(⌒,_ゝ⌒)「ニコ生聖杯戦争?」

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102 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 22:44:56.78 ID:zNaKHgGbO
豊「令呪を以って命ずる……バーサーカーを倒せ!」キュインッ

純「おい呂布! おめ絶対負けんじゃねぇぞッ!」キュインッ

セ「力が湧いてきます……でもまだ本領ではありません」

バ「■■ッ!」

豊「重ねて令呪を以って命ずる……滅びを与えよ!」キュインッ!

純「呂布! 俺達が……一番だ!!」キュインッ!

セ「マスター、私は正直……ここまで来れるとは思っていませんでした。ですが今は」

豊・純「ブチ殺せッ!!!!!」キュイィィィィ!!

セ「うがっ!? な、なんか全身に、邪悪な力が……こフッ!?」

豊「ここ一番でなに吐血してんねん! ホンマつっかえんわお前ェ……」

純「バーサーカー! おめぇは大丈夫だろ!?」

バ「■■■■――――――!!」

セ「私も大丈夫ですって……ふぅ」

豊「頼むでホンマにィ! さ、始めようや……」

セ「新選組一番隊隊長、沖田総司! いざ参るッ!!」
103 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 22:45:42.70 ID:zNaKHgGbO
 豊と純一が争う聖杯の前から離れた場所で、アサシンとアーチャーはその状況を穏やかに傍観していた。

俵「そうかそうか! 順平は満足してそなたを助けるために体を張ったのだな!」

ア「ええ。彼、とっても勇敢だったわ。まあ、外見とか喋り方は正直、人を選ぶでしょうけど」

俵「最後にいい話を聞けた! やはりあいつがやる時はやる男だったと知れて、俺は嬉しいぞ!」

ア「アーチャー、やっぱりあなた……」

俵「あぁ。マスターのいない状態で宝具を撃ってしまって、既にすっからかんだ。空腹はあまり好きではないのだがな」

ア「実は私も、もこうちゃんからの魔力供給がどんどん細くなってきているの。元が希薄な仮契約だった上に、聖杯の化物に散々しゃぶり尽くされちゃったから」

俵「ならば握り飯でも食え! ほれ!」

ア「えっ? あ、ありがとう。はむっ…………あら、おいしい」

俵「今の白米で残り少ない魔力が更に減ったわ! はっはっは!」

ア「あらそうなの? 言っておくけど、罪悪感は湧かないわよ? ご馳走様っ♪」

俵「そうか、まあよい! まっこと良き出会いであったわ!」

 藤太の脳裏に、モゴモゴと自己紹介や不満を漏らす浜崎順平の顔が浮かぶ。あまりにも短い付き合いであったが、悪い気はしなかった。

 満足気な顔で目を瞑った彼の顔が、足元から徐々に消えていく。

ア「それじゃあ、縁があったらまた会いましょう。そしたら、今度はもっと美味しいご飯、食べさせてね♪」

俵「あぁ、いつになるかわからんが、約束しよう!」シュワァァァ……

ア「ふふっ……それじゃあ私は、消える前にセイバーちゃん達の戦いでも見ておこうかしら」
104 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 22:46:42.10 ID:zNaKHgGbO
セ「せやっ!」 

バ「■■■■――――!」
豊「我こそは踊り狂う暴風!」

純「そこだそこだいけぇぇ呂布! ンドラゴンナックル!」

セ「んな技絶対ないでしょ!」

バ「■■■■■■!!」

 ブオン、と呂布が槍を持っていない方の手でセイバーに殴りかかる。その拳は、確かに藤太の宝具のような竜型の炎を纏っていた。

セ「えええぇぇぇ―――!? 新しい技編み出しちゃった!!」

 すんでのところでバックステップで回避するも、隊士服の脇腹の部分が風圧で持って行かれた。だがその動揺もすぐに無くなり、セイバーは凛とした表情で敵を見据える。

セ(あの人、本当にバーサーカーなんでしょうか? 斬撃にも刺突にも、こんなに確固たる意志を感じるのに……!)

バ「…………」

セ「間断なく攻めますっ!」ギンッ! ガギンッ!

