仲がいい初期のラボメンだからって贔屓?」

岡部「違うッ! …俺が何度繰り返してると思ってるんだ?」

鈴羽「あっ……そ、そうだね…じゃあ、一応除外して…それでも3人か…」

鈴羽「うん、頑張って探してみるね。少し進展したよ。ありがと、岡部倫太郎。」

岡部「頑張れよ。…ではこの俺自身も偵察をしてやろうではないか!」

岡部「狂気のメェッドサイエンティストたるもの、ラボメンの現状は把握してあたりまえだからな!フゥーハハハ!」

鈴羽「……岡部倫太郎、例の件は君があたしに頼んだことじゃん、自分も動いて当然、それでやっと誠意ってものじゃない?」

岡部「…む……そ、それはそうだが……」

鈴羽「…あはは、冗談冗談!そっちも頑張ってね、岡部倫太郎!!」

岡部「くっ……ああ!」
70 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:43:17.62 ID:yA6B5pkhO
月(………)

月「……岡部倫太郎はO…確定だ。」

リューク「ククッ、ライトォ…じゃ、そろそろOを殺すのか?」

月「そうしたいんだけどね…なかなかそうはできないみたいだよ」

リューク「どうしてだ?」

月「竜崎の時と同じだよ。初めて対面した時に奴は自らLと名乗った。」

リューク「ああ…だが、それはお前に名前を知られてないからだろう?」

月「そうだね…だけと、あの時あいつは流河旱樹と名乗っていた。だから僕は迂闊に名前を書けなかった。」

月「流河旱樹は国民的なアイドル、嫌でも顔が思い浮かぶ。流河が死ねば僕がキラ…奴はそれを見越し流河旱樹と偽名を使いLと言った」

リューク「なら今回とは話が違うじゃねぇかよライト」

月「そうだね、これだけなら違うよ。だが…奴にはもう一つの考えがあった」

リューク「もうひとつの考え?」

月「Lが複数人いるというブラフだ。自分が死ねばLが夜神月を捕まえる……これも僕が奴の名前をノートには書けなかった理由だよ」

月「もし、僕が竜崎の名前を知ってたとしても僕の身の潔白を証明するために海砂かレムに書かせただろうね」

リューク「ククッ…そういうことか」

月「そう、Oが複数人いた場合を考えると最悪Dメールで過去改変をされ僕が捕まるだろう」

月「そんなことはあってはならないことだ。だから迂闊には手を出せない」

月(クソッ…ルポライターのフリをし続けキラをどう思うか聞き込むべきだった…!)

月(岡部倫太郎の動きを気にしすぎてこっちから攻め手を塞いでいた…!)

月(次はどうする…どうすればいい……考えろ……)
71 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:44:57.67 ID:yA6B5pkhO
―――未来ガジェット研究所

岡部(さて…ループ前の俺が死んだ日になってしまったな…)

岡部(…お互い手をこまねいているのか進展はない…)

岡部(だがどうする…このままだと確実に俺たちは死ぬ…このままだと最悪の結果になる)

岡部(……なんとしてでも世界線を越えねばならない…キラを捕まえねばディストピア…に……)

岡部「…ディストピア?」

岡部(………気が緩んでいたな。俺はなんてことをやらかしたんだ)

岡部(時間は一秒も無駄にはできないんだ)

ダル「…オカリン…?」

岡部「…ダルか、ちょっと頼みがある。」

ダル「それってキラについて?オカリンがマジトーンで言うとかちょっとこえぇよ」

岡部「ばっ…俺たちがキラを追っていることは言うなと…!」

ダル「どう見ても自分でばらしてます本当にありがとうございました」

岡部「あっ」

ダル「……つくづくあふぉだな、オカリン。」

岡部「…言うなっ!」

岡部(しまった…どうする…どうする…!)
72 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:50:03.01 ID:yA6B5pkhO
月「…そういえば、Lがブラフとして複数説を唱えた話をしたけど」

リューク「ククッ…ああ、そうだな。それがどうかしたかよ?」

月「今回はこちらがブラフを張らせてもらったよ。…といっても、僕自身はとくに何もしてないけどね」

月「前にラボメンが集まった時に、僕は岡部倫太郎に話をさせる間を2度は与えなかった」

月「岡部は警戒しただろう、キラに…自分がキラだと疑っている人間に逆に疑われていると」

月「となると、後は蛇に睨まれた蛙だ。動くことはできないし、疑心暗鬼にもなるだろう」

月「キラが盗聴器を仕掛けてないか…とかね。それに拍車をかけるように僕はプラスチック片やら金属片やら…あとは微妙に道具の配置も変えたりしてきた」

月「…尤も、冷静になられたら効かない手だけど、O達は勝手に震え上がってる、それでも多少の時間稼ぎとしては有効な手だよ」

リューク「やっぱ人間て面白」

月「さて…と。Oについてはひとまず置いておくとしようか」

月「僕の目的はOを殺すこと以外にもある」

月「僕にDメールを送った人間がいる…そいつを見つけ出すことだ」

リューク「クククッ…同時進行にしちゃあ似通ってるなぁ」

月「そうだね…だからこそ一度にやれる……キラを追うOはキラ反対派、僕にDメールを送った者はキラ信奉派だ」

月「幸い僕はルポライターの夜神月を名乗っている。取材と称してラボメンを廻…」

〜〜〜〜♪

リューク「ライト、電話だぞ?早く出ろよ?」

月「…もしもし――――」
73 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 02:55:12.08 ID:yA6B5pkhO
岡部「…?」

岡部「………死なない…」

ダル「ちょ、いきなりどうしたんオカリン?」

岡部「…一分は経った……死なない…!」

ダル「本当にどうしたん!?」

岡部(……まさか、こんな偶然で打開策が見つかるとは…やはりこれもシュタインズゲートの選択…)

岡部(………いや、偶然でもなんでも良い。キラのブラフを少しでも早く暴けたことを喜ぶべきだ)

岡部(…だ、ま、っ、て、い、ろ……ジェスチャーで伝わるよな…?)

ダル「…」コクコク

岡部(よし…今度はバイト戦士にメールを送る…)カチカチ

岡部(これも、よし……次だ…)

岡部「そういえば、ダル」

ダル「…あ、ああオカリン。頼みごとって何?」

岡部「ああ…今から俺は助手をラボに連れてくる。そのあいだにこの部屋を調べてくれるか?」

ダル「オーキードーキー」

鈴羽「〜〜♪」


―――ラジ館前

紅莉栖「………あら?岡部じゃない、何をしてるの?」

岡部「ああ…ちょうどよかった紅莉栖…ティーナ」

紅莉栖「ティーナじゃないし、少し間をかけるな」

紅莉栖「で?ちょうどよかったってなに?なんか用なの?」

岡部「ああ…ちょっとな。ラボに来てくれ」

紅莉栖「…変なの。それくらい電話でいえばいいじゃない」

岡部「変なのは元からだろう」

紅莉栖「あら、自覚合ったのね?…まぁいいわ、いきましょ」
74 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 03:58:09.58 ID:yA6B5pkhO
岡部「ただいまもどったぞ」

紅莉栖「…ただいま」

ダル「おかえり、オカリン、有ったのはプラスチックとか金属片ばっかだったお」

岡部「ということは盗聴も盗撮もされてないということだな」

紅莉栖「え?ちょっとどういうこと?説明しなさいよ。」

岡部「ああ、今からするからまずは座れ」

岡部「――――というわけだ」

紅莉栖「……大体は分かったわ」

岡部「理解が早くて助かる」

紅莉栖「でも、岡部。ひとつ言わせて?」

岡部「…なんだ。俺ごときがキラを追うだなんて馬鹿げてるとかか」

紅莉栖「バカじゃないの!!」

紅莉栖「私には何も言わずに何回も死にかけるだなんて!」

岡部「それは心配をかけないためにと…」

紅莉栖「何が心配をかけたくなかったよ!岡部は馬鹿よ!大馬鹿よ…!」ポロポロ

岡部「…紅莉栖……」

ダル「…リア充爆発しろ…」

紅莉栖「……っ!!///」

紅莉栖「き、キモオタ凝縮しろっ!」

ダル「即座に対義語を…やはり牧瀬氏はねらー…」

紅莉栖「そ、それ以上言うな!そんなわけないから!!」

ダル「次にお前はガッという…」

岡部「ぬるぽ」

紅莉栖「ガッ…ハッ!?」

紅莉栖「ダブルで…!」
75 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 04:01:13.41 ID:yA6B5pkhO
岡部「…紅莉栖、話をしたのはほかでもない…ラボメンを助ける協力をしてくれ…」

紅莉栖「…何その言い方。まるで、自分よりラボメンが大切みたいね……」

岡部「…俺だって死ぬのは怖い。…だが、それ以上にダル、まゆりやお前…ラボメンに危害が加えられるのはもっと怖い」

岡部「仲間一人助けられないで何が世界の支配構造を変え混沌を招く狂気のマッドサイエンティストだ…」

紅莉栖「……岡部の気持ちはわかったわ。そこは指摘しないであげるけど…」

紅莉栖「…やるからにはミリ単位の誤差も許さない。穴があったら指摘してあげるわよ」

ダル「おおっ、牧瀬氏の目が変わった…!」

岡部「本当か!」

紅莉栖「まず、この計画の失敗は許さないわ。失敗してもタイムリープすればいいや、なんて微塵も考えないで」

岡部「!」

紅莉栖「…岡部のいう世界線解釈が正しいとは限らない限り岡部がタイムリープしてもこの世界が残るかもしれない」

紅莉栖「そうなったら岡部、あなたは人の命をたかがと括ることになるわ。そんなのキラと変わらない…キラを捕まえる資格はないと思いなさい」

岡部「………」

紅莉栖「それに、タイムリープマシンは不完全よ。今までは偶然問題がなかったとしても、脳破壊の可能性は危惧するべきだわ」

岡部「…ああ。」

紅莉栖「…それがわかってるなら話をしましょう」

紅莉栖「まず第一に……………さっきいったことを即否定するようだけれど岡部にはタイムリープをしてもらうわ―――」
76 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 04:03:39.28 ID:yA6B5pkhO
―――ラボ屋上

月「…それで、電話で呼び出すだなんてどうしたんですか倫太郎さん」 

岡部「…おまえは確か、フリーライターだったな…キラはネタになるよな?」 

月「…ええ。それが?」 

岡部「…相談があってな」 

月「…相談?」 

岡部「ああ…どうも、ここ最近キラ事件が身近にありすぎてな」 

岡部「キラを信奉するもの、批判するもの…俺をキラだと疑うもの…多くてな。疑心暗鬼になっていた」 

岡部「もし、お前がネタに困っていたら協力を仰ごうと思っていたんだ」 

月「協力?」 

岡部「ああ、俺にキラをどう思うか聞いてきたことがあっただろう?それにライターにとってキラネタは宝のはず」 

岡部「だから、ラボメンがキラをどう思ってるか聞こうと思ってな。お前にとってもインタビューのような感じでネタにできるだろう」 

岡部(…断れば個人的にキラ調査などという言い訳はできない。受けるしかない…受けてくれ…!) 

