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【艦これ】提督「約束の空」
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10 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 20:51:59.28 ID:D6dL2HsfO
提督「鳳翔、居るか?」
鳳翔「はいっ。提督、ワザワザすいません」
提督「構わないよ。どのみち午前中は訓練が中止になって暇になったからな…」
鳳翔「そうですね。空母の皆さんも時間をもて余してましたよ」
提督「予報じゃ午前中は持つはずだったんだかな、中々天候には勝てんよ……それに、あいつと違って皆のは全天候型じゃないしな」
鳳翔「…そうですね。私の子でもこの天候じゃ発艦は厳しいですね」
提督「…無理だとは言わないのか…」
鳳翔「うふふ」
提督「恐ろしな……で、相談てのは?」
鳳翔「はいっ、その……この子の事なんですけど…」
11 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 20:59:59.89 ID:D6dL2HsfO
>>9
すいません、ご指摘ありがとうございます
× 妙高「提督と一緒に食べないなら、誘ってもかまわないわよ」
↓
○妙高「一緒に食べたいなら、誘っても構わないわよ」
ですね。すいません
12 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 21:12:08.05 ID:D6dL2HsfO
提督「……また96艦戦とは初期の機体を持ってた……いや、96改の方か。大鷹から借りたのか?」
鳳翔「大鷹さんから、お預かりしたんです」
提督「預かった?」
鳳翔「この子を助けてほしいと」
13 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 21:41:56.20 ID:D6dL2HsfO
提督「助ける?」
鳳翔「えぇ…この子、このままでは潰れてしまうと泣きつかれまして」
96改の妖精さん(以下妖精さん)「……」(ゲッソリ)
提督「……ひどく窶れ果ててるな…一体どうして」
鳳翔「…私も妖精さん達の事はよく分からないですけど、明石さんがあ言うにはストレスの様なものでは無いかと」
提督「ストレス?なんでまた……」
鳳翔「周り合わせようと頑張りすぎたんだと思います」
14 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 22:10:35.95 ID:D6dL2HsfO
提督「周りに?……そうか、大鷹は着任が最近だから連度で差が出てしまうのは仕方無いが…だが、この子の技量も良かったぞ」
鳳翔「この子は他の空母の娘達の技量を見て、大鷹さんを守る為には、自分も早くあの位にならないとと、頑張っていたようなのですが……」
提督「…うちの主力は烈風改や紫電改ニみたいな新鋭機な上に連度もかなり……空母だからと、一緒に訓練させたのが仇になっか……最初から高みを見すぎて……速く技量を上げようとして縮まらん連度に自分の技量では、このままでは大鷹を守れないという不安感からスランプに陥ったか……」
鳳翔「えぇ、そのせいか最近は飛んでも失敗が多くて、それが余計にストレスになったようで…大鷹さんも頑張ったんですが駄目で…」
提督「……まさかこんな事になるとはな…」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/01(土) 22:12:28.88 ID:FWsGKbo40
実際の対潜は低速こそなのに…
16 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 22:19:41.77 ID:D6dL2HsfO
提督「俺のミスだな……機体差についての考慮が欠けていた…」
鳳翔「提督のせいではありませんよ。私もこんな事は始めてですから……」
提督「……すまなかった」
妖精さん「……私ガ悪イノ。提督ハ悪クナイヨ」
鳳翔「……私も私の子達もできる限り頑張ってみたのですが、すっかり自信を無くしてしまったようで、ずっとこんな感じなんです…」
提督「いかんな。このままでは、本当に再起不能になってしまう……」
鳳翔「私も、かつてはたくさんの赤トンボの皆さんを送り出しましたけど、私自身は飛行機の操縦に関しては全く分かりませんので……」
提督「空母は自ら空には飛ばないなからな……それで俺に相談したわけか」
17 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 22:29:49.68 ID:D6dL2HsfO
