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千歌「カタストロフィ…か」
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1 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:40:31.45 ID:eX5gz9H+0
ラブライブ!×GANTZパロです。
前作
千歌「GANTZ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477559947/
穂乃果「とあるマンションの一室で」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483797702/
曜「千歌…ちゃん?」高坂「……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491145319/#footer
原作を読んでいなくても楽しめるように書いていますが、前作からの設定やストーリーを引き継いでいるので
上記の作品を先に読んだ方がより楽しめる内容となっています。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1497714031
2 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:41:32.11 ID:eX5gz9H+0
〜沼津 某マンションの一室〜
GANTZ『ヨーソロー 57点 TOTAL98点 おわり』
曜「……終わり」
ラストミッションを無事に生還した曜達
いつもの採点画面には点数の他に『おわり』の文字が表示されていた
長年に続いた異星人との戦闘に終止符が打たれたのだ。
ただ、これにより新たな武器の取得やメモリー内の人間の再生が不可能となってしまった
この部屋で死んでいった人々は、もう二度と生き返らない。
梨子「――これで全員の採点が終わったね」
善子「何だかんだ私達、三年近くこの部屋に呼び出されていたのよねー」
ルビィ「そ、そんなに経ったの!?」
ダイヤ「私達が高校生だった頃から戦っていましたからね……そのくらいはとっくに経っていますわね」
鞠莉「懐かしいわねー、みんなに卒業証明書を渡したのが昨日の事のように感じるわ〜♪」
鞠莉「まぁ、果南と曜が同じタイミングで卒業するとは思わなかったケド」ニヤニヤ
果南「もうっ!! そのネタでいじるのは止めてよね!」
3 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:43:17.72 ID:eX5gz9H+0
理亞「んで、これからどうするの?」
花丸「どうするって…帰るんじゃないの?」
理亞「そうじゃない、ラストミッションが終わったって事は……そう言う事でしょ?」
聖良「……そうね」
果南「次は例のカタストロフィ…か」
曜「もうすぐ来るんだね…“世界の終わり”が――」
4 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:44:11.74 ID:eX5gz9H+0
〜数日後 静岡市 某大学キャンパス〜
「おーい、なべ〜〜」フリフリ
曜「んー? どうしたの?」
「この後、部活ってあるの?」
曜「今日は無いよー」
「お! だったらさ、今夜に他の大学の人と合コンやる事になってるんだけどさー」
「なべも一緒に行かない?」
曜「あー……ごめん、今日は予定入ってるんだよね」
「あらら、それは残念…」ガッカリ
「だから言ったでしょ、曜はそういうイベントには参加しないって」
「分かっちゃいたケド…なべが来るって言えば絶対人集まるじゃん? 前回のミスコンでぶっちぎりの一位だったわけだし」
「ま、仕方ないね。また誘うよ」
曜「……うん、また今度ね」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
5 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:45:34.23 ID:eX5gz9H+0
曜(さて、メールでは今日鞠莉さんが迎えに来ることになってるけど…)
曜(待ち合わせ場所どころか、時間も知らされて無いんだよね)ピピッ
『マリー:明日、迎えに行くからね(^^♪』
曜「……うん、分からん」
曜「本当に来るのかな?」ムムム
――ガヤガヤ、ヒソヒソ
曜(…なんか、出口付近が騒がしいぞ?)
