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緒方智絵里「特別な日の御祝い事」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:14:24.98 ID:0Y1Iw+jU0
※「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSS
※キャラ崩壊あり、人によっては不快感を感じる描写もあるかも
※決して変態的なプレイをする話では無く、健全な純愛物を目指してます
※独自設定とかもあります、プロデューサーは複数人いる設定
以上の事が駄目な方はブラウザバック奨励
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1497654864
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:14:48.81 ID:0Y1Iw+jU0
前に書いた作品
智絵里「マーキング」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476481390/
智絵里「マーキング」まゆ「2ですよぉ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476819940/
橘ありす「マーキング」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477742473/
鷺沢文香「マーキング」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1480427177/
高森藍子「マーキング」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483199905/
渋谷凛「マーキング」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486239096/
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:17:05.65 ID:0Y1Iw+jU0
緒方智絵里「私の特別な、あの人だけの贈り物」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1487022862/
緒方智絵里「私の特別な、あの人からの贈り物」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1489440695/
緒方智絵里「汚れた私は、お好きですか?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492205497/
島村卯月「マーキング」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493044244/
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:18:07.30 ID:0Y1Iw+jU0
「おはよう、お母さん」
ある休日の朝。
星柄でピンク色をしたパジャマを身に包み、実年齢よりも幼い印象の少女は、そう言ってリビングにいた自分の母親に声を掛けた。
普段は会話の際、相手に目を合わせられず、目を逸らしがちになってしまう少女だが、今日ばかりは母親の目をジッと見つめている。
相応の覚悟と勇気を持って、少女はこの場に臨んでいた。
それに対して、母親は冷めた様子であった。
少女にとっては今日は休日で休みの日ではあるが、彼女にとってはそうでは無かった。
彼女は今から自分の職場に出掛け、否応にも業務につかなければならなかった。
そんな忙しい身分の自分なのに、呑気に話し掛けてきた少女の存在は彼女には疎ましくも思えた。
『何の用なの? 用があるなら早くして』と、少女を威圧する様に、彼女は視線を向けるのである。
「あのね、聞きたい事があるんだ」
それでも、少女は臆せずに母親にそう聞いた。
威圧されようとも、その目線は変わらずに聞くのである。
「今日の夜、だけど……お母さん、予定は空いてる?」
少女がそう聞くと、母親はその眉根を寄せて反応する。
まるで「はぁ?、何なの?」と、言いたげな様子だったが彼女はそれを口にはしなかった。
ただ忙しいのだとばかりに、首を横に振って答えるのだった。
それに加え「今日は遅くなるから帰ってこれない」と、少女に告げたのだ。
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:19:09.16 ID:0Y1Iw+jU0
こうなった以上『そっか、仕方ない』とか言って、普通は諦めるだろう。
しかし、少女は違った。
そこで会話を終わらせる気は、毛頭も無かった。
何故なら、少女は気づいていたからだ。
自分の母親が言っている事が、嘘なのだという事を。
本当は、別の理由があって家に帰ってこれないという事も。
その別の理由に関しても、自分の家族では無い他者との付き合いによるものである事も。
少女は全部、知っているのである。
「へぇ、そうなんだ」
少女は敢えて納得した風を装ってそう言った。
すると、母親はやっと解放されると思って荷物を持って玄関に向けて足を進めていく。
母親が自分に背を向けて、関心が無くなったのを見計らった所で、少女は口を開いてこう言ったのだ。
「……―――さんに、よろしくね」
少女がそう言うと、母親は進めていたその足を急停止させる。
