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【艦これ】男「深海棲艦の島?」 ヲ級「ヲッ」
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200 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/12(土) 00:02:02.36 ID:zONzQmHyo
レ級「いやぁ・・・そうでもないんだ・・・」
男「レ級?!どういうことだ!?」
レ級「あのさ、オレが人間と初めて会話した時の言葉って覚えているか?」
男「あ、ああ・・ヲ級がくれたものを無駄にするのか?と言う内容だったよな」
レ級「・・・・あの時さ、オレ・・普通の人間じゃ聞き取れない声で話しかけてたわけよ」
男「おい・・・!じゃあまさか・・!?」
中枢棲姫「都合のいい話とでも言えるが、ここで生まれた人間は特別な波長を脳内に流し、私たちの言葉を聞けるようにしている・・」
中枢棲姫「つまり人間・・・その傷跡、そして深海棲艦の言語を理解できることから答えは結びつく」
男「やめろ・・・!やめてくれ・・・!!」
中枢棲姫「人間・・・お前は・・」
中枢棲姫「この世界で生まれてきたのだ」
201 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/12(土) 00:06:36.79 ID:zONzQmHyo
男「・・・・・」
中枢棲姫「・・・・・」
防空棲姫「・・・・・」
レ級「・・・でもさぁ・・このことが明らかになったわけなんだし・・」
レ級「ここにずっといてもいいんじゃないか・・?」
防空棲姫「おいレ級!!言葉を考えろ!」
レ級「だってよぉ!人間にとっちゃあ泊地水鬼は本当の母親なんだろ?!だったら問題ないじゃん!」
防空棲姫「貴様・・・!どうやら頭を冷やしたいようだな・・!」
中枢棲姫「防空!レ級!静かにしろ!仲間同士で争うのは愚の骨頂だ!」
レ級「・・・・だってよぉ」
防空棲姫「・・・・・」
男「中枢棲姫の言うとおりだ。仲間同士で争っても何も解決しないに決まってる・・・」
男「そしてレ級。俺はお前の発言に疑問がある」
レ級「疑問だって・・?!」
202 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/12(土) 00:13:52.22 ID:zONzQmHyo
男「何故俺は俺が育った世界にいたのか・・ということだ」
中枢棲姫「何が言いたい・・?!」
男「泊地水鬼は・・・・俺の事を見放したんじゃないのかって・・」
中枢棲姫「なっ・・・!何を馬鹿なことを言い出す人間!」
男「だってそうだろ?!実の母親だったらここで育ててくれるはずなのに俺が育ったのはあっちの世界だったんだぞ!」
男「考えてみると・・・!泊地水鬼は俺の事を捨てたんじゃないかって・・・!」
中枢棲姫「ふざけるな!!それはお前の勝手の妄想だ!」
男「妄想??そんな訳あるかよ!だったら何で俺はずっとこの世界にいなかったんだ?!どうして飛行機でこの世界に来たんだ??!」
男「そんなもの・・・・!あいつが捨てたとしか考えられないだろ!」
中枢棲姫「話も聞かずにのこのこと戯言を言うか・・・貴様ぁ!!」
レ級「あっ・・・これやばいんじゃね?!」
防空棲姫「おい!中枢!」
パシン
203 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/12(土) 00:19:07.62 ID:zONzQmHyo
俺は頬を強く叩かれた 前を向くとヲ級がいた
その眼は涙を浮かべて 俺の方を見つめていた
ヲ級「泊地 人間を捨てる 悪い奴じゃない!」
男「ヲ級・・・」
ヲ級「泊地 人間の事 ずっと優しくしてきた!」
男「・・・・・・!」
ヲ級「ダカラ モウ 喧嘩 ヤメテ・・・」
男「・・・・ごめんな、ヲ級・・・。俺・・安直に考えすぎてたかもしれないな・・」
中枢棲姫「・・・・・・・」
男「中枢棲姫、さっきの発言は取り消させてくれ・・・。そして・・何があったのか教えてくれないか・・?」
男「俺があっちの世界に入り込むまでの事を・・!」
中枢棲姫「・・・わかった。だが、ひとまず休憩を入れさせてくれ・・私も頭を冷やす・・」
男「ああ・・・ひとまず解散しよう」
こうして少しの間休憩を入れることにした その間、ヲ級を慰めたりして時間を過ぎるのを待った・・
204 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/12(土) 00:22:04.38 ID:zONzQmHyo
今日はここまでです
最近仕事も落ち着いて来そうなので書くペースも早くなりそうです
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/12(土) 09:32:35.64 ID:2/3bppkC0
乙です。
つまり幼い頃嵐に巻き込まれて深海棲艦の世界から人間界に行った感じだろうね
206 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:05:31.67 ID:oIgBQ6rlo
――――数分後
中枢棲姫「待たせたな、では話そうか」
男「ああ・・」
中枢棲姫「あれは・・私たちが提督の下にいた時だった」
-----数年前 深海鎮守府
深海提督「なぁ・・中枢。この戦争に意味はあるのだろうか?」
中枢棲姫「どういうことだ提督?」
深海提督「俺たち深海側は今まで艦娘達と戦争をしているが埒もなく、仲間も度重なる出撃で傷を負うことも多い。もちろんあちら側もそうだ」
深海提督「こんな日が続くとつくづく戦争を終わらせたいと思うんだ・・」
中枢棲姫「しかし、今となってはどうしようもないが・・・」
深海提督「・・・一か八か俺も一緒に行って会談を開くように説得するというのはどうだ?」
中枢棲姫「何だと・・?!危険承知の上か?!」
深海提督「でもこの方法しかないんだ、あちらも話を聞いてくれるだろう」
中枢棲姫「・・・・了解した。だが、もし危険が生じるのなら・・」
深海提督「ああ・・・砲撃戦は免れないだろうな」
207 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:09:53.03 ID:oIgBQ6rlo
――――深海鎮守府 中庭
泊地水鬼「えっ・・?あなたも一緒に?」
深海提督「ああ、この戦争を終わらせるのはこれしかないだろうな」
泊地水鬼「でもあなたが怪我することもあるのよ?それにもしかしたら・・・」
深海提督「・・・死にはしないさ、生き延びて見せる」
深海提督「それに、戦争が終わったら・・その・・」
泊地水鬼「終わったら?」
深海提督「・・いや、何でもない。じゃあ夜も遅いし、そろそろ寝るとするか」
泊地水鬼「ええ、おやすみなさい」
208 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:16:12.27 ID:oIgBQ6rlo
――――翌日 海上
重巡棲姫「うむ、いい天気だな」
空母棲姫「そろそろ艦娘がいる地点にたどり着くぞ」
泊地水鬼「・・・やっぱりあなたが傷つくところは見たくないわ!今すぐあなただけでも・・・!」
深海提督「今更引き返すわけにはいかない、ここまできたらやるしかない」
中枢棲姫「いたぞ、艦娘達だ」
榛名「・・・深海棲艦発見しました!砲撃――」
深海提督「待ってくれ、俺はこちら側の提督だ。今日は話があって来た」
深海提督「そちら側の提督に会いたいんだ、お願いする」
榛名「深海側の提督ですか・・しかし深海棲艦も一緒と言うのは・・」
中枢棲姫「安心しろ。こちら側は砲撃する武装は装備していない、これが証拠だ」スッ
榛名「・・・・わかりました。鎮守府に連絡を入れてみます」
深海提督(これが吉と出るか凶と出るか・・)
209 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:27:00.54 ID:oIgBQ6rlo
――――――数分後...
