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【ポケモン】しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」その2【クレしん】
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1 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/12(月) 21:22:32.99 ID:hqUZpqG30
・クレヨンしんちゃんとポケモンSMのクロスオーバーSS
・ストーリーの流れはムーン版準拠。カットしている場面(スクールやジガルデ等)や設定改変、シナリオ改変、キャラ崩壊、敵の手持ちの変更あり
・戦闘描写も適当に書いているので技構成など相当ガバガバです
・ネタバレが多いのでご注意ください
・取り扱っている作品が作品なので、下ネタ多し
・前スレ→
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496394783/
次レスから再開します。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1497270152
2 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/12(月) 21:22:55.02 ID:hqUZpqG30
『……!』ダッ!
しんのすけ「うぉ、なんだ?」フッ
その時、しんのすけの身体が何者かに掴まれ、一瞬のうちに姿を消してしまった!
ウツロイド「じぇる……!」ドカッ!
デンジュモク「デンッ……!?」バキッ!
すると、次の瞬間ウツロイドたちに強烈な打撃が入り、その身体をふらつかせた。
ルザミーネ「!?」
ルザミーネ「今のは野生のビースト? でも、なぜしんのすけ君を助ける真似を……?」
ルザミーネ「……ともかく、しんのすけ君を早急に始末しなくてはいけませんね! ホールを開けつつ、消えたしんのすけ君を探さないと」
しかし、ルザミーネはふと足を止めて、考え込んだ。
ルザミーネ「……でも、しんのすけ君のあの身体能力……それに5歳ながら島巡りで大試練をこなしたものね。Zリングも持っている……」
すると、ルザミーネの頭の中に、悪魔のような発想が生まれた。このままあの幼くて強い子供を始末するのは非常に惜しい。だったら……。
そう考えると、かえってしんのすけの存在が愛おしく思えてきた。彼をどうにか掌中に収めることができれば、ビーストも……。
ルザミーネ「フフフッ……あはははっ!! しんのすけくん……あなたは殺さないであげる。たくさんたくさん、溢れるほどの深い愛をあなたに注いであげるわ」
ルザミーネ「愛に満たされて、わたくしのことしか考えられないくらいに、ね……」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/12(月) 21:30:42.98 ID:j+Xqfkjd0
乙です
そういやしんのすけが操られるって展開はないな、周りの人間は度々あるけど(ハイグレとかオトナ帝国とか)
映画の味方キャラが死んだのって戦国とロボとーちゃんだけだっけ?
トッペマは本体無事だったし、つばきちゃんは行方不明だし
4 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 06:58:49.08 ID:31e3ztue0
前スレの
>>915
修正
細かい箇所ですが、一応修正です
ジュナイパー「……ホー」
リーリエの言葉を聞いたカザマたちは示し合わせたようにそれぞれの顔を見合わせ、互いに頷く。
ジュナイパー「……」スッ
最初にカザマが片翼を前に出した、続いて単独の姿に戻ったマサオがヒレを翼の上に重ね、その上にネネが黒い大きな手を、ボーちゃんが影の手をそれぞれ重ねてリーリエを見据える。
リーリエ「……!」スッ
リーリエが最後に手を重ねると、カザマたちは自らボールに戻り、リーリエの胸へ飛び込んだ!
ハウ「これって……」
グラジオ「リーリエを認めたのか……」
リーリエ「……カザマさん……みなさん……ありがとうございます!」ギュッ
リーリエ「必ず、みんなでしんちゃんを助けましょう!」
ハウ「じゃーリーリエ! さっそくおれと戦ってみよーよ! でさ、カザマたちがどんな技使うのか分析してみよーね!」
リーリエ「はい!」
5 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:13:38.39 ID:31e3ztue0
更新……の前にちょっと修正
前スレ
>>914
さらわれこと→さらわれたこと
前スレ
>>920
月の素材は→月の笛の素材は
うーむちゃんと推敲しなきゃダメですね
6 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:15:23.11 ID:31e3ztue0
メレメレ島(ひろし&ハウ)
ひろしとハウがメレメレ島に近付いてまず気がついたのは、島のあちらこちらから黒煙が上がっていることだった。接近するにつれて、ハウオリシティの建物から火の手が出ている事実を2人に突きつけた。
船着場に着いたところで、2人は街の惨状と事態の重さを改めて実感した。
ハウ「これ……みんなビーストがやったのー……?」
ひろし「ひでぇ……最初に来た時とはえらい違いだ……」
ハウ「うんー……みんな、無事だといいけどー」
すると、遠くからハウの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
???「ハウくん!」
ひろし&ハウ「!」
ハウ「イリマさんー!」
現れたイリマは、相変わらずの爽やかな表情ではあるものの、鮮やかなピンク色の髪やトレーナーズスクールの制服が、ところどころ煤で汚れていたり、破れている。
イリマ「はい! キャプテンのイリマです! あなたがたが船でやってくるのが見えたので、駆けつけてきました! どうなさったんですか?」
7 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:27:46.43 ID:31e3ztue0
ハウ「おれたちーじーちゃんを探しに来たんだー。今、じーちゃんはどこにいるのー?」
イリマ「ハラさんですか? ハラさんはリリィタウンで、巨大ポケモンから逃げてきた人たちの保護に当たっています。なにかあったのですか?」
ハウ「実は月の笛を直すのに、カプのかがやく石が必要でー……」
…… …… ……
ハウとひろしはイリマにこれまでのことを説明した。
…… …… ……
イリマ「なるほど……あれはビーストと言うのですね。では僕がハラさんのところまでご案内いたします!」
ひろし「その前に、俺たちは博士の研究所に行って、ポケモンを保護しに行かなくっちゃいけないんだ。一番道路のところで待ち合わせ……ということには出来ないかな?」
イリマ「そうですね……今はビーストの攻撃も収まっていますし。分かりました。では1番道路に向かうよう、ハラさんに伝えておきますね!」
ひろし「よし、なら俺たちも急いで研究所に向かおう。研究所のポケモンを、急いで保護しなくっちゃな!」
ハウ「うんー、イリマさん、お願いー!」
イリマ「任せてください!」
8 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:30:12.47 ID:31e3ztue0
1番道路 博士の研究所前
ひろし「くそっ、ビーストの奴ら、俺たちの新しい家まで……!」
ひろしは、ハウオリシティはずれにある自宅の焼かれていた姿を思い出して、ビーストとルザミーネに対して怒りに震えていた。
ハウ「おじさん……」
ひろし「……ああ、ごめんなハウくん。今は怒ってる場合じゃないな。早いとこ博士のポケモンを見つけなきゃ」
ハウ「そうだねー……とりあえず、研究所は無事みたいだけどー」
ガチャ
ひろし「博士のポケモンはみんなボールの中に入ってるって言ってたよな」
ハウ「うんー博士が留守にするときは水槽の中のポケモン以外はボールに入れてあるんだー。じゃないと脱走しちゃったりするしー」
ひろしは水槽を覗くと、サニーゴやラブカスと目を合わせた。どちらとも、今何が起きているのか、本能で分かっているのか不安そうな視線を送っている。
ラブカス「ラブゥ……」
サニーゴ「サニーゴ……」
9 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:31:01.42 ID:31e3ztue0
ハウ「よしよしーみんなボールに戻って博士のところにいこー!」
ひろし「俺は地下の方を探してみるよ」
ひろしは水槽のすぐそばにある階段を降りて、地下室へと降りていった。電気は止められているのか、あたりは真っ暗で、持っていたスマートフォンのライト機能を明かりにして探し回る。
ひろし「……あった!」
博士の机の上にいくつものモンスターボールが置かれているのをひろしは見つけた。それらを回収しようと手を伸ばした時だった。
ピーピーピー!
