ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!」 キョン「分裂するぞ」

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173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 17:00:37.39 ID:kfLuPpoOO
分裂したキョン妹と追いかけっこ支援
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/07(月) 20:22:39.60 ID:NqWwPkAP0
お久しぶりです。お待たせしております
>>172
生存報告だけでもということで……放置気味になってすいません。
もちろん、必ず完結はさせますので、しばしのお時間を……

とりあえず、書き溜めもないので今から書けるだけ書いてきます!
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 20:43:33.92 ID:gYNGP5i40
舞ってた
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/07(月) 21:20:29.09 ID:1R6LEERY0
最近、思うんだけどさ。
HACHIMANとかいうタグ付ける奴うざくね?
八幡tueee!が嫌いとか言ってる奴、多すぎ。
「キリトの活躍奪うんじゃねえ!」
「ハチアスとかやめて!」
「上条さんの役割奪うなよ!」
「デレマスのヒロインNTRさせんな!」
これ、マジでキモいからね。
いやさ、お前らの気持ちも分かるよ?
何でも出来て、最強の八幡に嫉妬してるんだよね。お前らは葉山みたいな性格だもんね。
でも、落ち着いて考えてみろよ。
お前らが何と言おうと八幡が最強なのは誰の眼に見ても明らかんだから仕方ないじゃん。
ヒロインを奪われる〜とかさ、クソみたいなキリト、上条辺りに救われるよりも八幡に救われる方が幸せに決まってるよね。
まずは誰よりも八幡が強い事実から目をそらすなよ。それは誰の目にも明らかだろ?
それを劣っている立場の奴等が「俺達の役割を奪うなよ」っていうのは成り立たないでしょ。
いやね、作品を汚すなってのは分かるよ?
例えばキリトが総武高校に転校してきてヒロインNTRしたなら、俺もキレて潰しにかかるわww
でもさ、八幡なんだから仕方ないじゃん。
もうワガママ言うのやめろよな。
八幡が主人公なら皆が救われるんだって。
キリトも上条も士道も必要ないからね?
あんなん好きな奴等はガイジだからね?
もうさ、他作品をsageするなとかいうガイジの話なんか聞くのも飽々してるんだわ。
あのね、sageしてるんじゃないの。
八幡が最強だから、周りが雑魚に見えてしまうのは仕方ない事なんだよ。
八幡が最強なのが気持ち悪いとか言うけど、実際にその世界に八幡がいれば最強なのは間違いないんだから当たり前だよね。
ゴミみたいな作品なんて八幡に蹂躙されて然るべきなんだよ。それによって俺達の目に触れる機会も増えるんだから感謝しろよ。
以上、クソアンチ共を完全論破。全員、速やかに砕け散れよ。
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 22:43:02.72 ID:TYIWJR8Qo
乙です

待ってる
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 00:20:28.11 ID:jSuZSIR7o

無理はなさらず
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 10:30:58.01 ID:y5kvIBXEO
待ってた

生きてるだけでも嬉しい
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 12:11:53.44 ID:m+fbX2Wj0

安心した
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/25(金) 17:19:21.54 ID:ZxtBPUm70
18時から投下しますーー
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 17:26:34.85 ID:5iOeizBeo
来たか…!
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/25(金) 17:57:44.33 ID:ZxtBPUm70
とーかー
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/25(金) 18:01:46.15 ID:ZxtBPUm70

α

月曜日


キョン「よぉ」

ハルヒ「……おはよ」

キョン「どうしたよ。えらく沈んじまってるようだが?」

ハルヒ「沈んでるわけじゃないっての。ただの睡眠不足よ」

キョン「睡眠不足だぁ? おいおい、団長として自分の体調管理ぐらいきっちりやってもらわねーと困るぜ?」

ハルヒ「うっさい。分かってるわよ。くあぁ……団長は忙しいの! あんたと違ってね!!」

ハルヒ「ただでさえ忙しいのに昨の……まぁいいわ」

キョン「あん?」

ハルヒ「いーい? SOS団は今、後継者となる人材をこれでもかと言うほど欲しているの!!」

キョン「そんなにか」

ハルヒ「そんなによ!! それこそ不眠不休で地球上の全てを探して回りたいほどよ!!」

キョン「よし、ちょっくら行ってくる」ガタッ

ハルヒ「あんたの節穴の目なんて信用できないからいいわ!! スカウトするなら団長直々にしなきゃダメなの!!」

キョン「そうかよ。んで、前に作ってた新入団員へのテストとやらはできたのかよ」

ハルヒ「それを考えてるから睡眠不足になってるんじゃないの。少しは察しなさい」

キョン「あ、そ。そりゃ確かに大変そうだ。しかし団長にしかできないから手伝うこともできないな」

ハルヒ「今はいいわよ、特にやることないし。後から死ぬほどこき使ってあげるから!」

キョン・キョン「「こき使うのはこっちのキョンで頼む」」

ハルヒ「どっちよ!!!!」ガーン!!
















谷口「……やっぱりキョン増えてね??」

国木田「バカなこといってないで小テストの予習に集中しなよ。せっかく手伝ってあげてるのに」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/25(金) 18:05:41.66 ID:ZxtBPUm70

ハルヒ「ていうか、そもそも入部希望者が現れないってとこからおかしいのよね!!」スタスタ!

キョン「現団員だって全部お前が連れてきた団員だろ。団長直々のスカウトとかいう」

ハルヒ「その団員が!! この一年で積み重ねた功績を知ってなんで入部したいと思わないのかって話よ!!」

キョン「功績……功績……功績??」

ハルヒ「ゲーム!! 映画!! 節分!!」

キョン「ほとんど悪行みたいなモンじゃねえか。ゲームはまだしも」

ハルヒ「なんてこというのよ!!! どれもこれも並大抵の高校生が成し得るレベルのことではないのよ!!?」

ハルヒ「どうして今年の新入生にはそういう向上心だとか開拓精神を持ち合わせた奴がいないのかしら!?」

キョン「むしろ俺たちがキセキの世代だったんじゃ……!」コオォ!!

ハルヒ「SOS団の事業拡大のためにも有能な団員は1人でも多く欲しいってのに……もう!」

キョン「まあまあ……そう焦るなよハルヒ」

キョン「何もまだ今年の入部希望者が0人だと決まったわけじゃないだろ?」

ハルヒ「そうだけど……! まず一番初めにSOS団を訪ねてくるべきでしょ!! 北高に入ったなら!!」ドン!!

キョン「去年創部した団にそんな習わしがあるとは誰も知るまい」

ハルヒ「ん……そうよ、そうだわ!! 訪ねて! 訪ねてきてるのよ!!」

キョン「おっ?」

ハルヒ「なるほど!! 新入生には勘のいい奴がいるみたいね!!」

キョン「(お前ほど勘のいい奴はいないだろうがな)」

ハルヒ「キョン!! あたしの勘が正しければ……今!!」

ハルヒ「新入生は部室に集まっているわ!!!」バン!

キョン「だろうな。何人集まってるかは知らんが、多分いるだろう」

ハルヒ「くっくっく……確かに、あたしとしたことが早計だったわね!」

ハルヒ「普通、訪ねるべきは人ではなく団!! つまり部室を訪ねるべきだ、と!!」クワッ

キョン「そうなのか?」

ハルヒ「いい思考回路してんじゃない……! 行くわよキョン!!」ダッ!

キョン「なんでもかんでも良いように捉えるな、お前は」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/25(金) 18:08:39.84 ID:ZxtBPUm70

ハルヒ「てわけで」

ハルヒ「お待たせっっ!!!!」バンッ!

朝比奈「あっ、涼宮さん……その」

古泉「首を長くして待っていましたよ、僕たちも」

長門「……」

古泉「彼らもね」



「「「「…………」」」」



ハルヒ「うんうん!! 予想的中!!! あたしの言った通りじゃない!! キョン!!」フフン!

キョン「へーへー、そうですね」

ハルヒ「ひーふーみー……12人!! いいわねいいわね!! 結構なことじゃない!! 有望そうなのはいるかしら!」

長門「……」ピッ

ハルヒ「んっ? 有希いち押しの子がいるのね!? それは期待大だわっ!! どれどれ……っ!」

キョン(新)「コンチャー」

ハルヒ「あんたがなんでそっちにいるのよ!!?!!?!??!??」ガーン!!!