榛名「提督もあなたと話がしたいそうです」
中枢棲姫「そうか」
深海提督「まずは第一関門突破だな」フゥ
泊地水鬼「でもまだ分からないわ、警戒はしないと・・」
空母棲姫「いざとなったら緊急用の煙幕もある」
――――艦娘鎮守府
榛名「・・・すみませんがここから先はあなただけ来てもらえますか?」
深海提督「どうやらここからは俺一人で来てほしいそうだ」
泊地水鬼「そんな・・!」
中枢棲姫「・・・仕方ないだろう。私たちはここで待つとしよう」
駆逐水鬼「提督、無事を祈る」ビシッ
戦艦棲姫「艦娘達に囲まれるのも慣れてきたわね」
深海提督「みんな、すまない。少し待っててくれ」
210 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:35:17.38 ID:oIgBQ6rlo
――――――数時間後
重巡棲姫「少しどころか、ずいぶんと待たされてるな」
泊地水鬼「・・・・・」
戦艦棲姫「心配ないわよ、落ち着いて待ちましょ」
泊地水鬼「ええ・・・あっ・・!」
深海提督「みんな、待たせたな」
中枢棲姫「提督・・・その書類は・・」
深海提督「ああ、ただいまをもって艦娘側、そして深海側の平和を締結したことを報告する」
駆逐水鬼「おお・・!やり遂げたのか!」
泊地水鬼「提督・・・!良かった・・!」
榛名「私たちの提督も、あなたたちの提督と同じ考えをしていたそうです」
深海提督「少し手間取ってしまったが・・無事に終われて安心した」
211 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:45:20.66 ID:oIgBQ6rlo
中枢棲姫「これで・・・長年続いた戦争も終わる・・か」
榛名「お互い傷を負うこともありましたが、ようやく終わりそうですね」
中枢棲姫「ふっ・・そうだな・・これからはお互い親交していこう」
榛名「はい、よろしくお願いします」ニコッ
――――深海鎮守府
深海提督「では、平和を締結した祝いだ!今日はたくさん食べて飲んでくれ!乾杯!」
一同「乾杯!」
深海提督(みんないい顔をしているな・・俺も頑張った甲斐があったな・・」
深海提督(そろそろ俺も、伝えるべきことを伝えないとな・・)
レ級「ん?提督の奴、どこに行くつもりだ・・・?」
212 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:49:39.33 ID:oIgBQ6rlo
―――――深海鎮守府 中庭
深海提督「悪いな、楽しんでるところで呼んだりして」
泊地水鬼「構わないわ、それよりも話って?」
深海提督「いや・・・実はその・・今日は大事な話があって・・」
泊地水鬼「大事な話・・?」
深海提督「・・・・俺と結婚してくれ」
泊地水鬼「えっ・・?」
深海提督「ここにきてお前にずっと世話になった。今度からは俺が助ける番だ」
深海提督「そして・・・俺の一生のパートナーになってくれないか?」
泊地水鬼「・・・もちろんよ。嬉しいわ・・」ギュッ
深海提督「おおっと・・俺も嬉しいよ・・」
213 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:51:12.04 ID:oIgBQ6rlo
ドターン バタン
深海提督「何だ?!」
レ級「あっ・・・すいません・・・おじゃましますー・・・」
駆逐水鬼「ふむ、めでたいなこれは」
重巡棲姫「こういう時はお粥を作るのだろうか?」
港湾水鬼「ちがう、赤飯だ」
深海提督「お前ら・・・陰からこっそり見るのなら堂々と見に来い!」
レ級「えぇ!?そういう問題かよ!」
深海提督「陰から見られるのは俺はあんまり好きじゃない!」
泊地水鬼「ふふっ・・・」
中枢棲姫「やれやれ・・困った者たちだな」
防空棲姫「まぁ良いじゃないか、それよりもめでたいな」
中枢棲姫「そうだな」フッ
--------
214 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:52:40.36 ID:oIgBQ6rlo
―――――現在 深海鎮守府
中枢棲姫「こうして提督と泊地水鬼は結ばれ、その後に子供を授かった」
男「その子供が・・俺なんだよな」
中枢棲姫「ああ、私たちも喜んだ。みんな可愛がっていた」
中枢棲姫「もちろん泊地水鬼も・・・な」
男「・・・・それでそこからどうなった?」
中枢棲姫「・・・・ある事件が起こる。提督が感染病にかかってしまった」
男「感染病・・・」
中枢棲姫「そう・・あれは私たちがここの島に移住して数か月たったころだった」
215 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:53:12.68 ID:oIgBQ6rlo
今日はここまでです
イベントが思いのほか苦戦してるので更新は遅くなりそうです 申し訳ない・・
216 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:05:42.97 ID:xaZZ7BZio
----数年前 深海鎮守府
深海提督「ぐっ・・ゲホッゲホッ!」
軽巡棲姫「駄目だわ・・!まだ悪化する方向よ!」
中枢棲姫「何か治療法はないのか?!」
泊地水鬼「あなた、しっかりして!」
深海提督「大丈夫・・・俺は死にはしないさ。大切なお前と息子を残して死んでたまるか・・ゲホッ!」
防空棲姫「中枢、朗報だ。艦娘のいる鎮守府に治療薬があるらしい」
中枢棲姫「そうか・・!よし、防空。今すぐそこの鎮守府で薬を貰いに行ってくれ」
深海提督「それと・・・泊地水鬼・・!息子も連れてお前も行け・・・」
泊地水鬼「えっ・・この子も?」
深海提督「ああ、ここに残して空気感染で感染させたくないからな・・」
泊地水鬼「・・・・ええ、わかったわ。そして・・・死なないでね」ギュッ
深海提督「ああ・・・気を付けてな・・」
217 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:15:18.37 ID:xaZZ7BZio
――――――海上
防空棲姫「よし、あと少しで艦娘がいる鎮守府に到着するぞ」
空母棲姫「・・・待て、この先に何やら嵐があるらしいぞ・・」
防空棲姫「嵐だと・・?」
空母棲姫「ああ・・かなりの広範囲だ・・・」
重巡棲姫「どうする?鎮守府へ早くたどり着くにはこの先を通らないといけないぞ」
防空棲姫「・・・・迂回してる暇など無い・・全員、このまま嵐の中を通るぞ!」
泊地水鬼「・・・・・・」
駆逐水鬼「泊地、大丈夫か・・?」
泊地水鬼「ええ・・・この子だけは必ず守って見せる・・!」
泊地水鬼(そして・・・あの人のところに帰ってみせる!)
218 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:21:05.09 ID:xaZZ7BZio
―――――海上 暴風領域
防空棲姫「なんて強い暴風だ・・・!全員、波にのまれないように気を付けろ!」
戦艦棲姫「これじゃまともに前も見えないわね・・・」
重巡棲姫「それに・・・何か物も飛んできてるぞ・・」
防空棲姫「艦隊!飛来物に注意し、進んでいくぞ!」
駆逐水鬼「泊地の周りを固める!何としても守り抜く!」
戦艦棲姫「だから、赤ん坊を手放さないようにして!」
泊地水鬼「ええ・・! !? 戦艦!前!」
戦艦棲姫「え・・・?」ガゴン
戦艦棲姫「あぁ!」グラッ
泊地水鬼「きゃあっ!」バシャン
219 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:23:01.31 ID:xaZZ7BZio
防空棲姫「戦艦!泊地!どうした!?」
駆逐水鬼「戦艦に大きな鉄の板が直撃した!」
戦艦棲姫「私は大丈夫・・・!それよりも泊地は?!」
泊地水鬼「・・・ない・・・いないのよ!」
防空棲姫「何がだ・・・!まさか、赤子を落としたのか?!」
泊地水鬼「どこ・・・!?どこにいるの!?・・・まさか波にのまれて・・・?!いや・・いやああああああああ!」
駆逐水鬼「待て泊地!このままだとお前ものまれてしまうぞ!」
泊地水鬼「でも・・・!でも!私の赤ちゃんが・・!」
防空棲姫「・・・・・!!駄目だ!一度嵐を抜けるぞ!」
泊地水鬼「いや・・!いやあああああああああああああ!!」
220 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:29:22.17 ID:xaZZ7BZio
―――――現在 鎮守府
中枢棲姫「・・・・こうして泊地水鬼は赤ん坊のお前を手放してしまった・・」
中枢棲姫「防空たちが薬を手にし、戻ってくる途中で提督は息を引き取った・・」
中枢棲姫「誰もが悲しんだ、特に赤ん坊のお前と夫を失った泊地は崩れ落ちた」
中枢棲姫「その後はお前だけでも助けたいと、姫や艦娘達にも協力してもらい捜索をしたが中々見つからなかった」
中枢棲姫「だが・・・泊地だけは全員が鎮守府に戻っても、最後まで探し続けた・・深夜になっても一人でな」
男「・・・泊地・・一人で・・」
中枢棲姫「やがて捜索も打ち切りになり、数年経った今、お前が来た」
男「・・・ちくしょう!さっきの俺はなんて馬鹿だ!勝手に捨てたとか言って・・!」
男「最後まで探してくれてたのに・・・!最低なのは俺の方だ!」
ヲ級「ニンゲン・・・」
レ級「・・・というか、なんて巡りあわせなんだよ・・また人間がここに来るなんてさ・・」
221 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:30:48.58 ID:xaZZ7BZio
防空棲姫「そして・・私の方こそ謝罪をせねばならない・・」
防空棲姫「私が・・・!あの時に嵐の中を直進せずに迂回をしていれば・・!あんなことには・・!」
男「・・・・自分を責めるな防空棲姫。あの時は提督を助けたいからそうしたんだよな」
防空棲姫「・・・・ああ」
男「それに、泊地が俺を手放したのも不慮の事故みたいなものだろ?」
男「だから・・・謝らなくてもいい・・」