ヴ-ヴ-ヴ-!
ひろし「!」
10 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:45:24.62 ID:31e3ztue0
ハウ「おじさんっ! ビーストが近くに来てるよー!」
ひろし「ああ、わかってる!」
ひろしは急いでモンスターボールを回収すると階段を駆け上って、ハウと研究所を飛び出した。
ドカァァァン!!
ひろし&ハウ「!」
ハウ「研究所がー!」
何者かの攻撃を受けて炎上する研究所。
炎の向こうに、巨大な影が現れたことにハウとひろしは気付いて身構える。
テッカグヤ「フゥー……」ゴゴゴ
ひろし「でけぇ……! ポニ島で見たやつより倍はあるぞ!」
ハウ「おじさん離れててー!」スッ!
ハウ「行くよー! ガオガエン!」ヒョイッ
ガオガエン「ガオォォォッ!」ポンッ
ハウ「ガオガエン、DDラリアットー!」
ガオガエン「オオオッ!」ギュルルンッ!
11 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:47:34.49 ID:31e3ztue0
ガオガエンは両手に闇の力が宿った炎を纏うと、両腕を広げてテッカグヤに突進した! テッカグヤは2つの噴射口から銀色に輝く弾丸を発射するが、ひるまずテッカグヤにタックルを食らわせた。
ガオガエン「ガォオォォッ!」
ズズンッ!
テッカグヤ「フゥー……?!」グラリ
ひろし「効いたか?」
ハウ「……」
テッカグヤは傾いた身体を持ち直すと、なんと身体の下部と両腕の噴射口が点火して空へ飛び始めた。その衝撃と熱で、ガオガエンはおろか、ひろしとハウが吹っ飛ばされる。
ハウ「うわっ……!」
ひろし「ハウくん、大丈夫か?!」
ハウ「平気ー!」
ハウは吹っ飛ばされてもなお、テッカグヤへと視線を向けていた。テッカグヤは空高く上昇していた。そのままどこかへ飛び去っていくのかと思いきや、大きく旋回して身体の先端をこっちに向けて落下し始めた。
12 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:49:17.84 ID:31e3ztue0
キィィィィン!
ひろし「おいおいおい! こっちに落ちてくるぞ!」
ハウ「ガオガエン! 逃げてー!」
ガオガエン「ガォォォッ!」ダッ
2人と1匹が草むらの中を走り出してきた頃、上空からテッカグヤの落下音が轟いた。そして大音量の破壊音と衝撃が背中を襲い、再びひろしとハウ、そしてガオガエンは吹き飛ばされた。
ゴゴゴゴ……
ハウ「ガオガエン、おじさん、だいじょーぶ?」
ひろし「く、ううっ……今のはヘビーボンバーか……?! あんな巨体が落ちてくるなんて……」
ガオガエン「ガオオ……」
テッカグヤ「フー……」
落下地点とおぼしきクレーターから、テッカグヤが起き上がって、こちらへ顔を覗かせてていた。
13 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:50:26.66 ID:31e3ztue0
ひろし「ハウくん……悔しいが今は逃げよう! こいつとまともにやりあって勝つのは無理だ……!」
ハウ「ううー……。ガオガエン戻ってー」
ハウがガオガエンをボールに戻そうとした時だった。テッカグヤが噴射口をこちらへと向けてきた。
ひろし&ハウ「!」
テッカグヤ「フー……」キィィン
ひろし「やばっ……!」
ハウ「おじさん……!」
噴射口が熱を帯びて光りだす! それが何を意味するのか、2人はすぐに理解したと同時に死を覚悟した。その時だった。
「カ プ ゥ ー コ ッ コ ォ ー ッ ! !」
14 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:52:00.75 ID:31e3ztue0
バチチチッ!!
テッカグヤ「フー……!??」
ひろし&ハウ「!?」
テッカグヤに雷が落ちてきたかと思うと、電気を帯びながらそのままぐらりと再び傾き、今度こそ倒れてしまった。噴射口から、爆炎が出る気配もない。
ズシンッ
テッカグヤ「……」
ひろし「今のは……?」
ハウ「この声……!」
「カプゥー!」ギュンッ!
