ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」

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85 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 21:56:18.91 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「あ、あの、ダイヤお姉ちゃん」コンコンコン

ダイヤ「……ん? ルビィですの?」

ルビィ「あ、あのね。怖い夢見ちゃって……」

ダイヤ「あらそうでしたの」

ルビィ「だから、一緒に寝てほしいなって」

ダイヤ「ふふ、ルビィはいつまで経っても子供ですわね」ナデナデ

ダイヤ「いいですわよ、来なさい」

ルビィ「わぁい♡」
86 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 21:56:45.40 ID:dcuYNjbg0
曜「あ、あのお姉ちゃん……?」

善子「サファイアたちは?」

ダイヤ「あぁ、ごめんなさい。今回はルビィが優先ですわ」

ダイヤ「あっ、そうですわ!」

ダイヤ「さっきサファイアが言っていたように2人で寝たら?」

曜「え?」

ルビィ「うゅゅ……」ウルウル

ダイヤ「ほら、怖くないですわよ」ナデナデ

ダイヤ「おやすみなさい、サファイア、オブシディアン」パタン

曜「え……?」
87 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 21:57:19.31 ID:dcuYNjbg0
――
オブシディアンルーム

善子「確かにお姉さまのにおいはするけど……」

曜「あ、暗い中で見るとサファイアちゃんお姉ちゃんっぽい」

曜「匂いもあって温もりもあっていいかも」

善子「……オブシディアンばっかりずるい」

善子「お姉さまみたいになでてよ」

曜「ん、仕方ないなあ」ナデナデ

善子「えへへ♡ お姉さまぁ♡」
88 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 21:57:50.13 ID:dcuYNjbg0
善子「すぅ、すぅ……」

曜「あ、もう寝ちゃったんだ」ナデナデ

曜「そういえばサファイアちゃんと寝るのも久しぶりかも」

曜「昔はよく一緒に寝たのにね」ナデナデ

曜「……まあ、大抵ダイヤお姉ちゃんも一緒だったけど」

曜「昔からサファイアちゃんとはお姉ちゃん取り合ってたっけ」クスクス

曜「おやすみ、サファイアちゃん」ナデナデ
89 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 21:58:31.33 ID:dcuYNjbg0
――
翌朝

花丸「あ、サファイアちゃんいた!」

千歌「えぇ? オブシディアンちゃんの部屋にいたの!?」

果南「なんでまたオブシディアンの部屋に……」

梨子「サファイアちゃんを起こしに行ったらいないから何事かと思ったよ……」ホッ

鞠莉「ふふ、この2人仲いいんだね」クスクス

千歌「ね、結構ダイヤねえの取り合いしてるイメージだったのに」

果南「ケンカするほど仲がいいってやつじゃないの?」
90 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 21:59:00.39 ID:dcuYNjbg0
曜「お姉ちゃん、サファイアちゃん……」ムニャムニャ

善子「おねえさまぁ、オブシディアン……」ギューッ

曜「んん……」パチッ

千歌「あ、起きた」

曜「うええっ!? なんでみんないるの!?」

梨子「サファイアちゃんが部屋にいなかったから探してたらここにいたから」クスクス

鞠莉「こんなに姉妹で仲良くてお姉ちゃん嬉しいなー」クスクス

曜「ち、ちがっ! これはちがくて!」
91 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 21:59:45.45 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「ご飯冷めてしまいますわよー」

果南「あ、ダイヤが呼んでる」

花丸「じゃあオブシディアンお姉ちゃん。サファイアちゃん起こしてきてね」

千歌「よろしくね」フリフリ

梨子「えっと、ごゆっくり」ニコッ

鞠莉「ご飯冷めないうちにね」

曜「だからこれには事情があるの!」

善子「むにゃむにゃ」

曜「サファイアちゃんはさっさと起きてよ!」

おわり
92 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:00:32.97 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」千歌「五女なのだ!」
――

千歌(アンバーは今日ダイヤねえに恩返しをします!)

千歌(厳しいけど、とっても優しいダイヤねえ――)

千歌(小さい頃からいつか大きくなったら恩返しするんだ、って思ってたの)

千歌(だから、今日はアンバーが今までしてもらったことを恩返しするね!)

千歌「待っててね、ダイヤねえ!」

ダイヤ「呼びました?」

千歌「うわっ……!?」
93 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:01:02.67 ID:dcuYNjbg0
千歌「え、えっとダイヤねえはなんでここに?」

ダイヤ「お風呂をいただこうと思いまして」

千歌「っ!」

千歌(これはグッドタイミングだよ! まずはお風呂で恩返ししよう!)

ダイヤ「では、わたくしはお風呂をいただきますわね」

千歌「うん、ごゆっくり!」
94 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:01:54.51 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「ふんふーん♪」ヌギヌギ

千歌(鼻歌歌いながら脱衣するダイヤねえかわいい)

ダイヤ「」ガチャッ

千歌「お、ダイヤねえ入ったかな?」

千歌「じゃあアンバーも――」ヌギヌギ

ダイヤ「……誰かいますの?」

千歌「アンバーでーす」

ダイヤ「あぁ、アンバーですの」

ダイヤ「……なんでいますの?」
95 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:03:11.62 ID:dcuYNjbg0
千歌「じゃあ失礼しまーす」

ダイヤ「っ!? な、なぜ入ってきますの!?」

千歌「まあまあ、背中流すからあっち向いてて」

ダイヤ「な、なんですの、急に――」

千歌「今日のアンバーはダイヤねえに恩返しするのだ!」

千歌「まずはダイヤねえの身体を洗ってあげるね」

ダイヤ「自分で洗えますわよ!」
96 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:03:46.61 ID:dcuYNjbg0
千歌「でもダイヤねえ昔アンバーの身体洗ってくれたでしょ?」

ダイヤ「まあ、アンバーが小さい頃には」

千歌「だからその恩返しなの!」

千歌「ほら、あっち向いてて」

ダイヤ「で、ですから!」

千歌「えいっ」セナカツーッ

ダイヤ「ぴぎゃあっ!?」ビクッ

千歌「恩返しするんだからじっとしてて!」
97 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:04:37.96 ID:dcuYNjbg0
千歌「うわぁ、ダイヤねえ肌白い」