レ級「人間・・お前・・」
男「・・・泊地水鬼と話がしたい。夜はどこかにいるのか?」
中枢棲姫「ああ、夜は部屋にいることが多いが・・呼んでやろうか?」
男「お願いするよ・・・場所は小屋の前の砂浜にしてくれないか?」
中枢棲姫「分かった、準備を進めておく」
防空棲姫「・・・・人間、泊地はお前と会った時以来会うのが怖いと言っていた」
防空棲姫「こんな事実を聞かれたら、"母親として見てくれないかもしれない"とな・・・」
男「そんな訳・・・あるかよ・・」
防空棲姫「・・・・・」
222 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:34:25.32 ID:xaZZ7BZio
――――砂浜
泊地水鬼「ここに誰かがいるの・・?」ザッザッ
男「・・・・・・」
泊地水鬼「・・・!」
男「・・・・とりあえず座れよ」
そういうと泊地水鬼は俺の隣に座った わずかながらだが、手が震えていた
泊地水鬼「・・・・・・」
男「・・・・・」
男「・・・・・お前が俺を生んだんだってな」
泊地水鬼「・・・・・・」
男「・・・・中枢棲姫から聞いた。提督と結婚したことも、俺を生んだことも」
泊地水鬼「・・・・・・まさかあなたがあの時の赤ちゃんだったなんて・・」
223 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:36:37.40 ID:xaZZ7BZio
男「俺も泊地水鬼が母親だとは思わなかったよ・・・でも写真と中枢棲姫の話でそうだと確信した」
男「まさかここで生まれてまたここに戻ってくるなんてな・・」
泊地水鬼「・・・私は・・・あなたの母親なんかじゃない・・」
男「えっ・・・?な・・何を言ってるんだよ!?」
泊地水鬼「だって・・・!私は・・・!赤ちゃんだったあなたを海の上で放してしまったのよ!」
泊地水鬼「あんな荒れた海の中で手放したら死ぬことも免れないし・・・怖い思いもしたでしょ?!」
泊地水鬼「なのに・・・簡単に手放した私なんて・・・顔も合わせられないわ!」
泊地水鬼「母親として失格よ!大事な赤ちゃんをあんな怖い目に合わせて・・!最低な母親よ!」
男「違う!そんな訳あるか!」
泊地水鬼「・・・・・!」
224 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:38:32.86 ID:xaZZ7BZio
男「中枢棲姫から聞いた・・・!お前は・・・最後まで俺を探し続けてくれたことを・・!」
男「みんなが帰った後も・・・一人で必死に探し続けてくれたことも・・!」
泊地水鬼「・・・・・・」
男「むしろ最低なのは俺の方だ!勝手に捨てたとか見放したとか言って・・・」
男「俺が謝りたいよ!あの時の発言を忘れたい気分だ!」
泊地水鬼「で、でも・・・私・・・!」
男「自分に罪をなすりつけて、母親じゃないと否定するのは逃げてると一緒じゃないか!」
男「どうしてそんなことするんだよ!必死に探し続けてくれただけでも母親として立派だよ!」
男「だから・・・自分を責めるなよ!!母親失格だなんて言わないでくれよ!」
泊地水鬼「うう・・うああああああ・・・!」ギュッ
泊地水鬼は俺の事を強く抱きしめた そして泣きながら何度も謝罪をした
俺はただその泣き声を聞いて抱くしかなかった 慰めることもできずに・・
225 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:41:04.39 ID:xaZZ7BZio
男「・・・・もう大丈夫か?」
泊地水鬼「ええ・・ごめんなさい・・急に・・」
男「急に抱き付かれて、びっくりしたぞ・・」
泊地水鬼「本当にごめんなさい・・」
男「まぁいいけどさ・・・でも・・・何か懐かしい感じはした・・」
泊地水鬼「・・・"コウ"」
男「え?」
泊地水鬼「"コウ"・・それが私たちがあなたにつけた名前・・」
男「そういえば俺の世界の親も名前がついてあったからそう付けたって言ってたな・・・」
泊地水鬼「ねぇ・・これからあなたの事を"コウ"って呼んでもいいかしら・・?」
男「・・・この世界では名前なんて俺には必要ないけど・・・そう呼んでもいいぞ」
泊地水鬼「本当?じゃあ・・・コウ君・・」
男「な・・何か照れるな・・」
泊地水鬼「・・・ふふっ」
226 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:42:04.82 ID:xaZZ7BZio
男「ごめんな、こんな夜に呼び出して」
泊地水鬼「いいえ・・まさかまた会えるなんて思わなかったわ」
男「俺もまさかの展開で実の母親に会えるなんて・・」
泊地水鬼「お互い様ね」フフッ
男「そうだな・・・じゃあ、俺はそろそろ帰るけど・・鎮守府まで送って行こうか?」
泊地水鬼「大丈夫、私一人でも帰れるわ」
男「そうか、じゃあ気を付けてな。おやすみ」
泊地水鬼「ええ、おやすみなさい」
男「・・・・あのさ、一ついいかな?」
泊地水鬼「なぁに?どうしたの?」
男「・・・・ただいま、"母さん"」
泊地水鬼「・・・・おかえりなさい、コウ君」
227 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:43:29.98 ID:xaZZ7BZio
今日はここまでです
男に名前が付きましたが、男と言う名前で進めていきます
イベントもE6まで進んだので、ここからはイベント完遂を優先して進めていきたいと思います
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/18(金) 01:55:08.12 ID:yDvGuhx2o
おつ
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/18(金) 01:56:44.99 ID:4w51rdoJO
乙
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/18(金) 09:29:06.19 ID:c7udwFbW0
乙です。
男の名前がコウで生みの親に再会で沢尻エリカの「母になる」ってドラマ思い出したわ
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/22(火) 20:08:25.80 ID:JW2d7+AA0
乙
話が続いていく場合、主人公の深海血統故の能力なんかが影響していくのかな
232 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/22(火) 23:36:06.93 ID:VPHdyzKWo
すいません作者です
・・・・イベントのE7で詰まってしまってイライラしてるので更新は遅くなりそうです
申し訳ありません・・・今週のどこかには書きたいと思いますのでよろしくお願いします・・・
233 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:49:23.33 ID:mYnnsIjfo
――――翌日 墓場
泊地水鬼「この墓が、あの人の墓よ」
男「これが・・・結構立派なんだな」
レ級「お世話になったしなぁ、これくらいはしないとな」ニシシ
ヲ級「ル級トツ級ガイツモピカピカニシテル」
泊地水鬼「・・・あなた、私たちの子供が帰って来たわよ、それも立派になって」
泊地水鬼「まだあなたが生きているときに会わせたかった・・・それなら家族みんな揃ったのに・・」
男「泊地・・・」
泊地水鬼「・・・ごめんなさい・・こんなこと言っちゃって・・」
男「大丈夫さ、母さん」
男「・・・・ただいま、"父さん"」
234 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:51:48.89 ID:mYnnsIjfo
男「中枢棲姫から聞いたんだけど、情に厚い提督だってな」
男「自分よりもほかの仲間を気遣って・・信頼もされてたって・・」
男「そんな父さんが・・・まさか感染病で死ぬなんてな・・・」
男「・・・・あの嵐の時も、俺を感染病から守ろうとしてくれたんだよな・・」
泊地水鬼「コウ君・・」
男「本当にありがとうな・・・安らかに眠ってくれ・・・」
男「・・・・じゃあ、行こうか」
レ級「もういいのか?」
男「ああ、こんな形だけど挨拶できただけでも十分だ」
男「できれば、生きてるうちにしたかったけど・・・な・・」
泊地水鬼「そうね・・・あの人もコウ君の成長した姿見たかったはず・・」
男「・・・すまない、俺がこんなこと言って。それじゃあ、鎮守府に戻ろうか」
ヲ級「ヲッ! 朝ご飯タベテ 元気ダス!」
男「そうだな。よし、行くか!」
235 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:53:47.69 ID:mYnnsIjfo
――――深海鎮守府 食堂
男「さて・・・席に着くか・・」
重巡棲姫「いたぞ!人間だ!」
男「い、いきなり何だ!?」
戦艦棲姫「聞いたわ・・・あなたがあの時の赤ちゃんだったなんて・・・!」
駆逐水鬼「すまない・・!私がもう少ししっかりとしていれば・・!」
重巡棲姫「随伴艦として謝罪させてくれ!」
男「ちょ、ちょっと待ってくれ!だ、誰から聞いたんだ?!」
レ級「・・・悪ぃ、オレだわ・・」
男「おい!」
泊地水鬼「でも、いずれかは知ってしまうから早めに知っておいた方が良いわ」
男「母さん・・」
236 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:55:06.16 ID:mYnnsIjfo
水母棲姫「まぁ!母さんですって!」
中間棲姫「あら、すっかりと親子らしくなったわね」
潜水棲姫「もう一回言ってみて!」
男「だから!落ち着いてくれ!」
中枢棲姫「ええい!静かにしろ!先ずは朝食を食べろ!」
中枢棲姫の一声で朝食が始まった 食べてる最中でもみんな俺を見てる姫ばかりだった
まぁ・・・提督の息子が帰ってきたから気持ちは分かるけど・・
