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姫川友紀「クロワシさん]
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 17:58:32.95 ID:aPzeCzsW0
姫川友紀「…着いたー!」
二宮飛鳥「フム…良い風だ。杜の都とはよく言ったものだよ」
友紀「そっか。飛鳥ちゃんは、仙台初めて?」
飛鳥「ああ。先日のLIVEには、同行できなかったからね」
友紀「宮城良いとこだよー?ねっ、美玲ちゃん!」
友紀「…?美玲ちゃん?」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1498985912
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 17:59:17.17 ID:aPzeCzsW0
早坂美玲「ここが、こぼすた…!」
飛鳥「どうかしたのかい?美玲」
美玲「うん。ウチ、ここに来るの初めてなんだ…ッ」
飛鳥「へぇ…。地元なら、もう何度も来ているものかと思っていたよ」
美玲「…だからぁ!ウチは元々、そこまで楽天追っかけてたわけじゃないんだってば…」
飛鳥「フフッ、そうだったね。失礼した」
友紀「まぁ…野球ファンだからって、必ずしも球場に通うとは限らないもんね!」
飛鳥「…キミの口からでは、今一つ説得力に欠けるような気がするんだが…」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 17:59:58.22 ID:aPzeCzsW0
美玲「こぼぱでいーぐるすの試合観れるなんて初めてで…ウチ、ちょっと緊張してきた…ッ」
飛鳥「それはボクも同じさ。…まさか、球場にまで来ることになるとは」
美玲「…意外というか、ミスマッチすぎるな…アスカと球場って…」
飛鳥「フッ、自覚はしているつもりさ」
友紀「…正直、あたしも最初は2人が来てくれるとは思わなかったよ」
飛鳥「おや、誘った張本人がそれを言うのかい?」
友紀「だって元々、あたしがお仕事で球場に来るだけの予定だったし」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:00:41.59 ID:aPzeCzsW0
美玲「あれ?関係者席あるからって話じゃなかったか?」
友紀「そうそう。試合前の始球式を是非!ってオファーをもらったのが始まりなんだけどね」
美玲「コラボ先の始球式なんて、大仕事だなッ!」
友紀「うん!…そしたら、向こうが3席ぐらいなら、って用意してくれたの。…まぁ、どっちにしろ観て帰るつもりだったんだけど」
美玲「それで、声かけまくってたのかッ」
友紀「どうせなら一緒に観に来てくれる子いないかなって!」
飛鳥「あぁ…なるほど、そういう話の流れだったのか。理解したよ」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:01:53.51 ID:aPzeCzsW0
美玲「…アスカも、知らずに着いてきてたのか」
飛鳥「ボクは、2人が行くというから誘いに乗ることにしただけだ」
美玲「えぇ…それでよく仙台まで来る気になったな…」
飛鳥「先日よりキミたちからレクチャーを受けている身としては、最高のタイミングじゃないか。未知から既知へ…その出会いに、理由なんていらないのさ」
美玲「お、おう…?」
飛鳥「それに…何事も、直接触れなければ理解らない感覚というものがあるだろう?」
友紀「うんうん!球場にしかない熱気とか興奮とか、いっぱいあると思うよ!」
飛鳥「ボクの知らない新鮮な風と煌めきを、身を以て経験してみるのも悪くないと、そう感じた。ただそれだけのこと」
美玲「うーん…?相変わらず、よく分かんないヤツだな…」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:02:32.75 ID:aPzeCzsW0
美玲「でも、それを言ったらウチだって、友紀に誘われたから来てやっただけなんだぞッ!」
友紀「あ、そうなの?」
美玲「だって、席があるって言うから…丁度休みだったし、帰省みたいなものだし。…それに、」
飛鳥「それに?」
美玲「…いーぐるすの話できる相手がいるのも、ちょっと楽しいっていうか…」ボソボソ
友紀「?」
美玲「…ほ、ほら!友紀にいーぐるすのこと、ちょっとだけど教えてやっただろッ?それの報酬だ、ホーシュー!」
友紀「あぁ、なるほど!ありがとね、美玲ちゃん!」
美玲「フンッ」
飛鳥「…素直じゃないね」フフ
美玲「アスカにだけは言われたくないッ!」
――
―
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:03:45.71 ID:aPzeCzsW0
@ @ @
これまでのあらすじ!
パリーグコラボの出番も決まり、(地獄の)交流戦・そしてキャッツの連敗を(満身創痍で)(なんとか)乗り切った、我らが野球担当アイドルこと姫川友紀!
そんな彼女に迫る、小さな影が2つ。
球団応援歌なら知ってるぞッ!地元・宮城県民にしてプチ楽天推しアイドル、早坂美玲!
記念すべき獲得ファン第1号?お茶と野球はさっぱり理解らないよ系アイドル、二宮飛鳥!
2人が仲間に加わり、楽天ゆっきーとしての第一歩を踏み出したのであった!