バチバチと電気を帯びながらふたりの前に現れたのはメレメレの守り神、カプ・コケコだった。外殻を外して、ひろしとハウを静かに見つめている。
ハウ「わー! カプ・コケコだー!」
ひろし「このポケモンが、カプ・コケコなのか!」
ドタドタドタッ
ケンタロス「モォォォッ!」
???「お二人方! ご無事ですかな?」
15 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:53:03.56 ID:31e3ztue0
ハウ「じーちゃん!」
ひろし「ハラさん!」
ハラ「カプ・コケコを追って来てみれば、ハウとひろしさん……危ないところでしたな」
ひろし「ハラさん、ありがとうございます」
ハラ「礼なら私よりカプ・コケコに……」
ハウ「じーちゃん、実は……」
ハラ「うむ、話はイリマより聞いております。……ですが、かがやく石はそれぞれのカプがしまキングに渡す特別なもの。まずはカプ・コケコに判断を委ねましょうぞ」
ハウ「お願い、じーちゃんー……」
ハラ「ハウ、いつもの元気はどうしましたかな?」
ハウ「じーちゃん……。ごめん、おれ、ビーストに壊された街を見て、すごいショックを受けちゃってー……。こんなことになるなんて、思わなかったからー……」
ハラ「……しまキングの孫のハウよ。気を強く持ちなさい。お前は島巡りを経て心も身体も強くなったはずですぞ」
ハラ「街のことは心配めさるな。事態が収まったあとで、みなで復興すればいいのですから。ですが、ハウが折れてしまってはそれすら出来なくなってしまいますぞ!」
ハウ「うん、じーちゃん……」
16 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:53:54.93 ID:31e3ztue0
ハラはハウの頭をなでると、カプ・コケコへと近づいた。
ハラ「今の話……お聞きになりましたかな?」
カプ・コケコ「……」
ハラ「カプ・コケコよ。お頼み申します。これは、アローラにとっても未曾有の危機なのです。どうぞ、孫たちに未来を与えてくだされ……!」
ハウ「お願いー! カプ・コケコー!」
ひろし「俺からも、頼む!」
カプ・コケコ「……」
カプ・コケコは燃える博士の研究所をバックに、ひろしとハウ、そしてハラを試すように見つめている……。
17 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:55:53.76 ID:31e3ztue0
カプ・コケコ「カプゥー! コッコォー!」バチチチッ!!
カプ・コケコは電気を再びまとい始めると、ハウオリシティの方角へと飛んでいってしまった。
ひろし「……ダメだったか」ガックリ
終わった。自分たちの願いは、カプに届かなかったのか。落胆するひろしだが、ハラは首を横に振った。
ハラ「いえ……カプ・コケコは、『後は任せたぞ』とおっしゃられてました。その証拠に――」
そう言って、ハラは草むらに落ちている、かがやく石をひろしたちに見せた。
ハウ「それってー……!」
ひろし「かがやく石だ!」
ハラ「……持って行きなされ。そして頼みましたぞ! アローラの存亡は、あなた方にかかっています!」つ かがやく石
ハウ「うんー! ありがとーじーちゃん! カプ・コケコー!」
ひろし「よし、それじゃあ次はハプウちゃんのところだ!」
18 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:57:39.46 ID:31e3ztue0
カンタイシティに着いたククイ博士は、ビーストとの戦いで疲弊したマオとスイレンの代わりに、ウルトラビーストたちの相手をしていた。
ククイ博士の相手をしているのは、マッシブーンとは逆に華奢で細身の身体付きをし、髪のように伸びた羽を持つ白いウルトラビースト、フェローチェ。それが3匹、ククイ博士の前に立ちふさがっている。
対するククイ博士は、まひるのすがたのルガルガン1匹のみ。数の差で不利と思われたが……。
ククイ博士「よーしルガルガン! いわなだれだ!」
ルガルガン「ウォーーンッ!」
ルガルガンはジャンプし、フェローチェたちに向けて粉々にした岩を雨あられのごとく投げつけた!
フェローチェたち「フェロッ……!?」
ククイ博士「そして、ビーストたちにアクセルロックだ!」
ルガルガンは高速で飛び出すと、いわなだれで怯んだフェローチェたちに突っ込み、次々と跳ね飛ばしていく! そのままフェローチェたちはバタバタと道路に倒れ伏していった。
ククイ博士「ジャスト4ターン。予言通りだったろ?」
19 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 18:58:32.30 ID:31e3ztue0
スイレン「いわなだれで敵を怯ませつつ、アクセルロックで素早く仕留める……さすがです!」
カキ「さすがバトルロイヤルの伝道師、ロイヤルマスク! 不謹慎だが、燃える戦いだ!」
バーネット「えっ? ククイ君がロイヤルマスクなの?」
ククイ博士「日夜技の研究をしているからね。もちろん複数の相手を倒せる技も把握しているから、このくらいお手の物さ!」
ククイ博士「そしてカキ、僕はククイ博士であって、ロイヤルマスクではない!」
バーネット「あぁ、びっくりした。そうよね、体格も戦い方もロイヤルマスクに似ているけれども、ククイ君の方が魅力的だもの」
ククイ博士「う、うーん……なんか微妙な気分」
ククイ博士「ところでバーネット、ウルトラホールの状況はどうだい?」
バーネット「今のところ、カンタイ周辺にウルトラホールが開く気配はないみたい。空間も安定しているし、ここの住民を安全な場所へ避難させるなら、今が一番かもね」
ククイ博士「わかった! それじゃあカキ! スイレン! 君たちは引き続きアーカラ各地にいる、避難している人たちの保護を頼むよ!」
カキ「わかった、おれはロイヤルアベニュー周辺に向かう。スイレンはオハナタウンを頼む」
スイレン「はい!」
20 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:00:26.95 ID:31e3ztue0
カキはライドポケモンのリザードンに乗って空を飛んでロイヤルアベニューへ、スイレンはケンタロスにまたがってオハナタウンへと向かっていった。
バーネット「後はライチさんとマオがうまくやってくれるといいのだけれども……」
ククイ博士「うまく行くさ。さっきハウとしんのすけのお父さんから、メレメレでかがやく石を手に入れたっていう連絡が来たよ。今2人はポニ島に向かってるそうだ」
バーネット「カプ・コケコは協力的ってことね。残りのかがやく石はここを含めて3つ……。でも、きっと他のカプも手を貸してくれるわよね」