男(でも視線が集まると朝食が食べづらいな・・)
港湾水鬼「どうした・・?食べやすいようにしてやろうか?」
男「あ、ああ・・大丈夫だ・・」モグモグ
237 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:56:33.38 ID:mYnnsIjfo
――――応接間
中枢棲姫「その様子だと、和解はできたそうだな」
泊地水鬼「ええ、私はもう母親じゃないだなんて言わない・・この子の母親として生きるわ」
男「あの後、みんな一斉に謝って来たからびっくりしたぞ・・・」
防空棲姫「まぁ、随伴艦として守れなかったのだからな・・すまない・・・」
男「もう気にしなくていいんじゃないか?俺は現に生きているんだ、それで喜んでくれればいい」
防空棲姫「・・・そうだな」
中枢棲姫「話は変わるが・・・空母棲姫より嵐が起こるかも知れないという伝達が入った」
男「そのことなんだけどさ・・・まだ保留にしてくれないか?」
泊地水鬼「え?」
中枢棲姫「・・・・どういうことだ?」
238 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:58:52.28 ID:mYnnsIjfo
男「俺の世界の家族が育ててくれた恩もある」
男「でも産んでくれた本当の母親にも恩返ししたい気持ちもあるんだ」
男「迷ってるんだ・・・元の世界に帰るべきか・・・ここに残るべきか・・」
泊地水鬼「コウ君・・・」
中枢棲姫「・・・・・そうか、ではまた決意が固まったら報告しに来てくれ。それまでは姫達に休暇を与える」
男「すまない、協力してもらったのに・・」
中枢棲姫「気にするな、育ててくれた親か産んでくれた母親。どちらの元に帰るのか悩むのは仕方ない」
中枢棲姫「考える時間を与えてやろう。ゆっくり考えると良い」
男「ありがとう・・中枢棲姫」
―――――小屋
男「・・・・・・・」
男(俺はこの世界に残るべきなのか?それとも元の世界に帰るべきなのか?)
男(悩むな・・・どうすればいいんだ・・?)
239 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:59:25.81 ID:mYnnsIjfo
今日は短めですがここまでです
少しイベントから現実逃避するのもいいかなって思います(白目)
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/24(木) 13:38:49.90 ID:G6wqWjT3o
乙
ずっと指摘するかどうか悩んでたんだけど、やっぱ気になるので。
細菌やウィルスに汚染され、症状が出る病気が「感染症」。
感染症のうち、特に空気感染などにより二次感染が起こりやすい物が「伝染病」。
文脈からすると提督がかかったのは「伝染病」だと思う。
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 01:18:06.37 ID:XT4Hs0wK0
>>240
感染症被害が広範囲に広まった状態を指して
初めて伝染病と表現するしいいんでない?
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 03:55:18.09 ID:XPjms+qWo
もうエイズの話はいいよ
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 22:18:42.98 ID:oojEK1pKo
>>241
伝染病は病理学用語じゃなくて、元は「法定伝染病」のような使い方をする法律用語なのよ。
なので、病気の種類は厳密に決められてるわけ。
だから病気の広がり方とは関係ないよ。
なお、今の法律では伝染病という使い方を「人間に対しては」使わない。
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」という法律に統合された。
ただし「一般的な用語」として、感染症法に指定された病気を「伝染病」と呼ぶことは多い。
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 22:25:58.96 ID:jikAVjiho
こまけぇことはいいんだよ!
245 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 22:44:29.23 ID:MqHw7w1jo
コンコン
男「誰だ・・・・?今開ける」ガチャ
戦艦棲姫「あっ、人間いたのね!」
重巡棲姫「提督の息子が帰って来たから、みんなで歓迎会を開こうと思う」
駆逐水鬼「もちろん泊地や駆逐棲姫も一緒だ」
男「母さんもか・・・・はは、そうだな!じゃあ俺も行ってもいいか?」
駆逐水鬼「もちろんだ!それでは案内しよう」
男(今暗い顔しても意味はない・・だから楽しめる時は暗い顔はしないでおこう)
男(母さんを心配させないようにしないとな)
246 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 22:48:34.59 ID:MqHw7w1jo
――――深海鎮守府 ラウンジ
男「なぁ、赤ん坊の俺をみんな可愛がってたんだよな?」
戦艦棲姫「もちろんよ、とても小さくて可愛かったわ」
空母棲姫「その姿が今となっては・・・立派なものだな」
男「そ、そうか?」
重巡棲姫「しかし赤ん坊のころはかなりの頻度で泣いていたからな。私があやしても泣き止まなかった」
レ級「そりゃああんな顔見たら誰だって怖がるだろ」ポリポリ
重巡棲姫「そうか?」
港湾水鬼「私の時もそうだった・・」ションボリ
北方棲姫「ほぽ!港湾水鬼お姉ちゃん!元気出して!」
戦艦棲姫「でもなんだかんだ言って泊地があやすと泣き止むのよね。やっぱりお母さんが落ち着くのね」
泊地水鬼「ふふっ、そうね。私が抱きかかえるといつも泣き止んでたわね」
247 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 22:53:31.56 ID:MqHw7w1jo
戦艦棲姫「そういえば、嵐がもうすぐ起こりそうって聞いたけど・・」
男「実は・・ここに残るのもいいかなって思ってるんだ」
駆逐棲姫「えっ!」
重巡棲姫「何故そう思ったんだ?」
男「泊地水鬼・・いや、母さんの所に戻って来たんだし今からでも一緒に過ごすのもありなのかなって・・」
北方棲姫「泊地!人間と一緒で家族!」
泊地水鬼「でもまだ決まったわけじゃないのよ、今は迷ってるのよね?」
男「今のところはな・・・。でも、今はそんな暗い話してたらお茶会も台無しになるだろ?」
男「今はその話は置いといて、もっとお茶会を楽しまないとな」
戦艦棲姫「そうね、ごめんなさいね。じゃあ次は・・」
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/26(土) 22:55:46.94 ID:MqHw7w1jo
水母棲姫「それじゃあ泊地と人間で互いに呼び合ってよ」
男「え?」
水母棲姫「私、見たいのよね。親子が呼び合う光景♪」
男「そんなに珍しいものなのか・・?」
北方棲姫「ほぽ!見てみたい!」
ヲ級「ヲッ!ヲ級モ見タイ!」
男「わ、分かった・・。えっと・・・母さん」
泊地水鬼「なぁに?コウ君」クスッ
重巡棲姫「お、おお・・・なんてまぶしい光景なんだ・・・」
港湾棲姫「まぶしくて直視できない・・・」
駆逐水鬼「ふむ、そういえば人間は"コウ"と言う名前だったな・・・棲姫、行け」
駆逐棲姫「えっ?!わ、私?!」
駆逐水鬼「今、人間と仲を近づける最大のチャンスだ」ボソ
駆逐棲姫「う、うん・・・!」
249 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 22:59:05.35 ID:MqHw7w1jo
駆逐棲姫「あ、あのね!ちょっといいかな?」
男「どうした?駆逐棲姫」
駆逐棲姫「えっとね・・あ、あの・・私も・・」モジモジ
駆逐棲姫「そ・・その・・・」カァアア
男「・・・?熱でもあるんじゃないか?」
駆逐棲姫「ち、違うよ!わわ私、料理の練習をしてるんだ!」
駆逐棲姫「だからね!また今度作って持ってこれるように頑張るから楽しみにしててね!」
男「ああ、楽しみにして待ってるよ」
駆逐棲姫「う、うん!(ごめん・・・水鬼ちゃん)」
駆逐水鬼(ふむ・・・まだまだだな・・)
駆逐古鬼「あの娘ったら何してるのよもう・・・!人間もどんくさいわね・・・!!」ギギギ
集積地棲姫「お前何してるんだ?」
こうして俺の歓迎会は終わった ・・・何処からか視線を感じるけど
250 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 23:02:53.45 ID:MqHw7w1jo
――――森林道
男「おい、どこに行くつもりなんだ?」
レ級「まぁついて来いって、いいもんあるからよ」
ヲ級「ヲッヲッ モウスグ 着ク」
レ級「そろそろだな・・ほら!着いたぜ!」
男「これは・・温泉か?!」
レ級「そうだぜ!お前鎮守府の風呂で気まずそうだったし、ゆっくり湯船につかりたいって思った時もあるだろ?」
ヲ級「ヲ級トレ級 イッショニ見ツケタ」
男「そうだな・・鎮守府の風呂は姫達ばかりで目のやり場に困ってたからな・・」
レ級「ここならだれにも邪魔されずにゆっくりと入れるぜ!ほれ、タオルと脱衣カゴ」
男「ありがとうな。じゃあ俺は少しゆっくりしていくよ」
ヲ級「ヲキュ ゴユックリ」
レ級「じゃあ俺たちはいったん帰るぜ!じゃあな!」
251 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 23:05:01.87 ID:MqHw7w1jo
男(温泉か・・・まさかこの島にあるなんて・・)チャプ
男「おお・・気持ちいいな・・湯加減もちょうどいいし・・」
男「こうやって風呂に入るのも久しぶりだな」
タブンコノアタリダガ
アッ アレジャナイ?
