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【艦これ】男「深海棲艦の島?」 ヲ級「ヲッ」
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140 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/07/31(月) 23:48:12.56 ID:KEimpsp9o
飛行場姫「この前、集積地の部屋でテレビ見てたらおかしなことやってたわね」
空母水鬼「おかしなこと?」
飛行場姫「人間が投げた球をもう一人の人間が棒で叩いてたのよ」
男「それって・・"野球"じゃないのか?」
空母棲姫「ヤキュウ・・?そっちにも深海棲艦はいるのか?」
男「そうじゃなくて、俺たちの世界で行われてるスポーツだ。9人のチームと9人のチームで試合をするんだ」
中間棲姫「どうして9人なの?」
男「それは知らないけど・・そう決まっているんだ」
水母棲姫「ふぅん、私が部屋を訪れたときは人間が球を蹴ってたわね」
男「それは"サッカ"ーだな。11人のチームが二チームあって試合をするんだ」
空母棲姫「種類によって人数は違うのか」
飛行場姫「ねぇ、その"ヤキュウ"と"サッカー"っていうのどんなのか教えてくれないかしら」
男「ああ、いいぞ」
141 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/07/31(月) 23:51:21.94 ID:KEimpsp9o
空母棲姫「ヲ級に言葉を教えたのは人間か?」
男「簡単には教えたけど、じっくり教えたのはレ級だな」
水母棲姫「あのレ級が・・?」
空母棲姫「そうか・・しかし、人間も教えてくれたことは変わらない、感謝する」
男「俺はそんな大したことはしてないさ、でもヲ級って最初から言葉を話せないのか?」
空母棲姫「ヲ級のタイプは言葉を話せないタイプだからな」
中間棲姫「最初から話せるのはレ級やツ級からのタイプね」
飛行場姫「カタコトだけど話せるようになったのはすごいわねぇ」
142 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/07/31(月) 23:58:58.53 ID:KEimpsp9o
男「なぁ・・そろそろ俺の話も聞いてくれないか?」
水母棲姫「なぁに?好きなタイプ?」
男「じゃなくて!海で"門"みたいなのを見たことあるか?」
飛行場姫「うーん・・知らないわねぇ」
空母水鬼「それは海の中か?それとも上か?」
男「仮説としては、俺たちが乗っていた飛行機が"門"をくぐったとなれば空にあるかもしれないということなんだ」
空母棲姫「しかし、私たちも偵察をしているがそんなものは見たことはないぞ」
男「そうか・・・」
水母棲姫「落ち込む人間もかわいいわね」ナデナデ
男「な、何やってんだよ!//」
水母棲姫「うふふ、照れてるわよぉ」
143 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/01(火) 00:15:06.03 ID:dI97j8KFo
中間棲姫「人間、一つ聞くけど」
中間棲姫「あなたがその飛行機に乗ってる時、何が起こったか覚えてないの?」
男「俺が飛行機に乗ってる時・・・?」
中間棲姫「ええ、その記憶から何かわかるかも知れないでしょ?」
男(そういえば、あの時何が起こったのか思い出してないな・・)
男(・・・・あれ?何が起こったんだ?)
男「・・・おかしいぞ。何があったのか覚えてない・・」
水母棲姫「一時の記憶喪失かしら?」
飛行場姫「恐らくそうね」
空母水鬼「それなら、墜落した飛行機に行ってみてはどうだ?記憶を思い出すかも知れないぞ」
男「そうだな、一度そうしてみるよ。・・・気は進まないけど」
144 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/01(火) 00:21:12.78 ID:dI97j8KFo
ガチャ
戦艦棲姫「空母棲姫、そろそろ偵察の・・って人間もお茶会に参加してたのね」
男「えーっと・・お前は確か、前に集積地棲姫を朝食に無理やり連れ込んだ・・」
戦艦棲姫「"戦艦棲姫"よ。紹介がまだだったわね」
男「ああ、よろしく。ところで偵察の時間って?」
空母棲姫「平和になったとはいえ、何が起こるか分からんからな。艦載機を飛ばして偵察するのだ」
男「そうか、俺はもう一度飛行機の中を探索してみるよ」
空母棲姫「ああ、でもその前に片づけを手伝ってくれ」
男「わかった」
そういうとみんなせっせと片づけを始め、終えると空母棲姫達は偵察に戻った
145 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/01(火) 00:24:12.43 ID:dI97j8KFo
戦艦棲姫「ねぇ、人間は飛行機の中を探るの?」
男「ああ、何か思い出すかもしれないしな」
戦艦棲姫「それなら私とあの二人も付いて行っていいかしら?」
男「あの二人?」
戦艦棲姫「先に行っててくれないかしら?一人は引きこもりで連れ出すのに時間がかかるのよね」
男「もしかして・・・集積地棲姫か?」
戦艦棲姫「あら、正解よ。墜落した飛行機の探索メンバーの一人だったのよ」
男「そうだったのか、じゃあ俺は先に行ってくるよ」
男(あそこで何があったかを思い出す・・・簡単にできれば良いけど・・)
重い足取りの中 俺は墜落した飛行機がある砂浜へと向かった
146 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/01(火) 00:37:29.65 ID:dI97j8KFo
――――砂浜 飛行機前
男(・・・何度見ても悲惨な姿だな・・それにしてもどうして墜落したんだろうか・・)
男(・・・・ん?あれは・・)
泊地水鬼「・・・・・」
男「なぁ?どうしたんだ?飛行機なんかじっと見て」
泊地水鬼「あなたは・・人間ね。どうしたの?ここに来て」
男「ちょっと飛行機の中を調べたくてな、ここに来たんだ。お前は・・」
泊地水鬼「"泊地水鬼"よ。それにしてもでかい飛行機ね・・」
男「まぁ・・俺たち団体を乗せてたからな。それなりに大きい飛行機じゃないとな」
泊地水鬼「それにしても可哀想ね・・翼が折れちゃって・・」
男「うーん・・墜落したときに折れてしまったかだな・・」
男(でもどうして飛行機はここに墜落したんだ・・?)
男(・・・わからない。何があったんだ?)
そう考えながら髪の毛を掻き上げたときだった
147 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/01(火) 00:39:02.76 ID:dI97j8KFo
泊地水鬼「!!!?」
男「えっ・・?どうしたんだ急に・・」
泊地水鬼「嘘・・・まさか・・・?」
男「え?」
泊地水鬼「あっ・・何でもないのよ・・じゃあ私は帰るわね・・」スタスタ
男「・・・?どうしたんだ?」
その時 すれ違いで戦艦棲姫達がやってきた
戦艦棲姫「お待たせしちゃったわね。でもどうしたの?泊地水鬼と何かあったの?」
男「いや・・・急に驚いただけなんだけど・・」
戦艦棲姫「ふーん・・どうしたのかしら?それよりも連れてきたわよ、例の二人」
148 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/01(火) 00:42:20.88 ID:dI97j8KFo
集積地棲姫「くそっ・・・何でまた・・」ブツブツ
重巡棲姫「部屋にいてもゲームしてるだけだろ」
戦艦棲姫「じゃあ早速始めようかしら、重巡棲姫と私と人間で中を探索」
戦艦棲姫「集積地棲姫と子鬼達は外装を調べてね」
重巡棲姫「任せておけ」
集積地棲姫「わかったよ・・」
子鬼「ギー!」
男「よし、飛行機内に入るぞ」
俺たちは飛行機内に入り、探索を始めることにした
149 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/01(火) 00:44:10.07 ID:dI97j8KFo
今日はここまでです
夏イベントが始まる前に終盤まで書き切りたいです
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/01(火) 01:09:38.51 ID:F+o1ai7ho
おつー
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/01(火) 09:17:19.56 ID:HIK4A4q70
乙です。ヤ級は出るとしたらどんな感じなんだろうな
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/01(火) 20:06:44.50 ID:66bbMEW1O
ダーマ社の手がかりを見つけなきゃな
後はなぜ門だと思い込んでるんだろうな不思議な空間やおかしな場所とかって聞いた方が成果ありそうだけど
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/02(水) 22:54:38.48 ID:m42G3Dft0
文意的に構造物としての門ではなく異世界との交通点であるゲートとして相手に伝わってるから大丈夫だろ
154 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/04(金) 00:13:08.61 ID:gTn4wtbbo
――――飛行機内 客室
重巡棲姫「ふむ、人間たちはいい乗り物に乗っていたんだな」
男「まぁ、高級クラスって聞いてたし・・」
戦艦棲姫「それじゃ今ではこの有様ね」
男「・・・・ダメだ、どの雑誌も黒焦げになってて読めない・・」
重巡棲姫「そういえば人間が座っていた席はどこだ?」
男「俺の席は・・・確か目の前に乗務員がいて・・」
男「まだ先の方だな」
戦艦棲姫「でもこの先って崩れてて通れないのよね」
重巡棲姫「この狭さでも人間なら通れるが・・どうする?」
男「ああ、俺に任せてくれ。行ってくる」
155 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/04(金) 00:20:07.34 ID:gTn4wtbbo
男「・・・よし、通れたぞ。ここも酷い有様だな・・」
戦艦棲姫『人間、どこか私たちが通れる場所はないの?』
男「うーん・・・なさそうだな。こっち側は俺が探索してみるよ。そっちは任せてもいいか?」
重巡棲姫『ああ、わかった』
戦艦棲姫『また後で落ち合いましょ』
男「頼む。・・・・さて、俺の席はもう少し前の方だったな・・」
ガタッ
男「おっと・・危ないな・・・足場も脆くなってそうだから気を付けないとな」
俺はゆっくりと歩きながら周囲を探索し始めた
男(この先に・・何かを思い出させるものがあるに違いない・・)
不安が募る中、一歩一歩進み始めた
156 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/04(金) 00:28:25.66 ID:gTn4wtbbo
男「ここが俺の席だな・・・とは言ってももう座席じゃないなこれ・・・」
男「俺の席の近くのドアも剥がれてしまってるな・・」
男「・・・・え?ドアがない・・?」
男(・・・・・!?頭が痛い・・!)