 セイバーが手数に物を言わせる素早い連撃を浴びせるも、呂布の耐久力と槍裁きは尋常なものではない。これでは先にこちらが息切れしてしまう。

セ「はぁっ……はぁっ……」

純「そこだいけぇぇぇフジヤマ落としィィィィ!!!」

 純一の声に応えるかのように、呂布が槍を上段に構えて、ビタンと地面に叩きつける。

セ「危なっ……!?」

豊「なななななんや地震か!? あ、足がががが、震えれれれれれ」

純「やべええええええ! めっちゃ揺れてるぅぅぅぅぅぅ!!」

 直撃はしなかったものの、地面が大きく揺れて身動きがとれなくなってしまった。
105 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 22:47:23.89 ID:zNaKHgGbO
 ブンブンブンブン……

 バーサーカーこと呂布が、方天画戟を回転させて背中に真一文字に振り被る構えを取る。

純「ぐっ……うおぉぉ!?」

 既に令呪がない筈の純一の右手の甲が、強い熱を発する。

豊「あの感じ、これ宝具ちゃうか!?」

セ「揺れが治まる前に当てようという算段ですか……しかしそれは叶いません! はぁぁぁぁぁ!!」

 シュタタタタタタタ!!

豊「お前走れるんかぁ!?」

純「もうおせぇ! いけ呂布ゥゥゥゥゥウウウウウウ!!!!!」

バ「■■■■■■――――!!!!」

セ「せやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 横薙ぎに振るわれる、呂布の愛槍。その斬撃を避けることも防ぐこともせず、ただ一点のみを狙う刺突に、沖田総司は全てを賭けた。

セ「突っ切れぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

バ「■■――――――――――ッ!!!」
106 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 22:50:06.26 ID:zNaKHgGbO
 ガクッ――!

バ「■■■■――――!!」

 先に膝を突いたのは、宝具を撃った呂布のほうであった。胸に大きな傷が刻まれ、そこからドクドクと血が流れている。

セ「はぁ……はぁ……沖田さん、大、勝利……ゴボォ!?」どさり。

 勝利宣言をしたセイバーも、口から血を吹いて倒れてしまった。

豊「セイバー! ちょ、大丈夫かお前!?」

純「呂布! おい嘘だろ呂布ッ!? なぁオイ!」

 すかさず双方のマスターが駆け寄り、自らのサーヴァントの安否を確認する。

バ(コヒューッ……コヒューッ……)

純「よくやった……おめぇはよくやってくれたよ! お陰でセイバーはあのザマだ。あとは俺が犯すも殺すも自由自在だぜ!」

セ「この人、最後までこんななんですか……」

 セイバーはあちこち破れて露出している肌を手足で隠しながら、溜め息を吐いた。

豊「大丈夫や。俺がそんなことさせへん。聖杯もちゃんと手に入れてやるから、その後じっくりと日本を案内したるわぁ。待ってな」

セ「たまに男らしくなるの、何なんですかねまったく……でももう大丈夫です! 沖田さんはカルデアで格好良くてまともなマスターと出会って大勝利してきますから!」

豊「え、ええ何ちょっと待って!? かるであ、ってなんやねん! おいコラ待て! 俺と立ったフラグは何やったんやねん!?」

セ「いや、正直豊さんみたいな太ったモヤシみたいな人、私生理的に無理です!」

豊「ふざっっっっけんなやぁぁぁ!!(バンッ!!) 最後くらい坂田みたいに綺麗に締められんのかこのクソサーヴァントッ!!」

セ「でも豊さん」

豊「なんじゃワレェ!?」

セ「この聖杯戦争、最後まで戦い抜けて、嬉しいです。正直この数日間は、悪くなかったですよ♪」ニコッ

豊「ぉぉおぅふぅ……」キュンッ

セ「では、ご縁があればまた会いましょう! ないことを祈りますけど!」シュワァァァ……

豊「ちょ待て! 勝手に消えよったこいつ!! あーもうなんだったんだよ!!!」
107 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 22:50:53.89 ID:zNaKHgGbO
純「セイバーが消えたか。よっしゃ立て呂布! 最後によ一緒にアイツ倒そうぜ! …………呂布?」