男(・・・ん?この声って・・まさか!?)
重巡棲姫「む、またしても会ったな人間」
戦艦棲姫「あら、人間もこの場所知ってたのね」
男「あ、ああ・・レ級達に教えてもらって・・」
リコリス棲姫「何だ、私たちが一番風呂じゃないのか」
戦艦棲姫「まぁまぁいいじゃない。さ、入りましょ」
男「えっ!ちょ、ちょっと待ってくれ!」
252 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 23:11:33.79 ID:MqHw7w1jo
リコリス棲姫「何か問題でもあるのか?」
男「いや、だって!男性と女性が一緒に入ったら・・!」
戦艦棲姫「知ってるわよ私、こういうのって"混浴"って言うんでしょ?」
男「そ、そうだけど・・」
戦艦棲姫「なら問題ないじゃない、お邪魔しまーす♪」
男(普通に入って来たな・・どうする・・俺・・)
リコリス棲姫「初めて会うな人間、私は"リコリス棲姫"だ」
男「うおっ!いつの間に近くに・・・」
戦艦棲姫「この姫はちょっと遠出しててついさっき帰って来たのよ」
リコリス棲姫「丁度風呂に入りたいなと思ってな、ここに連れてきてもらった」
重巡棲姫「人間がいるのだったら泊地も呼べばよかったな」
戦艦棲姫「中枢と話してたみたいだし、無理だと思うわ」
253 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 23:19:23.41 ID:MqHw7w1jo
重巡棲姫「泊地は母親ではないと自分で否定してたのか・・・」
戦艦棲姫「あんなことがあったらねぇ・・」
男「説得して、ようやく俺の母親であることを認めてくれたんだ」
リコリス棲姫「ほぉ、グッジョブだな」
男「その後急に抱き付かれてな・・嬉しかったんだろうな・・」
戦艦棲姫「そうね、息子にそう言われたら否定もできなくなるしね」
重巡棲姫「やはり子が立派だと親も嬉しいだろうな」ウンウン
リコリス棲姫「それで、抱き心地はどうだった?」
男「あんな時でそんなこと知れるかよ!」
254 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 23:20:47.39 ID:MqHw7w1jo
ン?ドウヤラセンキャクガイルヨウダ
ソウミタイネ
男(え・・・?!この声って・・・!)
泊地水鬼「あら、皆入って・・・コウ君も?!」
中枢棲姫「ほぉ、人気のある温泉だな」
リコリス棲姫「げっ、中枢じゃないか」
中枢棲姫「何だ?嫌なのか?」
リコリス棲姫「いや・・別に・・」
防空棲姫「広い温泉だな、集積に聞いてやってきたんだが」
男「中枢たちも聞いてやってきたのか?」
泊地水鬼「ええ、ゆっくり話し合おうという提案でここを教えて貰ったの」
中枢棲姫「しかしこう客が多いとな・・まぁ、入らせてもらうが」
男(かなりの大人数になってきたな・・)
255 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 23:25:20.85 ID:MqHw7w1jo
中枢棲姫「ふむ・・・良い湯加減じゃないか」
リコリス棲姫「威圧がマジパネェッす」
防空棲姫「リコリス・・・その言葉どこで覚えた・・」
リコリス棲姫「遠出してたら艦娘に会ってな、それで教えてもらった」
男(・・・こう眺めてみると、みんな体が綺麗だな・・)
泊地水鬼「どうしたの?私たちの体なんか眺めて・・」
男「あ・・・いや、何でもない」
重巡棲姫「もしかして、泊地の体に見惚れていたのか?」
男「そ、そうじゃないぞ!」
泊地水鬼「でもコウ君になら見られてもいいかなーって思うの」クスッ
リコリス棲姫「お前らホントに親子の関係か・・?」
男「お、親子だぞ!うん!」
256 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 23:28:01.32 ID:MqHw7w1jo
中枢棲姫「全く・・騒がしいな」
防空棲姫「まぁ良いじゃないか、たまにはこういうのも悪くない」
中枢棲姫「ふっ・・そうだな。それとレ級とヲ級、隠れてないで一緒に入ったらどうだ?」
レ級「えぇ・・ばれてたの・・」
ヲ級「ヲー・・・」
防空棲姫「そんな隠れるほどでもないだろう、さぁ早く入れ」
レ級「・・・じゃあお言葉に甘えて・・うしっ!」バッ
中枢棲姫「待て、飛び込んで入ろうとするのなら・・分かってるな?」ゴゴゴゴ
レ級「お邪魔します・・」チャプ
ヲ級「ヲッ」チャプ
男(飛び込もうとはしてたんだな・・・)
その後、俺の世界の事の話やこっちの世界について色々話し合った
257 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/26(土) 23:29:46.12 ID:MqHw7w1jo
今日は酔いが回って来たのでここまでにします
また明日続き書いていきます(イベント完遂したのでペースあげていきます)
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 23:31:16.98 ID:jikAVjiho
おつ
259 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/27(日) 14:50:25.09 ID:2GTm/lBZo
――――砂浜
レ級「いやー、気持ち良かったなぁ」
ヲ級「サッパリ シタ」
男「まさか温泉に入れるなんてな、ありがとうな」
レ級「へへ、気にするなよ。大したことじゃねーし」
男「考えてみたら、ここでの生活も悪くないかもな」
レ級「お?もしかしてこっちに住むことを考えてるのか?」
ヲ級「ヲー!人間と一緒!」スリスリ
男「おいおい、まだ決まったわけじゃないんだぞ。・・・そろそろ夕方だな」
レ級「とは言っても夕食までまだ時間あるし暇だな・・そうだ!オレが良いもの持ってきてやるから少し待ってろ!」
260 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/27(日) 14:55:36.69 ID:2GTm/lBZo
――――数分後
レ級「持ってきたぜ!」
男「これは・・・集積地棲姫の部屋にあったラジオじゃないか。いいのか?」
レ級「ああ!借りていくぜ!って言ったらすんなりと貸してくれた!」
ヲ級「ヲッヲッ 聴いてみたい」
男「よし、じゃあ俺に任せてくれ・・・周波数はっと・・」
――――トードケートードケー
男「おっ!聞こえたようだ!今は歌の番組がやってるらしいな」
ヲ級「ヲッ♪ヲッ♪」
レ級「良い曲だなこれ、なんて曲だ?」
男「最後に教えてくれるはずだ。今は聴いておこう」
261 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/27(日) 15:04:08.65 ID:2GTm/lBZo
レ級「いろんな歌が流れてたな」
ヲ級「ラジオ オモシロイ」
男(そういえば他のチャンネルは何がやってるんだ?)