ダイヤ「あ、あまりじろじろ見ないでくださる?」

千歌「えー、いいじゃん姉妹なんだしー!」

ダイヤ「姉妹でも恥ずかしいものは恥ずかしいですわ!」

千歌「あ、ダイヤねえの白い肌を傷つけないように手で洗うね」

ダイヤ「へ?」

千歌「うりゃー」ヌチャァ

ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
98 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:05:07.40 ID:dcuYNjbg0
千歌「どう? ダイヤねえ」

ダイヤ「くすぐったいですわ……!」プルプル

千歌「ダイヤねえの肌すべすべで気持ちいい」

ダイヤ「んぅっ。本当にくすぐったいですわ……」

千歌「あ、ダイヤねえ色っぽい声出してる」クスクス

ダイヤ「だって、声が勝手にぃ、あぁっ♡」

千歌「前の方も洗ってあげるね」

ダイヤ「ま、前は結構ですから! んんぅっ♡」
99 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:05:56.97 ID:dcuYNjbg0
――

ダイヤ「はあ、ひどい目にあいましたわ……」

千歌「えー、アンバー頑張ったのに」

ダイヤ「いえ、気持ちは嬉しかったんだけれど――」ガチャッ

ダイヤ「ふふっ」ペリッ

千歌「あ、ダイヤねえプリン食べるの?」

ダイヤ「えぇ、お風呂上りに食べようと取っておきましたの」パクッ

ダイヤ「んんぅ♡ おいしいですわ♡」
100 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:06:24.06 ID:dcuYNjbg0
千歌(こ、これはダイヤねえにあーんできるチャンス……!)

千歌(もう少し機を伺おう)ジーッ

ダイヤ「……ん?」

千歌「……」ジーッ

ダイヤ「はぁ、仕方ないですわね」スッ

千歌「え?」

ダイヤ「あーん」

千歌「あ、あーん、ぱくっ」
101 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:06:50.64 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「おいしい?」

千歌「うんっ!」

ダイヤ「それはよかったですわ」

千歌「……って、ちがうよ!」

ダイヤ「何が違うんですの?」

千歌「逆だよ逆!」

ダイヤ「逆って? スプーンは逆じゃありませんけど?」
102 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:07:44.27 ID:dcuYNjbg0
千歌「じゃなくて逆なの!」

ダイヤ「ですから何が!?」

千歌「アンバーがダイヤねえにあーんするの!」

ダイヤ「……はあ?」

千歌「スプーン貸して」

ダイヤ「いや、自分で食べられますわよ?」

千歌「いいからっ!」
103 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:08:14.66 ID:dcuYNjbg0
千歌「ダイヤねえ、あーん」スッ

ダイヤ「いえ、ですから」

千歌「ダイヤねえが食べないんだったらアンバーが全部食べちゃうよ?」

ダイヤ「なっ! プリンを人質に取るなんて……!」

千歌「だから、あーん」

ダイヤ「あ、あーん」パクッ

千歌「ダイヤねえ、おいしい?」

ダイヤ「えぇ、まあ」
104 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:08:40.72 ID:dcuYNjbg0
千歌「じゃあもう一口、あーん」

ダイヤ「まだやりますの!?」

千歌「全部食べ終わるまでやるけど?」キョトン

ダイヤ「恥ずかしいんですけど」

千歌「えー、アンバーはダイヤねえに食べさせてもらうといつもよりおいしく感じるのに」

ダイヤ「ま、まあ、それはありますけど……」

千歌「ふふ、じゃああーん」

ダイヤ「あ、あーんですわ」パクッ
105 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:09:20.60 ID:dcuYNjbg0
――
ダイヤルーム

ダイヤ「恩返ししてくださるのは嬉しいけど、なんというか恥ずかしいですわ……」

ダイヤ「今日はと言っていましたしもう終わりですわよね」

ダイヤ「さて、そろそろ眠りましょう」

コンコンコン

ダイヤ「? はーい?」

ダイヤ「この時間に尋ねてくるとするとルビィかサファイアかオブシディアンでしょうか……」

千歌「ダイヤねえ! 一緒に寝よう!」ガチャッ

ダイヤ「あ、アンバー!?」
106 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:10:00.62 ID:dcuYNjbg0
千歌「えへへ、一緒のベッドで寝るのなんて久しぶりだね、ダイヤねえ?」

ダイヤ「アンバーが小学校入る少し前以来?」

千歌「んーん、最後に寝たのは小学3年生の時」

千歌「アンバーがオブシディアンちゃんと喧嘩したときにダイヤねえがおいでって」

ダイヤ「……そんなこともありましたわね」

千歌「あの時ね、すっごくダイヤねえが温かかったんだ」

千歌「アンバーの話を聞いてくれて、一生懸命考えてくれて」

千歌「おかげで次の日には仲直りできて」エヘヘ
107 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:10:39.16 ID:dcuYNjbg0
千歌「あの時のダイヤねえ、こうしてアンバーの頭なでてくれたんだ」ナデナデ

ダイヤ「……よく覚えていますわね」

千歌「だって、すっごく嬉しかったから」

千歌「小学校に入ってからいつもアンバーのこと叱ってダイヤねえはアンバーのこと嫌いになったんだ、って思ってたの」

千歌「けど、本当はアンバーのことすごく思ってくれてるっていうのがわかって」

千歌「ダイヤねえのこともっと大好きになったんだよ」ニコッ

ダイヤ「わたくし、アンバーのことを一度も嫌いだなんて思ったことありませんわよ?」ナデナデ

千歌「うん、ありがとう」
108 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:11:05.04 ID:dcuYNjbg0
千歌「ダイヤねえ」

ダイヤ「なんですの?」

千歌「あのね」

ダイヤ「?」

千歌「だいすきっ!」モギュッ

ダイヤ「っ!」

ダイヤ「わたくしも大好きですわよ、アンバー」ナデナデ
109 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:11:43.68 ID:dcuYNjbg0
千歌「えへへ、すぅ、すぅ……」

ダイヤ「もう、寝てますの!?」

ダイヤ「寝つきがいいのは昔から変わっていませんわね」クスクス

ダイヤ「少し恥ずかしかったけれど、恩返し嬉しかったですわよ」ナデナデ

ダイヤ「あんなに小さかったアンバーがこんなに大きくなりましたのね」ナデナデ

ダイヤ「おやすみなさい、アンバー」
110 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:12:33.67 ID:dcuYNjbg0
――
翌日