バ「…………!」

 呂布の体は光に包まれ、既に消えかけていた。

純「そっか……悪ィな。無理させちまったみてぇで」

 純一の言葉を、呂布は首を振って否定する。そして彼は右拳を純一の前に突き出した。

純「呂布……ありがとよ」

 ガシッ。

 強く突き合わせたつもりだが、呂布の拳は以前より力なく感じた。既に限界が近いのだろう。

純「呂布……俺は! 俺はチャンピオンになる! そんでおめぇが見れなかった世界をいっぺぇ見てくからよ! だから、これからも空から見守ってくれな!?」

 純一の言葉を聞いて、呂布は拳を突き合わせたまま頷く。その拳を今度は天に突き上げ、彼は満足気な表情で消えていった。

バ「ウンコチャン……クイハナイ!」シュワァァァ……

純「ナイスファイトだったぜ。オクレイマン」
108 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 22:52:31.15 ID:zNaKHgGbO
豊「だがしかし、これで聖杯は我が手中にありて! 待ってろよ日本全国のクリエイター諸君! ワイが救ったるわ!」

純「おい馬場豊! まだ勝負はついてねぇぞ!」

豊「おーん? 加藤さん……ご自分の立場がわかってないようですねぇ。セイバーはなんだかんだ言ってどちらの戦いでも呂布に勝ってる上に、
  加藤さんのサーヴァントは宝具を使わなかったセイバーに宝具を使っても勝てなかった。この意味わかりますか?」

純「ハッ! 過程なんて大した問題じゃねーんだよ! 要は最終的に聖杯持ってりゃ勝ちなんだよバカタレが!」

豊「それもそうっすね! 聖杯もらいっ!」ダッ!

純「させるかぁぁぁぁぁ!!」ドゴッ!!

豊「いった――――! 何すんすか加藤さん! やめてくださいってそういうのウゴエッ!?」

純「うるさい! おめぇ別にいいだろ人気実況者で金持ってて女もいて……富も名誉もあるじゃねぇか!!」ゲシッ

豊「ってぇ! ふざけんなゴミがコラ……人が後輩面してりゃ調子に乗りやがって……ん?」

 ふと豊は、林の中にカメラが仕込んであるのを見つけた。即座にそれを引っ張り出すと、露骨に不愉快そうな顔をする。

純「ふーん……俺達は常に監視されてたってワケか。不愉快極まりねぇなぁ!?」

 ふと純は、脇の床にノートパソコンがあるのを見つけた。鋼兵がドヤ顔で持っていたものだ。放送画面は純一と豊と無関係なコメントで埋め尽くされている。

 衛門ともこう信者と腐女子と運営と俺オナ民とニート共のコメントと罵詈雑言が綯い交ぜになっており、サーバーがパンクしないのが不思議なほどの状態だった。

純「おいもこう! お前の持ってるそのカメラに、俺達映ってるらしいぞ! 手ェ振ってやれや!」

豊「常に見られてるとか、気に入らんわ……勇気の切断だ」ブチブチブチィ!!

 しかし豊はカメラのケーブルを引き千切り、放送画面から自分達が映らないようにした。同時に純が持っていたパソコンの画面でも、コメントが荒れ狂ってしまう。

純「なるほどな!っしゃオラ!」バキャンッ!! ドガスッ!!

 そのパソコンを純一は地面に叩きつけ、踏みつけた後にもこうの顔に全力で蹴り飛ばす。

豊「ぐへぁ!?」カシャン

 衝撃で彼の付けていたサングラスがひしゃげ、地面に落ちて砕ける。それを火蓋として、二人の殴り合いが始まった。
109 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 22:53:10.32 ID:zNaKHgGbO
豊「何すんねん! 人の顔に鉄の塊ぶつけんなや死ぬわ!」ガスッ!

純「っせぇ死ね! もう戦いは始まってんだよ油断したてめぇが悪いわ!」ドゴォ!

豊「いってぇなクソガンモ! 俺より会員視聴者再生数全部劣ってるクセにこいてんのちゃうぞぉぉ!!」グシャァ!!

純「うるせぇなおめーみてぇにやりたくもねぇゲームやって文句言われながら金稼いでるヤツなんて全然羨ましくねぇんだよっ!!」ズガシャァ!!

豊「違うわ俺ぁちゃんと楽しくやりたいことやってんじゃゴミ! お前想像で人が嫌々ゲームしてるみたいなの勝手に言うなや頬骨がァ!!」バッコリ!!

純「つかお前なにグラサン無い動画撮られたぐれぇで文句言ってんだよお前の素顔に資産価値あると思ってんのかバカがよ!!」バシン!

豊「ツイッターに汚い自撮り画像上げたヤツにだけは言われたないわァ!」ズビシッ!!

純「てかポケモンの技受けたとか食レポとか何だよタレント気取りかぁ!? しかも歌まで投稿しやがってよお前の歌とかゲボゲボのゲボだからなはっきり言って!」グシャア!!