岡部「…どうする?」 

月(…コイツ……僕のことを疑ってないのか…?) 

月(……いや、疑っていても決定打が得られないから…か。まるでLのようなことをする…奴には到底及ばないがな) 

岡部「…どうした?」 

月「ああ…いや、ネタとして使えるか考えてたんですよ 。」 

月(…コイツにとってはキラ関連者を見つけ出したくて言ったんだろう。そして、僕がキラだった場合自分がOだとバラすようなものだ) 

月(だから、僕に声をかけた…キラ事件に絡めた言い訳をして) 

月「……わかりました。協力しまし ょう。」 

月(…僕にとっても他のOを炙り出す機会…そしてDメールを送った人間を炙り出す機会) 

月(……メリットも逃した時のデメリットは大きい…願ってもないチャンス) 

岡部「いいのか…?ありがとう…」 

月(白々しい…) 
77 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 04:06:06.96 ID:yA6B5pkhO
岡部「というわけで集まってもらったのだが」

まゆり「きら?キラキラしてるのかなぁ」

岡部「違う、そうじゃない。」

紅莉栖「…今やキラは世界を支配しているといっても過言じゃないわね。…犯罪者だからといって殺して良いとは思わないけど」

まゆり「それはまゆしぃもいけないことだと思うなー」

るか「ぼくは賛成です…キラが出てきてから犯罪者は減ってますし…」

ダル「僕は…僕は反対。ただ、今日本でキラを否定した日には信者にフルボッコ確実…怖いことこの上ないお」

月「あはは…まぁ、今はキラに偏ってる感はありますね」

鈴羽「私も反対だなぁ…人を殺し、恐怖による独裁なんて…ディストピアそのものだよ」

月「…なるほど。」

フェイリス「フェイリスは賛成だニャ、今やキラの考えは浸透しきってるし法の根幹…いわば世界の正義になってるニャ」

岡部「ふむ…」

萌郁「−・−・・ ・・・ ?」

岡部「またメールか…なになに?」

『私はキラに賛成だな(´Д` )
 邪魔な人がいたらいなくなって欲しいのは誰でもそうだと思う
 キラは悪人を裁いてるんだから皆が優しくなればいいんだよ♪』

岡部「……わかった」

月「……ご協力感謝致します」

岡部「と言って、ただ集まってもらっただけでは申し訳ないからな」

岡部「ついでと言ってはなんだが、未来ガジェットの新アイデアを募集する!」

岡部「電話レンジ(仮)以外なら触ってもいいぞ!ただし常人の扱えるものではないがぬァ!フゥーハハハ!」
78 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 04:08:58.54 ID:yA6B5pkhO
リューク「ククッ…結局なにもないまま解散だったな?」 

月「ああ…だが、僕もキラについてラボメンがどう考えているのかはわかった。」 

月「…Oは岡部倫太郎、橋田至の二人だ」 

リューク「おりょ?マキセクリスとか言う奴はどうした?」 

月「ああ…問題ない。岡部と紅莉栖はいま不仲…」 

月「いや、不仲とはいかないまでも情報をあまり共有していない感じがある」 

月「前回と今回の二回で確信できたよ。牧瀬が岡部と情報共有していないのは変だ」 

月「同じキラに追われる立場にあるはずなのにな」 

月「つまり牧瀬紅莉栖は白。椎名まゆりも白だ」 

月「椎名まゆりは岡部にとって保護下にあるといっていい。」 

月「危険にさらすことはしないはずだ。」 

月「仮に阿万音鈴羽もOだとして彼女に何ができる?」 

月「体術で僕を組み伏せるだけか?」 

月「それこそ傷害事件でキラに裁かれるまでもなく法に裁かれるよ」 

月「阿万音鈴羽が何を探っているのかはわからないが…少なくとも僕を避けてる。つまり尻尾も掴まれにくい」 

月「…これで、僕の勝利は確定だけど……」 

リューク「どうしたよ?」 

月「…岡部の様子が変だった。まるで、こちらを恐れていないかのような……」 

月(何か失敗をした…いや、ありえない。僕は岡部の前では一切として自分からの行動をしていない) 

月(確かに、後手後手には回ったが徹底すればこれもまた防壁になる。) 

月(さらに言えば、岡部の行動はほぼ把握できているといっていい。) 

月(…盗聴器のブラフもある…岡部はラボ内で何かすることは不可能にちかい…)

月(仮にブラフに気づいていたとしてや橋田至や阿万音鈴羽との情報共有が甘い…なにもできてない証拠だ)

月「……いや、虚勢だろう。今更、確定した僕の勝利を覆す要因はないからね」 

月「だから、僕がいま頭を使うのは賛同者のことだ…」 
79 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 04:13:12.07 ID:yA6B5pkhO
岡部「フゥーハハハ!…ハハ………」

岡部「………どっと疲れた気がする。」

ダル「大丈夫なんオカリン…」

岡部「大丈夫なわけあるか。キラを追ってる身だぞ…どうやってもまず勝ち目はないといってもいい状態で疲れない方が変だろう」

岡部「…それくらい俺らは不利なのだ」

ダル「ちょ…オカリン、それを言っちゃ」

岡部「だからこそ…俺らが勝つ。この、狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真率いる未来ガジェット研究所がな」

岡部(まだ収束はしていない。勝ち目はある…確かにキラは圧倒的に有利だ)

岡部(だが、だからこそキラは俺らを軽視する。夜神月の性格的にそれは間違いはない…)

ダル「でも、キラを捕まえることなんて出来るん?」

岡部「ああ、出来る。…いや、やらねばならないだろう?世界の危機なのだから」

ダル「……オカリン、全くそんなこと思ってないだろ」

岡部「なっ…まさかお前にもあの能力が…っ!?」

ダル「厨二病乙」

岡部「……まぁ、正直な話をすると世界の危機がどうだとか救世主がどうだとかどうでもいい。むしろ、そんな大事なんて勘弁してもらいたいくらいだ」

岡部「…確かに俺の目的は世界の支配構造を変革し混沌の未来を巻き起こすことだ、がキラと戦うのはそんな理由ではない」

岡部「俺はキラを悪だと思っている。狂気は俺にこそ合っているしキラの力は科学を否定するようなものだ」

岡部「…それに第一、俺の勝手にラボメンを巻き込んでしまった。…下手を打てば命の危険があるというのに」

岡部「だからこそ…俺は絶対にキラを捕まえなきゃいけにゃい」

ダル「大事なところで噛んだな」

岡部「いいのだっ!!フェイリスっぽくて萌えるだろう!猫語だぞ猫語!!」

ダル「フェイリスたんをバカにする気か?よろしいならばクリークだ」

岡部「……受けて立とうではないか!この狂気のメェッドサイエンティスト鳳凰院凶真の邪眼に対しどこまでできるかな?」

ダル「俺のこの手が光って唸る! お前を倒せと輝き叫ぶ!」

岡部「わーまてまて!今は遊んでいる場合じゃない!!」

ダル「……遊びで済ませる気はなかったけど…まぁ、今は仕方ないか…」

岡部「……話を戻すが、問題はこの世界線変動を引き起こした改変者をどうするかだ」

岡部「おそらく、キラもそこに目を付けるだろうな」

岡部(キラよりも早く改変者の招待に到達しなければ…頼むぞ…鈴羽…!)
80 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 04:15:20.00 ID:yA6B5pkhO
月「おそらく賛同者の中に僕にメールを送った人間がいるんだろう。だが、そうだとしたら問題はメールの内容だ」

リューク「ククッ、気になる文章でもあったのか?」

月「…それもある。けどDメールは全角文字で18文字、半角文字で36文字まで…」

月「俗に言う“キラ事件”は難解な事件だ。素人が簡単に過去を変える文章を作るのは難しい」

月「それよりも問題なのは送信者だ」

リューク「送信者?」

月「そう、これは1月に僕に送られてきた…Dメール」

送信時間:2010/08/**
送信者:夜神月
件名―――

月「送信者は夜神月…つまり僕の携帯になっている」

リューク「だからどうしたんだ?」

月「鈍いやつだな……フリーターに神社の息子、あとは飲食店のオーナー兼メイド、この中に僕の携帯を手に入れられる人物がいるか?」

月「確かに、秋葉留未穂は金もある…が、あの女と僕に接点はないし…だいたい僕の携帯を使った意味がわからない…」

リューク「じゃあ、ライト自身が送ったんじゃないのか?」

月「いや、それはありえない…さっきも言ったけど過去改変を起こすほどの文言だ」

月「僕がキラだと疑われる事すらあってはならない。もうひとつの方の携帯を使うよ…」

月「それに、悔しいことだけど僕は魅上の失敗でNに負けてしまったんだろ。でなければ、僕にメールを送る必要がないからね…」

月「誰が、何のために、僕を…キラを復活させたのか。それが問題なんだよ」

月「…秋葉留未穂の話に戻るけれどキラ賛成派の理由が、キラの考えは浸透しきってるし法の根幹になってるから…この言い方だ」

月「あの女がキラ賛成派なのは世界の流れに沿っているからで決して熱狂的な信者ではない」

月「だからキラが負ける時間の流れなら僕を復活させる理由がない。秋葉留未穂は除外だ」
81 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 04:16:33.55 ID:yA6B5pkhO
月「となると、熱狂的というか思想が近いのはフリーターの桐生萌郁になるけどそれもありえない。」

