右京「成しうる者が為すべきを為す……ですか」

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1 : ◆bG4JuRrKKw [saga]:2017/06/04(日) 22:39:33.04 ID:IgTmY9tU0
相棒とPSYCHO-PASSのクロスです。

PSYCHO-PASSの世界観の日本で犯罪係数制度が導入される前の時代に、相棒の登場人物がいるという設定です。
そのためほぼ相棒の登場人物のみでPSYCHO-PASSのキャラは局長ぐらいしか出ません。PSYCHO-PASS要素はかなり薄いです。

PSYCHO-PASS GENESIS既読です。一部設定をお借りします。しかしSSの都合上他のGENESISの設定は無視します。

その他、両原作の設定との矛盾がでる可能性あります。

以上の点が許せるという方、駄文ですがお付き合いくださると幸いです。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496583572
2 : ◆bG4JuRrKKw [saga]:2017/06/04(日) 22:44:59.69 ID:IgTmY9tU0
右京「成しうる者が為すべきを為す……ですか」

角田「そう。『それこそがシビュラが人類にもたらした恩寵である』ってね」

亀山「どうしたんすか、急に」

角田「いや最近ね、息子がこればっかいってんだよ。シビュラの就職判定がいいとこに出たみたいでさ」

亀山「就職もシビュラシステムで決定か……。なんか、凄い時代になったもんすね」

角田「本当だよなぁ。俺なんかが学生の時は、どんな職に就くかでさんざん迷ったもんだよ」

亀山「そうなんすか? 俺なんかは体動かす事だけが取り柄だったんで、結構すぐ決まりましたけどね」

右京「確か、亀山君は大学もスポーツ推薦でしたからねぇ」

亀山「そうそう。おかげさまで就職先は殆ど迷いませでした」

角田「しっかし、厚生省がこんな隠し玉持ってるとはね。国民ももうだいぶこのシビュラに頼りきりって感じだよ」

右京「システムのアドバイスは確かに役立つ物かもしれませんが、若者には自分の夢と意思も尊重して貰いたいものです」

亀山「やっぱり自分の意思で決めた仕事じゃなきゃ続けらんないっすよね」

3 : ◆bG4JuRrKKw [saga]:2017/06/04(日) 22:49:40.09 ID:IgTmY9tU0
右京の携帯電話 プルルルル……プルルルル……ピッ

右京「杉下です」

米沢『どうも、米沢です。すぐに出てくれて助かりました。 実は現在、杉下警部が恐らく非常に興味を持つであろう現場にいるのですが……』

右京「すぐに伺います。米沢さん、場所を教えて頂けますか」

米沢『もちろんです。現場は東京都……』
4 : ◆bG4JuRrKKw [saga]:2017/06/04(日) 22:56:57.34 ID:IgTmY9tU0
事件現場のアパート

伊丹「この暑い夏に殺しかよ……まったく嫌になる」

芹沢「ほんとですよ。犯人にも、頭ぐらいは冷やしていてもらいたんもんですね」

三浦「しっかし玄関でグサリか……」

右京「具体的には、どこを刺されたのでしょう?」ヒョイ

亀山「みたかんじ、胸みたいっすね」ヒョイ

伊丹「特命係の亀山! お前なんでここに!」

亀山「俺らが何処にいようと勝・手だろ!」

伊丹「なんだと!」

三浦「警部殿も……いつも困ります」

右京「すみませんねぇ」

芹沢「まあ、いいんじゃないですか? いつも事件解決してくれるし……」

伊丹「なんだと芹沢このやろう!」ガシッ

芹沢「ちょ、やめてください先輩、じょーだんですよ!じょーだん!」ジタバタ

右京「では亀山君、奥の部屋の方も拝見しましょう」

亀山「はい」
5 : ◆bG4JuRrKKw [saga]:2017/06/04(日) 23:11:12.80 ID:IgTmY9tU0
奥の部屋

米沢「これはこれは杉下警部、お待ちしていました。……どうです、この部屋?」

右京「そうですねぇ……」ヘヤミマワシ

亀山「え? 俺には小綺麗なアパートの部屋にしか見えないんすけど……なんか変わったところあります?」

右京「……被害者は、本当にここで日常生活を送っていたのでしょうか?」

亀山「は? いやここで殺されたってことは、ここで生活してたんじゃないですか?」

右京「それにしては、あまりにも生活感がなさすぎるような気が僕にはするんですよ!……かといって全くないかというとそうでもない……。おかしいと断言できるほどではありませんが、不自然な部屋に僕には思えます。米沢さん、被害者の身元と死亡推定時刻は?」

米沢「死亡推定時刻は今朝の9時から11時ですな。今が18時ですから、死後8時間前後といったところです。被害者の身元ですが……部屋のどこを探しても身分を証明するような物は何処にもありません。前科者のデータとも照合しましたがヒットしませんでした。携帯端末の類もありません。パソコンのデータは完全に消去。財布からカードも抜き取られています。しかし、現金は手付かずのままでした」
6 : ◆bG4JuRrKKw [saga]:2017/06/04(日) 23:20:24.70 ID:IgTmY9tU0
右京「今時、携帯端末を持っていないとは考え辛い。犯人に持ち去られたと見るべきでしょうね」