曜(それに、やたらと視線を感じる……)
「あ、あの〜」トントン
曜「はい?」クルッ
「渡辺さんって…実はお嬢様だったの?」
曜「……はい!?」
「校門の前に如何にも執事って感じの人が立っているし、その近くには立派なリムジン……渡辺さんを待っているみたいだよ?」
曜は思わず頭を抱え、大きくため息をつく
曜「あー…迎えに来るってそう言う事か」
曜は校門の前で待っている執事の元へ近づく
曜の姿を確認した執事は丁寧に一礼した
執事「渡辺様、お待ちしておりました」
曜「ど、どうも」
執事「これより渡辺様を浦の星女学院までお連れ致しますので、どうぞご乗車下さい」ガチャ
曜「あ、ありがとうございます……」
――――――
6 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:46:37.73 ID:eX5gz9H+0
車内には既に梨子と善子が乗っていた
二人とも静岡県から少し離れた大学に通っているので、先に迎えに行ったのだ
車内には栓が開けられたシャンパンが数本転がっていた。
善子「おっそいわよー、よーぅさぁ〜ん///」ヒック
梨子「もう、だから飲み過ぎだって言ったのに……」
曜「……どうしてこの子は出来上がってるのさ」ジトッ
梨子「執事の方が、冷蔵庫の中の飲み物は自由に飲んでいいって言っていたのよ」
7 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:47:28.54 ID:eX5gz9H+0
善子『え!? この高価そうなシャンパンもいいんですか!!?』キラキラ
執事『え、ええ。その中の物はお嬢様が皆様の為に用意したものですので』
梨子『でも、これって相当高いんじゃ……』オロオロ
執事『そうですね…一本数万円はするかと』
梨子『す、数万円!? 流石にそれは――』
善子『う〜〜〜ん、最高に美味しい////』ゴクゴク
梨子『もう飲んでるし……』アゼン
8 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:49:22.38 ID:eX5gz9H+0
曜「えっ!? まさかここに転がってる空ボトル全部がそのシャンパンなの!?」
梨子「その“まさか”です…」
善子「せっかく飲んでいいって言ってるんだから〜、飲まなきゃ失礼でしょおぉ///」ヒック
曜「あ、あはは……」
執事「皆様、これより内浦に出発しますので、席にお座りください」
曜「あ、分かりました。すぐに座ります」
――――――
9 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:50:30.78 ID:eX5gz9H+0
曜(…それにしても、この執事さん)チラチラ
執事「……(運転中)」
曜(何だか隙が無いって言うか、威圧感があるというか…只者じゃない感じ)ジッ
執事「…渡辺様、どうかされましたか?」
曜「へ!? いや、別に何でもないですよ!!?」ビクッ
曜(ウソでしょ…何で気が付いたのさ!?)
梨子「…この執事さん、物凄いんだよ?」
曜「へ?」
梨子「この車に乗る前、厄介な人たちに絡まれたんだけど――」
――
――――
――――――
10 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:52:07.16 ID:eX5gz9H+0
梨子「――あの、予定が入っているのでもう行ってもいいですか?」ギロッ
「えー、いいじゃん! その予定はキャンセルしてよ」ニタニタ
「私らと遊んだ方が楽しいからさぁ」
梨子は数人の男女グループに絡まれていた。
自分では地味だと公言しているが、どう見たって地味ではない
それどころか、モデルやアイドルをやっていると言われてもなんら疑問に思われない程の容姿であるのは間違いない。
内浦から離れた土地で暮らすようになってから、そこそこの頻度で知らない人から声をかけられるようになっていた。
梨子(……失敗した、どうして今日に限って下にスーツを着てきて無いのよ!)
「ほら、行こうよ!」ガシッ
梨子「っ!? 触らないで!!」バッ!
肩を掴んできた手を思いっきり叩き落とす
かなり強めに叩いたせいか、叩かれた相手の表情が険しくなった。
「…ってぇなあ! 軽く触っただけじゃん」
「ちょっとぉ……今のは無くない?」ギロッ
梨子「……何、私が悪いの?」
「当たり前じゃん? こっちは手ぇ出してないわけだし」
梨子(いや、思いっきり掴んだでしょ)
「ちょっとこっちが優しくしてるからって、調子乗り過ぎじゃん?」
三人の男がジリジリと距離を詰めてくる
普通の女性ならば筋肉質の若い男に詰め寄られれば恐怖で動けなくなるだろう。
ただ、梨子は“普通の女性”ではない
幾多の化け物との死闘を生き残った彼女にとって、彼らなどただの雑魚だ。
梨子(流石にスーツ無しじゃ力負けするわよね……掴まれる前に急所に叩きこんで即逃げる。よし、これでいこう)グッ
重心を軽く落とし、臨戦態勢に入る
その時――
「――桜内様…でございますか?」
11 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:53:09.89 ID:eX5gz9H+0
突然、後ろから自分の名を呼ぶ女性の声がしたのだ
梨子「…へ?」クルッ
執事「あぁ、やはり桜内様でございましたか。鞠莉お嬢さまより梨子様をお迎えに上がるよう承りました」
梨子「鞠莉さんが?」
執事「ええ、すぐ近くに車を用意しています。どうぞこちらへ」
「おい、ちょっと待てよ!!」
執事「…何でございましょう?」
「何勝手に連れて行こうとしているわけ? こっちが先なんだけど!?」
梨子(いやいや、勝手に連れて行こうとしたのはそっちでしょ)
男の一人が伸縮警棒を取り出す
武器を目視した執事の顔が一気に険しくなった。
執事「…随分と物騒な物をお持ちで」
「うるせぇ、怪我したくなかったら大人しく帰れ!」
梨子「あなた…自分が何をしているか分かっているの!?」
「やかましいわ! てめぇが素直に従ってればコイツはケガしないで済むんだよ!!」
彼は明らかに興奮状態に陥っている
周りにいる仲間も止めるよう色々と言っているようだが、全く耳に入っていない
いつ襲ってきてもおかしくない状況だ。
執事「お止めなさい。ケガだけじゃ済みませんよ?」
「はっ!! そりゃ済まないだろうな!!!!」ブンッ!
