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文香「本は食べ物じゃありません!!」
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102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/25(日) 22:59:30.58 ID:qvaNgCQA0
P「しかし、お前が時間まで忘れるほど夢中になるとはな…」
P「すごいな、劇団ひととせの人たち」
文香「……プロデューサーさん…なぜその名前を…!?…私、劇団の事については話してませんよね…」
P「…」
文香「…い、いつからあの場所に居たんですか!?…ということは、夕方のあれは演技だったと…!?」
P「…さあ、どうだろうな」
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/25(日) 23:15:56.15 ID:qvaNgCQA0
文香「……まさか、会議が長引いたというのも…」
P「いや、それは本当。次の企画に向けて色々と案が出したんだが、決まらなくてな…」
P「前に聞いたことがあるだろ。お前が色々なお店を訪れて紹介する雑誌のインタビュー記事の話…」
文香「…ああ!…確か、企画段階の時にお話しされてた…」
P「そう。それが本格的に始動する事になったんで話し合いが行われたんだけど…。最初に紹介する店のテーマが特殊でさあ…なかなか決まらなくて困ってるんだ」
文香「…テーマですか?」
P「ああ『少し変わった本屋』というテーマなんだが…」
文香「!」
P「文香。お前、どこかいい本屋知らない?」
文香「…そうですね…」
文香「…一つ、心当たりがあります」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/25(日) 23:34:35.35 ID:qvaNgCQA0
一週間後…
【ひととせ荘】
くいな「……はぁ…」
くいな「文香さん…今日も来ませんね…」
ゆあ「当たり前でしょ。文香さんは売れっ子アイドルなのよ。そう簡単にお休みが取れるわけないじゃない」
くいな「わかってます。けど…」
『…はい…必ずまた来ますね』
『…約束です』
くいな「………」
ひな子「くーちゃん元気ないね…」
真雪「食欲も段々落ちてきちゃって…。前はお店の本を何冊も食べてたのに、今は一日一冊しか食べてないの」
ゆあ「それは本屋としては良いことじゃない…」
くいな「……はぁ…」
ひな子「私たち、くーちゃんの為に何かできないのかな…」
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/25(日) 23:37:18.08 ID:qvaNgCQA0
ガチャ
千秋「ただいま…」
ルリ子「みなさん、ごきげんよう」
ひな子「あ、大家さん。…と、ルリちゃん?」
ゆあ「な、なんで先生がここに?」
千秋「みんな…少し大事なお話しがあるから集まってくれる…?」
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/25(日) 23:40:48.31 ID:qvaNgCQA0
* * *
千秋「実は今度…うちのお店に雑誌の取材が来ることになったの…」
ひな子「雑誌の…取材!?」
真雪「うちのお店って、そんなに有名だったの…!?」
千秋「あっ…取材といっても、ちょっとした記事で取り上げられるだけだから…」
ゆあ「それでもすごい事じゃないですか!さすがは千秋先輩です!」
千秋「いや…私じゃなくてお店…」
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/25(日) 23:48:07.61 ID:qvaNgCQA0
ルリ子「千秋さん、そろそろ話を戻しましょうか」
千秋「それでね…その取材の内容が『少し変わった本屋』というテーマでうちの古本屋を紹介するらしいんだけど…」
千秋「同時に喫茶店や…私たち劇団ひととせの事も記事に載せるみたい…」
ゆあ「えっ!じゃあゆあ達も取材を受けるという事ですか!?」
ルリ子「そういう事になりますわね」
ひな子「…わっ、私たちが…雑誌っ……!」ピキーン!
