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【モバマス×龍虎の拳外伝】不破・茜「うおおおおおおおおお!!」
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252 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 21:28:40.41 ID:eb58AR/20
ブンッ
チンピラB「ぐはっ!」
ドサッ
カーマン「ふんっ!」
ズドッ
チンピラB「」
ガクッ
チンピラ「な、なに……!?」
カーマン「さて、お前には2つ選択肢がある。伸びた仲間を連れて消えるか、誰かが通報してくれるまでここで二人仲良く野晒しになるかだ」
253 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 21:32:21.95 ID:eb58AR/20
チンピラ「な、な、なめんじゃねえ!この野郎!これでエグッてやる!」
スチャ
カーマン「……ふん、それだけか?」
チンピラ「……なに?」
カーマン「ナイフ程度で良いのかと聞いてる。拳銃でも日本刀でも、なんなら機関銃でも構わんぞ」
チンピラ「ふざ、ふざけんなああああ!!」
254 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 21:38:10.64 ID:eb58AR/20
チンピラ「」
カーマン「出直して来い。素人が」
パッパッ
カーマン(さて、彼女は……)
美世「……」
美世「う〜んと……あとはここを組めば……」
カチャカチャ
255 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 21:42:38.93 ID:eb58AR/20
美世「よし!これでどう!?動くんじゃない?」
バッ
カーマン「……これを」
スッ
美世「え、ハンカチ?……あ、もしかして」
カーマン「ああ。顔に……」
美世「えへへ……熱中しちゃうと、ついね……こんなの女の子っぽくないよね」
フキフキ
256 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 21:43:45.53 ID:eb58AR/20
カーマン「……確かに女性の身だしなみとしてはそうかもしれん」
カーマン「だが、車に触れる君には、顔についた油でさえ最高の化粧だった」
美世「えっ?」
カーマン「いいや、何でもない」
257 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 21:48:30.09 ID:eb58AR/20
カーマン「……」
ブルルン ブルルン
美世「あっ!良かった〜!かかった〜!」
カーマン「すまないな、助かった。修理代は幾らになるかね?レディ」
美世「えっ!?お、お金なんて良いよ!私が好きでやったことだし、ポルシェいじれて満足だし!」
カーマン「そうは言うが、こちらも車を直して貰った上、良いモノも見せてもらった。良い仕事にはそれに応じた報酬が与えられなければならない」
258 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 21:51:24.30 ID:eb58AR/20
美世「え?良いモノって?」
カーマン「とても美しいものさ」
美世「ええ〜……よくわからないけど……あ、じゃあ、いっこお願いしていい?」
カーマン「構わんよ」
259 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 21:54:44.73 ID:eb58AR/20
美世「……いや〜、乗るのは初めてなんだけどホントにポルシェって全然違うんだね。ちょっとアクセル踏んだだけなのに回転数が凄いよ」
カーマン「だが、もう慣れてきたようだな。下手なクラッチ操作ではこうはいかん。整備も運転も、良い腕だ」
美世「えへへ……そうかな?車はいじるのも見るのも乗るのも、全部好きだから」
美世「……ねえ、えっと、カーマンさん?」
カーマン「なにかね?」
260 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 21:58:39.91 ID:eb58AR/20
美世「実はね、さっき車直してる時……ホントは気づいてたんだ。怖い人たちが因縁つけてきてたの」
カーマン「……!」
美世「それで怖くて車の下から出てこれなくて……けどカーマンさんあっという間にふたりともやっつけちゃって」
カーマン「……」
美世「あなたは何者なの?よくわかんないけど、なんか海外のすごいFBI?みたいな人なの?」
261 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 22:04:11.21 ID:eb58AR/20
カーマン「……そんな大層な身分ではない。今の私はただの運転手だ……アイドル事務所付きのな」
美世「アイドル……?」
カーマン「もし興味があるなら、来るかね?もしかすれば、君が車と同じくらい夢中になれるものがあるかも知れん」
美世「それって、勧誘?見かけによらず、面白い人だね。でも……見てみたいな。あなたのいるアイドル事務所」
262 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 22:04:37.42 ID:eb58AR/20
カーマン「疑わんのかね?」
美世「疑わないよ。助けてもらったし、それに……」
カーマン「それに?」
美世「赤いスポーツカーに乗ってる人に悪い人はいないもんねっ!」
263 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 22:10:33.66 ID:eb58AR/20
後日
ロバート「おう、カーマン、あんたが連れてきてくれた美世ちゃん、正式に契約決まったで」
カーマン「そうか」
ロバート「いや〜、あれはエエ娘や。ウチの事務所は車乗りもバイク乗りもおるから本人もかなり喜んでたわ。そしてもちろんわいらも大助かりや」
カーマン「ふむ」
ロバート「それにしてもどういう風の吹き回しや?あんな私は手伝わん、みたいなことを言うとったのに、あんたが事務所に連れて来たときにはあの娘かなり乗り気やったで。どんな口説き方したんや?」
264 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 22:15:17.25 ID:eb58AR/20
カーマン「別に口説いちゃいない。私はただ連れてきただけだ」
カーマン「だが、アイドルを始めたとして、ここから先はお前たちの仕事だ。あの娘をシンデレラに出来るか、灰かぶりのままにしておくかはな」
ロバート「それはそうやな。せやけど、あんたがそれだけ見込んだって事は……あんたにはもうそのシンデレラの片鱗を見せたんやろ?」
カーマン「フン……」
265 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 22:19:00.72 ID:eb58AR/20
