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盗賊「伝説の勇者の秘宝は俺がいただく」
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1 :
◆Ks1JsTemxeE/
:2017/07/08(土) 00:28:39.58 ID:jC5JCJusO
盗賊「扉の前には……」
姫「勇者っぽい石像」
盗賊「で、扉は開かねぇと」
姫「で、どうするの?」
盗賊「そう言われてもな……」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1499441319
2 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 00:31:05.14 ID:jC5JCJusO
−−−王都 王宮地下3階−−−
姫「それを何とかするのがキミの仕事でしょう?」
盗賊「なんで俺が……」
姫「王宮忍び込んで捕まったキミを助けてあげたのは誰ですか??」ニコッ
盗賊「…………クソワガママで偉そうな姫さんだな」
姫「私ならキミの罪状を取り下げることが出来るわ、協力しなさい」
盗賊「ケッ」
姫「ちゃんと秘宝を見つけたら逃してあげるわ」
盗賊「約束だからなっ」
姫「まずはこの迷宮への扉を開かないとね」フフ
盗賊(王女のお遊びかよ)
ガチャガチャ
盗賊「ふむ……開かねぇな」
姫「キミはどんな鍵でも開けられるって、スラムで有名な盗賊なんでしょ?」
盗賊「なんでもじゃねーよ、鍵抜きが得意なだけだ。そもそもこの扉には鍵穴すらねぇじゃねぇか」
姫「えー……?」
3 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 00:32:25.24 ID:jC5JCJusO
盗賊「仕掛けで開く扉だな……伝説の勇者の秘宝が眠る迷宮か」
姫「入り口の前には伝説の勇者と思わしき石像。さ、謎解いて少年」
盗賊「ガキ扱いすんなよ」
姫「はいはい、少年くん。実力みせてよ」
盗賊「ハッ……なめんなよ」ニヤ
姫「え? なにその顔……もう分かったの?」
盗賊「ったりめーだ。この像、大事な物が足りねぇよな?」
姫「え? なにが?」
盗賊「この勇者像、手ぶらだ。わかるか?」
姫「えーと?」
盗賊「腰に鞘はあるのに」
姫「剣?」
盗賊「勇者の剣と言えば聖剣……名前は?」
姫「え? 聖剣の名前? えーと……??」
盗賊「そんなことも知らねーのか? そんなんじゃ“先に進めねぇぞ”」
盗賊「聖剣の名前は>>??だ」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/08(土) 00:50:09.52 ID:pZZgRQOC0
エクスカリパー
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/08(土) 00:50:50.85 ID:FPvm43AM0
ペポポンプ
6 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 01:35:20.24 ID:LGz+aOINO
>>4
盗賊「聖剣の名前はエクスカリパーだ」
姫「……パー?」
姫「エクスカリ“バー”でしょ?」
盗賊「そうだよっ! エクスカリバーだっつーの!」
姫「知ってるよーさすがに」
盗賊「知ってんなら答えろやっ」
7 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 01:36:57.81 ID:LGz+aOINO
ゴゴゴ……
姫「わっ! わわわ」
盗賊「なっ!……勇者の石像に石の剣が現れた」
ギィィ……
姫「わぁ! 扉が開いた」
盗賊(王族の魔力イメージに反応したのか?)