------数日前 飛行機内
――――皆さま!現在機体は嵐の中を通過しています!!シートベルトをしっかりと閉めてください!
クラスメイトA「なぁ!俺たちどうなっちまうんだ?!」
男「分からないに決まってるだろ!早く避難の体勢をとれよ!」
クラスメイトA「そんなこといってもさぁ!」
――――ああ!非常用ドアが!
男「な・・・!ドアが外れた?!」
クラスメイトA「おいおいおい!これまじでやばいんじゃねーか?!」
カチャン
男「え・・・・?う、うわあああああああ!」
------
157 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/04(金) 00:34:49.97 ID:gTn4wtbbo
男「・・・・そうか!俺たちが乗っていた飛行機は嵐の中を通っていたんだ!」
男「それで俺のシートベルトが外れて無防備な状態で外へ放り出されて・・・この島の砂浜に流れ着いたんだ!」
男「そして飛行機は嵐の影響で不安定になりこの島に墜落したんだ!」
男「・・・これでわかったぞ!あの嵐の暴風域がこの世界と俺の世界を繋いでることを!」
男「とりあえずこの事を報告しないと・・!」
重巡棲姫「お、帰って来たか。どうだ、何か見つかったか?」
男「・・・・思い出したよ。ここで何があったか」
戦艦棲姫「本当なの?」
男「ああ、一から話していくよ」
158 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/04(金) 00:40:04.22 ID:gTn4wtbbo
―――数分後
戦艦棲姫「だからあなただけ助かったのね・・」
重巡棲姫「不幸中の幸いと言うわけか」
男「そして、あの嵐の中でこの飛行機はお前たちの世界に入り込んでしまったと考えられる」
戦艦棲姫「確かにそうね、あなたが放りだされたとなると砂浜に流れ着き、ヲ級に助けてもらったと」
重巡棲姫「そして飛行機は嵐の影響で島に墜落した・・・か」
男「その通りだな・・・」
重巡棲姫「それで、この後どうする?」
男「嵐の出現時期が不明瞭だしなぁ・・。一度報告しに行ってくるよ」
戦艦棲姫「そうね、集積と子鬼達にも戻るように伝えておくわね」
159 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/04(金) 00:44:28.25 ID:gTn4wtbbo
―――鎮守府 応接間
中枢棲姫「なるほど・・つまりその嵐の中に飛行機は入り込み、この世界に入ったというのだな」
男「そうだ、そして俺はあの嵐の領域内に繋がる空間があると思うんだ」
防空棲姫「それが"門"の代わりと言うのか・・」
中枢棲姫「人間は嵐の出現時期とかはわかるのか?」
男「・・・それがわからないんだ」
防空棲姫「ふむ・・・壁にぶつかったか・・」
中枢棲姫「・・・・今協力できることは空母の姫達に協力してもらい、艦載機で探してもらうことだな」
男「協力してくれるのか?」
中枢棲姫「ああ、ただそう簡単には見つからないと思うが・・」
中枢棲姫「"提督"ならこうしていただろうなって思ってしまってな」
男「"提督"・・?」
防空棲姫「かつて、私たちの艦隊を指揮していた人間だ」
男「何だって?!今もどこかにいるのか?」
160 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/04(金) 00:47:47.17 ID:gTn4wtbbo
中枢棲姫「・・・・とうの昔に死んだ。感染病でな」
男「そうだったのか・・」
防空棲姫「とても情に厚い人間だった・・でも提督のおかげで私たちはこうやって平和に過ごせているのだ」
男「・・・・・・」
中枢棲姫「話は戻るが・・朝から夕暮れまでに艦載機で偵察を一人ずつ交代制で行う」
中枢棲姫「嵐を見つけ次第、人間に報告する。地味だがこうするしかない」
男「協力してくれるだけ助かる。ともあれ、何かしらの前兆があればいいんだけど・・」
中枢棲姫「ふむ、それもついでに探すように伝えよう」
男「わかった。じゃあ俺は小屋に戻って何をするべきか考えてくる」クルッ
中枢棲姫「・・・・!」ガタッ
男「? どうした?」
中枢棲姫「いや・・・何でもない。すまない、足を止めてしまって」
男「・・・?ああ・・じゃあまた何かあったら報告するよ」バタン
161 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/04(金) 00:51:52.44 ID:gTn4wtbbo
中枢棲姫「・・・・防空、一瞬だが私は人間の後姿をあの提督のように見えた・・」
防空棲姫「・・・中枢もか。一瞬だったが私にも見えた」
中枢棲姫「・・・・・・」
防空棲姫「・・・・それでは早速、空母の姫に集まるよう呼びかけてくる」
中枢棲姫「ああ、頼んだ」
ガチャ
????「・・・・・」
中枢棲姫「おまえは・・・」
――――小屋
男「うーん・・・まずは船だな。それには土台と帆が必要なんだよな・・」ブツブツ
男「それと食料も必要なんだよな・・後は水・・」
男「必要なものはまだまだありそうだな・・」
162 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/04(金) 00:55:47.94 ID:gTn4wtbbo
今日はここまでです
・・・・夏バテでダウンしてしまって中々思うように進めないのが辛い・・
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/04(金) 01:02:23.55 ID:jAw3OnhPo
おつ
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/04(金) 02:00:35.91 ID:tpp02uf4O
空や海に別次元に繋がるような場所あったらとっくに解ってるでしょ
戦争中に海を走り回ってるんだから情報が来てるだろうし空にしてもそうだろうから
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/04(金) 13:02:08.88 ID:2lvukPx5o
嵐が見えたら、よっぽどの理由がない限り迂回するだろ。
艦載機は発着艦できないし、波で揺れて砲撃もままならないし。
潜水艦にでも狙われたらアウトやぞ。
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/04(金) 15:13:55.22 ID:tpp02uf4O
lost思い出すなダーマ・イニシアティブが絡んでるなきっとこの島は
167 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 09:09:57.11 ID:5zYRtDmPo
コンコン
男「・・・?誰だ?」ガチャ
駆逐棲姫「あ・・・こんにちわ・・」
駆逐水鬼「人間、少しいいか?駆逐棲姫がどうしても渡したいものがあって連れてきたんだ」
男「渡したいもの・・?」
駆逐棲姫「えっと・・・リハビリついでにクッキー焼いてみたんだ・・」
男「クッキーか・・そういやお茶会はコーヒーしか飲んでなかったな・・くれるのか?」
駆逐棲姫「う、うん。この前のお礼で・・」
男「そうか、ありがとうな。よかったら一緒に食べないか?」
駆逐棲姫「えっ・・//」
男「駆逐水鬼もどうだ?せっかく作ってくれたんだし、食べて行ってもいいだろ?」
駆逐水鬼「ふむ・・そうだな。お前も来るか?駆逐古鬼」
駆逐古鬼「ぐっ・・・!仕方ないわね・・」
男(もしかして隠れてたのか・・?)