リューク「なんでだ?一番ライトにとっては近いじゃないか」

月「ああ、そうだね。だけど、それだけだ。」

月「フリーターと警察、フリーターとL、フリーターとキラ…なんのつながりもない。だから僕の携帯を手に入れることは不可能…」

月「同じ理由で漆原るかも除外だ。漆原るかに至ってはキラに対して恐怖を持ってるくらいだからね」

リューク「くくっ、じゃあどうすんだよ?」

月「探るしかないだろう…都合よく僕はLだ。探りようはいくらでもある…」

リューク「わざわざ自分から動くのか?いつもみたいに自分を守るためじゃなく?」

月「ああ…そうするしかないだろう。」

リューク「わざわざ自ら危険な道に進むだなんて人間はわからねぇな」

月「危険?また変な事を言うな、リュークは。僕は最初から危険を冒しているじゃないか。」

月そしてその全ての危険は、逆に僕を安全にするんだ。家から小火が出るのと死刑になるの、どっちがいいか…あの時と同じだよ」

月「…………」カチカチ

月「さて、行くよリューク」

リューク「…6年近く前のライトを見てるみたいだな。面白」

月「…そういえば、さっき家が小火だなんだと例えたけど、今回もデスノートは二重底の引き出しにしまうことにしたよ。」

月「引き出しの鍵は僕が持っていて誰もあけはしないし、開けたとしても日記がしまってある程度…」

月「もしもの時のために切れ端は時計の中に……仕掛けは変わってないけど…まぁいいか。僕なら出来る…」

月「…そこでだ、次に僕が捨てると言ったら文脈関係なしに所有権を放棄するよ。リューク」

リューク「ククッ…どうしたライト?また監禁されるのか?」

月「まさか。そんな趣味は無いよ………まぁ、死神界からでも見てればわかるさ…」

月(僕なら確実にあの程度……)

月「…とりあえず、最初に向かうのは……漆原るかの元だな。」
82 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 04:16:59.54 ID:yA6B5pkhO
この時間はここまで
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/15(土) 07:38:11.45 ID:fJzw0F5p0
ハラハラする
84 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 11:19:12.52 ID:MkhZKfNeo
―――柳林神社

るか「あ…夜神さん、こんにちは…」

月「こんにちは、近くに立ち寄ったものですから参拝にと」

るか「あ、そうなんですか…えと…ごゆっくり…?」

月「ええ、ありがとうございます」

るか(夜神さんなにか悩みごとかなぁ……)

月「………」ブツブツ

るか「………?」

月「……倫太郎さんがもしキラだとして…」

るか「……えっ!?」

月「あっ…聞こえてしまいましたか…」

るか「…今、岡部さんがキラって…どういうことですか…!?」

月「あ、いえ、すみません…キラだと決め付けているわけではないんです」

月「………その、自分をキラだと疑っている者がいると岡部さんに伺いまして…」

月「なぜ疑われるのか考えて見ようと思ったんです…もしかしたら記事になるかもしれませんから」

るか「え、えっと…そうですか……それで岡部さんはキラじゃないですよね?…疑わしくないですよね?」

月「それなんですが…考えたときにキラなら…いえ、そうでなくともキラに通じる人ならば荷物にも通じるものがあるはずです」

るか「荷物…?」

月「…詳しくはわかりませんよ?…ですが…そうですね。シンパと連絡が取れるように携帯を複数所持するだとか」

るか「携帯……」

月「ええ、携帯などですね。あ、複数でなくとも倫太郎さんは電話レンジを所持していますから…はい」

月「あ、るかさんはキラ賛成派でしたよね」

るか「えっ、あ、はい…でも岡部さんがキラだなんて……」

月「先程も言いましたが決して決め付けているというわけではありません」

月「…もしも、キラが逮捕、死亡した場合…証拠品になるものは警察が押収……関係のないものは自宅に残るはずです」

るか「…あの…それが……?」

月「倫太郎さんがキラと想定してもしも不測の事態が起きたなら…Dメールを使い過去改変を起こし、復活させることができます」

月「ラボメンの中にはキラ賛成派がるかさんを含め3人いますが…復活させるためには警察を使って携帯を取り戻す必要があります」

るか「えっと…自分の携帯ではダメなんでしょうか…」

月(……漆原るかは白)

月「…自分の携帯…ですか。るかさんなら自分の携帯を使って助けたいですか?」

るか「それは…その……はい」

月「…なるほど、失礼ですが、るかさんは警察へのパイプは…?」

るか「えっと…その……ない、です……!」

月「……そうですか、貴重なお話を聞かせてもらいました。ありがとうございます」
85 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 11:22:23.02 ID:MkhZKfNeo
―――秋葉原駅電気街口

月「次は…あ、萌郁さん」

萌郁『夜神くんこんにちはo(^▽^)o』カチカチ

月「あはは…相変わらずメールなんですね」

萌郁『うん♪こっちのほうが話しやすくて(。・ ω<)ゞ』

月(やりづらい……)

萌郁『夜神くんは何してるの?買物?』

月「ええ、秋葉原はPCパーツとか揃ってますし。記事を書いていると故障が速くて…修理に出すよりは、ってことで」

萌郁『あ、そっか!夜神くんもフリーライターなんだっけ?私はアルバイトなんだけど(;´д`)』

月「…ええ、キラについて書こうかなと思ってまして。」

萌郁『あっ、だから前も聞いてきてたんだね(>_<)』

月「ええ、それでですね。少し思うことがあったんですよ」

萌郁『思うこと?』

月「…と言っても、同じライターですからあまり言えませんけど」

萌郁『えー、夜神くんのイジワルー(´;ω;`)』

月「はは、しょうがないじゃないですかー、こっちも商売なんですから」

萌郁『あ、じゃあ情報交換しよ!それならイイでしょ?(´∀`)』

月「わかりましたよ…実はですね、倫太郎さんが自分をキラじゃないかと疑う人がいると聞きまして…」

月「そこで思いついたんですが、もしもキラがキラたるものがあるのであれば…」

萌郁『荷物か何かに特徴があるのかな?(`・ω・´)』

月「ええ、顔と名前があれば殺せる…何か特別な力が必要なはずです」

リューク「ククッ…自画自賛かよ…」

月「例えば、倫太郎さんがキラだとしたら。キラたる所以こそ分からないですが電話レンジで大分楽になるはずです…」

萌郁『なるほどなるほど…』

月「ですがキラはLに追われている身、もし死んだり、捕まったりということがあると考えると…」

萌郁『Dメールを使って復活させればいいんじゃないのかな?』

月「キラ賛成派…例えば倫太郎さんの周りですと萌郁さんとかですが…携帯を使ってですか?」

萌郁『流石に自分の携帯だと足がついちゃうと思うから出来ないよ?大きな組織なら話は違うかもしれないけれどね』

月「ええ、勿論倫太郎さんをキラだとするのはあくまでも仮説です」

月「むしろ、それはありえない。規模が小さすぎる…例えばタイムマシンならSERNが疑惑をかけられてましたし…」

萌郁「…っ」カチカチ

月(!…反応した?何故だ……)

萌郁『SERNにキラがいるの?』

月「その可能性があるというだけのことです。…あ、情報交換ということなんでこちらからも聞きたいことがあるんですよ」

萌郁『…なにかな?(`・ω・´)』

月「……キラに通じる大きな組織があれば、調べてもらえませんかね。」

萌郁「……」カチ

萌郁『…SERNを調べるの…?』

月「…無理にとは言いませんよ。それでは、僕は買い物の続きがあるので。」

月(桐生萌郁…グレーだな)
86 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 11:24:40.56 ID:MkhZKfNeo
――――大ビル前

月「最後は……あ。」

鈴羽「え…夜神月…」

月「あはは…奇遇ですね、何をしてらっしゃったんです?」

鈴羽「……キミには関係ないと思うんだけど」

月「…連れませんね、あ、僕は散歩ですよ。取材も兼ねてますが」

鈴羽「…へぇ、そう」

月「……ああ、そうだ。今からメイクイーンニャンニャンに行くんですけれど、一緒にどうです?」

鈴羽「………」

鈴羽(ここで離れて好き勝手されない方がいいよね……)

鈴羽「…わかったよ。そっちのおごりね」

月「え、ええ…」

リューク「ククッ…あんなぼったくりなところでおごりかよとか思ってるだろ」

月(うるさいリューク…)

―――中央通り

月「…ところで、鈴羽さん。生まれはどちらでしたっけ」

鈴羽「………それも取材?」

月「いえ…これは興味というか……」

鈴羽「………あっそ」

月「………………」

鈴羽「…………………」

月「……わかりました、もう余計なことは聞きませんよ…記者魂は捨てることにします」

リューク「!」


リューク「クククッ…楽しかったぜぇ、ライト」


月「…………」

月「!」

月「………」

月「…阿万音さん」

鈴羽「…何」

月「………いえ、やはりなんでもありません…」

鈴羽「……………あっそ」
87 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 11:27:00.26 ID:MkhZKfNeo
フェイリス「おかえりニャさいませー!」

フェイリス「ニャニャ!ライト!あとラボの下のお店にいるバイトの!」

鈴羽「阿万音鈴羽だよ!よろしく!」

フェイリス「スズニャン!!フェイリスはフェイリスっていうニャ!よろしくだニャ!」

月「あの…席を…」

フェイリス「かしこまりましたニャッ!こっちだニャー!」

月「…アイスコーヒー2つで」

鈴羽「じゃあ私も」

フェイリス「それじゃ4つになっちゃうニャ!アイスコーヒー2つかしこまりましたニャー!」

鈴羽「……で?何。」

月「…はは、相変わらず僕には素っ気ないんですね…」

鈴羽「…………」

月「……フェイリスさんが来たら一緒に言おうと思ったのですが……単刀直入に言います。キラについてです」

鈴羽「!……なんで、私達なの?」

月「……キラに通じる何かがあるはずだからです」

フェイリス「おまたせしましたニャ!…ニャニャ?どうしたのニャ?」

月「……いえ、前にも言いましたとおりキラ事件について話を聞いていまして」

フェイリス「ああ…そうだったニャ!なにか進展はあったのかニャー?」

月「…突拍子もないこと話をします。…もしもキラがタイムマシンを持っていたならばどうします?」

鈴羽「なっ!?」

月「…先に阿万音さんには言いましたが僕は貴方たちの中にキラに通じる何かがあると思っています。」

月「僕はタイムマシンなどというものは僕は信じてはいませんでした。…が、存在していた。」

月「これは大きな躍進なんです。キラはまるで未来が見えているかのような行動を示した」

月「常識では測りえないところにいるんですよ。ですから……」

フェイリス「…ライトは……キラについてどう思ってるニャ…?」

月「大きな声では言えませんが、悪だと思っています。もしもキラの能力が使われても犯罪者を殺していくのは狂気の沙汰です」

月「…それならば私利私欲の為に人を殺してしまう人間の方がよほどまともだと思います。…無論許されたことではないですが」

フェイリス「……………」ジッ

月「…フェイリスさんはキラ賛成派でしたよね。もしもキラがタイムマシンがあったとしたらどうします?」

フェイリス「…タイムマシンとか難しいことはわかんないニャ。それに、例え持ってたとしても使い道がないと思うニャ!」

フェイリス「…Lがキラを追ってるし、必ず死刑台に送るとも言っている。そんな状態でタイムマシンは使うことは無謀ニャ」

月「……ならば、キラが敗れたとしたら?例えば大掛かりな組織がキラに対する利権がらみで復活させようとしたり」

フェイリス「……それもありうるかもしれないニャ。でも、フェイリスはそんなことしないニャ!安心していいと思うニャ!」

フェイリス「フェイリスはキラを支持するニャ…でも、死んだ人間を復活させることはしてはいけないことニャ……」

フェイリス「どれだけ悲しくても辛くても絶対に。」

鈴羽「…フェイリス……」

月「…すみません、野暮なことを聞いてしまって。オムライス2つお願いします」

フェイリス「かしこまりましたニャー!」

月(あそこまで必死に生き返らせないと主張するからには何かあるんだろうけど…逆に自分に言い聞かせているだけ…?)