真雪「ああっ、ひなちゃんがかかしに!」
ゆあ「ちょっと、しっかりしなさいよひな子!あんた座長でしょ!」
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 00:02:43.96 ID:7ricnROA0
千秋「今日は…その事について先生と一緒に雑誌の記者の人とお話ししてきたの…」
ルリ子「私は千秋さんと記者の方の仲介役として付き添いをしました」
ルリ子「みなさん。どうやらあの方たちは、演劇の方も御覧になりたいようです」
三人「!?」
ルリ子「雑誌の影響力は絶大です。ここで成果を残せれば劇団ひととせの知名度は大きくに広がるでしょう」
ルリ子「ですので、今回は…」
ルリ子「新作の演劇で、取材に臨みたいと思います。」
ゆあ「し、新作ですか!?」
ルリ子「はい。これが成功すれば皆さんの夢に大きく前進することは間違いありません」
真雪「で、でも先生…」
ひな子「肝心の脚本を書いてるくーちゃんが…」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 00:18:47.42 ID:7ricnROA0
くいな「…やりましょう」
三人「!」
くいな「このようなチャンス…。逃すわけにはいきません…!」
くいな「夏川くいな!劇団ひととせの為、最高の脚本を書きあげてみせます!」
ひな子「くーちゃん…!」
真雪「元気になった!」
ゆあ「…まったく、心配かけさせないでよね」
くいな「まずはアイドルを登場させましょう…!そしてアイドルとアイドルが恋に落ちて、アイドルたちのアイドルが始まるアイドルストーリーを…!」
ひな子「くーちゃん!?」
ゆあ「ちょっと!?全然調子戻ってないじゃない!」
ルリ子「なるほど…これはなかなか重症ですね…」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 00:27:26.62 ID:7ricnROA0
千秋「それでね…ここからが本題なんだけど…」
三人「…!」
千秋「実は、もうすぐその雑誌の取材をしてくれるインタビュアーの方が打ち合わせに来られるの…」
千秋「みんなも…その打ち合わせに参加して欲してくれないかな…?」
ゆあ「い、今からですか!?」
ひな子「そ…そんな…!絶対に私…き、緊張しちゃ…!」←(半かかし状態)
真雪「ひなちゃん!大丈夫だから落ち着いて!」
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 00:32:18.21 ID:7ricnROA0
千秋「ふふっ…心配しなくても大丈夫だよ…」
千秋「その人…みんなも知ってるアイドルだから…」
くいな「…!」ピクッ
真雪「アイドル!?」
ひな子「それって…」
ゆあ「まさか…!」
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 00:44:54.95 ID:7ricnROA0
ガチャ
「…皆さん…こんにちは」
「…私は…シンデレラガールズプロダクション、Cool部署所属のアイドル…」
「鷺沢文香と申します」
「…本日は…お約束通り…」
「…私…鷺沢文香のお話をさせていただきに参りました」
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 00:47:00.78 ID:7ricnROA0
くいな「ふみ…かさん…」
文香「……お久しぶりです」
文香「くーちゃんさん」
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 00:56:50.84 ID:7ricnROA0
そこは
静かな町にある小さな古本屋さん…
歴史ある香りに包まれた店内には
食べてしまうほど本が大好きな店員さんが…
その奥にある喫茶店には
少し人見知りな可愛いかかしさんと…
お洋服を着せるのが大好きな
お人形さんみたいなメイドさん…
そして…
二つのお店を経営している
その寮の大家さんに…
そんな大家さんに憧れている
とても元気な女の子…
そんな彼女たちにはもうひとつの顔が…
それは…
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 01:01:46.57 ID:7ricnROA0
P「こら、今日は打ち合わせに来たんだろ」
コンッ
文香「…はい」
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 01:13:36.86 ID:7ricnROA0
『劇団 ひととせ』
彼女たちの演劇を一度見に来て下さい
きっと、本を読んでいる時のような
楽しくて、面白い
素敵な時間が過ごせるはずです
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/26(月) 01:24:30.34 ID:7ricnROA0
以上で本編は終了となります。
最後の方少し巻きを入れたので雑になってしまいましたが、なんとか書ききる事ができました。
あと少しだけおまけエピソード的な物を書くつもりでいるのでもうちょっとお付き合い下さい。
ルリちゃんとPのお話しです。
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/26(月) 18:57:23.64 ID:7ricnROA0
【番外編】
テクテク…
ルリ子「ふぅ…やっと仕事が終わりましたわ…」
ルリ子(みなさん、お店に集まってるでしょうか…?それそろ新しい演劇に向けてお話ししたいのですが…)
ルリ子「…おや?」
ルリ子(店の前で張り込んでるあの御仁は…)
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/26(月) 19:05:58.86 ID:7ricnROA0
P「…」
ルリ子「ごきげんよう」
P「ひゃあっ!?」ビクッ!