豊「ワイの歌再生数トップクラスやぞ! あとタレント言うたらお前もタレント紛いのことやって裸になって滑って炎上したやんけこの白ゴボウが!!」ズゴァ!!

純「お前はどう頑張ってもタレント“紛い”なんだよ本物にはなれねぇんだよ一生ぷよぷよとポケモンやって出てくんなアデノイド顔貌!!」ガッ!!

豊「俺は最近杉田とか大物に混じって声優したんやぞナメんなクソがぁぁぁ!!」ズボッ!!

純「聞いたけどクッソヘタだったわ調子乗んな! そういう勘違い野郎はなぁ、右ストレートで! ぶっ放してやるからなマジでェ!!」ボズリ!!

豊「いいからはよ高田と仲直りせーや意地張ってんなやいい加減うざいねんコメントで健志健志言われんのがよ!!」ガシャッ!!

純「知ったことかよ! あんなクズと何で好きこのんでつるまなきゃなんねーんだよてめぇはよ……黙ってろよッ!!」メコッ!!

豊「グホッ!! 急所に思い切りもらいましたわぁ……しかし、急所は試合を左右しない!!」ガツッ!!

純「ギャア!! ぐっ……っせぇなバカが!」ゴン!

豊「アホォ!」ゴン!

純「ゴミが!」ガン!

豊「ボケェ!」ガン!

純「うんこ!」ドカッ!

豊「うんこはどう考えてもお前じゃいドアホウ!」バンッ!

純「存在がうんこ臭いだよお前は! バキュームカーかよ!」ベシン!
110 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 22:56:16.72 ID:zNaKHgGbO
 子供のような殴り合いと、野性的すぎる罵り合いが始まってから十分が過ぎようとしてる。

豊「はぁ……はぁ……」

純「ゼェ……ゼェ……」

 息を切らし、既にあちこちボロボロになっている豊と純一が、尚もぎらついた目で互いを睨む。

豊「渡さん……お前、だけにはァ……なぜなら、このワイが……ニコ生の……」

純「てめぇが、願いを叶えるのを、指咥えて見てるなんてできっか……! 俺は……俺はなぁ……ニコ生の!」

 満身創痍になりながらも、二人の目はまだ目の前の敵を、そして自分に名誉と栄光が降り注ぐ未来を見ている。

 よろめき、ふらつき、殴られた腹や頬を押さえ、それでも豊と純一は再び距離を詰めた。永きに渡る因縁に、決着をつける為に。

豊「王だからやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」

純「チャンピオンだからなァァァァァァア!!!」

 拳を振り振り被り、半ば本能的に、怒りや憎しみや嫉妬。あらゆる感情を込めて振り抜く。

豊「加ァァァ藤ォォォォォォォォォォォォォオオオ!!!!!」

純「もォォォォォォォこォォォォォォォォォオオオ!!!!!」

 ズガンッ!

 互いの拳が互いの頬に同時に当たり、眼前に火花が散ったのを感じながら二人はずるずると地面に這いつくばった。

豊「グホッ…………!」

純「パァッ…………!」

 最早意識も朦朧としてきたが、それでも執念深くズリズリと聖杯に近づこうとする二人。

坂「ごめんなさい」パシッ

豊「…………?」

純「ッ!?」

 聖杯は、それまで殴り合いを傍観していただけの坂田の手に渡った。
111 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 22:57:20.52 ID:zNaKHgGbO
純「ざっけんな……偽善者がよ……」ドサッ