ククイ博士「ああ!」
ライチ&マオ「博士!」
ククイ博士「!」
ディグダトンネルから、ライチとマオが出てきてククイ博士たちに手を振った。ククイ博士が二人のもとへ走り寄る。
ククイ博士「どうだったかな? カプ・テテフは……」
21 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:03:00.51 ID:31e3ztue0
ライチとマオは顔を合わせると、示し合わせたように頷いた。
ライチ「カプ・テテフもできる限り協力すると言っていたよ。もともと、カプ・テテフもビーストが襲来してきたとき、怪我した人とポケモンたちを積極的に治していったからね。……やり過ぎないよう注意しているけどさ」
マオ「これがカプ・テテフからいただいたかがやく石でっす!」
マオの手には、かがやく石が握られていた。それをククイ博士へと手渡す。
ククイ博士「よし、これでかがやく石は残り2つだ!」
ライチ「ん、メレメレかウラウラのどちらかが石を貰えたのかい?」
ククイ博士「ああ、メレメレでカプ・コケコから石を貰えたって連絡が入ってきてね。今、ハウとしんのすけのお父さんがポニ島に向かっているよ」
ライチ「となると、ウラウラとポニか。クチナシとしまキングの孫のハプウ……だったね。2人がうまくカプに取り計らってくれるといいけれども」
ククイ博士「大丈夫。きっとうまくいくさ!」
ライチ「それにしても、財団の代表……ルザミーネだっけねぇ。このアローラにビーストを解き放つだけじゃなくて、大試練を終えて疲弊したしんのすけに手を出して、ビーストの世界にさらうなんて、許せないね」
マオ(初対面でしんのすけ君をお持ち帰りしようとしたのにそれ言うんですか……)
ライチ「リーリエは、しんのすけと母親を取り戻しにビーストの行く世界に行くつもりなんだろ? なにか母に対して深い事情でもあるんだろうね。できることなら、手伝ってやりたいけどさ」
ククイ博士「それはリーリエ自身が解決しなきゃいけない問題だよ。僕らが深入りしていいことじゃない。僕らがするのは、この世界を守ることだよ」
ライチ「そうだね……」
22 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:03:47.29 ID:31e3ztue0
ククイ博士「……ライチさん。いや、マオにも訊いてみようかな」
マオ「はい?」
ククイ博士「君たちはビーストと戦ってみて、他のポケモンと比べてなにか感じるものはあったかい?」
ライチ「ビーストと戦って感じるもの、ねぇ」
マオ「あたしは正直、早く街の人たちを避難させなきゃって思っていたので……そういうことを考えている余裕がありませんでした。強いて言うなら……なんとなくですけど、ぬしポケモンのラランテスと同じオーラをまとっていたのを見たくらいです」
ライチ「そうだね……あたしは特に何も感じなかった、かな」
マオ「えっ……?」
ライチ「確かにビーストたちと一戦交えてみると、そこらのポケモンとは比べ物にならない戦闘力を持っているよ。ひょっとしたら、1匹1匹が伝説のポケモンに肉薄するくらい強いかもね」
ライチ「だけど、それ以上だね。ビーストたちは強いポケモンだけど、後は草むらから飛び出してくる野生のポケモンとそう変わらない気がする」
23 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:04:43.18 ID:31e3ztue0
ククイ博士「僕も同じ感情を抱いたんだ。さっき、白いビースト3匹と戦ってみたけれどもね……繰り出してくる技は、僕が知っているかくとうやむしタイプの技ばかりだったんだ」
ククイ博士「戦闘力は桁違いだし、その凶暴性もさることながら……だけど、ビーストもまた、ポケモンということかもね」
ライチ「そうだね……ビースト自身もひょっとすれば、他のポケモンと同じように心が通じ合えるかもしれないね」
ピーピーピー!
ヴ-ヴ-ヴ-!
全員「……!!」
ククイ博士「ビーストの反応……!」
バーネット「周りの空間に歪みは見られないから、どこか近くにビーストがいるっていうことかしら?」
マオ「ライチさん! あそこです!」
マオが空を指すと、遠くにマッシブーンとフェローチェの群れがこちらに向かって飛んできたではないか!
数え切れないほどのマッシブーンとフェローチェが羽音を立ててククイ博士たちの上空を通り過ぎていくが、そのうちの数匹がククイ博士たちの存在に気付いて、降り立ってきた!
マッシブーンたち「ブゥーーンッ!」フロントダブルセップス!
フェローチェたち「ローッ……!」ビシッ
24 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:05:42.45 ID:31e3ztue0
ライチ「行くよ、マオ!」スッ
マオ「はい、ライチさん!」スッ
ククイ博士「僕も加勢する――」
ライチ「博士、あんたは船に乗ってエーテルパラダイスに戻るんだ! この島を守るより、やるべきことがあるんだろ!」
ククイ博士「!」
ライチ「さ、ここはあたしらに任せて、早く行きな。それで、絶対にしんのすけのこと、取り戻すんだよ。あの子はライチさんを初めてナンパしてくれたからねえ。その想いに応えてあげないと」ニヤッ
マオ「ライチさん……」ジローッ
ライチ「ふふふ……ジョークはともかくとして、アローラのこと、アンタたちに託したからね」
ククイ博士「ああ、任せてくれ! バーネット、行くよ!」
バーネット「ええ!」
2人が船着場へと走り出したところで、ライチとマオは一斉に各々のボールを投げつける。
ライチ「頼んだよ、ダイノーズ!」ヒョイッ
マオ「行くよ! アママイコ!」ヒョイッ
ダイノーズ「ダノノー!!」ポンッ
アママイコ「アッマーイ!!」ポンッ
25 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:06:36.35 ID:31e3ztue0
ライチ「ダイノーズ、いわなだれ!」
マオ「アママイコ、ふみつけ!」
ダイノーズ「ノズズッ!」ズズズッ
アママイコ「アマッ!」ダッ
ダイノーズが無数の岩をマッシブーンとフェローチェに向かって落としていき、アママイコは1匹のフェローチェに向けて頭上へジャンプし、踏み潰すように足を勢いよく振り下ろした!
マッシブーンA「ブーンッ!」グッ!
フェローチェA「フェロッ!」フッ!
しかしフェローチェは一瞬にして姿を消して回避し、マッシブーンはいわおとしを両手で受け止める。
更に、着地したアママイコを狙いすましたように、別のフェローチェがとびひざげりを放ち、ダイノーズにフェローチェと同様別個体のマッシブーンがアームハンマーを繰り出した!
ドゴッ!