ザー・・・―――次のニュースです
男「おっ、ニュース番組か」
レ級「へぇ、あっちの世界では何が起こってるんだ?」
-----――高校の生徒たちを乗せた墜落した飛行機の捜索が続けられていますが、未だに見つかっておらず・・
男「まだ捜索してたのか」
レ級「飛行機はこっちの世界にあるから門をくぐらない限り見つからないだろうな」
男(・・・・・親父たち、今頃どうしてるんだろうな・・・)
262 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/27(日) 15:15:36.21 ID:2GTm/lBZo
----もうあの子には会えないんですね・・・ザザッ
男(!? この声・・・お袋だ!)
----ちくしょう!奇跡でも起こってくれよ・・!ザザッ
男(親父!)
―――――このようにザザッ遺族からの怒りや悲しみの声も飛んでおりザー
レ級「うへぇ・・あっちも大変だな。なぁ人間」
男「・・・・・」ポロポロ
ヲ級「ヲー!ドウシタ?!」ワタワタ
レ級「もしかして・・・あっちの世界の人間の家族の事が気になって・・」
263 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/27(日) 15:24:58.84 ID:2GTm/lBZo
男「・・・・ああ、やっぱり俺は・・・戻ったほうが良いのか・・?」
ヲ級「ヲー・・」
男「ちくしょう・・・本当の母親にまた会えたのに・・育ててもらった親にも会いたいだなんて・・」
男「俺はどうすれば・・・?!」
レ級「・・・・もしかして今の声って・・」
男「俺を育ててくれた家族だ・・」
レ級「・・・・悪い・・変な思いさせちまって・・」
男「気にするなよ、お前に悪気はないんだろ?」
男「そろそろ夕食だし、俺は先に鎮守府に行ってくる。二人も早く来いよ」ザッ
ヲ級「ヲ・・人間・・カエッチャウ・・?」
レ級「・・・かもしれないな。まだわからないけど」
レ級「ただ、人間が決めた!ってなったらヲ級、お前じゃ止めることは難しいかもしれないぞ」
ヲ級「・・・・・」
264 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/27(日) 15:36:02.48 ID:2GTm/lBZo
―――――夜 砂浜
泊地水鬼「そう・・コウ君の世界の両親が・・」
男「ああ・・とても悲痛な声で話してたよ・・」
男「母さんは、俺がここに残って欲しいと思ってるのか?」
泊地水鬼「本音を言えばそうね・・でもここに残るか帰るかはコウ君が決めること・・」
泊地水鬼「だから私は口出ししないわ」
男「・・・・ごめん・・母さん」
泊地水鬼「いいのよ、あの人だってきっとそういうに違いないわ」
泊地水鬼「"お前の未来はお前が決めろ"って」
男「・・・・・」
泊地水鬼「だから、私たちのことは気にしなくていいのよ」
男「・・・よし、近いうちにまた中枢棲姫に言ってくるよ」
泊地水鬼「ええ、わかったわ。・・・ねえ、ちょっといいかしら?」
男「え?どうしたんだ?」
265 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/27(日) 15:44:07.07 ID:2GTm/lBZo
ギュッ
男「・・・・母さん?」
泊地水鬼「みんな、みんな分かってくれるわ・・あなたの気持ち・・」ナデナデ
泊地水鬼は俺を抱いて頭を撫でてくれた 恥ずかしいけど・・・何か懐かしい そんな感じだった
――――数分後
男「ごめんな、こんな時間に呼び出して」
泊地水鬼「別に構わないわ。今日はもう遅いし、帰るわね」
男「ああ、おやすみ。母さん」
泊地水鬼「ええ、おやすみなさい」
泊地水鬼(・・・・本当に立派ね・・まるであの人みたい・・)
泊地水鬼(ふふっ、将来あの子も提督みたいになるのかしら)
266 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/27(日) 16:01:20.02 ID:2GTm/lBZo
――――数日後 小屋
男(・・・・・・)
――――よぉし!起きろ!今すぐ出発だ!
男(親父は漁師でいつも朝が早くて・・・俺も一緒に連れていかれたことがあったっけ・・)
――――ご苦労様、ほら朝飯食べなさい
男(お袋はいつも優しくて気遣ってもくれた。相談にもよく乗ってくれた)
――――お兄ちゃん!宿題教えて!
男(妹は絵が本当に上手なんだけど、他はまるでからっきしだったな・・・)
男(・・・・・・・・)
267 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/27(日) 16:16:52.12 ID:2GTm/lBZo
――――ヲキュッ!ニンゲン!
――――よぉ!今日も一緒に遊ぼうぜ!
男(ヲ級・・・レ級・・いつも俺のそばにいて、一緒に遊んだり、協力もしてくれたんだよな)
―――――本当はあなたと一緒にいたいけど、コウ君が決めることよ
男(母さん・・・俺の母親として生きることを決めたんだよな・・俺も・・自分の生き方を決めないとな・・)
―――――お前の未来は、お前が決めろ!
男(父さん・・・生きていたらこんなこと言いそうだな・・でも・・熱い気持ちは伝わってくるよ)
男(俺は・・・・そうだな・・)
268 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/27(日) 16:22:29.27 ID:2GTm/lBZo
―――――翌日
男「朝か・・・」
コンコン
男「・・・今開ける」
ガチャ
レ級「よぉ。・・・人間、その顔は・・」
男「ああ、決めたよ。今から報告しに行ってくる」
レ級「・・・そうか。中枢は今鎮守府の応接間にいるぜ」
男「ああ、ありがとうな」
――――――深海鎮守府 応接間
中枢棲姫「・・・・どうやらその顔を見る限り、結論は出たようだな」
男「ああ・・」
男(俺が決めた決意を・・ここで言うんだ!)