朝比奈「ふ、普通に新入生と一緒に入ってきましたけど……」

キョン「おお、お前は去年分身したときになくしちまったと思ってたやつじゃないか!」

キョン(新)「チャッス」

ハルヒ「ややこしいわ!!! 消しなさい!! 今すぐ!!」

キョン(新)「ッシャス」シュウ!



「「「「…………」」」」



朝比奈「あ、あの、新入生の方たちが……」

キョン「ドン引きしてるぞ」

ハルヒ「誰のせいよ誰の!!!!!」

古泉「皆さん、これはイリュージョンですので。どうかお気になさらず」シー
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/25(金) 18:14:04.83 ID:ZxtBPUm70

ハルヒ「あー……オホン、ゴホン! 改めまして、こんにちは!!」


「「「「……チハ」」」」」


ハルヒ「声が小さい!! もう一度!!!」

キョン「(こんにちは!!!!!!!!!!!!!!)」

ハルヒ「うるさい!!!!!! 頭の中で響かせんな!!!」グワッ!


「「「「……!?」」」」


ハルヒ「えー、まずは自己紹介ね。知ってると思うけどあたしは団長の涼宮ハルヒ!! で、そっちから団員その1、2、3、4」

キョン「焼きそばパン100人前買って来てから出直すんだな、後輩共」ゴゴゴゴゴゴ!

長門「足りない。その10倍は必要」

朝比奈「ふ、二人共! そ、そんなに新入生を怖がらせないでください!」

古泉「どうも、副団長を務めています古泉と申します」


「「「「…………」」」」


ハルヒ「とまあ、SOS団はこんな感じです!! なにか質問ある人は!!!」


「「「「…………」」」」


ハルヒ「? おかしいわね。ここに集まっているのは向上心の塊みたいな奴ばかりと思ってたのに……」

キョン「あー、じゃあ俺からも一言いいか?」ポン

ハルヒ「何か言いたいことあんの?」

キョン「えーっと、俺たちが入ってきてからの茶番を見てなお、入団希望の奴はそのままで」

ハルヒ「……?」

キョン「やっぱりやべえ集まりだと思った奴!!! 即座に回れ右して出口にGO!!!!」


「「「「!!!!」」」」ガタタタッッ!!!


ハルヒ「えええぇぇええええぇええーっ!!!?!?!?!??!??」ガガーン!
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/25(金) 18:18:03.36 ID:ZxtBPUm70

ハルヒ「あたしの……あたしの優秀な団員候補たちが……」ズーン

キョン「まあまあ、遊び半分で来られても困るだろ? これは選別だよ選別。SOS団に相応しいかどうかの」

ハルヒ「残ったのは……?」

キョン(新)「チッス」

ハルヒ「なんでまだいるのよっっ!!!」ドゴッッ!!!

キョン(新)「ぐはぁぁあああああ!!!!」シュゥウウゥ!!

古泉「みんな帰ってしまいましたね」

ハルヒ「ああぁぁあぁぁああ……」

朝比奈「す、涼宮さん元気出して……!」

キョン「ま、妥当だろ。あんな中坊もどきにSOS団でやっていけるとは思えん」

古泉「中坊もどきとは……」

ハルヒ「うぅー……どうしてくれるのよキョン!! せっかくSOS団存続のための後釜が見つかったと思ったのに!!」

ハルヒ「このままSOS団がなくなっちゃってもいいの!!!?」

キョン「嗚呼、盛者必衰の理をあらわす」シミジミ

ハルヒ「うるさい!!!!」ゴンッ!

朝比奈「でも、わたしも残念です……かわいい新入生が入ってくれると思ってたのに」

古泉「そうですね。僕も遊戯に興じる同志を期待してはいましたが……」

キョン「……やれやれ、みんな何言ってんだよ? 新入生ならまだ1人残ってるぜ?」

ハルヒ「キョン……いい加減にしないと二度と分身出来ない体にしてやるわよ?」ゴゴゴ!!

キョン「どんな脅しだ……おい、扉の前にいる新入生、入ってこいよ」

朝比奈「えっ?」

ハルヒ「ウソ! 本当に??」






ガチャ













「失礼します!」










189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/25(金) 18:22:27.51 ID:ZxtBPUm70

ハルヒ「来た!? 残ってた!? どっちにしろいた! いたわよ!! 新入生!! 絶対に逃がしちゃダメよ!!」

キョン「古泉!! 縄!! 手錠!! 網に結束バンド持って来い!!」

古泉「一目散に逃げだしたくなりますよ!!」

朝比奈「あっ……あなたさっきもいた子……」

「はい! 先ほどのゴタゴタの際、巻き込まれてあたしも退出してしまったのです!」

「再度入室するのもどうかと思い、先輩方が退出してくるのを待っていようと思ったのですが……」

「さすがは鋭敏な先輩っ!!! あたしの存在に気付き入室するよう促していただけるとは!!」

ハルヒ「……でしょ?」フフン

キョン「なんでお前の手柄みたいになってんだよ。別にいいけどよ」

ハルヒ「まあまあ、いいわ。あなた、中々見ごたえあるわよ。SOS団に適応できるかもしれないわ」

「ホントですか!!? うれしいなぁ!!」

朝比奈「……かわいい」ソワソワ

ハルヒ「じゃ……自己紹介してもらおうかしらねっ! あなた、名前はっ」

「はい! あたしは―――!」























ヤスミ「あたしは渡橋ヤスミと申します! できればカタカナで発音されると嬉しいです!」




















190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/25(金) 18:26:37.33 ID:ZxtBPUm70

ハルヒ「ヤスミちゃんね! カタカナで発音……オッケー! みんな分かった?」

朝比奈「ヤスミちゃん……ヤスミチャン!」

古泉「それはカタコトで発音しているような……」

ヤスミ「あっ! できればお一人ずつご挨拶させていただいてもよろしいでしょうか!?」

ハルヒ「いいわよ! 晴れてあなたもSOS団入部希望者第一号になったわけだしねっ! 改めてこっちも紹介しようかしらっ!」

ハルヒ「ではあたしから。団長の涼宮ハルヒです! SOS団を選んだヤスミちゃん、あなたには幸福が訪れるわっ!!」

キョン「宗教のうたい文句やめろ」

ヤスミ「言わばあたしの上司にあらせられるお方っ! 不束者ですがよろしくお願いしますっ!」ペコッ!

古泉「では、次は僕で。どうも、副団長の古泉一樹と申します。ヤスミさんとお呼びしてもよろしいでしょうか?」

ヤスミ「バッッッッチリな発音です! さっすが副団長!! ご教授、ご鞭撻の程をお願いします!」

朝比奈「あ、あのっ! わたしは朝比奈みくるです。えっと、わたしだけ3年生で、あっでも一番頼りはなくてそのっ……!」

ヤスミ「道理で気品があって落ち着いた雰囲気だったのですね!! あたしの理想を体現したようなお方ですねっ!」

朝比奈「……キョンくん」

キョン「はい」

朝比奈「この子……すごくいい子っ!!」

キョン「はぁ……」

長門「長門有希」

ヤスミ「これはこれはっ! 明鏡止水の如く、凡人では辿り着けない境地から出るオーラ……もはや言葉では表せない何かを感じますっ!!」

ハルヒ「やはり……ッ! 有希のポテンシャルを見抜くとはやるわねこの子ッ!!」クワッ

キョン「あー……キョンだ、よろしく」

ヤスミ「!」

ヤスミ「フフ、存じておりますっ!! よろしくお願いしますね、先輩っ!」ニコッ

ハルヒ「えっ? 知り合いだったの、二人?」

キョン・ヤスミ「「まさかまさか」」

キョン「ぐっ」

ヤスミ「♪〜」

ハルヒ「息ぴったりじゃないの」

長門「……」

古泉「ふむ……」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/25(金) 18:27:50.57 ID:ZxtBPUm70
ここまでーー
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 20:16:59.96 ID:PDE1XGmKO
気になるな
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/25(金) 20:56:08.26 ID:J/ehSTUGo
乙です
キョンの分身ネタが鉄板で面白い
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 07:43:03.69 ID:zcgUL03/o
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/26(土) 19:40:00.33 ID:phj80ZVVo