ドガッ!
ダイノーズ「ダノッ!?」
アママイコ「アマィッ!」
マオ「アママイコ!」
ライチ「ダメだ、数が多いね!」
26 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:10:52.32 ID:31e3ztue0
更にダメ押し、と次々とマッシブーンとフェローチェたちがダイノーズとアママイコ、更にはトレーナーのライチとマオに襲いかかってくる!
マッシブーンたち「ブゥゥゥンッ!」ドドドド!!
フェローチェたち「フェロォォッ!」ドドドド!!
ライチ「くっ……!」
マオ「ライチさん!」
???「ゴルバット! エアスラッシュ!」
???「ラランテス! ソーラーブレード!」
ゴルバット「ゴルルッ!」バサバサッ!
ラランテス「ラランッ!」ブンッ!
マッシブーンB&フェローチェB「!」
27 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:11:46.26 ID:31e3ztue0
ゴルバットの空気の刃がマッシブーンたちの筋肉の身体を次々と切り裂いてその身を怯ませ、太陽の力を得た光の刃が、フェローチェたちを吹き飛ばしていく!
マッシブーンB「ブ、ブンッ!」ザクザクッ
フェローチェB「フェローッ!?」ザンッ
マオ「い、今のは……?」
ザッ
???「ビーストにダメージを与えたよスッチー!」
???「やったねスカりん!」
スッチー&スカりん「ふたりの愛の力は、ビーストにだって負けない!」
ライチ「……あんたたちは!」
マオ「スカル団?!」
マッシブーンB「ブンブーンッ!」グワッ!
フェローチェB「フェロォォ!」フシューッ!
スッチーとスカりんに倒されたマッシブーンとフェローチェが起き上がり、4人に襲いかかる!
スッチー「ひええ! こっちに来たーっ!」
スカりん「やっぱ戦わなきゃよかった怖いよスッチー!」
28 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:15:21.10 ID:31e3ztue0
ライチ「くっ……!」
助けに行こうとも、ダイノーズは傷ついて動けない。このままじゃ大変なことになる――。その時だった。
「カ プ ゥ ー フ フ ! !」
カッ!!
ドンドンドンッ!!
マッシブーンたち「ブッ……!?」ドッ!
フェローチェたち「ロォッ?!」ドッ!
ライチ「……!」
咆哮と供に不思議な光弾がマッシブーンとフェローチェたちへ落下したかと思うと、次々とビーストたちが倒れていく!
その直後、今度はキラキラと光る鱗粉がライチたちの前に降り注ぎ、傷ついたダイノーズとアママイコの傷が塞がっていく。
29 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:15:58.13 ID:31e3ztue0
ダイノーズ「ノズズッ!」ギラッ
アママイコ「アッマーイ!」シャキーン!
マオ「ムーンフォースに鱗粉……ライチさん、これって!」
ライチ「ああ……」
空を見上げると、桃色の光がコニコシティの方角に向かって消えていくのが見えた。
ライチ(……ありがとう、カプ・テテフ)
スカりん「なんだか知らないけど助かったよスッチー!」ギュッ
スッチー「私たちの愛の力ね、スカりん!」ギュッ
ライチ「……」イラッ
30 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:30:19.29 ID:31e3ztue0
その頃、ウルトラスペースでは――。
気が付くと、ルザミーネや彼女の手持ちのウルトラビーストの姿が消えており、しんのすけは優しく地面に下ろされた。
しんのすけはきょとんとしていると、他の個体より小さなフェローチェが、しんのすけの顔を覗いていた。
フェローチェ『お怪我はありませんでしたか? しんのすけ様……いえ、しん様』
しんのすけ「あんた誰? なんでオラの名前知ってんの?」
フェローチェ『覚えていませんの……。でも、わたくしはあなたに助けられたこと、忘れていませんわん』
しんのすけ「そうだっけ? てゆうか、どっかで聞いたことあると思ったら、あいちゃんみたいな声してるね」
フェローチェ『あいちゃん……とは存じませんが、どなたでしょうか?』
しんのすけ「カスカベ地方にいる、オラのお知り合いの1人。とってもお金持ちで、いつもオラに付きまとってマサオくんをこき使ってるの」
フェローチェ『それに似ていると?』
しんのすけ「そーそー、声もカザマくんたちのように似てるし、しん様って呼ぶの、まんまあいちゃんだし」
フェローチェ『まぁ、しん様のお知り合いに似ているなんて、光栄ですわ。なんなら、そのままあいと呼んでくださいませ。なにせ、人間に呼ばれる名前が無いので』
しんのすけ「じゃああいちゃん、なんでオラのこと知ってるの?」
フェローチェ(酢乙女あい)『以前、あなた方に助けていただいたからです。あなた方がアローラ地方と呼ぶ世界のアーカラ島で……』
しんのすけ「あーっ!」
31 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:31:46.22 ID:31e3ztue0
フェローチェ『思い出していただけましたか?』
しんのすけ「……なんだっけ?」
フェローチェ「」ガクッ
しんのすけ「オラ、アーカラ島っていうと、ライチおねいさんとカキくんの乳首しか印象に残ってないからー」
フェローチェ『は、はぁ……』
フェローチェ(なんてマイペースで変わった子なのかしら……初めて見るタイプの人間ですわ)
突然、しんのすけのリュックがもぞもぞと揺れ始めた。
ゴソゴソ
しんのすけ「お?」
ロトム図鑑「ふぅーっ、やっと起動できた」
ロトム図鑑「まったく……変なエネルギーが身体中に流れ込んで強制的にシャットダウンしたかと思ったら、ここはどこだ?」
しんのすけ「あれ? ぶりぶりざえもん、いつのまに?」
32 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:35:22.30 ID:31e3ztue0
フェローチェ『あなたは確か……?』
ロトム図鑑『ふん、忘れたのか。ならもう一度名乗ってやる。その耳かっぽじってよく聞くがよい』
ロトム図鑑「私はアローラ地方のアイドルにしてもりのようかんのゆるキャラ! その名もレオナルド・ロトブリオ。もしくはアレッサンドロトム・フランチェスカ・デ・ニコラと呼ぶが良い」
しんのすけ「ぶりぶりざえもんっていうの」
フェローチェ『まぁ、変わったお名前。ぶりぶりざえもんさん。わたくしはあいですわん』