鳳翔「こういった事となると提督しか頼る術がありません……私からもお願いします。この子を助けて下さい」
提督「……わかった。この子は暫く預かろう」
鳳翔「…提督、ありがとうございます」
提督「…よし、さあおいで」
妖精さん「…イヤ……訓練シヤキャ……早ク……上手ニナラナイト……」
提督「……大丈夫だよ。俺が君を一人前のパイロットにしてやるから」
妖精さん「……」
提督「……俺を信じろ」
妖精さん「……ワカッタ」
18 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 22:50:28.92 ID:D6dL2HsfO
執務室
提督「よし、着いたぞ。少し、ここ(机の上)で待ってろ。鍵は……あったあった」
ガタガタ
妖精さん「??」
提督「この棚の後ろに隠し扉があってな……鳳翔に手伝ってもらって片付けた以来始めて開けるよ……よし、行こうか」
妖精さん「……」
提督「うぷっ、掃除なんてしなかったから埃ぽいな……」
妖精さん「……コホコホ……?」
19 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 23:07:21.71 ID:D6dL2HsfO
妖精さん「……戦闘機……」
提督「これは模型だから、さわっても乗れないぞ」
妖精さん「……見タ事ナイ…機体…噴式?」
提督「君達は始めて見るだろう。これはF/A-18C って戦闘機だ。現役だった時の俺の相棒だった」
妖精さん「提督、パイロットナノ?」
提督「……元な……。君達が現れる前、連中との戦いで目をやられて…地上に降りたんだ。今はこの通り、もう飛ぶことは出来ないけどな…」
妖精さん「……」
20 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 23:17:48.06 ID:D6dL2HsfO
提督「……湿っぽくなっちまったな。そこに掛かってる制服見てみろ」
妖精さん「…勲章ガツイテル」
提督「すごいだろ。自慢じゃ無いが此れでも連中を7機撃墜したエースなんだぜ」
妖精さん「?スゴイ、提督スゴイ…」
提督「もっと褒めてもいいぞ?」
妖精さん「カッコイイ!」
提督「ふっ。……少しは笑顔が戻ったな」
21 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 23:29:34.23 ID:D6dL2HsfO
妖精さん「……」
提督「…さっきも言ったけど俺が君の事を一人前のパイロットにしてやるからな。だから、もう心配しなくても大丈夫だ。エースがついんだ安心しろ」
妖精さん「……ウン」
提督「一人前になれたら、あのウイングマークをお前に託す。だから、その時まで俺と一緒に頑張る、一人で無茶はしないって約束してくれ」
22 :
◆IJMcnkwUXg
[sage ]:2017/07/01(土) 23:52:59.99 ID:D6dL2HsfO
妖精さん「約束スル」
提督「よしっ、いい子だ。これから頑張ろうな」
妖精さん「…ウン」
提督(……せめて俺から空を奪った連中の、最後を見届けてやると、過去をここに封じ、提督として海軍に残ったつもりが、まさか再び開けるとはな……)
妖精さん「……ン?」
提督「……(……俺の分まで君に託す。必ず舞い上がれよ……俺はもうこの目で見ることが出来ないあの空へ)」スッ
妖精さん「?」
23 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/01(土) 23:59:59.04 ID:D6dL2HsfO
コンコン
大鷹「失礼します。提督……あら?お留守でしたか……」
「……頑張ろうな」
大鷹「……あら?何かしら奥から声が……」
大鷹「こんな所にお部屋が……提督、いらっしゃいますか?」
提督「ん?」
大鷹「!!だ、誰ですか!?(何、このハンサムな士官の方は?///)」
提督「だ、誰だ?!…スッ……大鷹か」
大鷹「……えっ、提督…えぇ?!」
24 :
◆IJMcnkwUXg
[sage]:2017/07/02(日) 00:01:00.98 ID:a5xP7X3GO
今日はここまで
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/02(日) 00:13:05.04 ID:qu35Mjdk0
外傷か燃焼剤の化学物質による汚染でダメになった水晶体の除去手術をうけたのかな
パイロットとしては致命傷だなあ
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/02(日) 05:37:50.61 ID:0l7NXM9wo
空自の主力のF-15でなくF/A-18ってことは提督は日本人ではない?
それともF-XにF-35ではなくF/A-18が選ばれた世界なのか?