男は警棒を振り上げる
刃物に比べ、殺傷能力は低いものの、打ち所が悪ければ死に至る危険な武器だ
安易に人に向けていい代物ではない。
そんな凶器を躊躇いもなく、執事の頭に振り下ろす
12 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:54:43.47 ID:eX5gz9H+0
梨子「危な――」
執事「……ハッッ!!!!」キュイィィィン!!
――バキッ!!
梨子は目を疑った
執事が見事な上段回し蹴りを繰り出し、振り下ろされる警棒を弾き飛ばしたのだ。
…それだけならまだ分かる
その弾き飛ばした警棒、地面に落ちた音から察するに金属製だった
にもかかわらず、その警棒、蹴られた箇所がぐにゃりと折れ曲がっているのだ。
凄まじい破壊力だが、当然人間の足で繰り出せる威力ではない
梨子「あ、足……足は大丈夫なんですか!!?」
金属をへし折ったのだ
少なくとも骨にヒビが入っていても不思議ではない
だが……
執事「ええ、この通り大丈夫ですよ」
その場でぴょんぴょんと元気に跳ねる
全くケガは無かったのだ。
「はぁ? ……ちょっ、え??」ゾワッ
執事「どうです? こう見えて私、結構強いのですよ?」
「あ、あぁぁ……」
執事「…もう二度と、桜内様の前に現れない事を誓ってくださいね?」ニコッ
――――――
――――
――
13 :
◆ddl1yAxPyU
[saga]:2017/06/18(日) 00:55:48.08 ID:eX5gz9H+0
梨子「――っとまあ、こんな事が」
曜「な、何者なの……この執事さん」
執事「あまり暴力は好きでは無いのですが…緊急事態だったので止む追えず」
梨子「何か格闘技をやっていらっしゃるのですよね?」
執事「ええ、若い時に空手を少々。お嬢様のボディーガードも兼ねておりますので、私自身もそれなりに強い必要がありますので」
曜(金属製の警棒をへし折れるのに“それなり”の強さですか……)
梨子「そう言えば、回し蹴りのフォームが鞠莉さんとソックリだった気がしたのですが」
執事「ええ、私が鍛えさせて頂きました」
梨子「やっぱり」
執事「幼少期の頃からずっと一緒に訓練していましたからね……今やお嬢様は、私よりも随分と強くなられましたよ」フフフ
曜「へぇ…だから鞠莉さんはあんなにも強いんですね」
梨子「……」
梨子(でも…いくら空手の使い手と言っても、人が金属の棒を蹴りで折れるものなの? しかも無傷で)
梨子(足に鉄板を仕込んでいた? それとも……いや、まさかね)
執事「……話している間に、到着しましたよ」
曜「いつの間に…結構早く着いたね」
善子「……」
梨子「ん? そう言えば、よっちゃん さっきからずっと黙ってるけど、どうし……」
善子「………………っうっぷ」
曜「ちょちょちょちょっ!?」
善子「ぎぼぢわるい……吐きそ…うっぷ…」
梨子「執事さん!! 袋、ビニール袋おおお!!!!」ゾワッ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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