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曜「梨子ちゃん、怒るわけないよ」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/06(火) 23:13:23.63 ID:ILpcLu2CO
過去ss:甘くてとろける百合バス、魔王♀「食べちゃうぞー」
梨子「曜ちゃん、怒らないで聞いてね」の続き
ようりこがただただめんどくさいだけの続編です
思いつきのまま進みます
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1496758403
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/06(火) 23:18:15.54 ID:P0p17EBio
期待支援
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/06(火) 23:34:05.17 ID:ILpcLu2CO
「よ、う、ちゃ、ん、が――」
私は、海水で重くなった砂に描いた文字を読み上げる。
と、やや大きな波が近づいてきたことに気付かず、
「あ、梨子ちゃん!」
「え?」
足元から膝くらいまで、思いっきり潮水を浴びた。
「きゃあ?!」
「大丈夫!?」
「……」
靴の中が、びしょびしょだ。
しかも、先ほど砂に書いた告白用のカンペも綺麗に洗い流されてしまった。
「た、大変、ちょっと待ってタオル貸すから!」
ついてない。
曜ちゃんが自分のタオルを私に差し出した。
汗の匂い。曜ちゃんの匂いに自然と呼吸が浅くなった。
「えっと、それで梨子ちゃん何て?」
「いいの……日が悪かったみたい」
海のばかやろう。
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/06(火) 23:39:17.12 ID:tDLA4Kjvo
きたか
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/06(火) 23:57:35.23 ID:ILpcLu2CO
タオルで軽く足を拭いて、曜ちゃんに返す。
「また、今度言うから」
「分かった」
曜ちゃんが申し訳なさそうに受け取った。
勢いがないと、やっぱり告白は難しい。
「梨子ちゃん、気遣ってくれようとしたんでしょ」
曜ちゃんが言った。
全く、そんなつもりはなかった。
むしろ、曜ちゃんの傷に塩を塗るくらいのことをしようとしていたんだけど。
私が返答できない内に、曜ちゃんは自己解決してしまう。
「ありがと」
「や、その」
プルルル――。
着信が鳴った。
「あ」
曜ちゃんのカバンの中からだった。
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 00:29:11.20 ID:+OmtyB7eO
「……うそ」
曜ちゃんがスマホを取り出して固まっている。
「どうしたの?」
「パパからだ。で、出ていい?」
「いいに決まってる」
確か、夏休みとか年に数回しか帰れないって言ってたんだっけ。
電話に出た曜ちゃんの声は、1トーン上がっていた。
家族との会話は、人を少し幼く見せる。
千歌ちゃんもそうだった。曜ちゃんも例外ではなかった。
というより、一層甘えん坊に見える。
そんな一面を見れたことは心なしか嬉しい。
数分後、しかし、表情は一変した。
電話を終え、
「……同級生のお葬式だって」
と呟いた。
「そう……」
曜ちゃんは、まるで自分の事のように辛い表情でスマホをしまう。
明日、曜ちゃんの家で弔いの同窓会を開くのだと、軽く説明してくれた。
同級生、友だちの死。
まだ、私には馴染みのないワード。
『曜さーん、梨子さーん!』
一年生の声が聞こえた。
『そろそろ、帰りましょー!』
私達は振り向いた。
手を振っている。
「梨子ちゃん、そのまま帰るのはマズいし、いったん家来なよ」
私は自分の姿を見下ろした。
断る理由がなかったので、お願いします、と頭を下げた。
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 00:29:40.18 ID:+OmtyB7eO
ここまで。また明日。
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/06/07(水) 01:21:10.68 ID:RNtqpa5J0
期待
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/07(水) 23:47:52.92 ID:jTaqbxkrO
眠すぎるのでまた明日
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/07(水) 23:51:35.26 ID:PQK/inbQo
休むだけだよほんのちょっとね
眠すぎるならしかたない
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/08(木) 00:15:04.27 ID:uAfoYn6ho