168 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 09:15:38.51 ID:5zYRtDmPo
駆逐水鬼「元の世界に戻れる手がかりを知れたというのか」
男「ああ、でもいつになるかはわからないがな」
駆逐棲姫「いずれは帰っちゃうんだね・・・」
男「まぁな・・・準備ができるまではここにいるけど・・」
駆逐棲姫「私も何かできたらいいけど・・」
男「クッキー焼いてくれたんだしそれだけで嬉しいよ」
駆逐棲姫「えへへ・・//」
駆逐古鬼「・・・・」ムス
駆逐水鬼「古鬼?クッキー食べないのか?美味しいぞ」
駆逐古鬼「・・・食べるわよ」ヒョイ
169 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 09:21:23.79 ID:5zYRtDmPo
駆逐古鬼「それで、肝心の嵐はいつ来るか分かるの?」
男「それなんだよな・・・」
駆逐水鬼「そういえば、ジャンク広場に物が流れ着いたのは嵐の影響だったのだな」
男「俺の世界から流れ着いたものが来てるんだからな」
駆逐棲姫「じゃあ、集積地棲姫に聞いてみたらどうかな?子鬼達が持って帰ってくるって言ってたし」
男「なるほど・・嵐で物が流れ着いたその日からまた嵐が来た日にちを引けば・・」
駆逐水鬼「ふむ・・予測できることになるな」
男「そうとなれば、集積地棲姫に話を聞かないとな。・・・このクッキーを食べてから」
駆逐棲姫「無理して食べなくてもいいんだよ?」
男「せっかく作って持ってきてくれたんだ、誠意を無駄になんてしたくない」
男「それに、このクッキー美味しいしな」
駆逐棲姫「あ・・ありがとう//」
駆逐古鬼「・・・・・」ゲシゲシ
男(何で俺蹴られてるんだろ・・)
170 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 09:25:57.30 ID:5zYRtDmPo
――――集積地棲姫の部屋
集積地棲姫「そうだな・・・不定期だがおおよそ2〜3ヶ月のペースで発生してるな」
レ級「前に嵐が来たのはつい最近だっけか」
ヲ級「ソウダッタ」
男「そうなると準備はしていた方が良いな・・」
集積地棲姫「ああ、空母の姫達も艦載機で探してくれてるらしいしな、いつでも出れるようにしとけば大丈夫だろう」
男「そうだな、ちょっとジャンク広場にもう一度行ってみるよ」
レ級「おっ!オレも行くぜー!」
ヲ級「ヲ級も行く!」ピョン
男「集積地棲姫はどうする?」
集積地棲姫「今日はもう外には出ないぞ」
男「そうか、じゃあ俺たちで行くか」
レ級「オー!集積ー!たまには外に出て運動しないとだらしなくなるぞー!」
集積地棲姫「うるさい!とっとと行け!」バタン
男「・・・いつも部屋にいるのか?」
ヲ級「ウン」
171 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 09:27:52.09 ID:5zYRtDmPo
――――ジャンク広場
男「そういやまだ探してない場所とかあったよな・・・こことか・・」ゴソゴソ
男「これは・・ロープか・・使えそうだし持っておくか」
男「ん?これって・・・パドルだ!よし!これで船を漕げるな!」
レ級「人間、順調か?」
男「ああ、この調子でどんどん探しに行ってくる」
数分後....
男「結局見つけて使えそうなものはパドルとロープだけか」
レ級「何か惜しいよなー・・」
ヲ級「ヲー!ヲ級 ヘンナモノ ミツケタ!」
男「どれどれ・・野球のグローブじゃないか」
172 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 09:32:47.30 ID:5zYRtDmPo
レ級「ヤキュウってなんだ?深海棲艦か?」
男「俺たちの世界で行われてるスポーツだ、まさか流れ着いてるなんて・・・」
ヲ級「フタツ アッタ」
男「ボールもあるんだな・・・キャッチボールぐらいはできそうだな」
レ級「お?運動する系か?」
男「ああ、ヲ級。一緒に遊ぶか?」
ヲ級「ヲッ!人間!イッショにアソブ!!」ピョンピョン
レ級「おいおい、オレも入れてくれよなー!」
男「分かってるよ。じゃあ砂浜に行こうか」
173 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 09:36:03.05 ID:5zYRtDmPo
――――砂浜
男「いいかヲ級、ボールをグローブで掴むんだ」ヒョイ
ヲ級「ヲッ・・・ヲッ・・」ワタワタ ポロリ
ヲ級「トレナカッタ・・」
男「まぁ最初はそんなものだ、何回か繰り返すうちに取れるようになるさ」
ヲ級「ヲッ!モウイッカイ!」
男「よし、行くぞ。それ」ヒョイ
ヲ級「ヲー・・・ヲッ」パシッ
男「よーしいいぞ!次はもっと遠くから投げてみるぞ」
ヲ級「ヲッ!」
レ級「おい!オレを忘れるなって!早くやらせろー!」
男「ヲ級がある程度取れるようになったら交代するさ。もう少し待ってくれ」
174 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 09:40:17.10 ID:5zYRtDmPo
レ級「うーし!オレが投げてやるからヲ級絶対捕れよ!」ブンブン
ヲ級「ヲー・・」
男「あまり強い球を投げるなよ。ヲ級も捕れないからな・・」
レ級「まーかせとっけ!いくぜ・・・オリャアア!」ビュッ
ヲ級「ヲ!?」
レ級が投げたボールはヲ級の遥か上を通過した そして・・海に落ちた
男「おい!一つだけのボールだったんだぞ!?」
レ級「あちゃー・・・力加減間違えたかな?」
男「間違えすぎだろ!?」
結局ボールはレ級が取りに行き、再びキャッチボールをして楽しんだ
本当に楽しい時間だった 時が経つのも忘れるほどだった
175 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 09:40:57.45 ID:5zYRtDmPo
一旦ここまでです
また帰ってきたら続き書きます 書けたらですけど・・
176 :
全治全能の未来を予言するイケメン金髪須賀京太郎様に純潔を捧げる
[sage saga]:2017/08/06(日) 10:16:46.71 ID:nxoMlVsA0
イケメン金髪王子須賀京太郎に処女膜捧げる深海棲艦の物語アニメ化でヲ級祝轟沈確定
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/06(日) 14:44:33.58 ID:ypg4iFTb0
タ級が小さい玉とラケットを持ってこっちを見ている
178 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 22:24:24.35 ID:5zYRtDmPo
男「ふぅ・・・二人ともすぐにできるようになったな」
レ級「まぁな、体を動かすのは苦手でもないし」
ヲ級「ヲ級 タノシカッタ!」
男「ああ、俺もな」
レ級「なぁ、手掛かりを探すのなら少し離れた島に行ってみねぇか?」
男「そこに何かあるのか?」
レ級「オレたちがまだ戦争していたころ、拠点にしてた鎮守府があるんだ。まぁ今となっては廃墟になってるけど」
男「そうだな・・。よし!案内してくれ!」
ヲ級「ヲー・・。今日は 疲れた」
男「あ・・今すぐにでもじゃないから良い。明日でも構わない」
レ級「じゃあ明日の朝、人間の小屋の前に来るわ」
男「ああ、じゃあそろそろ夕食の時間になりそうだし、鎮守府に行こう」
179 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 23:04:34.63 ID:5zYRtDmPo
――――小屋
男(戦争してた頃の鎮守府か・・・。まだ"提督"という人物が生きてた頃の時なのか?)