人は、誰でも幸福を捜している。
しかしその形は一定ではない。
時には死す時までその形が分からない者もいるだろう。
幸福とは実に様々に姿を変え、私たちを惑わせる。
富に、愛に、権力に……
私にとっては、誇りがそうだ。
最高の仕事をしているという、誇り。
266 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 22:28:02.72 ID:eb58AR/20
彼女が、彼女たちが光り輝く瞬間。
私は、その時確かに誇りを感じた。
すなわち、幸福を。
今は彼女たちを見守るのが最高の仕事なのだと思う。
今の私はそう思える。
そう思わせてくれた者たちがいたのだから。
外伝
エージェント・カーマン・コール
完
267 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/06/28(水) 22:30:33.06 ID:eb58AR/20
今日はここまで
>>232
のカーマンの漫画すっごい出来が良いからぜひ読んでみてね(不破師範は脳筋扱いだけど)
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/28(水) 22:41:07.24 ID:4py2LSdSo
天獅子さんの漫画は渋いキャラ書かせると実にいい
若いころのタクマとロバートの執事の話なんかもよかった
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/28(水) 23:20:40.02 ID:LNeJHWGtO
これは漫画版買いたくなるスレ
いや、前回も名作だったけど、今回も良い
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/29(木) 20:50:24.27 ID:010Sn/gDO
乙
龍虎は掘り下げたらまだまだ伸びしろのあるコンテンツなんだがな…
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/30(金) 22:03:40.53 ID:F1By+4XM0
天獅子漫画って龍虎1・2版は昔立ち読みしたけど外伝版って実物見たことないから本当にあったことすら最近まで知らなかったわ
272 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:00:21.01 ID:bVTGWxfw0
ロバート「キャンプ?」
リョウ「ああ、新しいメンバーも入ったことだし、親睦を深める意味こ込めてな」
ロバート「それやったら別に食事会とかでエエやろ。何でわざわざキャンプなんや?」
リョウ「俺も良く山に籠るからわかるが、自然の中での不便さってのは、人と人が向き合うのに最適だ」
リョウ「何もない故に協力しあい、何もない故に飾りの無い、心の触れ合いがある」
273 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:05:04.81 ID:bVTGWxfw0
ロバート「へぇ〜……まぁ新しい娘らが早く打ち解けられるならそれに越したことはないけどな」
リョウ「……それに、それだけじゃない。山の方なら、都会に比べて星が多いからな……」
ロバート「星?」
外伝
北の大地から来た少女
リョウ(『彼女』が事務所に来たのはほんの少し前。出会ったのは、ここ東京よりもずっと寒い。秋に差し掛かった頃だった)
274 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:08:57.47 ID:bVTGWxfw0
北海道・小樽市内
リョウ「……ロケの現場の下見とは言え……流石に一人で来るもんじゃな無かったな。地理が全然わからん」
リョウ「ええっと……一応ここは小樽市内なんだよな?で、小樽運河ってのが港の方だから……ううむ……」
リョウ(人に聞いた方がはやいなこりゃあ)
リョウ「あ、そこの人、すみません」
通行人「ひっ、す、すみません、急いでますので」
タタッ
275 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:15:17.28 ID:bVTGWxfw0
リョウ「……見た目で怖がられるのも久しぶりだな」
リョウ(まぁ馴染みのない土地だから仕方ないか……他に人は…)
リョウ(おっ、前に人が歩いてるな……銀髪?外国人か?)
リョウ「……あー、コホン」
リョウ「Hello, excuse me.」
少女「……シトー?」
クルッ
276 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:21:47.98 ID:bVTGWxfw0
リョウ「……ッ!?」
リョウ「……ああ、ロシア語……か?参ったな、ロシア語はわからん……」
少女「アー……日本語、わかりますよ。英語も、わかりますけど」
リョウ「あ、そうなのか。それは助かる……運河の方に行きたいんだが、道はわかるかい?」
少女「カナール……運河の方はですね、えーと……ここを、まっすぐに……」
277 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:30:05.72 ID:bVTGWxfw0
リョウ「……なるほど、わかったよ……君が日本語が上手で助かった」
少女「……私を外国の人と思いましたか?ちがいます、日本人よ」
アーニャ「ミニャー ザヴート アナスターシャ……アー、名前は……アナスタシア。日本とロシアの、ハーフです」
リョウ「……これは失礼だった。俺はリョウ・サカザキ。東京で空手の師範とアイドルのプロデューサーをやってる」
スッ
アナスタシア「アー……どうも……」
278 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:34:33.23 ID:bVTGWxfw0
リョウ「……」
リョウ「……なぁ、アナスタシアさん。いきなりこんな事を言われても困るかもしれないが……アイドルに興味はないか?」
アナスタシア「アイドル?……イズヴィニーチェ……ごめん、なさい、あまり、詳しくありません」
リョウ「そうか……テレビで見たことないか?」
アナスタシア「……何度か、見たことはあります。けど、なにをするのですか?ピヴィーツァ?バリリーナ?歌とか、踊りですか?」
279 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:38:16.92 ID:bVTGWxfw0
リョウ「ああ、歌ったり踊ったり……演技したり、トークしたり……色々だな」
アナスタシア「つまり、なんでもですね……プリクラースナ、すごい、です」
アナスタシア「……ですけど、私には、無理ですね」
リョウ「……どうしてだい?」
アナスタシア「さっき……あなたは日本語、上手と褒めてくれました。でもそれは、たぶん外国人にしては……という意味だったと、思います」
リョウ「……」
280 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:45:19.42 ID:bVTGWxfw0