ヤスミのキャラいいな
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/27(日) 11:42:00.96 ID:ynN/r7Y/0

舞ってた
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 01:55:16.86 ID:54HkigsI0
原作では新人てアナグラムだっけか
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 01:59:32.64 ID:HO9Souo6O
犯人はヤスミ
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 05:07:52.19 ID:FKvtSn3E0
泰水(ヤスミまたはヤスミズ)の水を別の字に変えるのも確かそう
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 19:22:12.94 ID:8Zv3hfXh0
今日中には投下しますー
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 22:12:44.86 ID:lqoeoqReO
よかろう(待ってる)
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 23:13:29.89 ID:8Zv3hfXh0
投下してきますー
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 23:16:56.21 ID:8Zv3hfXh0

α


ハルヒ「…………ま、いいわ。あんたらの仲はおいおい聞くとして」

キョン「初対面だっての」

ヤスミ「ですですっ!」

長門「……」

ハルヒ「ヤスミちゃん! まずはこのアンケート用紙に記入して! それと、まだ入団試験は始まっていないことを肝に銘じておきなさい!」

ヤスミ「御意に!! 心得ております!!」

朝比奈「す、涼宮さぁん……新入団員候補はヤスミちゃんしかいないんだし、試験は無しでも……」

ハルヒ「黙らっしゃい!!!」ピッシャーン!!

朝比奈「ひえぇえぇっっ!!!!」

ハルヒ「みくるちゃん! その発言は高尚なSOS団の入団試験に対する侮辱の発言と捉えるわよ!!」

朝比奈「あ、あわわ……す、すいません!」

キョン「神聖にして不可侵の象徴たる団長様よ、その入団試験の内容は決まったのか?」

ハルヒ「これから考えるの!!! 候補者が一人に絞られたことによって、より細密な試験が可能になったから!」

キョン「選考基準ぐらい教えろよ」

ハルヒ「何をトンチンカンなことを言ってるのよキョン!」

ハルヒ「ここはSOS団よ!? いかに自分が平々凡々の一般人とは違うかを上手くアピールできたら高得点に決まってるじゃない!」

キョン「手からメロンソーダが……」ジョワワァ

ハルヒ「20点!!」ビシッ!!

古泉・朝比奈「「(意外と厳しいっっ!!?!??)」」

キョン「長門が笑ってる」ピッ

ハルヒ・朝比奈・古泉「「「!!?!?!?」」」ビクッッッ!!

長門「……ドッキリ」

ハルヒ「〜っ、危ない危ない……いきなり100点満点を出しちゃうとこだったじゃないの!!」モー!

古泉「基準って……」
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 23:20:46.88 ID:8Zv3hfXh0

ヤスミ「……むー」カキカキ

ハルヒ「あらあなた、洒落た髪留ね。笹の葉かしら? そんな形してるわね」チョンチョン

ヤスミ「あっ、これですか? これはこの前のフリマで買ったのです!! 一目惚れです! LOVERです!!」

ハルヒ「あら、あなたも行ってたのね。あたしたちも皆で行ったのよ、フリマ。ねぇみんな」

古泉「ええ。次回に備えて下見も兼ねた備品収集でした」

ヤスミ「はわわっ! ニアミスしてたのですか!! あーもったいない!!」

朝比奈「うふふ、ヤスミちゃんによぉく似合ってますよー」

ヤスミ「わたしもこれすっごく気に入ってるんですよ!! 最近買ったのだけど、もうずっと昔から馴染んでるみたいな!」

キョン「……」

ヤスミ「あっ、先輩はどう思います!? この髪留め!! 似合ってますか?」

キョン「……にあ―――」

ヤスミ「そんな褒めなくてもー!! いやぁ照れちゃいますよー!! 先輩ったらぁ!!」キャッキャ!

キョン「……古泉ってこんな気持ちだったのか」

古泉「(なにゆえ今僕の気持ちを理解したのでしょう……)」

ヤスミ「はいっ! 書けました!! ご覧いただいてよろしいですかっ!」

ハルヒ「オッケー! 確かに受け取ったわ!! それじゃヤスミちゃん、今日はもう帰っていいわ」

ヤスミ「そうなんですか!? 火を噴くドラゴン退治の試験とかは……」

朝比奈「ないない、いないいない。いないでしょぉ? ヤスミちゃん??」

ハルヒ「……なるほど」

朝比奈「なるほどらないでください!!! お願いですからぁああ!!」ウワァアン!

ハルヒ「とりあえず、試験の内容は当日まで伏せておくことにするわ! 試験日がいつなのかも不明!!」

キョン「考えてないだけだろ」

ハルヒ「だからヤスミちゃん! 来れる日は毎日ここに来ること!! いいわね?」

ヤスミ「承知いたしました!! それでは、先輩方。お先に失礼します! ではっ!」

朝比奈「……かわいらしい子ですねぇ」

ハルヒ「十分に素質を備えた子であることは確かだわ!!」

古泉「……ふふ」

キョン「何笑ってんだ。気持ち悪い」

長門「……」ペラ
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 23:26:05.69 ID:8Zv3hfXh0

ハルヒ「さて! そうと決まったら一日でも早く試験を実施しなくっちゃね!! と、その前にアンケートを読まなきゃ……」

朝比奈「あ、あたしも見てみたいです」ソソッ

ハルヒ「口外禁止だからねっ! 情報を抜き取られないように気をつけるのよっ!!」

朝比奈「は、はい!」

古泉「では僕たちは……たまには体を使った運動でもしますか」

キョン「…………」ゴクリ

古泉「……意味深な目を向けるのは控えてください。中庭でキャッチボールでもしましょうか」

キョン「しかたねーな。じゃお前ボールな」

古泉「えぇ……」

長門「……」ペラ

ハルヒ「ふむふむ……」ジィ

朝比奈「へぇ……」ジィ




















キョン「何が?」ビュン!

古泉「彼女ですよ。渡橋ヤスミと名乗った少女」パシィ!

キョン「あいつがどうかしたのか?」

古泉「どうもこうも。わざわざあなたに言うまでもないことでしょうが」

古泉「彼女はこの学校の、新入生では、ないっ……ですね」ビュッ!!

キョン「それがどうしたってんだ」パシッ!

古泉「いやぁ、あなたにとっては些末なことかもしれませんが……これはちょっとしたミステリーですよ」

キョン「言うほどでもないだろう。例えあいつの素性が分からなかろうが、予想を立てようが―――」

キョン「ハルヒにとってあいつは、SOS団の入団候補生としか見てねえみたいだしよ」

キョン「魔球『切り裂きムービング』いくぞー」グルグル

古泉「予告殺人は勘弁してください」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 23:31:39.72 ID:8Zv3hfXh0

古泉「先日、あなたの言っていた『未来のSOS団』というのは彼女のことですか?」

キョン「さあな。何を視てそんなこと言ったかなんて忘れたよ」

古泉「彼女が何者であるのか。またその正体によっては僕たちにとって女神になるのか」ビュン!

キョン「……」パシィ

古泉「あなたの仰った通り……橘京子ら敵勢力はまたまた、消息を絶ちました」

古泉「と、思えばこうして渡橋ヤスミなる少女が出現した―――」

キョン「よっ」ビュン!!

古泉「―――これは単なる偶ぜぶふぁっっ!!?!?」ゴシャァア!!

キョン「目瞑ると危ないぞー。ボールから目を逸らすなー」

古泉「ぐふ……もう少し僕の話を聞いて欲しかったんですがね」ゲホッ

キョン「ん」ピッ

古泉「?」クルッ

ハルヒ「キョーン! 古泉くーん! あたし帰るから今日はもう自由かいさーん!! 今みくるちゃん着替えてるから覗いちゃダメよー!!!」ダダダッ!