男「何にせよ、何か手掛かりがつかめるかもしれないし、今日はもう寝るか」
男(上手くいけばもうすぐ元の世界に帰れるんだよな・・・それはそれで寂しいけど・・)
――――砂浜
????「・・・・・・」
防空棲姫「どうした?こんな時間に人間の小屋なんか見つめて」
????「・・・・もし・・本当だったら私・・」
防空棲姫「何を言っている、もういないと言っているだろう」
????「でも・・!」
防空棲姫「あんな状況で生きてるということはあり得ん。お前の勘違いだ」
????「・・・・やっぱりそうよね・・・ごめんなさい・・帰るわね」スタスタ
防空棲姫(私も信じがたいが・・本当にそうなら人間は・・)
防空棲姫(・・・・・・・・)
180 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 23:15:52.85 ID:5zYRtDmPo
――――翌日
レ級「よぉーし!みんな集まったな!」
ヲ級「ヲッ!」
北方棲姫「みんな、おはよう!」
男「ああ、おはよう。ほっぽも来てるんだな」
北方棲姫「うん!探検楽しいからついてきた!」ピョンピョン
レ級「とは言っても廃墟になった鎮守府だけどな、じゃあ人間は俺の背中に乗ってくれ」
男「悪いな・・また乗せて貰って」
レ級「気にすんなって、よーし!探検隊出発だー!」
一同「おー!」
男(こうして俺たちは少し離れた島に向かい、廃墟の鎮守府を探検することになった)
181 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 23:21:29.50 ID:5zYRtDmPo
コンコン
防空棲姫「人間、居るか?」
防空棲姫「・・・・いないのか、どこに行ったのだろうか・・」
港湾棲姫「防空じゃないか・・どうした?」
防空棲姫「ああ、人間に話があってここにきたんだが・・」
港湾棲姫「そういえばほっぽがレ級達と探検に行くとか言ってたな・・恐らく人間も一緒だろう・・」
防空棲姫「人間もか・・・?」
防空棲姫(仕方ない・・時間が経った後にまた来るか・・)
――――旧鎮守府
レ級「よーし着いたぜ」
男「ここが・・・」
ヲ級「ココニ来るの 久し振り」
北方棲姫「ほっぽも久しぶり!」ギィ
男「ドアはまだ開くんだな」
レ級「封鎖とかはしてないらしいからな、じゃあ入ろうぜ!」
182 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 23:23:47.84 ID:5zYRtDmPo
―――――旧鎮守府 エントランス
男「思ったより広いな・・。みんなで探索するか?」
レ級「んー・・・一度バラバラになって探索した方がよくないか?」
男「でも何かあったらどうするんだよ?」
北方棲姫「一人より二人で探索した方が良い!」
レ級「そうだな・・・オレとほっぽ 人間とヲ級で探索しようぜ」
男「ああ、集合する時間はどうする?」
レ級「んー・・ある程度探し回って目途が立ったらここに集合でいいんじゃね?」
男「よし、わかった」
レ級「よーし!じゃあ探索開始だ!」
男(ここで何か見つかるといいが・・・今はどんな情報でも手に入れたいところだな)
183 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/06(日) 23:24:36.48 ID:5zYRtDmPo
今日はここまでです
イベントまでには終盤・・・!終盤まで進めたい・・・!
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/06(日) 23:33:29.86 ID:47JRCDZno
おつ
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/07(月) 09:20:47.91 ID:A2hynRxy0
乙です
186 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 00:22:51.06 ID:vp6wgo7Wo
―――――旧鎮守府内 廊下
男「ここの鎮守府もたくさん部屋があるな・・・」
ヲ級「ヲー・・・ドコガドコナノカ忘れた」
男「まぁここに来るのは久しぶりなんだろ?仕方ないんじゃないか?次はこの部屋だな・・」ガチャ
―――――旧鎮守府内 提督の私室
男「ここは・・誰かの部屋なのか?」
ヲ級「ヲキュ!提督の 部屋!」
男「"提督"がまだ生きていたころに使っていた部屋なのか・・」
男(この部屋にあるのは机とベッドだけだ・・他のものはここから出る際に捨ててしまったのだろうか?)
ヲ級「人間 この部屋 探す?」
男「ああ、何か日記とかあるかも知れないしな」
男「俺は机を調べるから、ヲ級はその他の所を調べてくれないか?」
ヲ級「ヲッ!ワカッタ!」
187 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 00:33:25.93 ID:vp6wgo7Wo
男「引き出しの中に何かありそうだが・・」ガラッ
男(ん・・・?何だこの封筒・・中に何か入ってるのか?)
ガチャ
レ級「ヲ級!いるか?!」
ヲ級「レ級 どうした?」
レ級「ほっぽが猫を追いかけて木の上まで行きやがったんだ。おまけに降りられなくってなぁ・・」
レ級「あいつも浮遊要塞今持ってないし、ヲ級の艦載機でクッション作ってくれねぇか?」
ヲ級「ヲッ ワカッタ デモ・・・」
男「気にするな、俺一人で探索はする。早く助けに行ってあげた方が良い」
ヲ級「ヲッ!ソレジャ 行ッテクル!」
レ級「よし、こっちだ」ダッ
男「さて・・・俺はこの封筒の中にあるものを調べてみるか」
188 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 00:40:49.18 ID:vp6wgo7Wo
男「写真が数枚入ってるな・・」
男「これは・・・提督みたいだな。その隣の・・この姫って・・」
―――――それにしても可哀想ね・・翼が折れちゃって・・
男「"泊地水鬼"じゃないか・・提督と仲が良かったのか?」
男(この写真だと笑っているけど・・・俺と会った時は暗かったな・・)
男「まだ写真はあるな・・ん?これは赤ん坊を抱いてるな・・二人の子供か?」
男「額に傷があるな・・生まれた時からなのか・・?」
男「待てよ・・・この赤ん坊の額にある傷・・どっかで見たことあるぞ・・!?」
恐る恐る近くの窓に目を向け、額を確認してみる
-------
クラスメイトA「なぁ、その額の傷って何だ?」
男「何だろうな・・・俺が小さいころからあったって親が言ってたんだ」
クラスメイトA「へぇー、何かかっこいいな!」
男「そ、そうか・・?」
------
189 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 00:46:35.83 ID:vp6wgo7Wo
男「嘘だろ・・・?」
俺の額の傷は・・・その赤ん坊の額の傷と形が一緒だった・・
男「・・・・・どういう・・ことだ・・?」
俺の中で更なる疑問が生まれた
俺は俺の世界で生まれたのではなく この世界で生まれてきたのか・・・?
男「・・・・・・・」
何も言葉が出なかった 考えることもできなかった
ただただ茫然としているだけだった
男「・・・・・・・」
190 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 00:50:56.74 ID:vp6wgo7Wo
???「・・・ゲン!ニンゲン!」
ヲ級「ニンゲン!ダイジョウブカ?!」
男「・・・!」
男「・・・ヲ級か。どうした?」
レ級「どうしたも何も、オレ達が呼びかけてるのにずーっと突っ立ってたんだぞ?」
レ級「もしかして耳の中詰まってんじゃねぇのか?」
男「・・・・・悪い。少し考え事をしててな・・」
レ級「・・・その割には深刻な表情だったぞ。本当に大丈夫か?」
男「ああ・・・大丈夫さ。それよりもほっぽの方はどうなんだ?」
ヲ級「無事 ホッポ 助かった」
北方棲姫「もう帰れないかと思った・・・」グス
男「ほら、泣くなよ。今度からは気を付けろよ」
191 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 00:55:27.20 ID:vp6wgo7Wo
レ級「それで、どうする?ここから出るか?」
男「・・・・ああ、鎮守府に帰ろうか」
ヲ級「ヲッ!」
北方棲姫「人間、何か見つけたか?」
男「・・・・・いや、何も見つからなかったよ」
北方棲姫「そうか・・・帰って一緒におやつ食べる!それで元気になる!」
男「ああ、そうだな。レ級、また頼んでいいか?」
レ級「・・・・ああ、わかったよ。じゃあ帰るとしますか」
結局廃墟になった鎮守府で有力な情報は見つからなかった
ただ、あの写真を自分のポケットに隠し持ってることは言わなかった
俺は嘘をついた 有力な情報どころか、俺の人生を変えるかもしれない情報を持っていることを・・
192 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 00:57:09.97 ID:vp6wgo7Wo
―――――小屋
俺は廃墟になった鎮守府で手に入れた写真をずっと眺めていた
この赤ん坊は本当に俺なのか、そうじゃないのか・・・
仮に俺だとしたらどのようにして俺の世界に行ったのか
男「・・・・・・・・」
男「・・・・・クソッ!どうなってんだ・・・!」
コンコン
男「・・・・誰だ?開いてるぞ」
ガチャ
防空棲姫「人間、帰ってきてたのか」
男「・・・防空棲姫か」
防空棲姫「・・・・どうした?そんな難しい顔をして」
193 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 00:59:41.93 ID:vp6wgo7Wo
男「い、いや!何でもないぞ!・・・それでどうしたんだ?」
防空棲姫「・・・・実は嵐に関する情報を手に入れたので人間に報告しようと思い、朝に訪れたんだがいなくてな」
防空棲姫「時間を改めてまた来た。それで、その情報なんだが・・」
男「・・・悪い。その話は今はやめてくれないか・・一人にさせてくれ・・」
防空棲姫「・・・?ふむ・・そういえばほっぽ達とどこかに探検したと聞いたが・・」
男「・・・・廃墟になった鎮守府に行ったんだ。何か手掛かりがあるか探しにな」
防空棲姫「あそこにか・・・?それで何か見つけたのか?」
男「・・・・・・・」
男「・・・・いや、何も見つからなかった。きれいさっぱりなかったよ」
防空棲姫「そうか・・・落ち込んでいたのはそれのせいか」
男「まぁ・・・当たってるな」
防空棲姫(人間・・何か隠してそうだが・・・)
194 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 01:01:48.52 ID:vp6wgo7Wo
防空棲姫「情報ならいつでも話せる。聞きたいときは声をかけてくれ」
男「ああ、わかった。わざわざ来てくれてなんだけど悪いな・・」
防空棲姫「別に構わない。では、私は帰るぞ」バタン
男「・・・・・・また嘘ついちゃったな」
男「ひとまず横になるか・・・夕食まで時間があるし」
男(・・・・・本当に・・あれは俺だったのか・・?)