@ @ @
※詳しくは
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496681178/
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:05:15.71 ID:aPzeCzsW0
――
―
友紀「えーっと、控え室ってどこに行けば良いのかなぁ…」テクテク
美玲「…なぁ、アスカ」
飛鳥「なんだい?」
美玲「ウチらもこっちに来て、良かったのかな…?」
飛鳥「座ろうにも座席を知らないのでは、仕方がないだろう。プロデューサーの到着が遅れているのに問題がある」
美玲「だけどさ…」
飛鳥「それに、こちらには友紀がいる。一緒に居さえすれば、ボクらも立派な関係者だよ」
美玲「…そんなに堂々としていられるの、なんかすごいな…」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:05:56.66 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「…むしろ、今日のキミが小心なのではないかな。いつもの強気な早坂美玲は、何処へ行ったんだい?」
美玲「き、緊張してるんだってばッ!」
飛鳥「そんなものかな…」
美玲「だって初めてなんだぞッ?なんかこう…色々あるだろッ!」
飛鳥「色々、か……フム。ボクの知らない景色や感情が、また1つ明るみに出たね。…興味深い」
美玲「れ、冷静に分析しなくていいってば…」
友紀「あ!ここかな!」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:06:27.33 ID:aPzeCzsW0
美玲「!着いたのかッ?」
友紀「うん、多分ここだと思う!失礼しまーす!」
ガチャ
???「………!」
美玲「えっ」
友紀「うわっ」
飛鳥「…!」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:08:15.43 ID:aPzeCzsW0
― ― ―
それは、あまりにも異質な光景であった。
そこが控え室と疑うことなく、扉を開けた3人。
しかし待ち構えていたのは、ボクらの理解という概念を超えた存在。
"ソレ"さえいなければ。
何のことはない。ごく一般的な楽屋と評するに抵抗はなかったであろう、その部屋に。
"ソイツ"はひとり…否。一羽。
死んだ魚のような目をしながら、一羽。
不気味に佇んでいたのである。
〜二宮飛鳥は、後にこう語る〜
― ― ―
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:09:11.32 ID:aPzeCzsW0
???「…ア、ドモ……」
友紀「あ、あれ…?部屋、間違っちゃったかな…あは、あはは…」
美玲「ぉ、おじゃましました…ッ」
バタン
友紀「…」
美玲「…」
飛鳥「…」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:10:18.51 ID:aPzeCzsW0
美玲「…なあ。何なんだ、今の…?」
友紀「楽天の選手…じゃあ、ないよね」
美玲「試合前の選手が、あんな格好してこんなとこにいるわけないだろッ!」
飛鳥「だが、ユニフォームは着ていたね」
美玲「それ以前の問題だッ」
飛鳥「…仮装大賞か何かかもしれないよ」
友紀「カラスとかかな」
美玲「仮装!?アレが?」
美玲「頭に変な黒い鳥被ってるだけのおっさんじゃないかッ!」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:11:05.10 ID:aPzeCzsW0
飛鳥「…もしくは余興の出演者、だろうか。何か聞いていないのかい?友紀」
友紀「知らないよぉ…あたし、始球式させてもらうってしか知らない…」
美玲「…あ!もしかしたら、始球式で打席に入る人なんじゃないかッ?」
友紀「嘘…あたしさっき、思いっきり目逸らしちゃったんだけど…」
飛鳥「いや…それは正常な反応だろう。大丈夫、こんなところで自身を失くしてはいけない」
友紀「というか、そもそも関係者なのかな…?不審者とかだったら…」
飛鳥「鳥の被り物をした侵入者だって?それこそ聞いたこともないぞ…」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:11:39.42 ID:aPzeCzsW0
P「…何してんのお前ら、こんなとこで」
友紀「!ぷ、プロデューサーぁ!」
美玲「お、遅いぞッ!」
P「ごめんごめん、ちょっと用事で遅れちゃってさ」
飛鳥「…やぁ、待っていたよ…。どうにかしなければいけないと、そう思っていたところだったからね…」
P「悪かった…って、どうにか?なんか問題でもあったの」
友紀「大問題だよぉ!このままじゃ、控え室に入れない!」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:12:14.07 ID:aPzeCzsW0
P「は?…鍵でも閉まってんの?」
美玲「あっ、ストップ、ストップ…ッ!」
飛鳥「止せ!これ以上、パンドラの箱を開けてはならない!」
ガチャ
P「ってなんだ、開くじゃないか…」
???「……」
P「ヒエッ」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/07/02(日) 18:12:45.78 ID:aPzeCzsW0
― ― ―
それは、あまりにも異常な光景であった。
彼は鍵が閉まっているものかと誤解して、扉に手をかけた。
しかし待ち構えていたのは、そんな思い込みも一度に吹き飛ばす衝撃的な光景。
"ソレ"さえいなければ。
…以下同文だ。
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