アナスタシア「ほんとうの事ですから、仕方ないです。けど、私は日本語も、ロシア語も……話すのは少し、苦手です」
リョウ「ロシア語も?」
アナスタシア「……私、もともと日本で生まれました」
アナスタシア「それから、とても小さいときにロシアに行って……そしてまた、10歳のとき、北海道に戻ってきました」
アナスタシア「だから、言葉はうまくなかったです。ママは日本語を教えてくれましたけど、パパはロシア語。どちらも上手では、ありませんでしたね……」
アナスタシア「ですから……私には……」
281 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:50:25.23 ID:bVTGWxfw0
リョウ「……それは、大変だったな。言葉の苦労、土地の苦労……特に幼少期に仲の良かった友人と頻繁に分かれるってのは、辛いもんがあるよな」
アナスタシア「……あなたも、わかりますか?」
リョウ「ああ、俺も生まれは日本だったんだが、8歳の時に親父の仕事の都合でアメリカに行った。まぁそれからはずっとそこに住んでたから君ほどじゃあないけどな」
アナスタシア「……もしかして、あなたも」
リョウ「ああ……まぁあまり見えないかもしれないが、俺もハーフだ。この髪も自前だ。……ただ、日本にいた頃……ガキの頃にはこのアタマで大分苦労した記憶もある」
282 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:54:16.37 ID:bVTGWxfw0
リョウ「なんでお前の髪は自分たちと違う色なんだ、ってな。特に子供の時分ってのは自分たちと違うものは好奇の目で見られる。良くも悪くもな」
アナスタシア「……私も、わかります」
リョウ「そうかい?まあ確かに俺たちは境遇的には似ているところがあるかもな」
リョウ「ただ、俺は男だからな。やっぱりその辺は年頃の女の子にしかわからない悩みもあるだろうから、一概に君の気持ちが全部わかる、なんて事は言えないけどな」
283 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 11:59:27.81 ID:bVTGWxfw0
アナスタシア「……あなたは、日本にいた時、どんな風に過ごしてましたか?」
リョウ「そうだな……その時はあんまり深く悩むことも無くて、周りにいたやつもカラッとした気質の奴も多かったからな。近所の男の子たちとは打ち解けられた。よく相撲取ってたりしたよ」
アナスタシア「スモウ……」
リョウ「ただ、それは俺の場合だ。君が言う通り、言葉が上手くないってことだったら……周りと打ち解けるってのはかなり難しかったと思う。コミュニケーションの基本はやっぱり言葉ってのは動かし難い事実だからな……」
アナスタシア「……そう、ですね」
アナスタシア(だから……私には……)
リョウ「だが、それが全てでもない」
284 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 12:04:36.00 ID:bVTGWxfw0
アナスタシア「……え?」
リョウ「さっき少し話したが、俺は空手をやっててな。小さい頃から続けてるが……色々な奴と闘った。強いヤツ、弱いヤツ……良い人間、悪い人間……言葉が通じる相手、通じない相手」
リョウ「相手がどんなヤツでも、最近は拳を交わせばそいつがどんなヤツかわかるようになってきた」
アナスタシア「……」
リョウ「もちろん、闘うだけじゃない。一番わかりやすいのは感覚的なものさ」
285 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 12:08:30.04 ID:bVTGWxfw0
リョウ「歌に音楽……踊りに芝居……格闘もそうだがこういった芸術にも国境や偏見は無い」
リョウ「分かり合う方法は会話だけじゃない……相手の魂に訴えかけるものは、言葉だけじゃないのさ」
アナスタシア「タマシイ……ドゥシャー……」
リョウ「……俺は君の何を知っている訳じゃない」
リョウ「……ただ、もし……もし、君が他人に理解されなくて、今苦しんでいるんだとしたら」
リョウ「少し、変わってみないか?もちろんそれがアイドルになる、という選択肢じゃなくてもいい。俺は、君を応援したい。君を見て、そう思った」
286 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 12:10:16.60 ID:bVTGWxfw0
アナスタシア「変わる……」
アナスタシア「……」
アナスタシア「リョウ……プロデューサー……?私にも、出来るでしょうか?」
リョウ「出来るさ……君が諦めなければ」
アナスタシア「……アーニャ、です」
287 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 12:14:13.32 ID:bVTGWxfw0
リョウ「ん?」
アナスタシア「私の、ニックネーム。ママが、付けてくれました」
リョウ「アーニャ、か。親しみやすい良いニックネームだな」
アナスタシア「……もし、デビューをするなら……ここを離れなければいけませんね。雪とレンガの大好きな街……」
リョウ「ああ、親御さんにも挨拶しないとな」
アナスタシア「ママやパパと離れるのは、寂しいです……でも、私、覗いてみたいです。まだ知らない遠くの……アイドルの世界……」
288 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/01(土) 12:21:34.60 ID:bVTGWxfw0
今日はここまで
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/07/01(土) 12:48:48.27 ID:PRypqnq20
師範「スモウ……SUMOU……うっ、頭が」
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/01(土) 15:35:44.89 ID:xaYq/RLDO
アイドルとスモウ取りたい
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/01(土) 16:49:41.84 ID:r6nWloDJO
北海道ならこの世界にはカムイコタンはあるのだろうか
残ってたら嬉しいが、厳しいだろうな・・・
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/01(土) 19:14:41.29 ID:LAR6yrvBO
サムライたちがタイムスリップしててもおかしくない!
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/01(土) 19:48:16.25 ID:GXKjV6QP0
その場合、シレッと右京さんがチャムチャムのPやってるかも知れない
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/02(日) 08:02:26.03 ID:ZHvZYj97o
アーニャ最近色々と日本語がおかしいな事になってるけど本来は普通に話せるんだっけ?