横になっても様々な考察が過り、なかなか寝付けなかったが
しばらくして ようやく寝付けることができた 束の間の休息を・・
195 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 01:02:47.60 ID:vp6wgo7Wo
今日はここまでです
結局イベントまでに終盤に行けませんでした
今後はイベントと平行に進めていきます(イベントはまだ様子見ですが・・)
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/11(金) 01:29:21.29 ID:fTRv8FFGo
おつ
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/11(金) 02:43:10.92 ID:ZVNvPBrh0
額の傷とかどこのポッターだフォイww
198 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 23:53:23.16 ID:vp6wgo7Wo
――――深海鎮守府
男「・・・つまり嵐が来る数日前に何かしらの前兆があるというんだな?」
中枢棲姫「急な静けさや、風の強さ、匂いなどが有名だな」
防空棲姫「空母の姫達に交代制で出撃させ、前兆が分かり次第人間に伝える。それでいいか?」
男「・・・・・・」
中枢棲姫「どうした?浮かない顔をして」
男「・・・・あのさ、こっちの世界から俺の世界に入って来たって言うのもありえるんだよな?」
中枢棲姫「そうだろうな、お前の世界の物がこっちに来てるのだから互いに通じてる"門"があると考えられる」
防空棲姫「まぁこれは何回も言ってる事だがな」
男「じゃあさ・・この写真、見てくれるか?」スッ
防空棲姫「写真だと・・・?」
中枢棲姫「ほぉ・・この写真を見るのはずいぶん久しぶりになるな」
199 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/11(金) 23:57:19.67 ID:vp6wgo7Wo
男「俺とヲ級、レ級とほっぽで探検目的で旧鎮守府に行ったときに見つけた写真だ」
中枢棲姫「そうだったのか、ありがたい。墓に供える写真を探してたのだがどこにも見つからなくてな、まさか旧鎮守府にあったとは・・」
男「その写真を見る限り、泊地水鬼と提督は結婚したってことなんだよな?」
中枢棲姫「ああ、平和の条約を結んだ後、二人は結婚して子供を授かった」
防空棲姫「しかしその後、提督は感染病によって死亡した・・」
中枢棲姫「それで、この写真がどうかしたのか・・・・・。?!」
防空棲姫「どうした?中枢・・・。!!?」
男「・・・・この傷、見覚えがあるか・・?」
中枢棲姫「・・・・写真の赤ん坊と同じ傷跡だと?!」
防空棲姫「やはり、泊地水鬼の言うことは本当だったのか・・?!」
男「待てよ!まだそう決まったわけでもないだろ!」
男「たとえ傷跡が一緒だったとしても、単なる偶然で似てたとも考えられる!だからまだ・・・!」
200 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/12(土) 00:02:02.36 ID:zONzQmHyo
レ級「いやぁ・・・そうでもないんだ・・・」
男「レ級?!どういうことだ!?」
レ級「あのさ、オレが人間と初めて会話した時の言葉って覚えているか?」
男「あ、ああ・・ヲ級がくれたものを無駄にするのか?と言う内容だったよな」
レ級「・・・・あの時さ、オレ・・普通の人間じゃ聞き取れない声で話しかけてたわけよ」
男「おい・・・!じゃあまさか・・!?」
中枢棲姫「都合のいい話とでも言えるが、ここで生まれた人間は特別な波長を脳内に流し、私たちの言葉を聞けるようにしている・・」
中枢棲姫「つまり人間・・・その傷跡、そして深海棲艦の言語を理解できることから答えは結びつく」
男「やめろ・・・!やめてくれ・・・!!」
中枢棲姫「人間・・・お前は・・」
中枢棲姫「この世界で生まれてきたのだ」
201 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/12(土) 00:06:36.79 ID:zONzQmHyo
男「・・・・・」
中枢棲姫「・・・・・」
防空棲姫「・・・・・」
レ級「・・・でもさぁ・・このことが明らかになったわけなんだし・・」
レ級「ここにずっといてもいいんじゃないか・・?」
防空棲姫「おいレ級!!言葉を考えろ!」
レ級「だってよぉ!人間にとっちゃあ泊地水鬼は本当の母親なんだろ?!だったら問題ないじゃん!」
防空棲姫「貴様・・・!どうやら頭を冷やしたいようだな・・!」
中枢棲姫「防空!レ級!静かにしろ!仲間同士で争うのは愚の骨頂だ!」
レ級「・・・・だってよぉ」
防空棲姫「・・・・・」
男「中枢棲姫の言うとおりだ。仲間同士で争っても何も解決しないに決まってる・・・」
男「そしてレ級。俺はお前の発言に疑問がある」
レ級「疑問だって・・?!」
202 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/12(土) 00:13:52.22 ID:zONzQmHyo
男「何故俺は俺が育った世界にいたのか・・ということだ」
中枢棲姫「何が言いたい・・?!」
男「泊地水鬼は・・・・俺の事を見放したんじゃないのかって・・」
中枢棲姫「なっ・・・!何を馬鹿なことを言い出す人間!」
男「だってそうだろ?!実の母親だったらここで育ててくれるはずなのに俺が育ったのはあっちの世界だったんだぞ!」
男「考えてみると・・・!泊地水鬼は俺の事を捨てたんじゃないかって・・・!」
中枢棲姫「ふざけるな!!それはお前の勝手の妄想だ!」
男「妄想??そんな訳あるかよ!だったら何で俺はずっとこの世界にいなかったんだ?!どうして飛行機でこの世界に来たんだ??!」
男「そんなもの・・・・!あいつが捨てたとしか考えられないだろ!」
中枢棲姫「話も聞かずにのこのこと戯言を言うか・・・貴様ぁ!!」
レ級「あっ・・・これやばいんじゃね?!」
防空棲姫「おい!中枢!」
パシン
203 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/12(土) 00:19:07.62 ID:zONzQmHyo
俺は頬を強く叩かれた 前を向くとヲ級がいた
その眼は涙を浮かべて 俺の方を見つめていた
ヲ級「泊地 人間を捨てる 悪い奴じゃない!」
男「ヲ級・・・」
ヲ級「泊地 人間の事 ずっと優しくしてきた!」
男「・・・・・・!」
ヲ級「ダカラ モウ 喧嘩 ヤメテ・・・」
男「・・・・ごめんな、ヲ級・・・。俺・・安直に考えすぎてたかもしれないな・・」
中枢棲姫「・・・・・・・」
男「中枢棲姫、さっきの発言は取り消させてくれ・・・。そして・・何があったのか教えてくれないか・・?」
男「俺があっちの世界に入り込むまでの事を・・!」
中枢棲姫「・・・わかった。だが、ひとまず休憩を入れさせてくれ・・私も頭を冷やす・・」
男「ああ・・・ひとまず解散しよう」
こうして少しの間休憩を入れることにした その間、ヲ級を慰めたりして時間を過ぎるのを待った・・
204 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/12(土) 00:22:04.38 ID:zONzQmHyo
今日はここまでです
最近仕事も落ち着いて来そうなので書くペースも早くなりそうです
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/12(土) 09:32:35.64 ID:2/3bppkC0
乙です。
つまり幼い頃嵐に巻き込まれて深海棲艦の世界から人間界に行った感じだろうね
206 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:05:31.67 ID:oIgBQ6rlo
――――数分後
中枢棲姫「待たせたな、では話そうか」
男「ああ・・」
中枢棲姫「あれは・・私たちが提督の下にいた時だった」
-----数年前 深海鎮守府
深海提督「なぁ・・中枢。この戦争に意味はあるのだろうか?」
中枢棲姫「どういうことだ提督?」
深海提督「俺たち深海側は今まで艦娘達と戦争をしているが埒もなく、仲間も度重なる出撃で傷を負うことも多い。もちろんあちら側もそうだ」
深海提督「こんな日が続くとつくづく戦争を終わらせたいと思うんだ・・」
中枢棲姫「しかし、今となってはどうしようもないが・・・」
深海提督「・・・一か八か俺も一緒に行って会談を開くように説得するというのはどうだ?」
中枢棲姫「何だと・・?!危険承知の上か?!」