豊「こ、の……底辺歌い手崩れが……」バタッ

 倒れて意識を失う実況者二人を、複雑な面持ちで見つめる坂田。その傍らには、未だ健在なアサシンの姿があった。

ア「ごめんね、もこうちゃんに純一くん♪ 私達、サーヴァントとマスターの契約をしてしまったの♪」テヘペロ

坂「とは言っても、それもあと数分だけですけどね」

ア「もう、つれないんだから……でもいいわ。まさか私がこうして最後の瞬間に立ち会えるなんて、夢みたいだもの。それでマスター、あなたは聖杯に、何を望むの?」

坂「色々あるけど……もうこんなの御免ですよ。だから――」

 坂田が手に持った金色の杯が眩く輝き、世界を照らしてゆく。

坂「僕達を……“正しい世界”に、返して下さい!」

ア「随分と欲の薄いコね。ふふっ……キャスターちゃんがあなたに一目置いていた理由、少しだけわかった気がする。

  それじゃあ、さようなら……坂田くん、純一くん、もこうちゃん、純一くん……それから元マスターの緑さんに、順平」シュワァァァ……

  空や地面にヒビが入り、世界は硝子のように音を立てて崩れていく。

  いや、こんなものは世界ではない。夏野が言っていた通り、ただ戦うためだけに用意された、精巧な箱庭だ。

  それが砕け、彼らが元の世界に帰ろうとしている。ただ、それだけのことだ。

坂「……疲れてきたな。僕も一眠りするか……」

  崩れゆく世界の中、坂田も聖杯の台座に寄りかかる。そして横たわる豊と純一を見た後、彼も一緒に目を瞑った。

  目を瞑った三人が気付かぬ間に世界は移ろい、本来彼らがいたはずの元の世界ごと別の何かで上書きされ、収束していく――
112 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 22:59:47.98 ID:zNaKHgGbO
浜「オウィィィィィィィィィィィィィィィィィ↑ッス!! どうもぉ〜、syamuで〜す! ま今日は、第二回オフ会当日ですけどもぉ〜! 参加者は……誰一人、きませんでした。
  なんででしょうかねぇ〜……やっぱり人気がないんですかねぇ自分は……」

  コンコン。

浜「えぁっ、はい……なんでしょ」ガチャッ

*「こんにちは! あなたがsyamuさん?」

浜「アッ……アッ……」パクパクパク

*「遅れてごめんなさい。急な用事が入って、連絡もできなくて…………」

浜「…………ハッ! おほ^〜! 皆さん、見て下さい! オフ会参加者第一号は……スタイル抜群のおねーさんでぇぇぇぇすっ!! というわけでぇ……」

 その時、浜崎順平は頬に熱いものが伝うのを感じ慌てて、オーバーグラスを着けたまま器用にそれを拭く。

浜「あれ……丘People!? な……なぜでしょうねぇ〜不思議ですねぇ〜……」ゴシゴシ

*「それじゃあ今日一日、よろしく!」

 ドヤドヤドヤ……

シバター「何で普通に女来てんだよつまんねぇな」

黒騎士「syamuさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

syamu「…………それじゃあ、まったのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
113 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 23:01:08.86 ID:zNaKHgGbO
夏野「……そうですか。もういいです。下がりなさい」
 椅子クルッ。
夏野「今回の聖杯戦争は失敗に終わりましたが、視聴率は過去最高でしたね……フフ、次も期待してて下さいね。
   聖杯戦争はプレミアム会員限定コンテンツとして、これからも続けていくことにしましょう」
114 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 23:02:42.73 ID:zNaKHgGbO
豊「おーん、シャドバの新パック情報もう出とるやん。これのカードにグチグチ言う動画でまた再生数稼げるなぁ」

TV『――今日未明、東京都豊島区にある配信者用の施設にて、中年男性ニ名の遺体が発見されました。
  遺体は当時配信していた佐野智則、川本恒平のものと見られ、警察では現在死因の究明を急いでおり――」

豊「なんや、あいつら死んだんか……」

TV『続いてのニュースです。人気グループである浦島坂田船のメンバーの内三人が今朝、未成年淫行の疑いで逮捕されました』

豊「ってオイ坂田以外捕まっとるやんけ! なんやあのグループ! ……お、もう始まったか」

 豊の部屋のパソコンに、見知った顔が映る。

純『――というわけでくっちゃべ第十回始まりましたけども! 今回はね放送見た人は知ってると思いますがえー……特別ゲストさんが来ております!』

緑『どうも。暗黒放送の、横山緑と、申しまーす』

豊「……うっわ、もう十回目になるってのにまだコメントクッソ荒れとるやん。成長せんなーこいつも」

ティーチ「それよりもこう殿もこう殿! 拙者といざ尋常にマリオカートで勝負しませぬか!?」

ヘクトール「おっと、オジサンも最近ゲームやり始めたんだけど、中々楽しいねぇコレ。今度は負けないよ?」

俵藤太「お前達! ピコピコもいいがそろそろ飯にせんか! 何事もまずは腹ごしらえからだ!」

豊「てか何でみんな俺のところにおんねん大人しく消えとけや! もぉ〜嫌やわホンマ! 狭いし臭いしもう……」

ヘクトール「臭いのは元からじゃねぇか?」

ティーチ「その通りですぞ! 拙者、いつ女の子に触られてもいいよう毎日清潔にしているでござる! 大事なところとか!!」

豊「ッッッッッアァァァ――――!! うるさいわもう、せめて家賃払え! でなきゃ全員出てけやはっ倒すぞマジでぇ!!!!」
115 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 23:03:28.73 ID:zNaKHgGbO
沖田「いやぁまさか、マスターに日本を案内して頂けるなんて、夢にも思いませんでしたよ……こフッ!?」