千歌「待てー! アクアマリンちゃん!」ドタドタ

ダイヤ「……なんの騒ぎですの?」

果南「あ、ダイヤ! アンバーが一緒にお風呂に入ろうとしてきて!」

ダイヤ「一緒にお風呂に――あぁ……」

千歌「今日はアクアマリンちゃんに恩返しするのっ!」

ダイヤ「って言ってますわよ?」

果南「でもこの歳で一緒にお風呂は恥ずかしいって!」

千歌「待てー! アクアマリンちゃん!」ドタドタ

ダイヤ「ふふ、あまり家の中で暴れてはいけませんわよー」クスクス

おわり
111 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:13:12.08 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」梨子「六女です!」
――

ダイヤ「……今なんと?」

梨子「弟子にしてください!」

梨子「ダイヤお姉ちゃ――いえ、師匠!」

ダイヤ「………はい?」

梨子「師匠!」

ダイヤ「わたくしは師匠ではありませんわ!」

ダイヤ「大体なんの師匠なんですの!?」
112 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:13:49.77 ID:dcuYNjbg0
梨子「私って六女でしょ?」

ダイヤ「えぇ、そうですわね」

梨子「上に5人のお姉ちゃんがいるけど下にサファイアちゃんとルビィちゃんとトパーズちゃんがいるの」

ダイヤ「えぇ」

梨子「そこで私は考えました、私は姉として誇れる姉なのかと」

ダイヤ「……誇れる姉?」

梨子「そういえばあの3人からあんまり甘えられたことがない、と」

ダイヤ「そうでしたの?」
113 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:14:21.67 ID:dcuYNjbg0
梨子「だってみんなダイヤお姉ちゃんにベッタリだし、特にサファイアちゃん」

梨子「それってダイヤおねえちゃんが理想のお姉ちゃんだからだと思うの!」

梨子「私から見てもダイヤお姉ちゃんって素敵だし!」

ダイヤ「な、なんだか照れますわね」

梨子「だから、姉としての行動を学ぶために弟子にしてください! ダイヤおね、師匠!」

ダイヤ「……姉なのか師匠なのかはっきりしませんわね」

梨子「師匠お姉ちゃん!」

ダイヤ「さらに変な方向に!?」
114 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:15:02.33 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「というか、わたくし別に理想の姉であるとは思いませんけど」

梨子「でも、9姉妹の中で一番お姉ちゃんしてるのって師匠お姉ちゃんだと思うし」

ダイヤ「あぁ、その呼び方で決定ですのね……」

ダイヤ「というかわたくしの上に1人姉がいますけど?」

梨子「あーラピスラズリお姉ちゃんは、ほら……」

ダイヤ「まあ、言いたいことはわかりますわ」

梨子「だから師匠お姉ちゃん!」
115 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:15:32.29 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「しかし教えられることなんてありませんわよ?」

梨子「それでいいから!」

ダイヤ「いいんですの!?」

梨子「見て学ぶから!」

ダイヤ「……もしかして今日1日?」

梨子「1日といわず免許皆伝するまで!」

ダイヤ「それっていつになりますの……」

梨子「師匠お姉ちゃんはいつも通りにしてていいから」
116 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:16:13.64 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「いつも通りといわれても……」

善子「お姉さま」コンコンコン

梨子「あ、ほら。サファイアちゃんきたよ!」

ダイヤ「……どうぞ」

善子「お姉さま! って、ガーネットも一緒なのね」

梨子「あ、私は気にしないでいいよ」

善子「……お姉さまっ!」ダキッ

ダイヤ「本当に気にしませんのね!?」

善子「だって邪魔しないなら別にいいし」
117 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:17:17.58 ID:dcuYNjbg0
善子「ねえお姉さま、サファイアね、見たい映画があるの」

ダイヤ「……どういう映画?」

善子「恋愛映画なんだけどね」

善子「姉と妹の禁断の愛を描いた映画で――」

ダイヤ「それを姉妹で見に行くのはどうなんですの?」

善子「でもお姉さま映画好きでしょ?」

ダイヤ「まあ、それは」
118 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:17:56.01 ID:dcuYNjbg0
善子「じゃあ約束! 明日みにいきましょ!」

ダイヤ「あぁ、ちょっと勝手に――」

善子「ゆびきりげんまん嘘ついたらキス千回さーせるっ」

ダイヤ「はあ?」

善子「ゆびきったっ!」

ダイヤ「ちょ、ちょっとサファイア!」

善子「約束だからね!」タタタッ

梨子「……師匠お姉ちゃんってなんであんなにサファイアちゃんに懐かれてるの?」

ダイヤ「正直わたくしにも分かりませんわ」
119 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:18:25.74 ID:dcuYNjbg0
梨子「えー!? 分からないんじゃ参考にできないじゃない!」

ダイヤ「だからわたくしは教えられることなどないと」

ルビィ「ダイヤお姉ちゃん!」コンコンコン

ダイヤ「あぁ、ルビィどうしました?」

ルビィ「ガーネットお姉ちゃん一緒だけど今大丈夫?」

ダイヤ「えぇ、ガーネットはわたくしについてきてるだけなので」

梨子「お構いなく」

ルビィ「う、うん」
120 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:19:22.69 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「実はね、トパーズちゃんとケンカしちゃって」

ダイヤ「トパーズと? 珍しいですわね」

ルビィ「トパーズちゃんが楽しみにしてたおはぎ食べちゃって」

ダイヤ「あぁ……」

ルビィ「謝っても許してくれないの!」

ダイヤ「ルビィ、あなたはいつも確認しないから」

ダイヤ「何度わたくしのアイスやプリンを食べました?」

ルビィ「ぴぎぃ……」
121 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:20:23.07 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「食べる前に確認するよういつも言っていますわよね?」

ルビィ「うん……」ウルウル

ダイヤ「その確認を怠ったから今回のことにつながったのでしょう?」

ルビィ「うん………」

ダイヤ「次からはどうすればいい?」

ルビィ「ちゃんと確認します……」

ダイヤ「じゃあそのことをトパーズに伝えて。そうすればきっとトパーズも許してくれますわ」

ルビィ「うん……!」

ダイヤ「ちゃんと食べたことも謝るんですのよ!」
122 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:21:19.83 ID:dcuYNjbg0
梨子「……なるほど、叱るところはきちんと叱る」メモメモ