姫「この勇者の石像……幼いわね、キミと同じくらいの歳かな」
盗賊「お若いのにご立派なこって」
姫「遥か昔、勇者は魔王を倒す為に旅立った……」
盗賊「ケッ」
姫「勇者が何故旅立ったか知ってる?」
盗賊「さぁ? 女神の啓示か、それとも生まれ持った正義感か? ハハッ」
姫「勇者の故郷……始まりの町は魔王軍によって滅ぼされたの。助かったのは彼だけ」
盗賊「つまりは……」
盗賊「復讐……だったのか」
姫「ええ、伝説では語られなかったけど王家の伝承にあったわ」
姫「彼は滅びた故郷の残骸を漁り300Gだけを手にして旅立ったそうよ」
盗賊「伝説の言い伝えとは正反対の旅立ちだったわけか」
姫「そうね……よし入りましょ」
8 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 01:38:22.25 ID:LGz+aOINO
−−−第1の部屋−−−
姫「なーんもない部屋」
盗賊「殺風景な部屋にまた次への扉」
姫「むー」
盗賊「このダンジョンについて知ってることは?」
姫「さぁ? なにも」
盗賊「ここは王都の王宮、つまりお前ん家。その地下にあるダンジョンなのに何も知らねぇのか?」
姫「知らないわよ、このお城は遥か昔にご先祖様が建てたんだもの」
盗賊「王族の先祖は伝説の勇者だっけか?」
姫「ええ」
盗賊「伝説の勇者は魔王を倒した後、王になり城の地下に秘宝を隠した……」
姫「私も勇者の血を引いてるのよね」
盗賊「さ、先へ進むには……」
9 :
◆Ks1JsTemxeE/
[sage]:2017/07/08(土) 01:39:57.09 ID:LGz+aOINO
姫「次への扉はまた開かないっと……さ、少年くん謎解いて」
盗賊「てめぇ全部人任せかよ」
姫「その為にキミを連れて来たのよ、つべこべ言わない」ニコッ
盗賊「ケッ」
姫「にしても……この部屋何もないわね」
盗賊「よく見ろや、床の模様」
姫「むー……この模様。円を描くように……」
姫「剣と盾」
盗賊「大剣」
姫「杖」
盗賊「メイス……」
姫「全部武器ね……何を表しているのかしら?」
盗賊「このダンジョンは伝説の勇者の迷宮だ。勇者に関係する何かだろうな」
姫「また勇者の武器は……片手剣と盾よね? また武器の名前?」
盗賊「いや、違うな」
盗賊「円の模様、いろんな武器……何を表してる?」
姫「むー?」
盗賊「この模様が表してるのは……勇者達の>>??」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/08(土) 02:39:37.12 ID:E7ZBi/uG0
性器のシンボル
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/08(土) 03:42:29.70 ID:0XI0uW4DO
逞しい剣と、それをしっかりと包み隠し守護る盾、つまり勇者は包茎
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/08(土) 09:31:47.81 ID:5RWmuJcc0
なかま
13 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 10:56:47.56 ID:I/wVrg/dO
>>12
盗賊「この模様が表してるのは……勇者達の仲間」
盗賊「勇者と仲間達の絆だ」
姫「ああ……! 勇者の剣と盾!戦士の大剣、魔法使いの杖、僧侶のメイス」
ゴゴゴ……
姫「やた! 次の扉が開いた」
盗賊「勇者と仲間達の絆が最大の武器ってな、伝説に仕掛けを解くヒントがあるみてぇだな」
姫「伝説の勇者の仲間達は………なぜ勇者についていったか分かる?」
盗賊「世界を平和にしたかったんじゃねぇの?」
姫「ちがうわ。復讐を誓う勇者の仲間よ?」
盗賊「じゃなんだよ?」
14 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 10:58:17.33 ID:I/wVrg/dO
姫「戦士は王都の地下街の殺人鬼、魔法使いは禁術を研究する迷いの森の魔女、僧侶は教会の教えを守らず堕落した悪僧」
盗賊「はぁ?!」
姫「みんな人と関わらず、街を離れざるおえなかった者たち……勇者の復讐に共感し、勇者の為に戦った。人や世界を救うなど考えていなかったそうよ」
盗賊「……」
