鞠莉「──期待する誕生日。」

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1 : ◆tdNJrUZxQg [sage saga]:2017/06/12(月) 23:04:16.94 ID:NUfsjtd30
ラブライブ!サンシャイン!!SS

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2 : ◆tdNJrUZxQg [sage saga]:2017/06/12(月) 23:05:28.03 ID:NUfsjtd3o

だんだんと梅雨入りの気配も近付いてきた6月の頭のこと。


鞠莉「せっかく、こっちに戻ってきて、初めての誕生日みたいなもんだからさ」


居間でルビィが運んできてくれたお茶を啜りながら、聞き流す。


鞠莉「ほら、去年はいろいろ大変だったじゃない?だから、今年こそはって──」

ダイヤ「……さて、今日の課題は──」

鞠莉「ちょっとダイヤ!?聞いてるの!?」

ダイヤ「……むしろ、聞いてるように見えますの?」


黒澤家を突然来訪し、延々と喋り続ける金髪娘に言い返す。
3 : ◆tdNJrUZxQg [sage saga]:2017/06/12(月) 23:05:54.35 ID:NUfsjtd3o

ダイヤ「……それでなんの用ですの?」

鞠莉「だーかーらー!!今年こそ果南との素敵なBirthdayを過ごしたいって話!!」

ダイヤ「はぁ……」


わたくしはため息交じりに天井を仰ぐ。


鞠莉「もう!久しぶりに会った幼馴染にその対応はないんじゃないの!?」

ダイヤ「久しぶりって……まだ3ヶ月も経ってませんわよ」


浦女も卒業し、鞠莉さんは一人県外の大学へと進学していったのですが──
4 : ◆tdNJrUZxQg [sage saga]:2017/06/12(月) 23:06:21.35 ID:NUfsjtd3o

鞠莉「ダイヤと果南はいいよね!未だに実家暮らしで……」

ダイヤ「鞠莉さんも家にはお手伝いさんがいると聞きましたけど?一人暮らしではないのでしょう?」

鞠莉「あれはパパが勝手にやっただけ!わたしは一人でも全然ダイジョブだって言ったのに!」


たぶん、鞠莉さんのお父様の判断が正しいと思いますが……

鞠莉さんを一人にしたら何をしでかすか本当にわからないですし。


鞠莉「……ダイヤ……今、失礼なこと考えてない?」

ダイヤ「……それはともかく、なんで果南さんとの話でわたくしの家に来たのですか?」

鞠莉「え、それ聞く?」

ダイヤ「……はい。全く話が飲み込めてないので」

鞠莉「……あーこれだから硬度10のダイヤモンドヘッドは乙女心がわからないのよ」

ダイヤ「……誰かいませんかー?この金髪シャイニー娘を今すぐ家から追い出して──」

鞠莉「Sorry!!わたしが悪かったよ!!」
5 : ◆tdNJrUZxQg [sage saga]:2017/06/12(月) 23:06:47.99 ID:NUfsjtd3o

鞠莉さんがガバっと頭を下げる。全く……


鞠莉「えっとね……誕生日にこっち戻ってくることは果南には伝えてあるんだけど……」

ダイヤ「はい」

鞠莉「……去年のこの時期って……あんな感じだったじゃない?」

ダイヤ「……そうですわね」


あんな感じ──二人とも大喧嘩の真っ只中でしたわね。
6 : ◆tdNJrUZxQg [sage saga]:2017/06/12(月) 23:07:14.20 ID:NUfsjtd3o

鞠莉「今年はお祝いしようって果南が言ってくれたんだけど……それならいろいろ席を用意する必要があるかなーって」

ダイヤ「……席?」

鞠莉「そうそう、パパにお願いしてホテルの部屋を貸切にしてもらって……」

ダイヤ「……なるほど」


とどのつまり、鞠莉さんはわたくしにバースデイプランを相談しにきたということですわね。


ダイヤ「でも、果南さんがお祝いしようと言ってくれたのでしょう?」

鞠莉「え?うん……」

ダイヤ「なら、貴方が考えなくてもいいのではなくて?」

鞠莉「そうかしら……」
7 : ◆tdNJrUZxQg [sage saga]:2017/06/12(月) 23:07:40.58 ID:NUfsjtd3o

……?……何が不満なのでしょうか?

わたくしの顔に疑問符が出ていたのか、鞠莉さんはそのまま言葉を続ける。


鞠莉「だって、あの果南よ?」

ダイヤ「?」

鞠莉「ワカメケーキとか出てくるかもよ?」

ダイヤ「……いや、さすがにそれは……。……。」


否定しようと思って、わたくしは幼少期の在りしの日のことを思い出す──

──そう、あれはわたくしの誕生日……年も明けてすぐのこと……
8 : ◆tdNJrUZxQg [sage saga]:2017/06/12(月) 23:08:06.86 ID:NUfsjtd3o

…………

……と、そこまで考えて思い出すのを止めました。なんだかよくない記憶を掘り返しそうだったので。


鞠莉「……なんか心当たりありそうな顔してるじゃない」

ダイヤ「…………」


まあ、ワカメケーキは流石に出てこないとは思いますが……。


ダイヤ「……とは言っても、果南さんが祝ってくれると言っている以上、鞠莉さんから場を設けるのは却って失礼ではありませんか?」

鞠莉「……まあ、それはそうだけど」

ダイヤ「それに当日は着替えやすい服装でと言われているでしょう」

鞠莉「……ん?」
9 : ◆tdNJrUZxQg [sage saga]:2017/06/12(月) 23:08:53.12 ID:NUfsjtd3o

鞠莉さんがわたくしの言葉に眉を顰めた。


鞠莉「……なんで、ダイヤがそのこと知ってるの?」

ダイヤ「え?……だって、わたくしも呼ばれてますし……」

鞠莉「あ、ああ!そういうことね!果南と過ごすBirthdayにオジャマムシが……」

ダイヤ「誰かいませんかー?この金髪──」

鞠莉「冗談!!冗談だって!!」


……全く。
10 : ◆tdNJrUZxQg [sage saga]:2017/06/12(月) 23:09:20.93 ID:NUfsjtd3o

ダイヤ「まあ、その……本当にあくまで果南さんと二人きりがいいというならわたくしは今回は遠慮するのも吝かではないのですが……。」

鞠莉「え?ちょ、ちょっとホンキしないでよ!別にそんなことはないから!ただ、聞いてなかったから驚いただけで……」

ダイヤ「……そう。……それならいいのですけれど」

鞠莉「ま、でもダイヤもいるならそれなりにまともな会になるのかな……」


この人は果南さんのことをなんだと思っているのでしょうか……


ダイヤ「……まあ、確かに果南さんは子供の頃はアレでしたが……今でこそしっかりしてるじゃないですか」

鞠莉「ダイヤ酷い!!果南のこそ本当はそんな風に思っていたなんて……!!」

ダイヤ「誰かー?」

鞠莉「Wait a moment!!」
11 : ◆tdNJrUZxQg [sage saga]:2017/06/12(月) 23:10:05.65 ID:NUfsjtd3o

鞠莉「話のコシ?Waist?」

ダイヤ「……話を遮らないでくださいということですわ。」


日本にいるのもそれなりに長いでしょうに……何故か未だに、こうしてわからない言葉が出ると説明しなくてはいけません。

家族との日常会話は英語だったのかしら……?


鞠莉「というか、ダイヤ何やるのか知ってるの?」

ダイヤ「ん……まあ、一応」

鞠莉「え、じゃあ教えてよ」

ダイヤ「……口止めされてるので」

鞠莉「おーしーえーてーよー!!」
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