アーニャの両親どんな人物なんだ…
295 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/04(火) 23:41:00.04 ID:v8ZyVAwd0
リョウ(そうして事務所に来たアーニャだったが、事務所のメンバーは良く受け入てくれた)
リョウ「……」
プルルルル
ガチャ
ユリ『もしもしー?』
リョウ「ああ、ユリ、俺だ」
ユリ『あ、お兄ちゃん。元気だった?』
296 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/04(火) 23:43:02.97 ID:v8ZyVAwd0
リョウ「ああ、俺はいつでも元気だ。お前の方は?親父は……聞くまでもないか」
ユリ『うん、私も元気だよ。お父さんはもう元気すぎて困っちゃう……もう少し元気なくてちょうどいいくらいかも』
リョウ「ははは、そうか……ユリ、少し相談したい事があるんだが、良いか?」
ユリ『お兄ちゃんが私に?珍しいね、女の子関係の事かな?』
リョウ「……なんとなく人聞きが悪いが、まあその通りだ。新しく入った娘でな……」
297 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/04(火) 23:46:36.99 ID:v8ZyVAwd0
ユリ『……なるほどね〜、その娘、なかなか日本で馴染めなかったんだ』
リョウ「ああ、俺たちも海外移住経験があるが、そこはやはり同じ女子のお前の方が気持ちがわかるんじゃないかと思ってな」
ユリ『う〜ん……そうは言っても私たちがサウスタウンに移った時は私は4歳だったから……もうその頃の事ってほとんど覚えてないんだよね』
ユリ『言葉の方もそこから覚えてあんまり苦労しなかったし……』
リョウ「そうか……」
298 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/04(火) 23:49:43.56 ID:v8ZyVAwd0
ユリ『あっ、でもそのアーニャちゃんに似た娘がいたよ!』
リョウ「似た娘?」
ユリ『うん、私の友達にまどかちゃんって子がいるんだけどさ』
ユリ『その子もお父さんのお仕事の都合でアメリカに来て……言葉がわかんなくて、寂しそうにしてた』
ユリ『それで、その時たまたま私と知り合ってね。で、英語を教えてあげたの。そうしたら、徐々に周りの子とも馴染んでいって、今ではグループのムードメーカーだよ』
299 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/04(火) 23:52:17.14 ID:v8ZyVAwd0
リョウ「ふむ……やはり言葉か……」
ユリ『まあ、言葉はもちろんだけど、やっぱりコミュニケーションをたくさん取るのが大事なんじゃないかな?』
リョウ「そうか……そうだな、助かった、ユリ」
ユリ『良いよ!それよりそのアーニャちゃん、早く打ち解けさせてあげてね』
リョウ「ああ!」
300 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/04(火) 23:55:40.38 ID:v8ZyVAwd0
拓海「良いか?まず基本は夜露死苦、んで、親友はマブダチ……」
アナスタシア「ヨロシク……マブダチ……」
美波「ちょ、ちょっと拓海ちゃん。そういう応用編はまだアーニャちゃんには早いかなって……」
加蓮「ちょっとやめてよ拓海。アーニャのガラが悪くなっちゃうでしょ」
拓海「ああ?どれも基本にして知らなきゃ生きていけねえ重要語句じゃねえか」
301 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/04(火) 23:58:49.38 ID:v8ZyVAwd0
悠貴「アーニャさんっ!『かわいい』ってロシア語でなんて言うんですかっ?」
アナスタシア「カワイイ?ミーラャ、です」
悠貴「なるほど……アーニャさんっ!とってもミーラャっ!ですっ!」
アナスタシア「スパスィーバ……ユウキも、とっても、ミーラャ、ですね」
ポッ
悠貴「え?えへへへっ」
ポッ
加蓮「二人とも素直過ぎる……ちょっと似てるかも」
302 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:01:58.21 ID:q4IL0fG90
リョウ「アーニャ、今いいか?」
アナスタシア「シトー?プロデューサー、どうしましたか?」
リョウ「ああ、こっちに来て、調子はどうかと思ってな」
アナスタシア「アー、オス。とても、ジョートー、です」
リョウ「……ん?」
アナスタシア「……?」
303 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:04:36.94 ID:q4IL0fG90
リョウ「あ、いや、すまんな。ジョートーってのは日本語でなんて意味なんだ?」
アナスタシア「……?ジョートー、日本の言葉でしょう?」
リョウ「……上等?」
アナスタシア「ダー、ジョートー」
リョウ「……押忍?」
アナスタシア「オス」
リョウ(……まぁ、良いか)
304 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:07:34.39 ID:q4IL0fG90
リョウ(事務所に来てから、事務所のメンバーもアーニャには積極的に話かけてくれてるな。アーニャも少しづつ慣れてきてくれているようだが……)
リョウ「美波、どうした?相談ってのは」
美波「あ、ごめんなさい、お忙しいのに。その、アーニャちゃんの事なんですけど」
リョウ「ああ、どんな様子だ?俺が見てる時は楽しそうにやってくれてると思ったが」
美波「そうですね、事務所のみんなともたくさん喋ってますし、アーニャちゃん、素直だから……とってもかわいいです」
305 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:10:36.66 ID:q4IL0fG90
美波「ですけど……ふとした時……アーニャちゃんはひとりでいる時が多いんです。もちろんアーニャちゃんが私たちを遠ざけてるわけでもないし、私たちがアーニャちゃんを遠ざけてるわけでもないんですけど」
リョウ「……」
美波「それで、どうしたの?って聞いてもアーニャちゃんは大丈夫ですよ?って笑顔で答えるんです」
美波「本人にとってもひとりになりたい時があると思うから、私もそれ以上は何も聞けなくて」
リョウ「……アーニャは、見た目や言葉の事で日本に来てからはあまり人と積極的に話せなかったらしい。もちろん仲の良い友達もいただろうが」
