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【ミリマス】春香「まさかの時のアイドル裁判!」
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1 :
◆Xz5sQ/W/66
[saga]:2017/06/08(木) 05:03:26.26 ID:qcNmfppi0
===
今、パイプ椅子に座って台本に目を通しているのは事前の準備を怠らないことで有名な北沢志保だ。
彼女は自分の台詞を確認すると、ひょいと客席に向かって顔を上げる。
その顔は一見すると無表情、しかし、よく見れば自分の仕事に誇りを持つ者に共通する、
一種のプライドを見つけることができるだろう。
最も効果的なタイミングを計り、最高の声の調子をイメージし、彼女は堂々と、
しかし慇懃無礼にはならぬように細心の注意を払って「始まります」――おっと、
説明をしている間に彼女の台詞が終わってしまった。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1496865806
2 :
◆Xz5sQ/W/66
[saga]:2017/06/08(木) 05:04:51.94 ID:qcNmfppi0
それではお話変わってここは765劇場楽屋室。……を再現した楽屋セット。
つまりは劇場にある楽屋室を舞台に再現した撮影セットで、
だから客席が志保の前にあり……そう! 劇場楽屋室なのだ。
時刻は丁度お昼の少し前――たった今、壁掛け時計が鳴りました。時刻は丁度お昼です。
席を立ち、退場する志保と入れ替わりでやって来たのは田中琴葉。
彼女は楽屋の椅子に腰かけると、お昼ご飯のお弁当を取り出した。
シンプルな絵柄の風呂敷包みをその細い指でサッと紐解き、
机の上に現れたのは劇場の売店で買ったおにぎりが三つ。
琴葉がしばし熟考し、鮭おにぎりを手に取ると同時に、
舞台中央に作られた楽屋室の扉が叩かれた。
3 :
◆Xz5sQ/W/66
[saga]:2017/06/08(木) 05:05:44.02 ID:qcNmfppi0
「どうぞ」
言って、彼女は顔を上げる。
すると扉を開いて現れたのは、大きな丼を手にした最上静香。
「大変なんです琴葉さん。劇場の粉ひきが壊れました」
「粉ひきが壊れた? ……一体全体何のこと?」
「だから、粉ひきが壊れてしまったんです。貴音さんが無茶な扱いを……」
「えぇっと、どんな風に壊れたのかしら?」
「どんな風って、至って自然に。レバーがペダルの上で曲がってます」
「粉ひき機ってあの臼でしょう? 臼にペダルなんてあったかな……」
「それでどうします? レバーがペダルの上で曲がっては、うどんの為に粉が挽けません!」
思い出そうとする琴葉に時間を与えず、
静香が空の丼を机の上に乱暴に置いて捲し立てる。
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