深海提督「でもこの方法しかないんだ、あちらも話を聞いてくれるだろう」
中枢棲姫「・・・・了解した。だが、もし危険が生じるのなら・・」
深海提督「ああ・・・砲撃戦は免れないだろうな」
207 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:09:53.03 ID:oIgBQ6rlo
――――深海鎮守府 中庭
泊地水鬼「えっ・・?あなたも一緒に?」
深海提督「ああ、この戦争を終わらせるのはこれしかないだろうな」
泊地水鬼「でもあなたが怪我することもあるのよ?それにもしかしたら・・・」
深海提督「・・・死にはしないさ、生き延びて見せる」
深海提督「それに、戦争が終わったら・・その・・」
泊地水鬼「終わったら?」
深海提督「・・いや、何でもない。じゃあ夜も遅いし、そろそろ寝るとするか」
泊地水鬼「ええ、おやすみなさい」
208 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:16:12.27 ID:oIgBQ6rlo
――――翌日 海上
重巡棲姫「うむ、いい天気だな」
空母棲姫「そろそろ艦娘がいる地点にたどり着くぞ」
泊地水鬼「・・・やっぱりあなたが傷つくところは見たくないわ!今すぐあなただけでも・・・!」
深海提督「今更引き返すわけにはいかない、ここまできたらやるしかない」
中枢棲姫「いたぞ、艦娘達だ」
榛名「・・・深海棲艦発見しました!砲撃――」
深海提督「待ってくれ、俺はこちら側の提督だ。今日は話があって来た」
深海提督「そちら側の提督に会いたいんだ、お願いする」
榛名「深海側の提督ですか・・しかし深海棲艦も一緒と言うのは・・」
中枢棲姫「安心しろ。こちら側は砲撃する武装は装備していない、これが証拠だ」スッ
榛名「・・・・わかりました。鎮守府に連絡を入れてみます」
深海提督(これが吉と出るか凶と出るか・・)
209 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:27:00.54 ID:oIgBQ6rlo
――――――数分後...
榛名「提督もあなたと話がしたいそうです」
中枢棲姫「そうか」
深海提督「まずは第一関門突破だな」フゥ
泊地水鬼「でもまだ分からないわ、警戒はしないと・・」
空母棲姫「いざとなったら緊急用の煙幕もある」
――――艦娘鎮守府
榛名「・・・すみませんがここから先はあなただけ来てもらえますか?」
深海提督「どうやらここからは俺一人で来てほしいそうだ」
泊地水鬼「そんな・・!」
中枢棲姫「・・・仕方ないだろう。私たちはここで待つとしよう」
駆逐水鬼「提督、無事を祈る」ビシッ
戦艦棲姫「艦娘達に囲まれるのも慣れてきたわね」
深海提督「みんな、すまない。少し待っててくれ」
210 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:35:17.38 ID:oIgBQ6rlo
――――――数時間後
重巡棲姫「少しどころか、ずいぶんと待たされてるな」
泊地水鬼「・・・・・」
戦艦棲姫「心配ないわよ、落ち着いて待ちましょ」
泊地水鬼「ええ・・・あっ・・!」
深海提督「みんな、待たせたな」
中枢棲姫「提督・・・その書類は・・」
深海提督「ああ、ただいまをもって艦娘側、そして深海側の平和を締結したことを報告する」
駆逐水鬼「おお・・!やり遂げたのか!」
泊地水鬼「提督・・・!良かった・・!」
榛名「私たちの提督も、あなたたちの提督と同じ考えをしていたそうです」
深海提督「少し手間取ってしまったが・・無事に終われて安心した」
211 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:45:20.66 ID:oIgBQ6rlo
中枢棲姫「これで・・・長年続いた戦争も終わる・・か」
榛名「お互い傷を負うこともありましたが、ようやく終わりそうですね」
中枢棲姫「ふっ・・そうだな・・これからはお互い親交していこう」
榛名「はい、よろしくお願いします」ニコッ
――――深海鎮守府
深海提督「では、平和を締結した祝いだ!今日はたくさん食べて飲んでくれ!乾杯!」
一同「乾杯!」
深海提督(みんないい顔をしているな・・俺も頑張った甲斐があったな・・」
深海提督(そろそろ俺も、伝えるべきことを伝えないとな・・)
レ級「ん?提督の奴、どこに行くつもりだ・・・?」
212 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:49:39.33 ID:oIgBQ6rlo
―――――深海鎮守府 中庭
深海提督「悪いな、楽しんでるところで呼んだりして」
泊地水鬼「構わないわ、それよりも話って?」
深海提督「いや・・・実はその・・今日は大事な話があって・・」
泊地水鬼「大事な話・・?」
深海提督「・・・・俺と結婚してくれ」
泊地水鬼「えっ・・?」
深海提督「ここにきてお前にずっと世話になった。今度からは俺が助ける番だ」
深海提督「そして・・・俺の一生のパートナーになってくれないか?」
泊地水鬼「・・・もちろんよ。嬉しいわ・・」ギュッ
深海提督「おおっと・・俺も嬉しいよ・・」
213 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:51:12.04 ID:oIgBQ6rlo
ドターン バタン
深海提督「何だ?!」
レ級「あっ・・・すいません・・・おじゃましますー・・・」
駆逐水鬼「ふむ、めでたいなこれは」
重巡棲姫「こういう時はお粥を作るのだろうか?」
港湾水鬼「ちがう、赤飯だ」
深海提督「お前ら・・・陰からこっそり見るのなら堂々と見に来い!」
レ級「えぇ!?そういう問題かよ!」
深海提督「陰から見られるのは俺はあんまり好きじゃない!」
泊地水鬼「ふふっ・・・」
中枢棲姫「やれやれ・・困った者たちだな」
防空棲姫「まぁ良いじゃないか、それよりもめでたいな」
中枢棲姫「そうだな」フッ
--------
214 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:52:40.36 ID:oIgBQ6rlo
―――――現在 深海鎮守府
中枢棲姫「こうして提督と泊地水鬼は結ばれ、その後に子供を授かった」
男「その子供が・・俺なんだよな」
中枢棲姫「ああ、私たちも喜んだ。みんな可愛がっていた」
中枢棲姫「もちろん泊地水鬼も・・・な」
男「・・・・それでそこからどうなった?」
中枢棲姫「・・・・ある事件が起こる。提督が感染病にかかってしまった」
男「感染病・・・」
中枢棲姫「そう・・あれは私たちがここの島に移住して数か月たったころだった」
215 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/17(木) 00:53:12.68 ID:oIgBQ6rlo
今日はここまでです
イベントが思いのほか苦戦してるので更新は遅くなりそうです 申し訳ない・・
216 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:05:42.97 ID:xaZZ7BZio
----数年前 深海鎮守府
深海提督「ぐっ・・ゲホッゲホッ!」
軽巡棲姫「駄目だわ・・!まだ悪化する方向よ!」
中枢棲姫「何か治療法はないのか?!」
泊地水鬼「あなた、しっかりして!」
深海提督「大丈夫・・・俺は死にはしないさ。大切なお前と息子を残して死んでたまるか・・ゲホッ!」
防空棲姫「中枢、朗報だ。艦娘のいる鎮守府に治療薬があるらしい」
中枢棲姫「そうか・・!よし、防空。今すぐそこの鎮守府で薬を貰いに行ってくれ」
深海提督「それと・・・泊地水鬼・・!息子も連れてお前も行け・・・」
泊地水鬼「えっ・・この子も?」
深海提督「ああ、ここに残して空気感染で感染させたくないからな・・」
泊地水鬼「・・・・ええ、わかったわ。そして・・・死なないでね」ギュッ
深海提督「ああ・・・気を付けてな・・」
217 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:15:18.37 ID:xaZZ7BZio
――――――海上
防空棲姫「よし、あと少しで艦娘がいる鎮守府に到着するぞ」
空母棲姫「・・・待て、この先に何やら嵐があるらしいぞ・・」
防空棲姫「嵐だと・・?」
空母棲姫「ああ・・かなりの広範囲だ・・・」
重巡棲姫「どうする?鎮守府へ早くたどり着くにはこの先を通らないといけないぞ」
防空棲姫「・・・・迂回してる暇など無い・・全員、このまま嵐の中を通るぞ!」
泊地水鬼「・・・・・・」
駆逐水鬼「泊地、大丈夫か・・?」
泊地水鬼「ええ・・・この子だけは必ず守って見せる・・!」
泊地水鬼(そして・・・あの人のところに帰ってみせる!)