306 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:13:10.26 ID:q4IL0fG90
リョウ「ただ、この事務所に来てからはもう心配なさそうだとは踏んでいたんだが」
美波「きっと……まだこっちに来たばっかりで戸惑ってるんだと思うんですけど」
リョウ「だが、その話を聞いたからにはこのままで良いとは思わない。なにかきっかけがあれば……」
リョウ「美波、何かアーニャが好きなモノとか聞いてるか?趣味とかでも良いんだが」
美波「そうですね……あっ、そういえば星を見るのが好きだって」
307 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:15:23.13 ID:q4IL0fG90
リョウ「星か……天体観測は、この都会ではな……都会……」
リョウ「……!」
リョウ「……よし、決めたぞ。美波、ありがとう。良い事を思いついた」
美波「いえ、私が相談したことですし……もし私がお手伝いできることがあったら、何でも言ってくださいね」
リョウ「ああ」
308 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:17:55.20 ID:q4IL0fG90
某キャンプ場
リョウ(……という訳でキャンプだ)
美世「坂崎さん!荷物結構車に積んできてたけどどうするの?」
リョウ「ああ、美世、すまないな。ここのキャンプ場はかなり古いところなんで設備があまりないからな。その分荷物が増えちまったな」
有香「美世さん、車出していただいてありがとうございます!」
美世「ううん、全然大丈夫だよ!みんなで車で遠出とかもう楽しみ過ぎて!」
309 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:21:10.21 ID:q4IL0fG90
拓海「しっかし、ホントに山奥だなこりゃ……なんもねえ」
美波「でも、普段はこうやって自然に触れ合う機会ってなかなかないから、とても貴重な体験になると思うよ」
加蓮「……けど坂崎さん、ここってお風呂とああるのかな?トイレはあるみたいだけど……」
リョウ「風呂はない。だから簡易シャワーを持ってきた」
加蓮「ええ……」
310 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:23:30.70 ID:q4IL0fG90
リョウ「まぁみんな見てくれた通り、基本ここには何もない。だから自分たちで用意する必要がある」
リョウ「まず、寝床だな。1泊2日の予定だから今日の夜泊まる場所が必要になる」
リョウ「あと、食い物だ。食材は買ってきてあるし、簡易ガスコンロやクッカーはあるからこれを使って調理する」
リョウ「そこで、メンバーを2つに分ける。テント設営班と調理班。どっちかやりたいって希望はあるか?」
311 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:25:46.25 ID:q4IL0fG90
拓海「それならアタシはテントだな。建て方わかんねーけど坂崎が教えてくれんのか?」
リョウ「ああ、もちろん教えるし調理器具の使い方も教える。だが、基本
的には俺は補助だ。メインはお前らにやってもらう」
美世「みんなで力を合わせて!ってことだね。じゃああたしもテントに回ろうかな?料理でもいいけど、こっちのが人手いるよね」
美波「じゃあ、私はお料理の方に回りますね」
312 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:27:14.88 ID:q4IL0fG90
リョウ「……よし、じゃあテント班が拓海、美世、有香、加蓮。調理班が美波、ユウキ、アーニャだな」
リョウ「俺はまずテント班に設営の方法を教えるから、調理班は持ってきた食材で何を作れるか相談だ。で、決まったら教えてくれ。調理器具の使い方を教える」
美波「はい。悠貴ちゃん、アーニャちゃん、頑張ろうね!」
アナスタシア「ヤー スタラーユシ……私、がんばりますね」
悠貴「はいっ!お二人とも、よろしくお願いしますっ」
313 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:31:21.08 ID:q4IL0fG90
リョウ「さて、テントだが……今回は7人もいるからな。2つテントを建てる」
美世「え?坂崎さん入れたら8人じゃないの?」
加蓮「……ええ!?」
リョウ「……いや、俺はさすがに一緒に寝られないだろ……個人用のソロテント持ってきてるから大丈夫だ」
美世「あっ……そ、そうだよね、あはは……」
拓海「全く、とんでもねえ事言い出すな……」
314 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:34:16.32 ID:q4IL0fG90
リョウ「……で、だ。お前たちにはテント二張り建ててもらうんだが……最近のテントは昔よりわかりやすくてな」
リョウ「基本的にはポールを差し込んでいけば自立するようになってる。コツがいるのはペグ……杭の打ち方とロープの結び方だな。一通り手本を見せるからやってみよう」
加蓮「へえ〜……テントって建てるのってすごく力がいるって印象だったけど、そうでもないんだ」
リョウ「最近は女性のキャンパーも増えてるらしいからな。作る側もいろいろ考えてるんだろう」
315 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:38:50.41 ID:q4IL0fG90
拓海「つーかもうしっかり自立してんじゃねえか!早速アタシが寝心地確かめてやるぜ!」
ダダダダ
リョウ「拓海!待て!」
ズン
拓海「……固ぇ……」
プルプル
リョウ「……そりゃそうだ。今はテントの下にシート一枚しか敷いてない。これだとほとんど地面みたいなもんだ」
316 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:40:09.45 ID:q4IL0fG90
有香「だ、大丈夫ですか拓海さん」
美世「あわてんぼだね……」
リョウ「だから、建てたテントの床部分にもう1枚マットを敷く。これで寝られる程度の柔らかさになるんだ」
拓海「くそ……先に言えよ……」
プルプル
317 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:41:53.35 ID:q4IL0fG90
