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勇者「お前を俺の女にしたい」魔王「はぁ?」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 01:38:23.31 ID:+8h1OILt0
────
すたすたすた
「あっ、勇者様!」「本当、勇者様よ!」
「素敵!」「かっこいい……」
勇者「……」
勇者「(……つまらん)」
勇者「(確かに、俺は女が好きだ)」
勇者「(勇者という立場はもとより、女受けする甘いマスクもあり、女を選ぶことに不自由はない)」
勇者「(……だが、それではつまらない。つまらなすぎる)」
勇者「(自分の力でものにするのが、燃えるというのに)」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1497112703
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 01:55:49.63 ID:+8h1OILt0
勇者「(よさそうだと思った女も、媚びればすぐに堕ちる)」
勇者「(つまらない。どこかに、いい女はいないのか──)」
勇者「勇者です。隣村の村長の紹介状として、これを預かっているのですが」
村長「おお、勇者殿ですか! お話は聞いております、どうぞ奥へ」
勇者「ああ、ありがとうございます……」
勇者「(……冒険も終盤、か)」
勇者「(いい女こそいないが、姫様との婚約やら王位の継承やらと、暮らしだけは保障されている)」
勇者「(待遇に甘んじて、落ち着いてしまうのもアリだろうか……?)」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 02:06:36.37 ID:+8h1OILt0
────
勇者「……つまりこの村が、最後の拠点となると」
村長「ええ、この先は既に魔王領と化しております」
村長「ですが、魔王が何を考えているのかは分かりませんが、これ以上の侵攻は未だ確認されておりませぬ」
村長「確認が出来ているわけではありませんが、ここは安全と見てよいかと……」
勇者「ふむ、魔王が侵攻を止めているラインがあるわけですね」
村長「ええ。しかし、報告によれば、そのラインを少しでも侵した者は、魔王の手に掛かってしまうという」
勇者「見たところ、この村の兵士はとてもよく訓練されていますが」
村長「ええ、歴戦の兵たちが、いともたやすく……」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 02:20:27.11 ID:+8h1OILt0
村長「しかも、性質の悪いことにですな……」
勇者「?」
村長「不可侵のラインに気付かずに踏み入った者は」
村長「とても見目麗しい女の姿をした魔物に連れ去られてしまうと聞きます」
勇者「見目麗しい女……?」
村長「ええ、しかし……その女こそが、魔王だという話も」
勇者「……魔王が、女」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 03:27:50.93 ID:+8h1OILt0
村長「ええ。ですから是非とも、魔王を……勇者様?」
勇者「……なるほど」
勇者「(魔王ほどの大物となれば、その気高さは計り知れない……)」
勇者「(……ともすれば、俺よりも……よし)」
勇者「必ずや、魔王を下すと約束しましょう。この手で、必ず」
村長「お、おお! 村の者らも信じておりますぞ、勇者様!」
勇者「(待っていろ、魔王……!)」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 03:29:05.52 ID:+8h1OILt0
ゆっくり書きます
寝るので続きはまた後で おやすみなさい
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/11(日) 04:41:43.91 ID:/2gaUJxYO
つまらんのは毎度毎度♂勇者と♀魔王というワンパターンSS
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 10:16:32.29 ID:+8h1OILt0
──不可侵ライン
勇者「ここが不可侵領域の端……」
勇者「(ここから先に進めば、俺は常に魔王の視界の中ということか)」
勇者「いいだろう、望むところだ」
ざっ、ざっ
??「……」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 10:27:19.25 ID:+8h1OILt0
勇者「はぁっ──!」
魔物「グオォォ……」
ずぅぅん
勇者「ふぅっ、はぁ」
勇者「(魔物それぞれの能力も上がっているが、俺にとってそれは大した問題じゃない)」
勇者「(だが、数が多い……あの村を目の前にしてこれだけの戦力があるのは、もはや偶然ではない)」
勇者「(やはり、何らかの目論見があって、あの村に手をかけていないんだろう)」
勇者「(……何を企んでいるんだろうか)」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 10:35:51.90 ID:+8h1OILt0
勇者「……ところで」