姫「彼らに正義感はなかった。それでも絆が強かったのは事実」
盗賊「そうだったのか」
姫「……」
盗賊「なんか逆に納得だな。見返りの無い正義感で旅してますって方が理解できん」
姫「よく納得できるわね、私には分からない。勇者達がどんな気持ちで旅をしたのか」
盗賊「俺は盗賊稼業をやってるもんでね、自分が社会的に悪なのは分かっている」
姫「社会的に悪……」
盗賊「でもな、俺には俺の正義があんだよ……勇者達も同じで彼らだけの正義があったんだろう」
15 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 10:59:36.41 ID:I/wVrg/dO
姫「分からないわ……人の物を盗むキミの正義って何?」
盗賊「貴族のアンタらはスラムの現状を知らねぇ。生きて行く為に奪い合うのは当然の考えだ」
姫「みんなで助け合えば……」
盗賊「スラムにいると綺麗事に虫酸が走る……王族の金でスラム全ての人を助けられるのかよ?」
姫「……すぐには無理かもしれないけど」
盗賊「ここで議論しても何も変わらねぇし、変えようとも思わねぇ」
姫「でも……」
盗賊「そんな世の中なんだ。ただそれだけ。さ、先へ行こうぜ」
姫「……」
16 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 11:00:45.45 ID:I/wVrg/dO
−−−第2の部屋−−−
盗賊「また開かねぇ扉と勇者に纏わる仕掛けか」
姫「扉の周りには水霊、火精、風獣の石像」
盗賊「一つ足りねぇよな」
姫「何もない台座が一つ」
盗賊「水霊ウンディーネ、火精イフリート、風獣ハーピーとくると残るは……土族だな。わかるか?」
姫「えーと?」
盗賊「伝説の勇者が旅で出会った亜人種達のことだ」
姫「勇者の旅……」
盗賊「鍛治や石工を得意とする種族>>??だ」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/08(土) 11:04:37.41 ID:I/Fr08DC0
ドワーフ
18 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 11:15:37.08 ID:I/wVrg/dO
>>17
盗賊「鍛治や石工を得意とする種族ドワーフだ」
ゴゴゴ……
姫「わっ! わわわ」
盗賊「台座にドワーフの石像が現れた」
ガチャ……ギィィ……
姫「わぁ! 扉が開いた」
盗賊「フンッ……楽勝。順調だな」
19 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 11:17:06.42 ID:I/wVrg/dO
姫「さすがね、噂通りただの少年盗賊じゃないのね」
盗賊「少年は余計だ」
姫「なによ、褒めてあげたのに。頭いいなって」ウフ
盗賊「スラムではまともな教育は受けれねぇが、俺にはアニキがいたからな」
姫「お兄さんに勉強教えてもらっていたの?」
盗賊「ああ……」
姫「お兄さんは今どこに?」
盗賊「ケッ……俺のこたぁいいんだよ。今は勇者だろが」
姫「そうね」
20 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 11:18:36.98 ID:I/wVrg/dO
盗賊「勇者は清く正しく人助けでもしながら旅したんだろな。俺と違って」
姫「ええ……勇者は亜人種達の協力を得て旅を進めたのだけれど、人間嫌いの彼らが何故勇者に協力したと思う?」
盗賊「あれだろ、なんか亜人種達が困ってることを解決してやったんだろ?」
姫「そう。魔物に困ってたら倒してあげたり、病に苦しんでたら薬を用意してあげたり、盗まれた物を取り返してあげたりとか」
盗賊「はいはい、立派な正義の味方だね〜」
姫「……そんなにどの種族も困ったことになってると思う?」
盗賊「は? どういう意味だ?」
姫「勇者達の策略よ。亜人種達が困るように」
盗賊「まさか……魔物や病、盗みを自分達でやって、そ知らぬ顔で助ける振りをしたってことか?!」
姫「そういうこと」
盗賊「ハハッ……なんだそりゃ詐欺師じゃねぇか」
盗賊「面白れぇ」
21 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 11:21:00.25 ID:I/wVrg/dO
−−−第3の部屋−−−