ダイヤ「甘やかしたら大人になってから大変ですから」

梨子「でもルビィちゃんって怒られたら怖がりそうなのになんで師匠お姉ちゃんのところにくるんだろう」

ダイヤ「さあ、正直わたくしのこと嫌いになってもおかしくないと思いますわ」

梨子「でもすごく信頼してるよね」

ルビィ「あ、ダイヤお姉ちゃん! あのね、あのね!」ドタドタ

ダイヤ「仲直りはできまして?」

ルビィ「うんっ!」
123 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:21:52.50 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「きちんと謝れましたのね」ナデナデ

ルビィ「えへへ」ニコニコ

ダイヤ「ほら、せっかく仲直りしたんだからトパーズのところに戻りなさい」

ルビィ「うん、ありがとうお姉ちゃん!」トテトテ

ダイヤ「ふふ」ニコッ

梨子「……なるほど」

ダイヤ「なんですの?」
124 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:22:38.91 ID:dcuYNjbg0
梨子「叱るところは叱る、褒めるところは褒める」メモメモ

梨子「師匠お姉ちゃんって厳しいだけじゃなくてみんなのこと思ってるって言うのがすっごく伝わってくるからみんな大好きなのかな」クスクス

ダイヤ「まあ確かにみんな大好きですけど」

梨子「みんなのことが大好き」メモメモ

ダイヤ「それもメモしますの?」

梨子「うん、まあ一応」

ダイヤ「ガーネットはみんなのこと好きではありませんの?」

梨子「いや、それはまあ、好きだけど」

ダイヤ「じゃあメモする必要もないでしょう?」

梨子「だから一応だって!」
125 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:23:10.91 ID:dcuYNjbg0
――

梨子「じーっ」

ダイヤ「……」カリカリ

梨子「休みの日も勉強はかかさない」メモメモ

ダイヤ「あの、ガーネット?」

梨子「はい?」

ダイヤ「わたくししばらく勉強しますわよ?」

梨子「あ、お構いなく。私も勉強しつつ見守るから」

ダイヤ(……気になりますわね)
126 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:23:43.44 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「……」

梨子「………」

ダイヤ「あの、ガーネット?」

梨子「はい」

ダイヤ「お茶にします?」

梨子「集中力が切れるのは早い」メモメモ

ダイヤ「誰のせいだと思ってますの!?」
127 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:24:34.13 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「人に見られていると集中できませんわ」ハァ

梨子「人に見られてると集中できない」カリカリ

ダイヤ「それは書く必要ないでしょう!?」

梨子「あとで必要なことは抜粋するから」

ダイヤ「……お茶用意しますわね」

梨子「あ、私もいく!」

ダイヤ「じゃあせっかくだしリビングでお茶しましょうか」

ダイヤ「あっちの方が広いですし」
128 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:25:25.08 ID:dcuYNjbg0
梨子「じゃあ行こう!」フラッ

ダイヤ「ガーネット!?」ギュッ

梨子「あれ? どうしたんだろう……」

ダイヤ「それはこっちが――ってあつっ!」

梨子「へ?」

ダイヤ「あなた熱ありますわよ!?」

梨子「あー……。そういえば頭重いかも……」

ダイヤ「妙にテンションが高いから変だと思いましたわ」
129 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:25:57.00 ID:dcuYNjbg0
梨子「私は大丈夫だから、ほらお茶いこ?」フラッ

ダイヤ「お茶は中止。ほらベッドに寝て」

梨子「で、でも」

ダイヤ「でもじゃありませんわ。熱があるときはゆっくり休む」

梨子「うぅ……。はーい……」

ダイヤ「タオルと飲み物持ってきますわね、安静にしてますのよ」

梨子「……優しい」メモメモ

ダイヤ「メモもしない! 没収ですわ!」

梨子「あぁっ!」
130 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:26:51.49 ID:dcuYNjbg0
梨子(ダイヤお姉ちゃんの香りがする……)

梨子(すごく優しくて、落ち着く)

梨子(昔はよくアンバーちゃんとかオブシディアンちゃんと一緒によく寝てたなあ……)

梨子(ダイヤお姉ちゃんって、私が目指してなれるようなものじゃなかったんだ)

梨子(ダイヤお姉ちゃんは昔からずっとお姉ちゃんで、これからもお姉ちゃん)

梨子(やっぱりダイヤお姉ちゃんには敵わないなあ……)アハハ...
131 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:27:28.34 ID:dcuYNjbg0
善子「ガーネット!」バァン

梨子「あれ? サファイアちゃん?」

善子「熱出したって聞いたから!」

梨子「うん、まあそうみたい」

善子「っ! えいっ」ピトッ

梨子「え? な、なに?」

善子「サファイアの手冷たいからひんやりして気持ちいいでしょ?」

梨子「くすっ、ありがとう」ニコッ
132 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:28:06.65 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「ガーネットお姉ちゃん!」

花丸「熱出したって本当!?」

梨子「ルビィちゃんにトパーズちゃんも!?」

ルビィ「ガーネットお姉ちゃん死んじゃやだっ!」

花丸「えっ!? ガーネットお姉ちゃん死んじゃうの!?」

梨子「いや、そこまで大事じゃないから!」

ルビィ「え、えっと。じゃあルビィは手を握っててあげるね」ギュッ

花丸「トパーズは子守唄歌ってあげるずら!」

梨子「ふふ、ありがとう」クスクス
133 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:28:38.39 ID:dcuYNjbg0
――

ダイヤ「ガーネット、だいじょ――あら」

梨子「すぅすぅ……」

善子「お姉さま、しーっ」

ルビィ「えへへ、今寝たところなんだ」

花丸「大好きなガーネットお姉ちゃんが倒れたって聞いていてもたってもいられなくて」

ダイヤ「ふふ、師匠とか言うまでもなく、慕われてるじゃありませんの」
134 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:29:15.40 ID:dcuYNjbg0
千歌「ガーネットちゃん!」ドタドタ

曜「大丈夫!?」バタバタ

果南「あ、ちょっと、静かに!」

鞠莉「ガーネットが倒れたって聞いたんだけど!」ドタドタ

ダイヤ「今ガーネット寝てますのよ!? 静かになさい!」

梨子「すぅ、すぅ……」

ダイヤ(姉としても妹としても愛されて、ガーネットは黒澤家の誇れる姉妹ですわよ)ナデナデ

おわり
135 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:30:19.05 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」サファイア「七女よ!」
――