元の世界に帰る or この島に残る
269 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/27(日) 16:23:51.03 ID:2GTm/lBZo
今日はここまでです
一応二つルート選択してます また後程でもう一つのルートを見たいという希望があれば書いていきます
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/27(日) 20:15:35.08 ID:x118NsVco
おつー
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 00:26:18.97 ID:neJ67qwvo
ここは先に帰るルート見ときたいな
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 00:34:00.34 ID:UWDOjRI30
泊地ママ…
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 18:38:01.78 ID:JtYv4VFcO
ここは泊地との今までの離ればなれの時間をうめるために体の関係もって男女の関係になるものやろ
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/29(火) 21:14:53.18 ID:5IfRPGIA0
乙
まあせっかくだし両方見てみたいねえ
275 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/29(火) 23:40:09.36 ID:M7zmJxqho
とりあえず元の世界に帰るというルートを先に書き、次に島に残るルートも書いていきたいと思います
今日は更新はない予定です すみません・・
276 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:29:13.86 ID:O2uF6d7no
"元の世界に帰る"
男「・・・俺はここにいる皆と産んでくれた母さんともう一度一緒に生活ができてもいいなと考えていた」
男「けど・・!俺をここまで育ててくれた両親に会いたい気持ちが強かった・・・!」
男「だから・・・俺は・・・!」
男(母さん・・ごめん・・)
泊地水鬼「・・・・」コクッ
男「・・・・俺は"元の世界"に帰ることにする」
中枢棲姫「・・・それがお前の答えか」
男「ああ・・・二言はない」
中枢棲姫「そうか、人間がそう決めたのなら私たちは止めない、人間の意見を尊重する」
男「ありがとう・・・中枢棲姫」
277 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:30:36.31 ID:O2uF6d7no
空母棲姫「なら、私たちはもう一仕事しないといけないな」
重巡棲姫「人間、手伝えることがあったら言ってくれ。いつでも手を貸そう」
駆逐棲姫「わ、私も手伝うよ!」
男「みんな・・」
防空棲姫「人間、どうやらいい仲間を持ったようだな」
男「ああ・・俺は今から帰る為の船を作りに行く」
港湾棲姫「よし・・・私の出番だな」
北方棲姫「ほっぽも手伝う!」
中枢棲姫「よし!各自!人間をこの世界から元の世界に帰れるよう、サポートにつけ!」
一同「おー!」
ヲ級「・・・・ニンゲン カエッチャウ・・」
ヲ級「・・・・」
278 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:32:40.13 ID:O2uF6d7no
―――――砂浜
男「必要なのは土台になる木材が必要だな」
重巡棲姫「木材か、筏を作ることにしたんだな」
男「ああ、それが一番手っ取り早いからな」
重巡棲姫「ふむ・・木材の方は任せておけ、人間はジャンク広場で何か役立つものを探してきたらどうだ?」
男「そうか、悪いな・・手伝ってくれて」
戦艦棲姫「気にしないで。さ、行ってらっしゃい」
男「ありがとう じゃあ行ってくるよ」
重巡棲姫「・・・・それで、木材はあるのだろうか?」
戦艦棲姫「あんたねぇ・・まぁ、森林の中にはありそうだけど・・」
港湾棲姫「確か奥の方に何本か太い木が生えてたな・・」
重巡棲姫「よし、森林の奥地に向かうぞ」
279 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:35:06.01 ID:O2uF6d7no
――――ジャンク広場
男「さて・・何かあるかな?」
レ級「お!人間じゃーん!」
集積地棲姫「人間・・お前もここに来てたのか」
男「集積地棲姫か・・お前こそどうした?」
北方棲姫「ほぽ!ほっぽも何か手伝いたい!」
PT子鬼「ギー!」
集積地棲姫「見てわかるだろ?子守だ・・・くそっ・・」
男(無理矢理押し付けられたのか・・)
レ級「つー訳で俺達もここに来たわけ。何かすることあるか?」
男「それなら手分けして使えそうなものを探して欲しいんだが・・」
集積地棲姫「仕方ない・・手伝うか・・」
280 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:37:09.66 ID:O2uF6d7no
男「流石にもうないのか・・?」
北方棲姫「ほぽ!人間!持ってきた!」
男「"タイヤチューブ"?こんなものも流れてきてたのか」
集積地棲姫「丁度4つある、これで船の補強ができるぞ」
男「そうか!これで浮き輪替わりにもできるのか!よし!」
PT子鬼「ギ!」ヒョイ
男「どうした?・・・これは"水筒"か。これで水を持って行けるな」
集積地棲姫「あと、縄も必要だろう。"荒縄"だ」
レ級「オレも見つけたぜ!"リュックサック"だ」
男「みんな・・ありがとう。使えそうなものは集まったし、いったん砂浜に戻るよ」
北方棲姫「ほぽ!次は組み立てか?」
男「ああ、みんな戻ってきてそうだしな」
281 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:38:41.19 ID:O2uF6d7no
――――砂浜
港湾棲姫「人間にほっぽ・・戻って来たか」
男「どうやら木材は集まったようだな。ありがとう」
戦艦棲姫「それよりもそろそろお昼だけど・・どうする?」
男「いったん休憩にしてから組み立てるとするよ。じゃあ鎮守府に・・」
マ マッテ!
男「この声は・・・駆逐棲姫か。どうした?」
駆逐棲姫「あ、あのね・・お弁当作って来たんだ・・一緒に食べない?」
男「おお、弁当か。じゃあここで食べていくか」
港湾棲姫「私たちもお昼にするか・・」
北方棲姫「ほぽ!」
重巡棲姫「では昼休憩だな、また会おう」
男「ああ、またな」
282 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:40:51.19 ID:O2uF6d7no
男「へぇー色々あるじゃないか」
駆逐棲姫「港湾水鬼に教えてもらったんだ、まだまだだけど・・」
男「どれどれ・・・この卵焼き、中々いけるな!」
駆逐棲姫「そ、そうかな・・//」
男「駆逐棲姫はいい嫁さんになれるぞ」
駆逐棲姫「えっ・・・そそそそれって・・・!?」カァアア
男「きっといい人に出会えるに違いないさ。そうだろ?」
駆逐棲姫「・・・・う、うん。そうだね・・」ションボリ
駆逐古鬼「ほぉーら、私が入れてあげたお茶でも飲んでのどを潤しなさいよ。さぁ!」グイッ
男「おい・・!待て・・!これって熱いお茶・・・あっつぅ!」
駆逐水鬼「このおにぎりは具があって美味しいな」モグモグ
レ級「このエビフライうめー!」
なんだかんだで昼を済ませ、筏製作の続きを行うことにした
283 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:44:35.48 ID:O2uF6d7no
――――数時間後
男「うーん・・もう夕方か・・」
重巡棲姫「しかし、あと少しで完成しそうだ。明日には出来上がるだろう」
泊地水鬼「コウ君。調子はどう?」
男「あと少しで完成しそうなんだ、ところで母さんはどこに行ってたんだ?」
泊地水鬼「私はさっき偵察から帰って来たところよ」
男「母さんも同じ部隊に入ってるのか?」
泊地水鬼「ええ、今まで仕事できなかったからその分頑張らなくっちゃね」
男「ありがとう、でも無理はしないでくれよ・・大事な母親なんだから」
泊地水鬼「ふふっ、ありがとっ」
重巡棲姫(本当にまぶしいな・・・)
戦艦棲姫(あの笑顔・・守らなきゃね)
284 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:46:15.07 ID:O2uF6d7no
レ級「おーい!そろそろ夕食だぜー!」
重巡棲姫「む、では鎮守府に戻ろうか」
戦艦棲姫「そうね、行きましょ」
男「なぁレ級、ちょっと話があるんだ」
レ級「お?何だ、聞いてやってもいいぜ?」
男「母さん、それにみんな、先に行ってもらってもいいかな?」
泊地水鬼「ええ、分かったわ。また鎮守府でね」
レ級「・・・・ヲ級の事か?」
男「ああ・・・お前と一緒にじゃなかったからな・・何かおかしいと思うんだ・・」
レ級「実はな・・あの出来事以来ヲ級の奴、部屋から出なくなったんだ・・」
男「・・・そうなのか・・やっぱり・・」
285 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:49:05.25 ID:O2uF6d7no
レ級「ふん!」ゲシッ
男「がぁ・・!な、何だよ!」
レ級「"俺のせいなのかな・・・"何て言わせねーぞ!!」
レ級「人間の先の事は人間が決めることだ!自分を負に追い込んでんじゃねぇぞ!」
男「そ、そうだな・・悪かったよ・・・じゃあ俺は先に鎮守府に向かうぞ」
レ級「おう!またな!」
レ級「・・・・オレだって寂しいさ・・けどお前が決めたんだから仕方ないよな・・」
レ級「ヲ級・・・分かってくれよ・・」
レ級「・・・オレも鎮守府に向かうか」
ヲ級「・・・・・・」
ヲ級「ヲッ・・・ニンゲン・・カエッチャウ・・・モウアエナイ・・」