月(そういう状況になったら復活させてしまうタイプかも…だとしたらグレー…か?)
88 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 11:29:20.91 ID:MkhZKfNeo
岡部「……今頃夜神月は改変者を探し回っているだろう…」

岡部「…だが、俺はだいたい目星はついている……あとは鈴羽から情報を聞くだけだが…」

〜〜♪

岡部「…もしもし、俺だ。」

鈴羽「もしもし、岡部倫太郎?」

岡部「なんだ、鈴…バイト戦士か。何かあったのか。」

鈴羽「うん、いま夜神月と接触してる」

岡部「なっ!?」

岡部(……鈴羽に改変者のことを調べるよう言ってからだいぶ時間は経っている…が)

岡部(それを夜神月に察知されたのでは…)

岡部(…いや、それを避けるために俺自身ではなく鈴羽に任せたのだ…情報漏洩はあってはならない)

鈴羽「もしもし?岡部倫太郎?」

岡部「…ああ、夜神月と一緒にいるのだろう?それが?」

鈴羽「いや、それがさ…本当に夜神月がキラなのかなって?」

岡部「……?」

岡部「…どういうことだ?」

鈴羽「…全く見えないんだよねぇ…そういうふうには……見えなくても人は見かけによらないのは重々承知の上だけど」

岡部「…………そうか。いや鈴羽、連絡してくれて助かった。気にせずに調査を進めててくれ」

岡部「…調査が終わったら電話ではなく直接あって情報を聞きたい。頼むぞ」

鈴羽「うん…わか」

岡部「?どうした鈴羽!!」

月「もしもし岡部さんですか?」

岡部(!………夜神月)
89 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 11:31:08.34 ID:MkhZKfNeo
岡部「月よ、鈴羽の携帯を奪ってまで電話をかけるのはあまり褒められたものではないと思うのだが」

月「…あ、申し訳ありません…」

岡部「……まぁいい。それで、何か用か…」

月「はい…えっと…単刀直入に聞きます。貴方がたの中にキラはいませんか?」

岡部「…は?」

岡部(なんだこいつ…ふざけているのか…?キラ自身がキラはいませんかだと…?)

岡部「…なぜ、そのようなことを聞く。説明してもらえるだろうか」

月「…まず第一に、貴方はキラに対して過敏な反応を見せた。それこそ僕に協力を仰いでまで」

月「第二に、キラはまるで未来を見据えたかのような行動をしていた。いや、常識の範疇にはいない」

岡部(自画自賛……)

岡部「……要するに、キラはタイムマシンを持っている。もしくはその近くにいる人間。つまり俺らであると?」

月「そうとっていただいて構いません。僕は信じたくありませんが…」

岡部(白々しい…が、真に迫るこの感覚はなんだ…?)

月「……もちろん、あなた方だけとは限りません。世にはドクター中鉢氏からSERNまで眉唾ですがタイムマシン研究家は多くいます」

岡部「だが、俺がここまで過剰に反応するから…か。なるほどな。はっきり言おう、俺らの中にキラはいない」

岡部「……俺はそう信じてる」

月「…そうですか……ですが、くれぐれも気をつけてください」

岡部(今度は脅迫…)

岡部「ああ…鈴羽に代わってくれるか」

月「………わかりました」
90 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 11:36:33.65 ID:MkhZKfNeo
鈴羽「……ね?何かおかしいでしょ?」コソッ

岡部「…ああ、どこか真に迫る感覚があるな……鈴羽、悪いがもう少し月と一緒にいててくれ」

鈴羽「…わかったよ……じゃ、切るね…」

月「…あ、ちょっと待ってください」

鈴羽「…え?」

岡部『…どうした?バイト戦士よ?』

月「岡部さんに聞いてもらえますか、ラボメン招集は可能かと」

岡部『……聞こえたぞ、可能だ』

月「…では、明後日あたりに牧瀬さんと橋田さん、あと漆原さんをラボに。岡部さんも居ててください」

岡部『了解した。では切るぞ』pi

鈴羽「…夜神月、キミ…なんで岡部倫太郎にあんな質問したの?」

月「……キラだから。」

鈴羽「…!」

月「…もちろん冗談です。僕がキラならば…いえ、もちろんキラを容認するわけではないのですが」

月「キラの気持ちになって考えれば意味のない行動です。警察関係ではない人間にする行動ではないですからね」

鈴羽「…そう、ならいいんだけど」

月(態度が軟化した…キラ捜査は一歩前進かな…?)
91 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 11:38:06.65 ID:MkhZKfNeo
月『…では、明後日あたりに牧瀬さんと橋田さん、あと漆原さんをラボに。岡部さんも居ててください』

岡部「…了解した。では切るぞ」pi

岡部「………」pi

岡部(…キラ否定派を集めて、キラ本人が乗り込んでくる…か。何を考えているのだ、シラジライト)

岡部「あ、ルカ子か。いや、すまんな。明後日空いているか?ああ、ラボにな。すまない」pi

岡部(……何を話すのかはわからんが…ちょっとやそっとで、欺けるとは思うなよ…!キラ…!)

岡部「ダル、クリスティィィィッナッ!」

ダル「んお?」

紅莉栖「なんだその言い方は。あとティーナと呼ぶのやめろといっとろーが」

岡部「…明後日、月から何か話があるそうだ。開けておけよ!」

紅莉栖「ハァ?」

岡部「…ん?公演でもあるのか?」

紅莉栖「…いや、その日は空いているけど」

岡部「ならばいいのだ。ダルはどうせ暇だろう?来てくれるよな?」

ダル「だが断る。その言い方はないだろJK」

岡部「なんだ、なにか用事があるのか」

ダル「ないけどな!キリッ!」

岡部「ならなぜ否定した。」

紅莉栖「キリッ…だってお…」ボソッ

岡部「ん?」

紅莉栖「!な、なんでもない!!」

岡部「そ、そうか…?」
92 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 11:39:32.00 ID:MkhZKfNeo
―――翌々日 LABO

ダル「…ちょっとるか氏遅すぎない?」

紅莉栖「確かに…」

月「まぁまぁ…漆原さんにも何か事情があるのですよ」

岡部「だからといって…人を待たせるのはな」

ダル「今週のおまえいうスレはここですか?」

るか「……遅れてすみません…」

鈴羽「岡部倫太郎ー」

岡部「バイト戦士!なんで…」

月「僕が呼びました…すみません、黙ってて」

岡部(まさか鈴羽まで……本当に否定派を集める目的だったのか…?いやでもルカ子も呼び出しているし……)

岡部「…そうか。ならばいい…それよりも…話はなんだ。」

月「では…今日集まっていただいたのはキラについて好ましく思っていない方々です」

岡部「なっ!?」

岡部(…まさかここでノートを…しかし鈴羽は月の右斜め手前にいる……充分取り押さえられる…!)
93 : ◆XozYxp.J6w [saga]:2017/07/15(土) 11:49:59.80 ID:MkhZKfNeo
紅莉栖「…岡部?」

岡部「…ああ…すまない。話を続けてくれ」

月「岡部さんには前にも言いましたが僕はこのラボにキラ、もしくはキラに準じるものが紛れ込んでいると考えています」

岡部「ああ、お前は俺を疑っているのだったな」

ダル「ちょ、それどういう事なん!?」

月「……事実です。理由は2点、岡部さんはキラに過剰反応した。そしてキラは未来予知できるかのように捜査から逃れ続けている」

紅莉栖「待って、それじゃ理由が薄すぎる。疑うには決定打がないわ」

月「…確かに、理由は薄い。ですが1%でも理由があるなら検証するのが道理でしょう。タイムマシンは実際にある、これは躍進なんです」

月「それに、あなたがたからすればラボメンにキラは居ないと思いたいはずです」

月「互いを監視しあってる時にキラによる死者が出た場合はキラがいないという証明になる」

るか「じゃ、じゃあなんでボクを呼んだんですか…?」

岡部「…確かに、ルカ子はキラ賛成派の人間ではないか」

月「…キラ賛成派が少なからずこのラボにいるというのがよくわかるじゃないですか」

月「それに、キラはこのラボにいるかもしれません。だとしたら、キラ賛成派は疑われても仕方がない。違いますか」

岡部「牽制だとでもいう気か…!?」

月「…そう捉えられても構いません。ですがここにいる漆原るかさんはキラ賛成派の三人の中で一番キラである可能性は低い」

るか「えっ」

月「…岡部さんがもしもキラだと仮定し、キラが亡くなるようなことがあった時には復活させねばなりません。どうしますか?」

るか「そ、それは…前聞かれたときのままの答えでいいんですよね…?」

月「ええ。」

るか「…ボクの携帯を使います」

紅莉栖「!」

月「……これが漆原るかさんがキラではない、もしくはキラに近しくないという証明です。」

岡部「!」

ダル「…どういうことなん?」

紅莉栖「自分の携帯じゃ足が残ってしまうってことね…」

月「ええ、少なくともこの時間軸、世界線解釈に基づくならば発信履歴は残らずとも着信履歴には確実に誰からというのが判明します」

鈴羽「そうか、6年も捜査の手から逃れ続け、ついには各国の政府に公認されるほどにまで至ったキラが安易な手を使うわけが…」

月「その通りです、少なくともそんなことをする性格には思えません。むしろ自身の生命に関わるものだからこそ念を入れるはずです」

月「漆原るかさんを馬鹿にするつもりではありません、しかしここまで純粋な思いで行動する人間がキラだとは思いたくはない。」

月「…むしろ、キラへの恐怖で賛同しているのに過ぎないのではないですか?」

るか「………」

月(……申し訳ないが、もしも漆原さんが死ぬことになった場合は…少なくともこの中にキラに近しいものが紛れ込んでる証明になる…)

岡部「まて…なぜ世界線解釈を知っている」

鈴羽「ごめん…あたしが口をスベらせた……」

岡部「んなっ………ま、まぁいい……」

紅莉栖「………一応、理屈はわかったわ…でも、なんで貴方がキラの話をするのかしら。取材とは思えない態度だけど」

ダル「それに、キラについて詳しすぎじゃね?夜神氏、何者なん?マジで。」

月「僕は…いえ、私は……」

岡部「…まさかキラ…などというのではあるまいな?」

鈴羽(前言ってたよそれ…)
94 : ◆XozYxp.J6w [saga !蒼_res]:2017/07/15(土) 11:55:56.93 ID:MkhZKfNeo







                ―――――私はLです






   
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/07/15(土) 11:57:16.25 ID:ee5MkHkB0
事実だからなぁ……
96 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 12:00:56.53 ID:MkhZKfNeo
岡部「!」 

ダル「ちゅ、厨二病乙…! ……え?マジで…?どういうことなの……」 

紅莉栖「………貴方がL…ね…それを信じろって言うの?」 

るか「え、えっとLって…キラと敵対してる…え?え??」 

鈴羽「………」 

月「…驚かせてしまって申し訳ありません、ですがこれは紛れもない事実です」 

岡部(…警察からのハッキングだとか…私はLだとか…ふざけているのかコイツは…!) 