勇者「そこの草陰に隠れているのは、誰だ」
??「……」
勇者「……」
勇者「名乗らないなら、姿だけでも見せて、もら……?」
勇者「誰もいない、な」
勇者「(む……確かに視線を感じたが、気のせいだったか)」
勇者「(風が草を揺すっただけかもしれない。まぁ仕方ない、警戒はするに越したことはない)」
勇者「先を急ごう」
ざっ、ざっ
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 10:46:33.30 ID:+8h1OILt0
────
勇者「……よし」
勇者「(無事に城門までたどり着けた。が、これはどういうことだ)」
勇者「(城門は開かれており、守衛の姿もなく)」
勇者「(まるで、こうなることが分かっていて招かれているような……)」
勇者「(……今はそんなことを考えていても仕方ないか)」
勇者「(待っていろ、魔王)」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 10:54:34.79 ID:+8h1OILt0
勇者「(しかし、ここまで消耗戦を仕掛けられていたせいで、体力が少し厳しい)」
勇者「(やはり無用な戦いは避けて……?)」
スライム「ぴきー」
勇者「……す、スライム?」
勇者「(こんな場所にスライム? 見たところ戦闘能力もなさそうな、普通のスライムだ)」
勇者「なんでスライムが……ッ!?」ばっ
「油断はいけないぞ、油断は」
勇者「この声、貴様……!?」
??「すまないね。勝手ながら、睡眠の術を掛けさせてもらった」
??「そちらが万全な状態でないと、戦うのも億劫でね」
勇者「何、を……っ」
ばたっ
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 11:09:24.75 ID:+8h1OILt0
────
勇者「……ん」
勇者「ッ!?」がばっ
勇者「こ、ここは……?」
勇者「(柔らかい。ふかふかのベッド。しかも天蓋付き)」
勇者「(何やら、各国の職人が手がけるような、ハイセンスな調度品も散見されるが)」
勇者「俺は確か、睡眠の術を受けて……」
「おお、やっと目が覚めたかい」
勇者「!」
??「ああ、そんなに警戒しないでくれ……と言っても、ここでは無理な話か」
勇者「この施しは、お前か」
??「そうとも。先ほども言ったが、考えるにも動くにも、やはり万全でないといけない」
??「休ませるためとはいえ、あれだけの消耗戦を仕掛けたのは、少し意地が悪かったかもしれないね」
勇者「つまり、お前が……」
魔王「そう、私が君のお目当てとも言うべき、魔王だよ」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 11:16:14.01 ID:+8h1OILt0
勇者「っ、武器は……!?」
魔王「おっと、今はこちらに戦う意思はないんだ。ただ、話だけ聞いてもらいたい」
勇者「何を!」
魔王「それとも、聖なる剣を奪われた身で私に挑み、為す術なく散っていくかい」ちゃきん
勇者「せ、聖なる剣を……!」
魔王「来るべき時が来れば、その時にはきちんと返すさ……ところで」
魔王「改めまして、私は魔王。魔王国の五十四代目の王」
魔王「真っ黒い外套とこの長い黒髪のせいで、"漆黒の魔王"なんて呼ばれたりするけど、むずかゆいことだ」
勇者「……」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 11:23:39.05 ID:+8h1OILt0
魔王「それで、ここは私の城。この部屋はその一室なんだけど」
魔王「歴代の勇者には、いつもここで私の話を聞いてもらっていた。まぁ、ほとんどが徒労に終わってしまうんだが」
魔王「ある者は徒手で私に戦いを挑み散り、ある者は施しを受けたことを恥として自害した」
魔王「それからは、自害出来る手段は出来るだけ無くしたつもりだ」
勇者「……前置きはいい」
魔王「おっと、少し長かったかな」くす
勇者「(……確かに、何も勘繰ることなく見れば、こいつはただの見目麗しい、若い女だ)」
勇者「(しかし、その実は……警戒しておこう)」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 11:34:04.65 ID:+8h1OILt0
魔王「ふぅ……君は、冷静に物事を考えられるみたいでひとまず安心したよ」
魔王「私は、無用な争いはあまり好まないから」
魔王「まぁ、今の状態に落ち着くまでに多少荒事を起こしてしまったのは、一族として申し訳ないと思っているが」
勇者「……何が目的なんだ」
魔王「む、目的か。そうだね……最終的には、魔族を目の敵にするのはやめてもらいたい、かな」
魔王「旅をしてきて分かっているとは思うが、理知的な魔族だって存在するんだ」
魔王「今喋っている言葉なんか、その最たる例だと思うけどね?」
勇者「……」
魔王「……理解は得られたみたいだね。納得は別として」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 11:46:16.18 ID:+8h1OILt0
勇者「人間は魔族を退治するが、魔族も人を[
ピーーー
]だろう」
魔王「うん、確かにそうだ。肉を食らうことで生きる魔族だっている」