古泉「……足を止めることなく彼方に消えていきましたね」

キョン「俺らも戻るぞ。あまり待たせるのも悪いからな」

古泉「……承知しました。話はそれからという訳ですね」ニコニコ

キョン「まず鼻血を拭けよ」

古泉「これは失礼しました」

キョン「それと、ヤスミのことはそんなに詮索しなくていい」

古泉「何故です?」

キョン「放っておいても問題ないからだ。それにあいつが何者かなんてすぐわかるさ」

古泉「……あなたが言うなら、そうなんでしょうね。分かりました、信用させていただきますよ」

キョン「ありがとさん、っと」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 23:34:25.70 ID:8Zv3hfXh0

キョン「朝比奈さーん、入っていいですか?」コンコン

朝比奈「あっ、はぁい。もういいですよ」

キョン「では」シュン!

朝比奈「わっ!?」

古泉「ドアを開ける手間を惜しまないでください」ガチャ

長門「…………」ジッ

キョン「分かってる分かってる、そう見てくれるな長門よ」

朝比奈「へ?」

古泉「渡は、おっと、ヤスミさんのことですよ」

朝比奈「ヤスミちゃんがどうかしたんですか?」

キョン「いえいえ、どうもしませんよ。やつはただの新入生です」

長門「…………」ジィ

キョン「……オホン、それよりも」

キョン「古泉が俺たちに話したいことがあるそうです」

古泉「えっ? 僕が、ですか?」

朝比奈「古泉くんが?」

キョン「ほら、あるだろ? あれだ、アレ」

長門「あの時の」

古泉「ちょ、ちょっと待ってください。思い当たる記憶が……」

キョン「じゃあ、もうなんでもいいからとりあえず謝っとけ!」

古泉「なぜっ!!?」ガーン!
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 23:38:59.03 ID:8Zv3hfXh0

朝比奈「お茶です」コト

古泉「どうも、朝比奈さん。それで、今一度お聞きしたいのですが、僕が話すべきことというのは……」

キョン「橘京子のことだよ。お茶がうまい」ズズ

古泉「橘京子の…………ああ、そういうことですか」

朝比奈「何か新しく分かったことがあるんですか?」

古泉「いや、新情報と言うほど、大したものじゃありませんよ」

古泉「ただ、僕と橘京子が幼なじみであったということを話せ、と彼は言っているんですよ」

キョン「…………」

朝比奈「えっ!? お、幼なじみ……ですか? それは、その超能力者になる前、から?」

古泉「ええ、ずっと前ですよ。涼宮さんも超能力も関係ない、ただの仲の良い幼なじみです」

古泉「互いに超能力者となり、敵対といった形をとるまではね」

キョン「……」ズズ

長門「……」

朝比奈「……」

古泉「彼女が涼宮さんとは別に信奉している対象がいたことは知っていました」

古泉「しかし、その存在がどこにいるのかまでは彼女自身把握できていなかった……ですが」

古泉「ようやく、彼女は『佐々木』さんという涼宮さんにとって代わる『器』を見つけた、というわけですね」

古泉「僕が知る限りでは、つい1年程前まで、彼女は自身が信奉する対象すら見つけられていなかったようですから」

古泉「よもやそれがあなたの友人であり、『佐々木』さんであったとは……天文学的な確率と言ってもいいでしょう」

キョン「……」

古泉「それとも、むしろこれは必然と言うべきか……」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 23:43:26.87 ID:8Zv3hfXh0

古泉「彼女とは……ええ。実は旧知の仲であり、僕の認識が間違っていなければ」

古泉「幼なじみであり、親友……といっても違わない関係であったと、記憶しています」

朝比奈「古泉くん……」

古泉「あなたと佐々木さんほどに歴史はありませんが……まぁそれ相応の覚悟で僕と彼女は今の立場にいます」

キョン「……」

古泉「節分の日だったでしょうか? あなたは親友に避けられているならば誰でも落ち込む、と仰られましたが」

古泉「その通りです。最も親しい友人と壊滅的なまでの価値観の相違があるというのは……」

古泉「親友と言う関係性を保つには致命的な欠陥です」

長門「……」

古泉「ですが、互いに互いの思想を理解するつもりはありません。そんな段階はとうに過ぎました」

古泉「僕は涼宮さんを、彼女は彼女で佐々木さんを『本物』だと信じて疑わない」

古泉「二度と、分かり合えることはない……そう確信していますよ」

朝比奈「そんな……」

古泉「……なぜ、このようなことを今話させたのですか? そんな必要は……」

キョン「そんな話をしろと言った覚えはない!!!!!」バァーーン!!!!

古泉・朝比奈「「ええぇぇええええぇえええぇぇえぇえええ!!!!?!?!?」」ガーン!!

長門「確かに」

キョン「何を長ったらしく語ってやがんだ!!! そんな事実俺は知らんぞ!!」プンプン!

古泉「えぇ……口を挟まず聞いていたじゃないですか……」

キョン「お前が急にシリアスな顔するからツッコミづらかったんだよ!!! 察せ!!!」

朝比奈「えぇ……」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/07(木) 23:44:50.48 ID:8Zv3hfXh0
キリは良くないですがここまでー!!
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 00:06:33.27 ID:25A0QqA8o
おおう気になる
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 00:31:20.54 ID:nlj3VK1LO
相変わらず古泉が不憫wwww
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 03:56:04.97 ID:I+g1BRHdO
だからこそ古泉が輝くって言うのまでがワンセット
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 18:42:57.48 ID:dUerunGiO
輝く古泉たーまやー!!乙乙
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 21:16:27.68 ID:EqbtL839o
乙です
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 21:31:07.58 ID:T73a6SxrO
>>214
それ違う輝きや!
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 12:30:08.08 ID:0kSgh2KlO
俺以外まだ見てる人いたんだ(笑)
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 14:49:58.23 ID:oRB3qFNEO
>>217
俺はお前でお前は俺だから見てるのは「俺」だけだよ
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 20:15:05.12 ID:lSm3OCrFo
>>218
我は影・・・真なる我で
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/12(火) 02:54:26.14 ID:+7jdxpZCO
>>219
くさい
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/12(火) 03:06:31.76 ID:LjyUo3olO
>>220
こんなスレで何を言ってんだか
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/14(木) 04:13:26.22 ID:6w7mYj0KO
>>221
こんなスレ言うならなぜいるのか
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/15(金) 08:57:56.33 ID:37Cnhkoqo
そこまで悪い意味で言ってないと思う
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/15(金) 09:18:21.77 ID:6BUVJhUro
どんなレスにでも噛みつきたいお年ごろなんでしょ
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/15(金) 13:12:13.21 ID:XrCvKEiWO
ただの疑問を口にしてるだけにしか見えないが…
どんなレスにも噛み付きたい年頃なのかな?
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/15(金) 18:40:07.46 ID:JJi5DZGd0
ここまで俺の自演
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/17(日) 22:20:10.12 ID:in1wDFG/0
ここからも俺の自演
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 22:40:44.93 ID:w3T3eC38o
>>227
うるせぇsageろks
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:00:57.69 ID:vlERjAqH0
自演だらけでも続けます。続けさせてください!
近々投下します。正確には10月初週頃だと思います。
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 23:57:10.37 ID:1T9tDQVLo
了解
正座待機
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 00:01:12.27 ID:Y6yyG0PDO
仕方ない裸待機してる
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/02(月) 23:25:14.78 ID:15rLABdP0
お ま た せ

12時過ぎより投下します
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:04:05.48 ID:kNAIfGEO0
とうかー
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:05:56.47 ID:kNAIfGEO0

α


キョン「とまあ、古泉が勝手に内情を暴露したところで……」

古泉「ほとんどあなたの誘導じゃないですか」

キョン「こんな風に、ここにいる皆がそれぞれ事情を持ち合わせていると思う」キリッ

朝比奈「(あ、シリアスの時の顔だ……)」ゴクリ

キョン「(かっこいいですか?)」キリリッ

朝比奈「(かっこ……)」

朝比奈「話を続けてください!!!」

古泉「(また脳内で会話してましたね……)」

キョン「すいません。で、その各々の持つ責任、任務、役割を全うするためには……」

朝比奈「全うするためには……?」ゴクリ

キョン「『こっち』でできることは特にない!!」バン!!