218 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:21:05.09 ID:xaZZ7BZio
―――――海上 暴風領域
防空棲姫「なんて強い暴風だ・・・!全員、波にのまれないように気を付けろ!」
戦艦棲姫「これじゃまともに前も見えないわね・・・」
重巡棲姫「それに・・・何か物も飛んできてるぞ・・」
防空棲姫「艦隊!飛来物に注意し、進んでいくぞ!」
駆逐水鬼「泊地の周りを固める!何としても守り抜く!」
戦艦棲姫「だから、赤ん坊を手放さないようにして!」
泊地水鬼「ええ・・! !? 戦艦!前!」
戦艦棲姫「え・・・?」ガゴン
戦艦棲姫「あぁ!」グラッ
泊地水鬼「きゃあっ!」バシャン
219 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:23:01.31 ID:xaZZ7BZio
防空棲姫「戦艦!泊地!どうした!?」
駆逐水鬼「戦艦に大きな鉄の板が直撃した!」
戦艦棲姫「私は大丈夫・・・!それよりも泊地は?!」
泊地水鬼「・・・ない・・・いないのよ!」
防空棲姫「何がだ・・・!まさか、赤子を落としたのか?!」
泊地水鬼「どこ・・・!?どこにいるの!?・・・まさか波にのまれて・・・?!いや・・いやああああああああ!」
駆逐水鬼「待て泊地!このままだとお前ものまれてしまうぞ!」
泊地水鬼「でも・・・!でも!私の赤ちゃんが・・!」
防空棲姫「・・・・・!!駄目だ!一度嵐を抜けるぞ!」
泊地水鬼「いや・・!いやあああああああああああああ!!」
220 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:29:22.17 ID:xaZZ7BZio
―――――現在 鎮守府
中枢棲姫「・・・・こうして泊地水鬼は赤ん坊のお前を手放してしまった・・」
中枢棲姫「防空たちが薬を手にし、戻ってくる途中で提督は息を引き取った・・」
中枢棲姫「誰もが悲しんだ、特に赤ん坊のお前と夫を失った泊地は崩れ落ちた」
中枢棲姫「その後はお前だけでも助けたいと、姫や艦娘達にも協力してもらい捜索をしたが中々見つからなかった」
中枢棲姫「だが・・・泊地だけは全員が鎮守府に戻っても、最後まで探し続けた・・深夜になっても一人でな」
男「・・・泊地・・一人で・・」
中枢棲姫「やがて捜索も打ち切りになり、数年経った今、お前が来た」
男「・・・ちくしょう!さっきの俺はなんて馬鹿だ!勝手に捨てたとか言って・・!」
男「最後まで探してくれてたのに・・・!最低なのは俺の方だ!」
ヲ級「ニンゲン・・・」
レ級「・・・というか、なんて巡りあわせなんだよ・・また人間がここに来るなんてさ・・」
221 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:30:48.58 ID:xaZZ7BZio
防空棲姫「そして・・私の方こそ謝罪をせねばならない・・」
防空棲姫「私が・・・!あの時に嵐の中を直進せずに迂回をしていれば・・!あんなことには・・!」
男「・・・・自分を責めるな防空棲姫。あの時は提督を助けたいからそうしたんだよな」
防空棲姫「・・・・ああ」
男「それに、泊地が俺を手放したのも不慮の事故みたいなものだろ?」
男「だから・・・謝らなくてもいい・・」
レ級「人間・・お前・・」
男「・・・泊地水鬼と話がしたい。夜はどこかにいるのか?」
中枢棲姫「ああ、夜は部屋にいることが多いが・・呼んでやろうか?」
男「お願いするよ・・・場所は小屋の前の砂浜にしてくれないか?」
中枢棲姫「分かった、準備を進めておく」
防空棲姫「・・・・人間、泊地はお前と会った時以来会うのが怖いと言っていた」
防空棲姫「こんな事実を聞かれたら、"母親として見てくれないかもしれない"とな・・・」
男「そんな訳・・・あるかよ・・」
防空棲姫「・・・・・」
222 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:34:25.32 ID:xaZZ7BZio
――――砂浜
泊地水鬼「ここに誰かがいるの・・?」ザッザッ
男「・・・・・・」
泊地水鬼「・・・!」
男「・・・・とりあえず座れよ」
そういうと泊地水鬼は俺の隣に座った わずかながらだが、手が震えていた
泊地水鬼「・・・・・・」
男「・・・・・」
男「・・・・・お前が俺を生んだんだってな」
泊地水鬼「・・・・・・」
男「・・・・中枢棲姫から聞いた。提督と結婚したことも、俺を生んだことも」
泊地水鬼「・・・・・・まさかあなたがあの時の赤ちゃんだったなんて・・」
223 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:36:37.40 ID:xaZZ7BZio
男「俺も泊地水鬼が母親だとは思わなかったよ・・・でも写真と中枢棲姫の話でそうだと確信した」
男「まさかここで生まれてまたここに戻ってくるなんてな・・」
泊地水鬼「・・・私は・・・あなたの母親なんかじゃない・・」
男「えっ・・・?な・・何を言ってるんだよ!?」
泊地水鬼「だって・・・!私は・・・!赤ちゃんだったあなたを海の上で放してしまったのよ!」
泊地水鬼「あんな荒れた海の中で手放したら死ぬことも免れないし・・・怖い思いもしたでしょ?!」
泊地水鬼「なのに・・・簡単に手放した私なんて・・・顔も合わせられないわ!」
泊地水鬼「母親として失格よ!大事な赤ちゃんをあんな怖い目に合わせて・・!最低な母親よ!」
男「違う!そんな訳あるか!」
泊地水鬼「・・・・・!」
224 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:38:32.86 ID:xaZZ7BZio
男「中枢棲姫から聞いた・・・!お前は・・・最後まで俺を探し続けてくれたことを・・!」
男「みんなが帰った後も・・・一人で必死に探し続けてくれたことも・・!」
泊地水鬼「・・・・・・」
男「むしろ最低なのは俺の方だ!勝手に捨てたとか見放したとか言って・・・」
男「俺が謝りたいよ!あの時の発言を忘れたい気分だ!」
泊地水鬼「で、でも・・・私・・・!」
男「自分に罪をなすりつけて、母親じゃないと否定するのは逃げてると一緒じゃないか!」
男「どうしてそんなことするんだよ!必死に探し続けてくれただけでも母親として立派だよ!」
男「だから・・・自分を責めるなよ!!母親失格だなんて言わないでくれよ!」
泊地水鬼「うう・・うああああああ・・・!」ギュッ
泊地水鬼は俺の事を強く抱きしめた そして泣きながら何度も謝罪をした
俺はただその泣き声を聞いて抱くしかなかった 慰めることもできずに・・
225 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:41:04.39 ID:xaZZ7BZio
男「・・・・もう大丈夫か?」
泊地水鬼「ええ・・ごめんなさい・・急に・・」
男「急に抱き付かれて、びっくりしたぞ・・」
泊地水鬼「本当にごめんなさい・・」
男「まぁいいけどさ・・・でも・・・何か懐かしい感じはした・・」
泊地水鬼「・・・"コウ"」
男「え?」
泊地水鬼「"コウ"・・それが私たちがあなたにつけた名前・・」
男「そういえば俺の世界の親も名前がついてあったからそう付けたって言ってたな・・・」
泊地水鬼「ねぇ・・これからあなたの事を"コウ"って呼んでもいいかしら・・?」
男「・・・この世界では名前なんて俺には必要ないけど・・・そう呼んでもいいぞ」
泊地水鬼「本当?じゃあ・・・コウ君・・」
男「な・・何か照れるな・・」
泊地水鬼「・・・ふふっ」
226 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:42:04.82 ID:xaZZ7BZio
男「ごめんな、こんな夜に呼び出して」
泊地水鬼「いいえ・・まさかまた会えるなんて思わなかったわ」