27 :
◆IJMcnkwUXg
:2017/07/03(月) 16:19:07.79 ID:cBm91gKY0
提督「…事情は鳳翔から聞いたよ。それで、この子についてはしばらく俺が面倒を見ようと思う」
大鷹「…は、はいっ。それはありがたいのですが…そ、その…」
提督「どうした?」
大鷹「…提督がパイロットであったのはわかりました、ですがいくらパイロットだったとはいえ、96艦戦さんは艦載機ですから、その、大丈夫でしょうか?」
提督「心配いらん。俺はキャリ……あっ、いや…なんだ……飛ばすなら航空機はさほど変わらん」
大鷹「…でも、この子…懐いてはくれたんですが、その…最近は…着艦が苦手になってしまったようで…」
28 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/03(月) 16:30:45.44 ID:cBm91gKY0
提督「…着艦か」
大鷹「はいっ。甲板にうまく降りれないでケガをしてばかりで…取り返しがつかないような事になるんじゃないかと…私…心配で」
提督「発着艦についても心配するな。その辺についても心得はある」
大鷹「…本当ですか?…日本の海軍に、空母はもうないと聞きましたが」
提督「……確かに日本には戦後から空母はないが…まぁ、細かい事は気にするな」
大鷹「…は、はぁ」
29 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/03(月) 16:37:28.15 ID:cBm91gKY0
大鷹(…大丈夫なんでしょうか…)
提督「とにかく、飛ぶ事については俺のほうが専門だ…こいつの君を守りたいっていう強い気持ちは本物だ、俺は引退したがこいつの君の為にと頑張る姿に助けてやろうと思ったんだ…君を守れる強い艦載機にしてやろうとな」
大鷹「提督…ありがとうございます」
提督「おっと、もう何だかんだ昼か…飯の支度を頼むよ。午後は晴れたら空母部隊の練習だ」
大鷹「…わかりました。少々お待ちくださいね」
30 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/03(月) 16:56:36.05 ID:cBm91gKY0
提督「…ふぅっ……(空母に乗ってたのはばれるとややこしいからな…)」
妖精さん「…提督?」
提督「……ん?あぁ……心配そうな顔をするな、戦闘技術だけじゃなく発着艦についても任せろよ」
妖精さん「…デモ…空母、乗ッタコトアルノ?」
提督「あぁ、空母航空団の所属だったからね。ずっと空母だったよ」
31 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/03(月) 17:23:34.77 ID:cBm91gKY0
提督「……あいつ等には昔の記憶があるから…話す気になれないで黙ってはいたんだけどな…俺はこう見えても、ハワイ生まれの3世でな…国籍は向こうなんだ…」
妖精さん「……」
提督「……それで向こうで海軍パイロットとして勤務してたんだが…深海棲艦の奴が現れて、太平洋に派遣され戦ってきたんだが……日に日に押されて行ってな。俺も撃墜されて…その時、洋上が荒れてて愛機の燃料か燃焼材かはわからんがそんなもんが混じった海水をもろに浴び続けてな…それで目をやられてな」
妖精さん「……ソレデ、ドウシタノ?」
提督「助かったからここにいるんだろ。意識もうろうで、浮かんでた所を運よく救助されて一命は取り留めたんだが、元気になった頃には。海はほぼ連中の手中、海軍基地も壊滅状態で機能してなかった…。どうしようかしてた所にな、鎮守府立ち上げに際し将校が不足してた大本営が何をどうしたかは知らんが、まぁ、上で話を合わせたんだろうが、俺のところに話がきてな。俺も、パイロット生命を奪った連中の最後を見届けてやるって思って、過去をここに封じて提督として赴任したんだ」
妖精さん「……」
32 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/03(月) 17:36:27.73 ID:cBm91gKY0
提督「……驚いたか」
妖精さん「…オドロイタ」
提督「こんな話されりゃ驚くか……だが、今は深海棲艦と戦う仲間だ」
妖精さん「……」(コクリ)
33 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/03(月) 17:43:02.89 ID:cBm91gKY0
提督「…改めてよろしくな」
妖精さん「…ウン」
大鷹「……提督、昼食の支度が出来ました」
提督「…そうか。さぁ、飯にするか。最近食べてないだろ?しっかり食って体調整えるのも仕事だぞ?」