朝比奈「えええぇっ!? また!? って、こっち……?」

古泉「こっち、とはどういう意味でしょう? 何かの比喩ですか?」

長門「…………時空改変」

朝比奈「え! そ、それって……!」

キョン「んー……少し違うかもな。俺にも正確には分からんし確証もないが」

長門「もっと……大規模なもの?」

キョン「かもな。もしかしたらこのまま何もなかったかのように全てが終わるのかもしれん」

古泉「……もしかしなければ?」

キョン「そりゃあ……決着をつけなきゃならんだろうよ」

キョン「それぞれの、因縁にな」
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:11:25.15 ID:kNAIfGEO0

β


















キョン「――――――――――――」

キョン「―――」

キョン「(ここは……どこだ?)」

キョン「(なにがどうなって……あぁ、なるほど。そういうことか)」

キョン「(時空間の狭間……ここは世界と世界の境界か)」

キョン「(どうやら俺の思惑通り、俺と力と佐々木の『力』は消滅したみたいだな)」

キョン「(んで、佐々木の思惑通り、俺はもとの時空間からこんなトコに飛ばされちまった)」

キョン「(俺がこうなったとなると、あいつはどうなったんだ……? 悪いな、勝手な真似してよ)」

キョン「(……こりゃ俺の負けかね。ったく……お前が相手だといつもうまくいかねえな)」

キョン「(お前があの時空間にいる限り、あいつらはまだなんとでもなるんだろう)」

キョン「(俺も、お前ごとあの空間から消しちまえばよかったかな……)」

キョン「(…………できっこねぇか)」

キョン「――――――」

キョン「(悪いな。長門、古泉、朝比奈さん……ハルヒ)」

キョン「(厄介ごとは全部そっちに残っちまったみたいだ。申し訳ねぇ)」

キョン「(力を失った俺が、そっちの世界へ帰る術もない)」

キョン「(ここで……こんなところで……終わり、か)」

キョン「――――――」

キョン「――――――」

キョン「(はは……体は動かねぇ、声も出ねぇ……万事休す、か)」

キョン「―――」

キョン「(…………ちくしょう)」
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:18:11.16 ID:kNAIfGEO0

ハルヒ「―――あれ? キョン? どこ行ったのよ? ちょっと……キョン!?」

佐々木「…………」ヨロッ

橘「さささ、ささっ、佐々木さん!! だ、大丈夫ですか!?」ワタワタ

佐々木「……上手くはいったが、どうやら僕は負けたみたいだね」フゥ

藤原「アンタ……ッ! 力が……!!」

佐々木「キョンの狙い通りと言ったところか……互いの力の消失。くつくつ、まさか叶うとは。さすがはキョン、見事だ」

古泉「彼の……っ!?」

橘「さ、ささ、佐々木さん!!?」

周防「……―――は」

佐々木「心配ないよ。一先ずは……最低限の成功は得た」

ハルヒ「せ、成功? なに言って……いつものキョンの冗談じゃ……」

佐々木「彼がこの場にいてはあらゆる障害になりかねないからね」

古泉「(僕たちなど……歯牙にもかけないという訳ですか……っ!)」

佐々木「ふむ……なるほど、段階的に消失していくんだね。なら、最後の力を振り絞ってみよう」

橘「え?」

佐々木「では、キョンのご友人の皆さま」スッ

古泉・朝比奈「「「っ!!?!?」」」

ハルヒ「なに? なんなの? わっ―――!」

長門「下がっ――――――」グイッ!


















佐々木「キミたちも、自分を見つめ直してくるといい―――」パチン!


















古泉「ッ――――――!?」シュッ!!

朝比奈「やっ―――!!」シュッ!!

長門「――――――」バッ!
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:22:17.25 ID:kNAIfGEO0

古泉「―――っ!」

古泉「涼宮さん! 長門さん! 朝比奈さ……いない」

古泉「(それぞれ別の場所へ転移させられた、か)」

古泉「(皆さんの安否が気になりますが、まずは現状把握を……)」

古泉「ここは……この感じは」

古泉「閉鎖、空間……?」

古泉「(通常の閉鎖空間ではなく、冬合宿の際に起こったあの閉鎖空間に似ている……)」

古泉「(見渡す限りの闇……陰鬱とした空気……存在せぬ神人)」

古泉「……」ボッ!

古泉「(幸いにも、能力は使えるようですね……ならば)」


ムダダ


古泉「……っ!? 誰です!」バッ!

古泉「(……どこから声が?)」


古泉一樹、オ前ハ此処デ死ヌ


古泉「…………」

古泉「面白い冗談ですね。ええ、臨死体験なら何度も経験していますよ」
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:26:55.36 ID:kNAIfGEO0

オマエノ考エテテイルコトハ無意味ダ
此処カラハ出ルコトハデキヌ


古泉「…………どうやら」

古泉「あなたがこのフロアのボスのようですね」

古泉「おそらくは、この空間脱出のキーを握っている」


コノ空間ハ生キテ出ルコトハデキヌ
オ前は此処デ死二、混沌ニ飲ミコマレルノダ


古泉「……痛々しいセリフだ。そんな言葉を鵜呑みにする前に、あなたを探し出し、倒させていただきますよ」

古泉「一刻も早く、元の世界へ帰らねばならないのでね」ボッ!


無駄ナ足掻キダト直二分カルダロウ


古泉「はぁっ!!」ドォン! ドォン!!


此処ハ闇、誰シモガ訪レ死ンデイク


古泉「おおおぉぉっっ!!!」ドン! ドォオン!!


古泉一樹、オ前ハオ前自身ニヨッテ―――死ヌノダ


古泉「っ、恥ずかしい痛々しいセリフをどうも!!」バァン! ボオォッ!


―――後悔シロ
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:32:35.58 ID:kNAIfGEO0

朝比奈「―――!」

朝比奈「涼宮さん! 長門さん! 古泉くん! キョ……ンくんも……」

朝比奈「いない……ここは……公園?」

朝比奈「駅前からどこかに飛ばされた……?? 佐々木さんが……みんなを……」

朝比奈「……大丈夫、大丈夫だから。きっと、みんな無事だわ。どこへ飛ばされたって、絶対元の世界へ戻ってくる。SOS団に帰ってくる!」

朝比奈「わたしも、元の世界へ帰る方法を……あれ?」

朝比奈「なんだかここ、とても見覚えのある……」



アハハハハ! マテー!



朝比奈「子供が遊んでる……あれ? なんだろう……違和感が……!」

朝比奈「…………あぁ、そっか」

朝比奈「見覚えあって当然……違和感があるのも……久しぶりだからかな」

朝比奈「(ここは―――)」


















朝比奈「―――未来、だわ。私の元いた時間」

朝比奈「私の―――生まれ育った時間」

















240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:37:49.89 ID:kNAIfGEO0

朝比奈「(佐々木さんはこんなことまで……でも、どうして?)」

朝比奈「どうして私を未来、それもよく知っている場所に送ったの……?」

朝比奈「時空間座標が分かれば元いた場所に……あぁ」

朝比奈「TPDDは使えない……ようにされてる。当たり前、かぁ……」

朝比奈「他の方法は…………ない、こともないけど……」ウーン

朝比奈「まずは……『ハカセ』のところ訪ねてみようかな」

朝比奈「もしかしたらTPDDを使えるようにしてもらえるかも知れないし……」

朝比奈「うん、そうしよう。急いで行か―――あ」


「グスッ……ウゥ……」


朝比奈「な、泣いてる子が……ど、どうしよう。急いでるけど……」オロオロ

朝比奈「うー……! 放っておけません! ごめんなさいみんな、ちょっとだけ送れます!」ダッ!