美波「……さて、、ここにあるのが材料だね。にんじんにじゃがいもにお肉に……」
悠貴「なんだかカレーとか作れそうですねっ!」
美波「カレーって確かにキャンプの定番のイメージがあるね。アーニャちゃんはどう?」
アナスタシア「ダー、カレー、とても良いと思います」
美波「そう?じゃあそんなに難しくないし、カレーを……」
318 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:45:19.55 ID:q4IL0fG90
アナスタシア「……あっ……」
悠貴「?アーニャさん、どうしたんですかっ?」
アナスタシア「……イズヴィニーチェ、なんでもありませんね、ユウキ」
美波「……アーニャちゃん?もし何か気になる事があったら教えてほしいな。遠慮なんかしなくていいんだよ」
アナスタシア「……アー、でも……」
悠貴「教えてくださいっ!アーニャさん!」
319 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:48:59.69 ID:q4IL0fG90
アナスタシア「……材料の中に、ビーツが、ありました」
悠貴「ビーツ?」
美波「この缶のことかな?」
アナスタシア「はい。ビーツあれば、ボルシシ作れるって、思いました」
美波「ボルシシ……ボルシチかあ……私はまだ作ったことないんだけど、アーニャちゃんは作り方知ってる?」
アナスタシア「ダー、ロシアにいたころ、グランマに教わりました」
悠貴「それでしたら、ボルシチ作りましょうっ!」
320 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 00:49:53.20 ID:q4IL0fG90
アナスタシア「え?でも、カレー……」
美波「ううん、アーニャちゃん。私も教えてほしいな、ボルシチの作り方」
アナスタシア「……ダー!スパシーバ、ミナミ、ユウキ。上手にできるか、わかりませんけど……」
美波「それは何を作るにしても同じだよ、アーニャちゃん」
悠貴「みんなキャンプ経験無いですしねっ!
アナスタシア「……」
321 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 01:33:50.03 ID:q4IL0fG90
リョウ「そうだ、ペグはテントとは逆の方向の角度で打ち込む。まぁ何度、とかあんまり神経質にならなくていい」
加蓮「ねえ、坂崎さん?今は風とか全然吹いてないけど、この杭打ちってしなきゃいけないの?」
拓海「そうだぜ、めんどくせえしいらねえんじゃね?」
リョウ「今は穏やかだが、山の天気は変わりやすい。それに、しっかり杭を打っておくことでテント全体の強度も上がって、形も整う。面倒かもしれないが、これは重要だ」
有香「……それに、これはなかなか難しいですけど、慣れると楽しいですよ、ハンマー打ち!」
コンコン
リョウ「おっ、有香、筋が良いな」
322 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 01:36:09.39 ID:q4IL0fG90
美波「坂崎さん!料理、決まりました!」
リョウ「お、そうか。じゃあ器具の使い方教えるから、あっちに行こう。美世、テントの建て方は大体今の通りだ。もう一張りも同じ要領で建ててみてくれ」
美世「うん、わかったよ!さっ、みんな!残り一張り、アクセル全開で行こう!」
323 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 01:36:54.82 ID:q4IL0fG90
今日はここまで
324 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 06:51:18.38 ID:q4IL0fG90
リョウ「そうか、ボルシチか……なら必要な器具はガスコンロと、あとこのダッチオーブンを使う。まあ鍋だな」
悠貴「わあ……重い!」
ズシッ
リョウ「まな板と包丁はここにあるから、皮むきとか切ったりはこれでやってくれ」
リョウ「水は水道があるからそこから引いて使うんだ」
リョウ「……説明はこんな所か。あとは大丈夫か?」
美波「はい、道具の使い方はもう大丈夫です。ありがとうございました!」
悠貴「それじゃあアーニャさんっ!ボルシチ作りましょう!」
アナスタシア「ダー!」
325 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 06:54:59.27 ID:q4IL0fG90
悠貴「アーニャさんはいつもお料理してるんですか?」
トントントン
アナスタシア「アー、いくつか教わりましたけど、日本の料理は、まだ詳しくありませんね」
グツグツ
美波「そうなんだ。今日はアーニャちゃんにボルシチの作り方教わるんだし、もし良ければ私からもお料理教えてあげたいな」
ジュージュー
アナスタシア「ハラショー!ぜひ、お願いしたいです」
悠貴「美波さんっ!私も教えてほしいですっ!」
美波「ふふ、もちろん!」
326 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 06:57:26.13 ID:q4IL0fG90
夕方
拓海「ふい〜……これで大体テント完成か?」
加蓮「やっぱり慣れてないのもあったけど、かなり大変だったね」
有香「確かに……これは良い鍛錬になりそうです」
美世「……ん?なんだかいい匂いがするよ」
拓海「なんの匂いだこりゃ」
クンクン
327 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:00:39.99 ID:q4IL0fG90
アナスタシア「……フクースナ!良い、味ですね!」
悠貴「うんっ!おいしいですっ!」
美波「すごいよアーニャちゃん!こんなに美味しくできるなんて」
アナスタシア「いえ、ミナミ、ユウキが一緒に作ってくれたから、ですね?」
拓海「おうおう、いい匂いしてんじゃねえか!これは……カレー?」
328 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:03:30.70 ID:q4IL0fG90
加蓮「いやいや、ボルシチでしょ」
有香「わあ……!すごく美味しそうです!」
リョウ「おっ、料理、出来上がってそうだな」
美世「坂崎さん!どこ行ってたの?」
リョウ「ああ、自分用のテントを建ててた」
クイッ
拓海「……なんか、小せえし、ボロくね?」
