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【ミリマス】白石紬「あなたはエッチなのですか?」
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1 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/10(月) 17:36:31.21 ID:aCNVt51G0
===
「一つ、確認しておきます。あなたはエッチなのですか?」
問われ、男は言葉を失った。
今、目の前に立つ見目麗しい少女はその澄んだ瞳を真っ直ぐに向け、彼の返事を待っている。
だがしかし、ここは何と答えることが正解なのか?
「はい」か「いいえ」か、単純な二択のハズなのに、
男にはそのどちらを選んだ場合でも、来るべき未来は同じ物に思えてならなかった。
そしてまた、その予感と予想は至極正しい。
どちらを選んでもバッドコミュ。
彼にはとても気の毒だが、この質問に正解など、
最初(ハナ)から用意されていない。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1499675790
2 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/10(月) 17:38:50.58 ID:aCNVt51G0
「……プロデューサー?」
故に、男が選んだのは「沈黙」……
その整った眉を訝し気にしかめる少女に対し、
彼は無言の回答でこの場を乗り切ろうとした。
だが、少女はそれで納得しない。
頭に被っていた麦わら帽子のつばを上げ、
先ほどよりも強い口調で問いかける。
3 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/10(月) 17:40:42.07 ID:aCNVt51G0
「プロデューサー? 声は届いておられましょう」
その言葉遣いは丁寧だが、彼女の視線は返答無きならササニシキ。
いや、返答次第ではあなたを指すのもやぶさかでないと、
そのような鋭く厳しい視線であった。
誰だってさされるのは嫌である。
刃物だろうと、トドメだろうと、少女の場合は人差し指だが、
あまつさえ呉服屋の娘が人様を指でさすなんて!
それも人差し指で遠慮なく、躊躇もせずに指すだなんて!
それは少々行儀が悪いんじゃあないか?
などと些末な疑問を抱くのは、軽い現実逃避の表れである。
4 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/10(月) 17:43:40.49 ID:aCNVt51G0
(だが俺は、これでも彼女のプロデューサー。
アイドルの抱える悩みとは、真っ向から勝負しなくっちゃあ!)
早くも白旗上げて敵前逃亡。
折れかけていた自分自身の心を焚きつけ、男が無言で肯いた。
古来より伝わる由緒正しいジェスチャーは、
「話を聞いている」という意思表示。
ああしかし! 少女はそうは取らなかった。
自身を見下ろす男の態度に、無言で応える彼の態度に、少女は驕りと不遜を見た。
「……なるほど。私の声は届いていると」
一回、男が小さく頷いた。
「であれば、先ほどの私の質問も、当然聞いておられますね?」
二回、男が強く頷いた。
5 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/10(月) 17:47:41.94 ID:aCNVt51G0
「なのに、プロデューサーのその反応――」
少女がお腹の辺りで両手を組み、考え込むように押し黙る。
その美しく上品な佇まいは彼女の流れるような白髪と相まって、
まるで名探偵のミス・マープル……っと失礼。
少女、白石紬はまだ十七。老婦と呼ぶにはあまりに若い。
今、二人の間にはしばしの静寂。
審判を待つ男の喉がごくりと鳴り、紬が残念そうにかぶりを振ってこう言った。
「それはつまり……口もききたくない程に、私を嫌っていると言う事実」
これには男も苦笑い。「えっ?」と間抜けに訊き返す、
彼の胸をピンと伸ばした人差し指でさし示すと、紬はその眉を吊り上げて捲し立てる。
6 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/10(月) 17:50:52.59 ID:aCNVt51G0
「ならば面と向かって『嫌いだ』と、キッパリ言ってしまえばどうですか!
それもせず、普段はニコニコと作り笑いでたばかって……。
そんなあなたに声かける私を、内心嘲笑っては面白おかしく見ていたのでしょう?