男「俺もまさかの展開で実の母親に会えるなんて・・」
泊地水鬼「お互い様ね」フフッ
男「そうだな・・・じゃあ、俺はそろそろ帰るけど・・鎮守府まで送って行こうか?」
泊地水鬼「大丈夫、私一人でも帰れるわ」
男「そうか、じゃあ気を付けてな。おやすみ」
泊地水鬼「ええ、おやすみなさい」
男「・・・・あのさ、一ついいかな?」
泊地水鬼「なぁに?どうしたの?」
男「・・・・ただいま、"母さん"」
泊地水鬼「・・・・おかえりなさい、コウ君」
227 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/18(金) 00:43:29.98 ID:xaZZ7BZio
今日はここまでです
男に名前が付きましたが、男と言う名前で進めていきます
イベントもE6まで進んだので、ここからはイベント完遂を優先して進めていきたいと思います
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/18(金) 01:55:08.12 ID:yDvGuhx2o
おつ
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/18(金) 01:56:44.99 ID:4w51rdoJO
乙
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/18(金) 09:29:06.19 ID:c7udwFbW0
乙です。
男の名前がコウで生みの親に再会で沢尻エリカの「母になる」ってドラマ思い出したわ
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/22(火) 20:08:25.80 ID:JW2d7+AA0
乙
話が続いていく場合、主人公の深海血統故の能力なんかが影響していくのかな
232 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/22(火) 23:36:06.93 ID:VPHdyzKWo
すいません作者です
・・・・イベントのE7で詰まってしまってイライラしてるので更新は遅くなりそうです
申し訳ありません・・・今週のどこかには書きたいと思いますのでよろしくお願いします・・・
233 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:49:23.33 ID:mYnnsIjfo
――――翌日 墓場
泊地水鬼「この墓が、あの人の墓よ」
男「これが・・・結構立派なんだな」
レ級「お世話になったしなぁ、これくらいはしないとな」ニシシ
ヲ級「ル級トツ級ガイツモピカピカニシテル」
泊地水鬼「・・・あなた、私たちの子供が帰って来たわよ、それも立派になって」
泊地水鬼「まだあなたが生きているときに会わせたかった・・・それなら家族みんな揃ったのに・・」
男「泊地・・・」
泊地水鬼「・・・ごめんなさい・・こんなこと言っちゃって・・」
男「大丈夫さ、母さん」
男「・・・・ただいま、"父さん"」
234 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:51:48.89 ID:mYnnsIjfo
男「中枢棲姫から聞いたんだけど、情に厚い提督だってな」
男「自分よりもほかの仲間を気遣って・・信頼もされてたって・・」
男「そんな父さんが・・・まさか感染病で死ぬなんてな・・・」
男「・・・・あの嵐の時も、俺を感染病から守ろうとしてくれたんだよな・・」
泊地水鬼「コウ君・・」
男「本当にありがとうな・・・安らかに眠ってくれ・・・」
男「・・・・じゃあ、行こうか」
レ級「もういいのか?」
男「ああ、こんな形だけど挨拶できただけでも十分だ」
男「できれば、生きてるうちにしたかったけど・・・な・・」
泊地水鬼「そうね・・・あの人もコウ君の成長した姿見たかったはず・・」
男「・・・すまない、俺がこんなこと言って。それじゃあ、鎮守府に戻ろうか」
ヲ級「ヲッ! 朝ご飯タベテ 元気ダス!」
男「そうだな。よし、行くか!」
235 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:53:47.69 ID:mYnnsIjfo
――――深海鎮守府 食堂
男「さて・・・席に着くか・・」
重巡棲姫「いたぞ!人間だ!」
男「い、いきなり何だ!?」
戦艦棲姫「聞いたわ・・・あなたがあの時の赤ちゃんだったなんて・・・!」
駆逐水鬼「すまない・・!私がもう少ししっかりとしていれば・・!」
重巡棲姫「随伴艦として謝罪させてくれ!」
男「ちょ、ちょっと待ってくれ!だ、誰から聞いたんだ?!」
レ級「・・・悪ぃ、オレだわ・・」
男「おい!」
泊地水鬼「でも、いずれかは知ってしまうから早めに知っておいた方が良いわ」
男「母さん・・」
236 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:55:06.16 ID:mYnnsIjfo
水母棲姫「まぁ!母さんですって!」
中間棲姫「あら、すっかりと親子らしくなったわね」
潜水棲姫「もう一回言ってみて!」
男「だから!落ち着いてくれ!」
中枢棲姫「ええい!静かにしろ!先ずは朝食を食べろ!」
中枢棲姫の一声で朝食が始まった 食べてる最中でもみんな俺を見てる姫ばかりだった
まぁ・・・提督の息子が帰ってきたから気持ちは分かるけど・・
男(でも視線が集まると朝食が食べづらいな・・)
港湾水鬼「どうした・・?食べやすいようにしてやろうか?」
男「あ、ああ・・大丈夫だ・・」モグモグ
237 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:56:33.38 ID:mYnnsIjfo
――――応接間
中枢棲姫「その様子だと、和解はできたそうだな」
泊地水鬼「ええ、私はもう母親じゃないだなんて言わない・・この子の母親として生きるわ」
男「あの後、みんな一斉に謝って来たからびっくりしたぞ・・・」
防空棲姫「まぁ、随伴艦として守れなかったのだからな・・すまない・・・」
男「もう気にしなくていいんじゃないか?俺は現に生きているんだ、それで喜んでくれればいい」
防空棲姫「・・・そうだな」
中枢棲姫「話は変わるが・・・空母棲姫より嵐が起こるかも知れないという伝達が入った」
男「そのことなんだけどさ・・・まだ保留にしてくれないか?」
泊地水鬼「え?」
中枢棲姫「・・・・どういうことだ?」
238 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:58:52.28 ID:mYnnsIjfo
男「俺の世界の家族が育ててくれた恩もある」
男「でも産んでくれた本当の母親にも恩返ししたい気持ちもあるんだ」
男「迷ってるんだ・・・元の世界に帰るべきか・・・ここに残るべきか・・」
泊地水鬼「コウ君・・・」
中枢棲姫「・・・・・そうか、ではまた決意が固まったら報告しに来てくれ。それまでは姫達に休暇を与える」
男「すまない、協力してもらったのに・・」
中枢棲姫「気にするな、育ててくれた親か産んでくれた母親。どちらの元に帰るのか悩むのは仕方ない」
中枢棲姫「考える時間を与えてやろう。ゆっくり考えると良い」
男「ありがとう・・中枢棲姫」
―――――小屋
男「・・・・・・・」
男(俺はこの世界に残るべきなのか?それとも元の世界に帰るべきなのか?)
男(悩むな・・・どうすればいいんだ・・?)
239 :
◆Lsw27IvP02kT
[saga]:2017/08/24(木) 00:59:25.81 ID:mYnnsIjfo
今日は短めですがここまでです
少しイベントから現実逃避するのもいいかなって思います(白目)
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