朝比奈「あ、あの! だいじょう……!!?!??」

「グスッ……?」

朝比奈「あ、あ……え、っと……あの……その」ドキドキ

朝比奈「(やっちゃった!! あーでも……うーん……バレてないし、大丈夫、よね)」

「……」

朝比奈「(もう話しかけちゃったし……緊急事態だし……仕方ない、わ)」

朝比奈「あの、どうして泣いているの?」

「…………」

朝比奈「……あー、一つ聞いていいかな?」


















朝比奈「あなた……お名前は?」

みくる「……みくる。朝比奈みくる」

















241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:43:12.04 ID:kNAIfGEO0

ハルヒ「―――――!? ちょ、ちょっと!! みんな!!?」

ハルヒ「有希!! みくるちゃん!? 古泉くん!? キョン!!!」

佐々木「ご友人はこの場から、いえ、この世界から消えていただきました」

ハルヒ「何を……っ! キョン! 早く出てきて説明しなさい!! ドッキリはここまででいいわ!」

佐々木「やれやれ。まだこの異常事態を認めていただけないみたいね」

ハルヒ「っ、こっちはこんなの慣れっこなのよ! 異常だって? こんなのただの日常よ!!」

佐々木「それはそれは。退屈しない日々を堪能されているようでなによりです。さて涼宮さん」

佐々木「わたしたちと一緒に来ていただきます。場所は北高。あなたたちの部室です」

ハルヒ「誰に断ってSOS団の部室なんて言ってるのかしら!?? 言っとくけどね―――!」

佐々木「九曜さん」

周防「―――」スッ

ハルヒ「な、なによ―――わっ!」グイッ

藤原・橘「「っ!!?!?」」

佐々木「……へぇ」

周防「―――危険性―――上昇」


















長門「……渡さない」ザッ!

ハルヒ「―――有希!! どこ行ってたのよ! もう!」ギュウゥ!
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:47:44.75 ID:kNAIfGEO0

佐々木「さすがは長門さん。あの程度の『力』ではまるで意に介さない、と」

周防「―――」

長門「逃げて。彼らはあなたが狙い」

ハルヒ「に、逃げてって……できるわけ……あたし、が狙い?」

長門「エマージェンシーモード。こうなる可能性は限りなく低い予想だった。誤算」

ハルヒ「なにが、なんだか……ねぇ有希、少し説明を―――」

長門「わたしの家の方へ向かって。そこに朝倉涼子がいる」

ハルヒ「朝倉さん? なんで? どうして?」

長門「早く」

周防「―――遅い」



グォオオオオォオオオオォオン!!!



ハルヒ「わっ! なにこれ!? と、閉じ込め……どんなトリック!!?」

橘「極彩色の空間……これは、九曜さん?」

周防「既に―――制御下―――逃がさないわ」

長門「……迂闊」

佐々木「手際が良いね。助かるよ。今の僕は凡夫同然だからね」

藤原「九曜、僕たちは先に行く。長門有希はお前に任せる」

周防「―――分かった」

ハルヒ「あんたらねぇ!! 有希に手ぇだしたらただで済まさな―――」

長門「必ず―――」ギュッ

ハルヒ「―――えっ?」
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:52:50.32 ID:kNAIfGEO0












長門「必ず助ける。みんなで。だから、少し待ってて」

ハルヒ「有――――――」












ハルヒ「―――希?」パッ

ハルヒ「えっ? あれ? また!? どこ行ったの有希!? って、駅前に戻ってる……」

佐々木「長門さんは九曜さんに少し用があるみたい。さあ涼宮さん一緒に―――」

ハルヒ「信じるかぁ!! 動かないわよ!!! 有希を返すまで!!! って大声出してもいいのよ!?」ガルル!

橘「そ、そんな誘拐とかじゃ……どうします? 佐々木さん」

佐々木「弱ったねぇ。あまりこの場にい続けるといつ朝倉さんが来てもおかしくないね」

藤原「おい」スッ

ハルヒ「なによ! 誰に向かっておいだなんて―――あっ!」フラッ

藤原「これでいい。行くぞ」ググッ

橘「えっ、えっ? ま、まさか……死」

藤原「馬鹿か。眠っているだけだ。TPDDの応用でこれくらい……」

佐々木「それはいいんだけど藤原くん。お姫様だっこというのは些か注目を浴びすぎると僕は思うんだがね」

橘「い、意外にロマンチック……」

藤原「どうしろと……ふん。ならおぶればいいんだろう」ヒョイ

佐々木「あぁ、そっちの方がまだマシだろう。難関としては北高までの坂をどう登るかぐらいだね」

橘「藤原さんファイト!」グッ!

藤原「タクシーを呼べ!! 無駄な時間と体力を使ってられるか!」

橘「わわわっ! 言われてみれば! す、すぐ呼んできます!」タッタッタ!
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:56:47.84 ID:kNAIfGEO0

藤原「……」

佐々木「さてさて、多少の誤差はあったものの、概ね順調といったところだね」

藤原「……失われた『力』は戻るのか?」

佐々木「戻さなければならない、だろう? 問題ないよ。尤も還元されつつあるのは彼女の方に、だけどね」

藤原「なに?」

ハルヒ「―――ん」

橘「お二人共ー! タクシー捕まえましたよー!! 早く―!」

佐々木「じゃ、行こうか。始まりの地と言っても過言ではない―――北高へ」












周防「―――さあ―――どうする? 壊れるまで―――遊ぼうかしら?」

長門「そんな時間はない」

周防「時間―――? 統合思念体は―――時間を超越した存在―――ではなかったのかしら?」

長門「統合思念体は関係ない。わたし個人の問題」

周防「―――個人?」

長門「…………」

長門「SOS団団員としてのわたしの問題」

周防「―――は……はは―――ばかみたいだわ」

周防「はは……インターフェースの癖に……あは……なに、それ?」

長門「……あなたには分からない」ダッ!!

周防「ええ……分かりたくもないわ」ゴオォッ!!
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 00:58:00.39 ID:kNAIfGEO0
ここまでー
ようやくβ投下できましたー
読みづらいかもしれませんがご容赦ください
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/03(火) 01:50:25.01 ID:WuS8mdKOo
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/03(火) 08:04:19.95 ID:M3rorRsEo
乙!
かつてないシリアス
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/03(火) 11:35:50.87 ID:p9CkDPtNo
ここの周防は意味のある言葉喋ってる時が多いな
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 17:06:00.11 ID:kNAIfGEO0
ちょっと頑張って今日も投下しますー
もう少しで終わらせそうなのでー
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/03(火) 19:29:06.79 ID:pjlEeq4Bo
やったー!
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/03(火) 20:36:08.31 ID:1jhgKkL1o
よかろう
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/03(火) 23:58:54.31 ID:kNAIfGEO0
間に合ったー。投下しますー
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/04(水) 00:04:23.39 ID:KRTuMJrq0

α


キョン「なんだよ?」

ハルヒ「いやだから、確かにあたしは言ったわよ? “来れる日は”毎日来ること、って」

ハルヒ「あれから一度も来てないけど!!? もう五日経っちゃうじゃない!!!」ドーン!

キョン「逃げられたな」ハハハ

ハルヒ「笑えないわよ!!? ああ、もうなんてことなの! せっかく見込みのある子だと思ってたのに」

キョン「ふむ。これだけ休むとなると『ヤスミ』じゃなくて『休み』だな。なーんて」ハハハ

ハルヒ「おもしろくないわよ!!」ズビシッ!!

キョン「目がっっ!!?!?」ギャァアア!!