ダル「…ソースが提示されていない件について…このままだと残念なイケメン認定まっしぐらだお…」 

鈴羽「………」 

月「そうですね…情報ソースならば……この警察職員身分証明書で十分でしょうか?」 

岡部「身分証明書…?」 

月「交通巡視員や少年警察補導員以外の警察職員は警察手帳ではなくて証明書を持ってるんです…」 

ダル「そーなのかー」 

岡部「いやまて、Lは探偵だろう。警察官ではないぞ」 

月「…ええ、ですが少なくともキラを捕まえようとしている“私”自身の身分証明は出来るでしょう…」 

月「改めて、私は夜神月、警察職員です。…といっても警察庁情報通信局情報管理課技官なので警察官ではありませんが」 

紅莉栖「…失礼ですが、日本警察はキラを追わないという方針じゃありませんでしたっけ」 

月「ええ、アメリカ大統領の会見を皮切りに各国政府はキラを認めた」 

月「日本政府も多分に漏れず、キラ捜査を完全に打ち切りました」 

紅莉栖「捕まえようとしその度に国のトップが変わっていったのでは国全体が成り立たなくなっていく…かしら」 

月「ええ…しかし、キラは紛れもなく大量殺人犯です。これは事実…」 

月「キラ自身それをわかってて自らを犠牲にと、それが真の正義であると…自惚れています」 

月「キラが悪か正義かなんて私達が考える事じゃない…そんな事は世間や思想家にやらせておけばいいとも思ってます。」 

月「私は私自身の意思でキラを捕まえます。私は国の首脳ではない、倒れても問題はない…」 

月「結果。正義…悪…結果が全てになるくらいに考えるべきです。」 

月「キラを捕まえればキラは悪、キラが世界を支配すればキラは正義。…現時点ではキラ正義に傾いていますが」 
97 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 12:04:48.48 ID:MkhZKfNeo
紅莉栖「……わかりました…けど仮にそれを証拠にLだとおっしゃるなら…不可解です」

月「!」

紅莉栖「夜神さんは私たちの中にキラがいると思っているんですよね…」

紅莉栖「私の知る限りLという人物が一般に知られるようになったのは6年前の宣戦布告の日です。それまでは一切謎の存在だった」

紅莉栖「…貴方がLだというのなら大胆すぎる。キラを追うなら追っている事を極力知られないようにするのが鉄則のはず」

紅莉栖「まだこのラボには複数人の人間がいてキラを特定できてもいないのに」

月「…………………」

紅莉栖「………………」

月(…竜崎……お前の気持ちを今になってわかった気がするよ……)

月(……そして…お前の遺志は僕が継いだ…キラは僕が捕まえる…僕はLだ…)

月「…………確かにそうですね…ですが」

月「…私がLだということを知っているのはこの場にいるラボラトリーメンバーのみです」

岡部「…何が言いたい」

月「私が死ねば…少なくともこの中にキラがいるということになります。その時は私と捜査を共にした優秀な捜査官が黙ってはいません」

月「……キラがご丁寧にもわざわざ絞り混むようなバカな真似をすることはないとはおもいますが」

鈴羽「………。」

岡部「……先程から喋ってないが…バイト戦士よ、お前…知っていたのだな?」

鈴羽「!」

岡部「月が世界線解釈を知っていた時点でおかしいとは思っていた……」

岡部「仮にもお前はソルジャー…そう簡単に情報を渡すとは思えんからな。口を滑らすだなんておかしいだろう」

月「……ええ、確かに阿万音鈴羽さんには先だって。」

紅莉栖「………」

鈴羽「あ、あー…抜けがけのような真似しちゃってごめんね…」

月「理由はよくわかりませんが彼女は私に敵意を…いえ、嫌疑されているようでした。ですから私がLである、と」

岡部「………それだけではあるまい。お前は試したのだろう、コイツがキラであるかと」

鈴羽「なっ!?」

岡部「俺の知る限り鈴羽という人間は直情的だ。コイツがL側ならキラを、キラ側ならLを。確実にむき出しの敵意で見続けるだろう」

岡部「だからお前は真偽はどうかは知らんがLと名乗り自分を殺すか確かめた…違うか?」

ダル「お、オカリンそれは…」

月「………なるほど。そういう考え方もできますね」

岡部「…………」
98 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 12:06:44.22 ID:MkhZKfNeo
月「ともあれ、私自らの正体を明かしたことで鈴羽さんは警戒を解いてくれました」

ダル「少なくとも…警察関係者だし……当然の結果だろ…」

月「……世界線解釈というものも教えていただきましたし…岡部さんが、その記憶を引き継いでいるということもお聞きしました」

岡部(…こいつ……!俺を狙い撃ち…確実に仕留めにきている……!)

岡部「……要するに、俺たちが互いを監視しあえということか。…それでどうなる、ラボメンの連携性が悪くなってしまうだけではないか」

岡部「……とはいえ、お前がLを騙る理由もないだろう。嘘ならもっと意味のあるものにするだろうからな…」

紅莉栖「…岡部と橋田は変態だけど…キラ、もしくはそのシンパがLを騙って狙う理由もないわ」

ダル「オカリンもよく世界の支配構造ガーとはいうけど、悪事を働けるような人間でもないしね」

岡部「ぐぬぬぬ…」

るか「お、岡部さんはいい人です…!」

岡部「…ゴホン、ともかく…夜神月…L…お前の要求は飲もう。」

岡部「ただし、こんな要求をされては狂気のマッドサイエンティスト…いやラボの代表としていい気分とは言えん」

岡部「お前も監視の対象とさせてもらう…文句は言わせんぞ」

月「………わかりました。それで私への嫌疑も晴らせるならばむしろ望ましいことです」

岡部「バイト戦士よ、頼めるか?」

鈴羽「…うん、わかった」

岡部「……オホン、フゥーハハハ!以上で円卓会議を終了するッ!」
99 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 12:07:10.80 ID:MkhZKfNeo
一度中断
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/07/15(土) 12:12:33.22 ID:ee5MkHkB0
今は記憶失っているから「キラを追っているLを受け継いだ月」だしなぁ……
オカリン側に情報が足りなすぎる……
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/15(土) 12:19:36.42 ID:LiwPLt6/o
推理モノで情報量の差は致命的だからね。Lだって正直実力なら月より上だったけど
情報量の差で負けちゃったし。記憶が消えるは反則だよなぁ

それにしても紅莉栖は冷静で頼りになる
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/07/15(土) 13:51:47.68 ID:ee5MkHkB0
敵が月でよかったな。まだ勝算はある
これで同じジャンプでも白蘭だったら……
103 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 18:54:28.80 ID:MkhZKfNeo
―――翌日

ダル「……」

岡部(……互いに監視し合うなどという策に出られるとは思わなかった)

岡部(あの場に俺がキラを追っていることを知っている者しかいなければ話は別だったが……贅沢も言ってられない……)

岡部(……一応奴も監視対象にできたのが一矢報いれたというものだが…あまりにもあっさりしすぎではなかったか…?)

岡部(奴も俺も自由には動けない…そのはずなのに、あまりにもあっさりしすぎて……何か策があるのではないかと思ってしまう…)

岡部(……大丈夫だ…俺たちの計画に穴はない……そう思ってはいるが……どうしても……不可解……!)

岡部(……揺さぶりをかけているだけかもしれないが……もしかしたら向こうは俺らの策も全て見越し上回っているのかも……)

岡部(………うぐ…頭が痛くなってくる、考えれば考えるほどっ……!)

ダル「………オカリン」

ダル(オカリンの顔……いや顔色悪すぎだろ……)

岡部「……どうした」

ダル「ああ…いや……なにも……」

岡部「……そうか」

ダル(いつもの厨二病ってレベルじゃないし…もうちょっと自制汁…)

ダル(てかここにまゆ氏がいたら言い訳不能なレベルで顔真っ青だぞオカリン……)
104 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 18:56:19.49 ID:MkhZKfNeo
鈴羽「……。」

鈴羽(一応聞き込みをしてるけど……こんなんでいいのかな……?)

るか「……どうしましたか?鈴羽さん……」

鈴羽「ううん……なんでもないよ!漆原るか、きみこそ顔色悪いようだけど…」

るか「あ、いえ……ごめんなさい、どうしても昨のことが……」

鈴羽「ああ……たしかにいきなりいろいろあったいからね……でも悩んでても仕方ないよ!」

鈴羽「あたしたちはいつもどおりでいいんじゃない?岡部倫太郎も監視なんてしてたら連携が悪くなるって言ってたし」

鈴羽「そりゃキラは懸河の勢いを持ってるけど、こっちには夜神月や岡部倫太郎がいるんだからきっと大丈夫だよー!」

るか「そう……ですよね……!安心しました、夜神さんやおか…凶真さんもいるんですもんね……!ボクも頑張らなきゃ……!」

鈴羽「あはは、だからそんなに意気込まなくても大丈夫だよー」

鈴羽「…………監視……尾行もだけど意気込むと相手に気取られる。逆に見つからないようにと意気込んでも気取られる」

るか「……鈴羽……さん?」

鈴羽「どれほど頑張っても透明人間にはなれないんだ、ピリピリしても無駄どころか害。」

鈴羽「……ならせめて気楽にするのがいいんじゃない?」

るか「…………」

鈴羽(あっれー…?まずちゃったかなー……?)

