貴方「安価で海賊として生きていく」

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102 : ◆Y096V6Llx. [saga]:2017/09/09(土) 00:06:28.55 ID:aHM3ZFvi0
こんな遅くに久しぶりに再開してすみません!許してください!なんでもしますから!(なんでもするとは言ってない)
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 00:42:57.97 ID:0BvyJgRMo
おうあくしろよ
104 : ◆Y096V6Llx. [saga]:2017/09/09(土) 01:45:46.58 ID:aHM3ZFvi0
「それで、どうするの?」

貴女は青年へと問う。青年は、顎に手を当てて思考に耽り、そして、答えを出した。

その答えは――

「丁重にお断りさせていただきます」

「Oh…」

明らかに気落ちした貴女だが、挫けずに色々な人に声を掛ける。が、誰も彼もが「No」と返す。

「マスター水ー…!」

貴女はカウンターに突っ伏して、頭を抱える。その後、頭の傍に丁寧に置かれた冷水を一気に飲み、思考を纏める。

どうして、誰も加入しようとしないのか。

頭の悪い貴女だが、なぜ断られるのか、その理由が何なのか、それくらいは考えることができた。

当たり前のことではあるが、傍目からみれば、貴女は年端もいかない少女が率いる海賊団なのだ。

二つ返事で加入を決める者など、よっぽどの物好きしかいないだろう。

ロリコンとかロリコンとかロリコンとか。

その上、未だに名のある海賊団ではなく、どこかの有名な海賊団の傘下、というわけでもない。

口では強いだの無敵だの言っても、信憑性が低すぎる。

普通の人なら、そんな海賊団が無名なわけがない、と考えるだろう。

実際、この酒場にいる人らは、海賊のことに興味があり、海賊という存在が身近な人たちではあるが、
目の前の少女が強い、と考える者は誰一人としていなかった。

「ドレッドノートの運用が大変だから人を増やしたいのに、増やすためには名を上げないといけないのかぁ…」

こういうのをジレンマっていうのかな、と口にする。

チラリ、と辺りを見渡すと、船員は楽しそうにお酒を飲み、談笑をしている。

「簡単にできると思ってたけど、実際にやってそう上手くいくとは限らない、か」

エリスが昔言っていたことを思い出す。

「常に事が上手く運ぶわけじゃない、最悪の状況を常にイメージしなさい」と。

「ホント、その通りだよなぁ…。反省しなきゃ…」

見通しが甘かった自分を恨めしく思い、頭に軽くデコピンをした。

心が沈んでいく貴女とは裏腹に、ジブラルタルの人々の心ははどんどん明るくなっていく。
105 : ◆Y096V6Llx. [saga]:2017/09/09(土) 02:43:32.24 ID:aHM3ZFvi0
このままここにいても、何かあるとは思えなかった貴女は一人、ドレッドノートへと戻る。

広場に鎮座している時計の針が示す時刻は11時。

これから更に活気付く時間だ。

そんな時に自分のようなガキがいたら白けるだろう、という気遣いも、ちょっぴり含まれていた。

故郷では大人に分類されるが、ここジブラルタルではまだまだガキンチョと言われてもおかしくない年齢だ。

港に戻ると、幾つかの海賊船が新たに停泊していた。見たところ、ブリッグからフリゲートの範囲に収まるサイズだ。

この辺りは海軍も干渉しようとしないほど、海賊にとって都合のいい場所だ。

近くには交易を中心とした国があり、ここいらの海賊の役割はその交易ルートを護る自警団といったところだ。

もっとも、強制されているわけではないので、一定期間毎に交代するようになっている。

貴女の海賊団は、船の規模は大きいが人数が心許ないので、その役割は持たされていない。

というより、自由にさせてもらっていると言った方が正しいか。

話を少々戻すと、海軍が干渉しない理由はそこにある。

国自体が、交易ルートの保護を海賊に殆ど(実際にはほぼ全て)依存しており、海賊によるジブラルタルの統治も異常なまでに安定している。

治安がたいへん悪いのは海賊特有の血気盛んさが原因であって、民間人に被害が及ぶことは全くない。

なので、結果的に統治が安定している、ということになっている。殺傷事件も殆ど起きず、喧嘩程度で済んでいるのも理由かもしれない。

ドレッドノートの甲板に飛び上がると、既に明かりは消えていた。規則正しい生活を送るエリスは、眠りについているようだ。

船長室に入り、ベッドへと飛び込むと、先ほどの失態がフラッシュバックしてきた。

戦闘はできても、人一人迎え入れることができなかった自分の不甲斐無さに、苛立ちが募る。

やがて、それは限界を迎え、布団に包まりながら呟く。

「情けない船長だなぁ私は。エリスの方が船長らしいよ」

ここまで落ち込んでいる自分に、内心ショックが隠せていない。

が、突然布団を蹴飛ばして起き上がる。

「決めた!もっと名を上げてあいつらに、ここに入らなかったことを後悔させてやる!」

負けず嫌いということは、負けることがないように、ただひたすらに努力をする、ということ。

そして、負けた時は、負けた自分が情けないと思い、そんな自分を超えようと、更に努力を重ねていく、ということ。

船員たちは、そのひたむきさに惹かれ、船員になったことを、それが貴女の魅力だというのを、貴女自身はまだ知らない。

貴女が偶に見せる、年齢相応の無邪気さが凄まじい破壊力を持つことを、貴女自身はまだ知らない。

いつしか、貴女の沈んでいた心は、いつものように明るく輝いていた。
106 : ◆Y096V6Llx. [saga]:2017/09/09(土) 02:51:58.46 ID:aHM3ZFvi0
↓2に今回の行動をお願いします。

時刻…AM08:00 所持金…40万G 目的…特になし 憲兵…いたら凄い 酒場…酔っ払いの巣窟 カジノ…ほぼ無人 市場…賑やか

治安…微妙に悪い
107 : ◆Y096V6Llx. [saga]:2017/09/09(土) 02:52:36.09 ID:aHM3ZFvi0
しょぼい脳みそで必死に推敲してみたら投稿速度がクッソ遅くなってしまいました…。

なんか文も地の文主体になってて思いっきり変わってるし…。どないしましょ。

次回更新もいつになるのか、皆目見当も付きません。エタるつもりは毛頭ありませんので気長に待っていただけたらうれしみ。

更新できる時はその日の朝から夕方の間に報告します。では、おやすみなさい(自害)
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 02:54:26.55 ID:0BvyJgRMo
市場見て回ろか

おつおつ
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