バカな小娘だと私のことを、見下げていたのでないですかっ!?」
ざわざわと、通行人の視線がこの奇妙な二人連れに――もちろん、ここで言う二人連れとはただの二人組のことであり、
恋だの愛だの、そう言った類の組み合わせで無いことだけは明言したい――注がれる。
ここに、他の劇場メンバーが居なかった事実を私は神に感謝しよう。
なぜならば今この二人は、どこからどう見ても痴話喧嘩をしている恋人同士。
例えるならば大学生と高校生の、
歳の差カップルとしか捉えられなかったためである。
7 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/10(月) 17:55:21.15 ID:aCNVt51G0
「待て待て待て! 別に俺はそんなこと――」
「それも分からんとあんな質問……。これでは私は笑い者、とんだ道化です!」
「だから一旦落ち着くんだ紬! 悩みがあるならちゃんと聞くから!」
「っ! またあなたはそうやって、すぐに人を気遣うフリをする!」
「フリだなんて! 俺はいつでも紬に本気だぞっ!?」
「嘘っ! 離してください! 離して――!!」
踵を返し、その場から走り去ろうとした紬の腕を男が掴んだ。
その繋がりを振りほどこうと、彼女も必死に身をよじる。
だがしかし、華奢な体躯の少女が大人の男に勝てるものか。
腕だけでなく肩も掴まれ、くるりと体の向きを変えられる紬。
男は少女の顎を掴み、背けた顔を強引に自分の方へと向き直させると。
「俺はエッチな男だよ! って言うか、男はみんなスケベなんだっ!!」
8 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/10(月) 17:59:47.13 ID:aCNVt51G0
それは腹の底から放たれた、飾らない真実の叫びだった。
彼の言葉は周囲にいた男性諸氏の胸も打ち、
(そうだお嬢ちゃん。残念ながらそれが男って生き物さ!)などと謎の団結を可能にするほどの真理である。
「正直紬みたいな可愛い子見て、欲じょ(ピー)しない奴なんているもんか!」
「か、可愛いなんてうち、そんな……」
鬼気迫る表情で自分を見下ろす男から、
思わぬ告白を受けた紬が真っ赤になった顔を伏せ……られないので目を逸らす。
さらには今まで一度も見たことの無い本気の『男』を目の当たりにして、
少女は肩を強張らせると、無意識のうちに叫んでいた。
9 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/10(月) 18:02:00.10 ID:aCNVt51G0
「誰かっ! 来て! 誰かああぁぁーーっ!!!」
……時は白昼、ここは天下の大通り。
いたいけな少女がそんな叫びをあげたなら、
事情はともかく狼藉者などあっという間に取り押さえられる往来だ。
案の定、数秒もせぬうちに男は紬から引き剥がされ、地面に倒され、殴られ蹴られ、
ありとあらゆる制裁をもってしてその活動を沈黙させられることになるのだが……。
素直に彼の自業自得だと、一旦締めにくいのは気のせいか?
10 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/10(月) 18:15:01.87 ID:aCNVt51G0
>>6
と差し替え
「ならば面と向かって『嫌いだ』と、キッパリ言ってしまえばどうですか!
それもせず、普段はニコニコと作り笑いでたばかって……。
そんなあなたに声かける私を、内心嘲笑っては面白おかしく見ていたのでしょう?
バカな小娘だと私のことを、見下げていたのでないですかっ!?」
ざわざわと、通行人の視線がこの奇妙な二人連れに――もちろん、ここで言う二人連れとはただの二人組のことであり、
恋だの愛だの、そう言った類の組み合わせで無いことだけは、彼らの尊厳の為に明記したい――注がれる。
それでもここに、他の劇場メンバーが居なかった事実を私は神に感謝しよう。
なぜなら事情を知らぬ者から見ればこの二人は、
どこからどう見ても痴話喧嘩をしている恋人同士。
例えるならば大学生と高校生の、
歳の差カップルにしか捉えられなかったためである。
11 :
◆NdBxVzEDf6
[sage]:2017/07/10(月) 19:05:06.87 ID:xPjqRM8y0
どうしてこうなった.....
白石紬(17) Fa
http://i.imgur.com/sasipRR.png
http://i.imgur.com/mWVrTMQ.jpg
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/10(月) 22:08:16.20 ID:hvDIjmXZo
本当だよ、どうしてこうなる?
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/07/10(月) 23:08:22.10 ID:fRyvNrRi0
Pドルとか臭いからヘイト創作したいんだろ?
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/10(月) 23:33:05.68 ID:LNdIKatu0
一体何したんだ
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/11(火) 00:27:26.10 ID:bhJeHfQpo
あく続きを書くんだよ
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/11(火) 06:01:14.09 ID:+34AFjD/o
めんどくさい通り越してメンヘラ入ってるよね
17 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/11(火) 07:45:05.15 ID:c9zvFtoJ0
===
安直な話だと思われてしまうかもしれないが、女の子とは基本的に、
ほんの些細な言葉に傷ついても、次の瞬間には甘い物食べて幸せよ……そういうものだ、そのハズなのだ。
少なくとも、男の周りにいる少女たちの大半はそうであった。
だがそれは、決して彼女たちの思考回路が単純に出来ているからと言うワケではなく、
「それはそれ、これはこれ」のしたたかな精神から来る割り切りの良さに由来する。
18 :
◆Xz5sQ/W/66
[sage saga]:2017/07/11(火) 07:47:33.31 ID:c9zvFtoJ0
さて、白昼堂々路上で起きた、捕り物騒動からしばらく。
瞬時に敵と化した通行人、束の間の心の友たちの誤解をなんとか解いたプロデューサーは、
有無を言わせず紬を連れて、近くの甘味処へと駆け込んだ。
流石は街の大通り。
ちょっと首を左右に振れば、そう言った類の店は
道路のあっち側にもこっち側にも沢山並んでいたのである。
内装が和風で統一された中々に風情を感じる店内にて。
テーブルに座る男の前には水の入ったグラスが置かれ、
紬の前にはクリームあんみつ。
そして同席する四条貴音の御前に今、
店員が特盛のかき氷を持ってやって来た。
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