ルリ子(驚きすぎでは…)
P「あーびっくりした…って、黒柳さん!?」
ルリ子「お久しぶりですわね」
P「お、お久しぶりです…。私のこと覚えてらっしゃったんですね…」
ルリ子「ええ。初対面でいきなり名刺を差し出して『アイドルに興味はありませんか?』などと挨拶してくる殿方、忘れる方が難しいですわ」
P「あ、あの時はとんだご無礼を働きました…」
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/26(月) 19:12:00.31 ID:7ricnROA0
P「と、ところで、黒柳さんはなぜこちらに…?」
ルリ子「私は、ここに住んでる方々に少し用件がありまして」
P「というと、劇団ひととせの方たちですか?」
ルリ子「…!あなた劇団をご存知なのですか?」
P「あっ、いや!ついさっき小耳挟んだと言いますか…盗み聞いたといいますか…」
ルリ子「警察をお呼びした方がよさそうですね…」スマホダシ
P「やめて下さい!そういうのじゃないんです!」
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/26(月) 19:12:30.78 ID:7ricnROA0
P「と、ところで、黒柳さんはなぜこちらに…?」
ルリ子「私は、ここに住んでる方々に少し用件がありまして」
P「というと、劇団ひととせの方たちですか?」
ルリ子「…!あなた劇団をご存知なのですか?」
P「あっ、いや!ついさっき小耳挟んだと言いますか…盗み聞いたといいますか…」
ルリ子「警察をお呼びした方がよさそうですね…」スマホダシ
P「やめて下さい!そういうのじゃないんです!」
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/26(月) 19:15:21.29 ID:7ricnROA0
ルリ子「では、なぜあなたはこのような所に?」
P「わたしは、その…。込み入った事情があるとうか…深い訳がありまして…」
ルリ子「おや、あの方は…」チラッ
P「無視して店内覗き見!?」
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/26(月) 19:21:27.98 ID:7ricnROA0
ルリ子「彼女は確か、あなたの事務所のアイドルの鷺沢文香さんですわよね?」
P「文香のことも覚えててくれたんですね。ありがとうございます」
ルリ子「当然ですわ。以前出演していただいた舞台での彼女の演技、歌、非常に素晴らしい物でした。できればスカウトしたいくらいです」
P「それは勘弁して下さい!うちの大切なアイドルなんで…」
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/26(月) 19:27:28.96 ID:7ricnROA0
ルリ子「…なるほど。あなたがここで張り込んでいる理由がなんとなくわかりました」
ルリ子「彼女、あの様子だと自分がアイドルである事をみなさんに話してませんね」
P「ええ、あいつなりに自分の立場を考えてるみたいで。あまり自分の事は余り話してません」
ルリ子「…というより、くいなさんが一方的に喋ってて話す暇が無いようにも見えますが…」
P「あの子、すごく元気ですよね…」
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/26(月) 19:37:37.73 ID:7ricnROA0
ルリ子「…では、私はお暇させていただきますね…」
P「えっ…!?寄って行かれないのですか?」
ルリ子「ええ。どうやら、私がお店に入るわけにはいかないようです」
ルリ子「彼女が必死に隠そうとしてるご自身の秘密…私があの場に介入することで恐らく崩れてしまうでしょうから…」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/26(月) 19:52:06.96 ID:7ricnROA0
ルリ子「ただ彼女、少し思い違いをしてますね」
P「…と、言いますと?」
ルリ子「ひととせのみなさんが、文香さんがアイドルである事を知っても悪い影響にはならないという事です」
P「そうなんですよ。私もその事に早く気づいてくれと思ってるんですが…」
ルリ子「…」
ルリ子「あなた、女性を見抜く力はとても優れてますね…」クスッ
P「これでも、アイドル事務所のプロデューサーなので」
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/26(月) 20:00:40.18 ID:7ricnROA0
ルリ子「…それでは、ごきげんよう」
P「あっ!待って下さい」
ルリ子「?」
P「お帰りになるなら、送って行きますよ」
ルリ子「…ふふっ」
ルリ子「いえ、せっかくのお誘いですが遠慮させていただきますわ。あなたは私ではなく、彼女の傍に居て下さい」
ルリ子「姫をお守りするのが、騎士の役目ですわよ?」
P「…そうですね。ただ、一つ間違ってる所があります」
ルリ子「?」
P「私は騎士などはありません。私は彼女の…」
P「魔法使いです」
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/06/26(月) 20:04:34.93 ID:7ricnROA0
以上で投稿を終了します。
未熟な文章にお付き合いいただきありがとうございました。
HTML化依頼出してきます。
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/26(月) 23:49:09.58 ID:uORdlXiYO
乙
こういう絡みもいいものだな
70.68 KB
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[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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