るか「……鈴羽さんすごいです……!さすが……えっと……バイト戦士なだけあります!」

鈴羽「あははは……バイト戦士って言われるのは岡部倫太郎にだけで十分かなー……」

るか「あっ…ご、ごめんなさいボクつい…」

鈴羽「ううん、気にしないで!そう言われるとこっちまで…あ」

るか「………うぅ…」

鈴羽「あ、こ、こっちこそごめんね!」

鈴羽(…………本当にこんなんでいいのかなー……?)
105 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 18:57:23.36 ID:MkhZKfNeo
月「……。」

月(まだかな……)

まゆり「おまたせしましたー」

月「!」

フェイリス「ニャはどうしたんだニャ」

まゆり「あ、ごめんなさいにゃぁ、アイスコーヒーとーオムライスですにゃぁ」

フェイリス「うんうん、それでいいニャ、デザートは後で持ってくるニャー!」

月「ありがとうございます。いやぁ、ここのオムライス美味しくて……」

フェイリス「フフーン、値段に見合う品質でやってるニャ!ライトもとっくに虜なのニャー!」

月「ふふ、そうかもしれませんね」

まゆり「ふふふ、フェリスちゃんがお客さんのために一生懸命考えたメニューだもんね〜」

フェイリス「マユシィ!」

まゆり「あ、ご主人様のためだにゃぁ〜」

フェイリス「そういうことじゃないニャ!!フシャァア!!」

月「あははは、微笑ましい光景ですね!」

〜〜〜♪

月「おっと……」

月「…………?」

月「僕宛の………僕からのメール?」
106 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:01:45.09 ID:MkhZKfNeo


 送信者:夜神月
  件名:読むのは午後17時前に
  本文:

  ELJLBVYFBZEZGRFBLBVYFDZJZSRKZYZJZNRYF
107 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:02:53.11 ID:MkhZKfNeo
月「…いたずらメール?」

月「…いや、わざわざ僕の携帯に忍び込んで僕にメールを送るだなんて、いたずらにしては悪質すぎる…」

月「これには何か意味がある筈だ……考えろ……これは何を意味している…」

フェイリス「ニャニャ?ライト、何を見てるニャ?」

月「……いえ、謎のメールが送られてきましてね。ちょっと悩んでまして。」

フェイリス「うー…送信者がライトになってるニャ…?」

月「ええ…そこが不思議なんですよ…」

フェイリス「ニャ?ライトには覚えがないのニャ?もしも自分で打った文なら答えがわかるはずニャ!」

月「曖昧な感じです…メールを打ったような打たなかったような……って、そんなに目をじーっと見ないでくださいよ…」

フェイリス「………ウニャー…それすら曖昧だとするとややこしいニャ…それにしても英文にしてはしっちゃかめちゃかニャ…」

月「ええ…ですからきっと注目すべきは件名…読むのは午後17時前に…ですね。」

フェイリス「!そうニャ!この文章母音が少ないのニャ!だから換字暗号の可能性が高いとみたニャ!」

フェイリス「しかも件名は読むのは17時前…つまり17字前だニャ!」

フェイリス「ただメールがここに存在するだけで。フェイリスにはこの程度の推理が可能だニャ!推理好きの勝利ニャ!」

フェイリス「…と、言いたいことだけど、これでも訳がわからないニャ…17時前なのに午後って書いてあるし…」

月(…そう、これが暗号の初歩…初期暗号であるシーザー暗号を疑うのは当然のこと……僕もそれは暗号文と考えたとき即座に疑った)

月(だが…それではNUSUKEHOKINIPAOKUKEHOMISIBATIHISIWAHOという文章になる……彼女の言う通りわけのわからない文章になる)

月(……ローマ字読みしても…ぬすけほきにぱおくけほみしばちひしわほ……?何がなんだかわからない……支離滅裂な文章だ……)

月(やはり注目すべきは件名だろうけど…17時前……まさか時間を表してるわけじゃないだろうし……)

まゆり「フェリスちゃんー…まゆしぃは2番さんしてきますー…」

月(2番……休憩か……今は午後の……午後?…なるほど、そういうことか)

フェイリス「ニャ?いってらっしゃいニャ!…ライト、フェイリスもそろそろもどるニャ!」

月「ええ、長く引き止めてしまい申し訳ないです。」

フェイリス「ううん、こっちもあまりライトの役にたてなくて申し訳ないニャ…推理力をもっと磨いて戻ってくるニャ!」

月「いえ、こちらもだいぶヒントをもらいましたし…僕もそろそろ行きますね」

フェイリス「そう言ってもらって助かるニャ!コーヒー、オムライス、メイクイーントーストでお会計合わせて2500円になりますニャ!」

月「」
108 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:11:11.31 ID:MkhZKfNeo
―――夜神宅

月(アルファベットは26文字、17時前では17文字遡る……けど、17時前というヒントが示すのは17字前というだけじゃない)

月(時刻の表し方には24時間制とは別に午前と午後に分ける…12時間制もある)

月(そしてp.m.ではなく午後と件名に表記されてたこと…日本語に直す、アルファベットからローマ字読みに…)

月(それを示すための件名の午後の表記……12時間制に直すと17時は5時…5字前も読まなければいけなかった)

月(午後と指示されているから17字戻した後に5字戻すということ…ローマ字読みしたものを5時戻すと…)

月(つくえのいちばんうえのひきだしにきらの……机の一番上の引き出しにキラの…なんだ…?ともかく確認せねば……)

月「……一番上は鍵付きの引き出し…中には日記を入れたはずだ……」

月「……この日記になにか書いてあるのか……あやふやな記憶の部分に何かがあったはず……」

かんがえ
ると
いずれしけいになるか
てまねきしているあい
つにころされるだけだ。
しってい
る。おれはキラのそんざいを。
えものにされる。

いつも
なげいている。
ベッドはか
たいし、
かんごくは
ししゅうがする。
ごめんだもうがま
んできない。しんだほうが
りこうだ

はやく召されたい。
神の元へ。
死ぬのは怖くない。

月「……懐かしいな、僕が個人でキラ事件を追っていた時……竜崎に試された問題だったっけ」

月「……えるしっているか死神はりんごしかたべない……ね。竜崎は手が赤いの写真を隠してたんだっけ」

月「次のページは…」

月「!」

月「…暗号……」

95 55 74 65 83 41 13 54 24  83 44 84 85 93 41 11 92 34 23 64 62

ヒントは

メイヒチフユニラミ ウレトリケ ソリメヒルナ

いろは歌


月「2つの暗号の複合型か……下のヒントは〜を解かないとそもそもこの数字の羅列には意味を見いだせない仕組みになってる……」

月「………なんだこれ。」
109 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:22:18.29 ID:MkhZKfNeo
月「うーん……」

月(いろは歌…いろはにほへとってやつだな…現在使われる日本語は四十六音だけど…いろは唄は四十七音だ…)

月(それにンが入っていないし……まさか単純にイロハ順から直す暗号にする訳が無い…心もとないから……)

月「逆に考えればンが入ってさえいればいい…四十六音が収まってさえいれば五十音でも……」

月(……ゐゑを除く歌は期待できない……最低、四十八音ということになり、その中で一番有名ないろは歌は…)

月(『鳥啼く歌』…戦前にイロハ順と共に採用されていたトリナ順の元になる歌……)

月「…この暗号をトリナ順に直すと…ケヒドンヨクヤバス ヲルアイダ ノイケドデウになるな……」

月「……口で言っても何を言ってるのかさっぱりだけど、一応メモを取りながら進めてよかったよ…」

月(そう…現在の五十音順はアイウ順……イロハ順もトリナ順も…戦前のもの…つまり戦前の読み方、右から読む……)

月(―――ウデドケイノ ダイアルヲ スバヤクヨンドヒケ!)カチカチカチカチ

シュッ

月「!」

8 -3

月(……これがヒントか……今までの暗号からいって、これもカナに直す文章というのはわかってたけど…)

月(数字を見る限り…前の数字は行を、後の数字は段を表していると予想できる…)

月「……“ろのめほゆたうねけゆて?よるたありせくへひ”…」

月(十二番目の数字は八行四段目…ヤ行エの音を表しているけど……存在しないカナだ…)

月「それに仮にローマ字読みでイェと読ませてもロノメホユタウネケユテイェヨルタアリセクヘヒ…意味がわからない」

月「この暗号は……この数字の羅列だけでは解けない仕組みになっている…」

月(この暗号を解くためには条件がいる、まずはこの暗号に到達すること。大前提と思われるかもしれないが…)

月(まず、この暗号が書かれている日記は僕の部屋の鍵付きの引き出しに眠っている秘密のもの)

月(そもそも、メールで暗号を送られなければ存在すら知る余地もないものだった)

月(そして暗号で導かれるというのが重要なポイント…それがなければこの暗号の解き方も手探りからになる……)

月(それはヒントは〜の暗号も同じこと…この二つの暗号を解いて初めてこの暗号に挑める……)
110 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:23:21.57 ID:MkhZKfNeo
月「……しかし、この8-3というのは…」

月(単純に8-3=5ってわけでもなさそうだし…これは多分見方が違う…)

月(じゃあ、どう見るべきか……)

月「こんな単純な計算数学以前の算数なのに……クッ…」

月「8-3……8-3……8-3………」

月「……8…-3…」

月「…………」

月(…待てよ……この紙には……)

8 -3

月「…やっぱり……8と-3のあいだに僅かだが間が空けてある…腕時計に収めるような小さな紙に無意味にスペースを取るはずがない」

月「となるとこの数字は8…+8と-3に分けて考えるべきだ…行に+8…段に-3をして……」


62 22 41 32 55 13 91 21 101 55 11 51 52 65 13 93 64 111 105 31 34


月「……五十音は10行しかない、つまり11から105までしか存在しない。この111はいわば特例…変則的なもの……」

月「表す文字は“ン”…10行5段に属さない文字……111を見つけ出せず11から105までで循環させたために謎の文章になったが……」

月「…この数字列を日本語にすると…ヒキタシノウラカワノアナニホウルヘンヲサセ……五十音の特色から濁点、半濁点はつけてないものとして……」

月(最も適切な文章になるのは……)

月「引き出しの裏側の穴にボウルペン…ボールペンを挿せ……かな。中にあるのは…」
111 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:24:55.61 ID:MkhZKfNeo
岡部「……ダル」

