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轟雷「あおを気持ちよくしてあげたいのです」 スティ子「はぁ」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/07/11(火) 13:17:07.09 ID:AhbfA0Eg0
轟雷「ああぁぁぁぁぁぁ……」ゴロゴロゴロ
スティ子「轟雷?どうしたの?」
バーゼ「ほら、あれだよ〜、あおが修学旅行に行っちゃってるからさぁ」
スティ子「ああ、寂しいのね」
轟雷「あお、あお、あお、あお、あお分が足りません……」
轟雷「あおに触れてもらいたい、声をかけてもらいたい……」
轟雷「いいえ、それだけでは足りません、離れ離れになって初めて気がつきました」
轟雷「私が、私があおの顔を触りたいのです、あおの手を握りたいのです、あおの髪を撫でたいのです」
轟雷「頭を撫でてあげたい、私が受けた喜びを、気持ちよさを、あおにも返してあげたいのです」
轟雷「そうです、行きましょう、今からでも遅くはありません、あおを追いかけて京都まで!」
スティ子「無理だってば、流石に遠すぎるでしょう」
轟雷「しかし、しかしこのままでは私は、私は壊れてしまいます」
轟雷「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」ゴロゴロ
スティ子「はぁ、コレ何時まで続くのかしら……」
スティ子「そもそも、あおに対して固執しすぎじゃないの」
スティ子「もう少し回りに目を向けていいと思うんだけど」
スティ子「例えば私とか?」
スティ子「いや、別に轟雷に構って欲しいわけじゃないのよ?」
スティ子「ただ、一般的な話として……」
バーゼ「にひひ」
スティ子「……何がおかしいのよ」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1499746626
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/11(火) 14:34:08.64 ID:vACL68fwO
誰かが胎内回帰する様が見える
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/11(火) 15:45:27.70 ID:AhbfA0Eg0
バーゼ「そんな素直になれないスティレットの為に、素敵なアイテムがあるよ〜」
スティ子「誰が素直になれないのよ」
バーゼ「まぁまぁ……はい、コレなんだけどね」
スティ子「何これ、ヘルメット?」
バーゼ「これはね、思考形状記憶合金で作られた頭部装甲!」
バーゼ「対象のことを強く念じながら被ると、装甲がソレに反応して変形するの」
バーゼ「装着者の頭部に完全フィットする形だから、何かを被ってる感覚とかは全然しないはずだよ」
スティ子「意味がわかんないんだけど」
バーゼ「まあまあ、使ってみれば判るって、ほい!」カパッ
スティ子「ちょ、勝手にかぶせないで!」
バーゼ「はい、今から貴女はあおになる、あおになる、あおになる〜」
スティ子「は?何言って……」
バーゼ「あおになる〜あおになる〜あおになる〜」クルクルクル
スティ子「あおに……なる……あおに……」
スティ子「あ……おに……な……」
スティ子「……」
スティ子「て、なるはずないでしょ!」
バーゼ「はい、鏡見てみよっか〜」
スティ子「ほんと、貴女っていつも訳のわからないことばかり……して……」
スティ子「……」
スティ子「……」
スティ子「……」
スティ子「私の顔があおになってる!?」
バーゼ「ね、言ったでしょ〜、あおになるって」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/11(火) 16:02:17.51 ID:AhbfA0Eg0
バーゼ「アーキテクトの擬態スキンを解析して装甲に使えないかなーと思って作ったんだけどね」
バーゼ「容量の関係で頭部しか作れなかったの」
バーゼ「何かに使えないかなーと思ってたんだけど、スティレットが必要ならあげる〜」
スティ子「こんなもの貰って、どうしろって言うのよ」
バーゼ「そりゃあ、そのまま轟雷の前に出て行けばいいんじゃない?」
スティ子「そんなことして何に……」
バーゼ「今、轟雷はあおに飢えてるから、すごい事が起きるかもよ、きししし」
スティ子「す、すごい事って……」
バーゼ「いきなり奪われたりして!」
スティ子「!?」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/11(火) 16:26:57.88 ID:AhbfA0Eg0
スティ子「う、奪われるとか!何を言ってるのかしら!」
スティ子「その言い方だと、まるで私が轟雷に何か奪われたがってるみたいじゃない!」
スティ子「そもそも何を奪われるって言うの!?」
スティ子「ほんと!意味がわからないわ!」
スティ子「そうよ!意味がわからないのは轟雷の行動もよ!」
スティ子「私達はフレイムアームズなんだから、もう少しシャキッとすべきよ!」
スティ子「そうよ!そうなのよ!だから弛んでる轟雷には少し注意してあげないといけないの!」
スティ子「ちょっと行ってくるわ!」
バーゼ「いてら〜」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/11(火) 16:32:23.29 ID:AhbfA0Eg0
轟雷「あお、あお、あお、私のあお、早く、早く帰ってきてください、でないと、でないと私は……」
スティ子「轟雷!」
轟雷「その声は、スティ……レッ……ト?」
スティ子「……」ドキドキ
轟雷「……」
スティ子「……」ドキドキ
轟雷「……」
スティ子「……?」
轟雷「……」
スティ子(あら、おかしいわね、まったく反応がないわ)
スティ子(ひょっとして、失敗?失敗なのかしら)
スティ子(バーゼラルド、これどうなってるのよ!)ソッ
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/11(火) 17:00:27.75 ID:AhbfA0Eg0
私が視線をそらした瞬間。
轟雷が居る方角から、ガサリ、と音がした。
それは、多足型の戦闘訓練用バグが移動する際の音に似ていた。
私は反射的にそちらの方向に向直る。
そこには、何もない。
そもそもこれはバトルフィールドじゃないんだから、戦闘用バグがいるはずがない。
じゃあ、何の音だったのかしら。
その段階で、私は轟雷の姿がないことに気づいた。
いや、轟雷は視線の端に、居る。
ただ、何故そんな所に居るのか、理由がわからないのだ。
理由がわからないから、一瞬「居ないもの」として判断してしまったのだ。
何故、轟雷はそんな所に居るのだろう。
そんな体勢で、こちらを覗き込んでいるのだろう。
それが判らない。
理由がわからない。
轟雷が、地面に這い蹲り、下から覗き込む体勢で私の顔を見つめている理由が。
判らない。
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/11(火) 23:53:02.42 ID:TQBOW09g0
轟雷は、カクリと首を曲げ、こう呟く。
「あ、お?」
子供みたいに無垢な瞳で、こちらを見つめてくる。
こちらを観察してくる。
私が本当にあおなのか、確かめるように。
ああ、どうしよう。
疑われてる。
ここで、ここで冗談だと言ってまおうか。
それとも。
それとも。
「すごい事が起きるかもよ、きししし」
悪魔の囁きが勝った。
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/11(火) 23:57:15.13 ID:TQBOW09g0
スティ子「……ええ、そうよ、私は陣内あお!」
スティ子「当たり前じゃない!」
轟雷「……」
轟雷「……」
轟雷「……」
轟雷「……本当です、確かにこの顔はあお」
轟雷「あおです!あおが帰ってきてくれました!」
轟雷「あお!会いたかったです!」ガバッ
スティ子「ひゃっ!?」
轟雷「あお!あおあおあおあお!あお!」チュッチュッ
スティ子「な、な、な、なに、なにを///」
轟雷「あおー!」ギュムー
スティ子「あ、あわわわわわ」
スティ子(わ、わたし、めちゃくちゃキスされてる)
スティ子(頬にフレンチキスされてる!)
スティ子(というか、轟雷とあおは日常的にこんな事してるの?)
スティ子(知らなかったんだけど!?)
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