妖精「リョウカイ」(ビシッ)
提督「よしよし。食ったら訓練だ」
34 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/03(月) 17:43:45.70 ID:cBm91gKY0
今回はここまで
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/03(月) 18:52:53.48 ID:ZwykOPXfo
目玉の手術は意識があったら怖いだろうな
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/03(月) 21:25:20.34 ID:3zLyquXd0
部分麻酔だから意識あるよ
角膜や水晶体の手術だとプールの底から太陽を見上げてる感じになるんでさほど恐怖はない
37 :
◆IJMcnkwUXg
:2017/07/16(日) 18:11:16.63 ID:3UmpzUFj0
提督「……ふらついてるぞ…機種を下げろ。そのまま…いかん、スロットルを絞れ…」
大鷹「…いい子だから、そのままいらっしゃい…」
提督「…高度上げろ。やり直せ」
ブーン
提督「…だめだな」
大鷹「以前はもっとすんなり降りられていたんですが…最近はずっとあの調子で…」
提督「……」
38 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/16(日) 18:18:24.09 ID:3UmpzUFj0
提督「……大丈夫、大鷹は君の母艦なんだ。どんな事があろうと怖がらなくて大丈夫だ。上手く行った日もだめだった日も、洋上にある限りお前たちにとって大鷹は母親と同じだ。いつだって優しく受け止めてくれる」
大鷹「…提督……。大丈夫、大丈夫よ。怖がらないで…ほら、いらっしゃい。」
妖精さん「……」
ブーン
提督「…よしっ、いいぞ。そのまま、そのまま……」
大鷹「…怖がらなくていいのよ。さぁ、いらっしゃい…」
提督「…よしっ、ナイスアプローチだ。上手いじゃないか」
39 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/16(日) 18:29:50.22 ID:3UmpzUFj0
大鷹「…よしよし」
妖精さん「…///」
提督「…いい着艦だったぞ。いいか、空母は艦載機にとっては帰るべき家であり、母親みたいな存在なんだ。自分の家に帰るのに怖がる必要なんてどこにも無いんだ。君は今の技量で母艦を守れないという不安が操縦にも出て上手く降りれなくなってたんだな…だけど、今大鷹の甲板に降りてみてどうだった?怖かったか?」
妖精さん「…ウウン。ヤサシカッタ」
提督「そうさ。さっきも言ったけど、君たちにとっては母親と同じなんだ。どんな時があっても君のことは受け止めてくれる。だから、さっきみたいに怖がらずに降りるんだ」
妖精さん「…ウン」
提督「…女性を抱きしめるようにこう、優しく降りてやればいいんだ」
むにゅ
提督「ん?」
加賀「…提督?」
40 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/16(日) 18:33:22.82 ID:3UmpzUFj0
提督「か、加賀!?お、お前いつから…」
加賀「空母の訓練を午後からやるとおっしゃたのは提督では?」
提督「あぁ、そうだったな…」
加賀「…それより、いい加減手を離してくれないかしら?」
提督「あっ、すまん…」
41 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/16(日) 18:39:38.48 ID:3UmpzUFj0
加賀「…頭に来ました…次は容赦しません」
提督「すまん…」
加賀「失礼します…」
提督「……ふっ。驚いた…怒らせたかな?」
大鷹「…さぁ?…(…加賀さん、怒っている割には口元が少し綻んでいらしたような)」
提督「…怒ってるよなぁ…(…艦娘ってのは感情があるからか、難しいなぁ。……現役時代はビックEとかとかヨーキィにはどう思われてたんだろうな?)」
42 :
◆IJMcnkwUXg
[sage saga]:2017/07/16(日) 18:40:47.57 ID:3UmpzUFj0
少しですが、今回はここまで
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2021/04/28(水) 23:18:01.45 ID:+jA0vCkE0
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