329 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:07:57.74 ID:q4IL0fG90
リョウ「なっ、なんてこと言うんだ。アレは俺が山籠もりする時にいつも持っていく、謂わば相棒だぞ」
有香「や、山ごもりって実在するのですね……」
アナスタシア「……穴、開いてますね」
美波「あ、雨とか大丈夫なんですか?」
リョウ「……ちょっとは入って来るな」
加蓮「ダメじゃん!」
リョウ「い、いや、良いんだ。一人用はあんなもんで、良いんだ」
330 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:10:14.09 ID:q4IL0fG90
夜
リョウ「それじゃあ……いただきます」
美世「いただきまーす!いや〜、おなか減ってたんだよね!」
拓海「……おお!?うめええええええ!!」
加蓮「うん、美味しい!」
有香「いろいろと具も入ってますし!」
331 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:13:50.74 ID:q4IL0fG90
悠貴「アーニャさんが教えてくれたんですよ!」
拓海「そうなのか!?すげえじゃねえかアーニャ!」
アナスタシア「スパシーバ……ありがとう、けど、ふたりが手伝ってくれた、おかげです」
リョウ「メシも炊いてある。みんなたくさん食ってくれ」
332 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:18:14.27 ID:q4IL0fG90
拓海「ふい〜、食った食った……ん?坂崎、何してんだ?」
リョウ「焚火の準備だ」
美世「おっ、キャンプファイヤーかな?いいよね!」
リョウ「ああ、これをやらずにキャンプは終われんからな」
有香「おお……あたしもお手伝いします!」
美波「それじゃあその間に私たちは洗い物済ませちゃおっか?」
アナスタシア「ダー♪」
悠貴「はいっ!」
加蓮「あ、私も手伝うよ」
333 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:21:05.17 ID:q4IL0fG90
パチパチ
美世「……うん、あそこのメーカーのはいい音出すよね〜」
拓海「だろ!?いやあ〜、やっとわかる奴が現れたか!だよな、サイッコーにマブイよな!」
美波「美世さんはいつ免許取ったんですか?私もそろそろ運転免許が欲しくて……」
美世「もう解禁されてからはすぐに行ったよ!楽しみ過ぎてずっとお小遣い貯めてたから!」
334 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:23:12.88 ID:q4IL0fG90
有香「そういえばあたしももう免許が取れる年齢ですね……」
加蓮「私はあと2年か〜……そういえばアーニャって今いくつだっけ?」
アナスタシア「ダー、15歳、です。カレンのひとつ下、ですね」
悠貴「私はまだあと5年もありますね……はやく運転してみたいなっ」
拓海「そういや年齢と言えばさ、こないだカーマンのおっさんがさ……」
リョウ(……このキャンプで、美世もアーニャもみんな打ち解けてくれたようだな)
335 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:25:07.79 ID:q4IL0fG90
リョウ(自然の中の不自由の中で協力しあい、お互いの理解を深めてゆく。今回のキャンプは成功だったな)
リョウ(……ただひとつ、残念だったのは)
リョウ(曇ってんな……昼は晴れてたんだが……星はまた次の機会か)
リョウ「……よし、お前らあんまり遅くなる前に寝るんだぞ。あと、テントの中に寝袋入れてるからちゃんと使うんだぞ。夜は気温が下がって寒いからな」
美波「はい」
336 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:28:02.16 ID:q4IL0fG90
夜中
リョウ「……ん」
パチ
リョウ(なんか目が覚めちまった……小便でも行くか)
ノソノソ
リョウ「……ん?」
リョウ「……!」
リョウ(雲が消えて、星満開じゃねえか)
リョウ(あいつらは……もう寝ちまってるか。まあしょうがないか)
337 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:32:46.81 ID:q4IL0fG90
リョウ(ん?あそこに立ってんのは……)
リョウ「アーニャ」
アナスタシア「アー、ドーブルイ ヴェーチル、こんばんわ、ですね、リョウプロデューサー」
リョウ「どうしたんだこんな時間に……って星を見てたんだよな」
アナスタシア「ダー、ズヴェズダ……星が見えないかと思って、ずっと空見てました。そうしたら、さっき、見えてきましたね」
338 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:36:41.35 ID:q4IL0fG90
リョウ「ああ、夕食後に星が見えてたら全員で天体観測でもやろうと思ってたんだが……曇ってたからな。それにしても思ってたよりずっと星がきれいだな。ここにして正解だったか」
アナスタシア「……はい、こっちにきて、こんなにたくさんのズヴェズダ、初めて見ました」
リョウ「……やっぱり故郷が恋しいか?」
アナスタシア「……ふるさと、パパもママもいます。さみしくなることも、あります」
アナスタシア「でも、事務所のみんなはとても優しくて、温かいです」
339 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:48:47.93 ID:q4IL0fG90
アナスタシア「……星を見てたら、昔の事を思い出しました。ヴァスパミナーミエ……孤独だった頃のこと」
アナスタシア「プロデューサー、スカウトの時に、小さい頃のお話、してくれましたね?」
リョウ「ああ」
アナスタシア「私の一番古い記憶……小さい、日本にいた頃は……銀髪だから、お人形みたいって言われました」
リョウ「……」
340 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:51:29.06 ID:q4IL0fG90
アナスタシア「それからロシアに住んだ頃には……イポンカ……日本人って、呼ばれたかな」
アナスタシア「そしてロシアから帰ってきたときは、ロシアの子。いつも、どこでも、私は違う何かでしたね、ずっと……」
リョウ「……」