そしてゆっくりと、錆び付いた機械の様な動きで振り返り、智絵里を見る。
再び智絵里にへと向いた母親の表情は、驚愕の色に染まっていて、焦りも窺えた。
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:19:46.74 ID:0Y1Iw+jU0
『何故、知っている』、『何でその名前を口にする』、『お前はどこまで知ってるのだ』
様々な考えが彼女の中で駆け巡るが、それが口から出る事は無かった。
「どうしたの? お母さん」
そんな母に、少女は追い打ちを掛ける様にそう言った。
表情は笑ってもおらず、また、歪んでもいない。
ただただ無表情のまま、黒く淀んだ瞳で母親を見据えるのである。
「何か、あった? それとも、聞きたい事でもあるの?」
「でも、早くしないと遅刻しちゃうよ? 遅れたら、大変だもんね」
「お母さん、忙しいんでしょ? 私なんかに、構ってる場合じゃないよ?」
「私は大丈夫だよ。だって、これが初めての事じゃないんだから、当然だよね」
「私なんて放っておいて、お母さんは自分の好きにすればいいよ。これまで通り、変わらずにね」
矢継ぎ早に繰り出される少女の言葉。
これまでの行いを糾弾する様な少女の言葉。
それを母親は青い顔をして聞きながら、こう思った。
『目の前にいる娘は、一体誰なのだ……』と。
彼女は自分よりも背の低い少女に、恐れを感じていた。
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:20:31.18 ID:0Y1Iw+jU0
何も言わない、何もしてこない……人形の様に、虚ろな存在だと思っていた少女。
それが今、自分に対して容赦も無く言葉を浴びせてくる。
母親にとって、それは信じ難い現状であった。
最近は少女との接点も薄れていたが、まさかこんな風になっているとは微塵にも思っていなかった。
だからこそ、どう対応したらいいかが瞬時に出てこない。
焦り、慌て、混乱した先に彼女がとったのは……。
「だから、ね。私は気にしないよ? お母さんがわ……ッ!」
絶えず動いていた少女の口が急に止まった。
パァンッと乾いた音が室内に響いたのと同時に、止まった……いや、止められたのだ。
誰に? ……母親が、少女の頬を叩いた事によって、だ。
力強く叩かれた事で、少女の頬は赤く染まっていた。
それを母親は興奮からか、肩で息をしつつ、見つめる。
「……いたい」
少女は短くそう呟くと、叩かれた部分を自分の手でそっと触れる。
それからぎょろりと目をむいて、母親にへと視線を移す。
光も伴わない虚ろな目。感情の篭もっていない瞳。
母親はそんな視線を浴びせられ、「ひっ……!」と小さく悲鳴を上げる。
そして居た堪れなくなったのか、少女から視線を外して逃げる様にその場から離れた。
ドタバタとした動作で靴を履き、それが終えると急いで家から出て行ったのであった。
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:20:59.84 ID:0Y1Iw+jU0
「……」
母親が出て行き、一人になった少女はポツンとリビングの中央で佇む。
数秒程そのままでいた後、はぁ……とため息を吐き、天井を見上げる。
「……やっぱり、こうなるんだ」
誰もいない空間に向けて、少女はそう吐き捨てた。
「お母さん……もう、私の誕生日なんて、忘れちゃったのかな」
そう言う少女の瞳の端には、涙がジワリと浮かんでいる。
涙は瞳から零れると、頬を伝い、顎先から床にへと向かって落ちていった。
「お父さんも……しばらくは、帰ってはこない」
視線を移して、リビングにあるホワイトボードにへと目を向ける。
そこには赤い文字で大きく『父 出張』と書かれていた。
下には出張の期間も書かれていて、帰ってくるのは早くても来月。
どう考えても、今日中に帰ってくる期待は薄かった。正直、当てにもしていない。
「今年も……また、一人なんだ」
少女……緒方智絵里はその場にいない母親と父親に向けて、寂しくもそう口にするのであった。
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:22:21.48 ID:0Y1Iw+jU0
数時間後、少女は家を出て街中をふらふらと当ても無く彷徨っていた。
こういった時、いつも赴くのは彼女が所属する事務所であるが、今日は行く気にはならなかった。
何故なら、事務所に行っても会いたい人物はいないからだ。
「今頃、きっと……まゆちゃんと二人で……」
彼女が会いたい人物。それは、自分を担当するプロデューサーのP。
彼は今、もう一人の担当アイドルの佐久間まゆと一緒に県外に行っていた。
何でも、急にまゆの出身地である仙台でイベントが催されて、それに参加するべく、現地に赴いていた。
智絵里にとっては、本当に急な話であった。
彼女がその話を聞いたのは、つい一昨日の事。
それも直接告げたのではなく、間接的に、千川ちひろを通してだった。
智絵里が聞いたときにはもう、Pとまゆの姿は何処にも無かったという。
「二人が何も言わないなんて、珍しいなぁ……」
こんな事は、智絵里にとっては初めての事だった。
Pもまゆも、マメな性格なので連絡不足なんて事は一度も無かった。
何かあれば必ず、智絵里には一言、連絡や報告をしていた。
しかし、今回に限ってそれが無かった。
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:23:09.56 ID:0Y1Iw+jU0
もしかすると、二人は裏でこそこそと隠れて何かをやっているのかもしれない。
「……でも、私もまゆちゃんに内緒で色々とやってるから、人の事言えないけど」