ハルヒ「今日来なかったらどうしようかしら……再募集をかけるしかないかぁ」

キョン「まぁまぁ、ヤスミにだって都合はあるさ」

ハルヒ「SOS団よりも大事な!?」

キョン「道端に落ちてる小銭を探すよりも大事な」

ハルヒ「例えが意味わかんない上に、それそこまで大事じゃないし!」

キョン「まぁまぁ、気長に待とうぜ。その内ヒョッコリ来るさ」

ハルヒ「むぅー」

キョン「お前の方の準備は出来てるのか? 入団試験とかいうやつ」

ハルヒ「百次試験がまだ準備中なのよねー」

キョン「十分すぎるわ。本当に入団させる気あんのかお前」

ハルヒ「当然!! むしろこれぐらい団員なら突破出来て当然だわ!!」

キョン「『第六十七次試験 ひよこのオスメスの鑑定試験』……これ関係あるか?」

ハルヒ「頭ん中覗くなーっ!!!」

キョン「まあ俺は資格持ってるけど……」

ハルヒ「あるのっ!?!?」ガーン!
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/04(水) 00:10:56.35 ID:KRTuMJrq0

ハルヒ「来てるかしら? 来てるわよね? さすがに、うん」

キョン「杞憂だ杞憂。来るときゃ来るんだから待てって」

ハルヒ「そんな楽観的な、悠長なこと言ってられないわよ!! 時間は有限なんだから!!」

キョン「はいはい、っと……あ?」ガチャ

ヤスミ「あっ、おかえりなさいませっ! 先輩っ! フフ!」

ハルヒ「ヤスミちゃん!! やっと来たわね!! 待ち侘びていたわよっ!!」

キョン「来てたはいいが、なにを着て―――」

ヤスミ「メイドでお出迎えしてみました! 朝比奈先輩にご教授いただいて!!」

朝比奈「ご、ご教授なんてそんな、大したものじゃ……」テレテレ

ヤスミ「どうですか先輩っ! 似合ってますか!?」

キョン「あー、にあっ―――」

ヤスミ「いやー! そこまで褒めていただかなくても!! お気持ちは大変嬉しいです!!」

キョン「あの―――」

ヤスミ「そうだっ! すいません! 五日ほど姿を現せず連絡もしないで……」

ハルヒ「それはもうこの際いいわ!! そこまで急いてもなかったしね!!」

キョン「どの口が言うんだ」

ハルヒ「ただ! たっぷり時間があったからある程度入団試験は考えてきたわよ!!」

ヤスミ「おおっ! ということは……今すぐに?」

ハルヒ「もちろんっ! さっそく『第一次試験 マラソン大会』やるわよっ!」

ハルヒ「みんなも参加だからねっ!」クルッ

古泉・朝比奈「「えっ」」

キョン「はい、ユニフォームチェーンジ」パチッ!
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/04(水) 00:15:49.08 ID:KRTuMJrq0

朝比奈「ひいっ、はぁっ、ふぅっ、ふぅ」ゼエゼエ

ハルヒ「みくるちゃん! 諦めちゃダメよ!! 団員たるもの基礎体力はつけとかないと! 先行ってるわよ!」タッタッタ!

ヤスミ「先輩っ! ファイトですっ!! あたしも頑張ります!! それではっ!」タッタッタ!

朝比奈「ひえぇーん!」

キョン「朝比奈さんを5周抜かしするハルヒ、についていくヤスミ。中々骨があるんじゃないか」トットット

古泉「その涼宮さんを背面走りで半周差をつけるあなたは……」タッタッタ

キョン「俺はこうやって走る方が早いんだよ。お先ー」

古泉「既に30分以上は走っていますが……もしや涼宮さんは彼を抜かすまでやめないのでは……?」ハッ!

ハルヒ「待て―っ!! キョーン!! 何人たるものあたしの前は走らせないわよーっ!」ダダダッ!

ヤスミ「ぺ、ペースアップ? さ、さすがはSOS団の団長……ついていきますっ!」ダダダッ!

古泉「もはや本来の目的をお忘れになっているような……」

長門「40分経過」ペラッ

古泉「計測員である長門さんにお尋ねしたいのですが、あとどれくらい走ることになりそうですかね?」

長門「……わたしの予想では」

朝比奈「ひぃ。ふえっ、はぁっ、へぇ」ヘロヘロ

長門「日は跨がないと思われる。つまりあと8時間内には終わる」

朝比奈「ひえぇえ……」フラッ

古泉「朝比奈さーん!! お気を確かに!! あぁっ、白目を剥いて……」ガシッ

キョン「はっはっは、なんなら片足だけで勝負してやろうかー?」

ハルヒ「な、なめるんじゃないわよ!! このぉーっ!!!」ドドドッ!

ヤスミ「! ま、まだ上がる!? ちょ、待っ、えぇええぇええ!?」ドドッ!
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/04(水) 00:20:52.02 ID:KRTuMJrq0

ハルヒ「はっ、はっ、はっ……ふぅー」

ヤスミ「は……は……は……スゥ、はぁー……」グデッ

朝比奈「」

ハルヒ「……や、やるわねみくるちゃん。あれだけ走って息一つ乱さないなんて」

ヤスミ「さ、さすがです朝比奈先輩!!」キラキラ

古泉「多分違うと思いますが!!? 息乱してないんじゃなくて、息してないんですよ!!」ガーン!

長門「……」チョン

朝比奈「っ……はぁ! あ、あれ? ここは?」

キョン「残念だったなハルヒ。結局俺に追いつけずじまいかー」ニヤニヤ

ハルヒ「うぐぐ……ど、同条件じゃなかったからよ! あたしだって後ろ向きで走った方が早いし!」

キョン「もっかい走るか?」

ハルヒ「望むとこ―――」

古泉・ヤスミ「「あの!」」

ヤスミ「あ、すいません。どうぞ」

古泉「失礼。涼宮さん。彼との決着も非常に興味あるのですが、まずはヤスミさんの結果をですね……」

ハルヒ「ヤス………………ハッ!」

古泉「(絶対今思い出した顔してるーっっ!!!)」ガーン!

ヤスミ「あ、あの……ど、どうでしょうか!」

ハルヒ「あーうんうん。しかと! 見てたわよあなたと優美な走り!!」

キョン「ずっとすぐ後ろにつけてたから視界にも入ってないだろ」

ハルヒ「ヤスミちゃん! まず一次試験は突破よ!! おめでとう!!」

ヤスミ「やった!! やりました!!」ワーイ!

ハルヒ「ただ先は長いわよ? まだまだまだまだ! 試験はあるからね! それを覚悟しておくこと!」

ヤスミ「はい! もちろんです!」

ハルヒ「あんたたちもね!」クルッ

古泉・朝比奈「「えっ」」

キョン「よかろう。受けて立つ」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/04(水) 00:25:16.70 ID:KRTuMJrq0

ハルヒ「まだ少し時間あるから続けて二次、三次試験やっちゃうわよっ!」

ヤスミ「はいっ! お願いします!!」

朝比奈「も、もうヘトヘトですぅー……」

古泉「ちなみに試験内容は?」

ハルヒ「『第二次試験 SOS団忠誠心試験』 『第三次試験 サバイバルサドンデス』よ!!」

朝比奈・古泉「「二次と三次の差が酷いっ!!」」ガーン!

ヤスミ「忠誠心試験、ですかっ!?」

ハルヒ「そ。これは簡単よ。SOS団に対する忠誠を示す行為を取ってもらえばいいわ。たとえば……」

長門「……」ペラッ

ハルヒ「有希っ! この子はSOS団に必要不可欠なクール系無口の枠をちゃぁんと理解してるわ!! 合格!」

ヤスミ「なるほどっ!」

朝比奈「ハッ! す、涼宮さん! マラソンでのど渇いてませんか? 今すぐお茶入れますね!」タタタッ

ハルヒ「うんうん! それよみくるちゃん! あなたに求めているものは! 合格!」

キョン「お前へのゴマすり対決みたいになってんじゃねえか」

ヤスミ「むむ。でしたらあたしは……そうだなぁ……あ!」

ヤスミ「んっと……」ゴソゴソ

ハルヒ「?」

ヤスミ「これをお納めください! あたしが個人的に不思議だと思うものを持ってきました!」

ハルヒ「なるほどね! 来なかった五日間はこれのために……で、なにこれ?」

キョン「ん? そりゃ『大怪獣ギャオ―――」

ヤスミ「分かりません!! ですがとても不思議なモノだと思います!! 直感です!」

ハルヒ「ううん、うーん……まぁ、確かに……じゃ……合格?」

キョン「聞かれてもお前の基準は知らん」

ハルヒ「じゃ、合格で!」

ヤスミ「わーい!」

古泉「えっと僕は…………」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/04(水) 00:30:42.08 ID:KRTuMJrq0

古泉「」

ハルヒ「」

朝比奈「うぅ……」ヒリヒリ

長門「……」

キョン「やるじゃねーか新人。まさかお前がここまで残るとは―――」

ヤスミ「さすがは先輩。なんというか……さすがです!」

キョン「……」

ハルヒ「……ハッ! あまりの激痛に少し意識を失ってたわ!」

キョン「ハルヒ。なにがサバイバルサドンデスだ。これただの『激辛シュークリームロシアンルーレット』じゃねえか」

ハルヒ「言い換えたらサバイバルじゃない! 現に古泉くん脱落してるし!」

キョン「脱落するほどの辛さなのか?」

ハルヒ「……いや、実はこれ仕込んだのちょっと前なのよね? だから、その、ね? むしろまだ今日なだけマシっていうか……」

キョン「……消費期限」oh

ハルヒ「……」グッ

キョン「そういう意味じゃむしろ古泉はアタリってわけか」ハッハッハ

ハルヒ「そうなるわね! さすが副団長!!」ハッハッハ!

