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【艦これ】電「トイレの花子さん?」
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1 :
◆KzSA1DIYOY
[saga]:2017/06/27(火) 20:32:24.75 ID:wx2/JoO9O
――それはある日、遠征から戻ったときの出来事でした。
電「今日も無事に終わって良かったのです」
雷「資源もたくさん手に入ったし、司令官も喜んでくれるかしら?」
響「ここ最近は出撃が多くて資源も不足気味だったからね。きっと喜んでくれるさ」
暁「ご褒美にアイス券でも貰えないかしら!」
私たちはいつものように遠征を終え、報告のために執務室へと向かっていました。
天龍「おらーガキ共! くっちゃべってないでさっさと報告済ませて飯にしようぜ!」
駆逐艦一同「「「「はーい!!」」」」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1498563144
2 :
◆KzSA1DIYOY
[saga]:2017/06/27(火) 20:42:15.31 ID:wx2/JoO9O
電「……っと、その前にお手洗いに行ってきてもいいですか?」
天龍「あー? 便所なら報告済ませてからでもいいじゃねーか」
暁「べっ……! もうっ! もう少しビブラートに包んで言ってよね! レディーの前なんだから!」
響「ビブラートじゃなくてオブラートだと思うよ、れでぃー」
暁「ど、どっちでもいいじゃない! 妹のくせにいちいち揚げ足取らないでよね!」ムキーッ
帰港する途中からずっと尿意を我慢していた私は、一刻も早くお手洗いに行きたかったのです。
天龍「じゃあ先に行って執務室前で待ってるから、早く済ませてこいよ」
電「分かったのです」
雷「一人で大丈夫? 何ならついていってあげてもいいのよ?」
電「べ、別にお手洗いぐらい一人でいけるのです!」プンスカ
そう言って、私は皆と離れて一人お手洗いへ向かいました。
3 :
◆KzSA1DIYOY
[saga]:2017/06/27(火) 20:50:30.78 ID:wx2/JoO9O
―― 渡り廊下脇トイレ ――
電「間に合ってよかったのです……」ギィ
そのトイレは、鎮守府の正門玄関から執務室へと向かうルートの中間にあります。
寮や食堂からも離れた位置にあるため、遠征や出撃の帰りでもない限り、滅多に使うことがないトイレでした。
電「(……誰もいないのかな?)」
電「(今日は他に出撃している人もいないし、誰もこのトイレを使わなくても仕方ないのです)」
電「早く済ませて執務室に行かないと――」
ふとその時。
私はあることに気が付きました。
トイレの一番奥の個室。
正面から見て右から3番目の個室の扉だけが、ぴったりと閉ざされていることに。
4 :
◆KzSA1DIYOY
[saga]:2017/06/27(火) 21:00:16.15 ID:wx2/JoO9O
電「(誰かが入ってるのかな?)」ホッ
雷ちゃんには平気だと言いましたが、正直言うと一人でお手洗いに行くのは少し怖かったのです。
このトイレは普段あまり使われていないうえ、建物の北側に位置しているため、日当たりも悪く昼間でも薄暗いことで知られていましたから。
電「(ちょうど隣の個室も空いてるし、早めに済ませようっと)」ガチャ バタン
一人で心細かった私は、誰かが使用している個室の隣――右から2番目の個室に入りました。
この薄暗い空間の中でもすぐ隣に誰かがいるというだけで、少しでも安心できましたから。
――――――――
―――――
―――
5 :
◆KzSA1DIYOY
[saga]:2017/06/27(火) 21:40:31.67 ID:wx2/JoO9O
電「……ふぅ」ザーッ
電「(早いとこ手を洗って執務室に行かないと)」ガチャ バタン
用を済ませた私は、個室から出ると手洗い場に向かいました。
蛇口をキュッとひねると、中から冷たいような生温いような、何ともいえない温度の水が勢いよく流れ出します。
そうして手を洗っている最中に、私はあることに気が付きました。
電「(……いくらなんでも静かすぎるのです)」
普通誰かが個室に入っていれば、水を流す音や紙を手に取る音、息遣いや衣擦れの音がしてもおかしくないはずです。
それなのに、
このトイレに入ってから今に至るまで、
例の個室の中からは、物音一つ聞こえませんでした。
6 :
◆KzSA1DIYOY
[saga]:2017/06/27(火) 21:56:37.73 ID:wx2/JoO9O
電「(もしかして、誰も入ってないのでしょうか?)」
電「(ただ単に扉が閉まっているだけで、鍵はかかっていないとか?)」
電「(でももし、中に誰かいたとしたら……)」
個室に入ったはいいものの、その中で物音一つ出せない状態に――すなわち、意識を失っている?