亀山「カードを持ってってるところを見ると、物盗りですかね」

右京「物盗りだとすると現金が残っている事に説明がつきません。被害者の身元を隠す為に犯人が持ち去ったと見るべきでしょう」

亀山「部屋は誰が住んでることになってるんですか?」

米沢「鈴木健一という人物になってますが、その人物の勤務先を調べたところ、いわゆるペーパーカンパニーでした」

右京「そうなれば、鈴木健一も恐らく偽名でしょう。」

亀山「手がかりは無しですか……」

米沢「代わりといってはなんですが……これが部屋に仕掛けられてました」

亀山「これは……盗聴器!」

米沢「ええ。それもかなり本格的な物です。さしずめプロ使用といったところでしょうか」

亀山「身分不明の遺体に、プロ仕様の盗聴器……。なんかいやな感じしますね」

右京「……」
7 : ◆bG4JuRrKKw [saga]:2017/06/04(日) 23:32:37.02 ID:IgTmY9tU0
翌日 警視庁・特命係

角田「よっ暇か? ……なにやってんの?」

亀山「課長も知ってるでしょ? アパートで男が殺されてた事件。その捜査資料ですよ。米沢さんからもらいました」

右京「もっとも、被害者の身元がまだわかっていないので捜査も膠着状態なのですが」

角田「へえ……。ってこの男!」

亀山「課長、この男知ってるんですか!?」

角田「知ってるもなにも、俺らが少し前からマークしてる、革龍会のメンバーの一人だよこいつは!」

右京「革龍会というと、反シビュラシステムを掲げていた龍頭会の残党ですか」

角田「さすが警部殿、よくご存じだね。龍頭会が壊滅してからはおとなしくしてたみたいだが、最近なにか怪しいブツを取引してるような不審な動きがあってね、うちでマークしてたんだ」

右京「被害者の男性は前科がなかったということですから、革龍会からのメンバーという事になりますね」

亀山「とにかく革龍会の奴らに話を聞ければ、いっきに事件解決に近づける!」

右京「しかし、反シビュラ団体の残党が簡単に警察に対して口を開いてくれるとは思えません……角田課長」

角田「な、なに?」

右京「彼らから是非、話を伺いたいのですが……ご助力お願いできないでしょうか」

亀山「お願いできないでしょうか!」

角田「……ったくしょうがねえなあもう! ……おいお前ら! 今日革龍会引っ張るぞ! すぐに準備しろ!」

8 : ◆bG4JuRrKKw [saga]:2017/06/04(日) 23:41:42.48 ID:IgTmY9tU0
革龍会・事務所

大木「警察だ! ちょっとお前らに話ききてぇことがあってきたんだが……机の上のそれ、麻薬だな?」

組員「はあ? なに言ってんだてめぇ」

角田「現行犯!全員逮捕!」

暫くして……

亀山「ふう……これで全員ですかね」

角田「多分全員だね。殺されてたって男を引けば、俺達がマークしてた人数とも一致してる」

右京「……おかしいですねぇ」

角田「ええ!? なにが?」

右京「そこの机に組員名簿……記載されているのはトランプを用いた暗号名ですが……この名簿によると組員の数は123……14人いるはずです。ですが今逮捕したのは12人だけです。人数が一致しません」

亀山「123……ほんとっすね。2人足りない。あっ! 殺された男が残りの一人なんじゃないすか?」

角田「ああ、それだな。こういう組織ではね、仲間割れなんかは結構あるもんなんだよ」

右京「それでも、一人足りません」

角田「一人捕まえ損ねたか……まあ後で捕まえるから心配すんな」
9 : ◆bG4JuRrKKw [saga]:2017/06/04(日) 23:56:35.19 ID:IgTmY9tU0
厚生省・公安局長室

禾生局長「まったく面倒なことになったものだな」

局員「申し訳ありません。例の件で尻尾を掴まれたようでして……早急に手を打つ必要があるかと」

禾生「警視庁には私から言っておく。君の方でも事が公にならないよう対処しろ。警視庁の捜査員は案外馬鹿にできない。適当な代役を立てておくのを忘れるな」

局員「了解しました」

禾生「自らの体を傷つけるのは辛いが、悪くなった部分は切り捨ててもいいだろう。そのあたりの見極めは君に任せよう」

局員「はっ……」

禾生「それで、シビュラシステムによるサイマティック・スキャン監視網関連法案の方はどうなっている」

局員「現在関係各所に根回しをしています。長崎の国境警備での運用データがありますから、概ねスムーズに進んでいます。ですが……」

禾生「警察庁の連中かね」

局員「はい。警察庁も必死なんでしょう。公安局が逮捕権を持つことに反対の立場を崩しません」

禾生「我々が逮捕権を持てば、警察庁が厚生省の傘下に収まるしかない事は明白だからな」

局員「どうしましょう」

禾生「まあ急いで事を仕損じることはない。我々には国内監視網運用のモデルケースとなる実績がすでにある。こちらに引き込める手札が揃うまでは言いなりになってやろう」

局員「了解しました。ではそのように」

禾生「例の件、対処は怠るな。……下がりたまえ」

局員「失礼します」スタスタ……ガチャン
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