古泉「わ、笑い事では……はうっ!」ゴロロロロ

ヤスミ「あのっ! 三次試験の結果は……?」

ハルヒ「合格! 危機回避能力の高さが高得点だわ。不思議と対峙する以上、危険はつきものだからね!」

ヤスミ「わーい!」

キョン「適当すぎる。まぁ、言うだけ無駄か……ハルヒ、今日はここまでだろ?」

ハルヒ「そうね! もう暗くなってきたし、残りは後日ってことで今日は帰りましょ!!」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/04(水) 00:35:42.73 ID:KRTuMJrq0

ハルヒ「一日で第三次までやれるなんて良いペースだわ!」

朝比奈「あ、あの……あとどれくらいあるんですか?」

ハルヒ「うーん。まだ途中だけど、今は百次試験の内容を考え中なのよねー」

朝比奈「…………えっ?」

キョン「おーい古泉、帰るぞー。立てるか? いや立つんだ」

古泉「例によってスパルタ……くっ、大丈夫です。家まではなんとか……」フラッ

キョン「古泉、たまには飯でも食いに行くか? 14、5先の駅の近くなんだが……」

古泉「こんな時に!?!? というか場所遠すぎませ―――」

長門「行く」

古泉「……」ゴロゴロピー

キョン「長門も行く気だし、この際全員で―――」

ヤスミ「先輩っ、先輩っ!」クイクイ

キョン「……なんだよ?」

ヤスミ「あの、お願い事があるんですが……いいですか?」

キョン「俺に?」

ヤスミ「先輩に、ですっ」

キョン「……なん―――」

ヤスミ「あのですね……」

ハルヒ「キョーン? 有希と古泉くんとご飯行くって!? それならあたしとみくるちゃん、となんならヤスミちゃんも―――」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/04(水) 00:38:36.52 ID:KRTuMJrq0


















ヤスミ「先輩、あたしとデートして下さい!!!」


















ハルヒ「―――へえっ!!?!?!?!?!?」

朝比奈「ええっ!!?!?」

長門「……」

古泉「なんと……」

キョン「…………」

キョン「え、嫌だけど」

ハルヒ・朝比奈「「ええぇぇえぇぇえぇええぇええええええぇぇっ!!?!?!??!?」」ガーン!
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/04(水) 00:39:57.13 ID:KRTuMJrq0
ここまでー
あと一回投下して終わりになると思います。
お付き合いありがとうございます。
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 03:08:05.26 ID:ocK6mXS3o
乙!
とうとう最後か
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 06:21:00.75 ID:prKUF8vCo
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 15:14:25.00 ID:Y33Id0CHO
乙乙
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/04(水) 17:13:44.34 ID:KRTuMJrq0
一応ある程度書けてはいるので、早ければ今週中に投下したいと思います
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 17:14:24.79 ID:9tecrJuYo
待ってます
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 20:49:51.51 ID:6jAZHgbsO
よかろう(ドンッ)
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/06(金) 15:38:37.40 ID:+0+s5iHM0
17時よりラスト投下しますー
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/06(金) 16:57:20.54 ID:+0+s5iHM0
とうかー
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/06(金) 16:58:11.53 ID:CFJIkbhYO
やっと追い付きました。めっちゃ面白いので頑張って下さい。
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/06(金) 17:03:10.21 ID:+0+s5iHM0

β


橘「はい。北高まで……えっ? あ、いや、あたしたちは北高生ではないんですけど、えーっと」

佐々木「えい、えい……ふぅん。こんな感じか」

藤原「? 何をやっている?」

佐々木「いやね。僕は今『力』を失っているわけだから何もできないわけじゃないか」

佐々木「確認のため、試しにキミに向けてエネルギー的な何かをぶつけてみようと思ったんだけど……」

佐々木「何も起こらなくて新鮮な感じだと思っていたところだよ」

藤原「聞き捨てならないことを言わなかったか!!?!? 僕に!? エネルギー的な?? だと!!?」

佐々木「まあまあ、落ち着きなよ藤原くん」

藤原「くっ……どの口が。まったく」

佐々木「涼宮さんの可愛らしい寝顔でも見て落ち着き給え。ほら」

ハルヒ「スー……」

藤原「いらん。それよりも……さきほど言っていた失われた『力』は涼宮ハルヒの方に還元されつつある。というのはどういう意味だ?」

佐々木「言葉のままさ。どうやらキョンは統合した『力』を涼宮さんに持たせたかったらしい」

佐々木「奇しくも『力』を統合させるという目的は同じだったようだ」

佐々木「感じるかい? 今の僕には分からないけど、涼宮さんの『力』が徐々に大きくなっているのを」

藤原「…………言われて、みれば?」

橘「そんな……感じがしないでも……ない?」

佐々木「くつくつ。そのうち、このタクシーごと爆発したりしてね。まぁそこは涼宮さんの良識と僕たちの運に賭けるしか他ないね」

藤原「……冗談じゃない」

佐々木「僕の『力』の消失は一時的なものに過ぎない。いや、消失というのも語弊があるのかな」

佐々木「藤原くん。収まるべき『器』から放出された『力』はどうなると思う?」

藤原「別の『器』…………そういう魂胆で、あの男は」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/06(金) 17:08:17.24 ID:+0+s5iHM0

佐々木「くつくつ。あくまで仮説にすぎないよ。涼宮さんではなく、そのまま僕に戻ってくることもあったかもしれない」

藤原「賭けだったという訳か?」

佐々木「まあ、キョンならなにかしらの確信を持っていてもおかしくはないけどね」

佐々木「ただ『力』が『器』を必要としているという根拠ならば……」

藤原「あんたの生まれ変わり……だろう。涼宮ハルヒというイレギュラーが現れるまでは『器』はあんたしかいなかったのだから」

佐々木「ご名答」

藤原「アンタは……アンタは『力』によって、『力』を収めるための『器』という役割を担うために……」

佐々木「アカシックレコード、運命の輪、神の意志……藤原くん。キミはキミの生まれた意味を正しく理解できるかい?」

藤原「っ……!」

佐々木「僕は、僕がなんのために生まれ存在するのか、なんて数世紀も前に答えを出しているよ」

佐々木「誰でもない。ただ僕のために生きる。それだけさ。藤原くん、もしかして同情でもしてくれてたのかい?」

藤原「そ、それは……っ!」

佐々木「くつくつ。僕は『力』の“せいで”ここに存在しているんじゃない」

佐々木「『力』の“おかげ”で今ここに、こうしているのさ。僕の存在理由は『力』に依存なんてしていない」

佐々木「分かってくれたかい? 優しい優しい藤原くん」

藤原「っ、茶化すのはやめろ。それに別にあんたの事情なんて気にかけていない」プイッ

佐々木「ああは言うけどね、橘さん。ちょいと頭の中を視ればそりゃもう―――」

藤原「ええい!! 今はそんなことできないだろう!! それにまだ油断や余裕を持てる状態ではないんだろう!」

佐々木「その通りさ。キョンなら、いや、彼らならまたこの世界に戻ってくるだろう」

佐々木「その時までにコトが済めばいいんだが……そうならなかった時は」

佐々木「いよいよ“誰かや何か”の犠牲がでるだろうね」

橘「っ……!」ゾクッ

佐々木「僕自身、それに期待しているのも確かだ。ワクワクしているよ」

佐々木「彼と―――また会うことができることを」
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