善子「あ、お姉さま!」

ルビィ「その時トパーズちゃんがね」

ダイヤ「ふふ、それはそれは」クスクス

善子「むーっ……」

――

善子「おねえさ――」

花丸「それでサファイアちゃんったらね」

ダイヤ「サファイアもかわいらしいところがありますわね」クスクス

善子「むーーーっ!」プクーッ
136 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:31:05.51 ID:dcuYNjbg0
――

ダイヤ「あぁ、サファイアごきげんよう」

善子「……ダイヤお姉ちゃんごきげん――おはよう」

ダイヤ「? どうかしました?」

善子「何が?」

ダイヤ「なんだかいつもと違うというか……。熱でもあるんですの?」スッ

善子「触らないでっ!」パシッ

ダイヤ「っ!」

善子「っ!」スタスタ
137 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:31:50.75 ID:dcuYNjbg0
鞠莉「あれ? ダイヤどうしたの? 廊下の真ん中で突っ立って」

ダイヤ「……サファイアが」

鞠莉「サファイアが?」

ダイヤ「サファイアが反抗期ですわっ!」

鞠莉「サファイアが? What?」

ダイヤ「サファイアが、サファイアがっ!」アセアセ

鞠莉「とりあえずダイヤ落ち着いて、Be cool!」
138 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:32:53.69 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「だってサファイアが、サファイアが!」

鞠莉「ほら水飲んで落ち着いて!」

ダイヤ「んっ、んっ」

ダイヤ「ありがとうございます……」

鞠莉「それで、何があったの?」

ダイヤ「実はサファイアが反抗期で」

鞠莉「それは分かったから詳しく説明して?」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/05(水) 22:33:12.91 ID:VmQZE4wuO
お、ここから新作か
140 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:34:45.48 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「実は、サファイアがわたくしのことお姉ちゃんって呼んだんですのよ!」

鞠莉「何かおかしいの?」

ダイヤ「明らかにおかしいでしょう!? あの子はわたくしのことお姉さまって呼ぶんですのよ!?」

鞠莉「あぁそういえばダイヤのことだけお姉さまだったね」

ダイヤ「わたくしのことダイヤお姉ちゃんって呼ぶのはきっと反抗期ですわ!」

鞠莉「そういう年頃じゃない?」

ダイヤ「ですから反抗期なんですわ!」ウルウル
141 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:36:01.06 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「それに朝の挨拶もおはようでしたの!」

鞠莉「それこそ普通じゃない」

ダイヤ「違いますの! わたくしがごきげんようと言ったのにおはようだったの!」

鞠莉「??」

ダイヤ「サファイアの挨拶はわたくしに合わせますのよ、おはようと言えばおはよう、ごきげんようといえばごきげんよう」

鞠莉「あー、そうなんだ」

ダイヤ「わたくしがごきげんようと言ったのにおはようなんて明らかにおかしいんですわ!」

鞠莉「んー……?」
142 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:37:56.51 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「それに、わたくしにいつもくっついて来るサファイアがくっついてこないどころかわたくしの手を払いのけたんですのよ!」

鞠莉「っ! あのサファイアが!?」

ダイヤ「やっとわかってくれました?」

鞠莉「あのダイヤにべったりだったサファイアがダイヤの手を……」Umm...

鞠莉「ダイヤ、心当たりは?」

ダイヤ「あったら悩んでいませんわ!」

鞠莉「あ、でもほら。前のアクアマリンのときも同じようなことあったじゃない?」

ダイヤ「嫉妬ですの!? サファイアと仲がいいのはルビィにトパーズ――」
143 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:38:48.63 ID:dcuYNjbg0
鞠莉「いやいや、サファイアが嫉妬ファイアーが燃え上がるとしたらダイヤでしょ?」

ダイヤ「わたくしですの?」

ダイヤ「しかし一体どうしてまた……」ウーン

鞠莉「まあ、大体の見当はつくけど」

ダイヤ「見当がつきますの!?」

鞠莉「ちょっとサファイアと話してくるから待ってて」

ダイヤ「えぇ、お願いしますわ」
144 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:40:19.16 ID:dcuYNjbg0
――

鞠莉「サファイア」

善子「……なによラピスラズリじゃない」

鞠莉「ダイヤ、サファイアが反抗期だって騒いでたよ?」

善子「私が反抗期? なんでまた――あぁ、心当たりはあるわ」

鞠莉「さしづめダイヤと誰かが話してて嫉妬ファイアーが燃え上がっちゃったとかそんなところでしょ?」

善子「……うん」

鞠莉「サファイア、ダイヤのこと大好きだもんね」ナデナデ

善子「お姉さまは、その、特別なの」

鞠莉「特別?」
145 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:41:18.04 ID:dcuYNjbg0
善子「えっと、この話はお姉さま以外にはしたくないんだけど」

鞠莉「そっか、じゃあダイヤのところにGo!」

善子「……」

鞠莉「うだうだしてるとほんとに誰かにダイヤとられちゃうよ?」

善子「でも、今朝お姉さまの手払いのけちゃった……」

鞠莉「そんなの気にして――たけど」

善子「お姉さまに嫌われたー!」

鞠莉「嫌われてないからさっさといく!」グイグイ
146 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:43:06.19 ID:dcuYNjbg0
鞠莉「ほら、そこにいるからっ!」グイグイ

善子「あっ」

ダイヤ「サファイア……」

善子「あ、あのね……」

ダイヤ「……」

善子「ごめんなさいっ!」

ダイヤ「へ?」
147 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:44:33.85 ID:dcuYNjbg0
善子「私、嫉妬してたの!」

善子「昨日お姉さまとルビィ、トパーズが話してるのみて、もやもやってしちゃって」

善子「なんでお姉さまはあんなに楽しそうに話してるんだろう、サファイアよりいいのかなって」

ダイヤ「そんなことありませんわよ!」

ダイヤ「わたくしは妹全員が平等に好きですわ!」

善子「……うん」
148 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:45:09.75 ID:dcuYNjbg0
善子「でもね、サファイアはね」

善子「お姉さまのこと、特別に想ってるの」

ダイヤ「はぁっ!?」

善子「あ、別に変な意味じゃないの! ただ、お姉さまに対する好きって他のみんなに対するのとはちょっと違うから」

ダイヤ「……どうしてサファイアはそこまでわたくしを好きでいてくれますの?」

善子「……」

善子「お姉さまを好きになったきっかけはね、サファイアが小さい頃のことなんだけどね」

善子「私、この目が嫌いだった」
149 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:46:11.43 ID:dcuYNjbg0
善子「ぐって吊りあがってて、ルビィともトパーズとも違うこの目が」