ロトム図鑑「おいっ! 間違って覚えられたじゃねぇか! どーしてくれる!」
しんのすけ「だって事実だし」
しんのすけ「ねぇ、ひょっとしてあいちゃんってウルトラビーストなの?」
フェローチェ『ウルトラビースト……? そういえば、あの生き物と合体していた人間の女は、あい達をそんなふうに呼んでいましたわん』
ロトム図鑑「なに? お前がウルトラビーストなのか?」
フェローチェ『それより、しん様には確か、カザマくんとマサオくんという方が一緒にいたような気がしたのですが……』
33 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:38:21.87 ID:31e3ztue0
しんのすけ「あーカザマくんもマサオくんも、みんな向こうの世界にはぐれちゃったみたいで。いやぁ全く参りましたな、もう」
フェローチェ『むしろ、あなたがこっちに来てしまったと思うのですが……』
しんのすけ「そうともゆー」
しんのすけ「てゆうか、ここってどこなの?」
ロトム図鑑「GPS機能を使っても、表示されないどころかここは電波も通っていないとは。ここはどこか辺境の地かどこかなのか?」
フェローチェ『あいにも、はっきりとは分かりませんわ。ただ、ここはしんのすけくんにもあいにとっても異なる別の世界で、簡単に言うなら世界の狭間のようなものでは……』
しんのすけ「んー……オラにはさっぱりだけど、ここから元の世界に帰ることって出来る?」
フェローチェ「はい! 『穴』が開いていれば、ですけれども」
しんのすけ「穴?」
34 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:39:16.04 ID:31e3ztue0
フェローチェ『この世界には、いろんな世界へ通じる穴が、時折開かれることがありますわ。ですから、あなたがたがウルトラビーストと呼ぶ、様々な世界からやってきた生き物も、多くここに生息していますの』
フェローチェ『ですから、しん様とぶりぶりざえもんさんのいた世界への穴が開いて、それを見つけることができれば、帰れますわ』
ロトム図鑑「ホントか?」
しんのすけ「じゃあ穴探しに行きますか。ほっとくとかーちゃんとリーリエちゃんがうるさいし、お腹もすいたし」テクテク
フェローチェ『ああ、お待ちになって。あいもお伴いたしますわ! 助けてくれたお礼に、しん様達を元の世界へ送り届けますわ!』
しんのすけ「じゃ、ひとつよろしく頼むねー」
ロトム図鑑「ほんとに頼むぞ。こっちは命かかってるんだからな」
35 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:47:20.64 ID:31e3ztue0
ビーストの世界をさまよい歩くしんのすけたち。あたりには野生のウツロイドがたゆたっており、空には時折フェローチェやテッカグヤが飛んでいる。
かと言って地上は安全かと思ったらそうでもなく、マッシブーンたちがポーズを見せて肉体美を自慢していたり、デンジュモクが闊歩しており、中にはアクジキングが岩壁や植物を口の中に放り込んでいた。
ビーストたちの目をかいくぐりながら、しんのすけたちは元の世界へ通じるウルトラホールを探し歩いていた。
しんのすけ「なかなか穴が見つからないね」
フェローチェ『いつ、どこで向こうの世界に通じる穴が開かれるか分かりませんから……』
ロトム図鑑「くそっ、インターネットが接続できる場所なら救難信号なりGPSが使えたものを。まったくルザミーネめ、面倒なところに連れてきおって。今度会ったらたたでは済まないからな!」
しんのすけ「ぶりぶりざえもんが役に立たないのはいつものことだけどね」
ロトム図鑑「やかましい! だいたいお前もポケモンを図鑑登録しないからだろボケ!」
しんのすけ「だってめんどくさいんだもーん」
36 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:47:59.59 ID:31e3ztue0
ロトム図鑑「ケッ! しょせんちっさいインドぞうさん坊主にトレーナーなど務まらんのだ」
しんのすけ「なんだとー! ぶりぶりざえもんにちっさいインドぞうさんなんて言われたくないもん! インドぞうさんないクセに!」
ロトム図鑑「言ったな貴様! 図鑑に入ってるから見えないだけで、私のインドぞうさんこそ最強だ!」
しんのすけ「オラのインドぞうさんの方が最強だもん!」
ロトム図鑑「いいや私のインドぞうさんこそアローラ1だ!」
しんのすけ「なにおー! オラのインドぞうさんの方が宇宙一だもん!」
フェローチェ(インドぞうさんとはどういう意味なのか知りませんが、なんだかすごく恥ずかしくなってきましたわ……)
しんのすけ「フンだ!」プイッ
ロトム図鑑「フンッ!」プイッ
37 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:50:18.49 ID:31e3ztue0
しんのすけとロトム図鑑は互いに目を合わせないように体ごと逸らしながら進んでいくと、前方に、紙人形のような形をした小さなウルトラビースト――カミツルギが舞い降りてきた。
カミツルギ「……」フワフワ
しんのすけ「なにこれ?」
フェローチェ『この方もきっと、しん様のおっしゃっていた、ウルトラビーストでしょう』
ロトム図鑑「こんな紙っペラがウルトラビースト? はっ、紙飛行機にして吹き飛ばしてやるぜ! 喰らえラスターパージ!!」
意気揚々とロトム図鑑が飛び出す!
するとロトム図鑑の敵意に反応したかのように、カミツルギが動き出した。両手であたかも手刀を打つように、ぶりぶりざえもんへと襲いかかった!
カミツルギ「カミッ!!」ブンッ!
ロトム図鑑「ブヒッ!?」サッ
ザンッ!!
ぶりぶりざえもんが文字通り紙一重で回避した瞬間、彼の背後にある岩と植物が唐竹に割れて、粉々に砕け散った!
しんのすけ「すげー」
カミツルギ「カミーッ!」
38 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:52:30.24 ID:31e3ztue0
カミツルギは敵とみなしたぶりぶりざえもんに対して、何度も斬りかかってくる! その度に周りの岩や植物が切断されていく。
ロトム図鑑「わ゛ーっ! 早くなんとかしろー!」
しんのすけ「やれやれ……あいちゃん、お願い」
フェローチェ『お任せ下さいませ!』バッ
しんのすけのそばに立っていたあいが、一瞬で200キロ近くの速度でカミツルギに突っ込むと、とびひざげりを放った!
