【デレマス近代劇】クラリス「怨霊血染めの十字架」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/27(火) 00:09:15.02 ID:9RdRMGJU0
フランス革命って、あまり近代ってかんじしない不思議
歴史改変注意

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498489754
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/27(火) 00:10:03.61 ID:9RdRMGJU0
 フランス王政が国民に豊かな生活を保障できなくなり、

 革命が決行された頃。

 はじめはただの不満によって突発的に起こったはずの蜂起は

 次第に組織化され、秩序づけられ、

 善良なはずの市民達は、

 デマゴーグによって制御される暴力装置と化していた。

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/27(火) 00:11:12.23 ID:9RdRMGJU0
カトリックの教会は暴動の対象にはならなかった。

実のところ搾取の半分は教会によってなされていたのだが、

敬虔な獣達の心の中には、やはり神が必要だったのである。

人命の価値が限りなく下がって行く社会では、

人は生を営むための祈りではなく、

苦痛とその先にある死を受け入れるために教会へ行く。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/27(火) 00:12:56.29 ID:9RdRMGJU0
 シスターであるクラリスは多忙であった。

 毎日ひっきりなしに行われる死刑に、神父の代わりに駆り出されている。

 
 刑に処される人々は、刑を下す人々ほど罪深くなかった。

 「王族・貴族の側につきフランスを堕落させた」などと糾弾されていたが、

 実のところ処刑の実態は、ジャコバン派による内部粛清であった。

 権威への叛逆を掲げる組織の中で行われる権力争い。

 この内状を知ったクラリスは、ただ心が痛むばかりだった。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/27(火) 00:14:18.41 ID:9RdRMGJU0
 クラリスが教会に戻ると、懺悔室に人の気配があった。

 神父にそのことを伝えたが、彼は首を振った。

 クラリスは察した。

 懺悔室にいるのは現ムッシュ・ド・パリ(最高の死刑執行人)、

 宮本フレデリカその人であると。

 先代のムッシュ・ド・パリ、つまりサンソン家は、

 王族の処刑を断固拒否したため、その座から追われた。

 しかし人々は、自身の手を汚すことは嫌がった。

 そこで、フレデリカに白羽の矢が立った。

 彼女は外見ではわからないが、半分日本人の血が入っていて、

 パリの中では鼻つまみ者だった。

 
 嫌なことは嫌いなやつにやらせよう。

 その凶悪的なまでに短絡的な思考が、フレデリカを死刑執行人にした。

 性急な配役であったが、フレデリカは見事に処刑をこなしていった。

 特に斬首の技量は、かのシャルル=アンリ・サンソンと

 肩を並べるとも称された。

 とはいえ人々がフレデリカを尊敬するようになるわけでもなく、

 彼女は以前よりいっそうの差別を受けた。

 教会へ行っても、神父に懺悔を聞いてもらえないほどの。

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