善子「サファイアは嫌で嫌で、いつも目じりを指で下げてたの」

善子「ルビィやトパーズみたいに優しい目になりたくて」

善子「でもね、それを見たお姉さまがね」

善子「『その目は美人の証ですわ。他の子よりも少し大人びて見えるでしょう?』」

善子「『それに、わたくしとおそろいですわね』って言って、おでこをつんってしてくれたの」

ダイヤ「……ごめんなさい、覚えていませんわ」
150 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:47:09.54 ID:dcuYNjbg0
善子「うん、お姉さまにとっては些細なことだったと思う」

善子「けどサファイアにとっては特別なことだったから」

ダイヤ「サファイア……」

善子「あ、でもそれだけじゃないのよ? お姉さまを特別に想うようになったきっかけはそれってだけ」

善子「時にはすごく厳しいからきっとサファイアのこと嫌いになったんだって思ったこともあった」

ダイヤ「……それ、アンバーも言っていましたわね」

善子「ごめんなさい、お姉さまの気持ちも知らずに」

ダイヤ「い、いえ、謝ることではないですわよ?」アセアセ
151 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:47:48.68 ID:dcuYNjbg0
善子「ううん、謝らせてほしいの」

善子「実はね、サファイアがお姉さまの本心を知ったのには理由があるの」

ダイヤ「理由?」

善子「日記、読んじゃった……」

ダイヤ「……はあ!?」カアアアアアアアアアア

善子「あの頃のサファイアはね、元の優しいお姉さまに戻ってほしいってそう思ってて」

善子「日記を読めば変わった理由が分かるって思って、だから――」

善子「ごめんなさいっ!」
152 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:49:13.32 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「ま、まあ小さい頃の話ですし、怒っても仕方のないことですわね」

ダイヤ「……変なことは書いてありませんでしたわよね?」

善子「変なことは全然」

善子「本当は叱りたくないとか、自分は嫌われてもあの子たちを立派な大人にしてあげたいとか――」

ダイヤ「恥ずかしいからやめて!」

善子「何よ、全然変なことなんて書いてなかったのに」

ダイヤ「充分恥ずかしいですわ!」
153 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:51:09.54 ID:dcuYNjbg0
善子「ちょっと卑怯かもしれないけどね、それでお姉さまがサファイアを想ってくれてるんだってわかったの」

善子「だからそれからは叱ってくれる時もお姉さまがサファイアのことを想ってくれてるんだって嬉しくて」

ダイヤ「あぁ、そういえば一時期叱ると嬉しそうに笑うことがありましたわね……」

ダイヤ「変な趣味に目覚めたのかと思ってラピスラズリお姉さまに相談した覚えがありますわ……」

善子「えぇっ!? 何よそれ恥ずかしい!」

ダイヤ「だって叱って笑う人なんて普通いないでしょう!?」

善子「……普通はいないわね」
154 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:52:12.71 ID:dcuYNjbg0
善子「それから、お姉さまを観察してたら、お姉さまって綺麗だし、勉強もできるしすごいなって思って」

善子「だから色々真似したの!」

ダイヤ「真似?」

善子「髪だって伸ばしたし、呼び方もお姉さまにしたし、挨拶も真似するようにしたの!」

ダイヤ「あぁ、わたくしだけお姉さまって呼ぶのはそういう理由でしたの」

善子「だからお姉さまはサファイアの憧れで、特別なの!」

ダイヤ「そうでしたのね」ナデナデ

善子「えへへ!」
155 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:53:12.50 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「でも、嫉妬はよくありませんわ」コツン

善子「いたっ」

ダイヤ「わたくしを想ってくれてるのはありがたいですけど、サファイアも他の姉妹が好きでしょう?」

善子「お姉さまが一番だけどみんな好きよ?」

ダイヤ「じゃあ、嫉妬なんてしない。わたくしだって1人なんだから」

善子「はーい……」
156 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:53:51.85 ID:dcuYNjbg0
善子「あーあ、お姉さまが2人――ううん、8人いたらいいのに」

ダイヤ「8人? どうして?」

善子「そしたら1人に1お姉さま!」

ダイヤ「一家に一台みたいに言わないで下さる?」

善子「サファイアのお姉さまにはお勉強教えてもらって、一緒に遊びに行って、一緒にお風呂入って――」

ダイヤ「……わたくしは1人ですけど出切る限りのことはしますわよ?」

善子「ほんと? じゃ、今からお買い物いきましょ!」

ダイヤ「今からですの!?」
157 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:54:36.94 ID:dcuYNjbg0
善子「うん、今から!」

善子「実は昨日ね、お姉さまに似合いそうな髪飾り見つけたの!」

善子「だから、昨日誘おうとしてたの!」

ダイヤ「あぁ、そうでしたのね」

ダイヤ「わたくしに似合うならきっとサファイアにも似合いますわよ」ナデナデ

善子「っ! じゃあおそろいにしましょう!」

ダイヤ「えぇ、かわいい妹とおそろいだなんて、嬉しいですわ」ニコッ

善子「私も大好きなお姉さまとおそろいなんてうれしい!」

おわり
158 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:56:18.75 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」ルビィ「八女っ!」
――

ダイヤ(ついに来てしまいましたわ)ドキドキ

ダイヤ(この扉を叩けば――)

ルビィ「お姉ちゃん?」チョンチョン

ダイヤ「ぴぎゃっ!?」

ルビィ「えっと、ルビィの部屋の前で何してるの?」

ダイヤ「いえ、実はその……」

ルビィ「実は?」

ダイヤ「と、とりあえず中に入ってから話しても?」

ルビィ「あ、うん。どうぞ?」ガチャッ
159 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:57:09.69 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「それでなんでルビィの部屋の前にいたの?」

ダイヤ「前ルビィが言ってくれたでしょう?」

ルビィ「何を?」キョトン

ダイヤ「その、甘えたくなったらきて、と」

ルビィ「あっ!」パアアアアアアアアア

ルビィ「なかなかきてくれないからやっぱりルビィじゃダメなんだと思ってた!」

ダイヤ「そんな! 甘えたい気持ちはずっとありましたのよ?」

ダイヤ「でも、妹に甘えていいものかと葛藤があって――」
160 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:57:41.84 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「なんで悩むの?」