物置から出てきた曜ちゃんの姿を見れば、何があったのかおおよそ察してしまってそうだけど、
デリケートなことだし、本人が言わないことを聞けないしね。本人もだけど、周囲も大変そう
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/08(木) 12:00:46.16 ID:l5/QKUUT0
善子ちゃんらと別れ、妖怪のような音を立てて私は曜ちゃんの隣を歩いていた。
「なんかさ、おもらししたみたい」
と、曜ちゃん。
「サイッテー……」
小学生か。
濡れた足を曜ちゃんのふくらはぎにすり寄せる。
「つめたっ、ちょ、やめてよっ」
逃げる曜ちゃんの後を追いかける。
「道連れよ」
「よ、妖怪おもらし梨子ちゃん……が追いかけて来るッ」
さらに聞き捨てならないことを言いながら、曜ちゃんは歩道を蛇行して私から逃げていく。
「ふふふふふ……」
「ひえ」
怯える曜ちゃんに加虐心がそそられてしまうのだけど、彼女は全く気付いていない。
結局、曜ちゃんの家まで10分くらい走って帰ってしまった。
「つ、疲れたわ」
「大丈夫?」
ほとんど平常運転な呼吸の曜ちゃんが憎らしい。
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/08(木) 12:38:23.10 ID:l5/QKUUT0
玄関でちょっと待たされて、足元にタオルを敷かれた。
「はい、ここに上がって。靴下脱いで」
「ごめんね、ありがとう」
と、片足で立とうとしたらふらついた。とっさに曜ちゃんの肩を掴む。
重心は定まらず、
「あ」
そのまま、視界が斜めに傾いて、曜ちゃんを押すようにして、
「わああ!?」
「きゃあ?!」
二人で床に倒れた。
「もお、何やってるのさ、あははは!! さっきから、梨子ちゃん、大丈夫っ……あはは!! 病み上がりで走ったりするからっ……ぷはは!!」
下敷きになった曜ちゃんが大笑いする。
私は曜ちゃんから体を離しながら、口を尖らせた。
「そんなに笑うことないじゃない!」
「だって、今日、梨子ちゃん、ついてなさすぎじゃん! あははは!!!」
それは、思った。
「もー、やだー! 曜ちゃんのせいだからね!」
「なんでさっ!」
「曜ちゃんが、めんどくさいから悪いのよっ!」
「ええっ、どういう意味っ?!」
思いっきり笑われたせいか、私はどこか吹っ切れたように言い放つ。
「うじうじうじうじして、その癖何にも言ってくれないから、私、最近睡眠不足なのよ!」
「そ、それと、梨子ちゃんの睡眠とどう関係が……ッ」
「察して」
「無理だよ!」
「……もう!」
私が睨むと、曜ちゃんの眉毛が下がった。
「あなたたち、玄関先で何遊んでるの?」
「「あ」」
曜ちゃんのお母さんが、洗濯物を運びながら私達を見下ろしていた。
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/08(木) 13:10:19.43 ID:l5/QKUUT0
曜ちゃんのお母さんにお風呂に入るよう勧められ、曜ちゃんのTシャツとジーンズを貸してもらった。
洗面所の前で髪を一つにまとめていると、なぜかそっとこちらを覗いていたおばさんが、
「いいわね。髪の長い子って。女の子って感じで」
「あ、あの」
「うちの子、お父さんのせいで男っぽい格好ばかりするのよ。髪も伸ばさないし」
「すごく似合ってますよ」
鏡越しに微笑む。
「そうなのよねえ」
ため息。
「あ、でも、曜ちゃんはすごく女の子ですよ」
「え、何々何かエピソードあるの?」
「ちょっと二人とも!」
曜ちゃんが慌てて会話を止めに来た。
「私のいない所で何してるのさ!」
「まあ、怖い」
おばさんがパタパタとキッチンの方へ避難していく。
「全く、もう。梨子ちゃん、何も言ってないよね?」
「言ってない、言ってない」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/08(木) 13:26:36.66 ID:l5/QKUUT0
「お、梨子ちゃんってそういう格好もいいね」
「そうでもあるかな」
曜ちゃんに褒められると、余計に嬉しい。
つい、鼻が高くなる。
「服ね、今、洗ってるから」
と、親指で洗濯機を指す。
自分の服を洗ってもらうのは、ちょっと気恥ずかしい。
「それまで、くつろいでって」
「うん」
リビングのソファーに二人で腰掛ける。
おばさんが紅茶を淹れてくれて、頂きものらしいクッキーを並べてくれた。
夕方のニュースを時代劇に切り替えて、紅茶をすすった。
「梨子ちゃんから、家のシャンプーの匂いがする」
曜ちゃんが私の髪に鼻を近づける。
「それは、そうでしょうね」
近い、近い。
「いい匂い」
「それは、つまり、曜ちゃんもいい匂いってことね?」
「ん? ああ、確かに」
「でも、曜ちゃんの匂い私好きよ」
「私の匂いって、汗臭いと思うんだけど」
「全然、曜ちゃん汗の匂いしないし……というか、お花みたいな匂いだし……うん」
曜ちゃんが訝しげにこちらを見やる。
「梨子ちゃん、変態?」
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