そう口にすると、智絵里の視界の端に見覚えのある建物が見えてきた。
ボロと言うほどでは無い、少し年季の入った感じのアパート。
使い古された感じのその建物はもちろん智絵里の家では無いし、友人が住んでいる訳でも無い。
しかし、智絵里はこの建物に何度か足を踏み入れ、訪れた事がある。
このアパートの一室をPが借り、そこで暮らしているからだ。
一人暮らしのPの生活を支える為、まるで通い妻の様に足繁く通っているのである。
「まぁ、今は誰もいないんだけど……」
そう呟きながらも、智絵里はアパートに向かって歩いていく。
別に、ここを目指して歩いていた訳では無いが、何となく、ここにへと辿り着いてしまった。
それは無意識のうちに、Pの存在を求めてしまったからかもしれない。
しかし、その求めている相手はここにはおらず、遠い地にいるのは先程も確認した通り。
「……でも、いいや」
Pの家を訪ねた所で意味は無かったが、それでも、智絵里は真っ直ぐに向かっていく。
どの道、智絵里には行く当てなんて無かったし、家に帰る気にもならない。
それならば、今日はここでPの残り香を堪能しつつ、過ごすのも悪くは無いと思った。
そして、どうやって室内に入るかは、問題は無かった。
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:23:37.79 ID:0Y1Iw+jU0
智絵里は以前、まゆと一緒にPの自宅の合鍵を本人から受け取っていた。
『プレゼントに対するお返し』だと言って、容易に二人にへと差し出したのである。
それ以来、智絵里とまゆは好き勝手にPの自宅に出入りをしているが、それをPが咎めたり、何か言う事は無い。
自分から差し出したというのもあるし、二人の手によって部屋を荒らされるのは彼の本望だからである。
そうした経緯で手に入れた合鍵を智絵里は取り出し、アパートの備え付けの階段を上り、Pの部屋に近づいていく。
部屋の目の前に立ち、合鍵を挿し込んで鍵を開けようとした、その時である。
「……あれ?」
鍵を挿し込もうとした所で、智絵里はその動きを止める。
普段なら迷わずに鍵を開けて、中にへと堂々と進入するだけ。
しかし、何か変な違和感を感じて、その手を止めたのだ。
それを確かめるべく、智絵里はそっと玄関に自分の耳を寄せて、聞き耳を立てる。
「―い――――くれ」
「―みま――――――ん」
そして、その違和感は的中する。
部屋の内部から、何者かの声が聞こえてきたのだ。
現在は外出中で、誰もいないはずの部屋にも関わらずだ。
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:24:41.55 ID:0Y1Iw+jU0
「誰……だろう」
この部屋に入れる人間は限られた者達だ。
一人はマスターキーを持つ、このアパートの大家。
しかし、中にいるのが大家で無い事は、智絵里は分かっている。
その大家は智絵里がアパートの階段を上る時に、端にある菜園で何かをしているのを目撃していたからだ。
そして残るは家主のPと、智絵里と同じく合鍵を持つまゆ。
だが、二人も遠くに行っているので、中にいる事は考えられない。
となると、この部屋の中にいるのは……
「泥棒……さん?」
その考えに辿り着いた瞬間、智絵里の瞳からまたも光が消え失せる。
しかも、僅かながらに殺気を放ち、中にいると思われる人物に憎悪の感情を向ける。
普通であればその前に恐怖を感じ、まずは助けを求めるだろう。
しかし、智絵里は違った。
泥棒に対する恐怖よりも、憎悪や憤怒の感情が勝ってしまったのだ。
「だと、したら……許さない……」
智絵里は小さくそう言うと、手荷物の中からそっとある物を取り出す。
それは、十五センチ程の長さの棒状の文房具。
智絵里はそれに付いているグリップに親指を当てると、ゆっくりと前に押し出していく。
すると、チキチキという音と共に、その先端からは鋭利な刃が現れる。
そう、智絵里が取り出したのはカッターナイフだった。
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/17(土) 08:25:17.02 ID:0Y1Iw+jU0
「プロデューサーさんの家に、無断で入るなんて……絶対に、許さない」
刃を四センチ程伸ばして、智絵里はカッターナイフを右手に構える。
ただの文房具であるのにも関わらず、それは手練れの使う凶器の様に思わせる。
そして、空いている左手を使って、ドアノブに手を掛けた。
「……すぅ……はぁ」
中にへと入る前に、心を落ち着かせようと一度深呼吸をする。
肺の中の空気を入れ替えて、覚悟を決めると、智絵里はドアノブを捻って扉を開けた。
玄関には、鍵が掛かっておらず、扉はすんなりと開いた。
泥棒が入る時に解錠したのだろう……と、智絵里はそう思いつつ、中にへと足を踏み入れる。
「えっ……?」
しかし、一歩踏み入れた所で、智絵里はその足を止めた。
いや、止めてしまったのだ。その中に広がる、ある光景を見てしまって。
そこには、驚くべき光景が智絵里を待ち受けていたのだ。
「なぁ、いいだろ? 後生だからさ、そこに落ちてる飾りを取ってくれよ」
「そんな事言われても、駄目なものは駄目ですよ」
「頼むから、ちょっとだけでいいから手伝ってくれって」
「だから、少し待っててくれませんか? まゆも今料理中で、手が離せませんから」
室内でそう言い合って会話をしているのは、紛れも無く、泥棒なんかでは無い。
智絵里も良く知っている人物、プロデューサーのPとまゆの二人だった。
そして、本来ならばここにはいないはずの二人でもある。
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