あいの不意打ちを受けたカミツルギは回避することもできず、そのまま岩壁に叩きつけられる。
ドゴッ!!
カミツルギ「ヅルッ!」ズズンッ!
しんのすけ「おー早い早い!」パチパチ
あいは2歩分後退すると、カミツルギが斬りかかってくるが次の瞬間にはあいが背後に回り込み、トリプルキックを放った!
ドカドカドカッ!!
カミツルギ「か、カミッ!?」
背中から音速のスピードによる蹴りを3発も受け、カミツルギは一度地面に転がると、相手が悪いと察したのか、奥へと引っ込んでいった。
カミツルギ「カ……カミィ〜」フラフラ
39 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 19:53:13.83 ID:31e3ztue0
ロトム図鑑「ふぅ、口ほどにもなかったぜ」
しんのすけ「あんた何もやってないでしょ」
フェローチェ『これがあいの実力ですわ。お手伝いする分には差し支えないと思いますが……お気に召したでしょうか』
しんのすけ「すごいスピードだったねえ。鼻にも止まらぬ速さですな」
ロトム図鑑「それを言うなら、目にも止まらぬ速さだ」
フェローチェ『まぁ、そう言ってくだされば、あいも戦った甲斐がありましたわ』
???「騒がしいと思って来てみりゃ、まさかお前がいるとはよ」
しんのすけ&フェローチェ&ロトム図鑑「!」
40 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 20:05:36.59 ID:31e3ztue0
ウラウラ島 マリエシティ(グラジオ)
エーテルパラダイスから離れて、マリエシティに降り立ったグラジオは、クチナシを――それでなくても彼の居場所を知っているキャプテンたちの姿を探していた。
マリエシティもまた、他の島同様、ビーストが暴れて目を覆いたくなるような光景へ変わり果ててしまっていた。
ジョウト地方の趣が残っていた建物のほとんどが崩れ、ひどいものでは、潰れてガレキの山と化したものまで様々だ。
名所であるマリエ庭園に至っては整備された草が焼け焦げ、橋は残骸がギャラドス型の池に沈み、茶屋の建物も火事になって煙を上げていた。
グラジオ「…………」
遠くを見ると、金箔の貼られた五重塔が、あたかも巨大な刃物で袈裟斬りにされたように切断されていた。これもまた、ビーストの仕業なのか。
グラジオ(母上……こうすることが、あなたの本当の望みだったのですか)
グラジオはここが危険というを理解しながらも目を閉じた。まぶたの裏には、いなくなってしまった一人の『家族』のために奮闘するルザミーネの姿が、そして次に部屋の一室でウツロイドと対面するルザミーネの光景が蘇る。
グラジオ(あの時から……母上は母上で無くなってたのかもしれない。だが、オレもリーリエも、アンタを――)
ピーピーピー!
ヴ-ヴ-ヴ-!
グラジオ「……!」ピクッ
41 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 20:06:31.92 ID:31e3ztue0
グラジオの持っているウルトラホールみっけマーク3がシグナルを鳴らし、震えだした。すぐにタイプ:ヌルを出して身構える。
ヌル「オオォォッ!」
グラジオ「どこから……来る!?」
すると、グラジオの眼前、マリエ庭園の中央部にウルトラホールが開き始めた。
ウルトラホールから現れたのは、テッカグヤに次いで巨大な体格と、身体の大半が大きな口を持つウルトラビースト、アクジキングだ。
アクジキング「グモォォォォッ!」
アクジキングが姿を現したとたん、すぐに2枚の舌を動かして、マリエ庭園の地面や建物の残骸、水を口の中に放り込んでいく。
グラジオ「……オレ達は眼中に入ってないと言いたげだな。行くぞ、ヌル! アイアンヘッドだ!」
ヌル「オオォォォッ!」ダッ!
ヌルは走り出すとジャンプし、アクジキングの頭部に向けて鋼鉄の兜を突き出して、頭突きを放つ!
42 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 20:07:07.09 ID:31e3ztue0
しかしアクジキングは、初めからヌルの攻撃など気にしていないというふうに、ガレキを口に入れて咀嚼する。
グラジオ「こんなことでは動じない……か。ヌル、あのでかい口にトライアタックを撃ちこめ!」
ヌル「オオオォッ……!」ブゥゥゥンッ!
ヌルが念じると、頭上に火・雷・氷の力を秘めた三つのエネルギーの球体が真っ直ぐにアクジキングの規格外な大口の中に放り込まれていく。と、アクジキングの口内に炎が巻き起こり、凍りつき、電撃が走った!
アクジキング「グモォォッ!?」
グラジオ「フッ、さすがにこれには堪え……!?」
アクジキング「グモォォォッ!」ブンッ!
43 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 20:07:46.21 ID:31e3ztue0
いきなり、アクジキングがその巨体を回転させて、尻尾をグラジオとヌルに向けて振り回した。グラジオはすぐに屈んで伏せることができたが、ヌルがにドラゴンテールが直撃して庭園の木に激突してしまう!
ドゴッ!
グラジオ「ヌル!」
ヌル「オオ……オオオ!」グググッ
アクジキング「グモォォ!」バグバグッ!
アクジキングは知ってか知らずか、ヌルの周りの地面に手を伸ばし、口の中へ入れていく。更にヌルのそばの木を引っこ抜いて口に入れると、その舌をヌルに向けて伸ばし始めた。
ヌル「オォォッ……!」
グラジオ「ヌル! 逃げろ!」
アクジキング「グモォォォッ!」
???「ガバイト! ドラゴンクローだ!」
突然、青い影がヌルの前に飛び出してきた!
ガバイト「グァァァッ!」ブンッ
アクジキング「グモォォォォッ?!」ザクッ!
44 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 20:10:24.16 ID:31e3ztue0
痛みでじたばた暴れるアクジキングから退避させるように、ビブラーバがやってくると、ヌルを持ち上げてグラジオの前に下ろした。そしてグラジオとヌルの前を、コモルーが守るように仁王立ちする。
ビブラーバ「ガガガッ!」
コモルー「オオオ……」
グラジオ「こいつらは……?」
???「いじっぱりのドラコ!」カーン!