姫「凄いこの部屋……木の根が壁に纏わり付いてるわ」
盗賊「姫さん、松明の火が燃え移らねぇようにな」
姫「う、うん……」
盗賊「お宝は無しと……また扉か」
ガチャガチャ
姫「やっぱり開かないわね。わかっていたけど」
盗賊「扉に何か書いてないか?……文字?」
姫「えーと……『9つの世界を繋ぐ根、世界を体現する巨大な幹、生命を蘇らせる精霊の葉』」
盗賊「これは……アレのことだな」
姫「え? もう分かったの??」
姫「えー……ちょっと考える……むー??」
盗賊「>>??だな」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/08(土) 12:05:51.60 ID:vul7sHrKO
ユグドラシル
23 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 12:26:41.15 ID:I/wVrg/dO
>>22
盗賊「ユグドラシルだな」
姫「世界樹のことね!」
ギィィ……
姫「やった」
盗賊「伝説ではたしか……勇者は世界樹に大いなる力を授かり魔王軍と戦ったんだったかな?」
姫「ええ、でも伝承とは少しだけ違う」
盗賊「ははーん、読めたぞ。現在世界樹は存在しない。つまり授かったんじゃなくて奪い盗ったんだろ?」
姫「正解」
24 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 12:32:30.73 ID:I/wVrg/dO
盗賊「非道なことかも知らんが、まぁ木一本の犠牲。魔王に勝つためには仕方ないと思うがな俺は。魔王に勝てなきゃ人間滅びてたんだろうし」
姫「ただの木では無いわ。当時、大地の神と言われていた世界樹。勇者は力を得る為に世界樹を焼き払ったの……どうなったと思う?」
盗賊「……」
姫「全ての大地から養分が消えて、植物が育つのが難しい世界に。多くの土地が砂漠化したそうよ」
盗賊「な……!」
盗賊「そんなこと……いや、で、でもよ! 魔王倒した後で何とかしたんだろ?! 現に今は植物あるしよっ」
姫「……まあ、そうね」
盗賊「……」
姫「次の間へ行きましょう」
25 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 12:37:40.35 ID:I/wVrg/dO
−−−第4の部屋−−−
盗賊「勇者ってのはマジでとんでもねぇヤツだったんだな」
姫「理解出来ない?」
盗賊「フンッ伝説の綺麗事よりは理解できるな。結果的には平和な世界を作ったんだしよ」
姫「そうよ、今私たちが幸せに争いなく暮らせてるのは勇者達あってのこと」
盗賊「しかしよー、そのとんでもねぇ勇者が残した秘宝ってのは何なんだろうな?」
姫「さぁ? それが知りたいからお父様や執事に内緒でここまで来たのよ」
盗賊「……。ちゃんと秘宝見つけたら俺を自由にしろよな。今、城の兵士に見つかったら姫さん誘拐で打ち首にされちまう」
姫「安心して、私必ず約束だけは守るようにお父様に言われているの」アハ
盗賊「とんでもねぇ勇者の子孫だからな……信用していいのか」ハァ
姫「えーと、今度の部屋は〜★」
26 :
◆Ks1JsTemxeE/
[saga]:2017/07/08(土) 12:40:40.74 ID:I/wVrg/dO
盗賊「……」
姫「今度はお馬に乗った騎士さんの絵画ね」
盗賊「入口の勇者の石像と一緒で武器を持ってないな」
姫「この方は誰だろう……伝説の勇者のパーティには騎士はいなかったわよね?」
盗賊「だな。王都の騎士団の団長とか? 勇者に協力して魔王軍と戦ったんじゃなかったか?」
姫「違うわ。当時の騎士団長は女性だったもの、この絵画はどう見ても男性の騎士」
盗賊「眼帯している片目の騎士……の武器? そんな伝説あったかな」
姫「あれ? この騎士さんは武器もないけど、鞘もないわ」
盗賊「お、姫さんいいとこ気付くなぁ」
姫「むー?」
盗賊「つまりはこの騎士の武器は剣じゃなかったってことだ。あ、わかった!」
姫「えーーー!!???」
盗賊「彼は>>??で武器は>>??だ」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/08(土) 12:42:57.56 ID:pd9oLoo+O
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