信長「フハハハハハハ! これもひとえに、そなたが人理を修復したお陰じゃのう! 主にわしのお陰で!」

*「ははっ、相変わらず仲が良いんだね二人は」

沖田「どこかですか!」 信長「どこがじゃ!」

*「それで……このソフトで良かったかな? 沖田」

沖田「あっ、はい! 月の方ですっ!」

信長「月とか陰キャか〜貴様? わしはこの日輪の称号に全てを賭けてやるわ!」

*「でも、なんでいきなりポケモンなんてやりたいと思ったの?」

沖田「それはですね……最近、ゲーム実況というものを見ていたら、面白そうだなって思ったので……」

*「そっか。俺もそれ持ってるからさ、後で対戦や交換でもしようか?」

沖田「はいっ! 是非お願いしますっ!」

信長「こらこらこらー、二人でいい雰囲気になるでないわ! ならわしは茶々とダブルで貴様らを討ち取ってやるわ!」

沖田「いいでしょう! 負けませからね!」

*「マシュにも、買っていこうかな」
116 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 23:04:15.71 ID:zNaKHgGbO
 こうして彼らの日々は、少しだけ変わりつつも、概ねいつも通りに過ぎていった。

 あの聖杯戦争がニコ生で放送されたという事実だけは世間に残ったが、記録には残っていない。その内容は皆が朧げに覚えている程度で、詳細に語れる人間は極一部の者だけだ。

 豊や純一、順平の周りになぜか平然と存在する英霊達も、いずれは消滅し、座に還り、カルデアに行く日がくるだろう。

 だが今だけは、この時間を楽しんでもいいだろう。炎上するかもしれないけど、ワイワイ皆で騒ぐ配信も一回ぐらいはしてみたい。

豊「それじゃあね今回は……ゲストの皆様とレースしていきたいと思います……お前ら! 今日は絶対負けへんからなぁ! 準備はええか!?」

全員「おお――――っ!!」

 そんなことを考えながら馬場豊は、今日もニコ生界の王もこうとして、YouTubeとOPENREC.tvに降臨するのであった。
117 : ◆CfSZdmBik2 [saga]:2017/06/14(水) 23:12:12.62 ID:zNaKHgGbO
というわけで、書き溜めてからの投稿でしたがこれにて完結です。
初めての試みの多い作品でしたので色んな意見があるとは思いますが、とりあえず出すだけ出そうと思って載せた次第です。
いるかわかりませんが読んで下さった方、ありがとうございました。
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 23:17:53.33 ID:k4Rh1CvSo
純一なめんな
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/15(木) 00:31:29.31 ID:h783THf/O
ここまでつまらなくて気持ち悪い話をかけるのは逆に才能
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/15(木) 02:56:56.17 ID:EwleGwUP0
つまんない奴が面白い奴らのss書いてもそらこうなるわ
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/15(木) 03:26:44.79 ID:pT5TUkc10
まぁくっそ臭い内容だったけど悪くはなかったよ。うんもこの殴り合いはちょっと笑った。
ただやっぱリアルと二次を混ぜんのはいただけないなぁ
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/15(木) 10:40:25.61 ID:F/y8GurHo
思いの外悪くはなかった
まぁ生主信者からはボロックソに叩かれるだろうが知らなきゃ面白い
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/16(金) 17:24:48.65 ID:tkqFjUAfO
面白かった(小並感)
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/16(金) 17:43:36.78 ID:MBu2P02AO
マスターやってる6人の生主と一匹の土竜が誰も喜ばなそうな内容だが
配役と末路は適切だったと思う
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/18(日) 12:27:35.96 ID:EksKvST4O
生主知ってたら臭い内容だけど
知らない人から見たらどう映るんだよこれ
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/19(月) 15:05:48.50 ID:AYN68tntO
一発でいいわけ がないやり直し
127 : ◆PHZWeUS//98P :2018/11/15(木) 17:18:21.66 ID:+GSCpNO80
test
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