アナスタシア「日本では、よく冷たそうな人って、言われてました。だから、なるべくほほえむようにしていました」
リョウ(そうか。……この娘がほほ笑むのは、他者に受け入れてもらうための手段だった。しかし、同時に他者との間に引いた境界線が、あの笑み)
341 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:52:51.29 ID:q4IL0fG90
リョウ「……君は、諦めたのか?他者に自分を理解してもらうことを」
アナスタシア「……そうだったかも、しれません。寂しい、と思う顔をすると、私きっと怖い顔になってました」
アナスタシア「自分の、本当の気持ちを出すと、人が離れていく……そう思っていました」
アナスタシア「……でもここのみんなは違います。ありのままのアーニャを、受け入れてくれる気がします」
342 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:54:58.31 ID:q4IL0fG90
アナスタシア「リョウプロデューサー、今日の料理、はじめからボルシシを作らせる気で、いましたね?」
リョウ「……!なんのことだ?」
アナスタシア「材料の、ビーツ……日本ではあまり馴染みありません。なかなか売ってなくて……探すの、大変だったと思います」
アナスタシア「それに、ボルシシの作り方なにもしゃべってないのに、必要な道具の使い方、すぐ教えてくれました」
343 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 07:57:32.83 ID:q4IL0fG90
リョウ「……美波と相談してた。そもそも今回のキャンプもそうだが……」
アナスタシア「……ふふ、プロデューサーはニィウクリュージェ……不器用、ですね」
リョウ「む……」
アナスタシア「だけど、優しい……あったかい、です」
アナスタシア「プロデューサー……私もこんなズヴェズダ……星に、なれますか?」
リョウ「……君は自分を変えるための一歩を、勇気を持って踏み出せたんだ」
リョウ「変わる事を、変化を恐れない限り、何にだってなれるさ。星にだって、太陽にだってな」
アナスタシア「ダー……私、もっと色んなモノを見たい……色んな景色が見たい、です」
344 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 08:00:59.39 ID:q4IL0fG90
ロバート「おう、リョウ、最近のアーニャちゃん表情が豊かになったな」
リョウ「ああ、キャンプで大分打ち解けたな。ああいう風に表情を顔に出すのが本来の彼女なのかもしれない」
ロバート「いや〜、最初に来たときはミステリアスクールビューティー路線で行こうと思ってたけど、あんだけ色んな表情が出せるなら方向性にも幅が出るな」
リョウ「まだまだ、これからだ。本人次第でどんな方向にだって彼女は歩き出せるさ」
345 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 08:02:36.68 ID:q4IL0fG90
リョウ(彼女の心は雪のように真っ白だ。それは彼女の純粋さ故か、それとも今までの人生で心を染める機会がなかった故か)
リョウ(だから、これからだ。彼女が心を、自らをどんな色に染めていくのか。人は、心次第で何にでもなれる。龍にも、虎にも、そして悪魔にも)
リョウ(だから俺たちはその行く末を、見守る。見届ける義務がある)
外伝
北の大地から来た少女
完
346 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/05(水) 08:03:18.65 ID:q4IL0fG90
今日はここまで
あと短編ひとつで終わりの予定です。
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/05(水) 08:26:21.47 ID:3g1+g70x0
アーニャの星の光りのように静かな話
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/05(水) 21:37:47.48 ID:5cSdoe6A0
極限流で山という話題が出るとどうしてもリョウが巨大熊を倒すような話が連想してしまう。
そういやMOWで熊も門下生になってる臭いんだよなー
349 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/08(土) 19:10:18.03 ID:H++MdoGr0
外伝
烈風の行く先
都内 カフェ
茄子「皆さん!お元気でしたか〜?」
つかさ「もちろんだろ。てかこのメンツ全員で集まるのも久しぶりじゃね?」
真奈美「そうだな。解散が発表された時以来だから……半年ぶりくらいか」
志希「あたしと真奈美さんはいっつも顔合わせてるけどね〜♪」
350 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/08(土) 19:17:49.43 ID:H++MdoGr0
レナ「ああ、真奈美ちゃんと志希ちゃんはあの後美城に移ったんだっけ?どう?美城は?」
真奈美「業界最大手だけあってアイドルの数も含めて規模が大きいな。スタッフの数も多いし、アイドル活動だけに専念出来る環境がある」
つかさ「……まっ、アイドルやりつつ秘書やれだの衣装作れだのボイトレやれだのって方が異常なんだけどな」
志希「そう言うつかさちゃんは今もっと無茶してるって聞いてるよ?なんでも事務所立ち上げようとしてるんだってにゃ?」
つかさ「……まぁな。けどやっぱイチからはなかなか難しいよ」
351 :
◆z4l4K/HkZ2
:2017/07/08(土) 19:21:58.84 ID:H++MdoGr0
つかさ「アタシが先に始めてる事業から拡張する感じで進めようとしてるんだけど、やっぱりなかなか人が集まらない。そうなると必然的にアタシがやらなきゃいけない事が増えるんだけど……やっぱり限界があるわ」
真奈美「……そう考えると、ギース・ハワード……あの男は人間性はともかく、やはりその能力は認める他ないな……」
つかさ「……確かにアイツは頭にくるけど天才だった。んで、アタシは天才じゃない。だからあがくんだよ。あがいて、もがいて……」
つかさ「……それでも……アタシは絶対やって見せる。でかい事務所作って、アタシら以上の……Reppu以上のアイドル育てて、目に見せてやるよ。アイツにさ」
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