286 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:51:24.93 ID:O2uF6d7no
――――翌日
男「よし・・後はロープを近くの木に括り付けて動かないように・・できた!」
重巡棲姫「ふむ、立派な筏だな」
集積地棲姫「とは言ってもよく見る筏の形だがな」
戦艦棲姫「港湾棲姫で試乗テストして大丈夫だったし、これで完成ね」
港湾棲姫「何かショック受けた・・」
北方棲姫「ほっぽも乗りたかった!」
防空棲姫「どうやら船の方は完成したそうだな」
男「ああ、後は出発するタイミングを決めるだけだな」
防空棲姫「それについて話がある、鎮守府に来てくれるか?」
男「話?わかった、すぐに行くよ」
287 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:54:14.75 ID:O2uF6d7no
―――深海鎮守府 応接間
中枢棲姫「空母棲姫の情報によると、嵐が起きそうな予感がするらしい」
男「本当か?いつぐらいだ?」
中枢棲姫「明日には来るだろうという事だ」
男「明日・・・筏も完成したし、ちょうどいいな」
防空棲姫「何とタイミングが良いのか、人間は本当に幸運の持ち主だな」
男「もしかしたら、俺が生きてるのは幸運じゃなくて運命だったのかもな、本当の母親に会ったりしたんだし・・」
中枢棲姫「それも考えられるな・・また明日に偵察を出すように仕向け、嵐を発見次第、人間に伝える」
男「分かった。・・・実質これがここで過ごす最後の日になるんだよな」
防空棲姫「そうなるな・・・お前には会う人物がいるだろう?」
男「・・・ああ・・今から会いに行くよ」
―――寄宿舎 廊下
コンコン
泊地水鬼「はい・・あら、コウ君。どうしたの?」
男「・・・あのさ、話があるんだ・・・いいかな?」
288 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/30(水) 23:56:17.18 ID:O2uF6d7no
―――――泊地水鬼の部屋
泊地水鬼「そう・・・明日には出発するのね」
男「ああ・・実質ここで生活するのが最後の日なんだ・・・」
男「・・・俺だって・・・母さんともう一度一緒に過ごしたかった・・」
男「けど・・元の世界に戻って俺を育ててくれた両親に恩を返したかったから・・・」
泊地水鬼「・・・・・」
男「だから・・・ごめん・・母さん・・」
泊地水鬼「私も・・できればコウ君と一緒にまた過ごしたかった・・・」
泊地水鬼「一緒にご飯食べたり・・一緒にお話ししたり・・けど仕方ないわ・・だってコウ君が決めたことなんだから・・」
泊地水鬼「謝ることはないのよ・・・あなたの出した答えは間違いじゃないわ」スッ
男「母さん・・母さん・・・!」ギュッ
泊地水鬼「本当に・・・本当に立派になったわね・・・」ギュッ
289 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/31(木) 00:03:25.33 ID:K/QkRcnko
男「・・・ごめん、急に抱き付いたりして」
泊地水鬼「いいのよ、受け入れるのが母親の役割ですもの」フフッ
男「あのさ、最後に一つだけ・・・いいかな?」
泊地水鬼「なぁに?」
男「今日だけ・・・一緒に寝てもいいかな?」
泊地水鬼「・・・ふふっ、いいわよ。いらっしゃい」
俺は泊地水鬼と一緒にベッドで就寝した 母さんは俺を優しく抱いて頭を撫でてくれた
ほんのり優しい香りがして 母さんの優しさが俺を包み込んでくれてるような感じだった そしてそのまま眠りについた・・
―――翌日
男「朝か、いい天気だな・・」
泊地水鬼「ええ・・本当に・・」
男「母さん・・」
泊地水鬼「おはよう、コウ君」ニコッ
男「・・・おはよう、母さん」
そして ついに別れの時が来た
290 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/31(木) 00:04:19.85 ID:K/QkRcnko
今日はここまでです
深海勢で母性持ってそうな人っていなさそうですよね
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/31(木) 00:38:02.43 ID:1Ng7Eyvso
おつ
嵐の中にイカダとか嫌な予感しかしない…
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/31(木) 02:30:49.03 ID:u0BFbCWfo
本当にただ添い寝しただけなのかな?
母親と禁断の肉体関係を結んだんでは息子の初めての相手はお母さんてっ決まってるんだーってさ
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/31(木) 09:38:42.19 ID:jcNizKTG0
乙です
294 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/09/02(土) 16:33:50.15 ID:luzimwTIo
―――――砂浜
空母棲姫「現在、嵐が海上にて発生している。あの時の嵐と同じだ」
防空棲姫「その嵐に向かえば元の世界に帰れるというわけか」
男「とうとうこの日が来たんだな・・」
砂浜には俺以外に姫全員が来ていた けどヲ級の姿はなかった
戦艦棲姫「なんだか寂しくなっちゃうわね・・」
男「俺も寂しいけど・・・みんなの事は忘れないよ」
重巡棲姫「ああ、しっかりと人間の事を覚えておくぞ」
男「・・・あのさ、最後に挨拶してもいいか?」
中枢棲姫「構わない、嵐もすぐには消えないだろうしな」
295 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/09/02(土) 16:35:42.23 ID:luzimwTIo
北方棲姫「人間・・帰るのか・・」シュン
港湾棲姫「ほっぽ、人間は元の世界に帰ると決めたのだから・・」
港湾水鬼「達者でな・・」
男「ああ、港湾水鬼が作った料理、とてもおいしかったよ」
港湾水鬼「・・・ありがとう」テレ
男「ほっぽ、帰ることになってごめんな」
北方棲姫「・・・謝ることない!人間が選んだ道!ほっぽ!邪魔しない!元気でな!」
港湾棲姫「ほっぽと遊んでくれてありがとう・・・怪我に気を付けてな・・」
男「ああ、3人とも元気でな」
296 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/09/02(土) 16:38:07.40 ID:luzimwTIo
駆逐棲姫「いよいよ行っちゃうんだね・・・」
男「・・・お前も一人で歩けるようになったんだな。俺は嬉しいよ」
駆逐棲姫「・・・私ね、人間が立てるように手伝ってくれたから歩けるようになるまで練習できたんだと思う」
駆逐棲姫「ようやく一人で歩けたのに・・・一緒に散歩できると思ったのに・・」
駆逐棲姫「なのに・・何でお別れしなくちゃいけないの・・・」グス
駆逐水鬼「・・・・・」
駆逐古鬼「ちょっとあんた・・何か慰めてあげたらどうなのさぁ・・」
男「いや・・俺だって何て言ったら・・・」
駆逐棲姫「・・・ううん。むしろ笑顔でありがとうって言うべきなんだよね」
駆逐棲姫「・・私を勇気づけてくれてありがとう」
男「ああ・・・元気でな」
駆逐棲姫「えへへ」
297 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/09/02(土) 16:51:30.44 ID:luzimwTIo
重巡棲姫「ついに行ってしまうのだな」
戦艦棲姫「あっちの世界でも元気でね」
PT子鬼「ギー!ギー!」
集積地棲姫「ふん、こいつの子守をしてくれたことは感謝する」
男「集積地棲姫もラジオを貸してくれてありがとうな」
集積地棲姫「・・・まさか人間を私の部屋に入れるとはな・・でもそれもおしまいだ」
集積地棲姫「二度とこっちに戻ってくるなよ」プイッ
戦艦棲姫「ごめんなさいね。あの娘、素直になれないのよ」
重巡棲姫「ここに来る前までは寂しくなるとか言ってたがな・・」
集積地棲姫「おい!ばらすな!」
男「はは・・・ありがとう」
298 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/09/02(土) 16:55:39.83 ID:luzimwTIo
中枢棲姫「まさか今となって提督の息子に再び会えるとはな」
防空棲姫「だが今日でまた別れか」
男「色々と協力してくれてありがとうな。服も貸してくれて・・」
中枢棲姫「容易いことだ、提督の軍服を来てるお前を見てるとあの提督を思い出す」
防空棲姫「まるで父親そっくりだったな」
男「父さんと・・・か」
防空棲姫「提督が生きていたら・・親子そろって見ておきたかったな・・」
男「・・・・・」
防空棲姫「すまない、こんな時に言う事じゃなかったな・・」
男「でも墓参りに行けたし、きっと父さんも喜んでるだろうな」
中枢棲姫「ああ・・そうだな。達者でな人間」
防空棲姫「私たちは誇り高き提督の息子を忘れない」
男「俺も、みんなの事は忘れないよ」
299 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/09/02(土) 17:02:26.98 ID:luzimwTIo
男「・・・・母さん」
泊地水鬼「・・・いよいよお別れね」
男「こういう時は何て言えばいいのか・・・」
泊地水鬼「・・・・・」
男「俺が悩んでた時、母さんに相談しに行くといつも聞いてくれた」
男「優しく悟ったり、慰めてくれたり・・頼りになる母親だった」
泊地水鬼「コウ君・・・」
男「けど・・!もうその声も聞けなくなると思うと・・!俺は・・!」
泊地水鬼「私も・・・コウ君に会えないと思うと・・悲しいわ・・!」
泊地水鬼「でも・・・あなたが進む道を決めるのはあなた・・だから止めはしないわ!」
泊地水鬼「だから・・・泣かないで・・最後は笑顔でお別れしましょ・・」
男「母さん・・・さようなら!」ギュッ
泊地水鬼「元気でね・・コウ君・・」ギュッ
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