ダイヤ「だ、だって姉が妹にですわよ!?」

ルビィ「家族なのに妹には甘えちゃいけないの?」

ルビィ「ルビィはお姉ちゃんにいっぱい甘えてるのに……」

ダイヤ「……そうですわよね、家族だものね」

ダイヤ「お姉ちゃん、少し頭が堅くなってたみたい、ごめんなさい」ナデナデ

ルビィ「えへへ、ラピスラズリお姉ちゃんの言う硬度10だね!」

ダイヤ「……お姉さま、ルビィになんてこと教えてますの?」
161 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:58:10.19 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「では、甘えても?」

ルビィ「うん! お姉ちゃんをいっぱい甘えさせてあげるね!」

ルビィ「えっと、まずは――」ギュッ

ダイヤ「ぴぎゃっ!?」

ルビィ「ルビィ、お姉ちゃんにぎゅってだきしめてもらうの好きだから」ギューッ

ダイヤ(ルビィのなんだか甘い香りと小さいながらも確かにある包容力――)

ルビィ「ど、どうお姉ちゃん?」

ダイヤ「癒されますわ……」ホワーン

ルビィ「やった!」
162 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:58:37.63 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「えっと、次は――」ナデナデ

ダイヤ「っ!」

ルビィ「お姉ちゃんみたいに上手じゃないかもしれないけど」ナデナデ

ダイヤ(確かに多少ぎこちないなで方、しかしルビィのぬくもりが確かに伝わってくる……!)

ダイヤ(そして同時にルビィの優しい気持ちも伝わってきて……!)

ルビィ「お姉ちゃん?」

ダイヤ「最高ですわ……」トロン

ルビィ「えへへ、よかったぁ」ナデナデ
163 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 22:59:26.27 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「よいしょ」

ダイヤ「……? 正座してどうかしました?」

ルビィ「どうぞ」ポンポン

ダイヤ「?」

ルビィ「膝枕っ!」

ダイヤ「はぁっ!?」

ルビィ「ちっちゃい頃よくしてくれたでしょ?」

ダイヤ「まあ、それはしましたけど」

ルビィ「あれ、すごく安心して癒されたから、お姉ちゃんにも!」
164 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:00:08.00 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「なんというか、妹に膝枕は――」

ルビィ「むぅ……。まだ言ってる……」

ルビィ「わかった! お姉ちゃんが甘える時はルビィがお姉ちゃん!」

ダイヤ「へ?」

ルビィ「だから、ルビィがお姉ちゃんでお姉ちゃんが妹なの!」

ダイヤ「ルビィが姉?」

ルビィ「そうすれば妹がどうとかなくなるでしょ?」

ダイヤ「えっと……」
165 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:00:34.03 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「ダイヤ、おいで?」ポンポン

ダイヤ「っ!」ドキッ

ダイヤ「ルビィお姉さまっ!」ガバッ

ルビィ「ぴぎっ!? そんな勢いよく飛び込んでこないでよ……」

ダイヤ「あぁごめんなさいルビィ」

ルビィ「……ダイヤ?」

ダイヤ「お、お姉さま!」

ルビィ「うん!」
166 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:01:23.95 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「よしよし」ナデナデ

ダイヤ(あぁ、甘い香りがものすごいですわ……)

ダイヤ(それに加えて頭の下に感じる柔らかさ、堅すぎず柔らかすぎず最高ですわね)

ダイヤ(さらに頭をなでる手の温もり――)

ダイヤ(ここが天国ですのね……!)パアアアアアアアアアア

ダイヤ「ふわぁ……。あぁごめんなさい、気持ちよくてつい」

ルビィ「寝てもいいよ?」

ダイヤ「っ!」

ダイヤ(ルビィの膝枕で寝るなんて、なんて最高ですの!?)
167 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:02:08.86 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「であーいがーわたーしをー♪」ポンポン

ダイヤ「っ!?」

ルビィ「えっと、子守唄のつもりだったんだけど、嫌だった……?」

ダイヤ「いえ! 是非続けてください!」

ルビィ「う、うん! なりーたいーじぶーんをー♪」ポンポン

ダイヤ(確かになわとびはスローテンポの曲で、子守唄にいいかもしれませんわね――)

ダイヤ(ルビィ――じゃなかった、お姉さまらしい選曲ですわね)クスクス
168 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:02:57.92 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「なーけちゃうのーごめんねー♪」ポンポン

ダイヤ「すぅ……」

ルビィ「あ、寝ちゃったんだ、疲れてたんだろうなあ」

ルビィ「いつもありがとう、お姉ちゃん」ナデナデ

ダイヤ「すぅすぅ……」

ルビィ「なんだかルビィも眠くなってきちゃった――ふわぁ……」

ルビィ「すぅ、すぅ……」
169 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:03:31.76 ID:dcuYNjbg0
――

ダイヤ「んん、なんだか下が柔らかいですわね……」

ルビィ「すぅ……」

ダイヤ「っ!?」

ダイヤ「あぁ、そういえばルビィに膝枕をしてもらって――」

ダイヤ「ふふ、ルビィも寝てしまったんですのね」クスクス

ルビィ「ん、ふわぁ……。あっ! お姉ちゃん起きたんだ!」

ダイヤ「えぇ、おかげさまですごく癒されましたわ」ニコッ

ルビィ「よかった」ニコニコ
170 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:04:02.46 ID:dcuYNjbg0
ルビィ「ぴぎっ!?」ドサッ

ダイヤ「ど、どうかしまして?」

ルビィ「え、えっと、ずっと正座してたから足痺れちゃって……」アハハ

ダイヤ「あぁ、なるほど……」

ダイヤ「よいしょっ」

ルビィ「ひ、膝枕!?」

ダイヤ「足の痺れが治るまで、こうしてなさい」ナデナデ

ルビィ「うんっ! ありがとう、お姉ちゃん!」

おわり
171 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:04:49.85 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「黒澤9姉妹の日常」花丸「9女ずら!」
――

花丸「もぐもぐ」

ダイヤ「トパーズ、何を食べていますの?」

花丸「プリン! お姉ちゃんも食べる?」

ダイヤ「プリン……?」

ダイヤ「まさか――」ガチャッ

花丸「? 慌てて冷蔵庫を開けてどうしたの?」

ダイヤ「やはり、そのプリンわたくしのですわね!?」

花丸「え?」
172 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:05:25.78 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「冷蔵庫のものを食べる時は確認なさい!」