勇者「仲間が食われることを俺たちは良しとしない、だから魔族を退ける」
魔王「そうだね、気持ちのいいくらい正論だ。理性の無い魔族については、私の監督不行き届きのせいだ」
魔王「だけど、人間だって魔族を暮らしの足しに利用するだろう?」
勇者「……」
魔王「理性を持っているだけで、どちらも自然の一部分ということさ」
魔王「……目の敵にしないでくれと頼む割には、ずいぶんな言い草だとは思うけどね」くす
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 11:53:03.77 ID:+8h1OILt0
魔王「ま、そんなわけで、理性を持つ魔族(わたしたち)は、自分たちの管理は自分たちでしようと決めたのさ」
魔王「さっき言ってくれた通り、監督不行き届きもまだあるけれど」
勇者「自分たちで国を作ろうということか」
魔王「そういうこと。既に魔王国はあるのに、また国を作るなんて、矛盾しているけどね」
勇者「……話は分かった」
魔王「そうか、よかった……!」ぱぁ
勇者「(……やはりこいつ、見れば見るほど)」
魔王「そうだ、ちょうどもうすぐ──」
「まおうさまー、わたしですー」
魔王「おお、いいタイミングだ。いいよ、入って」
??「失礼しますー」
勇者「だ、誰だ」
魔王「ああ、ごめんね。この子も警戒しないでくれて平気だ」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 12:00:12.66 ID:+8h1OILt0
がちゃり
「お茶とお菓子、廊下に用意していますよー」
魔王「ありがとう、助かるよ」
「えへへ……」
勇者「……スライム?」
魔王「あぁ、この子は「ひえっ!?」だな……」
勇者「ひえっ!? というスライムなのか?」
魔王「あー、いや」
しゅるるるっ
「ひぃ、に、人間っ……!」ふるふる
魔王「……スライム娘は、元々はこっちの姿なんだが」
スラ娘「やっ、やっぱり怖いです……!」
勇者「魔王の陰からめっちゃ恐れられてるな」
魔王「スライムの姿にもなれるが、極度に驚いたりするとこのように素が出てね」
スラ娘「ひぃぃ……」ふるふる
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 12:03:35.97 ID:+8h1OILt0
勇者「……別に、そのままでもいいんじゃないのか。可愛いし」
スラ娘「か、かわっ」ぽっ
魔王「それはそうなんだが」
スラ娘「ふぇぇ」ぽーっ
勇者「(可愛いな)」
魔王「ま、私が単に丸こいスライムが好きというだけなんだ」
勇者「お前の趣味か」
魔王「そういうこと。そうそう、お茶とお菓子を用意しないとね」すたすた
スラ娘「あぁっ、わ、私を一人にしないでください、魔王様ぁ!」するするっ
勇者「……」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 12:13:42.05 ID:+8h1OILt0
勇者「(それから、紅茶とクッキーやケーキなどを用意された俺は、魔王とスライム娘の話に暫し付き合った)」
勇者「(何らおかしいところはなく、紅茶も洋菓子も、人間が用意するそれそのものだった)」
勇者「(どこから用意したものかは分からないが……時間はゆったりと流れた)」
勇者「(魔王はとても理知的で、話の幅も広かった)」
勇者「(そして、知性も非常に磨き上げられている)」
勇者「(まさかこれが、一夜明ければ剣を交える相手だとは思えないほどには)」
勇者「(スライム娘の方は、警戒心が強く、常に俺の方を意識していた)」
勇者「(……よく考えたら魔王、この子を囮にして俺を捕縛したのか)」
勇者「(見たところ、可愛い娘に変化する以外はただのか弱いスライムだ)」
勇者「(それだけ、自分の力に自信があるのか、それとも)」
勇者「(先の魔王の話に、妙な信頼感が生まれ始めていた)」
勇者「(そして、翌日の朝)」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 12:19:27.77 ID:+8h1OILt0
──玉座の間
がごぉん ぎぎぎっ
勇者「……」
魔王「玉座の間へようこそ、勇者」
魔王「聖なる剣は、そこに用意しておいたよ」
勇者「……」ちゃきっ
魔王「昨日の話や団欒は、最後の戦闘かもしれない勇者への餞別と、まぁ……私の趣味だ」
魔王「戦うより、ああして話をする方が幾分好きでね」
魔王「後は、君に任せるよ」
勇者「……」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 12:26:36.05 ID:+8h1OILt0
勇者「……俺は」
勇者「魔族が人間と敵対している事実を知っている」
勇者「だが、お前が話す理想と、お前という事実も知った」
勇者「一朝一夕で分かった気にはなれないから、知ったというだけだ」
勇者「……それでも、お前の話は悪くなかったし、気に入った」
魔王「勇者……」
勇者「だから」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/11(日) 12:30:44.12 ID:+8h1OILt0
勇者「俺は、お前を俺の女にしたい」
魔王「……は?」
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