ダル「……なんぞ」

岡部「……暇だな…」

ダル「……言ってる場合か」

岡部「……わかってる。が、やることがないのだ…」

ダル「……そう…互いの監視ってこんなんでいいん?もっと電柱とかに隠れてさー」

岡部「…ダル、貴様のそのバルーンボディーで電柱に隠れられるか?」

ダル「ぐさっときた!」

岡部「……それに互いの監視であるってのはキラ否定派は全員知っている。キラ扱いされている俺自身を筆頭にな」

ダル「じゃあ肯定派を」

岡部「怪しすぎて話にならんな、もっとスマートにクールにクレバーに振舞ってこその狂気のマッドサイエンティスト!」

岡部「ダル…貴様は俺の頼れる右腕(マイフェイバリットライトアーム)だろ、しっかりしてくれ」

ダル「はいはい、厨二病乙」

岡部「ぐぬぬ…正論を言っているのに……」

ダル「論戦(バトルロジカ)では正論を言うだけの論客(ロジカリスト)はC級クラス(フゴウカク)だぜ」

ダル「もっと理論武装(ロジカライズ)しろよ…そんなんじゃ…論理(ロジック)も展開(ダ)せずに論客(ロジカリスト)の論破力(ロンパリング)に飲まれるぞ」

岡部「要約しろ」

ダル「@ちゃんでは正論か否かより煽り耐性が重要だから精神が脆いほうが負ける」

岡部「………よくそこまでややこしくできるものだな…」
112 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:31:55.44 ID:MkhZKfNeo
月「







   う ぐ あ ぁ あ ぁ あ あ ぁ あ あ あ あ ぁ あ あ あ ぁ あ あ あ あ ぁ あ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ あ ぁ あ あ あ







                                                           」
113 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:32:49.05 ID:MkhZKfNeo
月(…………)

リューク「はーっ やっとこっちに戻ってこれた」

月(リューク…)

リューク「そのノートや所有者に憑く死神は……いやライトの机に閉まってたノートだから言う意味ないか…ククッ」

月「久しぶりだなリューク」

リューク「ククッそれを聞くのは二度目だ」

月「ああ……それよりもひとつ確認だがこの“2冊の”ノートの所有権は間違いなく僕に戻ったよな?」

リューク「ああ…戻ったな」

月「…そうか、なら問題はない…僕の正義は確実、ゆらぎはしないよ」

リューク「……なぁライト」

月「なんだ」

リューク「リンゴが食べたい」

月「……ああ、用意してあるよ。ちょっと待っててくれ…はい」

リューク「…人間界のリンゴはやっぱりうまい。ライトも死神界のリンゴを食ってみるか?」

月「ああ…一応もらうよ。いただきます」

リューク「どうだ乾いてるだろ?」

月「……リューク…なんだこれは」

リューク「死神界のリンゴだ」

月「砂だ」

リューク「ミサにも言われた」
114 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:36:04.42 ID:MkhZKfNeo
岡部(……一週間だ)

岡部(…夜神月がラボに現れずに一週間……ルカ子のもとにカモフラージュと称して“フリーライターの仕事”をしに行ってるようだが)

岡部(仮にもLの捜査、雑誌には柳林神社のことは載らないのだが律儀な性格故かルカ子は大真面目に答えているらしい)

岡部(まゆりとフェイリスによるとメイクイーンにも顔を出して小銭を落としてもいる…ダルもその場に遭遇したそうだ)

岡部(正直…怖くないといえば嘘になる…いつノートに名を書かれるかわからない恐怖は拭えない)

岡部(タイムリープマシンはエンターキー一つで飛べるように心がけているが紅莉栖の目もあるし…)

岡部(蘇りし者―ザゾンビ―の鋭い魔眼に屈するほどこの狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真は落ちぶれてはいないがな)

ダル(なんだかよくわからんけれどオカリンノリノリだな)

岡部(……キラによる殺人は一向に止まっていない…しかし…)

岡部(…この一週間…キラの裁きは大抵夜神月がほかのラボメンの前に姿を現し…そして俺は一人の時に行われる…)

岡部(まるで俺を狙いすましているかのように)

紅莉栖「ちょっと岡部、聞いておきたいことがあるのだけれど」

岡部「…ん、どうしたのだ?」

紅莉栖「岡部アンタ隠し事してないわよね?」

岡部「…どうしたのだいきなり」

紅莉栖「…夜神さんがラボメンになって…でもそれがLの捜査でって…夜神さんはL本人なのか疑わしいけど確実に警察の人間で……」

岡部「…それは……」

紅莉栖「……嘘をついている目ではなかった…って言うと論理的ではないかもしれないけれど…私には彼が嘘をついていう風には見えなかった」

岡部「………」

紅莉栖「でも岡部を疑うっていうのも違う。岡部はキラじゃない。」

紅莉栖「そりゃ岡部はセカイノシハイコウゾウガーとかわけのわからないこと言い出す厨二病だけど…だからと言って人の命を軽く見る人間では決してないのは知ってる」

岡部「…………」

紅莉栖「……岡部…アンタは」

岡部「……隠し事、だったな……お前は隠し事のない人間などいると思うか?」

紅莉栖「!」

岡部「……人間誰しも嘘や隠したいことはある。仲間で協力して他の人間に知られぬよう隠し通すことだってある…」

岡部「…嘘や隠し事がないすべて共有できる関係を仲間と呼ぶのであれば…俺に仲間はいない。孤高……孤独な…マッドサイエンティストだ」

岡部「……俺は…この鳳凰院凶真は機関に機密を漏らすほど愚かではない!今まで話しててわからなかったのか?クリスティーナよ!」

紅莉栖「知ってるわよ、岡部倫太郎という愚直なほどの意地っ張りのことは。……伝えるべきことはちゃんと伝えてくれる奴だってこともね」

紅莉栖「まっ、わかった。岡部は私に対して言うべきことは全部言ったってことね。じゃなかったら岡部のことだもの、動揺してしどろもどろになるわ」

岡部「……ぐぬぬ」

ダル(もうお前ら結婚しろ)
115 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:39:16.13 ID:MkhZKfNeo
紅莉栖「あとティーナって言うな」 

岡部「ツッコミが遅い」 

ダル「亀レス乙」 

紅莉栖「ぐぬぬ」 

ガチャ

岡部「ん?まゆりか?」 

月「…いえ、僕です。すみませんね、まゆりさんではなくて」 

岡部「!!」 

紅莉栖「あ、夜神さん…お久しぶりです」 

月「お久しぶりです紅莉栖さん」 

岡部「一週間もラボに顔を出さないとはどういうことだ…メイクイーンや柳林神社に言っておいて忙しかったはなしだぞ?」 

月「忙しかったんですよ」 

岡部(こいつ…!) 

月「……しかし進展はありました」 

岡部「…進展だと?」 

紅莉栖「まさかキラが捕まったとか…?それなら岡部の疑いも晴れるのだけど」 

岡部「…いや、キラによる殺人は続いている、それはないだろう」 

月「……いえ、キラの容疑ということでしたら一人…キラ事件解決に一歩進展です。やりましたと言えるでしょう」 

岡部「は…?」 

月「……ですが……そうですね…至さんならわかるとは思いますが、喜ぶべきか悲しむべきか……」 

岡部「……どういうことだ?」 

月「弥海砂を第二のキラ容疑で確保しました」 

ダル「はぁああああああああああ!?!?」 

岡部「うぉっ」 

ダル「嘘だろ!?嘘だと言ってよバーニィ!!」 

月「…いえ…事実です」 
116 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:44:01.41 ID:MkhZKfNeo
紅莉栖「ねぇ…橋田はなんで驚いてるの?」 

岡部「ああ…お前は最近までアメリカにいたのだったな…なぜダルがここまで驚いてるのかというと」 

ダル「弥海砂…京都府京都市出身1984年12月25日生まれ25歳。身長は152cmで3サイズは上から76・51・75。」 

紅莉栖(勝った…) 

ダル「ヨシダプロ所属で紅白にも出場するくらいの人気を誇る女優だったんだお、もう引退しちゃったけどな」

ダル「金の力がどうのっていう説もあるけどぼくはしんじません!」 

岡部「お、おう…俺も詳しくは知らんがダルが言うならそうだろう」 

紅莉栖「なによ、あんたも知らないんじゃない」 

ダル「芸名はMISA☆で名前の後ろに星マークがつくんだけどそこまでが芸名。まゆ氏と同じだと思ってくれればヨシ」 

紅莉栖「うわぁ……」 

ダル「引いたな?今引いたな…?言っておくが僕が悪いんじゃない。僕の中の煩悩がいけないんだ!」 

ダル「ちなみに現役の時はファンタズムのボーカルであるFESとどっちが人気かって議論が@ちゃんで白熱したこともあったけど正直年齢も違うし不毛」 

紅莉栖「へぇ…そういうスレは覗かなかったから知らなか…はっ、ち、ちがこれはだな!」 

岡部「無理をするな、栗悟飯とカメハメ波……」 
117 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:52:25.15 ID:MkhZKfNeo
月「……話を戻しても構いませんか、倫太郎さん」 

岡部「ああ…すまない」 

月「その弥海砂が現時点で逮捕ではないものの拘束状態にあります」 

月「第二のキラは6年ほど前にキラとさくらTVにて連絡を取り合っておりあの時点から捜査本部としてはキラと繋がったと見て捜査していました」 

岡部「なに…?第二のキラは最後のメッセージでキラに名乗り出るのはやめます、と確かに…」 

月「…そして、第二のキラはこの能力を与えるにふさわしい人には分け世界を変えていきたい、とも言っています」 

月「僕は……岡部倫太郎…もしくはその周辺人物がキラである、と疑いを立ててきました。いえ、今現在もそう思っています。」 

月「…しかし、6年前に事件を起こしたキラではない。当時倫太郎さんは12歳…ありえないことです」 

月「最低でもラボメン年長組の萌郁さんや僕の歳ではないと疑うに値しません」 

岡部「………」 

月「……もしこの推理が誤っていたらごめんなさいでは済みません。疑われるものの気持ちは汲みます。ここは慎重にいきたい」 

紅莉栖(……おかしい) 