花丸「え、でもこれ――」

ダイヤ「なんですの? 何か言い訳が?」

花丸「言い訳じゃないもん! これはトパーズが買ってきたの!」

ダイヤ「嘘おっしゃい! ではわたくしのプリンはどこにいきましたの!?」

花丸「きっとお姉ちゃんが無意識で食べたずら!」

ダイヤ「そんなわけあるわけないでしょう!?」
173 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:06:26.86 ID:dcuYNjbg0
花丸「でもこのプリンは本当にさっきトパーズが買ってきたんだもん!」

ダイヤ「……トパーズ、素直に謝ってくれれば許しますわよ?」

花丸「嘘ついてないもん!」

ダイヤ「っ! トパーズ、わたくしあなたをそんな妹に育てた覚えはありませんわ!」

花丸「だって本当にこれお姉ちゃんのじゃないもん!」

ダイヤ「トパーズっ! 正直にいいなさい!」

花丸「っ!」ウルウル

花丸「お姉ちゃんなんて嫌いっ!」ダッ

ダイヤ「あ、こらトパーズ! お待ちなさい!」
174 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:07:04.45 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「はぁ、素直ないい子に育ってくれたと思っていたのに、なぜ――」

ルビィ「うゅ? お姉ちゃんどうしたの?」

ルビィ「トパーズちゃんがすごい速さで外に出て行ったけど」

ダイヤ「あぁ、ルビィ。いえ、トパーズがわたくしのプリンを――」

ルビィ「ぴぎっ!? ご、ごめんなさいっ!」

ダイヤ「……なんで謝りますの?」

ルビィ「ルビィ、冷蔵庫に入ってたプリンを食べちゃったから……」

ダイヤ「………はあ!?」
175 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:07:31.95 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「ではトパーズが食べていたのは――」

ルビィ「あれ、なんだろうこれ」ヒョイッ

ルビィ「コンビニのレシート? プリン1個?」

ダイヤ「っ!」

花丸『これはトパーズが買ってきたの!』

ダイヤ「ではトパーズの言っていたことは……」

ルビィ「?」キョトン
176 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:08:09.44 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「ルビィ、あなたがわたくしのプリンを勝手に食べるから!」

ルビィ「ぴぎっ! ごめんなさいっ!」

ダイヤ「……いえ、トパーズを怒らせたのはわたくしですわ」

ダイヤ「ちゃんとトパーズの話を聞いていればわかったことなのに」

ダイヤ「犯人はトパーズだと決め付けて、トパーズを責めてしまったばっかりに――」

ダイヤ「ルビィ、トパーズはどこに行ったかわかります?」

ルビィ「ううん、外に出て行ったことしか……」
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/05(水) 23:08:48.15 ID:i8V+QEeuo
つまんね
もうこれオリキャラじゃん
178 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:08:48.55 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「トパーズを探してきますわ!」

ルビィ「あ、お姉ちゃん!」

ルビィ「……なんだか今日はお説教短かったなー」ホッ

ダイヤ「あ、ルビィ! 帰ってくるまでに反省文を書いていなさい!」

ルビィ「ぴぎっ!?」

ダイヤ「わたくしのプリンを勝手に食べたのだから当然ですわ!」

ルビィ「うぅ……」
179 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:09:29.36 ID:dcuYNjbg0
――

ダイヤ「トパーズ! どこにいますの!」

果南「あれ、ダイヤ。トパーズがどうかしたの?」

ダイヤ「今ちょっとトパーズを探していまして……」

果南「トパーズだったらさっきあっちの砂浜で見かけたけど」

ダイヤ「砂浜ですの!?」

果南「うん、ランニングの途中でちらっと見た程度だったけどあれはトパーズだったと思うよ」

ダイヤ「ありがとうございます、アクアマリン!」

果南「あ、ちょっと! どうしたんだろう……」
180 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:10:14.19 ID:dcuYNjbg0
――

ダイヤ「アクアマリンの話ではこの辺に――」

花丸「……」

ダイヤ「いましたわ」

ダイヤ「トパーズ!」

花丸「っ!」スクッ

ダイヤ「待って! ごめんなさい、トパーズっ!」

花丸「……え?」

ダイヤ「わたくしの勘違いであなたを傷つけてしまいましたわ!」
181 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:11:14.16 ID:dcuYNjbg0
ダイヤ「実は冷蔵庫のプリンはルビィが食べていて、その――」

ダイヤ「ごめんなさいっ!」ペコッ

花丸「お姉ちゃん全然トパーズの話きいてくれなかった……」ムスッ

ダイヤ「トパーズが食べていたのがわたくしの好きな種類のプリンだったので、ごめんなさいっ!」

花丸「知ってるずら……」

ダイヤ「へ?」

花丸「あれがお姉ちゃんが好きなプリンって、知ってたずら。だからトパーズは買ったの!」

花丸「お姉ちゃんが好きなプリンを食べたくて買ったの!」
182 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:11:43.58 ID:dcuYNjbg0
花丸「なのに、トパーズは悪くないのに、怒られて……」グスッ

ダイヤ「本当にごめんなさいっ!」

花丸「うわあああああん、お姉ちゃんがトパーズを信じてくれなくて、悲しかったずら!」ギュッ

ダイヤ「本当にごめんなさい、トパーズ」ギュッ

花丸「大好きなお姉ちゃんに裏切られたような気持ちになって、それで、それで――」

ダイヤ「……トパーズ、あなたは素直ないい子なのに疑ってしまってごめんなさい」

花丸「お姉ちゃんのばかぁ」グスッ
183 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:12:21.01 ID:dcuYNjbg0
花丸「なでて……」

ダイヤ「へ?」

花丸「トパーズの頭、なでて?」グスン

ダイヤ「えぇ、わかりましたわ」ナデナデ

花丸「ぐすっ……」

ダイヤ(トパーズの心をひどく傷つけてしまったみたいですわね……)ナデナデ
184 : ◆ZTPjpycbhE [saga]:2017/07/05(水) 23:12:58.62 ID:dcuYNjbg0
――

花丸「……」

ダイヤ「落ち着きました?」

花丸「うん、ちょっとは」

ダイヤ「もう一度謝らせて、ごめんなさい、トパーズ!」

花丸「……許さないずら」

ダイヤ「っ!」

花丸「お姉ちゃんのことなんてだいっきらいっ!」プイッ

ダイヤ「!!!!」ガーン
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