居眠りしているだけならまだいいけれど、もし急病などで倒れてしまっていたら?
電「(……確かめてみないと)」
誰かが内側から鍵をかけたまま個室内で倒れてしまっているのだとしたら、一刻も早く助け出さないといけません。
私はハンカチで手を拭くと、足早に閉ざされた個室の前へと向かいました。
7 :
◆KzSA1DIYOY
[saga]:2017/06/27(火) 22:06:00.02 ID:wx2/JoO9O
電「……あの、誰か入ってますか?」
返事はない。
電「もし入ってるなら内側からノックをしてほしいのです」
返事はない。
電「体調が悪いなら誰か呼んでくるのです」
返事はない。
電「…………」
このまま呼びかけていても埒が明かない。
そう思った私は、意を決して扉をノックしました。
8 :
◆KzSA1DIYOY
[saga]:2017/06/27(火) 22:14:34.64 ID:wx2/JoO9O
コン コン コン
無機質な硬い音が、不気味なほどに静まり返ったトイレの中で反響します。
しかし相も変わらず、個室の中から返答はありません。
電「やっぱり誰もいないのですか……?」
誰ともなしに一人呟きながら、ドアノブに手をかけて回してみると、
電「あれ? やっぱり鍵がかかってるのです……」カチャカチャ
てっきり誰も入っていないものと思われた個室には、中からしっかりと鍵がかけられていました。
それはつまり、今もこの個室内に誰かがいるということ。
にもかかわらず、こちらからの呼びかけやノックに応答できない状態にあるということは――
電「……だ、大丈夫ですか!? 気を失ってるなら起きてほしいのです!」ドンドンドン!!
中で意識を失っているであろう誰かを起こすために、私は扉を何度も激しく叩きました。
しかし、どれだけノックを繰り返しても、何度声をかけようとも、
中にいる誰かが目を覚ます気配は一向にありません。
9 :
◆KzSA1DIYOY
[saga]:2017/06/27(火) 22:31:53.06 ID:wx2/JoO9O
電「……っ! すぐに人を呼んでくるから待っててほしいのです!」
このまま呼び続けても意味がないと判断した私は、恐らくは聞こえていないであろう相手に対し、そう言い残してトイレから駆け出そうとしました。
と、その時――
ザザーッ
今さっきまで静まり返っていた個室の中から、水の流れる音が聞こえてきました。
ぴたり、と硬直する体。
しーんと静まり返っていたトイレの中で、水の流れる音だけが響きわたります。
大した音量ではないはずですが、静寂が支配するこの空間においては、まるで濁流が発する轟音のようにも感じられました。
咄嗟のことに体と思考が固まってしまった私でしたが、そこに追い打ちをかけるように、今度は個室のドアがギィィとゆっくり開け放たれました。
電「……だ、大丈夫なのですか?」
きっと先ほどの必死の呼びかけが功を成して、中にいた人が意識を取り戻したのだろう。
私はそう思い、恐る恐る声をかけました。
しかし、
開かれたドアの中からは、誰も出てこようとはしません。
10 :
◆KzSA1DIYOY
[saga]:2017/06/27(火) 22:37:48.05 ID:wx2/JoO9O
電「あ、あの……どうかしましたか?」
一歩 また一歩。
まるで誘蛾灯に吸い寄せられる羽虫のように、おぼつかない足取りで例の個室へと近付いていきます。
そうして、開け放たれた個室の目の前までたどり着いた私が、恐る恐る中を覗き込むと――
そこには、誰もいませんでした。
11 :
◆KzSA1DIYOY
[saga]:2017/06/27(火) 22:46:47.05 ID:wx2/JoO9O
一旦ここまでになります。
久々に学校の怪談シリーズ(映画)を見て、書きたくなって書きました。
初投稿ですので指摘があればお願いいたします。
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/27(火) 23:50:28.56 ID:9Jviwt5oo
状況を想像したら怖いよなあ
電は度胸がある
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/28(水) 00:13:25.66 ID:EyaJgemo0
懐かしやサンダンス・カンパニー
個人的には陽の気配が一番強く感じられた2がお気に入りだった
エンドロールの曲がどれもいいんだよなこれがまた
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