???「れいせいのおキン!」カーン!
???「ひかえめのマミ!」カーン!
3人「三人合わせて、『スカル団黒ガバイト隊』!」バァーーーン!!!
グラジオ「」ポカン
アクジキング「」ムシャムシャ
おキン「……リーダー、あたいらもうスカル団じゃないんですよ。改名したほうがいいんじゃないスか?」
ドラコ「あ、あぁ、言われてみればそうだな……」
マミ「普通に『アローラ黒ガバイト隊』でいいんじゃないスか?」
ドラコ「それじゃベタすぎるだろ! もっとこう、ドカーンとインパクトのある名前をだな……」
プルメリ「……あんたら、今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ」ザッ
45 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 20:11:20.63 ID:31e3ztue0
ドラコ「姉御!」
グラジオ「オマエら……なぜここにいる?」
プルメリ「そりゃこっちのセリフだよ。グラジオこそどうしてここにいるんだい?」
ドラコ「あたいらは姉御からの命令でウルトラビーストを追い払ってるんだよ」
おキン「そうだよ、それでたまたま危ない目に遭ってるアンタがいたってわけさ」
グラジオ「よせ……あれはお前たちが勝てる相手じゃない」
マミ「グラジオだって1人で挑んでヌルが食われそうになってたじゃねぇか」
ドラコ「そう、あたいら3人の力を合わせれば奴を倒せる! おキン、マミ、行くぞ!」
おキン&マミ「ウス!」
プルメリ「待ちな! グラジオの言うとおり、うかつに手を出しちゃ――!」
ドラコ「ガバイト! げきりん!」
おキン「ビブラーバ! むしのさざめき!」
マミ「コモルー! りゅうのいぶき!」
46 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 20:13:06.78 ID:31e3ztue0
ガバイト「ガァァァッ!」ブンッ!
ビブラーバ「ガガガッ!」ザザザザッ!!
コモルー「オォォォッ」ゴウッ!
3体のドラゴンポケモンによる一斉砲火がアクジキングへ向かっていく! ビブラーバのむしのざざめきで動きを止めつつ、コモルーのりゅうのいぶきで援護射撃を受けながら。ガバイトの怒涛の攻撃でアクジキングに多大なダメージを与える。
アクジキング「グモ……グモオォォォ!」ブンッ!
アクジキングがダメージを受けて身を悶えさせながら暴れまわる。しかしガバイトたちはそれを回避しつつ、再び攻撃を繰り返す。
するとアクジキングはガバイトたちに向き直ると、その口を大きく開いて息を吸い込むと……。
アクジキング「ヴ ェ ェ ェ ェ ェ ェ ッ ! !」
ドドドドド!!!
ガバイト&ビブラーバ&コモルー「!?」
グラジオ「なっ!?」
プルメリ「!!」
アクジキングの放った逸脱したゲップが一種の衝撃波となって、ガバイトたちを吹き飛ばしていく!
ドゴォォォッ!!
おキン「な、なにぃ!?」
マミ「コモルー!」
47 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 20:14:03.74 ID:31e3ztue0
プルメリ「今のはゲップか……。あんな隠し玉、持ってたとはね」
ドラコ「くぅっ! こんなやられ方、屈辱的すぎじゃねぇか! おい!」
ザッ
???「今日は厄日だね……」
5人「!」
クチナシ「……こいつと、こんなところで鉢合わせしちまうとはよ」
グラジオ「クチナシさん!」
プルメリ「おっさん!」
クチナシ「グラジオのあんちゃん、元スカル団のねえちゃんたち、あいつはビーストの中でも相当タフな奴なんだわ。下手に数撃っても、食われちまうのがオチだよ」
グラジオ「クチナシさん……アイツを知っているのか?!」
クチナシ「……ま、昔ね」
クチナシ「誰か、フェアリータイプのポケモンを持ってる奴いるかい」
ドラコ「いや……あたいら全員、ドラゴンタイプのポケモン持つってのが黒ガバイト隊のルールだからよ」
プルメリ「あたいも、今のところどくタイプしかいないね」
48 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 20:17:43.37 ID:31e3ztue0
クチナシ「そうかい。なら、こうするしかねぇか」
クチナシ「アブソル、あいつにれいとうビームだ」
アブソル「ガウッ!」
そばで控えていたアブソルが飛び出すと、アクジキングの大口にひるまず近づくと、青白い光線を放った!
アブソル「オォォッ!」ズピーーッ!!
アクジキング「グモ……!?」ピキキキッ
アブソルのれいとうビームを受けたアクジキングは見る見るうちに氷に覆われていき、次第に動きが鈍くなっていく。
クチナシ「――プルメリの嬢ちゃん、奴を凍らせるよ」
プルメリ「わかったよおっさん、ドヒドイデ! れいとうビーム!」
ドヒドイデ「ドヒドヒッ!」キィーン!
アブソルに続いて、プルメリのそばで控えていたドヒドイデもれいとうビームを発射する!
すると、さらにアクジキングの動きが緩やかになってゆく。
アクジキング「グ……モ……ッ!」ビキビキッ!
ピキッ!
そして、アクジキングの全身が完全に凍結し、動かなくなった。
49 :
超超ゴルーグロボ
◆g/SXBgh1y6
[saga]:2017/06/13(火) 20:18:36.14 ID:31e3ztue0
おキン「おおっ! 凍らせた!」
マミ「こっから巻き返すんですね!」
クチナシ「いや、あのウルトラホールの中に押し戻すよ」
グラジオ「倒すんじゃないのか?」
クチナシ「さっきも言ったがよ、あいつはとんでもなくタフな奴なんだよ。ここにいる戦力だけだと、あいつを倒せても誰かが犠牲になるのは間違いないぜ」
ドラコ「そんなに恐ろしい相手……なのか?」
プルメリ「見てわかるだろ? もうちょっと慎重さっていうの覚えな」
クチナシ「……それより、早くやらないと目覚めちまうよ。ポケモンたちの力を借りて、あいつを元の場所に戻してやんなきゃな」
グラジオ「わかった。それに、アンタに話もあるしな……」
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