岡部「……俺は、弥海砂には接触してはいない。よってキラの力など知らん、死神という符号の意味もさっぱりだ」 

月「…ええ、身辺調査では確かにそうでした。倫太郎さんは弥海砂に接触する機会がない」 

ダル「ちょ、それっておかしくねぇ?だって、ここ日本じゃん。その調査は違法じゃね?」 

紅莉栖「…いえ、LならばInterpolにでも掛け合えばFBIやBKAを動かすことが可能なはず」 

月「…多くの国がキラ事件捜査を打ち切った今は公式には捜査できませんからそこまでは不可能ですがね」 

岡部「……ということは…」 

月「ええ、非公式な地下捜査組織はあります。僕…Lが直接指揮を執る日本捜査本部や…表向きには解散したとされるSPKなど」 

紅莉栖「Secret Provision for KIRA…」 

月「………無論構成メンバーや詳しい捜査状況は一切語れません」 

リューク「ククッ…いないだけだろ……」 

岡部(……キラ事件を追っていて、しかもその支援部隊は十分にあると言いたいわけか…) 

岡部(…何が慎重にいきたいなのかすらわからんな…カマかけ(サイズハング) の使い方も熟知しているというわけか…) 

岡部(……まるで本物のLのようだ、演技が上手くすぎないか。キラからキラの容疑をかけられてしかも揺さぶられるとは…ふ、機関もなかなか…) 

月「…すみません、聞いていますか」 

岡部「……無論だ」 
118 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 19:56:49.03 ID:MkhZKfNeo
月「では続けさせていただきます。確かに倫太郎さんは身辺調査で弥海砂とは接触していません」 

岡部「…まるでほかの人物は接触しているみたいではないか」 

月「接触と言うだけならイベントにて橋田至さんが接触しています」 

ダル「!!」 

月「それと身辺調査を行おうとしたのですが尾行は巻かれ過去の経歴も一切不明な人物がいます」 

岡部(…まさか……!) 

月「阿万音鈴羽さんです。…顔と名前を知る僕を殺そうとする素振りは見られませんでしたので警戒度は薄めてたのですが」 

月「……倫太郎さん曰く直情的な方らしいので」 

岡部(……!) 

月「僕はキラの力を分けることは可能だと思っています。…その上で、経歴が一切なく尾行も撒く人物が現れたら疑わざるを得ません」 

岡部(…バイト戦士……疑われることはないように指示しておいただろう……!) 

月「……今後、弥海砂から関係性を引き出すつもりではいます」 

紅莉栖「……なぜ夜神さんは能力の分配が可能と見ているんです?普通なら捜査攪乱のための誤情報だと思うのですが」 

月「……そうですね…ですが、極秘の捜査ですので」 

紅莉栖「……私もキラ反対派ですし、脳科学を専攻としています。犯人の思考パターンから捜査に協力したい。そう考えてはいけませんか」 

月「しかし……」 

紅莉栖「……警察の方に任せたほうがいいのは確かです。ですが、私たちも疑われているんです」 

紅莉栖「…もし私たちの中に本当にキラがいるのだとしたらLが負けた時点で顔も名前も知っている私たちは殺されます」 

紅莉栖「…どうせ殺されるならキラに一矢を報いたい…そう考えてはいけませんか」 

月(こいつも…キラに対して反発的な思想…頭の回転も早い……岡部を殺した時に牙をむくかもしれないな……南空ナオミのように…) 

月「………わかりました。そこまでおっしゃるのでしたらお見せします」 

岡部(!)
119 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 20:01:25.69 ID:MkhZKfNeo
紅莉栖「……このノートは…なんですか?」 

ダル「……………」

月(……岡部倫太郎と橋田至の表立った反応はなし、か。まぁ確実にキラを追う者、下手に演技してボロを出すよりはマシといったところか) 

岡部(……そんな馬鹿な…デスノートを直接持ってくるなんて…) 

月「これはデスノートと言いまして…」 

岡部「直訳で死のノートだな」 

紅莉栖「なぜ直訳したし、あと死の帳面って言ったほうが近いわ」 

月(………)イラッ

月「……表紙と裏表紙に使い方が書いてあります」 

紅莉栖「HOW TO USE IT(使い方)………英語で書かれてるわね」 

岡部「……俺は読めん、助手よ頼んだ」 

紅莉栖「助手って言うな!…えーっとなになに」 

紅莉栖「このノートに名前を書書かれた人間は死ぬ」 

紅莉栖「書く人物の顔が頭に入っていないと効果はない。故に同姓同名の人物に一遍に効果は得られない」 

紅莉栖「名前の後に人間界単位で40秒以内に死因を書くとその通りになる」 

紅莉栖「死因を書かなければ全てが心臓麻痺となる」 

紅莉栖「死因を書くと更に6分40秒詳しい死の情報を記載する時間が与えられる」 

紅莉栖「以上が表のHOW TO USE IT」 

岡部「裏は?」 

紅莉栖「このノートに名前を書き込んだ人間は最も新しく名前を書いた時から13日以内に次の名前を書き込み人を殺し続けなければ自分が死ぬ」 

紅莉栖「このノートを刻む焼くなどして使えなくするとそれまでにノートに触れた全ての人間が…死ぬ!?」 

岡部「なっ!?」 

月「慌てないでください…ノートは始末できませんが逆に考えればノートを始末さえしなければ…監理さえすれば問題はないということです」 

岡部「……そうだな…ノートは封印し続けよう……」 

ダル「なんかオカリンが言うと中二チック」 

岡部「断じて中二病の妄想ではないっ!俺は常に真実を語っているのだ!」 

紅莉栖「それが中二病といっている」 

紅莉栖「…夜神さん、これは本当にキラの能力なんですか?」 

月「ええ…科学分析をしても正体不明の代物ですし……第一…こっちを見てくださいますか」 

紅莉栖「?」 

紅莉栖「きゃああああああああ!!!」 

岡部「っ……死神…か……」 

ダル「ちょ、牧瀬氏!?オカリン!?僕にもノート……うわぁあああ!!!」 

月「……僕も初めは驚きました」 

リューク「ククッ…はじめまして、リュークです」 

紅莉栖「………あ…オホン…はじめまして」 

ダル「は、はじめまひて……死神って実在したん…?CGとかじゃなく…?」 

紅莉栖「……そんな…死神だなんて非科学的な……」 

月「……でも実在しています…それにノートも科学分析は不可能でした……そもそも科学というものを超えてますよそれは」 

リューク(ククッ…ライトのやつ…ノートの存在をO側に教えやがった……それに反応も久々で面白ッ!) 

月「……そして………一つ提案があります」 

岡部「……?」 

月「このノートを岡部さんに預けたいのです」 
120 : ◆XozYxp.J6w [saga ]:2017/07/15(土) 20:06:41.91 ID:MkhZKfNeo
岡部「………何?」 

月「理由は複数あります…第一にノートのありかを弥海砂に知られないようにするため」 

月「第二に…この状態で岡部さんは私…ひいては捜査本部の監視下に置かれます。この状態で殺人が起これば」 

岡部「……まずは俺に疑いがかかる」 

月「逆に言えば監視下に置かれている状態で貴方の潔白さえ証明されれば問題はありません」 

月「13日ルールというのもあります。岡部さんは13日間そのノートに触れなければいいのです」 

月「無論キラのノートで殺人は可能ですが、少なくとも“そのノート”は使えませんからキラの戦力は奪われたも同然」 

岡部「……もし俺が目を盗んで名前を書いたらどうする…?それこそ夜神月とここに書いたら」 

ダル「ちょ、オカリンさすがにキラ目線で考えるのは冗談でも良くないと思う」

岡部「……ダルよ、物事を考える際は、一定の方向からだけでなく多面的に思考を巡らせる必要がある。覚えておくがいい」

月「……私はLから派遣され捜査本部に席を置く捜査官の一人ということになっており、SPKは別の場所にいます」 

紅莉栖「……それじゃあ岡部が夜神さんの名前を書いた瞬間アウトってことね」 

月「そういうことになります。僕の名前と立場を知るのはキラ否定派の方だけ…以前の通り互いに互いを監視し合う状態の中で僕の名を書く真似はキラならしません」 

岡部「……13日ルールが偽物だった場合は俺の潔白は証明されない」 

リューク「安心しろ…ルールは本物だ……」 

月「死神はこう言っていますが、検証はせねばなりません。そのために弥海砂を拘留しています」 

紅莉栖「ダブルスタンダードよ…それ。弥海砂…さんがキラかどうかを確かめるためと、13日ルールの検証は両立しないわ」 

ダル「たしかに。13日ルールが真じゃないとミサミサがキラか分からないし、ミサミサがキラじゃないと13日ルールの真偽がわからないんですがそれは」 

月「ノートは弥海砂が持っていた。これがキラである証拠とみます」 

紅莉栖「……まぁ、確かにそうね。こうして死神も付いているノート…認めないわけにはいかないわ…」 

岡部「だが……どうして弥海砂を…」 

月「物証は十分ありました」 

岡部「…した?」 

月「ええ……キラと弥海砂が接触したのち弥海砂へ近づくことは難しくなり監視ということしかできなくなりました。弥海砂にキラ容疑がかかった際の証拠はもはや機能しないでしょう」 

月「……ようやく隙ができたのか犯罪者の名前を書こうとしてたところを確保したんです」 

紅莉栖「………さっき岡部も言ってたけどノートのルールが偽なら潔白は証明されないわ。それとも50日くらい監禁でもする?」 

月「……ノートのルールが偽であっても僕の名前は書くことができません。もし、このラボの全員が結託してLを殺そうとしない限りは」 

月「…そうなった場合は残った捜査官が全員逮捕するまでです」 

紅莉栖「……岡部を見張るしかないってことね」 

岡部「…安心しろ、俺はキラではない。ノートを使うつもりもない」 

月「岡部さんの潔白は証明されないとなれば残念ですが、キラでなければ堂々とさえしてくれれば構いません」 

月「この僕の誇りにかけて誤認逮捕はしませんし、させませんから。推理は確証がなければただの推測…疑いに過ぎません」 

月「疑いだけで行動するのは推理ではないです。まして人を苦しめるような決め付けで解決などさせません。捜査は間違ってましたゴメンナサイで済むものではありませんから」 

岡部「……そうか。安心だ」 

岡部(………本当にLのようだな…夜神月) 

紅莉栖「……もし少しでも岡部がキラだと思ったらちゃんと警察に突き出すから安心しなさい」 

岡部「……なかなか厳しいことを言うな…助手よ…だが元より俺は機関より追われている身!何ら恐ることはない!フゥーハハハ!」 

紅莉栖「うるさい」 

岡部「はいすみませんでした」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/07/15(土) 20:12:06.22 ID:NhrcLFyq0
>岡部(………本当にLのようだな…夜神月) 


まあ、本物のLと捜査していたころもあったからね
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